JP2022175087A - ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂、及び吸収体 - Google Patents

ポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂、及び吸収体 Download PDF

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Abstract

【課題】吸吸水倍率と吸水速度とを維持しつつ、低粘度の体液から高粘度の体液までの幅広い粘度の体液を吸収できる吸水性樹脂を提供する。【解決手段】40℃のポリエチレンオキサイド水溶液での自由膨潤速度(A)が0.15g・g-1・s-1以上、40℃の生理食塩水での自由膨潤速度(B)が0.40g・g-1・s-1以上、自由膨潤速度(A)/自由膨潤速度(B)が0.20以上のポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、吸水性樹脂、及び吸収体に関する。より具体的に、本発明は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂、及び吸収体に関する。
近年、紙オムツ、生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料には、体液吸収の観点から、その構成材としての吸水性樹脂が、吸水剤として幅広く利用されている。このような吸水性樹脂としては、例えば、澱粉-アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、澱粉-アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体のケン化物、(メタ)アクリル酸部分中和物重合体の架橋物等が知られているが、吸水性能の観点から、(メタ)アクリル酸及び/又はその塩を単量体として用いたポリ(メタ)アクリル酸(塩)系吸水性樹脂が、工業的に最も多く生産されている。
衛生材料に使用される吸水性樹脂に求められる性能としては、体液吸収の観点から、吸水倍率と吸水速度とが挙げられる。これらは、一般的に尿を模した試験液(例えば0.9質量%塩化ナトリウム水溶液)を用いて測定される、吸収特性のパラメータである(非特許文献1)。一方、血液や軟便など、尿よりも高粘度の体液の吸収に適した吸水性樹脂も検討されてきた(特許文献1~3)。
国際公開第2020/137241号パンフレット 国際公開第2002/085959号パンフレット 国際公開第2011/023572号パンフレット
Modern Superabsorbent Polymer Technology (1998年発行 Fredric L. Buchholz、Andrew T. Graham著 発行元:WILEY-VCH)
衛生材料(特に紙オムツ)において吸収されるべき体液の粘度は、軟便とともに尿が排出された場合などにおいて一定しない。従来の吸水性樹脂では、低粘度の体液(例えば、尿)に対する吸水性能と、高粘度の体液(例えば、尿と軟便との混合物)に対する吸水性能の両立はできていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、吸水性樹脂の吸水倍率とヒトの体温付近における吸水速度とを維持しつつ、低粘度の体液(例えば、尿)から高粘度の体液(例えば、尿と軟便との混合物)までの幅広い粘度の体液を吸収できる吸水性樹脂を提供することにある。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂であって、40℃のポリエチレンオキサイド水溶液での自由膨潤速度(A)が0.15g・g-1・s-1以上であり、40℃の生理食塩水での自由膨潤速度(B)が0.40g・g-1・s-1以上であり、自由膨潤速度(A)/自由膨潤速度(B)が0.20以上である、吸水性樹脂、である。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、CRCが25~50g/gである。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、球状粒子の凝集体状粒子である。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、嵩密度が0.40~0.80g/cmである。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、40℃のポリエチレンオキサイド水溶液での自由膨潤速度(A)が0.25g・g-1・s-1以上である。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、疎水性有機溶媒中で逆相懸濁重合することによって得られるものである。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、球状粒子を、多孔板を有する押出機によって押し出すことにより得られるものである。
本発明の一実施形態に係る吸収体は、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂を含有し、かつ、(i)親水性繊維を含有しない、又は、(ii)前記吸水性樹脂の質量が当該吸水性樹脂と親水性繊維との合計質量の50質量%以上である。
本発明の一態様によれば、吸水性樹脂の吸水倍率とヒトの体温付近における吸水速度とを維持しつつ、低粘度の体液(例えば、尿)だけでなく、高粘度の体液(例えば、尿と軟便との混合物)の吸水速度にも優れた吸水性樹脂を提供することができる。
以下、本発明を最良の形態を示しながら説明する。本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語及び科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。本発明は、下記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々改変することができる。
〔1.用語の定義〕
[1-1.吸水性樹脂]
本発明における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性及び水不溶性の高分子ゲル化剤を指し、以下の物性を満たすものをいう。即ち、「水膨潤性」として、ERT441.2-02で規定されるCRCが5g/g以上、かつ、「水不溶性」として、ERT470.2-02で規定されるExtが50重量%以下の物性を満たす高分子ゲル化剤を指す。
前記吸水性樹脂は、その用途に応じて適宜、設計が可能であり、特に限定されないが、カルボキシル基を有する不飽和単量体を架橋重合させた親水性架橋重合体であることが好ましい。また、前記吸水性樹脂は、全量(100重量%)が重合体である形態に限定されず、前記物性(CRC、Ext)を満足する範囲内で、添加剤等を含んだ吸水性樹脂組成物の形態であってもよい。
更に、本発明における吸水性樹脂は、最終製品に限らず、吸水性樹脂の製造工程における中間体(例えば、重合後の含水ゲル状架橋重合体や乾燥後の乾燥重合体、表面架橋前の吸水性樹脂粉末等)を指す場合もあり、前記吸水性樹脂組成物と合わせて、これら全てを包括して「吸水性樹脂」と総称する。なお、吸水性樹脂の形状として、シート状、繊維状、フィルム状、粒子状、ゲル状等が挙げられるが、本発明では粒子状の吸水性樹脂が好ましい。
[1-2.「EDANA」及び「ERT」]
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称であり、「ERT」は、欧州標準(ほぼ世界標準)の吸水性樹脂の測定法(EDANA Recommended Test Methods)の略称である。本発明では、特に断りのない限り、ERT原本(2002年改定/公知文献)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。
[1-3.その他]
本明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上、Y以下」を意味する。
本明細書において、特記しない限り、「ppm」は、「質量ppm」を意味する。
本明細書においては、体積の単位「リットル」を「l」又は「L」と表記する場合がある。
本明細書においては、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」、「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。
本明細書において、「~酸(塩)」は「~酸及び/又はその塩」を意味する。「(メタ)アクリル」は「アクリル及び/又はメタクリル」を意味する。「ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂」は、アクリル酸(塩)に由来する繰り返し単位を主成分として含む吸水性樹脂を意味し、具体的には重合に用いられる総単量体(架橋剤を除く)のうち、アクリル酸(塩)を好ましくは50~100モル%、より好ましくは70~100モル%、さらに好ましくは90~100モル%、特に好ましくは実質100モル%を含む吸水性樹脂をいう。
〔2.吸水性樹脂の物性〕
「吸水性樹脂の形状」
本発明において、吸水性樹脂は、好ましくは粒子状であり、具体的には、不定形破砕状、球状、フットボール状、凝集体状等が挙げられる。中でも粒子形状が球状であることで嵩密度が大きく、凝集体状であることで吸水速度が向上することから、吸水性樹脂は、球状粒子(例えば、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を含む球状粒子)の凝集体状粒子であることが好ましい。ここで、球状とは、真球だけでなく、アスペクト比が1.0~1.2である略球状のものも含む。
「含有する添加剤」
本発明においては、吸水性樹脂が種々の機能を発現するための添加剤を含むこともできる。該添加剤として、具体的には、界面活性剤、リン原子を有する化合物、酸化剤、有機還元剤、無機還元剤、水不溶性無機微粒子、キレート剤、多価金属塩、金属石鹸等の有機粉末、消臭剤、抗菌剤、パルプや熱可塑性繊維等が挙げられる。前記添加剤の使用量(添加量)は、得られる吸水性樹脂の用途に応じて適宜設定されるが、吸水性樹脂(例えば、吸水性樹脂粉末)に対して5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。下限は、吸水性樹脂(例えば、吸水性樹脂粉末)に対して0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上である。なお、前記水不溶性無機微粒子は、国際特許公開第2011/040530号の「〔5〕水不溶性無機微粒子」に開示された化合物が本発明に適用される。これら水不溶性無機微粒子のうち、特に親水性微粒子、例えば、シリカ(二酸化珪素)やハイドロタルサイトを含むことで、吸水性樹脂(例えば吸水性樹脂粒子)の液なじみが良くなり、吸収性物品に使用した場合に吸水性樹脂が短時間で水性液体を吸収できるため好ましい。
水不溶性無機微粒子の添加量は、吸水性樹脂(例えば吸水性樹脂粒子)の液なじみを良くする観点から、吸水性樹脂100質量部に対して、0.01~5質量部であり、より好ましくは0.05~3質量部であり、さらに好ましくは0.1~1質量部であり、特に好ましくは0.2~0.5質量部である。
「CRC」
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacity(遠心分離機保持容量)の略称であり、吸水性樹脂の無加圧下での吸水倍率を意味する。
本発明の吸水性樹脂のCRCは、好ましくは25g/g以上であり、より好ましくは28g/g以上、さらに好ましくは31g/g以上である。上限については特に限定されず、より高いCRCが好ましいが、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは50g/g以下であり、より好ましくは45g/g以下であり、さらに好ましくは40g/g以下であり、特に好ましくは35g/g以下である。
前記CRCが25~50g/gであれば、吸収量が十分であり、尿や血液等の体液等を吸収する速度の低下が防止され、高吸水速度タイプの紙オムツ等への使用に適する。なお、CRCの値は、内部架橋剤や表面架橋剤等の種類や量を変更することで制御することができる。
「Ext」
「Ext」は、Extractables(水可溶分)の略称であり、吸水性樹脂から抽出される可溶分量を意味する。水可溶分は、EDANA法(ERT470.2-02)に準拠して測定される他、抽出時間を16時間から1時間に変更して測定する場合があり、このときの水可溶分は「Ext(1hr)」と称する。
本発明の吸水性樹脂のExtは、好ましくは33質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下であり、さらに好ましくは27質量%以下である。下限については0質量%以上であるが、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは2質量%以上であり、より好ましくは4質量%以上である。
前記Extが33質量%以下であれば、尿や血液等の体液等を吸収する速度の低下が防止され、高吸水速度タイプの紙オムツ等への使用に適する。なお、Extの値は、重合開始剤、内部架橋剤、又は表面架橋剤等の種類や量を変更することで制御することができる他、重合工程で連鎖移動剤を使用することでも制御できる。
本発明の吸水性樹脂のExt(1hr)は、好ましくは15質量%以下であり、より好ましくは10質量%以下である。下限については0質量%以上であるが、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上である。
前記Ext(1hr)が15質量%を超えると、吸水時に吸水性樹脂から抽出されたポリマー成分が吸収液の粘度を増加させる原因となりうる。なお、Ext(1hr)の値は、前記Extの制御方法に加え、表面架橋剤水溶液の組成や吸水性樹脂との混合方法によっても制御される。
「AAP」
「AAP」は、Absorption Against Pressureの略称であり、吸水性樹脂の加圧下における吸水倍率を意味する。AAPは、EDANA法(ERT442.2-02)に準拠して測定される。具体的には、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を用い、吸水性樹脂0.9gを1時間、2.06kPa(21g/cm、0.3psi)の加圧下で膨潤させた後、AAP(加圧下吸収倍率)(単位:g/g)を測定する。
本発明の吸水性樹脂のAAPは、衛生材料に用いた際の吸水特性の観点から、好ましくは20g/g以上、より好ましくは25g/g以上である。また、前記吸水性樹脂のAAPの上限は、特に制限されないが、好ましくは45g/g以下である。
「含水率」
「含水率」は、試料量を1.0g、乾燥温度を180℃にそれぞれ変更する以外は、EDANA法(ERT430.2-02)に準拠して測定される。
本発明の吸水性樹脂の含水率は特に制限されないが、好ましくは1質量%~20質量%、より好ましくは1質量%~15質量%、さらに好ましくは2質量%~13質量%、特に好ましくは2質量%~10質量%である。前記含水率が1質量%~20質量%であれば、尿や血液等の体液等を吸収する速度の低下が防止され、高吸水速度タイプの紙オムツ等への使用に適する。
「質量平均粒子径(D50)」
「質量平均粒子径(D50)」は、米国特許第7638570号のカラム27、28に記載された「(3)Mass-Average Particle Diameter (D50) and Logarithmic Standard Deviation (σζ) of Particle Diameter Distribution」に準拠して測定される。
本発明の吸水性樹脂の質量平均粒子径(D50)は、好ましくは200μm~700μm、より好ましくは250μm~600μm、更に好ましくは250μm~500μm、特に好ましくは300μm~450μmである。また、粒子径150μm未満の粒子の割合は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。前記質量平均粒子径が200μm以上であれば粉じんが少なく取り扱い性がよい。また、前記質量平均粒子径が700μm以下であれば、尿や血液等の体液等を吸収する速度の低下が防止され、高吸水速度タイプの紙オムツ等への使用に適する。
「40℃の3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液での自由膨潤速度(A)」
「40℃の3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液での自由膨潤速度(A)」は、吸水性樹脂が自重の20倍の40℃の3質量%ポリエチレンオキサイド水溶液を無加圧下、無攪拌下に吸水する際の吸水速度(単位:g・g-1・s-1)を意味する。「40℃の3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液での自由膨潤速度(A)」を自由膨潤速度(A)と称する場合がある。
本発明の吸水性樹脂の自由膨潤速度(A)は、好ましくは0.15g・g-1・s-1以上、より好ましくは0.18g・g-1・s-1以上、さらに好ましくは0.20g・g-1・s-1以上、さらに好ましくは0.25g・g-1・s-1以上である。また、前記吸水性樹脂の自由膨潤速度(A)の上限は、特に制限されないが、好ましくは0.50g・g-1・s-1以下である。
「40℃の生理食塩水での自由膨潤速度(B)」
「40℃の生理食塩水での自由膨潤速度(B)」は、吸水性樹脂が自重の20倍の40℃の生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水溶液)を無加圧下、無攪拌下に吸水する際の吸水速度(単位:g・g-1・s-1)を意味する。「40℃の生理食塩水での自由膨潤速度(B)」を自由膨潤速度(B)と称する場合がある。
本発明の吸水性樹脂の自由膨潤速度(B)は、好ましくは0.40g・g-1・s-1以上、より好ましくは0.50g・g-1・s-1以上、さらに好ましくは0.60g・g-1・s-1以上である。また、前記吸水性樹脂の自由膨潤速度(B)の上限は、特に制限されないが、好ましくは2.00g・g-1・s-1以下である。
「自由膨潤速度の比」
「自由膨潤速度の比」は、自由膨潤速度(A)[g・g-1・s-1]/自由膨潤速度(B)[g・g-1・s-1]で求められる。
本発明の吸水性樹脂の自由膨潤速度の比は、好ましくは0.20以上、より好ましくは0.25以上、さらに好ましくは0.30以上である。また、前記吸水性樹脂の自由膨潤速度の比の上限は、特に制限されないが、好ましくは1.00以下、より好ましくは0.60以下、さらに好ましくは0.40以下である。
「嵩密度」
「嵩密度」は、EDANA法(ERT460.2-02)に準拠して測定される。
本発明の吸水性樹脂の嵩密度は、好ましくは0.40g/cm~0.80g/cm、より好ましくは0.50g/cm~0.80g/cm、さらに好ましくは0.60g/cm~0.75g/cmである。前記嵩密度が0.40g/cm~0.80g/cmであれば、尿や血液等の体液等を吸収する速度の低下が防止され、高吸水速度タイプの紙オムツ等への使用に適する。
「数平均粒子径」
吸水性樹脂が凝集体状である場合、凝集体を構成する一次粒子の数平均粒子径は電子顕微鏡を用いて測定する。吸水性樹脂の一次粒子の数平均粒子径は、好ましくは5~1000μmであり、より好ましくは5~800μmであり、さらに好ましくは8~500μmであり、より一層好ましくは10~300μmであり、さらにより一層好ましくは10~200μmであり、特に好ましくは30μm~100μmである。
「表面張力」
本発明の吸水性樹脂の表面張力は、好ましくは60mN/m以上、より好ましくは65mN/m以上、更に好ましくは67mN/m以上、特に好ましくは71mN/m以上であり、実質的な表面張力の低下もない。上限は通常75mN/mで十分である。
〔3.吸水性樹脂の製造方法〕
本発明の吸水性樹脂の製造方法は水溶液重合、逆相懸濁重合、気相液滴重合やその他の重合方法の何れを用いてもよいが、本発明の吸水性樹脂の物性を制御しやすい点から、以下、逆相懸濁重合を一例として説明する。特に、重合後の疎水性有機溶媒中での共沸脱水工程や分散系での表面架橋工程を含む一般的な逆相懸濁重合とは異なり、逆相懸濁重合ゲルの分離工程、ゲル整粒工程、乾燥工程(好ましくは熱風乾燥)、および、表面架橋工程(好ましくは粉体表面処理)を含む製法を一例として説明する。
本発明の一実施形態において、重合方法としては、疎水性有機溶媒からなる液相に単量体を含む液滴が分散又は懸濁した状態で前記単量体を重合する逆相懸濁重合により含水ゲル重合体を得る重合方法であれば良く、その重合方法としては、バッチ式でも連続式でも良い。
バッチ式製造方法とは、反応装置中で疎水性有機溶媒中に単量体水溶液を添加又は滴下して混合することにより、単量体水溶液を分散又は懸濁させたのち、重合を行い、含水ゲル重合体を得る製造方法である。
一方、連続式製造方法とは、単量体水溶液を連続的に反応装置中の疎水性有機溶媒に送液し、分散又は懸濁させたのち重合させ、重合反応により形成される含水ゲル重合体と疎水性有機溶媒とを連続的に反応装置から排出する方法である。
本発明の好ましい実施形態は、連続式の逆相懸濁重合であり、さらに好ましくは、単量体水溶液を連続的に疎水性有機溶媒中に分散させ重合を行う液相液滴連続重合である。このような連続式の製造プロセスの場合、各工程内及び工程間におけるそれぞれの操作を連続的に実施でき、長時間の運転により大量生産が可能となる点で好ましい。また、吸水性樹脂の物性の点からも連続式の逆相懸濁重合は好ましい形態である。
本発明に係る吸水性樹脂の製造方法においては、重合工程で得られた含水ゲル重合体と疎水性有機溶媒とを分離する分離工程を設けてもよい。連続式の製造プロセスにおいては、分離工程において含水ゲル重合体から分離された疎水性有機溶媒を回収し、重合工程の疎水性有機溶媒として再利用することが好ましい。このような循環型の製造プロセスとすることにより、有機溶媒の使用量を削減できるため、製造コストや廃液処理の点で好ましい。
なお、連続重合は、分散装置において連続的に単量体水溶液が疎水性有機溶媒中に液滴として懸濁又は分散し、当該分散液及び/又は懸濁液が反応装置へと連続的に供給される形態であるため、分散と重合とが一の装置で行われる形態(回分操作、バッチ式)とは明確に区別される。また、連続的に操作を行う場合、その運転時間としては、1時間以上であることが好ましく、3時間以上であることがより好ましく、さらに好ましくは8時間以上、さらには24時間以上が好ましい。また、通常1年以下である。
本発明に係る吸水性樹脂の製造方法としては、任意の単量体水溶液調製工程;任意の分散工程;重合工程;任意の分離工程;任意のゲル整粒工程;乾燥工程を含む。また、乾燥工程の後に、任意に、冷却工程、粉砕工程、分級工程、表面架橋工程、再湿潤工程、整粒工程、微粉除去工程、造粒工程及び微粉再利用工程などを含むことができる。また、輸送工程、貯蔵工程、梱包工程、保管工程等をさらに含んでもよい。
以下、各工程について説明する。
[3-1:単量体水溶液調製工程]
単量体水溶液は、吸水性樹脂の原料となる単量体を含む水溶液であり、逆相懸濁重合を行うため、疎水性有機溶媒に分散又は懸濁させる溶液である。
単量体水溶液の溶媒としては、水、又は、水及び水溶性有機溶媒(例えば、アルコール等)の混合物が好適に用いられ、水であることがさらにより好ましい。水と水溶性有機溶媒の混合物である場合、水溶性有機溶媒(例えば、アルコール等)は、混合物の30質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
単量体としては、水溶性エチレン性不飽和単量体が好ましく用いられる。水溶性エチレン性不飽和単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、ビニルスルホン酸、アリルトルエンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルフォスフェート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の酸基含有不飽和単量体;(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N-n-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、N-ビニルピロリドン、N-アクリロイルピペリジン、N-アクリロイルピロリジン、N-ビニルアセトアミド等のアミド基含有不飽和単量体;N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和単量体;メルカプト基含有不飽和単量体;フェノール性水酸基含有不飽和単量体;N-ビニルピロリドン等のラクタム基含有不飽和単量体等が挙げられる。
なお、前記水溶性エチレン性不飽和単量体の安定性を考慮して、単量体水溶液に、必要に応じて重合禁止剤を添加してもよい。
前記水溶性エチレン性不飽和単量体の中で、カルボキシル基等の酸基を有する酸基含有不飽和単量体を用いて吸水性樹脂を製造する場合には、当該酸基が中和された中和塩を用いることができる。この場合、酸基含有不飽和単量体の塩としては一価のカチオンとの塩であることが好ましく、アルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、アルカリ金属塩であることがさらに好ましく、ナトリウム塩、リチウム塩及びカリウム塩から選ばれる少なくとも1種であることがよりさらに好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。
これらの中でも、得られる吸水性樹脂の吸水性能の観点から、水溶性エチレン性不飽和単量体は、好ましくは酸基含有不飽和単量体及び/又はその塩であり、より好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)、(無水)マレイン酸(塩)、イタコン酸(塩)、ケイ皮酸(塩)、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸(塩)であり、特に好ましくはアクリル酸(塩)である。
単量体として酸基含有不飽和単量体を用いる場合、得られる吸水性樹脂の吸水性能の観点から、その酸基含有不飽和単量体の中和塩と併用することが好ましい。吸水性能の観点から、酸基含有不飽和単量体とその中和塩の合計モル数に対する中和塩のモル数(以下、「中和率」と称する)は、好ましくは40モル%以上、より好ましくは40モル%~95モル%、さらに好ましくは50モル%~90モル%、さらにより好ましくは55モル%~85モル%、特に好ましくは60モル%~80モル%である。
本発明に係る製造方法では、前記単量体水溶液の調製において、前記例示した単量体のいずれかを単独で使用してもよく、任意の2種以上の単量体を適宜混合して使用してもよい。また、本発明の目的が達成される限り、さらに他の単量体を混合して使用することもできる。
前記単量体水溶液の調製において、2種以上の単量体を併用する場合、主成分として、アクリル酸(塩)を含むことが好ましい。この場合、重合に用いられる単量体全体に対するアクリル酸(塩)の割合は、得られる吸水性樹脂の吸水性能の観点から、通常は50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上(上限は100モル%)である。
前記単量体水溶液の調製においては、必要に応じて、内部架橋剤を用いることができる。内部架橋剤としては、1分子内に2個以上の重合性不飽和基や2個以上の反応性基を有する従来公知の内部架橋剤が挙げられる。内部架橋剤としては、例えば、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,4-ブタンジオール、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらの内部架橋剤は1種のみ用いてもよいし2種以上使用してもよい。
所望する吸水性樹脂の物性により適宜決定されればよいが、通常、内部架橋剤の使用量は、単量体に対して0.0001~5モル%、より好ましくは0.001~3モル%、さらにより好ましくは0.005~1.5モル%である。
また、以下に例示する物質(以下、「その他の物質」と称する)を単量体水溶液に添加することもできる。
その他の物質の具体例として、チオール類、チオール酸類、2級アルコール類、アミン類、次亜リン酸塩類等の連鎖移動剤;炭酸塩、重炭酸塩、アゾ化合物、気泡等の発泡剤;エチレンジアミン4酢酸の金属塩、ジエチレントリアミン5酢酸の金属塩等のキレート剤;ポリアクリル酸(塩)及びこれらの架橋体、澱粉、セルロース、澱粉-セルロース誘導体、ポリビニルアルコール等が挙げられる。その他の物質は、単独で用いられてもよく、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
その他の物質の使用量は、特に限定されないが、その他の物質の全濃度としては、好ましくは単量体に対して10質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらにより好ましくは0.1質量%以下である。ただし、ポリアクリル酸(塩)及びこれらの架橋体、澱粉、セルロース、澱粉-セルロース誘導体、ポリビニルアルコールの全濃度としては、好ましくは単量体に対して30質量%以下であり、より好ましくは20質量%以下であり、さらにより好ましくは10質量%以下である。
また、単量体水溶液中の溶存酸素を、昇温又は不活性ガスとの置換により低減させてもよい。
「重合開始剤」
前記単量体水溶液の調製において、重合開始剤を用いてもよい。なお、単量体水溶液の調製に重合開始剤を使用する場合は、単量体水溶液のゲル化や粘度増大が起こる恐れがあるため、重合開始剤の添加は単量体水溶液を疎水性有機溶媒に分散及び/又は懸濁させる直前に行う、単量体水溶液を冷却し常温より低温(20℃以下、好ましくは0℃付近)で重合開始剤と混合する、単量体水溶液と重合開始剤をラインミキシングしながら分散工程に供する、等を行うことが好ましい。重合開始剤としては、熱分解型重合開始剤が好ましく用いられる。該熱分解型重合開始剤は、熱によって分解しラジカルを発生する化合物を指すが、熱分解型重合開始剤の貯蔵安定性や吸水性樹脂の生産効率の観点から、10時間半減期温度が好ましくは0℃~120℃、より好ましくは30℃~100℃、さらに好ましくは50℃~80℃である水溶性の化合物が重合開始剤として好ましく用いられる。
熱分解型重合開始剤の取扱性や吸水性樹脂の物性の観点から、重合開始剤としては、好ましくはアゾ化合物、過硫酸塩、より好ましくは過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、さらに好ましくは過硫酸ナトリウムが使用される。
前記熱分解型重合開始剤の使用量は、単量体及び重合開始剤の種類等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、生産効率の観点から、単量体に対して、好ましくは0.001g/モル以上、より好ましくは0.005g/モル以上、さらに好ましくは0.01g/モル以上である。また、吸水性樹脂の吸水性能向上の観点から、好ましくは2g/モル以下、より好ましくは1g/モル以下である。
また、必要に応じて、光分解型重合開始剤等、他の重合開始剤と併用することもできる。該光分解型重合開始剤として、具体的には、ベンゾイン誘導体、ベンジル誘導体、アセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン誘導体等が挙げられる。
また、前記熱分解型重合開始剤と還元剤とを併用してレドックス系重合開始剤とすることもできる。前記レドックス系重合開始剤では、熱分解型重合開始剤が酸化剤として機能する。用いられる還元剤としては、特に限定されないが、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸塩;第一鉄塩等の還元性金属塩;L-アスコルビン酸(塩)、アミン類等が挙げられる。
「単量体水溶液における単量体の濃度」
本発明において、単量体水溶液中の単量体の濃度は、選択された単量体及び疎水性有機溶媒の種類等に応じて選択されるが、生産効率上、下限は、単量体水溶液の、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらにより好ましくは30質量%以上であり、また、上限は、好ましくは100質量%以下であり、より好ましくは90質量%以下であり、さらに好ましくは80質量%以下であり、さらにより好ましくは70質量%以下である。
本発明の目的が阻害されない限り、単量体水溶液に、内部架橋剤、界面活性剤、密度調整剤、増粘剤、キレート剤等の添加物を配合することも可能である。なお、添加物の種類及び添加量は、用いられる単量体及び疎水性有機溶媒の組合せにより、適宜選択されうる。
[3-2:分散工程]
分散工程は、疎水性有機溶媒に単量体を含む液滴を分散又は懸濁する工程である。なお、以下、単に「分散」と記載した場合には、懸濁も含む概念とする。より具体的には、前記単量体水溶液を、疎水性有機溶媒に添加して混合、及び攪拌することにより分散させる。例えば、攪拌翼(プロペラ翼、パドル翼、アンカー翼、タービン翼、ファウドラー翼、リボン翼、平板翼等)を備えた攪拌装置を用いてもよい。このような攪拌翼を有する攪拌装置を用いる場合、分散液滴径は、攪拌翼の種類、翼径、回転数当により調節することができ、バッチ式逆相懸濁重合を行う場合に特に好適に使用できる。また国際公開第2009/025235号、第2013/018571号等に記載された方法で分散液を得ることができる。連続式逆相懸濁重合を行う場合には、分散工程は、単量体水溶液及び疎水性有機溶媒を、分散装置に別々に連続的に供給し、疎水性有機溶媒中に分散する単量体を含む液滴を作製することが好ましい。
連続式逆相懸濁重合を行う場合に、分散工程において用いられる分散装置としては、スプレーノズルや高速回転せん断型撹拌機(ロータリーミキサー型、ターボミキサー型、ディスク型、二重円筒型等)、ニードル等の円筒ノズル、プレートに多数の孔を直接設けたオリフィスプレート、スプレーノズル、回転ホイール等の遠心アトマイザーなどが挙げられるが特に制限はない。
「疎水性有機溶媒」
好ましい疎水性有機溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1種類の有機溶媒が挙げられる。具体例には、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロルベンゼン、ブロムベンゼン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素が例示される。これらの中でも、入手容易性及び品質安定性の観点から、n-ヘキサン、n-ヘプタン、シクロヘキサンが好ましい。2種以上を混合した混合溶媒として用いることも可能である。
本発明においては、本発明の目的が阻害されない限り、必要に応じて、疎水性有機溶媒に、界面活性剤や高分子添加剤等の分散助剤を添加してもよい。分散助剤の種類は、用いられる疎水性有機溶媒及び単量体の組合せにより、適宜選択されるが、使用できる分散助剤としては、以下の界面活性剤や高分子添加剤が例示される。
前記界面活性剤として、具体的には、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアリルホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグルコシド、N-アルキルグルコンアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルのリン酸エステル、及びポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルのリン酸エステル等が挙げられる。これらのうち、2種以上を併用してもよい。また、重合性を有する重合性界面活性剤を使用することもできる。重合性界面活性剤として、具体的には下記の構造を有する化合物が挙げられる。
Figure 2022175087000001
なお、式中、R及びRは、互いに独立して、水素、メチル又はエチルであり、nは、3~20の整数を意味する。前記の界面活性剤の中では、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類が好ましく、中でもショ糖脂肪酸エステルが好ましい。また、本発明で使用される界面活性剤のHLB(親水性-疎水性バランス)は特に限定されるものではないが、好ましくは1~20、より好ましくは1~10、さらに好ましくは3~6の範囲である。
前記高分子添加剤として、具体的には、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・ブタジエン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、酸化型エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。中でも、単量体水溶液の分散安定性の観点から、無水マレイン酸変性ポリエチレン、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン共重合体、無水マレイン酸・プロピレン共重合体、無水マレイン酸・エチレン・プロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、酸化型ポリエチレン、酸化型ポリプロピレン、及び酸化型エチレン・プロピレン共重合体が好ましい。これらのうち、2種以上を併用してもよい。また、これらの高分子添加剤と前記界面活性剤とを併用してもよい。中でも、高分子添加剤を用いることが好ましく、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体を用いることがより好ましい。また、他の好適な実施形態では、界面活性剤を用いずに高分子添加剤単独で用いる。
前記分散助剤の使用量は、重合形態、単量体水溶液及び疎水性有機溶媒の種類等に応じて適宜設定される。具体的には、疎水性有機溶媒中の分散助剤の濃度として、好ましくは0.0001~2質量%であり、より好ましくは0.0005~1質量%である。
[3-3.重合工程]
重合工程は、前記分散工程において得られた単量体を含む液滴を重合して、含水ゲル重合体(以下、単に含水ゲルとも称する)を得る工程である。
「反応装置」
重合工程で用いられる反応装置は、前記分散工程で用いられた分散装置をそのまま用いてもよいし、別の装置であってもよい。バッチ式逆相懸濁重合の場合、分散工程で用いた装置をそのまま反応装置として用いることができ、作業性の面で好適である。反応装置が分散装置と別の装置である場合、分散工程で得られた単量体の分散液が反応装置に供給される。
また、重合反応が行われる反応装置の形状は特に限定されず、公知の反応装置を用いることができる。上述したように、分散工程で好適に使用できる攪拌装置が重合反応においても好適に使用できる。連続式製造方法の場合、反応装置の形状は、好ましくは、この反応装置内に形成された連続相である疎水性有機溶媒中を、前記単量体(水溶液)が液滴状の分散相として移動しながら重合反応しうる形状である。このような反応装置として、例えば、管状の反応管を、縦型、横型又は螺旋型に配置した反応装置が挙げられる。この態様では、単量体(水溶液)が、反応部内を移動する疎水性有機溶媒中に供給されるため、単量体水溶液からなる液滴が滞留することなく、疎水性有機溶媒と共に移動する。これにより、重合率の異なる単量体反応物同士の接触が抑制される。
また、前記反応装置には、必要に応じて、外部から反応装置内部の連続相を加熱又は冷却できるように、温度調整手段が備えられていてもよい。
「重合温度」
重合工程における反応温度である重合温度としては、使用する重合開始剤の種類や量によって適宜設定すればよいが、好ましくは20℃~100℃、より好ましくは40℃~90℃である。重合温度が100℃より高い場合は急激な重合反応が起こるため好ましくない。なお重合温度とは、分散媒である疎水性有機溶媒の温度(以下、「Td」と称する)を意味する。
重合工程においては、前記単量体(水溶液)が液滴状で疎水性有機溶媒に分散していることから、単量体水溶液の温度は、疎水性有機溶媒からの熱移動によって速やかに上昇する。液滴に含まれる重合開始剤が熱分解型重合開始剤である場合には、前記昇温に伴って熱分解型重合開始剤が分解してラジカルが発生する。そして、発生したラジカルによって重合反応が開始し、重合反応の進行に伴って含水ゲルが形成される。
連続式製造方法の場合、形成された含水ゲルは、移動する連続相によって反応装置の内部を移動し、連続相をなす疎水性有機溶媒とともに反応装置から排出される。
前記単量体水溶液が熱分解型重合開始剤を含む場合、前記Tdは、重合率の観点から、好ましくは70℃以上であり、より好ましくは75℃以上であり、さらに好ましくは80℃以上である。Tdの上限は特に限定されないが、安全性の観点から、連続相をなす疎水性有機溶媒の沸点を超えない範囲内で、適宜選択される。
「多段逆相懸濁重合」
本発明の製造方法において、適度な凝集粒径を得る観点から、多段重合を行ってもよい。具体的には、一段目の重合工程の終了後に、さらに単量体水溶液を添加し重合反応を行う等により、多段重合を行うことができる。
「無機微粒子」
本発明の製造方法において、重合中、及び/又は、重合終了後の含水ゲル重合体に対して、適度な凝集粒径を得る観点から無機微粒子を添加してもよい。
本発明で使用できる無機微粒子としては、例えば二酸化珪素、非晶質シリカ、酸化アルミニウム、二酸化チタン、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、硫酸カルシウム、珪藻土、ベントナイト、ゼオライト、その他の金属酸化物などがあげられる。特に二酸化珪素、酸化アルミニウム、二酸化チタンが好ましい。
無機微粒子の添加量は、含水ゲル重合体に対して一般に0.001~1重量部、好ましくは0.001~0.5重量部の割合で使用すると好結果が得られる。この範囲にあることで、無機微粒子の添加効果が効率的に発現し、また吸水性能に与える影響も少ないので好ましい。
[3-4.分離工程]
分離工程は、前記重合工程において得られた含水ゲル重合体と疎水性有機溶媒とを分離する工程である。分離工程で用いる装置の種類及び構造については特に限定されないが、例えば、ろ過、沈降、遠心分離、圧搾等に用いられる公知の装置を利用することができる。また、重合工程で用いた攪拌羽を有する攪拌装置を用いて常圧又は減圧下で含水ゲル重合体と疎水性有機溶媒との混合物を加熱し、蒸留することにより含水ゲル重合体と疎水性有機溶媒とを分離してもよい。バッチ式逆相懸濁重合においては常圧又は減圧下での蒸留が好適に行われる。
「含水ゲルの疎水性有機溶媒の溶媒含有率」
分離工程を経て疎水性有機溶媒から分離された含水ゲルにおける疎水性有機溶媒の溶媒含有率は特に制限されない。ただし、乾燥時の負荷や有機溶媒のコストという観点から、疎水性有機溶媒の溶媒含有率(以下、単に溶媒含有率とも称する)は、当該溶媒も含めた含水ゲル100質量%に対して、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.01~9質量%であり、さらに好ましくは0.01~5質量%である。
「含水ゲル重合体の固形分率」
疎水性有機溶媒から分離された含水ゲルの固形分率は特に制限されない。ただし、後工程の乾燥工程での乾燥コストの観点から、好ましくは20質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上である。また、含水ゲル重合体の固形分率の上限は、吸水性能及び機械的負荷という観点から、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下であり、さらに好ましくは70質量%以下であり、特に好ましくは60質量%以下である。
「ゲル重合率」
得られた含水ゲルのゲル重合率は、得られる含水ゲルの乾燥時の凝集抑制や、得られる吸水性樹脂中の残存モノマー低減の観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。ゲル重合率の上限値は、100質量%が理想的である。該重合率が70質量%以上であることで、乾燥中に含水ゲル同士が強く凝集し、塊状化することを抑制することができる。
[3-5.ゲル整粒工程]
ゲル整粒工程では、前記分離工程で疎水性有機溶媒から分離された含水ゲル重合体を、押出作用部及び多孔板を有するゲル整粒装置を用いて含水ゲル重合体を整粒する。これにより、整粒された含水ゲル重合体(以後、ゲル整粒後の含水ゲルを整粒ゲルと表す)が得られる。ゲル整粒工程は任意の工程である。ゲル整粒工程を有することで、高粘度液の吸水速度を制御しやすくなる。
本ゲル整粒工程に供される含水ゲル重合体は、球形ゲルの単粒子形状又は球形ゲルの集合体形状である。当該含水ゲル重合体の平均粒径の下限は特に制限されないが、好ましくは0.01mm以上、より好ましくは0.03mm以上、さらに好ましくは0.05mm以上、一層好ましくは0.1mm以上である。上限に関しても特に制限されないが、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下である。また、単粒子形状である場合はその粒子径を、集合体形状である場合は当該集合体を構成する各球形ゲルの粒子径を、一次粒子径と称する。本発明において、平均一次粒子径は特に制限されないが、最終製品の粒度に制御する際に微粉の発生を抑制できるという観点から、好ましくは5~2000μmであり、より好ましくは5~1000μmであり、さらに好ましくは5~800μmであり、一層好ましくは8~500μm、さらに一層好ましくは10~300μmであり、特に好ましくは10~200μmである。
なお、前記押出作用部及び多孔板を有するゲル整粒装置の前にカッターを有する装置を設置して大きい凝集物を解砕してもよい。
「ゲル整粒装置」
本明細書において、「ゲル整粒」とは、粉体の湿塊を多孔板の小孔から円柱状に押し出すことにより、湿粉状の原料からほぼ均一な形状及びサイズを有する粒を作製する操作である。つまり、多孔板を用いることにより、前工程の溶媒分離工程で過度に凝集した粗大凝集物の形状になっている含水ゲルは解砕され、小粒径の単粒子状の含水ゲルは適度に凝集される。したがって、本工程によって、比較的粒子径の均一な造粒形状の含水ゲル(整粒ゲル)を得ることができる。なお、整粒ゲルは単粒子状の含水ゲルを含んでいてもよい。
ゲル整粒工程において使用される「押出作用部及び多孔板を有するゲル整粒装置」としては、押出作用部と、多孔板(ダイ又はスクリーン)とを有し、押出作用部が通常は多孔板に向かって内容物を押出し供給する押出し部材を有し、多孔板から材料を押し出すことにより一定サイズの粒を作製可能な装置(例えば押出機)であれば特に限定されない。また、これらの装置を直列に並べて使用してもよい。
さらに、この多孔板(ダイ又はスクリーン)の孔の形は特に限定されず、真円状、楕円状、六角形等の多角形、三角形状等、使用に適した形状に任意に選択することが可能であるが、整粒強度の観点から真円状、楕円状が好ましい。孔径についても特に制限されないが、1.5mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましく、0.8mm以下であることがさらにより好ましい。かような上限以下であることで、得られる整粒ゲルのサイズが必要以上に増大することが防止され、最終製品の粒度に制御する際に発生する微粉量を低減させることができる。孔径は、好ましくは0.3~1.5mmであり、より好ましくは0.3~0.8mmである。多孔板の孔径が0.3mm以上であれば、押出し操作を実施する際に効率よく押出すことができる。なお、前記孔径については以下のように定義する。まず、孔が真円でない場合は孔の短径と長径の相乗平均値を孔径として採用する。また、多孔板の孔の各孔径が異なる場合は、全ての孔の孔径を算出し、その相加平均値を多孔板の孔の孔径として採用する。さらに多孔板の押出し作用部側からその反対側までの間で多孔板の孔径が変化する(多孔板の厚み方向において孔径が変化する)場合は、その中で孔径が最少となる値を採用する。
本工程において、さらに添加剤を添加してもよい。本工程で添加できる添加剤としては、重合開始剤、酸化剤、還元剤、キレート剤、増粘剤、界面活性剤、架橋剤、酸、塩基、発泡剤、有機又は無機の微粒子、多価金属塩等が挙げられるが、中でも凝集度を制御できる添加剤として、例えば、澱粉、セルロース、澱粉-セルロース誘導体、ポリビニルアルコール等の増粘剤、界面活性剤、吸水性樹脂の微粉、架橋剤、多価金属塩等が好ましい。
[3-6.乾燥工程]
乾燥工程は、含水ゲルを乾燥する工程である。これにより、含水ゲルに含まれる水分と、任意の分離工程において分離しきれなかった疎水性有機溶媒が除去され、所望の固形分率を有する粒子状の乾燥重合体が得られる。乾燥重合体の固形分率は、好ましくは80重量%以上、より好ましくは85~99重量%、更に好ましくは90~98重量%、特に好ましくは92~97重量%である。
本発明において、乾燥方法は、特に限定されないが、例えば、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、流動層乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸脱水による乾燥、高温の水蒸気を利用した高湿乾燥等が挙げられる。
前記熱風乾燥における乾燥温度(熱風の温度)としては、吸水性樹脂の色調や乾燥効率の観点から、好ましくは100~250℃、より好ましくは100~180℃である。なお、熱風の風速や乾燥時間等、前記乾燥温度以外の乾燥条件については、乾燥に供する粒子状含水ゲルの含水率や総重量及び目的とする樹脂固形分に応じて、適宜設定すればよく、バンド乾燥を行う際には、国際公開第2006/100300号、同第2011/025012号、同第2011/025013号、同第2011/111657号等に記載される諸条件が適宜適用される。
本乾燥工程で得られる粒子からなる乾燥重合体を、そのまま吸水性樹脂として各用途に供することもできる。また、この製造方法において吸水性樹脂を製造する場合には、乾燥工程で得られる乾燥重合体を後述する表面架橋工程に供することも可能である。この場合、後述する表面架橋工程に供される乾燥重合体を、便宜上「吸水性樹脂粉末」とも称する。乾燥工程で整粒ゲル同士が凝集した乾燥物が得られる場合は、その凝集体をほぐす工程が乾燥工程に包含されることが好ましい。
「添加剤」
本発明の効果が阻害されない限り、含水ゲルに添加剤を添加してもよい。添加は、加熱手段による加熱中に行ってもよいし、乾燥工程前(加熱手段による加熱前)に行ってもよい。さらには、乾燥工程以前の任意の工程で添加してもよい。添加剤によって乾燥時の含水ゲル同士の過度の付着が低減でき、吸水速度に優れた吸水性樹脂を得ることができる。
[3-7.親水化処理工程]
本発明において親水化処理工程は、後述する表面架橋工程の後に行ってもよいし、表面架橋工程の前に行ってもよい。親水化処理工程は、吸水性樹脂を有機溶剤により親水化処理する工程である。これにより、表面架橋処理の効果(吸水性樹脂の加圧下の吸収倍率を高め、戻り量を低減する)を高めることができる。また、吸水性樹脂の表面の親水性が高くなるため吸水速度も上昇する。
具体的な親水化処理の方法は、吸水性樹脂の表面に疎水性の部分を形成している原因によって異なる。例えば、逆相懸濁重合によって吸水性樹脂を製造した場合には、重合時に分散剤として用いられる界面活性剤が疎水性の原因であるため、これを洗浄することが好ましく、有機溶剤を用いて洗浄することがより好ましい。
有機溶剤としては、界面活性剤を洗浄できるものであれば特に限定されないが、洗浄効果を高めるためには、吸水性樹脂が膨潤しないようなものを用いることが好ましい。処理中における吸水性樹脂の好ましい膨潤倍率は2倍未満である。有機溶剤としては、親水性の有機溶剤だけでなく疎水性の有機溶剤も使用可能である。親水性有機溶剤としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;等が、疎水性有機溶剤としては、n-ペンタン、n-ヘプタン、n-ヘキサン、n-オクタン等の如き脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、デカリン等の如き脂環式炭化水素;クロルベンゼン、ブロムベンゼン、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン等の如きハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の如き芳香族炭化水素、等を挙げることができる。これらの中でもメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ヘプタン、n-ヘキサン、シクロヘキサンが好ましく用いられる。
本発明では、吸水性樹脂を有機溶剤により親水化処理する場合、有機溶剤を加熱した状態で吸水性樹脂と接触させることにより、加圧下の吸収倍率や戻り量が一層向上する場合があり好ましい。加熱の温度は有機溶剤の沸点以下であることが好ましく、用いる有機溶剤の種類にもよるが一般に40~120℃程度である。親水化処理は、吸水性樹脂が乾燥した状態で行うことが好ましい。有機溶媒や水で湿潤した状態で親水化処理を行うと、表面近傍の架橋処理を行った場合に、逆に吸水速度が低下したり、吸水倍率が急激に低下する場合があるので注意を要する。したがって、逆相懸濁重合や水溶液重合により得られた吸水性樹脂をろ過・乾燥して、重合の溶媒や水分をなくした状態で親水化処理を行うことが好ましい。
[3-8.表面架橋工程]
前記乾燥工程(及びその後の任意の工程)を経て得られる吸水性樹脂(例えば吸水性樹脂粉末)は、表面架橋剤によって表面架橋されることが好ましい。この表面架橋は、吸水性樹脂(例えば吸水性樹脂粉末)の表面層(吸水性樹脂(例えば吸水性樹脂粉末)の表面から数10μmの部分)に架橋密度の高い部分を設ける処理である。表面架橋処理を行うことで各種吸水特性を向上させることができる。なお、本発明においては、公知の表面架橋技術が適宜適用される。なお、本工程で用いられる表面架橋剤は、単量体水溶液調製工程で使用される内部架橋剤と区別するため、公知技術では「後架橋剤」としても示されるものである。
本発明において表面架橋工程は、前記の乾燥工程後であってもよいし、乾燥工程中に行ってもよい。公知の表面架橋工程では、一般的に、含水ゲル架橋重合体又はその乾燥物の架橋重合体に表面架橋剤を混合し、その混合物を加熱して架橋反応を行うが、本発明においては、これらの工程を前記の乾燥工程後に別途設けてもよいし、乾燥工程において表面架橋剤を添加し表面架橋反応と乾燥を同時に行ってもよい。また、バッチ式の逆相懸濁重合法で吸水性樹脂の製造を行う場合は、重合反応後の分離工程においては蒸留を行うことにより溶媒と含水ゲル重合体を分離することができるが、当該分離工程の途中においても表面架橋剤を添加することにより表面架橋した吸水性樹脂(例えば吸水性樹脂粒子)を得ることができる。
[3-9.その他の工程]
本発明に係る吸水性樹脂の製造方法は、上述した各工程以外に、必要に応じて、冷却工程、粉砕工程、含水(再湿潤)工程、分級工程、その他の添加剤添加工程、整粒工程、及び微粉再利用工程を含むことができる。また、輸送工程、貯蔵工程、梱包工程、保管工程等をさらに含んでもよい。
(冷却工程)
任意に実施される冷却工程では、乾燥工程において得られた粒子状の乾燥重合体を、公知の冷却手段を用いて冷却することにより、所望の温度まで冷却された粒子状の乾燥重合体を得ることができる。
(粉砕工程)
前記乾燥工程(及びその後の任意の冷却工程)で得られた粒子状の乾燥重合体を粉砕する粉砕工程を経ることが好ましい。粉砕工程を経ることによって、粒子径又は粒度分布が制御された吸水性樹脂粉末とされる。
前記粉砕工程では、粉砕手段として、例えば、ロールミル、ハンマーミル、スクリューミル、ピンミル等の高速回転式粉砕機、振動ミル、ナックルタイプ粉砕機、円筒型ミキサー等が適宜選択されて用いられる。
(再湿潤工程)
任意に実施される本工程は、前記表面架橋工程で得られた吸水性樹脂(例えば吸水性樹脂粒子)に、カチオン性ポリマー、キレート剤、無機還元剤、α-ヒドロキシカルボン酸化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤を添加する工程である。
前記の添加剤は、水溶液又は分散液(スラリー)で吸水性樹脂(例えば吸水性樹脂粒子)に添加することが好ましい。なお、当該添加剤は上述した表面架橋剤溶液と同時に添加・混合してもよい。具体的には、国際特許公開第2015/053372号「(2-7)再湿潤工程」記載の方法が本発明にも適用される。
(その他の添加剤添加工程)
本発明においては、上述した添加剤以外の添加剤を、吸水性樹脂に種々の機能を付加させるため添加することもできる。該添加剤として、具体的には、界面活性剤、リン原子を有する化合物、酸化剤、有機還元剤、無機還元剤、水不溶性無機微粒子、キレート剤、多価金属塩、金属石鹸等の有機粉末、消臭剤、抗菌剤、パルプや熱可塑性繊維等が挙げられる。なお、前記水不溶性無機微粒子は、国際特許公開第2011/040530号の「〔5〕水不溶性無機微粒子」に開示された化合物が本発明に適用される。これら添加剤のうち、水不溶性無機微粒子、特に親水性微粒子、例えば、シリカ(二酸化珪素)を添加することで、吸水性樹脂(例えば吸水性樹脂粒子)の液なじみが良くなり、吸収性物品に使用した場合に短時間で水性液体を吸収できるため好ましい。
(整粒工程)
「整粒工程」とは、前記表面架橋工程を経て緩く凝集した吸水性樹脂をほぐして粒子径を整える工程を意味する。なお、この整粒工程は、表面架橋工程以降の微粉除去工程及び分級工程を含むものとする。整粒工程は吸水性樹脂の粒子径を整え、安定した吸水物性を得る観点から、実施されることが好ましい。
(微粉再利用工程)
「微粉再利用工程」とは、前記各工程で篩分級等により発生した微粉をそのまま、又は微粉を造粒した後にいずれかの工程に供給する工程を意味する。微粉再利用工程は吸水性樹脂の生産ロスを低減する観点から、実施されることが好ましい。
〔4.吸水性樹脂の用途〕
本発明の吸水性樹脂の用途は、特に限定されないが、好ましくは紙オムツ(幼児用、成人用)、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品の吸収体用途が挙げられる。特に、高濃度紙オムツの吸収体として使用することができる。
また、前記吸収体の原料として、前記吸水性樹脂とともにパルプ繊維等の吸収性材料を使用することもできる。この場合、吸収体中の吸水性樹脂の含有量(コア濃度)としては、好ましくは30質量%~100質量%、より好ましくは40質量%~100質量%、さらに好ましくは50質量%~100質量%、さらにより好ましくは60質量%~100質量%、特に好ましくは70質量%~100質量%、最も好ましくは75質量%~95質量%である。
前記コア濃度を前記範囲とすることで、吸収体を吸収性物品の上層部に使用した場合に、この吸収性物品を清浄感のある白色状態に保つことができる。さらに、吸収体は尿や血液等の体液等の拡散性に優れるため、効率的な液分配がなされることにより、吸収量の向上が見込める。
より具合的に、上述した吸収体は、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂を含有し、かつ、(i)親水性繊維を含有しない、又は、(ii)前記吸水性樹脂の質量が当該吸水性樹脂と親水性繊維との合計質量の50質量%以上である、吸収体であってもよい。
親水性繊維としては、特に限定されず、例えば、パルプ繊維、コットンリンター架橋セルロース繊維、レーヨン、綿、羊毛、アセテート及びビニロン等を挙げることができる。さらに、それらをエアレイドしたものが好ましい。
吸水性樹脂の質量が当該吸水性樹脂と親水性繊維との合計質量の50質量%以上、より具体的に、吸水性樹脂の質量が当該吸水性樹脂と親水性繊維との合計質量の60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は100質量%であってもよい。
以下の実施例及び比較例に従って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定解釈されるものではなく、各実施例に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施例も、本発明の範囲に含まれるものとする。
なお、実施例及び比較例で使用する電気機器(吸水性樹脂の物性測定も含む)は、特に注釈のない限り、200V又は100Vで60Hzの電源を使用した。また、本実施例及び比較例の吸水性樹脂の諸物性は、特に注釈のない限り、室温(20~25℃)、相対湿度50%RHの条件下で測定した。
また、「リットル」を「l」又は「L」、「重量%」を「wt%」と便宜上、表記する場合がある。更に微量成分の測定において、検出限界以下を「N.D」(Non Detected)と表記する。
[吸水性樹脂の物性測定]
「CRC」
CRC(遠心分離機保持容量)は、EDANA法(ERT441.2-02)に準拠して測定した。具体的には、吸水性樹脂0.2gを不織布製の袋に入れた後、大過剰の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液中に30分間浸漬して自由膨潤させ、その後、遠心分離機(250G)で3分間、水切りした後の吸水倍率(単位;g/g)を求めた。
「Ext」
本実施例及び比較例の吸水性樹脂のExt(水可溶分)は、EDANA法(ERT470.2-02)に準拠して測定した。
「Ext(1hr)」
本実施例及び比較例の吸水性樹脂のExt(1hr)は、EDANA法(ERT470.2-02)に準拠した。なお、攪拌時間を1時間に変更した。
「AAP」
AAP(加圧下吸収倍率)は、EDANA法(ERT442.2-02)に準拠して測定した。
「含水率」
含水率をEDANA法(ERT430.2-02)に準拠して測定した。なお、測定に際し、試料(吸水性樹脂)の質量を1.0gに、乾燥温度を180℃に、乾燥時間を3時間にそれぞれ変更した。具体的には、底面の直径が50mmのアルミカップに吸水性樹脂1.0gを投入した後、試料(吸水性樹脂及びアルミカップ)の総質量W1(g)を正確に秤量した。次に、前記試料(吸水性樹脂及びアルミカップ)を、雰囲気温度180℃に設定されたオーブン内に静置した。3時間経過後、該試料を前記オーブンから取り出し、総質量W2(g)を正確に秤量した。本測定に供された試料(吸水性樹脂)の質量をM(1.0g)としたときに、下記(式1)にしたがって、該試料の含水率α(質量%)を求めた:
含水率α(質量%)={(W1-W2)/M}×100 式(1)。
「質量平均粒子径(D50)」
質量平均粒子径(D50)は、米国特許第7638570号のカラム27、28に記載された「(3)Mass-Average Particle Diameter(D50) and Logarithmic Standard Deviation(σζ) of Particle Diameter Distribution」に記載の方法に従って測定した。
「40℃の3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液での自由膨潤速度(A)」
ポリエチレンオキサイド(PEO-1、粘度平均分子量150,000-400,000 住友精化株式会社製)を用いて、濃度が3重量%、液温が40℃であって、その条件での粘度が10±1mPa・sであるポリエチレンオキサイド水溶液を調製した。なお、粘度の測定には、株式会社SEKONIC製の振動式粘度計(型式:VM-10A)を用いた。以下、25ml、及び、50mlのガラス製ビーカーは40℃に保温して使用した。
吸水性樹脂0.50gを25mlガラス製ビーカー(内径32~34mm、高さ50mm)に入れ、重量を測定した(W3)。この際、ビーカーに入れた吸水性樹脂の上面が水平となるようにした。必要に応じて、慎重にビーカーをたたくなどの処置を行うことで、吸水性樹脂の上面を水平にした。
吸水性樹脂の入ったビーカーの中央に、流速5~6g/秒で3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液の投入が可能なガラス製漏斗を、ビーカーの底から高さ50mmのところに漏斗の先端がくるように設置した。次に、40℃±0.5℃に調温した3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液10gを50mlのガラス製ビーカーに量り取り、漏斗に丁寧に素早く注いだ。
漏斗に注ぎ込んだ3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液が吸水性樹脂と接触すると同時に、時間測定を開始した。3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液を漏斗に注ぎ込んだ後、漏斗から水滴が5秒間落ちてこない時点で漏斗を除いた。時間測定の開始直後には、ビーカー中の3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液の液面よりも下に、吸水性樹脂の上面が存在した。
そして、3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液を注ぎ込んだビーカー中の3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液の液面を約20゜の角度で目視した際、該液面が、吸液した吸水性樹脂の上面に置き換わる時点(吸水性樹脂の上面のゲル粒子の形が認識でき、吸水性樹脂の上面の中央に液が残っていない時点)で、時間測定を終了した(単位:秒)(tS1)。
次に、3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液を注ぎ込んだ後の25mlガラス製ビーカーの重さ(単位:g)を測定した(W4)。
25mlガラス製ビーカーに注ぎ込んだ3重量%ポリエチレンオキサイド水溶液の重さ(W5、単位:g)を下記式(a)により求めた。自由膨潤速度(A)は、下記式(b)によって計算した。
式(a):W5(g)=W4(g)-W3(g)、
式(b):自由膨潤速度(A)[g・g-1・s-1]=W5/(tS1×吸水性樹脂の質量(g))。
「0.9質量%塩化ナトリウム水溶液での自由膨潤速度(B)」
40℃の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液の粘度を株式会社SEKONIC製の振動式粘度計(型式:VM-10A)を用いて測定したところ、0~1mPa・sであった。以下、25ml、及び、50mlのガラス製ビーカーは40℃に保温して使用した。
吸水性樹脂1.00gを25mlガラス製ビーカー(内径32~34mm、高さ50mm)に入れた。この際、ビーカーに入れた吸水性樹脂の上面が水平となるようにした。必要に応じて、慎重にビーカーをたたくなどの処置を行うことで、吸水性樹脂の上面を水平にした。
次に、40℃±0.5℃に調温した0.9質量%塩化ナトリウム水溶液20gを50mlのガラス製ビーカーに量り取り、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液とガラス製ビーカーとの合計重さ(単位:g)を測定した(W6)。量り取った0.9質量%塩化ナトリウム水溶液の全量を、吸水性樹脂の入った25mlビーカーに丁寧に素早く注いだ。
ビーカーに注ぎ込んだ0.9質量%塩化ナトリウム水溶液が吸水性樹脂と接触すると同時に、時間測定を開始した。時間測定の開始直後には、ビーカー中の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液の液面よりも下に、吸水性樹脂の上面が存在した。そして、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を注ぎ込んだビーカー中の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液の液面を約20゜の角度で目視した際、該液面が、吸液した吸水性樹脂の上面に置き換わる時点(吸水性樹脂の上面のゲル粒子の形が認識でき、吸水性樹脂の上面の中央に液が残っていない時点)で、時間測定を終了した(単位:秒)(tS2)。
次に、0.9質量%塩化ナトリウム水溶液を注ぎ込んだ後の50mlガラス製ビーカーの重さ(単位:g)を測定した(W7)。
25mlガラス製ビーカーに注ぎ込んだ0.9質量%塩化ナトリウム水溶液の重さ(W8、単位:g)を下記式(c)により求めた。
自由膨潤速度(B)は、下記式(d)によって計算した。
式(c):W8(g)=W6(g)-W7(g)、
式(d):自由膨潤速度(B)[g・g-1・s-1]=W8/(tS2×吸水性樹脂の質量(g))。
「自由膨潤速度の比」
自由膨潤速度の比は、下記式にしたがって算出した:
自由膨潤速度の比=自由膨潤速度(A)[g・g-1・s-1]/自由膨潤速度(B)[g・g-1・s-1]。
「嵩密度」
本発明の吸水性樹脂の嵩密度は、EDANA法(ERT460.2-02)に準拠して測定した。
「数平均粒子径」
吸水性樹脂又は吸水性樹脂粉末の走査型電子顕微鏡写真(SEM)を撮影した。写真の中から凝集体状粒子の正面にある50個の一次粒子を無作為に選択し、各一次粒子について、長径と短径とを測定し、該測定値の平均値を一次粒子径とした。一次粒子径の平均値を算出し、その平均値を当該吸水性樹脂の平均一次粒子径とした。
「粘度」
本発明の粘度は、株式会社SEKONIC製の振動式粘度計(型式:VM-10A)を用いて測定した。具体的には、株式会社マルエム製のスクリュー管(No.7、50ml、コード730-09)に40g~45gの試験液を投入し、液温を40℃に調整し、液面が検出器上部の棒部分に2mm~3mm浸るように高さを調整して粘度(mPa・s)を測定した。
「表面張力」
本発明の表面張力とは、吸水性樹脂を0.9質量%塩化ナトリウム水溶液中に分散させた際の、水溶液の表面張力であり、W02015/129917に記載の方法で測定した。
[実施例1]
国際公開第2020/067310号の図1に示した製造プロセスに従って含水ゲル重合体を作製した。
分散装置として、国際公開第2020/067310号の図9に示される2流体スプレーノズル(外部混合型、スプレーノズル内径:0.5mm、形式:SETO07507S303+TS303、株式会社いけうち製)、反応装置としてPFA製チューブ(内径:25mm、全長:10m)を縦に配置したものを、それぞれ使用した。
重合反応の準備段階として、疎水性有機溶媒としてn-ヘプタン(密度:0.68g/ml)にショ糖脂肪酸エステル(商品名:DKエステル(登録商標)F-50/第一工業製薬株式会社製、HLB=6)を0.005質量%添加した溶液を、前記2流体スプレーノズルの補助流体用流路(第2供給管)、前記反応装置、前記分離装置及びこれらを接続する配管内に投入した。前記2流体スプレーノズルの位置を、2流体スプレーノズルの先端が、反応装置に収容された疎水性有機溶媒からなる連続相に浸るように調整した。
続いて、送液ポンプを稼働させて、流量1000ml/分で、有機溶媒の循環を開始した。この製造方法では、循環させた有機溶媒の経路を、2流体スプレーノズルを介して反応装置に投入する経路と、直接反応装置に投入する経路とに分岐させた。2流体スプレーノズルを介して反応装置に投入される有機溶媒の流量を800ml/分とし、直接反応装置に投入される有機溶媒の流量を200ml/分とした。また、該2流体スプレーノズルの先端部での前記有機溶媒の流速は、7.86m/秒であった。また、熱交換器を稼働させて、設定温度が85℃となるように、前記循環する有機溶媒を加熱した。
次に、アクリル酸、48.5質量%の水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を混合し、更に、N,N-メチレンビスアクリルアミド及びジエチレントリアミン5酢酸・3ナトリウムを配合することで、単量体溶液(1)を作製した。また、別途、過硫酸ナトリウム及びイオン交換水を混合することで、10質量%の過硫酸ナトリウム水溶液(1)を作製した。
続いて、前記操作で得られた単量体溶液(1)と過硫酸ナトリウム水溶液(1)とを、それぞれ別個に混合装置に供給して混合することで、単量体水溶液(1)を調製した。該単量体水溶液(1)のモノマー濃度は43質量%、中和率は70モル%であった。また、内部架橋剤であるN,N-メチレンビスアクリルアミドは単量体に対して0.015モル%、キレート剤であるジエチレントリアミン5酢酸・3ナトリウムは単量体に対して100ppm、重合開始剤である過硫酸ナトリウムは単量体に対して0.1g/モルであった。
次に、前記混合装置で調製した単量体水溶液(1)を、速やかに前記2流体スプレーノズルの単量体水溶液用流路(第一供給管)に送液した。その後、前記2流体スプレーノズルを用いて、前記有機溶媒とともに、流量40ml/分(23.6g/分)で、単量体水溶液(1)を反応装置に供給した。該単量体水溶液(1)は、連続相をなす有機溶媒の循環方向と同じ方向(並流)となるように供給した。なお、該2流体スプレーノズルの先端部での前記単量体水溶液(1)の流速は、0.85m/秒であった。また、該2流体スプレーノズルに供給する前の単量体水溶液(1)の液温を25℃に保持した。
前記2流体スプレーノズルによって供給された前記単量体水溶液(1)は、前記連続相中で液滴状に分散した。前記単量体水溶液(1)と前記連続相をなす有機溶媒との比(W/O比)は、3.3容積%であった。
次いで、前記のようにして得られた分散液を、反応装置に供給した。前記単量体水溶液(1)からなる液滴は、前記連続相である疎水性有機溶媒が満たされた反応装置内を落下しながら重合し、反応装置の排出口付近において、微小な球形の含水ゲル重合体(1)が確認された。
前記一連の操作で得られた含水ゲル重合体(1)は、前記疎水性有機溶媒とともに連続的に反応装置から接合部を介して分離装置に供給され、該分離装置において、該含水ゲル重合体(1)と有機溶媒とを分離した。分離装置において含水ゲル重合体(1)は微小な球形の粒子が凝集したものであり、その凝集物の大きさは5~10mmであった。
スクリューと孔径0.8mmの多孔板とを有する押し出し機型のゲル整粒装置に、含水ゲル重合体(1)(ゲル温度:90℃)を投入し、該含水ゲル重合体(1)をゲル整粒装置から排出させることで整粒ゲル(1)を得た。
続いて、105℃の熱風を45分間通気させることで当該粒子状の含水ゲル重合体(1)を乾燥し、粒子状の乾燥重合体(1)を得た。
続いて、乾燥重合体(1)をロールミル(WML型ロール粉砕機、有限会社井ノ口技研社製)に供給して粉砕することにより粒度を調節し、さらに目開き粒子径150μmの篩を用いて分級し、吸水性樹脂粉末(1)を得た。
前記吸水性樹脂粉末(1)20gを60℃に加熱したメタノール1000mlに加え、1時間攪拌した後ろ過、乾燥することにより親水化処理を行った。
吸水性樹脂粉末(1)100質量部に対して、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.015質量部、プロピレングリコール1.0質量部及びイオン交換水3.0質量部からなる表面架橋剤溶液をスプレーで噴霧して、高速連続混合機を用いて均一に混合した。
得られた混合物を雰囲気温度195℃±2℃に調温した熱処理機に導入して、40分間加熱処理を行った後、粉温を60℃まで強制的に冷却することで表面架橋された吸水性樹脂粉末(1)を得た。以下、表面架橋された吸水性樹脂粉末を、「吸水性樹脂粒子」と称する。
吸水性樹脂粒子(1)100質量部に、27.5重量%の硫酸アルミニウム水溶液(酸化アルミニウム換算で8重量%)0.40質量部、乳酸ナトリウム60質量%水溶液0.134質量部、及びプロピレングリコール0.002質量部からなる混合液を添加した。添加後、無風条件下、60℃で30分間乾燥し、さらに、吸水性樹脂粒子(1)の含水率が10質量%になるように水を添加し、目開き1000μmのJIS標準篩に通過させることで整粒し、吸水性樹脂(1)を得た。得られた吸水性樹脂(1)の諸物性を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において、(i)分散助剤のショ糖脂肪酸エステル(商品名:DKエステル(登録商標)F-50/第一工業製薬株式会社製、HLB=6)の0.005質量%添加を、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(商品名:ハイワックス(登録商標)1105A/三井化学株式会社製)の0.005質量%添加に変更したこと、及び、(ii)内部架橋剤のN,N-メチレンビスアクリルアミドを単量体に対して0.015モル%を、ポリエチレングリコールジアクリレート(平均重合度:9)を単量体に対して0.008モル%、に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂(2)を得た。得られた吸水性樹脂(2)の諸物性を表1に示す。
[比較例1]
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素ガス導入管を備えた1000ml容量の五つ口円筒型丸底フラスコにn-ヘプタンを500ml加えた。これにHLBが3.0のショ糖脂肪酸エステル(界面活性剤:三菱化学株式会社製のS-370)を0.92g添加して分散させ、昇温して界面活性剤を溶解後、55℃まで冷却した。
前記とは別に、500ml容量の三角フラスコに、80重量%アクリル酸水溶液92gを加えた。これに、外部から冷却しつつ、30重量%水酸化ナトリウム水溶液102.2gを滴下して、アクリル酸の75モル%を中和し、アクリル酸の部分中和物水溶液を調製した。さらに、水50.2gと、重合開始剤の過硫酸カリウム0.11gと、架橋剤のエチレングリコールジグリシジルエーテル9.2mgとを添加し、1段目重合用の単量体水溶液を調製した。
この1段目重合用の単量体水溶液を、前記の五つ口円筒型丸底フラスコに、撹拌機の回転数を500rpmの撹拌下で全量加えて分散させ、系内を窒素で十分に置換した後に昇温し、浴温を70℃に保持して、重合反応を1時間行った後、重合スラリー液を室温まで冷却した。
さらに別の500ml容量の三角フラスコに、80重量%アクリル酸水溶液119.1gを加え、冷却しつつ30重量%水酸化ナトリウム水溶液132.2gを滴下して、アクリル酸の75モル%を中和し、さらに水27.4g、過硫酸カリウム0.14g、及びエチレングリコールジグリシジルエーテル35.7mgを添加し、2段目重合用の単量体水溶液を調製し、氷水浴内で冷却した。
撹拌機の回転数を1000rpmとして攪拌しながら、この2段目重合用の単量体水溶液を、前記重合スラリー液に全量添加後、再び系内を窒素で十分に置換した後に昇温し、浴温を70℃に保持して、2段目の重合反応を2時間行った。重合終了後、n-ヘプタンに分散した含水ゲル状物に、アミノカルボン酸系金属キレート剤として40重量%ジエチレントリアミン5酢酸5ナトリウム水溶液0.53gを撹拌下で添加した。その後、含水ゲル状物から、共沸脱水により、266gの水分を系外に抜き出した。得られたゲル状物に2重量%エチレングリコールジグリシジルエーテル水溶液8.44gを添加し、さらに水分及びn-ヘプタンを蒸留により除去して乾燥し、乾燥重合体を得た。この乾燥重合体を目開き850μmの篩に通過させ、乾燥重合体の質量に対して0.1質量%の非晶質シリカ(オリエンタルシリカズコーポレーション製、トクシール(登録商標)NP-S)を乾燥重合体と混合することにより、非晶質シリカを含む比較吸水性樹脂(1)を得た。得られた比較吸水性樹脂(1)の諸物性を表1に示す。
[比較例2]
37%アクリル酸ナトリウム水溶液67.0部、アクリル酸10.2部、ポリエチレングリコールジアクリレート(平均エチレンオキサイドユニット数8)0.079部及び水22.0部を混合し、モノマー水溶液を調製した。バット中で前記モノマー水溶液に窒素を吹き込み、溶液中の溶存酸素を0.1ppm以下とした。
引き続き窒素雰囲気下にて前記モノマー水溶液の温度を18℃に調整し、次いで5%過硫酸ナトリウム水溶液0.16部、5%2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)2塩酸塩水溶液0.16部、0.5%L-アスコルビン酸水溶液0.15部及び0.35%過酸化水素水溶液0.17部を順番に撹拌下滴下した。過酸化水素滴下後、直ちに重合が開始した。その後、撹拌を停止し、10分後にモノマーの温度はピーク温度に達した。ピーク温度は85℃であった。引き続きバットを80℃の湯浴に浸し、10分間熟成した。得られた透明の含水ゲルをミートチョッパーで砕き、次いで180℃で30分間乾燥した。
乾燥物を粉砕機で粉砕し、500μmの篩を通過し105μmの篩上に残るものに分級し、吸水性樹脂粉末を得た。吸水性樹脂粉末100部にジエチレントリアミン5酢酸0.002部、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05部、プロピレングリコール1部、水3部及びイソプロピルアルコール1部からなる組成液を混合し、180℃で40分間加熱処理して、比較吸水性樹脂粒子(2)を得た。
続いて、前記比較吸水性樹脂粒子(2)100部に対し、無機粉末として二酸化珪素(日本アエロジル社製;アエロジル(登録商標)200)を0.3質量%添加し、比較吸水性樹脂(2)を得た。この比較吸水性樹脂(2)の各物性について測定した結果を表1に示す。
[比較例3]
特開2006-068731号の実施例2に準拠して、比較吸水性樹脂(3)を得た。得られた比較吸水性樹脂(3)の諸物性を表1に示す。
Figure 2022175087000002
表1から、実施例は比較例に比べて自由膨潤速度(A)と自由膨潤速度(B)とが両立できていることが分かる。
本発明は、紙オムツ(幼児用、成人用)、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品の吸収体に利用することができる。
以下の実施例、参考例及び比較例に従って本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定解釈されるものではなく、各実施例に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施例も、本発明の範囲に含まれるものとする。
なお、実施例、参考例及び比較例で使用する電気機器(吸水性樹脂の物性測定も含む)は、特に注釈のない限り、200V又は100Vで60Hzの電源を使用した。また、本実施例、参考例及び比較例の吸水性樹脂の諸物性は、特に注釈のない限り、室温(20~25℃)、相対湿度50%RHの条件下で測定した。
「Ext」
本実施例、参考例及び比較例の吸水性樹脂のExt(水可溶分)は、EDANA法(ERT470.2-02)に準拠して測定した。
「Ext(1hr)」
本実施例、参考例及び比較例の吸水性樹脂のExt(1hr)は、EDANA法(ERT470.2-02)に準拠した。なお、攪拌時間を1時間に変更した。
参考例2]
実施例1において、(i)分散助剤のショ糖脂肪酸エステル(商品名:DKエステル(登録商標)F-50/第一工業製薬株式会社製、HLB=6)の0.005質量%添加を、無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体(商品名:ハイワックス(登録商標)1105A/三井化学株式会社製)の0.005質量%添加に変更したこと、及び、(ii)内部架橋剤のN,N-メチレンビスアクリルアミドを単量体に対して0.015モル%を、ポリエチレングリコールジアクリレート(平均重合度:9)を単量体に対して0.008モル%、に変更した以外は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂(2)を得た。得られた吸水性樹脂(2)の諸物性を表1に示す。
Figure 2022175087000003

Claims (8)

  1. ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂であって、
    40℃のポリエチレンオキサイド水溶液での自由膨潤速度(A)が0.15g・g-1・s-1以上であり、
    40℃の生理食塩水での自由膨潤速度(B)が0.40g・g-1・s-1以上であり、
    自由膨潤速度(A)/自由膨潤速度(B)が0.20以上である、吸水性樹脂。
  2. CRCが25~50g/gである、請求項1に記載の吸水性樹脂。
  3. 球状粒子の凝集体状粒子である、請求項1又は2に記載の吸水性樹脂。
  4. 嵩密度が0.40~0.80g/cmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂。
  5. 40℃のポリエチレンオキサイド水溶液での自由膨潤速度(A)が0.25g・g-1・s-1以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の吸水性樹脂。
  6. 疎水性有機溶媒中で逆相懸濁重合することによって得られる、請求項1~5のいずれか1項に記載の吸水性樹脂。
  7. 球状粒子を、多孔板を有する押出機によって押し出すことにより得られる、請求項1~6のいずれか1項に記載の吸水性樹脂。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の吸水性樹脂を含有し、かつ、(i)親水性繊維を含有しない、又は、(ii)前記吸水性樹脂の質量が当該吸水性樹脂と親水性繊維との合計質量の50質量%以上である、吸収体。
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