JP2022167654A - 粉末圧密装置 - Google Patents

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秀昌 永井
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【課題】簡易な構成で粉末に対して適切な圧力を掛けて粉末の粒状(塊状)化を防止もしくは抑制しつつ、圧密することのできる粉末圧密装置を提供すること。【解決手段】シリンダ3と、シリンダ3内に粉末を押し込む押し込み手段6と、他方の端部を開閉する開閉手段9,14,15,16,18,22,23とを備えた粉末圧密装置1であって、開閉手段9,14,15,16,18,22,23は、他方の端部を閉じるフタ部9を有し、フタ部9は、フタ部9に一体に形成されていてフタ部9によって他方の端部を閉じた状態でシリンダ3の内部に配置される凸部12を有しており、凸部12は、凸部12の外周面がシリンダ3の半径方向で外側に向かって凸曲面となるように滑らかに湾曲しかつ軸線方向で他方の端部側から一方の端部側に向かって凸部12の外径が次第に減少する円錐台状に構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、嵩密度が低い粉末に圧力を掛けて当該粉末の嵩密度を増大することにより、製品容器に対して予め定めた重量の粉末を充填可能とする粉末の圧密装置に関する。
粉末冶金あるいは機能性材料などの原料として多種多様な金属や合金の粉末が広く使用されている。それらの粉末の嵩密度は粉末の種類や粉末の大きさ、硬度などの物性、粉末を生産するときの気温や湿度などによって変化する。粉末の嵩密度が低いと、製品容器(以下、単に容器と記す。)に予め定めた重量の粉末を充填できない可能性があるので、容器に粉末を充填する際には、粉末の嵩密度を増大する圧密操作を行うことが一般的である。
特許文献1には、粉末圧密装置の一例が記載されており、その装置は、ホッパーを介してシリンダ内に粉末を供給し、その粉末をスクリューコンベアによってシリンダの一方の端部側から他方の端部側に押し込むように構成されている。他方の端部は圧力板によって開閉可能に閉じられている。圧力板はシリンダの他方の端部を閉じた状態でシリンダの内側に突出する半球状に形成されており、また、第1種のてこ作用によって他方の端部を閉じるように構成されている。つまり、圧力板は他方の端部を粉末が漏れ出ないように閉じると共に、スクリューコンベアと圧力板との間に形成される圧力室の容積を減じるようになっている。そして、スクリューコンベアによって圧力板側に粉末を押し込み、それらのスクリューコンベアと圧力板との間で粉末に圧力を掛けることによって粉末同士の間の隙間を低減して粉末の嵩密度を増大するようになっている。また、他方の端部に圧力板を押し付ける荷重よりも粉末が圧力板を押圧する荷重が高くなると、圧力板が押し開かれてシリンダから粉末が排出される。なお、圧密操作の他の例として、タッピングが知られている。タッピングでは、粉末が充填された容器を上下に振動させ、または、容器の下部を床に打ち付けるなどのことによって粉末を上下動させて圧密を行う。また、タッピングに替えて、容器に充填された粉末を手作業で上方から押圧することによっても粉末の嵩密度を増大させることができる。
特開2000-345205号公報
上述した粉末が比較的硬度の低い金属、すなわち柔らかい金属である場合には、圧密の過程で金属粉末に対して局所的に圧力が掛かると、その部分では、金属粉末同士が単に凝集するだけでなく、相互に押しつぶされて粉末状態を維持できなくなり、粒状(塊状)となる可能性がある。また、金属粉末の粒状(塊状)化が進んで粗大な粒子になる可能性がある。上述したような金属粉末を特許文献1に記載された粉末圧密装置で圧密する場合、その粉末圧密装置では、シリンダの内部に半球状を成す圧力板が配置されるので、その分、圧力室の容積が減少して圧力が増大し、また、スクリューコンベアによって押し込められた粉末は面積の小さい圧力板の先端部に特に押し付けられ、あるいは、その先端部において、粉末同士が互いに強く押し付けられる可能性がある。つまり、半球状の圧力板の先端部において、局所的に圧力が増大してしまい、上述した粗大な粒子が生じてしまう可能性がある。なお、そのような粗大な金属粒子は微細な金属粉末を必要とする用途には適さないので、粗大な粒子を除去し、圧密した微細な金属粉末を容器に充填することとなる。その結果、製品の歩留まりが低下したり、製造工数や製造コストが増大したりしてしまう。
また、タッピングによる圧密では、粉末を充填した容器を上下方向に振動させ、または、床に容器を打ち付ける。そのため、タッピング時の振動や衝撃に耐えるために、容器の強度を増大せざるを得ず、容器のコストが増大してしまう。また、金属粉末が充填された容器を上下動させる装置や動力などを要するため、これらの設備や装置の分、製造コストが増大したり、装置の全体として大型化したりしてしまう。そして、手作業による圧密では、容器に充填された粉末に対して均一に圧力を掛けにくく、その結果、粉末に対して局所的に圧力が掛かって粉末の粒状(塊状)化が生じてしまう可能性がある。また、手作業で粉末を押圧する際に、粉塵が発生してしまう可能性があり、作業環境の安全や衛生などの点で、改良の余地があった。
本発明は、上述した技術的課題に着目してなされたものであり、簡易な構成で粉末に対して適切な圧力を掛けて粉末の粒状(塊状)化を防止もしくは抑制しつつ、圧密することのできる粉末圧密装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、粉末を押圧して圧密する装置および機構を鋭意研究し、上述した技術的課題を解決可能である構成を見出し、本発明を完成した。
(1)本発明は、粉末が供給されるシリンダと、前記シリンダ内に供給された前記粉末を前記シリンダの軸線方向で前記シリンダの一方の端部側から他方の端部側に向かって連続的に押し込む押し込み手段と、前記他方の端部を開閉するように構成されており、前記押し込み手段によって前記一方の端部側から前記他方の端部側に向かって押し込められた前記粉末によって押し開けられる開閉手段とを備え、前記押し込み手段と前記開閉手段との間で前記粉末が受ける圧力によって前記粉末同士の間の隙間を低減して前記粉末の嵩密度を高くするように構成された粉末圧密装置であって、前記開閉手段は、前記他方の端部を閉じるフタ部を有し、前記フタ部は、前記フタ部に一体に形成されていて前記フタ部によって前記他方の端部を閉じた状態で前記シリンダの内部に配置される凸部を有しており、前記凸部は、前記凸部の外周面が前記シリンダの半径方向で外側に向かって凸曲面となるように滑らかに湾曲しかつ前記軸線方向で前記他方の端部側から前記一方の端部側に向かって前記凸部の外径が次第に減少する円錐台状に構成されていることを特徴とするものである。
(2)前記開閉手段は、前記軸線方向で前記フタ部を挟んで前記シリンダとは反対側に配置されていて前記フタ部との間の距離を変更可能に前記フタ部に設けられた錘と、前記フタ部が回動可能に連結される固定部とを更に有しており、前記固定部は、前記軸線方向で前記フタ部を挟んで前記錘とは反対側に位置しており、前記固定部と前記フタ部との連結部分を支点とし、前記フタ部を作用点とし、前記錘を力点としたてこ作用を生じて前記フタ部によって前記他方の端部を閉じ、かつ、前記フタ部に対して前記錘を接近もしくは離隔させて前記距離を変更することによって前記圧力を増減するように構成されていることを特徴とする上記(1)に記載の粉末圧密装置である。
(3)前記軸線方向で前記凸部における前記シリンダとは反対側に、前記他方の端部の外径よりも大きい外径に形成された基部が一体に設けられており、前記基部に、前記シリンダとは反対側に延びる軸部が設けられており、前記錘は、前記軸部に沿って移動可能に構成されており、前記軸部における前記錘の位置は、前記軸部に係合する係合手段によって位置決めされることを特徴とする上記(2)に記載の粉末圧密装置である。
(4)前記フタ部によって前記他方の端部を閉じた状態での垂直方向における前記フタ部の位置を調整する位置調整機構を更に備え、前記フタ部に前記位置調整機構を介して第1ステーの一端部が連結されており、前記第1ステーの他端部に、前記第1ステーに直交するように第2ステーの一端部が連結されており、前記シリンダの外周面のうち、前記垂直方向で上側の外周面に、前記垂直方向で上側に延びる第3ステーが一体に設けられており、前記第3ステーの先端部に前記第2ステーの他端部が回動可能に連結されていることを特徴とする上記(3)に記載の粉末圧密装置である。
(5)前記位置調整機構は、ボルトと、前記ボルトに係合するナットと、前記第1ステーにおける一端部側に形成されていて前記第1ステーの長さ方向に延びると共に前記第1ステーの板厚方向に貫通しかつ前記第1ステーの長さ方向に移動可能に前記ボルトが挿入される長孔とを有しており、前記軸線方向で前記基部と前記軸部との間であって、前記基部に一体にジョイントが設けられており、前記ジョイントに、前記軸部が取り付けられると共に、前記ボルトが挿入されるボルト孔が形成されており、前記長孔と前記ボルト孔とを重ね合わせた状態で前記長孔と前記ボルト孔とに挿入された前記ボルトと、前記ナットとによって前記第3ステーに前記フタ部が固定されることを特徴とする上記(4)に記載の粉末圧密装置である。
(6)前記押し込み手段は、スクリューコンベアであることを特徴とする上記(1)ないし(5)のいずれか一項に記載の粉末圧密装置である。
(7)前記シリンダの内周面と前記凸部の表面とのうち、少なくとも一方の表面における表面粗さは、少なくとも算術平均粗さRaで3.2μm以上であってかつ6.3μm以下であることを特徴とする上記(1)ないし(6)のいずれか一項に記載の粉末圧密装置である。
本発明によれば、フタ部の凸部は円錐台状に形成されているので、その先端部あるいは先端面において、粉末に過大な圧力が掛かることを防止もしくは抑制できる。その結果、圧密の過程で粉末に過剰な圧力が作用して粉末が粒状(塊状)化することを防止もしくは抑制しつつ、適切に圧密した粉末を連続的に生産できる。これにより、製品の歩留まりを向上でき、製造工数や製造コストを低減できる。また、タッピングを行うことがないので、容器の強度を低く抑えることができ、容器に掛かるコストを低減できる。さらに、作業者の手作業によって粉末を圧密することがないため、粉末の飛散を防止もしくは抑制でき、作業環境を安全かつ衛生にすることができる。
本発明の実施形態に係る粉末圧密装置の一例を示す図である。 シリンダの一例を示す図である。 図2のA矢視図である。 フタ部の一例を示す図である。 本発明の粉末圧密装置におけるフタ部が開いている状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る粉末圧密装置の他の例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内において、適宜変更できる。
本発明の実施形態に係る粉末圧密装置の一例を図1に示してある。図1に示す粉末圧密装置1は粉末に圧力を掛けて粉末同士の間の隙間を低減することにより、粉末の嵩密度を増大する装置である。上記の粉末としては、例えば、展性がある程度高く、融点がある程度低い粉末状のセレンを挙げることができる。粉末圧密装置1は、図1に示すように、粉末を一時的に貯留するホッパー2を備えている。ホッパー2の底部はロート状あるいはコニカル状に構成されており、これにより粉末圧密装置1の上下方向もしくは垂直方向でホッパー2の下側に配置されたシリンダ3に粉末を投入しやすくなっている。
ホッパー2の内周面は平滑に形成されている。これは、シリンダ3に粉末をスムーズに供給するためであり、またこれによりホッパー2の内周面に粉末が引っかかって滞留することを防止もしくは抑制できる。ホッパー2の内周面の表面粗さは、少なくとも算術平均粗さRaで3.2μm以上であってかつ6.3μm以下であることが好ましい。つまり、ホッパー2の内周面の表面粗さはいわゆる並仕上げ以上であることが好ましい。なお、ホッパー2の排出口、あるいは、シリンダ3における粉末の供給口(それぞれ図示せず。)に、図示しないバルブを設けてシリンダ3に対する粉末の供給量を調整できるように構成されていてもよい。
シリンダ3は粉末圧密装置1の左右方向もしくは水平方向に延びるように配置されている。シリンダ3の形状は、ここに示す例では、シリンダ3の軸線方向で一方の端部側と他方の端部側とで互いに異なっている。図2はシリンダ3の一例を示す図であり、図2に示すように、シリンダ3の一方の端部側の部分(以下、前端部と記す。)3Aは水平面に対して平行な天板部4と、上下方向で天板部4の下側に突出する半円筒状の樋部5とを有している。天板部4の下側にボルトやナット、あるいは、リベット、溶接などの従来知られた固定手段によって樋部5が一体に取り付けられている。一方、シリンダ3の他方の端部側の部分(以下、後端部と記す。)3Bは全体として円筒状に形成されており、その外径は前端部3Aの外径よりも小さい。また、後端部3Bの曲率半径は樋部5における半円筒状の部分の曲面半径より小さく設定されており、かつ、それらの中心がわずかに互いにずれて配置されている。軸線方向でシリンダ3の他方の端部側からシリンダ3を見た場合には、図3に示すように、シリンダ3の半径方向で前端部3Aの内側に後端部3Bが重なって見える。
前端部3Aと後端部Bとのそれぞれは、図2に示すように、別体品として構成されている。前端部3Aと後端部3Bとのそれぞれにおける連結部分にフランジが設けられており、それらのフランジ同士を互いに接触させた状態でフランジ同士をボルトやナット、あるいは、リベット、溶接などの従来知られた固定手段(図示せず)によって互いに連結されている。
シリンダ3の内周面は平滑に形成されている。これは、本発明の実施形態では、シリンダ3内に連続的に粉末を供給して圧密するので、シリンダ3の内周面に粉末が引っかかって滞留すると、その粉末が滞留している部分で粉末に掛かる圧力が大きくなり、粒状(塊状)化する可能性があるのでこれを避けるためである。そのシリンダ3の内周面の表面粗さは、上述したホッパー2と同様に、少なくとも算術平均粗さRaで3.2μm以上であってかつ6.3μm以下であることが好ましい。つまり、シリンダ3の内周面の表面粗さはいわゆる並仕上げ以上であることが好ましい。
上下方向でホッパー2の下側に、本発明の実施形態における押し込み手段に相当するスクリューコンベア6が設けられている。スクリューコンベア6は従来知られたスクリューコンベアと同様の構成のものであって、トルクを受けて回転することによって予め定めた方向、ここに示す例では、シリンダ3の一方の端部側から他方の端部側に粉末を搬送するスクリュー部7と、スクリュー部7にトルク伝達可能に連結された動力源8とを有している。なお、スクリュー部7と動力源8との間に、それらスクリュー部7と動力源8とをトルク伝達可能に連結し、また、その連結を解く図示しないクラッチを設けてもよい。そのクラッチは摩擦クラッチや電磁クラッチ、パウダークラッチなど従来知られたクラッチであってよい。また、クラッチに替えて、予め定めたトルク以上のトルクが掛かった場合に、上記の連結を解くトルクリミッタを設けてもよい。動力源8は従来知られたモーターや、変速機が一体に設けられたいわゆるギヤードモーター、サイクロ減速機(登録商標)であってよい。
スクリュー部7は動力源8に連結されたスクリュー軸にらせん状のスクリュー羽根を一体に形成したものであり、シリンダ3の一方の端部側から中央部分にまで延びている。具体的には、シリンダ3における前端部3Aの中央部分にまで延びている。スクリュー部7の先端部7Aとシリンダ3の他方の端部を開閉するフタ部9との間の空間部分は、粉末が圧力を受けて粉末同士の間の隙間が低減される圧力室10となっている。スクリュー部7によってシリンダ3の一方の端部側から他方の端部側に向かって粉末が押し込められ、また、シリンダ3の他方の端部はフタ部9によって閉じられるので、圧力室10に粉末が充分に詰まった状態になると、粉末はそれらの間で圧力を受け、粉末同士の間の隙間が低減される。なお、粉末はシリンダ3の一方の端部側から他方の端部側に向かって次第に詰まっていくため、圧力室10のうち、特に、フタ部9側の部分つまり上述した後端部3Bにおいて、粉末が最も詰まった状態になる。そのため、圧力室10のうち、フタ部9側の後端部3Bにおいて特に、粉末が圧密される。
図4は、フタ部9の一例を示す図である。図4に示すフタ部9は当該フタ部9によってシリンダ3の他方の端部を閉じた状態でシリンダ3の外部に位置する基部11と、シリンダ3における後端部3Bの内側に配置される凸部12とを有している。基部11はここに示す例では円板状もしくは円筒状に形成されており、基部11の外径はシリンダ3の他方の端部の外径以上に構成されている。したがって、フタ部9によってシリンダ3の他方の端部を閉じると、基部11とシリンダ3の他方の端部とが互いに接触し、それらの間から粉末が漏れ出ることを防止もしくは抑制できる。また、基部11によってシリンダ3の内部にフタ部9の全体が入り込むことを防止もしくは抑制でき、したがって、基部11はいわゆるストッパーとしても機能する。
軸線方向で基部11の両面のうち、シリンダ3側の一方の面に凸部12が一体に設けられている。凸部12は、図1や図4に示すように、軸線方向でシリンダ3の内側に突出した円錐台状を成している。つまり、本発明の実施形態に係る粉末圧密装置1では、凸部12の先端部12Aはシリンダ3の他方の端部側に引っ込んでいる。これは、凸部12の先端部12Aが例えば尖塔状を成していると、その先端部に対して粉末が押し付けられてその先端部での圧力が過大となり、粉末が粒状(塊状)化する可能性があるので、これを避けるためである。また、そのような先端部の分、シリンダ3の内部に凸部12を配置した場合における圧力室10の内容積の減少を抑制するためである。図1や図4に示す凸部12の先端部12Aの面積はその先端部12Aで粉末の粒状(塊状)化が生じにくい面積に設定されており、これは実験により求めることができる。
また、凸部12の外周面は、図1や図4に示す例では、シリンダ3の半径方向で外側に向かって突出するように滑らかに湾曲した凸曲面を成しており、その凸部12の外径はシリンダ3の他方の端部から一方の端部側に向かって次第に滑らかに減少している。凸部12における基部11側の根本部分の外径はシリンダ3の後端部3Bの内径とほぼ同じ、あるいは、後端部3Bの内径よりも僅かに小さく設定されている。したがって、シリンダ3の後端部3Bの内側に隙間なく、あるいは、わずかな隙間を開けて凸部12が嵌り合うようになっている。
基部11の両面のうち、シリンダ3とは反対側の他方の面につまり裏面に、ジョイント13が一体に取り付けられている。ジョイント13を介して基部11に、本発明の実施形態における軸部に相当するボルト14が取り付けられている。ボルト14はフタ部9によってシリンダ3の他方の端部を閉じている状態で、シリンダ3の軸線方向とほぼ平行な方向に延びている。そのボルト14にボルト14の軸線方向に移動可能に、つまり、フタ部9との間の距離を変更可能に錘15が取り付けられている。錘15は円板状に構成されており、その中央部分に板厚方向に貫通する図示しない孔が形成されている。その孔にボルト14が挿入されるようになっている。ボルト14の軸線方向で錘15の前後に、本発明の実施形態における係合手段に相当し、ボルト14に係合するナット16がそれぞれ設けられている。そのため、ボルト14の軸線方向におけるナット16の位置を変更することによってボルト14の軸線方向における錘15の位置を変更でき、また、ボルト14の軸線方向における錘15の位置を固定できる。さらに、ボルト14に取り付ける錘15の数すなわち質量は適宜変更でき、ボルト14に取り付ける錘15の位置や数を変更することによって、シリンダ3の他方の端部にフタ部9を押し付ける荷重を変更できる。また、ジョイント13に、ボルト14に対して直交する方向に、ジョイント13を貫通する孔17が形成されている。その孔17に位置調整機構のボルトが挿入される。なお、孔17が本発明の実施形態におけるボルト孔に相当している。
フタ部9によってシリンダ3の他方の端部を閉じている状態で、粉末圧密装置1の上下方向(図1での上下方向)に延びるように、ジョイント13に第1ステー18が一体に取り付けられている。第1ステー18は一例として角筒状に形成されており、その第1ステー18の一端部の内側にジョイント13が嵌り合うようになっている。なお、図4に示す例では、ジョイント13と第1ステー18とを離隔して記載してある。その第1ステー18に、当該第1ステー18の長さ方向に延びかつ互い対向する一対の長孔19が形成されている。それらの長孔19とジョイント13に形成された孔17とは、第1ステー18の一端部の内側にジョイント13を嵌合させた状態で互いに重なり合うように構成されている。したがって、それらの長孔19と孔17とを互いに一致させた状態で、それらの長孔19と孔17とに位置調整機構のボルト20が挿入される。ボルト20の長さは第1ステー18の幅以上の長さに設定されており、そのため、長孔19と孔17とにボルト20を挿入すると、第1ステー18におけるボルト20を挿入した側とは反対側にボルト20の先端部が突出する。その第1ステー18から突出したボルト20の先端部にナット21を係合することによって、第1ステー18にジョイント13を固定するようになっている。つまり、上述したボルト20とナット21とによって、粉末圧密装置1の上下方向におけるフタ部9の位置を位置決めするようになっている。したがって、上述したジョイント13の孔17、第1ステー18の長孔19、ボルト20、ナット21などが、本発明の実施形態における位置調整機構に相当している。
また、図1に示すように、第1ステー18の他端部にシリンダ3の軸線方向に延びる第2ステー22の一端部が互いにほぼ直交するように一体に連結されている。つまり、第1ステー18と第2ステー22とによって構成されるL字型のステーがジョイント13を介して基部11の裏面に一体に取り付けられている。なお、ここに示す例では、互いに別体品である第1ステー18と第2ステー22とを互いに連結してL字型のステーを構成しているが、これに替えて、一体品のL字型のステーを基部11の裏面に一体に取り付けてもよい。
シリンダ3の天板部4に上下方向に延びる第3ステー23が一体に取り付けられている。第3ステー23の先端部に第2ステー22の他端部が回動可能あるいは揺動可能に連結されている。そのため、図1に示す粉末圧密装置1では、錘15を力点、第2ステー22と第3ステー23との連結部分を支点、フタ部9を作用点とした第2種のてこ作用が生じる。以下の説明では、第2ステー22と第3ステー23との連結部分を支点24と記す。なお、上述したフタ部9、ボルト14、ナット16、錘15、各ステー18,22,23などが、本発明の実施形態における開閉手段に相当している。
次に、上述した構成の粉末圧密装置1の作用について説明する。ホッパー2を介してシリンダ3の内部に粉末を供給する。動力源8から伝達されたトルクを受けてスクリュー部7が回転すると、スクリュー部7の回転に伴ってシリンダ3の一方の端部側から他方の端部側に向かって連続的に粉末が搬送され、また、圧力室10に押し込められる。圧力室10に粉末が充分に詰まっていない状態では、フタ部9は他方の端部を閉じている。図1に示す例では、錘15の質量に応じた荷重は第2種のてこ作用によって増大され、その第2種のてこ作用により増大された荷重によってシリンダ3の他方の端部にフタ部9が押し付けられている。なお、フタ部9に対して錘15を接近させ、あるいは、離隔させてそれらの間の距離を変更することによってシリンダ3の他方の端部にフタ部9を押し付ける荷重を変更できる。
スクリュー部7による粉末の搬送あるいは押し込みは継続されているので、圧力室10に粉末が次第に充填され、また、圧力室10内に充填された粉末に掛かる圧力が次第に上昇して圧密が生じる。粉末はシリンダ3の一方の端部側から他方の端部側に向かって次第に詰まっていくため、圧力室10のうち、特に、フタ部9側の後端部3Bにおいて、粉末が最も詰まった状態になる。そのため、圧力室10のうち、後端部3Bにおいて特に、粉末が圧密される。その後端部3Bは円筒状を成しているので、粉末に対して均等に圧力が掛かり、後端部3Bの全体で均一に圧密が生じる。
また、本発明の実施形態では、フタ部9における凸部12は円錐台状に形成されていて、その先端部12Aの面積は、先端部12Aが上述したように尖塔状である場合と比較して広い。また例えば、先端部12Aの面積は特許文献1に記載された半球状の凸部の先端部より広い。そのため、凸部12の先端部12Aに粉末が押し付けられるとしても、粉末に過大な圧力が掛かることを防止もしくは抑制できる。
また、圧力室10内に充填された粉末によってフタ部9の凸部12が押圧される。粉末によって凸部12を押圧する荷重がシリンダ3の他方の端部にフタ部9を押し付ける荷重よりも小さい場合には、フタ部9によって他方の端部は閉じた状態に維持される。凸部12を押圧する荷重がシリンダ3の他方の端部にフタ部9を押し付ける荷重よりも大きくなると、フタ部9が押し開けられ、圧密されることによって嵩密度が増大した粉末がシリンダ3から排出される。図5は、その状態を示している。またフタ部9が開くことによって、圧力室10におけるそれ以上の圧力の上昇が抑制される。
なお、粉末によって凸部12を押圧する荷重がシリンダ3の他方の端部にフタ部9を押し付ける荷重と等しい場合、圧力室10での圧力は本発明の実施形態に係る粉末圧密装置1で設定した圧力とほぼ等しくなる。その設定圧力は、一例として圧密の対象としている粉末の粒状(塊状)化を防止もしくは抑制しつつ、圧密することのできる圧力として粉末圧密装置1に設定される圧力あるいは目標とする圧力のことであり、その圧力は粉末の種類や粉末のサイズ、硬度などの物性、粉末の水分量、粉末を所定の容器に充填するために要求される嵩密度などによって決めることができる。また、この設定圧力は、粉末の粒状(塊状)化を防止もしくは抑制しつつ、圧密することのできる圧力として実験などにより求めることができる。本発明の実施形態に係る粉末圧密装置1では、上述した設定圧力はスクリューコンベア6のトルク、錘15の質量、フタ部9と錘15との間の距離などを調整することによって所望の値に設定できる。
スクリューコンベア6は連続して駆動されているので、上記のようにして粒状(塊状)化を防止もしくは抑制しつつ、適度に圧密されて嵩密度が増大した粉末を連続的に生産できる。そして、シリンダ3の他方の端部の下側には、粒状(塊状)化した粉末を除去するふるいと、容器(それぞれ図示せず。)とがそれぞれ載置されており、容器に対してふるいを通過した粉末が充填される。
このように、本発明の実施形態に係る粉末圧密装置1では、粉末の粒状(塊状)化を防止もしくは抑制しつつ、適度に圧密されて嵩密度が増大した粉末を連続的に生産できる。これにより、製品の歩留まりを向上でき、製造工数や製造コストを低減できる。また、容器には、嵩密度の増大された粉末が充填されるため、容器を上下方向に振動して嵩密度を増大するタッピングを行うことがない。そのため、容器の強度を低く抑えることができ、容器に掛かるコストを低減できる。また、作業者の手作業によって粉末を圧密することがないため、手作業による粉末の飛散を抑制でき、作業環境を安全かつ衛生にすることができる。さらに、本発明の実施形態に係る粉末圧密装置1では、支点24を中心としてフタ部9を回動させることによって上下方向でシリンダ3の上側にフタ部9や錘15などを配置することができる。こうすることにより、他方の端部を大きく開口することができ、例えば、シリンダ3の内部に残留した粉末を排出する作業や、シリンダ3のメンテナンスなどを容易に行うことができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されない。図6は、本発明の実施形態に係る粉末圧密装置1の他の例を示す図である。図6に示す例は、第1種のてこ作用を生じてシリンダ3の他方の端部にフタ部9を押し付けて閉じるように構成した例である。すなわち、ボルト14に上下方向に延びる第1ステー18が一体に連結されており、その第1ステー18の先端部と粉末圧密装置1の図示しないフレームや壁などの固定部とが回動可能に連結されている。他の構成は図1ないし図3に示す構成と同様であるため、図1ないし図3に示す構成と同様の部分には図1ないし図3と同様の符号を付してその説明を省略する。
図6に示す構成の粉末圧密装置1では、錘15の質量に応じた荷重は第1種のてこ作用によって増大され、その第1種のてこ作用により増大された荷重によってシリンダ3の他方の端部にフタ部9が押し付けられて当該他方の端部が閉じられる。また、錘15の位置はボルト14に沿って変更できるため、ボルト14上における錘15の位置を変更し、あるいは、錘15の数を増減することによってシリンダ3の他方の端部にフタ部9を押し付ける荷重を変更することができる。これにより、圧力室10での上述した圧力を適切に設定できる。また、凸部12は円錐台状に形成されており、上述した実施形態と同様に、凸部12の先端部12Aで粉末に作用する圧力の増大が抑制されている。したがって、図6に示す構成の粉末圧密装置1であっても、上述した実施形態とほぼ同様の作用・効果を得ることができる。本発明は、要は、粉末に対して局所的に圧力が増大する部分あるいは箇所が少なくなるように構成されていればよい。また、てこ作用によって粉末の排出口であるシリンダ3の他方の端部にフタ部9を押し付けると共に、フタ部9に対する錘15の位置を変更することによって、粉末の排出口であるシリンダ3の他方の端部にフタ部9を押し付ける荷重を変更できるよう構成されていればよい。
(実施例)
ここで、上述した図1に示す構成の粉末圧密装置1の作用についてより具体的に説明する。粉末として嵩密度が0.9kg/mであるセレンの粉末を120kg用意し、これを上述した構成の粉末圧密装置1に供給し、シリンダ3から排出された粉末を20Lの容器に20kg充填するように、連続的に圧密操作を行った。上記のセレン粉末は暗灰色であって、その純度は99.9%であった。また、シリンダ3における後端部3Bの外径を170mm、肉厚を5mmに設定し、その内周面の表面粗さを少なくとも算術平均粗さRaで3.2μm以上であってかつ6.3μm以下に設定した。フタ部9の基部11を軸線方向に測った高さを50mmである円筒状に形成した。さらに、軸線方向に測ったフタ部9の凸部12の高さ、すなわち、基部11からの凸部12の突出高さを60mmに設定した。その基部11の裏面のジョイント13に直径25mm、長さ300mmのボルト14を固定した。そのボルト14におけるジョイント13から290mmの部分に、錘15を4つ、ナット16によって固定した。各錘15の質量は4kgであり、したがって、合計16kgの錘15をボルト14に取り付けた。ジョイント13と第1ステー18との連結部分と、第1ステー18と第2ステー22との連結部分との間の長さを170mmに設定し、第1ステー18と第2ステー22との連結部分と、支点24との間の長さを140mmに設定し、天板部4から支点24までの長さを50mmに設定した。また、目開きあるいは目開き寸法が3mmのふるいを使用した。
(比較例1)
凸部12の形状を基部11からの突出高さが60mmである円柱状とした以外は、実施例と同様に粉末圧密装置1を構成して圧密操作を行った。
(比較例2)
凸部12の形状を半球状とした以外は、実施例と同様に粉末圧密装置1を構成して圧密操作を行った。
(比較例3)
第2ステー22と第3ステー23とを回動可能に連結することに替えて、それらの第2ステー23と第3ステー24とが相対回転しないように一体に連結した。そして、少なくとも圧密操作の開始時においては、フタ部9によってシリンダ3の他方の端部を閉じた状態に維持し、シリンダ3の内部に当該シリンダ3の内容積に対してほぼ1.2倍の体積の粉末を供給した時点で、上述した第2ステー22と第3ステー23との連結を解いてシリンダ3の他方の端部からフタ部9を離隔させて圧密した粉末をシリンダ3から排出した。これを複数回、繰り返し行った。
(評価)
実施例および比較例1ならびに比較例2において、シリンダ3の他方の端部にフタ部9を押し付ける荷重よりも粉末によってフタ部9の凸部12を押圧する荷重が大きくなると、シリンダ3の他方の端部からフタ部9が離隔して粉末が排出された。実施例では、シリンダ3の他方の端部とフタ部9との成す角度、つまりフタ部9の開き角度はシリンダ3の他方の端部からフタ部9の基部11が離隔して以降、ほぼ40°となり、その状態で圧密された粉末が連続的に排出された。そのシリンダ3から排出された粉末をふるいに掛けて粒状(塊状)化した粉末を除去してから容器に充填した。また、実施例で得られた粉末の嵩密度は1.15kg/mであり、20Lの容器に余裕をもって充填することができた。さらに、ふるいによって除去した粒状(塊状)化したセレンの粉末の量は、0.5g以上であってかつ0.75g以下であり、全体として粉末の粒状(塊状)化を抑制することができた。なお、フタ部9の開き角度は、シリンダ3の他方の端部にフタ部9の基部11は接触して閉じた状態が0°となっている。
これに対して、比較例1では、シリンダ3の他方の端部から粉末が排出されるときにおけるフタ部9の開き角度は、ほぼ20°であった。また、比較例1で得られた粉末の嵩密度は0.9kg/mであり、ふるい上に粒状(塊状)化したセレンの粉末は見当たらなかった。比較例1において嵩密度の増大が生じなかった理由は直ちには明らかでないが、実施例では、凸部12は円錐台状を成しているため、フタ部9が開いた状態で、凸部12の外周面のうち、上下方向で上方を向く外周面に粉末が載置され、そのような粉末は凸部12から落下しにくいため、実質的にフタとして機能したものと推定される。その結果、実施例では、比較例1と比較して圧力室10での圧力が上昇して粉末の圧密が進行したものと推定される。また、実施例では、凸部12の外周面のうち、上下方向で上方を向く外周面を粉末が押圧するため、その部分でフタ部9を回動させる分力が生じて開き角度が大きくなったものと推定される。これに対して、比較例1では、凸部12は円柱状に形成されているので、フタ部9が開いた状態では、実施例のように粉末が載置されるような上下方向で上方を向く面はほぼない。そのため、凸部12に沿って粉末が速やかに落下して排出されてしまい、実施例のような圧力室10での圧力上昇はほぼなく、粉末を圧密できなかったものと推定される。また、同様の理由で、比較例1では、実施例のような分力はフタ部9に生じなく、したがって、実施例と比較して開き角度が小さくなったものと推定される。
比較例2では、フタ部9の開き角度や嵩密度は実施例とほぼ同じ開き角度や嵩密度になり、その状態で圧密された粉末が連続的に排出された。しかしながら、ふるい上に粒状(塊状)化したセレンの粉末が発見された。これは、比較例2の凸部12は半球状を成しているので、実施例と比較して、その凸部12の先端部の面積が狭く、その先端部において、粉末に過大な圧力が掛かったためであると推定される。
比較例3では、粉末圧密装置1から回収した粉末の嵩密度はほぼ1.1kg/mであり、実施例で得られた粉末の嵩密度とほぼ同じになった。しかしながら、ふるい上に粒状(塊状)化したセレンの粉末が発見された。その量は、圧密操作前の粉末20kgに対してほぼ100gであった。また、圧密操作前の粉末100kgに対して圧密操作を行った時点で、シリンダ3の他方の端部の温度が室温に対してほぼ20℃上昇した。これは、比較例2では、粉末を連続的に供給しまた排出しないので、粉末を加圧することによって生じた熱がシリンダ3の内部にこもったためであると推定される。こうしてシリンダ3の内部にこもった熱と圧力とによって粉末の粒状(塊状)化が生じたものと推定される。
1 粉末圧密装置
3 シリンダ
6 スクリューコンベア(押し込み手段)
7 スクリュー部(押し込み手段)
8 動力源(押し込み手段)
9 フタ部(開閉手段)
11 基部(開閉手段)
12 凸部(開閉手段)
15 錘(開閉手段)
16 ナット(開閉手段)
18 第1ステー(開閉手段)
22 第2ステー(開閉手段)
23 第3ステー(開閉手段)
24 支点(開閉手段)

Claims (7)

  1. 粉末が供給されるシリンダと、
    前記シリンダ内に供給された前記粉末を前記シリンダの軸線方向で前記シリンダの一方の端部側から他方の端部側に向かって連続的に押し込む押し込み手段と、
    前記他方の端部を開閉するように構成されており、前記押し込み手段によって前記一方の端部側から前記他方の端部側に向かって押し込められた前記粉末によって押し開けられる開閉手段とを備え、
    前記押し込み手段と前記開閉手段との間で前記粉末が受ける圧力によって前記粉末同士の間の隙間を低減して前記粉末の嵩密度を高くするように構成された粉末圧密装置であって、
    前記開閉手段は、前記他方の端部を閉じるフタ部を有し、
    前記フタ部は、前記フタ部に一体に形成されていて前記フタ部によって前記他方の端部を閉じた状態で前記シリンダの内部に配置される凸部を有しており、
    前記凸部は、前記凸部の外周面が前記シリンダの半径方向で外側に向かって凸曲面となるように滑らかに湾曲しかつ前記軸線方向で前記他方の端部側から前記一方の端部側に向かって前記凸部の外径が次第に減少する円錐台状に構成されている
    ことを特徴とする粉末圧密装置。
  2. 請求項1に記載の粉末圧密装置において、
    前記開閉手段は、前記軸線方向で前記フタ部を挟んで前記シリンダとは反対側に配置されていて前記フタ部との間の距離を変更可能に前記フタ部に設けられた錘と、前記フタ部が回動可能に連結される固定部とを更に有しており、
    前記固定部は、前記軸線方向で前記フタ部を挟んで前記錘とは反対側に位置しており、
    前記固定部と前記フタ部との連結部分を支点とし、前記フタ部を作用点とし、前記錘を力点としたてこ作用を生じて前記フタ部によって前記他方の端部を閉じ、かつ、
    前記フタ部に対して前記錘を接近もしくは離隔させて前記距離を変更することによって前記圧力を増減するように構成されている
    ことを特徴とする粉末圧密装置。
  3. 請求項2に記載の粉末圧密装置において、
    前記軸線方向で前記凸部における前記シリンダとは反対側に、前記他方の端部の外径よりも大きい外径に形成された基部が一体に設けられており、
    前記基部に、前記シリンダとは反対側に延びる軸部が設けられており、
    前記錘は、前記軸部に沿って移動可能に構成されており、
    前記軸部における前記錘の位置は、前記軸部に係合する係合手段によって位置決めされる
    ことを特徴とする粉末圧密装置。
  4. 請求項3に記載の粉末圧密装置において、
    前記フタ部によって前記他方の端部を閉じた状態での垂直方向における前記フタ部の位置を調整する位置調整機構を更に備え、
    前記フタ部に前記位置調整機構を介して第1ステーの一端部が連結されており、
    前記第1ステーの他端部に、前記第1ステーに直交するように第2ステーの一端部が連結されており、
    前記シリンダの外周面のうち、前記垂直方向で上側の外周面に、前記垂直方向で上側に延びる第3ステーが一体に設けられており、
    前記第3ステーの先端部に前記第2ステーの他端部が回動可能に連結されている
    ことを特徴とする粉末圧密装置。
  5. 請求項4に記載の粉末圧密装置において、
    前記位置調整機構は、ボルトと、前記ボルトに係合するナットと、前記第1ステーにおける一端部側に形成されていて前記第1ステーの長さ方向に延びると共に前記第1ステーの板厚方向に貫通しかつ前記第1ステーの長さ方向に移動可能に前記ボルトが挿入される長孔とを有しており、
    前記軸線方向で前記基部と前記軸部との間であって、前記基部に一体にジョイントが設けられており、
    前記ジョイントに、前記軸部が取り付けられると共に、前記ボルトが挿入されるボルト孔が形成されており、
    前記長孔と前記ボルト孔とを重ね合わせた状態で前記長孔と前記ボルト孔とに挿入された前記ボルトと、前記ナットとによって前記第3ステーに前記フタ部が固定される
    ことを特徴とする粉末圧密装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の粉末圧密装置において、
    前記押し込み手段は、スクリューコンベアである
    ことを特徴とする粉末圧密装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の粉末圧密装置において、
    前記シリンダの内周面と前記凸部の表面とのうち、少なくとも一方の表面における表面粗さは、少なくとも算術平均粗さRaで3.2μm以上であってかつ6.3μm以下である
    ことを特徴とする粉末圧密装置。
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