JP2010080716A - プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い電磁シールド性能をもつプリント配線板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】第1層間絶縁体層11の一主面に信号配線12が配設され、他主面に第1グランド層13が張着される。また、第2層間絶縁体層14の一主面に第2グランド層15が張着され、その他主面が第1接着剤16を介して第1層間絶縁体層11の一主面側に貼り付けられる。そして、第1グランド層13から第2グランド層15を貫通するトレンチ17が、各信号配線12の両脇に沿って並行に穿設され、トレンチ17の表面に被着し第1グランド層13および第2グランド層15に電気接続する導電体層18が形成される。このトレンチ17を充填する第2接着剤19が形成され、第2接着剤19を介し第1カバー層20と第2カバー層21が貼着される。
【選択図】図1
【解決手段】第1層間絶縁体層11の一主面に信号配線12が配設され、他主面に第1グランド層13が張着される。また、第2層間絶縁体層14の一主面に第2グランド層15が張着され、その他主面が第1接着剤16を介して第1層間絶縁体層11の一主面側に貼り付けられる。そして、第1グランド層13から第2グランド層15を貫通するトレンチ17が、各信号配線12の両脇に沿って並行に穿設され、トレンチ17の表面に被着し第1グランド層13および第2グランド層15に電気接続する導電体層18が形成される。このトレンチ17を充填する第2接着剤19が形成され、第2接着剤19を介し第1カバー層20と第2カバー層21が貼着される。
【選択図】図1
Description
本発明は、プリント配線板およびその製造方法に係り、詳しくは配線間において高性能の電磁シールドを有するプリント配線板およびその製造方法に関する。
一般に電子部品が実装されるプリント配線板では、電子機器の短小軽薄化に伴い、その高密度配線化および短小軽薄化が強く要求される。そのため、プリント配線板に配設される配線の微細化と配線間の縮小化、さらに多層配線化が行われている。また、ネットワーク機器、サーバー、テスターのような電子機器に使用されるフレキシブルプリント配線板(以下、Flexible Printed Cable;FPCともいう)では、たとえば数GHz〜数十GHz帯の高速デジタル信号の使用においてその高周波特性を損なうことなく伝送することが要求される。そこで、配線間の電磁干渉を防止するため配線基板におけるシールド効果を高めることが必須になる。
以下に従来の配線板におけるシールド構造について、図7および図8を参照して説明する。ここで、図7はシールド構造をもつFPCの断面図であり、図8はそのシールド要部の説明に供する分解斜視図である。
図7,8に示すように、第1層間絶縁体層101の一主面に信号配線102とグランド配線103とが互いに並行して配設されている。そして、第1層間絶縁体層101の他主面に導電体膜からなる第1グランド層104が張着されている。また、第2層間絶縁体層105の一主面に導電体膜からなる第2グランド層106が張着され、この第2層間絶縁体層105の他主面が第1接着剤107を介して、第1層間絶縁体層101上の信号配線102およびグランド配線103を覆うように積層されている。
そして、所定の離間位置においてグランド配線103を貫通するインナービア108が、第1グランド層104から第2グランド層106に亘って形成されている。このインナービア108に導電体プラグ109が充填され、導電体プラグ109は第1グランド層104、グランド配線103および第2グランド層106を電気接続している。そして、第1グランド層104の第1層間絶縁体層101に対向する面および第2グランド層106の第2層間絶縁体層105に対向する面に、上記導電体プラグ109形成時に成膜されたメッキ層110を被覆するように、それぞれ絶縁体からなる第1カバー層112および第2カバー層113が第2接着剤111を介し貼着されている。
このようなFPCでは、第1層間絶縁体層101上で信号配線102間に並行して配設されたグランド配線103が信号配線間の電磁シールドとして機能する。また、第1グランド層104および第2グランド層106がFPC外部からの電磁ノイズを遮蔽する電磁シールドとなる。
しかしながら、上記フレキシブルプリント配線板において信号配線102およびグランド配線103の配線の微細化およびそれ等の配線間が縮小化すると、信号配線103の相互間の電磁干渉が顕在化する。このために、このFPCではたとえば高速デジタル信号の充分な高周波特性が得られないという問題が生じてくる。
これは、従来技術の上記シールド構造のFPCでは、導電体プラグ109がグランド配線103上で離散的に形成されるためである。このため、信号配線102は、上記導電体プラグ109の形成されていないところで、誘電体である第1層間絶縁体層101、第2層間絶縁体層105あるいは第1接着層107を介し横方向に相互に電磁干渉することになる。そして、信号配線102を伝送する信号の周波数が高くなると、その周りに生成される電磁場が強くなり、さらに上記横方向の電磁干渉が増大するようになる。
なお、上述したような信号配線間の電磁干渉は、フレキシブルプリント配線板の場合に限らず、リジッド配線板であっても全く同様に生じる問題である。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、プリント配線板に配設される信号配線間の電磁干渉を防止し、高い電磁シールド性能をもつプリント配線板およびその製造方法を提供することを目的とする。さらに、上記電磁シールド構造を有するプリント配線板の高密度配線化および短小軽薄化を容易にすることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明にかかるプリント配線板は、一主面に複数の信号配線が配設され他主面に第1の導体層が形成された第1の絶縁体層と、一主面に第2の導体層が形成され他主面が前記第1の絶縁体層の一主面側に貼り付けられた第2の絶縁体層と、を有し、前記第1の導体層から前記第2の導体層に亘って貫通する溝が前記信号配線の両脇に沿って並行して穿設され、前記溝の表面に被着し前記第1の導体層および前記第2の導体層に電気接続する導電体層が形成されている構成になっている。
あるいは、本発明にかかるプリント配線板は、一主面に複数の信号配線が配設され他主面に第1の導体層が形成された第1の絶縁体層と、一主面に第2の導体層が形成され他主面が前記第1の絶縁体層の一主面側に貼り付けられた第2の絶縁体層と、を有し、前記信号配線の配設された方向に沿って前記信号配線間を隔離する導体からなる導電体隔壁が形成され、前記導電体隔壁は前記第1の導体層あるいは前記第2の導体層に電気接続している構成になっている。
そして、本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、第1の絶縁体層の一主面に複数の信号配線を配設し、その他主面に第1の導体層を形成する工程と、第2の絶縁体層の一主面に第2の導体層を形成し、その他主面を接着剤を介して前記第1の絶縁体層の一主面側に貼り付ける工程と、前記第1導電体層から第2の導体層に亘って貫通する溝を前記信号配線の両脇に沿って並行して穿設する工程と、前記溝の表面に被着し、前記第1の導体層および前記第2の導体層に電気接続する導電体層を無電解メッキにより形成する工程と、を有する構成になっている。
あるいは、本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、第1の絶縁体層の一主面に複数の信号配線を配設し、その他主面に第1の導体層を形成する工程と、前記第1の導体層に達する第1の溝を前記信号配線の両脇に沿って並行に前記第1の絶縁体層に形成する工程と、第2の絶縁体層の一主面に第2の導体層を形成し、その他主面から前記第2の導体層に達する第2の溝を前記第1の溝に対向して形成する工程と、前記第1の導体層あるいは前記第2の導体層に電気接続する導体バンプを前記第1の溝あるいは前記第2の溝に沿って形成する工程と、前記導体バンプの先端を前記第2の溝あるいは前記第1の溝に嵌合させ、あるいは前記第1の溝および前記第2の溝に沿って形成した導体バンプのそれぞれの先端を当接させ、接着剤を介して前記第2の絶縁体層の他主面を前記第1の絶縁体層の一主面側に貼り付ける工程と、を有する構成になっている。
本発明の構成により、プリント配線板に配設される信号配線間の電磁干渉を防止し、高い電磁シールド性能をもつプリント配線板およびその製造方法を提供することができる。そして、上記電磁シールド構造を有するプリント配線板の高密度配線化および短小軽薄化が容易になる。
以下に本発明の好適な実施形態のいくつかについて図面を参照して説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には共通の符号を付して、重複説明は一部省略される。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態にかかるプリント配線板について、図1および図2を参照して説明する。ここで、図1は本実施形態のシールド構造をもつFPCの断面図であり、図2はそのシールド要部の説明に供する分解斜視図である。
本発明の第1の実施形態にかかるプリント配線板について、図1および図2を参照して説明する。ここで、図1は本実施形態のシールド構造をもつFPCの断面図であり、図2はそのシールド要部の説明に供する分解斜視図である。
図1,2に示すように、本実施形態のFPC10では、第1層間絶縁体層11の一主面に複数の信号配線12が配設され、第1層間絶縁体層11の一主面に対向する他主面に導電体膜からなる第1の導体層の第1グランド層13が張着されている。また、第2層間絶縁体層14の一主面に導電体膜からなる第2の導体層の第2グランド層15が張着され、この第2層間絶縁体層14が第1接着剤16を介して、第1層間絶縁体層11上の信号配線12を覆うようにレイアップされている。
そして、第1グランド層13から第2グランド層15にわたり細長い貫通する溝すなわちトレンチ17が、各信号配線12の両脇に沿って並行して穿設されている。そして、このトレンチ17の表面に被着し、さらにトレンチ17の開口部の第1グランド層13および第2グランド層15の表面に被着するように導電体層18が形成されている。ここで、この導電体層18は第1グランド層13および第2グランド層15に電気接続している。なお、これ等のグランド層13,15は接地等の一定電位に固定されているとよい。
そして、第2接着剤19が、導電体層18の形成されたトレンチ17内に導入され、第1グランド層13および第2グランド層15の表面の導電体層18を覆うように形成されている。さらに、この第2接着剤19を介して、絶縁体からなるそれぞれ第1カバー層20および第2カバー層21が貼着され、FPC10の表裏面を形成している。
本実施形態のシールド構造を有するFPC10では、第1層間絶縁体層11上に配設される各信号配線12は、その下方が第1グランド層13により、その上方が第2グランド層15により、その横方向が導電体層18により、第1層間絶縁体層11、第2層間絶縁体層14および第1接着剤16の誘電体を介して完全に囲繞される。このようにして、各信号配線12は、第1グランド層13、第2グランド層15および導電体層18により同軸構成に形成されることになる。なお、信号配線12の上述したような同軸構成は、FPC10において配設される全域に亘るものであってもよいし、その所要の領域での部分的なものであっても構わない。
上記実施形態のFPC10において、第1層間絶縁体層11および第2層間絶縁体層14は、たとえば膜厚が10μm〜25μmのポリイミド樹脂により形成されると好適である。その他に、熱硬化性樹脂としてアクリル系樹脂、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂あるいはエポキシ系樹脂等が使用される。そして、信号配線12は、たとえば膜厚が5μm〜35μmの銅箔のような金属箔が所要の配線ピッチに形成される。また、第1接着剤16および第2接着剤19は、たとえば熱硬化性のポリイミド系樹脂あるいはエポキシ系樹脂からなる。そして、第1カバー層20および第2カバー層21は、層間絶縁体層11,14と同様な熱硬化性樹脂により形成される。
上記熱硬化性樹脂に換えて、たとえば液晶ポリマー、フェノキシ樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリフェニールエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリテトラフロロエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を使用しても構わない。同様に、上記接着剤として、熱可塑性樹脂を用いることができる。
次に、第1の実施形態におけるFPC10の製造方法を説明する。図3は本実施形態のFPC10の製造における工程別要部断面図である。図3(a)に示すように、たとえば熱硬化性樹脂からなる第1層間絶縁体層11の両面に銅箔が加熱・加圧によりまたは接着剤により張着されてなる両面銅張積層板において、第1層間絶縁体層11の一主面の銅箔を所要の回路パターンに選択的エッチングする。このようにして、第1層間絶縁体層11の一主面に信号配線12を形成し、その他主面の銅箔はそのまま第1グランド層13とする。ここで、信号配線12の線幅は適宜に設定されるが、たとえば10μm〜150μm程度である。
上述した回路パターンの選択的エッチングに使用するエッチングマスクは、公知の感光性樹脂膜のスピン塗布法あるいはスクリーン印刷法による成膜と、その露光・現像とにより形成する。マスクはドライフィルムのラミネートで形成することもできる。銅箔のエッチングは、たとえば塩化第二銅水溶液あるいは塩化鉄水溶液からなる化学薬液のエッチング液を用いる。
また、第2層間絶縁体層14の一主面に銅箔がたとえば接着剤により張着された片面銅張積層板を用意し、たとえばシート状のホットメルト接着剤である第1接着剤16を第2層間絶縁体層14の他主面にラミネートする。ここで、一主面の銅箔は第2グランド層15となる。そして、上述した両面銅張積層板と片面銅張積層板とを位置決めし、図3(b)に示すように、これ等の積層板を重ね合わせ配置した後に加熱・加圧により貼り合わせる。
次に、図3(c)に示すように、信号配線12の両脇に沿って信号配線12に並行したライン状のトレンチ17を穿設する。ここで、トレンチ17は、第1層間絶縁体層11、第1グランド層13、第2層間絶縁体層14、第2グランド層15および第1接着剤16を貫通している。そして、このトレンチ17の幅は適宜に設定されるが、たとえば10μm〜200μm程度である。
このようなトレンチ17の形成ではレーザ加工法が好適に使用できる。その他にドリル加工法を適用してもよい。あるいは化学薬液によるエッチング加工法を用いてもよい。レーザ加工法あるいはドリル加工法を用いる場合には、これ等の加工で残存する樹脂あるいは銅箔を除去するために、さらに、過マンガン酸カリウム水溶液等によるウェットデスミア又はプラズマ等によるドライデスミアなどを施すのが好ましい。
そして、図3(d)に示すように、たとえば無電解メッキ処理により、導電体層18を形成する。ここで、導電体層18はトレンチ17の表面に被着し、さらに第1グランド層13および第2グランド層15の露出面に被着する。ここで、その厚さは適宜に設定されるが、たとえば1μm〜15μm程度であればよい。
最後に、図3(e)に示すように、上記トレンチ17を充填し、第1グランド層13および第2グランド層15の表面の導電体層18を覆うように、たとえばシート状のホットメルト接着剤からなる第2接着剤19をラミネートする。さらに、この第2接着剤19を介して、絶縁体からなるそれぞれ第1カバー層20および第2カバー層21を適宜な加熱・加圧により貼着する。その後、所望の形状に切断して図1および図2で説明したFPC10が出来上がる。
上記実施形態では、1層の信号配線12が形成されるFPCの場合について説明しているが、電磁シールドを有する多層配線板も同様にして形成できる。この場合には、図3(e)に示した第2接着剤19が接着された状態の複数のFPCを互いにプリプレグ(層間絶縁体層)を挟んでレイアップすることにより極めて容易に所望の層数の多層配線板にすることができる。
第1の実施形態では、プリント配線板に配設された信号配線12は、その上方と下方がグランド層13,15により、そして、その横方向が導電体層18により、誘電体を挟んで完全に囲繞されている。このようにして、それぞれの信号配線12は導電体により同軸構成になる。このために、信号配線間の電磁干渉が略完全に防止された高い電磁シールド性能をもつプリント配線板が可能になる。そして、高速信号の伝送において充分な高周波特性が容易に得られるようになる。さらに、上記電磁シールド構造を有するプリント配線板の高密度配線化、短小軽薄化および多層化が容易になる。
また、本実施形態のFPCの製造は、両面銅張積層板と片面銅張積層板を使用することにより、その製造工程は極めて簡素化し、その製造コストが低減して安価な電磁シールドを有する配線基板の生産が可能になる。そして、このFPCの製造方法の信頼性が高く、しかも高歩留まりに生産できることから、極めて実用性に優れたものになる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかるプリント配線板について図4ないし5を参照して説明する。ここで、図4は本実施形態のシールド構造をもつFPCの断面図であり、図5はそのシールド要部の説明に供する分解斜視図である。
次に、本発明の第2の実施形態にかかるプリント配線板について図4ないし5を参照して説明する。ここで、図4は本実施形態のシールド構造をもつFPCの断面図であり、図5はそのシールド要部の説明に供する分解斜視図である。
図4,5に示すように、本実施形態のFPC10aでは、第1の実施形態の場合と同様に、第1層間絶縁体層11の一主面に複数の信号配線12が互いに並行に配設され、第1層間絶縁体層11の他主面に導電体膜からなる第1グランド層13が張着されている。また、第2層間絶縁体層14は、その一主面に導電体膜からなる第2グランド層15が張着され、この第2層間絶縁体層14の他主面側から第1接着剤16を介して、第1層間絶縁体層11上の信号配線12を覆うように積層されている。
そして、各信号配線12の両脇に沿い並行する導体バンプ22が配設され、信号配線12間において導電体の隔壁になっている。ここで、この導体バンプ22は、第1グランド層13あるいは第2グランド層15に電気接続している。そして、これ等のグランド層13,15は接地等の一定電位に固定されているとよい。
そして、第1の実施形態で説明したのと同様に、第2接着剤19を介して絶縁体からなるそれぞれ第1カバー層20および第2カバー層21が貼着され、FPC10aの表裏面を形成している。
本実施形態のシールド構造を有するFPCでは、第1層間絶縁体層11上に配設される各信号配線12は、その配設された方向に沿って、その下方が第1グランド層13により、その上方が第2グランド層15により、さらに、その横方向が隔壁となった導体バンプ22によって囲繞される。このようにして、各信号配線12は、第1グランド層13、第2グランド層15および導体バンプ22により同軸構成に形成されている。この場合も、信号配線12の上述した同軸構成は、FPC10aにおいて配設される全域に亘るものであってもよいし、その所要の領域での部分的なものであっても構わない。
そして、第2の実施形態のFPC10aにおいて、各層間絶縁体層、配線層、接着剤は第1の実施形態で説明したのと同様な材料あるいは寸法にできる。
次に、第2の実施形態におけるFPC10aの製造方法を説明する。図6は本実施形態のFPCの工程別要部断面図である。図6(a)に示すように、第1の実施形態で説明したのと同様に、両面銅張積層板の第1層間絶縁体層11上の銅箔を所要の回路パターンに選択的エッチングする。そして、第1層間絶縁体層11の一主面に信号配線12を形成し、その他主面の銅箔はそのまま第1グランド層13とする。ここで、信号配線12の線幅は適宜に設定されるが、たとえば10μm〜100μm程度である。
さらに、図6(a)に示すように、信号配線12に沿って並行するトレンチパターン23を有するレジストマスク24をエッチングマスクにして第1層間絶縁体層11を化学薬液でエッチングし、第1グランド層13に達する第1ブラインドトレンチ25を形成する。
次に、図6(b)に示すように、第1グランド層13を給電層とした電解メッキにより、第1ブラインドトレンチ25およびトレンチパターン23を充填するように例えば銅からなる導体バンプ22を形成する。ここで、導体バンプ22は第1グランド層13に電気接続する。その後、上記レジストマスク24は溶剤により除去する。なお、上記導体バンプ22の幅はたとえば1μm〜50μm程度になるように設定される。
また、図6(c)に示すように、第2層間絶縁体層14に銅箔が第2グランド層15として張着された片面銅張積層板の第2層間絶縁体層14に、第1層間絶縁体層11に設けた第1ブラインドトレンチ25に対向させほぼ同じパターンの第2ブラインドトレンチ26を形成する。ここで、第2ブラインドトレンチ26の形成ではレーザ加工法が好適に使用できる。その他にドリル加工法を適用してもよい。あるいは化学薬液によるエッチング加工法を用いてもよい。なお、レーザ加工法あるいはドリル加工法を用いる場合には、これ等の加工で残存する樹脂あるいは銅箔を除去するために、さらに、過マンガン酸カリウム水溶液等によるウェットデスミア又はプラズマ等によるドライデスミアなどを施すのが好ましい。
そして、たとえば熱硬化性樹脂からなり常温で液状の第1接着剤16を塗布形成し、これ等の両面銅張積層板と片面銅張積層板とを位置決めし、図6(d)に示すように、これ等の積層板を積層配置した後に加熱・加圧により貼り合わせる。そして、導体プラグ22の先端を第2グランド層15に接触させる。ここで、導体プラブ22は第2グランド層15に必ずしも電気接続する必要はない。
なお、導体バンプ22の先端を第2グランド層15に完全に電気接続させる場合には、電解メッキにおいて導体バンプ22の先端に連続して半田メッキをするとよい。そして、第1接着剤16は、たとえばフラックス機能付き接着剤とすると好適になる。このフラックス機能付き接着剤は、金属表面の清浄化機能、たとえば導体バンプ22および第2ブラインドトレンチ26で露出する第2グランド層の表面に存在する酸化膜の除去機能や、酸化膜の還元機能を有する接着剤である。
このような接着剤としては、たとえばフェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂等を挙げることができる。ここで、その硬化剤として、たとえば、ビスフェノール系、フェノールノボラック系、アルキルフェノールノボラック系のフェノールベースや、脂肪族、環状脂肪族、不飽和脂肪族等の骨格をベースとしエポキシ化されたエポキシ樹脂やイソシアネート化合物を用いる。
最後に、図6(e)に示すように、第1グランド層13および第2グランド層15の表面を覆うように、たとえばシート状のホットメルト接着剤からなる第2接着剤19をラミネートする。さらに、この第2接着剤19を介して、絶縁体からなるそれぞれ第1カバー層20および第2カバー層21を加熱・加圧により貼着する。その後、所望の形状に切断して図4および図5で説明したFPC10aが出来上がる。
上記実施形態では、1層の信号配線12が形成されるFPCの場合について説明しているが、第1の実施形態で説明したように、電磁シールドを有する多層配線板も同様にして形成できる。この場合、図6(d)に示した状態の複数のFPCを互いにプリプレグ(層間絶縁体層)を挟んでレイアップすることにより極めて容易に所望の層数の多層配線板にすることができる。
また、上述した導体バンプ22は、第2グランド層15を給電層とする電解メッキにより第2グランド層15の第2ブラインドトレンチ26に形成するようにしてもよい、あるいは、第1グランド層13側と第2グランド層15側の両側に形成し、これ等の導体バンプの先端が互いに接するようにしてレイアップするようにしてもよい。
上記第2の実施形態では、第1の実施形態で説明したのと同じ効果が奏される。そして、本実施形態の場合には、導体バンプ22の幅がトレンチ17の幅より小さくできることから、信号配線12の配線ピッチが向上し、その高密度配線化が容易になる。
本発明は、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものでない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
たとえば、上記実施形態のプリント配線板においては、両面銅張積層板から成る内層板が素子内蔵型であり、その両側に外層としていわゆるプリプレグおよび配線パターン層を所要の層だけ積層した多層配線構造になっていてもよい。
10,10a…FPC,11…第1層間絶縁体層,12…信号配線,13…第1グランド層,14…第2層間絶縁体層,15…第2グランド層,16…第1接着剤,17…トレンチ,18…導電体層,19…第2接着剤,20…第1カバー層,21…第2カバー層,22…導体バンプ,23…トレンチパターン,24…レジストマスク,25…第1ブラインドトレンチ,26…第2ブラインドトレンチ
Claims (4)
- 一主面に複数の信号配線が配設され他主面に第1の導体層が形成された第1の絶縁体層と、
一主面に第2の導体層が形成され他主面が前記第1の絶縁体層の一主面側に貼り付けられた第2の絶縁体層と、
を有し、
前記第1の導体層から前記第2の導体層に亘って貫通する溝が前記信号配線の両脇に沿って並行して穿設され、前記溝の表面に被着し前記第1の導体層および前記第2の導体層に電気接続する導電体層が形成されていることを特徴とするプリント配線板。 - 一主面に複数の信号配線が配設され他主面に第1の導体層が形成された第1の絶縁体層と、
一主面に第2の導体層が形成され他主面が前記第1の絶縁体層の一主面側に貼り付けられた第2の絶縁体層と、
を有し、
前記信号配線の配設された方向に沿って前記信号配線間を隔離する導体からなる導電体隔壁が形成され、前記導電体隔壁は前記第1の導体層あるいは前記第2の導体層に電気接続していることを特徴とするプリント配線板。 - 第1の絶縁体層の一主面に複数の信号配線を配設し、その他主面に第1の導体層を形成する工程と、
第2の絶縁体層の一主面に第2の導体層を形成し、その他主面を接着剤を介して前記第1の絶縁体層の一主面側に貼り付ける工程と、
前記第1の導体層から第2の導体層に亘って貫通する溝を前記信号配線の両脇に沿って並行して穿設する工程と、
前記溝の表面に被着し、前記第1の導体層および前記第2の導体層に電気接続する導電体層を無電解メッキにより形成する工程と、
を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。 - 第1の絶縁体層の一主面に複数の信号配線を配設し、その他主面に第1の導体層を形成する工程と、
前記第1の導体層に達する第1の溝を前記信号配線の両脇に沿って並行に前記第1の絶縁体層に形成する工程と、
第2の絶縁体層の一主面に第2の導体層を形成し、その他主面から前記第2の導体層に達する第2の溝を前記第1の溝に対向して形成する工程と、
前記第1の導体層あるいは前記第2の導体層に電気接続する導体バンプを前記第1の溝あるいは前記第2の溝に沿って形成する工程と、
前記導体バンプの先端を前記第2の溝あるいは前記第1の溝に嵌合させ、あるいは前記第1の溝および前記第2の溝に沿って形成した導体バンプのそれぞれの先端を当接させ、接着剤を介して前記第2の絶縁体層の他主面を前記第1の絶縁体層の一主面側に貼り付ける工程と、
を有することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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2008
- 2008-09-26 JP JP2008248128A patent/JP2010080716A/ja active Pending
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