JP2022179887A - 記録媒体判別装置、画像形成装置及び記録媒体判別方法 - Google Patents

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大介 小林
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昌彦 高橋
Masahiko Takahashi
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Abstract

【課題】より適切に記録媒体の種別を判別することができる記録媒体判別装置、画像形成装置及び記録媒体判別方法を提供する。【解決手段】記録媒体判別装置は、記録媒体に対して検査光を照射する光照射部と、記録媒体に照射された検査光の拡散反射光、及び記録媒体において検査光により励起された蛍光のうち少なくとも一方を含む入射光を検出する光検出部と、第1の検査光に応じた第1の入射光、及び第2の検査光に応じた第2の入射光の光検出部による検出結果に基づいて、記録媒体の一の特性に係る判別を行う判別手段と、を備え、第1の検査光は、強度のピーク波長が750nm以上1100nm以下であり、第2の検査光は、強度のピーク波長が第1の検査光よりも短い。【選択図】図13

Description

本発明は、記録媒体判別装置、画像形成装置及び記録媒体判別方法に関する。
従来、用紙等の記録媒体に色材を付与して画像を形成する画像形成装置において、記録媒体の種別を判別する記録媒体判別装置が用いられている。判別された記録媒体の種別に応じて画像形成に係る条件(例えば、搬送条件や色材の定着条件)を調整することで、より高品位に画像を形成することができる。
記録媒体判別装置としては、記録媒体に所定の波長域の検査光を照射したときの反射光及び/又は蛍光の受光量に基づいて記録媒体の1つの特性に係る判別を行い、この判別結果に基づいて記録媒体の種別を判別するものが知られている(例えば、特許文献1)。判別対象となる記録媒体の特性としては、材質、蛍光増白剤の有無、及び表面の光沢の程度などがある。特許文献1では、紫外波長域の検査光を記録媒体に照射して蛍光の受光量を検出することで、蛍光増白剤の有無を判別している。また、検査光の拡散反射光量を検出することで、光沢の程度を判別している。
特開2006-16166号公報
しかしながら、1つの波長域の検査光によって記録媒体の1つの特性に係る判別を行う上記従来の技術では、判別対象の特性以外の要因で受光量が変動した場合に、記録媒体の特性に係る正確な判別が困難となる。例えば、記録媒体の坪量の相違等に起因して検査光の反射光量が変動した場合に、当該変動が、記録媒体の判別対象の特性によるものであるのか、坪量等の他の要因によるものであるのかを判別することができない。
このように、上記従来の技術では、記録媒体の特性に係る正確な判別が困難な場合があり、記録媒体の種別に係る誤判定が生じやすいという課題がある。
この発明の目的は、より適切に記録媒体の種別を判別することができる記録媒体判別装置、画像形成装置及び記録媒体判別方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の記録媒体判別装置の発明は、
記録媒体に対して検査光を照射する光照射部と、
前記記録媒体に照射された前記検査光の拡散反射光、及び前記記録媒体において前記検査光により励起された蛍光のうち少なくとも一方を含む入射光を検出する光検出部と、
第1の前記検査光に応じた第1の前記入射光、及び第2の前記検査光に応じた第2の前記入射光の前記光検出部による検出結果に基づいて、前記記録媒体の一の特性に係る判別を行う判別手段と、
を備え、
前記第1の検査光は、強度のピーク波長が750nm以上1100nm以下であり、
前記第2の検査光は、強度のピーク波長が前記第1の検査光よりも短い。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の記録媒体判別装置において、
前記判別手段は、前記第1の入射光の前記光検出部による受光量に応じた第1の値と、前記第2の入射光の前記光検出部による受光量に応じた第2の値との比に基づいて前記特性に係る判別を行う。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の記録媒体判別装置において、
前記判別手段は、前記第1の値及び前記第2の値を2軸とする座標平面において予め定められた複数の領域のうち、前記検出結果に対応する座標が含まれる領域に基づいて前記特性に係る判別を行う。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の記録媒体判別装置において、
前記複数の領域は、前記座標平面の前記2軸に対して非平行な直線により区分されている。
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置において、
前記第2の検査光は、強度のピーク波長が390nm以上440nm以下である。
請求項6に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置において、
前記第2の検査光は、強度のピーク波長が280nm以上400nm以下である。
請求項7に記載の発明は、請求項1~6のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置において、
前記第1の検査光は、強度のピーク波長が800nm以上900nm以下である。
請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置において、
前記光検出部は、前記入射光を検出する受光素子を有し、
前記受光素子は、可視波長域から近赤外波長域にわたる波長域に検出感度を有するフォトダイオード又はフォトトランジスタである。
請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置において、
前記記録媒体の搬送経路に対向する位置に設けられた基板を備え、
前記光照射部は、前記検査光を射出する発光素子を有し、
前記光検出部は、前記入射光を検出する受光素子を有し、
前記発光素子及び前記受光素子は、前記基板に設けられている。
請求項10に記載の発明は、請求項1~9のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置において、
前記光照射部は、前記第1の検査光を前記記録媒体に照射する第1の発光素子、及び前記第2の検査光を前記記録媒体に照射する第2の発光素子を有し、
前記光検出部は、前記第1の入射光及び前記第2の入射光を検出する受光素子を有し、
前記第1の発光素子が前記第1の検査光を照射する期間は、前記第2の発光素子が前記第2の検査光を照射する期間と異なる。
請求項11に記載の発明は、請求項1~9のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置において、
前記光照射部は、前記第1の検査光及び前記第2の検査光を含む光を前記記録媒体に照射する発光素子を有し、
前記光検出部は、前記第1の入射光の波長域の光を検出可能な第1の受光素子、及び前記第2の入射光の波長域の光を検出可能な第2の受光素子を有する。
また、上記目的を達成するため、請求項12に記載の画像形成装置の発明は、
請求項1~11のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置と、
前記記録媒体に対して色材を付与して画像を形成する画像形成部と、
を備える。
また、上記目的を達成するため、請求項13に記載の記録媒体判別方法の発明は、
記録媒体に対して検査光を照射する光照射部と、前記記録媒体に照射された前記検査光の拡散反射光、及び前記記録媒体において前記検査光により励起された蛍光のうち少なくとも一方を含む入射光を検出する光検出部と、を備えた記録媒体判別装置を用いた記録媒体判別方法であって、
第1の前記検査光に応じた第1の前記入射光、及び第2の前記検査光に応じた第2の前記入射光の前記光検出部による検出結果に基づいて、前記記録媒体の一の特性に係る判別を行うステップを含み、
前記第1の検査光は、強度のピーク波長が750nm以上1100nm以下であり、
前記第2の検査光は、強度のピーク波長が前記第1の検査光よりも短い。
本発明によれば、より適切に記録媒体の種別を判別することができる。
画像形成装置の概略構成を示す図である。 画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 媒体検査部の構成を示す図である。 媒体検査部による検出対象の光を説明する図である。 第1の発光素子及び第2の発光素子の発光スペクトルの例を示す図である。 受光素子の分光感度特性の例を示す図である。 普通紙及び再生紙の反射スペクトルの例を示す図である。 青み付けの有無による反射スペクトルの相違の例を示す図である。 蛍光増白剤が添加された記録媒体において蛍光を励起する波長と、励起される蛍光の強度との関係の例を示す図である。 蛍光増白剤の添加量による反射スペクトルの相違の例を示す図である。 色紙の色による反射スペクトルの相違の例を示す図である。 坪量に応じた反射光量の例を示す図である。 記録媒体判別処理の制御手順を示すフローチャートである。 普通紙、コート紙、再生紙及び中質紙における、第1の検査光の反射率R1及び第2の検査光の反射率R2の分布例を示す図である。 蛍光強用紙及び蛍光弱用紙における、第1の検査光の反射率R1及び第2の検査光の反射率R2の分布例を示す図である。 実施例1及び実施例3を組み合わせる場合の媒体検査部の構成を示す図である。 白紙及び色紙における第1の検査光の反射率R1及び第2の検査光の反射率R2の分布例を示す図である。 白紙及び色紙における第1の検査光の反射率R1及び第2の検査光の反射率R2の分布例を示す図である。 変形例に係る媒体検査部の構成を示す図である。 第1の受光素子及び第2の受光素子の分光感度特性の例を示す図である。
以下、本発明の記録媒体判別装置、画像形成装置及び記録媒体判別方法に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
(画像形成装置及び記録媒体判別装置の構成)
図1は、本発明の実施形態である画像形成装置1の概略構成を示す図である。
図2は、画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置1は、電子写真方式で記録媒体に画像形成を行うMFP(Multifunction Peripheral)である。画像形成装置1は、制御部10と、媒体検査部20と、画像形成部30と、定着部40と、スキャナー50と、操作表示部60と、通信部70と、給紙トレイ81と、搬送ローラー82と、排紙トレイ83と、バス90などを備えている。図2に示すように、制御部10及び媒体検査部20により、記録媒体の種別の判別を行う記録媒体判別装置2が構成される。画像形成装置1の各部は、バス90により接続されている。
制御部10は、CPU11(Central Processing Unit)、RAM12(Random Access Memory)、及び記憶部13を有する。
CPU11は、記憶部13に記憶されているプログラム131を読み出して実行し、各種演算処理を行う。
RAM12は、CPU11に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。
記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶装置により構成され、CPU11により実行されるプログラム131や各種データ等を格納する。記憶部13に記憶されるデータとしては、スキャナー50により取得された画像データ、通信部70を介して外部から入力された画像データ、後述する記録媒体の判別動作において参照される判別基準データ132などがある。
制御部10は、CPU11が、記憶部13に記憶されたプログラム131を実行して各種処理を行うことで、判別手段として機能する。判別手段としての制御部10は、媒体検査部20から取得したデータに基づいて記録媒体の一の特性に係る判別を行い、この判別結果に基づいて記録媒体の種別を判別する。記録媒体の種別の判別については後に詳述する。
また、制御部10は、CPU11がプログラム131を実行することで、画像形成装置1の各部を統括制御する。例えば、制御部10は、記憶部13に記憶された画像データに基づいて画像形成部30の各部、搬送ローラー82及び定着部40を動作させて記録媒体に画像を形成させる。ここで、CPU11は、記録媒体判別装置2による記録媒体の判別結果に応じて、画像形成装置1の各部の画像形成に係る動作を変更する。一例を挙げると、記録媒体の種別に応じて、搬送ローラー82による搬送速度や挟持圧力を変更する。また、記録媒体の種別に応じて、定着部40による加熱温度や印加圧力を変更する。
媒体検査部20は、給紙トレイ81から排紙トレイ83に至る記録媒体の搬送経路のうち画像形成部30の上流側において、搬送経路に沿う位置に設けられている。ただし、媒体検査部20の位置はこれに限られず、搬送経路に沿う任意の位置に配置可能である。図2に示すように、媒体検査部20は、光照射部21及び光検出部22を備える。光照射部21は、制御部10による制御下で、搬送経路を通る記録媒体に対して検査光を照射する。光検出部22は、記録媒体に照射された検査光の拡散反射光、及び記録媒体において検査光により励起された蛍光のうち少なくとも一方を含む入射光を検出する。媒体検査部20の構成及び動作については後に詳述する。
画像形成部30は、給紙トレイ81から供給された記録媒体に対してトナー(色材)を付与して画像を形成する。画像形成部30は、中間転写ベルト31と、画像形成ユニット32と、転写ローラー33などを備える。中間転写ベルト31は、複数のローラーの周りに架け渡されて周回移動する無端状の帯状部材である。画像形成ユニット32は、中間転写ベルト31に沿って配置されており、印刷対象の画像に係る画像データに基づいて、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色のトナー像を中間転写ベルト31上に形成する。記録媒体が中間転写ベルト31と転写ローラー33とのニップ部を通過する際に、当該記録媒体にトナー像が転写されて画像が形成される。なお、本実施形態ではカラー画像を形成可能な画像形成部30を例示したが、これに限られず、モノクロ画像を形成可能な画像形成部30を用いてもよい。
定着部40は、トナー像が転写された記録媒体を加熱及び加圧して当該記録媒体にトナー像を定着させる。定着部40は、記録媒体を挟持する加熱ローラー及び加圧ローラーからなる一対のローラーを備える。トナー像が定着された記録媒体は、搬送ローラー82により搬送されて排紙トレイ83に送出される。定着部40による加熱条件及び加圧条件は、記録媒体の種別などに応じて、制御部10により制御される。
スキャナー50は、光源や反射鏡などの光学系、及び撮像素子を備え、所定の搬送経路で搬送される記録媒体又はプラテンガラスに載置された記録媒体の画像を読み取って、R(赤)、G(緑)及びB(青)の色ごとのビットマップ形式の画像データを生成する。生成された画像データは、記憶部13に記憶される。この画像データに基づいて画像形成部30による画像形成を行うことで、読み取った画像を別の記録媒体にコピーすることもできる。
操作表示部60は、液晶ディスプレイ等の表示装置と、当該表示装置の画面に重ねられて配置されたタッチパネル、及び操作キー等の入力装置とを備える。操作表示部60は、表示装置において画像形成装置1の動作ステータスや処理結果等の各種表示を行い、また入力装置に対するユーザーの入力操作を操作信号に変換して制御部10に出力する。
通信部70は、ネットワークカードなどにより構成される。通信部70は、LAN(Local Area Network)などの通信ネットワークに接続され、通信ネットワーク上の外部機器と情報の送受信を行う。制御部10は、通信部70を介して、通信ネットワーク上の外部機器と通信を行う。
給紙トレイ81には、画像形成前の記録媒体が収納されている。給紙トレイ81には、複数の種別(種類)の記録媒体が収納されていてもよい。ここで、記録媒体の種別は、記録媒体の材質(原料)、表面処理の状態、蛍光増白剤の有無や量、青み付けの有無、及び色のうち少なくとも1つの特性により特徴付けられる。よって、これらの特性のうち少なくとも1つが互いに異なる記録媒体は、種別の異なる記録媒体である。給紙トレイ81に収納される記録媒体は、例えば、普通紙、コート紙、中質紙、及び再生紙等であり、これらは種別の異なる記録媒体の一例である。普通紙は、木材を材料とするパルプ(すなわち、古紙から再生したものではないパルプ、通常は化学パルプ)を主原料として生成された紙である。コート紙は、表面にコート材などが塗布された紙である。中質紙は、例えば機械パルプを主原料として生成された紙である。再生紙は、古紙から取り出した古紙パルプが所定以上の配合率で配合されている紙である。給紙トレイ81に収納される記録媒体の種別は、上記に限られない。
搬送ローラー82は、1枚の記録媒体を挟持した状態で回転することで当該記録媒体を搬送経路に沿って搬送する。搬送ローラー82による搬送タイミング及び搬送速度は、記録媒体の種別などに応じて、制御部10により制御される。
排紙トレイ83は、画像が形成された記録媒体を、ユーザーにより取り出されるまで載置する。
(媒体検査部の構成)
次に、媒体検査部20の構成について説明する。
図3は、媒体検査部20の構成を示す図である。
図3(a)は、記録媒体Mの搬送経路(搬送面)に平行な方向から見た媒体検査部20の断面図である。図3(b)は、搬送面に垂直な方向(z方向)から見た媒体検査部20の平面図である。媒体検査部20は、記録媒体Mの搬送経路の搬送面に対向する位置に(言い換えると、搬送経路を通る記録媒体Mに対向する位置に)設けられた素子基板23(基板)と、搬送経路に沿って記録媒体Mが移動するように記録媒体Mを支持する通紙ガイド25と、記録媒体Mを挟んで通紙ガイド25の反対側に設けられた光学絞り24などを備える。
素子基板23は、z方向に対して垂直に配置されている。素子基板23の記録媒体Mに対向する面には、光照射部21が有する第1の発光素子211及び第2の発光素子212と、光検出部22が有する受光素子220とが設けられている。第1の発光素子211は、記録媒体Mに第1の検査光L1aを照射する。第2の発光素子212は、記録媒体Mに第2の検査光L2aを照射する。光検出部22は、1つの受光素子220を有する。受光素子220は、入射光量に応じた光電流を出力する。光検出部22は、この光電流を電圧に変換した後にデジタルデータに変換して制御部10に出力する。図3(a)及び図3(b)に示すように、受光素子220は、第1の発光素子211と第2の発光素子212との間に配置されている。第1の発光素子211から受光素子220までの距離と、第2の発光素子212から受光素子220までの距離は等しいことが好ましい。
光学絞り24は、z方向に対して垂直に配置された板状部材であり、第1の発光素子211、第2の発光素子212及び受光素子220と対向する部分を含む範囲に開口を有する。第1の検査光L1a及び第2の検査光L2aは、この開口を通って記録媒体Mに入射する。また、光学絞り24は、開口以外の部分が遮光性を有しており、検査光以外の光が記録媒体Mに入射するのを抑制する。
記録媒体Mは、光学絞り24と通紙ガイド25との隙間を搬送される。当該隙間はz方向に幅を有しているため、記録媒体Mの通過位置は、当該幅の範囲内でz方向に変動し得る。この記録媒体Mの通過位置の変動に応じて、第1の発光素子211、第2の発光素子212及び受光素子220と、記録媒体Mとの距離も変動するが、第1の発光素子211、第2の発光素子212及び受光素子220が素子基板23の同一面上に設けられているため、当該変動が媒体検査部20による検査結果に与える影響を最小限に抑えることができる。
図4は、媒体検査部20による検出対象の光を説明する図である。
記録媒体Mの表面には、光照射部21から射出された検査光LA(上述の第1の検査光L1a又は第2の検査光L2a)が入射する。この検査光LAの記録媒体Mにおける反射光は、表面拡散反射光LB1及び正反射光LCを含む。また、記録媒体Mの内部に入った検査光LAの一部は、内部拡散反射光LB2としてz方向成分を有する方向に拡散反射する。本明細書では、表面拡散反射光LB1及び内部拡散反射光LB2をまとめて「拡散反射光」と記す。また、記録媒体Mに蛍光増白剤が添加されている場合には、検査光LAの波長によっては、記録媒体Mにおいて蛍光LB3が励起される。本実施形態の光検出部22(受光素子220)は、表面拡散反射光LB1、内部拡散反射光LB2及び蛍光LB3を検出する。以下では、第1の検査光L1aの照射に応じて光検出部22の受光素子220に入射する光を「第1の入射光L1b」と記し、第2の検査光L2aの照射に応じて光検出部22の受光素子220に入射する光を「第2の入射光L2b」と記す(図3(a)参照)。受光素子220は、第1の発光素子211及び第2の発光素子212の主発光方向(発光強度が最も高くなる方向)に射出された検査光LAの正反射光LCを受光しない位置に設けられている。なお、単一の受光素子220を設ける構成に代えて、第1の入射光L1bを検出する受光素子と、第2の入射光L2bを検出する受光素子とを別個に設けてもよい。
図5は、第1の発光素子211及び第2の発光素子212の発光スペクトルの例を示す図である。
第1の発光素子211から照射される第1の検査光L1aは、強度のピーク波長(中心波長)が750nm以上1100nm以下である。より好ましくは、第1の検査光L1aの強度のピーク波長は、800nm以上900nm以下である。また、第2の発光素子212から照射される第2の検査光L2aは、強度のピーク波長が第1の検査光L1aよりも短い。第2の検査光L2aのピーク波長は、後述するように検査の目的に応じて設定される。図5では、第1の検査光L1aの強度のピーク波長が850nmであり、第2の検査光L2aの強度のピーク波長が400nmである場合が例示されている。第1の発光素子211及び第2の発光素子212の発光スペクトルの半値幅は、例えば20~30nm程度とすることができるが、これに限られない。第1の発光素子211及び第2の発光素子212としては、例えばLED(Light Emitting Diode)又はLD(Laser Diode)を用いることができるが、これに限られない。
図6は、受光素子220の分光感度特性の例を示す図である。
図6に示すように、光検出部22の受光素子220は、可視波長域から近赤外波長域にわたる波長域に検出感度(受光感度)を有する。ここで、可視波長域は、おおよそ380nm以上780nm以下である。また、近赤外波長域は、おおよそ780nm以上2500nm以下である。受光素子220としては、フォトダイオード又はフォトトランジスタを用いることができる。特に、可視波長域から近赤外波長域にわたる波長域に検出感度を有するSi(シリコン)フォトダイオード、Siフォトトランジスタ、Ge(ゲルマニウム)フォトダイオード、Geフォトトランジスタを好適に用いることができる。これらのフォトダイオード及びフォトトランジスタは、図6に示すように、可視波長域から近赤外波長域にかけて長波長側ほど受光感度が高くなる分光感度特性を有する。よって、蛍光の励起光(紫外波長域)よりも蛍光(可視波長域の青色領域)の受光感度が高いため、後述するように蛍光増白剤の有無や量の判別に好適に用いることができる。特に、受光素子220の窓として石英を用いた場合よりも、硼珪酸ガラスやコーティング樹脂を用いた場合の方が、紫外波長域の受光感度が低くなるため蛍光判別の精度が高くなる。なお、受光素子220としてフォトダイオード及びフォトトランジスタ以外の素子を用いてもよい。
記録媒体Mの検査を行う前に、第1の発光素子211及び第2の発光素子212の各々について発光強度の校正を行っておくことで、受光素子220による受光量から記録媒体Mにおける反射率を算出することができる。すなわち、まず、第1の発光素子211(第2の発光素子212)からの第1の検査光L1a(第2の検査光L2a)の照射範囲に校正用の所定の反射部材を配置し、反射部材における反射光の光検出部22による受光量を検出する。校正用の反射部材としては、標準白色板、所定の用紙、又は所定のシートなどを用いることができる。その後、検査対象の記録媒体Mを媒体検査部20の位置まで搬送し、第1の発光素子211(第2の発光素子212)から記録媒体Mに第1の検査光L1a(第2の検査光L2a)を照射して、光検出部22による第1の入射光L1b(第2の入射光L2b)の受光量を検出する。これらの検出結果から、反射率R1(反射率R2)を算出することができる。本明細書において、反射率は、「記録媒体Mに検査光を照射したときの入射光の受光量/校正用の反射部材に検査光を照射したときの反射光の受光量」で定義されるものとする。したがって、記録媒体Mにおいて蛍光が励起されている場合には、拡散反射光の受光量に加えて蛍光の受光量が反射率に反映される。第1の入射光L1bの光検出部22による受光量から算出された反射率R1は、「第1の値」の一態様である。また、第2の入射光L2bの光検出部22による受光量から算出された反射率R2は、「第2の値」の一態様である。
第1の発光素子211及び第2の発光素子212は、制御部10による制御下で交互に順番に発光する。言い換えると、第1の発光素子211が記録媒体Mに対して第1の検査光L1aを照射する期間は、第2の発光素子212が当該記録媒体Mに対して第2の検査光L2aを照射する期間と異なる。光検出部22は、第1の検査光L1aの照射に応じた第1の入射光L1bと、第2の検査光L2aの照射に応じた第2の入射光L2bとを、交互に順番に検出する。すなわち、本実施形態の媒体検査部20は、時間分割測定を行う。なお、第1の発光素子211及び第2の発光素子212の発光期間が一部重複していてもよい。この場合には、第1の発光素子211のみが発光している期間に第1の入射光L1bを検出し、第2の発光素子212のみが発光している期間に第2の入射光L2bを検出すればよい。
(画像形成装置及び記録媒体判別装置の動作)
次に、画像形成装置1及び記録媒体判別装置2の動作について、記録媒体の種別の判別に係る動作を中心に説明する。
画像形成装置1における記録媒体の最適な搬送条件や定着条件は、記録媒体の種別によって異なる。搬送される記録媒体の種別は、操作表示部60に対するユーザーの操作に応じて設定されてもよいが、毎回設定するのは煩わしく、誤った設定がなされる問題も生じる。このため、本実施形態の画像形成装置1では、記録媒体判別装置2により記録媒体の種別を判別することが可能となっている。具体的には、記録媒体に係る以下の(i)~(iv)の特性の判別結果に基づいて、記録媒体の種別を判別することができる。
(i)記録媒体の材質
(ii)青み付けの有無
(iii)蛍光増白剤の有無及び量
(iv)記録媒体の色
記録媒体に対して検査光を照射し、当該検査光の拡散反射光を受光可能な位置で光を検出すると、その反射スペクトルには、特に紫外波長域から可視波長域からにかけて、記録媒体に係る特性の影響が現れる。本明細書において、反射スペクトルは、拡散反射光のスペクトルと、蛍光のスペクトルとを足し合わせたものとする。以下ではまず、記録媒体に係る上記(i)~(iv)の特性が反射スペクトルに及ぼす影響について説明する。
(i)記録媒体の材質
近赤外波長域よりも短波長側、すなわち可視波長域及び紫外波長域では、記録媒体の材質(原料)によって反射スペクトルが影響を受ける波長域が多く存在する。例えば、古紙パルプを多く含む再生紙では、不純物により光が吸収されるため、図7に示すように、紫外波長域から可視波長域にかけて普通紙よりも反射率が低下する。また、機械パルプを多く含む中質紙では、パルプやリグニンにより光が吸収されるため、同様に紫外波長域から可視波長域にかけて普通紙よりも反射率が低下する。このため、反射率が低下する波長域の検査光を用いて反射率を取得することで、記録媒体の材質の相違に基づく記録媒体の判別が可能である。
(ii)青み付けの有無
青色の染料を記録媒体に添加して白色度を向上させる「青み付け」と呼ばれる工程が行われる場合がある。青み付けが行われた記録媒体では、図8に示すように、染料によって緑色から赤色にかけての波長域(おおよそ500~750nm)に吸収が生じ、相対的に青色波長域の反射率が大きくなる。よって、吸収が生じる波長域の検査光を用いて反射率を取得することで、青み付けの有無に基づく記録媒体の判別が可能である。
(iii)蛍光増白剤の有無や量
記録媒体に蛍光増白剤を添加することにより記録媒体の白色度を向上させる「蛍光増白」と呼ばれる工程が行われる場合がある。蛍光増白剤は、主に紫外波長域の励起光を吸収して青色波長域の蛍光を発する。図9は、蛍光増白剤が添加された記録媒体において蛍光を励起する波長と、励起される蛍光の強度との関係の例を示す図である。図9に示すように、紫外波長域の励起光が吸収されて、より長波長側の青色の蛍光が生じる。この結果、図10に示すように、蛍光によって紫外波長域から可視(青色)波長域にかけての見かけの反射率が増大する。また、添加した蛍光増白剤の量が多いほど反射率が大きく増大する。よって、蛍光が生じる波長域の検査光を用いて反射率を取得することで、蛍光増白剤の有無や量に基づく記録媒体の判別が可能である。
(iv)記録媒体の色
染料(着色材)により着色された色紙では、染料の色に応じた特定の波長域に吸収が生じる。この結果、図11に示すように、色紙の色に対応する波長域の反射率が相対的に大きくなり、所望の色を呈する。よって、染料による吸収が生じる波長域の検査光を用いて反射率を取得することで、色の相違に基づく記録媒体の判別が可能である。
このように、反射スペクトルのうち、特に可視波長域から紫外波長域にかけて、記録媒体の種々の特性の影響が現れる。よって、判別したい特性の影響が現れる波長域の検査光を記録媒体に照射することで、反射光や蛍光の受光量に基づいて記録媒体の特性を判別して記録媒体の種別を特定することができる。
しかしながら、1つの波長域の検査光によって記録媒体の1つの特性に係る判別を行うと、判別対象の特性以外の要因で受光量が変動した場合に、記録媒体の特性に係る正確な判別が困難となる。例えば、図12に示すように、検査光の反射光量は、記録媒体の坪量に応じて変動する。判別対象の記録媒体の坪量が未知である場合には、この坪量に起因する反射光量の変動と、記録媒体の特性に起因する受光量の変動とを区別することができない。このため、1つの波長域の検査光を用いる方法では、記録媒体の特性に係る正確な判別が困難であり、記録媒体の種別に係る誤判定が生じやすい。
他方で、図7、8、10、11に示すように、記録媒体の特性に起因する反射スペクトルの変動は、近赤外波長域ではほとんど生じない。
そこで、本実施形態の記録媒体判別装置2では、記録媒体の特性に起因する変動の少ない近赤外波長域の第1の検査光と、記録媒体の特性による影響が現れる波長域の第2の検査光とを用いて、2波長域に係る波長依存性を考慮して記録媒体の一の特性に係る判別を行う。すなわち、第1の検査光L1aに応じた第1の入射光L1bの受光量に基づいて、第2の検査光L2aに応じた第2の入射光L2bの受光量における、記録媒体の特性以外の要因による変動を差し引く(相殺する)。
上述のとおり、第1の検査光L1aの強度のピーク波長は、750nm以上1100nm以下とする。上限を1100nmとすることで、記録媒体が含有する水に起因する受光量の変動を抑制できる。水は、1450nm及び1940nmの近傍範囲に、水素原子と酸素原子の伸縮運動及び変角振動の結合振動に由来する固有の吸収帯をもつためである。また、第1の検査光L1aの強度のピーク波長を800nm以上900nm以下とすることで、記録媒体の特性の影響をより受けにくくすることができる。
第1の入射光L1b及び第2の入射光L2bの検出結果に基づく記録媒体の特性の判別方法としては、例えば、第1の入射光L1bの受光量から算出された反射率R1と、第2の入射光L2bの受光量から算出された反射率R2との比(以下、反射率比R2/R1と記す)に基づいて判別を行う方法がある。例えば、坪量の相違に起因して反射光量が変動したとしても、この変動は、反射率比R2/R1をとることで相殺することができる。よって、反射率比R2/R1には、坪量の影響を除いた記録媒体の特性の影響が現れる。このため、反射率比R2/R1を用いることで、記録媒体の特性を適切に判別でき、記録媒体の種別を正確に特定することができる。
以下では、記録媒体判別装置2において、記録媒体に係る上記(i)~(iv)の特性を判別する方法について説明する。
<実施例1:記録媒体の材質に係る判別>
まず、実施例1として、記録媒体の材質による検査光の吸収に基づいて記録媒体の種別(紙質)を判別する方法について説明する。
実施例1では、第2の検査光L2aとして、強度のピーク波長が390nm以上440nm以下である光を用いる。これは、図7に示したように、この波長域では、記録媒体の材質に起因する吸収が現れやすいためである。また、下限を390nmとすることで、図9に示した蛍光の主要な励起波長を除外することができる。よって、記録媒体に蛍光増白剤が添加されている場合であっても、蛍光の寄与を少なくできるため、材質に係る判別を高精度に行うことができる。また、図6に示すように、可視波長域から近赤外波長域にかけて長波長側ほど受光感度が高くなる分光感度特性を有する受光素子220を用いているため、蛍光の寄与を低減して材質に係る判別を高精度に行うことができる。なお、紫外波長域に感度を持たない受光素子を用いることで、さらに判別の精度を高めることができる。
続いて、実施例1において記録媒体判別装置2の制御部10により実行される記録媒体判別処理について説明する。ここでは、記録媒体が白紙である場合において、当該記録媒体が普通紙若しくはコート紙であるか、又は再生紙若しくは中質紙であるか、を判別する場合を例に挙げて説明する。この方法によれば、例えば、画像形成装置1の給紙トレイ81に普通紙及び中質紙が収納されている場合に、搬送中の記録媒体が普通紙及び中質紙のいずれであるかを判別することができる。
図13は、記録媒体判別処理の制御手順を示すフローチャートである。
記録媒体判別処理が開始されると、制御部10は、第1の発光素子211により第1の検査光の射出を開始させ、第2の発光素子212により第2の検査光の射出を開始させる(ステップS101)。ここでは、制御部10は、第1の発光素子211及び第2の発光素子212の発光期間が互いに異なるように(例えば交互に)発光させる。
制御部10は、図示略のセンサーからの出力信号に基づいて、媒体検査部20と対向する位置に記録媒体が移動したか否かを判別し(ステップS102)、記録媒体が移動していないと判別された場合には(ステップS102で“NO”)、ステップS102の処理を再度実行する。媒体検査部20と対向する位置に記録媒体が移動したと判別された場合には(ステップS102で“YES”)、制御部10は、受光素子220による第1の入射光L1bの受光量を取得して第1の検査光L1aの反射率R1を算出する。また、制御部10は、受光素子220による第2の入射光L2bの受光量を取得して第2の検査光L2aの反射率R2を算出する(ステップS103)。詳しくは、制御部10は、記録媒体に第1の検査光L1aが照射されているときに受光素子220が受光した光量から反射率R1を算出し、記録媒体に第2の検査光L2aが照射されているときに受光素子220が受光した光量から反射率R2を算出する。
制御部10は、第1の検査光L1a及び第2の検査光L2aの射出を終了させる(ステップS104)。
制御部10は、反射率比R2/R1が基準値V以上であるか否かを判別する(ステップS105)。基準値Vは、判別対象の特性に応じて設定され、判別基準データ132として記憶部13に記憶されている。本実施例では、基準値Vは0.88であるものとする。
反射率比R2/R1が基準値V以上であると判別された場合には(ステップS105で“YES”)、制御部10は、記録媒体が普通紙又はコート紙であると判別する(ステップS106)。また、反射率比R2/R1が基準値V未満であると判別された場合には(ステップS105で“NO”)、制御部10は、記録媒体が再生紙又は中質紙であると判別する(ステップS107)。
ステップS106又はS107が終了すると、制御部10は、記録媒体の種別の判別結果に応じて画像形成に係る設定を変更し(ステップS108)、記録媒体判別処理を終了させる。なお、引き続き別の記録媒体の検査を行う場合には、ステップS108の終了後に処理をステップS101に戻してもよい。
ここで、ステップS103~S106における判別方法について詳しく説明する。
図14は、普通紙、コート紙、再生紙及び中質紙における、第1の検査光L1aの反射率R1及び第2の検査光L2aの反射率R2の分布例を示す図である。詳しくは、普通紙、コート紙、再生紙及び中質紙について、ピーク波長850nmの第1の検査光L1aの反射率R1と、ピーク波長405nmの第2の検査光L2aの反射率R2とを取得してプロットしたものである。
図14における基準直線S1は、反射率比R2/R1=0.88に相当する直線である。言い換えると、基準直線S1は、原点を通り傾きが基準値Vの1次関数(比例式)である。反射率R1、R2を2軸とする座標平面は、基準直線S1によって2つの領域Aa、Abに区分される。領域Aaは、反射率比R2/R1≧Vに相当し、領域Abは、反射率比R2/R1<Vに相当する。普通紙及びコート紙のプロットは領域Aaに分布し、再生紙及び中質紙のプロットは領域Abに分布している。このことから、任意の記録媒体を媒体検査部20で検査したときの入射光量の検出結果が反射率比R2/R1≧Vを満たす場合(領域Aaに含まれる場合)には普通紙又はコート紙であると判別することができ、反射率比R2/R1<Vを満たす場合(領域Abに含まれる場合)には再生紙又は中質紙であると判別することができる。
このような方法によれば、上述のとおり、記録媒体の特性以外に反射率R1、R2を変動させる要因があったとしても、当該要因による影響を相殺して記録媒体の特性を正確に判別することができる。例えば、図14のデータでは、記録媒体の坪量の相違に起因して反射率R1、R2がばらついている。これは、記録媒体の特性に起因する変動が少ないはずの第1の検査光L1aの反射率R1がばらついていることから判別できる(普通紙及びコート紙では反射率R1=0.46~1.15、再生紙及び中質紙では反射率R1=0.78~1.05)。坪量の相違に起因する反射率のばらつきが、第2の検査光L2aの反射率R2にも反映される影響で、普通紙及びコート紙の反射率R2の分布範囲(0.48~1.1)と、再生紙及び中質紙の反射率R2の分布範囲(0.6~0.8)とが一部重なっている。このため、単に第2の検査光L2aの反射率R2のみを用いると、記録媒体の紙質を正確に判別できない。これに対し、本実施形態のように第1の検査光L1a及び第2の検査光L2aの反射率比R2/R1を用いることで、2波長域に係る波長依存性を考慮した判別を行うことができる。すなわち、図14において単に縦軸の反射率R2のみを用いるのではなく、横軸の反射率R1との比を用いることで、記録媒体の材質以外の要因を相殺することができる。
図14では、傾きが基準値Vである比例式を基準直線S1としたが、これに限られない。基準直線S1は、反射率R1、R2を2軸とする座標平面上で当該2軸に対して非平行な任意の直線であってもよい。言い換えると、基準直線S1は、任意の定数a、b(ただしa≠0)に対してR2=a・R1+bで表されてもよい。この場合には、ステップS104において、R2≧a・R1+bを満たす場合にステップS105に分岐し、満たさない場合にステップS106に分岐すればよい。また、定数a、bは、予め設定されて判別基準データ132として記憶部13に記憶される。
また、2以上の基準直線により、座標平面を3つ以上の領域に区分し、これらの領域のうち、記録媒体を媒体検査部20で検査したときの入射光量の検出結果に対応する座標が含まれる領域に基づいて記録媒体の判別を行ってもよい。
なお、上記方法によれば再生紙のうち再生上質紙を好適に判別できる。再生上質紙は、古紙パルプの配合率が70%以上、かつ、白色度が75以下の紙である。古紙パルプの配合率が小さい(例えば数10%程度の)紙は、パルプ中の不純物による吸収の影響が小さく、また、古紙パルプ配合率が100%と表記されている紙でも、パルプの漂白や填料、蛍光増白剤などの薬品を用いて白色度を上げている場合は用紙物性が普通紙、上質紙に近いためである。
<実施例2:青み付けの有無に係る判別>
青み付けの有無は、実施例1と同様の方法で判別できる。この場合には、図14において、青み付けを行った記録媒体が領域Aaに属し、青み付けを行っていない記録媒体が領域Abに属するように基準直線S1を設定すればよい。
<実施例3:蛍光増白剤の有無及び量に係る判別>
次に、実施例3として、蛍光増白剤の有無及び量を判別する方法について説明する。
実施例3では、第2の検査光L2aとして、強度のピーク波長が280nm以上400nm以下である光を用いる。一般的に記録媒体に用いられる蛍光増白剤は、スチルベンゼン系、ジスチリルビフェニル系、クマリン系、オキサゾール系など共役二重結合を有して平面構造となる分子が多い。これらの材料は、約280nmから約400nmの紫外光を吸収して励起状態に遷移し、再び基底状態に緩和にするときに約400nmから約500nmの青色の蛍光を発する。よって、実施例3では、第2の検査光L2aの波長域と、当該第2の検査光L2aに応じた第2の入射光L2b(主に蛍光)の波長域とが異なる。上記の波長域の第2の検査光L2aを用いることで、蛍光を検知できるため、蛍光増白剤の有無及び量を精度よく判別することができる。また、図6に示すように、可視波長域から近赤外波長域にかけて長波長側ほど受光感度が高くなる分光感度特性を有する受光素子220を用いることで、励起光(第2の検査光L2a)の反射光の寄与を低減して蛍光(第2の入射光L2b)の検知を高精度に行うことができる。
図15は、蛍光強用紙及び蛍光弱用紙における、第1の検査光L1aの反射率R1及び第2の検査光L2aの反射率R2の分布例を示す図である。ここで、蛍光強用紙は、所定量以上の蛍光増白剤が添加されている記録媒体である。また、蛍光弱用紙は、蛍光増白剤が添加されていないか、添加量が所定量未満である記録媒体である。図15は、蛍光強用紙及び蛍光弱用紙について、ピーク波長850nmの第1の検査光L1aの反射率R1と、ピーク波長280nmの第2の検査光L2aの反射率R2とを取得してプロットしたものである。
図15における基準直線S2は、反射率比R2/R1=0.38に相当する直線である。言い換えると、基準直線S2は、原点を通り傾きが基準値V(=0.38)の1次関数(比例式)である。反射率R1、R2を2軸とする座標平面は、基準直線S2によって2つの領域Ba、Bbに区分される。領域Baは、反射率比R2/R1≧Vに相当し、領域Bbは、反射率比R2/R1<Vに相当する。蛍光強用紙のプロットは領域Baに分布し、蛍光弱用紙のプロットは領域Bbに分布している。このことから、任意の記録媒体を媒体検査部20で検査したときの入射光量の検出結果が反射率比R2/R1≧Vを満たす場合(領域Baに含まれる場合)には蛍光強用紙であると判別することができ、反射率比R2/R1<Vを満たす場合(領域Bbに含まれる場合)には蛍光強用紙であると判別することができる。すなわち、実施例3で記録媒体の判別を行う場合には、図13のフローチャートにおけるステップS105を「蛍光強用紙と判別」に変更し、ステップS105を「蛍光弱用紙と判別」に変更すればよい。
実施例3においても、第1の検査光L1a及び第2の検査光L2aの反射率比R2/R1を用いることで、2波長域に係る波長依存性を考慮した判別を行うことができる。すなわち、図15において単に縦軸の反射率R2のみを用いるのではなく、横軸の反射率R1との比率を用いることで、蛍光増白剤以外の要因を相殺することができる。
実施例1、2と同様、基準直線S2は、任意の定数a、b(ただしa≠0)に対してR2=a・R1+bで表されてもよい。また、2以上の基準直線により、座標平面を3つ以上の領域に区分し、記録媒体を媒体検査部20で検査したときの入射光量の検出結果に対応する座標がいずれの領域に属するかに基づいて蛍光増白剤の量の判別を行ってもよい。
<実施例1+実施例3:記録媒体の材質及び蛍光増白の双方に係る判別>
実施例1と実施例3とを組み合わせてもよい。すなわち、1枚の記録媒体に対し、実施例1の材質に係る判別と、実施例3の蛍光増白剤に係る判別とを併せて行うこともできる。
図16は、実施例1及び実施例3を組み合わせる場合の媒体検査部20の構成を示す図である。
図16に示すように、Z方向から見て、光検出部22の受光素子220を中心とする円上に、1つの第1の発光素子211、及び2つの第2の発光素子212(第2の発光素子2121、2122)が等間隔に配置されている。このうち第2の発光素子2121は、実施例1のように、強度のピーク波長が390nm以上440nm以下である第2の検査光L2aを記録媒体に照射する。また、第2の発光素子2122は、実施例3のように、強度のピーク波長が280nm以上400nm以下である第2の検査光L2aを記録媒体に照射する。図16の構成では、第1の発光素子211、及び2つの第2の発光素子2121、2122は、照射期間が互いに異なるように順番に発光する。第1の発光素子211からの第1の検査光L1aの反射率R1と、第2の発光素子2121からの第2の検査光L2aの反射率R2とから、記録媒体の材質に係る判別を行うことができる。また、第1の発光素子211からの第1の検査光L1aの反射率R1と、第2の発光素子2122からの第2の検査光L2aの反射率R2とから、蛍光増白剤に係る判別を行うことができる。
なお、図16の構成を用いることで、実施例2と実施例3を組み合わせることもできる。
<実施例4:記録媒体の色に係る判別>
次に、実施例4として、記録媒体の色を判別する方法について説明する。
実施例4では、第2の検査光L2aとして、色紙の染料の吸収波長の光を用いる。これにより、対応する色の記録媒体を判別することができる。
例えば、ピーク波長が600nm以上700nm未満である第2の検査光L2aを用いることで、600nm以上700nm未満の波長域に大きな吸収を持つ紙(例えば、青色、赤色、緑色、黄色、桃色、浅緑色、浅黄色、淡象牙色、オレンジ色系の紙)と、白紙とを判別することができる。
図17は、白紙及び色紙における第1の検査光L1aの反射率R1及び第2の検査光L2aの反射率R2の分布例を示す図である。詳しくは、白紙及び色紙について、ピーク波長850nmの第1の検査光L1aの反射率R1と、ピーク波長670nmの第2の検査光L2aの反射率R2とを取得してプロットしたものである。
図17における基準直線S3は、白紙のプロットと色紙のプロットとを区分するように設定される。反射率R1、R2を2軸とする座標平面は、基準直線S3によって、白紙のプロットを含む領域Ca、及び色紙のプロットを含む領域Cbに区分される。任意の記録媒体を媒体検査部20で検査したときの入射光量の検出結果に対応する座標が領域Ca、Cbのいずれに属するかによって、白紙か色紙かを判別することができる。
また、ピーク波長が500nm以上600nm未満である第2の検査光L2aを用いることで、500nm以上600nm未満の波長域に大きな吸収を持つ紙(例えば、青色、緑色、黄色、水色、浅黄色、浅緑色系の紙)と、白紙とを判別することができる。
図18は、白紙及び色紙における第1の検査光L1aの反射率R1及び第2の検査光L2aの反射率R2の分布例を示す図である。詳しくは、白紙及び色紙について、ピーク波長850nmの第1の検査光L1aの反射率R1と、ピーク波長525nmの第2の検査光L2aの反射率R2とを取得してプロットしたものである。
図18における基準直線S4は、白紙のプロットと色紙のプロットとを区分するように設定される。反射率R1、R2を2軸とする座標平面は、基準直線S4によって、白紙のプロットを含む領域Da、及び色紙のプロットを含む領域Dbに区分される。任意の記録媒体を媒体検査部20で検査したときの入射光量の検出結果に対応する座標が領域Da、Dbのいずれに属するかによって、白紙か色紙かを判別することができる。
同様に、ピーク波長が350nm以上500nm未満である第2の検査光L2aを用いることで、350nm以上500nm未満の波長域に大きな吸収を持つ紙(例えば、赤色、緑色、黄色、桃色、浅緑色系の紙)と、白紙とを判別することができる。この場合における反射率の分布図は省略する。
第1の検査光L1aと、波長域が異なる2以上の第2の検査光L2aとを用いることで、より詳細に記録媒体の色を判別することもできる。例えば、波長域が異なる2つの第2の検査光L2aを用いる場合には、図16と同様に、1つの第1の発光素子211と、発光波長の異なる2つの第2の発光素子212とを用いればよい。また、波長域が異なる3つの第2の検査光L2aを用いる場合には、さらに発光波長の異なる第2の発光素子212を追加すればよい。
実施例4においても、第1の検査光L1a及び第2の検査光L2aの反射率比R2/R1を用いることで、2波長域に係る波長依存性を考慮した判別を行うことができる。すなわち、図17及び図18において単に縦軸の反射率R2のみを用いるのではなく、横軸の反射率R1との比率を用いることで、記録媒体の色以外の要因を相殺することができる。
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。以下では、上記実施形態との相違点について述べる。
図19は、変形例に係る媒体検査部20の構成を示す図である。図19(a)は、搬送面に平行な方向から見た媒体検査部20の断面図である。図19(b)は、搬送面に垂直な方向(z方向)から見た媒体検査部20の平面図である。
本変形例の光照射部21は、1つの発光素子210を備える。発光素子210は、第1の検査光L1a及び第2の検査光L2aを含む光を記録媒体Mに照射する。発光素子210としては、第1の検査光L1a及び第2の検査光L2aを含む波長範囲(例えば、紫外波長域から近赤外波長域まで)の発光スペクトルを有するランプ(例えば、ハロゲン、重水素、タングステン、キセノン等)を用いることができる。
光検出部22は、第1の入射光L1bの波長域の光を検出可能な第1の受光素子221、及び第2の入射光L2bの波長域の光を検出可能な第2の受光素子222を有する。例えば、第1の受光素子221は、上記実施形態の受光素子220に、第1の入射光L1bの波長範囲の光を選択的に透過させるフィルターを積層させたものを用いることができる。また、第2の受光素子222は、上記実施形態の受光素子220に、第2の入射光L2bの波長範囲の光を選択的に透過させるフィルターを積層させたものを用いることができる。このような構成により、第1の受光素子221及び第2の受光素子222は、図20に示す分光感度特性を有する。すなわち、第1の受光素子221は、例えば波長850nmに感度のピークP1を有する。また、第2の受光素子222は、例えば波長400nmに感度のピークP2を有する。よって、図19(a)に示すように、第1の受光素子221及び第2の受光素子222にはそれぞれ第1の入射光L1b及び第2の入射光L2bを含む光が入射するところ、第1の受光素子221は第1の入射光L1bを選択的に検出し、第2の受光素子222は第2の入射光L2bを選択的に検出することができる。第2の受光素子222の感度のピーク波長は、第2の検査光L2aの波長域(したがって、第2の入射光L2bの波長域)に合わせて適宜変更される。
このように、本変形例は、空間分割測定を行うものであるため、時間分割測定が不要となる利点を有する。すなわち、発光素子210の照射期間において、任意のタイミングで(例えば同時に)第1の受光素子221及び第2の受光素子222による光の検出を行うことができる。
以上のように、本実施形態に係る記録媒体判別装置2は、記録媒体に対して検査光を照射する光照射部21と、記録媒体に照射された検査光の拡散反射光、及び記録媒体において検査光により励起された蛍光のうち少なくとも一方を含む入射光を検出する光検出部22と、第1の検査光L1aに応じた第1の入射光L1b、及び第2の検査光L2aに応じた第2の入射光L2bの光検出部22による検出結果に基づいて、記録媒体の一の特性に係る判別を行う判別手段としての制御部10と、を備え、第1の検査光L1aは、強度のピーク波長が750nm以上1100nm以下であり、第2の検査光L2aは、強度のピーク波長が第1の検査光L1aよりも短い。これによれば、記録媒体の特性の影響を受けにくい近赤外波長域の第1の検査光L1aを含む2波長域の検査光を用いることで、記録媒体の拡散反射光及び/又は蛍光の2波長域に係る波長依存性を考慮して記録媒体の一の特性を適切に判別することができる。すなわち、第1の入射光L1bの受光量に基づいて、第2の入射光L2bの受光量における、記録媒体の特性以外の要因による変動を差し引くことができるため、所望の特性に係る判別を適切に行うことができる。この特性の判別結果を用いることで、記録媒体の種別の判別を高精度に行うことができる。また、既知の記録媒体について取得したデータとの比較を行う必要がないため、未知の記録媒体に対しても紙種等の判別を行うことができる。
また、制御部10は、第1の入射光L1bの光検出部22による受光量に応じた反射率R1(第1の値)と、第2の入射光L2bの光検出部22による受光量に応じた反射率R2(第2の値)との比に基づいて記録媒体の特性に係る判別を行う(判別手段)。これにより、記録媒体の判別対象の特性以外の反射率の変動要因を相殺して、高精度に特性の判別を行うことができる。例えば、発光素子及び受光素子と記録媒体との位置関係がずれて反射率が変動したり、記録媒体の坪量の相違に起因して反射率が変動したりした場合であっても、反射率比を用いることで当該変動を相殺することができる。
また、制御部10は、反射率R1及び反射率R2を2軸とする座標平面において予め定められた複数の領域のうち、検出結果に対応する座標が含まれる領域に基づいて特性に係る判別を行う(判別手段)。これによれば、より正確に記録媒体の特性を判別可能であり、記録媒体の種別の判別制度を高めることができる。
また、複数の領域は、座標平面の2軸に対して非平行な基準直線により区分されている。これによれば、記録媒体の拡散反射光及び/又は蛍光の波長依存性を考慮した特性の判別が可能である。
また、実施例1、2において、第2の検査光L2aは、強度のピーク波長が390nm以上440nm以下である。これにより、紫色の波長域で吸収を生じる特性、例えば記録媒体の材質や青み付けの有無等を判別することができる。
また、実施例3において、第2の検査光L2aは、強度のピーク波長が280nm以上400nm以下である。これにより、蛍光増白剤の有無や量を判別することができる。
また、第1の検査光L1aは、強度のピーク波長が800nm以上900nm以下である。これにより、記録媒体の特性の影響による第1の検査光L1aの反射率変動をより低く抑えて、特性の判別精度を向上させることができる。
また、光検出部22は、受光素子220を有し、当該受光素子220は、可視波長域から近赤外波長域にわたる波長域に検出感度を有するフォトダイオード又はフォトトランジスタである。これにより、紫外波長域の励起光の影響を抑えて、蛍光や、可視波長域の青色の拡散反射光及び/又は蛍光を高感度で検出することができる。よって、記録媒体の材質の判別や、蛍光増白剤の有無や量の判別を高精度に行うことができる。
また、記録媒体判別装置2は、記録媒体の搬送経路に対向する位置に設けられた素子基板23を備え、光照射部21は第1の発光素子211及び第2の発光素子212を有し、光検出部22は受光素子220を有し、第1の発光素子211、第2の発光素子212及び受光素子220は素子基板23に設けられている。これにより、素子基板23と記録媒体とのz方向の距離が変動しても、特性の判別結果に与える影響を小さく抑えることができる。
また、光照射部21は、第1の検査光L1aを記録媒体に照射する第1の発光素子211、及び第2の検査光L2aを記録媒体に照射する第2の発光素子212を有し、光検出部22は、第1の入射光L1b及び第2の入射光L2bを検出する受光素子220を有し、第1の発光素子211が第1の検査光L1aを照射する期間は、第2の発光素子212が第2の検査光L2aを照射する期間と異なる。これにより、受光素子220の構成、及び受光素子220による検出結果の処理に係る構成や処理内容を簡素化することができる。また、受光素子220の経時変化の影響を受けにくくすることができる。
また、変形例において、光照射部21は、第1の検査光L1a及び第2の検査光L2aを含む光を記録媒体に照射する発光素子210を有し、光検出部22は、第1の入射光L1bの波長域の光を検出可能な第1の受光素子221、及び第2の入射光L2bの波長域の光を検出可能な第2の受光素子221を有する。これによれば、第1の受光素子221及び第2の受光素子222による同時検出が可能であるため、検査時間を短縮することができる。原理的には、1回の検査光の照射、及び入射光の検出によって記録媒体の種別を判別することも可能である。また、発光素子210の経時変化の影響を受けにくくすることができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置1は、上記の記録媒体判別装置2と、記録媒体に対して色材を付与して画像を形成する画像形成部30と、を備える。これにより、画像形成装置1において記録媒体の種別を適切に判別することができる。
また、本実施形態に係る記録媒体判別方法は、記録媒体に対して検査光を照射する光照射部21と、記録媒体に照射された検査光の拡散反射光、及び記録媒体において検査光により励起された蛍光のうち少なくとも一方を含む入射光を検出する光検出部22と、を備えた記録媒体判別装置2による記録媒体判別方法であって、第1の検査光L1aに応じた第1の入射光L1b、及び第2の検査光L2aに応じた第2の入射光L2bの光検出部22による検出結果に基づいて、記録媒体の一の特性に係る判別を行うステップを含み、第1の検査光L1aは、強度のピーク波長が750nm以上1100nm以下であり、第2の検査光L2aは、強度のピーク波長が第1の検査光L1aよりも短い。これにより、記録媒体の拡散反射光及び/又は蛍光の2波長域に係る波長依存性を考慮して記録媒体の一の特性を適切に判別することができる。この特性の判別結果を用いることで、記録媒体の種別の判別を高精度に行うことができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、記録媒体判別装置2が画像形成装置1に組み込まれている例を用いて説明したが、これに限られず、記録媒体判別装置2は、画像形成装置1とは別個独立に設けられた装置であってもよい。
また、第1の値として反射率R1を例示し、第2の値として反射率R2を例示したが、これに限られない。第1の値は、第1の入射光L1bの光検出部22による受光量に係る任意の値であってよく、例えば受光量そのものであってもよい。同様に、第2の値は、第2の入射光L2bの光検出部22による受光量に係る任意の値であってよく、例えば受光量そのものであってもよい。
また、記録媒体の判別対象の特性は、実施形態に例示したものに限られない。近赤外波長域の第1の検査光L1aの反射率に影響が現れにくく、これより短波長域の第2の検査光L2aの反射率に影響が現れる任意の特性を判別対象とすることができる。
また、画像形成装置における画像の形成方式として電子写真方式を例示したが、これに限られず、画像の形成方式は任意である。例えば、記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット方式であってもよい。
また、記録媒体は紙に限られず、樹脂シートや布帛などであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
1 画像形成装置
2 記録媒体判別装置
10 制御部(判別手段)
11 CPU
12 RAM
13 記憶部
131 プログラム
132 判別基準データ
20 媒体検査部
21 光照射部
210 発光素子
211 第1の発光素子
212、2121、2122 第2の発光素子
22 光検出部
220 受光素子
221 第1の受光素子
222 第2の受光素子
23 素子基板(基板)
24 光学絞り
25 通紙ガイド
30 画像形成部
40 定着部
50 スキャナー
60 操作表示部
70 通信部
81 給紙トレイ
82 搬送ローラー
83 排紙トレイ
90 バス
L1a 第1の検査光
L1b 第1の入射光
L2a 第2の検査光
L2b 第2の入射光
LA 検査光
LB1 表面拡散反射光
LB2 内部拡散反射光
LB3 蛍光
LC 正反射光
M 記録媒体
R1 反射率(第1の値)
R2 反射率(第2の値)

Claims (13)

  1. 記録媒体に対して検査光を照射する光照射部と、
    前記記録媒体に照射された前記検査光の拡散反射光、及び前記記録媒体において前記検査光により励起された蛍光のうち少なくとも一方を含む入射光を検出する光検出部と、
    第1の前記検査光に応じた第1の前記入射光、及び第2の前記検査光に応じた第2の前記入射光の前記光検出部による検出結果に基づいて、前記記録媒体の一の特性に係る判別を行う判別手段と、
    を備え、
    前記第1の検査光は、強度のピーク波長が750nm以上1100nm以下であり、
    前記第2の検査光は、強度のピーク波長が前記第1の検査光よりも短い、記録媒体判別装置。
  2. 前記判別手段は、前記第1の入射光の前記光検出部による受光量に応じた第1の値と、前記第2の入射光の前記光検出部による受光量に応じた第2の値との比に基づいて前記特性に係る判別を行う、請求項1に記載の記録媒体判別装置。
  3. 前記判別手段は、前記第1の値及び前記第2の値を2軸とする座標平面において予め定められた複数の領域のうち、前記検出結果に対応する座標が含まれる領域に基づいて前記特性に係る判別を行う、請求項1又は2に記載の記録媒体判別装置。
  4. 前記複数の領域は、前記座標平面の前記2軸に対して非平行な直線により区分されている、請求項3に記載の記録媒体判別装置。
  5. 前記第2の検査光は、強度のピーク波長が390nm以上440nm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置。
  6. 前記第2の検査光は、強度のピーク波長が280nm以上400nm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置。
  7. 前記第1の検査光は、強度のピーク波長が800nm以上900nm以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置。
  8. 前記光検出部は、前記入射光を検出する受光素子を有し、
    前記受光素子は、可視波長域から近赤外波長域にわたる波長域に検出感度を有するフォトダイオード又はフォトトランジスタである、請求項1~7のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置。
  9. 前記記録媒体の搬送経路に対向する位置に設けられた基板を備え、
    前記光照射部は、前記検査光を射出する発光素子を有し、
    前記光検出部は、前記入射光を検出する受光素子を有し、
    前記発光素子及び前記受光素子は、前記基板に設けられている、請求項1~8のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置。
  10. 前記光照射部は、前記第1の検査光を前記記録媒体に照射する第1の発光素子、及び前記第2の検査光を前記記録媒体に照射する第2の発光素子を有し、
    前記光検出部は、前記第1の入射光及び前記第2の入射光を検出する受光素子を有し、
    前記第1の発光素子が前記第1の検査光を照射する期間は、前記第2の発光素子が前記第2の検査光を照射する期間と異なる、請求項1~9のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置。
  11. 前記光照射部は、前記第1の検査光及び前記第2の検査光を含む光を前記記録媒体に照射する発光素子を有し、
    前記光検出部は、前記第1の入射光の波長域の光を検出可能な第1の受光素子、及び前記第2の入射光の波長域の光を検出可能な第2の受光素子を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の記録媒体判別装置と、
    前記記録媒体に対して色材を付与して画像を形成する画像形成部と、
    を備える画像形成装置。
  13. 記録媒体に対して検査光を照射する光照射部と、前記記録媒体に照射された前記検査光の拡散反射光、及び前記記録媒体において前記検査光により励起された蛍光のうち少なくとも一方を含む入射光を検出する光検出部と、を備えた記録媒体判別装置を用いた記録媒体判別方法であって、
    第1の前記検査光に応じた第1の前記入射光、及び第2の前記検査光に応じた第2の前記入射光の前記光検出部による検出結果に基づいて、前記記録媒体の一の特性に係る判別を行うステップを含み、
    前記第1の検査光は、強度のピーク波長が750nm以上1100nm以下であり、
    前記第2の検査光は、強度のピーク波長が前記第1の検査光よりも短い、記録媒体判別方法。
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