JP2022175135A - 天端出し治具 - Google Patents

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哲也 福田
Tetsuya Fukuda
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Abstract

【課題】内外の型枠によって挟まれた幅の狭い空間内でも簡単且つ確実に縦鉄筋への取付けが可能な天端出し治具を提供する。【解決手段】天端出し治具1は、コンクリート基礎の天端のレベルを表示する長尺状の表示棒10と、表示棒10を上下動可能に保持する筒状の保持部30を有し、鉛直に配設された縦鉄筋TYに着脱可能に取り付けられる樹脂製の本体20とを備える。本体20は、保持部30の外壁前面31から平面視二股状に突設されて縦鉄筋TYの側面に着脱可能に係合される係合部40と、係合部40よりも上方位置で保持部30の外壁前面31から前方へ突設され、縦鉄筋TYの上端に着脱可能に固定される固定部50とを備え、固定部50は、下面に開口が形成されると共に、開口を通して挿入された縦鉄筋TYの外周面に外嵌する第1,第2内側面52,54を有する凹状の嵌合穴51を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、建築物のコンクリート基礎の打設の際に、コンクリート基礎の上端である天端レベルの設定に用いられる天端出し治具に関する。
従来、住宅用等のコンクリート基礎の形成においては、所定の高さまで通常の流動性に乏しいコンクリートを打設し、その後、天端レベルまでセメント比率が高く流動性の高いレベラーを流し込むことにより、コンクリート表面の凹凸が是正された平坦な面に形成される。その場合、コンクリート高さとレベラーの高さが、天端出し治具とレーザ発光器等を用いて決められている。
例えば、特許文献1には、軸孔を有する樹脂製の筒状保持部と、筒状保持部の外壁にその軸方向に対して平行に又は直交して一体で設けられ、地面上に配設された鉄筋に着脱可能に取り付けられる樹脂製の鉄筋取付部と、筒状保持部の軸孔に挿通されて鉛直方向に向けて配置され、筒状保持部に緊密に締め付けられて取り付けられると共に、外力が加えられることによって軸孔に対して摺動可能にされた長尺の調整棒とを設けた天端出し治具が記載されている。引用文献1には、天端出し治具の実施例として、鉛直方向に配置された縦鉄筋に鉄筋取付部を介して取り付けるタイプと、水平方向に配置された横鉄筋に鉄筋取付部を介して取り付けるタイプとが開示されている。これらの天端出し治具は、鉄筋取付部が筒状で周方向の一か所で分離されて略C字状になっており、分離された両側部分に互いに解除可能に係止し合う係止突起を設けていることにより、鉄筋取付部は、係止突起により強固に鉄筋(すなわち縦鉄筋又は横鉄筋)に固定されるので、その結果、天端出し治具に高さ調整時やコンクリート打設時に力が加えられても、鉄筋からの天端出し治具の脱落が確実に防止される。
また、特許文献2には、鉄筋のうち水平に配置された横鉄筋に着脱可能に取り付け可能な天端出し治具が提案されている。この天端出し治具は、管部材の鉄筋取付部とは反対側側面に一体化したものであり、かつ、鉄筋取付部の延在方向とは反対側に向けて伸びた交差鉄筋当接部を備えている。この交差鉄筋当接部は、横鉄筋と縦鉄筋とが交差する箇所で天端出し治具を積極的に使用することで、この縦鉄筋を利用して、横鉄筋に対する回動を簡単に止められるようにするものである。
特許第5687406号公報 特開2016-30990号公報
しかしながら、特許文献1の天端出し治具は、鉄筋へ取り付ける際に、鉄筋取付部における略C字状両側の係止突起同士を係止させる作業を、内側型枠と外側型枠とに挟まれた幅の狭い空間内で行う必要があり、より一層の作業性向上が望まれる。
一方、特許文献2の天端出し治具は、回動防止のために縦鉄筋と横鉄筋とが交差する箇所で横鉄筋に取り付けられるが、複数本の横鉄筋が同一箇所に集中して上下に隣接して配設されるような場所では、取付け対象の横鉄筋とは別の横鉄筋が障害となって取付けが困難となるため、本来必要な箇所に配置できない場合があるという問題がある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、内外の型枠によって挟まれた幅の狭い空間内でも簡単且つ確実に縦鉄筋への取付けが可能な天端出し治具を提供することを目的とする。
本発明に係る天端出し治具は、コンクリート基礎の天端のレベルを表示する長尺状の表示棒と、前記表示棒を上下動可能に保持する筒状の保持部を有し、コンクリートが打設される空間内で鉛直に配設された縦鉄筋に着脱可能に取り付けられる樹脂製の本体と、を備える天端出し治具であって、前記本体は、前記保持部の外壁前面から平面視二股状に突設されて前記縦鉄筋の側面に着脱可能に係合される係合部と、前記係合部よりも上方位置で前記保持部の前記外壁前面から前方へ突設され、前記縦鉄筋の上端に着脱可能に固定される固定部と、を備え、前記固定部は、下面に開口が形成されると共に、前記開口を通して挿入された前記縦鉄筋の外周面に外嵌する内側面を有する凹状の嵌合穴を備える。
この構成によれば、天端出し治具の本体を縦鉄筋に取り付ける際、前記保持部の外壁前面から平面視二股状に突設された係合部を縦鉄筋の側面に係合させて、縦鉄筋に対して鉛直姿勢に位置決めし、この状態で固定部を押下して嵌合穴の内側面を縦鉄筋の上部の外周面に外嵌することにより固定する。よって、内外の型枠によって挟まれた幅の狭い空間内でも簡単且つ確実に縦鉄筋への取付けが可能であるという効果を奏する。また、複数本の横鉄筋が同一箇所に集中して上下に隣接して配設される場所でも、横鉄筋が障害となることなく、縦鉄筋へ確実に取付け可能であるという効果を奏する。
また、前記嵌合穴は、前記内側面の上方に設けられる下向きの当接面を有する。
この構成によれば、嵌合穴の内側面が縦鉄筋の上部の外周面に外嵌すると共に、下向きの当接面が縦鉄筋の上端に当接して本体の下方への移動が規制されるので、本体を縦鉄筋に対して確実に固定することができるという効果を奏する。
また、前記嵌合穴は、上方へ向かうに従って内径が階段状に小さくなる複数の前記内側面が同心状に形成され、前記各内側面の上側に前記当接面がそれぞれ設けられる。
この構成によれば、嵌合穴において、上方へ向かうに従って内径が階段状に小さくなる複数の内側面のうち縦鉄筋の外径に適合する内側面を縦鉄筋の上部の外周面に外嵌すると共に、当該内側面の上側に設けられた下向きの当接面が縦鉄筋の上端に当接することにより本体が固定される。よって、外径の異なる複数種類の縦鉄筋に対して簡単且つ確実に取付けが可能であるという効果を奏する。
また、前記内側面は、上方に向かうに従って内径がテーパ状に縮小するテーパ状内側面である。この構成によれば、嵌合穴において、テーパ状内側面は上方に向かうに従って内径がテーパ状に縮小するので、内径が縦鉄筋の外径に適合する高さ位置で縦鉄筋の上部の外周面に外嵌することにより本体が固定される。つまり、テーパ状内側面の最大内径と最小内径の範囲内で、任意の外径の縦鉄筋に対して取り付け可能である。よって、外径の異なる複数種類の縦鉄筋に対して簡単且つ確実に取付けが可能であるという効果を奏する。
また、前記固定部は、前記嵌合穴を上面に連通させて前記嵌合穴へコンクリートを流入可能とする流入孔を有する。この構成によれば、縦鉄筋の上端面と嵌合穴の天井面との間に空間が存在する場合でも、流入孔を通してコンクリートが流入して当該空間が充填されるので、コンクリート中に空隙ができることを防止することができる。
また、前記固定部は、前方側が開いた平面視C字状に形成されて前記嵌合穴を有する嵌合片と、前記嵌合片の上方に離間して設けられて前記当接面を有する当接片とを備える。
この構成によれば、嵌合片の前方側の開いた部分を縦鉄筋の側面に対して押し付け、さらに当接片を押下すると、嵌合穴の内側面が縦鉄筋の上部の外周面に外嵌すると共に、当接片に設けられた下向きの当接面が縦鉄筋の上端に当接して本体の下方への移動が規制されるので、本体を縦鉄筋に対して確実に固定することができるという効果を奏する。また、前方側が開いた平面視C字状に形成されているので、外径の異なる複数種類の縦鉄筋に対して固定できる。
また、前記係合部は、前方側が開いた平面視C字状に形成される。この構成によれば、係合部の前方側の開いた部分を縦鉄筋の側面に対して押し付けて嵌めると、縦鉄筋を平面視C字状に囲んで係合するので、外径の異なる複数種類の縦鉄筋に対してより確実に鉛直姿勢に位置決めすることができるという効果を奏する。
また、前記保持部は、軸方向の中間に折り曲げ部が設けられ、前記折り曲げ部が折り曲げられて二つ折りとなる中折れ姿勢から、前記折り曲げ部が延びて全体が同軸となる使用姿勢へ変形可能である。
この構成によれば、本体は、中折れ姿勢において、係合部及び固定部が同一側に開口し、型抜き方向を一方向とすることができるため、金型装置の構造が単純となって製造が容易になるという効果を奏する。
また、前記表示棒は、長尺の細い金属製の丸棒を備えてなり、前記保持部は、前記丸棒を軸孔に圧入状態で挿通させると共に、前記表示棒を外力によって前記軸孔に対して上下に摺動可能に保持する。
この構成によれば、樹脂製の本体が縦鉄筋に取り付けられて保持部が鉛直状態になるように配置された状態で、保持部の軸孔に丸棒が圧入されて取り付けられた表示棒を手等によって鉛直方向に力を加えて摺動させながらコンクリート基礎の天端レベルに位置合わせすることができる。
また、前記表示棒は、少なくとも下部の外周に螺旋状の溝部が形成された棒状部材からなり、前記保持部は、軸孔の内周に前記表示棒の前記溝部に螺合する螺合突起部を有し、前記表示棒を軸周りに回動させることで上下に移動可能に保持する。
この構成によれば、樹脂製の本体が縦鉄筋に取り付けられて保持部が鉛直状態になるように配置された状態で、保持部の軸孔の内周に設けられた螺合突起部が外周の螺旋状の溝部に嵌入して取り付けられた表示棒を、ドライバー等で軸周りに回動させることで上下に移動させながらコンクリート基礎の天端レベルに位置合わせすることができる。
本発明の第1実施形態に係る天端出し治具の全体構成を示す斜視図である。 第1実施形態の本体を示す正面図である。 第1実施形態の本体を示す背面図である。 第1実施形態の本体を示す右側面図である。 第1実施形態の本体を示す平面図である。 第1実施形態の本体を示す底面図である。 第1実施形態の本体を示す斜視図である。 図2におけるVIII-VIII線断面図である。 図2におけるIX-IX線断面図である。 図2におけるX-X線断面図である。 第1実施形態に係る天端出し治具を縦鉄筋に取り付ける手順(前半)を側面視にて示す説明図である。 第1実施形態に係る天端出し治具を縦鉄筋に取り付ける手順(後半)を側面視にて示す説明図である。 第1実施形態に係る天端出し治具が縦鉄筋に取り付けられた様子を側面視にて示す説明図である。 第1実施形態に係る天端出し治具が縦鉄筋に取り付けられた様子を図13のXIV方向矢視にて示す説明図である。 第1実施形態に係る天端出し治具が縦鉄筋に取り付けられた様子を図13のXV方向矢視にて示す説明図である。 第1実施形態に係る本体が太径の縦鉄筋に固定された様子を示す縦断面図である。 第1実施形態に係る本体が細径の縦鉄筋に固定された様子を示す縦断面図である。 第1実施形態に係る天端出し治具を用いたコンクリートの天端位置調整を説明する説明図である。 第2実施形態に係る天端出し治具の全体構成を示す斜視図である。 第2実施形態の本体を示す正面図である。 第2実施形態の本体を示す背面図である。 第2実施形態の本体を示す右側面図である。 第2実施形態の本体を示す左側面図である。 第2実施形態の本体を示す平面図である。 第2実施形態の本体を示す底面図である。 第2実施形態の本体を示す斜視図である。 図20におけるXXVII-XXVII線断面図である。 図20におけるXXVIII-XXVIII線断面図である。 図20におけるXXIX-XXIX線断面図である。 第2実施形態に係る天端出し治具が縦鉄筋に取り付けられた様子を側面視にて示す説明図である。 第2実施形態に係る天端出し治具が縦鉄筋に取り付けられた様子を図30のXXXI方向矢視にて示す説明図である。 第2実施形態に係る天端出し治具が縦鉄筋に取り付けられた様子を図30のXXXII方向矢視にて示す説明図である。 第2実施形態に係る本体が太径の縦鉄筋に固定された様子を示す縦断面図である。 第2実施形態に係る本体が細径の縦鉄筋に固定された様子を示す縦断面図である。 第2実施形態に係る天端出し治具を用いたコンクリートの天端位置調整を説明する説明図である。 第3実施形態に係る天端出し治具の全体構成を示す斜視図である。 第3実施形態の本体を示す正面図である。 第3実施形態の本体を示す背面図である。 第3実施形態の本体を示す右側面図である。 第3実施形態の本体を示す平面図である。 第3実施形態の本体を示す底面図である。 第3実施形態の本体を正面側から示す斜視図である。 第3実施形態の本体を背面側から示す斜視図である。 図37におけるXLIV-XLIV線断面図である。 図37におけるXLV-XLV線断面図である。 第3実施形態に係る本体が太径の縦鉄筋に固定された様子を示す縦断面図である。 第3実施形態に係る本体が細径の縦鉄筋に固定された様子を示す縦断面図である。 第1変形例に係る本体の図10相当の断面図である。 第1変形例に係る本体が太径の縦鉄筋に固定された様子を示す縦断面図である。 第1変形例に係る本体が細径の縦鉄筋に固定された様子を示す縦断面図である。 第2変形例に係る本体を示す斜視図である。 第2変形例に係る本体の中折れ途中の状態を示す斜視図である。 第2変形例に係る本体を示す右側面図である。 第2変形例に係る本体の中折れ姿勢を示す右側面図である。
以下、本発明に係る天端出し治具を具体化した各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態に係る天端出し治具1の構成について、図1乃至図10を参照しつつ説明する。図1は天端出し治具1の全体構成を示す斜視図である。図2は本体20を示す正面図、図3は背面図、図4は右側面図、図5は平面図、図6は底面図、図7は斜視図である。図8は図2におけるVIII-VIII線断面図、図9はIX-IX線断面図、図10はX-X線断面図である。尚、本体20の左側面図は、図4の右側面図と対称に表れるため省略する。
天端出し治具1は、住宅用の基礎コンクリートの布基礎部分の上端の位置決めに用いる治具であって、図1に示すように、長尺状の表示棒10と、樹脂製の本体20とを備えて構成される。
表示棒10は、建築物のコンクリート基礎の上端である天端レベルを表示する部材である。本実施形態に係る表示棒10は、丸棒11と、キャップ12とを備えて構成される。
丸棒11は、金属製の長尺の細い丸棒によって構成される。丸棒11の長さは、例えば300mm程度である。キャップ12は、上端側が封止された円筒状を呈する樹脂製部材であり、高さが15~20mm程度に設定され、例えば薄い灰色に着色されている。キャップ12は、丸棒11の上端に嵌着される。キャップ12は、上端面が平面になっており、この上に天端レベル出し用の棒材を立設して、レーザ発光器により高さを調節してコンクリート打設位置や天端レベルを決めるものである。
本体20は、表示棒10を保持すると共に、地面上で鉛直に配設された縦鉄筋に着脱可能に取り付けられる樹脂製部材であって、図1~図10に示すように、保持部30と、係合部40と、固定部50とを備える。
保持部30は、表示棒10を上下動可能に保持する円筒状の部位である。より詳細には、保持部30は、軸方向長さが数十mm程度(例えば、70~80mm)の細長い小径の円筒形状に形成されている。保持部30は、外壁の軸心位置にて両端面間を貫通した軸孔32を有している。表示棒10は、外径が保持部30の軸孔32の内径よりわずかに大きくなっており、軸孔32内に圧入状態で挿通され、軸孔32内に緊密な状態で保持されると共に、軸方向に力を加えることにより軸孔32に対して摺動可能になっている。
係合部40は、縦鉄筋TYの側面に着脱可能に係合する略円筒状の部位であって、保持部30の外壁前面31下部から前方に向かって平面視C字状に突設されている。係合部40は、その内径が縦鉄筋TYの外径と同等又は僅かに小さく設定される。先端開口部41は、その開口幅が縦鉄筋TYの外径よりも小さく設定されている。
固定部50は、縦鉄筋TYの上端に着脱可能に固定される略円筒状の部位である。固定部50は、保持部30における係合部40よりも上方位置であって上端よりやや下の位置の外壁前面31から前方に向かって平面視略扇形状に突設されている。固定部50には、下面に開口が形成された凹状の嵌合穴51が設けられている。さらに、固定部50は、嵌合穴51を上面に連通させて嵌合穴51へコンクリートを流入可能とする流入孔56を有する。
嵌合穴51の下半部には、第1内側面52と、第1当接面53とが設けられる。第1内側面52は、第1の内径φ1を有する円筒状に形成され、下端の開口から上方へ数mm幅に亘って形成される。第1の内径φ1は、例えば、14mmに設定される。第1当接面53は、第1内側面52の上端に形成された下向きの水平面であり、最大幅の中央から両端に向かって幅が縮小しつつ湾曲する下面視略三日月形状に形成される。第1当接面53中央部分は、例えば3mm程度の幅を有する。
嵌合穴51の上半部には、第2内側面54と、第2当接面55とが設けられる。第2内側面54は、第2の内径φ2を有する円筒状に形成され、第1内側面52の上方に隣接して数mm幅に亘って形成される。第2の内径φ2は、第1の内径φ1よりも小さく(φ2<φ1)、例えば、φ2=11mmに設定される。第2当接面55は、第2内側面54の上端に形成された下向きの水平面であり、下面視円環形状に形成される。第2当接面55は、周方向に例えば2mm程度の幅を有する。
次に、天端出し治具1の縦鉄筋TYへの取付方法について図11~図17を参照しつつ説明する。図11は天端出し治具1を縦鉄筋TYに取り付ける手順(前半)を側面視にて示す説明図、図12は同じく手順(後半)を示す説明図、図13は天端出し治具1が縦鉄筋TYに取り付けられた様子を側面視にて示す説明図、図14はXIV方向矢視にて示す説明図、図15はXV方向矢視にて示す説明図である。図16は本体20が太径の縦鉄筋TY1に固定された様子を示す縦断面図、図17は細径の縦鉄筋TY2に固定された様子を示す縦断面図である。
まず、天端出し治具1は、固定部50を上に、係合部40を下に向けて鉛直状態にして配置される。そして、図11に示すように、内外の型枠(図示せず)間に配設された縦鉄筋TY上部付近の側面に対し、平面視C字状の係合部40の先端を水平に前方(白抜き矢印にて図示)へ押し付けると、先端開口部41の開口幅よりも大径の縦鉄筋TYによって係合部40が弾性変形して開口幅が押し広げられ、さらに前方へ押し込むことで元のC字形状に復帰して縦鉄筋TYの側面に係合する。
続いて、図12に示すように、係合部40が縦鉄筋TYの側面に係合された状態で、天端出し治具1を下方(白抜き矢印にて図示)へ押圧することにより、縦鉄筋TYの上端が固定部50の嵌合穴51に嵌合し、天端出し治具1が縦鉄筋TYに固定される。尚、図11~図17に示すように、複数本の横鉄筋TXが同一箇所に集中して上下に隣接して配設される場所でも、横鉄筋TXが障害となることなく縦鉄筋TYへ確実に取付け可能であるため、コンクリート基礎の施工現場における設置の必要な任意の箇所へ取り付けることができる。
ここで、本体20を外径の異なる複数種類の縦鉄筋TYに取り付ける場合におけるそれぞれの固定状態について、図14,図15を参照しつつ説明する。図14は本体20が太径の縦鉄筋TY1に固定された様子を示す縦断面図、図15は本体20が細径の縦鉄筋TY2に固定された様子を示す縦断面図である。縦鉄筋TYとして太径の縦鉄筋TY1(例えば外径13mmの鉄筋)を使用している場合、図14に示すように、縦鉄筋TY1上部の外周面に第1内側面52が外嵌されると共に、縦鉄筋TY1の上端が第1当接面53に当接することにより、天端出し治具1は縦鉄筋TY1に対して強固に固定される。
一方、縦鉄筋TYとして細径の縦鉄筋TY2(例えば外径10mmの鉄筋)を使用している場合、図15に示すように、縦鉄筋TY2上部の外周面に第2内側面54が外嵌されると共に、縦鉄筋TY2の上端が第2当接面55に当接することにより、天端出し治具1は縦鉄筋TY2に対して強固に固定される。
このようにして、係合部40及び固定部50を縦鉄筋TYに容易に取り付けることができるため、幅の狭い基礎型枠間での天端出し治具1の縦鉄筋TYへの取り付けが簡単に行われる。天端出し治具1が係合部40及び固定部50にて縦鉄筋TYに取り付けられることにより、保持部30が鉛直状態になるように配置される。
次に、天端出し治具1を用いたコンクリートの天端位置の調整方法について、図16を参照しつつ説明する。図16は、天端出し治具1を用いたコンクリートの天端位置調整を説明する説明図であり、コンクリート基礎の縦断面を示している。作業者は、図16に示すように、保持部30の軸孔32に丸棒11が緊密に締め付けられて取り付けられた表示棒10を手等によって摺動させながらレーザ発光器等を用いてコンクリート打設の上端位置に位置合わせさせる。その後、コンクリートが表示棒10のキャップ12下端位置まで打設される。コンクリートK1打設後に、さらに表示棒10によりコンクリート基礎の最終的な天端レベルを精密に調整し、その天端レベルに合わせてレベラーK2を流し込むことができる。ここで、天端出し治具1が係合部40及び固定部50にて縦鉄筋TYに強固に固定されて動かないため、コンクリートが十分に硬化する前でも、表示棒10による天端高さ調整を行うことができる。その結果、コンクリート打設後の鉄筋の上下左右への位置ズレや、コンクリート面の凹凸や傾斜による変動に対して、コンクリート打設後の短期間内に、表示棒10により最終的な天端レベルを迅速且つ適正に決めることができるため、コンクリート打設作業の作業性が高められる。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態に係る天端出し治具1は、コンクリート基礎の天端のレベルを表示する長尺状の表示棒10と、表示棒10を上下動可能に保持する筒状の保持部30を有し、コンクリートが打設される空間内で鉛直に配設された縦鉄筋TYに着脱可能に取り付けられる樹脂製の本体20とを備える。そして、本体20は、保持部30の外壁前面31から平面視二股状に突設されて縦鉄筋TYの側面に着脱可能に係合される係合部40と、係合部40よりも上方位置で保持部30の外壁31から前方へ突設され、縦鉄筋TYの上端に着脱可能に固定される固定部50と、を備え、固定部50は、下面に開口が形成されると共に、開口を通して挿入された縦鉄筋TYの外周面に外嵌する内側面として第1,第2内側面52,54を有する凹状の嵌合穴51を備える。
この構成によれば、天端出し治具1の本体20を縦鉄筋TYに取り付ける際、保持部30の外壁前面31から平面視二股状に突設された係合部40を縦鉄筋TYの側面に係合させて、縦鉄筋TYに対して鉛直姿勢に位置決めし、この状態で固定部50を押下して嵌合穴51の内側面である第1,第2内側面52,54を縦鉄筋TYの上部の外周面に外嵌することにより固定する。よって、内外の型枠によって挟まれた幅の狭い空間内でも簡単且つ確実に縦鉄筋TYへの取付けが可能であるという効果を奏する。また、複数本の横鉄筋TXが同一箇所に集中して上下に隣接して配設される場所でも、横鉄筋TXが障害となることなく、縦鉄筋TYへ確実に取付け可能であるという効果を奏する。
また、嵌合穴51は、内側面としての第1,第2内側面52,54の上方に設けられて縦鉄筋TYの上端に当接する当接面としての第1,第2当接面53,55を有する。
この構成によれば、嵌合穴51の内側面(第1,第2内側面52,54)が縦鉄筋TYの上部の外周面に外嵌すると共に、当接面(第1,第2当接面53,55)が縦鉄筋TYの上端に当接して本体20の下方への移動が規制されるので、本体20を縦鉄筋TYに対して確実に固定することができるという効果を奏する。
また、嵌合穴51は、上方へ向かうに従って内径が階段状に小さくなる複数の内側面として第1内側面52及び第2内側面54が同心状に形成され、各内側面、すなわち第1内側面52及び第2内側面54の上側に当接面として第1当接面53及び第2当接面55がそれぞれ設けられる。
この構成によれば、嵌合穴51において、上方へ向かうに従って内径が階段状に小さくなる複数の内側面、第1内側面52及び第2内側面54のうち縦鉄筋TY1又はTY2の外径に適合する内側面を縦鉄筋TY1又はTY2の上部の外周面に外嵌すると共に、当該内側面の上側に設けられた当接面、第1当接面53又は第2当接面55を縦鉄筋TY1又はTY2の上端に当接することにより本体20が固定される。よって、外径の異なる複数種類の縦鉄筋TY1、TY2に対して簡単且つ確実に取付けが可能であるという効果を奏する。
また、固定部50は、嵌合穴51を上面に連通させて嵌合穴51へコンクリートを流入可能とする流入孔56を有する。この構成によれば、縦鉄筋TYの上端面と嵌合穴51の天井面との間に空間が存在する場合でも、流入孔56を通してコンクリートが流入して当該空間が充填されるので、コンクリート中に空隙ができることを防止することができるという効果を奏する。特に、本体20を太径の縦鉄筋TY1に取り付ける場合、図14に示すように、縦鉄筋TY1の上端と嵌合穴51の天井面との間に第2内側面54の高さ分の空間ができるが、流入孔56を通してコンクリートが流入して当該空間が確実に充填される。
また、係合部40は、前方側が開いた平面視C字状に形成される。この構成によれば、係合部40の前方側の開いた部分を縦鉄筋TYの側面に対して押し付けて嵌めると、縦鉄筋TYを平面視C字状に囲んで係合するので、縦鉄筋TYに対してより確実に鉛直姿勢に位置決めすることができるという効果を奏する。
また、表示棒10は、外径が軸孔32の内径より大きい長尺の細い丸棒11を備えてなり、保持部30は、丸棒11を軸孔32に圧入状態で挿通させると共に、表示棒10を外力によって軸孔32に対して上下に摺動可能に保持する。
この構成によれば、樹脂製の本体20が縦鉄筋TYに取り付けられて保持部30が鉛直状態になるように配置された状態で、保持部30の軸孔32に丸棒11が圧入されて取り付けられた表示棒10を手等によって鉛直方向に力を加えて摺動させながらコンクリート基礎の天端レベルに位置合わせすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。尚、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、それらについての詳細な説明を省略する。
最初に、第2実施形態に係る天端出し治具2の構成について、図19乃至図29を参照しつつ説明する。図19は天端出し治具2の全体構成を示す斜視図である。図20は本体25を示す正面図、図21は背面図、図22は右側面図、図23は左側面図、図24は平面図、図25は底面図、図26は斜視図である。図27は図20におけるXXVII-XXVII線断面図、図28はXXVIII-XXVIII線断面図、図29はXXIX-XXIX線断面図である。
天端出し治具2は、住宅用の基礎コンクリートの布基礎部分の上端の位置決めに用いる治具であって、図19に示すように、長尺状の表示棒15と、樹脂製の本体25とを備えて構成される。
表示棒15は、建築物のコンクリート基礎の上端である天端レベルを表示する部材である。上記第1実施形態に係る表示棒10は、金属製の丸棒11と、樹脂製のキャップ12とを備える構成としたが、本実施形態に係る表示棒15は、全体が樹脂によって形成される棒状部材である。
表示棒15には、上端から所定高さ(例えば、10mm程度)下がった位置の側面の外周から水平に目印部16が突設されている。目印部16は、平面視三角形状を呈する一対の羽根状片が表示棒15の軸部を挟んで対向する姿勢で水平に形成されたものである。表示棒15は、ドライバーにより軸周りに回動させることができるように、頭部に+溝が形成されている。
さらに、表示棒15には、目印部16の直下から下端までの外周に螺旋状溝部17が形成されている。
本体25は、表示棒15を保持すると共に、地面上で鉛直に配設された縦鉄筋に着脱可能に取り付けられる樹脂製部材であって、図19~図29に示すように、保持部30と、係合部40と、固定部50とを備える。
保持部30は、表示棒15を上下動可能に保持する円筒状の部位である。より詳細には、保持部30は、軸方向長さが数十mm程度(例えば、70~80mm)の細長い小径の円筒形状に形成されている。保持部30は、外壁の軸心位置にて両端面間を貫通した軸孔32を有し、軸孔32の内径は表示棒15の外径より大きく設定されている。軸孔32の内周面には、図23,図24に示すように、表示棒15の螺旋状溝部17に螺合する螺合突起部33が上下方向に複数設けられ、各螺合突起部33が螺旋状溝部17に螺合することで、表示棒15を軸周りに回動させることで上下に移動可能に保持する。また、保持部30の右側面の上下方向中央の1箇所には長方形状の開口部34が設けられ、左側面の上下上下中央を挟む上下2箇所には長方形状の開口部35が設けられている。
係合部40及び固定部50は、上記第1実施形態と同様の構成であるので、これらについての詳細な説明を省略する。
次に、天端出し治具2の縦鉄筋TYへの取付方法について図30~図34を参照しつつ説明する。尚、天端出し治具2を縦鉄筋TYに取り付ける手順は、上記第1実施形態(図11,図12参照)と同様であるので説明を省略し、取付け後の様子のみを示す。
図30は天端出し治具2が縦鉄筋TYに取り付けられた様子を側面視にて示す説明図、図31はXXXI方向矢視にて示す説明図、図32はXXXII方向矢視にて示す説明図である。図33は本体25が太径の縦鉄筋TY1に固定された様子を示す縦断面図、図34は細径の縦鉄筋TY2に固定された様子を示す縦断面図である。
天端出し治具2は、係合部40が縦鉄筋TYの側面に係合された状態で、縦鉄筋TYの上端が固定部50の嵌合穴51に嵌合することにより縦鉄筋TYに固定されている。(図28~図30)。
ここで、縦鉄筋TYとして太径の縦鉄筋TY1(例えば外径13mmの鉄筋)を使用している場合、図33に示すように、縦鉄筋TY1上部の外周面に第1内側面52が外嵌されると共に、縦鉄筋TY1の上端が第1当接面53に当接することにより、天端出し治具2は縦鉄筋TY1に対して強固に固定される。
一方、縦鉄筋TYとして細径の縦鉄筋TY2(例えば外径10mmの鉄筋)を使用している場合、図34に示すように、縦鉄筋TY2上部の外周面に第2内側面54が外嵌されると共に、縦鉄筋TY2の上端が第2当接面55に当接することにより、天端出し治具2は縦鉄筋TY2に対して強固に固定される。
このようにして、係合部40及び固定部50を縦鉄筋TYに容易に取り付けることができるため、幅の狭い基礎型枠間での天端出し治具2の縦鉄筋TYへの取り付けが簡単に行われる。天端出し治具2が係合部40及び固定部50にて縦鉄筋TYに取り付けられることにより、保持部30が鉛直状態になるように配置される。
次に、天端出し治具2を用いたコンクリートの天端位置の調整方法について、図35を参照しつつ説明する。図35は、天端出し治具2を用いたコンクリートの天端位置調整を説明する説明図であり、コンクリート基礎の縦断面を示している。作業者は、図35に示すように、保持部30の軸孔32に保持された表示棒15をドライバー等によって回動させながらレーザ発光器等を用いてコンクリート打設の上端位置に位置合わせさせる。その後、コンクリートが表示棒15の目印部16の高さ位置まで打設される。コンクリートK1打設後に、さらに表示棒15によりコンクリート基礎の最終的な天端レベルを精密に調整し、その天端レベルに合わせてレベラーK2を流し込むことができる。ここで、天端出し治具2が係合部40及び固定部50にて縦鉄筋TYに強固に固定されて動かないため、コンクリートが十分に硬化する前でも、表示棒15による天端高さ調整を行うことができる。その結果、コンクリート打設後の鉄筋の上下左右への位置ズレや、コンクリート面の凹凸や傾斜による変動に対して、コンクリート打設後の短期間内に、表示棒15により最終的な天端レベルを迅速且つ適正に決めることができるため、コンクリート打設作業の作業性が高められる。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態に係る天端出し治具2は、表示棒15は、少なくとも下部の外周に螺旋状溝部17が形成された棒状部材からなり、保持部30は、軸孔32の内周に表示棒15の螺旋状溝部17に螺合する螺合突起部33を有し、表示棒15を軸周りに回動させることで上下に移動可能に保持する。
この構成によれば、樹脂製の本体25が縦鉄筋TYに取り付けられて保持部30が鉛直状態になるように配置された状態で、保持部30の軸孔32の内周に設けられた螺合突起部33が外周の螺旋状溝部17に嵌入して取り付けられた表示棒15を、ドライバー等で軸周りに回動させることで上下に移動させながらコンクリート基礎の天端レベルに位置合わせすることができる。
本実施形態に係る天端出し治具2は、その他、上述した第1実施形態に係る天端出し治具1と同様の効果を奏する。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図面を参照しつつ説明する。尚、第1、第2実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、それらについての詳細な説明を省略する。
最初に、第3実施形態に係る天端出し治具3の構成について、図36乃至図44を参照しつつ説明する。図36は天端出し治具3の全体構成を示す斜視図である。図37は本体21を示す正面図、図38は背面図、図39は右側面図、図40は平面図、図41は底面図、図42は正面側を示す斜視図、図43は背面側を示す斜視図である。図44は図37におけるXLIV-XLIV線断面図、図45はXLV-XLV線断面図である。尚、本体21の左側面図は、図39の右側面図と対称に表れるため省略する。
天端出し治具3は、住宅用の基礎コンクリートの布基礎部分の上端の位置決めに用いる治具であって、図36に示すように、長尺状の表示棒10と、樹脂製の本体21とを備えて構成される。表示棒10は、上記第1実施形態と同一の構成であるので、説明を省略する。
本体20は、表示棒10を保持すると共に、地面上で鉛直に配設された縦鉄筋に着脱可能に取り付けられる樹脂製部材であって、図36~図44に示すように、保持部30と、係合部40と、固定部50と、つまみ部58とを備える。
保持部30は、固定部50よりも上方部分は上記第1実施形態と同様の円筒状に形成されている。一方、保持部30における固定部50よりも下方部分は、上記第1実施形態とは異なり、後半分が切り欠かれた半円筒状に形成されている。係合部40は、上記第1実施形態と同一の構成であるので、説明を省略する。
固定部50は、縦鉄筋TYの上端に着脱可能に固定される部位である。上記第1、第2実施形態では、固定部50は略円筒状の単一部位により構成されるが、本実施形態の固定部50は、嵌合片50a及び当接片50bの二つの部位からなる。
嵌合片50aは、保持部30における係合部40よりも上方位置であって上端よりやや下の位置の外壁前面31から前方に向かって突設され、前方側が開いた平面視C字状に形成されて嵌合穴51を有している。また、嵌合片50aは、嵌合穴51を形成する平面視C字状の内側の面が内側面52となっている。
当接片50bは、嵌合片50aの上方に離間し、外壁前面31から前方に向かって平面視略扇形状に突設され、その下面が当接面53となっている。
つまみ部58は、固定部50の背面から保持部30を挟んで後方へ延設された平面視略台形を呈するブロック状の部分である。つまみ部58は、左右幅が後方に向かって拡大すると共に背面が凹状に湾曲し、縦に延びる左右両端縁が後方へ鋭角状に突出している。つまみ部58後端の左右両端縁を指でつまんで弾性変形させることで、嵌合片50aにおける左右一対の前端部50a1間に形成される開口部が所定幅(1~数mm)拡大する。
次に、本体21を外径の異なる複数種類の縦鉄筋TYに取り付ける場合におけるそれぞれの固定状態について、図46,図47を参照しつつ説明する。つまみ部58を指でつまみ、嵌合片50aにおける左右一対の前端部50a1間の開口部を拡大させた状態で縦鉄筋TY1の側面に押し込んだ後、つまみ部58を離すことで元の形状に復帰することで、図46に示すように、内側面52が縦鉄筋TY1の上部の外周面に外嵌する。さらに、当接片50bを押下すると、当接片50bに設けられた下向きの当接面53が縦鉄筋TY1の上端に当接して本体21の下方への移動が規制される。よって、本体21を縦鉄筋TY1に対して確実に固定することができる。
一方、図47に示すように、縦鉄筋TYとして細径の縦鉄筋TY2を使用している場合も、同様の取付け手順で嵌合片50aの平面視C字状の両側が弾性変形して拡径した後に(縦鉄筋TY1使用時よりも拡径幅は小さい)、元の形状に復帰することでTY2の外周面に外嵌し、さらに、当接片50bに設けられた下向きの当接面53が縦鉄筋TY2の上端に当接して本体21の下方への移動が規制される。よって、本体21を縦鉄筋TY2に対して確実に固定することができる。
以上詳述したことから明らかなように、本実施形態によれば、固定部50は、前方側が開いた平面視C字状に形成されて嵌合穴51を有する嵌合片50aと、嵌合片50aの上方に離間して設けられて当接面52を有する当接片50bとを備える。
この構成によれば、嵌合片50aの開いた前端部50a1を縦鉄筋TYの側面に対して押し込み、さらに当接片50bを押下すると、嵌合穴51の内側面52が縦鉄筋TYの上部の外周面に外嵌すると共に、当接片50bに設けられた下向きの当接面53が縦鉄筋TYの上端に当接して本体21の下方への移動が規制されるので、本体21を縦鉄筋TYに対して確実に固定することができるという効果を奏する。また、嵌合片50aは前方側が開いた平面視C字状に形成されているので、外径の異なる複数種類の縦鉄筋TY1,TY2に対して固定できる。
<第1変形例>
外径の異なる複数種類の縦鉄筋TYに取付け可能な構成として、嵌合穴51において、上方へ向かうに従って内径が階段状に小さくなる複数の内側面を設ける構成に代えて、上方に向かうに従って内径がテーパ状に縮小するテーパ状内側面を設ける構成としてもよい。以下、第1実施形態の変形例である第1変形例について、図48~図50を参照しつつ説明する。図48は、第1変形例に係る本体22の図10相当の断面図、図49は本体22が太径の縦鉄筋TY1に固定された様子を示す縦断面図、図50は本体22が細径の縦鉄筋TY2に固定された様子を示す縦断面図である。図48に示すように、本変形例に係る本体22は、嵌合穴51において、上方に向かうに従って内径がテーパ状に縮小するテーパ状内側面57が設けられている。テーパ状内側面57の内径は、下端において太径の縦鉄筋TY1の外径よりも大きく、上端において細径の縦鉄筋TY2の外径よりも小さく設定されている。
次に、本体22を外径の異なる複数種類の縦鉄筋TYに取り付ける場合におけるそれぞれの固定状態について、図49,図50を参照しつつ説明する。縦鉄筋TYとして太径の縦鉄筋TY1を使用している場合、図49に示すように、縦鉄筋TY1上部の外周面にテーパ状内側面57の下部領域が外嵌されることにより、本体22は縦鉄筋TY1に対して強固に固定される。
一方、縦鉄筋TYとして細径の縦鉄筋TY2を使用している場合、図50に示すように、縦鉄筋TY2上部の外周面にテーパ状内側面57の上部領域が外嵌されることにより、本体21は縦鉄筋TY2に対して強固に固定される。
この構成によれば、嵌合穴51において、テーパ状内側面57は上方に向かうに従って内径がテーパ状に縮小するので、内径が縦鉄筋TYの外径に適合する高さ位置で縦鉄筋TYの上部の外周面に外嵌することにより本体20が固定される。つまり、テーパ状内側面57の最大内径と最小内径の範囲内で、任意の外径の縦鉄筋TYに対して取り付け可能である。よって、縦鉄筋TY1,TY2を含む、外径の異なる複数種類の縦鉄筋TYに対して簡単且つ確実に取付けが可能であるという効果を奏する。尚、本変形例におけるテーパ状内側面57の構造を、上記第2実施形態に係る天端出し治具2の固定部50に対して適用することも勿論可能である。
<第2変形例>
第3実施形態の変形例である第2変形例について、図51~図54を参照しつつ説明する。本変形例は、第3実施形態に係る本体21を樹脂成形が容易な形態に変形したものである。図51は第2変形例に係る本体23を示す斜視図、図52は本体23の中折れ途中の状態を示す斜視図、図53は右側面図、図54は本体23の中折れ姿勢を示す右側面図である。
以下、第3実施形態と異なる点についてのみ説明する。本変形例に係る本体23において、保持部30は、軸方向の中間に折り曲げ部30aが設けられている。保持部30は、折り曲げ部30aを境に前面から背面近傍にかけて上半部と下半部とに分割されると共に、背面に数mm幅で設けられた接続部30bにより上半部と下半部とが接続され、折り曲げ可能となっている。
本体23は、金型装置で樹脂成形する際、図54で示される中折れ姿勢で成形が行われ、白抜き矢印で示す型抜き方向に型抜きが行われる。すなわち、本体23は、中折れ姿勢において、係合部40及び固定部50が同一側(図54で上側)に開口しており、型抜き方向を白抜き矢印で示す一方向とすることができるため、金型装置の構造が単純となって製造が容易になる。
そして、中折れ姿勢の本体23を製造した後、天端出し治具として使用する際は、接続部30aを延ばして、上半部及び下半部の全体が同軸となる使用姿勢(図51,図53参照)に変形させる。
以上詳述したことから明らかなように、本変形例によれば、保持部30は、軸方向の中間に折り曲げ部30aが設けられ、折り曲げ部30aが折り曲げられて二つ折りとなる中折れ姿勢から、折り曲げ部30aが延びて全体が同軸となる使用姿勢へ変形可能である。
この構成によれば、本体23は、中折れ姿勢において、係合部40及び固定部50が同一側に開口し、型抜き方向を一方向とすることができるため、金型装置の構造が単純となって製造が容易になるという効果を奏する。
<その他の変形例>
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変更を施すことが可能である。例えば、上記第1、第2実施形態では、嵌合穴51は、上方へ向かうに従って内径が階段状に小さくなる複数の内側面として第1内側面52及び第2内側面54が同心状に形成され、各内側面、すなわち第1内側面52及び第2内側面54の上側に当接面として第1当接面53及び第2当接面55がそれぞれ設けられる構成としたが、これには限られない。嵌合穴51は、例えば、内側面として第1内側面52のみ、当接面として第1当接面53のみをそれぞれ設け、太径の縦鉄筋TY1専用の構成としてもよいし、内側面として第2内側面54のみ、当接面として第2当接面55のみをそれぞれ設け、細径の縦鉄筋TY2専用の構成としてもよい。
また、上記第1、第2実施形態では、嵌合穴51は、上方へ向かうに従って内径が階段状に小さくなる2つの内側面(第1内側面52及び第2内側面54)を設ける構成としたが、内径が階段状に小さくなる3つ以上の内側面を設ける構成としてもよい。このように構成することにより、天端出し治具を外径の異なる3種類以上の縦鉄筋TYに取り付けることが可能となる。
また、上記各実施形態では、係合部40を平面視C字状に構成したが、これには限られない。係合部40は、例えば、平面視U字状や平面視V字状に構成してもよい。要するに、縦鉄筋TYに対して水平方向に取り付けて係合させることが可能な平面視二股状に構成すればよい。さらに、第3実施形態に係る固定部50の構成を第2実施形態に、第1変形例に係る固定部50の構成を第2実施形態にそれぞれ適用してもよいし、第2変形例に係る折り曲げ部30aの構成を各実施形態や変形例に適用してもよい。
また、上記第3実施形態では、嵌合片50aの後方につまみ部58を延設する構成としたが、縦鉄筋TYに対して平面視C字状の嵌合片50aを強く押し込むことで弾性変形させることにより外嵌可能な構成とした場合は、つまみ部58を省略した構成とすることも可能である。
<付記>
本願の図面に表された各実施形態は、意匠登録出願の対象となり得る意匠が含まれている。具体的には、天端出し治具1,2の外形形状は、それぞれ物品名「天端出し治具」の全体意匠として把握することができる。また、本体20,21,22,23,25の外形形状は、それぞれを物品名「天端出し治具本体」の全体意匠として把握することができる。また、本体20,21,22,23,25の外形形状において、係合部40及び固定部50の外形形状のみを特徴とする物品名「天端出し治具本体」の部分意匠として把握することもできる。
1 天端出し治具(第1実施形態)
2 天端出し治具(第2実施形態)
10 表示棒(第1実施形態)
11 丸棒(第1実施形態)
15 表示棒(第2実施形態)
17 螺旋状溝部(第2実施形態)
20 本体(第1実施形態)
21 本体(第3実施形態)
22 本体(第1変形例)
23 本体(第2変形例)
25 本体(第2実施形態)
30 保持部
30a 折り曲げ部
32 軸孔
33 螺合突起部
40 係合部
50 固定部
51 嵌合穴
52 第1内側面
53 第1当接面
54 第2内側面
55 第2当接面
56 流入孔
57 テーパ状内側面
TY 縦鉄筋
TY1 太径の縦鉄筋
TY2 細径の縦鉄筋

Claims (10)

  1. コンクリート基礎の天端のレベルを表示する長尺状の表示棒と、
    前記表示棒を軸孔にて上下動可能に保持する筒状の保持部を有し、コンクリートが打設される空間内で鉛直に配設された縦鉄筋に着脱可能に取り付けられる樹脂製の本体と、
    を備える天端出し治具であって、
    前記本体は、
    前記保持部の外壁前面から平面視二股状に突設されて前記縦鉄筋の側面に着脱可能に係合される係合部と、
    前記係合部よりも上方位置で前記保持部の前記外壁前面から前方へ突設され、前記縦鉄筋の上端に着脱可能に固定される固定部と、
    を備え、
    前記固定部は、下面に開口が形成されると共に、前記開口を通して挿入された前記縦鉄筋の外周面に外嵌する内側面を有する凹状の嵌合穴を備える、天端出し治具。
  2. 前記嵌合穴は、前記内側面の上方に設けられる下向きの当接面を有する、請求項1に記載の天端出し治具。
  3. 前記嵌合穴は、上方へ向かうに従って内径が階段状に小さくなる複数の前記内側面が同心状に形成され、前記各内側面の上端に前記当接面がそれぞれ設けられる、請求項2に記載の天端出し治具。
  4. 前記内側面は、上方に向かうに従って内径がテーパ状に縮小するテーパ状内側面である、請求項1に記載の天端出し治具。
  5. 前記固定部は、前記嵌合穴を上面に連通させて前記嵌合穴へコンクリートを流入可能とする流入孔を有する、請求項1乃至4の何れか一項に記載の天端出し治具。
  6. 前記固定部は、前方側が開いた平面視C字状に形成されて前記嵌合穴を有する嵌合片と、前記嵌合片の上方に離間して設けられて前記当接面を有する当接片とを備える、請求項1に記載の天端出し治具。
  7. 前記係合部は、前方側が開いた平面視C字状に形成される、請求項1乃至6の何れか一項に記載の天端出し治具。
  8. 前記保持部は、軸方向の中間に折り曲げ部が設けられ、前記折り曲げ部が折り曲げられて二つ折りとなる中折れ姿勢から、前記折り曲げ部が延びて全体が同軸となる使用姿勢へ変形可能である、請求項1乃至7の何れか一項に記載の天端出し治具。
  9. 前記表示棒は、外径が前記軸孔の内径より大きい長尺の細い丸棒を備えてなり、
    前記保持部は、前記丸棒を前記軸孔に圧入状態で挿通させると共に、前記表示棒を外力によって前記軸孔に対して上下に摺動可能に保持する、請求項1乃至8の何れか一項に記載の天端出し治具。
  10. 前記表示棒は、外周に螺旋状溝部が形成されたものであり、
    前記保持部は、前記軸孔の内周に前記表示棒の前記螺旋状溝部に螺合する螺合突起部を有し、前記表示棒を軸周りに回動させることで上下に移動可能に保持する、請求項1乃至8の何れか一項に記載の天端出し治具。
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