JP2022164726A - プリプレグ、およびエポキシ樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

プリプレグ、およびエポキシ樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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久也 牛山
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Abstract

【課題】機械物性に優れた繊維強化プラスチックの成形体、特に、破壊強度が高い管状の成形体を形成することができるエポキシ樹脂組成物を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂組成物は、下記成分(A),(B),(C),(D)および(E)を含む。成分(A):質量平均分子量(Mw)が5000以上、20000以下であり、かつ、多分散度(Mw/Mn)が3以上、4.5以下である、25℃で固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂。成分(B):25℃で液体状のビスフェノール型エポキシ樹脂。成分(C):その構造に窒素原子を含む、2官能以上、3官能以下のエポキシ樹脂。成分(D):硬化剤。成分(E):その構造に塩素原子を含まないウレア化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、スポーツおよびレジャー用途、自動車用途、航空機用途、船舶用途、並びに一般産業用途等の各種用途に使用される繊維強化プラスチックに好適に用いられるエポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム、プリプレグおよび繊維強化プラスチックに関する。
繊維強化複合材料の一つである繊維強化プラスチックは、軽量で、高強度、高剛性であることから、スポーツおよびレジャー用途、自動車用途、航空機用途、船舶用途、並びに一般産業用途等の各種用途に幅広く使用されている。
繊維強化プラスチックの製造方法としては、強化繊維等の長繊維(連続繊維)からなる補強材にマトリックス樹脂を含浸させた中間材料、即ちプリプレグを使用する方法がある。この方法によれば、繊維強化プラスチックにおける強化繊維の含有量を管理し易く、また、その含有量を高めに設計することが可能であるという利点がある。
プリプレグを用いて繊維強化プラスチックを得る具体的な方法としては、オートクレーブを用いた方法、プレス成形(成型)、内圧成形、オーブン成形、シートラップ成形等がある。
繊維強化プラスチックの中でも、繊維強化プラスチック管状体は、例えば、釣り竿、ゴルフクラブ用シャフト、スキーポール、自転車フレーム等のスポーツおよびレジャー用途に多用されている。繊維強化プラスチックの高い弾性率を利用することで、管状体を振るときに起こるしなりおよび反動により、弱い力でボールや釣り針を遠くに飛ばすことが可能となる。また、管状体とすることで軽量化し、使用者の操作感を向上させることも可能となる。
軽量化のためには、マトリックス樹脂の性能を向上させ、あらゆるタイプの炭素繊維との組み合わせを可能とし、繊維強化プラスチック管状体の破壊強度を向上させることが重要となる。
マトリックス樹脂としては、耐熱性や生産性の観点から、熱硬化性樹脂が主に用いられ、特に、強化繊維との接着性の観点からエポキシ樹脂が好適に用いられる。
エポキシ樹脂は、他の樹脂と比較して弾性率が高めであるが、靭性に劣るため、繊維強化プラスチックとしての耐衝撃性や破壊靭性も不十分であり、その結果、破壊強度も十分に向上させることが困難である。
このような課題を解決するために、例えば特許文献1~3に記載のエポキシ樹脂組成物が提案されている。
特許文献1では、剛直な構造を有するエポキシ樹脂を原料として用いて、ゴルフクラブ用シャフトの弾性率を向上させる手法が試されている。
特許文献2では、エポキシ樹脂にアクリル系のブロックポリマーを配合することで、繊維強化プラスチックの破壊靭性を向上させる手法が試されている。
特許文献3では、硬化物が相分離構造を有することで繊維強化プラスチックの弾性率と破壊靭性とを両立させる手法が試されている。
特開2009-74009号 国際公開WO2008/143044 国際公開WO2009/107697
しかしながら、特許文献1~3に記載のエポキシ樹脂組成物は、弾性率と破壊靭性とを満足に両立することができないという課題がある。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものである。本発明者らは、弾性率と破壊靭性とを両立することができる特定の構造のエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂として用いることによって、機械物性に優れた繊維強化プラスチックが得られることを見出した。そして、本発明者らは、とりわけ、エポキシ樹脂組成物を管状の繊維強化プラスチックの材料として用いたときに、優れた破壊強度を有する繊維強化プラスチックを得ることができることを見出した。
本発明は、機械物性に優れた繊維強化プラスチックに好適に用いられるエポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム、プリプレグおよび繊維強化プラスチックを提供することを目的とする。特に、本発明は、機械物性に優れた繊維強化プラスチックの成形体、特に、破壊強度が高い管状の成形体を形成することができるエポキシ樹脂組成物を提供することを主たる目的とする。
本発明者らは鋭意検討を行った結果、特定の構造を有するエポキシ樹脂を用いることにより、前記課題を解決することができ、所望の性能を有する繊維強化プラスチックを提供することができること、つまり、当該繊維強化プラスチックに好適に用いられるエポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム、プリプレグおよび繊維強化プラスチックを提供することができることを見出し、本発明に至った。
前記課題を解決するために、本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、
下記成分(A),(B),(C),(D)および(E);
成分(A):質量平均分子量(Mw)が5000以上、20000以下であり、かつ、多分散度(Mw/Mn)が3以上、4.5以下である、25℃で固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂
成分(B):25℃で液体状のビスフェノール型エポキシ樹脂
成分(C):その構造に窒素原子を含む、2官能以上、3官能以下のエポキシ樹脂
成分(D):硬化剤
成分(E):その構造に塩素原子を含まないウレア化合物
を含む。
本発明の一態様によれば、本発明のエポキシ樹脂組成物を繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂として用いることによって、機械物性に優れた繊維強化プラスチックを得ることができるという効果を奏する。とりわけ、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いることにより、機械物性に優れた繊維強化プラスチックの成形体、特に、破壊強度が高い管状の成形体を形成することができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。
本発明の一態様に係るエポキシ樹脂組成物は、下記成分(A),(B),(C),(D)および(E)を含む。成分(A):質量平均分子量(Mw)が5000以上、20000以下であり、かつ、多分散度(Mw/Mn)が3以上、4.5以下である、25℃で固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂。成分(B):25℃で液体状のビスフェノール型エポキシ樹脂。成分(C):その構造に窒素原子を含む、2官能以上、3官能以下のエポキシ樹脂。成分(D):硬化剤:成分(E):その構造に塩素原子を含まないウレア化合物。
そして、本発明の一態様に係るエポキシ樹脂組成物は、フィルム、プリプレグおよび繊維強化プラスチック等の用途に供される。
一般に、エポキシ樹脂という用語は、熱硬化性樹脂の一つのカテゴリーを指す名称、或いは分子内にエポキシ基を有する化合物という化学物質のカテゴリーを指す名称として用いられる。本発明においては、エポキシ樹脂という用語は、後者(化学物質のカテゴリーを指す名称)の意味で用いられる(但し、エポキシ樹脂の質量平均分子量は、50000未満であるとする)。また、エポキシ樹脂組成物という用語は、エポキシ樹脂および硬化剤、さらに必要に応じて他の添加剤を含む組成物を意味する。
また、本発明においては、「エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ弾性率」を「樹脂曲げ弾性率」と称し、「エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ破断歪み」を「樹脂曲げ破断歪み」と称することがある。
<エポキシ樹脂組成物の各成分>
以下、エポキシ樹脂組成物が含む各成分に関して詳細に説明する。
「成分(A)」
成分(A)は、質量平均分子量(Mw)が5000以上、20000以下であり、かつ、多分散度(Mw/Mn)が3以上、4.5以下である、25℃で固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂A」と称することがある)である。
前記エポキシ樹脂Aは、質量平均分子量が5000以上、20000以下であり、かつ、多分散度(Mw/Mn)が3以上、4.5以下であることから、幅広い分子量分布を有する。つまり、前記エポキシ樹脂Aは、分子の大きさに多様性があることから、熱硬化性樹脂の中でも、特に、樹脂曲げ破断歪みおよび破壊靭性に好影響をもたらす。
前記質量平均分子量および多分散度(Mw/Mn)は、例えば、東ソー(株)製の市販の装置およびカラムを使用して、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を測定することにより求めることができる。具体的には、ポリスチレン標準サンプルを用いて検量線を作成し、それを用いてエポキシ樹脂Aの質量平均分子量および数平均分子量(Mn)を求め、質量平均分子量と数平均分子量との比を算出することにより、多分散度(Mw/Mn)を求める。
エポキシ樹脂Aとしては、質量平均分子量が5000以上、20000以下であり、かつ、多分散度(Mw/Mn)が3以上、4.5以下である、25℃で固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂であればよく、特に限定されないが、例えば市販品であれば、jER4004P、jER4007P(商品名、以上、三菱化学(株)製)、YDF2001(商品名、新日鉄住金(株)製)等が挙げられる。また、前記エポキシ樹脂Aは、1種類(1製品)のみを用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。例えば、前記エポキシ樹脂Aは、種々のビスフェノール型エポキシ樹脂を、質量平均分子量が5000以上、20000以下であり、かつ、多分散度(Mw/Mn)が3以上、4.5以下である、25℃(室温)で固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂となるように、適宜組み合わせて調製されてもよい。
また、エポキシ樹脂Aのエポキシ当量は、特に限定されないが、500~5000の範囲であることが好ましく、800~2500の範囲であることがより好ましい。
本発明の一態様に係るエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に占める、前記成分(A)の含有量は、20質量部~60質量部であることが好ましい。また、成分(A)の含有量の下限値は、30質量部であることがより好ましい。成分(A)の含有量の上限値は、50質量部であることがより好ましい。
成分(A)の含有量が20質量部以上であれば、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ強度、樹脂曲げ弾性率、樹脂曲げ破断歪みのバランスを保つことが容易となる。そして、当該エポキシ樹脂組成物を繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂に用いることにより、繊維強化プラスチックの曲げ強度をより高めることができる傾向にある。また、成分(A)の含有量が60質量部を超えると、エポキシ樹脂組成物の粘度が過度に増加することから、プリプレグの製造工程におけるフィルム化が困難となる傾向にある。
「成分(B)」
成分(B)は、25℃で液体状のビスフェノール型エポキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂B」と称することがある)である。
エポキシ樹脂Bを含むことにより、本発明のエポキシ樹脂組成物は、その粘度を適切な範囲に容易に制御することができる。従って、当該エポキシ樹脂組成物を含むプリプレグのタック性を容易に調整することができ、また、繊維強化プラスチック製造時にボイドの少ない成形品を得ることができる。
エポキシ樹脂Bとしては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、および、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が挙げられる。前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば市販品であれば、jER825(25℃での粘度:40~70ポイズ)、jER827(25℃での粘度:90~110ポイズ)、jER828(25℃での粘度:120~150ポイズ)(商品名、以上、三菱化学(株)製)等が挙げられる。前記ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば市販品であれば、エピクロン830(25℃での粘度:30~40ポイズ)(商品名、DIC(株)製)、jER806(25℃での粘度:15~25ポイズ)、jER807(25℃での粘度:30~45ポイズ)(商品名、以上、三菱化学(株)製)等が挙げられる。前記水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば市販品であれば、TETRAD-C(25℃での粘度:20~35ポイズ)(商品名、三菱ガス化学(株)製)等が挙げられる。前記エポキシ樹脂Bは、単官能のエポキシ樹脂であってもよく、2官能以上(多官能)のエポキシ樹脂であってもよい。
また、前記エポキシ樹脂Bは、1種類(1製品)のみを用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。中でも、エポキシ樹脂Bとして、ビスフェノール型の2官能のエポキシ樹脂を用いることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物が耐熱性に優れ、かつ、硬化温度に達してもエポキシ樹脂組成物の急激な粘度上昇が生じず、成形時のボイドを抑制する効果に優れるので好ましい。また、成分(B)の全部または一部がビスフェノールF型エポキシ樹脂の場合には、エポキシ樹脂組成物の硬化物が樹脂曲げ弾性率に優れるので特に好ましい。
また、エポキシ樹脂Bのエポキシ当量は、特に限定されないが、150~300の範囲であることが好ましく、160~200の範囲であることがより好ましい。
本発明の一態様に係るエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に占める、前記成分(B)の含有量は、エポキシ樹脂組成物に求める粘度に応じて適宜設定すればよいが、例えば、20質量部~65質量部であることが好ましく、40質量部~65質量部であることがより好ましく、45質量部~60質量部であることがさらに好ましい。
「成分(C)」
成分(C)は、その構造に窒素原子を含む、2官能以上、3官能以下のエポキシ樹脂(以下、「エポキシ樹脂C」と称することがある)である。
前記エポキシ樹脂Cがその構造に窒素原子を含むことで、強化繊維に対するマトリックス樹脂の接着性が良好となる傾向にある。また、前記エポキシ樹脂Cがその構造に窒素原子を含むことで、特に、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ強度および樹脂曲げ弾性率を高めることができるので、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂に用いた場合には、当該繊維強化プラスチックの曲げ強度、つまり90°曲げ強度および0°曲げ強度を高めることができる。
2官能エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、オキサゾリドン環型エポキシ樹脂等が挙げられる。前記オキサゾリドン環型エポキシ樹脂としては、例えば市販品であれば、AER4152(軟化点:98℃)、XAC4151(軟化点:98℃)(商品名、以上、旭化成(株)製)、DER858(軟化点:100℃)(DOW社製)、TSR-400(軟化点:79℃)(商品名、DIC(株)製)等が挙げられる。3官能エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば市販品であれば、トリグリシジル-m-アミノフェノール型エポキシ樹脂であるアラルダイドMY0600およびアラルダイドMY0610(商品名、以上、ハンツマン(株)製)、トリグリシジル-p-アミノフェノール型エポキシ樹脂であるMY0500およびMY0510(商品名、以上、ハンツマン(株)製)、トリアジン変性エポキシ樹脂であるTEPIC(商品名、日産化学(株)製)等が挙げられる。また、前記エポキシ樹脂Cは、1種類(1製品)のみを用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。
また、エポキシ樹脂Cのエポキシ当量は、特に限定されないが、100~400の範囲であることが好ましく、100~200の範囲であることがより好ましい。
本発明の一態様に係るエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に占める、前記成分(C)の含有量は、エポキシ樹脂組成物に求める機械物性に応じて適宜設定すればよいが、例えば、10質量部~50質量部であることが好ましく、20質量部~40質量部であることがより好ましい。
「成分(D)」
成分(D)はエポキシ樹脂の硬化剤である。即ち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、成分(D)として硬化剤を含有する。
前記硬化剤の種類は、特に限定されないが、例えば、アミン系硬化剤、イミダゾール類、酸無水物、塩化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。中でも、硬化剤としてジシアンジアミドを用いることで、硬化前のエポキシ樹脂組成物が湿気によって性能変化を生じることを防止することができる。それゆえ、当該エポキシ樹脂組成物は、長期安定性を有しながら、比較的低温で硬化を完了することができるので好ましい。
硬化剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。本発明の一態様に係るエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に対する、前記成分(D)の配合量は、硬化剤の種類によるが、例えば、3質量部~10質量部であることが好ましく、4質量部~8質量部であることがより好ましい。特に、硬化剤がジシアンジアミドである場合には、当該ジシアンジアミドの好ましい配合量は、エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が有するエポキシ基の合計のモル数(平均エポキシ当量(eq))に対し、ジシアンジアミドの活性水素のモル数(活性水素当量(eq))が0.4倍~1.0倍となる量であることが好ましく、0.6倍~1.0倍となる量であることがより好ましく、0.6倍~0.8倍となる量であることがさらに好ましい。前記モル数が0.4倍~1.0倍となる配合量であることにより、良好な機械物性を発現するエポキシ樹脂組成物の硬化物が得られる傾向にある。また、前記モル数が0.6倍~0.8倍となる配合量であることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物はさらに耐熱性に優れる傾向にある。尚、前記モル数は、活性水素当量比(活性水素当量/平均エポキシ当量)として表すこともできる。
「成分(E)」
成分(E)は、その構造に塩素原子を含まないウレア化合物である。当該ウレア化合物は、エポキシ樹脂の硬化助剤である。
前記ウレア化合物としては、特に限定されないが、例えば、3-フェニル-1,1-ジメチルウレア(PDMU)、トルエンビスジメチルウレア(TBDMU)、イソホロンビスウレア(IPBU)、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(DCMU)等の尿素誘導体化合物が挙げられる。特に、3-フェニル-1,1-ジメチルウレアおよびイソホロンビスウレアは、エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ強度および靭性が高く傾向にあるため好ましい。ウレア化合物は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。
本発明の一態様に係るエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に対する、前記成分(E)の配合量は、1質量部~5質量部であることが好ましく、1.5質量部~4質量部であることがより好ましい。成分(E)の配合量が1質量部~5質量部であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物が良好な機械物性を備える傾向にある。
「熱可塑性樹脂」
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、熱可塑性樹脂をさらに含有させることができる。エポキシ樹脂組成物に熱可塑性樹脂を含有させることにより、当該エポキシ樹脂組成物の硬化物の樹脂曲げ破断歪みを向上させることができる傾向にある。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)/ポリ(ブチルアクリレート)/ポリ(メチルメタクリレート)の組み合わせからなるトリブロック共重合体、ポリ(スチレン)/ポリ(ブタジエン)/ポリ(メチルメタクリレート)の組み合わせからなるトリブロック共重合体等が挙げられ、これら熱可塑性樹脂から適宜選択して使用することができる。中でも、熱可塑性樹脂としてフェノキシ樹脂を用いることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物の樹脂曲げ破断歪みと樹脂曲げ弾性率とを両立させることができる傾向にある。
前記フェノキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂、ビスフェノールF型フェノキシ樹脂、若しくはビスフェノールA型とビスフェノールF型とが混在したフェノキシ樹脂等が挙げられ、例えば市販品であれば、YP-50、YP-50S、YP-70(商品名、以上、新日鉄住金化学(株)製)、jER1256、jER4250、jER4275(商品名、以上、三菱化学(株)製)等が挙げられる。フェノキシ樹脂は、1種類(1製品)のみを用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。
フェノキシ樹脂の質量平均分子量は、50000~80000であることが好ましい。フェノキシ樹脂の質量平均分子量が50000以上であれば、エポキシ樹脂組成物の粘度が低くなり過ぎることを防止することができるので、適正な配合量のフェノキシ樹脂を用いることで、エポキシ樹脂組成物の粘度を適正な粘度域に容易に調整することができる。一方、フェノキシ樹脂の質量平均分子量が80000以下であれば、エポキシ樹脂への溶解が可能であり、極少量の配合量のフェノキシ樹脂であっても、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎることを防止することができるので、当該フェノキシ樹脂を用いることで、エポキシ樹脂組成物の粘度を適正な粘度域に容易に調整することができる。
前記ポリビニルアセタール樹脂としては、特に限定されないが、例えば市販品であれば、ビニレックK(質量平均分子量:40000)、ビニレックL(質量平均分子量:66000)、ビニレックH(質量平均分子量:73000)、ビニレックE(質量平均分子量:126000)(商品名、以上、JNC(株)製)等のポリビニルホルマール(PVF)、エスレックK(商品名、積水化学工業(株)製)等のポリビニルアセタール、エスレックB(商品名、積水化学工業(株)製)やデンカブチラール(商品名、電気化学工業(株)製)等のポリビニルブチラール等が挙げられる。
前記トリブロック共重合体としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(メチルメタクリレート)/ポリ(ブチルアクリレート)/ポリ(メチルメタクリレート)の組み合わせからなるトリブロック共重合体、ポリ(スチレン)/ポリ(ブタジエン)/ポリ(メチルメタクリレート)の組み合わせからなるトリブロック共重合体等が挙げられる。即ち、トリブロック共重合体としては、ポリ(メチルメタクリレート)と、ポリ(ブチルアクリレート)と、ポリ(メチルメタクリレート)とがこの順に共重合してなるトリブロック共重合体、または、ポリ(スチレン)と、ポリ(ブタジエン)と、ポリ(メチルメタクリレート)とがこの順に共重合してなるトリブロック共重合体等が挙げられる。
前記トリブロック共重合体は、エポキシ樹脂と非相溶なポリマーをトリブロックにおける中央のソフトブロックとして選択し、エポキシ樹脂と相溶し易いポリマーをトリブロックにおける片端若しくは両端のハードブロックとして選択することがより好ましい。これにより、当該トリブロック共重合体は、エポキシ樹脂中にミクロ分散する。また、ソフトブロックを構成するポリマーは、ハードブロックを構成するポリマーよりも、ガラス転移温度が低く、破壊靱性が良好である。従って、この構造を備えたトリブロック共重合体をエポキシ樹脂中にミクロ分散させることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性が低下することを抑制することができ、破壊靱性を向上させることができる。
エポキシ樹脂と相溶し易いポリマーをハードブロックとして両端に有する、ポリ(メチルメタクリレート)/ポリ(ブチルアクリレート)/ポリ(メチルメタクリレート)の組み合わせからなるトリブロック共重合体は、エポキシ樹脂への分散が良好であり、エポキシ樹脂組成物の硬化物の破壊靱性を大きく向上させることができるので、より好ましい。市販品として入手可能なポリ(メチルメタクリレート)/ポリ(ブチルアクリレート)/ポリ(メチルメタクリレート)の組み合わせからなるトリブロック共重合体としては、例えば、ナノストレングス(Nanostrength、登録商標)M52、M52N、M22、M22N(商品名、以上、アルケマ(株)製)等が挙げられる。
また、市販品として入手可能な、ポリ(スチレン)/ポリ(ブタジエン)/ポリ(メチルメタクリレート)の組み合わせからなるトリブロック共重合体としては、例えば、ナノストレングス(Nanostrength、登録商標)123、250、012、E20、E40(商品名、以上、アルケマ(株)製)等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂組成物に必要に応じて含まれる。エポキシ樹脂組成物が熱可塑性樹脂を含む場合において、当該熱可塑性樹脂の配合量は、本発明の一態様に係るエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に対して、0.1質量部~10質量部の範囲であることが好ましく、1質量部~6質量部の範囲であることがより好ましい。熱可塑性樹脂の配合量が0.1質量部以上であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の樹脂曲げ破断歪みがより高くなる傾向にある。また、熱可塑性樹脂の配合量が10質量部以下であれば、エポキシ樹脂組成物の硬化物の樹脂曲げ弾性率がより高くなる傾向にある。
「その他エポキシ樹脂」
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上述の成分(A),成分(B),成分(C)の何れにも該当しないエポキシ樹脂(以下、「その他エポキシ樹脂」と称することがある)をさらに含有させることができる。
前記その他エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、或いはこれらエポキシ樹脂を変性したエポキシ樹脂等が挙げられる。また、前記その他エポキシ樹脂として、3官能以上の多官能エポキシ樹脂を用いることもできる。当該3官能以上の多官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン等のテトラグリシジルジアミン型エポキシ樹脂、または、トリグリシジルアミノフェノール、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、およびトリス(グリシジルオキシフェニル)メタン等のグリシジルフェニルエーテル型エポキシ樹脂が挙げられる。或いは、これら多官能エポキシ樹脂を変性したエポキシ樹脂、これら多官能エポキシ樹脂(変性した多官能エポキシ樹脂を含む)をブロム化したブロム化エポキシ樹脂等も挙げられる。その他エポキシ樹脂は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。
また、その他エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されない。
前記その他エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物に必要に応じて含まれる。エポキシ樹脂組成物がその他エポキシ樹脂を含む場合において、当該その他エポキシ樹脂の配合量は、本発明の一態様に係るエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましい。
「他の添加剤」
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、上述の熱可塑性樹脂以外の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれる1種類以上の添加剤(以下、「他の添加剤」と称することがある)をさらに含有させることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物に前記他の添加剤を含有させることにより、当該エポキシ樹脂組成物の粘弾性を変化させることができ、粘度、貯蔵弾性率およびチキソトロープ性をより一層適正化することができると共に、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の靭性をより一層向上させることができる。
他の添加剤として用いられる前記熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーは、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。また、前記他の添加剤は、エポキシ樹脂(成分(A),成分(B),成分(C))に溶解されて配合されていてもよく、微粒子、長繊維、短繊維、織物、不織布、メッシュ、パルプ等の形状でエポキシ樹脂組成物に含まれていてもよい。他の添加剤が、微粒子、長繊維、短繊維、織物、不織布、メッシュ、パルプ等の形状でエポキシ樹脂組成物に含まれている場合には、当該他の添加剤がプリプレグの表層に配置されることにより、繊維強化プラスチックの層間剥離を抑制することができるので好ましい。
前記熱可塑性樹脂としては、主鎖に、炭素-炭素結合、アミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテル結合、スルホン結合、イミダゾール結合およびカルボニル結合からなる群から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。当該熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリアラミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホン等の、エンジニアリングプラスチックに属する熱可塑性樹脂の一群がより好ましく用いられる。中でも、耐熱性に優れることから、前記熱可塑性樹脂として、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホンおよびポリエーテルスルホン等が特に好ましく使用される。
また、これら熱可塑性樹脂は、エポキシ樹脂と反応する官能基を有することで、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の靭性をより一層向上させることができる共に、耐環境性を維持させることができる。エポキシ樹脂と反応する官能基としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基および水酸基等が挙げられる。
前記熱可塑性エラストマーとしては、例えば、JSR(株)製のポリブタジエン系熱可塑性エラストマー:RB、スチレン・ブタジエン系熱可塑性エラストマー:TR、スチレン・イソプレン系熱可塑性エラストマー:SIS等が挙げられ、また、三菱化学(株)製のスチレン系熱可塑性エラストマー「ラバロン(登録商標)」、オレフィン系熱可塑性エラストマー「サーモラン(登録商標)」、オレフィン系熱可塑性エラストマー「ゼラス(登録商標)」、ポリエステル系熱可塑性エラストマー「プリマロイ(登録商標)」、ポリオレフィン系接着性樹脂「モディック(登録商標)」、イージーピール性樹脂「VMX(登録商標)」、シラン架橋性樹脂「リンクロン(登録商標)」、塩化ビニル樹脂材料「ビニカ(登録商標)」、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー「サンプレーン(登録商標)」、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー「サンフロスト(登録商標)」、ノンハロゲン難燃性樹脂「オレフィスタ(登録商標)」等が挙げられる。
前記他の添加剤は、エポキシ樹脂組成物に必要に応じて含まれる。エポキシ樹脂組成物が他の添加剤を含む場合において、当該他の添加剤の配合量は、本発明の一態様に係るエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に対して、1質量部~10質量部の範囲であることが好ましい。
<エポキシ樹脂組成物の物性>
以下、エポキシ樹脂組成物の物性に関して詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、機械物性として、下記(1),(2)および(3)の条件を満たすことが好ましい。
〔機械物性〕
(1)樹脂曲げ弾性率 :4.2GPa以上
(2)樹脂曲げ破断歪み :10.0%以上
(3)破壊靭性値(K1c):1.9MPa・m0.5以上
エポキシ樹脂組成物の硬化物において、樹脂曲げ弾性率の向上と、樹脂曲げ破断歪みおよび破壊靭性値の向上とはトレードオフの関係にある。本発明者らは鋭意検討の結果、これら機械物性をそれぞれ特定の範囲に制御することにより、高いレベルで並立可能であることを見出した。そして、このようなエポキシ樹脂組成物を使用することにより、得られる繊維強化プラスチックの破壊強度を向上させることができることを見出した。以下、各機械物性を詳細に説明する。
(1)樹脂曲げ弾性率
本発明における樹脂曲げ弾性率は、以下に示す測定方法において測定された値であり、エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ特性を示す。
即ち、エポキシ樹脂組成物を硬化させて厚さ2mmの硬化樹脂板(硬化物)を得た後、当該硬化樹脂板を試験片(長さ60mm×幅8mm)に加工する。この試験片を、500Nロードセルを備えたINSTRON 4465測定機を用い、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、3点曲げ治具(圧子R=3.2mm、サポートR=3.2mm)を用いて、サポート間距離(L)と試験片の厚さ(d)の比L/d=16の条件で樹脂曲げ試験を行って曲げることにより、樹脂曲げ弾性率を測定する。
樹脂曲げ弾性率が4.2GPa以上である硬化物が得られるエポキシ樹脂組成物を、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂に使用した場合には、0°曲げ強度の高い繊維強化プラスチックが得られる。さらに、繊維強化プラスチックが管状の場合には、曲げ強度の高い管状体が得られる。
樹脂曲げ弾性率は、4.2GPa以上であればよいが、0°曲げ強度および90°曲げ強度がさらに高い繊維強化プラスチックが得られることから、4.4GPa以上であることがより好ましい。樹脂曲げ弾性率の上限値に特に制限は無いが、通常、6.0GPa以下である。
(2)樹脂曲げ破断歪み
本発明における樹脂曲げ破断歪みは、以下に示す測定方法において測定された値であり、エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ特性を示す。
即ち、前記「(1)樹脂曲げ弾性率」での測定方法と同様にして試験片を作製すると共に樹脂曲げ試験を行って当該試験片を曲げることにより、最大荷重時の歪みおよび樹脂曲げ破断歪みを測定する。但し、樹脂曲げ試験において試験片が破断しない場合には、歪みが14.0%を超えた時点で測定機を停止し、その値を樹脂曲げ破断歪みとする。
樹脂曲げ破断歪みが10.0%以上である硬化物が得られるエポキシ樹脂組成物を、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂に使用した場合には、90°曲げ強度の高い繊維強化プラスチックが得られる。さらに、繊維強化プラスチックが管状の場合には、曲げ強度の高い管状体が得られる。
樹脂曲げ破断歪みは、10.0%以上であればよいが、90°曲げ強度がさらに高い繊維強化プラスチックが得られることから、11.0%以上であることがより好ましく、12.0%以上であることがさらに好ましい。樹脂曲げ破断歪みの上限値は、上述の測定方法から明らかなように、14.0%である。
(3)破壊靭性値(K1c)
本発明における破壊靭性値(K1c)は、以下に示す測定方法において測定された値であり、エポキシ樹脂組成物の硬化物の破壊靭性を示す。
即ち、エポキシ樹脂組成物を硬化させて厚さ3mmの硬化樹脂板(硬化物)を得た後、当該硬化樹脂板をASTM D5045に示されるSENB法によって加工および測定することにより、破壊靭性値(K1c)を測定する。
<エポキシ樹脂組成物からなるフィルム、プリプレグ、繊維強化プラスチック>
本発明のエポキシ樹脂組成物を離型紙等に塗布した後、硬化させることにより、樹脂のフィルムを得ることができる。本発明のフィルムは、プリプレグを製造するための中間材料として、また、基材に貼り付けて硬化させることで表面保護フィルム、接着フィルムとして有用である。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物を強化繊維基材に含浸させることで、シート状の成形中間体であるプリプレグを得ることができる。即ち、本発明のプリプレグは、エポキシ樹脂組成物が強化繊維基材に含浸されてなる。本発明のプリプレグに用いることができる強化繊維基材を構成する強化繊維としては、特に限定されないが、例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、有機繊維、ボロン繊維、スチール繊維等が挙げられる。つまり、本発明のエポキシ樹脂組成物は、あらゆる強化繊維と好適に組み合わせることができる。そして、本発明のプリプレグに用いることができる強化繊維基材としては、特に限定されないが、例えば、上述した繊維を、トウ、クロス、チョップドファイバー、連続繊維を一方向に引き揃えた形態、連続繊維を経緯にして織物とした形態、トウを一方向に引き揃え横糸補助糸で保持した形態、複数枚の一方向の強化繊維のシートを異なる方向に重ねて補助糸でステッチして留めてマルチアキシャルワープニットとした形態、また、強化繊維を不織布とした形態等が挙げられる。
これら強化繊維基材を構成する強化繊維として、比弾性率が良好で軽量化に大きな効果が認められることから、炭素繊維および黒鉛繊維がより好ましく、炭素繊維がさらに好ましく、中弾性ないし高弾性の炭素繊維が特に好ましい。
エポキシ樹脂組成物に対する強化繊維基材の使用量は、特に限定されないが、エポキシ樹脂組成物100質量部に対して、50質量部~85質量部の範囲であることが好ましく、60質量部~80質量部の範囲であることがより好ましい。
そして、本発明のプリプレグを賦形して硬化させることにより、エポキシ樹脂組成物の硬化物と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチックを得ることができる。即ち、本発明の繊維強化プラスチックは、エポキシ樹脂組成物の硬化物と、強化繊維とからなる。本発明の繊維強化プラスチックには、上述した強化繊維を用いることができ、特に、用途に応じてあらゆる種類の炭素繊維または黒鉛繊維を用いることができる。
繊維強化プラスチックの製造方法としては、例えば、エポキシ樹脂組成物および強化繊維基材を、シート状の成形中間体であるプリプレグに加工した後、当該プリプレグにオートクレーブ成形、シートラップ成形、プレス成形等を行うことによって成形する方法、或いは、強化繊維のフィラメントやプリフォームにエポキシ樹脂組成物を含浸させて硬化して成形物を得る、RTM、VaRTM、フィラメントワインディング、RFI等の成形方法が挙げられるが、これら成形方法に限定されない。
当該繊維強化プラスチックの用途は、特に限定されないが、例えば、スポーツおよびレジャー用途、自動車用途、航空機用途(構造材料)、船舶用途、並びに風車やロール等の一般産業用途等の各種用途に使用される。中でも、本発明の繊維強化プラスチックは、管状とすることにより、高い破壊強度を生かしたゴルフクラブ用シャフト等に、特に好適に使用することができる。
〔付記事項〕
以上説明した通り、本発明に係るマトリクス樹脂組成物は、下記成分(A),(B),(C),(D)および(E);
成分(A):質量平均分子量(Mw)が5000以上、20000以下であり、かつ、多分散度(Mw/Mn)が3以上、4.5以下である、25℃で固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂
成分(B):25℃で液体状のビスフェノール型エポキシ樹脂
成分(C):その構造に窒素原子を含む、2官能以上、3官能以下のエポキシ樹脂
成分(D):硬化剤
成分(E):その構造に塩素原子を含まないウレア化合物
を含むエポキシ樹脂組成物である。
そして、本発明に係るマトリクス樹脂組成物は、前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に占める、前記成分(A)の含有量が20質量部~60質量部であることがより好ましい。また、本発明に係るマトリクス樹脂組成物は、前記成分(C)にアミノフェノール型エポキシ樹脂が含まれていることがより好ましい。また、本発明に係るマトリクス樹脂組成物は、前記成分(D)にジシアンジアミドが含まれていることがより好ましい。また、本発明に係るマトリクス樹脂組成物は、前記成分(E)に3-フェニル-1,1-ジメチルウレア、または、イソホロンビスウレアが含まれていることがより好ましい。
また、本発明に係るフィルムは、前記エポキシ樹脂組成物からなるフィルムである。本発明に係るプリプレグは、前記エポキシ樹脂組成物が強化繊維基材に含浸されてなるプリプレグである。本発明に係る繊維強化プラスチックは、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチックである。本発明に係る繊維強化プラスチックは、管状であることがより好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<原材料>
エポキシ樹脂組成物を調製するための原材料として、下記原材料を使用した。
「成分(A)」
jER4004P(商品名):ビスフェノールF型2官能エポキシ樹脂、質量平均分子量(Mw)5900、多分散度(Mw/Mn)3.1、エポキシ当量900、軟化点85℃、三菱化学(株)製
jER4007P(商品名):ビスフェノールF型2官能エポキシ樹脂、質量平均分子量(Mw)17000、多分散度(Mw/Mn)4.3、エポキシ当量2000、軟化点108℃、三菱化学(株)製
jER1001(商品名):2官能エポキシ樹脂、質量平均分子量(Mw)2100、多分散度(Mw/Mn)2.2、エポキシ当量475、軟化点64℃、三菱化学(株)製
jER1004(商品名):2官能エポキシ樹脂、質量平均分子量(Mw)5000、多分散度(Mw/Mn)2.6、エポキシ当量900、軟化点97℃、三菱化学(株)製「成分(B)」
jER807(商品名):ビスフェノールF型2官能エポキシ樹脂、エポキシ当量165、粘度(25℃)35P、三菱化学(株)製
jER828(商品名):ビスフェノールA型2官能エポキシ樹脂、エポキシ当量190、粘度(25℃)150P、三菱化学(株)製
「成分(C)」
アラルダイドMY0600(商品名):トリグリシジル-m-アミノフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ当量101、粘度(25℃)10P、ハンツマン(株)製
「成分(D)」
DICY15(商品名):ジシアンジアミド、活性水素当量21、三菱化学(株)製
「成分(E)」
Omicure94(商品名):3-フェニル-1,1-ジメチルウレア(PDMU)、PTIジャパン(株)製
U-CAT3513N(商品名):イソホロンビスウレア(IPBU)、サンアプロ(株)製
DCMU99(商品名):3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチルウレア(DCMU)、保土ヶ谷化学(株)製
「熱可塑性樹脂」
ビニレックK(商品名):ポリビニルホルマール(PVF)、質量平均分子量(Mw)40000、JNC(株)製。
〔実施例1~7〕
実施例1~7のそれぞれにおいて、下記手順に従って、エポキシ樹脂組成物を調製した。尚、調製に先立ち、25℃で固体状の成分(A)は全量を二分割し、25℃で液体状の成分(B)は全量を三分割し、成分(C)は全量を二分割した。
<触媒樹脂組成物の調製>
表1に示す成分(B)の一部に、同表に示す成分(D)および成分(E)を添加した後、3本ロールミルを用いて混合することにより、均一な触媒樹脂組成物を調製した。
<エポキシ樹脂組成物の調製>
表1に示す成分(A)の一部、成分(B)の一部、同表に示す成分(C)の一部および熱可塑性樹脂を、160℃にて加熱混合することにより、エポキシ樹脂に熱可塑性樹脂が均一に分散したマスターバッチ(I)を得た。
得られたマスターバッチ(I)を120℃に冷却した後、成分(A)の残部および成分(C)の残部を添加し、120℃にて加熱混合することにより、エポキシ樹脂に熱可塑性樹脂が均一に分散したマスターバッチ(II)を得た。
得られたマスターバッチ(II)を60℃に冷却した後、予め調製した前記触媒樹脂組成物、および成分(B)の残部を添加し、60℃にて加熱混合することにより、エポキシ樹脂に熱可塑性樹脂が均一に分散したエポキシ樹脂組成物を得た。得られたエポキシ樹脂組成物に含まれる各成分の質量部、並びに、平均エポキシ当量(eq)、活性水素当量(eq)、および活性水素当量比(活性水素当量/平均エポキシ当量)等をまとめて表1に示す。
そして、得られたエポキシ樹脂組成物を用いて、下記方法に従って硬化樹脂板(硬化物)を作製した。
<硬化樹脂板の作製>
上述した調製方法にて得られたエポキシ樹脂組成物を、厚さ2mmのポリテトラフルオロエチレン製のスペーサーと共に一対のガラス板で挟んだ後、昇温速度2℃/分で130℃まで昇温し、130℃で90分間保持した。これにより、エポキシ樹脂組成物を硬化させて厚さ2mmの硬化樹脂板(樹脂曲げ弾性率および樹脂曲げ破断歪みを測定するための硬化樹脂板)を得た。
同様にして、厚さ3mmのポリテトラフルオロエチレン製のスペーサーを用いて厚さ3mmの硬化樹脂板(破壊靭性値を測定するための硬化樹脂板)を得た。
得られた硬化樹脂板を用いて、上述した測定方法に従って樹脂曲げ弾性率、樹脂曲げ破断歪み、および破壊靭性値を測定した。測定結果を表1に示す。
〔比較例1~4〕
比較例1~4のそれぞれにおいて、表1に示す各成分を使用し、前記実施例1~7と同様の手順に従って、比較用のエポキシ樹脂組成物を調製した。得られた比較用のエポキシ樹脂組成物に含まれる各成分の質量部をまとめて表1に示す。
そして、得られた比較用のエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1~7と同様の方法に従って硬化樹脂板(硬化物)を作製し、上述した測定方法に従って樹脂曲げ弾性率、樹脂曲げ破断歪み、および破壊靭性値を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2022164726000001
実施例1~7の結果から明らかなように、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、樹脂曲げ弾性率が4.2GPa以上であり、樹脂曲げ破断歪みが10.0%以上であり、かつ、破壊靭性値(K1c)が1.9MPa・m0.5以上であった。それゆえ、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物においては、樹脂曲げ弾性率の向上と、樹脂曲げ破断歪みおよび破壊靭性値の向上とを、高いレベルで並立可能であることが分かった。
本発明は、スポーツおよびレジャー用途、自動車用途、航空機用途、船舶用途、並びに一般産業用途等の各種用途に使用される繊維強化プラスチックに好適に用いられるエポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いたフィルム、プリプレグおよび繊維強化プラスチックの製造に好適に利用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いることにより、機械物性に優れた繊維強化プラスチックを得ることができる。従って、当該繊維強化プラスチックの成形体は、例えば、ゴルフクラブ用シャフト、航空機の構造材料等に、特に好適に使用することができる。
前記ウレア化合物としては、特に限定されないが、例えば、3-フェニル-1,1-ジメチルウレア(PDMU)、トルエンビスジメチルウレア(TBDMU)、イソホロンビスウレア(IPBU)、等の尿素誘導体化合物が挙げられる。特に、3-フェニル-1,1-ジメチルウレアおよびイソホロンビスウレアは、エポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ強度および靭性が高く傾向にあるため好ましい。ウレア化合物は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用することもできる。

Claims (7)

  1. 下記成分(A),(B),(C),(D)および(E);
    成分(A):質量平均分子量(Mw)が5000以上、20000以下であり、かつ、多分散度(Mw/Mn)が3以上、4.5以下である、25℃で固体状のビスフェノール型エポキシ樹脂
    成分(B):25℃で液体状のビスフェノール型エポキシ樹脂
    成分(C):その構造に窒素原子を含む、2官能以上、3官能以下のエポキシ樹脂
    成分(D):ジシアンジアミドからなる硬化剤
    成分(E):3-フェニル-1,1-ジメチルウレア、または、イソホロンビスジメチルウレアを含むエポキシ樹脂組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の合計量100質量部に占める、前記成分(A)の含有量が20質量部~60質量部である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記成分(C)にトリグリシジル-m-アミノフェノール型エポキシ樹脂が含まれている、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1~3の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物からなる硬化物であって、樹脂曲げ弾性率が4.2GPa以上6.0GPa以下、樹脂曲げ破断歪みが10.0%以上14.0%以下である、エポキシ樹脂組成物からなる硬化物。
  5. 請求項1~3の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物が、連続繊維を一方向に引き揃えた形態、または連続繊維を経緯にして織物とした形態の炭素繊維基材に含浸されてなるプリプレグ。
  6. 請求項1~3の何れか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物と、強化繊維とからなる繊維強化プラスチック。
  7. 管状である請求項6に記載の繊維強化プラスチック。
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