JP2022169245A - フロア構成材 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱膨張による隆起を解消しつつ、施工が容易なフロア構成材の提供。【解決手段】複数を隣接させてフロアを形成する合成樹脂製のフロア構成材であって、上面でフロア面を形成する多角形形状のパネル部と、パネル部を支持する支柱部とを備え、パネル部は多角形形状の各辺となる複数の縁辺部を備え、縁辺部は対向して隣接する他のフロア構成材に対する縁辺部の長さ方向における位置を決める位置決め部と、隣接する他のフロア構成材の縁辺部における位置決め部に対して長さ方向で係合する係合部を含み、上面の面方向のうち、長さ方向に直交する隣接方向におけるフロア構成材の熱膨張を吸収する吸収部を備え、吸収部は縁辺部に隣接方向で当接して弾性変形するように構成された吸収当接部を含み、位置決め部が少なくとも一つの縁辺部の長さ方向中央部に配置され、位置決め部に対して、長さ方向の一方側部と他方側部のうち少なくとも一方に配置されている。【選択図】図1
Description
本発明は、隣接して組み合わされることにより、フリーアクセス可能なフロアを構成するフロア構成材に関する。
従来、オフィスや医療・福祉施設等の床に、フリーアクセス可能なフロアが採用されている。斯かるフロアとは、フロア構成材を構造床(建築物の床)の上に並設して組み合わせた床であり、電力用配線、通信用配線及び機器等の収容を容易にできる機能を有する床(二重床構造)である。
特許文献1には、フロア構成材として、上面でフロア床面を形成するパネル部と、パネル部を支持する複数の支柱部とを備える合成樹脂製のフリーアクセスフロア構成材が知られている。
特許文献1のパネル部は、矩形状に形成され、隣接された構成材と位置ずれするのを防止すべく、隣接された構成材と係合し合う凸状の係合部、及び凹状の係合部を各側方(四辺の各辺)にそれぞれ一つずつ備えている。
上記特許文献1のフリーアクセスフロア構成材のパネル部には、隣接される構成材と位置合わせをするために、凸状の係合部及び凹状の係合部が形成されている。
しかしながら、パネル部(フリーアクセスフロア構成材)は、合成樹脂製である。このため、パネル部ごとに前記四辺の各辺の長さ方向で寸法誤差が生ずることがある。この寸法誤差は、パネル部の施工範囲が大きければ、これらが累積されて過大になる。したがって、寸法誤差が生じたパネル部を床面に隣接して施工するときには、寸法誤差に応じた施工が必要である。しかしながら、この施工作業には熟練した技能が必要である。
また、フリーアクセスフロア構成材の施工は、夏季や冬季に限らず行われ、特に、フリーアクセスフロア構成材が熱膨張した際には、パネル部どうしの継目が、床面に対して隆起してしまうこともあった。
本発明は、熱膨張による隆起を解消しつつ、施工が容易なフロア構成材の提供を目的とする。
本発明は、複数を隣接させてフロアを形成する合成樹脂製のフロア構成材であって、上面でフロア面を形成する多角形形状のパネル部と、該パネル部を支持する支柱部と、を備え、前記パネル部は、多角形形状の各辺となる複数の縁辺部を備え、少なくとも一つの縁辺部は、該少なくとも一つの縁辺部に対向して隣接する他のフロア構成材に対する少なくとも一つの縁辺部の長さ方向における位置を決める位置決め部を備え、該位置決め部は、隣接する他のフロア構成材の少なくとも一つの縁辺部における位置決め部に対して前記長さ方向で係合する係合部を含み、前記少なくとも一つの縁辺部は、前記上面の面方向のうち、前記長さ方向に直交する隣接方向におけるフロア構成材の熱膨張を吸収する吸収部を備え、該吸収部は、隣接する他のフロア構成材における少なくとも一つの縁辺部に隣接方向で当接して弾性変形するように構成された吸収当接部を含み、前記位置決め部は、前記少なくとも一つの縁辺部の長さ方向中央部に配置され、前記吸収部は、前記位置決め部に対して、前記長さ方向の一方側部と他方側部のうち少なくとも一方に配置されたことを特徴とする。
上記構成において、合成樹脂製のフロア構成材は、成型により寸法誤差が生じるが、出願人は、フロア構成材の長さ方向の中央部が、寸法誤差の影響を受けにくいことを知見した。該知見に基づき発明した上記本発明においては、係合部を、隣接するフロア構成材の位置決め部に係合させ、また、係合部を縁辺部の長さ方向の中央部に配置することで、寸法誤差が少ない中央部を基準に正確に位置決めでき、また、位置決め部の前記長さ方向の一方側部および他方側部のうちの、少なくとも一方の吸収部の吸収当接部で、前記寸法誤差を吸収しつつ隣接方向の熱膨張も吸収できるから、熱膨張による隆起を解消しつつ、施工が容易なフロア構成材が実現される。
本発明は、複数の前記縁辺部が、前記位置決め部と前記吸収部とを備え、一つの縁辺部における位置決め部の係合部は、残りの縁辺部における位置決め部の係合部に前記長さ方向で位置決めするように係合可能に構成され、一つの縁辺部における吸収部の吸収当接部は、残りの縁辺部に前記隣接方向で当接して撓むように構成されていてもよい。
上記のように構成すれば、同形状のフロア構成材を、何れの縁辺部を対向させて隣接させても、位置決め部により正確な位置決めができ、吸収部により寸法誤差の吸収と熱膨張の吸収ができるから、フロア構成材の施工が容易となる。
本発明は、前記少なくも一つの前記縁辺部は、前記パネル部に対して上下方向で配線を挿通する挿通部を備え、該挿通部は、前記少なくとも一つの縁辺部において前記隣接方向で前記パネル部の内側へ向けて凹設された孔部と、該孔部内に配置され、該孔部に対して取外し可能な壁部とを備えた構成を採用することもできる。
上記構成によれば、孔部に対して壁部が取付けられた状態と取外した状態とを選択することができるから、配線の数や太さに応じて挿通部の孔部の大きさを選択することができる。
本発明では、前記挿通部は、隣接する他のフロア構成材における少なくとも一つの縁辺部が備える挿通部に対して、隣接方向で対向するよう配置された構成を採用することもできる。
上記構成によれば、互いに対向する一対の挿通部それぞれにおいて、壁部を孔部に取付けた状態と取外した状態とを選択できるので、配線を挿通するための孔部の大きさを種々選択することが可能である。
本発明に係るフロア構成材によれば、熱膨張による隆起を解消しつつ、施工が容易なフロア構成材が実現される。
以下、本発明に係るフロア構成材およびフロア支持構造の一実施形態について、図1~図7を参酌して説明する。本実施形態に係るフロアは、図1~図5に示すように、複数個のフロア構成材(以下単に「構成材」という)1から構成されている。
図1においては、構成材1を一つのみ図示しているが、実際には、図3に複数の構成材1が構造床Xの上に並設されて組み合わされることでフロアが構成されている。また、各構成材1は、同形状の構成である。なお、フロアには例えばタイル状のカーペットYが敷かれる。
構成材1は、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)等の合成樹脂で形成されている。図1から図3に示すように、構成材1は、パネル部2と、パネル部2を支持する複数の支柱部3を備えている。
パネル部2について説明する。パネル部2は正面視して多角形形状に形成された板状部4を備えている。本実施形態では、パネル部2は略正方形である。また、パネル部2は、図1および図2に示すように、縁辺部2A,2B,2C,2Dを、四つ備えている。板状部4は、上壁4Aと、上壁4Aに下方で対向する下壁4Bを備える。板状部4は、その側方に縦壁4Cが形成されており、したがって縦壁4Cは板状部4の四辺に形成され、各縦壁4Cは、上下方向に所定の長さを有している。
図2に示すように、各縦壁4Cの内方側には、下壁4Bに一体形成され上下方向に延びるリブ5が形成されている。リブ5は、下壁4Bの側部、中心部に配置された縦横リブ6と、縦横リブ6の間に配置された傾斜リブ7とを備えている。縦横リブ6の上下方向の長さは、縦壁4Cの上下方向の長さと同等である。
また、縦横リブ6が交差する部分に、中空状の支柱部3が配置されており、本実施形態においては、九つの支柱部3が形成されている。本実施形態では、縦横リブ6が支柱部3の連結部分であり、傾斜リブ7が板状部4の補強部分とされる。本実施形態では、支柱部3は、縁辺部2A,2B,2C,2Dの下方に位置しており、具体的には、各縁辺部2A,2B,2C,2Dの長さ方向に一端部、他端部にそれぞれ配置され、さらに長さ方向の中央部に配置されている。
各縦壁4Cの外側には、隣接される構成材1(同形状の構成)のパネル部2どうしの対向面8が配設されている。この対向面8どうしは、長手方向に不連続に離間した上下方向の面(図1、図6、図7参照)であり、縦壁4Cから水平方向に離間された位置に配置されている。このように、四つの縁辺部2A,2B,2C,2Dは、縦壁4Cと対向面8とを備えている。
図1、図2、図4に示すように、構成材1のパネル部2は、前述のように、略正方形の各辺となる複数の縁辺部2A,2B,2C,2Dを備えている。縁辺部2A,2B,2C,2Dは、位置決め部10、吸収部11、および挿通部12を備える。位置決め部10は、縁辺部2A,2B,2C,2Dに対向して隣接する他のフロア構成材1に対する縁辺部2A,2B,2C,2Dの長さ方向における位置を決める。位置決め部10は、縁辺部2A,2B,2C,2Dの長さ方向中央部に配置されている。位置決め部10は、隣接する他のフロア構成材1の縁辺部2A,2B,2C,2Dにおける位置決め部10に対して長さ方向で係合する係合部(後述する、凸型係合部13と、凹型係合部14)を備える。
吸収部11は、パネル部2の上面の面方向のうち、長さ方向に直交する隣接方向におけるフロア構成材1の熱膨張を吸収する。また、吸収部11は、隣接する他のフロア構成材1縁辺部2A,2B,2C,2Dに隣接方向で当接して弾性変形するように構成された吸収当接部19を含んでいる。また、吸収部11は、位置決め部10に対して、長さ方向の一方側部と他方側部のうち少なくとも一方に配置されており、本実施形態では、長さ方向の一方側部と他方側部の双方に設けられている。
挿通部12は、縁辺部2A,2B,2C,2Dに、パネル部2に対して上下方向で配線31を挿通するよう構成されている。
図1、図2に示すように、位置決め部10は、縁辺部2A,2B,2C,2Dの長さ方向中央部に配置されている。また、位置決め部10は、凸型係合部13と、凹型係合部14とを備える。
凸型係合部13と凹型係合部14とを具体的に説明する。凸型係合部13は、対向面8に対して、外側に膨出するように配置されている。また、凸型係合部13は、縁辺部2A,2B,2C,2Dにおいて、板状部4の縦横の中心線P1,P2の片側に形成され、基部が対向面8に形成されて先端部15(図6参照)を頂点とする略角錐台に形成されている。また、凸型係合部13の長さ方向両端部は、後述する、隣接する構成材1の位置決め片16,16に当接することが可能な当接面17,17とされる。本実施形態では、角錐台における二つの斜面が当接面17,17となっている。なお、凸型係合部13の角錐台形状は、対向面8の面方向に対して不連続な形状である。
凹型係合部14は、隣接する構成材1の凸型係合部13と組合わせるものであり、凸型係合部13に対して長さ方向に並んで配置される。具体的に、凹型係合部14は、対向面8に対し凸型係合部13の長さ方向に並列して形成されている。この場合の並列とは、中心線P1,P2と線対称に配置された位置である。
凹型係合部14は、縁辺部2A,2B,2C,2Dにおいて、隣接方向の内側へ凹設された凹部14aと、凹部14aにおける隣接方向の外側の端部に長さ方向に沿って延設された前記位置決め片16,16とを備える。凹部14aは、対向面8から板状部4の内方側へ向けて窪むように形成されている。位置決め片16,16は、凹部14aにおける長さ方向で対向する両方の対向面8それぞれに設けられており、一方の位置決め片16が他方の位置決め片16へ向けて長さ方向に延設されており、互いの先端面18,18どうしが所定の隙間を介して対向している。
位置決め片16,16は、正面視して長さ方向に直線形状であり、且つ互いに長さ方向に所定間隔δ1を有し、対向面8に接続される基部を中心に、隣接方向に撓むことができる。すなわち、位置決め片16,16は、隣接方向で弾性変形可能に構成されている。それぞれの位置決め片16,16の先端面18,18は、隣接する構成材1の凸型係合部13と組合わせた際に、該凸型係合部13の当接面17,17と当接する。なお、先端面18,18は、隣接方向の外側に向けて長さ方向で広がる方向で傾斜して形成されている。
図1、図2に示すように、凸型係合部13および凹型係合部14は、各縁辺部2A,2B,2C,2Dに形成されており、対向する縁辺部2A,2B,2C,2Dでは、凸型係合部13および凹型係合部14の位置が、長さ方向において逆の位置に配置されている。各縁辺部2A,2B,2C,2Dの凸型係合部13および凹型係合部14とは、中心線P1,P2とが交差する点を中心に、回転対称となるように配置されている。
図1、図2、図4に示すように、吸収部11は、縁辺部2A,2B,2C,2Dにおいて、位置決め部10の長さ方向の一方側部と他方側部の双方に配置されている。具体的に、吸収部11は縁辺部2A,2B,2C,2Dの長さ方向の一方の端部と他方の端部に配置されている。吸収部11は、隣接する他の構成材1における一つの縁辺部2A,2B,2C,2Dに隣接方向で当接して撓むように構成された吸収当接部19と、押圧部20とを備える。
吸収当接部19について説明する。吸収当接部19は、隣接する構成材1の押圧部20と組合されるよう構成されている。吸収当接部19は、板状部4の縦横の中心線P1,P2に対して両端部側に形成されている。吸収当接部19は、対向面8から板状部4内方側へ向けて窪んで、且つ縁辺部2A,2B,2C,2Dの長さ方向に延長されている。
図7に示すように、吸収当接部19には、板状部4から連続する底面21が形成され、長さ方向には側面22,22が形成され、側面22,22に連続する奥面23が形成されている。また、底面21は板状部4に形成され、且つ対向面8に対し、板状部4の内方側に形成されている。
該底面21において、隣接する構成材1側に、弾性当接部24が立設されている。弾性当接部24は、前記隣接方向に弾性変形可能に構成されており、本実施形態では、可撓片として前記隣接方向に撓むことが可能な板状に形成され、底面21の長さ方向中央に形成されている。弾性当接部24の長さ方向両端部と、側面22,22との間に、所定のずれ収容隙間δ2が形成されている。また、弾性当接部24の背面と、奥面23との間に、所定の可撓隙間δ3が形成されている。
正面視して、側面22,22の隣接方向の外側端部と、底面21の隣接方向の外側端部との間に、隣接する構成材1における押圧部20の先端部25が挿入可能な挿入隙間δ4が形成され、弾性当接部24の前面は、隣接する構成材1の押圧部20によって押圧可能な押圧面26とされている。
押圧部20について説明する。押圧部20は対向面8に形成され、長さ方向において吸収当接部19に並列して形成されている。押圧部20は、対向面8から隣接方向の外側へ突出されており、先端部25を頂点とする略角錐台に形成されている。なお、押圧部20の角錐台形状は、対向面8の面方向に対して不連続な形状である。
上記のように、吸収当接部19と押圧部20とは並列して形成される。また、吸収当接部19と押圧部20とは、各縁辺部2A,2B,2C,2Dに形成されている。図1、図2で示すように、吸収当接部19と押圧部20とは、対向する縁辺部2A,2B,2C,2Dでは、吸収当接部19と押圧部20との位置が、長さ方向において逆の位置に配置されている。各縁辺部2A,2B,2C,2Dの吸収当接部19と押圧部20とは、中心線P1,P2とが交差する点を中心に、回転対称となるように配置されている。
挿通部12の説明をする。図1、図2に示すように、挿通部12は、位置決め部10と吸収部11の間に配置されている。本実施形態では、位置決め部10と吸収部11の間は二つあるため、それぞれに挿通部12が配置されている。各縁辺部2A,2B,2C,2Dの挿通部12の配置位置は、中心線P1,P2とが交差する点を中心に、回転対称となるように配置されている。
図6に示すように、挿通部12は、縁辺部2A,2B,2C,2Dの対向面8において、板状部4の内方側へ向けて(隣接方向へ向けて)凹設された孔部27を備える。孔部27は、長さ方向に離間した側面28,28と、側面28,28を連続する奥面29を備えている。
挿通部12は、孔部27内に配置されて、孔部27の側面28,28に取外し可能な壁部30を備えている。壁部30は板状に形成され、側面28,28の隣接方向の途中に配置されている。すなわち、壁部30は側面28,28の途中に配置されているから、壁部30の背面と奥面29との間に隙間が形成されるとともに、壁部30の前面と対向面8との間に隙間が形成される。
本実施形態では、前述のように隣接する構成材1から、フロアが構成されている。すなわち、図3に示すように、構成材1の支柱部3を下にし、パネル部2を上にして構造床Xに隣接するように配置する。そして、各パネル部2の縁辺部2A,2B,2C,2Dには、隣接するパネル部2と対応する位置決め部10、吸収部11、および挿通部12が配置されている。すなわち、壁部30は、正面視して、孔部27の一部を遮蔽すよう構成されている。
ここで、例えば、図5に示すように、九つの構成材1について説明する。具体的に、フロアの中心に配置される構成材1(以下、構成材100とする)に対し、紙面上下、左右にある構成材1(以下、構成材101,102,103,104)について説明することとする。すなわち、構成材100に、構成材101,102,103,104を隣接して配置する場合について説明する。
構成材100と、紙面上側の構成材101とを隣接して配置した際に、図6に示すように、位置決め部10は、凹型係合部14に凸型係合部13が係合(挿入)される。すなわち、構成材100,101における凸型係合部13の先端部15が、凹型係合部14における位置決め片16,16の所定間隔δ1挿入される。そして、凸型係合部13の当接面17,17が、位置決め片16,16の先端面18,18に当接する。凸型係合部13の当接面17,17が、位置決め片16,16の先端面18,18に当接するので、長さ方向、および長さ方向に直交する隣接方向に、構成材100,101が位置決めされる。
また、各構成材100,101には、位置決め部10が複数の係合部として、凸型係合部13と、凹型係合部14とを備えるので、構成材100,101の長さ方向および隣接方向の位置決めが確実に行われる。特に、長さ方向だけではなく、隣接方向でも係合する係合部を複数個備えるので、隣接方向で対向する縁辺部2A,2B,2C,2Dどうしの長さ方向の平行決めができる。また、凸型係合部13の当接面17,17が、位置決め片16,16の先端面18,18に当接した際に、構成材100,101どうしの対向面8,8の間に、所定の隙間が形成される。
パネル部2の縁辺部2A,2B,2C,2Dには、回転対称となるように、位置決め部10、吸収部11とが設けられており、隣接するパネル部2と対応するような、位置決め部10及び吸収部11が配置されているから、一つの構成材100に対して、構成材101,102,103,104の何れであっても隣接することができ、構成材100,101,102,103,104のパネル部2について、パネル部2の上面の面方向での位置合わせが決定される。
一方で、凸型係合部13の当接面17,17が、位置決め片16,16の先端面18,18に当接した際には、構成材100,101,102,103,104における吸収当接部19と押圧部20については、押圧部20の先端部25が、吸収当接部19の押圧面26に当接していてもよいし、わずかに離間していてもよい。なお、図7では、押圧部20の先端部25が、吸収当接部19の押圧面26に当接した場合を示している。
出願人は、構成材1の長さ方向の中央部が、寸法誤差の影響を受けにくいことを知見した。すなわち、合成樹脂製の成型材である構成材1においては、縁辺部2A,2B,2C,2Dの寸法誤差は、長さ方向の中央部ほど小さく、端部側ほど大きくなる傾向がある。そして、該知見に基づき、位置決め部10である凹型係合部14と凸型係合部13を、隣接する構成材1の位置決め部10である凸型係合部13と凹型係合部14にそれぞれ係合させ、また、位置決め部10を縁辺部2A,2B,2C,2Dの長さ方向の中央部に配置することで、寸法誤差(中心線P1,P2を中心とする、長さ方向に生じる製造誤差)が少ない中央部を基準に正確に位置決めできる。
このように、各構成材1の各縁辺部2A,2B,2C,2Dが、位置決め部10と吸収部11とを備え、一つの縁辺部2A,2B,2C,2Dにおける位置決め部10の凸型係合部13と凹型係合部14は、残りの縁辺部2A,2B,2C,2Dにおける位置決め部10の凸型係合部13と凹型係合部14に、長さ方向で位置決めするように係合可能に構成され、一つの縁辺部2A,2B,2C,2Dにおける吸収部11の吸収当接部19は、残りの縁辺部2A,2B,2C,2Dに隣接方向で当接して撓むように構成されている。
したがって、特に、何れの縁辺部2A,2B,2C,2Dを対向させて隣接させても、位置決め部10により正確な位置決めができる。このため、構成材100を中心に、構成材101,102,103,104を隣接するように配置した場合に、熟練した技能を必要とせず、且つ縁辺部2A,2B,2C,2Dを概ね揃えて、構成材100,101,102,103,104のパネル部2を配置することができるため、構成材1の施工が容易となる。
構成材100,101,102,103,104が、全体として熱膨張した場合を説明する。構成材100,101,102,103,104の全体が熱膨張すると、パネル部2は、主として面方向に膨張する。そうなると、隣接している構成材100,101,102,103,104どうしの対向する縁辺部2A,2B,2C,2Dが、隣接方向で接近する。つまり、一方の構成材100の吸収部11における吸収当接部19と、他方の構成材101の吸収部11における押圧部20とが接近する。その結果、押圧部20の先端部25が吸収当接部19としての弾性当接部24(可撓片)の押圧面26に当接し、これを隣接方向で押圧する。そして、弾性当接部24は、可撓性を有し、背面側に可撓隙間δ3が形成されているため、押圧部20により押圧によって、背面側、つまり隣接方向の内側へ弾性変形として撓む。
弾性当接部24は、底面21に立設されて可撓性を有するから、弾性当接部24が撓むことにより、パネル部2の隣接方向の熱膨張が吸収される。このようにして、吸収部11の吸収当接部19で、隣接方向の熱膨張を吸収できる。このため、熱膨張によるパネル部2どうしの隆起を解消しつつ、施工が容易な構成材1となる。
吸収部11は、縁辺部2A,2B,2C,2Dにおいて、位置決め部10の長さ方向の一方側部と他方側部の双方に配置されている。これは、寸法誤差の影響が大きい長さ方向において、該寸法誤差を吸収するためである。具体的には、吸収部11における長さ方向のずれ許容部、本実施形態におけるずれ許容間により、長さ方向の寸法誤差が吸収される。
また、このずれ許容部によって、縁辺部2A,2B,2C,2Dの長さ方向での熱膨張が吸収される。この時、押圧部20は、弾性当接部24を撓ませてもよいし、撓ませなくてもよい。
前述したように、位置決め部10については、凸型係合部13が凹型係合部14に挿入される。凸型係合部13は、凹型係合部14の位置決め片16,16の間に挿入され、凸型係合部13の当接面17,17が位置決め片16,16の先端面に当接する。
したがって、位置決め部10は、隣接する構成材100,101,102,103,104のパネル部2を位置合わせするだけでなく、パネル部2が面方向に熱膨張した場合に、位置決め片16,16は隣接方向に弾性を有しているから、熱膨張によって隣接方向で押圧する凸型係合部13により、位置決め片16,16が対向面8を基準に隣接方向の内側に撓んで、隣接方向の熱膨張を吸収する。
要するに、パネル部2が熱膨張した際には、隣接する構成材100,101,102,103,104の縁辺部2A,2B,2C,2Dのみで熱膨張が解消されるよう、構成材100,101,102,103,104が構成されている。
縁辺部2A,2B,2C,2Dには、少なくとも一つの挿通部12が形成されており、挿通部12は、位置決め部10と吸収部11の間に配置される。また、挿通部12には、壁部30が形成されている。そして、上記のように、位置決め部10で隣接するパネル部2の位置合わせをすることでパネル部2の寸法誤差が少なく、したがって、隣接方向で対向する孔部27が隣接方向でほぼ一致する。そして、孔部27に対して壁部30が取付けられた状態と取外した状態とを選択することができる。このため、支柱部3に配置される配線31の数や太さに応じて、挿通部12の孔部27の大きさを選択することができる。
互いに隣接方向で対向する一対の挿通部12において、例えば所定の工具により、壁部30を孔部27に対して取外し可能とすることで、壁部30を取付けた状態と取外した状態とを選択できる。具体的に、隣接方向で対向する一対の挿通部12において壁部30を取付けた状態では、壁部30と壁部30の間に配線31を通す。また、一方の挿通部12において壁部30を取外し、他方の挿通部12において壁部30を取付けておくことで、該壁部30のない状態で配線31を通すことができる。
両方の壁部30を取外すことで、隣接方向の孔部27,27のみとなって、配線31を挿通することができる。このように、配線31を挿通するための孔部27の大きさを種々選択することが可能である。なお、構成材1を複数個並べてタイル状のカーペットYが複数枚敷かれるが、壁部30によって孔部27の一部を閉塞できるため、尖端が尖った靴がカーペットYを突き破ることがない。
本発明は、上記実施形態に限定されるものでない。上記実施形態では、位置決め部10は、凸型係合部13と、凹型係合部14とを備えるよう構成した。しかしながらこの構成に限らず、凸型係合部13のみを備える構成とすることができる。具体的には、縁辺部2A,2B,2C,2Dの長さ方向中央部において、対向面8から隣接方向の外側へ突設された一つの凸型係合部13を設ける。該凸型係合部13は、隣接する他の構成材1における凸型係合部13に対して長さ方向(中心線P1または中心線P2)で係合するように構成される。
あるいは位置決め部10は、複数の凸型係合部13を備えるよう構成することもできる。具体的には、縁辺部2A,2B,2C,2Dの長さ方向中央部において、長さ方向に所定間隔をあけて並ぶように二つの凸型係合部13を設ける。該二つの凸型係合部13は、双方の間に、隣接する他の構成材1における二つの凸型係合部13のうちの一つが位置するようにして、該二つの凸型係合部13に対して長さ方向(一つの凸型係合部13が中心線P1または中心線P2)で係合する。
上記施形態では、凸型係合部13と凹型係合部14とを含む位置決め部10が、各縁辺部2A,2B,2C,2Dに設けられる構成とした。しかしながらこれに限らず、例えば、縁辺部2Aと縁辺部2Bが凸型係合部13を含む位置決め部10を備え、縁辺部2Cと縁辺部2Dが、凹型係合部14を含む位置決め部10を備える構成とすることができる。あるいは、全ての縁辺部2A,2B,2C,2Dが凸型係合部13を備える位置決め部10を備える構成とすることもできる。
上記実施形態では、吸収部11は、寸法誤差の影響が大きい長さ方向において、該寸法誤差を吸収するために、位置決め部10の長さ方向の一方側部と他方側部の双方に配置された構成とした。しかしながら、縁辺部2A,2B,2C,2Dの一方側部または他方側部の、何れかに設けることもできる。
上記実施形態では、吸収部11は、押圧部20と吸収当接部19とを備える構成とした。しかしながら、押圧部20の代わりにこれを対向面8として、隣接方向では、吸収当接部19は対向面8から隣接方向の外側へ突出した構成、具体的には弾性当接部24が対向面8よりも隣接方向の外側に配置された構成とすることも可能である。この場合にも、ずれ収容隙間δ2は、該弾性当接部24の長さ方向両側に形成される。
上記実施形態では、挿通部12の壁部30は、孔部27,27の側面の途中に配置される構成とした。しかしながら、これに限らず、壁部30は、孔部27,27の奥面29から隣接方向に突出する構成とすることもできる。
上記実施形態では、挿通部12は一つの縁辺部2A,2B,2C,2Dにおいて二つ設けられる構成としたが、一つだけ設けた構成でも、三つ以上設ける構成とすることもできる。また、上記実施形態では、挿通部12は位置決め部10と吸収部11との間に配置されたが、これに限らず、吸収部11よりも長さ方向の端部側に配置する構成とすることもできる。
挿通部12は、隣接する他の構成材1における挿通部12と隣接方向で対向する配置としたが、これに限らず、長さ方向でずれた配置とすることも可能である。
上記実施形態の構成材1では、矩形形状の各縁辺部2A,2B,2C,2Dに位置決め部、吸収部、挿通部を配置したが、すくなくとも一辺の縁辺部に、位置決め部、吸収部、挿通部を形成することができる。この場合では、位置決め部、吸収部、挿通部を形成した縁辺部どうしを隣接方向に並べることで、構成材1どうしの位置決めや、熱膨張した際の吸収や、配線の挿通ができる。
上記実施形態の構成材1では、パネル部2が矩形形状に構成された。しかしながら、パネル部2は三角形状や五角形状、六角形状に構成することもでき、要するに、多角形状であればよい。
1…構成材、2…パネル部、2A,2B,2C,2D…縁辺部、4…板状部、4C…縦壁、5…リブ、8,8…対向面、10…位置決め部、11…吸収部、12…挿通部、13…凸型係合部、14…凹型係合部、15…先端部、16,16…位置決め片、17,17…当接面、18,18…先端面、19…吸収当接部、20…押圧部、21…底面、22,22…側面、23…奥面、24…弾性当接部、25…先端部、26…押圧面、27,27…孔部、28,28…側面、29…奥面、30…壁部、31…配線、100,101,102,103,104…構成材、P1,P2…中心線、X…構造床、Y…カーペット、δ1… 所定間隔、δ2…収容隙間、δ3…可撓隙間、δ4…挿入隙間
Claims (4)
- 複数を隣接させてフロアを形成する合成樹脂製のフロア構成材であって、
上面でフロア面を形成する多角形形状のパネル部と、該パネル部を支持する支柱部と、を備え、
前記パネル部は、多角形形状の各辺となる複数の縁辺部を備え、
少なくとも一つの縁辺部は、該少なくとも一つの縁辺部に対向して隣接する他のフロア構成材に対する少なくとも一つの縁辺部の長さ方向における位置を決める位置決め部を備え、
該位置決め部は、隣接する他のフロア構成材の少なくとも一つの縁辺部における位置決め部に対して前記長さ方向で係合する係合部を含み、
前記少なくとも一つの縁辺部は、前記上面の面方向のうち、前記長さ方向に直交する隣接方向におけるフロア構成材の熱膨張を吸収する吸収部を備え、
該吸収部は、隣接する他のフロア構成材における少なくとも一つの縁辺部に隣接方向で当接して弾性変形するように構成された吸収当接部を含み、
前記位置決め部は、前記少なくとも一つの縁辺部の長さ方向中央部に配置され、
前記吸収部は、前記位置決め部に対して、前記長さ方向の一方側部と他方側部のうち少なくとも一方に配置されたことを特徴とするフロア構成材。 - 複数の前記縁辺部が、前記位置決め部と前記吸収部とを備え、
一つの縁辺部における位置決め部の係合部は、残りの縁辺部における位置決め部の係合部に前記長さ方向で位置決めするように係合可能に構成され、
一つの縁辺部における吸収部の吸収当接部は、残りの縁辺部に前記隣接方向で当接して撓むように構成されている請求項1に記載のフロア構成材。 - 前記少なくも一つの前記縁辺部は、前記パネル部に対して上下方向で配線を挿通する挿通部を備え、
該挿通部は、前記少なくとも一つの縁辺部において前記隣接方向で前記パネル部の内側へ向けて凹設された孔部と、該孔部内に配置され、該孔部に対して取外し可能な壁部とを備えた請求項1または請求項2に記載のフロア構成材。 - 前記挿通部は、隣接する他のフロア構成材における少なくとも一つの縁辺部が備える挿通部に対して、隣接方向で対向するよう配置された請求項3に記載のフロア構成材。
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