JP2022169145A - 糸切り具 - Google Patents

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Eri Kai
由衣 寺本
Yui Teramoto
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Abstract

【課題】糸の切断作業を繰り返し続けて行うのに適した糸切り具を提供する。【解決手段】糸切り具A1は、中心軸線Oxを有する円板部21、および円板部21の外周縁に形成された刃部22、を有する切断刃2と、切断刃2を起立姿勢で中心軸線Oxの周りに回転可能に支持する支持体1と、刃部22のうち中心軸線方向xに直交する第1方向zの一方側の第1端部221を露出させる第1開口部35を有し、刃部22のうち第1端部221以外の部分を覆うように支持体1に着脱可能に取り付けられるカバー体3と、を備える。【選択図】図5

Description

本開示は、糸切り具に関し、たとえば縫製作業において使用する糸を切断するための糸切り具に関する。
布地などを縫製する際に使用される縫い糸を切断するための道具として、一般的に糸切り具が使用されている(たとえば特許文献1を参照)。特許文献1に開示された糸切り具は、円形状の刃体が一対の円盤状部材に挟持された構成とされている。刃体の周縁部には、刃部が形成されている。一対の円盤状部材は、刃体をその厚み方向の両側から挟んでいる。刃体(刃部)は、一対の円盤状部材よりも小径とされている。円盤状部材の周縁部には、複数の切欠き部が周方向に並ぶように形成されている。刃部は、上記の複数の切欠き部に対応する部分が円盤状部材の外部に露出している。これにより、刃体(刃部)の周縁部においては、複数の露出部分が周方向に並んでいる。このような、切断すべき糸を円盤状部材の周縁部に当接させると、当該糸は複数の切欠き部のいずれかに導かれる。そして、刃部のうち当該切欠き部において露出する部分によって、糸が切断される。上記特許文献1に記載された構成の糸切り具においては、刃体(刃部)が円盤状部材よりも小径とされている。このため、刃体が円盤状部材によって挟持された状態では、刃体(刃部)が円盤状部材の周縁から径方向外方側にはみ出すことはない。したがって、上記糸切り具を使用する際に、刃体(刃部)が使用者の手に直接触れることは防止される。
ミシンを使用した縫製において、チェーンピーシングと呼ばれる技法が知られている。チェーンピーシングは、布地を重ね合わせたピースをミシンによって連続して縫う方法である。続けて縫ったピースの隣接する相互間は、糸でつながっている。複数のピースを続けて縫った後、隣り合うピースの間の糸を続けて切断していく。ここでの糸の切断作業は、何回も繰り返して行う必要がある。上記従来の糸切り具は、1本の糸を切断するうえでは使い勝手が良い。その一方、たとえばチェーンピーシングの糸を切断するように、糸の切断を繰り返す場合には、糸の切断を効率よく行うことができず、作業性が悪かった。
実用新案登録第3051516号公報
本開示は、このような事情のもとで考え出されたものである。その主たる課題は、糸の切断作業を繰り返し続けて行うのに適した糸切り具を提供することである。
上記の課題を解決するため、本開示では、次の技術的手段を講じている。
本開示の一実施形態によって提供される糸切り具は、中心軸線を有する円板部、および前記円板部の外周縁に形成された刃部、を有する切断刃と、前記切断刃を起立姿勢で前記中心軸線の周りに回転可能に支持する支持体と、前記刃部のうち前記中心軸線方向に直交する第1方向の一方側の第1端部を露出させる第1開口部を有し、前記刃部のうち前記第1端部以外の部分を覆うように前記支持体に着脱可能に取り付けられるカバー体と、を備える。
好ましい実施の形態においては、前記支持体は、前記切断刃の前記中心軸線周りの第1回転方向への回転を許容し、かつ前記切断刃の前記第1回転方向とは反対側の第2回転方向への回転を制限する回転規制機構を有し、前記回転規制機構を回転操作することで前記切断刃を前記中心軸線周りに回転させる操作部材を備える。
好ましい実施の形態においては、前記カバー体は、第2開口部を有し、前記操作部材は、前記第2開口部を塞ぐように取り付けられ、前記操作部材が前記回転規制機構に対して前記第1回転方向寄りに位置することで取り外し不能な第1状態と、前記操作部材が前記回転規制機構に対して前記第2回転方向寄りに位置することで取り外し可能な第2状態と、に切り替え可能である。
好ましい実施の形態においては、前記支持体は、前記第1方向の他方側を向く底面を有する底壁部と、前記底壁部から第1方向の一方側に延びる起立壁部と、を含み、前記回転規制機構は、前記起立壁部に回転可能に支持されるとともに、前記切断刃が回転不能に支持された第1部材と、前記中心軸線方向において前記切断刃を挟んで前記第1部材とは反対側に位置し、かつ前記第1部材に対して回転不能に配置された第2部材と、を含み、前記第2部材は、前記中心軸線の周方向に沿う溝部を有し、前記操作部材は、前記溝部に嵌る突起部を有する。
好ましい実施の形態においては、前記第1部材は、前記中心軸線の周方向に沿って一定角度毎に配置された複数の第1係止部を有し、前記起立壁部は、前記各第1係止部の前記第1回転方向への通過を許容し、かつ前記各第1係止部の前記第2回転方向への通過を阻止する、第2係止部を有する。
好ましい実施の形態においては、前記起立壁部は、前記中心軸線方向に見て、前記切断刃における前記第1方向の一方側の一部分と重ならず、かつ前記刃部のうち前記一部分以外の部分と重なる。
本開示による糸切り具のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
一実施形態に係る糸切り具を示す斜視図である。 図1に示す糸切り具の正面図である。 図1に示す糸切り具の平面図である。 図1に示す糸切り具の右側面図である。 図2のV-V線に沿う断面図である。 図3のVI-VI線に沿う断面図である。 図2のVII-VII線に沿う拡大断面図である。 図1に示す糸切り具の分解斜視図(カバー体を省略)である。 操作部材およびカバー体を取り外した状態を示す正面図である。 操作部材およびカバー体を取り外した状態を示す背面図である。 操作部材、カバー体、第2部材および切断刃を取り外した状態を示す正面図である。 図2の部分拡大図である。 図5の部分拡大図である。 図1に示す糸切り具の使用方法を説明するための斜視図である。
以下、糸切り具の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1~図7は、一実施形態に係る糸切り具を示している。図示された糸切り具A1は、支持体1、切断刃2、カバー体3、および操作部材4を備えている。なお、説明の便宜上、図1を基準として上下の方向を特定することにする。糸切り具A1の説明においては、切断刃2の中心軸線Ox(図5参照)に沿う方向を「中心軸線方向x」と呼ぶ。中心軸線方向xに対して直交する方向(図1、図2、図4における上下方向)を「第1方向z」と呼ぶ。中心軸線方向xおよび第1方向zの双方に直交する方向(図2における左右方向)を「第2方向y」と呼ぶ。また、糸切り具A1の説明においては、便宜上、図1、図2、図4において図中上側を「第1方向zの一方側」と呼び、図中下側を「第1方向zの他方側」と呼ぶ。図2、図3において図中右側を「第2方向yの一方側」と呼び、図中左側を「第2方向yの他方側」と呼ぶ。
図1は、糸切り具A1を示す斜視図である。図2は、糸切り具A1の正面図である。図3は、糸切り具A1の平面図である。図4は、糸切り具A1の右側面図である。図5は、図2のV-V線に沿う断面図である。図6は、図3のVI-VI線に沿う断面図である。図7は、図2のVII-VII線に沿う拡大断面図である。図8は、糸切り具A1の分解斜視図である。なお、図8においては、カバー体3を省略している。
支持体1は、切断刃2を回転可能に支持するものである。本実施形態において、支持体1は、底壁部11、起立壁部12、第1部材13および第2部材14を有する。図1、図2等に示すように、底壁部11は、支持体1における下側(第1方向zの他方側)に位置する。底壁部11は、主に板状部材により構成されており、平板状の底板部の適所から上側(第1方向zの一方側)に延出する部分を有する。また、底壁部11は、底板部の下側(第1方向zの他方側)にシート材110が貼り付けられた構成であり、当該シート材110は、下方(第1方向zの他方側、図5等における図中下側)を向く底面111を有する。
図5に示すように、底壁部11において周縁から上方(第1方向zの一方側)に延出する部位には、一対の段部112が形成されている。一対の段部112は、底壁部11の第2方向yにおける中央に位置し、かつ中心軸線方向xにおいて互いに離間している。底壁部11は、枠部113を有する。枠部113は、底壁部11において底板部から上方に延出する部分である。底壁部11(シート材110を除く)は、たとえばABS樹脂(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂)などの所定の強度を有する合成樹脂により一体形成されたものである。
起立壁部12は、図5、図8に示すように、底壁部11に支持されており、底壁部11から上方(第1方向zの一方側)に延びている。起立壁部12は、切断刃2を起立状態で支持するための主要な要素であり、中心軸線方向xを厚さ方向とする板状である。起立壁部12の上方寄り部分は、切断刃2に対応する形状であり、概略円弧状とされている。起立壁部12の下方寄りの適所には複数のリブ121が設けられている。起立壁部12(複数のリブ121を含む)の下部(第1方向zの他方側部分)は、底壁部11の枠部113に嵌め込まれている。このようにして、起立壁部12は、底壁部11に組み付けられている。
起立壁部12は、凹部122、貫通孔123、可動片124、第2係止部125、および切欠き126を有する。凹部122は、起立壁部12の厚さ方向の一方側(図5における図中左側)から凹んでおり、第1部材13を配置するために設けられている。貫通孔123は、凹部122の中央に位置し、起立壁部12の厚さ方向に貫通する円形の孔である。貫通孔123は、第1部材13を取り付けるために設けられている。
可動片124は、図11に示すように、第2方向yにおいて凹部122を挟んで対をなして設けられている。各可動片124は、その周囲が切り欠かれることで弾性的に変位可能とされた部分である。第2係止部125は、各可動片124の先端に設けられている。第2係止部125の意義については後述する。切欠き126は、起立壁部12の上端部(第1方向zの一方側端部)に設けられている。切欠き126は、起立壁部12の上部寄りの周縁部を部分的に切除した形状とされている。起立壁部12は、たとえばABS樹脂などの所定の強度を有する合成樹脂により一体形成されたものである。
第1部材13は、起立壁部12に支持されており、切断刃2が取り付けられる部材である。図5、図7、図11等に示すように、第1部材13は、軸部131、板状部132、複数の第1係止部133、凸部134および係合突起135を有する。板状部132は、起立壁部12の凹部122に嵌る部分であり、概略円形状とされている。軸部131は、凸部134の中央から当該132の厚さ方向に突出しており、起立壁部12の貫通孔123に嵌挿されている。図示した例では、軸部131は一対の分割軸によって構成されており、この軸部131が貫通孔123に嵌挿されることで、第1部材13は、起立壁部12により中心軸線方向x周りに回転可能に支持されている。
複数の第1係止部133は、板状部132の周縁部に沿って間隔を隔てて設けられている。本実施形態において、複数の第1係止部133は、中心軸線方向x周りに一定角度毎に配置されている。図示した例では、板状部132の周縁部には12個の第1係止部133が設けられており、これら第1係止部133は中心軸線方向x周りに30°毎に配置されている。
図11に示した第1部材13を時計回り(第1回転方向N1)に回すと、第1係止部133は、起立壁部12の可動片124を径方向外側に押し広げながら第2係止部125を通過することが可能である。その一方、第1部材13を反時計回り(第2回転方向N2)に回すと、第1係止部133が起立壁部12の第2係止部125によって係止され、第1部材13の回転が制限される。このように、起立壁部12の第2係止部125は、各第1係止部133の時計回り(第1回転方向N1)への通過を許容する一方、各第1係止部133の反時計回り(第2回転方向N2)への通過を阻止する。
凸部134は、板状部132から当該板状部132の厚さ方向に突出している。凸部134は、軸部131とは反対側に突出している。凸部134の周縁部は概略円形状である。係合突起135は、凸部134の周縁部から径方向外方に延びている。本実施形態では、凸部134の径方向において当該凸部134を挟むように、一対の係合突起135が設けられている。凸部134および係合突起135は、切断刃2および第2部材14を取り付ける際に利用される部分である。第1部材13は、たとえばPOM樹脂(ポリアセタール樹脂)などの所定の強度を有する合成樹脂により一体形成されたものである。
第2部材14は、図5に示すように、中心軸線方向xにおいて切断刃2を挟んで第1部材13とは反対側に配置されている。図5~図9等に示すように、第2部材14は、貫通孔141、係合凹部142および溝部143を有する。貫通孔141は、第2部材14の中央部に形成されており、当該第2部材14の厚さ方向に貫通する円形の孔である。この貫通孔141に第1部材13の凸部134が嵌入することで、第2部材14は第1部材13に支持される。係合凹部142は、貫通孔141の径方向外方につながる。本実施形態では、貫通孔141の径方向において当該貫通孔141を挟むように、一対の係合凹部142が形成されている。図5に示すように、係合凹部142には、第1部材13の係合突起135が嵌入している。これにより、第2部材14は、第1部材13に対して回転不能である。溝部143は、図6に示すように、中心軸線Oxの周方向に沿って形成されている。溝部143は、貫通孔141の径方向外方につながる。本実施形態では、貫通孔141の径方向において当該貫通孔141を挟むように、一対の溝部143が形成されている。
本実施形態において、各溝部143は、係止溝144および取付溝145を含む。係止溝144および取付溝145は、中心軸線Oxの周方向において隣接するとともに互いにつながっている。図6、図9に示すように、係止溝144は、中心軸線Oxの周方向において時計回り寄り(第1回転方向N1寄り)に位置する。取付溝145は、中心軸線Oxの周方向において反時計回り寄り(第2回転方向N2寄り)に位置する。取付溝145の溝幅(径方向寸法)は、係止溝144の溝幅(径方向寸法)よりも大である。係止溝144および取付溝145の意義については後述する。上記構成の第2部材14は、たとえばPOM樹脂などの所定の強度を有する合成樹脂により一体形成されたものである。
切断刃2は、中心軸線Oxを有する円板部21と、刃部22とを有する。円板部21の中央には、貫通孔211および凹溝212が形成されている。貫通孔211は、概略円形状である。凹溝212は、貫通孔211の径方向外方につながる。本実施形態では、貫通孔211の径方向において当該貫通孔211を挟むように、一対の凹溝212が形成されている。刃部22は、円板部21の外周縁に形成されている。刃部22の刃先(外周端縁)は尖っており、糸の切断に使用される部分である。
図5、図7、図8に示すように、切断刃2の貫通孔211および凹溝212には、第1部材13の凸部134および係合突起135が嵌挿される。これにより、切断刃2は、第1部材13に対して回転不能に支持される。また、切断刃2(円板部21)は、図5に示すように、第1部材13および第2部材14の間に挟まれている。これにより、切断刃2の中心軸線方向xへの移動は防止される。上述のように、第1部材13は起立壁部12により回転可能に支持されており、第1部材13が中心軸線Oxの周りに回転すると、切断刃2は中心軸線Oxの周りに回転する。そして、切断刃2は、支持体1(底壁部11および起立壁部12)に支持されることで起立姿勢が保たれている。したがって、支持体1(底壁部11および起立壁部12)は、切断刃2を起立姿勢で中心軸線Oxの周りに回転可能に支持している。
図9、図10に示すように、切断刃2が起立壁部12に支持された状態において、起立壁部12は、中心軸線方向xに見て切断刃2の大部分と重なっている。切断刃2のうち起立壁部12の切欠き126に対応する位置にある一部分(第1方向zの一方側の一部分)については、中心軸線方向xに見て起立壁部12と重なっていない。そして、刃部22については、中心軸線方向xに見て、切断刃2において切欠き126に対応する位置にある上記一部分以外の部分と重なっている。
本実施形態において、第1部材13は、時計回り(第1回転方向N1)への回転が許容される一方、反時計回り(第2回転方向N2)への回転が制限される(図11参照)。切断刃2は、第1部材13に回転不能に支持されている。これにより、切断刃2は、第1部材13等によって、中心軸線Ox周りの第1回転方向N1への回転が許容されるとともに、中心軸線Ox周りの第2回転方向N2への回転が制限される。
カバー体3は、支持体1に着脱可能に取り付けられている。本実施形態において、カバー体3は、前壁部31、後壁部32、側壁部33および側壁部34を有し、これら壁部31~34により、起立壁部12の全体および切断刃2の大部分を覆っている。前壁部31は、正面側(中心軸線方向xの一方側)に位置し、後壁部32は背面側(中心軸線方向xの他方側)に位置する。これら前壁部31および後壁部32によって、中心軸線方向xにおいて起立壁部12および切断刃2を挟んでいる。側壁部33は、第2方向yの一方側(図2における右側)に位置し、前壁部31および後壁部32の双方につながる。側壁部34は、第2方向yの他方側(図2における左側)に位置し、前壁部31および後壁部32の双方につながる。
図5、図6に示すように、カバー体3(壁部31~34)の下端は開口しており、底壁部11の周縁部に当接している。図5に示すよう、前壁部31および後壁部32には、下方(第1方向zの他方側)に延びる延出片311,321が設けられており、延出片311,321の先端部には係止爪312,322が形成されている。これら係止爪312,322は、底壁部11の一対の段部112に係合している。これにより、カバー体3が支持体1から不用意に分離することは防止される。また、前壁部31および後壁部32の適所にはスリットが形成されており、延出片311,321が互いに近接する方向に弾性変形させることが可能とされている。支持体1にカバー体3を取り付ける際、および支持体1からカバー体3を取り外す際には、延出片311,321を互いに近接する方向に弾性変形させることで、一対の段部112と係止爪312,322との係合を解除することができる。
前壁部31および後壁部32は、第1方向zにおいて中心軸線Ox付近から上側部分(第1方向zの一方側部分)が鉛直面(第1方向zおよび第2方向yがなす平面)に略沿って延びる。その一方、前壁部31および後壁部32のうち、第1方向zにおいて中心軸線Ox付近から下側部分(第1方向zの他方側部分)は、下方に向かうにつれて互いに離れるように第1方向zに対して傾斜している。
カバー体3(前壁部31、後壁部32、側壁部33および側壁部34)において、第1方向zにおける中心軸線Ox付近から上側部分は、起立壁部12およびこれに支持された切断刃2の形状に対応して概略円弧状とされている。カバー体3の上端部(第1方向zの一方側端部で、かつ第2方向yの中央)は、径方向内方に凹んで切り欠かれた形状とされている。
図5、図13に示すように、カバー体3の上端部には、第1開口部35が形成されている。第1開口部35は、切断刃2における刃部22のうち、上端部221(第1方向zの一方側の第1端部)を露出させるための開口である。以降の説明において、切断刃2のうち第1開口部35から露出する部分を適宜「露出部分20」という。
図2、図3、図5、図12、図13等に示すように、本実施形態において、カバー体3の上端部には、第1内向き面36、第2内向き面37、第1外向き面38および第2外向き面39が形成されている。第1内向き面36および第2内向き面37は、中心軸線方向xに見て、第2方向yにおいて互いに離れて内側を向く。第1内向き面36は、第2方向yの一方側に位置し、第2内向き面37は、第2方向yの他方側に位置する。第1内向き面36および第2内向き面37は、露出部分20の上端(第1方向zの一方側端)から上方(第1方向zの一方側)に延びる。本実施形態では、第1内向き面36および第2内向き面37は、上方に向かうにつれて互いに離れるように傾斜している。
図示した例では、第1内向き面36および第2内向き面37それぞれの一部が互いに近接するように突出している。第1内向き面36および第2内向き面37それぞれにおいて突出する部分は、第1方向zにおける中央に位置し、かつ中心軸線方向xにおける中央に位置する。
本実施形態では、図12に示すように、中心軸線方向xに見て、第1内向き面36の下端(第1方向zの他方側端)に位置する第1内向き面第1端部361と第2内向き面37の下端に位置する第2内向き面第1端部371との第2方向yの長さ(第1寸法L1)は、第1内向き面36と第2内向き面37とが第2方向yにおいて最も近接する第1内向き面先端部362と第2内向き面先端部372との長さ(第2寸法L2)よりも大である。
図3、図5、図12等に示すように、第1内向き面36および第2内向き面37は、第1内向き面傾斜部364および第2内向き面傾斜部374を有する。第1内向き面傾斜部364は、中心軸線方向xに見て、第1内向き面36の上端(第1方向zの一方側端)に位置する第1内向き面第2端部363から第1内向き面先端部362までつながる部位である。第2内向き面傾斜部374は、中心軸線方向xに見て、第2内向き面37の上端に位置する第2内向き面第2端部373から第2内向き面先端部372までつながる部位である。第1内向き面傾斜部364および第2内向き面傾斜部374は、下方(第1方向zの他方側)に向かうにつれて互いに近づくように第1方向zに対して傾いている。
図3、図5、図13等から理解されるように、本実施形態において、第1内向き面先端部362および第2内向き面先端部372は、第1方向zに見て第1開口部35と重なっている。また、第1内向き面36および第2内向き面37は、第1方向zに見て、中心軸線方向xにおいて第1内向き面先端部362および第2内向き面先端部372を挟んだ両側の部位よりも第1内向き面先端部362および第2内向き面先端部372が互いに近接するように突出している。
図3、図5、図13等に示すように、第1外向き面38および第2外向き面39は、中心軸線方向xにおいて切断刃2を挟んで互いに反対側を向いている。第1外向き面38および第2外向き面39は、中心軸線方向xに見て、それぞれが切断刃2の露出部分20の下端(第1方向zの他方側端)に隣接し、下方(第1方向zの他方側)に延びている。また、第1外向き面38および第2外向き面39は、下方に向かうにつれて互いに離れるように傾斜している。
図2、図5等に示すように、前壁部31は、凹部313、第2開口部314、目印315を有する。凹部313は、前壁部31の外側面から当該前壁部31の厚さ方向に凹んでおり、略円形状である。第2開口部314は、前壁部31の厚さ方向に貫通する円形の孔であり、凹部313の内側に形成されている。凹部313の上方に隣接して設けられている。本実施形態において、目印315は、凹部313に隣接し、前壁部31の外面から突出しており、後述の操作部材4の操作時に位置合わせとして用いられる。上記構成のカバー体3は、たとえばABS樹脂などの所定の強度を有する合成樹脂により一体形成されたものである。
カバー体3や支持体1の寸法は特に限定されないが、一例を挙げると、支持体1の底面111からカバー体3の上端までの高さ寸法が75~80mm程度、支持体1の中心軸線方向xにおける寸法が35~40mm程度である。前壁部31および後壁部32の上側部分の外面間の寸法が10~13mm程度である。第1方向zにおける第1内向き面第1端部361(第2内向き面第1端部371)から第1内向き面第2端部363(第2内向き面第2端部373)までの寸法は、5mm程度である。第1内向き面第1端部361と第2内向き面第1端部371との第2方向yの長さ(第1寸法L1)は、4~5mm程度である。第1内向き面先端部362と第2内向き面先端部372との長さ(第2寸法L2)は、2~2.5mm程度である。
操作部材4は、切断刃2を中心軸線Ox周りに回転させるものである。図2、図5~図8等に示すように、操作部材4は、主板部41、摘み部42、および突起部43を有する。主板部41は、概略円板状とされている。図5に示すように、操作部材4は、主板部41がカバー体3の凹部313に嵌ることで第2開口部314を塞ぐように取り付けられている。
主板部41には、複数の数字表示411、および矢印表示412が設けられている。複数の数字表示411は、主板部41の厚さ方向を向く一方の面において、周方向に沿って配置されている。複数の数字表示411は、第1部材13の複数の第1係止部133に対応しており、中心軸線方向x周りに一定角度毎に配置されている。本実施形態では、複数の数字表示411は、1~12までの各数字を表す12個の数字表示411が、中心軸線方向x周りに30°毎に配置されている。矢印表示412は、切断刃2を中心軸線Ox周りに回転させるための操作方向を示している。図2に示した矢印表示412は、時計回り(第1回転方向N1)に向いている。
摘み部42は、主板部41の上記一方の面から突出している。摘み部42は、使用者が糸切り具A1の外部から手で摘んで操作部材4を操作するための部位である。
図7に示すように、突起部43は、主板部41の上記一方の面とは反対側の面から突出している。操作部材4を取り付けた状態において、突起部43は、中心軸線方向xに延びている。本実施形態では、中心軸線Oxを挟んで一対の突起部43が配置されている。図6、図7に示すように、各突起部43は、第2部材14の溝部143に嵌入している。
図2、図6から理解されるように、操作部材4を時計回り(第1回転方向N1)に回転させると、突起部43が溝部143の第1回転方向N1側の端を押し、第2部材14に時計回り(第1回転方向N1)の回転操作力が加わる。この回転操作力は、第2部材14と相対回転不能な第1部材13に伝わる。第1部材13は、上述のように時計回り(第1回転方向N1)への回転が許容されている。このため、第2部材14および第1部材13は、第1回転方向N1に回転する。そして、第1部材13の第1回転方向N1への回転動作に伴い、当該第1部材13に回転不能に支持された切断刃2が、中心軸線Ox周りに第1回転方向N1に回転する。
本実施形態において、溝部143の中心軸線方向x周りの長さは、当該溝部143に嵌入する突起部43の中心軸線Ox周りの長さよりも大とされている。これにより、突起部43は、溝部143に対し、当該溝部143の周方向に沿って所定角度回転し得る。操作部材4を反時計回り(第2回転方向N2)に回転させる場合、突起部43が溝部143の第2回転方向N2側の端に当接すると、第2部材14に反時計回り(第2回転方向N2)の回転操作力が加わる。この回転操作力は、第2部材14と相対回転不能な第1部材13に伝わる。第1部材13は、上述のように反時計回り(第2回転方向N2)への回転が制限されている。このため、第2部材14および第1部材13は、第2回転方向N2に回転できない。したがって、第1部材13に回転不能に支持された切断刃2についても第2回転方向N2への回転が制限される。支持体1における第1部材13および第2部材14は、本開示の回転規制機構の構成要素に相当する。
本実施形態では、図7に示すように、各突起部43は係止突起431を有する。係止突起431は、突起部43の先端に配置されており、突起部43の他の部位よりも径方向外方に突出している。図6、図7から理解されるように、操作部材4が第2部材14に対して第1回転方向N1寄りに位置する場合、突起部43は係止溝144に嵌入している。このとき、係止突起431が係止溝144を通過することができず、操作部材4は取り外し不能な状態(第1状態)にある。その一方、操作部材4が第2部材14に対して第2回転方向N2寄りに位置する場合、突起部43は取付溝145に嵌入している(図6の仮想線参照)。このとき、係止突起431は取付溝145を通過することが可能であり、操作部材4を中心軸線方向xに沿って引き出すことで取り外し可能な状態(第2状態)にある。上記構成の操作部材4は、たとえばPOM樹脂などの所定の強度を有する合成樹脂により一体形成されたものである。
次に、本実施形態の糸切り具A1の使用方法および作用効果について、図14を参照して説明する。
糸切り具A1は、たとえばミシンを使用したチェーンピーシングの技法によって縫製された縫製物の糸を切断するために用いられる。図14に示すように、チェーンピーシングの技法によって縫製された縫製物S1は、複数のピースP1が連続して糸Y1でつながった態様である。図14において、縫製物S1は仮想線で示しており、糸切り具A1を透過して表す。この連続する複数のピースP1の隣接相互間の糸Y1を続けて切断していく。本実施形態の糸切り具A1においては、糸Y1の切断は、切断刃2の刃部22のうちカバー体3から露出する部分(刃部22の上端部221)に糸Y1を当接させることにより行う。ここで、糸Y1の切断作業は、何回も繰り返して行う必要がある。
本実施形態の糸切り具A1において、カバー体3は第1開口部35を有し、切断刃2の外周縁に形成された刃部22のうち上端部221(第1方向zの一方側の第1端部)が第1開口部35から露出している。刃部22のうち第1開口部35(カバー体3)から露出する上端部221以外の部分は、カバー体3によって覆われている。切断刃2は、支持体1によって起立姿勢で中心軸線Ox周りに回転可能に支持されている。このような構成によれば、糸Y1の切断作業を繰り返すことで切断刃2の切れ味が悪くなっても、切断刃2を中心軸線Ox周りに回転させることで、刃部22において新しい切断部位を露出させて糸Y1の切断に使用することができる。このような構成によれば、刃部22の上端部221だけをカバー体3の外部に露出させることで使用者の作業の安全を図りつつ、刃部22の切断部位が消耗しても刃部22の新しい部分を露出させて糸Y1の切断作業を続けることができる。したがって、糸切り具A1によれば、糸Y1の切断作業を繰り返す場合においても、当該切断作業を効率よく行うことができる。
切断刃2は、支持体1により起立姿勢で支持されている。糸切り具A1を平坦な作業台等に置いて糸Y1の切断を行う際、使用者は、手で掴んだピースP1の間の糸Y1が刃部22の上端部221に当接するように、上方(第1方向zの一方側)から下方(第1方向zの他方側)に向けてピースP1を動かす。この一連の動作は使用者への負担が少なく、糸Y1の切断を繰り返す場合においても作業性が良い。
カバー体3は、支持体1に着脱可能に取り付けられている。このような構成によれば、刃部22の外周全体を糸Y1の切断に使用した後、カバー体3を支持体1から取り外すことで切断刃2の交換を容易に行うことが可能である。
支持体1は回転規制機構を有する。当該回転規制機構(第1部材13の複数の第1係止部133および起立壁部12の第2係止部125)は、切断刃2の中心軸線Ox周りの第1回転方向N1への回転を許容し、切断刃2の第1回転方向N1とは反対側の第2回転方向N2への回転を制限する。操作部材4は、支持体1の回転規制機構(第2部材14)を回転操作することで切断刃2を中心軸線Ox周りに回転させる。このような構成によれば、切断刃2を一定方向にのみ回転させることができるので、刃部22のうち糸Y1の切断に使用した消耗部分を誤って糸Y1の切断に再利用するといった不都合を防止することができる。また、操作部材4により回転規制機構を回転操作することで切断刃2を回転させることができるので、糸切り具A1の使い勝手がよい。
操作部材4は、カバー体3に形成された第2開口部314を塞ぐように取り付けられている。操作部材4は、当該操作部材4が回転規制機構(第2部材14)に対して第1回転方向N1寄りに位置することで取り外し不能な第1状態と、操作部材4が回転規制機構(第2部材14)に対して第2回転方向N2寄りに位置することで取り外し可能な第2状態と、に切り替え可能である。このような構成によれば、通常の使用時において、刃部22の切断部位が消耗し、操作部材4(切断刃2)を第1回転方向N1に回転させる操作を繰り返す場合、操作部材4は取り外し不能な第1状態にあるので、操作部材4が不用意に脱落することはない。その一方、切断刃2を交換する際には、通常の使用時とは異なり、操作部材4を第2回転方向N2に回転させることで取り外し可能な第2状態にすることができ、操作部材4を取り外すことができる。そして、カバー体3の第2開口部314を塞ぐように取り付けられていた操作部材4を取り外すことで、カバー体3を支持体1から取り外すことが可能になる。したがって、カバー体3が不用意に取り外されることを防止することができるので、糸切り具A1の使い勝手が良い。
支持体1は、底壁部11および起立壁部12を含む。底壁部11は、下方(第1方向zの他方側)を向く底面111を有し、起立壁部12は、底壁部11から上方(第1方向zの一方側)に延びている。支持体1(回転規制機構)は、第1部材13および第2部材14を含む。第1部材13は起立壁部12に回転可能に支持されるとともに、この第1部材13に切断刃2が回転不能に支持されている。第2部材14は、中心軸線方向xにおいて切断刃2を挟んで第1部材13とは反対側に配置されており、第1部材13に対して回転不能である。第2部材14は、中心軸線Oxの周方向に沿う溝部143を有し、操作部材4は、溝部143に嵌る突起部43を有する。このような構成によれば、図2、図5~図9、図11等を参照して説明したように、組立ておよび分解が可能な各部材(底壁部11、起立壁部12、第1部材13、第2部材14および操作部材4)の協働により、外部から操作部材4を操作することで、切断刃2を中心軸線Ox周りに適切に回転させることができる。
第1部材13は、中心軸線Oxの周方向に沿って一定角度毎に配置された複数の第1係止部133を有する。起立壁部12は、第2係止部125を有する。当該第2係止部125は、各第1係止部133の第1回転方向N1への通過を許容し、各第1係止部133の第2回転方向N2への通過を阻止する。このような構成によれば、起立壁部12および第1部材13の協働によって、切断刃2を一定方向(第1回転方向N1)に所定角度ずつ回転させることができる。
また、本実施形態では、第2係止部125は可動片124の先端に設けられており、第1部材13を第1回転方向N1に回すと、第1係止部133は、可動片124を径方向外方に押し広げながら第2係止部125を通過する。これにより、操作部材4を回転操作すると、第1部材13および切断刃2を所定角度毎に節度感をもって回転させることができ、使い勝手がよい。さらに、操作部材4には複数の数字表示411が付されており、複数の数字表示411は、第1部材13の複数の第1係止部133に対応して中心軸線方向x周りに一定角度毎に配置されている。このような構成によれば、数字表示411をカバー体3の前壁部31に設けられた目印315と位置合わしつつ操作部材4を回転操作することにより、切断刃2を所定角度毎により確実に回転させることができる。
図9、図10を参照したように、起立壁部12は、中心軸線方向xに見て、切断刃2における第1方向zの一方側の一部分(起立壁部12の切欠き126に対応する部分)と重ならず、かつ刃部22のうち上記一部分以外の部分と重なる。このような構成によれば、切断刃2の交換時にカバー体3を取り外した際、刃部22の外周縁に形成された刃部22について、切断刃2における第1方向zの一方側の一部分を除いた他の部分は径方向において起立壁部12の外周部から食み出さない。したがって、切断刃2の交換時において、使用者の手指が刃部22に不用意に接触することを防止でき、使い勝手がよい。支持体1から切断刃2を取り外す際には、たとえば、中心軸線方向xに見て、切断刃2のうち起立壁部12と重ならない一部分(起立壁部12の切欠き126に対応する第1方向zの一方側の一部分)を切断刃2の厚さ方向両側から指で摘むと、中心軸線方向xに容易に移動させることができる。
本開示の糸切り具は、上記した実施形態に限定されるものではない。糸切り具の各部の具体的な構成は、特許請求の範囲に記載の内容から逸脱しない範囲内で種々、変更が可能である。
上記実施形態において、糸切り具A1を水平な平坦面上に載置して使用する場合について説明したが、本開示の糸切り具を使用する姿勢は上記実施形態の場合に限定されない。たとえば鉛直方向を含む鉛直面に支持体(底壁部)を固定して使用することも可能である。
A1 糸切り具
1 支持体
11 底壁部
110 シート材
111 底面
112 段部
113 枠部
12 起立壁部
121 リブ
122 凹部
123 貫通孔
124 可動片
125 第2係止部
126 切欠き
13 第1部材(回転規制機構)
131 軸部
132 板状部
133 第1係止部
134 凸部
135 係合突起
14 第2部材(回転規制機構)
141 貫通孔
142 係合凹部
143 溝部
144 係止溝
145 取付溝
2 切断刃
20 露出部分
21 円板部
211 貫通孔
212 凹溝
22 刃部
221 上端部(第1端部)
3 カバー体
31 前壁部
311 延出片
312 係止爪
313 凹部
314 第2開口部
315 目印
32 後壁部
321 延出片
322 係止爪
33,34 側壁部
35 第1開口部
36 第1内向き面
361 第1内向き面第1端部
362 第1内向き面先端部
363 第1内向き面第2端部
364 第1内向き面傾斜部
37 第2内向き面
371 第2内向き面第1端部
372 第2内向き面先端部
373 第2内向き面第2端部
374 第2内向き面傾斜部
38 第1外向き面
39 第2外向き面
4 操作部材
41 主板部
411 数字表示
412 矢印表示
42 摘み部
43 突起部
431 係止突起
Ox 中心軸線
x 中心軸線方向
y 第2方向
z 第1方向
N1 第1回転方向
N2 第2回転方向
L1 第1寸法
L2 第2寸法
S1 縫製物
P1 ピース
Y1 糸

Claims (6)

  1. 中心軸線を有する円板部、および前記円板部の外周縁に形成された刃部、を有する切断刃と、
    前記切断刃を起立姿勢で前記中心軸線の周りに回転可能に支持する支持体と、
    前記刃部のうち前記中心軸線方向に直交する第1方向の一方側の第1端部を露出させる第1開口部を有し、前記刃部のうち前記第1端部以外の部分を覆うように前記支持体に着脱可能に取り付けられるカバー体と、を備える、糸切り具。
  2. 前記支持体は、前記切断刃の前記中心軸線周りの第1回転方向への回転を許容し、かつ前記切断刃の前記第1回転方向とは反対側の第2回転方向への回転を制限する回転規制機構を有し、
    前記回転規制機構を回転操作することで前記切断刃を前記中心軸線周りに回転させる操作部材を備える、請求項1に記載の糸切り具。
  3. 前記カバー体は、第2開口部を有し、
    前記操作部材は、前記第2開口部を塞ぐように取り付けられ、前記操作部材が前記回転規制機構に対して前記第1回転方向寄りに位置することで取り外し不能な第1状態と、前記操作部材が前記回転規制機構に対して前記第2回転方向寄りに位置することで取り外し可能な第2状態と、に切り替え可能である、請求項2に記載の糸切り具。
  4. 前記支持体は、前記第1方向の他方側を向く底面を有する底壁部と、前記底壁部から第1方向の一方側に延びる起立壁部と、を含み、
    前記回転規制機構は、前記起立壁部に回転可能に支持されるとともに、前記切断刃が回転不能に支持された第1部材と、
    前記中心軸線方向において前記切断刃を挟んで前記第1部材とは反対側に位置し、かつ前記第1部材に対して回転不能に配置された第2部材と、を含み、
    前記第2部材は、前記中心軸線の周方向に沿う溝部を有し、
    前記操作部材は、前記溝部に嵌る突起部を有する、請求項3に記載の糸切り具。
  5. 前記第1部材は、前記中心軸線の周方向に沿って一定角度毎に配置された複数の第1係止部を有し、
    前記起立壁部は、前記各第1係止部の前記第1回転方向への通過を許容し、かつ前記各第1係止部の前記第2回転方向への通過を阻止する、第2係止部を有する、請求項4に記載の糸切り具。
  6. 前記起立壁部は、前記中心軸線方向に見て、前記切断刃における前記第1方向の一方側の一部分と重ならず、かつ前記刃部のうち前記一部分以外の部分と重なる、請求項4または5に記載の糸切り具。
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