JP2022173143A - Mmp2阻害作用を有するポリペプチドを有効成分として含有する医薬 - Google Patents

Mmp2阻害作用を有するポリペプチドを有効成分として含有する医薬 Download PDF

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Tomoko Tamida
梨絵 下野
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Abstract

【課題】MMP2を阻害する作用を有する、新規な化合物を有効成分として含有する医薬の提供。【解決手段】下記式[I’]で表される置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。JPEG2022173143000375.jpg19150【選択図】なし

Description

本発明は、マトリックスメタロプロテアーゼ2(以下、適宜に「MMP2」と略記する。)を阻害する作用を有する、置換されているポリペプチド化合物を有効成分として含有する医薬に関する。
マトリックスメタロプロテアーゼは亜鉛を活性中心に持つエンドペプチダーゼであり、24種類の遺伝子が知られている。MMPはコラーゲンやゼラチン等の細胞外マトリックスを分解することから、骨リモデリングや創傷治癒など生理現象のみならず、炎症や癌の進行などの病的過程にも関与している(非特許文献1参照)。
これまでにMMP阻害による抗癌作用に着目し、複数のMMP阻害剤の臨床試験が実施されたが、相対的に各種MMPサブタイプに対して非選択的な阻害作用が原因と考えられる骨格筋痛等の副作用や癌転移助長の可能性により断念されている(非特許文献2及び3参照)。
MMP2の活性化は、癌細胞の浸潤ならびに転移において重要な働きをしていることが報告されている。癌細胞の浸潤及び転移は悪性腫瘍の予後に関わる重要な因子であり、MMP2活性を抑制することは癌制御において有効な治療手段となり得る。MMP2遺伝子欠損動物では、癌の増殖が抑制されており、MMP2は癌の増殖に重要な役割を果たすことが報告されている(非特許文献4参照)。さらに、乳癌、膵臓癌、膀胱癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、脳腫瘍、胃癌、肝細胞癌、頭頸部癌、メラノーマ、子宮癌、食道癌、腎細胞癌、肺癌、神経膠腫などの各種癌患者においてMMP2が病態進展に関連していることが報告されている(非特許文献5及び6参照)。一方で、MMP2は非腫瘍性疾患においてもそれら病態の形成に関与していることが報告されている。
慢性腎臓病では、MMP2が尿細管基底膜の構造を変換することによって尿細管の上皮間葉移行を引き起こして、尿細管萎縮、線維化ならびに腎機能低下を誘発することが報告されている(非特許文献7参照)。さらに、慢性腎臓病患者では血液中におけるMMP2濃度の上昇が認められている(非特許文献8及び9参照)。また、MMP2遺伝子欠損動物では片側尿管結紮によって誘導される腎臓の線維化が抑制されることが報告されている(非特許文献10及び11参照)。このことから、慢性腎臓病の病態進展を制御するためにMMP2活性を抑制することは有効な治療手段となり得る。
特発性肺線維症では、肺胞上皮細胞、線維芽細胞及びマクロファージにおいてMMP2の発現亢進が認められており、特に急速な進展を伴う特発性肺線維症患者では肺胞洗浄液中のMMP2の発現亢進が認められている(非特許文献12及び13参照)。また非選択的MMP阻害剤により、ブレオマイシン誘発肺線維症マウスの肺中コラーゲン含量を減少させる効果(非特許文献14参照)や、TGFβによって誘発される肺実質線維芽細胞の形質転換を抑制する効果が報告されている(非特許文献15参照)。このことから、特発性肺線維症の病態進展を制御するためにMMP2活性を抑制することは有効な治療手段となり得る。
さらに、多発性硬化症、脳梗塞、動脈硬化、腹部大動脈瘤、腹膜硬化症、心筋梗塞、急性腎障害、糖尿病性腎症、腎硬化症、糸球体腎炎、多発性嚢胞腎、多発性嚢胞肝、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患、胆汁うっ滞性肝損傷、慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎、糖尿病網膜症、加齢性黄斑変性、シェーグレン症候群、髄膜炎、筋ジストロフィー、強皮症、炎症性腸疾患、結核などの非腫瘍性疾患においてはMMP2との関連が示唆されている(非特許文献16参照)。
これらのことから、MMP2を選択的に阻害する手段を見出すことは、MMP2が関与する疾患の有効な治療法を確立するための実現性の高いアプローチである。
さて、MMP2阻害作用を有する低分子化合物として、ヒドロキサム酸やカルボン酸を亜鉛キレーターとして導入した化合物の報告がある。しかし、選択的MMP2阻害作用を示すものは知られていない(例えば、非特許文献17及び18参照)。
また、10個の天然アミノ酸からなるペプチド化合物「β-アミロイドプレカーサープロテイン(APP-IP、IIe-Ser-Tyr-Gly-Asn-Asp-Ala-Leu-Met-Pro)」が選択的MMP2阻害作用を示すことが報告されている(非特許文献19参照)。しかし、一般的には、ペプチド化合物は体内での代謝、排泄が早いことから、ペプチド化合物を投与しても、期待される薬理作用が持続しないことが知られている。
非特許文献1:H. J. Ra and W. C. Parks Matrix Biol., 2007, 26(8), 587-596.
非特許文献2:A. H. Drummond et al. Ann N Y Acad Sci., 1999, 878, 228-235.
非特許文献3:A. D. Baxter et al. Bioorg Med Chem Lett., 2001, 11, 1465-1468.
非特許文献4:T. Itoh et al. Cancer Res., 1998, 58, 1048-1051.
非特許文献5:R. Roy et al. J Clin Oncol., 2009, 27, 5287-5297.
非特許文献6:T. Turpeenniemi-Hujanen Biochimie., 2005, 87, 287-297.
非特許文献7:S. Cheng et al. FASEB J., 2006, 20, 1898-1900.
非特許文献8:K. Pawlak et al. Clin Biochem., 2011, 44, 838-843.
非特許文献9:H. R. Chang et al. Clin Chim Acta., 2006, 366, 243-248.
非特許文献10:X. Du et al. Lab Invest., 2012, 92, 1149-1160.
非特許文献11:M. K. Tveitaras et al. PLoS One., 2015, 10, e0143390.
非特許文献12:M. Selman et al. Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol., 2000, 279, L562-L574.
非特許文献13:M. Suga et al. Am J Respir Crit Care Med., 2000, 162, 1949-1956.
非特許文献14:M. Corbel et al. J Pathol., 2001, 193, 538-545.
非特許文献15:J. Michael et al. Am J Respir Cell Mol Biol., 2009, 41, 731-741.
非特許文献16:A. Tokito et al. Int J Mol Sci., 2016, 17, E1178.
非特許文献17:D. E. Levy et al. J Med Chem., 1998, 41, 199-223.
非特許文献18:Y. Tamura et al. J Med Chem., 1998, 41, 640-649.
非特許文献19:S. Higashi et al. J Biol Chem., 2003, 278, 14020-14028.
本発明の目的は、新規なMMP2阻害剤を有効成分として含有する医薬を提供することである。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、下記式[I’]で置換されているポリペプチド(以下、化合物[I’]と記載することもある。)又はその製薬学的に許容される塩が、MMP2を阻害する作用を有することを見出した。
以下、本発明を詳細に説明する。
すなわち、本発明の態様は、以下の通りである。
(1)本発明のひとつの態様としては、
下記式[I’]
Figure 2022173143000001
(上記式[I’]中、
AAは、
Asp、
β-Asp、β-(d)-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Glu
を示し、

AAは、
Ala、
下記式[IV-7]、[IV-8]、[IV-9]、[IV-11]、[IV-12]、[IV-13]
Figure 2022173143000002
で表される基、
下記式[IV-27]
Figure 2022173143000003
で表される基、
Pro、下記式[II-1]、及び[II-2]
Figure 2022173143000004
で表される基からなる群から選択される一個の基を示し、
ここで、RAA2は、ヒドロキシ又はアミノを示し、

また、AA及びAAは一緒になって、下記式[IV-32]
Figure 2022173143000005
で表される構造を取ってもよく、

AAは、
Val、Leu、Ile、下記式[IV-2]
Figure 2022173143000006
で表される基、
Phe、Trp、
Tyr、Lys、下記式[IV-3]、[IV-4]、[IV-5]
Figure 2022173143000007
で表される基、及び
下記式[IV-9]
Figure 2022173143000008
で表される基からなる群から選択される一個の基
を示し、

AAは、
単結合、
Gly、(d)-Ala、(N-Me)Ala、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、
Pro、(d)-Pro、
(N-Me)Phe、(d)-Phe、
(N-Me)Tyr、(d)-Tyr、
(N-Me)Ser、(d)-Ser、homoSer、(d)-Thr、
Met、(N-Me)Met、
(N-Me)Asp、Glu、(N-Me)Glu、(d)-(N-Me)Glu、homoGlu、
(N-Me)Asn、
(N-Me)Arg、(d)-Arg、
下記式[IV-7]、[IV-9]、[IV-13]
Figure 2022173143000009
で表される基、
Lys、及び(N-Me)Lysからなる群から選択される一個の基
を示し、
ここで、AAがLysを表す場合、
該Lysの側鎖のアミノは末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルで置換されてもよく、

AAは、
単結合、
Ala、下記式[IV-1]
Figure 2022173143000010
で表される基、
下記式[IV-27]、[IV-28]、[IV-29]
Figure 2022173143000011
で表される基、
Pro、(d)-Pro、β-homoPro、homoPro、下記式[II-1’]
Figure 2022173143000012
で表される基、
Phe、His、
Thr、
Arg、(d)-Arg、
下記式[IV-7]、[IV-9]、[IV-13]
Figure 2022173143000013
で表される基、
Lys、(d)-Lys、
β-Ala、(N-Me)-β-Ala、GABA、Ape、Acp、
下記式[III-6]~[III-13]
Figure 2022173143000014
で表される基、
下記式[IV-25]及び[IV-26]
Figure 2022173143000015
で表される基からなる群から選択される一個の基
を示し、

は、-L-又は-L’-L”-を示し、
は、単結合を示し、
’は、
単結合、
β-Ala、GABA、(N-Me)GABA、Ape、Acp、
下記式[III-6]~[III-13]
Figure 2022173143000016
で表される基、
下記式[IV-23]及び[IV-24]
Figure 2022173143000017
で表される基からなる群から選択される一個の基
を示し、

”は、
単結合、
Gly、(N-Me)Gly、
Ala、(N-Me)Ala、(d)-Ala、Val、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、
下記式[IV-27]
Figure 2022173143000018
で表される基、
Pro、(d)-Pro、homoPro、Phe、(N-Me)Phe、(d)-Phe、
His、(d)-His、Trp、(N-Me)Trp、(d)-Trp、
Tyr、(N-Me)Tyr、(d)-Tyr、
(d)-Ser、homoSer、Thr、(N-Me)Thr、(d)-Thr、
Cys、(d)-Cys、Met、(N-Me)Met、
(N-Me)Asp、Glu、(N-Me)Glu、(d)-Glu、
Asn、(N-Me)Asn、(d)-Asn、Gln、(N-Me)Gln、(d)-Gln、
Arg、(N-Me)Arg、(d)-Arg、Cit、(d)-Cit、
下記式[IV-7]、[IV-9]、[IV-10]、[IV-13]
Figure 2022173143000019
で表される基、
Lys、(N-Me)Lys、(d)-Lys、下記式[IV-14]
Figure 2022173143000020
で表される基、
β-Ala、
β-Asp、β-(d)-Asp、
下記式[III-6]及び[III-7]
Figure 2022173143000021
で表される基からなる群から選択される一個の基
を示し、
ここで、L”がLys又は(d)-Lysを表す場合、
該Lys及び(d)-Lysの側鎖のアミノは下記式[VII-1]で表される基で置換されてもよく、
Figure 2022173143000022
前記式[VII-1]中、
FAは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルを示し、

AAN5は、
単結合、
Arg、(d)-Arg、
Lys、(d)-Lys、
γ-Glu、又は
下記式[IV-24]
Figure 2022173143000023
で表される基
を示し、
AAN4は、
単結合、
Arg、(d)-Arg、
Lys、(d)-Lys、又は
下記式[IV-24]
Figure 2022173143000024
で表される基
を示し、
AAN3は、
単結合、
Arg、(d)-Arg、
Lys、(d)-Lys、
γ-Glu、又は
下記式[IV-24]
Figure 2022173143000025
で表される基
を示し、
AAN2は、
単結合、又は
(d)-Lys
を示し、
AAN1は、
単結合、又は
(d)-Lys
を示し、

また、L”がGluで表される場合であって、かつ、AAがLysで表される場合、
前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドは、下記式[I’-α]で表される通り、当該2つのアミノ酸の側鎖の官能基とそれぞれ結合しているLと一緒になって環状構造を形成することができ、
このとき、該Lは、Gly、β-Ala、又はGABAを示し、
Figure 2022173143000026
N1は、式-C(=O)-又は式-S(=O)-を示し、
N2は、
単結合、
1-3アルカンジイル、
2-3アルケンジイル、
エチンジイル、
式-O-、
式-C(=O)-、式-C(=O)-NH-、又は
トリアゾールジイル
を示し、
は、単結合を示し、

環Aは、芳香環又はヘテロ芳香環を示し、

A1、RA2は、独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
1-6アルキル、又は
1-6アルコキシ
を示し、

環Bは、
アリール又はヘテロアリールを示し、

B1、RB2、RB3は、独立して、
水素原子、
カルバモイル、
シアノ、
ハロゲン原子、
1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、
1-6アルコキシ(該C1-6アルコキシは、1個のヒドロキシで置換されてもよい。)、ハロC1-6アルコキシ、
1-6アルキルカルボニル、
1-6アルキルカルボニルアミノ、
モノC1-6アルキルアミノカルボニル、ジC1-6アルキルアミノカルボニル
(該モノC1-6アルキルアミノカルボニル及びジC1-6アルキルアミノカルボニル中のアルキルは、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、及びアミノからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい。)、
1-6アルキルスルホニル、又は
アリール
を示し、

は、単結合又は1~3個のアミノ酸からなるリンカーであって、
ここで、該リンカーを形成する1~3個のアミノ酸は、
Gly、
Pro、
Arg、(d)-Arg、
Lys、(d)-Lys、
β-Ala、GABA、及びApe
からなる群からそれぞれ同一に又は異なって選ばれ、
ここで、Wで表される基にLys又は(d)-Lysが含まれている場合、
該Lys及び(d)-Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニル、Lys(該Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルで置換されてもよい。)、又は
(d)-Lys(該(d)-Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルで置換されてもよい。)で
置換されてもよく、

は、式-OH、式-NH
1-6アルキルアミノ(該C1-6アルキルアミノのC1-6アルキルは、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキコキシ、及び1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい。)、又は
1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリル(該1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリルは、ヒドロキシ、アミノ、及びC1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のカルバモイルで置換されてもよい。)からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよく、
そして、該1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリルの中の2個の炭素原子は、C1-4アルカンジイルで架橋されてもよい。)である。)
で表される、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(2)本発明の他の態様としては、
が、
単結合、
Pro、
Arg、(d)-Arg、
Lys、(d)-Lys、
β-Ala、GABA、Ape、
Gly-(d)-Lys、Gly-(d)-Lys-(d)-Lys、Gly-(d)-Lys-(d)-Arg、Gly-(d)-Arg-(d)-Lys、
Lys-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys-(d)-Lys、
Arg-Arg、(d)-Arg-(d)-Arg、(d)-Arg-(d)-Lys、
Lys-(d)-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys-Lys、
β-Ala-(d)-Lys、β-Ala-(d)-Lys-(d)-Arg、β-Ala-(d)-Arg-(d)-Lys、又はβ-Ala-(d)-Arg-(d)-Arg
であって、
ここで、Wで表される基にLysが含まれている場合、
該Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニル又は
(d)-Lys(該(d)-Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルで置換されてもよい。)で
置換されてもよい、
(1)に記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(3)本発明の他の態様としては、
環Aが、ベンゼン環、チオフェン環、又はピリジン環であり、

A1、RA2が、独立して、
水素原子、又は
ハロゲン原子
であり、

環Bが、
フェニル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、又はベンゾフラニルであり、

B1、RB2、RB3が、独立して、
水素原子、
カルバモイル、
シアノ、
ハロゲン原子、
1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、
1-6アルコキシ(該C1-6アルコキシは、1個のヒドロキシで置換されてもよい。)、ハロC1-6アルコキシ、
1-6アルキルカルボニル、
モノC1-6アルキルアミノカルボニル、ジC1-6アルキルアミノカルボニル
(該モノC1-6アルキルアミノカルボニル及びジC1-6アルキルアミノカルボニル中のアルキルは、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、及びアミノからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい。)、又は
1-6アルキルスルホニル
であり、

が、式-OH、式-NH
1-6アルキルアミノ(該C1-6アルキルアミノのC1-6アルキルは、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキコキシ、及びモルホリニルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい。)、
アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、又はピペラジニル(該アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、及びピペラジニルは、ヒドロキシ、アミノ、及びC1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のカルバモイルで置換されてもよい。)からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよく、
そして、該アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、及びピペラジニルの中の2個の炭素原子は、C1-4アルカンジイルで架橋されてもよい。)である、
(1)又は(2)に記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(4)本発明の他の態様としては、
前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドにおいて、

環Aが、ベンゼン環であり、
環Bが、フェニルであり、

”が、
単結合、
Gly、(N-Me)Gly、
Ala、(N-Me)Ala、(d)-Ala、Val、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、
下記式[IV-27]
Figure 2022173143000027
で表される基、
Pro、(d)-Pro、homoPro、Phe、(N-Me)Phe、(d)-Phe、
His、(d)-His、Trp、(N-Me)Trp、(d)-Trp、
Tyr、(N-Me)Tyr、(d)-Tyr、
(d)-Ser、homoSer、Thr、(N-Me)Thr、(d)-Thr、
Cys、(d)-Cys、Met、(N-Me)Met、
(N-Me)Asp、Glu、(N-Me)Glu、(d)-Glu、
Asn、(N-Me)Asn、(d)-Asn、Gln、(N-Me)Gln、(d)-Gln、
Arg、(N-Me)Arg、(d)-Arg、Cit、(d)-Cit、
下記式[IV-7]、[IV-9]、[IV-10]、[IV-13]
Figure 2022173143000028
で表される基、
Lys、(N-Me)Lys、(d)-Lys、下記式[IV-14]
Figure 2022173143000029
で表される基、
β-Ala、
β-Asp、β-(d)-Asp、
下記式[III-6]及び[III-7]
Figure 2022173143000030
で表される基からなる群から選択される一個の基
であり、
が、
単結合、
Pro、
Arg、(d)-Arg、
Lys、(d)-Lys、
β-Ala、GABA、Ape、
Gly-(d)-Lys、Gly-(d)-Lys-(d)-Lys、Gly-(d)-Lys-(d)-Arg、Gly-(d)-Arg-(d)-Lys、
Lys-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys-(d)-Lys、
Arg-Arg、(d)-Arg-(d)-Arg、(d)-Arg-(d)-Lys、
Lys-(d)-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys-Lys、
β-Ala-(d)-Lys、β-Ala-(d)-Lys-(d)-Arg、β-Ala-(d)-Arg-(d)-Lys、又はβ-Ala-(d)-Arg-(d)-Arg
である、(1)~(3)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(5)本発明の他の態様としては、
前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドにおいて、

AAが、下記式[II-1]
Figure 2022173143000031
で表される基、
下記式[IV-7]、[IV-8]、[IV-9]、[IV-11]、及び[IV-12]
Figure 2022173143000032
で表される基からなる群から選択される一個の基であり、
ここで、RAA2は、アミノであり、

AAが、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、

AAが、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、

AAが、β-Ala、GABA、Ape、Acp、Pro、(d)-Pro、又はβ-homoProであり、

が、単結合、Arg、(d)-Arg、Lys、又は(d)-Lysであり、

が、式-OH又は式-NH
である、(1)~(4)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(6)本発明の他の態様としては、
前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドにおいて、
が、-L’-L”-であり、
が、単結合であり、

AAが、Aspであり、

’が、β-Ala、GABA、Ape、Acp、下記式[IV-23]及び[IV-24]
Figure 2022173143000033
で表される基からなる群から選択される一個の基
であり、
”が、単結合、Asn、(d)-Ser、(d)-Thr、又はGluであり、

N1が、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、

N2が、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

A1、RA2が、それぞれ、水素原子であり、
B1、RB2、RB3が、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシ

である、(1)~(5)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(7)本発明の他の態様としては、
前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドにおいて、
が、-L-であって、ここで、Lは、単結合であり、
が、単結合であり、

AAが、β-Asp、β-(d)-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Gluであり、

AAが、下記式[II-1]
Figure 2022173143000034
で表される基、
下記式[IV-7]、[IV-8]、[IV-9]、[IV-11]、及び[IV-12]
Figure 2022173143000035
で表される基からなる群から選択される一個の基であり、
ここで、RAA2は、アミノであり、

AAが、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、

AAが、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、

AAが、β-Ala、GABA、Ape、Acp、又はβ-homoProであり、

N1が、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、
N2が、単結合、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

A1、RA2が、それぞれ、水素原子であり、
B1、RB2、RB3が、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシ

である、(1)~(5)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(8)本発明の他の態様としては、
前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドが
下記式[I]
Figure 2022173143000036
で表される、置換されているポリペプチドであって、

上記式[I]中、
AAは、β-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Gluであり、
AAは、下記式[II-1]又は式[II-2]
Figure 2022173143000037
で表される基
であり、
ここで、RAA2は、ヒドロキシ又はアミノであり、
AAは、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、
AAは、単結合、Pro、(N-Me)Ala、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Phe、(N-Me)Tyr、(N-Me)Ser、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、
AAは、単結合、Pro、(d)-Pro、β-homoPro、Arg、(d)-Arg、Lys、(d)-Lys、β-Ala、GABA、Ape、又はAcpであり、
は、単結合であり、
は、単結合であり、
N1は、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、
N2は、単結合、C1-3アルカンジイル、式-O-、又は式-C(=O)-NH-であり、
は、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル、又はC1-6アルコキシであり、
は、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルキル、又はC1-6アルコキシであり、
は、単結合、Pro、Arg、(d)-Arg、Lys、(d)-Lys、又は(d)-Lys-(d)-Lysであり、
は、式-OH又は式-NH
である、(1)~(4)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(9)本発明の他の態様としては、
前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドにおいて、

AAが、Asp、β-(d)-Asp、又はγ-(d)-Gluであり、
AAが、下記式[II-1]
Figure 2022173143000038
で表される基、
下記式[IV-7]及び[IV-9]
Figure 2022173143000039
で表される基からなる群から選択される一個の基
であり、
ここで、RAA2は、アミノであり、
AAが、Val、Leu、又はIleであり、
AAが、(N-Me)Ile又は(N-Me)Gluであり、
AAが、Ape又はβ-homoProであり、

が、-L-又は-L’-L”-であり、
ここで、
は、単結合であり、
’は、GABA又はApeであり、
”は、Asn、(d)-Ser、(d)-Thr、又はGluであり、

N1が、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、
N2が、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

A1、RA2が、それぞれ、水素原子であり、
B1、RB2、RB3が、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシであり、

が、単結合又は(d)-Lysであり、

が、式-NH

である、(1)~(5)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(10)本発明の他の態様としては、
(1)~(5)のいずれか1項に記載の、以下に示す化合物から選択される置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬:
Figure 2022173143000040
Figure 2022173143000041
Figure 2022173143000042
を提供することである。
(11)本発明の他の態様としては、
(1)~(10)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供することである。
(12)本発明の他の態様としては、
(1)~(10)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬であって、
さらに薬剤学的に許容される添加剤を含み、経口用固体組成物である医薬を提供することである。
(13)本発明の他の態様としては、
薬剤学的に許容される添加剤が、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、デンプン、コーンスターチ、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、寒天、ペクチン、アラビアゴム、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油カカオバター、エチレングリコール、低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、及びカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)からなる群より選ばれる1種以上である、(12)に記載の医薬を提供することである。
(14)本発明の他の態様としては、
医薬としての形態が、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、又は散剤である、(12)又は(13)に記載の医薬を提供することである。
(16)本発明の他の態様としては、
置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩の投与量が0.1mg~1000mg/日である、(12)~(15)のいずれかに記載の医薬を提供することである。
(17)本発明の他の態様としては、
(1)~(10)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するMMP2阻害剤を提供することである。
(18)本発明の他の態様としては、
(1)~(10)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌細胞の増殖、浸潤、又は転移の抑制剤を提供することである。
(19)本発明の他の態様としては、
(1)~(10)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する線維化抑制剤を提供することである。
(20)本発明の他の態様としては、
(1)~(10)のいずれかに記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する癌疾患若しくは臓器線維症、又は癌疾患若しくは臓器線維症に関連する症状の予防薬又は治療薬を提供することである。
本発明の化合物(以下、「本発明化合物」と記載することもある。)は、MMP2を阻害する作用を有する。また、本発明化合物の中には、MMP2を選択的に阻害する作用を有するものもある。
本発明は、MMP2を阻害する作用を有し、前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬を提供する。
以下に、本発明の化合物についてさらに詳細に説明するが、本発明は、例示されたものに限定されない。
本明細書中において、「アミノ酸」とは、広義にはアミノとカルボキシの両方の官能基を持つ有機化合物である。一方、狭義には(特に生化学の分野)、生体のタンパク質の構成ユニットとなる「α-アミノ酸」(該α-アミノ酸は、カルボキシが結合している炭素(α炭素)にアミノも結合しているアミノ酸のことである。)を指す。
本明細書におけるアミノ酸としては、例えば、天然タンパク原性L-アミノ酸;天然非タンパク原性アミノ酸;非天然アミノ酸が挙げられる。ここで、非天然アミノ酸としては、天然タンパク原性L-アミノ酸のD体;アミノ酸変異体及び誘導体などの化学修飾されたアミノ酸;及びアミノ酸の特徴である当業界で公知の特性を有する化学的に合成された化合物などが挙げられる。
本明細書中において、「アミノ酸」を、例えば3文字表記や1文字表記等のように略さずに、その名称を記載する場合は、L体若しくはD体、又はその両方を含むアミノ酸を示す。
本明細書中において、「アミノ酸」を、3文字表記や1文字表記等によって略して記載する場合は、L体のアミノ酸を示す。「アミノ酸」の直前に「L」や「l」を付して、L体のアミノ酸であることを明確にする場合もある。
本明細書中において、「アミノ酸」の直前に「D」や「d」を付する場合は、D体のアミノ酸を示す。
本明細書中において、「天然タンパク原性L-アミノ酸」とは、タンパク質を構成する、天然に存在するL体のアミノ酸であり、例えば、GlyやAla、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、His、Trp、Tyr、Ser、Thr、Met、Cys、Asp、Glu、Asn、Gln、Lys、Argなどが挙げられる。
本明細書中において、「天然タンパク原性L-アミノ酸のD体」とは、前記の天然タンパク原性L-アミノ酸の鏡像体を指す。グリシン以外の天然タンパク原性L-アミノ酸は、少なくとも1つの不斉炭素を持ち、光学的に活性である。グリセルアルデヒドのL体、D体の構造に準じて、これらのアミノ酸の構造は、L体、D体と区別される。
なお、天然タンパク原性L-アミノ酸以外のアミノ酸にも、D体のアミノ酸は存在しうる。
本明細書中において、「天然非タンパク原性アミノ酸」とは、タンパク質を構成しない、天然に存在するアミノ酸であり、例えば、L-ノルロイシン(以下、Nleと記載することもあり;なお、以下、本明細書において「括弧書きの併記」は略記を示す。)やβ-アラニン(β-Ala)、L-オルニチン(Orn)が挙げられる。
なお、天然非タンパク原性アミノ酸が不斉炭素を持つ場合は、当該アミノ酸にはL体及びD体が存在する。また、天然非タンパク原性アミノ酸以外のアミノ酸にも、L体とD体は存在しうる。
本明細書中において、「非天然アミノ酸」とは、タンパク質を構成しておらず、主に人工的に製造されたアミノ酸であり、前述の「天然タンパク原性L-アミノ酸及び天然非タンパク原性アミノ酸」以外のアミノ酸を指す。非天然アミノ酸として、例えば、天然タンパク原性L-アミノ酸のD体(D-Cys、D-Serなど);α-メチルアミノ酸(2-アミノイソ酪酸(Aib)など);側鎖に余分のメチレンを有するアミノ酸(L-β-ホモプロリン(β-Hep又はβ-homoPro)、L-ホモセリン(Hes又はhomoSer)、L-ホモシステイン(Hec又はhomoCys)、L-ホモプロリン(homoPro)、L-ホモグルタミン酸(homoGlu)などの「ホモ」アミノ酸);側鎖中のカルボン酸官能基アミノ酸がスルホン酸基で置換されるアミノ酸(L-システイン酸など);アミノ酸変異体及び誘導体などの化学修飾されたアミノ酸(ヒドロキシプロリン、L-2,3-ジアミノプロピオン酸(Dap)、L-2,4-ジアミノ酪酸(Dab)、N-メチルグリシンなど);及びアミノ酸の特徴である当業界で公知の特性を有する化学的に合成された化合物(4-アミノ安息香酸など)が挙げられる。
なお、非天然アミノ酸が不斉炭素を持つ場合は、当該アミノ酸にはL体及びD体が存在する。
本明細書中における「非天然アミノ酸」の具体例としては、例えば、以下が挙げられる。
・(d)-Pro、(d)-Ser、(d)-Thr、(d)-Asp、(d)-Glu、(d)-Arg、(d)-Lys
・β-homoPro
・β-Ala、GABA、Ape、Acp
・(N-Me)Ala、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Phe、(N-Me)Tyr、(N-Me)Ser、(N-Me)Asp、(N-Me)Glu
・下記式[II-1]又は式[II-2]
Figure 2022173143000043
で表される基(ここで、RAA2は、ヒドロキシ又はアミノである)、

・後述の表1及び表2に記載のアミノ酸
なお、本明細書におけるアミノ酸のペプチド結合に関与する窒素原子は、アルキル化されていてもよい。そのような場合、当該アミノ酸は「N-アルキルアミノ酸」とも呼ばれる。ここで、当該アルキルとしては、例えば、メチルやエチルが挙げられる。
本明細書中において、「β-Asp」と記載されている場合は、下記式[III-1]で表される構造に示す通り、側鎖のカルボキシを介して主鎖のアミド結合に関与するアスパラギン酸を意味する。同様に、「β-(d)-Asp」、「γ-Glu」、「γ-(d)-Glu」と記載されている場合は、それぞれ、下記式[III-2]~式[III-4]で表される構造を意味する。
Figure 2022173143000044
また、「(N-Me)Glu(OtBu)」と記載されている場合は、下記式[III-5]で表される構造に示す通り、当該アミノ酸(Glu(OtBu))のN-メチル体を意味する。
Figure 2022173143000045
そして、本明細書中において、AAに当たる構造が「(2S,4S)-(4-amino)Pro」と記載されている場合は、下記式[II-3]で表される構造を意味する。同様に、「(2S,4R)-(4-amino)Pro」、「(2S,4S)-(4-hydroxy)Pro」、「(2S,4R)-(4-hydroxy)Pro」と記載されている場合は、それぞれ、下記式[II-4]~式[II-6]で表される構造を意味する。さらに、「(S)-piperazine」と記載されている場合は、下記式[II-2]で表される構造を意味する。
Figure 2022173143000046
本明細書中において、「n」はノルマルを、「i」はイソを、「s」はセカンダリーを、「t」及び「tert」はターシャリーを、「c」はシクロを、「o」はオルトを、「m」はメタを、「p」はパラを示す。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示す。
「C1-6アルキル」とは、炭素原子を1~6個有する直鎖状又は分岐状のアルキルを示す。例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルが挙げられる。
「ハロC1-6アルキル」とは、ハロゲン原子で置換されている、炭素原子を1~6個有する直鎖状又は分岐状のアルキルを示す。ハロゲン原子の好ましい置換数は1~5個であり、好ましいハロゲン原子はフッ素原子である。例えば、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、1,1-ジフルオロエチル、1,1,2,2,-テトラフルオロエチル、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル、2-フルオロエチル、2-フルオロ-2-メチルプロピル、2,2-ジフルオロプロピル、1-フルオロ-2-メチルプロパン-2-イル、1,1-ジフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル、1-フルオロペンチル、1-フルオロヘキシル、2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル等が挙げられる。
「アリール」とは、炭素原子を6~14個有する単環式芳香族炭化水素基又は縮合多環式芳香族炭化水素基を示す。例えば、フェニル、ナフチル、アントリル等が挙げられる。
「芳香環」とは、炭素原子を6~14個有する単環式芳香族炭化水素環又は縮合多環式芳香族炭化水素環を示す。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられる。
また、部分的に飽和されたアリールも「アリール」に含まれる。同様のことは、芳香環にもあてはまる。「部分的に飽和されたアリール」、及びそれに対応する芳香環である「部分的に飽和された芳香環」とは、炭素原子を6~14個有する単環式芳香族炭化水素基又は縮合多環式芳香族炭化水素基が部分的に飽和された基、及びそのような構造を有する環を示す。例えば、ジヒドロインデニル、ジヒドロインデン環等が挙げられる。
「ヘテロアリール」とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~6個の炭素原子からなる5~7員の単環式芳香族複素環基又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~13個の炭素原子からなる9~14個の原子から構成される縮合多環式芳香族複素環基を示す。例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、チエニル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピロリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、インドリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリル、イソキノリル、キノキサリル等が挙げられる。
「ヘテロ芳香環」とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~6個の炭素原子からなる5~7員の単環式芳香族複素環又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~13個の炭素原子からなる9~14個の原子から構成される縮合多環式芳香族複素環を示す。例えば、イミダゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、ピロール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、ベンゾピラゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環が挙げられる。
また、部分的に飽和されたヘテロアリールも「ヘテロアリール」に含まれる。同様のことは、ヘテロ芳香環にも当てはまる。「部分的に飽和されたヘテロアリール」、及びそれに対応するヘテロ芳香環である「部分的に飽和されたヘテロ芳香環」とは、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~6個の炭素原子からなる5~7員の部分的に飽和された単環式複素環基又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群より同一に若しくは異なって選ばれる1個以上の原子と1~13個の炭素原子からなる9~14個の原子から構成される部分的に飽和された縮合多環式複素環基、及びそのような構造を有する環を示す。例えば、オキサゾリジニル、チアゾリニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロベンゾフラニル、クロマニル、ジヒドロピラノピリジニル、ジヒドロフロピリジニル、テトラヒドロキノリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロトリアゾロアゼピニル、オキサゾリジン環、チアゾリン環、ジヒドロピリジン環、ジヒドロベンゾフラン環、クロマン環、ジヒドロピラノピリジン環、ジヒドロフロピリジン環、テトラヒドロキノリン環、テトラヒドロキノリン環、ジヒドロベンゾジオキシン環、テトラヒドロトリアゾロアゼピン環等が挙げられる。
「窒素原子を含む4~7員の飽和のヘテロシクリル」とは、1個の窒素原子と3~6個の炭素原子からなる4~7員の単環式飽和複素環基を示し、ここで、前述の窒素原子の他に、さらに、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子からなる群から選ばれる1個の原子を含んでもよい。例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルが挙げられる。
「1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリル」とは、1個の窒素原子と3~6個の炭素原子からなる4~7員の単環式飽和複素環基を示し、ここで、前述の窒素原子の他に、さらに、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子からなる群から選ばれる1個の原子を含んでもよい。例えば、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、アゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルが挙げられる。
また、「C1-4アルカンジイルで架橋されてもよい、1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリル」としては、例えば、8-オキサ-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル(下記式[VI-16]で表される基)、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル(下記式[VI-18]で表される基)が挙げられる。
Figure 2022173143000047
「C1-6アルコキシ」とは、炭素原子を1~6個有する直鎖状又は分岐状のアルコキシを示す。例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシが挙げられる。
「ハロC1-6アルコキシ」とは、ハロゲン原子で置換されている、炭素原子を1~6個有する直鎖状又は分岐状のアルコキシを示す。ハロゲン原子の好ましい置換数は1~5個であり、好ましいハロゲン原子はフッ素原子である。例えば、モノフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-フルオロエトキシ、1,1-ジフルオロエトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、1,3-ジフルオロプロパン-2-イルオキシ、2-フルオロ-2-メチルプロポキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、1-フルオロ-2-メチルプロパン-2-イルオキシ、1,1-ジフルオロ-2-メチルプロパン-2-イルオキシ、4,4,4-トリフルオロブトキシ等が挙げられる。
「C1-6アルキルカルボニル」とは、前述の「C1-6アルキル」とカルボニルが結合した基を示す。例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニルが挙げられる。
「C1-6アルキルカルボニルアミノ」とは、前述の「C1-6アルキルカルボニル」とアミノ基が結合した基を示す。例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、n-プロピルカルボニルアミノ、イソプロピルカルボニルアミノ、n-ブチルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、sec-ブチルカルボニルアミノ、tert-ブチルカルボニルアミノ、n-ペンチルカルボニルアミノ、n-ヘキシルカルボニルアミノが挙げられる。
「C1-6アルキルアミノ」とは、前述の「C1-6アルキル」を置換基として同一に又は異なって1~2個有するアミノを示す。例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、n-ペンチルアミノ、n-ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n-プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミノ、エチルメチルアミノ、メチル(n-プロピル)アミノが挙げられる。
「モノC1-6アルキルアミノ」とは、前述の「C1-6アルキル」を置換基として1個有するアミノを示す。例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルアミノ、イソブチルアミノ、sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、n-ペンチルアミノ、n-ヘキシルアミノが挙げられる。
「ジC1-6アルキルアミノ」とは、前述の「C1-6アルキル」を置換基として同一に又は異なって2個有するアミノを示す。例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ(n-プロピル)アミノ、ジ(イソプロピル)アミノ、エチルメチルアミノ、メチル(n-プロピル)アミノが挙げられる。
「モノC1-6アルキルアミノカルボニル」とは、前述の「モノC1-6アルキルアミノ」とカルボニルが結合した基を示す。例えば、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n-プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n-ブチルアミノカルボニル、イソブチルアミノカルボニル、n-ペンチルアミノカルボニル、n-ヘキシルアミノカルボニル等が挙げられる。
「ジC1-6アルキルアミノカルボニル」とは、前述の「ジC1-6アルキルアミノ」とカルボニルが結合した基を示す。例えば、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジ(n-プロピル)アミノカルボニル、ジ(イソプロピル)アミノカルボニル、エチルメチルアミノカルボニル、メチル(n-プロピル)アミノカルボニル等が挙げられる。
「C1-6アルキルカルボニル」とは、前述の「C1-6アルキル」とカルボニルが結合した基を示す。例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニルが挙げられる。
「C2-16アルキルカルボニル」とは、炭素原子を2~16個有する直鎖状又は分岐状のアルキルとカルボニルが結合した基を示す。例えば、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-デシルカルボニル(ウンデカノイル)、n-ドデシルカルボニル(トリデカノイル)、n-テトラデシルカルボニル(ペンタデカノイル)等が挙げられる。
また、「末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニル」とは、前述の「C2-16アルキルカルボニル」中の「C2-16アルキル」の末端にカルボキシが置換した基を示す。例えば、11-カルボキシウンデカノイル、13-カルボキシトリデカノイル、15-カルボキシペンタデカノイル等が挙げられる。
「C1-6アルキルスルホニル」とは、前述の「C1-6アルキル」とスルホニルが結合した基を示す。例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、n-ペンチルスルホニル、n-ヘキシルスルホニルが挙げられる。
「C1-3アルカンジイル」とは、炭素原子を1~3個有するアルキルから水素原子1個を除去してなる2価の炭化水素を示す。例えば、メタンジイル、エタン-1,1-ジイル、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-2,2-ジイルが挙げられる。
「C1-4アルカンジイル」とは、炭素原子を1~4個有するアルキルから水素原子1個を除去してなる2価の炭化水素を示す。例えば、メタンジイル、エタン-1,1-ジイル、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、ブタン-1,4-ジイルが挙げられる。
「C2-3アルケンジイル」とは、炭素原子を2~3個有するアルケニルから水素原子1個を除去してなる2価の不飽和炭化水素を示す。例えば、エテン-1,1-ジイル、エテン-1,2-ジイル、プロパ-1-エン-1,1-ジイル、プロパ-2-エン-1,1-ジイル、プロパ-1-エン-1,3-ジイル、プロパ-2-エン-1,3-ジイル、プロパ-1-エン-2,2-ジイルが挙げられる。
「トリアゾールジイル」とは、トリアゾール環から水素原子2個を除去してなる2価のトリアゾールを示す。例えば、下記式[VIII-1]~[VIII-5]で表される構造が挙げられる。
Figure 2022173143000048
本明細書中で用いられている略号は、下記表1~表4で表される構造を意味する。
Figure 2022173143000049
Figure 2022173143000050
Figure 2022173143000051
Figure 2022173143000052
Figure 2022173143000053










Figure 2022173143000054
Figure 2022173143000055
Figure 2022173143000056
本発明の前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩の好ましい態様は、以下の通りである。

好ましいAAは、Asp、β-Asp、β-(d)-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Gluであり、
ひとつのより好ましいAAは、β-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Gluであり、
このとき、さらに好ましいAAは、γ-(d)-Gluであり、
他のより好ましいAAは、β-(d)-Asp又はγ-(d)-Gluであり、
このとき、さらに好ましいAAは、β-(d)-Aspであり、
他のより好ましいAAは、Asp
である。

好ましいAAは、下記式[II-1]又は式[II-2]
Figure 2022173143000057
で表される基、
下記式[IV-7]、[IV-8]、[IV-9]、[IV-11]又は[IV-12]
Figure 2022173143000058
で表される基、
Ala、
下記式[IV-27]
Figure 2022173143000059
で表される基、又は
Pro
であり、
ここで、好ましいRAA2は、ヒドロキシ又はアミノであり、
より好ましいAAは、下記式[II-1]
Figure 2022173143000060
で表される基、
下記式[IV-7]、[IV-8]、[IV-9]、[IV-11]、又は[IV-12]
Figure 2022173143000061
で表される基
であり、
ここで、好ましいRAA2は、アミノであり、
さらに好ましいAAは、
下記式[IV-7]又は[IV-9]
Figure 2022173143000062
で表される基、又は
下記式[II-1]
Figure 2022173143000063
で表される基
であり、
ここで、好ましいRAA2は、アミノであり、
ひとつの特に好ましいAAは、
下記式[II-1]
Figure 2022173143000064
で表される基
であり、
ここで、好ましいRAA2は、アミノであり、
他の特に好ましいAAは、
下記式[IV-7]又は[IV-9]
Figure 2022173143000065
で表される基
である。

好ましいAAは、Val、Leu、Ile、下記式[IV-2]
Figure 2022173143000066
で表される基、
Phe、下記式[IV-3]、[IV-4]、又は[IV-5]
Figure 2022173143000067
で表される基、又は
Trp
であり、
より好ましいAAは、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、
さらに好ましいAAは、Val、Leu、又はIleであり、
ひとつの特に好ましいAAは、Valであり、
他の特に好ましいAAは、Leuであり、
他の特に好ましいAAは、Ileである。

好ましいAAは、単結合、Pro、Gly、homoSer、Met、Glu、(N-Me)Ala、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Phe、(N-Me)Tyr、(N-Me)Ser、(N-Me)Met、(N-Me)Asp、(N-Me)Glu、(d)-Pro、(d)-Ala、(d)-Phe、(d)-Tyr、(d)-Ser、(d)-Thr、又は(d)-(N-Me)Gluであり、
より好ましいAAは、(N-Me)Ala、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Phe、(N-Me)Tyr、(N-Me)Ser、(N-Me)Met、(N-Me)Asp、(N-Me)Glu、(d)-Pro、(d)-Ala、(d)-Phe、(d)-Tyr、(d)-Ser、(d)-Thr、又は(d)-(N-Me)Gluであり、
ひとつのさらに好ましいAAは、(N-Me)Glu又は(N-Me)Aspであり、
このとき、特に好ましいAAは、(N-Me)Gluであり、
他のさらに好ましいAAは、(N-Me)Ile、(N-Me)Val、又は(N-Me)Leuであり、
このとき、特に好ましいAAは、(N-Me)Ileである。

好ましいAAは、β-Ala、GABA、Ape、Acp、Pro、(d)-Pro、β-homoPro、単結合、Arg、(d)-Arg、
下記式[IV-7]、[IV-9]、[IV-13]
Figure 2022173143000068
で表される基、
Lys、(d)-Lys、
Ala、下記式[IV-1]
Figure 2022173143000069
で表される基、
下記式[IV-27]、[IV-28]、[IV-29]
Figure 2022173143000070
で表される基、
Phe、His、Thr、
下記式[III-6]~[III-13]
Figure 2022173143000071
で表される基のいずれか
であり、
より好ましいAAは、β-Ala、GABA、Ape、Acp、Pro、(d)-Pro、β-homoPro、単結合、Arg、(d)-Arg、
下記式[IV-7]、[IV-9]、[IV-13]
Figure 2022173143000072
で表される基、
Lys、又は(d)-Lysであり、
さらに好ましいAAは、β-Ala、GABA、Ape、Acp、Pro、(d)-Pro、又はβ-homoProであり、
特に好ましいAAは、β-Ala、GABA、Ape、Acp、又はβ-homoProである。

好ましいWは、-L-又は-L’-L”-であり、
ここで、Lは、単結合であり、
また、L’は、β-Ala、GABA、Ape、Acp、
下記式[III-6]~[III-13]
Figure 2022173143000073
で表される基、
下記式[IV-23]及び[IV-24]
Figure 2022173143000074
で表される基からなる群から選択され、
”は、単結合、Asn、(d)-Ser、(d)-Thr、Lys、Arg、又はGluであり、
ひとつのより好ましいWは、-L-又は-L’-L”-であり、
ここで、Lは、単結合であり、
また、L’は、β-Ala、GABA、Ape、Acp、
下記式[III-6]~[III-13]
Figure 2022173143000075
で表される基のいずれか
であり、
”は、Asn、(d)-Ser、(d)-Thr、又はGluであり、
このとき、さらに好ましいWは、-L-又は-L’-L”-であり、
ここで、Lは、単結合であり、
また、L’は、β-Ala、GABA、Ape、又はAcpであり、
”は、Asn、(d)-Ser、(d)-Thr、又はGluであり、
このとき、特に好ましいWは、-L-であり、
ここで、Lは、単結合であり、
他のより好ましいWは、-L’-L”-であり、
ここで、L’は、下記式[IV-23]又は[IV-24]
Figure 2022173143000076
で表される基
であり、
”は、単結合である。

好ましいLは、単結合である。

好ましいLN1は、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、
ひとつのより好ましいLN1は、式-C(=O)-であり、
他のより好ましいLN1は、式-S(=O)-である。

好ましいLN2は、単結合、式-O-、又は式-C(=O)-NH-であり、
より好ましいLN2は、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、
ひとつのさらに好ましいLN2は、式-O-であり、
他のさらに好ましいLN2は、式-C(=O)-NH-である。

好ましい環Aは、ベンゼン環又はピリジン環であり、
より好ましい環Aは、ベンゼン環であり、
好ましいRA1、RA2は、独立して、水素原子、又はハロゲン原子であり、
より好ましいRA1、RA2は、水素原子である。


好ましい環Bは、フェニル又はピリジルであり、
より好ましい環Bは、フェニルであり、
好ましいRB1、RB2、RB3は、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルキル、ハロC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシであり、
より好ましいRB1、RB2、RB3は、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシである。

好ましいWは、単結合又は1~3個のアミノ酸からなるリンカーであって、
ここで、該リンカーを形成する1~3個のアミノ酸は、特に限定されないが、好ましくは、Gly、Pro、Arg、(d)-Arg、Lys、(d)-Lys、β-Ala、GABA、及びApeからなる群からそれぞれ同一に又は異なって選ばれ、
ここで、Wで表される基にLys又は(d)-Lysが含まれている場合、
該Lys及び(d)-Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニル、Lys(該Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルで置換されてもよい。)、又は
(d)-Lys(該(d)-Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルで置換されてもよい。)で置換されてもよく、
より好ましいWは、単結合、Pro、Arg、(d)-Arg、Lys、(d)-Lys、又は(d)-Lys-(d)-Lysであり、
さらに好ましいWは、単結合、Arg、(d)-Arg、Lys、又は(d)-Lysであり、
ひとつの特に好ましいWは、単結合であり、
他の特に好ましいWは、(d)-Lysである。

好ましいRは、式-OH、式-NH、C1-6アルキルアミノ(該C1-6アルキルアミノのC1-6アルキルは、ヒドロキシ、アミノ、及び窒素原子を含む4から7員の飽和のヘテロシクリルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい。)、又は1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリル(該1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリルは、ヒドロキシ、及びC1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のカルバモイルで置換されてもよい。)からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよく、
そして、該1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリルの中の2個の炭素原子は、C1-4アルカンジイルで架橋されてもよい。)であり、
より好ましいRは、式-OH又は式-NHであり、
さらに好ましいRは、式-NH
である。
本発明の化合物の他の好ましい態様は、
前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり、
AAは、β-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Gluであり、
AAは、下記式[II-1]又は式[II-2]で表される基
Figure 2022173143000077
であり、
ここで、RAA2は、ヒドロキシ又はアミノであり、
AAは、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、
AAは、単結合、Pro、(N-Me)Ala、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Phe、(N-Me)Tyr、(N-Me)Ser、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、
AAは、単結合、Pro、(d)-Pro、β-homoPro、Arg、(d)-Arg、Lys、(d)-Lys、β-Ala、GABA、Ape、又はAcpであり、
は、Lであり、Lは、単結合であり、
は、単結合であり、
N1は、式-S(=O)-であり、
N2は、単結合、式-O-、又は式-C(=O)-NH-であり、
環Aは、ベンゼン環であり、
A1、RA2は、水素原子であり、
環Bは、フェニルであり、
B1、RB2、RB3は、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、又はC1-6アルコキシであり、
は、単結合、Pro、Arg、(d)-Arg、Lys、(d)-Lys、又は(d)-Lys-(d)-Lysであり、
は、式-NH
である。
本発明の他の好ましい態様は、式[I’]で表される、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり、

AAは、β-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Gluであり、
このとき、さらに好ましいAAは、γ-(d)-Gluであり、

AAは、下記式[II-1]で表される基
Figure 2022173143000078
であり、
ここで、RAA2は、アミノであり、

AAは、Val、Leu、又はIleであり、
ここで、
ひとつのさらに好ましいAAは、Valであり、
他のさらに好ましいAAは、Leuであり、
他のさらに好ましいAAは、Ileであり、

AAは、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、
ここで、
ひとつのさらに好ましいAAは、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、又は(N-Me)Ileであり、
このとき、特に好ましいAAは、(N-Me)Ileであり、
他のさらに好ましいAAは、(N-Me)Asp又は(N-Me)Gluであり、
このとき、特に好ましいAAは、(N-Me)Gluであり、

AAは、Pro、(d)-Pro、β-homoPro、β-Ala、GABA、Ape、又はAcpであり、
ここで、
ひとつのさらに好ましいAAは、Pro、(d)-Pro、又はβ-homoProであり、
このとき、特に好ましいAAは、β-homoProであり、
他のさらに好ましいAAは、β-Ala、GABA、Ape、又はAcpであり、
このとき、特に好ましいAAは、β-Ala、GABA、又はApeであり、
は、Lであり、
は、単結合であり、
は、単結合であり、
N1は、式-S(=O)-であり、
N2は、単結合、式-O-、又は式-C(=O)-NH-であり、
ここで、
ひとつのさらに好ましいLN1は、式-C(=O)-であり、
他のさらに好ましいLN1は、式-S(=O)-であり、


環Aは、ベンゼン環であり、
A1、RA2は、水素原子であり、
環Bは、フェニルであり、
B1、RB2、RB3は、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、又はC1-6アルコキシであり、

は、単結合又は(d)-Lysであり、
ここで、
ひとつのさらに好ましいWは、単結合であり、
他のさらに好ましいWは、(d)-Lysであり、

は、式-NH
である。
本発明の化合物の他の好ましい態様は、

が、-L’-L”-であり、
が、単結合である、
下記式[I’-A]
Figure 2022173143000079
で表される、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり、
AA、AA、AA、AA、L’、L”、LN1、LN2、RB1、RB2、RB3、W、及びRの好ましい態様は、前述の通りである。
上記式[I’-A]で表されるポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩において、より好ましい態様は、以下の通りである。



AAは、下記式[II-1]
Figure 2022173143000080
で表される基、
下記式[IV-7]、[IV-8]、[IV-9]、[IV-11]、又は[IV-12]
Figure 2022173143000081
で表される基
であり、
ここで、RAA2は、アミノであり、

AAは、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、

AAは、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、

AAは、β-Ala、GABA、Ape、Acp、Pro、(d)-Pro、又はβ-homoProであり、

’は、β-Ala、GABA、Ape、Acp、下記式[IV-23]又は[IV-24]
Figure 2022173143000082
で表される基
であり、
”は、単結合、Asn、(d)-Ser、(d)-Thr、又はGluであり、

N1は、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、

N2は、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

B1、RB2、RB3は、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシであり、

は、単結合、Arg、(d)-Arg、Lys、又は(d)-Lysであり、

は、式-OH又は式-NHである。
上記式[I’-A]で表されるポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩において、さらに好ましい態様は、以下の通りである。

AAは、下記式[IV-7]又は[IV-9]
Figure 2022173143000083
で表される基
であり、

AAは、Val、Leu、又はIleであり、

AAは、(N-Me)Ile又は(N-Me)Gluであり、

AAは、β-Ala、GABA、Ape、Acp、又はβ-homoProであり、
’が、GABA又はApeであり、
”が、Asn、Glu、(d)-Ser、又は(d)-Thrであり、

N1は、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、

N2は、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

B1は、カルバモイル又はフッ素原子であり、
B2は、水素原子であり、
B3は、水素原子であり、

は、単結合であり、


は、式-NH
である。
そして、本態様において、ひとつの特に好ましい態様は以下の通りである。

上記式[I’-A]で表されるポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩において、

AAは、下記式[IV-7]又は[IV-9]
Figure 2022173143000084
で表される基
であり、

AAは、Valであり、
AAは、Leuであってもよく、
AAは、Ileであってもよく、

AAは、(N-Me)Ileであり、
AAは、(N-Me)Gluであってもよく、

AAは、β-Ala、GABA、Ape、又はAcpであり、
AAは、β-homoProであってもよく、

’が、GABA又はApeであり、
”が、Asn、Glu、(d)-Ser、又は(d)-Thrであり、
’及びL”の組み合わせは、好ましくは、GABA-Asn、Ape-Asn、Ape-Glu、Ape-(d)-Ser、又はApe-(d)-Thrであり、

N1は、式-C(=O)-であり、
N1は、式-S(=O)-であってもよく、

N2は、式-O-であり、LN2は、式-C(=O)-NH-であってもよく、

B1は、カルバモイル又はフッ素原子であり、
B2は、水素原子であり、
B3は、水素原子であり、

は、単結合であり、

は、式-NH
である。
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-A]で表される、置換されているポリペプチドが、以下のいずれかである場合である:
Figure 2022173143000085
本発明の化合物の他の好ましい態様は、
が、-L-であって、ここで、Lは、単結合であり、
が、単結合である、
下記式[I’-B]
Figure 2022173143000086
で表される、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり、
AA、AA、AA、AA、AA、LN1、LN2、RB1、RB2、RB3、W、及びRの好ましい態様は、前述の通りである。
上記式[I’-B]で表されるポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩において、より好ましい態様は、以下の通りである。

AAは、β-Asp、β-(d)-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Gluであり、

AAは、下記式[II-1]
Figure 2022173143000087
で表される基、
下記式[IV-7]、[IV-8]、[IV-9]、[IV-11]、又は[IV-12]
Figure 2022173143000088
で表される基
であり、
ここで、RAA2は、アミノであり、

AAは、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、

AAは、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、

AAは、β-Ala、GABA、Ape、Acp、又はβ-homoProであり、

N1は、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、

N2は、単結合、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

B1、RB2、RB3は、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシであり、

は、単結合、Arg、(d)-Arg、Lys、又は(d)-Lysであり、

は、式-OH又は式-NHである。
上記式[I’-B]で表されるポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩において、さらに好ましい態様は、以下の通りである。

AAは、β-(d)-Asp又はγ-(d)-Gluであり、

AAは、下記式[II-1]
Figure 2022173143000089
で表される基、
下記式[IV-7]又は[IV-9]
Figure 2022173143000090
で表される基
であり、
ここで、RAA2は、アミノであり、

AAは、Val、Leu、又はIleであり、

AAは、(N-Me)Ile又は(N-Me)Gluであり、

AAは、β-Ala、GABA、Ape、Acp、又はβ-homoProであり、

N1は、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、

N2は、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

B1は、カルバモイル、塩素原子、臭素原子、メトキシ、又はトリフルオロメトキシであり、
B2は、水素原子であり、
B3は、水素原子であり、

は、単結合又は(d)-Lysであり、

は、式-NH
である。
そして、本態様において、ひとつの特に好ましい態様は以下の通りである。

上記式[I’-B]で表されるポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩において、

AAは、β-(d)-Aspであり、
AAは、γ-(d)-Gluであってもよく、

AAは、下記式[II-1]
Figure 2022173143000091
で表される基
であり、
ここで、RAA2は、アミノであり、
AAは、下記式[IV-7]又は[IV-9]
Figure 2022173143000092
で表される基
であってもよく、

AAは、Valであり、
AAは、Leuであってもよく、
AAは、Ileであってもよく、

AAは、(N-Me)Ileであり、
AAは、(N-Me)Gluであってもよく、

AAは、β-Ala、GABA、Ape、又はAcpであり、
AAは、β-homoProであってもよく、

N1は、式-C(=O)-であり、
N1は、式-S(=O)-であってもよく、

N2は、式-O-であり、
N2は、式-C(=O)-NH-であってもよく、

B1は、カルバモイル、塩素原子、臭素原子、メトキシ、又はトリフルオロメトキシであり、
B2は、水素原子であり、
B3は、水素原子であり、

は、単結合であり、
は、(d)-Lysであってもよく、

は、式-NHである。
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-B]で表される、置換されているポリペプチドが、以下のいずれかである場合である:
Figure 2022173143000093
Figure 2022173143000094
本発明の化合物の他の好ましい態様は、
が、単結合である、
下記式[I’-C]
Figure 2022173143000095

で表される、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり、
AA、AA、AA、AA、AA、W、LN1、LN2、RB1、RB2、RB3、W、及びRの好ましい態様は、前述の通りである。
上記式[I’-C]で表されるポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩において、より好ましい態様は、以下の通りである。

AAは、Asp、β-(d)-Asp、又はγ-(d)-Gluであり、
AAは、下記式[IV-7]又は[IV-9]
Figure 2022173143000096
で表される基、又は
下記式[II-1]
Figure 2022173143000097
で表される基
であり、
ここで、RAA2は、アミノであり、

AAは、Val、Leu、又はIleであり、
AAは、(N-Me)Ile又は(N-Me)Gluであり、
AAは、Ape又はβ-homoProであり、

は、-L-又は-L’-L”-であり、
ここで、Lは、単結合であり、
また、L’は、GABA又はApeであり、
”は、Asn、(d)-Ser、(d)-Thr、又はGluであり、

N1が、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、
N2が、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

B1、RB2、RB3は、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシであり、

は、単結合又は(d)-Lysであり、

は、式-NH
である。
上記式[I’-C]で表されるポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩において、さらに好ましい態様は、以下の通りである。

AAは、Aspであり、
AAは、β-(d)-Aspであってもよく、
AAは、γ-(d)-Gluであってもよく、

AAは、下記式[IV-7]又は[IV-9]
Figure 2022173143000098
で表される基
であり、
AAは、下記式[II-1’]
Figure 2022173143000099
で表される基であってもよく、
ここで、RAA2は、アミノであり、

AAは、Valであり、
AAは、Leuであってもよく、
AAは、Ileであってもよく、

AAは、(N-Me)Ileであり、
AAは、(N-Me)Gluであってもよく、

AAは、Apeであり、
AAは、β-homoProであってもよく、

は、-L-又は-L’-L”-であり、
は、単結合であり、
’及びL”につき、その組み合わせ(-L’-L”-)は、GABA-Asn、Ape-Asn、Ape-Glu、Ape-(d)-Ser、又はApe-(d)-Thrであり、

N1は、式-C(=O)-であり、
N1は、式-S(=O)-であってもよく、
N2は、式-O-であり、
N2は、式-C(=O)-NH-であってもよく、

B1は、カルバモイル、塩素原子、臭素原子、メトキシ、又はトリフルオロメトキシであり、
B2は、水素原子であり、
B3は、水素原子であり、

は、単結合であり、
は、(d)-Lysであってもよく、

は、式-NH
である。
本態様において、ひとつの特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下のいずれかである場合である:
Figure 2022173143000100
Figure 2022173143000101
Figure 2022173143000102
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000103
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000104
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000105
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000106
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000107
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000108
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000109
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000110
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000111
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000112
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000113
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000114
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000115
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000116
また、本態様において、他の特に好ましい態様は以下の通りである。
前述の式[I’-C]で表される、置換されているポリペプチドが、以下の場合である:
Figure 2022173143000117
本発明の化合物の別の好ましい態様は、
前記式[I]で表される、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩であり、
AAは、β-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Gluであり、
AAは、下記式[II-1]又は式[II-2]で表される基
Figure 2022173143000118

であり、
ここで、RAA2は、ヒドロキシ又はアミノであり、
AAは、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、
AAは、単結合、Pro、(N-Me)Ala、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Phe、(N-Me)Tyr、(N-Me)Ser、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、
AAは、単結合、Pro、(d)-Pro、β-homoPro、Arg、(d)-Arg、Lys、(d)-Lys、β-Ala、GABA、Ape、又はAcpであり、
は、単結合であり、
は、単結合であり、
N1は、式-S(=O)-であり、
N2は、単結合、式-O-、又は式-C(=O)-NH-であり、
は、水素原子であり、
は、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、又はC1-6アルコキシであり、
は、単結合、Pro、Arg、(d)-Arg、Lys、(d)-Lys、又は(d)-Lys-(d)-Lysであり、
は、式-NH
である。
本発明の化合物は、3から7個のアミノ酸からなるポリペプチドを基本骨格とし、さらに置換されているベンゾイル又は置換されているフェニルスルホニルを有する化合物であり、その製薬学的に許容される塩でも良い。
製薬学的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような鉱酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩のようなスルホン酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、安息香酸塩、マンデル酸塩、アスコルビン酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、リンゴ酸塩のような有機酸塩等の酸付加塩、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩、又は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩のような無機塩若しくはアンモニウム塩、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩のような有機塩基との塩が挙げられる。なお、塩には、含水塩が含まれる。
本発明の化合物は、不斉中心を持つことがあり、その場合種々の光学異性体が存在する。したがって、本発明の化合物は、(R)及び(S)の別々の光学活性体として、及びラセミ体又は(RS)混合物として存在し得る。また、不斉中心を2個以上持つ化合物の場合には、さらにそれぞれの光学異性によるジアステレオマーも存在する。本発明の化合物は、これらすべての型を、任意の割合で含む混合物も含む。たとえば、ジアステレオマーは当業者によく知られた方法、たとえば分別結晶法等によって分離することができ、また、光学活性体はこの目的のためによく知られた有機化学的手法によって得ることができる。また、本発明の化合物には、cis体、trans体などの幾何異性体が存在することがある。さらに、本発明の化合物は、互変異性を有し、種々の互変異性体が存在する。本発明の化合物は、それらの異性体、及びそれらの異性体を任意の割合で含んだ混合物も含む。
さらに、本発明の化合物又はその塩が水和物又は溶媒和物を形成する場合、それらも本発明の化合物又はその塩の範囲内に含まれる。
「マトリックスメタロプロテアーゼ2(MMP2)」とは、亜鉛を活性中心に持つエンドペプチダーゼの1種である。
さて、前述のように、MMP2はコラーゲンやゼラチン等の細胞外マトリックスを分解することから、細胞浸潤・遊走や転移などに関与しており、癌疾患や臓器線維症等の病態に関与している。
したがって、MMP2を阻害することによって、癌疾患及び臓器線維症、並びに癌疾患及び臓器線維症に関連する症状を予防又は治療することができる。
本発明の化合物は、MMP2を阻害する作用を有する。よって、本発明の化合物は、MMP2阻害剤、又は癌疾患及び臓器線維症の予防薬又は治療薬の有効成分として用いることができる。
また、本発明の化合物は、癌疾患及び臓器線維症に関連する症状の予防薬又は治療薬の有効成分として用いることもできる。
ここで、「癌疾患」とは、乳癌、膵臓癌、膀胱癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、脳腫瘍、胃癌、肝細胞癌、頭頸部癌、メラノーマ、子宮癌、食道癌、腎細胞癌、肺癌、神経膠腫等が挙げられる。また、「癌疾患に関連する症状」としては、新生細胞増加や腫瘍増殖に伴う痛み、体重減少、腫瘍随伴症候群等が挙げられる。
ここで、「臓器線維症」とは、慢性腎臓病、間質性肺炎、特発性肺線維症等が挙げられる。また、「臓器線維症に関連する症状」としては、慢性腎臓病における蛋白尿や腎機能異常等、間質性肺炎及び特発性肺線維症における労作時呼吸困難や乾性咳嗽等が挙げられる。
なお、本発明の化合物のMMP2を阻害する作用を評価するには、例えば、後述の本明細書の試験例に記載した方法など、公知の手法に従って行うことができる。
本発明に係る医薬について、含有する本発明の化合物であるMMP2を阻害する作用を有する、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩は、単独に、又は薬学的或いは薬剤学的に許容される添加剤と共に投与することができる。
添加剤としては、常用の賦形剤又は希釈剤、そして、必要に応じて一般に使用される結合剤、崩壊剤、潤滑剤、被覆剤、糖衣剤、pH調整剤、溶解剤又は水性若しくは非水性溶媒を使用することができる。具体的には、水、乳糖、デキストロース、フラクトース、ショ糖、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、デンプン、コーンスターチ、ガム、ゼラチン、アルギネート、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、セルロース、水シロップ、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、アルキルパラヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、寒天、ペクチン、アラビアゴム、グリセリン、ゴマ油、オリーブ油、大豆油カカオバター、エチレングリコール、低粘度ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)等やその他常用されるものを挙げることができる。
本発明に係る医薬は、固体組成物、液体組成物及びその他の組成物のいずれの形態でもよく、必要に応じて最適のものが選択される。
本発明に係る医薬は、本発明の化合物に、前述の添加剤を添加し、常用の製剤技術によって、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、粉剤、散剤、液剤、乳剤、懸濁剤、注射剤等に調製する事ができる。
また、本発明に係る医薬は、本発明の化合物と、α、β若しくはγ-シクロデキストリン又はメチル化シクロデキストリン等とで包接化合物を形成させて製剤化することができる。
本発明に係る医薬は、本発明の化合物と併用可能な化合物について、単一の製剤(配合剤)、又は別々に製剤化して得られる2種以上の製剤(併用剤)とすることができる。
これらの化合物を別々に製剤化して2種以上の製剤とする場合には、個々の製剤を同時又は一定の時間間隔を空けて投与することが可能である。この場合、どちらを先に投与しても構わない。当該2種以上の製剤は、1日にそれぞれ異なる回数で投与することもできる。また、当該2種以上の製剤は、異なる経路で投与することもできる。
これらの化合物を別々に製剤化して2種の製剤とする場合は、同時に、又は極めて短い間隔で投与する場合もあり、例えば、市販されている医薬の添付文書や販売パンフレット等の文書に、それぞれを併用する旨を記載するのが好ましい。
また、これらの有効成分を別々に製剤化して2種の製剤からなるキットの形態とすることも好ましい。
本発明の化合物をMMP2阻害剤などとして使用する場合は、投与形態は特に制限されず、本発明の化合物をそのまま経口投与又は非経口投与することができる。また、本発明の化合物を有効成分として含む剤として経口投与又は非経口投与してもよい。
また、本発明の化合物を癌疾患及び臓器線維症、並びに癌疾患及び臓器線維症に関連する症状の予防又は改善剤などとして使用する場合も、本発明の化合物をそのまま経口投与又は非経口投与することができる。また、本発明の化合物を有効成分として含む剤として経口投与又は非経口投与してもよい。
ここで、非経口投与としては、静脈内投与、皮下投与、又は経皮投与するのが好ましい。
また、非経口投与する場合の剤型としては、注射剤、点滴用剤、埋め込み剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、貼付剤等が挙げられ、マイクロスフェア製剤であってもよい。
本発明の化合物の投与量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状などによっても異なるが、例えば、成人の患者に経口投与又は非経口投与する場合、通常1回量として0.1mg~1000mg、好ましくは1mg~200mgであり、この量を、1日に1回~3回、又は2日~3日に1回投与するのが望ましい。
本発明の化合物の製剤の製造例を以下に示す。

製剤例1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。
成分:化合物[I’]、乳糖、コーンスターチ、HPC-L。
化合物[I’]と乳糖をふるいに通す。コーンスターチをふるいに通す。これらを混合機にて混合する。混合末にHPC-L水溶液を添加し、練合、造粒(押し出し造粒)した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるいで篩過し顆粒剤を得る。

製剤例2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。
成分:化合物[I’]、乳糖、コーンスターチ、ステアリン酸マグネシウム。
化合物[I’]と乳糖をふるいに通す。コーンスターチをふるいに通す。これらとステアリン酸マグネシウムを混合機にて混合し、散剤を得る。得られた散剤はカプセルに充填することができる。

製剤例3
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。
成分:化合物[I’]、乳糖、コーンスターチ、HPC-L。
化合物[I’]と乳糖をふるいに通す。コーンスターチをふるいに通す。これらを混合機にて混合する。混合末にHPC-L水溶液を添加し、練合、造粒した後、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるいで篩過し整粒し、顆粒を得る。得られた顆粒はカプセルに充填することができる。

製剤例4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
成分:化合物[I’]、乳糖、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、CMC-Na。
化合物[I’]と乳糖と微結晶セルロース、CMC-Naをふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸マグネシウムを添加し、製剤用混合末を得る。本混合末を直打し錠剤を得る。

製剤例5
以下の成分を含有する注射剤を製造する。
成分:化合物[I’]、精製卵黄レシチン、オレイン酸、精製大豆油、グリセリン、注射用水。
化合物[I’]と精製卵黄レシチンとオレイン酸を精製大豆油に加え、溶解後、グリセリンを混合した注射用水を添加し、乳化機により乳化する。これに注射用水を添加し、アンプルに分注、封入、滅菌して注射剤とする。
以下、本発明に係る化合物[I’]の製造方法を詳細に説明するが、製造方法は例示されたものに特に限定されない。また、製造に使用する溶媒も、各反応を阻害しない溶媒であればよく、特に下記の記載に限定されない。
化合物[I’]の製造においては、当該製造における工程順序を、適宜入れ替えることが可能である。
なお、当該製造において、原料化合物は塩として用いてもよく、塩としては、例えば、前述の「製薬学的に許容される塩」が挙げられる。
化合物[I’]は、固相合成若しくは液相合成又はこれらの組み合わせにて製造することができる。なお、以下の製造方法においては、固相合成による製造例を示す。
さて、化合物[I’]は、スキーム1~9に記載の方法又はこれらの方法の組み合わせにより製造することができる。
なお、化合物[I’]のポリペプチド部分を形成するアミノ酸においては、その側鎖は官能基を有する場合があり、該官能基は保護基で保護されていてもよい。ここで、該保護基としては、例えば、カルボキシに対してはtBuが、カルバモイルに対してはTrtが、ヒドロキシに対してはtBuが、フェノール性のヒドロキシに対してはtBuが、チオール(スルファニル)に対してはtBuが、アミノに対してはBocが、イミダゾリルに対してはTrtが、インドリルに対してはBocが、グアニジノに対してはPbfが挙げられる。なお、これらの保護基はいずれも酸で処理することで、脱保護することができる。
また、該アミノ酸は、側鎖の官能基が保護されていなくても製造に使用することができる。
ポリペプチド部分のN末端アミノ酸のアミノがスルホニル化されている化合物であって、C末端アミノ酸のカルボキシがアミド化(-CONH)されている化合物[1-f]を製造する方法(A法)

該化合物[1-f]は、例えば、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム1)。
スキーム1
Figure 2022173143000119
(スキーム1中、
A1、RA2、RB1、RB2、RB3、LN2、環A、及び環Bは、前述の定義と同じである。
H-Z-OHは、アミノ酸を示し、
xは、1~mの整数を示し、
mは、2~15の整数を示し、
ここで、Zは、式[I’]で表される化合物におけるAA、L、W、又はWに相当し、また、単結合を示すこともあり、
PGは、アミノ酸(H-Z-OH)のアミノを保護する脂溶性保護基を示す。)
(1)[工程1-1]
Fmocで保護されたアミノを有する樹脂(化合物[1-a])に、塩基を用いて、脱Fmocを行う。
(2)[工程1-2]
上記(1)で得られる樹脂に、脂溶性保護基(PG)でアミノが保護されたアミノ酸(化合物[1-b])を反応させ、該樹脂中の遊離アミノと該化合物[1-b]中のカルボキシとをアミド化反応させる。
(3)[工程1-3]
上記(2)で得られる化合物の、ポリペプチド部分のN末端アミノ酸のアミノの脂溶性保護基を脱保護する。
(4)
上記(2)及び(3)の工程を2回以上繰り返すことにより、ポリペプチド部分のC末端アミノ酸のカルボキシが樹脂に結合されており、N末端アミノ酸のアミノが遊離である化合物[1-c]を製造することができる。
(5)[工程1-4]
上記(4)で得られる化合物[1-c]に、化合物[1-d]を反応させ、化合物[1-c]中の遊離アミノを、スルホニル化することにより、化合物[1-e]を製造することができる。
(6)[工程1-5]
上記(5)で得られる化合物[1-e]に、酸を用いて樹脂との結合を切断することで、化合物[1-f]で表される本発明化合物を製造することができる。本工程で用いることができる酸としては、例えば、TFAを挙げることができる。
また、この時、ポリペプチド部分を形成するアミノ酸においてその側鎖に保護されている官能基が存在する場合には、同時に当該官能基の保護基を脱保護することができる。
このようにして得られる化合物[1-f]は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
なお、上記スキーム1に記載の方法において、原料化合物として用いられる樹脂[1-a]、化合物[1-b]、及び化合物[1-d]は、自体公知の方法により製造、又は市販品の購入により入手することができる。
ポリペプチド部分のN末端アミノ酸のアミノがアシル化されている化合物であって、C末端アミノ酸のカルボキシがアミド化(-CONH)されている化合物[2-c]を製造する方法(B法)

該化合物[2-c]は、例えば、化合物[1-c]を出発物質として、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム2)。
スキーム2
Figure 2022173143000120
(スキーム2中、
A1、RA2、RB1、RB2、RB3、LN2、環A、環B、H-Z-OH、x、m、及びZは、前述の定義と同じである。
は、ヒドロキシ又は塩素原子を示す。)
(1)[工程2-1]
化合物[1-c]に、化合物[2-a]を作用させてアミド化反応を行うことにより、化合物[2-b]を製造することができる。
(2)[工程2-2]
上記(1)で得られる化合物[2-b]に、酸を用いて樹脂との結合を切断することで、化合物[2-c]で表される本発明化合物を製造することができる。本工程で用いることができる酸としては、例えば、TFAを挙げることができる。
また、この時、ポリペプチド部分を形成するアミノ酸においてその側鎖に保護されている官能基が存在する場合には、同時に当該官能基の保護基を脱保護することができる。
このようにして得られる化合物[2-c]は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
なお、上記スキーム2に記載の方法において、原料化合物として用いられる化合物[2-a]は、自体公知の方法により製造、又は市販品の購入により入手することができる。また、化合物[1-c]は前述のスキーム1に記載の方法により製造することができる。
ポリペプチド部分のN末端アミノ酸のアミノがスルホニル化又はアシル化されている化合物であって、C末端アミノ酸のカルボキシが二級又は三級アミド化されている化合物[3-h]を製造する方法(C-1法)

該化合物[3-h]は、例えば、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム3)。
なお、本製造法で使用することができる樹脂(樹脂[3-a])としては、例えば、クロロトリチルクロリドレジン、Wangレジンを挙げることができる。
スキーム3
Figure 2022173143000121
(スキーム3中、
A1、RA2、RB1、RB2、RB3、LN1、LN2、環A、環B、H-Z-OH、x、m、Z、PG、及びYは、前述の定義と同じである。
は、ヒドロキシ又は塩素原子を示し、
c’、Rc”は、同一に又は異なって、水素原子又はC1-6アルキルを示し、ここで、該C1-6アルキルは、ヒドロキシ、アミノ、及びC1-6アルキコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよく、
また、Rc’、Rc”は隣り合う窒素原子と一緒になって、窒素原子を含む4~7員の飽和のヘテロ環を形成してもよく、
そして、Rc’とRc”が隣り合う窒素原子と一緒になって形成する、窒素原子を含む4~7員の飽和のヘテロ環は、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキル、及びC1-6アルコキシからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよく、
さらに、Rc’とRc”が隣り合う窒素原子と一緒になって形成する、窒素原子を含む4~7員の飽和のヘテロ環の中の2個の炭素原子は、C1-4アルカンジイルで架橋されてもよい。)
(1)[工程3-1]
樹脂(化合物[3-a])に、脂溶性保護基(PG)でアミノが保護されたアミノ酸(化合物[3-b])を反応させることにより、化合物[3-c]を製造することができる。
(2)[工程3-2]
上記(1)で得られる化合物[3-c]中の脂溶性保護基(PG)を脱保護する。
(3)[工程3-3]
上記(2)で得られる化合物に、脂溶性保護基(PG)でアミノが保護されたアミノ酸(化合物[1-b])を反応させ、上記(1)で得られる化合物中の遊離アミノと該化合物[1-b]中のカルボキシとを、アミド化反応させる。
(4)[工程3-4]
上記(3)で得られる化合物の、ポリペプチド部分のN末端アミノ酸のアミノの脂溶性保護基を脱保護する。
(5)
上記(3)及び(4)の工程を2回以上繰り返すことにより、ポリペプチド部分のC末端アミノ酸のカルボキシが樹脂に結合され、N末端アミノ酸のアミノが遊離である化合物[3-d]を製造することができる。
(6)[工程3-5]
上記(5)で得られる化合物[3-d]に、化合物[1-d]又は化合物[2-a]を反応させ、化合物[3-d]中の遊離アミノを、スルホニル化又はアシル化することにより、化合物[3-e]を製造することができる。
(7)[工程3-6]
上記(6)で得られる化合物[3-e]に、酸を用いて樹脂との結合を切断することで、ポリペプチド部分のC末端アミノ酸のカルボキシが遊離である化合物[3-f]を製造することができる。本工程で用いることができる酸としては、例えば、TFAを挙げることができる。
また、この時、ポリペプチド部分を形成するアミノ酸においてその側鎖に保護されている官能基が存在する場合には、同時に当該官能基の保護基を脱保護することができる。
(8)[工程3-7]
上記(7)で得られる化合物[3-f]に、化合物[3-g]を作用させてアミド化反応を行うことにより、化合物[3-h]で表される本発明化合物を製造することができる。
このようにして得られる化合物[3-h]は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
なお、上記スキーム3に記載の方法において、原料化合物として用いられる化合物[3-a]、化合物[3-b]、化合物[1-b]、化合物[1-d]、化合物[2-a]、及び[3-g]は、自体公知の方法により製造、又は市販品の購入により入手することができる。
ポリペプチド部分のN末端アミノ酸のアミノがスルホニル化又はアシル化されている化合物であって、C末端アミノ酸のカルボキシが二級又は三級アミド化されている化合物[4-e]を製造する方法(C-2法)

該化合物[4-e]は、以下に概略を示す固相合成によっても製造することができる(スキーム4)。
なお、スキーム4では、化合物[4-e]において、ポリペプチド部分のC末端アミノ酸からm’番目のアミノ酸の側鎖に官能基が存在する化合物の製造方法を例示する。
本製造法で使用することができる樹脂としては、スキーム3と同様に、例えば、クロロトリチルクロリドレジン、Wangレジンを挙げることができる。
スキーム4
Figure 2022173143000122
(スキーム4中、
A1、RA2、RB1、RB2、RB3、LN1、LN2、環A、環B、H-Z-OH、x、m、Z、Rc’、及びRc”は、前述の定義と同じである。
m’は、1~15の整数を示し、ただし、「m’≦m」の関係であり、

scは、C1-4アルカンジイルを示し、
FGscは、前述のポリペプチド部分のC末端アミノ酸からm’番目のアミノ酸の側鎖に存在している官能基を示し、
ここで、該官能基としては、例えば、式-O-(式-OH)、式-S-(式-SH)、式-NH-(式-NH)、式-C(=O)O-(式-C(=O)OH)、式-C(=O)NH-(式-C(=O)NH)、式-NHC(=NH)NH-(-NHC(=NH)NH)を挙げることができ、
PGscは、該官能基に対する保護基を示し、
ここで、該官能基としては、前述の通り、例えば、tBu、Trt、Boc、Pbfを挙げることができる。)
(1)[工程4-1]
化合物[4-a]に、酸を用いて樹脂との結合を切断することで、ポリペプチド部分のC末端アミノ酸のカルボキシが遊離である化合物[4-b]を製造することができる。
このとき、酸として弱酸を用いることにより、該C末端アミノ酸からm’番目のアミノ酸の側鎖に存在する保護基(PGsc)の脱保護を防止することができる。該弱酸としては、例えば、HFIP、酢酸、希釈されたTFAを挙げることができる。
(2)[工程4-2]
上記(1)で得られる化合物[4-b]に、化合物「4-c」を作用させ、該化合物[4-b]中の遊離カルボキシと化合物[4-c]中のアミノとをアミド化反応させることにより、化合物[4-d]を製造することができる。
(3)[工程4-3]
酸を用いて、前述のC末端アミノ酸からm’番目のアミノ酸の側鎖に存在している保護基(PGsc)を脱保護することにより、化合物[4-e]で表される本発明化合物を製造することができる。本工程で用いることができる酸としては、例えば、TFAを挙げることができる。
このようにして得られる化合物[4-e]は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
なお、上記スキーム4に記載の方法において、原料化合物として用いられる化合物[4-c]は、自体公知の方法により製造、又は市販品の購入により入手することができる。また、化合物[4-a]は前述のスキーム3に記載の方法により製造することができる。
ポリペプチド部分を形成するアミノ酸において、そのアミノ酸の側鎖に官能基が存在する場合、該官能基がポリペプチドリンカーで置換されており、さらに、当該ポリペプチドリンカーのN末端アミノ酸のアミノが「カルボキシで置換されているC1-20アルキルカルボニル」で置換されている化合物[5-f] を製造する方法(D法)

該化合物[5-f]は、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム5)。
ここで、当該ポリペプチドリンカーは、1~5個のアミノ酸からなる。
なお、スキーム5では、化合物[5-f]において、ポリペプチド部分のC末端アミノ酸からm’番目のアミノ酸の側鎖に官能基が存在し、該官能基がポリペプチドリンカーで置換されており、さらに、当該ポリペプチドリンカーのN末端アミノ酸のアミノが「カルボキシで置換されているC1-20アルキルカルボニル」で置換されている化合物の製造方法を例示する。
スキーム5
Figure 2022173143000123
(スキーム5中、
A1、RA2、RB1、RB2、RB3、LN1、LN2、環A、環B、H-Z-OH、x、m、m’、Z、及びLscは、前述の定義と同じである。
PGs’は、前述のアミノ酸の側鎖に存在している官能基(FGsc’)に対する保護基を示し、ここで、該保護基としては、例えば、アミノに対してはDde、ivDde、Alloc、Mttが挙げられ、
H-Zsc y-OHは、官能基(FGsc’)が置換されているポリペプチドリンカーを形成するアミノ酸を示し、
yは、1~pの整数を示し、
pは、0~5の整数を示し、
PGsc は、アミノ酸(H-Zsc -OH)のアミノを保護する脂溶性保護基を示す。
FGsc’は、アミノ酸の側鎖に存在している官能基を示す。該官能基としては、例えば、式-NH-(式-NH)、式-COO-(式-COOH)を挙げることができる。なお、上記のスキーム5では、FGsc’が式-NH-(式-NH)である場合を示す。
nは、1~20の整数を示す。)
(1)[工程5-1]
化合物[5-a]おけるポリペプチド部分のC末端アミノ酸からm’番目のアミノ酸の側鎖に存在している官能基の保護基(PGS’)を選択的に脱保護する。
(2)[工程5-2]
上記(1)で得られる化合物に、脂溶性保護基(PGsc )でアミノが保護されたアミノ酸(化合物[5-b])を反応させ、上記(1)で得られる化合物中の遊離官能基(FGsc’)を、該化合物[5-b]中のカルボキシとアミド化反応させる。
(3)[工程5-3]
脂溶性保護基(PGsc )を脱保護する。
(4)
上記(2)及び(3)の工程を1回以上繰り返すことにより、ポリペプチド部分のC末端アミノ酸のカルボキシが樹脂に結合されており、該C末端アミノ酸からm’番目のアミノ酸の側鎖に存在する官能基がポリペプチドリンカーで置換されており、さらに、当該ポリペプチドリンカーのN末端アミノ酸のアミノが遊離である化合物[5-c]を製造することができる。
(5)[工程5-4]
上記(4)で得られる化合物[5-c]に、アルカンジカルボン酸である化合物[5-d]を反応させ、化合物[5-c]中の遊離アミノを該化合物[5-d]中の1個のカルボキシとアミド化反応することにより、化合物[5-e]を製造することができる。
(6)[工程5-5]
上記(5)で得られる化合物[5-e]に、酸を用いて樹脂との結合を切断することで、化合物[5-f]で表される本発明化合物を製造することができる。本工程で用いることができる酸としては、例えば、TFAを挙げることができる。
また、この時、ポリペプチド部分を形成するアミノ酸においてその側鎖に保護されている官能基が存在する場合には、同時に当該官能基の保護基を脱保護することができる。
このようにして得られる化合物[5-f]は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
なお、上記スキーム5に記載の方法において、原料化合物として用いられる化合物[5-b]及び化合物[5-d]は、自体公知の方法により製造、又は市販品の購入により入手することができる。また、化合物[5-a]は前述のスキーム1若しくはスキーム2に記載の方法、又はこれらに準ずる方法により製造することができる。
ポリペプチド部分を形成するアミノ酸の2つにおいて、それらのアミノ酸のそれぞれの側鎖に官能基が存在し、それぞれの官能基が同じポリペプチドリンカー(-Zsc 1-Zsc 2-…-Zsc y’-)で置換されていることで環を形成している化合物[6-c]を製造する方法(E法)

該化合物[6-c]は、例えば、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム6)。
ここで、当該ポリペプチドリンカーは、1~4個のアミノ酸からなる。
なお、スキーム6では、化合物[6-a]において、ポリペプチド部分のC末端アミノ酸からm’番目及びm”番目のアミノ酸の側鎖にそれぞれ官能基が存在し、該官能基が同じポリペプチドリンカーで置換されていることで環を形成している化合物の製造方法を例示する。
スキーム6
Figure 2022173143000124
(スキーム6中、
A1、RA2、RB1、RB2、RB3、LN1、LN2、環A、環B、H-Z-OH、x、m、m’、Z、及びLscは、前述の定義と同じである。
m”は、2~15の整数を示し、ただし、「m’<m”≦m」の関係であり、
化合物[6-c]におけるポリペプチドリンカー(-Zsc 1-Zsc 2-…-Zsc y’-)は、式[I’]で表される化合物におけるL(ここで、該Lは、Gly、β-Ala、又はGABAを示す。)に相当し、
y’は、1~p’の整数を示し、
p’は、1~4の整数を示す。
sc’及びLsc”は、C1-4アルカンジイルを示す。
FGsc’及びFGsc”は、アミノ酸の側鎖に存在している官能基を示す。なお、該官能基は、例えば、式-O-(式-OH)、式-S-(式-SH)、式-NH-(式-NH)、式-C(=O)O-(式-C(=O)OH)、式-C(=O)NH-(式-C(=O)NH)を示す。
PGsc’及びPGsc”は、アミノ酸の側鎖に存在している官能基に対する保護基を示す。該官能基は、例えば、Dde、ivDde、Alloc、アリルである。)
(1)[工程6-1]
化合物[6-a]におけるポリペプチド部分のC末端アミノ酸からm’番目のアミノ酸の側鎖に存在している官能基の保護基(PGsc’)を選択的に脱保護する。
(2)[工程6-2]
上記(1)で得られる化合物に、脂溶性保護基(PGsc y’)でアミノが保護されたアミノ酸(化合物[6-d])を反応させ、上記(1)で得られる化合物中の遊離官能基(FGsc’)を、脂溶性保護基でアミノが保護された該化合物[6-d]中のカルボキシとアミド化反応させる。
(3)[工程6-3]
脂溶性保護基を脱保護する。
(4)
上記(2)及び(3)の工程を1回以上繰り返すことにより、ポリペプチド部分のC末端アミノ酸からm’番目のアミノ酸の側鎖に存在する官能基がポリペプチドリンカーで置換されており、さらに、当該ポリペプチドリンカーのN末端アミノ酸のアミノが遊離であり、また、C末端アミノ酸からm”番目のアミノ酸の側鎖に存在する官能基(FGsc”)が保護基(PGsc”)で保護されている化合物[6-b]を製造することができる。
(5)[工程6-4]
化合物[6-b]におけるポリペプチド部分のC末端アミノ酸からm”番目のアミノ酸の側鎖に存在している保護基(PGsc”)を選択的に脱保護する。
(6)[工程6-5]
上記(5)で得られる化合物中の「遊離官能基(FGsc”)」と「Zscp’における遊離アミノ」と反応させ、分子内環化反応を行う。
(7)[工程6-6]
上記(6)で得られる化合物に、酸を用いて樹脂との結合を切断することで、化合物[6-c]で表される本発明化合物を製造することができる。本工程で用いることができる酸としては、例えば、TFAを挙げることができる。
また、この時、ポリペプチド部分を形成するアミノ酸においてその側鎖に保護されている官能基が存在する場合には、同時に当該官能基の保護基を脱保護することができる。
このようにして得られる化合物[6-c]は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
なお、上記スキーム6に記載の方法において、原料化合物として用いられる化合物[6-d]は、自体公知の方法により製造、又は市販品の購入により入手することができる。また、化合物[6-a]は前述のスキーム1若しくはスキーム2に記載の方法、又はこれらに準ずる方法により製造することができる。
環B上に置換基「官能基で置換されているアルキルアミノカルボニル」を有する化合物[7-f]を製造する方法(F法)

該化合物[7-f]は、例えば、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム7)。
スキーム7
Figure 2022173143000125
(スキーム7中、
A1、RA2、RB1、RB2、LN1、LN2、環A、環B、H-Z-OH、x、m、Z、及びYは、前述の定義と同じである。
は、C1-4アルカンジイルを示し、
FGは、環B上に存在している置換基「アルキルアミノカルボニル(L-NHC(=O)-)」の「アルキル(L)」に置換している官能基を示し、例えば、式-O-(式-OH)、式-S-(式-SH)、式-NH-(式-NH)、式-C(=O)O-(式-C(=O)OH)、式-C(=O)NH-(式-C(=O)NH)を挙げることができる。
PGは、上記の官能基(FG)の保護基を示し、該保護基としては、例えば、カルボキシに対してはtBuが、カルバモイルに対してはTrtが、ヒドロキシに対してはtBuが、チオール(スルファニル)に対してはtBuが、アミノに対してはBocが挙げられる。なお、これらの保護基はいずれも酸で処理することで、脱保護することができる。)
(1)[工程7-1]
化合物[1-c]に対して、化合物[7-a]又は化合物[7-b]を反応させることにより、化合物[1-c]におけるポリペプチド部分のN末端アミノ酸の遊離アミノをスルホニル化又はアシル化することで、環B上にカルボキシを有する化合物[7-c]を製造することができる。
(2)[工程7-2]
化合物[7-c]に対して、化合物[7-d]を反応させることにより、化合物[7-c]中のカルボキシと化合物[7-d]中のアミノとをアミド化反応させることにより、化合物[7-e]を製造することができる。
(3)[工程7-3]
上記(2)で得られる化合物[7-e]に、酸を用いることで、樹脂との結合を切断し、同時に、環B上に存在している「官能基(FG)で置換されているアルキルアミノカルボニル」の該官能基の保護基(PG)を脱保護し、化合物[7-f]で表される本発明化合物を製造することができる。本工程で用いることができる酸としては、例えば、TFAを挙げることができる。 また、この時、ポリペプチド部分を形成するアミノ酸においてその側鎖に保護されている官能基が存在する場合には、同時に当該官能基の保護基を脱保護することができる。
このようにして得られる化合物[7-f]は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
なお、上記スキーム7に記載の方法において、原料化合物として用いられる化合物[7-a]、化合物[7-b]、及び化合物[7-d]は、自体公知の方法により製造、又は市販品の購入により入手することができる。また、化合物[1-c]は前述のスキーム1に記載の方法又はこれらに準ずる方法により製造することができる。
環Aが環Bで直接置換されている化合物[8-f]を製造する方法(G法)

該化合物[8-f]は、例えば、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム8)。
スキーム8
Figure 2022173143000126
(スキーム8中、
A1、RA2、RB1、RB2、RB3、LN1、環A、環B、H-Z-OH、x、m、Z、及びYは、前述の定義と同じである。

LGは、脱離基を示し、該脱離基としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ハロC1-6アルキルスルホニルオキシを挙げることができ、
は、ボロン酸、ボロン酸エステル、アルキルスズ、アルキルシラン、又はアルコキシシランを示す。)
(1)[工程8-1]
化合物[1-c]に対して、化合物[8-a]又は化合物[8-b]を反応させることにより、化合物[1-c]におけるポリペプチド部分のN末端アミノ酸の遊離アミノをスルホニル化又はアシル化することで、化合物[8-c]を製造することができる。
(2)[工程8-2]
化合物[8-c]を、金属触媒及び塩基の存在下、化合物[8-d]とカップリング反応させることにより、環Aが環Bで直接置換されている化合物[8-e]を製造することができる。該金属触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウムを挙げることができる。該塩基としては、例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の金属炭酸塩、リン酸カリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリドを挙げることができる。
(3)[工程8-3]
上記(2)で得られる化合物[8-e]に、酸を用いて樹脂との結合を切断することで、化合物[8-f]で表される本発明化合物を製造することができる。本工程で用いることができる酸としては、例えば、TFAを挙げることができる。
また、この時、ポリペプチド部分を形成するアミノ酸においてその側鎖に保護されている官能基が存在する場合には、同時に当該官能基の保護基を脱保護することができる。
このようにして得られる化合物[8-f]は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
なお、上記スキーム8に記載の方法において、原料化合物として用いられる化合物[8-a]、化合物[8-b]、及び化合物[8-d]は、自体公知の方法により製造、又は市販品の購入により入手することができる。また、化合物[1-c]は前述のスキーム1に記載の方法又はこれらに準ずる方法により製造することができる。
環A上に置換基「アリールカルボニルアミノ(式 環B-C(=O)NH-)を有する化合物[9-f]を製造する方法(H法)

該化合物[9-f]は、例えば、以下に概略を示す固相合成によって製造することができる(スキーム9)。
スキーム9
Figure 2022173143000127
(スキーム9中、
A1、RA2、RB1、RB2、RB3、LN1、環A、環B、H-Z-OH、x、m、Z、及びYは、前述の定義と同じである。
は、ヒドロキシ又は塩素原子を示し、
PGは、環A上に存在するアミノを保護する脂溶性保護基を示し、
ここで、該脂溶性保護基としては、例えば、Fmocを挙げることができる。)
(1)[工程9-1]
スキーム8の工程8-1と同様に、化合物[1-c]に対して、化合物[9-a]又は化合物[9-b]を反応させることにより、化合物[1-c]におけるポリペプチド部分のN末端アミノ酸の遊離アミノをスルホニル化又はアシル化することで、化合物[9-c]を製造することができる。
(2)[工程9-2]
上記(1)で得られる化合物[9-c]中の脂溶性保護基(PG)を脱保護する。
(3)[工程9-3]
上記(2)で得られる化合物に、化合物[9-d]を反応させ、上記(2)で得られる化合物中の遊離アミノと該化合物[9-d]中のカルボキシとをアミド化(アシル化)反応させることにより、化合物[9-e]を製造することができる。
(4)[工程9-4]
上記(3)で得られる化合物[9-e]に、酸を用いて樹脂との結合を切断することで、化合物[9-f]で表される本発明化合物を製造することができる。本工程で用いることができる酸としては、例えば、TFAを挙げることができる。
また、この時、ポリペプチド部分を形成するアミノ酸においてその側鎖に保護されている官能基が存在する場合には、同時に当該官能基の保護基を脱保護することができる。
このようにして得られる化合物[9-f]は、公知の分離精製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、再沈殿、溶媒抽出、結晶化、クロマトグラフィー等により単離精製することができる。
なお、上記スキーム9に記載の方法において、原料化合物として用いられる化合物[9-a]、化合物[9-b]、及び化合物[9-d]は、自体公知の方法により製造、又は市販品の購入により入手することができる。また、化合物[1-c]は前述のスキーム1に記載の方法又はこれらに準ずる方法により製造することができる。
前述のスキーム1~9に示す、本発明に係る化合物[I’]の製造方法において、アミノ酸としては全てのアミノ酸を用いることができ、例えば、天然タンパク原性L-アミノ酸である、GlyやAla、Val、Leu、Ile、Pro、Phe、His、Trp、Tyr、Ser、Thr、Met、Cys、Asp、Glu、Asn、Gln、Lys、Argを挙げることができる。
また、本製造方法においては、天然非タンパク原性アミノ酸や、上記天然タンパク原性L-アミノ酸のD体をはじめとする非天然アミノ酸を使用することもできる。
ここで、本製造方法において使用できる非天然アミノ酸としては、例えば、以下が挙げられる。
・(d)-Pro、(d)-Ser、(d)-Thr、(d)-Asp、(d)-Glu、(d)-Arg、(d)-Lys
・β-homoPro
・β-Ala、GABA、Ape、Acp
・(N-Me)Ala、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Phe、(N-Me)Tyr、(N-Me)Ser、(N-Me)Asp、(N-Me)Glu
・下記式[II-1]又は式[II-2]
Figure 2022173143000128
で表される基(ここで、RAA2は、ヒドロキシ又はアミノである)

・前述の表1及び表2に記載のアミノ酸
脂溶性保護基としては、例えば、9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、tert-ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジル(Bn)、アリル(Allyl)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、アセチル(Ac)等のカーボネート系、アミド系、又はアルキル系の保護基を挙げることができる。アミノ酸に脂溶性保護基を導入するには、例えばFmocを導入する場合には、9-フルオレニルメチル-N-スクシニジルカーボネートと炭酸水素ナトリウムを加えて反応を行うことにより導入できる。反応は0~50℃、好ましくは室温で、約1~5時間程度行うのが良い。
脂溶性保護基で保護したアミノ酸としては、市販のものを使用することもできる。例えば、Fmoc-Ser-OH、Fmoc-Asn-OH、Fmoc-Val-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Ile-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Tyr-OH、Fmoc-Gly-OH、Fmoc-Lys-OH、Fmoc-Arg-OH、Fmoc-His-OH、Fmoc-Asp-OH、Fmoc-Glu-OH、Fmoc-Gln-OH、Fmoc-Thr-OH、Fmoc-Cys-OH、Fmoc-Met-OH、Fmoc-Phe-OH、Fmoc-Trp-OH、Fmoc-Pro-OHを挙げることができる。
また、脂溶性保護基で保護したアミノ酸であって、側鎖に保護基を導入したものとして、例えば、Fmoc-Arg(Pbf)-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-Asp(OtBu)-OH、Fmoc-Cys(tBu)-OH、Fmoc-Glu(OtBu)-OH、Fmoc-Gln(Trt)-OH、Fmoc-His(Trt)-OH、Fmoc-Lys(Boc)-OH、Fmoc-Ser(tBu)-OH、Fmoc-Thr(tBu)-OH、Fmoc-Trp(Boc)-OH、Fmoc-Tyr(tBu)-OHを挙げることができる。
樹脂(レジン)としては、通常、固相合成で使用する樹脂であればよく、例えば、塩素原子で官能化された2-クロロトリチルクロリド樹脂、Wang樹脂、HMPA-PEGA樹脂、アミノで官能化されたAmino-PEGA樹脂を用いることができる。
ペプチドC末端のアミド体を得る方法としては、アミド体合成用樹脂を用いて固相合成するのがよい。例えば、Rink-Amide-AM樹脂、SAL-PEG樹脂、SAL-MBHA樹脂、Rink-Amide-PEGA樹脂を用いることができる。これらの樹脂とペプチドを酸で切断することにより、ペプチドC末端のアミド体を得ることができる。
脂溶性保護基でアミノが保護されたアミノ酸と樹脂の結合は、例えば、ヒドロキシを有する樹脂や塩素原子で官能化された樹脂を使用する場合には、アミノ酸のカルボキシを樹脂にエステル結合させることにより、結合することができる。
また、アミノで官能化された樹脂を使用する場合には、アミノ酸のカルボキシを樹脂にアミド結合させることにより、結合することができる。
2-クロロトリチルクロリド樹脂を用いる場合、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリエチルアミン、ピリジン、2,4,6-コリジン等の塩基を用いることでエステル化を行うことができる。
ヒドロキシを有する樹脂を用いる場合、エステル化触媒として、例えば、1-(メシチレン-2-スルホニル)-3-ニトロ-1,2,4,-トリアゾール(MSNT)、ジシクロへキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)等の公知の脱水縮合剤を用いることができる。アミノ酸と脱水縮合剤との使用割合は、前者1当量に対して、後者が、通常1~10当量、好ましくは2~5当量である。
エステル化反応は、例えば、固相カラムに樹脂を入れ、この樹脂を溶媒で洗浄し、その後アミノ酸の溶液を加えることにより行うのが好ましい。洗浄用溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジメチルホルムアミド(DMF)、2-プロパノール、ジクロロメタン等を挙げることができる。アミノ酸を溶解する溶媒としては、例えば、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、DMF、ジクロロメタン等を挙げることができる。エステル化反応は0~50℃、好ましくは室温で、約10分~30時間程度、好ましくは15分~24時間程度行うのが良い。
この時、固相上の未反応のヒドロキシを、無水酢酸等を用いてアセチル化してキャッピングすることも好ましい。
脂溶性保護基の脱離は、例えば、塩基で処理することにより行うことができる。塩基としては、例えば、ピペリジン、モルホリン等を挙げることができる。その際、溶媒の存在下で行うのが好ましい。溶媒としては、例えば、DMF、DMSO、メタノール等を挙げることができる。
遊離したアミノと、脂溶性保護基でアミノが保護された任意のアミノ酸のカルボキシとのアミド化反応は、活性化剤及び溶媒の存在下行うのが好ましい。
活性化剤としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(ジメチルアミノフロピル)カルボジイミド・塩酸塩(WSC/HCl)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジエチルシアノホスホネート(DEPC)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス ピロリジノホスホニウム(DIPCI)、ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ヒドロキシスクシンイミド(HOSu)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(HOAt)、ヒドロキシフタルイミド(HOPht)、ペンタフルオロフェノ-ル(Pfp-OH)、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3,-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-5-クロロ-1H-ベンソトリアゾリウム 3-オキド ヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスホネート(HATU)、O-ベンゾトリアゾール-1-イル-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)、3,4-ジヒドロ-3-ヒドロジ-4-オキサ-1,2,3-ベンゾトリアジン(Dhbt)、N-[1-(シアノ-2-エトキシ-2-オキソエチリデンアミノオキシ)ジメチルアミノ(モルホリノ)]ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(COMU)、シアノ(ヒドロキシイミノ)酢酸エチル(Oxyma)等を挙げることができる。
活性化剤の使用量は、脂溶性の保護基でアミノが保護された任意のアミノ酸に対して、1~20当量、好ましくは1~10当量、さらに好ましくは、1~5当量とするのが好ましい。
溶媒としては、例えば、DMF、DMSO、ジクロロメタン等を挙げることができる。反応は0~50℃、好ましくは室温で、約10分~30時間程度、好ましくは15分~2時間程度行うのが良い。
樹脂からペプチド鎖を切断する場合には、酸による処理で行うことができる。酸としては、例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)、フッ化水素(HF)を挙げることができる。脱樹脂反応は0~50℃、好ましくは室温で、約10分~10時間程度、好ましくは30分~4時間程度行うのが良い。
本発明は、以下の実施例、参考例、及び試験例によってさらに詳しく説明されるが、これらは本発明を限定するものではなく、また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
本明細書中の略号を以下に示す。
APCI:大気圧化学イオン化法
Arg(Pbf):Nω-2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフランスルホニルアルギニン
Bu:ブチル
BuOH:ブタノール
Dde:1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-エチル
DMSO-d:6重水素化ジメチルスルホキシド
ELSD:蒸発光散乱検出器
ESI:エレクトロスプレーイオン化法
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
ivDde:1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキシリデン)-3-メチルブチル
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析法
NMP:1-メチル-2-ピロリドン
Trt:トリチル
UV:紫外線
本明細書中で、「室温」とは、特に断りが無い限り、20~30℃を指す。
「氷冷下」とは、特に断りが無い限り、0~5℃を指す。
本明細書中で、カラムクロマトグラフィーを使用して精製した際の「シリカゲルカートリッジ」には、バイオタージ社製Biotage(登録商標)SNAP Ultra又はビュッヒ社製REVELERIS(登録商標)Silica 40μmを使用した。
逆相カラムクロマトグラフィーを使用した精製(以下、分取LCMSと記載する場合もある)は下記2条件より適宜選択し、精製を行った。
分取装置:Agilent社 Agilent 1260 Infinity及びAgilent 6130(イオン化法:Electron Spray Ionization:ESI)、ELSD検出器が付属する場合はAgilent 385-ELSDを用いた。
溶媒:A液;0.1%ギ酸含有水、B液;0.1%ギ酸含有アセトニトリル
流速:50mL/min
カラムは以下のいずれかを用いた。
Waters XBridge Prep C18、5μm、30×50mm
Waters XSelect CSH C18、5μm、30×50mm
(分取条件A)
0.0-0.5分(A液/B液=90/10)
0.5-7.5分(A液/B液=90/10~20/80)
7.5-7.95分(A液/B液=20/80)
7.95-8.0分(A液/B液=20/80~5/95)
8.0-9.0分(A液/B液=5/95)
(分取条件B)
0.0-0.5分(A液/B液=95/5)
0.5-7.5分(A液/B液=95/5~50/50)
7.5-7.95分(A液/B液=50/50)
7.95-8.0分(A液/B液=50/50~5/95)
8.0-9.0分(A液/B液=5/95)
本明細書中記載の各機器データは以下の機器で測定した。
マイクロウェーブ反応装置:Initiator(Biotage AB)
NMRスペクトル:[1H-NMR]600MHz:JNM-ECA600(日本電子)、400MHz:AVANCE III HD 400(BRUKER)
本明細書中の高速液体クロマトグラフィーマススペクトル(LCMS)及び保持時間(RT)は、以下に示す条件で測定した。
測定機器:Shimadzu社 LCMS-2010EV
カラム:Shimadzu XR-ODS、2.2μm、2.0×30mm
イオン化法:ESI/APCI dual source
溶媒:A液;0.1%ギ酸含有水、B液;0.1%ギ酸含有アセトニトリル
流速:0.6mL/min、検出法:UV210nm、254nm
(分析条件A)
0.0-1.0分(A液/B液=90/10~60/40)
1.0-2.0分(A液/B液=60/40~1/99)
2.0-2.6分(A液/B液=1/99)
(分析条件B)
0.0-0.5分(A液/B液=90/10)
0.5-1.5分(A液/B液=90/10~70/30)
1.5-2.5分(A液/B液=70/30~1/99)
2.5-5.0分(A液/B液=1/99)
製造例、参考例、及び実施例中の化合物名は、「ACD/Name 2019.1.2 (ACDLabs 2019.1.2, Advanced Chemistry Development Inc.)」により、命名した。
参考例1 4-(4-カルバモイルベンズアミド)ベンゼンスルホニルクロリド
Figure 2022173143000129
4-カルバモイル安息香酸(150 g)のDMF(180 mL)溶液に、WSC一塩酸塩(209 g)、HOBt一水和物(167 g)及びDIPEA(380 mL)を加えた。室温で5分間撹拌後、アニリン(99 mL)を加え、室温で72時間撹拌した。反応液に水を加え、析出した固体をろ取してN-フェニルテレフタルアミド(147 g)を黄色アモルファスとして得た。
得られたN-フェニルテレフタルアミドにクロロスルホン酸(407 mL)を加え、60℃で1時間加熱撹拌した。反応混合物を氷冷後、氷水に加えた。析出した固体をろ取して、水で洗浄後、乾燥し、標題化合物(198 g)を淡黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.54 (bs, 1 H), 7.62 (d, J=8.2 Hz, 2 H), 7.79 (d, J=8.2 Hz, 2 H), 7.96-8.09 (m, 4 H), 8.14 (bs, 1 H), 10.46 (s, 1 H)
参考例2 4-(4-(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド)ベンゼンスルホニルクロリド
Figure 2022173143000130
参考例1と同様の手法を用いて、対応する原料から標題化合物を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.52 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.58 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.72 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 8.08 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 10.42 (s, 1 H)
参考例3 4-(4-(メチルカルバモイル)ベンズアミド)ベンゼンスルホニルクロリド
Figure 2022173143000131
参考例1と同様の手法を用いて、対応する原料から標題化合物を灰色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.81 (d, J=4.1 Hz, 3 H), 7.57-7.61 (m, 2 H), 7.72-7.78 (m, 2 H), 7.96 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 8.03 (d, J=8.7 Hz, 2 H), 8.62 (q, J=4.1, 1 H), 10.42 (s, 1 H)
参考例4 4-(4-(ジメチルカルバモイル)ベンズアミド)ベンゼンスルホニルクロリド
Figure 2022173143000132
参考例1と同様の手法を用いて、対応する原料から標題化合物を茶色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.91 (s, 3 H), 3.01 (s, 3 H), 7.54 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.58 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.74 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 8.01 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 10.41 (s, 1 H)
参考例5 4-(4-(トリフルオロメチル)ベンズアミド)ベンゼンスルホニルクロリド
Figure 2022173143000133
参考例1と同様の手法を用いて、対応する原料から標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 7.81 (d, J=8.2 Hz, 2 H), 7.93 (d, J=8.1 Hz, 2 H), 8.01 (d, J=8.2 Hz, 2 H), 8.08 (d, J=8.1 Hz, 3 H)
参考例6 4-(4-シアノベンズアミド)ベンゼンスルホニルクロリド
Figure 2022173143000134
参考例1と同様の手法を用いて、対応する原料から標題化合物を淡褐色固体として得た。
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.58 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.74 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 7.99 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 8.01 (d, J=8.3 Hz, 2 H), 10.42 (s, 1 H)
参考例7 4-(4-(1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ)ベンズアミド)ベンゼンスルホニルクロリド
Figure 2022173143000135
参考例1と同様の手法を用いて、対応する原料から標題化合物を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 5.95 (tt, J=53.2 Hz, 2.8 Hz, 1 H), 7.37 (d, J=8,6 Hz, 2 H), 7.92 (d, J=7.2 Hz, 2 H), 7.94 (d, J=7.2 Hz, 2 H), 8.05 (d, J=8.6 Hz, 2 H), 8.12 (s, 1 H)
参考例8 4-(2-フルオロベンズアミド)ベンゼンスルホニルクロリド
Figure 2022173143000136
参考例1と同様の手法を用いて、対応する原料から標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 7.20-7.27 (m, 1 H), 7.37 (dd, J=7.6 Hz, 7.6 Hz, 1 H), 7.56-7.63 (m, 1 H), 7.95 (d, J=9.1 Hz, 2 H), 8.06 (d, J=9.1 Hz, 2 H), 8.20 (td, J=8.0 Hz, 1.8 Hz, 1 H), 8.75 (d, J=16.9 Hz, 1 H)
参考例9 2-フルオロ-4-フェノキシ安息香酸
Figure 2022173143000137
2,4-ジフルオロベンズアルデヒド(250 mg)及びフェノール(199 mg)のDMF(10 mL)溶液に、炭酸カリウム(535 mg)を加え、120℃で4時間加熱撹拌した。室温まで放冷後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下濃縮して、2-フルオロ-4-フェノキシベンズアルデヒドを得た。
得られた2-フルオロ-4-フェノキシベンズアルデヒドをテトラヒドロフラン(5 mL)及び水(5 mL)に溶解し、リン酸二水素ナトリウム(844 mg)、2-メチル-2-ブテン(1.49 mL)及び亜塩素酸ナトリウム(636 mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液にクロロホルムを加え、水で洗浄した。有機層をPhase separatorに通し、減圧下濃縮して標題化合物(182 mg)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 6.75-6.92 (m, 2 H), 7.17 (d, J=7.5 Hz, 2 H), 7.24-7.33 (m, 1 H), 7.43-7.55 (m, 2 H), 7.83-7.97 (m, 1 H), 13.0 (br s, 1 H)
参考例10 4-(4-カルバモイル-2-フルオロフェノキシ)安息香酸
Figure 2022173143000138
参考例9と同様の手法を用いて、対応する原料から標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.12 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.19 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.40 (t, J=8.3 Hz, 1 H), 7.53 (br s, 1 H), 7.82 (t, J=8.3 Hz, 1 H), 7.90-8.00 (m, 2 H), 8.07 (br s, 1 H), 9.95 (s, 1 H)
参考例11 3-フルオロ-4-(2-フルオロフェノキシ)安息香酸
Figure 2022173143000139
参考例9と同様の手法を用いて、対応する原料から標題化合物を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 6.89 (t, J=8.1 Hz, 1 H), 7.10-7.25 (m, 4H), 7.80 (d, J=8.4 Hz, 1 H), 7.89 (d, J=11.3 Hz, 1 H)
参考例12 5-((4-(4-カルバモイルフェノキシ)フェニル)スルホンアミド)ペンタン酸
Figure 2022173143000140
(1)
Figure 2022173143000141
ベンジル 5-アミノペンタノエート・トシル酸塩(1.48 g)のクロロホルム(20 mL)溶液に、氷冷下にてトリエチルアミン(2.3 mL)及び4-フルオロベンゼンスルホニルクロリド(800 mg)を加え、氷冷下で1時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層をPhase separatorに通し、減圧下濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲルカートリッジ、ヘキサン:酢酸エチル=80:20~50:50)にて精製し、ベンジル 5-((4-フルオロフェニル)スルホンアミド)ペンタノエート(1.24 g)を無色油状物質として得た。
1H NMR (400 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.46-1.56 (m, 2 H), 1.58-1.68 (m, 2 H), 2.33 (t, J=7.0 Hz, 2 H), 2.96 (q, J=6.5 Hz, 2 H), 4.40-4.47 (m, 1 H), 5.09 (s, 2 H), 7.18 (t, J=8.2 Hz, 2 H), 7.31-7.39 (m, 5 H), 7.86 (dd, J=7.6 Hz, 5.3 Hz, 2 H)
(2)
Figure 2022173143000142
上記(1)で得られたベンジル 5-((4-フルオロフェニル)スルホンアミド)ペンタノエート(500 mg)のDMF(13 mL)溶液に、4-ヒドロキシベンゾニトリル(179 mg)及び炭酸カリウム(567 mg)を加え、マイクロウェーブ照射下、180℃で1時間撹拌した。反応液を放冷後、反応混合物に酢酸エチルと水を加えて分液した。水層を酢酸エチルで洗浄後、1M塩酸水溶液にてpH 1に調整し、酢酸エチル/トルエンの混合溶媒にて抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下濃縮して、5-((4-(4-シアノフェノキシ)フェニル)スルホンアミド)ペンタン酸(285 mg)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.32-1.49 (m, 4 H), 2.10-2.17 (m, 2 H), 2.69-2.78 (m, 2 H), 7.23-7.31 (m, 2 H), 7.43 (t, J=8.7 Hz, 2 H), 7.59-7.66 (m, 1 H), 7.81-7.87 (m, 3 H), 7.91 (d, J=8.3 Hz, 1 H)
(3)
上記(2)で得られた5-((4-(4-シアノフェノキシ)フェニル)スルホンアミド)ペンタン酸(100 mg)のDMSO(2 mL)溶液に、炭酸カリウム(81 mg)及び30%過酸化水素水(0.15 mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応終了後、チオ硫酸ナトリウム水溶液及び1M塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下濃縮して、標題化合物(89 mg)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.32-1.50 (m, 4 H), 2.10-2.18 (m, 2 H), 2.69-2.78 (m, 2 H), 7.16 (d, J= 8.2 Hz, 1 H), 7.19 (d, J= 8.6 Hz, 1 H), 7.34 (br s, 1 H), 7.43 (t, J= 8.6 Hz, 2 H), 7.52-7.58 (m, 1 H), 7.59-7.66 (m, 1 H), 7.86- 7.79 (m 3 H), 7.96 (d, J=7.7 Hz, 1 H), 12.0 (br s, 1 H)
実施例1 化合物番号1である化合物(N-[4-(4-carbamoylbenzamido)benzene-1-sulfonyl]-D-γ-glutamyl-(4S)-4-amino-L-prolyl-L-leucyl-N-(5-amino-5-oxopentyl)-N2-methyl-L-α-glutamine)の合成
Figure 2022173143000143
(1)
Fmoc-Rink Amide AM resin(0.10 mmol)をピペリジンのDMF溶液(濃度:40%、1.6 mL)で3分間処理した後、ピペリジンのDMF溶液(濃度:20%、1.6 mL)で12分間処理して樹脂のFmocを脱保護した。続いて、Fmoc-Ape-OH(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、COMU(0.40 mmol)及びOxyma(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、DIPEA(0.80 mmol)のNMP(0.4 mL)溶液を加え、室温で40分間振盪し、Ape残基を導入した。同様にしてFmocの脱保護と縮合を繰り返し、具体的には、順次、Fmoc-(N-Me)Glu(OtBu)-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-(2S,4S)-(4-NHBoc)Pro-OH、Fmoc-(d)-Glu-OtBuを縮合し、得られた樹脂のN末端Fmocを上記と同様の方法でピペリジン/DMF処理によって脱保護することで、ペプチドが結合した状態にある樹脂H-γ-(d)-Glu(OtBu)-(2S,4S)-(4-NHBoc)Pro-Leu-(N-Me)Glu(OtBu)-Ape-Rink Amide AM resinを合成した。
(2)
上記(1)で得られた樹脂に、参考例1で得られた4-(4-カルバモイルベンズアミド)ベンゼンスルホニルクロリド(0.30 mmol)、DIPEA (0.60 mmol)のDMF(3 mL)溶液を加え、室温で1時間振盪した。反応終了後、DMF(3 mL×3回)及びクロロホルム(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(3)
上記(2)で得られた樹脂に、TFA:水:トリイソプロピルシラン(92.5:2.5:5、4 mL)を加え、室温で1.5時間振盪し、樹脂をろ過で除いた。ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、析出した白色粉末を遠心分離により沈殿させ、デカンテーションによりジエチルエーテルを除く操作を3回繰り返し、ペプチドの粗体を得た。得られた粗体について、分取LCMS(分取条件B)で精製を行った。溶出液は試験管にて分画し、目的物を含む溶出画分を集めて凍結乾燥することで、標題化合物(46 mg)を白色粉末として得た。
実施例2 化合物番号106である化合物(N2-[4-(4-phenoxybenzamido)butanoyl]-L-asparaginyl-N-[(2S)-4-amino-1-({(2S)-1-[{(2S,3S)-1-[(2S)-2-(2-amino-2-oxoethyl)pyrrolidin-1-yl]-3-methyl-1-oxopentan-2-yl}(methyl)amino]-4-methyl-1-oxopentan-2-yl}amino)-1-oxobutan-2-yl]-L-α-asparagine)の合成
Figure 2022173143000144
(1)
Fmoc-NH-SAL-PEG resin(0.12 mmol)をピペリジンのDMF溶液(濃度:40%、1.9 mL)で3分間処理した後、ピペリジンのDMF溶液(濃度:20%、1.9 mL)で12分間処理して樹脂のFmocを脱保護した。続いて、Fmoc-β-homoPro-OH(0.48 mmol)のDMF(1.0 mL)溶液、COMU(0.48 mmol)及びOxyma(0.48 mmol)のDMF(1.0 mL)溶液、DIPEA(0.96 mmol)のNMP(0.48 mL)溶液を加え、室温で40分間振盪し、β-homoPro残基を導入した。同様にしてFmocの脱保護と縮合を繰り返し、具体的には、順次、Fmoc-(N-Me)Ile-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Dab(Boc)-OH、Fmoc-Asp(OtBu)-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-GABA-OH、4-フェノキシ安息香酸を縮合し、ペプチドが結合した状態にある樹脂Ph-O-Ph-CO-GABA-Asn(Trt)-Asp(OtBu)-Dab(Boc)-Leu-(N-Me)Ile-β-homoPro-NH-SAL-PEG resinを合成した。反応終了後、DMF(3 mL×3回)及びクロロホルム(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(2)
上記(1)で得られた樹脂に、TFA:水:トリイソプロピルシラン:ジチオトレイトール(90:2.5:5:2.5、4 mL)を加え、室温で2時間振盪し、樹脂をろ過で除いた。ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、析出した白色粉末を遠心分離により沈殿させ、デカンテーションによりジエチルエーテルを除く操作を3回繰り返し、ペプチドの粗体を得た。得られた粗体について、分取LCMS(分取条件A)で精製を行った。溶出液は試験管にて分画し、目的物を含む溶出画分を集めて凍結乾燥することで、標題化合物(14 mg)を白色粉末として得た。
実施例3 化合物番号177である化合物(N2-(4-{4-[4-(methylcarbamoyl)phenoxy]benzamido}butanoyl)-L-asparaginyl-L-α-aspartyl-L-alanyl-L-leucyl-L-methionyl-L-prolinamide)の合成
Figure 2022173143000145
(1)
Fmoc-NH-SAL-PEG resin(0.10 mmol)をピペリジンのDMF溶液(濃度:40%、1.6 mL)で3分間処理した後、ピペリジンのDMF溶液(濃度:20%、1.6 mL)で12分間処理して樹脂のFmocを脱保護した。続いて、Fmoc-Pro-OH(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、COMU(0.40 mmol)及びOxyma(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、DIPEA(0.80 mmol)のNMP(0.4 mL)溶液を加え、室温で40分間振盪し、Pro残基を導入した。同様にしてFmocの脱保護と縮合を繰り返し、具体的には、順次、Fmoc-Met-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Asp(OtBu)-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-GABA-OHを縮合し、得られた樹脂のN末端Fmocを上記と同様の方法でピペリジン/DMF処理によって脱保護することで、ペプチドが結合した状態にある樹脂H-GABA-Asn(Trt)-Asp(OtBu)-Ala-Leu-Met-Pro-NH-SAL-PEG resinを合成した。
(2)
上記(1)で得られた樹脂に、4,4’-オキシビス安息香酸(0.75 mmol)、HATU (0.15 mmol)、DIPEA (2.0 mmol)のDMF(3 mL)溶液を加え、室温で2時間振盪した。反応終了後、DMF(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(3)
上記(2)で得られた樹脂に、HATU(0.30 mmol)、DIPEA(0.60 mmol)、及びメチルアミンのメタノール溶液 (濃度: 9.8 mol/L、0.30 mmol)のDMF(3 mL)溶液を加え、室温で4時間撹拌した。反応終了後、DMF(3 mL×3回)及びクロロホルム(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(4)
上記(3)で得られた樹脂に、TFA:水:トリイソプロピルシラン:ジチオトレイトール(90:2.5:5:2.5、4 mL)を加え、室温で2時間振盪し、樹脂をろ過で除いた。ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、析出した白色粉末を遠心分離により沈殿させ、デカンテーションによりジエチルエーテルを除く操作を3回繰り返し、ペプチドの粗体を得た。得られた粗体について、分取LCMS(分取条件A)で精製を行った。溶出液は試験管にて分画し、目的物を含む溶出画分を集めて凍結乾燥することで、標題化合物(30 mg)を白色粉末として得た。
実施例4 化合物番号587である化合物(N-{5-[(4-methylphenyl)ethynyl]thiophene-2-sulfonyl}-β-alanyl-L-asparaginyl-L-α-aspartyl-L-alanyl-L-leucyl-N-methyl-L-methionyl-L-prolinamide)の合成
Figure 2022173143000146
(1)
Fmoc-NH-SAL-PEG resin(0.10 mmol)をピペリジンのDMF溶液(濃度:40%、1.6 mL)で3分間処理した後、ピペリジンのDMF溶液(濃度:20%、1.6 mL)で12分間処理して樹脂のFmocを脱保護した。続いて、Fmoc-Pro-OH(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、COMU(0.40 mmol)及びOxyma(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、DIPEA(0.80 mmol)のNMP(0.4 mL)溶液を加え、室温で40分間振盪し、Pro残基を導入した。同様にしてFmocの脱保護と縮合を繰り返し、具体的には、順次、Fmoc-(N-Me)Met-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Asp(OtBu)-OH、Fmoc-Asn(Trt)-OH、Fmoc-β-Ala-OHを縮合し、得られた樹脂のN末端Fmocを上記と同様の方法でピペリジン/DMF処理によって脱保護することで、ペプチドが結合した状態にある樹脂H-β-Ala-Asn(Trt)-Asp(OtBu)-Ala-Leu-(N-Me)Met-Pro-NH-SAL-PEG resinを合成した。
(2)
上記(1)で得られた樹脂に、5-ブロモチオフェン-2-スルホニルクロリド(0.20 mmol)、DIPEA (0.40 mmol)のDMF(3 mL)溶液を加え、室温で2時間振盪した。反応終了後、DMF(3 mL×3回)及びクロロホルム(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(3)
上記(2)で得られた樹脂に、TFA:水:トリイソプロピルシラン:ジチオトレイトール(90:2.5:5:2.5、4 mL)を加え、室温で2時間振盪し、樹脂をろ過で除いた。ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、析出した白色粉末を遠心分離により沈殿させ、デカンテーションによりジエチルエーテルを除く操作を3回繰り返し、ペプチドの粗体を得た。得られた粗体について、分取LCMS(分取条件B)で精製を行った。溶出液は試験管にて分画し、目的物を含む溶出画分を集めて凍結乾燥することで、5-Br-thiophene-2-SO2-β-Ala-Asn-Asp-Ala-Leu-(N-Me)Met-Pro-NH2(27 mg)を白色粉末として得た。
(4)
上記(3)で得られた化合物をDMF(0.5 mL)に溶解し、4-エチニルトルエン(0.30 mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.01 mmol)、トリエチルアミン(0.18 mmol)、ヨウ化銅 (0.01 mmol)を加え、窒素ガス雰囲気下50℃で5時間加熱撹拌した。室温に放冷後、反応液をDMSOで希釈してろ過した後、分取LCMS(分取条件A)で精製を行った。溶出液は試験管にて分画し、目的物を含む溶出画分を集めて凍結乾燥することで、標題化合物(4 mg)を白色粉末として得た。
実施例5 化合物番号608である化合物(N-[(2S)-4-amino-1-({(2S)-1-[{(2S,3S)-1-[(2S)-2-(2-amino-2-oxoethyl)pyrrolidin-1-yl]-3-methyl-1-oxopentan-2-yl}(methyl)amino]-4-methyl-1-oxopentan-2-yl}amino)-1-oxobutan-2-yl]-N2-[4-(1-phenyl-1H-1,2,3-triazol-4-yl)benzene-1-sulfonyl]-D-glutamine)の合成
Figure 2022173143000147
(1)
Fmoc-Rink Amide AM resin(0.10 mmol)をピペリジンのDMF溶液(濃度:40%、1.6 mL)で3分間処理した後、ピペリジンのDMF溶液(濃度:20%、1.6 mL)で12分間処理して樹脂のFmocを脱保護した。続いて、Fmoc-β-homoPro-OH(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、COMU(0.40 mmol)及びOxyma(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、DIPEA(0.80 mmol)のNMP(0.4 mL)溶液を加え、室温で40分間振盪し、β-homoPro残基を導入した。同様にしてFmocの脱保護と縮合を繰り返して、具体的には、順次、Fmoc-(N-Me)Ile-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Dab(Boc)-OH、Fmoc-(d)-Glu-OtBuを縮合し、得られた樹脂のN末端Fmocを上記と同様の方法でピペリジン/DMF処理によって脱保護することで、ペプチドが結合した状態にある樹脂H-γ-(d)-Glu(OtBu)-Dab(Boc)-Leu-(N-Me)Ile-β-homoPro-Rink Amide AM resinを合成した。
(2)
上記(1)で得られた樹脂に、4-ブロモベンゼンスルホニルクロリド(0.30 mmol)、DIPEA (0.60 mmol)のDMF(2 mL)溶液を加え、室温で2時間振盪した。反応終了後、DMF(2 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(3)
上記(2)で得られた樹脂に、トリメチルシリルアセチレン(0.30 mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.03 mmol)、ヨウ化銅 (0.03 mmol)のDMF(2 mL)溶液を加え、マイクロウェーブ照射下、80℃で30分間加熱撹拌した。反応終了後、DMF(2 mL×3回)及びクロロホルム(2 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
得られた樹脂に、フッ化テトラブチルアンモニウムのテトラヒドロフラン溶液(濃度: 0.33 mol/L、0.50 mmol)を加え、室温で1時間振盪した。反応終了後、DMF(2 mL×3回)及びクロロホルム(2 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(4)
上記(3)で得られた樹脂に、アジドベンゼン(0.20 mmol)、硫酸銅(II)五水和物(0.40 mmol)、アスコルビン酸(0.40 mmol)の水(2 mL)及びtBuOH(1 mL)溶液を加え、マイクロウェーブ照射下、60℃で1時間加熱撹拌した。反応終了後、DMF(2 mL×3回)及びクロロホルム(2 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(5)
上記(4)で得られた樹脂に、TFA:水:トリイソプロピルシラン(92.5:2.5:5、4 mL)を加え、室温で2時間振盪し、樹脂をろ過で除いた。ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、析出した白色粉末を遠心分離により沈殿させ、デカンテーションによりジエチルエーテルを除く操作を3回繰り返し、ペプチドの粗体を得た。得られた粗体について、分取LCMS(分取条件A)で精製を行った。溶出液は試験管にて分画し、目的物を含む溶出画分を集めて凍結乾燥することで、標題化合物(12 mg)を白色粉末として得た。
実施例6 化合物番号634である化合物(N2-(4'-acetyl[1,1'-biphenyl]-4-sulfonyl)-N-[(2S)-1-({(2S)-1-[{(2S,3S)-1-[(2S)-2-(2-amino-2-oxoethyl)pyrrolidin-1-yl]-3-methyl-1-oxopentan-2-yl}(methyl)amino]-4-methyl-1-oxopentan-2-yl}amino)-1-oxopropan-2-yl]-D-asparagine)の合成
Figure 2022173143000148
(1)
Fmoc-NH-SAL-PEG resin(0.10 mmol)をピペリジンのDMF溶液(濃度:40%、1.6 mL)で3分間処理した後、ピペリジンのDMF溶液(濃度:20%、1.6 mL)で12分間処理して樹脂のFmocを脱保護した。続いて、Fmoc-β-homoPro-OH(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、COMU(0.40 mmol)及びOxyma(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、DIPEA(0.80 mmol)のNMP(0.4 mL)溶液を加え、室温で40分間振盪し、β-homoPro残基を導入した。同様にしてFmocの脱保護と縮合を繰り返して、具体的には、順次、Fmoc-(N-Me)Ile-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-(d)-Asp-OtBuを縮合し、得られた樹脂のN末端Fmocを上記と同様の方法でピペリジン/DMF処理によって脱保護することで、ペプチドが結合した状態にある樹脂H-β-(d)-Asp(OtBu)-Ala-Leu-(N-Me)Ile-β-homoPro-NH-SAL-PEG resinを合成した。
(2)
上記(1)で得られた樹脂に、4-ヨードベンゼンスルホニルクロリド(0.30 mmol)、DIPEA (0.60 mmol)のDMF(2 mL)溶液を加え、室温で2時間振盪した。反応終了後、DMF(2 mL×3回)及びクロロホルム(2 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(3)
上記(2)で得られた樹脂に、4-アセチルフェニルボロン酸(0.40 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.03 mmol)、リン酸カリウム (0.50 mmol)の1,4-ジオキサン(1.5 mL)及び水(1.5 mL)溶液を加え、マイクロウェーブ照射下、100℃で30分間加熱撹拌した。反応終了後、DMF(2 mL×3回)及びクロロホルム(2 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(4)
上記(3)で得られた樹脂に、TFA:水:トリイソプロピルシラン(92.5:2.5:5、4 mL)を加えて室温で2時間振盪し、樹脂をろ過で除いた。ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、析出した白色粉末を遠心分離により沈殿させ、デカンテーションによりジエチルエーテルを除く操作を3回繰り返し、ペプチドの粗体を得た。得られた粗体について、分取LCMS(分取条件A)で精製を行った。溶出液は試験管にて分画し、目的物を含む溶出画分を集めて凍結乾燥することで、標題化合物(8 mg)を白色粉末として得た。
実施例7 化合物番号692である化合物(N-[(2S)-3-amino-1-({(2S)-1-[{(2S,3S)-1-[(2S)-2-(2-amino-2-oxoethyl)pyrrolidin-1-yl]-3-methyl-1-oxopentan-2-yl}(methyl)amino]-4-methyl-1-oxopentan-2-yl}amino)-1-oxopropan-2-yl]-N2-[4-(4-methoxybenzamido)benzene-1-sulfonyl]-D-asparagine)の合成
Figure 2022173143000149
(1)
Fmoc-Rink Amide AM resin(0.10 mmol)をピペリジンのDMF溶液(濃度:40%、1.6 mL)で3分間処理した後、ピペリジンのDMF溶液(濃度:20%、1.6 mL)で12分間処理して樹脂のFmocを脱保護した。続いて、Fmoc-β-homoPro-OH(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、COMU(0.40 mmol)及びOxyma(0.40 mmol)のDMF(0.8 mL)溶液、DIPEA(0.80 mmol)のNMP(0.4 mL)溶液を加え、室温で40分間振盪し、β-homoPro残基を導入した。同様にしてFmocの脱保護と縮合を繰り返し、具体的には、順次、Fmoc-(N-Me)Ile-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Dap(Boc)-OH、Fmoc-(d)-Asp-OtBuを縮合し、得られた樹脂のN末端Fmocを上記と同様の方法でピペリジン/DMF処理によって脱保護することで、ペプチドが結合した状態にある樹脂H-γ-(d)-Asp(OtBu)-Dap(Boc)-Leu-(N-Me)Ile-β-homoPro-Rink Amide AM resinを合成した。
(2)
上記(1)で得られた樹脂に、(9H-フルオレン-9-イル)メチル (4-(クロロスルホニル)フェニル)カルバメート(0.30 mmol)、DIPEA (0.60 mmol)の1,4-ジオキサン(3 mL)溶液を加え、室温で1時間振盪した。反応終了後、DMF(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。続いて、ピペリジンのDMF溶液(濃度: 20%、3 mL)及びOxyma(0.01 mmol)を加え、室温で10分間振盪した。
(3)
上記(2)で得られた樹脂に、4-メトキシベンゾイルクロリド(0.30 mmol)、DIPEA (0.60 mmol)の1,4-ジオキサン(2 mL)溶液を加え、室温で3時間振盪した。反応終了後、クロロホルム(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(4)
上記(3)で得られた樹脂に、TFA:水:トリイソプロピルシラン:ジチオトレイトール(90:2.5:5:2.5、4 mL)を加え、室温で2時間振盪し、樹脂をろ過で除いた。ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、析出した白色粉末を遠心分離により沈殿させ、デカンテーションによりジエチルエーテルを除く操作を3回繰り返し、ペプチドの粗体を得た。得られた粗体について、分取LCMS(分取条件A)で精製を行った。溶出液は試験管にて分画し、目的物を含む溶出画分を集めて凍結乾燥することで、標題化合物(12 mg)を白色粉末として得た。
実施例8 化合物番号892である化合物([(2S,5S,8S,20S)-8-[{(2S,3S)-1-[(2S)-2-(2-amino-2-oxoethyl)pyrrolidin-1-yl]-3-methyl-1-oxopentan-2-yl}(methyl)carbamoyl]-5-methyl-3,6,14,17,21-pentaoxo-20-{4-[(4-phenoxybenzene-1-sulfonyl)amino]butanamido}-1,4,7,13,16-pentaazacyclohenicosan-2-yl]acetic acid)の合成
Figure 2022173143000150
(1)
Fmoc-NH-SAL-PEG resin(0.12 mmol)をピペリジンのDMF溶液(濃度:40%、1.9 mL)で3分間処理した後、ピペリジンのDMF溶液(濃度:20%、1.9 mL)で12分間処理して樹脂のFmocを脱保護した。続いて、Fmoc-β-homoPro-OH(0.48 mmol)のDMF(1.0 mL)溶液、COMU(0.48 mmol)及びOxyma(0.48 mmol)のDMF(1.0 mL)溶液、DIPEA(0.96 mmol)のNMP(0.48 mL)溶液を加え、室温で40分間振盪し、β-homoPro残基を導入した。同様にしてFmocの脱保護と縮合を繰り返し、具体的には、順次、Fmoc-(N-Me)Ile-OH、Fmoc-Lys(Dde)-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Asp(OtBu)-OH、Fmoc-Glu(OAllyl)-OH、Fmoc-GABA-OHを縮合し、得られた樹脂のN末端Fmocを上記と同様の方法でピペリジン/DMF処理によって脱保護することで、ペプチドが結合した状態にある樹脂H-GABA-Glu(OAllyl)-Asp(OtBu)-Ala-Lys(Dde)-(N-Me)Ile-β-homoPro-SAL-PEG resinを合成した。
(2)
上記(1)で得られた樹脂に、4-フェノキシベンゼンスルホニルクロリド(0.36 mmol)、DIPEA (0.72 mmol)のDMF(3 mL)溶液を加え、室温で1.5時間振盪した。反応終了後、DMF(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した
(3)
上記(2)で得られた樹脂に、ヒドラジン一水和物のDMF溶液(濃度:5%、3 mL)及びアリルアルコール(3.1 mmol)を加え、室温で30分間振盪し、Lys側鎖のDdeを脱保護した。続いて、Fmoc-Gly-OH(0.48 mmol)、COMU(0.48 mmol)、Oxyma(0.48 mmol)、及びDIPEA(0.96 mmol)のDMF(3 mL)溶液を加え、室温で30分間振盪し、Gly残基を導入した。反応終了後、DMF(3 mL×3回)及びクロロホルム(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(4)
上記(3)で得られた樹脂に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.12 mmol)、フェニルシラン(0.60 mmol)のクロロホルム(4 mL)溶液を加え、室温で1.5時間振盪し、Glu側鎖のAllylを脱保護した。続いて、ピペリジンのDMF溶液(濃度: 20%、3 mL)を加え、室温で30分間振盪し、Fmocを脱保護した。反応終了後、DMF(3 mL×5回)で得られた樹脂を洗浄した。
(5)
上記(4)で得られた樹脂に、PyBOP(0.36 mmol)、DIPEA(0.12 mmol)のDMF(4 mL)溶液を加え、室温で2時間振盪した。反応終了後、DMF(3 mL×3回)及びクロロホルム(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(6)
上記(5)で得られた樹脂に、TFA:水:トリイソプロピルシラン:ジチオトレイトール(90:2.5:5:2.5、4 mL)を加えて室温で2時間振盪し、樹脂をろ過で除いた。ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、析出した白色粉末を遠心分離により沈殿させ、デカンテーションによりジエチルエーテルを除く操作を3回繰り返し、ペプチドの粗体を得た。得られた粗体について、分取LCMS(分取条件A)で精製を行った。溶出液は試験管にて分画し、目的物を含む溶出画分を集めて凍結乾燥することで、標題化合物(10 mg)を白色粉末として得た。
実施例9 化合物番号903である化合物((2S,5S,32R)-2-{[(2S)-1-({(2S)-1-[{(2S,3S)-1-[(2S)-2-(2-amino-2-oxoethyl)pyrrolidin-1-yl]-3-methyl-1-oxopentan-2-yl}(methyl)amino]-4-methyl-1-oxopentan-2-yl}amino)-1-oxopropan-2-yl]carbamoyl}-4,11,20,29,34-pentaoxo-5-{4-[(4-phenoxybenzene-1-sulfonyl)amino]butanamido}-13,16,22,25-tetraoxa-3,10,19,28,33-pentaazaoctatetracontane-1,32,48-tricarboxylic acid)の合成
Figure 2022173143000151
(1)
Fmoc-Rink Amide AM resin(0.12 mmol)をピペリジンのDMF溶液(濃度:40%、1.9 mL)で3分間処理した後、ピペリジンのDMF溶液(濃度:20%、1.9 mL)で12分間処理して樹脂のFmocを脱保護した。続いて、Fmoc-β-homoPro-OH(0.48 mmol)のDMF(1.0 mL)溶液、COMU(0.48 mmol)及びOxyma(0.48 mmol)のDMF(1.0 mL)溶液、DIPEA(0.96 mmol)のNMP(0.48 mL)溶液を加え、室温で40分間振盪し、β-homoPro残基を導入した。同様にしてFmocの脱保護と縮合を繰り返し、具体的には、順次、Fmoc-(N-Me)Ile-OH、Fmoc-Leu-OH、Fmoc-Ala-OH、Fmoc-Asp(OtBu)-OH、Fmoc-Lys(Dde)-OH、Fmoc-GABA-OHを縮合し、得られた樹脂のN末端Fmocを上記と同様の方法でピペリジン/DMF処理によって脱保護することで、ペプチドが結合した状態にある樹脂H-GABA-Lys(Dde)-Asp(OtBu)-Ala-Leu-(N-Me)Ile-β-homoPro-Rink Amide AM resinを合成した。
(2)
上記(1)で得られた樹脂に、4-フェノキシベンゼンスルホニルクロリド(0.36 mmol)、DIPEA (0.72 mmol)のDMF(3 mL)溶液を加え、室温で2時間振盪した。反応終了後、DMF(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(3)
上記(2)で得られた樹脂に、ヒドラジン一水和物のDMF溶液(濃度:5%、3 mL)を加え、室温で30分間振盪する操作を4回繰り返し、Lys側鎖のDdeを脱保護した。得られた樹脂に対し、縮合と脱Fmocを繰り返し、具体的には、順次、Fmoc-Adox-OH、Fmoc-Adox-OH、Fmoc-Glu-OtBuを縮合し、Lys側鎖にペプチドを伸長した。Lys側鎖のN末端Fmocをピペリジン/DMF処理によって脱保護した。
(4)
上記(3)で得られた樹脂に、ヘキサデカンジオン酸(0.96 mmol)、COMU(0.18 mmol)、Oxyma(0.18 mmol)、DIPEA(0.96 mmol)のDMF(3 mL)溶液を加え、室温で1時間振盪した。反応終了後、DMF(3 mL×4回)及びクロロホルム(3 mL×3回)で得られた樹脂を洗浄した。
(5)
上記(4)で得られた樹脂に、TFA:水:トリイソプロピルシラン:ジチオトレイトール(90:2.5:5:2.5、4 mL)を加え、室温で2時間振盪し、樹脂をろ過で除いた。ろ液に冷却したジエチルエーテルを加え、析出した白色粉末を遠心分離により沈殿させ、デカンテーションによりジエチルエーテルを除く操作を3回繰り返し、ペプチドの粗体を得た。得られた粗体について、分取LCMS(分取条件A)で精製を行った。溶出液は試験管にて分画し、目的物を含む溶出画分を集めて凍結乾燥することで、標題化合物(29 mg)を白色粉末として得た。
式[I’-1]で表される、実施例1又は実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000152
Figure 2022173143000153
Figure 2022173143000154
式[I’-2]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000155
Figure 2022173143000156
式[I’-3]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000157
Figure 2022173143000158
式[I’-4]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000159
Figure 2022173143000160
式[I’-5]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000161
Figure 2022173143000162
式[I’-6]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000163
Figure 2022173143000164
式[I’-7]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000165
Figure 2022173143000166
式[I’-8]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000167
Figure 2022173143000168
Figure 2022173143000169
Figure 2022173143000170
式[I’-9]で表される、実施例2又は実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000171
Figure 2022173143000172
Figure 2022173143000173
Figure 2022173143000174
Figure 2022173143000175
Figure 2022173143000176
式[I’-10]で表される、実施例9と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000177
Figure 2022173143000178
式[I’-9]で表される、実施例2又は実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000179
Figure 2022173143000180
式[I’-9]で表される、実施例3又は実施例3と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000181
Figure 2022173143000182
Figure 2022173143000183
式[I’-11]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000184
Figure 2022173143000185
式[I’-12]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000186
Figure 2022173143000187
式[I’-13]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000188
Figure 2022173143000189
式[I’-14]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000190
Figure 2022173143000191
Figure 2022173143000192
Figure 2022173143000193
Figure 2022173143000194
Figure 2022173143000195
式[I’-15]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000196
Figure 2022173143000197
式[I’-14]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000198
Figure 2022173143000199
Figure 2022173143000200
Figure 2022173143000201
Figure 2022173143000202
Figure 2022173143000203
Figure 2022173143000204
Figure 2022173143000205
Figure 2022173143000206
Figure 2022173143000207
Figure 2022173143000208
Figure 2022173143000209
Figure 2022173143000210
Figure 2022173143000211
式[I’-16]で表される、実施例4又は実施例4と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000212
Figure 2022173143000213
式[I’-17]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000214
Figure 2022173143000215
式[I’-18]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000216
Figure 2022173143000217
式[I’-19]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000218
Figure 2022173143000219
式[I’-20]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000220
Figure 2022173143000221
式[I’-21]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000222
Figure 2022173143000223

式[I’-22]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000224
Figure 2022173143000225
式[I’-23]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000226
Figure 2022173143000227
式[I’-24]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000228
Figure 2022173143000229
式[I’-25]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000230
Figure 2022173143000231
式[I’-26]で表される、実施例2と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000232
Figure 2022173143000233
式[I’-27]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000234
Figure 2022173143000235
式[I’-28]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000236
Figure 2022173143000237
式[I’-29]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000238
Figure 2022173143000239
式[I’-30]で表される、実施例5に記載の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000240
Figure 2022173143000241
式[I’-31]で表される、実施例5と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000242
Figure 2022173143000243
式[I’-32]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000244
Figure 2022173143000245
Figure 2022173143000246
Figure 2022173143000247
式[I’-32]で表される、実施例6又は実施例6と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000248
Figure 2022173143000249
Figure 2022173143000250
式[I’-33]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000251
Figure 2022173143000252
式[I’-34]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000253
Figure 2022173143000254
Figure 2022173143000255
Figure 2022173143000256
Figure 2022173143000257
式[I’-34]で表される、実施例7又は実施例7と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000258
Figure 2022173143000259
式[I’-35]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000260
Figure 2022173143000261
Figure 2022173143000262
Figure 2022173143000263
Figure 2022173143000264
Figure 2022173143000265
Figure 2022173143000266
式[I’-36]で表される、実施例1と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000267
Figure 2022173143000268
Figure 2022173143000269
Figure 2022173143000270
Figure 2022173143000271
Figure 2022173143000272
Figure 2022173143000273
Figure 2022173143000274
Figure 2022173143000275
式[I’-37]で表される、実施例8又は実施例8と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000276
Figure 2022173143000277
式[I’-38]で表される、実施例9又は実施例9と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000278
Figure 2022173143000279
式[I’-39]で表される、実施例9と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000280
Figure 2022173143000281
Figure 2022173143000282
Figure 2022173143000283
Figure 2022173143000284
式[I’-40]で表される、実施例9と同様の方法で合成した化合物の構造を以下の表に示す。
Figure 2022173143000285

(上記式[I’-40]中、
下記式[VII-2]
Figure 2022173143000286
で表される構造は、
前記式[I’]で表される化合物において、「1~3個のアミノ酸からなるリンカー」であるWに相当し、
ここで、
AAWC1、AAWC2、AAWC4、及びAAWC5は、単結合及び(d)-Lysからなる群からそれぞれ同一に又は異なって選ばれ、
AAWC3は、Lys又は(d)-Lysであり、
AAWCSは、単結合又は(d)-Lysである。)
Figure 2022173143000287
本発明化合物の高速液体クロマトグラフィーマススペクトル(LCMS)、保持時間(RT)、及び分析条件を以下の表に示す。
Figure 2022173143000288
Figure 2022173143000289
Figure 2022173143000290
Figure 2022173143000291
Figure 2022173143000292
Figure 2022173143000293
Figure 2022173143000294
Figure 2022173143000295
Figure 2022173143000296
Figure 2022173143000297
Figure 2022173143000298
Figure 2022173143000299
Figure 2022173143000300
Figure 2022173143000301
Figure 2022173143000302
Figure 2022173143000303
Figure 2022173143000304
Figure 2022173143000305
Figure 2022173143000306
Figure 2022173143000307
Figure 2022173143000308
Figure 2022173143000309
Figure 2022173143000310
Figure 2022173143000311
Figure 2022173143000312
Figure 2022173143000313
本発明化合物のMMP2に対する阻害作用を、以下の試験例1-1~1-2に記載した方法により測定した。
試験例1-1:本発明の各化合物の、ヒトMMP2に対する阻害作用評価試験(方法1)
各化合物のヒトMMP2阻害作用を、基質としてMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を用いた酵素アッセイによって測定した。100 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP2酵素と1 mmol/L 4-Aminophenylmercuric acetateを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、150 mmol/L NaCl、10 mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で混和し、37℃で60分間反応させた。反応により活性化したヒトMMP2を最終濃度0.7又は7 ng/mLとなるよう、96ウェルマイクロプレートに注いだ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で15分間静置した。次いで、MOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を最終濃度5又は16 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始した。室温で2時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 400 nm)をマイクロプレートリーダーで測定した。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出した。
酵素阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
試験例1-2:本発明の各化合物の、ヒトMMP2に対する阻害作用評価試験(方法2)
各化合物のヒトMMP2阻害作用を、基質としてMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を用いて酵素アッセイによって測定した。12.5 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP2酵素と1 mmol/L 4-Aminophenylmercuric acetateを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、150 mmol/L NaCl、10 mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で混和し、37℃で60分間反応させた。反応により活性化したヒトMMP2を最終濃度7又は2.8 ng/mLとなるよう、384ウェルマイクロプレートに注いだ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で10分間静置した。次いで、MOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を最終濃度16又は5 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始した。室温で1~2時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 405 nm)をマイクロプレートリーダーで測定した。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出した。
酵素阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
本発明化合物のヒトMMP2酵素活性に対する阻害作用の結果を以下の表に示す。
Figure 2022173143000314







Figure 2022173143000315









Figure 2022173143000316









Figure 2022173143000317








Figure 2022173143000318









Figure 2022173143000319









Figure 2022173143000320









Figure 2022173143000321









Figure 2022173143000322









Figure 2022173143000323









Figure 2022173143000324









Figure 2022173143000325









Figure 2022173143000326









Figure 2022173143000327









Figure 2022173143000328









Figure 2022173143000329









Figure 2022173143000330
また、本発明化合物の各MMPに対する阻害作用は、試験例2~9に記載した方法で測定することができる。
試験例2:本発明の各化合物の、ヒトMMP1に対する阻害作用評価試験
各化合物のヒトMMP1阻害作用を、基質としてMOCAc-Lys-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を用いた酵素アッセイによって測定する。50 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP1酵素と1 mmol/L 4-Aminophenylmercuric acetateを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、150 mmol/L NaCl、10 mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で混和し、37℃で120分間反応させる。反応により活性化したヒトMMP1を最終濃度8 ng/mLとなるよう、96ウェルマイクロプレートに注ぐ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で15分間静置する。次いで、MOCAc-Lys-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を最終濃度11 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始する。室温で1時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 400 nm)をマイクロプレートリーダーで測定する。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出する。
酵素阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
試験例3:本発明の各化合物の、ヒトMMP3に対する阻害作用評価試験
各化合物のヒトMMP3阻害作用を、基質としてMOCAc-Arg-Pro-Lys-Pro-Val-Glu-Nva-Trp-Arg-Lys(Dnp)-NH2を用いた酵素アッセイによって測定する。3 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP3酵素と5 μg/mL Chymotrypsinを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、150 mmol/L NaCl、10 mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で混和する。37℃で30分間反応させた後、PMSFを2 mmol/Lになるよう添加し反応を停止させる。反応により活性化したヒトMMP3を最終濃度52 ng/mLとなるよう、96ウェルマイクロプレートに注ぐ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で15分間静置する。次いで、MOCAc-Arg-Pro-Lys-Pro-Val-Glu-Nva-Trp-Arg-Lys(Dnp)-NH2を最終濃度26 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始する。室温で1時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 400 nm)をマイクロプレートリーダーで測定する。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出する。
酵素阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
試験例4:本発明の各化合物の、ヒトMMP7に対する阻害作用評価試験
各化合物のヒトMMP7阻害作用を、基質としてMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を用いた酵素アッセイによって測定する。50 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP7酵素と1 mmol/L 4-Aminophenylmercuric acetateを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、150 mmol/L NaCl、10 mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で混和し、37℃で60分間反応させる。反応により活性化したヒトMMP7を最終濃度18 ng/mLとなるよう、96ウェルマイクロプレートに注ぐ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で15分間静置する。次いで、MOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を最終濃度22 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始する。室温で1時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 400 nm)をマイクロプレートリーダーで測定する。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出する。
酵素阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
試験例5:本発明の各化合物の、ヒトMMP8に対する阻害作用評価試験
各化合物のヒトMMP8阻害作用を、基質としてMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を用いた酵素アッセイによって測定する。100 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP8酵素と1 mmol/L 4-Aminophenylmercuric acetateを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、150 mmol/L NaCl、10 mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で混和し、37℃で60分間反応させる。反応により活性化したヒトMMP8を最終濃度149 ng/mLとなるよう、96ウェルマイクロプレートに注ぐ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で15分間静置する。次いで、MOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を最終濃度25 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始する。室温で1時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 400 nm)をマイクロプレートリーダーで測定する。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出する。
酵素阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
試験例6:本発明の各化合物の、ヒトMMP9に対する阻害作用評価試験
各化合物のヒトMMP9阻害作用を、基質としてMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を用いた酵素アッセイによって測定する。50 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP9酵素と1 mmol/L 4-Aminophenylmercuric acetateを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、150 mmol/L NaCl、10 mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で混和し、37℃で24時間反応させる。反応により活性化したヒトMMP9を最終濃度58 ng/mLとなるよう、96ウェルマイクロプレートに注ぐ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で15分間静置する。次いで、MOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を最終濃度3 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始する。室温で1時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 400 nm)をマイクロプレートリーダーで測定する。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出する。
酵素阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
試験例7:本発明の各化合物の、ヒトMMP12に対する阻害作用評価試験
各化合物のヒトMMP12阻害作用を、基質としてMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を用いた酵素アッセイによって測定した。50 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP12酵素と1 mmol/L 4-Aminophenylmercuric acetateを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、150 mmol/L NaCl、10 mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で混和し、37℃で4又は24時間反応させた。反応により活性化したヒトMMP12を最終濃度17又は5.2 ng/mLとなるよう、96ウェルマイクロプレートに注いだ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で15分間静置した。次いで、MOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を最終濃度5又は14 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始した。室温で1時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 400 nm)をマイクロプレートリーダーで測定した。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出した。
酵素阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
各発明化合物のヒトMMP12酵素活性に対する阻害作用の結果を以下の表に示す。
Figure 2022173143000331
試験例8:本発明の各化合物の、ヒトMMP13に対する阻害作用評価試験
各化合物のヒトMMP13阻害作用を、基質としてMOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を用いた酵素アッセイによって測定した。50 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP13酵素と1 mmol/L 4-Aminophenylmercuric acetateを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、150 mmol/L NaCl、10 mmol/L CaCl2、0.05% Brij L23]中で混和し、37℃で2時間反応させた。反応により活性化したヒトMMP13を最終濃度5 ng/mLとなるよう、96ウェルマイクロプレートに注いだ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で15分間静置した。次いで、MOCAc-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を最終濃度6 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始した。室温で1時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 400 nm)をマイクロプレートリーダーで測定した。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出した。
酵素阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
各発明化合物のヒトMMP13酵素活性に対する阻害作用の結果を以下の表に示す。
Figure 2022173143000332
試験例9:本発明の各化合物の、ヒトMMP14に対する阻害作用評価試験
各化合物のヒトMMP14阻害作用を、基質としてMOCAc-Lys-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を用いた酵素アッセイによって測定する。100 μg/mLのヒトのリコンビナントMMP14酵素と5 μg/mL trypsinを反応液[50 mmol/L Tris-HCl(pH 7.5)、200 mmol/L NaCl、5 mmol/L CaCl2、20μmol/L ZnSO4、0.05% Brij L23]中で混和する。室温で25分間反応させた後、トリプシンインヒビターを25 μg/mLになるよう添加し反応を停止させる。反応により活性化したヒトMMP14を最終濃度6 ng/mLとなるよう、96ウェルマイクロプレートに注ぐ。更に種々の濃度に希釈した本発明の各化合物を添加し、室温で15分間静置する。次いで、MOCAc-Lys-Pro-Leu-Gly-Leu-A2pr(Dnp)-Ala-Arg-NH2を最終濃度5 μmol/Lとなるよう添加し、酵素反応を開始する。室温で1時間反応させた後、蛍光強度(Ex 320 nm/Em 400 nm)をマイクロプレートリーダーで測定する。測定した蛍光値を用いて酵素阻害率(%)を下記の式に従って算出し、各発明化合物の50%阻害濃度(IC50値)を算出する。
酵素阻害率(%)=[1-(A-B)/(C-B)]*100
A:化合物添加時の蛍光値
B:化合物および酵素非添加時の蛍光値
C:化合物非添加時の蛍光値
本発明の化合物はMMP2を阻害する優れた作用を有し、本発明により癌疾患及び臓器線維症、並びに癌疾患及び臓器線維症に関連する症状の予防又は治療に有効な医薬品を提供することが可能となり、患者の負担を軽減し、医薬品産業の発達に寄与することが期待される。

Claims (10)

  1. 下記式[I’]
    Figure 2022173143000333
    (上記式[I’]中、
    AAは、
    Asp、
    β-Asp、β-(d)-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Glu
    を示し、

    AAは、
    Ala、
    下記式[IV-7]、[IV-8]、[IV-9]、[IV-11]、[IV-12]、[IV-13]
    Figure 2022173143000334
    で表される基、
    下記式[IV-27]
    Figure 2022173143000335
    で表される基、
    Pro、下記式[II-1]及び[II-2]
    Figure 2022173143000336
    で表される基からなる群から選択される一個の基を示し、
    ここで、RAA2は、ヒドロキシ又はアミノを示し、

    また、AA及びAAは一緒になって、下記式[IV-32]
    Figure 2022173143000337
    で表される構造を取ってもよく、

    AAは、
    Val、Leu、Ile、下記式[IV-2]
    Figure 2022173143000338
    で表される基、
    Phe、Trp、
    Tyr、Lys、下記式[IV-3]、[IV-4]、[IV-5]
    Figure 2022173143000339
    で表される基、及び
    下記式[IV-9]
    Figure 2022173143000340
    で表される基からなる群から選択される一個の基
    を示し、

    AAは、
    単結合、
    Gly、(d)-Ala、(N-Me)Ala、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、
    Pro、(d)-Pro、
    (N-Me)Phe、(d)-Phe、
    (N-Me)Tyr、(d)-Tyr、
    (N-Me)Ser、(d)-Ser、homoSer、(d)-Thr、
    Met、(N-Me)Met、
    (N-Me)Asp、Glu、(N-Me)Glu、(d)-(N-Me)Glu、homoGlu、
    (N-Me)Asn、
    (N-Me)Arg、(d)-Arg、
    下記式[IV-7]、[IV-9]、[IV-13]
    Figure 2022173143000341
    で表される基、
    Lys、及び(N-Me)Lysからなる群から選択される一個の基
    を示し、
    ここで、AAがLysを表す場合、
    該Lysの側鎖のアミノは末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルで置換されてもよく、

    AAは、
    単結合、
    Ala、下記式[IV-1]
    Figure 2022173143000342
    で表される基、
    下記式[IV-27]、[IV-28]、[IV-29]
    Figure 2022173143000343
    で表される基、
    Pro、(d)-Pro、β-homoPro、homoPro、下記式[II-1’]
    Figure 2022173143000344
    で表される基、
    Phe、His、
    Thr、
    Arg、(d)-Arg、
    下記式[IV-7]、[IV-9]、[IV-13]
    Figure 2022173143000345
    で表される基、
    Lys、(d)-Lys、
    β-Ala、(N-Me)-β-Ala、GABA、Ape、Acp、
    下記式[III-6]~[III-13]
    Figure 2022173143000346
    で表される基、
    下記式[IV-25]及び[IV-26]
    Figure 2022173143000347
    で表される基からなる群から選択される一個の基
    を示し、

    は、-L-又は-L’-L”-を示し、
    は、単結合を示し、
    ’は、
    単結合、
    β-Ala、GABA、(N-Me)GABA、Ape、Acp、
    下記式[III-6]~[III-13]
    Figure 2022173143000348
    で表される基、
    下記式[IV-23]及び[IV-24]
    Figure 2022173143000349
    で表される基からなる群から選択される一個の基
    を示し、

    ”は、
    単結合、
    Gly、(N-Me)Gly、
    Ala、(N-Me)Ala、(d)-Ala、Val、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、
    下記式[IV-27]
    Figure 2022173143000350
    で表される基、
    Pro、(d)-Pro、homoPro、Phe、(N-Me)Phe、(d)-Phe、
    His、(d)-His、Trp、(N-Me)Trp、(d)-Trp、
    Tyr、(N-Me)Tyr、(d)-Tyr、
    (d)-Ser、homoSer、Thr、(N-Me)Thr、(d)-Thr、
    Cys、(d)-Cys、Met、(N-Me)Met、
    (N-Me)Asp、Glu、(N-Me)Glu、(d)-Glu、
    Asn、(N-Me)Asn、(d)-Asn、Gln、(N-Me)Gln、(d)-Gln、
    Arg、(N-Me)Arg、(d)-Arg、Cit、(d)-Cit、
    下記式[IV-7]、[IV-9]、[IV-10]、[IV-13]
    Figure 2022173143000351
    で表される基、
    Lys、(N-Me)Lys、(d)-Lys、下記式[IV-14]
    Figure 2022173143000352
    で表される基、
    β-Ala、
    β-Asp、β-(d)-Asp、
    下記式[III-6]及び[III-7]
    Figure 2022173143000353
    で表される基からなる群から選択される一個の基
    を示し、
    ここで、L”がLys又は(d)-Lysを表す場合、
    該Lys及び(d)-Lysの側鎖のアミノは下記式[VII-1]で表される基で置換されてもよく、
    Figure 2022173143000354
    前記式[VII-1]中、
    FAは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルを示し、

    AAN5は、
    単結合、
    Arg、(d)-Arg、
    Lys、(d)-Lys、
    γ-Glu、又は
    下記式[IV-24]
    Figure 2022173143000355
    で表される基
    を示し、
    AAN4は、
    単結合、
    Arg、(d)-Arg、
    Lys、(d)-Lys、又は
    下記式[IV-24]
    Figure 2022173143000356
    で表される基
    を示し、
    AAN3は、
    単結合、
    Arg、(d)-Arg、
    Lys、(d)-Lys、
    γ-Glu、又は
    下記式[IV-24]
    Figure 2022173143000357
    で表される基
    を示し、
    AAN2は、
    単結合、又は
    (d)-Lys
    を示し、
    AAN1は、
    単結合、又は
    (d)-Lys
    を示し、

    また、L”がGluで表される場合であって、かつ、AAがLysで表される場合、
    前記式[I’]で表される化合物は、下記式[I’-α]で表される通り、当該2つのアミノ酸の側鎖の官能基とそれぞれ結合しているLと一緒になって環状構造を形成することができ、
    このとき、該Lは、Gly、β-Ala、又はGABAを示し、
    Figure 2022173143000358

    N1は、式-C(=O)-又は式-S(=O)-を示し、
    N2は、
    単結合、
    1-3アルカンジイル、
    2-3アルケンジイル、
    エチンジイル、
    式-O-、
    式-C(=O)-、式-C(=O)-NH-、又は
    トリアゾールジイル
    を示し、
    は、単結合を示し、

    環Aは、芳香環又はヘテロ芳香環を示し、

    A1、RA2は、独立して、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    1-6アルキル、又は
    1-6アルコキシ
    を示し、

    環Bは、
    アリール又はヘテロアリールを示し、

    B1、RB2、RB3は、独立して、
    水素原子、
    カルバモイル、
    シアノ、
    ハロゲン原子、
    1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、
    1-6アルコキシ(該C1-6アルコキシは、1個のヒドロキシで置換されてもよい。)、ハロC1-6アルコキシ、
    1-6アルキルカルボニル、
    1-6アルキルカルボニルアミノ、
    モノC1-6アルキルアミノカルボニル、ジC1-6アルキルアミノカルボニル
    (該モノC1-6アルキルアミノカルボニル及びジC1-6アルキルアミノカルボニル中のアルキルは、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、及びアミノからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい。)、
    1-6アルキルスルホニル、又は
    アリール
    を示し、

    は、単結合又は1~3個のアミノ酸からなるリンカーであって、
    ここで、該リンカーを形成する1~3個のアミノ酸は、
    Gly、
    Pro、
    Arg、(d)-Arg、
    Lys、(d)-Lys、
    β-Ala、GABA、及びApe
    からなる群からそれぞれ同一に又は異なって選ばれ、
    ここで、Wで表される基にLys又は(d)-Lysが含まれている場合、
    該Lys及び(d)-Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニル、Lys(該Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルで置換されてもよい。)、又は
    (d)-Lys(該(d)-Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルで置換されてもよい。)で
    置換されてもよく、

    は、式-OH、式-NH
    1-6アルキルアミノ(該C1-6アルキルアミノのC1-6アルキルは、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキコキシ、及び1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい。)、又は
    1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリル(該1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリルは、ヒドロキシ、アミノ、及びC1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のカルバモイルで置換されてもよい。)からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよく、
    そして、該1個の窒素原子を含み、さらに1個のヘテロ原子を含んでもよい4から7員の飽和のヘテロシクリルの中の2個の炭素原子は、C1-4アルカンジイルで架橋されてもよい。)である。)
    で表される、置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  2. が、
    単結合、
    Pro、
    Arg、(d)-Arg、
    Lys、(d)-Lys、
    β-Ala、GABA、Ape、
    Gly-(d)-Lys、Gly-(d)-Lys-(d)-Lys、Gly-(d)-Lys-(d)-Arg、Gly-(d)-Arg-(d)-Lys、
    Lys-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys-(d)-Lys、
    Arg-Arg、(d)-Arg-(d)-Arg、(d)-Arg-(d)-Lys、
    Lys-(d)-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys-Lys、
    β-Ala-(d)-Lys、β-Ala-(d)-Lys-(d)-Arg、β-Ala-(d)-Arg-(d)-Lys、又はβ-Ala-(d)-Arg-(d)-Arg
    であって、
    ここで、Wで表される基にLysが含まれている場合、
    該Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニル又は
    (d)-Lys(該(d)-Lysの側鎖のアミノは、末端がカルボキシで置換されているC2-16アルキルカルボニルで置換されてもよい。)で
    置換されてもよい、
    請求項1に記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  3. 環Aが、ベンゼン環、チオフェン環、又はピリジン環であり、

    A1、RA2が、独立して、
    水素原子、又は
    ハロゲン原子
    であり、

    環Bが、
    フェニル、オキサゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、又はベンゾフラニルであり、

    B1、RB2、RB3が、独立して、
    水素原子、
    カルバモイル、
    シアノ、
    ハロゲン原子、
    1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のヒドロキシで置換されてもよい。)、ハロC1-6アルキル、
    1-6アルコキシ(該C1-6アルコキシは、1個のヒドロキシで置換されてもよい。)、ハロC1-6アルコキシ、
    1-6アルキルカルボニル、
    モノC1-6アルキルアミノカルボニル、ジC1-6アルキルアミノカルボニル
    (該モノC1-6アルキルアミノカルボニル及びジC1-6アルキルアミノカルボニル中のアルキルは、ヒドロキシ、カルボキシ、カルバモイル、及びアミノからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい。)、又は
    1-6アルキルスルホニル
    であり、

    が、式-OH、式-NH
    1-6アルキルアミノ(該C1-6アルキルアミノのC1-6アルキルは、ヒドロキシ、アミノ、C1-6アルキコキシ、及びモルホリニルからなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよい。)、
    アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、又はピペラジニル(該アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、及びピペラジニルは、ヒドロキシ、アミノ、及びC1-6アルキル(該C1-6アルキルは、1個のカルバモイルで置換されてもよい。)からなる群から選ばれる1個の基で置換されてもよく、
    そして、該アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、及びピペラジニルの中の2個の炭素原子は、C1-4アルカンジイルで架橋されてもよい。)である、
    請求項1又は2に記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  4. 前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドにおいて、

    環Aが、ベンゼン環であり、
    環Bが、フェニルであり、

    ”が、
    単結合、
    Gly、(N-Me)Gly、
    Ala、(N-Me)Ala、(d)-Ala、Val、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、
    下記式[IV-27]
    Figure 2022173143000359
    で表される基、
    Pro、(d)-Pro、homoPro、Phe、(N-Me)Phe、(d)-Phe、
    His、(d)-His、Trp、(N-Me)Trp、(d)-Trp、
    Tyr、(N-Me)Tyr、(d)-Tyr、
    (d)-Ser、homoSer、Thr、(N-Me)Thr、(d)-Thr、
    Cys、(d)-Cys、Met、(N-Me)Met、
    (N-Me)Asp、Glu、(N-Me)Glu、(d)-Glu、
    Asn、(N-Me)Asn、(d)-Asn、Gln、(N-Me)Gln、(d)-Gln、
    Arg、(N-Me)Arg、(d)-Arg、Cit、(d)-Cit、
    下記式[IV-7]、[IV-9]、[IV-10]、[IV-13]
    Figure 2022173143000360
    で表される基、
    Lys、(N-Me)Lys、(d)-Lys、下記式[IV-14]
    Figure 2022173143000361
    で表される基、
    β-Ala、
    β-Asp、β-(d)-Asp、
    下記式[III-6]及び[III-7]
    Figure 2022173143000362
    で表される基からなる群から選択される一個の基
    であり、
    が、
    単結合、
    Pro、
    Arg、(d)-Arg、
    Lys、(d)-Lys、
    β-Ala、GABA、Ape、
    Gly-(d)-Lys、Gly-(d)-Lys-(d)-Lys、Gly-(d)-Lys-(d)-Arg、Gly-(d)-Arg-(d)-Lys、
    Lys-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys-(d)-Lys、
    Arg-Arg、(d)-Arg-(d)-Arg、(d)-Arg-(d)-Lys、
    Lys-(d)-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-Lys-(d)-Lys、(d)-Lys-(d)-Lys-Lys、
    β-Ala-(d)-Lys、β-Ala-(d)-Lys-(d)-Arg、β-Ala-(d)-Arg-(d)-Lys、又はβ-Ala-(d)-Arg-(d)-Arg
    である、請求項1~3のいずれか1項に記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  5. 前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドにおいて、

    AAが、下記式[II-1]
    Figure 2022173143000363
    で表される基、
    下記式[IV-7]、[IV-8]、[IV-9]、[IV-11]、及び[IV-12]
    Figure 2022173143000364
    で表される基からなる群から選択される一個の基であり、
    ここで、RAA2は、アミノであり、

    AAが、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、

    AAが、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、

    AAが、β-Ala、GABA、Ape、Acp、Pro、(d)-Pro、又はβ-homoProであり、

    が、単結合、Arg、(d)-Arg、Lys、又は(d)-Lysであり、

    が、式-OH又は式-NH

    である、請求項1~4のいずれか1項に記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  6. 前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドにおいて、
    が、-L’-L”-であり、
    が、単結合であり、

    AAが、Aspであり、

    ’が、β-Ala、GABA、Ape、Acp、下記式[IV-23]及び[IV-24]
    Figure 2022173143000365
    で表される基からなる群から選択される一個の基
    であり、
    ”が、単結合、Asn、(d)-Ser、(d)-Thr、又はGluであり、

    N1が、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、

    N2が、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

    A1、RA2が、それぞれ、水素原子であり、
    B1、RB2、RB3が、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシ

    である、請求項1~5のいずれか1項に記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  7. 前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドにおいて、
    が、-L-であって、ここで、Lは、単結合であり、
    が、単結合であり、

    AAが、β-Asp、β-(d)-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Gluであり、

    AAが、下記式[II-1]
    Figure 2022173143000366
    で表される基、
    下記式[IV-7]、[IV-8]、[IV-9]、[IV-11]、及び[IV-12]
    Figure 2022173143000367
    で表される基からなる群から選択される一個の基であり、
    ここで、RAA2は、アミノであり、

    AAが、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、

    AAが、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、

    AAが、β-Ala、GABA、Ape、Acp、又はβ-homoProであり、

    N1が、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、
    N2が、単結合、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

    A1、RA2が、それぞれ、水素原子であり、
    B1、RB2、RB3が、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシ

    である、請求項1~5のいずれか1項に記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  8. 前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドが
    下記式[I]
    Figure 2022173143000368
    で表される、置換されているポリペプチドであって、

    上記式[I]中、
    AAは、β-Asp、γ-Glu、又はγ-(d)-Gluであり、
    AAは、下記式[II-1]又は式[II-2]
    Figure 2022173143000369
    で表される基
    であり、
    ここで、RAA2は、ヒドロキシ又はアミノであり、
    AAは、Val、Leu、Ile、Phe、又はTrpであり、
    AAは、単結合、Pro、(N-Me)Ala、(N-Me)Val、(N-Me)Leu、(N-Me)Ile、(N-Me)Phe、(N-Me)Tyr、(N-Me)Ser、(N-Me)Asp、又は(N-Me)Gluであり、
    AAは、単結合、Pro、(d)-Pro、β-homoPro、Arg、(d)-Arg、Lys、(d)-Lys、β-Ala、GABA、Ape、又はAcpであり、
    は、単結合であり、
    は、単結合であり、
    N1は、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、
    N2は、単結合、C1-3アルカンジイル、式-O-、又は式-C(=O)-NH-であり、
    は、水素原子、ハロゲン原子、C1-6アルキル、又はC1-6アルコキシであり、
    は、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルキル、又はC1-6アルコキシであり、
    は、単結合、Pro、Arg、(d)-Arg、Lys、(d)-Lys、又は(d)-Lys-(d)-Lysであり、
    は、式-OH又は式-NH

    である、請求項1~4のいずれか1項に記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  9. 前記式[I’]で表される、置換されているポリペプチドにおいて、

    AAが、Asp、β-(d)-Asp、又はγ-(d)-Gluであり、
    AAが、下記式[II-1]
    Figure 2022173143000370
    で表される基、
    下記式[IV-7]及び[IV-9]
    Figure 2022173143000371
    で表される基からなる群から選択される一個の基
    であり、
    ここで、RAA2は、アミノであり、
    AAが、Val、Leu、又はIleであり、
    AAが、(N-Me)Ile又は(N-Me)Gluであり、
    AAが、Ape又はβ-homoProであり、

    が、-L-又は-L’-L”-であり、
    ここで、
    は、単結合であり、
    ’は、GABA又はApeであり、
    ”は、Asn、(d)-Ser、(d)-Thr、又はGluであり、

    N1が、式-C(=O)-又は式-S(=O)-であり、
    N2が、式-O-又は式-C(=O)-NH-であり、

    A1、RA2が、それぞれ、水素原子であり、
    B1、RB2、RB3が、独立して、水素原子、カルバモイル、ハロゲン原子、C1-6アルコキシ、又はハロC1-6アルコキシであり、

    が、単結合又は(d)-Lysであり、

    が、式-NH

    である、請求項1~5のいずれか1項に記載の置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬。
  10. 請求項1~5のいずれか1項に記載の、以下に示す化合物から選択される置換されているポリペプチド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬:
    Figure 2022173143000372
    Figure 2022173143000373
    Figure 2022173143000374
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