JP2022173054A - 光路長測定誤差を補正するシステム及び方法 - Google Patents

光路長測定誤差を補正するシステム及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022173054A
JP2022173054A JP2022013030A JP2022013030A JP2022173054A JP 2022173054 A JP2022173054 A JP 2022173054A JP 2022013030 A JP2022013030 A JP 2022013030A JP 2022013030 A JP2022013030 A JP 2022013030A JP 2022173054 A JP2022173054 A JP 2022173054A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
path length
optical path
optical
light
reference object
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022013030A
Other languages
English (en)
Inventor
健治 永井
Kenji Nagai
秀昭 長▲崎▼
Hideaki Nagasaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to TW111116294A priority Critical patent/TW202303086A/zh
Priority to CN202210463006.7A priority patent/CN115307773A/zh
Priority to KR1020220053714A priority patent/KR20220152146A/ko
Priority to US17/733,846 priority patent/US11920928B2/en
Publication of JP2022173054A publication Critical patent/JP2022173054A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】分光器に起因した光路長測定誤差を補正できるシステム及び方法を提供する。【解決手段】システムは、測定対象物に光を出射するとともに、測定対象物からの第1干渉光を入射する第1光学部と、温度変動に対して光路長が一定となるように構成される基準物体に光を出射するとともに、基準物体からの第2干渉光を入射する第2光学部と、第1光学部及び第2光学部に接続され、第1干渉光及び第2干渉光を入射する分光器と、分光器に接続された制御部と、を備え、制御部は、所定温度環境下の分光器に入射された第2干渉光に基づいて算出される基準物体の測定光路長と、予め取得された基準物体の基準光路長とに基づいて、所定温度環境下における基準光路長に対する測定光路長の変動率を算出し、所定温度環境下で分光器に入射された第1干渉光に基づいて算出される測定対象物の光路長を変動率に基づいて補正する。【選択図】図1

Description

本開示の例示的実施形態は、光路長測定誤差を補正するシステム及び方法に関する。
特許文献1は、光干渉を利用して測定対象物の温度を適切に測定するシステムを開示する。このシステムは、光源、分光器、光伝達機構、光路長算出部及び温度算出部を備える。光源は、測定光を発生する。光伝達機構は、測定対象物の表面及び裏面からの反射光を分光器へ出射する。分光器は、反射光の強度分布である干渉強度分布を測定する。光路長算出部は、測定された干渉強度分布をフーリエ変換し光路長を算出する。温度算出部は、光路長と温度との関係に基づいて測定対象物の温度を算出する。
特開2013-29487号公報
本開示は、分光器に起因した光路長測定誤差を補正できるシステム及び方法を提供する。
本開示の一態様に係るシステムは、光源、第1光学部、第2光学部、分光器及び制御部を備える。光源は、光を発生する。第1光学部は、測定対象物に光を出射するとともに、測定対象物からの第1干渉光を入射するように構成される。第2光学部は、温度変動に対して光路長が一定となるように構成される基準物体に光を出射するとともに、基準物体からの第2干渉光を入射するように構成される。分光器は、第1光学部及び第2光学部に接続され、第1干渉光及び第2干渉光を入射するように構成される。制御部は、分光器に接続される。制御部は、所定温度環境下の分光器に入射された第2干渉光に基づいて算出される基準物体の測定光路長と、予め取得された基準物体の基準光路長とに基づいて、所定温度環境下における基準光路長に対する測定光路長の変動率を算出する。そして、制御部は、所定温度環境下で分光器に入射された第1干渉光に基づいて算出される測定対象物の光路長を変動率に基づいて補正する。
本開示によれば、分光器に起因した光路長測定誤差を補正できる。
一実施形態に係るシステムの構成の一例を概略的に示す図である。 図1に示される干渉計の構成の一例を概略的に示す図である。 基準物体の断面の一例を概略的に示す図である。 基準物体の他の例を概略的に示す図である。 分光器の誤差を説明する図である。 光路長の補正の原理を説明する図である。 光路長を補正する方法を示すフローチャートである。 第2光学部の変形例を説明する図である。 第2光学部の配置位置を説明する図である。 (A),(B)は、シミュレーション結果である。 実施例に係るシステムの構成の一例を概略的に示す図である。 補正前後の光路長を示すグラフである。 ホルダの断面の一例を概略的に示す図である。 他のホルダの断面の一例を概略的に示す図である。 第2光学部と基準物体との位置関係を説明する図である。 第2光学部と基準物体との相対的な水平位置ごとに測定された光路長及び信号強度を示すグラフである。 第2光学部の焦点距離ごとに測定された光路長及び信号強度を示すグラフである。 第2光学部の光軸周りの角度ごとに測定された光路長及び信号強度を示すグラフである。 実施例に係る基準物体の構成を示す表である。 実施例の評価結果を示す表である。
以下、種々の例示的実施形態について説明する。
分光器を用いて測定対象物からの反射スペクトルを取得する方式の干渉計(以下、分光式の干渉計)においては、環境温度や干渉計内で発生する熱によって干渉計内に搭載された分光器の温度が変動する。分光器は配列された複数の受光素子を備える。分光器の温度が変動した場合、熱膨張又は熱収縮によって複数の受光素子の間隔又は配置位置が変動するおそれがある。この場合、分光器は適切に波長を測定できず、測定された光路長に誤差が生じることがある。したがって、本開示は、分光器に起因した光路長測定誤差を補正できるシステム及び方法を提供する。
本開示の一態様に係るシステムは、光源、第1光学部、第2光学部、分光器及び制御部を備える。光源は、光を発生する。第1光学部は、測定対象物に光を出射するとともに、測定対象物からの第1干渉光を入射するように構成される。第2光学部は、温度変動に対して光路長が一定となるように構成される基準物体に光を出射するとともに、基準物体からの第2干渉光を入射するように構成される。分光器は、第1光学部及び第2光学部に接続され、第1干渉光及び第2干渉光を入射するように構成される。制御部は、分光器に接続される。制御部は、所定温度環境下の分光器に入射された第2干渉光に基づいて算出される基準物体の測定光路長と、予め取得された基準物体の基準光路長とに基づいて、所定温度環境下における基準光路長に対する測定光路長の変動率を算出する。そして、制御部は、所定温度環境下で分光器に入射された第1干渉光に基づいて算出される測定対象物の光路長を変動率に基づいて補正する。
このシステムにおいては、第1光学部によって、光が測定対象物に出射されるとともに、測定対象物からの第1干渉光が入射される。そして、第2光学部によって、温度変動に対して光路長が一定となるように構成される基準物体に光が出射されるとともに、基準物体からの第2干渉光が入射される。分光器には、第1干渉光及び第2干渉光が入射される。制御部によって、所定温度環境下の分光器に入射された第2干渉光に基づいて算出される基準物体の測定光路長と、予め取得された基準物体の基準光路長とに基づいて、所定温度環境下における基準光路長に対する測定光路長の変動率が算出される。そして、所定温度環境下で分光器に入射された第1干渉光に基づいて算出される測定対象物の光路長が変動率に基づいて補正される。温度変動に対して基準物体の光路長は一定であるため、所定温度環境下における分光器の測定結果から算出される光路長が基準光路長から変動してしまう場合には、分光器の温度変化に起因した測定誤差が発生しているといえる。分光器の温度変化に起因する測定誤差は、基準物体の光路長変動率として表現され得る。このため、システムは、分光器の温度変化に起因する測定誤差がキャンセルされるように、光路長変動率に基づいて測定対象物の光路長を補正できる。よって、このシステムは、分光器の温度変化に起因する光路長測定誤差を補正できる。
一実施形態においては、システムは、サーキュレータ及び光スイッチをさらに備えてもよい。サーキュレータは、光源に接続される。光スイッチは、サーキュレータに接続される。第1光学部は、第1光ファイバ及び第1光学素子を有してもよい。第1光ファイバは、光スイッチからの光を伝搬する。第1光学素子は、測定対象物に光を出射するとともに、測定対象物からの第1干渉光を入射するように構成される。一実施形態においては、第1光学素子は、フォーカサ又はコリメータであってもよい。
一実施形態においては、第2光学部は、第2光ファイバ及び第2光学素子を有してもよい。第2光ファイバは、光スイッチからの光を伝搬する。第2光学素子は、基準物体に光を出射するとともに、基準物体からの第2干渉光を入射するように構成される。一実施形態においては、第2光学素子は、フォーカサ又はコリメータであってもよい。この場合、システムは、光スイッチによって光の出射方向を切り替えて、測定対象物と基準物体とのそれぞれから干渉光を測定できる。
一実施形態においては、基準物体は、エタロン素子であってもよい。第2光学部は、第3光学素子及び第4光学素子を有する。第3光学素子は、光をエタロン素子に出射する。第4光学素子は、エタロン素子からの透過光を入射するように構成される。一実施形態においては、第3光学素子及び第4光学素子は、フォーカサ又はコリメータであってもよい。この場合、システムは、エタロン素子からの透過した干渉光に基づいて基準物体の光路長変動率を算出できる。
一実施形態においては、基準物体は、一対の対向する平行平板を有してもよい。一実施形態においては、平行平板間の空間内は真空であってもよい。
本開示の他の態様に係る方法は、測定対象物に光を出射するとともに、測定対象物からの第1干渉光を所定温度環境下の分光器に入射するステップと、第1干渉光に基づいて測定対象物の光路長を算出するステップと、温度変動に対して光路長が一定となるように構成される基準物体に光を出射するとともに、基準物体からの第2干渉光を所定温度環境下の分光器に入射するステップと、第2干渉光に基づいて基準物体の測定光路長を算出するステップと、基準物体の基準光路長を取得するステップと、第2干渉光に基づいて算出される基準物体の測定光路長と、基準物体の基準光路長とに基づいて、所定温度環境下における基準光路長に対する測定光路長の変動率を算出するステップと、測定対象物の光路長を変動率に基づいて補正するステップとを含む。この方法は、上述したシステムと同様に、分光器の温度変化に起因する光路長測定誤差を補正できる。
以下、図面を参照して、種々の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明及び各図面において、同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は繰り返さない。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。「上」「下」「左」「右」の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
(システムの概要)
図1は、一実施形態に係るシステムの構成の一例を概略的に示す図である。図1に示されるシステム1は、光干渉を利用して測定対象物SAの光路長を測定するシステムである。測定対象物SAは、例えば、表面と裏面との両面が平行になるように形成された部材である。測定対象物SAは、システム1で用いられる光に対して透過性を有する。測定対象物SAは、一例として研磨された単結晶シリコン部材である。測定対象物SAは、例えば1550nmの光に対してはSi(シリコン)、SiO(石英)及びAl(サファイア)の少なくとも1つで構成されていてもよい。
システム1は、干渉計10及び第1光学部14を備える。干渉計10は、測定光を発生する。干渉計10と第1光学部14とは光ファイバで接続される。干渉計10で発生した測定光は、光ファイバで第1光学部14へ伝搬される。
第1光学部14は、測定対象物SAに光を出射するように構成される。第1光学部14は、例えば、コリメータ又はフォーカサである。第1光学部14は、平行光線として調整された光又は測定対象物SA上で焦点を結ぶ収束光を測定対象物SAの表面へ向けて出射する。第1光学部14には、測定対象物SAからの反射光(以下、第1干渉光ともいう)が入射する。第1干渉光には、表面の反射光だけでなく裏面の反射光が含まれる。入射した第1干渉光は、光ファイバを介して干渉計10へと伝搬される。後述するように、干渉計10は、第1干渉光に基づいて測定対象物SAの光路長を算出する。
システム1は、干渉計10の温度に依存した精度誤差をキャンセルするために、基準物体REの光路長を測定する構成を有する。基準物体REは、温度変動に対して光路長が一定となるように構成される。つまり、基準物体REは、環境温度が変動した場合であっても基準物体REの光路長がほぼ変動しないように構成される。例えば、基準物体REは、基準物体REの温度が厳密に管理されている物体である。あるいは、基準物体REは、光路長に温度依存性が無い、若しくは極めて小さい物体である。これらの基準物体REの具体的な一例については、後述する。
システム1は、基準物体REの光路長を測定するために第2光学部15を有する。干渉計10と第1光学部14との間には、光スイッチ11が設けられる。光スイッチ11は光の伝搬方向を切り替える機能を有する。干渉計10で発生した測定光は光ファイバで光スイッチ11へと伝搬され、光スイッチ11の機能によって、第1光学部14又は第2光学部15の何れかに伝搬される。光スイッチ11と第1光学部14との間は第1光ファイバ12で接続され、光スイッチ11と第2光学部15との間は第2光ファイバ13で接続される。つまり、光スイッチ11は、第1光ファイバ12の経路と第2光ファイバ13の経路とを切り替え可能に構成される。
第2光学部15は、基準物体REに光を出射するように構成される。第2光学部15は、例えば、コリメータ又はフォーカサである。第2光学部15は、平行光線として調整された光又は基準物体RE上で焦点を結ぶ収束光を基準物体REの表面へ向けて出射する。第2光学部15には、基準物体REからの反射光(以下、第2干渉光ともいう)が入射する。第2干渉光には、表面の反射光だけでなく裏面の反射光が含まれる。入射した第2干渉光は、第2光ファイバ13及び光スイッチ11を介して干渉計10へと伝搬される。後述するように、干渉計10は、第2干渉光に基づいて基準物体REの光路長を算出する。
(干渉計の詳細)
図2は、図1に示される干渉計の構成の一例を概略的に示す図である。干渉計10は、光源100、アイソレータ101、サーキュレータ102、分光器103及び制御部104を備える。光源100、アイソレータ101、サーキュレータ102及び分光器103は、光ファイバで接続される。
光源100は、測定光を発生する。光源100は、一例としてSLD(SuperLuminescent Diode)が用いられる。
光源100から発生した測定光は、アイソレータ101及びサーキュレータ102の順に伝搬し、図1に示される光スイッチ11へと伝搬する。そして、上述したとおり、測定対象物SA及び基準物体REから第1干渉光及び第2干渉光が取得され、光スイッチ11に伝搬される。光スイッチ11から干渉計10へと伝搬された第1干渉光及び第2干渉光は、サーキュレータ102から分光器103へと伝搬される。アイソレータ101は、第1干渉光及び第2干渉光が光源100に戻ることを防止する。サーキュレータ102に替えてカップラが用いられてもよい。
分光器103は、第1光学部14及び第2光学部15に接続され、第1干渉光及び第2干渉光を入射するように構成される。分光器103は、例えば、分光機構部及び受光部を有する。分光機構は、光を波長ごとに所定の分散角で分散させる。分光機構の一例は回折格子などである。受光部は、分光機構によって分散された光を取得する。受光部の一例はCCD(Charge Coupled Device)である。受光素子の数がサンプリング数となる。また、分光機構の分散角及び分光機構と光電素子との距離に基づいて、波長スパンが規定される。第1干渉光及び第2干渉光それぞれは、分光器103において波長ごとに分散され、波長ごとに光強度が取得される。分光器103は、波長ごとの光強度をデジタルデータに変換し、制御部104へ出力する。
制御部104は、分光器103に接続され、第1干渉光及び第2干渉光に係るデジタルデータの演算を行う。制御部104は、物理的には、CPUなどの演算装置、RAM及びROMなどの主記憶装置、ハードディスクなどの補助記憶装置、ネットワークカードなどの通信インタフェースを含むコンピュータシステムとして構成される。制御部104は、測定対象物SAの光路長の算出、基準物体REの光路長の算出、分光器103の測定誤差をキャンセルするパラメータの生成、及び、測定対象物SAの光路長の補正を行う。詳細は後述する。なお、制御部104は、干渉計10の外部に設けられてもよい。
(基準物体の例)
図3は、基準物体の断面の一例を概略的に示す図である。図3に示される基準物体REは、光路長に温度依存性が無い、若しくは極めて小さい物体である。基準物体REは、一対の対向する平行平板21,23を有する。平行平板21は、干渉計10の光を透過させる材質で形成される。平行平板21は、例えばサファイア、石英などで形成される。平行平板21の表面及び裏面は光学研磨された高精度な平面を有する。平行平板21の上面21aには反射防止層が形成される。これにより、平行平板21に入射した光は、裏面でのみ反射する。平行平板23は、表面に鏡面研磨された干渉計10の光を反射させる材質の層が形成される。反射させる材質は、例えば金、アルミ等である。平行平板23は、例えばサファイア、石英などで形成される。平行平板23の表面は光学研磨された高精度な平面を有する。平行平板23に入射した光は、表面でのみ反射する。一対の平行平板21,23間にはスペーサ22が介在する。これにより、一対の平行平板21,23間には、空間が画成される。スペーサ22は、石英などの線膨張係数の小さい素材で形成される。スペーサ22は、熱膨張係数が極めて小さいガラス素材で形成されてもよい。これにより、平行平板21,23間の距離が温度に応じてほぼ変化しないので、光路長の温度依存性は極めて小さくなる。なお、平行平板21,23間の空間内は真空であってもよい。この場合、光路長の温度依存性がさらに小さくなる。
図4は、基準物体の他の例を概略的に示す図である。図4に示される基準物体REAは、温度が厳密に管理されている物体である。基準物体REAは、表面と裏面との両面が平行になるように形成された部材24を有する。部材24は、システム1で用いられる光に対して透過性を有する。部材24は、一例として研磨された単結晶シリコン部材である。基準物体REは、例えば1550nmの光に対してはSi、SiO及びAlの少なくとも1つで構成されていてもよい。部材24は、温度保持器25に収容される。温度保持器25は、ヒータや熱交換器などで温度を所定温度に維持する機能を有する。部材24の温度は、温度保持器25によって所定温度に維持される。
(温度に起因する分光器の誤差)
図5は、分光器の誤差を説明する図である。分光器103は、配列された光電素子を有する。図5に示される例では、光電素子群LM1は、波長λ~波長λ511に分光された光をそれぞれ受光する光電素子を有する。光SPが入射されたとき、光SPの波長ごとに光電素子が強度を計測する。分光器103の光電素子配列の波長は、分光機構、ミラー、光電素子などの光学素子の位置関係によって定められる。このため、温度変動に起因して光学素子の位置が変化した場合、分光器103の波長には誤差が生じる。例えば、光電素子配列の全体が左右にシフトしてしまう場合(光電素子群LM2)や、光電素子が膨張又は収縮してしまう場合(光電素子群LM3)がある。光学素子の位置が変化した分光器103で計測した場合、測定対象物SAの正確な光路長は得られないおそれがある。
(光路長の補正の原理)
制御部104は、測定対象物SAの光路長を算出する。制御部104は、第1干渉光のデジタルデータである光スペクトルに対してフーリエ変換、データ補間及び重心位置計算を行い、測定対象物SAの光路長を算出する。図6は、光路長を概略的に説明する図である。図6の(A)に示される光スペクトルのピーク位置は、測定対象物SAの測定光路長L_SAを示す。同様に、制御部104は、基準物体REの光路長を算出する。制御部104は、第2干渉光のデジタルデータである光スペクトルに対してフーリエ変換、データ補間及び重心位置計算を行い、基準物体REの光路長を算出する。図6の(B)に示される光スペクトルのピーク位置は、基準物体REの測定光路長L_REを示す。測定光路長L_SA及び測定光路長L_REは、所定温度環境下の分光器103に入射された干渉光に基づいて算出される。所定温度環境下は、計測時の温度条件が所定条件であるときをいう。つまり、第1干渉光及び第2干渉光は、同一の温度条件の分光器103によって計測される。
基準物体REの光路長は、温度依存性が無く、若しくは極めて小さい。このため、基準物体REの光路長の真値(あるいは所定温度環境下における光路長)を基準光路長L_REMとした場合、分光器103が正確であれば測定光路長L_REと基準光路長L_REMとは一致する。しかしながら、測定光路長L_REと基準光路長L_REMとが一致しない場合には、所定温度環境下の分光器103に温度に依存した誤差が生じていると考えられる。制御部104は測定光路長L_REと基準光路長L_REMとの差分をキャンセルするパラメータを算出する。具体的には、制御部104は、測定光路長L_REを基準光路長L_REMで除算した値を、所定温度環境下における基準光路長L_REMに対する測定光路長L_REの変動率とする。制御部104は、測定対象物SAの測定光路長L_REを変動率に基づいて補正する。制御部104は、例えば、測定対象物SAの測定光路長L_REを変動率で除算することにより、測定対象物SAの光路長を補正することができる。
(光路長を補正する方法)
図7は、光路長を補正する方法を示すフローチャートである。図7に示されるフローチャートはシステム1によって実行され得る。最初に、第1光学部14は、測定対象物SAに光を出射するとともに、測定対象物SAからの第1干渉光を所定温度環境下の分光器103に入射する(ステップS10)。続いて、制御部104は、第1干渉光に基づいて測定対象物SAの光路長L_SAを算出する(ステップS12、図6の(A))。続いて、第2光学部15は、基準物体REに光を出射するとともに、基準物体REからの第2干渉光を所定温度環境下の分光器103に入射する(ステップS14)。続いて、制御部104は、第2干渉光に基づいて基準物体REの測定光路長L_REを算出する(ステップS16、図6の(B))。
続いて、制御部104は、基準物体REの基準光路長L_REMを取得する(ステップS18、図6の(B))。制御部104は、メモリなどに記憶された基準物体REの基準光路長の真値を読み込んでもよいし、所定のタイミングで計測されメモリなどに記憶された基準物体REの基準光路長を読み込んでもよい。
続いて、制御部104は、測定光路長L_REの変動率を算出する(ステップS20)。制御部104は、第2干渉光に基づいて算出される基準物体REの測定光路長L_REと、基準物体REの基準光路長L_REMとに基づいて、所定温度環境下における基準光路長に対する測定光路長の変動率を算出する。制御部104は、測定光路長L_REを基準光路長L_REMで除算した値を、所定温度環境下における基準光路長L_REMに対する測定光路長L_REの変動率とする。
最後に、制御部104は、測定対象物SAの光路長L_SAを補正する(ステップS22)。制御部104は、測定対象物SAの光路長L_SAを変動率で除算することにより、測定対象物SAの光路長を補正する。以上で、光路長を補正する方法を示すフローチャートが終了する。
(実施形態のまとめ)
システム1及び光路長を補正する方法においては、第1光学部14によって、光が測定対象物SAに出射されるとともに、測定対象物SAからの第1干渉光が入射される。そして、第2光学部15によって、温度変動に対して光路長が一定となるように構成される基準物体REに光が出射されるとともに、基準物体REからの第2干渉光が入射される。分光器103には、第1干渉光及び第2干渉光が入射される。制御部104によって、所定温度環境下の分光器103に入射された第2干渉光に基づいて算出される基準物体REの測定光路長L_REと、予め取得された基準物体REの基準光路長L_REMとに基づいて、変動率が算出される。変動率は、所定温度環境下における基準光路長L_REMに対する測定光路長L_REの変動率である。そして、所定温度環境下で分光器103に入射された第1干渉光に基づいて算出される測定対象物SAの光路長L_SAが変動率に基づいて補正される。温度変動に対して基準物体REの光路長は一定であるため、所定温度環境下における分光器103の測定結果から算出される光路長が基準光路長L_REMから変動してしまう場合には、分光器103の温度変化に起因した測定誤差が発生しているといえる。分光器103の温度変化に起因する測定誤差は、基準物体REの光路長変動率として表現され得る。このため、システムは、分光器103の温度変化に起因する測定誤差がキャンセルされるように、光路長変動率に基づいて測定対象物SAの光路長L_SAを補正できる。よって、このシステムは、分光器103の温度変化に起因する光路長測定誤差を補正できる。
(変形例)
本開示の実施形態は、本開示の範囲及び主旨から逸脱することなく種々の変更をなし得ることが、理解されるであろう。したがって、本明細書に開示した種々の実施形態は限定することを意図しておらず、真の範囲と主旨は、添付の特許請求の範囲によって示される。
(第2光学部の変形例)
図8は、第2光学部の変形例を説明する図である。図8に示されるように、第2光学部15Aは、第2光学部15と比べて反射光ではなく透過光を第2干渉光として取得する点が相違する。第2光学部15Aは、サーキュレータ150及び一対のフォーカサ又はコリメータ151,152を有する。一対のフォーカサ又はコリメータ151,152間には、基準物体REBが配置される。基準物体REBは、内部にエアギャップを含み、エアギャップの厚さに応じた干渉光を出射する。一例として、基準物体REBはエタロン素子である。
図9は、第2光学部の配置位置を説明する図である。図9に示されるように、第2光学部15は、アイソレータ101とサーキュレータ102との間の位置P1に設けられてもよい。この場合、第2光学部15は、干渉計10に内蔵されることになる。そして、第1干渉光と第2干渉光とが同時に取得されるため、FFTピーク位置が重ならないように光路長を設定すればよい。第2光学部15は、サーキュレータ102と光スイッチ11との間の位置P2、サーキュレータ102と分光器103との間の位置P3の何れかに設けることもできる。
(シミュレーション)
以下、本開示の効果を検証するためにシミュレーションを実施した。図5に示されるように光電素子が512個存在し、測定対象物であるシリコンからの反射スペクトルを受光するとした。1550nm±25nmを512個の素子で等分してλ~λ511とした。この波長を基準とし、光電素子が移動した場合、どのように光路長が変動するのかを検証した。素子が全体的にシフトした場合の波長(図5のLM2)、及び、素子が拡張又は収縮した場合(図5のLM3)の波長を変動波長(λ'~λ'511)とし、変動波長のそれぞれの波長における反射率を計算した。測定対象物であるシリコンの厚みは775μm、675μm、575μmの3種類とした。算出された反射率と波長に基づいてFFT処理を行い、光路長を計算した。変動波長から計算された光路長を基準となる波長を用いて計算された光路長で除し、これを光路長の変動率とした。厚みごとに、波長の変動量と光路長の変動率とをプロットした。結果を図10の(A),(B)に示す。図10の(A),(B)は、シミュレーション結果である。図10の(A)は、分光器の光電素子のシフト量と変動率との関係を示すグラフである。図10の(B)は、分光器の光電素子の伸縮量(波長範囲の拡張量)と変動率との関係を示すグラフである。図10の(A),(B)に示されるように、測定対象物の厚みによらず、分光器103の波長変動による光路長の変動率は一定となった。このことから、ある一つの基準光路長を計測することで複数の異なる光路長の測定対象物に対して有効な補正を行うことができることが確認された。
(効果確認)
図11は、実施例に係るシステムの構成の一例を概略的に示す図である。図11に示されるシステム1Aは、図1のシステム1と比較して、干渉計10及び光スイッチ11が恒温槽TA内部に配置される点、基準物体REが温度制御器TB内に配置され、測定対象物SAが温度制御器TC内に配置される点が相違し、その他は同一である。つまり、干渉計10の環境温度を変更可能とした。温度範囲は5℃~40℃に設定した。測定対象物SA及び基準物体REはシリコン基板とし、それぞれ温度を一定値に制御した。温度が一定値となるため、熱膨張および温度による屈折率の増減は発生せず、光路長は一定値となる。恒温槽TAで環境温度を変動した場合のそれぞれの光路長を計測し、基準光路長の変動率で補正を行った場合と、補正を行わなかった場合とで測定対象物SAの光路長を評価した。基準物体REの光路長について、計測開始時点の光路長を1として規格化し、これを基準光路長の変動率とした。同タイミングで計測された測定対象物SAの光路長を基準光路長変動率で除し、補正済みの光路長とした。結果を図12に示す。図12は、横軸が環境温度、縦軸が光路長である。図12に示されるように、5℃~40℃の環境温度範囲において、補正前の光路長の変動範囲は3.3μmであったのに対して、補正後の光路長の変動範囲は0.24μmまで改善されることが確認された。
(ホルダ)
システム1は、第2光学部15と基準物体REとの相対位置を保持するホルダを備えてもよい。図13は、ホルダの断面の一例を概略的に示す図である。図13に示されるように、ホルダ3は、第2光学部15及び基準物体REを固定する。ホルダ3は、筐体30を備える。筐体30は、筒体であり、一例として円筒である。筐体30は、線膨張係数の小さい部材で構成されてもよい。筐体30は、例えば合成石英で形成される。筐体30は、筐体30の上下方向の中央部分に、縮径された内部光路30cを有する。
筐体30の上面は開口されている。第2光学部15は、筐体30の上面の開口から筐体30の内部に収容されて、内部光路30cに光を出射できるとともに内部光路30cからの光を受光できるように配置される。第2光学部15の下面は、内部光路30cの上端が形成された第1段差面30bに突き当てられる。突き当てられた第2光学部15は、第1抑え部材31と第1段差面30bとの間に挟み込まれる。第1抑え部材31は、筐体30に取り付けられる。例えば、第1抑え部材31の側面には、筐体30の内面30aに形成されたねじ溝と螺号するねじが形成されている。第1抑え部材31の側面には、筐体30の内面30aに形成されたねじと螺号するねじ溝が形成されていてもよい。第2光学部15は、第1抑え部材31が、第1段差面30bとの間に第2光学部15を挟み込んだ状態で筐体30の内面にねじ止めされることによって、筐体30の内部に固定される。
筐体30の下面は開口されている。基準物体REは、筐体30の下面の開口から筐体30の内部に収容されて、内部光路30cからの光を受光できるとともに内部光路30cに光を反射できるように配置される。基準物体REの上面21aは、内部光路30cの下端が形成された第2段差面30dに突き当てられる。突き当てられた基準物体REは、第2抑え部材32と第2段差面30dとの間に挟み込まれる。第2抑え部材32は、筐体30に取り付けられる。例えば、第2抑え部材32の側面には、筐体30の内面30eに形成されたねじ溝と螺号するねじが形成されている。第2抑え部材32の側面には、筐体30の内面30eに形成されたねじと螺号するねじ溝が形成されていてもよい。基準物体REは、第2抑え部材32が、第2段差面30dとの間に基準物体REを挟み込んだ状態で筐体30の内面にねじ止めされることによって、筐体30の内部に固定される。
ホルダ3においては、筐体30が第2光学部15と基準物体REとの相対位置を保持するスペーサとして機能する。これより、光の入射角度の変動及び測定位置の変動が抑制され、結果として信号強度の低下が抑制される。よって、ホルダ3を備えるシステム1は、光路長測定誤差をより精度良く補正できる。
ホルダ3の筐体30が線膨張係数の小さい部材で構成されることにより、外部の温度変化(環境温度変化)が第2光学部15と基準物体REとの相対位置に与える影響を小さくすることができる。また、ホルダ3を構成する部品が機械的に接続されているため、接着剤などで固定される場合と比べて、外部の温度変化が第2光学部15と基準物体REとの相対位置に与える影響を小さくすることができる。
(ホルダの変形例)
ホルダ3においては、筐体30が第2光学部15と基準物体REとの相対位置を保持するスペーサとして機能していたが、筐体とスペーサとは別体であってもよい。図14は、他のホルダの断面の一例を概略的に示す図である。図14に示されるように、ホルダ4は、第2光学部15及び基準物体REを固定する。ホルダ4は、筐体40を備える。筐体40は、筒体であり、一例として円筒である。筐体40は、図13に示された筐体30と異なり、第2光学部15と基準物体REとの相対位置を保持するスペーサとして機能しない。このため、筐体40は、線膨張係数の小さい部材で構成される必要はなく、例えば、アルミ又はステンレスで形成される。
図13に示されるホルダ3と同様に、筐体40の内部には、第2光学部15及び基準物体REが収容される。第2光学部15と基準物体REとの間には、第1スペーサ部材34が配置される。第1スペーサ部材34は、線膨張係数の小さい部材で構成されてもよい。第1スペーサ部材34は、例えば合成石英で形成される。
第2光学部15及び基準物体REは、第1抑え部材41と第2抑え部材42との間に挟み込まれて固定される。つまり、第2光学部15及び基準物体REは、第1スペーサ部材34によって相対位置が保持された状態で、第1抑え部材41と第2抑え部材42との間に挟持される。筐体40の内面には、第1抑え部材41及び第2抑え部材42の外周に形成されたねじと螺号するねじ溝が形成されている。筐体40の内面には、第1抑え部材41及び第2抑え部材42の外周に形成されたねじ溝と螺号するねじが形成されてもよい。このように、第1抑え部材41及び第2抑え部材42が筐体40にねじ止めされ、上下方向から挟持することで、第2光学部15及び基準物体REが固定される。
第2光学部15及び基準物体REが安定して挟持されるために、第1抑え部材41と第2光学部15との間には、第2スペーサ部材33が設けられる。第2スペーサ部材33は、線膨張係数の小さい部材で構成されてもよい。第2スペーサ部材33は、熱伝導率の小さい部材で構成されてもよい。第2スペーサ部材33は、例えば合成石英で形成される。
第1抑え部材41と第2スペーサ部材33との間には、弾性部材43が設けられる。同様に、第2抑え部材42と基準物体REとの間には、弾性部材44が設けられる。弾性部材43,44は、環状部材であり、一例として樹脂で形成される。これにより、外部の温度変動によって筐体40が熱膨張/収縮した場合であっても、第2光学部15と基準物体REとの相対位置が保持される。さらに、弾性部材43,44によって、筐体40と、第2光学部15及び基準物体REなどの構成要素との間には、空気層が形成される。このため、ホルダ4は、筐体40から熱が内部の構成要素に伝わりにくい構造を有する。
ホルダ4は、弾性部材43,44の少なくとも一方を備えていればよい。このような構成であっても、筐体40が熱膨張/収縮した場合、ホルダ4は、第2光学部15と基準物体REとの相対位置を保持できる。ホルダ4は、第2抑え部材42と基準物体REとの間に、第3スペーサ部材を備えてもよい。第3スペーサ部材は、例えば合成石英で形成される。ホルダ4が第3スペーサ部材を備えることにより、筐体40から熱が基準物体REに伝わりにくい構造となる。
ホルダ3,4は、外部の温度変化を抑制するために、断熱構造体内に収容されてもよい。ホルダ3,4は、基準物体REに替えて基準物体REAを保持してもよい。あるいは、ホルダ3,4は、基準物体REBを保持してもよい。
(基準物体の変形例)
基準物体は、反射強度を増加させるために、平行平板の向かい合う内面のうちの少なくとも一方に反射膜を備えてもよい。例えば、図13,14に示される基準物体REは、一対の平行平板21,23を備える。平行平板21,23の向かい合う内面21b,23aには、反射膜が形成されている。反射膜は、部分反射させる反射膜(所定の割合の光を透過させ、残りの光を反射させる膜)であってもよい。反射膜は、一例として多層誘電膜であってもよい。反射膜23aは、全反射するミラー膜であってもよい。
平行平板21,23は、単結晶シリコンで形成されてもよい。平行平板21,23が単結晶シリコンで形成される場合、基準物体からの反射強度が増加する。このため、基準物体は、反射膜を備えなくてもよい。
(第2光学部と基準物体との位置関係)
第2光学部と基準物体との位置関係がずれた場合、そのズレが光路長及び信号強度に与える影響を確認した。図15は、第2光学部と基準物体との位置関係を説明する図である。図15に示されるように、第2光学部15から基準物体REへ光を出射し、戻り光を取得した。このとき、第2光学部15の測定位置及び姿勢を変更しながら測定を行った。測定の座標系は、第2光学部15の水平方向の位置をX,Y方向(正面が原点0)、第2光学部15の焦点距離をZ方向、第2光学部の光軸回転方向Θx、Θyとした。
図16は、第2光学部と基準物体との相対的な水平位置ごとに測定された光路長及び信号強度を示すグラフである。横軸が測定水平位置、左縦軸が光路長、右縦軸が信号強度である。光路長は黒塗りのデータ点でプロットされ、信号強度は白抜きのデータ点でプロットされている。第2光学部15の水平方向の位置が2mm程度ずれると、光路長の誤差が0.2μm程度発生することが確認された。また、信号強度も第2光学部15の水平方向の位置によって多少のばらつきがあることが確認された。
図17は、第2光学部の焦点距離ごとに測定された光路長及び信号強度を示すグラフである。横軸が焦点からの距離であり、焦点が合い信号強度最大となる点を基準として第2光学部と基準物体とが離れる場合をプラスとし、第2光学部と基準物体とが近づく場合をマイナスとしている。左縦軸が光路長、右縦軸が信号強度である。光路長は黒塗りのデータ点でプロットされ、信号強度は白抜きのデータ点でプロットされている。第2光学部15の焦点からの位置が基準とする位置からずれると、光路長及び信号強度が第2光学部15の焦点からの位置によって大きくばらつくことが確認された。
図18は、第2光学部の光軸周りの角度ごとに測定された光路長及び信号強度を示すグラフである。横軸が光軸周りの角度であり、左縦軸が光路長、右縦軸が信号強度である。光路長は黒塗りのデータ点でプロットされ、信号強度は白抜きのデータ点でプロットされている。第2光学部15の回転の角度が2度程度ずれると、光路長の誤差が0.4μm程度発生することが確認された。また、信号強度も第2光学部15の回転の角度によって変化することが確認された。
図16~図18に示される結果から、光路長の誤差は、第2光学部15の水平方向の位置ずれ、角度ずれよりも、焦点距離がずれたときに大きくなることが確認された。これにより、第2光学部15と基準物体REとの相対位置を保持する際には、特にZ方向の位置ズレが発生しないような構成が光路長の誤差に有効であることが確認された。つまり、図13,14に示されるホルダは、上下方向から挟み込む構造で相対位置を固定するため、光路長の誤差に有効であることが確認された。
(基準物体の評価)
4つの基準物体を用意し、反射膜の効果を評価した。図19は、実施例に係る基準物体の構成を示す表である。図19に示されるように、実施例1は、上部の平行平板21の内面21b(下面)、及び、下部の平行平板23の内面23a(上面)に反射膜がない構成である。実施例2,3は、向かい合う内面21b,23aに、反射コーティング又は部分反射コーティングがなされて反射膜が形成されている。実施例4は、平行平板が単結晶シリコンで形成され、向かい合う内面21b,23aに反射膜がない構成である。
実施例1~4に対して外部の温度変化を安定させた状態で信号強度を測定した。さらに、複数回測定し、光路長の安定性を6σで評価した。さらに、基準物体REの温度を5~40℃の温度範囲で変動させた場合、基準物体RE及び干渉計の温度を5~40℃の温度範囲で変動させた場合の光路長変動率も測定した。結果を図20に示す。
図20は、実施例の評価結果を示す表である。図20に示されるように、反射膜を備える実施例2、3及び単結晶シリコンで形成された平行平板を備える実施例4は、反射膜を備えない実施例1と比べて、信号強度及び光路長安定性が大幅に改善されることが確認された。また、温度を変動された場合においても実施例2~4は、実施例1と比べて光路長の変動率が小さいことが確認された。よって、平行平板の向かい合う内面のうちの少なくとも一方に反射膜を備える基準物体を用いることで、光路長測定誤差を精度良く補正できることが示唆された。
1,1A…システム、3,4…ホルダ、11…光スイッチ、12…第1光ファイバ、13…第2光ファイバ、14…第1光学部、15,15A…第2光学部、21,23…平行平板、100…光源、102,150…サーキュレータ、103…分光器、104…制御部、151,152…フォーカサ又はコリメータ、RE,REA,REB…基準物体、SA…測定対象物。

Claims (13)

  1. 光を発生する光源と、
    測定対象物に前記光を出射するとともに、前記測定対象物からの第1干渉光を入射するように構成される第1光学部と、
    温度変動に対して光路長が一定となるように構成される基準物体に前記光を出射するとともに、前記基準物体からの第2干渉光を入射するように構成される第2光学部と、
    前記第1光学部及び前記第2光学部に接続され、前記第1干渉光及び前記第2干渉光を入射するように構成される分光器と、
    前記分光器に接続される制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    所定温度環境下の前記分光器に入射された前記第2干渉光に基づいて算出される前記基準物体の測定光路長と、予め取得された前記基準物体の基準光路長とに基づいて、前記所定温度環境下における前記基準光路長に対する前記測定光路長の変動率を算出し、
    前記所定温度環境下で前記分光器に入射された前記第1干渉光に基づいて算出される前記測定対象物の光路長を前記変動率に基づいて補正する、
    光路長測定誤差を補正するシステム。
  2. 前記光源に接続されるサーキュレータと、
    前記サーキュレータに接続される光スイッチと、をさらに備え、
    前記第1光学部は、
    前記光スイッチからの光を伝搬する第1光ファイバと、
    前記測定対象物に前記光を出射するとともに、前記測定対象物からの前記第1干渉光を入射するように構成される第1光学素子と、
    を有する、請求項1に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  3. 前記第1光学素子は、フォーカサ又はコリメータである、請求項2に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  4. 前記第2光学部は、
    前記光スイッチからの光を伝搬する第2光ファイバと、
    前記基準物体に前記光を出射するとともに、前記基準物体からの前記第2干渉光を入射するように構成される第2光学素子と、
    を有する、請求項2又は3に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  5. 前記第2光学素子は、フォーカサ又はコリメータである、請求項4に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  6. 前記基準物体は、エタロン素子であり、
    前記第2光学部は、前記光を前記エタロン素子に出射する第3光学素子と、前記エタロン素子からの透過光を入射するように構成された第4光学素子とを有する、請求項1~3の何れか一項に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  7. 前記第3光学素子及び前記第4光学素子は、フォーカサ又はコリメータである、請求項6に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  8. 前記基準物体は、一対の対向する平行平板を有する、請求項1~7の何れか一項に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  9. 前記平行平板間の空間内は真空である、請求項8に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  10. 前記基準物体は、前記平行平板の向かい合う内面のうちの少なくとも一方に反射膜を有する、請求項8又は9に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  11. 前記一対の対向する平行平板は、単結晶シリコンで形成される、請求項8又は9に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  12. 前記第2光学部と前記基準物体との相対位置を保持するホルダをさらに備える請求項1~8の何れか一項に記載の光路長測定誤差を補正するシステム。
  13. 測定対象物に光を出射するとともに、前記測定対象物からの第1干渉光を所定温度環境下の分光器に入射するステップと、
    前記第1干渉光に基づいて前記測定対象物の光路長を算出するステップと、
    温度変動に対して光路長が一定となるように構成される基準物体に前記光を出射するとともに、前記基準物体からの第2干渉光を前記所定温度環境下の前記分光器に入射するステップと、
    前記第2干渉光に基づいて前記基準物体の測定光路長を算出するステップと、
    前記基準物体の基準光路長を取得するステップと、
    前記第2干渉光に基づいて算出される前記基準物体の測定光路長と、前記基準物体の基準光路長とに基づいて、前記所定温度環境下における前記基準光路長に対する前記測定光路長の変動率を算出するステップと、
    前記測定対象物の光路長を前記変動率に基づいて補正するステップと、
    を含む、光路長測定誤差を補正する方法。
JP2022013030A 2021-05-07 2022-01-31 光路長測定誤差を補正するシステム及び方法 Pending JP2022173054A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW111116294A TW202303086A (zh) 2021-05-07 2022-04-28 修正光徑長度量測誤差之系統及方法
CN202210463006.7A CN115307773A (zh) 2021-05-07 2022-04-28 修正光路长测量误差的系统及方法
KR1020220053714A KR20220152146A (ko) 2021-05-07 2022-04-29 광로 길이 측정 오차를 보정하는 시스템 및 방법
US17/733,846 US11920928B2 (en) 2021-05-07 2022-04-29 System and method for correcting optical path length measurement errors

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021079034 2021-05-07
JP2021079034 2021-05-07

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022173054A true JP2022173054A (ja) 2022-11-17

Family

ID=84045827

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022013030A Pending JP2022173054A (ja) 2021-05-07 2022-01-31 光路長測定誤差を補正するシステム及び方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022173054A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7216110B2 (ja) 静止面および回転面上において横揺れ角を測定するための光学分度器
JP7286765B2 (ja) 共焦点光学分度器
US8570524B2 (en) Stable monolithic interferometer for wavelenghth calibration
KR101931829B1 (ko) 광학적 시스템 내의 거울의 가열 조건을 결정하기 위한 방법 및 배열체
JP2020535440A (ja) 干渉計測システムの補償光学系
US9203206B2 (en) Thermal locker
KR20200143482A (ko) 구성요소의 위치의 주파수 기반 결정을 위한 측정 조립체
CN103259189B (zh) 法布里-珀罗腔及外腔半导体激光器
US7414730B2 (en) High precision interferometer apparatus employing a grating beamsplitter
JPH08304203A (ja) 光式圧力検出方法とそのセンサ及び光式圧力センサの波長板、偏光選択装置とビーム分配器、並びに、かかる方法による多点計測光式圧力センサシステムとそのセンシングプローブ
US11920928B2 (en) System and method for correcting optical path length measurement errors
JP2022173054A (ja) 光路長測定誤差を補正するシステム及び方法
JP3242139B2 (ja) 気体屈折計
d’Arcio et al. An elegant Breadboard of the optical bench for eLISA/NGO
CN114485964A (zh) 一种激光波长测量系统、激光波长计算方法及计算系统
CN111562002B (zh) 高通量高分辨率高对比度的偏振干涉光谱成像装置及方法
CN112097650B (zh) 外差光栅位移测量方法
Hongwei et al. Differential correction system of laser beam directional dithering based on symmetrical beamsplitter
WO2014146477A1 (zh) 一种宽范围波长可调的标准具
JP2024037509A (ja) 異常箇所を判定する方法
Rerucha et al. Thermally compensated common-path differential interferometer with reduced long-term zero-drifts
CN115219034A (zh) 偏振态测量装置和偏振态测量方法
TW202146839A (zh) 測量特定波長之折射率的系統及方法
JP2899077B2 (ja) 屈折率分布測定方法
Fu et al. Analysis of the modulation efficiency of imaging Fourier transform spectrometers

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240312