JP2022172772A - 金属帯ばたつき抑制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属帯ばたつき抑制装置の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、金属帯を通板させる金属帯走行ラインに設けられ、該金属帯走行ラインの周囲に配置された隣接物の間隙を通過する金属帯のばたつきを抑制する金属帯ばたつき抑制装置であって、金属帯の少なくとも3箇所を押さえるサポートロールを有し、サポートロールは、金属帯の裏面側で、かつ、金属帯幅方向に分割されて、隣接物の両端側に配置される少なくとも1組の裏面サポートロールと、金属帯の表面側で、かつ、隣接物に対して金属帯走行方向の前後にそれぞれ少なくとも1つ配置される表面サポートロールとで構成され、裏面サポートロールと表面サポートロールは、それぞれのロール中心軸をライン方向にずらして配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、金属帯が走行するラインにおいて、走行時に発生する金属帯のばたつきを抑制する金属帯ばたつき抑制装置に関する。
自動車や家電製品等に使用される薄鋼板は、一般的には熱延鋼板から様々な工程を経て薄鋼板が製造され、冷延鋼板あるいは表面処理鋼板となる。これら薄鋼板の製造工程には、冷間酸洗工程、冷間圧延工程、連続焼鈍工程あるいはバッチ焼鈍工程、調質圧延工程、溶融亜鉛メッキ工程あるいは電気亜鉛メッキ工程等がある。これらの工程における鋼板製造ラインのパスラインでは、鋼板がラインを通板するにあたって避けられない高張力での張力変動や形状変動等の操業条件による変動に起因する鋼板のばたつき、すなわち金属帯のばたつきが生じる問題がある。このため、パスラインでは金属帯のばたつきを抑制する装置が必要である。
従来、上記問題を解決するための技術として、例えば特許文献1、2が挙げられる。特許文献1には、鋼板を通板する際に鋼板と接触するロールにおいて、ロール胴周方向にピッチ:0.1~50mm、溝の深さ:0.05~10mm、溝の幅:0.05~10mmの連続もしくは非連続的な溝を設けることで、鋼板とロール間の空気膜や液体膜をなくし、さらに、ロール表面にRa:0.3~10μmの粗度を与えることで、鋼板とロール間のグリップ力を向上させて、搬送される鋼板のばたつきを抑制する技術が開示されている。
特許文献2には、金属帯板を巻きつけた金属コイルからスリット材を巻き付けたスリット材コイルを得るためのスリッタラインにおいて、スリッタラインのセパレータディスク前(上流側)に1対のばたつき防止ロールを配置することで、スリット材のバタつき防止を図る技術が提案されている。
特開平7-16636号公報 実用新案登録第3174653号公報
しかしながら、薄鋼板の製造工程の金属帯走行ライン(パスライン)に、特許文献1の技術を適用するとしても、上述のとおり鋼板と接触するロールには所定形状の溝等を設ける必要がある。すなわち、既存ロールへの溝加工や溶射が必要であり、さらにロールを使用していくにつれて摩耗によりロール粗度が低下するという課題がある。
また、特許文献2の技術では、セパレータディスク前に1対のばたつき防止ロールのみを配置するものであるため、ロール近傍のばたつきは抑制されるが、その影響範囲は狭いといった課題がある。
また、薄鋼板の製造工程における金属帯走行ラインの周囲には、例えば、金属帯の厚さ・幅を測定する機器や、金属帯との距離や材質を測定するセンサ等の隣接物が、該走行ラインに隣接して設置されている。金属帯は、これら隣接物の間隙を走行する。そのため、走行中の金属帯にばたつきが生じることによって金属帯が板幅方向や上下方向に揺れて隣接物と接触し、金属帯の品質が低下することや隣接物が損傷することの問題もある。このため、走行する金属帯を隣接物に接触させることなく、その間隙を通過させることも求められている。
本発明は、上述した金属帯走行ラインにおける金属帯ばたつきに起因する課題、具体的には、金属帯が金属帯走行ライン周辺の隣接物からなる間隙を通過する際の金属帯ばたつきによる隣接物との接触、該接触による金属帯品質低下や設備損傷といった課題を解決するものである。本発明は、走行する金属帯の品質を担保することが可能な、金属帯ばたつき抑制装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決する為に、鋭意検討を重ねた結果、次の知見を得た。
走行中の金属帯と金属帯走行ライン周辺の隣接物との接触防止を図るには、接触を防止する対象設備の上流側および下流側の少なくとも3箇所に対してサポートロールを設置することが有効である。特に、サポートロールの少なくとも1つは金属帯幅方向に分割され、隣接物(例えば、金属帯との距離を測定する非接触式センサ)を挟んでその両側に配置される分割ロール(後述する「裏面サポートロール」)とし、該分割ロール以外のサポートロールは、隣接物に対して金属帯走行方向の前後(上流側および下流側)にそれぞれ少なくとも1つ配置される非分割ロール(後述する「表面サポートロール」)とする。このように配置された分割ロールおよび非分割ロールで構成されるサポートロールによって、金属帯の表面側および裏面側の2方向からの押さえによって走行時の金属帯ばたつきを抑制できる。
また、これらのサポートロールのロール押込み量は可変にもできる為、操業条件に応じて押込み量を適宜調整することが可能となる。さらに、隣接物から所定範囲内に2つの非分割ロールを配置することで、張力変動や形状変動による金属帯のばたつきを抑える効果がより大きくなる。これらにより、上記金属帯ばたつき抑制の効果を、より効果的に得ることができる。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、要旨は以下のとおりである。
[1] 金属帯を通板させる金属帯走行ラインに設けられ、該金属帯走行ラインの周囲に配置された隣接物の間隙を通過する金属帯のばたつきを抑制する金属帯ばたつき抑制装置であって、
前記金属帯の少なくとも3箇所を押さえるサポートロールを有し、
前記サポートロールは、前記金属帯の裏面側で、かつ、前記金属帯幅方向に分割されて、前記隣接物の両端側に配置される少なくとも1組の裏面サポートロールと、
前記金属帯の表面側で、かつ、前記隣接物に対して前記金属帯走行方向の前後にそれぞれ少なくとも1つ配置される表面サポートロールとで構成され、
前記裏面サポートロールと前記表面サポートロールは、それぞれのロール中心軸をライン方向にずらして配置される、金属帯ばたつき抑制装置。
[2] 前記サポートロールの押し込み量が可変である、[1]に記載の金属帯ばたつき抑制装置。
[3] 前記表面サポートロールが、前記裏面サポートロールから上流側に1000mm以内および前記隣接物から下流側に1000mm以内の位置にそれぞれ配置される、[1]または[2]に記載の金属帯ばたつき抑制装置。
本発明は、分割ロールおよび非分割ロールを組み合わせて構成される3本以上のサポートロールを用いることで、金属帯走行ライン周囲に配置される隣接物(設備)の間隙を通過する金属帯のばたつきを抑制することができる。これにより、金属帯が金属帯走行ライン周囲の他設備に接触することを抑制できるため、他設備を損傷することや金属帯の外観品質を損なうことの防止が可能である。
図1は、冷延鋼板を製造する連続焼鈍ラインにおける一般的な設備構成例を説明する概略図である。 図2は、本発明の金属帯ばたつき抑制装置を有する連続焼鈍ラインの設備構成例を説明する概略図である。 図3は、図2に示す連続焼鈍ラインにおける金属帯ばたつき抑制装置を鋼板長手方向からみた概略図である。 図4は、本発明の金属帯ばたつき抑制装置のサポートロールの使用および不使用における鋼板幅方向の鋼板変位量を示す図である。 図5は、本発明の金属帯ばたつき抑制装置のサポートロール不使用における鋼板長手方向の鋼板変位量を示す図である。 図6は、本発明の金属帯ばたつき抑制装置のサポートロール使用における鋼板長手方向の鋼板変位量を示す図である。 図7は、本発明の金属帯ばたつき抑制装置のサポートロールの使用および不使用における、非接触式センサと金属帯との接触有無の結果を示す表である。
以下、各図を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明はこの実施形態に限定されない。
まず、図1~図3を参照して本発明の金属帯ばたつき抑制装置を説明する。図1には一般的な冷延鋼板の連続焼鈍ラインの設備構成の一例を示し、図2、3には本発明の金属帯ばたつき抑制装置を有する冷延鋼板の連続焼鈍ラインの設備構成の一例を示す。図1、2は上記設備構成の側面図であり、図3は金属帯ばたつき抑制装置を鋼板長手方向からみた正面図である。
ここでは、冷延鋼板を製造する連続焼鈍ラインに図1および図2に示すような設備構成を設置する。図1および図2に示す設備構成の概要は、例えば、焼鈍炉(図示せず)の出側にデフレクターロール4が配置され、このデフレクターロール4の後方(下流)にステアリングロール5が配置される。デフレクターロール4とステアリングロール5の間には、金属帯1の表面側および裏面側に非接触式センサ6がそれぞれ配置され、これら非接触式センサ6の間を金属帯1が通板するような設備構成である。2つの非接触式センサ6の間隔(すなわち、図1に示す例では、金属帯表面側の非接触式センサ6aの外面と、この面に対向する側の金属帯裏面側の非接触式センサ6bの外面との距離)は44mmとする。非接触式センサ6では、走行中の金属帯1までの距離を金属帯1の表裏面側で測定し、金属帯の材質を測定する。図1および図2に示すように、連続焼鈍された金属帯1(鋼板)は、デフレクターロール4によって水平方向に通板方向を変えて、非接触式センサ6間を通板してステアリングロール5へ鋼板が送られる。なお、上記の「金属帯1の表面側および裏面側」における「表面」および「裏面」は任意に決めることができる。本実施形態では、図1等に示す金属帯1の上側の面を「表面」とし、金属帯1の下側の面を「裏面」としている。
なお、図2に示す設備構成では、上記構成に加えて、金属帯との接触を防止する設備(ここでは、非接触式センサ6)の上流側および下流側において金属帯をサポートするように本発明の金属帯ばたつき抑制装置10が配置されている。
図1に示す一般的な設備構成の場合には、ライン通板時に避けられない鋼板張力変動や鋼板形状変動等の操業条件による変動に起因して発生する鋼板ばたつき(金属帯ばたつき)によって、金属帯1の上下側に配置されている非接触式センサ6と金属帯1とが接触することがある。2つの非接触式センサ6の間隔は44mmと狭い。この狭い範囲を通板するにあたって、鋼板ばたつきによる金属帯1の板変動に対する対応が、図1に示す例では十分にできていなかった。
そこで、本発明では、上記した通板時の鋼板ばたつきを抑制する為に、図2および図3に示す金属帯ばたつき抑制装置10を設けることが重要となる。
図2および図3に示すように、本発明の金属帯ばたつき抑制装置10は、デフレクターロール4とステアリングロール5の間で、かつ2つの非接触式センサ6(以下、第1非接触式センサ6a、第2非接触式センサ6bと称する場合もある)の周辺に設置される。
金属帯ばたつき抑制装置10は、少なくとも3本のサポートロールを有する。具体的には、金属帯1の表面側で、かつ、第1非接触式センサ6aの上流側および下流側に配置される2本の表面サポートロール2(以下、第1表面サポートロール2a、第2表面サポートロール2bと称する場合もある)と、金属帯1の裏面側で、かつ、第2非接触式センサ6bを挟むように配置される1本の裏面サポートロール3とで構成される。表面サポートロール2は非分割のロールである。裏面サポートロールは分割されたロールである。具体的には、裏面サポートロール3は、図3に示すように鋼板長手方向から見た場合に、第2非接触式センサ6bの両端側で、該センサ6bを挟み込むように中央で分割されたロール(以下、「中央分割裏面サポートロール」と称する)である。中央分割裏面サポートロール3は、金属帯1の板幅方向のセンター部に第2非接触式センサ6bが配置されている為に、ロールを分割している。図3に示すように、中央分割裏面サポートロール3は、ロール下側に設けたエアシリンダー7によりロールの昇降が可能なロール昇降機能を備えている。エアシリンダー7により中央分割裏面サポートロール3の昇降を行うことで、中央分割裏面サポートロール3が上昇し、金属帯1の裏面が該ロールにより押し込まれる。これにより、金属帯1の表裏面側の各サポートロール2、3で金属帯1の押込み量(インターメッシュ量)を制御する。
なお、後述の図7で示すように、表面サポートロール2および中央分割裏面サポートロール3を併用せずにサポートロールを単独で使用する場合(図7の条件1、2の場合)には、サポートロールが使用されない金属帯1の片面側ではサポートロールによる拘束がないために、ばたつきが抑制されない。
一方、表面サポートロール2および中央分割裏面サポートロール3を使用するとしても、側面視で表裏面側のサポートロールの中心軸のライン方向の位置を同一に配置して使用した場合、すなわちピンチロールの様に扱う場合には、張力変動によるばたつき時にピンチロール間(すなわち表裏面側のサポートロール間)で金属帯が振動してしまい、金属帯の振動抑制範囲が狭い。
したがって、本発明では、図2に示すように、各サポートロール2、3は金属帯1の表面側および裏面側でそれぞれライン方向の位置をずらして設置し、サポートロール2、3による拘束を維持することが重要となる。このように各サポートロール2、3をずらして設置した場合(図7の条件3の場合)には、金属帯の振動が抑制され、非接触式センサ6との接触回数が0回であった。すなわち、金属帯1の表面側から金属帯1を押さえる2本の表面サポートロール2と、金属帯1の裏面側から金属帯1を押さえる1本の中央分割裏面サポートロール3とを設置しているため、各サポートロール2、3の押込み位置が、非接触式センサ6の間隙より狭い範囲内である場合、金属帯1はサポートロール2、3に沿って通板する事となるので接触を防止することができる。これにより各サポートロール2、3の間の広範囲において、通板時の鋼板ばたつきを抑制することができる。
本発明では、このような効果を得るため、例えば、表面サポートロール2および中央分割裏面サポートロール3は、直径が150mmのロールで、かつ、ポリウレタンをライニングしていることが好ましい。また、表面サポートロール2の長さは、ラインを通板する金属帯の幅以上とすることが好ましい。中央分割裏面サポートロール3の長さは、分割された各ロールの長さを500mm以上とすることが好ましい。
以上に説明した上記構成によって、金属帯のばたつき抑制効果を得られる。本発明では、この効果をより一層有利に得るために、更に以下の構成を設けてもよい。
本発明の金属帯ばたつき抑制装置10は、走行する金属帯1を金属帯走行ライン周辺の隣接物(例えば、非接触式センサ6)に接触させることなく、隣接物の間隙を通過させるために、サポートロール(表面サポートロール2および中央分割裏面サポートロール3)の押込み量を可変とすることができる。押込み量を可変とすることで、様々な条件で発生する金属帯のばたつきの程度差を適切に制御できる。
例えば、金属帯1の形状変動が大きい時には、表面サポートロール2および中央分割裏面サポートロール3の押込み量が固定かつ過大であると、上記サポートロール2、3の間で金属帯1が隣接物(例えば、非接触式センサ6)の間隙を超えることで接触することが懸念される。この場合に、上記サポートロール2、3の押し込み量を低減させることで、金属帯1が隣接物の間隙を超えないように制御する対応が可能となる。なお、押し込み量の調整は、エアシリンダー7のロール昇降機能により適宜制御される。エアシリンダー7を上昇させると、金属帯1へのロール押込みが大きくなり金属帯1裏面と非接触式センサ6の接触が抑制される。一方、エアシリンダー7を降下させると、金属帯1へのロール押込みが小さくなり金属帯1表面と非接触式センサ6の接触が抑制される。
また、本発明の金属帯ばたつき抑制装置10は、上述のように、表面サポートロール2および中央分割裏面サポートロール3をずらして設置することによって金属帯1の拘束を維持する。さらに、金属帯1に隣接する設備(隣接物)の間隙を金属帯1がこれらに接触することなく通過するために、隣接物の上流側および下流側(金属帯走行方向の前後側)において、それぞれ1000mm以内の範囲に表面サポートロール2(第1表面サポートロール2a、第2表面サポートロール2b)を設置することが好ましい。すなわち、裏面サポートロールから上流側に1000mm以内および隣接物から下流側に1000mm以内の位置に、表面サポートロール2がそれぞれ配置される。
隣接物(例えば、非接触式センサ6)の間隙に金属帯1を通過させるにあたり、金属帯表裏面側の各サポートロール2、3と隣接物の間隔が近いほど、形状変動や張力変動による金属帯1のばたつき抑制効果が大きくなる。さらに金属帯表面側のサポートロール2の間隔が広いと、ロール押込みによる金属帯の拘束に伴い、金属帯表裏面側の各サポートロール2、3間での金属帯1のばたつきの振動数は減少する。しかし、ばたつきの振幅が大きくなり、隣接物の間隙内で金属帯1が隣接物に接触することが懸念される。金属帯表面側の第1および第2表面サポートロール2a、2bと接触を抑制したい隣接物とが、1000mm以内の範囲に設置されていれば、金属帯1のばたつき振幅が十分に小さくなる。このような理由から第1および第2表面サポートロール2a、2bは上記範囲内に配置することが好ましい。より好ましくは500mm以内である。
次に、図4~図6を参照して、本発明における作用および効果について具体的に説明する。
まず、図4を用いて説明する。図4は、図2に示す焼鈍ラインにおいて、本発明の金属帯ばたつき抑制装置10の各サポートロール2、3の使用時および不使用時における金属帯1の鋼板変位量を示す。図4は、縦軸に鋼板変位量(mm)を、横軸に鋼板幅方向における鋼板変位量を示す。
図4に示すように、金属帯ばたつき抑制装置10の各サポートロールの使用時の条件として、表面サポートロール2および中央分割裏面サポートロール3は、ロール位置をパスライン位置としている。上述のように、金属帯1の上下側にある2つの非接触式センサ6間の距離は44mmであるため、パスラインと各接触式センサ6の間の距離は22mmである。図4中の点線は、第2非接触式センサ6b下面の位置を示す。
ここでは、金属帯ばたつき抑制装置10の3本のサポートロール2、3をずらして配置した。具体的には、第1表面パスロール2aは、第1非接触式センサ6aの上流側の端部から上流側の方向へ500mmの範囲内に設置し、第2表面パスロール2bは、第1非接触式センサ6aの下流側の端部から下流側の方向へ500mmの範囲内に設置した。また、分割裏面パスロール3は非接触式センサ6の中心の位置に配置した。
図4に示すように、各サポートロール2、3を不使用の状態で金属帯1を通板した場合は、金属帯1は板幅方向の全てにおいてばたつき振幅が22mmを超えて大きくなった。走行中の金属帯1は、両端部および中央部を含む全範囲で第2非接触式センサ6bと接触していたことが分かる。また、金属帯1は4~24mmの範囲内で変位しており、ばたつきが大きい。これは、張力変動やライン減速に起因した金属帯ばたつきに対し各サポートロール2、3による抑制作用が得られなかったことに起因するものと考えられる。
これに対し、各サポートロール2、3を使用して金属帯1を通板した場合は、金属帯1は板幅方向の全てにおいてばたつき振幅が20mm以内であった。走行中の金属帯1は第2非接触式センサ6bと非接触であったことがわかる。金属帯1は12~20mmの範囲内で変位しており、ばたつきが少ない。各サポートロール2、3のロール押込みにより金属帯ばたつきが抑制されて鋼板変位量が減少したと考えられる。
すなわち、サポートロール使用時には、不使用時に比べて、ライン通板時に避けられない鋼板張力変動や鋼板形状変動等による鋼板ばたつきが抑制されて、鋼板変位量が小さくなっている。このことから上記作用により、非接触式センサ6と金属帯1の接触を大幅に低減できていることが分かる。
続いて、図5および図6を用いて説明する。図5および図6には、図2に示す焼鈍ラインにおいて、本発明の金属帯ばたつき抑制装置10の各サポートロール2、3の使用時および不使用時における金属帯1の鋼板変位量を示す。図5および図6は、金属帯1の鋼板長手方向における鋼板変位量(mm)を示している。なお、図4と同様、各サポートロールの使用時の条件として、表面サポートロール2および中央分割裏面サポートロール3のロール位置をパスライン位置としている。各図中の点線は、第2非接触式センサ6b下面の位置を示す。
ここでは、金属帯ばたつき抑制装置10の3本のサポートロール2、3をずらして配置し、具体的な条件は、図4と同様とした。
図5に示すように、各サポートロール2、3を不使用の状態で金属帯1を通板した場合は、ライン減速や張力変動に起因して金属帯1のばたつきが全体的に大きく生じた。金属帯1は0~28mmの範囲内で変位しており、ばたつき振幅が大きい。また、パスラインからの変位量が22mmを超える箇所もあり、この箇所では金属板1と第2非接触式センサ6bとが接触したことが分かる。これは、各サポートロール2、3による金属帯ばたつきの抑制作用が得られなかったことに起因するものと考えられる。
これに対し、図6に示すように、各サポートロール2、3を使用して金属帯1を通板した場合は、ばたつきが抑制されていた。金属帯1は変位量が12~18mmの範囲内にあり、ばたつき振幅がほぼ一定に抑制されていた。走行中の金属帯1は第2非接触式センサ6bと非接触であったことがわかる。これは、各サポートロール2、3のロール押込みにより金属帯ばたつきが抑制されて鋼板変位量が減少したと考えられる。
すなわち、上述の鋼板幅方向の評価と同様に、サポートロール使用により、鋼板ばたつきが抑制されて鋼板変位量がサポートロール不使用より小さくなっていると同時に、変位量のばらつきも低減されている。サポートロール不使用時は最大で28mmの鋼板変位量の変動があったが、サポートロール使用により6mmの鋼板変位量の変動まで抑えられている。
上述のように、金属帯のばたつきは、ライン通板時に避けられない鋼板張力変動や鋼板形状変動などに起因している。そのため、本発明の金属帯ばたつき抑制装置は、高強度冷延鋼板(ハイテン)の製造ラインに適用することが特に好ましい。具体的には、引張強度が270MPa以上の鋼板の製造ラインに適用することができる。引張強度の上限は特に制限しないが、例えば1470MPa以下であればよい。
以上説明したように、本発明によれば、金属帯のライン通板時に避けられない張力変動や形状変動等の操業条件の変動により発生する金属帯ばたつきを、表面サポートロール2および中央分割裏面サポートロール3によって抑制する。これらのサポートロール2、3を金属帯1に接触させるとともに押込みを与えることで、それぞれのサポートロール2、3間で金属帯1が形状矯正され、かつ、拘束される。これにより、金属帯ばたつきが抑制できる。
また、上記した避けられない金属帯張力変動や金属帯形状変動に対して、比較的安価な構造の本発明の装置を設置することで鋼板変位量のばらつきも低減することが可能である。よって、本発明の装置を用いることで、従来の装置を適用することに比べて、設置コストや工期が短くできるという効果もある。
本発明の作用および効果について、実施例を用いて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
本実施例では、冷延鋼板を製造する連続焼鈍ラインで、冷延鋼板の製造を行った。連続焼鈍ラインには、図2に示すような本発明の金属帯ばたつき抑制装置10を含む設備構成を配置した。それぞれのロール位置はパスライン位置としている。非接触式センサ6(隣接物)間の距離は44mmとしている。
この連続焼鈍ラインにおいて、図7に示す各条件で各サポートロール2、3を制御して金属帯1(鋼板)を通板させ、隣接物(非接触式センサ6)と金属帯1とが接触する回数を測定した。ここでは、金属帯の引張強度は270~1470MPaとした。また、第1および第2表面サポートロール2a、2bは、非接触式センサ6から上流側および下流側にそれぞれ500mm範囲内に設置した。
図7には、表面サポートロール2および中央分割裏面サポートロール3の組み合わせによる、非接触式センサ6と金属帯1の接触有無を整理した結果を示している。
条件1は、本発明の金属帯ばたつき抑制装置10の中央分割裏面サポートロール3のみを使用した場合の結果である。条件2は、該装置10の2本の表面サポートロール2a、2bのみを使用した場合の結果である。条件3は、該装置10の中央分割裏面サポートロール3および2本の表面サポートロール2a、2bで構成される3本のサポートロールをずらして配置した場合の結果である。なお条件3では、上記した図4と同様の条件で3本のサポートロールを配置した。
条件1の場合には、第1非接触式センサ6aと鋼板表面とが接触し、条件2の場合には、第2非接触式センサ6bと鋼板裏面とが接触した。これは、ラインの鋼板張力変動時にそれぞれのサポートロールで鋼板を保持していないが故に生じた接触である。このことより、表面と裏面の両方で鋼板を挟み込む様にサポートロールを使用しなくてはならないことを示している。
一方、条件3の場合には、鋼板の両面にあるサポートロール2、3をずらして使用することにより、ラインの鋼板張力変動時のばたつきおよび非接触式センサ6の間隙内の形状崩れがサポートロール2、3によって拘束されたため、非接触式センサ6と金属帯1の接触回数はゼロであった。
1 金属帯
2 表面サポートロール
3 中央分割裏面サポートロール
4 デフレクターロール
5 ステアリングロール
6 非接触式センサ
7 エアシリンダー
10 金属帯ばたつき抑制装置

Claims (3)

  1. 金属帯を通板させる金属帯走行ラインに設けられ、該金属帯走行ラインの周囲に配置された隣接物の間隙を通過する金属帯のばたつきを抑制する金属帯ばたつき抑制装置であって、
    前記金属帯の少なくとも3箇所を押さえるサポートロールを有し、
    前記サポートロールは、前記金属帯の裏面側で、かつ、前記金属帯幅方向に分割されて、前記隣接物の両端側に配置される少なくとも1組の裏面サポートロールと、
    前記金属帯の表面側で、かつ、前記隣接物に対して前記金属帯走行方向の前後にそれぞれ少なくとも1つ配置される表面サポートロールとで構成され、
    前記裏面サポートロールと前記表面サポートロールは、それぞれのロール中心軸をライン方向にずらして配置される、金属帯ばたつき抑制装置。
  2. 前記サポートロールの押し込み量が可変である、請求項1に記載の金属帯ばたつき抑制装置。
  3. 前記表面サポートロールが、前記裏面サポートロールから上流側に1000mm以内および前記隣接物から下流側に1000mm以内の位置にそれぞれ配置される、請求項1または2に記載の金属帯ばたつき抑制装置。
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