JP2022163983A - 毛髪化粧料 - Google Patents

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Noribumi Tanji
希美 久米
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Abstract

【課題】洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを抑制できる毛髪化粧料及び毛髪処理方法を提供する。【解決手段】[1](A)ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むカチオン性ポリマー、(B)アニオン性多糖誘導体、及び(C)リンゴ酸、リンゴ酸塩、コハク酸、及びコハク酸塩から選択される少なくとも一種の有機酸又は有機酸塩を含有する毛髪化粧料、並びに[2]前記毛髪化粧料を毛髪に適用する工程と、前記毛髪化粧料を適用した毛髪を水ですすぐ工程とを有する、毛髪処理方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪化粧料及び毛髪処理方法に関する。
近年、毛髪化粧料には、毛髪に滑らかさや柔らかさ、まとまり等を付与できるコンディショニング効果がより期待されるようになってきている。カチオン性ポリマーやアニオン性ポリマーの配合によって毛髪に滑らかさや柔らかさ、まとまり等を付与する技術は既に報告されている。
例えば、特許文献1には、(A)電荷密度5.0meq/g以上7.0meq/g以下のカチオン性ポリマー、及び(B)特定の化学式で表される重量平均分子量500以上50,000以下のアニオン性ポリマーを含有する毛髪化粧料が、傷んだ毛髪の感触及び外観を健康毛のように改善することができ、とりわけ濡れた髪の指通り性と乾いた髪のまとまりを向上させることができ、それらの効果を、繰り返しの洗髪によっても損なわれることなく持続させることができると記載されている。
特許文献2には、(A)電荷密度5.0meq/g以上7.0meq/g以下のカチオン性ポリマー、及び(B)特定の化学式で表される構成単位を有する多糖化合物の水酸基の水素原子の一部が、基-(CHCOO(mは1~5の整数)で置換されており、該基による構成単位当たりの平均置換度が0.5以上2.0以下であり、残りの水酸基の水素原子の一部が炭素数1~40の直鎖又は分岐鎖のアルキル基及び/又はアルキレン基で置換されていてもよく、2質量%水溶液の25℃における粘度が0.5mPa・s以上800mPa・s以下であるアニオン性多糖誘導体を含有する毛髪化粧料が、傷んだ毛髪の感触及び外観を健康毛のように改善することができ、とりわけ濡れた髪の指通り性と乾いた髪のまとまりを向上させることができ、それらの効果を、繰り返しの洗髪によっても損なわれることなく持続させることができると記載されている。
特開2015-151374号公報 特開2015-13855号公報
例えば、カール等のクセが強い髪質の人は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりが大きいという課題を抱えている。カールが特に強い髪質の人は、洗浄後の乾燥において、毛髪の幅が膨らみながら長さが縮むという現象が起きる場合がある。そのため、整髪に多量の毛髪化粧料や時間、手間を要する等の苦労をしている。
上記特許文献1及び2に記載されている技術は、このようなクセが強い髪質において、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを抑制するという点で改善の余地があった。
すなわち、従来の毛髪化粧料には、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを抑制するという観点において、さらなる向上が求められている。
本発明は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを抑制できる毛髪化粧料及び毛髪処理方法に関する。
本発明者らは、(A)ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むカチオン性ポリマー、(B)アニオン性多糖誘導体、及び(C)リンゴ酸、リンゴ酸塩、コハク酸、及びコハク酸塩から選択される少なくとも一種の有機酸又は有機酸塩を含有する毛髪化粧料が、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを効果的に抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]及び[2]に関する。
[1]下記成分(A)~(C)を含有する、毛髪化粧料。
(A)ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むカチオン性ポリマー
(B)アニオン性多糖誘導体
(C)リンゴ酸、リンゴ酸塩、コハク酸、及びコハク酸塩から選択される少なくとも一種の有機酸又は有機酸塩
[2]前記[1]に記載の毛髪化粧料を毛髪に適用する工程と、前記毛髪化粧料を適用した毛髪を水ですすぐ工程とを有する、毛髪処理方法。
本発明によれば、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを抑制できる毛髪化粧料及び毛髪処理方法を提供することができる。
実施例における評価用毛束のまとまり評価の基準を説明するための図であり、毛束の上端を固定して吊るした状態の正面から見た写真を図示したものである。
[毛髪化粧料]
本発明の毛髪化粧料は、下記成分(A)~(C)を含有する。
(A)ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むカチオン性ポリマー
(B)アニオン性多糖誘導体
(C)リンゴ酸、リンゴ酸塩、コハク酸及びコハク酸塩から選択される少なくとも一種の有機酸又は有機酸塩
なお、本発明において、「成分Xを含有している」とは、「成分Xが配合されてなる」ことと同義とみなすものとする。
本発明の毛髪化粧料によれば、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを抑制できる。このため、特に、カールした毛髪等のクセのある毛髪をスタイリングする際に、要する時間や手間を削減することができ、好適に適用することができる。
本発明の毛髪化粧料が上記構成であることにより本発明の効果を奏する理由については定かではないが、以下のように推察される。
本発明の毛髪化粧料は、成分(A)としてジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むカチオン性ポリマー、成分(B)としてアニオン性多糖誘導体、及び、成分(C)としてリンゴ酸、リンゴ酸塩、コハク酸及びコハク酸塩から選択される少なくとも一種の有機酸又は有機酸塩を含有する。
カチオン性ポリマーである成分(A)と、アニオン性ポリマーである成分(B)とは、相互作用により、毛髪表面を親水化させ、改質することが可能な親水性複合体ゲルを形成することが可能である。さらに、有機酸又は有機酸塩である成分(C)が該複合体ゲル内に入り込み、該複合体ゲルの親水性及び保水性を向上させることができる。
そして、本発明の毛髪化粧料を適用した毛髪をすすぐ際に、該複合体ゲルが毛髪表面に析出し、毛髪表面に親水性及び保水性に優れた複合体ゲル膜が形成されると考えられる。
このような親水性及び保水性に優れた複合体ゲル膜が形成された毛髪は、表面に水分を多く含むため、毛髪間のメニスカス力による結着力が強化され、毛髪のまとまり性を向上できると考えられる。
以上から、本発明の毛髪化粧料は、成分(A)~成分(C)を組み合わせることで、毛髪表面の親水性及び保水性が向上し、洗浄後の乾燥時において、毛髪間のメニスカス力による結着力を強化できるため、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを抑制できると考えられる。
さらに、本発明の毛髪化粧料は、洗浄後の乾燥時において、毛髪間のメニスカス力による結着力を強化でき、毛髪の形状を固定化できるため、洗浄後の乾燥における毛髪の長さ変化、すなわち毛髪のシュリンクも効果的に抑制できると考えられる。
本発明の毛髪化粧料の態様としては、例えば、ヘアシャンプー等の毛髪洗浄剤、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアスタイリング剤等が挙げられる。これらのうち、本発明の効果をより発揮させる観点から、洗髪後に使用されるものが好ましく、毛髪に馴染ませた後、濯いで使用される態様のものがより好ましい。このような観点から、本発明の毛髪化粧料としては、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック又はヘアスタイリング剤が好ましい。
本発明の毛髪化粧料の剤型は、例えば、液体状、泡状、ペースト状、クリーム状等の任意の剤型とすることができる。これらのうち、使用しやすさ等の観点から、液体状、ペースト状又はクリーム状であることが好ましく、液体状であることがより好ましい。
<成分(A):カチオン性ポリマー>
本発明の毛髪化粧料は、成分(A)としてジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むカチオン性ポリマーを含有する。本明細書においてカチオン性ポリマーとは、カチオン基、又は、イオン化されてカチオン基になり得る基(以下、当該基をまとめて「カチオン性基」ともいう)を有するポリマーをいう。
ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むカチオン性ポリマーとしては、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、下記式(1)又は(2)で表される骨格を有するものが好ましい。
Figure 2022163983000001

式中、R及びRは同一でも異なってもよく、炭素数1以上18以下のアルキル基、アリール基(フェニル基等)、ヒドロキシアルキル基、アミドアルキル基、シアノアルキル基、アルコキシアルキル基又はカルボアルコキシアルキル基を示し、R及びRは同一でも異なってもよく、水素原子、炭素数1以上3以下のアルキル基又はフェニル基を示し、Xは陰イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、硫酸アニオン、スルホン酸アニオン、メチル硫酸アニオン、リン酸アニオン、硝酸アニオン等)を示す。
式中、R及びRは炭素数1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましく、そして、R及びRは水素原子が好ましい。
ジアリル4級アンモニウム塩の重合体は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、前記式(1)又は(2)で表される構成単位を、一分子中に好ましくは30モル%以上、より好ましくは40モル%以上、更に好ましくは45モル%以上、更に好ましくは50モル%以上、更に好ましくは55モル%以上、そして、好ましくは100モル%以下、より好ましくは90モル%以下、更に好ましくは80モル%以下、更に好ましくは75モル%以下含有する。これらの観点を総合すると、ジアリル4級アンモニウム塩の重合体は、前記式(1)又は(2)で表される構成単位を、一分子中に好ましくは30モル%以上100モル%以下、より好ましくは40モル%以上90モル%以下、更に好ましくは45モル%以上80モル%以下、更に好ましくは50モル%以上75モル%以下、更に好ましくは55モル%以上75モル%以下含有する。
ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むカチオン性ポリマーの具体例としては、下記式(3)又は(4)で表されるものが挙げられる。
Figure 2022163983000002

式中、R、R及びXは、前記式(1)又は(2)と同じ意味を示す。p、q及びrはモル比を示し、p+q+r=100、p<qである。式中、R及びRは炭素数1以上4以下のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
pは、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは0以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上、更に好ましくは25以上であり、そして、好ましくは70以下、より好ましくは60以下、更に好ましくは55以下、更に好ましくは50以下、更に好ましくは45以下である。これらの観点を総合すると、pは、好ましくは0以上70以下、より好ましくは10以上60以下、更に好ましくは20以上55以下、更に好ましくは25以上50以下、更に好ましくは25以上45以下である。
qは、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは30以上、より好ましくは40以上、更に好ましくは45以上、更に好ましくは50以上、更に好ましくは55以上であり、そして、好ましくは100以下、より好ましくは90以下、更に好ましくは80以下、更に好ましくは75以下である。これらの観点を総合すると、qは、好ましくは30以上100以下、より好ましくは40以上90以下、更に好ましくは45以上80以下、更に好ましくは50以上75以下、更に好ましくは55以上75以下である。
rは、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは0以上50以下、より好ましくは0以上25以下、更に好ましくは0以上10以下、更に好ましくは0以上5以下、更に好ましくは0以上1以下である。
これらの中でも、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー(INCI名:ポリクオタニウム-6)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体(INCI名:ポリクオタニウム-22)、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとの共重合体(INCI名:ポリクオタニウム-7)、及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸とアクリルアミドとの共重合体(INCI名:ポリクオタニウム-39)から選択される少なくとも一種が好ましく、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体から選択される少なくとも一種がより好ましく、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体が更に好ましい。
ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマーの具体例としては、マーコート100(ルーブリゾール株式会社製、電荷密度6.2meq/g、重量平均分子量150,000)等が挙げられ、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体の具体例としては、マーコート295(ルーブリゾール株式会社製、電荷密度6.0meq/g、重量平均分子量190,000)、マーコート280(ルーブリゾール株式会社製、電荷密度4.5meq/g、重量平均分子量450,000)、マーコート280NP(ルーブリゾール株式会社製、電荷密度4.5meq/g、重量平均分子量450,000)等が挙げられる。
成分(A)の重量平均分子量は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは50,000以上、更に好ましくは100,000以上であり、良好な感触を得る観点から、好ましくは3,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは800,000以下である。これらの観点を総合すると、成分(A)の重量平均分子量は、好ましくは10,000以上3,000,000以下、より好ましくは50,000以上1,000,000以下、更に好ましくは100,000以上800,000以下である。
ここで、重量平均分子量は、例えばゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、以下の条件にて測定することができる。
移動層:50mM LiBr、1%CHCOOH/エタノール:水=3:7
カラム:TSK gel α-M(2本直列)
標準物質:ポリエチレングリコール
成分(A)は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の毛髪化粧料中の成分(A)の含有量は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上、更に好ましくは0.30質量%以上、更に好ましくは0.35質量%以上であり、同様の観点から、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.80質量%以下、更に好ましくは0.60質量%以下、更に好ましくは0.45質量%以下である。これらの観点を総合すると、本発明の毛髪化粧料中の成分(A)の含有量は、好ましくは0.10質量%以上10.0質量%以下、より好ましくは0.20質量%以上5.0質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以上2.0質量%以下、更に好ましくは0.35質量%以上1.0質量%以下、更に好ましくは0.35質量%以上0.80質量%以下、更に好ましくは0.35質量%以上0.60質量%以下、更に好ましくは0.35質量%以上0.45質量%以下である。
<成分(B):アニオン性多糖誘導体>
本発明の毛髪化粧料は、成分(B)としてアニオン性多糖誘導体を含有する。
アニオン性多糖誘導体としては、例えば、下記式(5)で表される構成単位を有する多糖化合物の水酸基の水素原子の一部が、基-(CH)COO(mは1以上5以下の整数)で置換されており、該基による構成単位当たりの平均置換度が、例えば0.5以上2.0以下であり、残りの水酸基の水素原子の一部が炭素数1以上40以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基及び/又はアルキレン基で置換されていてもよいアニオン性多糖誘導体が挙げられる。
Figure 2022163983000003

式中、Rは、同じであっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、nは構成単位当たりのROの平均付加モル数が0以上10以下となる数を示す。
成分(B)において、基-(CH)COOにおけるmは、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、1以上3以下の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。また、前記式(5)におけるnは、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、0以上5以下であることが好ましく、0以上3以下であることがより好ましく、0又は1であることが更に好ましく、0であることが更に好ましい。また、Rの炭素数は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、2又は3が好ましく、2がより好ましい。
成分(B)のアニオン性多糖誘導体を構成する、前記式(5)等で表される構成単位を有する多糖化合物としては、セルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム及びヒドロキシプロピルメチルスターチから選択される少なくとも一種を好適に用いることができる。これらの中でも、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、セルロース及びヒドロキシエチルセルロースをより好適に用いることができる。
成分(B)のアニオン性多糖誘導体の中でも、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、カルボキシメチルセルロースが好ましい。
成分(B)において、基-(CH)COOの構成単位当たりの平均置換度は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.65以上であり、良好な感触の観点から、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下である。これらの観点を総合すると、基-(CH)COOの構成単位当たりの平均置換度は、好ましくは0.5以上2.0以下、より好ましくは0.6以上1.5以下、更に好ましくは0.65以上1.5以下である。
・平均置換度の測定方法
導入された置換基が-(CH)COONaである場合を例として説明する。
絶乾したアニオン性多糖誘導体を、マイクロウェーブ湿式灰化装置(PROLABO社製、商品名:「A-300」)を用いて硫酸-過酸化水素で湿式分解した後、原子吸光装置(株式会社日立製作所製、商品名:「Z-6100型」)を用いて原子吸光法によりNa含量(%)を測定し、下記計算式により置換度を算出する。
平均置換度(DS)=(x×Na含量(%))/(2300-y×Na含量(%))
x:アニオン性置換基導入前の多糖誘導体を構成する糖モノマー1unit当たりの平均分子量
y:置換基1個の導入による分子量の増分
成分(B)は、1質量%水溶液の25℃における粘度が、毛髪への塗布性の観点や、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは100mPa・s以上、より好ましくは120mPa・s以上、更に好ましくは150mPa・s以上であり、また、配合のしやすさの観点や、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは30,000mPa・s以下、より好ましくは15,000mPa・s以下、更に好ましくは10,000mPa・s以下、更に好ましくは5,000mPa・s以下、更に好ましくは1,000mPa・s以下、更に好ましくは500mPa・s以下である。これらの観点を総合すると、1質量%水溶液の25℃における粘度は、好ましくは100mPa・s以上30,000mPa・s以下、より好ましくは120mPa・s以上15,000mPa・s以下、更に好ましくは150mPa・s以上10,000mPa・s以下、更に好ましくは150mPa・s以上5,000mPa・s以下、更に好ましくは150mPa・s以上1,000mPa・s以下、更に好ましくは150mPa・s以上500mPa・s以下である。なお、本発明において、成分(B)の上記粘度は、以下に示す方法に従って測定する。
・1質量%水溶液の粘度(mPa・s)の測定方法
300mL共栓三角フラスコ中に水分値既知のアニオン性多糖誘導体約2.2gを精秤し、蒸留水200gを加え、直ちに栓をして激しく振とうし、アニオン性多糖誘導体を小さい固まりに分散させて放置する。一夜(約18~20時間)放置したのち、既知の水分値より補正水にて1質量%水溶液濃度に合わせる。補正水量は、別途求めた水分より、以下の計算式に基づいて算出する。
補正水量(g)=アニオン性多糖誘導体試料(g)×(99-試料の水分含量(%))-200
補正終了後、三角フラスコ中に小回転子を入れ、マグネチックスターラーで25分間撹拌し、膨潤状態の内容物を完全に分散溶解させる。粘度が高く分散溶解できない場合、300mLのビーカーに移し、パラフィルム(Bemis Flexible Packaging社)で密閉した後、撹拌羽を用いて25分間撹拌し、内容物を完全分散溶解させる。次いで、この溶液を250mL容栓付容器(口径50mm×高さ140mm)に移し、栓をして25℃の恒温槽中に30分間放置する。温度25℃を確認したのち、この栓付容器に下記の通り、粘度計、ローター、ガードを選択して取り付け、粘度を測定する。低粘度から高粘度の測定条件の順番で測定を行い、粘度計の表示が振り切れることなく測定できた時点で測定を完了する。
(25℃における粘度が2,000mPa・s以下の場合)
25℃における粘度が2000mPa・s以下の場合は、BROOKFIELD VISCOMETER(Model:LV DV-I Prime、BROOKFIELD社製)を用い、LV SPINDLE(63)、回転数60rpmの条件下で25℃で3分間回転させた後の値とする。
(25℃における粘度が2,000mPa・sを超え、10,000mPa・s以下の場合)
25℃における粘度が2,000mPa・sを超え、10,000mPa・s以下の場合は、BROOKFIELD VISCOMETER(Model:LV DV-I Prime、BROOKFIELD社製)を用い、LVSPINDLE(64)、回転数60rpmの条件下で25℃で3分間回転させた後の値とする。
(25℃における粘度が10,000mPa・sを超え、80,000mPa・s以下の場合)
25℃における粘度が10,000mPa・sを超え、80,000mPa・s以下の場合は、ヘリカルスタンド付きBROOKFIELD VISCOMETER(Model: RV DV-I Prime、BROOKFIELD社製)を用い、HELIPATH SPINDLE(T-bar spindle E(95))、回転数60rpmの条件下で25℃で3分間回転させた後の値とする。
(25℃における粘度が80,000mPa・sを超える場合)
25℃における粘度が80,000mPa・sを超える場合は、ヘリカルスタンド付きBROOKFIELD VISCOMETER(Model:RV DV-I Prime、BROOKFIELD社製)を用い、HELIPATH SPINDLE(T-bar spindle F(96))、回転数60rpmの条件下で25℃で3分間回転させた後の値とする。
成分(B)の具体例としては、セロゲンF-5A、F-7A、F-907A、F-815A、F-SB、F-930A、F-3H、F-BSH-5、F-BSH-6、F-BSH-12、F-6HS9、HE-1500F(第一工業製薬株式会社製、カルボキシメチルセルロース)、サンローズF-01MC、FT-1、F04HC、APP-84、F150LC、F120MC、F600MC、F350HC、F800HC、F1400MC(日本製紙株式会社製、カルボキシメチルセルロース)、CMCダイセル1105、1110、1130、1150、1205、1210、1220、1230、1240、1250、1330、1180、1190、1380、1390、2200、2260、2280(株式会社ダイセル製、カルボキシメチルセルロース)、Blanose7LF、7M1F、7MF、7M8SF、12M8P、12M31XP(アシュランド社製、カルボキシメチルセルロース)等が挙げられる。
成分(B)は1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の毛髪化粧料中の成分(B)の含有量は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上、更に好ましくは0.30質量%以上、更に好ましくは0.40質量%以上、更に好ましくは0.50質量%以上、更に好ましくは0.55質量%以上であり、同様の観点から、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.80質量%以下、更に好ましくは0.65質量%以下である。これらの観点を総合すると、本発明の毛髪化粧料中の成分(B)の含有量は、好ましくは0.10質量%以上10.0質量%以下、より好ましくは0.20質量%以上5.0質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以上2.0質量%以下、更に好ましくは0.40質量%以上1.0質量%以下、更に好ましくは0.50質量%以上0.80質量%以下、更に好ましくは0.55質量%以上0.65質量%以下である。
<成分(C):有機酸又は有機酸塩>
本発明の毛髪化粧料は、成分(C)としてリンゴ酸、リンゴ酸塩、コハク酸、及びコハク酸塩から選択される少なくとも一種の有機酸又は有機酸塩を含有する。
リンゴ酸塩及びコハク酸塩における塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩及びカリウム塩からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、ナトリウム塩が更に好ましい。
成分(C)としては、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、リンゴ酸及びリンゴ酸塩から選択される少なくとも一種を含むことが好ましく、リンゴ酸及びリンゴ酸塩から選択される少なくとも一種であることがより好ましく、リンゴ酸であることが更に好ましい。
成分(C)は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の毛髪化粧料中の成分(C)の含有量は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.20質量%以上、更に好ましくは0.30質量%以上、更に好ましくは0.40質量%以上であり、同様の観点から、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、更に好ましくは6.5質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは4.5質量%以下である。これらの観点を総合すると、本発明の毛髪化粧料中の成分(C)の含有量は、好ましくは0.01質量%以上10.0質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上8.0質量%以下、更に好ましくは0.10質量%以上6.5質量%以下、更に好ましくは0.20質量%以上5.0質量%以下、更に好ましくは0.30質量%以上4.5質量%以下、更に好ましくは0.40質量%以上4.5質量%以下である。
ここで、本明細書において、有機酸塩の含有量(質量%)は、有機酸塩を構成する有機酸換算の質量%である。
本発明の毛髪化粧料において、成分(B)のアニオン電荷量(Ba)に対する成分(A)のカチオン電荷量(Ac)の比(Ac)/(Ba)は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上であり、同様の観点から、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.1以下である。これらの観点を総合すると、前記(Ac)/(Ba)は、好ましくは0.5以上2.0以下、より好ましくは0.6以上1.5以下、更に好ましくは0.7以上1.3以下、更に好ましくは0.8以上1.2以下、更に好ましくは0.9以上1.1以下である。
毛髪化粧料中の成分(A)のカチオン電荷量(Ac)は、成分(A)のカチオン電荷密度と毛髪化粧料中の成分(A)の含有量の積として求められる。成分(A)のカチオン電荷密度とは、成分(A)の単位質量当たりのカチオン性基(第四級アンモニウム基)の当量数であり、通常、1g当たりのミリ当量(単位:meq/g)で表される。成分(A)のカチオン電荷密度は、成分(A)の分子量と、成分(A)を構成するモノマー構成単位中のカチオン性基を含有するモノマー構成単位のモル比とから算出することができる。
なお、成分(A)を2種以上用いる場合の毛髪化粧料中の成分(A)のカチオン電荷量は、各々のカチオン電荷量の合計として求められる。
ここで、本明細書において、カチオン性基とは、カチオン基、又は、イオン化されてカチオン基になり得る基をいう。
また、成分(A)がカチオン性基及びアニオン性基を有するカチオン性ポリマーの場合、成分(A)のカチオン電荷量は、本発明の毛髪化粧料のpHにおける成分(A)のカチオン量からアニオン量を差し引いた値に基づいて定められる。
成分(A)のカチオン電荷密度は、好ましくは0.5meq/g以上、より好ましくは1.0meq/g以上、更に好ましくは2.0meq/g以上、更に好ましくは3.0meq/g、更に好ましくは4.0meq/g以上であり、そして、好ましくは10.0meq/g以下、より好ましくは8.0meq/g以下、更に好ましくは6.0meq/g以下、更に好ましくは5.0meq/g以下である。これらの観点を総合すると、成分(A)のカチオン電荷密度は、好ましくは0.5meq/g以上10.0meq/g以下、より好ましくは1.0meq/g以上8.0meq/g以下、更に好ましくは2.0meq/g以上6.0meq/g以下、更に好ましくは3.0meq/g5.0meq/g以下、更に好ましくは4.0meq/g以上5.0meq/g以下である。
毛髪化粧料中の成分(B)のアニオン電荷量(Ba)は、成分(B)のアニオン電荷密度と毛髪化粧料中の成分(B)の含有量の積として求められる。成分(B)のアニオン電荷密度とは、成分(B)の単位質量当たりのアニオン性基の当量数であり、通常、1g当たりのミリ当量(単位:meq/g)で表される。
ここで、本明細書において、アニオン性基とは、アニオン基、又は、イオン化されてアニオン基になり得る基をいう。
成分(B)のアニオン電荷密度は、好ましくは0.5meq/g以上、より好ましくは1.0meq/g以上、更に好ましくは2.0meq/g以上、更に好ましくは2.5meq/g以上、更に好ましくは3.0meq/g以上であり、そして、好ましくは10.0meq/g以下、より好ましくは8.0meq/g以下、更に好ましくは5.0meq/g以下、更に好ましくは4.0meq/g以下である。これらの観点を総合すると、成分(B)のアニオン電荷密度は、好ましくは0.5meq/g以上10.0meq/g以下、より好ましくは1.0meq/g以上8.0meq/g以下、更に好ましくは2.0meq/g以上5.0meq/g以下、更に好ましくは2.5meq/g以上4.0meq/g以下、更に好ましくは3.0meq/g以上4.0meq/g以下である。
本発明の毛髪化粧料において、成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比(A)/(B)は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.6以上であり、同様の観点から、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.8以下である。これらの観点を総合すると、成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比(A)/(B)は、好ましくは0.4以上2.0以下、より好ましくは0.5以上1.5以下、更に好ましくは0.6以上1.2以下、更に好ましくは0.6以上1.0以下、更に好ましくは0.6以上0.8以下である。
本発明の毛髪化粧料において、成分(A)及び成分(B)の合計含有量に対する成分(C)の含有量の質量比(C/(A+B))は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.08以上、更に好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上、更に好ましくは0.40以上、更に好ましくは0.45以上であり、同様の観点から、好ましくは10.0以下、より好ましくは8.0以下、更に好ましくは6.0以下、更に好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.5以下である。これらの観点を総合すると、成分(A)及び成分(B)の合計含有量に対する成分(C)の含有量の質量比(C/(A+B))は、好ましくは0.05以上10.0以下、より好ましくは0.08以上8.0以下、更に好ましくは0.15以上6.0以下、更に好ましくは0.20以上5.0以下、更に好ましくは0.30以上4.5以下、更に好ましくは0.40以上4.5以下、更に好ましくは0.45以上4.5以下である。
本発明の毛髪化粧料中の成分(A)~(C)の合計含有量は、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクをより一層抑制する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.2質量%以上であり、そして、好ましくは25.0質量%以下、より好ましくは20.0質量%以下、更に好ましくは15.0質量%以下、更に好ましくは10.0質量%以下、更に好ましくは8.0質量%以下、更に好ましくは6.0質量%以下である。これらの観点を総合すると、本発明の毛髪化粧料中の成分(A)~(C)の合計含有量は、好ましくは0.1質量%以上25.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上20.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以上15.0質量%以下、更に好ましくは1.2質量%以上10.0質量%以下、更に好ましくは1.2質量%以上8.0質量%以下、更に好ましくは1.2質量%以上6.0質量%以下である。
<他の成分>
本発明の毛髪化粧料には、その態様や剤型等に応じて、ハンドリング性及び成分(A)~(C)の作用効果を発揮させやすいようにする等の観点から、水性媒体を含有させることができる。
水性媒体としては、例えば、水、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;1,3-ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の炭素数6以下の低分子ジオール及びトリオール等が挙げられる。これらのうち、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水性媒体として水を含むことが好ましい。
本発明の毛髪化粧料中の水性媒体の含有量は、毛髪化粧料を適切な濃度及び粘度に調整する観点から、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上であり、同様の観点から、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは97質量%以下である。これらの観点を総合すると、本発明の毛髪化粧料中の水性媒体の含有量は、好ましくは60質量%以上99質量%以下、より好ましくは70質量%以上98質量%以下、更に好ましくは80質量%以上97質量%以下、更に好ましくは85質量%以上97質量%以下である。
また、本発明の毛髪化粧料には、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を適宜含有してもよい。当該成分としては、例えば、毛髪化粧料に通常配合される成分である、pH調整剤、芳香族アルコール、界面活性剤、酸化防止剤、油剤、成分(A)及び(B)以外のポリマー、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、保湿剤、セラミド類、着色剤、ユーカリの極性溶媒抽出物、真珠層を有する貝殻又は真珠から得られる蛋白質又はその加水分解物、蜂蜜、ローヤルゼリー、シルクから得られる蛋白質又はその加水分解物、マメ科植物の種子から得られる蛋白含有抽出物、オタネニンジン抽出物、米胚芽抽出物、ヒバマタ抽出物、アロエ抽出物、ハス抽出物、ザクロ抽出物、ノバラ抽出物、カモミラ抽出物、カンゾウ抽出物、月桃葉抽出物、クロレラ抽出物等のエキス類、パール化剤、香料、色素、紫外線吸収剤、シアバター、ローズ水、オレンジ油、ユーカリ油、成分(C)以外の有機酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の水溶性無機塩等が挙げられる。
本発明の毛髪化粧料のpHは、毛髪化粧料として一般的に使用できる範囲であれば特に限定されるものではないが、毛髪や頭皮へのダメージを抑制して本発明の効果を奏しやすくする観点から、酸又は塩基の添加により、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.2以上、更に好ましくは3.3以上、そして、好ましくは8.0以下、より好ましくは7.0以下、更に好ましくは6.0以下に調整される。これらの観点を総合すると、本発明の毛髪化粧料のpHは、好ましくは3.0以上8.0以下、より好ましくは3.2以上7.0以下、更に好ましくは3.3以上6.0以下である。
<製造方法>
本発明の毛髪化粧料は、常法により製造することができる。例えば、成分(A)~(C)及び必要に応じて他の成分を配合し、公知の撹拌装置等を用いて混合することにより製造できる。
[毛髪処理方法]
本発明の毛髪処理方法は、上記の本発明の毛髪化粧料を毛髪に適用する工程を有する。
毛髪化粧料を毛髪に適用する方法としては、例えば、毛髪に、塗布、噴霧又は流延したり、毛髪を毛髪化粧料に浸漬させたりする等の方法が挙げられる。適用する毛髪は、乾いていても、湿っていてもよく、好ましくは、ブラシや櫛等で毛髪をとかした後、洗髪して濡れた状態である。毛髪化粧料の適用は、手で塗りつけたり、揉み込んだりしてもよく、また、ブラシや櫛等を用いて行ってもよい。また、毛髪化粧料を適用する毛髪は、頭髪の全部であってもよく、その一部であってもよい。
毛髪に対する毛髪化粧料の適用量は、適用する毛髪の質量に対する浴比(毛髪化粧料の質量/適用する毛髪の質量)で、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.5以上、更に好ましくは1以上であり、そして、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは15以下である。これらの観点を総合すると、髪に対する毛髪化粧料の適用量は、適用する毛髪の質量に対する浴比(毛髪化粧料の質量/適用する毛髪の質量)で、好ましくは0.03以上30以下、より好ましくは0.1以上20以下、更に好ましくは0.2以上15以下、更に好ましくは0.5以上15以下、更に好ましくは1以上15以下である。
前記工程の後、毛髪化粧料を適用した毛髪を水ですすぐ工程を経ることが好ましい。この場合、毛髪に毛髪化粧料を十分に馴染ませるために、毛髪化粧料を適用後、水ですすぐまでに、毛髪に毛髪化粧料を揉みこんだり、放置時間を設定したりすることが好ましい。
毛髪に毛髪化粧料を揉みこむ時間は、好ましくは5秒間以上、より好ましくは10秒間以上、更に好ましくは20秒間以上、更に好ましくは30秒間以上であり、そして、好ましくは10分間以下、より好ましくは5分間以下、更に好ましくは3分間以下である。これらの観点を総合すると、毛髪に毛髪化粧料を揉みこむ時間は、好ましくは5秒間以上10分間以下、より好ましくは10秒間以上5分間以下、更に好ましくは20秒間以上3分間以下、更に好ましくは30秒間以上3分間以下である。
放置時間は、好ましくは15秒間以上、より好ましくは30秒間以上、更に好ましくは1分間以上であり、そして、好ましくは60分間以下、より好ましくは30分間以下、更に好ましくは20分間以下である。これらの観点を総合すると、放置時間は、好ましくは15秒間以上60分間以下、より好ましくは30秒間以上30分間以下、更に好ましくは1分間以上20分間以下である。揉みこんでいる間や放置中は、水分の蒸発を抑制するために、毛髪化粧料を適用した毛髪を、プラスチックフィルムやキャップ等で覆うようにすることも好ましい。
水ですすぐ工程は、毛髪表面の過剰な毛髪化粧料を除去できればよく、水ですすぐ時間は、好ましくは5秒間以上3分間以下である。水の温度は、身体に負担が掛からない程度でよく、好ましくは15℃以上50℃以下、より好ましくは25℃以上45℃以下である。
水洗後の毛髪は、タオルドライ等による自然乾燥、又は、ドライヤー等を用いた強制乾燥によって乾燥させる。
本発明の毛髪化粧料を用いて、毛髪、特に、クセがある強い髪質の毛髪を、上記のように処理することにより、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを抑制できる。このため、特に、クセがある毛髪のスタイリングにおいて、要する時間や手間を削減することができ、好適に適用することができる。
以下、上述した実施形態に関し、本発明の毛髪化粧料の好ましい態様を更に開示する。
<1> 下記成分(A)~(C)を含有する、毛髪化粧料。
(A)ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むカチオン性ポリマー
(B)アニオン性多糖誘導体
(C)リンゴ酸、リンゴ酸塩、コハク酸、及びコハク酸塩から選択される少なくとも一種の有機酸又は有機酸塩
<2> 前記成分(A)が、好ましくはジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとの共重合体、及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸とアクリルアミドとの共重合体から選択される少なくとも一種を含み、より好ましくはジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体から選択される少なくとも一種を含み、更に好ましくはジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体を含む、<1>に記載の毛髪化粧料。
<3> 前記成分(A)の重量平均分子量が、好ましくは10,000以上、より好ましくは50,000以上、更に好ましくは100,000以上であり、そして、好ましくは3,000,000以下、より好ましくは1,000,000以下、更に好ましくは800,000以下である、<1>又は<2>に記載の毛髪化粧料。
<4> 前記成分(B)が、好ましくは、下記式(5)で表される構成単位を有する多糖化合物の水酸基の水素原子の一部が、基-(CH)COO(mは1以上5以下の整数)で置換されており、該基による構成単位当たりの平均置換度が0.5以上2.0以下であり、残りの水酸基の水素原子の一部が炭素数1以上40以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基及び/又はアルキレン基で置換されていてもよいアニオン性多糖誘導体を含み、より好ましくはカルボキシメチルセルロースを含む、<1>~<3>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
Figure 2022163983000004

式中、Rは、同じであっても異なっていてもよく、水酸基で置換されていてもよい炭素数2以上4以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、nは構成単位当たりのROの平均付加モル数が0以上10以下となる数を示す。
<5> 前記成分(B)は、1質量%水溶液の25℃における粘度が、好ましくは100mPa・s以上、より好ましくは120mPa・s以上、更に好ましくは150mPa・s以上であり、そして、好ましくは30,000mPa・s以下、より好ましくは15,000mPa・s以下、更に好ましくは10,000mPa・s以下、更に好ましくは5,000mPa・s以下、更に好ましくは1,000mPa・s以下、更に好ましくは500mPa・s以下である、<1>~<4>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<6> 前記成分(C)が、好ましくはリンゴ酸及びリンゴ酸塩から選択される少なくとも一種を含み、より好ましくはリンゴ酸及びリンゴ酸塩から選択される少なくとも一種であり、更に好ましくはリンゴ酸である、<1>~<5>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<7> 前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量に対する前記成分(C)の含有量の質量比(C/(A+B))が、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.08以上、更に好ましくは0.15以上、更に好ましくは0.20以上、更に好ましくは0.30以上、更に好ましくは0.40以上、更に好ましくは0.45以上であり、そして、好ましくは10.0以下、より好ましくは8.0以下、更に好ましくは6.0以下、更に好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.5以下である、<1>~<6>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<8> 前記成分(B)のアニオン電荷量(Ba)に対する前記成分(A)のカチオン電荷量(Ac)の比(Ac)/(Ba)が、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.7以上、更に好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上であり、そして、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.1以下である、<1>~<7>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<9> 前記成分(A)のカチオン電荷密度は、好ましくは0.5meq/g以上、より好ましくは1.0meq/g以上、更に好ましくは2.0meq/g以上、更に好ましくは3.0meq/g、更に好ましくは4.0meq/g以上であり、そして、好ましくは10.0meq/g以下、より好ましくは8.0meq/g以下、更に好ましくは6.0meq/g以下、更に好ましくは5.0meq/g以下である、<1>~<8>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<10> 前記成分(B)のアニオン電荷密度は、好ましくは0.5meq/g以上、より好ましくは1.0meq/g以上、更に好ましくは2.0meq/g以上、更に好ましくは2.5meq/g以上、更に好ましくは3.0meq/g以上であり、そして、好ましくは10.0meq/g以下、より好ましくは8.0meq/g以下、更に好ましくは5.0meq/g以下、更に好ましくは4.0meq/g以下である、<1>~<9>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<11> 前記成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比(A)/(B)が、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.6以上であり、そして、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.0以下、更に好ましくは0.8以下である、<1>~<10>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<12> 前記成分(A)~(C)の合計含有量が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、更に好ましくは1.2質量%以上であり、そして、好ましくは25.0質量%以下、より好ましくは20.0質量%以下、更に好ましくは15.0質量%以下、更に好ましくは10.0質量%以下、更に好ましくは8.0質量%以下、更に好ましくは6.0質量%以下である、<1>~<11>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<13> 前記成分(A)の含有量が、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上、更に好ましくは0.30質量%以上、更に好ましくは0.35質量%以上であり、そして、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.80質量%以下、更に好ましくは0.60質量%以下、更に好ましくは0.45質量%以下である、<1>~<12>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<14> 前記成分(B)の含有量が、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上、更に好ましくは0.30質量%以上、更に好ましくは0.40質量%以上、更に好ましくは0.50質量%以上、更に好ましくは0.55質量%以上であり、そして、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以下、更に好ましくは0.80質量%以下、更に好ましくは0.65質量%以下である、<1>~<13>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<15> 前記成分(C)の含有量が、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.10質量%以上、更に好ましくは0.20質量%以上、更に好ましくは0.30質量%以上、更に好ましくは0.40質量%以上であり、そして、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは8.0質量%以下、更に好ましくは6.5質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下、更に好ましくは4.5質量%以下である、<1>~<14>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<16> 前記毛髪化粧料のpHが、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.2以上、更に好ましくは3.3以上、そして、好ましくは8.0以下、より好ましくは7.0以下、更に好ましくは6.0以下である、<1>~<15>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<17> 水性媒体を含有する、<1>~<16>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<18> 前記水性媒体が、好ましくは水、エタノール、イソプロピルアルコール、1,3-ブチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びジプロピレングリコールから選択される少なくとも一種を含み、より好ましくは水を含む、<17>に記載の毛髪化粧料。
<19> 前記水性媒体の含有量が、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、更に好ましくは85質量%以上であり、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下、更に好ましくは97質量%以下である、<17>又は<18>に記載の毛髪化粧料。
<20> 好ましくはヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック又はヘアスタイリング剤であり、より好ましくはヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック又はヘアスタイリング剤である、<1>~<19>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<21> 好ましくは液体状、泡状、ペースト状又はクリーム状であり、より好ましくは液体状、ペースト状又はクリーム状であり、更に好ましくは液体状である、<1>~<20>のいずれかに記載の毛髪化粧料。
<22> <1>~<21>のいずれかに記載の毛髪化粧料を毛髪に適用する工程と、前記毛髪化粧料を適用した毛髪を水ですすぐ工程とを有する、毛髪処理方法。
<23> <1>~<21>のいずれかに記載の毛髪化粧料の、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを抑制するための使用。
<24> <1>~<21>のいずれかに記載の毛髪化粧料の、シュリンク抑制のための使用。
<25> <1>~<21>のいずれかに記載の毛髪化粧料を適用する、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを抑制する方法。
<26> <1>~<21>のいずれかに記載の毛髪化粧料を適用する、毛髪のシュリンク抑制方法。
[実施例1~10、比較例1~8]
下記表1及び2に示す各実施例及び各比較例の組成の毛髪化粧料を以下の方法で調製し、評価用毛束を用いて、これらの毛髪化粧料による毛髪のまとまり及びシュリンク抑制の効果の評価を行った。評価結果を表1及び2にそれぞれ示す。
<調製方法>
まず、2質量%の成分(A)水溶液と2質量%の成分(B)水溶液を調製した。ここで、成分(A)水溶液は成分(A)の原液を希釈して調製した。成分(B)水溶液は60℃の水に成分(B)を投入してダマがなく完全に溶けるまで攪拌することにより調製した。
次いで、水に対して、室温で撹拌しながら、成分(B)水溶液、NaCl、成分(A)水溶液、成分(C)、及びpH調整剤(乳酸、NaOH)をこの順番で投入し、毛髪化粧料を得た。
<評価用毛束>
カール径約2cm、約0.3gの毛束の根元部分を幅約2cmのプラスチックプレートに接着剤で固定した。毛束を固定した該プラスチックプレートの部分を幅約3cmのダブルクリップで挟んで、下記に示す組成からなるプレーンシャンプーで洗浄し、水道水で十分に濯いだ。この濯ぎ後の湿潤状態の毛束を評価用毛束とした。
(プレーンシャンプーの組成)
[単位:質量%]
ポリオキシエチレン(2.5)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム 15.5
ラウリン酸ジエタノールアミド 2.3
エデト酸二ナトリウム 0.15
安息香酸ナトリウム 0.5
塩化ナトリウム 0.8
リン酸 適量(pH調整)
香料 微量(0.5未満)
メチルパラベン 微量(0.5未満)
水 バランス
(pH7.0) 合計 100
<毛束の処理>
上記の湿潤状態の評価用毛束と、各実施例及び各比較例の毛髪化粧料3.0gと、をプラスチックラップにくるんで1分間揉みこんだ。
次いで、毛髪の絡みをほどくため、くしで10回コーミングを行った後、長さ20cm、直径5mmのガラス棒に毛束を巻き付けた。その状態で水道水により毛束を約10秒間すすいだ。次いで、ガラス棒に巻き付けた状態で500g程度の水道水の入った容器に毛束を浸漬させた。毛束を水に浸漬させたまま、ガラス棒だけ引き抜いた。この状態でダブルクリップのつまみ部分を棒に引っ掛けた。水道水の入った容器を引き下げて毛束を取り出し、自然乾燥を開始した。
<シュリンク抑制評価>
次いで、自然乾燥を開始した時点で毛束の写真撮影を行い、得られた写真画像から毛束の長さ(L)を測定した。自然乾燥を開始してから90分後にもう一度写真撮影を行い、得られた写真画像から毛束の長さ(L90)を測定し、長さ比L(L90/L)を算出した。
また、毛髪化粧料の処理すなわち「湿潤状態の評価用毛束と、各実施例及び各比較例の毛髪化粧料3.0gと、をプラスチックラップにくるんで1分間揉む操作」を実施しない以外は長さ比Lの測定と同様にして、自然乾燥を開始した時点での毛束の長さ(L’)及び自然乾燥を開始してから90分後の毛束の長さ(L’90)をそれぞれ測定し、長さ比L(L’90/L’)を算出した。次いで、L及びLからシュリンク改善比(L/L)を算出した。
シュリンク改善比が、1.00よりも大きければ、シュリンクが抑制されていると言え、数値が大きいほど、シュリンク抑制効果に優れることを示している。シュリンク改善比は、好ましくは1.05以上、より好ましくは1.07以上、更に好ましくは1.08以上、更に好ましくは1.10以上である。
<毛束のまとまり評価>
洗浄後の乾燥における毛髪の広がり抑制の評価として、毛束のまとまりを評価した。
シュリンク抑制評価に用いたものと同じ毛束を使用した。シュリンク抑制評価の後に、毛束が形成する線の細さ(まとまり度合い)について、パネラー6名による評価を行い、平均点を算出した。
比較例4の結果を基準の評価点3とし、評価点1~5の5段階で相対的に比較評価した。評価点1が最も劣っており、毛束が太く、ばらついている評価であり、評価点5が最も優れており、毛束が細く、まとまっている状態を示す。
評価点の平均点が3.5以上5.0以下であれば、洗浄後の乾燥における毛髪の広がりを効果的に抑制できていると言える。評価点の平均点は、好ましくは4.0以上5.0以下、より好ましくは4.5以上5.0以下である。
ここで、図1は、実施例における評価用毛束のまとまり評価の基準を説明するための図であり、毛束の上端を固定して吊るした状態の正面から見た写真を図示したものである。図1では、評価点の参考として、評価点の平均点が4.8、3.0及び1.0の例を示している。
Figure 2022163983000005
Figure 2022163983000006
表1及び2中の*1~4の注釈を以下に示す。なお、表1及び2中の質量%は、有効成分量である。
*1 ルーブリゾール株式会社製、マーコート280NP(ジメチルジアリルアンモニウムクロリド:アクリル酸=65:35(モル比)、カチオン電荷密度4.5meq/g、重量平均分子量450,000)
*2 セルロースのカルボキシメチルエーテル、株式会社ダイセル製、CMCダイセル1150、アニオン電荷密度3.21meq/g、1質量%水溶液の25℃における粘度:200~300mPa・s、平均置換度:0.7
*3 扶桑化学工業株式会社製、液体リンゴ酸(有効成分量50質量%)
*4 川崎化成工業株式会社製、コハク酸(有効成分量100質量%)
表1及び2より、本実施例の毛髪化粧料は、洗浄後の乾燥における毛束のまとまり評価の平均点及びシュリンク改善比が向上した。すなわち、本発明の毛髪化粧料によれば、洗浄後の乾燥における毛髪の広がり及びシュリンクを効果的に抑制でき、特に、クセのある毛髪の効率的なスタイリングに好適に適用することができることが分かる。

Claims (10)

  1. 下記成分(A)~(C)を含有する、毛髪化粧料。
    (A)ジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含むカチオン性ポリマー
    (B)アニオン性多糖誘導体
    (C)リンゴ酸、リンゴ酸塩、コハク酸、及びコハク酸塩から選択される少なくとも一種の有機酸又は有機酸塩
  2. 前記成分(A)が、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸との共重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとの共重合体、及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドとアクリル酸とアクリルアミドとの共重合体から選択される少なくとも一種を含む、請求項1に記載の毛髪化粧料。
  3. 前記成分(B)がカルボキシメチルセルロースを含む、請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
  4. 前記成分(C)がリンゴ酸及びリンゴ酸塩から選択される少なくとも一種を含む、請求項1~3のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  5. 前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量に対する前記成分(C)の含有量の質量比(C/(A+B))が0.05以上10.0以下である、請求項1~4のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  6. 前記成分(B)のアニオン電荷量(Ba)に対する前記成分(A)のカチオン電荷量(Ac)の比(Ac)/(Ba)が0.5以上2.0以下である、請求項1~5のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  7. 前記成分(A)の含有量が0.10質量%以上10.0質量%以下である、請求項1~6のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  8. 前記成分(B)の含有量が0.10質量%以上10.0質量%以下である、請求項1~7のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  9. 前記成分(C)の含有量が0.01質量%以上10.0質量%以下である、請求項1~8のいずれかに記載の毛髪化粧料。
  10. 請求項1~9のいずれかに記載の毛髪化粧料を毛髪に適用する工程と、前記毛髪化粧料を適用した毛髪を水ですすぐ工程とを有する、毛髪処理方法。
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