JP2023175346A - 身体用水性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性を向上させることができ、特に、毛髪処理に用いた際には毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性を向上し得る身体用水性組成物を提供する。【解決手段】(A)1質量%水溶液の30℃における粘度が500mPa・s以上であるカチオン性ポリマー、(B)アニオン性ポリマー、(C)寒天、及び、水を含有する身体用水性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、身体用水性組成物に関する。
カチオン系ポリマー及びアニオン系ポリマーを含有するケラチン物質処理用の水性組成物が知られている。例えば特許文献1には、溶剤媒質中に少なくとも一つのアニオン系ポリマーおよび少なくとも一つのカチオン系ポリマーを含むことを特徴とするケラチン物質の処理用組成物を用いることで、特に毛髪、皮膚または爪を含めることができる角質物質にアニオン系ポリマーを固定させることができる旨記載されている。また、上記効果が得られる理由として、アニオン系ポリマー及びカチオン系ポリマーのポリマー間の相互作用により形成される錯体(コンプレックス)が関係すると仮定されている。
カチオン系ポリマー及びアニオン系ポリマーを含有する毛髪化粧料に関して、特許文献2には、芳香族アルコール、カチオン性化合物、水溶性のアニオン性高分子化合物からなる群から選ばれる1種又は2種以上の高分子化合物、直接染料及び酸を配合し、pH及び粘度が所定値以上である半永久染毛料組成物が、十分な染着性と高いコンディショニング効果を備え、なおかつ高温下や長期間に渡り粘度が安定である旨記載されている。
特許文献3には、脂肪相を含む生理学的に許容される媒体中に、(i)a)少なくとも1個のヘテロ原子を含んだ炭化水素系繰返し単位を有するポリマー骨格、及び任意選択でb)6~120個の炭素原子を含み、これらの炭化水素系単位に結合している、任意に官能化されていてもよいペンダント脂肪鎖及び/又は末端脂肪鎖を含む、100,000未満の重量平均分子質量を有する第1ポリマー、(ii)アニオン性フィルム形成ポリマー、(iii)カチオン性フィルム形成ポリマーを含む組成物が開示されている。この組成物は、ケラチン物質に迅速なメイクアップ効果をもたらし、特にマスカラとして、ケラチン物質のためのメイクアップ方法、及び手入れに応用される旨記載されている。
特許文献4には、非イオン性又はアニオン性ポリサッカライドに基づくヒドロコロイドからなる第一のポリマー、アクリル-又はメタアクリルアミドアルキルスルホン酸又はその塩から構成される第二のポリマー、及び両親媒性ポリマーである第三のポリマーの組合せを含有するヘアスタイリングゲルが、湿った毛髪にボリューム付与効果を示し、乾燥した毛髪にヘアスタイルを構造づける効果を有する旨記載されている。
また特許文献5には、電荷密度が所定の範囲にあるカチオン性ポリマーと、所定のアニオン性構成単位を80質量%以上100質量%以下含み、重量平均分子量が4,000以上80,000以下のアニオン性ポリマーとを含有する毛髪化粧料が、傷んだ毛髪の感触及び外観を改善することができ、繰り返しの洗髪によってもこれらの効果を持続させることができる旨記載されている。
特開昭53-139734号公報 特開平10-287535号公報 特表2004-525101号公報 特開2006-70030号公報 特開2015-166333号公報
特許文献1等に記載の通り、カチオン系ポリマーとアニオン系ポリマーとから形成されるコンプレックス(以下「ポリイオンコンプレックス」ともいう)を含有する水性組成物を、毛髪等のケラチン物質の処理用組成物に用いることは知られている。
ポリイオンコンプレックスは、カチオン系ポリマーとアニオン系ポリマーとのイオン性相互作用により形成される集合体であり、ポリイオンコンプレックスを含む処理用組成物を処理対象物に塗布すると、キューティクル様の高弾性皮膜を形成することができる。これにより、処理対象物の質感が向上し、例えば前記組成物をヘアコンディショナー等の毛髪化粧料組成物として用いた際には、毛髪のケア効果が発現し、毛髪の絡まり抑制効果の向上等が期待される。しかしながら、特許文献1~5には、毛髪の絡まり抑制効果の向上については特段言及されていない。また、毛髪の処理効果は1回の洗髪により失われることがあり、処理効果の持続性の向上が望まれていた。
本発明は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続を向上させることができ、特に、毛髪処理に用いた際には毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性を向上し得る身体用水性組成物に関する。
本発明者らは、1質量%水溶液粘度が所定値以上であるカチオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、寒天、及び水を含有する水性組成物により、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、下記に関する。
[1](A)1質量%水溶液の30℃における粘度が500mPa・s以上であるカチオン性ポリマー、(B)アニオン性ポリマー、(C)寒天、及び、水を含有する身体用水性組成物。
[2]上記[1]に記載の身体用水性組成物を含む化粧料組成物。
[3]上記[2]に記載の化粧料組成物を毛髪に適用し、次いで、該毛髪を温度80℃以上に加熱する工程を有する、毛髪の処理方法。
本発明によれば、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性を向上させることができ、特に、毛髪処理に用いた際には毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性を向上し得る身体用水性組成物を提供できる。
該水性組成物は、皮膚化粧料組成物、毛髪化粧料組成物等の各種化粧料組成物として用いることができる。また、該水性組成物を各種化粧料組成物のプレミックスとして用いることも可能である。例えば、該水性組成物に追加の成分を配合して、皮膚化粧料組成物又は毛髪化粧料組成物を調製することができる。
[定義]
本明細書において「身体用水性組成物」とは、身体の表面、例えば、皮膚、毛髪、睫毛、眉毛、爪等のケラチン物質の表面を処理するために用いる水性組成物を意味する。「水性組成物」とは、水を主成分とする組成物を意味し、好ましくは水の含有量が50質量%以上の組成物を意味する。
本発明の身体用水性組成物は、好ましくはケラチン物質処理用の水性組成物であり、より好ましくは皮膚又は毛髪処理用の水性組成物である。
本明細書において「成分Xを含有する」とは、成分Xを配合することをも包含する。
[身体用水性組成物]
本発明の身体用水性組成物(以下、単に「水性組成物」又は「本発明の組成物」ともいう)は、(A)1質量%水溶液の30℃における粘度が500mPa・s以上であるカチオン性ポリマー、(B)アニオン性ポリマー、(C)寒天、及び、水を含有する。
本発明の組成物は上記構成を有することにより、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性を向上し得、特に、毛髪処理に用いた際には毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性を向上させることができる。
本発明の組成物が上記効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明の組成物は、成分(A)と成分(B)とのイオン性相互作用により形成されるポリイオンコンプレックスを含むものである。ポリイオンコンプレックスにおいては、成分(A)-成分(B)間でイオン性相互作用による架橋構造が形成されており、これにより本発明の組成物を用いて得られる皮膜は高い弾性率を発現すると考えられる。
さらに本発明の組成物は成分(C)として寒天を含有する。(C)寒天は主成分であるノニオン性のアガロースと、少量のアニオン性のアガロペクチンとから構成され、ダブルヘリックス構造を有する。
本発明の組成物を用いて得られる皮膜においては、成分(A)と成分(B)とにより形成される前記架橋構造が、ダブルヘリックス構造を有する成分(C)により補強されていると考えられる。成分(B)-成分(C)間は水素結合が可能であるため、成分(C)が成分(B)により前記架橋構造内に保持される。さらに、成分(C)は熱によりゾル-ゲル転移し、冷却されると3次元架橋構造を有する硬いゲルとなるため、皮膜中では、成分(A)~(C)からなる、より高強度化されたネットワークが形成されていると考えられる。
以上の効果により、本発明の組成物を用いると、1回の処理によっても処理対象物の質感向上効果等が得られ、且つ、その後に洗浄を行っても成分(A)~(C)を含む皮膜が、洗い流されずに残留しやすくなり、効果の持続性が得られると考えられる。
また本発明に用いる成分(A)の1質量%水溶液の30℃における粘度が500mPa・s以上であることにより、得られる皮膜の潤滑性が向上すると考えられる。これによって処理対象物の質感がより向上し、本発明の組成物を毛髪処理に用いた際には、毛髪の絡まり抑制効果が向上すると考えられる。
(成分(A):カチオン性ポリマー)
成分(A)は、1質量%水溶液の30℃における粘度が500mPa・s以上であるカチオン性ポリマーであり、成分(B)との相互作用によりポリイオンコンプレックスを形成し得るポリマーである。
成分(A)であるカチオン性ポリマーは、好ましくはカチオン性基を有し、且つ総電荷として正に帯電しているポリマーである。成分(A)は本発明の効果を阻害しない範囲で、カチオン性基以外に、アニオン性基、ノニオン性基、又は、ベタイン基等の両性基を有していてもよい。
本明細書においてカチオン性基とはカチオン基、又は、イオン化されてカチオン基になり得る基であり、具体的には、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アンモニウム基が挙げられる。
アニオン性基とはアニオン基、又は、イオン化されてアニオン基になり得る基であり、具体的には、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等の酸性基からなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはカルボキシ基及びスルホン酸基から選ばれる1種以上、より好ましくはカルボキシ基である。アニオン性基の少なくとも一部は中和され、塩の状態になっていてもよい。
成分(A)の1質量%水溶液の30℃における粘度は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、500mPa・s以上であり、好ましくは700mPa・s以上、より好ましくは800mPa・s以上、更に好ましくは1,000mPa・s以上、より更に好ましくは1,300mPa・s以上、より更に好ましくは1,500mPa・s以上、より更に好ましくは1,700mPa・s以上、より更に好ましくは1,800mPa・s以上である。該粘度の上限は特に制限されないが、ポリイオンコンプレックスの形成しやすさ、及び取り扱い性の観点から、好ましくは100,000mPa・s以下、より好ましくは80,000mPa・s以下、更に好ましくは50,000mPa・s以下、より更に好ましくは30,000mPa・s以下、より更に好ましくは25,000mPa・s以下である。
成分(A)の1質量%水溶液の30℃における粘度は、具体的には実施例に記載の方法により測定できる。
成分(A)のカチオン電荷密度は、成分(B)との相互作用によりポリイオンコンプレックスを形成しやすくする観点、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.2mmol/g以上、更に好ましくは0.3mmol/g以上、より更に好ましくは0.5mmol/g以上である。また、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは20mmol/g以下、より好ましくは15mmol/g以下、更に好ましくは12mmol/g以下、より更に好ましくは10mmol/g以下、より更に好ましくは7.0mmol/g以下、より更に好ましくは5.0mmol/g以下である。
成分(A)のカチオン電荷密度は、ポリマー1gあたりに含有されるカチオン性基のモル数である。なお、成分(A)のカチオン性基の少なくとも一部が中和塩になっている場合、上記カチオン性基のモル数には、塩の状態をとっているカチオン性基のモル数も含めるものとする。
なお、成分(A)として2種以上のポリマーを用いてもよく、この場合の成分(A)のカチオン電荷密度は、それぞれのポリマーのカチオン電荷密度と配合量から加重平均して算出することにより求められる。
成分(A)としては、カチオン化多糖類等の天然ポリマー又はそのカチオン化物、並びに合成ポリマーのいずれも用いることができるが、入手容易性の観点から、好ましくは合成ポリマーである。
成分(A)として用いられるポリマーの具体例としては、1質量%水溶液の30℃における粘度が500mPa・s以上である、カチオン化ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩重合体、第4級化ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸塩重合体、ジアリル第4級化アンモニウム塩重合体、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩重合体、ビニルイミダゾリウムトリクロリド・ビニルピロリドン共重合体(ポリクオタニウム-16)、ビニルピロリドン・アルキルアミノ(メタ)アクリレート共重合体、ビニルピロリドン・アルキルアミノ(メタ)アクリレート・ビニルカプロラクタム共重合体、アルキルアクリルアミド・(メタ)アクリレート・アルキルアミノアルキルアクリルアミド・ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体、アジピン酸・ジメチルアミノヒドロキシプロピルエチレントリアミン共重合体等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。なお本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記のうち、メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩重合体としては、塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム重合体(ポリクオタニウム-37)、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体(ポリクオタニウム-49)、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2-ヒドロキシエチル共重合体(ポリクオタニウム-48)等が挙げられる。
第4級化ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸塩重合体としては、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩共重合体(ポリクオタニウム-11)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(ポリクオタニウム-52)等が挙げられる。
ジアリル第4級化アンモニウム塩重合体としては、塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体(ポリクオタニウム-6)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体(ポリクオタニウム-22)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体(ポリクオタニウム-7)、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体(ポリクオタニウム-39)等が挙げられる。
また、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩重合体としては、塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム重合体、ビニルピロリドン・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体、アクリル酸・アクリル酸メチル・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体(ポリクオタニウム-47)、アクリル酸・アクリルアミド・塩化メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム共重合体(ポリクオタニウム-53)等が挙げられる。
成分(A)は、皮膜形成能向上の観点、処理対象物の質感及びその質感向上効果及び該効果の持続性向上、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリマーであることが好ましい。

式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、R~Rはそれぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基である。Xは-O-又は-NH-であり、mは1以上4以下の数である。
一般式(1)におけるRは、好ましくはメチル基であり、R~Rは、それぞれ独立に、好ましくは炭素数1以上3以下のアルキル基、より好ましくはメチル基又はエチル基、更に好ましくはメチル基である。
一般式(1)におけるXは、好ましくは-O-であり、mは、好ましくは1以上3以下、より好ましくは2以上3以下である。
一般式(1)で表される構成単位としては、メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩に由来する構成単位、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩に由来する構成単位、及び、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩からなる群から選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩に由来する構成単位、及び、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩に由来する構成単位からなる群から選ばれる1種以上である。
成分(A)は、前記一般式(1)で表される構成単位以外の、他の構成単位を含むポリマーであってもよい。当該他の構成単位としては、ビニルピロリドン等のビニルモノマー、(メタ)アクリロイルエチルジメチルベタイン等の両性モノマー、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアクリルアミド等のアクリルアミド類、等に由来する構成単位が挙げられる。また成分(A)は、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール等により架橋されたクロスポリマーであってもよい。
成分(A)中、前記一般式(1)で表される構成単位の含有量は、皮膜形成能向上の観点、処理対象物の質感及びその質感向上効果及び該効果の持続性向上、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、成分(A)を構成する全構成単位中、好ましくは10モル%以上、100モル%以下である。
成分(A)は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。上記の中でも、1質量%水溶液の30℃における粘度を所定値以上にしやすくする観点、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、成分(A)は、好ましくは、メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム塩重合体及び第4級化ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル酸塩重合体からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム重合体(ポリクオタニウム-37)、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール共重合体(ポリクオタニウム-49)、メタクリロイルエチルジメチルベタイン・塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム・メタクリル酸2-ヒドロキシエチル共重合体(ポリクオタニウム-48)、及びN,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(ポリクオタニウム-52)からなる群から選ばれる1種以上、更に好ましくは塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム重合体(ポリクオタニウム-37)及びN,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(ポリクオタニウム-52)からなる群から選ばれる1種以上である。
成分(A)として、市販のポリマーを用いることもできる。その具体例としては、BASFジャパン(株)製の「Cosmedia Ultragel 300」(ポリクオタニウム-37、カチオン電荷密度:4.81mmol/g)、花王(株)製の「ソフケア KG-101W-E」(ポリクオタニウム-52、カチオン電荷密度:0.83mmol/g)、「ソフケア KG-301W」(ポリクオタニウム-52、カチオン電荷密度:1.84mmol/g)等が挙げられる。
(成分(B):アニオン性ポリマー)
成分(B)は、成分(A)との相互作用によりポリイオンコンプレックスを形成し得るポリマーである。本明細書において「アニオン性ポリマー」とは、アニオン性基を有し、且つカチオン性基及び両性基を実質的に有さないポリマーを意味する。「カチオン性基及び両性基を実質的に有さない」とは、アニオン性基に対するカチオン性基及び両性基のモル量が好ましくは0.1%以下であることをいう。
成分(B)が有するアニオン性基としては、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基等の酸性基が好ましく、成分(A)との相互作用によりポリイオンコンプレックスを形成しやすくする観点、及び入手性の観点から、より好ましくはカルボキシ基である。なお成分(B)において、アニオン性基の少なくとも一部は中和され、塩の状態になっていてもよい。
<成分(B1):(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む架橋型重合体、アニオン性多糖類>
成分(B)は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、(B1)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む架橋型重合体及びアニオン性多糖類からなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。
成分(B1)のうち、(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む架橋型重合体としては、架橋構造を有する、(メタ)アクリル酸の単独重合体又は共重合体、又はこれらの塩が挙げられる。ここでいう架橋構造とは、重合体の主たる構造であるポリマー鎖が、ポリマー鎖内又はポリマー鎖間で連結してなる三次元の網目構造を意味する。該架橋構造の形成方法は特に制限されず、例えば、重縮合やラジカル重合のように重合と同時に架橋する方法や、ポリマー鎖を後から架橋する方法により形成されたものが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸の単独重合体としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びこれらの塩が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸の共重合体としては、(メタ)アクリル酸/マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/イタコン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/フマル酸共重合体、(メタ)アクリル酸/酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、(メタ)アクリル酸/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/(N-アルキル)アクリルアミド共重合体、及びこれらの塩が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
上記のうち、(メタ)アクリル酸の共重合体としては、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステルがより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキルの炭素数が好ましくは1以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは8以上であり、好ましくは40以下、より好ましくは36以下、更に好ましくは32以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
前記多官能アリルエーテルとしては、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ショ糖アリルエーテル、プロピレンアリルエーテル等が挙げられ、多官能(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む架橋型重合体の具体例としては、カルボキシビニルポリマー又はその塩、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、アクリレーツクロスポリマー-4等が挙げられる。
成分(B1)のうちアニオン性多糖類としては、カルボキシ基を有する多糖類(ヒアルロン酸、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム等)、及び多糖類の硫酸物(カラギーナン、ケラタン硫酸、デルマタン硫酸、硫酸化デンプン、ヘパリン、ヘパラン硫酸)、及びこれらの塩が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、アニオン性多糖類としては、好ましくはカルボキシ基を有する多糖類又はその塩であり、より好ましくはアルギン酸、カルボキシメチルセルロース、又はこれらの塩であり、更に好ましくはアルギン酸又はその塩である。
成分(B1)が塩である場合、該塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられ、入手性の観点から、好ましくはアルカリ金属塩である。
上記の中でも、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、成分(B1)は、好ましくはカルボキシビニルポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー、及びアニオン性多糖類からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはアニオン性多糖類又はその塩、更に好ましくはアルギン酸又はその塩である。
成分(B1)のアニオン電荷密度は特に制限されないが、成分(A)との相互作用によりポリイオンコンプレックスを形成しやすくする観点、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは1.0mmol/g以上、より好ましくは2.0mmol/g以上、更に好ましくは3.5mmol/g以上であり、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは25mmol/g以下、より好ましくは20mmol/g以下、更に好ましくは15mmol/g以下である。
成分(B1)のアニオン電荷密度は、ポリマー1gあたりに含有されるアニオン性基のモル数である。なお、成分(B1)のアニオン性基の少なくとも一部が中和塩になっている場合、上記アニオン性基のモル数には、塩の状態をとっているアニオン性基のモル数も含めるものとする。
成分(B1)として2種以上のポリマーを用いてもよく、この場合の成分(B1)のアニオン電荷密度は、それぞれのポリマーのアニオン電荷密度と配合量から加重平均して算出することにより求められる。
成分(B1)がアニオン性多糖類である場合、その重量平均分子量(Mw)は、皮膜形成能向上の観点から、好ましくは2,000以上、より好ましくは10,000以上、更に好ましくは30,000超、より更に好ましくは50,000以上である。また、成分(A)との相互作用によりポリイオンコンプレックスを形成しやすくする観点、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは350万以下、より好ましくは300万以下である。
成分(B1)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定できる。
成分(B)中の成分(B1)の含有量は、皮膜形成能向上の観点、成分(A)との相互作用によりポリイオンコンプレックスを形成しやすくする観点、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上であり、100質量%以下である。
<成分(B2):成分(B1)以外のアニオン性ポリマー>
成分(B)は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性をより向上させる観点、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、さらに、(B2)前記成分(B1)以外のアニオン性ポリマーを含むことが好ましい。成分(B2)は、(C)寒天、及び、必要に応じ用いられる(D)ノニオン性ポリマーと水素結合を形成しやすく、成分(A)-成分(B)により形成されたポリイオンコンプレックスの架橋構造と複合化した成分(C)、(D)と水素結合を形成することで、成分(A)-成分(B)により形成されたポリイオンコンプレックスの架橋構造内に効果的に保持することができると考えられる。この効果により、本発明の組成物により対象物を処理した後にすすぎや洗浄を行っても成分(C)、(D)が洗い流されずに皮膜内に残留しやすくなり、処理効果の持続性が向上すると考えられる。
成分(B2)の分子量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、更に好ましくは5,000以上、より更に好ましくは10,000以上であり、また、好ましくは50,000以下、より好ましくは40,000以下、更に好ましくは30,000以下である。
ここでいう「分子量」は、重量平均分子量を意味し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定できる。
成分(B2)は、好ましくは分子量1,000以上50,000以下、より好ましくは1,000以上30,000以下の、カルボキシ基を有するポリマーであり、より好ましくは、分子量1,000以上30,000以下の、(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む非架橋型重合体である。
成分(B2)として好適に用いられる、(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む非架橋型重合体としては、ポリ(メタ)アクリル酸の他、(メタ)アクリル酸/マレイン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/イタコン酸共重合体、(メタ)アクリル酸/フマル酸共重合体、(メタ)アクリル酸/酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、(メタ)アクリル酸/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/(N-アルキル)アクリルアミド共重合体、及びこれらの塩が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
成分(B2)として好適に用いられる、上記以外のカルボキシ基を有するポリマーとしては、ポリマレイン酸、マレイン酸/ジイソブチレン共重合体、マレイン酸/スチレン共重合体、安息香酸ホルムアルデヒド縮合物、安息香酸/フェノール/ホルムアルデヒド縮合物、及びこれらの塩が挙げられる。
上記の中でも、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、成分(B2)としては、好ましくは、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上である。
ポリ(メタ)アクリル酸又はその塩としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、及びこれらの塩が挙げられ、ポリアクリル酸又はその塩が好ましい。
(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体又はその塩としては、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル又はその塩がより好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキルの炭素数が好ましくは1以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは8以上、より更に好ましくは12以上であり、好ましくは40以下、より好ましくは36以下、更に好ましくは32以下、より更に好ましくは24以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステルが好ましく、(アクリル酸/アクリル酸オクチル)共重合体、及び(アクリル酸/アクリル酸ステアリル)共重合体からなる群から選ばれる1種以上がより好ましく、(アクリル酸/アクリル酸ステアリル)共重合体が更に好ましい。
成分(B2)が塩である場合、該塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられ、入手性の観点から、好ましくはアルカリ金属塩である。
成分(B2)のアニオン電荷密度は特に制限されないが、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは1.0mmol/g以上、より好ましくは3.0mmol/g以上、更に好ましくは5.0mmol/g以上であり、また、好ましくは25mmol/g以下、より好ましくは20mmol/g以下、更に好ましくは15mmol/g以下である。
成分(B2)として2種以上のポリマーを用いてもよく、この場合の成分(B2)のアニオン電荷密度は、それぞれのポリマーのアニオン電荷密度と配合量から加重平均して算出することにより求められる。
成分(B)が成分(B2)を含む場合、成分(B)中の成分(B2)の含有量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上であり、また、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。
また、成分(B)が成分(B1)及び成分(B2)を含む場合、成分(B1)と成分(B2)との合計量に対する成分(B2)の質量比[(B2)/{(B1)+(B2)}]は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.05以上、より更に好ましくは0.08以上であり、成分(A)とのポリイオンコンプレックスの形成しやすさの観点から、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.80以下、更に好ましくは0.50以下、より更に好ましくは0.30以下である。
(成分(C):寒天)
(C)寒天は主成分であるノニオン性のアガロースと、少量のアニオン性のアガロペクチンとから構成されるものであれば特に制限されず、市販品を用いることができる。
成分(C)の1.5%水溶液のゼリー強度は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは10g以上、より好ましくは50g以上、更に好ましくは100g以上、より更に好ましくは200g以上であり、また、好ましくは1,500g以下、より好ましくは1,000g以下、より好ましくは800g以下である。成分(C)のゼリー強度は、1.5%水溶液を20℃で15時間放置、凝固させたゲルについて、その表面1cm当たり20秒間耐え得る最大重量(g数)であり、日寒水式の方法により求めることができる。
成分(C)の市販品としては、伊那食品工業(株)製の「S-5」「S-6」「S-7」「S-8」「S-9」、「T-1」「T-2」「T-3」「T-88」「T-2000」、「ZR」「Z-10」「ZL」「ZH」、「M-7」「M-8」「M-9」、「AX-30」「AX-100」「AX-200」「BX-30」「BX-100」「BX-200」、「UP-16」「UP-26」「UP-37」、「UX-30」「UX-100」「UX-200」、「柔S」、「カリコリカン」、PSシリーズ、CSシリーズ等が挙げられる。
(成分(D):ノニオン性ポリマー)
本発明の組成物は、さらに(D)成分(C)以外のノニオン性ポリマーを含有することができる。本明細書において「ノニオン性ポリマー」とは、イオン性基である、カチオン性基、アニオン性基、及び両性基を実質的に有さないポリマーを意味する。
成分(D)としては、ポリアルキレングリコール又はその誘導体、ビニルピロリドン由来の構成単位を含む重合体、(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリカプロラクタム等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
ポリアルキレングリコールとしては、アルキレンの炭素数が2以上6以下、好ましくは2以上4以下、更に好ましくは2以上3以下のアルキレングリコールの単独重合体又は共重合体が挙げられる。その具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)、ポリエチレングリコール-ポリトリメチレンエーテルグリコール共重合体、ポリエチレングリコール-ポリテトラメチレンエーテルグリコール共重合体、ポリプロピレングリコール-ポリテトラメチレンエーテルグリコール共重合体等が挙げられる。これらの中でも、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点、並びに入手性の観点から、好ましくはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及び、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは、ポリエチレングリコール及びポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体からなる群から選ばれる1種以上である。
ポリアルキレングリコール誘導体としては、上記ポリアルキレングリコールの末端変性品、例えば、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールモノアリールエーテル、ポリアルキレングリコールジアリールエーテル、ポリアルキレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコールジ脂肪酸エステル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点、並びに入手性の観点から、好ましくはポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールジアルキルエーテル、ポリアルキレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びポリアルキレングリコールジ脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリアルキレングリコールモノ脂肪酸エステル及びポリアルキレングリコールジ脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上である。
ポリアルキレングリコールのモノ又はジアルキルエーテルにおけるアルキル基の炭素数、及び、ポリアルキレングリコールのモノ又はジ脂肪酸エステルにおける脂肪酸の炭素数は、好ましくは1以上36以下、より好ましくは4以上32以下、更に好ましくは8以上24以下、より更に好ましくは12以上22以下である。また、ポリアルキレングリコールのモノ又はジアリールエーテルにおけるアリール基の炭素数は、好ましくは6以上36以下、より好ましくは6以上32以下、更に好ましくは6以上24以下、より更に好ましくは6以上22以下である。
ポリアルキレングリコール誘導体の具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールジブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノトリデシルエーテル、ポリエチレングリコール-ビスフェノールAエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート(ジステアリン酸ポリエチレングリコール)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノメチルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノブチルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ジブチルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノオクチルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノデシルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノドデシルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-モノトリデシルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ビスフェノールAエーテル、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ジラウレート、ジステアリン酸ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール-ジグリシジルエーテル等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
ビニルピロリドン由来の構成単位を含む重合体としては、ビニルピロリドンの単独重合体、又はビニルピロリドンとノニオン性モノマーとの共重合体が挙げられる。その具体例としては、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール共重合体等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、及び、(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルメチルエーテル等のノニオン性モノマーとの共重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、前述した(メタ)アクリル酸アルキルエステルの他、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルエーテル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル由来の構成単位を含む重合体の具体例としては、(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)共重合体、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)共重合体等が挙げられる。
上記の中でも、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点、並びに入手性の観点から、成分(D)としては、好ましくはポリアルキレングリコール又はその誘導体、及び、ビニルピロリドン由来の構成単位を含む重合体からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、これらのモノ又はジ脂肪酸エステル、及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール共重合体、これらのモノ又はジ脂肪酸エステル、及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる1種以上である。
成分(D)の重量平均分子量(Mw)は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点、並びに入手性の観点から、好ましくは2,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは10,000以上であり、また、好ましくは2,000,000以下、より好ましくは1,500,000以下である。
成分(D)の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定できる。
(水)
本発明の組成物は水性組成物であることから、水を含有する。水としては、脱イオン水又は蒸留水が好ましい。なお、組成物の安定性を損なわない範囲で、次亜塩素酸等で殺菌した水道水、地下水等を用いてもよい。
(含有量)
水性組成物中の各成分の含有量又は配合量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは下記の通りである。
水性組成物中の成分(A)の含有量は、ポリイオンコンプレックスの形成しやすさの観点、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.2質量%以上である。また、水性組成物の安定性の観点から、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下、より更に好ましくは1.0質量%以下である。
水性組成物中の成分(B)の含有量は、ポリイオンコンプレックスの形成しやすさの観点、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上、より更に好ましくは0.04質量%以上である。また、水性組成物の安定性の観点から、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下、より更に好ましくは1.0質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.3質量%以下、より更に好ましくは0.2質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下である。
水性組成物中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.04質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.2質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上である。また、水性組成物の安定性の観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下、より更に好ましくは2.0質量%以下である。
水性組成物中の成分(A)及び成分(B)の含有量の比は、ポリイオンコンプレックスの形成しやすさの観点、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、成分(B)に対する成分(A)の質量比[(A)/(B)]が、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは3.0以上、より更に好ましくは4.0以上、より更に好ましくは5.0以上であり、また、好ましくは30以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは15以下、より更に好ましくは12以下、より更に好ましくは10以下となる量である。
なお本発明の水性組成物では、本発明の効果に対し、成分(A)と成分(B)とのカチオン電荷/アニオン電荷比よりも、成分(A)と成分(B)の質量比の方が優位に働く。
水性組成物中の成分(A)のカチオン電荷のモル数と、成分(B)のアニオン電荷のモル数との比は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは10/90~95/5、より好ましくは20/80~95/5、更に好ましくは25/75~90/10となる量である。
水性組成物中の成分(C)の含有量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.02質量%以上である。また、水性組成物の安定性の観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下である。
水性組成物中の成分(A)及び成分(B)の合計量に対する成分(C)の質量比[(C)/{(A)+(B)}]は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.03以上であり、また、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.3以下、より更に好ましくは0.2以下である。
水性組成物が(D)ノニオン性ポリマーを含有する場合、水性組成物中の成分(D)の含有量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.2質量%以上である。また、水性組成物の安定性の観点から、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下、より更に好ましくは1.0質量%以下である。
水性組成物中の水の含有量は、水性組成物とする観点、及び組成物の安定性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上である。水性組成物中の水の含有量は、成分(A)~(C)又は成分(A)~(D)の残部であってもよい。
その他、本発明の組成物には、任意成分として、防腐剤、pH調整剤(酸、塩基、又はそれらの塩)、塩化合物(塩化ナトリウム等)、水以外の水性媒体等を配合することができる。
(pH)
水性組成物のpHは、身体に用いる際の安全性の観点から、水性組成物を水で20倍希釈した水溶液の25℃におけるpHとして、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.2以上である。また、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点、及び水性組成物の安定性の観点から、好ましくは7.5以下、より好ましくは7.0以下、更に好ましくは6.0以下、より更に好ましくは5.0以下である。
上記pHは、pHメーターを用いて、実施例に記載の方法により測定することができる。
(水性組成物の製造方法)
本発明の組成物の製造方法は特に制限されないが、水性組成物の安定性の観点、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点、及び水性組成物の安定性の観点、並びに製造効率の観点から、成分(A)の水溶液、成分(B)の水溶液、及び成分(C)の水溶液をそれぞれ調製し、次いで、これらの水溶液を混合する工程を含む方法により製造することが好ましい。なお、成分(B)として成分(B1)及び成分(B2)を併用する場合には、成分(B1)の水溶液と成分(B2)の水溶液とをそれぞれ調製し、成分(C)の水溶液と混合することが好ましい。
水性組成物が(D)ノニオン性ポリマーを含有しない場合、本発明の組成物の製造方法は、成分(A)の水溶液と成分(C)の水溶液とを、好ましくは50℃以上100℃以下、より好ましくは60℃以上95℃以下の加熱条件下で混合して混合液を調製し、次いで、該混合液と成分(B)の水溶液とを混合する工程を含むことが好ましい。該方法により、成分(A)~(C)からなる、より高強度化されたネットワークが効率よく形成されると考えられる。
酸等のpH調整剤を配合する場合は、成分(A)の水溶液と成分(C)の水溶液とを混合して得られた混合液にpH調整剤を添加して所望のpHに調整し、次いで、成分(B)の水溶液と混合することが好ましい。
水性組成物が(D)ノニオン性ポリマーを含有する場合、成分(A)~(D)からなるネットワークを効率よく形成する観点から、本発明の組成物の製造方法は、成分(B)の水溶液、成分(C)の水溶液、及び成分(D)の水溶液を、好ましくは50℃以上100℃以下の加熱条件下で混合して混合液を調製し、次いで、該混合液と成分(A)の水溶液とを混合する工程を含むことが好ましい。酸等のpH調整剤を配合する場合は、成分(B)~(D)の水溶液を混合して得られた混合液にpH調整剤を添加して所望のpHに調整し、次いで、成分(A)の水溶液と混合することが好ましい。
成分(A)~(C)、又は成分(A)~(D)の各水溶液を混合する際の温度は、成分(C)を溶解させる観点から、好ましくは50℃以上100℃以下、より好ましくは60℃以上95℃以下である。混合時間は成分(C)が溶解し、各成分が均一に混合される範囲であれば特に制限されないが、通常0.1時間以上12時間以下である。各成分の混合は、公知の攪拌装置を用いて行うことができる。
[化粧料組成物]
本発明はさらに、前記身体用水性組成物を含む化粧料組成物を提供する。本発明の化粧料組成物を処理対象物に適用することで、処理対象物の質感及びその持続性を向上させることができる。特に、本発明の化粧料組成物を毛髪処理に用いた際には、毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性を向上できる。
化粧料組成物の種類としては、皮膚化粧料組成物、毛髪化粧料組成物が挙げられ、毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性を向上させる観点からは、好ましくは毛髪化粧料組成物である。
前記身体用水性組成物は、そのままで化粧料組成物として用いてもよい。また、該身体用水性組成物を化粧料組成物のプレミックスとして用いることも可能である。例えば、水性組成物に追加の成分を配合して、各種化粧料組成物を調製することもできる。
水性組成物中では成分(A)~(C)が前述したネットワーク構造を形成した状態で安定して存在しているため、追加の成分を配合しても該ネットワーク構造が破壊され難い。そのため、水性組成物を含む化粧料組成物は、処理対象物の質感及びその持続性向上効果を維持できると考えられる。
化粧料組成物中の身体用水性組成物の含有量は、通常、1質量%以上80質量%以下、好ましくは10質量%以上60質量%以下である。また、化粧料組成物中の成分(A)~(C)の含有量が、好ましくは以下の範囲となる量であればよい。
化粧料組成物中の成分(A)の含有量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、より更に好ましくは0.02質量%以上、より更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上である。また、組成物の安定性の観点、及び、追加の成分を配合する際にはその効果を発揮する観点から、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下、より更に好ましくは1.0質量%以下である。
化粧料組成物中の成分(B)の含有量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.0005質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.005質量%以上、より更に好ましくは0.01質量%以上、より更に好ましくは0.02質量%以上である。また、組成物の安定性の観点、及び、追加の成分を配合する際にはその効果を発揮する観点から、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下、より更に好ましくは1.0質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.3質量%以下、より更に好ましくは0.2質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下である。
化粧料組成物中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.0015質量%以上、より好ましくは0.006質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、より更に好ましくは0.02質量%以上、より更に好ましくは0.05質量%以上である。また、組成物の安定性の観点、及び、追加の成分を配合する際にはその効果を発揮する観点から、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下である。
化粧料組成物中の成分(C)の含有量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.002質量%以上、更に好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上である。また、組成物の安定性の観点、及び、追加の成分を配合する際にはその効果を発揮する観点から、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下、より更に好ましくは0.1質量%以下である。
化粧料組成物が(D)ノニオン性ポリマーを含有する場合、化粧料組成物中の成分(D)の含有量は、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上、より更に好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上である。また、組成物の安定性の観点から、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、より更に好ましくは1.5質量%以下、より更に好ましくは1.0質量%以下である。
化粧料組成物に配合される追加の成分としては、皮膚化粧料組成物又は毛髪化粧料組成物に通常配合される成分、例えば、界面活性剤、高級アルコール、油剤、有機酸又は無機酸、非イオン性ポリマー、水性媒体、pH調整剤、感触向上剤、着色剤、酸化防止剤、抗フケ剤、ビタミン剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、キレート剤、保湿剤、パール剤、セラミド類、香料、植物エキス、紫外線吸収剤等が挙げられる。
化粧料組成物が高級アルコール、油剤等の油性成分を含有する場合には、該化粧料組成物は乳化組成物の形態であってもよい。組成物の安定性の観点、及び、使用感向上の観点から、該乳化組成物は、好ましくは水中油型乳化組成物である。
乳化組成物の形態である化粧料組成物の製造方法は特に制限されない。例えば、前記水性組成物と、油性成分を含む油性相とを混合し、次いで、必要に応じ水性組成物以外の水性相及び/又は他の油性成分を添加して混合する方法;油性成分を含む油性相と、水性組成物以外の水性相とを混合し、次いで、前記水性組成物を添加して混合する方法;等が挙げられる。安定性の高い乳化組成物を製造する観点、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性、特に、毛髪処理に用いた際の毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性向上の観点からは、前記水性組成物と、油性成分を含む油性相とを混合し、次いで、必要に応じ水性組成物以外の水性相及び/又は他の油性成分を添加して混合する方法により、乳化組成物を製造することが好ましい。
ここでいう「水性相」とは、乳化組成物の製造工程において水相を構成する相を意味し、「油性相」とは、乳化組成物の製造工程において油相を構成する相を意味する。
また、ここでいう油性相に含まれる油性成分としては、好ましくはイオン性界面活性剤、及び、疎水性基を有する両親媒性物質が挙げられる。イオン性界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が例示され、疎水性基を有する両親媒性物質としては、高級アルコールが例示される。「水性組成物以外の水性相」としては、有機酸又は無機酸、水性媒体等が挙げられ、「他の油性成分」としては、油剤が挙げられる。さらに、乳化組成物には、「追加の成分」として例示したその他の成分を適宜用いることができる。
化粧料組成物のうち、皮膚化粧料組成物の製品形態としては、ボディソープ、洗顔料、入浴剤、デオドラント製剤、メイクアップ化粧料、日焼け止め、化粧下地、乳液、美容液、クリーム等が挙げられる。
また、毛髪化粧料組成物の製品形態としては、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント(洗い流さないタイプを含む)、ヘアスタイリング剤、ヘアカラー、パーマネント剤等が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果の有効性の観点から、好ましくはヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、又はヘアスタイリング剤である。
[毛髪の処理方法]
本発明はさらに、前記化粧料組成物を毛髪に適用し、次いで、該毛髪を温度80℃以上に加熱する工程を有する、毛髪の処理方法を提供する。本発明の毛髪の処理方法によれば、記化粧料組成物を毛髪に適用してから加熱することで、毛髪表面に形成された皮膜中の成分(B)-成分(C)間の水素結合がより強固になるため、毛髪の絡まり抑制効果の持続性をより向上させることができると考えられる。
本発明の毛髪の処理方法においては、まず、前記化粧料組成物を毛髪に適用する。化粧料組成物の適用方法としては、化粧料組成物を毛髪に塗布、流延、又は噴霧する方法、毛髪を化粧料組成物に浸漬させる方法等が挙げられ、好ましくは毛髪に塗布する方法である。
化粧料組成物を毛髪に適用する方法の具体例としては、化粧料組成物がヘアシャンプーである場合は、ヘアシャンプーを毛髪に適用し、毛髪上で泡立てる操作と、その後にすすぎ流す工程を行う。化粧料組成物がヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント又はヘアパックである場合は、例えば洗浄後の毛髪にこれらを適用してなじませた後、必要に応じてすすぎ流す工程を行う。
化粧料組成物を適用する際の毛髪は乾燥状態、湿潤状態のいずれでもよいが、好ましくは湿潤状態の毛髪である。
毛髪に対する化粧料組成物の適用量は、適用する毛髪の質量に対する浴比(化粧料組成物の質量/適用する毛髪の乾燥質量)で、好ましくは0.005以上、より好ましくは0.01以上、更に好ましくは0.05以上であり、そして、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは12以下である。
化粧料組成物を適用する毛髪は、頭髪の全部であってもよく、その一部であってもよい。
化粧料組成物を毛髪に適用した後、該毛髪を加熱する前に、化粧料組成物を水で洗い流す工程を行うことが好ましい。この場合、毛髪に化粧料組成物を十分になじませるために、化粧料組成物を適用後、水で洗い流すまでに、放置時間を設けてもよい。放置時間は、好ましくは15秒間以上、より好ましくは30秒間以上、さらに好ましくは1分間以上であり、そして、好ましくは20分間以下、さらに好ましくは15分間以下である。
化粧料組成物を水で洗い流す時間は、好ましくは5秒間以上3分間以下である。水の温度は、身体に負担が掛からない程度でよく、好ましくは15℃以上50℃以下、より好ましくは25℃以上45℃以下である。
化粧料組成物を適用した後の毛髪は、タオルドライ、ドライヤー等で乾燥させた後に、加熱に供することが好ましい。
毛髪を加熱する方法としては、好ましくは、フラットアイロンを用いる方法が挙げられる。毛髪の加熱温度は、毛髪の絡まり抑制効果の持続性をより向上させる観点から、80℃以上であり、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上、更に好ましくは140℃以上である。また、毛髪ダメージを抑制する観点から、好ましくは220℃以下、より好ましくは200℃以下である。
以上の方法により処理した毛髪は、繰り返し洗髪を行っても、毛髪が絡まり難いという効果が持続されやすくなる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。なお、実施例における各測定及び評価は以下の方法により行った。
(カチオン性ポリマーの1質量%水溶液粘度の測定)
各例で使用したカチオン性ポリマー(成分(A)又は成分(A’))の1質量%水溶液を調製し、B型粘度計(東機産業(株)製、TVB-10)を用いて30℃における水溶液粘度を測定した。本実施例において、成分(A)以外のカチオン性ポリマーを「成分(A’)」と表記した。
(pH測定)
各例の水性組成物を水で20倍に希釈し、pHメーター((株)堀場製作所製、F-51)を用いて、25℃におけるpHを測定した。
(ダメージトレスの準備)
「花王泡ヘアブリーチL」(第1剤)7mL、花王(株)製「花王泡ヘアカラーd」(第2剤)15mLを混合し、長さ20cm、質量20gの日本人毛のトレスに塗布した。20分静置後、35~40℃の温水で十分にすすいだ(ブリーチ処理)。その後、下記組成のプレーンシャンプーで2回洗浄した。該ブリーチ処理を4回繰り返して評価用のダメージトレスを作製した。
(水性組成物による処理直後のコーミングフォースの測定)
(1)ダメージトレス20gに水10g±0.5gを含水させて、各例の水性組成物を4mL塗布し、手でなじませて30秒間放置した後、35~40℃の温水で15秒間すすいだ。
(2)すすぎ後のトレスの含水量を10gに調整し、ブラシで梳いて絡まりを完全に解いてから、コーミングフォース測定装置(宇都宮精機(株)製「KOT-0303」)にセットし、業務用ヘアブラシ SL-801(サンビー工業(株)製)をトレスの最上部に貫通させ、一定の速度(60rpm)で手動でコーミングし、くしを毛先まで通した時に掛かる荷重(g)を測定した。コーミングは50回行い、計50点のコーミング荷重の平均値を「処理直後のコーミングフォース」の値とした。コーミングフォースの値が小さい方が毛髪が絡まり難く、良好な結果であることを示す。なお、水性組成物による処理を行わなかったダメージトレス(10g±0.5g含水)のコーミング荷重は1568gであった。
〔プレーンシャンプー組成〕
(質量%)
ポリオキシエチレン(2.0)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
(*1) : 15.5
ラウリン酸ジエタノールアミド(*2) : 2.2
エデト酸二ナトリウム : 0.15
安息香酸ナトリウム : 0.18
オキシベンゾン : 0.03
リン酸 : 0.07
塩化ナトリウム : 0.8
香料 : 0.4
精製水 : 残 量
合計 :100.00
(*1)エマールE-27C(花王(株)製、有効成分27質量%)として42.0質量%
(*2)アミノーンC-11S(花王(株)製)
(水性組成物による処理+2回洗髪後のコーミングフォースの測定)
前記「処理直後のコーミングフォースの測定」において(1)~(2)を行った後、以下の(3)を2回行った。
(3)タオルドライ及びドライヤー乾燥を行った後、トレスを再度水で濡らして、前記プレーンシャンプー1mLで30秒間、トレスの表裏を20回ずつこすり洗いし、15秒間すすいだ。
その後(2)の操作を行い、コーミングフォースを測定した。コーミングフォースが850g以下であれば、持続性が良好であると判断した。
(水性組成物による処理+4回洗髪後のコーミングフォースの測定)
前記「処理直後のコーミングフォースの測定」において(1)~(2)を行った後、(3)を4回行ってから再度(2)の操作を行い、コーミングフォースを測定した。コーミングフォースの値が小さい方が持続性が良好であり、コーミングフォースが950g以下であれば、持続性がより良好であると判断した。
(水性組成物による処理+熱処理+4回洗髪後のコーミングフォースの測定)
前記「処理直後のコーミングフォースの測定」において(1)~(2)を行った後、トレスのタオルドライ及びドライヤー乾燥を行った。次いでコームでテンションをかけながら、180℃に設定したフラットアイロン(GOLDWELL製「VOSS GF(L41)」)で10回ストレートセットを行った(加熱処理)。加熱処理後、(3)を4回行ってから(2)の操作を行い、コーミングフォースを測定した。
実施例1~5、比較例1~4(水性組成物の調製)
表に記載した成分を用いて、以下の手順で水性組成物を調製した。
カチオン性ポリマー(成分(A)又は成分(A’))の2質量%水溶液、(B1)アニオン性ポリマーの2質量%水溶液、(C)寒天の1質量%水溶液(ゲル)をそれぞれ調製した。これらの水溶液と、表に記載のその他の成分、及び残量の水を、各成分が表に記載の配合量となるように混合した。具体的には、水、カチオン性ポリマー(成分(A)又は成分(A’))水溶液、(C)寒天水溶液、及び酸の順に加え、90℃の水浴で加熱しながら、寒天が完全に溶解するまで攪拌羽で攪拌した。寒天が溶解したら、90℃で加熱を継続しながら、(B1)アニオン性ポリマー水溶液を徐々に添加した。添加終了後に加熱を中止し、攪拌しながら常温まで放冷し、水性組成物を得た。
得られた水性組成物を用いて、前記方法で評価を行った。結果を表1~2に示す。
実施例6~9
表に記載した成分を用いて、以下の手順で水性組成物を調製した。
カチオン性ポリマー(成分(A)又は成分(A’))の2質量%水溶液、(B1)アニオン性ポリマーの2質量%水溶液、(B2)アニオン性ポリマーの1質量%水溶液、(C)寒天の1質量%水溶液(ゲル)、及び、(D)ノニオン性ポリマーの5質量%水溶液をそれぞれ調製した。これらの水溶液と、その他の成分、及び残量の水を、各成分が表に記載の配合量となるように混合した。具体的には、水、(B1)アニオン性ポリマー水溶液、(D)ノニオン性ポリマー水溶液、(B2)アニオン性ポリマー水溶液、酸、及び(C)寒天水溶液の順に加え、90℃の水浴で加熱しながら、(C)寒天が完全に溶解するまで攪拌羽で攪拌した。(C)寒天が溶解したら、90℃で加熱を継続しながら、カチオン性ポリマー(成分(A)又は成分(A’))水溶液を徐々に添加した。添加終了後に加熱を中止し、攪拌しながら常温まで放冷し、水性組成物を得た。
得られた水性組成物を用いて、前記方法で評価を行った。結果を表1に示す。
比較例5~7
表に記載した成分を用いて、以下の手順で水性組成物を調製した。
カチオン性ポリマー(成分(A’))の2質量%水溶液、(B1)アニオン性ポリマーの2質量%水溶液、(B2)アニオン性ポリマーの1質量%水溶液をそれぞれ調製した。これらの水溶液と、表に記載のその他成分、及び残量の水を、各成分が表に記載の配合量となるように混合した。具体的には、水、(B1)アニオン性ポリマー水溶液、、(B2)アニオン性ポリマー水溶液、及び塩の順に添加し、これらをペンシルミキサーで攪拌した。攪拌を継続しながら、カチオン性ポリマー(成分(A’))水溶液を徐々に添加し、水性組成物を得た。
得られた水性組成物を用いて、前記方法で評価を行った。結果を表2に示す。
表中に記載の成分は下記である。また表中に記載の配合量(質量%)は、各成分の有効量である。
<成分(A):カチオン性ポリマー>
*1 ポリクオタニウム-52(N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体)、花王(株)製「ソフケア KG-101W-E」
*2 ポリクオタニウム-52(N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体)、花王(株)製「ソフケア KG-301W」
*3 ポリクオタニウム-37(塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム重合体)、BASFジャパン(株)製「Cosmedia Ultragel 300」、一般式(1)で表される構成単位の含有量:100モル%
<成分(A’):成分(A)以外のカチオン性ポリマー>
*4 ポリクオタニウム-6(塩化ジメチルジアリルアンモニウム重合体)、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製「マーコート100」
*5 ポリクオタニウム-22(塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体液)、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製「マーコート 295」
<成分(B1):アニオン性ポリマー>
*6 アルギン酸ナトリウム、(株)キミカ製「キミカアルギンI-3-150」、Mw:190万~230万
*7 アルギン酸ナトリウム、(株)キミカ製「キミカアルギンIL-2」、Mw:50万~90万
*8 カルボキシメチルセルロース、第一工業製薬(株)製「セロゲン F-5」
*9 カルボキシビニルポリマー、Lubrizol Advanced Materials, Inc.製「カーボポール980」
<成分(B2):アニオン性ポリマー>
*10 (アクリル酸/アクリル酸ステアリル)コポリマー、花王(株)製「ソフケア SA-37W」
*11 ポリアクリル酸、東亜合成(株)製「ジュリマーAC-10L」
<成分(C):寒天>
*12 試薬WAKO寒天、富士フイルム和光純薬(株)製 ゼリー強度:400~600g/cm
<成分(D):ノニオン性ポリマー>
*13:ポリエチレングリコール、青木油脂工業(株)製「ブラウノン PEG-20000S」、Mw:2万
*14 ポリビニルピロリドン、BASFジャパン(株)製「ルビスコールK90」、Mw:120万
<その他成分>
*15 90%乳酸、PURAC Thailand Ltd.製「PURAC ULTRAPURE90」
表1~2に示すように、本実施例の水性組成物により処理した毛髪は絡まり難く、洗髪後にも処理効果が持続していることがわかる。
本発明によれば、処理対象物の質感向上効果及び該効果の持続性を向上させることができ、特に、毛髪処理に用いた際には毛髪の絡まり抑制効果及びその持続性を向上し得る身体用水性組成物を提供できる。
該水性組成物は、皮膚化粧料組成物、毛髪化粧料組成物等の各種化粧料組成物として用いることができる。また、該水性組成物を各種化粧料組成物のプレミックスとして用いることも可能である。例えば、該水性組成物に追加の成分を配合して、皮膚化粧料組成物又は毛髪化粧料組成物を調製することができる。

Claims (14)

  1. (A)1質量%水溶液の30℃における粘度が500mPa・s以上であるカチオン性ポリマー、(B)アニオン性ポリマー、(C)寒天、及び、水を含有する身体用水性組成物。
  2. 前記成分(A)が下記一般式(1)で表される構成単位を含むポリマーである、請求項1に記載の身体用水性組成物。

    式(1)中、Rは水素原子又はメチル基であり、R~Rはそれぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基である。Xは-O-又は-NH-であり、mは1以上4以下の数である。
  3. 前記身体用水性組成物中に含まれる前記成分(A)及び前記成分(B)の合計量に対する前記成分(C)の質量比[(C)/{(A)+(B)}]が0.01以上1.0以下である、請求項1又は2に記載の身体用水性組成物。
  4. 前記身体用水性組成物中に含まれる前記成分(B)に対する前記成分(A)の質量比[(A)/(B)]が1.0以上30以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の身体用水性組成物。
  5. 前記成分(B)が(B1)(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む架橋型重合体及びアニオン性多糖類からなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の身体用水性組成物。
  6. 前記成分(B1)がアルギン酸又はその塩である、請求項5に記載の身体用水性組成物。
  7. 前記成分(B)がさらに(B2)前記成分(B1)以外のアニオン性ポリマーを含む、請求項5又は6に記載の身体用水性組成物。
  8. 前記成分(B2)が分子量1,000以上30,000以下の、(メタ)アクリル酸由来の構成単位を含む非架橋型重合体である、請求項7に記載の身体用水性組成物。
  9. さらに(D)前記成分(C)以外のノニオン性ポリマーを含有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の身体用水性組成物。
  10. 前記成分(D)がポリアルキレングリコール又はその誘導体、及び、ビニルピロリドン由来の構成単位を含む重合体からなる群から選ばれる1種以上である、請求項9に記載の身体用水性組成物。
  11. 前記身体用水性組成物を水で20倍希釈した水溶液の25℃におけるpHが6.0以下である、請求項1~10のいずれか1項に記載の身体用水性組成物。
  12. 前記成分(A)が塩化メタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム重合体、及びN,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1~11のいずれか1項に記載の身体用水性組成物。
  13. 請求項1~12のいずれか1項に記載の身体用水性組成物を含む化粧料組成物。
  14. 請求項13に記載の化粧料組成物を毛髪に適用し、次いで、該毛髪を温度80℃以上に加熱する工程を有する、毛髪の処理方法。
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