JP2022176582A - 防眩装置及び防眩方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、防眩装置及び防眩方法に関する。
従来から、特定周波数の光に反応して色(吸収スペクトル)が変化するフォトクロミック化合物を用いた移動体の防眩装置が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載された防眩装置は、ウインドシールドの内面にフォトクロミック化合物を高分子中に分散させてシート状に形成した特定周波数光反応シートを配設し、移動体に入射する光を検出した場合、特定周波数光反応シートに特定周波数の光を照射する。これにより、防眩装置は、特定周波数光反応シートを発色させるとともに吸収スペクトルを変化させることで、移動体に入射する光の透過率を低減し、運転者の感じる眩しさを軽減する。
しかしながら、特許文献1に開示された防眩装置は、熱戻り型のフォトクロミック化合物を用いており、防眩を解除する場合、光照射を停止することで特定周波数光反応シートを消色している。そのため、特許文献1に開示された防眩装置は、特定周波数光反応シートを消色するのに時間を要する。したがって、防眩装置は、急に外部光源が無くなり防眩が不要となっても、ウインドシールドは発色したままで車室内への外部光の入り方が変わり、乗員の視界に影響を与えてしまう。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、紫外線に反応して発色し、赤外線に反応して消色する光学特性を有する光学活性部材を短時間で発色及び消色して、移動体の運転者の視界を良好に保つことができる防眩装置及び防眩方法を提供することである。
本発明の一態様に係わる防眩装置は、移動体を運転する運転者の前方に面状に配置され、紫外線に反応して発色し、赤外線に反応して消色する光学特性を有する光学活性部材を含む光反応部材、紫外線及び赤外線を移動体の内部から光反応部材に照射する光照射部を備える。防眩装置は、光反応部材の前方に配置され、移動体の外部から光反応部材へ入射する紫外線及び赤外線の少なくとも一方を遮断する特定光遮断部材を備える。
本発明によれば、紫外線に反応して発色し、赤外線に反応して消色する光学特性を有する光学活性部材を短時間で発色及び消色して、移動体の運転者の視界を良好に保つことができる。
図面を参照して、実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
[防眩装置の構成]
図1、図2を参照して、実施形態に係る防眩装置の構成を説明する。防眩装置は、紫外線に反応して発色し、赤外線に反応して消色する光学特性を有する光学活性部材の一例であるフォトクロミック化合物を含む光反応部材10を短時間で発色及び消色させ、移動体の乗員の視界を良好に保つ装置である。なお、本実施形態では、防眩装置は車両に搭載され、車両のフロントガラスから車室内に入射する光に対して防眩を行う。
図1、図2を参照して、実施形態に係る防眩装置の構成を説明する。防眩装置は、紫外線に反応して発色し、赤外線に反応して消色する光学特性を有する光学活性部材の一例であるフォトクロミック化合物を含む光反応部材10を短時間で発色及び消色させ、移動体の乗員の視界を良好に保つ装置である。なお、本実施形態では、防眩装置は車両に搭載され、車両のフロントガラスから車室内に入射する光に対して防眩を行う。
実施形態に係る防眩装置は、光反応部材10、特定光遮断部材20、光照射部30、ドライバモニタ40、光源特定部50、外部照度測定部60、制御部70を備える。
光反応部材10は、車両の運転者の前方に面状に配置され、紫外線に反応して発色し、赤外線に反応して消色する光学特性を有するフォトクロミック化合物を含んでいる。光反応部材10は、例えば、光戻り型のフォトクロミック化合物を含んでいる。光反応部材10は、例えば、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂を基材とするシート状の部材であり、PVB樹脂に光戻り型のフォトクロミック化合物を配合させたものである。PVB樹脂は、車両のフロントガラス1等の合わせガラスの中間膜に使用されている。なお、フォトクロミック化合物についての詳細は、図3A及び図3Bを用いて後述する。
特定光遮断部材20は、光反応部材10の前方に配置され、車両の外部から光反応部材10へ入射する紫外線及び赤外線の少なくとも一方を遮断する。なお、本実施形態で用いる特定光遮断部材20は、紫外線及び赤外線の双方を遮断する。特定光遮断部材20は、車室内に入射する紫外線による内装部品の劣化及び乗員の日焼けを低減し、車室内に入射する赤外線による乗員が感じる熱さを低減する。特定光遮断部材20は、例えば、紫外線の波長領域の光を99%以上カットし、赤外線の波長領域の光を90%以上カットするものが好ましい。なお、光反応部材10と特定光遮断部材20のより詳細な配置例については、図4A及び図4Bを用いて後述する。
光照射部30は、紫外線及び赤外線を車両の内部から光反応部材10に照射する。光照射部30は、紫外線照射部31と赤外線照射部32を備えている。紫外線照射部31は紫外線を照射し、赤外線照射部32は赤外線を照射する。なお、本実施形態では、紫外線照射部31と赤外線照射部32は、1つの光照射部30として構成されているが、光照射部30の構成はこれに限定されない。例えば、紫外線照射部31と赤外線照射部32は、それぞれ個別の光照射部として構成されていてもよい。
光照射部30は、照射方向が水平より下方となる位置に設置され、光照射部30の設置位置から紫外線及び赤外線を光反応部材10に照射する。光照射部30は、例えば、車両の室内の天井2に設置される。より詳細には、運転者の上方に設置される。なお、少なくとも赤外線照射部32は、照射方向が水平より下方となる位置から赤外線を照射する。紫外線照射部31は、照射方向が水平より下方となる位置から紫外線を照射してもよい。
光照射部30は、紫外線及び赤外線を特定の位置に照射することができる。具体的には、紫外線照射部31及び赤外線照射部32は、各々が上下方向及び左右方向に回動可能となっている。これにより、光照射部30は、特定の位置に紫外線及び赤外線を照射することができる。さらに、光照射部30は、紫外線の照度を変化させることができる。
赤外線照射部32が照射する赤外線の照射領域は、紫外線照射部31が照射する紫外線の照射領域よりも広く設定される。紫外線照射部31及び赤外線照射部32は、例えば、フロントガラスの一部分だけに局所的に照射を行うスポット型照射器であり、円形の照射領域を有している。紫外線及び赤外線の照射領域の大きさは、使用するレンズの焦点距離などにより決定される。例えば、紫外線の照射領域の大きさは直径10cmであり、赤外線の照射領域の大きさは直径15cmである。
ドライバモニタ40は、運転者の目の周囲の明るさを測定する。ドライバモニタ40は、ドライバモニタ40が備えるカメラによって撮像された運転者の顔画像を取得し、取得した顔画像に基づいて運転者の目の周囲の明るさを特定する。例えば、ドライバモニタ40は、既知の顔認識技術を用いることにより、取得した顔画像から運転者の目の位置を特定することができる。ドライバモニタ40は、顔画像における運転者の目の位置の周囲の照度を特定し、特定した照度に基づいて運転者の目の周囲の照度を算出することができる。ドライバモニタ40は、運転者の顔を下から見上げる角度で撮像することができる位置、例えばステアリングコラム3の上部に設置されている。ドライバモニタ40は、測定した運転者の目の周囲の明るさ(照度)を制御部70に送信する。
ドライバモニタ40は、既知の顔認識技術を用いることにより、顔画像から運転者の脇見、居眠り等による前方不注意を検知して運転者に注意喚起を促す機能を有していてもよい。ドライバモニタ40は、カメラ近傍に赤外線LED(light emitting diode)の照明部を備えている。赤外線を運転者の顔に照射することにより、夜間及びトンネル等の暗い環境でも運転者の顔を認識することができる。さらに、ドライバモニタ40は、赤外線透過フィルタを備える。赤外線透過フィルタを通じて運転者の顔を撮像することにより、朝日及び西日による顔の中の強い陰影を軽減して運転者の顔認識機能の低下を抑制することができる。
光源特定部50は、車両の外部に存在する光源(以後、単に「光源」とも呼ぶ)の位置を特定する。具体的には、光源特定部50は、車両の外部を撮像するカメラを備え、車両の外部を撮像した画像から車両に対する光源の相対位置を特定する。光源特定部50は、例えば、車両の外部を撮像した画像のうち輝度値が所定の輝度値以上の画素部分に光源があると判断し、画像上の光源の位置、カメラの車両への取り付け角度及び取り付け位置から光源の相対位置を特定する。車両の外部に存在する光源とは、太陽、及び他車両のヘッドライト等の灯火装置である。光源特定部50は、例えば、フロントガラス1の車室上部に設置される。光源特定部50は、特定した光源の位置を制御部70に送信する。なお、光源特定部50は、車両が備えるADAS(Advanced Driver-Assistance Systems)用の前方の障害物及び先行車等の物体を検知するカメラを用いてもよい。
外部照度測定部60は、車両の外部の明るさを測定する。外部照度測定部60は、照度計を備えており、車両の外部の明るさ(照度)を測定することができる。外部照度測定部60は、例えば、フロントガラス1の車室側下部に設置される。外部照度測定部60は、測定した車両の外部の明るさを示す信号を制御部70に送信する。
制御部70は、車両のダッシュボード4内に設置される。制御部70は、ドライバモニタ40から車両の運転者の目の周囲の明るさを示す信号を取得し、光源特定部50から車両の外部に存在する光源の位置を示す信号を取得し、外部照度測定部60から車両の外部の明るさを示す信号を取得する。制御部70は、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点を特定する。
制御部70は、ドライバモニタ40で測定された車両の運転者の目の周囲の明るさから、運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ以上であるか否かを判断する。制御部70は、運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ以上であると判断した場合、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点に、紫外線を照射するよう光照射部30を制御する。これにより、光反応部材10は紫外線に反応して発色する。制御部70は、車両の外部の明るさに基づいて、光照射部30が照射する紫外線の照度を設定する。制御部70は、運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ未満となったと判断した場合、紫外線の照射を停止し、紫外線の照射位置に紫外線の照射領域よりも照射領域の広い赤外線を照射するよう光照射部30を制御する。さらに、車両の移動又は他車両の移動などによって光源の相対位置が変化した場合、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点の位置も変化するため、制御部70は、交点の位置の変化に合わせて紫外線の照射位置を変化させる。制御部70は、紫外線の照射位置が変化した場合、紫外線の照射位置が変化する前の照射位置に赤外線を照射するよう光照射部30を制御する。これにより、光反応部材10は赤外線に反応して消色する。
制御部70は、CPU(中央処理装置)、RAM及びROMなどのメモリ(記憶部)、及び入出力部を備える汎用のマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータには、防眩装置として機能させるためのコンピュータプログラムがインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、マイクロコンピュータは、防眩装置が備える複数の情報処理回路(71、72、73、74)として機能する。なお、本実施形態では、ソフトウェアによって防眩装置が備える複数の情報処理回路(71、72、73、74)を実現する例を示すが、各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
次に、制御部70が備える複数の情報処理回路について具体的に説明する。制御部70は、明るさ判断部71、照射位置特定部72、照度設定部73、照射制御部74を備える。
明るさ判断部71は、運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ以上であるか否かを判断する。具体的には、ドライバモニタ40から受信した運転者の目の周囲の照度が、予め記憶している所定の照度以上であるか否かを判断する。所定の明るさは、例えば、予め実験により運転者が眩しいと感じる目の周囲の照度を測定し、運転者が眩しいと感じる目の周囲の照度を所定の明るさに設定すればよい。
照射位置特定部72は、光源特定部50から車両の外部に存在する光源の位置を取得し、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点を特定する。具体的には、先ず、照射位置特定部72は、車両に対する運転者の目の相対位置を特定する。運転者の目の位置は、例えば、予め実験により運転者が設定した運転席の位置(前後位置及び上下位置)と、運転者が設定した運転席に着座した時の運転者の目の位置との相関関係を測定することで、運転席の位置から運転者の目の位置を特定することができる。又は、ドライバモニタ40は、運転者の脇見、居眠りを検出するために運転者の目の位置を特定している。そのため、ドライバモニタ40が特定した運転者の目の位置を用いることもできる。これにより、照射位置特定部72は、光源特定部50によって特定された光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線を作成することができる。そして、照射位置特定部72は、予め記憶しておいた車両の所定の位置に対する光反応部材10の相対位置を取得することにより、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点を特定することができる。
照度設定部73は、車両の外部の明るさに基づいて紫外線照射部31から照射する紫外線の照度を設定する。具体的には、照度設定部73は、明るさ判断部71によって運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ以上であると判断された場合、外部照度測定部60が測定した車両の外部の明るさに基づいて紫外線を照射する際の照度を設定する。紫外線を照射する際の照度は、車両の外部の明るさと、光反応部材10に含まれるフォトクロミック化合物の光学特性との関係を考慮して設定される。より具体的には、照射する紫外線の照度は、フォトクロミック化合物に紫外線を照射した際の照度に応じて変化する吸収スペクトルに基づいて、車両の外部の照度から推測される光反応部材10に入射する光の透過率を設定することにより設定することができる。光反応部材10に入射する光の透過率は、運転者が眩しくないと感じる透過率である。
照射制御部74は、運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ以上であると判断された場合、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点の位置、照射する紫外線の照度、及び紫外線を照射するよう指示する信号を光照射部30に送信する。照射制御部74は、運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ未満となったと判断された場合、紫外線の照射を停止し、紫外線の照射位置に赤外線を照射するように指示する信号を光照射部30に送信する。照射制御部74は、紫外線の照射位置が変化したか否かを判断し、紫外線の照射位置が変化したと判断した場合、紫外線の照射位置が変化する前の照射位置に赤外線を照射するよう指示する信号を光照射部30に送信する。
次に、図3A及び図3Bを参照して、本実施形態に係る防眩装置に好適なフォトクロミック化合物について具体的に説明する。
フォトクロミック化合物は、光又は熱の作用により分子構造が変化し、色及び吸収スペクトルの異なる二つの異性体を可逆的に変化する化合物である。フォトクロミック化合物には、分子構造が変化した状態から元の状態に変化するのに、光の作用により変化する光戻り型と、熱の作用により変化する熱戻り型が存在する。
図3Aは、光戻り型のフォトクロミック化合物であるジシアノエチレン基を有するジアリールエテンを示している。ジアリールエテンに紫外線を照射すると閉環体を生成して発色し、吸収スペクトルが変化する。具体的には、発色とともに吸収スペクトルの吸収帯が可視光域に出現する。また、閉環体のジアリールエテンに赤外線を照射すると元の開環体に戻り、消色とともに吸収スペクトルが元の状態に戻る。
図3Bは、熱戻り型フォトクロミック化合物である、ベンゾピラン部分の6位にニトロ置換基を有するスピロピランを示している。スピロピランに紫外線を照射すると開環体を生成して発色し、吸収スペクトルが変化する。具体的には、発色とともに吸収スペクトルの吸収帯が可視光域に出現する。また、開環体のスピロピランは熱の作用により元の閉環体に戻り、消色とともに吸収スペクトルが元の状態に戻る。
光戻り型と熱戻り型では、光戻り型の方が熱戻り型よりも消色及び吸収スペクトルが元の状態に戻るのが早いことが確認されている。したがって、本実施形態に係る防眩装置は、光戻り型フォトクロミック化合物が好適である。しかし、熱戻り型フォトクロミック化合物であっても、赤外線を吸収して消色する光学特性を有するものは、本実施形態でも適用可能である。
次に、図4A及び図4Bを参照して、光反応部材10と特定光遮断部材20のより詳細な配置例について説明する。
図4A及び図4Bは、車両のフロントガラス1に光反応部材10と特定光遮断部材20とを配置する場合の配置例である。なお、車両のフロントガラス1は合わせガラスである。
図4Aは、フロントガラス1の中間膜が配置される位置に、光反応部材10と特定光遮断部材20を配置した例である。光反応部材10と特定光遮断部材20は、隣り合って配置される。特定光遮断部材20は、光反応部材10の前方に配置される。特定光遮断部材20は、中間膜に紫外線を遮断する紫外線カット材、及び赤外線を遮断する赤外線カット材を塗り込んだものである。したがって、特定光遮断部材20は、紫外線及び赤外線を遮断する。特定光遮断部材20は、衝撃を受けてもフロントガラス1が破片になって飛び散らないようにする中間膜としての機能を有している。
図4Bは、車両のフロントガラス1の中間膜が配置される位置に特定光遮断部材20を配置し、光反応部材10をフロントガラス1の車室側表面に配置した例である。特定光遮断部材20の構成は、図4Aと同様である。光反応部材10は、フロントガラス1の車室側表面に貼着される。光反応部材10は、車室内に設置するにあたり本来の特性は維持したまま、耐摩耗性、対スクラッチ性を向上させるためのハードコートが施される。これにより、図4Bの構成は、図4Aに対して光反応部材10の配置が簡単であり、光反応部材10を容易に交換することができる。
[防眩方法]
次に、図5を参照して、図1に示す防眩装置の処理の一例を説明する。図5のフローチャートに示す防眩装置の動作は、車両のアクセサリスイッチがONとなると同時に開始され、アクセサリスイッチがOFFとなった時点で処理を終了する。
次に、図5を参照して、図1に示す防眩装置の処理の一例を説明する。図5のフローチャートに示す防眩装置の動作は、車両のアクセサリスイッチがONとなると同時に開始され、アクセサリスイッチがOFFとなった時点で処理を終了する。
ステップS10において、ドライバモニタ40は、車両の運転者の目の周囲の明るさを測定し、処理はステップS20に進む。
ステップS20において、外部照度測定部60は、車両の外部の明るさを測定し、処理はステップS30に進む。
ステップS30において、光源特定部50は、車両の外部に存在する光源の位置を特定し、処理はステップS40に進む。
ステップS40において、照射位置特定部72は、光源特定部50から車両の外部に存在する光源の位置を取得し、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点を特定し、処理はステップS50に進む。
ステップS50において、明るさ判断部71は、運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ以上であるか否かを判断する。具体的には、ドライバモニタ40から受信した運転者の目の周囲の照度が、予め記憶している所定の照度以上であるか否かを判断する。
ステップS50において、明るさ判断部71は、運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ以上であると判断した場合(ステップS50でYES)、処理はステップS60に進む。ステップS50において、明るさ判断部71は、運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ未満であると判断した場合(ステップS50でNO)、処理はステップS70に進む。
ステップS60において、照度設定部73は、車両の外部の明るさに基づいて紫外線照射部31から照射する紫外線の照度を設定し、処理はステップS80に進む。
ステップS80において、照射制御部74は、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点に外部の明るさに基づいて設定された照度の紫外線を照射するよう光照射部30を制御し、処理はステップS90に進む。
ステップS90において、照射制御部74は、紫外線の照射位置が前回位置から変化したか否かを判断する。
ステップS90において、照射制御部74は、紫外線の照射位置が前回位置から変化していないと判断した場合(ステップS90でNO)、処理は終了する。ステップS90において、照射制御部74は、紫外線の照射位置が前回位置から変化したと判断した場合(ステップS90でYES)、処理はステップS100に進む。
ステップS100において、照射制御部74は、紫外線の照射位置が変化する前の照射位置に赤外線を照射するよう光照射部30を制御し、処理は終了する。
ステップS70において、照射制御部74は、前回処理にて紫外線を照射しているか否かを判断する。
ステップS70において、照射制御部74は、前回処理にて紫外線を照射していないと判断した場合(ステップS70でNO)、処理は終了する。ステップS70において、照射制御部74は、前回処理にて紫外線を照射していると判断した場合(ステップS70でYES)、処理はステップS110に進む。
ステップS110において、照射制御部74は、紫外線の照射を停止するよう光照射部30を制御し、処理はステップS120に進む。
ステップS120において、照射制御部74は、紫外線の照射位置に赤外線を照射するよう光照射部30を制御し、処理は終了する。
[作用効果]
以上、説明したように、本実施形態によれば以下作用効果が得られる。
以上、説明したように、本実施形態によれば以下作用効果が得られる。
防眩装置は、車両を運転する運転者の前方に面状に配置され、紫外線に反応して発色し、赤外線に反応して消色する光学特性を有する光学活性部材を含む光反応部材10に紫外線を照射し、光反応部材10を発色させる。これにより、防眩装置は、光反応部材10の吸収スペクトルを変化させ、光反応部材10を通過する光の透過率を低減することができ、運転者の感じる眩しさを軽減することができる。
防眩装置は、車両を運転する運転者の前方に面状に配置され、紫外線に反応して発色し、赤外線に反応して消色する光学特性を有する光学活性部材を含む光反応部材10に赤外線を照射し、光反応部材10を消色する。これにより、防眩装置は、光反応部材の吸収スペクトルを防眩が開始される前の状態、すなわち、光照射部30が紫外線を照射する前の状態に短時間で戻すことができる。これにより、防眩装置は、車両の内部に入射する外部光が無くなった場合、短時間で光反応部材10を通過する光の透過率を防眩が開始される前の状態に戻すことができる。即ち、運転者の視界を良好に保つことができる。
防眩装置は、光反応部材10の前方に配置され、車両の外部から光反応部材10へ入射する紫外線及び赤外線の少なくとも一方を遮断する特定光遮断部材20を備える。これにより、防眩装置は、光反応部材10の車両の外部から光反応部材10へ入射する紫外線及び赤外線の少なくとも一方による不要な発色又は消色を防止することができる。
防眩装置は、車両の外部に存在する光源の位置を特定する光源特定部50と、制御部70とを更に備える。防眩装置は、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点を特定し、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点に紫外線を照射する。これにより、防眩装置は、運転者が眩しいと感じる部分のみを適切に防眩することができる。
防眩装置は、運転者の目の周囲の明るさを測定するドライバモニタ40を更に備え、運転者の目の周囲の明るさが所定明るさ以上である場合、光照射部30から紫外線を照射する。これにより、運転者が眩しさを感じる時のみ紫外線を照射して防眩を行うことができ、光照射部が消費するエネルギを低減することができる。
防眩装置は、外部の明るさを測定する外部照度測定部60を更に備え、車両の外部の明るさに応じて照射する紫外線の照度を変化させる。これにより、防眩装置は、車両の外部の明るさに応じて、光反応部材10の発色の濃淡を変化させることができ、車両の外部から光反応部材10を通過して入射する光の透過率を適切に設定することができる。
防眩装置は、赤外線の照射領域を紫外線の照射領域よりも広くすることにより、光反応部材10を消色させる際の消色漏れを防止することができ、消色漏れによる光反応部材10の色ムラの発生を防止することができる。
防眩装置は、照射方向が水平より下方向となる位置に光照射部30を設置する。これにより、光照射部30から照射された紫外線及び赤外線が、運転者の前方に配置された窓ガラスにより反射し、運転者の顔に当たることを防止することができる。
防眩装置は、照射方向が水平よりも下方向となる位置に設置された光照射部30から赤外線を照射する。これにより、光照射部30から照射された赤外線が運転者の前方に配置された窓ガラスにより反射して運転者の顔に当たることを防止することができ、運転者の顔に赤外線を照射して運転者の状態を監視するドライバモニタシステムの誤作動を防止することができる。
防眩装置は、紫外線の照射位置が変化した場合、紫外線の照射位置が変化する前の照射位置に赤外線を照射する。これにより、防眩装置は、光源の位置と運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材10との交点のみを発色させることができ、不要な発色による運転者の視界不良を防止することができる。
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
10 光反応部材
20 特定光遮断部材
30 光照射部
40 ドライバモニタ
50 光源特定部
60 外部照度測定部
70 制御部
20 特定光遮断部材
30 光照射部
40 ドライバモニタ
50 光源特定部
60 外部照度測定部
70 制御部
Claims (9)
- 移動体を運転する運転者の前方に面状に配置され、紫外線に反応して発色し、赤外線に反応して消色する光学特性を有する光学活性部材を含む光反応部材と、
前記紫外線及び赤外線を前記移動体の内部から前記光反応部材に照射する光照射部と、
前記光反応部材の前方に配置され、前記移動体の外部から前記光反応部材へ入射する前記紫外線及び赤外線の少なくとも一方を遮断する特定光遮断部材と、を備える
ことを特徴とする防眩装置。 - 前記移動体の外部に存在する光源の位置を特定する光源特定部と、
制御部と、を更に備え、
前記制御部は、前記光源の位置と前記運転者の目の位置とを結ぶ線と前記光反応部材との交点を特定し、
前記光照射部は、前記交点に前記紫外線を照射する
ことを特徴とする請求項1に記載の防眩装置。 - 前記運転者の目の周囲の明るさを測定するドライバモニタを更に備え、
前記光照射部は、前記運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ以上である場合、前記紫外線を照射する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の防眩装置。 - 前記移動体の外部の明るさを測定する外部照度測定部を更に備え、
前記光照射部は、前記外部の明るさに応じて前記紫外線の照度を変化させる
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の防眩装置。 - 前記赤外線の照射領域は、前記紫外線の照射領域よりも広い
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の防眩装置。 - 前記光照射部は、照射方向が水平より下方となる位置に設置する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の防眩装置。 - 前記光照射部は、照射方向が水平より下方となる位置から前記赤外線を照射する
ことを特徴とする請求項6に記載の防眩装置。 - 前記光照射部は、前記紫外線の照射位置が変化した場合、前記紫外線の照射位置が変化する前の照射位置に前記赤外線を照射する
ことを特徴とする
請求項2から7のいずれか一項に記載の防眩装置。 - 移動体の運転者の目の周囲の明るさを測定し、
前記移動体の外部に存在する光源の位置を特定し、
前記光源の位置と前記運転者の目の位置とを結ぶ線と光反応部材との交点を特定し、
前記運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ以上であるか否かを判断し、
前記運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ以上であると判断した場合、前記交点に紫外線を照射し、
前記運転者の目の周囲の明るさが所定の明るさ未満となったと判断した場合、前記紫外線の照射を停止し、前記紫外線の照射位置に赤外線を照射する
ことを特徴とする防眩方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021083088A JP2022176582A (ja) | 2021-05-17 | 2021-05-17 | 防眩装置及び防眩方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021083088A JP2022176582A (ja) | 2021-05-17 | 2021-05-17 | 防眩装置及び防眩方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022176582A true JP2022176582A (ja) | 2022-11-30 |
Family
ID=84233955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021083088A Pending JP2022176582A (ja) | 2021-05-17 | 2021-05-17 | 防眩装置及び防眩方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022176582A (ja) |
-
2021
- 2021-05-17 JP JP2021083088A patent/JP2022176582A/ja active Pending
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Legal Events
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