JP2022169292A - 電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 所定エリアの電力系統の安定化を適切に図ることを可能とする電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法を提供する。【解決手段】 電力管理装置は、1以上の対象施設を管理する管理部と、2以上の単位時間を含む観測期間について、前記対象施設及び前記対象施設以外の施設が存在する所定エリアの予測需要電力を取得する取得部と、前記2以上の単位時間の中から、前記予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定する特定部と、前記特定単位時間において、前記対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行する制御部と、を備える。【選択図】 図3
Description
本発明は、電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法に関する。
発電事業者から電力を購入し、購入された電力を施設に販売する電力小売事業者が知られている。電力小売事業者は、電力小売事業者によって管理される施設のそれぞれの電力閾値を管理しており、電力小売事業者によって管理される施設のそれぞれについて、電力閾値を超えた需要電力に対する超過料金を算出する(例えば、特許文献1)。
ところで、所定エリアの電力系統の安定化の観点では、所定エリアの全体として最大需要電力を抑制することが好ましい。
しかしながら、上述した技術では、電力小売事業者によって管理される施設として最大需要電力を抑制することができる可能性はあるものの、所定エリアの全体として最大需要電力を抑制することができず、所定エリアの電力系統の安定化を適切に図ることができない可能性がある。
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、所定エリアの電力系統の安定化を適切に図ることを可能とする電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法を提供することを目的とする。
開示に係る電力管理装置は、1以上の対象施設を管理する管理部と、2以上の単位時間を含む観測期間について、前記対象施設及び前記対象施設以外の施設が存在する所定エリアの予測需要電力を取得する取得部と、前記2以上の単位時間の中から、前記予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定する特定部と、前記特定単位時間において、前記対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行する制御部と、を備える。
開示に係る電力管理システムは、1以上の対象施設を管理する管理部と、2以上の単位時間を含む観測期間について、前記対象施設及び前記対象施設以外の施設が存在する所定エリアの予測需要電力を取得する取得部と、前記2以上の単位時間の中から、前記予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定する特定部と、前記特定単位時間において、前記対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行する制御部と、を備える。
開示に係る電力管理方法は、1以上の対象施設を管理するステップと、2以上の単位時間を含む観測期間について、前記対象施設及び前記対象施設以外の施設が存在する所定エリアの予測需要電力を取得するステップと、前記2以上の単位時間の中から、前記予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定するステップと、前記特定単位時間において、前記対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行するステップと、を備える。
本発明によれば、所定エリアの電力系統の安定化を適切に図ることを可能とする電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法を提供することができる。
以下において、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものである。
[実施形態]
(電力管理システム)
以下において、実施形態に係る電力管理システムについて説明する。
(電力管理システム)
以下において、実施形態に係る電力管理システムについて説明する。
図1に示すように、電力管理システム100は、電力管理装置200と、施設300と、第三者サーバ400と、を有する。図1では、施設300として、施設300A~施設300Fが例示されている。
電力管理装置200、施設300及び第三者サーバ400は、ネットワーク120に接続されている。ネットワーク120は、電力管理装置200と施設300との間の回線及び電力管理装置200と第三者サーバ400との間の回線を提供すればよい。例えば、ネットワーク120は、インターネットを含んでもよい。ネットワーク120は、VPN(Virtual Private Network)などの専用回線を含んでもよい。
各施設300は、電力系統110に接続される。以下において、電力系統110から施設300への電力の流れを潮流と称し、施設300から電力系統110への電力の流れを逆潮流と称する。電力系統110から施設300への潮流電力は需要電力と称されてもよい。需要電力は、施設300から電力系統110への逆潮流電力を含む概念であってもよい。このようなケースにおいて、潮流電力は正の値で表され、逆潮流電力は負の値で表されてもよい。潮流電力は、施設300が購入する購入電力と読み替えられてもよく、逆潮流電力は、施設300が販売する売電電力と読み替えられてもよい。
実施形態では、施設300A~施設300Fは、所定エリアに設置された電力系統110に接続された施設の一例である。所定エリアは、電力系統110などのインフラストラクチャーを提供するエンティティ(例えば、発電事業者又は送配電事業者)の所管エリアであると考えてもよい。所定エリアは、他の基準で区分けされたエリアであってもよい。このような前提下において、施設300A~施設300Cは、電力管理装置200によって管理される対象施設の一例であってもよい。施設300D~施設300Fは、電力管理装置200によって管理される対象施設以外の施設の一例であってもよい。
電力管理装置200は、電力系統110の需給バランスを調整する電力管理装置の一例である。電力管理装置200は、発電事業者、送配電事業者或いは小売事業者、リソースアグリゲータなどの事業者によって管理されるサーバである。リソースアグリゲータは、VPP(Virtual Power Plant)において、発電事業者、送配電事業者及び小売事業者などに逆潮流電力を提供する電力事業者であってもよい。リソースアグリゲータは、リソースアグリゲータによって管理される施設300の潮流電力(消費電力)の削減電力を生み出す電力事業者であってもよい。
電力管理装置200は、施設300に設置されるローカル制御装置360に対して、施設300に設置される分散電源(例えば、太陽電池装置310、蓄電装置320又は燃料電池装置330)に対する制御を指示する制御メッセージを送信する。例えば、電力管理装置200は、潮流の制御を要求する潮流制御メッセージを送信してもよく、逆潮流の制御を要求する逆潮流制御メッセージを送信してもよい。さらに、電力管理装置200は、分散電源の動作状態を制御する電源制御メッセージを送信してもよい。潮流又は逆潮流の制御度合いは、絶対値(例えば、○○kW)で表されてもよく、相対値(例えば、○○%)で表されてもよい。或いは、潮流又は逆潮流の制御度合いは、2以上のレベルで表されてもよい。潮流又は逆潮流の制御度合いは、現在の電力需給バランスによって定められる電力料金(RTP; Real Time Pricing)によって表されてもよく、過去の電力需給バランスによって定められる電力料金(TOU; Time Of Use)によって表されてもよい。
第三者サーバ400は、電力管理装置200を管理するエンティティとは異なるエンティティによって管理されるサーバである。第三者サーバ400は、電力系統110などのインフラストラクチャーを提供するエンティティによって管理されるサーバであってもよい。第三者サーバ400は、少なくとも所定エリアを含む広域エリアにおいて電力の安定供給を図る広域機関によって管理されるサーバであってもよい。実施形態では、第三者サーバ400は、少なくとも所定エリアの予測需要電力を示す情報(以下、需要電力予測情報)を管理してもよい。第三者サーバ400は、少なくとも所定エリアの実績需要電力を示す情報(以下、需要電力実績情報)を管理してもよい。
特に限定されるものではないが、第三者サーバ400は、所定エリアに存在する施設300から、各施設300の需要電力予測情報又は需要電力実績情報を取得することによって、所定エリアの需要電力予測情報又は需要電力実績情報を管理してもよい。第三者サーバ400は、所定エリアに存在する施設300を管理する各事業者から、各事業者の需要電力予測情報又は需要電力実績情報を取得することによって、所定エリアの需要電力予測情報又は需要電力実績情報を管理してもよい。
第三者サーバ400は、電力系統110の需給バランスの調整を要求する調整メッセージを電力管理装置200に送信してもよい。調整メッセージは、電力系統の電力需要の削減を要求するメッセージ(DR(Demand Response)メッセージ)を含んでもよい。調整メッセージは、電力系統の電力供給の削減を要求するメッセージ(出力抑制メッセージ)を含んでもよい。
実施形態において、電力管理装置200とローカル制御装置360との間の通信は、第1プロトコルに従って行われる。一方で、ローカル制御装置360と分散電源(太陽電池装置310、蓄電装置320又は燃料電池装置330)との間の通信は、第2プロトコルに従って行われる。例えば、第1プロトコルとしては、Open ADR(Automated Demand Response)に準拠するプロトコル、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。例えば、第2プロトコルとしては、ECHONET Lite(登録商標)に準拠するプロトコル、SEP(Smart Energy Profile)2.0、KNX、或いは、独自の専用プロトコルを用いることができる。例えば、第1プロトコル及び第2プロトコルの双方は、独自の専用プロトコルであってもよく、異なる規則で作られたプロトコルであればよい。但し、第1プロトコル及び第2プロトコルは、同一の規則で作られたプロトコルであってもよい。
(施設)
以下において、実施形態に係る施設について説明する。
以下において、実施形態に係る施設について説明する。
図2に示すように、施設300は、太陽電池装置310、蓄電装置320、燃料電池装置330と、負荷機器340、ローカル制御装置360及び計測装置390を有する。
太陽電池装置310は、太陽光などの光に応じて発電を行う分散電源である。太陽電池装置310は、VPPで用いる分散電源の一例であってもよい。例えば、太陽電池装置310は、PCS(Power Conditioning System)及び太陽光パネルによって構成される。
蓄電装置320は、電力の充電及び電力の放電を行う分散電源である。蓄電装置320は、VPPで用いる分散電源の一例であってもよい。例えば、蓄電装置320は、PCS及び蓄電池セルによって構成される。なお、蓄電装置320の充電電力は、負荷機器340の消費電力と同様に、施設300の需要電力の増大に寄与し得る。蓄電装置320の放電電力は、負荷機器340によって消費されてよい。蓄電装置320の出力電力を用いた逆潮流が許容される場合には、蓄電装置320の放電電力は、施設300の逆潮流電力の増大に寄与し得る。
燃料電池装置330は、燃料を用いて発電を行う分散電源である。燃料電池装置330は、VPPで用いる分散電源の一例であってもよい。例えば、燃料電池装置330は、PCS及び燃料電池セルによって構成される。
例えば、燃料電池装置330は、固体酸化物形燃料電池(SOFC: Solid Oxide Fuel Cell)であってもよく、固体高分子形燃料電池(PEFC: Polymer Electrolyte Fuel Cell)であってもよく、リン酸形燃料電池(PAFC: Phosphoric Acid Fuel Cell)であってもよく、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC: Molten Carbonate Fuel Cell)であってもよい。
負荷機器340は、電力を消費する機器である。例えば、負荷機器340は、空調機器、照明機器、AV(Audio Visual)機器などである。
ローカル制御装置360は、施設300の電力を管理する装置(EMS; Energy Management System)である。ローカル制御装置360は、太陽電池装置310の動作状態を制御してもよく、蓄電装置320の動作状態を制御してもよく、燃料電池装置330の動作状態を制御してもよい。ローカル制御装置360は、負荷機器340の動作状態を制御してもよい。
計測装置390は、施設300に関する電力を計測する。計測装置390は、施設300に関する電力として、電力系統110から施設300への潮流電力を計測してもよい。計測装置390は、施設300に関する電力として、施設300から電力系統110への逆潮流電力を計測してもよい。計測装置390は、施設300に関する電力を示す情報要素を含むメッセージを第1周期(例えば、1分)で送信してもよい。計測装置390は、メッセージをローカル制御装置360に送信してもよく、電力管理装置200に送信してもよい。計測装置390は、自律的にメッセージを送信してもよく、送信相手の要求に応じてメッセージを送信してもよい。例えば、計測装置390は、電力系統110を提供するエンティティに帰属するSmart Meterであってもよい。
(電力管理装置)
以下において、実施形態に係る電力管理装置について説明する。
以下において、実施形態に係る電力管理装置について説明する。
図3に示すように、電力管理装置200は、管理部210と、通信部220と、制御部230とを有する。電力管理装置200は、VTN(Virtual Top Node)の一例であってもよい。
管理部210は、不揮発性メモリ又は/及びHDD(Hard Disk Drive)などの記憶媒体によって構成される。
例えば、管理部210は、電力管理装置200によって管理される施設300に関するデータを管理する。電力管理装置200によって管理される施設300は、電力管理装置200を管理するエンティティと契約を有する施設300であってもよい。上述したように、施設300A~施設300Cは、電力管理装置200によって管理される対象施設の一例である。施設300D~施設300Fは、電力管理装置200によって管理される対象施設以外の施設の一例である。
例えば、施設300に関するデータは、電力系統110から施設300に供給される需要電力であってもよく、電力系統110全体の需要電力の削減要請(DR)に応じて各施設300で削減された電力であってもよい。施設300に関するデータは、施設300に設置される分散電源(太陽電池装置310、蓄電装置320又は燃料電池装置330)の種別、施設300に設置される分散電源(太陽電池装置310、蓄電装置320又は燃料電池装置330)のスペックなどであってもよい。スペックは、太陽電池装置310の定格発電電力(W)、蓄電装置320の最大出力電力(W)、燃料電池装置330の最大出力電力(W)であってもよい。さらに、施設300に関するデータは、過去において分散電源に指示した出力電力であってもよい。例えば、分散電源が蓄電装置320である場合において、施設300に関するデータは、蓄電装置320に指示した放電電力であってもよい。施設300に関するデータは、分散電源の劣化度であってもよい。例えば、分散電源が蓄電装置320である場合において、施設300に関するデータは、蓄電装置320のSOH(State Of Health)であってもよい。
通信部220は、通信モジュールによって構成される。通信モジュールは、IEEE802.11a/b/g/n、ZigBee、Wi-SUN、LTE、5Gなどの規格に準拠する無線通信モジュールであってもよく、IEEE802.3などの規格に準拠する有線通信モジュールであってもよい。
通信部220は、ネットワーク120を介してローカル制御装置360と通信を行う。通信部220は、上述したように、第1プロトコルに従って通信を行う。例えば、通信部220は、第1プロトコルに従って第1メッセージをローカル制御装置360に送信する。通信部220は、第1プロトコルに従って第1メッセージ応答をローカル制御装置360から受信する。
例えば、通信部220は、電力系統110から施設300に供給される需要電力を示す情報要素を含むメッセージを施設300(例えば、ローカル制御装置360、計測装置390)から受信する。需要電力は、上述した計測装置390によって計測された値でもよい。需要電力は、負荷機器340の消費電力から分散電源(太陽電池装置310、蓄電装置320、燃料電池装置330)の出力電力を除いた値でもよい。なお、蓄電装置320が充電動作を実行している場合には、需要電力は、蓄電装置320の充電電力及び負荷機器340の消費電力の合計から分散電源の出力電力を除いた値でもよい。
実施形態では、通信部220は、ネットワーク120を介して第三者サーバ400と通信を行ってもよい。通信部220は、所定エリアの予測需要電力を示す需要電力予測情報を第三者サーバ400から受信してもよい。通信部220は、2以上の単位時間を含む観測期間について、対象施設及び対象施設以外の施設が存在する所定エリアの予測需要電力を取得する取得部の一例であってもよい。通信部220は、所定エリアの実績需要電力を示す需要電力実績情報を第三者サーバ400から受信してもよい。
制御部230は、少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(integrated circuit)によって構成されてもよく、通信可能に接続された複数の回路(集積回路(integrated circuit(s))及び/又はディスクリート回路(discrete circuit(s))など)によって構成されてもよい。
例えば、制御部230は、電力管理装置200の各構成を制御する。具体的には、制御部230は、制御メッセージの送信によって、施設300に設置されるローカル制御装置360に対して、施設300に設置される分散電源(太陽電池装置310、蓄電装置320又は燃料電池装置330)に対する制御を指示する。制御メッセージは、上述したように、潮流制御メッセージであってもよく、逆潮流制御メッセージであってもよく、電源制御メッセージであってもよい。
実施形態では、制御部230は、2以上の単位時間の中から、予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定する特定部の一例であってもよい。制御部230は、特定単位時間において、対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行する制御部の一例であってもよい。
(適用シーン)
以下において、実施形態に係る適用シーンについて説明する。
以下において、実施形態に係る適用シーンについて説明する。
第1に、実施形態の前提について、図4を参照しながら説明する。図4では、所定エリアの需要電力(例えば、上述した電力系統110に接続された施設300の需要電力)が例示されている。所定エリアの需要電力は、電力管理装置200によって管理される対象施設(例えば、施設300A~施設300C)の需要電力及び電力管理装置200によって管理される対象施設以外の施設(例えば、施設300D~施設300F)の需要電力の合計である。ここで、事業者Aは、電力管理装置200を管理するエンティティの一例である。事業者B及び事業者Cは、電力管理装置200を管理するエンティティ以外のエンティティの一例である。
図4に示すように、2以上の単位時間を含む観測期間において、所定エリアの需要電力は、事業者A~事業者Cに関する需要電力の合計である。例えば、単位時間は、30分であってもよく、1時間であってもよい。観測期間は、1週間であってもよく、1ヶ月であってもよい。なお、単位時間における事業者の需要電力は、事業者によって管理される施設300の需要電力(購入電力)の平均値で表されてもよい。
観測期間としては、所定エリアの需要電力が大きいと想定される期間が選択されてもよい。観測期間としては、2以上の観測期間が選択されてもよい。図4では、観測期間として、観測期間#1~観測期間#3が例示されている。例えば、観測期間が1ヶ月である場合には、観測期間#1~観測期間#3は、それぞれ、夏場の1ヶ月(7月、8月、9月)であってもよく、冬場の1ヶ月(12月、1月、2月)であってもよい。
このようなケースにおいて、電力系統110の安定化の観点では、所定エリアの需要電力のピークを抑制することが好ましい。ピークは、単位時間毎の需要電力の最大値である。例えば、観測期間#1においてピーク#1を抑制し、観測期間#2においてピーク#2を抑制し、観測期間#3においてピーク#3を抑制することが好ましい。
しかしながら、所定エリアの需要電力のピークが生じると予測される単位時間は、電力管理装置200によって管理される対象施設以外の施設の需要電力の影響を受けるため、電力管理装置200によって管理される対象施設の需要電力のピークが生じると予測される単位時間と一致しない可能性がある。従って、電力管理装置200が対象施設の需要電力のピークを抑制するだけでは、所定エリアの需要電力のピークを抑制することができない可能性がある。
第2に、実施形態の動作について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5及び図6では、所定エリアの需要電力のピークが生じると予測される単位時間(ピーク#1~ピーク#3)について主として説明する。
例えば、図5に示すように、ピーク#1では、所定エリアの予測需要電力が900万kWであり、事業者Aの予測需要電力が360万kWであり、事業者Bの予測需要電力が300万kWであり、事業者Cの予測需要電力が240万kWである。ピーク#2では、所定エリアの予測需要電力が1260万kWであり、事業者Aの予測需要電力が600万kWであり、事業者Bの予測需要電力が300万kWであり、事業者Cの予測需要電力が360万kWである。ピーク#3では、所定エリアの予測需要電力が840万kWであり、事業者Aの予測需要電力が300万kWであり、事業者Bの予測需要電力が240万kWであり、事業者Cの予測需要電力が300万kWである。
例えば、説明簡略化のために需要電力が予測通りに推移する想定において、ピーク#1~ピーク#3の合計について考えると、所定エリアの需要電力に対する事業者Aの需要電力の割合は、42%(1,260万kW/3,000万kW)であり、所定エリアの需要電力に対する事業者Bの需要電力の割合は、28%(840万kW/3,000万kW)であり、所定エリアの需要電力に対する事業者Aの需要電力の割合は、30%(900万kW/3,000万kW)である。
このようなケースにおいて、上述したように、実施形態では、所定エリアの需要電力のピークが生じると予測される単位時間が、対象施設の需要電力のピークが生じると予測される単位時間と一致しない可能性について着目する。このような新たな課題を踏まえて、電力管理装置200は、以下に示す動作を実行する。
第1に、電力管理装置200は、観測期間について、第三者サーバ400から電力需要予測情報を受信することによって、所定エリアの予測需要電力を取得してもよい。電力管理装置200は、観測期間について、第三者サーバ400から電力需要実績情報を受信することによって、所定エリアの実績需要電力を取得してもよい。電力管理装置200は、所定エリアの予測需要電力及び実績需要電力を単位時間毎に管理してもよい。
第2に、電力管理装置200は、観測期間に含まれる2以上の単位時間の中から、予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定する。例えば、電力管理装置200は、単位時間毎の予測需要電力を比較することによって、予測需要電力が最大である単位時間を特定単位時間として特定する。電力管理装置200は、実績需要電力よりも予測需要電力が大きいと想定される単位時間を特定単位時間として特定してもよい。特定単位時間は、所定エリアの需要電力のピークが生じると予測される単位時間と同義である。
第3に、電力管理装置200は、特定単位時間において、対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行する。特定単位時間において実行される特定制御は、第1特定制御と称されてもよい。電力管理装置200は、特定制御において、対象施設の負荷機器340の消費電力の抑制を指示する制御指令を対象施設に送信してもよい。電力管理装置200は、特定制御において、対象施設の蓄電装置320の放電電力の増大を指示する制御指令を対象施設に送信してもよい。
ここで、特定制御は、対象施設以外に設置される蓄電装置の放電制御を含まずに、対象施設に設置される対象蓄電装置(蓄電装置320)の放電制御を含んでもよい。対象施設以外に設置される蓄電装置は、電力管理装置200を管理するエンティティによって所有され、電力系統110に電力を供給可能な蓄電装置を含んでもよい。対象施設以外に設置される蓄電装置は、対象施設に設置されているが、対象施設の所有者とは異なる第三者によって所有される蓄電装置(以下、第三者蓄電装置)を含んでもよい。但し、第三者蓄電装置は、対象施設に設置される対象蓄電装置であると考えてもよい。
例えば、説明簡略化のために需要電力が予測通りに推移する想定において、このような特定制御の結果、図6に示すように、ピーク#1が生じると予測される特定単位時間において、事業者Aの需要電力は、360万kWから260万kWに抑制されてもよい。ピーク#2が生じると予測される特定単位時間において、事業者Aの需要電力は、600万kWから520万kWに抑制されてもよい。ピーク#3が生じると予測される特定単位時間において、事業者Aの需要電力は、300万kWから280万kWに抑制されてもよい。
例えば、特定制御後のピーク#1~ピーク#3の合計について考えると、所定エリアの需要電力に対する事業者Aの需要電力の割合は、38%(1,060万kW/2,800万kW)であり、所定エリアの需要電力に対する事業者Bの需要電力の割合は、30%(840万kW/2,800万kW)であり、所定エリアの需要電力に対する事業者Aの需要電力の割合は、32%(900万kW/2,800万kW)である。
(電力管理方法)
以下において、実施形態に係る電力管理方法について説明する。
以下において、実施形態に係る電力管理方法について説明する。
図7に示すように、ステップS10において、電力管理装置200は、所定エリアの需要電力予測情報を第三者サーバ400から受信する。電力管理装置200は、所定エリアの需要電力実績情報を第三者サーバ400から受信してもよい。
ステップS11において、電力管理装置200は、対象施設の需要電力予測情報を各対象施設から受信してもよい。電力管理装置200は、対象施設の需要電力実績情報を各対象施設から受信してもよい。但し、ステップS11の処理は省略されてもよい。
ステップS12において、電力管理装置200は、観測期間に含まれる2以上の単位時間の中から、予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定する。電力管理装置200は、実績需要電力よりも予測需要電力が大きい想定される単位時間を特定単位時間として特定してもよい。
ステップS13において、電力管理装置200は、特定単位時間において、対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行する。電力管理装置200は、特定制御において、各種の制御指令を対象施設に送信する。制御指令は、対象施設の負荷機器340の消費電力の抑制を指示する制御指令を含んでもよく、対象施設の蓄電装置320の放電電力の増大を指示する制御指令を含んでもよい。
ステップS14において、各対象施設は、特定単位時間において需要電力を抑制する。
(作用及び効果)
実施形態では、電力管理装置200は、観測期間に含まれる2以上の単位時間の中から、所定エリアの予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定し、特定単位時間において、対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行する。このような構成によれば、電力管理装置200によって管理される対象施設の需要電力のピークではなく、所定エリアの需要電力のピークを抑制することができ、所定エリアの電力系統110の安定化を適切に図ることができる。
実施形態では、電力管理装置200は、観測期間に含まれる2以上の単位時間の中から、所定エリアの予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定し、特定単位時間において、対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行する。このような構成によれば、電力管理装置200によって管理される対象施設の需要電力のピークではなく、所定エリアの需要電力のピークを抑制することができ、所定エリアの電力系統110の安定化を適切に図ることができる。
[変更例1]
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
以下において、実施形態の変更例1について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
上述した実施形態では特に触れていないが、変更例1では、電力管理装置200は、観測期間以外の期間において特定制御を実行せずに、観測期間において特定制御を実行してもよい。
上述したように、観測期間としては、所定エリアの需要電力が大きいと想定される期間が選択されてもよい。従って、観測期間以外の期間において特定制御が実行されなくても、電力系統110の安定化が阻害される可能性が低いため、観測期間以外の期間において、電力管理装置200又は施設300の運用ポリシーが優先されてもよい。
[変更例2]
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
以下において、実施形態の変更例2について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
上述した実施形態では特に触れていないが、変更例2では、電力管理装置200は、特定単位時間において、対象施設の需要電力が第1閾値を下回らないように特定制御を実行してもよい。第1閾値は、特定単位時間以外の単位時間の予測需要電力の最大値に基づいて定められてもよく、特定単位時間以外の単位時間の実績需要電力の最大値に基づいて定められてもよい。
このような構成によれば、電力管理装置200は、特定制御の結果、所定エリアの需要電力のピークが生じる単位時間が、特定単位時間以外の単位時間にシフトする事態を抑制することができる。
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
[変更例3]
以下において、実施形態の変更例3について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
上述した実施形態では特に触れていないが、変更例3では、電力管理装置200は、特定単位時間を含む制御対象時間において特定制御を実行してもよい。制御対象時間は、特定単位時間よりも長い時間であり、特定単位時間の前の時間を含んでもよく、特定単位時間の後の時間を含んでもよく、特定単位時間の前後の時間を含んでもよい。
このような前提下において、電力管理装置200は、制御対象時間の特定単位時間以外の時間において、対象施設の需要電力が第2閾値を上回らないように特定制御を実行してもよい。第2閾値は、特定制御が適用される特定単位時間における所定エリアの需要電力に基づいて定められてもよい。制御対象時間の特定単位時間以外の時間で実行される特定制御は第2特定制御と称されてもよい。
このような構成によれば、電力管理装置200は、特定制御が適用される特定単位時間の前後において、特定制御の適用に伴う需要電力の増大を抑制することによって、所定エリアの需要電力のピークが生じる単位時間が、特定単位時間の前後の単位時間にシフトする事態を抑制することができる。
[変更例4]
以下において、実施形態の変更例4について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
以下において、実施形態の変更例4について説明する。以下においては、実施形態に対する相違点について主として説明する。
上述した実施形態では特に触れていないが、特定制御は、特定単位時間における対象蓄電装置の放電電力を確保する制御を含んでもよい。すなわち、電力管理装置200は、特定単位時間を特定した場合に、特定単位時間における対象蓄電装置の放電制御を想定してもよい。電力管理装置200は、特定単位時間の開始時点において対象蓄電装置の蓄電残量が所望量となるように、特定単位時間の開始前の対象蓄電装置の充電又は放電を制御する。例えば、電力管理装置200は、特定単位時間の開始前において、対象蓄電装置の充電電力を増大してもよく、対象蓄電装置の放電電力を抑制してもよい。
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述した開示では、特定制御は、対象施設に設置される対象蓄電装置(蓄電装置320)の放電制御を含むケースについて説明した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。特定制御は、対象施設に設置される対象分散電源の出力を増大する制御を含んでもよい。対象分散電源は、燃料電池装置330を含んでもよい。対象分散電源は、対象施設に設置(接続)され得る電気自動車、対象施設に設置(接続)され得る燃料電池自動車を含んでもよい。対象分散電源は、対象施設に設置されるバイオマス発電装置、潮流発電装置、風力発電装置、自家発電機を含んでもよい。このようなケースにおいて、特定制御は、特定単位時間における対象分散電源の出力電力を増大する余地を確保する制御を含んでもよい。対象分散電源の出力電力を増大する余地は、対象分散電源の定格出力電力に対する差異であると考えてもよい。例えば、電力管理装置200は、特定単位時間の開始前において、定格出力電力よりも小さい第1電力となるように対象分散電源の出力電力を制御し、特定単位時間において第1電力よりも大きい第2電力となるように対象分散電源の出力電力を制御してもよい。
上述した開示では、特定制御は、対象施設に設置される対象蓄電装置(蓄電装置320)の放電制御を含むケースについて説明した。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。特定制御は、対象施設に設置される負荷機器340の消費電力を抑制する制御を含んでもよい。
上述した開示では、電力管理装置200は、所定エリアの電力需要予測情報を第三者サーバ400から受信する。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。例えば、電力管理装置200が事業者Aによって管理される場合に、事業者A以外の事業者(例えば、事業者B及び事業者C)によって管理される施設に関する需要電力予測情報を事業者A以外の事業者から取得してもよい。
上述した開示では、電力管理装置200は、所定エリアの電力需要実績情報を第三者サーバ400から受信する。しかしながら、上述した開示はこれに限定されるものではない。例えば、電力管理装置200が事業者Aによって管理される場合に、事業者A以外の事業者(例えば、事業者B及び事業者C)によって管理される施設に関する需要電力実績情報を事業者A以外の事業者から取得してもよい。
上述した開示では特に触れていないが、電力管理装置200が事業者Aによって管理される場合に、事業者A以外の事業者(例えば、事業者B及び事業者C)が上述した特定制御を実行してもよい。このようなケースにおいて、事業者Aによって管理される電力管理装置200は、他の事業者が特定制御を実行する想定で、予測需要電力を単位時間毎に推定し、推定された予測需要電力に基づいて特定単位時間を特定してもよい。
上述した開示では特に触れていないが、一定時間(例えば、30分)の需要電力が目標電力を超えないように、各施設300の需要電力が個別に制御されてもよい。このような制御は、各施設300の個別ピークカット制御と称されてもよい。このようなケースにおいて、所定エリアの需要電力のピークを抑制するための特定制御は、各施設300の個別ピークカット制御と異なる制御と考えてもよい。電力管理装置200は、各施設300の個別ピークカット制御が実行される想定で、予測需要電力を単位時間毎に推定し、推定された予測需要電力に基づいて特定単位時間を特定してもよい。
上述した開示では特に触れていないが、電力管理装置200は、第1周期(例えば、半日、1日、1週間、1月、1年)で更新される所定エリアの需要電力予測情報を第三者サーバ400から受信してもよい。電力管理装置200は、第2周期(例えば、1分、30分、1時間)で更新される所定エリアの需要電力実績情報を第三者サーバ400から受信してもよい。第2周期は、第1周期よりも短くてもよい。
上述した開示では特に触れていないが、上述した開示は、持続可能な開発目標(SDGs; Sustainable Development Goals)で定める目標7(エネルギーをみんなに そしてクリーンに)、目標9(産業と技術革新の基盤をつくろう)、目標11(住み続けるまちづくりを)及び目標13(気候変動に具体的な対策を)に寄与し得る。
100…電力管理システム、110…電力系統、120…ネットワーク、200…電力管理装置、210…管理部、220…通信部、230…制御部、300…施設、310…太陽電池装置、320…蓄電装置、330…燃料電池装置、340…負荷機器、360…ローカル制御装置、390…計測装置、400…第三者サーバ
Claims (9)
- 1以上の対象施設を管理する管理部と、
2以上の単位時間を含む観測期間について、前記対象施設及び前記対象施設以外の施設が存在する所定エリアの予測需要電力を取得する取得部と、
前記2以上の単位時間の中から、前記予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定する特定部と、
前記特定単位時間において、前記対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行する制御部と、を備える、電力管理装置。 - 前記管理部は、前記観測期間において、前記所定エリアの実績需要電力を前記単位時間毎に管理しており、
前記特定部は、前記実績需要電力よりも前記予測需要電力が大きいと想定される単位時間を前記特定単位時間として特定する、請求項1に記載の電力管理装置。 - 前記制御部は、前記観測期間以外の期間において前記特定制御を実行せずに、前記観測期間において前記特定制御を実行する、請求項1又は請求項2に記載の電力管理装置。
- 前記制御部は、前記特定単位時間において、前記対象施設の需要電力が第1閾値を下回らないように前記特定制御を実行する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電力管理装置。
- 前記制御部は、前記特定単位時間を含む制御対象時間において前記特定制御を実行し、
前記制御部は、前記制御対象時間の前記特定単位時間以外の時間において、前記対象施設の需要電力が第2閾値を上回らないように前記特定制御を実行する、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電力管理装置。 - 前記特定制御は、前記対象施設以外に設置される分散電源の制御を含まずに、前記対象施設に設置される対象分散電源の出力電力を増大する制御を含む、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電力管理装置。
- 前記特定制御は、前記特定単位時間における前記対象分散電源の出力電力を増大する余地を確保する制御を含む、請求項6に記載の電力管理装置。
- 1以上の対象施設を管理する管理部と、
2以上の単位時間を含む観測期間について、前記対象施設及び前記対象施設以外の施設が存在する所定エリアの予測需要電力を取得する取得部と、
前記2以上の単位時間の中から、前記予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定する特定部と、
前記特定単位時間において、前記対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行する制御部と、を備える、電力管理システム。 - 1以上の対象施設を管理するステップと、
2以上の単位時間を含む観測期間について、前記対象施設及び前記対象施設以外の施設が存在する所定エリアの予測需要電力を取得するステップと、
前記2以上の単位時間の中から、前記予測需要電力が最大化すると想定される特定単位時間を特定するステップと、
前記特定単位時間において、前記対象施設の需要電力を抑制する特定制御を実行するステップと、を備える、電力管理方法。
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JP2021075234A JP2022169292A (ja) | 2021-04-27 | 2021-04-27 | 電力管理装置、電力管理システム及び電力管理方法 |
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