JP2022176786A - フレキシブル回路基板およびその製造方法、ならびに電子機器 - Google Patents

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Shoji Takano
文彦 松田
Fumihiko Matsuda
嘉彦 成澤
Yoshihiko Narusawa
赳志 重岡
Takeshi Shigeoka
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Abstract

【課題】アナログ信号とデジタル信号の両方を伝送させることが可能であり、スマートフォン等の電子機器の筐体内部に曲げた状態で容易に組み込むことが可能なフレキシブル回路基板およびその製造方法ならびに電子機器を提供する。【解決手段】実施形態に係るフレキシブル回路基板は、無線通信アンテナおよびデジタル端子を有する第1モジュールと、アナログ信号およびデジタル信号の信号処理を行う第2モジュールとを電気的に接続し、信号線領域と、コネクタ領域と、曲げ領域を有する。信号線領域は、アナログ信号線と、デジタル信号線と、絶縁層を介してアナログ信号線を覆うように形成されたグランド層とを備える。曲げ領域は、信号線領域と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、フレキシブル回路基板およびその製造方法、ならびに電子機器に関し、より詳しくは、曲げ領域が減層構造または中空構造を有するフレキシブル回路基板およびその製造方法、ならびに当該フレキシブル回路基板が設けられた電子機器に関する。
近年、第5世代移動通信システム(5G)の普及により、スマートフォン等の電子機器内のアンテナ接続ケーブルの本数が増している。加えて、スマートフォン等の筐体の小型化も進んでいる。このため、アンテナ接続ケーブルがさらに高密度に配線されたフレキシブル回路基板が求められている。
5Gシステムにおいては、SUB6帯の電波とミリ波帯の電波が適用されるとともに、これまでの第4世代移動通信システム(4G)の周波数帯の電波も適用される。したがって、5Gシステムではアンテナ接続ケーブルの本数が増加する。従来は、アナログ信号を伝送する同軸ケーブルと、デジタル信号を伝送するケーブルを各々別個のものとして筐体内部に組み込んでいた。しかし、5Gシステムにおいてアンテナ接続ケーブルの本数が増加するに伴い、それら二種類のケーブルを多層フレキシブル回路基板に統合することが求められている。
なお、特許文献1および特許文献2には、一般的な多層フレキシブル回路基板が記載されている。
特許第5204871号公報 特開2004-311927号公報
前述のように、5Gシステムの普及に伴い、スマートフォン等の電子機器内のアンテナ数が増加している。無線信号などのアナログ信号を伝送するケーブルのほか、USB等のデジタル端子が受信するデジタル信号を伝送するケーブル、および電源の電力を伝送するケーブルも必要である。これらのケーブルは、バッテリの上面を跨ぐように配置される。一方、バッテリ上面には、無線給電等に使われるコイルが配置されることが増えている。このため、バッテリ上面に配置するケーブルの省スペース化が求められている。また、スマートフォン等の筐体の側面等にケーブルを配置するなど、ケーブルをバッテリ上面以外に配置する方法が併せて求められている。
本発明は、上記の技術的認識に基づいてなされたものであり、アナログ信号とデジタル信号の両方を伝送させることが可能であり、スマートフォン等の電子機器の筐体内部に曲げた状態で容易に組み込むことが可能なフレキシブル回路基板およびその製造方法ならびに電子機器を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係るフレキシブル回路基板は、
アナログ信号を受信する無線通信アンテナおよびデジタル信号を受信するデジタル端子を有する第1モジュールと、前記アナログ信号および前記デジタル信号の信号処理を行う第2モジュールとを電気的に接続するためのフレキシブル回路基板であって、前記フレキシブル回路基板には、信号線領域と、コネクタ領域と、前記信号線領域と前記コネクタ領域とを接続する曲げ領域が設けられており、
前記信号線領域の長手方向に延在するように形成され、前記無線通信アンテナから受信したアナログ信号を伝送する1又は複数のアナログ信号線と、
前記信号線領域の前記長手方向に延在するように形成され、前記デジタル端子から受信したデジタル信号を伝送する1又は複数のデジタル信号線と、
絶縁層を介して前記アナログ信号線を覆うように形成されたグランド層と、
を備え、
前記曲げ領域は、前記信号線領域と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有する、ことを特徴とする。
また、前記フレキシブル回路基板において、
前記コネクタ領域も、前記信号線領域と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有してもよい。
本発明の第2の態様に係るフレキシブル回路基板は、
アナログ信号を受信する無線通信アンテナおよびデジタル信号を受信するデジタル端子を有する第1モジュールと、前記アナログ信号および前記デジタル信号の信号処理を行う第2モジュールとを電気的に接続するためのフレキシブル回路基板であって、前記フレキシブル回路基板には、信号線領域と、コネクタ領域と、前記信号線領域と前記コネクタ領域とを接続する曲げ領域が設けられており、
前記信号線領域の長手方向に延在するように形成され、前記無線通信アンテナから受信したアナログ信号を伝送する1又は複数のアナログ信号線と、
前記信号線領域の前記長手方向に延在するように形成され、前記デジタル端子から受信したデジタル信号を伝送する1又は複数のデジタル信号線と、
絶縁層を介して前記アナログ信号線を覆うように形成されたグランド層と、
を備え、
前記曲げ領域は、内部に配線層および絶縁層のいずれも設けられない中空領域が設けられた中空構造を有する、ことを特徴とする。
また、前記フレキシブル回路基板において、
前記フレキシブル回路基板の厚さ方向について前記中空領域の一側または両側の領域に、前記信号線領域の長手方向と直交する幅方向の成分を有する切り込みが設けられてもよい。
また、前記フレキシブル回路基板において、
前記フレキシブル回路基板の厚さ方向について前記中空領域の一側または両側の領域は、前記フレキシブル回路基板を平面視してミアンダ状またはクランク状に形成されてもよい。
また、前記フレキシブル回路基板において、
前記コネクタ領域には、前記アナログ信号線または前記デジタル信号線と接続された層間接続路が設けられてもよい。
また、前記フレキシブル回路基板において、
前記層間接続路は、前記アナログ信号線または前記デジタル信号線と接続されためっきスルーホールと、導電層を介して前記めっきスルーホールと接続されたフィルドビアとを有してもよい。
また、前記フレキシブル回路基板において、
前記コネクタ領域には、前記層間接続路を介して前記アナログ信号線および前記デジタル信号線に電気的に接続されたコネクタ部品が実装されてもよい。
本発明に係る電子機器は、
筐体と、
前記筐体内に配置された、前記フレキシブル回路基板と、
前記筐体内に配置された前記第1モジュールと、
前記筐体内に配置された前記第2モジュールと、
前記筐体内において前記第1モジュールと前記第2モジュールの間に配置されたバッテリと、
を備える、ことを特徴とする。
また、前記電子機器において、
前記フレキシブル回路基板は、前記筐体の側面と前記バッテリの間を通るように配置されてもよい。
また、前記電子機器において、
前記フレキシブル回路基板は、前記筐体の背面または正面と前記バッテリの間を通るように配置されてもよい。
本発明の第1の態様に係るフレキシブル回路基板の製造方法は、
第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面を有する第1絶縁基材と、前記第1絶縁基材の前記第1主面に設けられた第1金属箔と、前記第1絶縁基材の前記第2主面に第1接着剤層を介して設けられた第1保護膜層と、を有する第1片面金属箔張積層板を用意する工程と、
前記第1金属箔をパターニングして第1導電パターンを形成する工程と、
前記第1保護膜層、前記第1接着剤層および前記第1絶縁基材を貫通し、前記第1金属箔まで到達する第1有底孔を形成する工程と、
前記第1有底孔に第1導電ペーストを充填する工程と、
前記第1保護膜層を剥離し、第1配線基材を得る工程と、
第3主面、および前記第3主面と反対側の第4主面を有する第2絶縁基材と、前記第2絶縁基材の前記第3主面に設けられた第2金属箔と、前記第2絶縁基材の前記4主面に設けられた第3金属箔と、を有する第1両面金属箔張積層板を用意する工程と、
前記第2金属箔をパターニングして第2導電パターンを形成する工程と、
前記第3金属箔および前記第2絶縁基材を貫通し、前記第2金属箔まで到達する第2有底孔を形成する工程と、
前記第2有底孔の側壁および底面に第1金属めっきを堆積させる工程と、
前記第3金属箔をパターニングして第3導電パターンを形成する工程と、
前記第3金属箔の前記第3導電パターンと、前記第2有底孔に堆積された前記第1金属めっきを埋設するように、前記第3金属箔の上に、第2接着剤層を形成する工程と、
前記第2接着剤層の上に、第1カバー材層を形成する工程と、
前記第第1カバー材層の上に、第1開口部を有する第3接着剤層を形成する工程と、
前記第3接着剤層の前記第1開口部を充填するように前記第3接着剤層の上に第2保護膜層を形成する工程と、
前記第2保護膜層、前記第3接着剤層、前記第1カバー材層および前記第2接着剤層を貫通し、前記第3金属箔まで到達する第3有底孔を形成する工程と、
前記第3有底孔に第2導電ペーストを充填する工程と、
前記第2保護膜層を剥離し、第2配線基材を得る工程と、
第5主面、および前記第5主面と反対側の第6主面を有する第3絶縁基材と、前記第3絶縁基材の前記第5主面に設けられた第4金属箔と、前記第3絶縁基材の前記6主面に設けられた第5金属箔と、を有する第2両面金属箔張積層板を用意する工程と、
前記第4金属箔をパターニングして第4導電パターンを形成する工程と、
前記第5金属箔をパターニングして第5導電パターンを形成する工程と、
前記第3絶縁基材を貫通し、前記第5金属箔に到達する第4有底孔を形成する工程と、
前記第4有底孔の側壁および底面に第2金属めっきを堆積させる工程と、
前記第4金属箔、前記第3絶縁基材および前記第5金属箔を貫通する第1貫通孔を形成し、第3配線基材を得る工程と、
前記第1導電ペーストが前記第2導電パターンに接触するように前記第1配線基材を前記第2配線基材に積層し、前記第2導電ペーストが前記第3導電パターンに接触するように前記第3配線基材を前記第2配線基材に積層する工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明の第2の態様に係るフレキシブル回路基板の製造方法は、
第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面を有する第1絶縁基材と、前記第1絶縁基材の前記第1主面に設けられた第1金属箔と、前記第1絶縁基材の前記第2主面に第1接着剤層を介して設けられた第1保護膜層と、を有する第1片面金属箔張積層板を用意する工程と、
前記第1金属箔をパターニングして第1導電パターンを形成する工程と、
前記第1保護膜層、前記第1接着剤層および前記第1絶縁基材を貫通し、前記第1金属箔まで到達する第1有底孔を形成する工程と、
前記第1有底孔に第1導電ペーストを充填する工程と、
前記第1保護膜層を剥離し、第1配線基材を得る工程と、
第3主面、および前記第3主面と反対側の第4主面を有する第2絶縁基材と、前記第2絶縁基材の前記第3主面に設けられた第2金属箔と、前記第2絶縁基材の前記4主面に設けられた第3金属箔と、を有する第1両面金属箔張積層板を用意する工程と、
前記2金属箔パターニングして第2導電パターンを形成する工程と、
前記第3金属箔および前記第2絶縁基材を貫通し、前記第2金属箔まで到達する第2有底孔を形成する工程と、
前記第2有底孔の側壁および底面に第1金属めっきを堆積させる工程と、
前記第3金属箔をパターニングして第3導電パターンを形成する工程と、
前記第3金属箔の前記第3導電パターンと、前記第2有底孔に堆積された前記第1金属めっきを埋設するように、前記第3金属箔の上に、第2接着剤層を形成する工程と、
前記第2接着剤層の上に、第1カバー材層を形成する工程と、
前記第第1カバー材層の上に、第1開口部を有する第3接着剤層を形成する工程と、
前記第3接着剤層の前記第1開口部を充填するように前記第3接着剤層の上に第2保護膜層を形成する工程と、
前記第2保護膜層と、前記第3接着剤層、前記第1カバー材層、および前記第2接着剤層を貫通し、前記第3金属箔まで到達する第3有底孔を形成する工程と、
前記第3有底孔に第2導電ペーストを充填する工程と、
前記第2保護膜層を剥離し、第2配線基材を得る工程と、
第5主面、および前記第5主面と反対側の第6主面を有する第3絶縁基材と、前記第3絶縁基材の前記第5主面に設けられた第4金属箔と、前記第3絶縁基材の前記6主面に設けられた第5金属箔と、を有する第2両面金属箔張積層板を用意する工程と、
前記第4金属箔をパターニングして第4導電パターンを形成する工程と、 前記第5金属箔をパターニングして第5導電パターンを形成する工程と、
前記第3絶縁基材を貫通し、前記第5金属箔に到達する第4有底孔を形成する工程と、
前記第4有底孔の側壁および底面に第2金属めっきを堆積させる工程と、
前記第4金属箔の前記第3導電パターンと、前記第4有底孔に堆積された前記第2金属めっきを埋設するように、前記第4金属箔の上に、第4接着剤層を形成する工程と、
前記第4接着剤層の上に、第2カバー材層を形成する工程と、
前記第2カバー材層の上に、第3保護膜層を形成する工程と、
前記第3保護膜層の上に、第4保護膜層を形成する工程と、
前記第4保護膜層と、前記第3保護膜層と、前記第2カバー材層と、前記第3接着剤層とを貫通し、前記第4金属箔まで到達する第5有底孔を形成する工程と、
前記第5有底孔に第3導電ペーストを充填する工程と、
前記第3保護膜及び前記第4保護膜層を剥離し、第3配線基材を得る工程と、
前記第1導電ペーストが前記第2導電パターンに接触するように前記第1配線基材と前記第2配線基材に積層し、前記第2導電ペーストが前記第3導電パターンに接触するように前記第3配線基材を前記第2配線基材に積層する工程と、
を備えることを特徴とする。
また、前記フレキシブル回路基板の製造方法において、
前記第2導電パターンはアナログ信号線を含んでいてもよい。
また、前記フレキシブル回路基板の製造方法において、
前記第5導電パターンはデジタル信号線を含んでいてもよい。
本発明によれば、アナログ信号とデジタル信号の両方を高速かつ低損失で伝送させることが可能であり、電子機器の筐体内に曲げた状態で容易に組み込むことが可能なフレキシブル回路基板およびその製造方法ならびに電子機器を提供することできる。
実施形態に係るフレキシブル回路基板の平面図である。 図1の領域Aにおける拡大平面図である。 図2のB-B線における模式断面図である。 第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図4に続く、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図5Aに続く、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図5Bに続く、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図5Cに続く、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図6に続く、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第2の実施形態に係る図2のB-B線における模式断面図である。 第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図9Aに続く、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図9Bに続く、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図9Cに続く、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 第3の実施形態に係る図2の領域Cにおける模式斜視図である。 第4の実施形態(ミアンダ形状)に係る図2の領域Cにおける模式斜視図である。 第4の実施形態(クランク形状)に係る図2の領域Cにおける模式斜視図である。 変形例に係るフレキシブル回路基板の平面図である。 第5の実施形態に係る電子機器の模式斜視図である。 第6の実施形態に係る電子機器の模式平面図および模式断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明する。各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付している。図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係(縦横比)、各層の厚みの比率等は現実のものと必ずしも一致しない。
<フレキシブル回路基板100の全体構造>
まず、図1を参照して、実施形態に係るフレキシブル回路基板100の全体構造について説明する。図1は、フレキシブル回路基板100の平面図を示している。フレキシブル回路基板100には、コネクタ領域110と、信号線領域120と、曲げ領域130とが設けられている。フレキシブル回路基板100は、アナログ信号を受信する無線通信アンテナおよびデジタル信号を受信するデジタル端子を有する第1モジュール(図13Aの第1モジュール200参照)と、前記アナログ信号および前記デジタル信号の信号処理を行う第2モジュール(図13Aの第2モジュール300参照)とを電気的に接続する。
コネクタ領域110は、信号線領域120の両端部に設けられている。一方のコネクタ領域110は、無線信号などのアナログ信号を送受信するアンテナモジュールに接続され、他方のコネクタ領域110は、信号処理チップが実装された信号処理モジュールに接続される。信号線領域120は、その長手方向に延材するように形成され、アナログ信号線とデジタル信号線とを含む。アナログ信号線は無線信号などのアナログ信号を伝送し、デジタル信号線はデジタル信号を伝送する。
なお、アンテナモジュールはデジタル信号を受信するデジタル端子を有してもよい。第1の実施形態のフレキシブル回路基板100において、第1モジュールはアンテナモジュールであり、第2モジュールは信号処理モジュールである。フレキシブル回路基板100は、第1モジュールと第2モジュールを電気的に接続する。具体的には、一方のコネクタ領域110が第1モジュールに電気的に接続され、他方のコネクタ領域110が第2モジュールに電気的に接続される。そして、信号線領域120に含まれるアナログ信号線とデジタル信号線が、それぞれのコネクタ領域110を電気的に接続する。言い換えると、第1モジュールと第2モジュールとは、フレキシブル回路基板100のコネクタ領域110および信号線領域120を介して電気的に接続される。
次に、図2を参照して、曲げ領域130を説明する。図2は、図1における領域Aの拡大平面図であり、フレキシブル回路基板100の一端部を拡大して図示している。曲げ領域130は、コネクタ領域110と信号線領域120とを接続する。曲げ領域130においても、アナログ信号線とデジタル信号線とが含まれている。詳しくは後述するが、曲げ領域130は、信号線領域120と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有する。または、曲げ領域130は、内部に配線層および絶縁層のいずれも設けられない中空領域が設けられた中空構造を有する。
(第1の実施形態)
<フレキシブル回路基板100の構造>
次に、図3を参照して、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板100の断面構造について説明する。図3は、図2のB-B線における模式断面図である。図3では、図面の左側がコネクタ領域110に相当する領域を示し、図面の右側が信号線領域120に相当する領域を示す。そして、曲げ領域130は、コネクタ領域110と信号線領域120との間に位置している。この曲げ領域130は、減層構造を有する。すなわち、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板100の曲げ領域130は、コネクタ領域110および信号線領域120と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有する。
より詳細には、曲げ領域130は3層の配線層を有し、信号線領域120は5層の配線層を有している。具体的には、曲げ領域130は配線層として、導電パターン(配線12b、22iおよび23b)を有し、信号線領域120は、配線層として、導電パターン(配線12b、22i、23b、32bおよび33i)を有している。したがって、曲げ領域130は、信号線領域120に比べて2層分の配線層の数が少ない減層構造を有している。同様に、曲げ領域130は2層の絶縁層を有し、信号線領域120は3層の絶縁層を有している。具体的には、曲げ領域130は第1の絶縁層(絶縁基材11と接着剤層13)、第2の絶縁層(絶縁基材21)および第3の絶縁層(接着剤層24とカバー材層71)を有する。他方、信号線領域120は、第1の絶縁層(絶縁基材11と接着剤層13)、第2の絶縁層(絶縁基材21)、第3の絶縁層(接着剤層24とカバー材層71)および第4の絶縁層(絶縁基材31)を有する。したがって、曲げ領域130は、信号線領域120に比べて1層分の絶縁層が少ない減層構造を有している。
曲げ領域130は、上記のように、信号線領域120と比べて配線層および絶縁層の数が少ない減層構造を有する。このため、曲げ領域130は、信号線領域120に比べて曲げる際の応力が緩和される。したがって、スマートフォン等の電子機器の筐体内にフレキシブル回路基板100を組み込む際にフレキシブル回路基板100を曲げた状態で組み込むことが容易となる。具体的には、筐体内にフレキシブル回路基板100を曲げた状態で組み込む場合、フレキシブル回路基板100は曲げ領域130で曲げられて筐体に組み込まれる。この際、比較的応力が緩和された曲げ領域130は、比較的容易に曲げることができる。これにより、筐体内へのフレキシブル回路基板100の曲げ組み込みを容易に行うことができる。
なお、フレキシブル回路基板100においては、アナログ信号線は配線22iに配置され、デジタル信号線は配線33iに配置される。このように、フレキシブル回路基板100には、アナログ信号線およびデジタル信号線の両方が組み込まれている。これにより、フレキシブル回路基板100を用いることで、アナログ信号線およびデジタル信号線のいずれも配置することができ、電子機器の筐体内の省スペース化を図ることができる。
また、フレキシブル回路基板100においては、絶縁層を介してアナログ信号線を覆うように形成されたグランド層を有する。具体的には、グランド層12bおよび23b(配線12bおよび23b)は、アナログ信号線の配線22iを絶縁層を介して覆う。図3に示すように、配線22iの上には第1の絶縁層(接着剤層13および絶縁基材11)が積層され、第1の絶縁層の上にはグランド層12b(配線12b)が形成されている。同様に、配線22iの下には第2の絶縁層(絶縁基材21)が積層され、第2の絶縁層の下にはグランド層23b(配線23b)が積層されている。このように、フレキシブル回路基板100においては、第1および第2の絶縁層を介してアナログ信号線(配線22i)を覆うように形成されたグランド層12bおよび23b)を有する。すなわち、フレキシブル回路基板100は3層ストリップライン構造を有する。
フレキシブル回路基板100のコネクタ領域110には、アナログ信号線またはデジタル信号線と電気的に接続された層間接続路が設けられている。この層間接続路は、図3に示すコネクタ領域110のホールH1~H4に設けられ、アナログ信号線またはデジタル信号線に電気的に接続される。たとえば、ホールH2に設けられた層間接続路と、アナログ信号線(配線22i)とが電気的に接続される。また、ホールH4に設けられた層間接続路と、デジタル信号線(配線33i)とが電気的に接続される。
なお、コネクタ領域110の層間接続路は、めっきスルーホールにより構成されてもよい。詳しくは、ホールH2には銅めっき61が堆積され、ホールH4には銅めっき62が堆積されて、それぞれめっきスルーホールが形成される。このように、コネクタ領域110の層間接続路は、アナログ信号線(配線22i)またはデジタル信号線(配線33i)に接続されためっきスルーホール(ホールH2またはホールH4)を有する。
また、コネクタ領域110の層間接続路は、フィルドビアにより構成されてもよい。より詳細には、ホールH1には、導電ペーストが充填され、フィルドビアが形成されている。そして、ホールH1に形成されたフィルドビアは、配線22iに接続される。同様にして、ホールH3にも導電ペーストが充填され、フィルドビアが形成されている。そして、ホールH3に形成されたフィルドビアは、受けランド32aに接続される。受けランド32aは、ホールH4のめっきスルーホールに接続されている。コネクタ領域110の層間接続路は、めっきスルーホールと、導電層(受けランド22aまたは32a)を介して当該めっきスルーホールと接続されたフィルドビアとを有する。なお、コネクタ領域110には、上記の層間接続路を介してアナログ信号線およびデジタル信号線に電気的に接続されたコネクタ部品(図示せず)が実装されていてもよい。
以上、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板100の概略的な構成について説明した。第1の実施形態によれば、フレキシブル回路基板100の曲げ領域130は、信号線領域120と比べて配線層および絶縁基材の数が少ない減層構造を有する。このため、曲げ領域130を曲げる際の応力が緩和される。したがって、スマートフォン等の電子機器の筐体内へのフレキシブル回路基板100の曲げ組み込みを容易に行うことができる。
なお、フレキシブル回路基板100には、アナログ信号線およびデジタル信号線の両方が収容されている。これにより、アナログ信号線用のケーブルとデジタル信号線用のケーブルを別個に電子機器の筐体内に配置する必要がなくなり、スマートフォン等の電子機器の筐体内の省スペース化を図ることができる。
また、曲げ領域130では信号線領域120と比べて配線層および絶縁層の数が削減されることから、フレキシブル回路基板100の製造に要する配線層および絶縁基材の材料を低減することができ、製造コストを低減することができる。
<フレキシブル回路基板100の製造方法>
次に、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板100の製造方法について、図4~6の工程断面図を参照して説明する。
まず、図4(1)に示すように、片面金属箔張積層板10を用意する。この片面金属箔張積層板10は、絶縁基材11と、この絶縁基材11の上面に設けられた金属箔12と、この絶縁基材11の下面に接着剤層(微粘着層)13を介して設けられた保護膜層14とを有する。金属箔12は、絶縁基材11の主面に形成されたシード層(図示せず)を介して絶縁基材11上に形成されている。絶縁基材11は、液晶ポリマー(LCP)のほか、例えば、ポリイミド(PI)、変性ポリイミド(MPI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂(PFA、PTEE等)などでよく、特に限定されない。
絶縁基材11の厚さは、例えば、100μmである。金属箔12は、銅のほか、例えば、銀、アルミニウムである。金属箔12の厚さは、例えば、12μmである。保護膜層14は、接着剤層13を介して絶縁基材11の下面に設けられる。保護膜層14は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)などの絶縁フィルムである。保護膜層14の厚さは、例えば、10μmである。接着剤層13は、例えば、厚さ10μmである。
次に、図4(2)に示すように、片面金属箔張積層板10の金属箔12を公知のフォトファブリケーション手法によりパターニングして、第1導電パターンを形成する。この第1導電パターンは、受けランド12aおよび配線12bを含む。受けランド12aの径は、例えば、φ350μmである。配線12bは、フレキシブル回路基板100においてグランド層として機能する。
次に、図4(2)に示すように、保護膜層14にレーザ光を照射することにより、保護膜層14、接着剤層13および絶縁基材11を除去して、底面に受けランド12aが露出した有底のホールH1を形成する。ホールH1の径は、例えば、φ150~200μmである。より詳しくは、炭酸ガスレーザである赤外線レーザを用いて、レーザパルスを保護膜層14の所定の位置に照射して穿孔する。赤外線レーザのビーム径は、ホールH1の径と同様の150μmに設定する。また、赤外線レーザのパルス幅は10μ秒に設定し、赤外線レーザの1パルス当たりのエネルギを5mJに設定する。
上記の通り設定された赤外線レーザのレーザ光を、保護膜層14に5ショット照射してホールH1を得る。なお、上記のように、赤外線レーザのビーム径とホールH1の径とは略同一である。言い換えると、ホールH1の径に合わせるように赤外線レーザのビーム径を調整すればよい。このため、ホールH1の形成において、赤外線レーザはビーム径の調整が容易であり、好適である。なお、ホールH1の形成においては、UV-YAGレーザなどを用いてもよく、赤外線レーザに限定されない。
赤外線レーザでホールH1を穿孔した後、デスミア処理を行う。デスミア処理では、絶縁基材11と受けランド12aとの境界における樹脂残渣(残膜)、および、受けランド12aの裏面処理膜(NiまたはCrなど)を除去する。
次に、図4(3)に示すように、スクリーン印刷等の印刷手法により、ホールH1の内部に導電ペースト51を充填する。導電ペースト51は、ペースト状の熱硬化性樹脂である樹脂バインダーに金属粒子を分散させたものである。
次に、図4(4)に示すように、接着剤層13から保護膜層14を剥離する。これにより、ホールH1に充填された導電ペースト51の一部が突出し、突出部51aが形成される。なお、この突出部51aの高さは、保護膜層14の厚さと同程度である。
以上の工程により、配線基材101(第1配線基材)が得られる。
次に、図5A(1)に示すように、両面金属箔張積層板20を用意する。この両面金属箔張積層板20は、絶縁基材21と、この絶縁基材21の上面に設けられた金属箔22と、この絶縁基材21の下面に設けられた金属箔23とを有する。絶縁基材21は、液晶ポリマー(LCP)のほか、例えば、ポリイミド(PI)、変性ポリイミド(MPI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂(PFA、PTEE等)などでよく、特に限定されない。
絶縁基材21の厚さは、例えば、100μmである。金属箔22および金属箔23は、銅のほか、例えば、銀、アルミニウムである。金属箔22および金属箔23の厚さは、例えば、それぞれ12μmである。金属箔22は、絶縁基材21の上面に形成されたシード層(図示せず)を介して絶縁基材21上に形成される。同様に、金属箔23は、絶縁基材21の下面に形成されたシード層(図示せず)を介して絶縁基材21下に形成される。
次に、図5A(2)に示すように、両面金属箔張積層板20の金属箔22を公知のフォトファブリケーション手法によりパターニングして、第2導電パターンを形成する。この第2導電パターンは、受けランド22aおよび配線22iを含む。受けランド22aの径は、例えば、φ350μmである。配線22iは、フレキシブル回路基板100においてアナログ信号線として機能する。すなわち、第2導電パターンは、アナログ信号線を含む。
次に、図5A(3)に示すように、両面金属箔張積層板20の金属箔23を公知のフォトファブリケーション手法によりパターニングして、第3導電パターンを形成する。この第3導電パターンは、受けランド23aおよび配線23bを含む。受けランド23aの径は、例えば、φ350μmである。配線23bは、フレキシブル回路基板100においてグランド層として機能する。
次に、図5A(4)に示すように、受けランド23aのコンフォーマルマスクにレーザ光を照射することにより、絶縁基材21を除去して、底面に受けランド22aが露出した有底のホールH2を形成する。ホールH2の径は、例えば、φ150~200μmである。以下、ホールH2の形成はホールH1の形成と同様である。すなわち、炭酸ガスレーザである赤外線レーザを用いて、レーザパルスを受けランド23aの所定の位置に照射してホールH2を穿孔する。赤外線レーザのビーム径は、ホールH2の径と同様の150μmに設定する。また、赤外線レーザのパルス幅は10μ秒に設定し、赤外線レーザの1パルス当たりのエネルギを5mJに設定する。
上記の通り設定された赤外線レーザのレーザ光を、5ショット照射してホールH2を得る。なお、ホールH2の形成においては、UV-YAGレーザなどを用いてもよく、赤外線レーザに限定されない。
赤外線レーザでホールH2を穿孔した後、デスミア処理を行う。デスミア処理では、絶縁基材21と受けランド23aとの境界における樹脂残渣(残膜)を除去する。また、受けランド23aおよび受けランド22aの裏面処理膜(NiまたはCrなど)を除去する。
次に、図5A(5)に示すように、ホールH2の側壁および底面に、第1金属めっき61を堆積させる。第1金属めっき61は、例えば、銅めっきである。また、第1金属めっき61は、部分めっきまたはパネルめっきにより堆積される。第1金属めっき61のめっき厚は、例えば、16μmである。
次に、図5B(1)に示すように、第3導電パターン(受けランド23aおよび配線23b)と、ホールH2に堆積された第1金属めっき61を埋設するように、接着剤層24を形成する。この接着剤層24は、例えば、厚さ10μmの微粘着層である。次に、図5B(2)に示すように、接着剤層24上にカバー材層71を形成する。カバー材層71は、例えば、絶縁樹脂フィルムである。絶縁樹脂フィルムとして、例えば、液晶ポリマー(LCP)またはポリイミドが用いられる。カバー材層71の厚さは、例えば、12μmである。
次に、図5B(3)に示すように、カバー材層71の上に開口部A1を有する接着剤層25を形成する。接着剤層25は、例えば、厚さ10μmの微粘着層である。次に、図5B(4)に示すように、接着剤層25の開口部A1を充填するように、接着剤層25の上に保護膜層26を形成する。保護膜層26は、例えば、厚さ20μmの微粘着剤付きPETフィルムである。開口部A1の径は、例えば、長手方向に30mmであり、短手方向に2mmである。
次に、図5C(1)に示すように、保護膜層26にレーザ光を照射することにより、保護膜層26、接着剤層25、カバー材層71および接着剤層24を除去して、底面に受けランド23aが露出した有底のホールH3を穿孔する。ホールH3の径は、例えば、φ150~200μmである。以下、ホールH3の形成はホールH1の形成と同様である。すなわち、炭酸ガスレーザである赤外線レーザを用いて、レーザパルスを保護膜層26の所定の位置に照射して穿孔する。赤外線レーザのビーム径は、ホールH3の径と同様の150μmに設定する。また、赤外線レーザのパルス幅は10μ秒に設定し、赤外線レーザの1パルス当たりのエネルギを5mJに設定する。
次に、図5C(2)に示すように、スクリーン印刷等の印刷手法により、ホールH3の内部に導電ペースト52を充填する。導電ペースト52は、ペースト状の熱硬化性樹脂である樹脂バインダーに金属粒子を分散させたものである。
次に、図5C(3)に示すように、接着剤層25およびカバー材層71から保護膜層26を剥離する。これにより、ホールH3に充填された導電ペースト52の一部が突出し、突出部52aが形成される。なお、この突出部52aの高さは、接着剤層25上に形成された保護膜層26の厚さと同程度である。
以上の工程により、配線基材102(第2配線基材)が得られる。
次に、図6(1)に示すように、両面金属箔張積層板30を用意する。この両面金属箔張積層板30は、絶縁基材31と、この絶縁基材31の上面に設けられた金属箔32と、この絶縁基材31の下面に設けられた金属箔33とを有する。絶縁基材31は、液晶ポリマー(LCP)のほか、例えば、ポリイミド(PI)、変性ポリイミド(MPI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂(PFA、PTEE等)などでよく、特に限定されない。
絶縁基材31の厚さは、例えば、50μmである。金属箔32および金属箔33は、銅のほか、例えば、銀、アルミニウムである。金属箔32および金属箔33の厚さは、例えば、それぞれ12μmである。金属箔32は、絶縁基材31の上面に形成されたシード層(図示せず)を介して絶縁基材31上に形成されている。同様に、金属箔33は、絶縁基材31の下面に形成されたシード層(図示せず)を介して絶縁基材31下に形成されている。
絶縁基材31の厚さを、比較的薄い50μmとすることで、より詳細には、Z=√(L/C)で表される特性インピーダンスに整合した信号線(配線33i)の線幅を狭くすることができる。ここで、Lは単位長さ当たりのインダクタンスであり、Cは線間キャパシタンスである。これにより、信号線の線幅が狭くなることにより、フレキシブル回路基板100の幅を狭くすることができ、フレキシブル回路基板100をスマートフォン等の電子機器の筐体内に組み込む際に省スペース化を図ることができる。
次に、図6(2)に示すように、金属箔32をパターニングして、コンフォーマルマスクである受けランド32aを含む第4導電パターンを形成した後、図6(3)に示すように、当該コンフォーマルマスクにレーザ光を照射することにより、絶縁基材31を除去して、底面に受けランド33aが露出した有底のホールH4を形成する。ホールH4の径は、例えば、φ150~200μmである。ホールH4はホールH1と同様にして形成される。すなわち、炭酸ガスレーザである赤外線レーザを用いて、レーザパルスをコンフォーマルマスクの開口部に照射してホールH4を穿孔する。赤外線レーザのビーム径は、ホールH4の径と同様の150μmに設定する。なお、図6(2)に示すように、金属箔33をパターニングして第5導電パターン(受けランド33aおよび配線33i)を形成する。受けランド33aの径は、例えば、φ350μmである。なお、配線33iは、フレキシブル回路基板100においてデジタル信号線として機能する。すなわち、第5導電パターンはデジタル信号線を含む。
赤外線レーザでホールH4を穿孔した後、デスミア処理を行う。デスミア処理では、受けランド33aおよび絶縁基材31との境界における樹脂残渣(残膜)を除去する。また、受けランド33aの裏面処理膜(NiまたはCrなど)を除去する。
次に、図6(4)に示すように、ホールH4の側壁および底面に、第2金属めっき62を堆積させる。第2金属めっき62は、例えば、銅めっきである。また、第2金属めっき62は、部分めっきまたはパネルめっきにより堆積される。第2金属めっき62のめっき厚は、例えば、16μmである。
次に、図6(5)に示すように、刃型等で金属箔32、絶縁基材31および受けランド33aの一部を除去して、窓開け部Wを形成する。窓開け部Wの大きさは、例えば、図5B(3)に示す接着剤層25の開口部A1の大きさと同程度であり、例えば、長手方向に30mmであり、短手方向に2mmである。
以上の工程により、配線基材103(第3配線基材)が得られる。
なお、上述の工程において、各配線基材101、102、103の金属箔に対して粗化処理を行ってもよい。粗化処理により、金属箔と絶縁基材との接着する強度を向上させることができる。
以下では、図7を参照して、上述の工程で得られた配線基材101、配線基材102および配線基材103を積層する工程を説明する。
まず、配線基材101を配線基材102の上に積層する。具体的には、導電ペースト51の突出部51aが、受けランド22aに接触するように積層する。
次に、上記の工程で得られた配線基材101と配線基材102とからなる積層体を、配線基材103の上に積層する。具体的には、導電ペースト52の突出部52aが、受けランド32aに接触するように積層する。このようにして、配線基材101、配線基材102および配線基材103が電気的に層間接続なされる。なお、配線基材101、102、103の積層順序は上記に限られない。
配線基材101、配線基材102および配線基材103からなる積層体を形成する上記の積層工程においては、真空プレス装置または真空ラミネータ装置を用いる。この真空プレス装置または真空ラミネータ装置により、積層体を加熱および加圧する。例えば、積層体を約200℃で加熱し、数MPa(例えば、2.0MPa)の圧力で加圧する。フレキシブル回路基板100を加熱する温度は、例えば、絶縁基材11、21および31を構成する液晶ポリマー(LCP)の軟化する温度よりも約50℃以上低い温度である。
積層工程において、真空プレス装置を用いる場合は上述の条件で約30~60分間、積層体を加熱および加圧する。このため、真空プレス装置による積層体の加熱および加圧において、接着剤層13、24および25の熱硬化が完了し、導電ペースト51および52の熱硬化についても完了する。
他方、積層工程において、真空ラミネータ装置を用いる場合は、上述の条件で約数分間、積層体を加熱および加圧する。このため、真空ラミネータ装置により積層体を加熱および加圧した後に、オーブン装置に積層体を移動し、ポストキュア処理を行う。ポストキュア処理では、例えば、積層体を約200℃にて約60分間加熱する。このポストキュア処理により、接着剤層13、24および25の熱硬化が完了し、導電ペースト51および52の熱硬化についても完了する。
次に、必要に応じて、外側に露出した第1および第5導電パターンの表面処理、ソルダーレジストを行い、外形加工を行う。
以上の工程により、図3に示す断面構造を有するフレキシブル回路基板100が得られる。
以上のように、第1の実施形態によるフレキシブル回路基板の製造方法によれば、曲げ領域130は、信号線領域120と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有するフレキシブル回路基板100が得られる。このため、曲げ領域130は、信号線領域120に比べて曲げる際の応力が緩和され、スマートフォン等の電子機器の筐体内へのフレキシブル回路基板100の曲げ組み込みを容易に行うことができる。
さらに、フレキシブル回路基板100においては、アナログ信号線は配線22iとして形成され、デジタル信号線は配線33iとして形成される。図3に示すように、フレキシブル回路基板100には、アナログ信号線およびデジタル信号線が組み込まれている。したがって、スマートフォン等の電子機器の筐体内にフレキシブル回路基板100を組み込むことで、無線通信アンテナが受信したアナログ信号を伝送するアナログ信号線と、USB等のデジタル端子が受信したデジタル信号を伝送するデジタル信号線とを一度にまとめて配置することができる。その結果、スマートフォン等の電子機器の筐体内の省スペース化を図ることができる。
また、フレキシブル回路基板100の曲げ領域130では、信号線領域120と比べて配線層および絶縁層の数が削減されているため、フレキシブル回路基板100に要する配線層および絶縁基材の材料を低減することができ、製造コストを低減することができる。
また、フレキシブル回路基板100は、配線基材101、配線基材102および配線基材103を積層することで製造される。すなわち、フレキシブル回路基板100は、3つの配線基材を積層することで製造されるため、配線基材同士の位置ずれの発生が比較的抑制される。このため、フレキシブル回路基板100の製造工程における歩留まりを抑制することができる。加えて、上記の位置ずれに係るマージンを比較的小さくすることができ、フレキシブル回路基板100の配線層における配線構造を高密度化することができる。
(第2の実施形態)
<フレキシブル回路基板100Aの構造>
次に、図8を参照して、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aの構造について説明する。第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板100は、曲げ領域130に減層構造を有していたが、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aは、曲げ領域130に中空構造を有する。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図8は、図2のB-B線における模式断面図である。図8では、図面の左側がコネクタ領域110に相当する領域を示し、図面の右側が信号線領域120に相当する領域を示す。曲げ領域130は、コネクタ領域110と信号線領域120との間に位置する。この曲げ領域130は中空構造を有する。すなわち、図7が示すように、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aの曲げ領域130は配線層および絶縁層のいずれも設けられない空間(中空領域)HSを有する。
具体的には、曲げ領域130において、カバー材層71とカバー材層72との間に空間HSが設けられている。このため、曲げ領域130は、信号線領域120に比べて曲げる際の応力が緩和される。したがって、スマートフォン等の電子機器の筐体内にフレキシブル回路基板100Aを組み込む際にフレキシブル回路基板100Aを曲げた状態での組み込むことが容易となる。具体的には、筐体内へフレキシブル回路基板100Aを曲げた状態で組み込む場合、フレキシブル回路基板100Aは曲げ領域130で曲げられて筐体内に組み込まれる。この際、比較的応力が緩和された曲げ領域130は、比較的容易に曲げることができる。これにより、筐体内へのフレキシブル回路基板100Aの曲げ組み込みを容易に行うことができる。
第1の実施形態の場合と同様に、フレキシブル回路基板100Aにおいては、アナログ信号線は配線22iにより構成され、デジタル信号線は配線33iにより構成される。すなわち、フレキシブル回路基板100Aには、アナログ信号線およびデジタル信号線が組み込まれ、筐体内の省スペース化を図ることができる。
また、フレキシブル回路基板100Aにおいては、絶縁層を介してアナログ信号線を覆うように形成されたグランド層を有する。具体的には、第1の実施形態と同様に、フレキシブル回路基板100Aにおいては、第1の絶縁層(接着剤層13と絶縁基材11)および第2の絶縁層(絶縁基材21)を介してアナログ信号線(配線22i)を覆うように形成されたグランド層12b、23b(配線12b、23b)を有する。すなわち、フレキシブル回路基板100Aは3層ストリップライン構造を有する。
フレキシブル回路基板100Aのコネクタ領域110には、アナログ信号線またはデジタル信号線と接続された層間接続路が設けられている。第1実施形態と同様に、この層間接続路は、図8に示すコネクタ領域110のホールH1~H4に設けられる。そして、ホールH2に設けられた層間接続路と、アナログ信号線(配線22i)とが接続される。また、ホールH4に設けられた層間接続路と、デジタル信号線(配線33i)とが接続される。
なお、コネクタ領域110の層間接続路は、アナログ信号線またはデジタル信号線と接続されためっきスルーホールを有する。第1の実施形態と同様に、コネクタ領域110の層間接続路は、アナログ信号線(配線22i)またはデジタル信号線(配線33i)に接続されためっきスルーホール(ホールH2またはホールH4)を有する。
また、コネクタ領域110の層間接続路は、フィルドビアにより構成されてもよい。より詳細には、第1の実施形態と同様に、ホールH1、ホールH3およびホールH5に導電ペーストが充填され、フィルドビアが形成される。したがって、上記ように、コネクタ領域110の層間接続路は、めっきスルーホールと、導電層(受けランド22aまたは32a)を介して当該めっきスルーホールと接続されたフィルドビアを有する。なお、コネクタ領域には、上記の層間接続路を介してアナログ信号線およびデジタル信号線に電気的に接続されたコネクタ部品(図示せず)が実装されていてもよい。
以上が第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aの概念的な構成について説明した。第2の実施形態によれば、フレキシブル回路基板100Aの曲げ領域130は、配線層および絶縁基材のいずれもが設けられない中空構造を有する。このため、曲げ領域130の曲げる際の応力が緩和される。したがって、スマートフォン等の電子機器の筐体内へのフレキシブル回路基板100Aの曲げ組み込みを容易に行うことができる。
なお、フレキシブル回路基板100Aには、アナログ信号線およびデジタル信号線の両方が収容されている。これにより、アナログ信号線用のケーブルとデジタル信号線用のケーブルを別個に電子機器の筐体内に配置する必要がなくなり、スマートフォン等の電子機器の筐体内の省スペース化を図ることができる。
また、曲げ領域130では信号線領域120と比べて絶縁層の数が削減されることから、フレキシブル回路基板100Aの製造に要する配線層および絶縁基材の材料を低減することができ、製造コストを低減することができる。
<フレキシブル回路基板100Aの製造方法>
次に、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aの製造方法について、図9A~図10の工程断面図を参照して説明する。
第2の実施形態においても、配線基材101(第1配線基材)、配線基材102(第2配線基材)および配線基材103A(第3配線基材)を積層してフレキシブル回路基板100Aを製造する。なお、配線基材101および配線基材102の製造方法は第1実施形態と同様である。すなわち、第2の実施形態における配線基材101の製造方法は図4で示されており、配線基材102の製造方法は図5A~図5Cで示されているため説明は省略する。以下では、配線基材103Aの製造方法を説明する。
図9A(1)に示すように、両面金属箔張積層板30を用意する。この両面金属箔張積層板30は、絶縁基材31と、この絶縁基材31の上面に設けられた金属箔32と、この絶縁基材31の下面に設けられた金属箔33とを有する。絶縁基材31は、液晶ポリマー(LCP)のほか、例えば、ポリイミド(PI)、変性ポリイミド(MPI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂(PFA、PTEE等)などでよく、特に限定されない。
絶縁基材31の厚さは、例えば、50μmである。金属箔32および金属箔33は、銅のほか、例えば、銀、アルミニウムである。金属箔32および金属箔33の厚さは、例えば、それぞれ12μmである。金属箔32は、絶縁基材31の上面に形成されたシード層(図示せず)を介して絶縁基材31上に形成される。同様に、金属箔33は、絶縁基材31の下面に形成されたシード層(図示せず)を介して絶縁基材31下に形成される。
絶縁基材31の厚さを、比較的薄い50μmとすることで、より詳細には、Z=√(L/C)で表される特性インピーダンスに整合した信号線(配線33i)の線幅を狭くすることができる。ここで、Lは単位長さ当たりのインダクタンスであり、Cは線間キャパシタンスである。これにより、信号線の線幅が狭くなることにより、フレキシブル回路基板100Aの幅を狭くすることができ、フレキシブル回路基板100Aをスマートフォン等の電子機器の筐体内に組み込む際に省スペース化を図ることができる。
次に、図9A(2)に示すように、金属箔32をパターニングして、コンフォーマルマスクとして機能する受けランド32aを含む第4導電パターンを形成する。そして、図9A(3)に示すように、金属箔33をパターニングして、受けランド33aおよび配線33iを含む第5導電パターンを形成する。受けランド33aの径は、例えば、φ350μmである。なお、配線33iは、フレキシブル回路基板100においてデジタル信号線として機能する。すなわち、第5導電パターンはデジタル信号線を含む。
次に、図9A(4)に示すように、コンフォーマルマスクである受けランド32aにレーザ光を照射することにより、絶縁基材31を除去して、底面に受けランド33aが露出したホールH4を形成する。ホールH4の径は、例えば、φ150~200μmである。なお、ホールH4の形成は第1の実施形態のホールH1の形成と同様である。
絶縁基材31を、赤外線レーザで貫通した後、デスミア処理を行う。デスミア処理では、受けランド33aと絶縁基材31との境界における樹脂残渣(残膜)を除去する。また、受けランド33aの裏面処理膜(NiまたはCrなど)を除去する。
次に、図9A(5)に示すように、ホールH4の側壁および底面に、第2金属めっき62を堆積させる。第2金属めっき62は、例えば、銅めっきである。また、第2金属めっき62は、部分めっきまたはパネルめっきにより堆積される。第2金属めっき62のめっき厚は、例えば、16μmである。
次に、図9B(1)に示すように、金属箔32をパターニングして形成された第4導電パターン(受けランド32a、配線32b)と、ホールH4に堆積された第2金属めっき62を埋設するように、金属箔32の上に接着剤層34を形成する。なお、接着剤層34の厚さは、例えば、10μmである。次に、図8B(2)に示すように、接着剤層34の上にカバー材層72を形成する。なお、カバー材層72は、例えば、絶縁樹脂フィルムである。絶縁樹脂フィルムとして、例えば、液晶ポリマー(LCP)またはポリイミドが用いられる。カバー材層72の厚さは、例えば、12μmである。次に、図8B(3)に示すように、カバー材層72の上に保護膜層35を形成する。なお、保護膜層35の厚さは、例えば、10μmである。
次に、図9C(1)に示すように、保護膜層35にレーザ光を照射することにより、保護膜層35、カバー材層72および接着剤層34を除去して、底面に受けランド32aが露出した有底のホールH5を穿孔する。ホールH5の径は、例えば、φ150~200μmである。以下、ホールH5の形成は第1の実施形態におけるホールH1の形成と同様である。すなわち、炭酸ガスレーザである赤外線レーザを用いて、レーザパルスを保護膜層35の所定の位置に照射して穿孔する。赤外線レーザのビーム径は、ホールH5の径と同様の150μmに設定する。また、赤外線レーザのパルス幅は10μ秒に設定し、赤外線レーザの1パルス当たりのエネルギを5mJに設定する。
次に、図9C(2)に示すように、スクリーン印刷等の印刷手法により、ホールH5の内部に導電ペースト53を充填する。導電ペースト53は、ペースト状の熱硬化性樹脂である樹脂バインダーに金属粒子を分散させたものである。
次に、図9C(3)に示すように、カバー材層72から保護膜層35を剥離する。これにより、ホールH5に充填された導電ペースト53の一部が突出し、突出部53aが形成される。なお、この突出部53aの高さは、保護膜層35の厚さと同程度である。
以上の工程により、配線基材103Aが得られる。
上述の工程において、各配線基材における金属箔の粗化処理を行ってもよい。粗化処理により、金属箔と絶縁基材との接着する強度を向上させることができる。
以下では、図10を参照して、上述の工程で得られた配線基材101、配線基材102および配線基材103Aを積層する工程を説明する。
まず、配線基材101を配線基材102の上に積層する。具体的には、導電ペースト51の突出部51aが、受けランド22aに接触するように積層する。
次に、上記の工程で得られた配線基材101と配線基材102とからなる積層体を、配線基材103Aの上に積層する。具体的には、導電ペースト52の突出部52aが導電ペースト53の突出部53aに接触するように積層する。このようにして、配線基材101、配線基材102および配線基材103Aが電気的に層間接続なされる。なお、配線基材101、102、103Aの積層順序は上記に限られない。
配線基材101、配線基材102および配線基材103Aからなる積層体を形成する上記の積層工程においては、第1の実施形態と同様に、真空プレス装置または真空ラミネータ装置を用いる。この真空プレス装置または真空ラミネータ装置により、積層体を加熱および加圧する。例えば、積層体を約200℃で加熱し、数MPa(例えば、2.0MPa)の圧力で加圧する。積層体を加熱する温度は、例えば、絶縁基材11、21および31の液晶ポリマー(LCP)の軟化する温度よりも約50℃以上低い温度である。
積層体の積層工程において、真空プレス装置を用いる場合は上述の条件で約30~60分間、積層体を加熱および加圧する。このため、真空プレス装置による積層体の加熱および加圧において、接着剤層13、24、25および34の熱硬化が完了し、導電ペースト51および52の熱硬化についても完了する。
他方、積層工程において、真空ラミネータ装置を用いる場合は、上述の条件で約数分間、積層体を加熱および加圧する。このため、真空ラミネータ装置によるフレキシブル回路基板100Aの加熱および加圧の後に、オーブン装置に積層体を移動し、ポストキュア処理を行う。ポストキュア処理では、例えば、約200℃にて約60分間加熱する。このポストキュア処理により、接着剤層13、24、25および34の熱硬化が完了し、導電ペースト51および52の熱硬化についても完了する。
次に、必要に応じて、外側に露出した第1および第5導電パターンの表面処理、ソルダーレジストを行い、外形加工を行う。
以上の工程により、図8に示す断面構造を有するフレキシブル回路基板100Aが得られる。
以上のように、第2の実施形態によるフレキシブル回路基板100Aの製造方法によれば、曲げ領域130は、内部に配線層および絶縁層のいずれもが設けられない中空構造を有するフレキシブル回路基板100Aが得られる。このため、曲げ領域130は、信号線領域120に比べて曲げる際の応力が緩和され、スマートフォン等の電子機器の筐体内へのフレキシブル回路基板100Aの曲げ組み込みを容易に行うことができる。
さらに、第1の実施形態と同様に、フレキシブル回路基板100Aにおいては、アナログ信号線は配線22iとして形成され、デジタル信号線は配線33iとして形成される。図8に示すように、フレキシブル回路基板100Aには、アナログ信号線およびデジタル信号線が組み込まれている。したがって、スマートフォン等の筐体内にフレキシブル回路基板100Aを組み込むことで、無線通信アンテナが受信したアナログ信号を伝送するアナログ信号線と、USB等のデジタル端子が受信したデジタル信号を伝送するデジタル信号線とを一度にまとめて配置することができる。その結果、スマートフォン等の電子機器の筐体内の省スペース化を図ることができる。
また、フレキシブル回路基板100Aの曲げ領域130では、信号線領域120と比べて配線層および絶縁層の数が削減されているため、フレキシブル回路基板100Aに要する配線層および絶縁基材の材料を低減することができ、製造コストを低減することができる。
また、フレキシブル回路基板100Aは、配線基材101、配線基材102および配線基材103Aを積層することで製造される。すなわち、フレキシブル回路基板100Aは、3つの配線基材を積層することで製造されるため、配線基材同士の位置ずれの発生が比較的抑制される。このため、フレキシブル回路基板100Aの製造工程における歩留まりを抑制することができる。加えて、上記の位置ずれに係るマージンを比較的小さくすることができ、フレキシブル回路基板100Aの配線層における配線構造を高密度化することができる。
(第3の実施形態)
次に、図11Aを参照して、第3の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Bについて説明する。第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aと同様に、フレキシブル回路基板100Bは曲げ領域130に中空構造を有する。加えて、フレキシブル回路基板100Bは、その曲げ領域130の一側(図11Aでは下面側)に切り込みが設けられている。以下、第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図11Aは、フレキシブル回路基板100Bの曲げ領域130を示す模式斜視図である。この図11Aは、図2の領域Cに関する模式的な斜視図であり、コネクタ領域110の一部と、信号線領域120の一部と、曲げ領域130とを示している。
より詳細には、フレキシブル回路基板100Bの曲げ領域130は、配線層および絶縁層のいずれもが設けられない空間HSを有している。すなわち、曲げ領域130は中空構造を有する。言い換えると、曲げ領域130における上面130aと、曲げ領域130における下面130bとの間に中空領域である空間HSが設けられている。
図11Aが示すように、曲げ領域130の下面130bには、切り込みであるスリットST1およびスリットST2が設けられている。具体的には、スリットST1およびスリットST2は、フレキシブル回路基板100Bの厚さ方向について空間HSの一側の領域に設けられている。なお、スリットST1およびスリットST2は、曲げ領域130の両側に設けてもよい。すなわち、スリットST1およびスリットST2は、曲げ領域130の両側である上面130aおよび下面130bに設けてもよい。スリットST1,ST2は信号線領域120の長手方向に直交する幅方向に沿って設けられている。なお、これに限らず、スリットST1、ST2は、曲げ領域130の幅方向と交差する方向に沿って設けられてもよい。一般的に言えば、スリットST1およびスリットST2は、フレキシブル回路基板100Bの信号線領域120の長手方向に直交する幅方向の成分を有するように設けられている。
フレキシブル回路基板100Bのその他の構造は、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aと同様であるから説明を省略する。また、フレキシブル回路基板100Bの製造方法についても、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aと同様であるから説明を省略する。配線22i,33iは、スリットST1、ST2を避けるように惰行して形成される。
以上のように、フレキシブル回路基板100Bの曲げ領域130は、配線層および絶縁層のいずれもが設けられない空間HSを有しており、さらに、曲げ領域130の下面130bにスリットST1およびスリットST2を有している。このため、曲げ領域130は、信号線領域120に比べて曲げる際の応力がより緩和され、スマートフォン等の筐体内へのフレキシブル回路基板100Bの曲げ組み込みがより容易に行うことができる。
なお、フレキシブル回路基板100Bにおいては、第2の実施形態と同様に、アナログ信号線およびデジタル信号線が組み込まれている。これにより、フレキシブル回路基板100Bを配置することで、アナログ信号線およびデジタル信号線とを一度にまとめて配置することができ、スマートフォン等の筐体内の省スペース化を図ることができる。
また、フレキシブル回路基板100Bの曲げ領域130は、信号線領域120と比べて配線層および絶縁層の数が削減されているため、フレキシブル回路基板100Bに要する配線層および絶縁基材の材料を低減することができ、製造コストを低減することができる。
また、フレキシブル回路基板100Bは、配線基材101(第1配線基材)、配線基材102(第2配線基材)および配線基材103A(第3配線基材)を積層することで製造される。すなわち、フレキシブル回路基板100Bは、3つの配線基材を積層することで製造されるため、配線基材同士の位置ずれの発生が比較的抑制される。このため、フレキシブル回路基板100Bの製造工程における歩留まりを抑制することができる。加えて、上記の位置ずれに係るマージンを比較的小さくすることができ、フレキシブル回路基板100Bの配線層における配線構造を高密度化することができる。
(第4の実施形態)
次に、図11Bおよび図11Cを参照して、第4の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Cについて説明する。第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aと同様に、フレキシブル回路基板100Cは曲げ領域130に中空構造を有する。加えて、フレキシブル回路基板100Cは、その曲げ領域130の一側(図11B,図11Cの下面側)が、ミアンダ状またはクランク状に設けられている。以下、第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図11Bおよび図11Cは、フレキシブル回路基板100Cの曲げ領域130を示す模式斜視図である。この図11Bおよび図11Cは、図2の領域Cに関する模式的な斜視図であり、コネクタ領域110の一部と、信号線領域120の一部と、曲げ領域130とを示している。
より詳細には、フレキシブル回路基板100Cの曲げ領域130は、配線層および絶縁層のいずれもが設けられない空間HSを有しており、すなわち、曲げ領域130は中空構造を有する。言い換えると、曲げ領域130における上面130aと、曲げ領域130における下面130bとの間に空間HSを有する。
まず、図11Bが示すように、曲げ領域130の下面130bは、蛇行するようなミアンダ形状を有する。具体的には、曲げ領域130の下面130bは、フレキシブル回路基板100Cを平面視してミアンダ状に設けられている。言い換えると、このミアンダ状の下面130bは、フレキシブル回路基板100Cの厚さ方向について空間HSの一側の領域に設けられている。なお、曲げ領域130の両側である上面130aおよび下面130bがミアンダ状に設けてもよい。
一方で、図11Cが示すように、曲げ領域130の下面130bは、クランク形状を有してもよい。具体的には、曲げ領域130の下面130bは、フレキシブル回路基板100Cを平面視してクランク状に設けられている。言い換えると、このクランク状の下面130bは、フレキシブル回路基板100Cの厚さ方向について空間HSの一側の領域に設けられている。なお、曲げ領域130の両側である上面130aおよび下面130bがクランク状に設けてもよい。
フレキシブル回路基板100Cのその他の構造は、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aと同様であるから説明を省略する。また、フレキシブル回路基板100Cの製造方法についても、第2の実施形態に係るフレキシブル回路基板100Aと同様であるから説明を省略する。配線22i,33iは、ミアンダ形状またはクランク形状に沿って形成される。
以上のように、フレキシブル回路基板100Cの曲げ領域130は、配線層および絶縁層のいずれもが設けられない空間HSを有しており、さらに、曲げ領域130の下面130bは、ミアンダ状またはクランク状に設けられている。このため、曲げ領域130は、信号線領域120に比べて曲げる際の応力がより緩和され、スマートフォン等の筐体内へのフレキシブル回路基板100Cの曲げ組み込みがより容易に行うことができる。
なお、フレキシブル回路基板100Cにおいては、第2の実施形態と同様に、アナログ信号線およびデジタル信号線が組み込まれている。これにより、フレキシブル回路基板100Cを配置することで、アナログ信号線およびデジタル信号線とを一度にまとめて配置することができ、スマートフォン等の筐体内の省スペース化を図ることができる。
また、フレキシブル回路基板100Cの曲げ領域130は、信号線領域120と比べて配線層および絶縁層の数が削減されているため、フレキシブル回路基板100Cに要する配線層および絶縁基材の材料を低減することができ、製造コストを低減することができる。
また、フレキシブル回路基板100Cは、配線基材101(第1配線基材)、配線基材102(第2配線基材)および配線基材103A(第3配線基材)を積層することで製造される。すなわち、フレキシブル回路基板100Cは、3つの配線基材を積層することで製造されるため、配線基材同士の位置ずれの発生が比較的抑制される。このため、フレキシブル回路基板100Cの製造工程における歩留まりを抑制することができる。加えて、上記の位置ずれに係るマージンを比較的小さくすることができ、フレキシブル回路基板100Cの配線層における配線構造を高密度化することができる。
(変形例)
次に、図12を参照して、変形例に係るフレキシブル回路基板100Dの構造について説明する。第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板100は、曲げ領域130に減層構造を有していたが、変形例に係るフレキシブル回路基板100Dは、コネクタ領域110Aも減層構造を有する。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図12は、変形例に係るフレキシブル回路基板100Dの模式平面図である。図12に示すように、変形例に係るフレキシブル回路基板100Dは、コネクタ領域110および110Aと、信号線領域120と、曲げ領域130とを備える。なお、図12においては、コネクタ領域110Aにコネクタ部品111が実装されている状態が示されている。
変形例に係るフレキシブル回路基板100Dにおいても、曲げ領域130は減層構造を有する。すなわち、フレキシブル回路基板100Dの曲げ領域130は、信号線領域120と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有する。
そして変形例においては、コネクタ領域110Aも減層構造を有する。すなわち、コネクタ領域110Aは、信号線領域120と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有する。なお、コネクタ領域110Aの断面構造は、曲げ領域130と同様であってもよい。すなわち、コネクタ領域110Aの断面構造は、図3に示す曲げ領域130の断面構造と同様であってもよい。また、図12に示すフレキシブル回路基板100Dにおいては、一方のコネクタ領域が減層構造を有するコネクタ領域110Aであるように図示されている。変形例に係るフレキシブル回路基板100Dは、両方のコネクタ領域が減層構造を有するコネクタ領域110Aであってもよい。
フレキシブル回路基板100Dのその他の構造は、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板100と同様である。また、フレキシブル回路基板100Dの製造方法についても、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板100と同様である。すなわち、フレキシブル回路基板100Dの製造方法において、曲げ領域130の減層構造の形成に係る工程を、コネクタ領域110Aの減層構造の形成に係る工程に適用させればよい。
以上のように、変形例に係るフレキシブル回路基板100Dによれば、曲げ領域130に加えてコネクタ領域110Aが、信号線領域120と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有する。このため、フレキシブル回路基板100Dに要する配線層および絶縁基材の材料をより削減することができ、製造コストをより削減することができる。
なお、コネクタ領域110Aおよび曲げ領域130は、信号線領域120に比べて曲げる際の応力が緩和される。このため、第1の実施形態に係るフレキシブル回路基板100と同様に、スマートフォン等の筐体内へのフレキシブル回路基板100Dの曲げ組み込みを容易に行うことができる。
また、フレキシブル回路基板100Dには、アナログ信号線およびデジタル信号線が組み込まれている。これにより、フレキシブル回路基板100Dを配置することで、アナログ信号線およびデジタル信号線を一度にまとめて配置することができ、スマートフォン等の筐体内の省スペース化を図ることができる。
また、フレキシブル回路基板100Dは、配線基材101(第1配線基材)、配線基材102(第2配線基材)および配線基材103(第3配線基材)を積層することで製造される。すなわち、フレキシブル回路基板100Dは、3つの配線基材を積層することで製造されるため、配線基材同士の位置ずれの発生が比較的抑制される。このため、フレキシブル回路基板100Dの製造工程における歩留まりを抑制することができる。加えて、上記の位置ずれに係るマージンを比較的小さくすることができ、フレキシブル回路基板100Dの配線層における配線構造を高密度化することができる。
<フレキシブル回路基板を組み込んだ電子機器>
(第5の実施形態)
次に、図13Aを参照して、上述の第1~第4の実施形態または変形例に係るフレキシブル回路基板100が組み込まれた電子機器の実施形態について説明する。本実施形態に係る電子機器においては、電子機器の筐体内の側面に、フレキシブル回路基板100を曲げて組み込んでいる。
図13Aの右側および中央の図は、フレキシブル回路基板100を曲げる前後の状態を模式的に示す図である。この図13Aの右側および中央の図に示すように、電子機器の筐体内にフレキシブル回路基板100を組み込む際、所望の形状にフレキシブル回路基板100の曲げ領域130を曲げて組み込む。電子機器の筐体内の側面にフレキシブル回路基板100を組み込んでいる。このため、図13Aの右側の図のように、信号線領域120の上にコネクタ領域110aおよび曲げ領域130が直立するような状態から、図13Aの中央の図ように、曲げ領域130を前方に曲げてコネクタ領域110bが前方に倒れるような状態とする。
図13Aの左側の図は、フレキシブル回路基板100が組み込まれた電子機器UEを模式的に示す図である。電子機器UEには、筐体500内にフレキシブル回路基板100およびその他の電子部品が組み込まれている。具体的には、この電子機器UEは、筐体500と、筐体500内に上述の実施形態または変形例に係るフレキシブル回路基板100とが配置されている。さらに、筐体500の内部には、第1モジュール200および第2モジュール300が配置され、第1モジュール200と第2モジュール300との間にバッテリ400が配置されている。
本実施形態に係る電子機器UEにおいては、第1モジュール200は、アナログ信号を受信する無線通信アンテナ、およびデジタル信号を受信するデジタル端子を有する。第2モジュール300は、第1モジュール200にて受信したアナログ信号およびデジタル信号の信号処理を行う。なお、図13Aに示すように、電子機器UEの全体制御を行うプロセッサ210を、第1モジュール200の上に配置してもよい。
第1モジュール200にはコネクタ部品220が設けられている。このコネクタ部品220を介して、第1モジュール200とコネクタ領域110aが電気的に接続される。一方で、第2モジュール300にもコネクタ部品310が設けられている。このコネクタ部品310を介して、第2モジュール300とコネクタ領域110bが電気的に接続される。これにより、フレキシブル回路基板100を介して第1モジュール200と第2モジュール300とが電気的に接続される。言い換えると、フレキシブル回路基板100は、第1モジュール200と第2モジュール300とを電気的に接続する。
上述のようにして本実施形態では、電子機器UEの筐体500内の側面に沿ってフレキシブル回路基板100が組み込まれる。すなわち、コネクタ部品220およびコネクタ部品310が第1モジュール200および第2モジュール300にそれぞれ嵌合するように曲げ領域130を曲げ、信号線領域120が筐体500内の側面を沿うようにフレキシブル回路基板100を筐体500内に組み込む。
以上のように、本実施形態によれば、第1モジュール200と第2モジュール300とをフレキシブル回路基板100で電気的に接続することができる。このため、電子機器UEの筐体内の省スペース化を図ることができ、バッテリ400の大型化などが可能となる。また、バッテリ400を跨ぐことなくフレキシブル回路基板100を配置できるので、バッテリ上面に無線給電等に使われるコイルを配置することができる。
(第6の実施形態)
次に、図13Bを参照して、上述の第1~第4の実施形態または変形例に係るフレキシブル回路基板100が組み込まれた電子機器の別の実施形態について説明する。本実施形態においては、電子機器の筐体内の底面に、フレキシブル回路基板100を曲げ領域130が曲げられた状態で組み込む。以下、第5の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図13Bは、フレキシブル回路基板100が組み込まれた電子機器UEを示す図である。図13B(1)は、電子機器UEの平面の模式断面図であり、図13B(2)は、電子機器UEの側面の模式断面図である。この図13B(1),(2)が示すように、電子機器UEには、筐体500内にフレキシブル回路基板100およびその他の電子部品が組み込まれている。具体的には、この電子機器UEは、筐体500と、筐体500内に上述の実施形態または変形例に係るフレキシブル回路基板100とが配置されている。さらに、筐体500の内部には、第1モジュール200および第2モジュール300が配置され、第1モジュール200と第2モジュール300との間にバッテリ400が配置されている。
図13B(3)は、筐体500内に組み込まれたフレキシブル回路基板100の斜視画像を示している。この図13B(3)が示すように、フレキシブル回路基板100は、P1およびP2で曲げ領域130Bが曲げられており、P3およびP4で曲げ領域130Aが曲げられている。言い換えると、曲げ領域130Aおよび曲げ領域130Bは、それぞれ2箇所で曲げられている。すなわち、第1~第4の実施形態または変形例に係るフレキシブル回路基板100においては、曲げ領域130を曲げる際の応力が低減されているため、本実施形態のように曲げ領域130の2箇所を曲げることが可能となる。
なお、第5の実施形態と同様に、第1モジュール200と第2モジュール300とをフレキシブル回路基板100で電気的に接続することができる。このため、電子機器UEの筐体内の省スペース化を図ることができ、バッテリ400の大型化などが可能となる。また、バッテリ400の上面を跨ぐことなくフレキシブル回路基板100を配置できるので、バッテリ上面に無線給電等に使われるコイルを配置することができる。
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
10 片面金属箔張積層板
20、30 両面金属箔張積層板
11、21、31 絶縁基材
12、22、23、32、33 金属箔
13、24、25、34 接着剤層
14、26、35 保護膜層
12a、22a、23a、32a、33a 受けランド
12b、23b グランド層(配線)
22i 配線(アナログ信号線)
32b 配線
33i 配線(デジタル信号線)
51、52、53 導電ペースト
61、62 金属めっき
71、72 カバー材層
100 フレキシブル回路基板
101、102、103 配線基材
110、110A コネクタ領域
120 信号線領域
130、130A、130B 曲げ領域
200 第1モジュール
300 第2モジュール
400 バッテリ
500 筐体
A1 開口部
H1、H2、H3、H4、H5 ホール
HS 空間
ST1、ST2 スリット
W 窓開け部
UE 電子機器

Claims (15)

  1. アナログ信号を受信する無線通信アンテナおよびデジタル信号を受信するデジタル端子を有する第1モジュールと、前記アナログ信号および前記デジタル信号の信号処理を行う第2モジュールとを電気的に接続するためのフレキシブル回路基板であって、前記フレキシブル回路基板には、信号線領域と、コネクタ領域と、前記信号線領域と前記コネクタ領域とを接続する曲げ領域が設けられており、
    前記信号線領域の長手方向に延在するように形成され、前記無線通信アンテナから受信したアナログ信号を伝送する1又は複数のアナログ信号線と、
    前記信号線領域の前記長手方向に延在するように形成され、前記デジタル端子から受信したデジタル信号を伝送する1又は複数のデジタル信号線と、
    絶縁層を介して前記アナログ信号線を覆うように形成されたグランド層と、
    を備え、
    前記曲げ領域は、前記信号線領域と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有する、
    フレキシブル回路基板。
  2. 前記コネクタ領域も、前記信号線領域と比べて配線層および/または絶縁層の数が少ない減層構造を有することを特徴とする、請求項1に記載のフレキシブル回路基板。
  3. アナログ信号を受信する無線通信アンテナおよびデジタル信号を受信するデジタル端子を有する第1モジュールと、前記アナログ信号および前記デジタル信号の信号処理を行う第2モジュールとを電気的に接続するためのフレキシブル回路基板であって、前記フレキシブル回路基板には、信号線領域と、コネクタ領域と、前記信号線領域と前記コネクタ領域とを接続する曲げ領域が設けられており、
    前記信号線領域の長手方向に延在するように形成され、前記無線通信アンテナから受信したアナログ信号を伝送する1又は複数のアナログ信号線と、
    前記信号線領域の前記長手方向に延在するように形成され、前記デジタル端子から受信したデジタル信号を伝送する1又は複数のデジタル信号線と、
    絶縁層を介して前記アナログ信号線を覆うように形成されたグランド層と、
    を備え、
    前記曲げ領域は、内部に配線層および絶縁層のいずれも設けられない中空領域が設けられた中空構造を有する、
    フレキシブル回路基板。
  4. 前記フレキシブル回路基板の厚さ方向について前記中空領域の一側または両側の領域に、前記信号線領域の長手方向と直交する幅方向の成分を有する切り込みが設けられていることを特徴とする、請求項3に記載のフレキシブル回路基板。
  5. 前記フレキシブル回路基板の厚さ方向について前記中空領域の一側または両側の領域は、前記フレキシブル回路基板を平面視してミアンダ状またはクランク状に形成されていることを特徴とする、請求項3に記載のフレキシブル回路基板。
  6. 前記コネクタ領域には、前記アナログ信号線または前記デジタル信号線と接続された層間接続路が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板。
  7. 前記層間接続路は、前記アナログ信号線または前記デジタル信号線と接続されためっきスルーホールと、導電層を介して前記めっきスルーホールと接続されたフィルドビアとを有することを特徴とする、請求項6に記載のフレキシブル回路基板。
  8. 前記コネクタ領域には、前記層間接続路を介して前記アナログ信号線および前記デジタル信号線に電気的に接続されたコネクタ部品が実装されていることを特徴とする、
    請求項6または7に記載のフレキシブル回路基板。
  9. 筐体と、
    前記筐体内に配置された、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板と、
    前記筐体内に配置された前記第1モジュールと、
    前記筐体内に配置された前記第2モジュールと、
    前記筐体内において前記第1モジュールと前記第2モジュールの間に配置されたバッテリと、
    を備える、
    電子機器。
  10. 前記フレキシブル回路基板は、前記筐体の側面と前記バッテリの間を通るように配置されることを特徴とする、請求項9に記載の電子機器。
  11. 前記フレキシブル回路基板は、前記筐体の背面または正面と前記バッテリの間を通るように配置されることを特徴とする、請求項9に記載の電子機器。
  12. 第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面を有する第1絶縁基材と、前記第1絶縁基材の前記第1主面に設けられた第1金属箔と、前記第1絶縁基材の前記第2主面に第1接着剤層を介して設けられた第1保護膜層と、を有する第1片面金属箔張積層板を用意する工程と、
    前記第1金属箔をパターニングして第1導電パターンを形成する工程と、
    前記第1保護膜層、前記第1接着剤層および前記第1絶縁基材を貫通し、前記第1金属箔まで到達する第1有底孔を形成する工程と、
    前記第1有底孔に第1導電ペーストを充填する工程と、
    前記第1保護膜層を剥離し、第1配線基材を得る工程と、
    第3主面、および前記第3主面と反対側の第4主面を有する第2絶縁基材と、前記第2絶縁基材の前記第3主面に設けられた第2金属箔と、前記第2絶縁基材の前記第4主面に設けられた第3金属箔と、を有する第1両面金属箔張積層板を用意する工程と、
    前記第2金属箔をパターニングして第2導電パターンを形成する工程と、
    前記第2絶縁基材を貫通し、前記第2金属箔まで到達する第2有底孔を形成する工程と、
    前記第2有底孔の側壁および底面に第1金属めっきを堆積させる工程と、
    前記第3金属箔をパターニングして第3導電パターンを形成する工程と、
    前記第3金属箔の前記第3導電パターンと、前記第2有底孔に堆積された前記第1金属めっきを埋設するように、前記第3金属箔の上に、第2接着剤層を形成する工程と、
    前記第2接着剤層の上に、第1カバー材層を形成する工程と、
    前記第1カバー材層の上に、第1開口部を有する第3接着剤層を形成する工程と、
    前記第3接着剤層の前記第1開口部を充填するように前記第3接着剤層の上に第2保護膜層を形成する工程と、
    前記第2保護膜層、前記第3接着剤層、前記第1カバー材層および前記第2接着剤層を貫通し、前記第3金属箔まで到達する第3有底孔を形成する工程と、
    前記第3有底孔に第2導電ペーストを充填する工程と、
    前記第2保護膜層を剥離し、第2配線基材を得る工程と、
    第5主面、および前記第5主面と反対側の第6主面を有する第3絶縁基材と、前記第3絶縁基材の前記第5主面に設けられた第4金属箔と、前記第3絶縁基材の前記第6主面に設けられた第5金属箔と、を有する第2両面金属箔張積層板を用意する工程と、
    前記第4金属箔をパターニングして第4導電パターンを形成する工程と、
    前記第5金属箔をパターニングして第5導電パターンを形成する工程と、
    前記第3絶縁基材を貫通し、前記第5金属箔に到達する第4有底孔を形成する工程と、
    前記第4有底孔の側壁および底面に第2金属めっきを堆積させる工程と、
    前記第3絶縁基材および前記第5金属箔を貫通する第1貫通孔を形成し、第3配線基材を得る工程と、
    前記第1導電ペーストが前記第2導電パターンに接触するように前記第1配線基材を前記第2配線基材に積層し、前記第2導電ペーストが前記第3導電パターンに接触するように前記第3配線基材を前記第2配線基材に積層する工程と、
    を備えることを特徴とするフレキシブル回路基板の製造方法。
  13. 第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面を有する第1絶縁基材と、前記第1絶縁基材の前記第1主面に設けられた第1金属箔と、前記第1絶縁基材の前記第2主面に第1接着剤層を介して設けられた第1保護膜層と、を有する第1片面金属箔張積層板を用意する工程と、
    前記第1金属箔をパターニングして第1導電パターンを形成する工程と、
    前記第1保護膜層、前記第1接着剤層および前記第1絶縁基材を貫通し、前記第1金属箔まで到達する第1有底孔を形成する工程と、
    前記第1有底孔に第1導電ペーストを充填する工程と、
    前記第1保護膜層を剥離し、第1配線基材を得る工程と、
    第3主面、および前記第3主面と反対側の第4主面を有する第2絶縁基材と、前記第2絶縁基材の前記第3主面に設けられた第2金属箔と、前記第2絶縁基材の前記第4主面に設けられた第3金属箔と、を有する第1両面金属箔張積層板を用意する工程と、
    前記第2金属箔をパターニングして第2導電パターンを形成する工程と、
    前記第2絶縁基材を貫通し、前記第2金属箔まで到達する第2有底孔を形成する工程と、
    前記第2有底孔の側壁および底面に第1金属めっきを堆積させる工程と、
    前記第3金属箔をパターニングして第3導電パターンを形成する工程と、
    前記第3金属箔の前記第3導電パターンと、前記第2有底孔に堆積された前記第1金属めっきを埋設するように、前記第3金属箔の上に、第2接着剤層を形成する工程と、
    前記第2接着剤層の上に、第1カバー材層を形成する工程と、
    前記第1カバー材層の上に、第1開口部を有する第3接着剤層を形成する工程と、
    前記第3接着剤層の前記第1開口部を充填するように前記第3接着剤層の上に第2保護膜層を形成する工程と、
    前記第2保護膜層と、前記第3接着剤層、前記第1カバー材層、および前記第2接着剤層を貫通し、前記第3金属箔まで到達する第3有底孔を形成する工程と、
    前記第3有底孔に第2導電ペーストを充填する工程と、
    前記第2保護膜層を剥離し、第2配線基材を得る工程と、
    第5主面、および前記第5主面と反対側の第6主面を有する第3絶縁基材と、前記第3絶縁基材の前記第5主面に設けられた第4金属箔と、前記第3絶縁基材の前記第6主面に設けられた第5金属箔と、を有する第2両面金属箔張積層板を用意する工程と、
    前記第4金属箔をパターニングして第4導電パターンを形成する工程と、
    前記第5金属箔をパターニングして第5導電パターンを形成する工程と、
    前記第3絶縁基材を貫通し、前記第5金属箔に到達する第4有底孔を形成する工程と、
    前記第4有底孔の側壁および底面に第2金属めっきを堆積させる工程と、
    前記第4金属箔の前記第3導電パターンと、前記第4有底孔に堆積された前記第2金属めっきを埋設するように、前記第4金属箔の上に、第4接着剤層を形成する工程と、
    前記第4接着剤層の上に、第2カバー材層を形成する工程と、
    前記第2カバー材層の上に、第3保護膜層を形成する工程と、
    前記第3保護膜層の上に、第4保護膜層を形成する工程と、
    前記第4保護膜層と、前記第3保護膜層と、前記第2カバー材層と、前記第3接着剤層とを貫通し、前記第4金属箔まで到達する第5有底孔を形成する工程と、
    前記第5有底孔に第3導電ペーストを充填する工程と、
    前記第3保護膜層及び前記第4保護膜層を剥離し、第3配線基材を得る工程と、
    前記第1導電ペーストが前記第2導電パターンに接触するように前記第1配線基材と前記第2配線基材に積層し、前記第2導電ペーストが前記第3導電ペーストに接触するように前記第3配線基材を前記第2配線基材に積層する工程と、
    を備えることを特徴とするフレキシブル回路基板の製造方法。
  14. 前記第2導電パターンはアナログ信号線を含む、ことを特徴とする請求項12または13に記載のフレキシブル回路基板の製造方法。
  15. 前記第5導電パターンはデジタル信号線を含む、ことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載のフレキシブル回路基板の製造方法。
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