JP2022179393A - 熔融塩原子炉プラント - Google Patents

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Abstract

Figure 2022179393000001
【課題】崩壊熱が発生しても容器や構成機器の材料等へダメージが及ばないようにすることが可能な温度調節の機能を備える熔融塩原子炉プラントを提供すること。
【解決手段】熔融塩原子炉プラントは、原子炉室11と、当該原子炉室11内に設置される原子炉容器21と、を備えるものである。原子炉容器21の内部に設けられる炉心22には、熔融塩が供給される。また、熔融塩原子炉プラントは、原子炉容器21を囲うように原子炉室11内に設置される格納容器4と、当該原子炉容器21及び格納容器4の間の気体の温度を調節するため所定位置に設置される気体温度調節手段7と、を更に備えるものである。気体温度調節手段7としては、空冷熱交換器701等が含まれる。
【選択図】図7

Description

本発明は、熔融塩原子炉プラントに関する。
従来より、例えば特許文献1に示されるような熔融塩原子炉(単に原子炉と呼ぶこともある)が知られる。
特開2020-91178号公報
原子炉停止後の燃料塩において崩壊熱が発生しており、例えば特許文献1に記載の技術を含む従来技術では、一次熱交換器を利用して崩壊熱の冷却を行えるように構成されている。なお、崩壊熱の発生により、容器や構成機器の材料等にダメージを与えてしまうと言う懸念がある。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、崩壊熱が発生しても容器や構成機器の材料等へダメージが及ばないようにすることが可能な温度調節の機能を備えた熔融塩原子炉プラントを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様の熔融塩原子炉プラントは、
原子炉室と、当該原子炉室内に設置される原子炉容器と、を備え、当該原子炉容器の内部に設けられた炉心に燃料塩が流れる際に核分裂反応が起こり、当該核分裂反応によって発生した熱エネルギーが熱交換により冷却塩に伝えられる、熔融塩原子炉プラントにおいて、
前記原子炉容器を囲うように前記原子炉室内に設置される格納容器と、当該原子炉容器及び当該格納容器の間の気体の温度を調節する気体温度調節手段と、を更に備えるものである。
本発明によれば、気体温度調節手段を備えることから、崩壊熱が発生しても容器や構成機器の材料等へダメージが及ばないように温度の調節をすることができる。
本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける建屋の断面図である。 本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける熔融塩原子炉の外観斜視図である。 本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける熔融塩原子炉の垂直断面図(図2のA-A線断面図)である。 本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける熔融塩原子炉の一次系ループに関係するシステム図である。 本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける熔融塩原子炉の二次系ループに関係するシステム図である。 本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける熔融塩原子炉の一次系ループにおいてポンプ停止が生じた時の自然対流に関する説明図である。 本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける気体の温度調節に関する説明図である。 本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける気体の温度調節に関する説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下で説明するのは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲がこれに限られるものでないのは勿論である。
図1は、本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける建屋の断面図である。
<建屋1について>
熔融塩原子炉プラントの建屋1は、熔融塩原子炉が配置された建造物である。建屋1は、図1に示すような平屋で建設されるものや、特に図示しないが、複数階となるような積層状態で建設されるものがある。ここでは、説明を簡素化するため、また、例えば建設費を抑えるために、平屋で建設される建屋1が採用される。建屋1の所定位置には、熔融塩原子炉2(単に原子炉と呼ぶこともある。詳細については後述する)が存在する。
建屋1には、複数の部屋(室)やエリアが存在する。図1の建屋1の断面図においては、代表的な部屋(室)やエリアのみ符号を付すものとする。建屋1には、原子炉室11、計装室12、燃料タンク室13、再処理済タンク置場14、ヘリウムガス加熱エリア15が設けられる。
原子炉室11は、他の部屋(室)やエリアよりも天井が高くなるように形成される。このような原子炉室11には、熔融塩原子炉2が設置される。原子炉室11の隣には、排気筒16が設けられる。原子炉室11の地下には、機器保管室17が複数設けられる。機器保管室17は、廃炉した熔融塩原子炉及びドレインタンクを収容することができるような底が深い部屋(室)に形成される。機器保管室17に、廃炉した熔融塩原子炉及びドレインタンクを収容した場合には、機器保管室17の上部(収容のために開口した部分)が蓋で覆われるようになる。本実施形態では、廃炉及び高レベル核廃棄物が地下に埋設・封印されて最終処分されることを想定している。計装室12は、計装のための部屋であって、図1の場合、原子炉室11の左隣に設けられる。計装室12の隣の燃料タンク室13は、燃料タンクが置かれる。燃料タンク室13の隣の再処理済タンク置場14は、再処理済タンクが置かれる。一方、原子炉室11の右隣のヘリウムガス加熱エリア15は、ヘリウムガス加熱器等が設置される。
建屋1には、上述以外に、制御室、燃料塩装荷・脱水還元室、燃料塩保管室、事務室、会議室、トイレ、受変電設備、バックアップ電源、熱除去エリア、オフガス処理エリア、タービン・発電機、冷却塩ドレインタンクエリア、荷下ろしヤード、消防設備等が存在する。荷下ろしヤードには、例えば大型トラック(符号省略)が出入り可能になる。建屋1の所定位置には、気体温度調節手段が設置される(後述する)。
建屋1は、本実施形態において、熔融塩原子炉2を2回交換して使用するため、耐用年数が約百年となるように想定したものになる。
原子炉室11に設置された熔融塩原子炉2は、ドレインタンク3と共に格納容器4内に格納(収容)される。ドレインタンク3の下側には、各種配管やタンク(後述する)も設置される。格納容器4は、地上及び地下にかけて設置される。
なお、全体を詳細に説明することは省略するが、原子炉室11に設置された熔融塩原子炉2の炉心内を燃料塩が流れる際に核分裂反応が起こり、この核分裂反応によって発生した熱エネルギーを、一次熱交換器ユニット等を介して取り出した後、この取り出した熱エネルギーを回転エネルギーに変換し、更に発電機によって電気エネルギー変換することによって発電するような発電システムが建屋1に備えられているものとする。
以下、熔融塩原子炉2について説明する。
図2は、本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける熔融塩原子炉の外観斜視図である。
<熔融塩原子炉2の構成について>
図2において、熔融塩原子炉2は、原子炉容器21と、この原子炉容器21内に設けられる炉心22と、炉心22の上部に配置される一次熱交換器ユニット23と、2本の制御棒24と、配管類25とを備えて構成される(この構成は一例であるものとする)。熔融塩原子炉2は、本実施形態において、熱出力56MWt、電気出力約25MWeとなるものである。
なお、図2の紙面上側を鉛直方向の「上」、紙面下側を鉛直方向の「下」と定義して説明を続けるものとする。熔融塩原子炉2の下側には、所定の間隔をあけてドレインタンク3が配置される。熔融塩原子炉2は、図2から分かるように、また、この後の説明からも分かるようになるが、一次熱交換器ユニット23における一次熱交換器231(後述する)を原子炉容器21内に収容した一体型炉が採用される(一次熱交換器231の配置は一例であり、図2の配置に限定されないものとする)。
図3は、本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける熔融塩原子炉の垂直断面図(図2のA-A線断面図)である。以下、図2及び図3を参照しながら説明する。
<原子炉容器21について>
原子炉容器21は、上壁211及び下壁212(天井及び底)を有し、側壁213が円筒形状の密閉容器に形成される。原子炉容器21は、ハステロイ(登録商標)Nが材料として採用される。なお、ハステロイ(登録商標)Nは一例であって、このような高ニッケル合金等であれば特に限定されないものとする。具体的には、ハステロイ(登録商標)N、高ニッケル合金の他、モリブデン合金TZM(チタン・ジルコニウム・モリブデン合金)であれば特に限定されないものとする。ハステロイ(登録商標)Nを材料とした原子炉容器21は、例えば20mmの厚さを有するように形成される(寸法は一例であるものとする)。
原子炉容器21の下壁212(底)は、周縁が円形でこの周縁の内側が平ら又は若干勾配のついた形状に形成される。下壁212の中央には、下方に凸となるカップ形状の下部燃料塩プレナム214が設けられる。下部燃料塩プレナム214には、後述する配管類25が接続される。下部燃料塩プレナム214は、後述する上部燃料塩プレナム215よりも小型に形成される。下部燃料塩プレナム214は、例えば500mmの高さ(上下方向の長さ)を有するように形成される(寸法は一例であるものとする)。下壁212は、例えば3220mmの直径を有するように形成される(寸法は一例であるものとする)。下壁212の周縁は、側壁213の下端を曲面で滑らかに繋ぐように形成される。
原子炉容器21の側壁213は、後述する炉心22の炉心軸CL1を中心に円筒状に形成される(図4及び図5参照)。側壁213は、例えば高さが4200mmを有するように形成される(寸法は一例であるものとする)。なお、4200mmのうち、3030mmが炉心22に対応する高さに設定される(寸法は一例であるものとする)。4200mmのうち残りは、後述する一次熱交換器231に対応する高さに設定される(寸法は一例であるものとする)。側壁213の上端は、上壁211の周縁と滑らかな曲面で繋がれる。
原子炉容器21の上壁211(天井)は、下壁212と例えば平行に配置される。上壁211には、上部燃料塩プレナム215が設けられる。また、上壁211には、一次熱交換器ユニット23を構成する4つのポンプ232が設けられる。上部燃料塩プレナム215は、上壁211の中央に配置される。上部燃料塩プレナム215は、上方に凸となる逆カップ形状に形成される。上部燃料塩プレナム215は、例えば800mmの高さ(上下方向の長さ)を有するように形成される(寸法は一例であるものとする)。上部燃料塩プレナム215は、この上部が円形で平らに形成される。
上部燃料塩プレナム215の上部には、2本の案内筒216が設けられる。この2本の案内筒216は、上部燃料塩プレナム215の上部を貫通するように設けられる。2本の案内筒216は、制御棒24を上下方向に夫々案内することができるように形成される。4つのポンプ232は、上部燃料塩プレナム215の周囲に配置される。4つのポンプ232は、炉心軸CL1を中心に90度間隔で配置される。なお、上部燃料塩プレナム215からのびる配管は、オーバーフローパス253(後述する)を示すものである。
<一次熱交換器ユニット23について>
一次熱交換器ユニット23は、上述の核分裂反応によって発生した熱エネルギー(熱)を、原子炉容器21内で二次系ループの冷却塩に伝えるために備えられる。一次熱交換器ユニット23は、本実施形態において、4つの一次熱交換器231と、上述の4つのポンプ232とを備えて構成される。4つのポンプ232には、ポンプシャフト232a及びポンプフィン232bが夫々設けられる。4つのポンプ232は、4つの一次熱交換器231の配置に合わせて設けられる。4つのポンプ232は、後述する燃料塩を強制的に対流させるために設けられる。4つの一次熱交換器231は、本実施形態において、後述する炉心22の上に配置される。4つの一次熱交換器231には、4つのポンプ232のポンプシャフト232a及びポンプフィン232bの駆動によって移動する燃料塩が提供される。4つの一次熱交換器231には、冷却塩が流れる二次系ループの配管(図7のパイプ255、256参照)が接続される。
<配管類25について>
配管類25としては、一次系ループの配管が含まれる。この一次系ループの配管の一つとして、4つの一次熱交換器231には、燃料塩戻りパス251が夫々接続される。4つの燃料塩戻りパス251は、この上側の端部が4つの一次熱交換器231の下側に夫々接続される。また、4つの燃料塩戻りパス251の下側の端部は、下部燃料塩プレナム214に接続される。4つの燃料塩戻りパス251は、原子炉容器21の側壁213に添わせた部分が半円形の断面形状や例えば三日月のような断面形状に形成される。また、4つの燃料塩戻りパス251は、原子炉容器21の下壁212の側に配置された部分が円形の断面形状に形成される。
配管類25としては、下部燃料塩プレナム214とドレインタンク3とを繋ぐ排出パイプ252や、ドレインタンク3に繋がるオーバーフローパス253も含まれる。なお、ここでのオーバーフローパス253は、上述の上部燃料塩プレナム215に繋がるものである。なお、この他の配管類25としては、図4を参照しながら後述するものとする。
<炉心22及び黒鉛反射材221について>
図3において、炉心22は、原子炉容器21の内部に設けられる。炉心22は、核分裂が行われる所謂コアであって、黒鉛製の黒鉛反射材221により囲まれる。この黒鉛反射材221は、上部黒鉛反射材221aと、下部黒鉛反射材221bと、側部黒鉛反射材221cとを有して構成される。黒鉛反射材221は、上部黒鉛反射材221aと、下部黒鉛反射材221bと、側部黒鉛反射材221cとにより容器形状に形成される。黒鉛反射材221は、中性子照射から原子炉容器21を保護するために設けられる。
<炉心22、減速材222、及び燃料塩について>
炉心22は、上述の黒鉛反射材221の他に、複数の減速材222を備えて構成される。別な言い方をすれば、炉心22は、黒鉛反射材221に取り囲まれるように、この内側に配置される複数の減速材222を備えて構成される。炉心22は、複数の減速材222の間を燃料塩が流れるように形成される。また、炉心22は、黒鉛反射材221の内周面と、複数の減速材222との間を燃料塩が流れるように形成される。
燃料塩は、この他に液体核燃料や熔融塩燃料と呼ばれるものであって、核分裂物質のウランと親物質のトリウムとを熔融塩フリーべに混合させてなるもの(例えばLiF-BeF-ThF-UF)が採用される(特に限定されないものとする)。燃料塩は、複数の減速材222との間を流れた後、上部黒鉛反射材221aの開口部を介して更に上方へ流れる(ポンプ232のポンプシャフト232a及びポンプフィン232bの駆動によって燃料塩は上方に移動する。ポンプ232が停止した状態では、自然対流により上方に移動する)。上方に移動した燃料塩は、一次熱交換器231で熱交換が行われた後に、一次熱交換器231の下部から燃料塩戻りパス251、下部燃料塩プレナム214、及び下部黒鉛反射材221bの開口部を介して炉心22に戻る。
なお、本実施形態においては、ポンプ232の停止時に燃料塩が対流によって自然循環を起こすように一次熱交換器231及びポンプ232が配置されている。
図4は、本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける熔融塩原子炉の一次系ループに関係するシステム図である。
一次系ループは、燃料塩が循環する経路である。そして、この一次系ループに関係するシステム(一次系システム5)は、燃料塩が関連するすべての装置が含まれるものとする。図4に示す一次系システム5においては、原子炉容器21と、ドレインタンク3と、燃料塩装荷装置51と、燃料塩脱水還元装置52と、燃料塩貯蔵タンク53と、移動用タンク54と、漏洩熔融塩回収タンク55と、配管類25とを含んで構成される。
ドレインタンク3は、緊急時における燃料塩の排出のために備えられる。ドレインタンク3は、原子炉容器21の下方に配置される。ドレインタンク3は、下部燃料塩プレナム214及び排出パイプ252を介して原子炉容器21に接続される。燃料塩貯蔵タンク53は、パイプ254及び下部燃料塩プレナム214を介して原子炉容器21に接続される。なお、図4では、配管類25の一部のみに符号を付すものとする。
燃料塩装荷装置51は、燃料塩装荷装置室56内に設置される。燃料塩装荷装置室56内の円柱状の図は、熔融塩フリーべを示すものとする。燃料塩装荷装置室56の外側にある円柱状の図は、熔融塩搬入ヤードに置かれた、LiF、UF、BeF、ThF等を示すものとする。燃料塩脱水還元装置52の近傍には、フッ化水素ガス、ヘリウムガス、水素ガスのボンベが設置される。移動用タンク54は、化学処理のために化学処理プラント57へ移動させることが可能なタンクであって、処理済後は元の位置に戻される。符号58はオフガスシステム(Xe、Kr等除去)を示すものとする。
一次系システム5の最も重要な装置は、原子炉容器21であり、炉心22(コア)内で発生した核分裂反応により温められた燃料塩は、コア出口(上述の上部黒鉛反射材221aの開口部)から排出され、ポンプ232により一次熱交換器231に搬送される。この後、一次熱交換器231において燃料塩と冷却塩(二次塩)との間で熱の交換が行われる。以下、冷却塩(二次塩)の流れ等について説明する。
図5は、本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける熔融塩原子炉の二次系ループに関係するシステム図である。
二次系ループは、上述の核分裂反応によって発生した熱エネルギー(熱)が一次熱交換器ユニット23を介して伝えられるシステムである。熱エネルギー(熱)は、二次系ループの冷却塩に伝えられる。
図5において、一次熱交換器231において燃料塩と冷却塩(二次塩)との間で熱の交換が行われ、温められた冷却塩は、ヘリウム加熱器61に搬送される。冷却塩は、ヘリウム加熱器61でヘリウムと熱交換を行って冷却された後、二次ポンプ62で一次熱交換器231に再度送られる。以上により二次系ループ6が構成される。ヘリウム加熱器61で加熱されたヘリウムは、ヘリウムガスタービン発電システム63及びボトミングサイクル発電システム64に送られ、その保持する熱エネルギーが回転エネルギーに変換され、発電機65で電気エネルギーに変換される。本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントでは、ヘリウムガスタービン発電システム63及びボトミングサイクル発電システム64のコンバインドシステムにより、例えば合計で約2.4万kWeの出力を実現する。
図6は、本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける熔融塩原子炉の一次系ループにおいてポンプ停止が生じた時の自然対流に関する説明図である。
図6における左上の図は、一次系ループ(強制対流時)の燃料塩の流れについて示している。炉心内で発生した核分裂反応により温められた燃料塩は、ポンプ(P)により熱交換器(一次熱交換器)に強制的に搬送される。この後、燃料塩は、熱交換器において冷却塩(二次塩)との間で熱の交換が行われて冷却される。そして、炉心内へ戻される。図6における右側の図は、上述の燃料塩の流れについて、もう少し詳しく図示したものである。
図6における左下の図は、一次系ループ(ポンプ停止時)の燃料塩の流れについて示している。温められた燃料塩は、ポンプ停止時であっても自然対流により上述同様に循環する。なお、図には、炉心での浮力、流力、熱交換器での浮力が示される。
仮にポンプが故障しても燃料塩の一次系ループが自然循環で維持されることは、燃料塩の温度や組成が一次系ループ内で均質に保たれると言う液体燃料炉としての特性を維持する点で極めて重要である。燃料塩の温度が部位によって偏り、局部的に高温になると原子炉容器材料の高温脆化の原因となり炉寿命が短縮する。逆に局部的に熔融塩の融点を下回ると燃料塩が凍結してしまうおそれがある。一方、コア内で、ウラン濃度が局部的に上昇すると、その部位では想定以上に反応度が追加されて炉の暴走の原因となり得る。燃料塩の一次系ループの自然循環の仕組みは、原子炉の安全管理上極めて重要なポイントである。
原子炉停止後あるいはドレインタンクへの燃料塩排出後にも、原子炉容器内又はドレインタンク内の燃料塩では、崩壊熱が発生している。この発生した崩壊熱により、容器や構成機器の材料にダメージを与えないようにするために、冷却機能を具備する必要がある。原子炉容器内では、一次熱交換器による冷却システムが健在であれば、その冷却システムを利用することになるが、例えば故障の場合や、一次系の冷却システムの対象外であるドレインタンクに対しては、別の冷却システムが必要である。別の冷却システムとして、ドレインタンク内に冷却用の配管を設置して崩壊熱を冷却することが考えられる。しかしながら、これを採用すると、ドレインタンク内の構造が複雑化してしまうと言う問題点がある。
ところで、熔融塩原子炉では、融点が450~500℃と言う高温の熔融塩を使用するため、炉の起動時には、熔融塩の凍結が起こらないように原子炉容器や配管を予め熱する必要がある。そこで、原子炉室内にヒーターを設置し、原子炉容器を予熱する仕組みを考えた場合、原子炉室の壁面に多数のヒーターがハリネズミの如く突き出すような構造が挙げられる。しかしながら、原子炉室は大きく、この壁面に多数のヒーターを設けることは、現実的でないと思われる。
<図7及び図8の例における気体の温度調節について>
図7及び図8は、夫々、本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントにおける気体の温度調節に関する説明図である。
原子炉室11には、熔融塩原子炉2が設置される。この熔融塩原子炉2は、ドレインタンク3と共に格納容器4内に格納される。なお、格納容器4や熔融塩原子炉2、ドレインタンク3等に対する原子炉室11のサイズの違いは、図1が参考になるものとする。
格納容器4は、格納容器本体41と、この格納容器本体41の外側を覆う断熱材42とを備えて構成される。格納容器本体41は、上壁41a、下壁41b、及び側壁41cを有する容器形状に形成される。格納容器本体41は、放射線遮蔽機能を有する材料(例えば炭素鋼が一例として挙げられるものとする)にて形成される。格納容器本体41は、この内部に後述する不活性ガスが充満するように密閉状態に形成される。格納容器本体41の側壁41cには、二次系ループ6(図5参照)を構成する配管のうちの、2本のパイプ255、256が貫通する。2本のパイプ255、256は、一次熱交換器231に接続される。
原子炉室11の内側且つ格納容器本体41の外側には、加熱器71及びブロアー72が設けられる。また、原子炉室11の外側には、アルゴンガスのボンベ73が設けられる。加熱器71は、この一端が配管を介して格納容器本体41に接続される。加熱器71の他端は、配管を介してアルゴンガスのボンベ73に接続される。ブロアー72は、この一端が配管を介して格納容器本体41に接続される。ブロアー72の他端は、加熱器71とアルゴンガスのボンベ73とを繋ぐ配管に接続される。ブロアー72は、格納容器本体41内の気体を加熱器71側に送風する。加熱器71は、ボンベ73からのアルゴンガス及びブロアー72から送風された気体を加熱する機能を有する。加熱器71及びブロアー72は、格納容器本体41の側壁41cの下側に配置される(ドレインタンク3が格納される下側の位置に合わせて配置される。この配置は一例であるものとする)。加熱器71、ブロアー72、ボンベ73は、格納容器本体41内の気体の温度を調節するための、気体温度調節手段7における予熱システム(気体加熱機器)を構成する。この予熱システムは、格納容器本体41内の気体を加熱し、燃料塩の凍結を防止するために機能する。格納容器本体41内の気体(不活性ガス)は、通常時約500℃であり、加熱器71及び後述する格納容器本体41内のカバーガスを冷却する空冷システムで温度が調節されるものとする。
<図7及び図8の例の概要(符号は省略)>
本実施形態に係る熔融塩原子炉プラントでは、原子炉容器及びドレインタンクの外側に格納容器を設け、その中にカバーガスを送風して予熱を行う。起動後は、カバーガスの温度を確認し、カバーガスを加熱したり冷却したりすることで、常時、500℃程度に維持されるように温度管理が行われる。カバーガスの冷却は、空冷熱交換器やサーキュレーターを利用した空冷システムが採用される。また、原子炉容器内の熔融塩をドレインタンクに排出した場合においては、タンク冷却器を利用した空冷システムが採用される。これら空冷システムは、例えば二次系ループによる崩壊熱冷却システムのバックアップシステムとして利用することができる。
図7の例における気体温度調節手段7は、カバーガスを冷却する空冷システムと、上述した予熱システムとを備えて構成される。空冷システムは、例えば二次系ループによる崩壊熱冷却システムのバックアップシステムとしても利用するものであって、空冷熱交換器701と、サーキュレーター702とを備えて構成される。
空冷熱交換器701は、熱交換器本体703と、第一外気導入部704と、第一被加熱外気排出部705と、排気筒16とを有する。
熱交換器本体703は、空冷式のものであって、格納容器本体41の内側且つ原子炉容器21の上部付近に設けられる(配置は一例であるものとする)。熱交換器本体703は、格納容器本体41内の気体の温度(カバーガス温度)と、後述する外気の温度(外気温)との熱交換によって、格納容器本体41内の気体(カバーガス)を冷却したり、気体の温度上昇を抑制したりするように機能する(特に図示しないが、このような機能を実現する構成及び構造を熱交換器本体703は有する)。
第一外気導入部704は、一端が熱交換器本体703に接続される筒状の導入通路と、この導入通路の他端に設けられるダンパー706とを有する。第一外気導入部704は、熱交換器本体703に外気を導入するために設けられる。第一外気導入部704における導入通路は、格納容器4及び原子炉室11を貫通するようにのびる。導入通路の他端及びダンパー706は、原子炉室11の外側に配置される。ダンパー706は、外気の吸い込み量を制御する(冷却を制御する)ことができるように開閉角度の調整機構を有する。なお、この調整機構を駆動するための電力は、系統電源とは別の、例えばバックアップ電源が採用される(持続的に大電力を必要とするシステムではないので、系統電源に依存しないバックアップ電源が採用される)。本実施形態のダンパー706は、仮に系統電源喪失となったとしてもマニュアル操作により開閉角度の調整ができるものとする。ダンパー706は、系統電源喪失のタイミングで自動的に開状態になるような設定をしてもよい。
第一被加熱外気排出部705は、熱交換器本体703に導入され、その後温度が上昇した外気(カバーガスの熱により加熱された外気)を排出するために設けられる。第一被加熱外気排出部705は、一端が熱交換器本体703に接続される筒状の排出通路を有する。また、第一被加熱外気排出部705は、この中間が格納容器4及び原子炉室11を貫通し、排出通路の他端は排気筒16内、又は排気筒16に通じるように配置される。
なお、熱交換器本体703、第一外気導入部704及び第一被加熱外気排出部705は、外気とカバーガスとが混入しないように気密性を考慮した構造とする。
以上のような空冷熱交換器701は、排出通路の他端の配置によって排気筒16の煙突効果を利用することができることから、外気の吸い込み及び排出は特に動力を要しないものとなっている。また、空冷熱交換器701は、仮に電源喪失によりサーキュレーター702(後述する)が停止したとしても、排気筒16の煙突効果による自然換気で冷却機能を続けることができるものとなっている。
サーキュレーター702は、熱交換器本体703により冷却された格納容器本体41内の気体(カバーガス)を循環させるために設けられる。サーキュレーター702は、例えば、格納容器本体41の上壁41a且つ熱交換器本体703の上方に取り付けられる(配置は一例であるものとする)。サーキュレーター702は、この一部(又は全部)が格納容器本体41内に配置されることから、特に耐熱性に優れた構造を有する。サーキュレーター702は、回転自在な羽根と、この羽根を回転運動させる駆動部とを備えて構成される。サーキュレーター702を設けることにより、効率よく格納容器本体41内の気体(カバーガス)を冷却することができる。
図7の空冷熱交換器701やサーキュレーター702等の冷却システムによって、格納容器本体41内の気体が冷却され、そして、気体の循環により原子炉容器21の外表面が冷却され、その結果、原子炉容器21内の燃料塩が冷却されることから、原子炉容器21の異常過熱や崩壊熱を除去することができる。また、原子炉容器21の外表面が冷却される際に、燃料塩戻りパス251も冷却され、この燃料塩戻りパス251内の燃料塩も冷却される。また、ドレインタンク3の外表面(外殻表面)も冷却され、ドレインタンク3内の燃料塩も冷却される。
<図8の例における気体の温度調節について>
原子炉室11には、熔融塩原子炉2が設置される。この熔融塩原子炉2は、ドレインタンク3と共に格納容器4内に格納される。なお、格納容器4や熔融塩原子炉2、ドレインタンク3は、図7において説明した構成及び構造と同じであるものとして、以下での詳細な説明は省略する。
図8の例における気体温度調節手段7は、カバーガス及びドレインタンク3を夫々冷却する空冷システムと、図7で上述した予熱システムとを備えて構成される。空冷システムは、例えば二次系ループによる崩壊熱冷却システムのバックアップシステムとして利用するものであって、空冷熱交換器701と、サーキュレーター702と、タンク冷却器711とを備えて構成される。
予熱システムは、図7における気体加熱機と同じものであって、加熱器71と、ブロアー72と、ボンベ73とを有する。空冷システムにおける空冷熱交換器701及びサーキュレーター702は、図7と同じものが採用される。空冷熱交換器701は、熱交換器本体703と、第一外気導入部704と、第一被加熱外気排出部705とを有する。
空冷システムにおけるタンク冷却器711は、配管(排出パイプ252)を通じて原子炉容器21からドレインタンク3に排出された燃料塩を冷却するために設けられる。タンク冷却器711は、第二外気導入部712と、タンク冷却部713と、第二被加熱外気排出部714と、延長排出部716とを有する。
第二外気導入部712は、タンク冷却部713に連続する筒状の導入通路であって、この端部には、ダンパー715が設けられる。第二外気導入部712は、タンク冷却部713に外気を導くために格納容器4及び原子炉室11を貫通するようにのびる。第二外気導入部712の端部及びダンパー715は、原子炉室11の外側に配置される。ダンパー715は、上述のダンパー706と同様、外気の吸い込み量を制御する(冷却を制御する)ことができるように開閉角度の調整機構を有する。なお、この調整機構を駆動するための電力は、系統電源とは別の、例えばバックアップ電源が採用される(持続的に大電力を必要とするシステムではないので、系統電源に依存しないバックアップ電源が採用される)。本実施形態のダンパー715も、上述のダンパー706と同様、仮に系統電源喪失となったとしてもマニュアル操作により開閉角度の調整ができるものとする。ダンパー715は、系統電源喪失のタイミングで自動的に開状態になるような設定をしてもよい。
タンク冷却部713は、ドレインタンク3内の燃料塩の温度と、上述の外気の温度(外気温)との熱交換によって、ドレインタンク3内の燃料塩を冷却したり、燃料塩の温度上昇を抑制したりするように機能する。タンク冷却部713は、本実施形態において、ドレインタンク3の外表面(外殻表面)に接するように巻き付く形状に形成される(形状は一例であって、燃料塩の冷却や温度上昇の抑制ができれば図8に示す形状に限定されないものとする)。なお、タンク冷却部713は、ドレインタンク3の外表面(外殻表面)に接する部分が円筒形状による線接触の他、例えば半円形の断面形状や三日月のような断面形状による面接触となってもよいものとする。
第二被加熱外気排出部714は、筒状に形成されて一端がタンク冷却部713に連続する。第二被加熱外気排出部714は、タンク冷却部713に導入され、その後温度が上昇した外気(ドレインタンク3内の燃料塩の熱により加熱された外気)を排出するために設けられる。第二被加熱外気排出部714は、この中間が格納容器4及び原子炉室11を貫通し、他端が延長排出部716の一端に連続する。なお、第二外気導入部712と、タンク冷却部713、第二被加熱外気排出部714は、外気とカバーガスとが混入しないように気密性を考慮した構造とする。
延長排出部716は、筒状に形成されて一端が第二被加熱外気排出部714の他端に連続する。また、延長排出部716の中間は上下方向にのび、延長排出部716の他端は排気筒16内、又は排気筒16に通じるように配置される。
以上のようなタンク冷却器711は、延長排出部716の他端の配置によって排気筒16の煙突効果を利用することができることから、外気の吸い込み及び排出は特に動力を要しないものとなっている。また、タンク冷却器711は、仮に電源喪失によりサーキュレーター702(後述する)が停止し気体の循環が途絶えたとしても、排気筒16の煙突効果による自然換気でドレインタンク3内の燃料塩を冷却し続けることができるものとなっている。
図8の空冷熱交換器701やサーキュレーター702等の冷却システムによって、格納容器本体41内の気体が冷却され、そして、気体の循環により原子炉容器21の外表面が冷却され、その結果、原子炉容器21内の燃料塩が冷却されることから、原子炉容器21の異常過熱や崩壊熱を除去することができる。また、原子炉容器21の外表面が冷却される際に、燃料塩戻りパス251も冷却され、この燃料塩戻りパス251内の燃料塩も冷却される。また、ドレインタンク3の外表面(外殻表面)も図8のタンク冷却器711(冷却システム)によって冷却され、その結果、ドレインタンク3内の燃料塩も冷却される。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
即ち、図1乃至図8の説明に係る熔融塩原子炉プラントの構成は例示に過ぎず、特に限定されないものとする。即ち、上述した一連の構成の一部又は全部が熔融塩原子炉プラントに備えられていれば足り、この構成を実現するために例えば冷却システム及び予熱システムは、特に上述の例に限定されないものとする。熔融塩原子炉プラントは、上述のような発電に限らず、例えば熱エネルギーを利用して水素発生等に活用することも可能である。
上述の本発明の一実施形態によれば、二次系ループ6によって、原子炉容器21内の燃料塩を冷却することができる。また、図7及び図8に示す空冷熱交換器701やサーキュレーター702、タンク冷却器711等の冷却システムによっても、原子炉容器21内の燃料塩やドレインタンク3内に排出された燃料塩を冷却することができる。従って、この二段階の手段により(崩壊熱冷却システムにより)、確実に冷却することができる。一方、予熱システムによって、格納容器本体41内の気体を加熱することで、燃料塩の凍結を防止することができる。
以上をまとめると、本発明が適用される熔融塩原子炉プラントは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態をとることができる。
即ち、本発明が適用される熔融塩原子炉プラントは、
原子炉室(例えば図7及び図8の原子炉室11)と、当該原子炉室内に設置される原子炉容器(例えば図7及び図8の原子炉容器21)と、を備え、当該原子炉容器の内部に設けられた炉心(例えば図3の炉心22)に燃料塩が流れる際に核分裂反応が起こり、当該核分裂反応によって発生した熱エネルギーが熱交換により冷却塩に伝えられる、熔融塩原子炉プラントにおいて、
前記原子炉容器を囲うように前記原子炉室内に設置される格納容器(例えば図7及び図8の格納容器4)と、当該原子炉容器及び当該格納容器の間の気体の温度を調節する気体温度調節手段(例えば図7及び図8を参照しながら説明した冷却システム及び予熱システムを含む気体温度調節手段7)と、を更に備える。
本発明が適用される熔融塩原子炉プラントによれば、気体温度調節手段を備えることから、崩壊熱が発生しても容器や構成機器の材料等へダメージが及ばないように温度の調節をすることができる。また、気体温度調節手段を備えることから、燃料塩が凍結しないように温度の調節をすることができる。
本発明が適用される熔融塩原子炉プラントによれば、崩壊熱が発生しても容器や構成機器の材料等へダメージが及ばないように温度の調節が可能な冷却機器を気体温度調節手段の一つとして提供することができる。
本発明が適用される熔融塩原子炉プラントによれば、例えば系統電源喪失時に外気を利用することで温度の調節が可能となる気体温度調節手段を提供することができる。
また、熔融塩原子炉プラントによれば、前記気体温度調節手段は、前記原子炉容器及び前記格納容器の間の前記気体の温度を上げるため当該格納容器の内外を連通するように設置される気体加熱機器(例えば図7及び図8の加熱器71を含む予熱システム)を含む。
本発明が適用される熔融塩原子炉プラントによれば、燃料塩の凍結防止をするために温度の調節が可能な気体加熱機器を気体温度調節手段の一つとして提供することができる。
また、熔融塩原子炉プラントによれば、前記格納容器の内部には、配管を通じて前記原子炉容器から前記燃料塩が排出されるドレインタンク(例えば図7及び図8のドレインタンク3)が更に設置され、前記ドレインタンクの外面は、前記気体に晒される。
本発明が適用される熔融塩原子炉プラントによれば、ドレインタンクを含めて冷却や加熱をすることができる。これにより、ドレインタンクの構造を複雑にしなくても冷却等をすることができる。
また、熔融塩原子炉プラントによれば、前記気体温度調節手段は、前記原子炉容器及び前記格納容器の間に設置される熱交換器本体(例えば図7及び図8の熱交換器本体703)と、当該熱交換器本体に前記原子炉室の外部からの外気を導入する第一外気導入部(例えば図7及び図8の第一外気導入部704)と、当該熱交換器本体から加熱された当該外気を排出する第一被加熱外気排出部(例えば図7及び図8の第一被加熱外気排出部705)と、当該第一被加熱外気排出部の端部が配置又は当該第一被加熱外気排出部が通じる排気筒(例えば図7及び図8の排気筒16)と、を備えて前記気体の温度を下げる空冷熱交換器(例えば図7及び図8の空冷熱交換器701)を含むと共に、前記気体を前記格納容器内で循環させるサーキュレーター(例えば図7及び図8のサーキュレーター702)を含む。
本発明が適用される熔融塩原子炉プラントによれば、崩壊熱が発生しても容器や構成機器の材料等へダメージが及ばないように温度の調節が可能な空冷熱交換器を気体温度調節手段の一つとして提供することができる。
本発明が適用される熔融塩原子炉プラントによれば、気体温度調節手段の一つとしてサーキュレーターを提供することから、空冷熱交換器にて温度が下げられた気体を、格納容器内で効率よく循環させることができ、以て全体的な冷却効果を高めることができる。また、気体温度調節手段の一つとして排気筒を利用することから、この排気筒の煙突効果による自然換気で冷却機能を続けることができる。
また、熔融塩原子炉プラントによれば、前記格納容器の内部には、配管を通じて前記原子炉容器から前記燃料塩が排出されるドレインタンクが更に設置され、
前記気体温度調節手段は、前記原子炉室の外部からの外気を導入する第二外気導入部(例えば図8の第二外気導入部712)と、当該第二外気導入部に連続し且つ前記ドレインタンクの外面に接するタンク冷却部(例えば図8のタンク冷却部713)と、当該タンク冷却部に連続し且つ当該タンク冷却部で加熱された当該外気を前記排気筒に排出する第二被加熱外気排出部(例えば図8の第二被加熱外気排出部714)と、を備えて、排出された前記燃料塩の温度を下げるタンク冷却器(例えば図8のタンク冷却器711)を更に含む。
本発明が適用される熔融塩原子炉プラントによれば、気体温度調節手段の一つとしてタンク冷却器を提供することから、ドレインタンクの構造を複雑にしなくても冷却をすることができ、以て全体的な冷却効果を高めることができる。
1・・・建屋
2・・・熔融塩原子炉
3・・・ドレインタンク
4・・・格納容器
7・・・気体温度調節手段
21・・・原子炉容器
22・・・炉心
23・・・一次熱交換器ユニット
41・・・格納容器本体
43・・・導入通路
44・・・排出通路
45・・・導入側ダンパー
46・・・排出側ダンパー
71・・・加熱器
72・・・ブロアー
73・・・ボンベ
701・・・空冷熱交換器
702・・・サーキュレーター
711・・・タンク冷却器

Claims (5)

  1. 原子炉室と、当該原子炉室内に設置される原子炉容器と、を備え、当該原子炉容器の内部に設けられた炉心に燃料塩が流れる際に核分裂反応が起こり、当該核分裂反応によって発生した熱エネルギーが熱交換により冷却塩に伝えられる、熔融塩原子炉プラントにおいて、
    前記原子炉容器を囲うように前記原子炉室内に設置される格納容器と、当該原子炉容器及び当該格納容器の間の気体の温度を調節する気体温度調節手段と、を更に備える、熔融塩原子炉プラント。
  2. 前記気体温度調節手段は、前記原子炉容器及び前記格納容器の間の前記気体の温度を上げるため当該格納容器の内外を連通するように設置される気体加熱機器を含む、
    請求項1に記載の熔融塩原子炉プラント。
  3. 前記格納容器の内部には、配管を通じて前記原子炉容器から前記燃料塩が排出されるドレインタンクが更に設置され、
    前記ドレインタンクの外面は、前記気体に晒される、
    請求項1又は2に記載の熔融塩原子炉プラント。
  4. 前記気体温度調節手段は、前記原子炉容器及び前記格納容器の間に設置される熱交換器本体と、当該熱交換器本体に前記原子炉室の外部からの外気を導入する第一外気導入部と、当該熱交換器本体から加熱された当該外気を排出する第一被加熱外気排出部と、当該第一被加熱外気排出部の端部が配置又は当該第一被加熱外気排出部が通じる排気筒と、を備えて前記気体の温度を下げる空冷熱交換器を含むと共に、
    前記気体を前記格納容器内で循環させるサーキュレーターを含む、
    請求項1又は2に記載の熔融塩原子炉プラント。
  5. 前記格納容器の内部には、配管を通じて前記原子炉容器から前記燃料塩が排出されるドレインタンクが更に設置され、
    前記気体温度調節手段は、前記原子炉室の外部からの外気を導入する第二外気導入部と、当該第二外気導入部に連続し且つ前記ドレインタンクの外面に接するタンク冷却部と、当該タンク冷却部に連続し且つ当該タンク冷却部で加熱された当該外気を前記排気筒に排出する第二被加熱外気排出部と、を備えて、排出された前記燃料塩の温度を下げるタンク冷却器を更に含む、
    請求項4に記載の熔融塩原子炉プラント。
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