JP2022178183A - 走行経路設定装置およびこれを備える自律移動ロボット制御システム、走行経路設定方法、並びに走行経路設定プログラム - Google Patents

走行経路設定装置およびこれを備える自律移動ロボット制御システム、走行経路設定方法、並びに走行経路設定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】所定エリア内で移動するAMRの走行経路を最適化する。【解決手段】走行経路設定装置10は、地図情報読出部20、中間地点取得部17および最適ルート設定部18を備える。地図情報読出部20は、AMR1の走行可能エリアの情報を含む所定エリアの地図情報31を取得する。中間地点取得部17は、ピッキングおよび搬送されるべき物品が存在する走行可能エリア上の1以上の中間地点を示す中間地点情報を取得する。最適ルート設定部18は、1以上の中間地点を順次経由する走行経路を、所定の複数の条件を考慮して走行経路のコストが最も低くなるように作成する。【選択図】図1

Description

本発明は、自律移動ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)の走行経路を設定する走行経路設定装置、およびこれを備える自律移動ロボット制御システム、走行経路設定方法および走行経路設定プログラムに関する。
近年、消毒除菌作業や倉庫内でのピッキング作業等、これまで人手で行われてきた業務の効率化のために、AMRが利用される場合が増えている。AMRは、磁気テープ等の誘導なしに、指定された経路に沿って自律的に移動可能に構成されている。
例えば、特許文献1に開示される経路推定システムは、倉庫内の通路が格子状に形成され、かつ、隣接するノード(交差点)同士を結ぶ各通路セグメント上で同時に複数のAMRが通行できない場合において、倉庫内の通路上の2地点(現在地および目的地)間の最適経路を複数の経路候補の中から設定する。
各経路候補は、距離および停止時間に基づく「コスト」によって定量的に評価される。これにより、最短経路が必ずしも最適と評価されず、最短経路よりも長距離の迂回経路が最適経路として設定される場合もある。
例えば、最短経路上に他のAMRがいる場合には、衝突回避のため当該他のAMRが最短経路から離脱するまで交差点で待機するよりも、停止せずに迂回経路を通って目的地へと走行し続ける方が、目的地により早く到着できる可能性がある。このような場合、最短経路に課せられる停止時間のコストは、AMRを最速で目的地に到着させ得る迂回経路に課せられる距離のコストに対して高くなり、この迂回経路が最適と評価される。
特開2020-46384号公報
上記の経路推定システムは、2地点間の最適経路を推定する。しかし、例えば、ピッキング業務では、しばしば、互いに異なる位置に配置されている複数の物品を順次ピックアップしながら、最終的な目的地である出荷場まで移動することを求められる。よって、AMRの走行経路を設定する際には、ピッキング業務に限らず、現在地から目的地までの間に経由すべき1以上の中間地点が存在する場合にも、現在地から最終的な目的地に至る最適経路を推定可能であることが望ましい。
2地点間を最速で移動し得る経路を最短経路以外から見出だすために考慮すべき条件は、2台のAMRがすれ違うことができないという通路およびAMRの物理的制約に起因した停止時間の他にも、存在する可能性がある。よって、上記の経路推定システムには改善の余地がある。
そこで、本発明は、AMRの走行経路をより最適化することを目的とする。
本発明の一形態に係る走行経路設定装置は、所定エリア内で移動する自律移動ロボット(AMR)の走行経路を設定する。走行経路設定装置は、地図情報取得部、中間地点取得部、および最適ルート設定部を備える。地図情報取得部は、AMRが走行可能な走行可能エリアの情報を含む所定エリアの地図情報を取得する。中間地点取得部は、走行可能エリア上の1以上の中間地点を示す中間地点情報を取得する。最適ルート設定部は、1以上の中間地点を順次経由する走行経路を、所定の複数の条件を考慮して走行経路のコストが最も低くなるように作成する。
上記構成では、走行経路設定装置が、所定エリアの地図情報を取得する。走行経路設定装置は、1以上の中間地点を示す情報を取得する。走行経路設定装置は、取得または設定された地図情報および1以上の中間地点に基づき、1以上の中間地点を経由する走行経路を作成する。走行経路は、AMRが所定エリア内のどの走行可能エリアをどの方向に進むべきであるのかを示す。走行経路設定装置は、所定の複数の条件を考慮してコストが最も低くなるように走行経路を最適化する。
ここで、「自律移動ロボット(AMR:Autonomous Mobile Robot)」は、移動を必要とする各種作業、例えば、消毒除菌作業や、所定エリア内で物品を搬送する搬送作業に供される。そのため、AMRは、移動に必要な要素(例えば、車輪および走行駆動源)や、与えられた作業を行うために必要な要素を本来的に備える。搬送作業に供される場合、AMRは、搬送中の物品を保持する要素(例えば、載置台または収納箱)を備え、必要に応じて物品をピッキングする要素(例えば、ハンドおよびアーム)を備える。また、所定エリア内での走行経路が指定されると、AMRは、その指定された走行経路に沿って自律的に移動するという機能を本来的に有する。
「所定エリア」とは、AMRを走行させAMRに作業を行わせる領域である。「地図情報」とは、所定エリアの地図に関する情報であり、少なくともAMRの走行可能エリア(例えば、通路)の情報を含む。逆に言えば、地図情報は、走行可能エリアを規定する部材(例えば、壁等)の配置を示す情報を含む。搬送作業に供される場合、所定エリアは、例えば倉庫のように、ピッキングおよび搬送されるべき物品が配置されている領域である。物品は、倉庫内の棚に陳列あるいは収納される。所定エリア内において、棚は走行可能エリアを規定する部材であり、走行可能エリアは、棚同士の間に規定される。
上記構成によれば、1以上の中間地点を経由する走行経路が最適化され、走行経路が全体として最適化される。走行経路のコストは複数の条件を考慮したものであるため、作成された走行経路がより最適化されたものとなる。
なお、搬送作業に供される場合には、互いに異なる位置に配置された多種の物品を順次ピックアップする必要があったとしても、設定された走行経路に沿ってAMRが移動することで、ピッキング業務の効率が向上する。
所定条件には、AMRの移動速度の上限を定める速度条件が含まれてもよい。
移動速度の上限を考慮すると、地図情報から知り得る走行経路の距離を、走行経路に沿って移動する際の最短時間に換算することができる。走行経路のコストを所要時間に基づいて算出することが可能になり、所要時間が極力短い走行経路の作成が支援される。
速度条件には、AMRの直進時の走行速度を規定する直進速度条件と、AMRの曲線走行時の走行速度を規定する曲線走行速度条件とが含まれてもよい。
上記構成によれば、移動速度の上限として、直進時の走行速度と曲線走行時の走行速度とを別々に考慮するため、曲線走行時に安全のため速度を落とすことがあっても、所要時間をより正確に推定することができる。コストの妥当性が高くなり、走行経路をより最適化することができる。
走行経路設定装置は、AMRに随伴する作業員に関する情報を記憶する作業員情報記憶部を更に備えていてもよい。速度条件は、現にAMRに随伴している作業員個々の歩行速度に応じて設定されてもよい。
AMRを用いた作業時に、作業員がAMRに随伴する場合が想定される。例えば搬送作業では、AMRが中間地点で停止するとAMRに随伴している作業員が物品をピックアップしてAMRに載せる作業を行う場合が想定される。作業員の年齢、体格その他特性により、作業員によって歩行速度は異なる。移動速度の上限が作業員の特性に見合ったものに設定されるため、作業員がAMRに随伴して作業を分担する場合に、作業が安全に行われる。
所定条件には、所定エリアに適用される交通規則に従って走行経路を制約する交通規則条件が含まれてもよい。交通規則条件には、所定エリア内に設定されている進入禁止エリア内に走行経路を設定することを禁止する進入禁止条件、および、AMRが一方向にのみ走行可能な一方通行通路では一方向に対して逆方向に向かう走行経路を設定することを禁止する一方通行条件の少なくとも1つが含まれてもよい。
ここで、「進入禁止条件および一方通行条件の少なくともいずれか1つ」は、進入禁止条件のみ、一方通行条件のみ、または、進入禁止条件と一方通行条件の両方を意味する。類似するその他の表現「の少なくとも1つ」についても同様とする。
交通規則を考慮すると、たとえ走行経路の距離が短くても交通規則に反する場合は、その走行経路の設定を禁止することができる。特に、進入禁止エリアを横切ってショートカットを実現したような走行可能エリアからはみ出した走行経路や、一方通行通路の逆走により所要時間の短縮化が図られた走行経路が、低コストと評価されることを防ぐことができる。
所定条件には、所定幅員以下の通路において複数のAMRが同時に存在することを禁止する台数制限条件が含まれてもよい。
台数制限を考慮すると、AMRの衝突を回避したうえで最適な走行経路を作成することができる。
コストは、走行経路に沿った移動に要する時間、または走行経路の総距離であってもよい。
これにより、所要時間または距離に応じて走行経路を定量的に評価することができる。
最適ルート設定部は、コストが収束するまでコストが低い走行経路を探索する最適化処理を繰り返し実行してもよい。
これにより、走行経路のコストを極力最適値に近似させることができ、走行経路がより最適化される。
最適ルート設定部は、局所探索法に従って最適化処理を実行してもよい。
これにより、走行経路のコストの近似解を求めることを実現することができる。
最適ルート設定部は、隣接する2地点間に設定可能な複数の経路の候補のうち最もコストが低い経路を複数の所定の条件を考慮して選択し、選択された経路同士を繋いで走行経路を設定し、当該走行経路の全体としてのコストを算出してもよい。
これにより、1以上の中間地点を順次経由する走行経路を最適化する場合において、隣接する2地点(例えば、最初に経由する中間地点と次に経由する中間地点の2地点)間の経路が順次最適化され、これら経路を繋いで走行経路が作成される。よって、走行経路全体としてのコストを最適化することを実現することができる。
最適ルート設定部は、中間地点に到着するたび、現在地点を起点として設定し直し、起点から未到着の中間地点を順次経由する走行経路を再設定してもよい。
コストが計算された移動前の状況は、中間地点に移動するまでの間に変化し、最初に作成された走行経路が後々になって必ずしも最適ではなくなる場合が想定される。上記構成では、中間地点に到着するたび、残りの移動のための走行経路が最適化される。よって、AMRは、移動中の状況の変化に対応して、移動を完了するまで最適な経路に沿って移動することができる。
AMRが所定エリア内でピッキングされる物品の搬送作業に供されてもよい。最適ルート設定部は、搬送されるべき物品のピッキング優先度に応じて1以上の中間地点の経由順序を設定してもよい。
ピッキング優先度に応じて中間地点の経由順序が設定されるため、ピッキング業務の効率が向上する。
走行経路設定装置は、隣接する2地点間に設定された経路と、当該経路に沿った移動に要した時間とを紐付けて記憶する実績記憶部を更に備えてもよい。
実績が集計されることで、最適ルート設定部におけるコスト計算の妥当性を確認することができ、コストの推定精度の向上に役立てることができる。
最適ルート設定部は、経路のコストを算出するに際し、実績記憶部に当該経路とこれに紐づけられた時間が記憶されている場合には、当該時間に基づいて前記コストを算出してもよい。
実績を反映してコストを算出するため、コストの推定精度が向上し、また、コストの演算負荷が低減される。
本発明の一形態に係る自律移動ロボット制御システムは、上記の走行経路設定装置およびAMRを備える。AMRは、作成された走行経路に従って所定エリア内を移動する。
この自律移動ロボット制御システムは、上記の走行経路設定装置の技術的特徴と同一のまたは対応する技術的特徴を具備している。よって、作成された走行経路がより最適化されたものとなる。
自律移動ロボット制御システムが、ピッキングおよび搬送されるべき物品の情報と、当該物品が存在する前記通路上の1以上の中間地点を示す中間地点情報とを前記走行経路設定装置に送信する物品管理システム、を更に備えてもよい。
これにより、AMRを搬送作業に供して、所定エリア内に配置される物品を順次ピッキングするピッキング業務に適用することができる。
自律移動ロボット制御システムが、AMRに随伴する作業員が携帯する作業員携帯端末を更に備えてもよい。物品管理システムが、作業員携帯端末に物品の情報および前記中間地点情報を送信してもよい。
ピッキング業務の一形態として、作業員がAMRに随伴し、AMRが中間地点で停止すると作業員が物品をピックアップしてAMRに載せる作業を行う場合が想定される。この場合に、物品の種類および場所に関する情報が作業員携帯端末に送信される。作業員は、送信された情報を参照することで、AMRがどのように進むのか随伴中にある程度把握でき、どこで停止して何をピッキングするのかを事前に把握できるので、ピッキング業務の効率が向上する。
AMRが、物品を把持するアームを有してもよい。
AMRに随伴して物品をピックアップする作業員なしで、AMRが物品をピックアップするという形態でのピッキング業務を行うことができる。
本発明の一形態に係る走行経路設定方法は、所定エリア内で移動するAMRの走行経路を設定する。走行経路設定方法は、地図情報取得ステップ、中間地点取得ステップおよび最適ルート設定ステップを備える。地図情報取得ステップでは、AMRが走行可能な走行可能エリアの情報を含む所定エリアの地図情報を取得する。中間地点取得ステップでは、走行可能エリア上の1以上の中間地点を示す中間地点情報を取得する。最適ルート設定ステップでは、1以上の中間地点を順次経由する走行経路を、所定の複数の条件を考慮して走行経路のコストが最も低くなるように作成する。
本発明の一形態に係る走行経路設定プログラムは、上記の走行経路設定方法をコンピュータに実行させる。
上記の方法およびプログラムは、上記の走行経路設定装置の技術的特徴と同一のまたは対応する技術的特徴を具備している。よって、作成された走行経路がより最適化されたものとなる。
本発明によれば、AMRの走行経路をより最適化することができる。
本発明の実施形態に係る自律移動ロボット制御システムを示すブロック図である。 自律移動ロボット制御システムの適用対象の一例として示す倉庫の平面図であって、地図情報を概念的に示す図である。 (A)は物品データベースを示す図、(B)は作業員データベースを示す図、(C)は実績データベースを示す図、(D)はリストを示す図である。 本発明の実施形態に係る走行経路設定方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る走行経路設定方法を示すフローチャートである。 走行経路設定方法に含まれる2地点間最適化処理を示すフローチャートである。 走行経路設定方法に含まれるコスト算出処理を示すフローチャートである。 (A)~(F)は、2地点間最適化処理を示す概念図である。 作成された走行経路の一例を示す図である。 (A)が変形例に係るAMRを示すブロック図、(B)が同側面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、全図を通じて同一のまたは対応する要素には、同一の符号を付して詳細説明の重複を省略する。
(自律移動ロボット制御システム)
図1は、本発明の実施形態に係る自律移動ロボット制御システム100を示す。図2は、自律移動ロボット制御システム100の適用対象の一例としての倉庫90を示す。本実施形態に係る自律移動ロボット制御システム100は、倉庫90内でのピッキング業務に用いられ、物品80が収納および配置された倉庫90に導入されている。AMR1は、倉庫90内で移動可能であり、物品80を搬送する搬送作業に供される。以下、この適用例について説明する。
図1および図2に示すように、自律移動ロボット制御システム100は、複数の自律移動ロボット(以下、AMR)1、走行経路設定装置10、物品管理システム60および作業員携帯端末70を備える。走行経路設定装置10は、AMR1、物品管理システム60および作業員携帯端末70と無線で通信可能に接続されている。
走行経路設定装置10は、AMR1の走行経路を設定する。走行経路設定装置10は、CPU、メモリおよび入出力インタフェースを有するコンピュータによって実現される。走行経路設定装置10は、物理的に分散された複数のコンピュータの複合であってもよい。コンピュータは、例えば、サーバ装置、PLC(Programmable Logic Controller)のような制御デバイス、パーソナルコンピュータ、あるいは何らかの装置に搭載された制御基板によって実現される。制御基板は、AMR1に搭載されていてもよいが、本実施形態では、走行経路設定装置10を構成するコンピュータは、AMR1から物理的に離されている。
走行経路設定装置10のCPUは、メモリから走行経路設定プログラムを読み込んで、走行経路設定プログラムに従って本実施形態に係る走行経路設定方法と関連した情報処理を実行する。走行経路設定装置10は、走行経路設定プログラムが走行経路設定方法を実行させるコンピュータの一例である。
(倉庫)
図2に示すように、倉庫90は、保管場91、入荷場92および出荷場93を有する。保管場91、入荷場92および出荷場93は、AMR1が往来可能なように同一平面上に位置するが、水平方向においてはどのようにレイアウトされていてもよい。
入荷場92では、物品80の入荷作業が行われ、入荷された物品80の検品作業が行われる。保管場91では、入荷および検品作業後の多種の物品80が保管される。また、保管場91では、出荷されるべき物品80がピッキングされる。出荷場93では、ピッキングされた物品80の検品作業が行われ、検品作業後の物品80の出荷作業が行われる。
保管場91では、物品80を保管するための複数の棚94a~94fが配列されている。棚94a~94fは互いに間隔をおいて設置されている。保管場91には、AMR1が走行可能な走行可能エリアが形成されている。保管場91と出荷場93との間には、広く開けた走行可能エリアが設けられている。保管場91内には、通路Pが、走行可能エリアの一部を構成している。通路Pには、棚94a~94fが配置されている領域を囲うようにして形成された閉枠状の外側通路P1と、棚94a~94fが配置されている領域内において棚同士の間に形成された内側通路P2とが含まれる。
単なる一例として、棚94a~94fが配置されている領域は、全体として矩形状であり、上側、中央および下側の3つに分かれている。上側の領域では、縦長の第1棚94a、第2棚94bおよび第3棚94cが左右に並んでいる。中央の領域では、横長の第4棚94dおよび第5棚94eが左右に並んでいる。下側の領域では、横長の第6棚94fが設置されている。このように、同じ棚が行列状に配列されてはいないため、通路Pは、整然とした格子状ではなく、矩形枠状の外側通路P1と網目状の内側通路P2とで構成されている。
通路Pは、複数の通路セグメントで構成され、2以上の通路セグメントが交差点(ノード)で結節されている。本実施形態では、通路Pが、19個の通路セグメントI~XIXで構成され、14個のノードi~xivが通路P上に存在する。
例えば、第1通路セグメントIは、第1棚94aの上辺に沿って第1棚94aの上側で左右に延びる。第4通路セグメントIVは、第1棚94aの左辺に沿って第1棚94aの左側で上下に延びる。第1ノードiは、第1棚94aの左上隅の外方にあり、第1通路セグメントIの左端および第4通路セグメントIVの上端を結節する。第2通路セグメントIIは、第2棚94bの上辺に沿って第2棚94bの上側で左右に延びる。第5通路セグメントVは、第1棚94aと第2棚94bとの間で上下に延びる。第2ノードiiは、第1棚94aの右上隅と第2棚94bの左上隅との間にあり、第1通路セグメントIの右端、第2通路セグメントIIの左端および第5通路セグメントVの上端を結節する。
各棚94a~94fは、平面視で長方形状である。各棚94a~94fの収納スペースは、縦長に二分されている。例えば、棚94aの左収納スペース内の物品80は、棚94aの左長辺と面する第4通路セグメントIV上で取り出され、棚94aの右収納スペース内の物品は、棚94aの右長辺と面する第5通路セグメントV上で取り出される。
走行可能エリア、特に通路Pには、AMR1に対する所定の交通規則が定められている。例えば、外側通路P1は、比較的に広い幅員、2台のAMR1が横並びになることを許容するために十分に広い幅員を有する。よって、複数台のAMR1が同時に通行可能であり、また、両方向に通行可能である。
内側通路P2は、比較的に狭い幅員を有する。よって、内側通路P2を構成する各通路セグメントでは、1台のAMR1のみが通行可能である。内側通路P2を構成する通路セグメントの一部または全部が、一方向にのみAMRが通行することを許容する一方通行通路であってもよい。
(AMR)
AMR1は、車体2、走行装置3、搬送装置4、検出装置5および制御装置6を備える。車体2は、どのように構成されていてもよい。車体2は、検出装置5および制御装置6を収容する筐体7を有している。
走行装置3は、4つの車輪3a、駆動源3b、操舵装置3cおよび制動装置3dを有する。駆動源3bは、例えば電気モータであり、車輪3aを回転駆動する。操舵装置3cは、車輪3aを上下軸周りに回転駆動し、AMR1の進行方向を調整する。制動装置3dは、車輪3aを制動する。
搬送装置4は、車体2に取り付けられた搬送台4aを有する。ピックアップされた物品80は、搬送台4aに載置される。本適用例では、AMR1が搬送作業に供されるため、AMR1によって行われる作業に必要な要素として、この搬送装置4がAMR1に備わっている。
検出装置5は、自律走行を可能にするための多数のセンサを含む。検出装置5には、例えば、自己の現在地を把握するために周囲をレーザで走査するレーザスキャナや、自己の移動速度を検出する速度センサが含まれる。
制御装置6は、入力部6a、出力部6b、走行制御部6c、現在地測定部6dおよび時間測定部6eを有する。入力部6aは、検出装置5および走行経路設定装置10からの情報を入力する。走行制御部6cは、検出装置5からの入力に基づいて走行装置3の動作を制御し、AMR1を自律的に移動させる。現在地測定部6dは、検出装置5(レーザスキャナ)からの入力に基づいて、自身の位置を測定する。時間測定部6eは、ある地点から別のある地点までの移動の所要時間を計算する。出力部6bは、走行経路設定装置10に情報、例えば、時間測定部6eで計測された所要時間の情報を出力する。
(物品管理システム)
物品管理システム60あるいは倉庫管理システムは、倉庫90内の物品80を管理する。物品管理システム60は、ピッキングおよび出荷されるべき物品80のリストを生成するリスト生成部61と、生成されたリストを送信するリスト送信部62とを有する。リストは、作業員携帯端末70および走行経路設定装置10に送信される。
(作業員携帯端末)
本実施形態におけるピッキング作業では、1人の作業員が、保管場91で1台のAMR1に随伴し、リストに従って所要の物品80を棚94a~94fから取り出し、AMR1の搬送台4aに載置する。作業員携帯端末70は、このようなピッキング作業に従事する作業員が倉庫90内で携帯する情報端末である。なお、AMR1は、作業員によって操作される操作装置8を備えていてもよい。
作業員携帯端末70は、物品管理システム60との間で情報を送受信可能である。作業員携帯端末70は、入力部71と表示部72とを有する。作業員は、入力部71を操作することで物品管理システム60に情報を送信することができる。入力部71は、入力専用の操作器でもよく、タッチパネルでもよい。表示部72は、物品管理システム60から受信したリストを表示することができる。
上記のピッキング作業において、AMR1は、リストされた物品80が配置された箇所を順次巡回する。物品80が収納されている位置の周辺で一旦停止する。停止中に作業員は、所要の物品80を取り出して搬送台4aに載せる。次いで、作業員は、操作装置8または作業員携帯端末70の入力部71を操作して、走行再開の指示を入力する。この指示を受け、AMR1は、別の物品80が収納されている位置まで移動し、そこで一旦停止する。
以下、リストされた物品80が全てピッキングされるまで、この移動および停止を繰り返す。巡回が終わると、AMR1は、搬送台4aに物品80を載せた状態で保管場91から出荷場93まで移動する。作業員は、出荷場93まで随伴してもよい。作業員は、リストされた物品80を全てピッキングし終えた段階でAMR1から離れ、保管場91に留まっていてもよい。
(走行経路設定装置)
走行経路設定装置10は、走行経路設定プログラムの実行により、記憶部11、リスト受領部12、現在地取得部13、着完受領部14、AMR選択部15、起終点設定部16、中間地点取得部17、最適ルート設定部18、指示部19および地図情報読出部20を有する。記憶部11は、例えば、コンピュータとしての走行経路設定装置10のメモリによって実現される。リスト受領部12、現在地取得部13、着完受領部14および指示部19は、例えば、コンピュータとしての走行経路設定装置10の入出力インタフェースによって実現される。
記憶部11は、地図情報31、物品データベース32、作業員データベース33、実績データベース34を記憶している。
図2を参照して、地図情報31は、倉庫90の地図を示す。地図情報31には、倉庫90内の交通規則に関する情報が埋め込まれている。地図情報31は、倉庫90内の通路Pの情報と、AGV1が進入を禁止されている進入禁止エリア(すなわち、通路Pではないエリア)の情報とを含み、これら情報は、倉庫90の床面と平行なXY直交座標値で表される。座標グリッドは、距離[mm]に応じて設定されていてもよい。これにより、地図情報31を規定しているXY直交座標系内の2点間の距離が、そのまま倉庫90内の実距離として利用可能になる。
本実施形態では、棚94a~94fが存在する領域が、進入禁止エリアであり、それ以外の領域が通路Pである。棚94a~94fはいずれも平面視で長方形状である。地図情報31には、各棚94a~94fの4つのコーナーCの位置を示すコーナー位置情報が含まれる。4つのコーナーCで囲まれた領域が、進入禁止エリアである。
台数制限がある通路セグメントに関しては、地図情報31に、当該通路セグメントの領域に台数制限がある旨の情報が付される。一方通行通路についても同様である。
図3(A)に示すように、物品データベース32では、保管場91内に収容される各物品80の情報が、ピッキング優先度の情報と紐付けされている。ピッキング優先度が高い物品とは、複数の物品を順次ピッキングする際に、他の物品よりも優先して搬送台4aに載置されるべき物品である。例えば、サイズあるいは重量が所定値を超える物品が該当する。このような物品を搬送台4aに載置する際、搬送台4aに別の物品が既に載っていると、当該別の物品を一旦搬送台4aから降ろす等の手間が増える。この手間を回避するため、ピッキング優先度の情報が各物品に紐付けされている。一例として、ピッキング優先度の情報は、優先度が高いか、通常であるかの2値のいずれかで表される。優先度は、複数段階に分かれていてもよい。
また、物品データベース32では、保管場91内に収容される各物品80の情報が、物品80が配置されている位置の情報と紐付けされている。ここで「配置されている位置」とは、棚内で当該物品80が収納される位置と面する通路セグメント上の位置である。作業員およびAMR1が当該物品80をピッキングする際に通路P上で停止すべき位置である。この位置の情報は、地図情報31を規定するXY直交座標系の座標値で表される。
図3(B)に示すように、作業員データベース33では、作業員の識別情報が、作業員の歩行速度の情報と紐付けされている。健脚の作業員に対しては、相対的に高い歩行速度が設定される。後述するように、各作業員はAMR1に随伴する。AMR1の走行制御において、随伴する作業員の歩行速度に応じて、AMR1の直進時の移動速度の上限が決定される。
図3(C)に示すように、実績データベース34では、AMR1が実際に走行した経路が、実際の所要時間の情報と、随伴した作業員の識別情報と、そのときのAMR1の移動速度の上限の情報と紐付けされている。後述のとおり、実績データベース34は、走行経路のコスト推定の精度向上および演算負荷軽減のために利用され、コストの推定精度向上に伴う走行経路の最適化のために利用される。
リスト受領部12は、物品管理システム60からリストを受領する。図3(D)に示すように、リストには、ピッキング、搬送および出荷されるべき物品の識別情報および数量と、ピッキング作業を行う作業員の識別情報が含まれる。
現在地取得部13は、各AMR1から、現在地測定部6dで測定された現在地情報を取得する。走行経路設定装置10は、全てのAMR1の現在地を把握することができる。取得周期は、5msecのような短周期でもよく、走行経路設定装置10は、各AMR1の現在地をリアルタイムで把握することができる。
着完受領部14は、各AMR1が終点に到着したときに、当該AMR1から到着した旨を示す着完情報と、当該AMRが移動に要した所要時間情報とを受領する。所要時間情報は、各AMR1の時間計算部によって測定される。
地図情報読出部20(地図情報取得部の一例)は、記憶部11に記憶される地図情報31を読み出して取得する。
AMR選択部15は、リストを受領すると、リストされた物品の搬送作業に用いる「対象AMR」を選択する。
AMR選択部15は、現在搬送に用いられていない1以上のAMR1が存在する場合、その中から任意の1台を今回の搬送に用いる「対象AMR」として決定する。
なお、走行経路設定装置10は、搬送に供されている全てのAMR1に走行経路を指示し、着完情報の有無に基づいて走行経路に沿った移動が完了したか否かを把握可能である。そのため、走行経路設定装置10は、どのAMR1が搬送に用いられ、どのAMRが搬送に用いられていないのかをリアルタイムで把握できている。
AMR選択部15は、全てのAMR1が搬送に用いられている場合、全てのAMR1の中から最も早く搬送作業およびこれに伴う移動を終えるAMR1を推定し、推定されたAMR1を今回の搬送に用いる「対象AMR」として決定する。
なお、走行経路設定装置10は、AMR1の走行経路を「コスト」の高低(所要時間または距離の長短)に基づいて設定する。そのため、搬送に用いられているAMRがいつ搬送作業を終えるのかの推定は、走行経路を設定する段階で完了している。AMR選択部15は、走行経路の設定時に推定済のコスト(所要時間または距離)に基づいて、いずれのAMRが最も早く搬送作業を終えるのかを特定することができる。「コスト」とは、「最適な経路を算出するための評価点」であり、経路を定量的に評価するために用いる指標である。
起終点設定部16は、対象AMR1の走行経路の起点および終点を設定する。起終点設定部16は、現在地取得部13で取得される現在地情報を参照して、対象AMR1の現在地を起点に設定してもよい。起終点設定部16は、出荷場93を終点に設定する。リスト内に、出荷場93内のある地点で物品を降ろすように詳細な指示がある場合、起終点設定部16は、リストを参照して当該地点を終点に設定してもよい。
中間地点取得部17は、リストおよび物品データベース32を参照し、ピッキングおよび搬送されるべき物品80が配置されている1以上の中間位置を示す中間位置情報を取得する。リスト内の物品80の品目数が、中間位置の数と対応する。中間位置は、物品データベース32内の「配置されている位置」と対応する。中間位置は、通路P上に設定されるとともに、地図情報31を規定するXY直交座標系の座標値で表されている。
最適ルート設定部18は、起点から1以上の中間地点を順次経由して終点に至る走行経路を、所定の複数の条件を考慮して走行経路のコストが最も低くなるように作成する。その詳細については、後述する。
指示部19は、最適ルート設定部18により設定された走行経路を直進時の走行速度の上限値と併せて、対象AMR1に指示する。本実施形態では、直進時の走行速度の上限値は、対象AMR1に随伴する作業員の歩行速度に応じて、最適ルート設定部18により設定される。
(走行経路設定方法)
図4は、本発明の実施形態に係る走行経路設定方法を示すフローチャートである。このフローは、自律移動ロボット制御システム100の稼働中に繰り返し行われる。
まず、リスト受領部12が、物品管理システム60からリストを受領したか否かを判定する(S1)。リストが受領されなければ(S1:N)、着完受領部14が、搬送作業中のいずれかのAMR1から着完情報を受領したか否かを判定する(S2)。着完情報が受領されなければ(S2:N)、処理が終了する。
リストが受領されると(S1:Y)、AMR選択部15が、当該リスト内の物品の搬送作業に用いる対象AMR1を決定する(S11)。決定法については、前述したとおりである。
次に、起終点設定部16が、対象AMR1の起点と終点を設定する(S12)。対象AMR1が、待機中である場合、起点は対象AMR1の現在地に設定されてもよい。対象AMR1が、搬送作業中である場合、起点は保管場91内の任意の位置(例えば、ノードiの近辺)に設定されてもよい。終点の設定については、前述したとおりである。
次に、中間地点取得部17が、リストおよび物品データベース32を参照し、1以上の中間位置を示す中間位置情報を取得する(S13)。以下では、複数の物品、特に4つの物品を順次にピッキングする場合を例にとって説明する。
次に、最適ルート設定部18が、リストおよび作業員データベース33を参照し、対象AMR1の速度条件を設定する(S14)。リストに含まれる作業員の識別情報と合致する歩行速度を作業員データベース33から読み出し、最適ルート設定部18は、その歩行速度を対象AMR1の直進時の走行速度の上限に設定する。最適ルート設定部18は、曲線走行時の目標走行速度を一定値に設定してもよい。あるいは、最適ルート設定部18は、走行速度に代えて、曲線走行時の目標移動時間を一定値(例えば、1秒)に設定してもよい。
次に、最適ルート設定部18が、リストおよび物品データベース32を参照し、ピッキング優先度の高い物品がリストに含まれているか否かを判定する(S15)。含まれていれば(S15:Y)、ステップS21に進む。含まれていなければ(S15:N)、図5に示すステップS31に進む。説明の便宜上、含まれていない場合から説明する。
図5に示すように、最適ルート設定部18は、中間地点の経由順序を初期設定する(S31)。経由順序の決定規則は、特に限定されない。例えば、起点からの直線距離が短いものから順に、経由順序が決められてもよい。起点からの移動時間が短いものから順に、経由順序が決められてもよい。
次に、最適ルート設定部18は、経由順序に沿って隣接している2地点間の経路を最適化する処理を実行する(S40)。中間地点がN個の場合、「隣接している2地点間の経路」は、N+1個存在する。この2地点間最適化処理S40は、N+1個の経路それぞれについて1つずつ実行される(S32:N→S40)。ここで、隣接している2地点のうち、起点側を「出発地」、終点側を「目的地」とする。
2地点間最適化処理S40は、N+1個の経路に対し、起点から近い順に1つずつ実行される。これは、1つの経路が決まると、当該経路の目的地(次に処理の対象とされる経路の出発地)に到達する時刻(時間)を考慮し、対象AMR1が次に処理の対象とされる経路を走行する際に他のAMR1が倉庫90内のどこに位置しているのかを推定可能にし、その推定結果を最適経路の決定に利用可能にするためである。倉庫90内に台数制限が設定された通路セグメントが存在する場合、特に有益である。
図8(A)~図8(F)に示す2地点間最適化処理S40の概念図と併せて図6に示すフローチャートを参照し、まず、最適ルート設定部18は、出発地と目的地とを直線で結んだ経路を「第1候補」として設定する(S41)。最適ルート設定部18は、この第1候補に沿って対象AMR1が目的地に到着できるか否かを確認する(S42)。
例えば、最適ルート設定部18は、地図情報31を参照し、第1候補の経路が、進入禁止エリア(棚94a~94fのいずれか)を横切っているか否かを確認する。横切っていれば、対象AMR1は目的地に到着不可となる(図8(A)を参照)。更に、最適ルート設定部18は、一方通行通路を逆走するか否かを確認する。第1候補の経路が、一方通行通路上にあり、出発地から目的地に向かう方向が当該一方通行通路が許容している通行方向と逆方向であれば、対象AMR1は目的地に到着不可となる。
第1候補では対象AMR1が目的地に到着できない場合(S42:N)、最適ルート設定部18は、地図情報31を参照し、出発地と直線で結節可能なコーナーCの候補を選定する(S43)。図8(B)に示す例では、該当するコーナーCが5つある一方、そのうち1つは対象AMR1を目的地に到着させ得ない第1経路上にある。これを除外した4つのコーナーCが候補として選定される。
次に、選定されたコーナーCの候補から、目的地方向に最も近いコーナーを特定する(S44)。「目的地方向に近い」とは、例えば、出発地と目的地とを結ぶ直線と、コーナーと目的地とを結ぶ直線とが成す角が0度により近い(±180度からより遠い)と定義されてもよい。
出発地の位置、目的地の位置、コーナーの位置は、地図情報31にて座標値として表されている。そのため、最適ルート設定部18は、出発地から目的地に向かうベクトルと、コーナーから目的地に向かうベクトルとの内積と、これら2つのベクトルの大きさを3点の座標値より算出可能である。更に、最適ルート設定部18は、これら算出結果に基づき、成す角の余弦(目的地方向への近さを定量的に表す指標の一例)を算出可能である。余弦が+1に近いコーナーほど、目的地方向に近い。
次に、最適ルート設定部18は、出発地から、特定されたコーナーまでの所要時間を計算する(S45)。所要時間は、例えば、出発地からコーナーまでの距離を、速度条件として定めた直進時の走行速度の上限値で除算することで求められる。
次に、コスト計算処理S60を実行する。図8を参照して、まず、最適ルート設定部18は、実績データベース34上に、出発地からコーナーまでの今回の区間と同一の区間に関する情報が、所定数以上存在するか否かを確認する(S61)。
記録が所定数以上存在していれば(S61:Y)、ステップS45で推定された所要時間に代えて、記録の統計値を「移動時間コスト」として設定する(S62)。統計値は、最大値、最小値、中央値あるいは平均値など、記録されている所要時間の複数のデータを統計処理することで導出された単一の代表値である。記録が所定数未満であれば(S61:N)、ステップS45で推定された所要時間を「移動時間コスト」として設定する(S63)。
次に、所要時間経過後の他のAMR1の位置を推定する(S64)。他のAMR1が搬送作業に用いられていたとしても、そのAMR1の走行経路および速度条件を決定したのは走行経路設定装置10であり、また、走行経路設定装置10は、他のAMR1が中間地点または終点に着くと着完情報を受領する。そのため、最適ルート設定部18は、他のAMR1に設定された走行経路および速度条件と、着完情報とに基づき、搬送作業に用いられているか否かに関わらず他のAMR1の位置を推定可能である。
次に、出発地とコーナーとの間に他のAMR1が存在するか否かを判定する(S65)。存在しない場合(S65:N)、最適ルート設定部18は、「移動時間コスト」を、出発地からコーナーまでの区間のコストである「区間コスト」として設定される(S66)。存在する場合(S65:Y)、最適ルート設定部18は、当該他のAMR1が経路から離脱するまでの時間を推定し、その時間を待機時間として設定する(S67)。最適ルート設定部18は、「移動時間コスト」が示す時間に待機時間を加算し、その和を「区間コスト」として設定する(S68)。
図6に戻り、最適ルート設定部18は、目的地に到達しているか否かを判定する(S46)。到達していなければ(S46:N)、直近に特定されたコーナーを「出発地」として更新する、あるいは出発地と読み替え(S47)、目的地に到達するまでステップS43からステップS46までの処理が繰り返される(図8(C)および図8(D)を参照)。
図8(D)にも示すように、目的地に到達すると(S46:Y)、出発地から目的地に至る経路全体としてのコストである「経路コスト」を算出する(S48)。経路コストは、経路を構成する全区間の区間コストの和である。
次に、最適ルート設定部18は、その経路コストが算出済の経路の数が規定数に達したか否かを判定する(S49)。出発地から直線で直結可能なコーナーの数が規定数より少ない場合は、直結可能コーナー数に達したか否かを判定してもよい。代わりに、演算時間が所定時間に達したか否かを判定してもよい。
規定数に達していなければ(S49:N)、出発地が「出発地」としてリセットされ(S47)、目的地に到達するまでステップS43からステップS46の処理が繰り返される。繰返し処理の再開後、最初のステップS43では、コスト算出済のコーナーが、コーナーの候補から除外される。そのうえで、ステップS44において、候補の中から最も目的地方向に近いコーナーが特定される。図8(E)に示すように、候補が4つから3つに減り、その中から最も目的地方向に近いコーナーが特定され、出発地から目的地までの経路が設定され、その経路コストが算出される。図8(F)に示すように、その次の段階では、候補が更に3つから2つに減る。
規定数に達すると(S49:Y)、その経路コストが算出済の複数の経路のうち、最も経路コストが低かった経路が、当該2地点間の最適経路として設定される(S50)。
出発地から目的地まで直線で到達可能な場合(S42:Y)、ステップS43と同様にして出発地から目的地までの所要時間が算出され(S51)、コスト計算処理S60が実行される。このコスト計算処理S60にて、待機時間が加算されなかった場合(S52:Y)、最短距離を最速で移動する状況にあるので、第1候補の経路が最適経路に設定される(S53)。
待機時間が加算された場合(S52:N)、最短距離での移動であっても、図8(A)~(F)に示すように迂回した経路を選ぶことで最速で移動できる可能性がある。そのため、ステップS43に進み、上記のとおり、迂回した経路の経路コストを算出する処理が行われる。ステップS47では、第1候補の経路の経路コストと、ステップS43からステップS46までの処理で算出された複数の経路コストとが比較されたうえで、最適経路が設定される。結局的に第1候補の経路が最適経路に設定される場合もあり、迂回した経路が最適経路に設定される場合もある。
図5に戻り、隣接している2地点間の最適経路が全て設定されると(S32:Y)、最適経路を順次繋ぐことにより、起点から中間地点を順次経由して終点まで至る走行経路が完成する。最適ルート設定部18は、この完成された走行経路の全体としての「経路全体コスト」を算出する(S33)。経路全体コストは、全ての最適経路の経路コストの和である。
次に、既に算出済の経路全体コストが存在するか否かを判定する(S34)。ここまでの説明では、経路全体コストが初めて算出されている状況にある。
その場合(S34:N)、経路全体コストも収束しておらず(S35:N)、最適ルート設定部18は、走行経路の繋ぎ替えを行う(S36)。すなわち、最適ルート設定部18は、中間地点の経由順序を変更する。この変更では、中間地点から2つを任意に選択し、2つの中間地点の経由順序が交換される。
そして、交換後の経由順序に沿って隣接している2地点間の経路を最適化する処理を実行し(S40)、繋ぎ替えた走行経路の経路全体コストを算出する(S33)。ここまでの説明では、2つの経路全体コストが算出された状況にある。その場合(S34:Y)、今回の経路全体コストが前回の経路全体コストと比較され、コストが低い方の走行経路が次回処理の比較対象として維持される(S37)。
経路全体コストが収束していなければ(S35:N)、再び走行経路を繋ぎ替え(S36)、経路全体コストが算出される(S33)。今回の経路全体コストが、比較対象として維持されている走行経路の経路全体コストと比較され、コストの低い方の走行経路が、次回処理の比較対象として維持される(S37)。
経路全体コストが収束すると(S35:N)、最適ルート設定部18は、現在比較対象として維持されている走行経路が、その経路全体コストが最も低いものであるとして、当該走行経路を対象AMR1に指示すべき走行経路として設定する(S38)。指示部19は、最適ルート設定部18により設定された走行経路を、速度条件と併せて、対象AMR1に指示する(S39)。
なお、経路全体コストが収束したか否かは、比較対象の経路全体コストが規定回数以上更新されたか否かに基づいて判定されてもよい。その他、経路全体コストの算出回数(経路の繋替え回数)が所定値に達したか否かに基づいて判定されてもよく、演算時間が所定値に達したか否かに基づいて判定されてもよい。中間地点の数が2つや3つなど、相対的に少ない場合には、経路の繋ぎ替えを総当たり可能である。想定される全通りの経由順序に対して経路全体コストが算出された時点で、ステップS38に進んで指定の走行経路が設定されてもよい。
このように、最適ルート設定部18は、起点から終点までの走行経路の最適化に際し、2つの中間地点の経由順序を入れ替え、いわゆる勝ち残り方式でコストが低い走行経路を探索する。すなわち、最適ルート設定部18は、起点から終点までの走行経路の最適化に、局所探索法、中でも2-opt法を適用している。
起点から終点までの走行経路の各候補は、隣接している2地点間の経路に細分され、細分された各経路について最適化処理が行われる。各経路の最適化処理では、速度条件、交通規則、他のAMRの位置など複数の条件が考慮される。細分された経路の各々において、コストの精度が高く、最適化が実現される。そのため、細分された経路を繋ぐことで完成される走行経路の経路全体コストの精度も高い。よって、対象AMR1は、指定された速度条件下において、極力早く起点から終点まで移動することができる。
図9に、起点PSから終点PEまでの走行経路の一例を示す。2地点間の経路は、好ましくは直線に設定される(第3中間地点p3と第4中間地点p4との間の経路を参照)。直線で2地点間を結節不可能な場合、2地点間の経路は、進入禁止エリアのコーナーをかすめるようにして折れ線状に設定される。したがって、直線で結節不可能な場合においても、極力最短距離で2地点間が接続される。
起点PSと第1中間地点p1との間の経路に関し、最短経路は、第1通路セグメントIから第5通路セグメントVへ上から進入する経路である。しかし、他のAMR1が台数制限のある第5通路セグメントV上に存在し、第1中間地点p1は、第5通路セグメントVの下端部に位置している。よって、対象AMR1は、第2ノードiiで他のAMR1が次の中間地点へ移動するまで待機するより、(必要に応じて第7ノードviiで待機して)第5通路セグメントVに下から進入した方が第1中間地点p1に早く到着できる場合がある。このような場合において、下から進入する最速経路を最適経路として設定可能になり、ピッキング作業および搬送作業の効率が向上する。
なお、各コーナーでの曲線走行における移動時間コストも、経路コストに含まれる。曲線走行の移動時間コストは、対象AMR1に指示された速度条件と対応するよう設定される(例えば、1秒)。
ここで、対象AMR1は、走行経路設定装置10から走行経路および速度条件が指示されると、作業員による操作装置8での走行開始の入力操作を待機する。対象AMR1は、走行開始の入力操作が行われると、起点から最初に経由すべき中間地点まで移動して停止する。出力部6bは、移動中において現在地情報を走行経路設定装置10に出力する。停止すると、出力部6bは、着完情報を走行経路設定装置10に出力し、発進から停止までの時間に関する情報を走行経路設定装置10に出力する。
図4に戻り、着完情報が受領されると(S2:Y)、実績データベース34に、今回送られてきた時間の情報が記録される(S71)。送られてくる情報は、2地点間の走行経路の所要時間の情報だけでなく、当該走行経路を構成する各区間(出発地、コーナー、目的地のうち隣接する2位置間)の所要時間の情報が含まれていてもよい。これらの情報が記録されることで、ステップS61、S62の処理が実現される。所要時間は、速度条件の影響を受けるため、所要時間の情報に速度条件および/または作業員の識別情報が紐付けされていてもよい。
次に、最適ルート設定部18が、着完情報より終点に到達したか否かを判定する(S72)。終点に到達していれば(S72:Y)、対象AMR1の搬送作業は完了しており、処理が終了する。
対象AMR1が終点に到達していない、すなわち、いずれかの中間地点に位置していれば(S72:N)、現在地を「起点」として更新する、あるいは「起点」と読み替える(S73)。図5に示すステップS31に進み、現在地から終点までの走行経路が再設定され、再設定された走行経路が指示部19から対象AMR1に送られる。
作業員は、リストで指定された物品を指定された個数だけ搬送台4aに載せると、操作装置8で走行開始の入力操作を行う。対象AMR1は、再指定された走行経路に沿って次の地点まで移動して停止し、着完情報が走行経路設定装置10に送られる。終点に到着するまで、中間地点で停止するたび、走行経路の再設定が行われる。
自律移動ロボット制御システム100の稼働期間が長くなるにつれ、実績データベース34上の情報量が増えていき、移動時間コストが実測結果に基づいて設定される機会が増えていく。実測結果は、対象AMR1の発進および停止に伴う加減速や、経路上を走行するときに地図情報31で完全に反映することが困難な障害物の回避運動で生じた時間ロス等も考慮された値となる。そのため、移動時間コストの精度が向上し、経路をより最適化することができる。
ピッキング優先度が高い物品が含まれていた場合(S15:Y)、優先度が高い物品と対応する中間位置を優先中間地点として設定する(S21)。次に、起点と優先中間地点との2地点を対象として、2地点間最適化処理S40が実行される。設定された経路が対象AMR1に指示される(S22)。本実施形態では、中間地点に到着するたびに走行経路が再設定されるので、この最初の2地点間の経路のみを対象AMR1に指示することを許容される。
なお、優先中間地点を除いた他の中間地点を優先中間地点よりも下位の経由順序に設定し、起点から、優先中間地点およびその他の中間地点を順次経由して終点に至る走行経路の全体が設定されてもよい。
優先中間地点に到着後は、着完情報の受領を待機する。着完情報の受領後は上記同様である。
このようにピッキング優先度を考慮した走行経路の設定により、ピッキング作業の効率が向上する。
(変形例)
これまで、本発明の実施形態について説明したが、上記構成は一例であり、本発明の範囲内で適宜変更、追加および/または削除可能である。
(A)
例えば、図10(A)および図10(B)に示すように、AMR1の搬送装置4が、物品80を把持するため、アーム4bおよびハンド4cを有していてもよい。アーム4bおよびハンド4cは、AMR1の制御装置6の搬送制御部6fにより制御される。これにより、AMR1は、作業員の随伴なしにピッキング作業も自動的に行うことができる。そのため、歩行速度による速度制限も緩和される。
(B)
上記実施形態では、中間地点に到達するたび、走行経路の再設定が行われているが、搬送作業の開始前において、他のAMR1の動向を完全に先読みできるのであれば、走行経路の再設定は不要である。
作業員が棚から物品を簡単に見つけることができず、ピッキング作業に手間取る場合が考えられる。着完情報あるいはAMRの現在地情報に基づいて、いずれかのAMR1が所定時間以上同じ場所に留まっていることを検知した場合には、その後に他のAMR1が中間地点に到着した際に、走行経路の再設定が行われてもよい。
なお、このような作業の手間取り等によりAMR1の位置が突発的に当初の想定から外れた場合であっても、各AMR1はレーザスキャナで周囲を監視している。そのため、AMR1は自律的に衝突回避のための制御(制動あるいは旋回走行)を行うことができ、自律移動ロボット制御システム100の継続稼働には支障がない。
(C)
最適化処理に適用される原理あるいはアルゴリズムは、2-opt法に限定されず、その他3-opt法などの他の局所探索法でもよく、局所探索法以外の探索アルゴリズムが用いられてもよい。
(D)
コストが、時間に基づく数値として算出されているが、距離に基づく数値として算出されてもよく、時間に基づく数値と距離に基づく数値との複合であってもよい。
(E)
走行経路設定装置10の記憶部11が地図情報31を格納しているが、走行経路設定装置10の外部の記憶装置に地図情報31が格納されていてもよい。この場合、走行経路設定装置10は、当該記憶装置から地図情報31を取得する地図情報取得部を有する。
(F)
自律移動ロボット制御システム100は、倉庫90に限らず、物流業務が行われるその他のエリアにも好適に適用される。自律移動ロボット制御システム100は、搬送作業のみならず、その他の移動を必要とする業務の自動化に利用されてもよい。搬送作業以外の作業に供される場合、搬送装置4は、与えられた作業を行うための装置に適宜変更される。
1 AMR
2 車体
3 走行装置
3a 車輪
3b 駆動源
3c 操舵装置
3d 制動装置
4 搬送装置
4a 搬送台
4b アーム
4c ハンド
5 検出装置
6 制御装置
6a 入力部
6b 出力部
6c 走行制御部
6d 現在地測定部
6e 時間測定部
6f 搬送制御部
7 筐体
8 操作装置
10 走行経路設定装置
11 記憶部
12 リスト受領部
13 現在地取得部
14 着完受領部
15 AMR選択部
16 起終点設定部
17 中間地点取得部
18 最適ルート設定部
19 指示部
20 地図情報読出部
31 地図情報
32 物品データベース
33 作業員データベース
34 実績データベース
60 物品管理システム
61 リスト生成部
62 リスト送信部
70 作業員携帯端末
71 入力部
72 表示部
80 物品
90 倉庫
91 保管場
92 入荷場
93 出荷場
94a~94f 棚
100 自律移動ロボット制御システム

Claims (20)

  1. 所定エリア内で移動する自律移動ロボット(AMR)の走行経路を設定する走行経路設定装置であって、
    前記AMRが走行可能な走行可能エリアの情報を含む前記所定エリアの地図情報を取得する地図情報取得部と、
    前記所定エリア内の前記走行可能エリア上の1以上の中間地点を示す中間地点情報を取得する中間地点取得部と、
    前記1以上の中間地点を順次経由する走行経路を、所定の複数の条件を考慮して前記走行経路のコストが最も低くなるように作成する最適ルート設定部と、
    を備える、走行経路設定装置。
  2. 前記所定条件には、前記AMRの移動速度の上限を定める速度条件が含まれる、
    請求項1に記載の走行経路設定装置。
  3. 前記速度条件には、前記AMRの直進時の速度を規定する直進速度条件と、前記AMRの曲線走行時の走行速度を規定する曲線走行速度条件とが含まれる、
    請求項2に記載の走行経路設定装置。
  4. 前記AMRに随伴する作業員に関する情報を記憶する作業員情報記憶部を更に備え、
    前記速度条件は、現に前記AMRに随伴している前記作業員個々の歩行速度に応じて設定される、
    請求項2または3に記載の走行経路設定装置。
  5. 前記所定条件には、前記所定エリアに適用される交通規則に従って前記走行経路を制約する交通規則条件が含まれ、
    前記交通規則条件には、前記所定エリア内に設定されている進入禁止エリア内に前記走行経路を設定することを禁止する進入禁止条件、および、前記AMRが一方向にのみ走行可能な一方通行通路では前記一方向に対して逆方向に向かう前記走行経路を設定することを禁止する一方通行条件の少なくとも1つが含まれる、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の走行経路設定装置。
  6. 前記所定条件には、所定幅員以下の通路において複数の前記AMRが同時に存在することを禁止する台数制限条件が含まれる、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の走行経路設定装置。
  7. 前記コストは、前記走行経路に沿った移動に要する時間、または前記走行経路の総距離である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の走行経路設定装置。
  8. 前記最適ルート設定部は、前記コストが収束するまで前記コストが低い前記走行経路を探索する最適化処理を繰り返し実行する、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の走行経路設定装置。
  9. 前記最適ルート設定部は、局所探索法に従って前記最適化処理を実行する、
    請求項8に記載の走行経路設定装置。
  10. 前記最適ルート設定部は、隣接する2地点間に設定可能な複数の経路の候補のうち最もコストが低い経路を前記複数の所定の条件を考慮して選択し、選択された経路同士を繋いで前記走行経路を設定し、当該走行経路の全体としてのコストを算出する、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の走行経路設定装置。
  11. 前記最適ルート設定部は、前記中間地点に到着するたび、現在地点を起点として設定し直し、前記起点から未到着の前記中間地点を順次経由する前記走行経路を再設定する、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の走行経路設定装置。
  12. 前記AMRが前記所定エリア内でピッキングされる物品の搬送作業に供され、
    前記最適ルート設定部は、搬送されるべき物品のピッキング優先度に応じて前記1以上の中間地点の経由順序を設定する、
    請求項1から11のいずれか1項に記載の走行経路設定装置。
  13. 隣接する2地点間に設定された経路と、当該経路に沿った移動に要した時間とを紐付けて記憶する実績記憶部を更に備える、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の走行経路設定装置。
  14. 前記最適ルート設定部は、前記経路のコストを算出するに際し、前記実績記憶部に当該経路とこれに紐づけられた時間が記憶されている場合には、当該時間に基づいて前記コストを算出する、
    請求項13に記載の走行経路設定装置。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の走行経路設定装置と、
    作成された走行経路に従って前記所定エリア内を移動するAMRと、
    を備える自律移動ロボット制御システム。
  16. ピッキングおよび搬送されるべき物品の情報と、当該物品が存在する前記通路上の1以上の中間地点を示す中間地点情報とを前記走行経路設定装置に送信する物品管理システム、を更に備える、
    請求項15に記載の自律移動ロボット制御システム。
  17. 前記AMRに随伴する作業員が携帯する作業員携帯端末を更に備え、
    前記物品管理システムが、前記作業員携帯端末に前記物品の情報および前記中間地点情報を送信する、
    請求項16に記載の自律移動ロボット制御システム。
  18. 前記AMRが、前記物品を把持するアームを有する、
    請求項16に記載の自律移動ロボット制御システム。
  19. 所定エリア内で移動するAMRの走行経路を設定する走行経路設定方法であって、
    前記AMRが走行可能な走行可能エリアの情報を含む前記所定エリアの地図情報を取得する地図情報取得ステップと、
    前記走行可能エリア上の1以上の中間地点を示す中間地点情報を取得する中間地点取得ステップと、
    前記1以上の中間地点を順次経由する走行経路を、所定の複数の条件を考慮して前記走行経路のコストが最も低くなるように作成する最適ルート設定ステップと、
    を備える、走行経路設定方法。
  20. 請求項19に記載の走行経路設定方法をコンピュータに実行させる、
    走行経路設定プログラム。
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