JP2022163753A - 絶縁カバーの修復方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 絶縁カバーの損傷を素早く、かつ、簡単に修復することができる絶縁カバーの修復方法を提供する。【解決手段】 配電線の引き留め部や分岐部などを覆う配電線用絶縁カバー1の修復方法であって、前記絶縁カバー1に生じた隙間又は開口40から絶縁性の充填剤50を絶縁カバー1内に充填する。【選択図】図4
Description
この発明は、配電線の引き留め部や分岐部などを覆う配電線用絶縁カバーの損傷を簡単に修復することができる絶縁カバーの修復方法に関する。
電線、線路などの引き留め部や分岐部などを覆うクランクカバー、コネクタカバー、分岐カバーなど配電線用絶縁カバーが損傷した場合、充電部が露出してしまうことがある。充電部の露出は、引き留め部や分岐部などを覆う絶縁カバーのズレや、電線が通過する上でカバーの形状がそぐわないことなどが原因として挙げられる。
絶縁カバーに損傷が生じると、絶縁カバーに隙間、開口ができ、その隙間などから絶縁カバー内にスズメ等が侵入して営巣することがある。スズメ等による営巣が発見、確認された場合は、その都度撤去をすることになるが、卵や雛の撤去には各自治体・市町村への申請が必要であり手続的にも大変面倒なことになる。さらには、スズメ等が営巣すると、それを狙った蛇が充電部に接触し停電するという、新たな問題も生じる。
そして、高圧充電電路が露出することで、様々な停電の原因となるため、従来、補修用カバーや絶縁テープを巻き付けて絶縁カバーの損傷部を覆うことで改修が行われている。
近年、絶縁カバーの空間を小さくして営巣できるスペースをなくしたり、内部空間に充填剤があらかじめ充填されたものもあり、絶縁カバーが損傷しても営巣できないようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の絶縁カバーにあっては、設置当初から絶縁カバー内に充填剤などを封入したものであり、既に、設置されている既存の絶縁カバーを修復するものではなく、従来、絶縁カバーが損傷した場合は、上述のように、絶縁テープなどを損傷した絶縁カバーに巻き付けるしかなかった。
このような絶縁カバーの補修は、高所に登り、かつ、絶縁テープを巻き付けなければならず、その作業には、時間と手間がかかり、停電時間が延びてしまうという問題がある。
そこでこの発明は、絶縁カバーの損傷を素早く、かつ、簡単に修復することができる絶縁カバーの修復方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、配電線の引き留め部や分岐部などを覆う配電線用絶縁カバーの修復方法であって、前記絶縁カバーに生じた隙間又は開口から絶縁性の充填剤を絶縁カバー内に充填する、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、配電線の引き留め部や分岐部などを覆う配電線用絶縁カバーの修復方法であって、前記絶縁カバーに注入孔を形成し、前記注入孔から絶縁性の充填剤を絶縁カバー内に充填する、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の絶縁カバーの修復方法において、前記充填剤を充填する前記絶縁カバーの外形を保つために外形保持手段を前記絶縁カバーに取着した、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の絶縁カバーの修復方法において、前記外形保持手段が絶縁テープであって、前記絶縁テープを前記絶縁カバーの外周に巻き付けた、ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、絶縁性の充填剤を絶縁カバー内に充填したので、絶縁カバー内の空間が充填剤で充填され、よって、絶縁カバー内にスズメなどの侵入や営巣を防止することができ、また、そのための作業はスプレーや充填ガンにより行うことができ極めて簡単であり、短時間での作業を可能とする。
請求項2に記載の発明によれば、充填剤の注入孔を形成することで、損傷までに至っていない絶縁カバーであっても、予め絶縁カバー内に充填剤を充填することができ、よって、絶縁カバー内にスズメなどの侵入や営巣を防止することができ、そのための作業はスプレーや充填ガンにより行うことができ極めて簡単であり、短時間での作業を可能とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記絶縁カバーの外形を保つための外形保持手段を絶縁カバーに取着したので、前記充填剤を充填した後、前記絶縁カバーの外形を保つことができ、絶縁カバーの延命に貢献する。
請求項4に記載の発明によれば、絶縁カバーに絶縁テープを巻き付けるだけなので比較的簡単な方法で、絶縁カバーの外形を保持することができる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1~図5は、この実施の形態1に係る絶縁カバーの修復方法の対象となる絶縁カバーの一例としての高圧引留クランプカバー1を示し、図1はその正面図、図2はその平面図、図3はその右側面図である。この高圧引留クランプカバー1は難燃性の樹脂製で、電柱に架設されている高圧電線(配電線)の引き留め部に取り付けられている高圧引留クランプ(図示せず)を絶縁カバーするものである。
(実施の形態1)
図1~図5は、この実施の形態1に係る絶縁カバーの修復方法の対象となる絶縁カバーの一例としての高圧引留クランプカバー1を示し、図1はその正面図、図2はその平面図、図3はその右側面図である。この高圧引留クランプカバー1は難燃性の樹脂製で、電柱に架設されている高圧電線(配電線)の引き留め部に取り付けられている高圧引留クランプ(図示せず)を絶縁カバーするものである。
高圧引留クランプカバー1は、半容器状の第1キャップ2と第2キャップ3とを備え、第1キャップ2と第2キャップ3とがヒンジ4を介して開閉自在に接続されている。そして、第1キャップ2と第2キャップ3とを合わせ閉じた状態で、高圧引留クランプと高圧電線およびジャンパー線(配電線)の端部とを覆う収容室1aと、高圧引留クランプの先端側(碍子)を出させるためのクランプ口1bと、高圧電線L1およびジャンパー線L2を通すための第1電線口1cおよび第2電線口1dが形成されるようになっている。また、第1キャップ2と第2キャップ3との自由端部(図1、図2下側端)には、それぞれ板状の把持部21、31が形成され、この把持部21、31を把持して第1キャップ2と第2キャップ3とを開閉できるようになっている。
さらに、第1キャップ2と第2キャップ3との自由端部には、把持部21、31の両外側(クランプ口1bおよび第1電線口1c側)に、それぞれ圧入板22と被圧入板32とが形成されている。
圧入板22に系止ピンが、被圧入板32に系合孔がそれぞれ形成され、圧入板22を被圧入板32に合わせたときに系止ピンが系合孔に嵌合して、第1キャップ2と第2キャップ3とが接続される。
このように形成され、設置された高圧引留クランプカバー1は、経年変化など種々の原因により、第1キャップ2と第2キャップ3との合わせ部に隙間ができたり、損傷して開口が生じたりすることがある。
図4は、開口40ができた高圧引留クランプカバー1を示す側面図である。
開口40ができた高圧引留クランプカバー1に、この開口40から充填剤50を注入する。充填剤としては、例えば、発泡ウレタン50を用いる。
これにより、高圧引留クランプカバー1内の空間(収容室1a)には発泡ウレタン50が充填され、さらに発泡ウレタン50が硬化することで、スズメなどの侵入、営巣を防止することができる。
発泡ウレタン50は、スプレー缶タイプのものを使用し、発泡ウレタン50は比較的軽量であるため充填後の電線への負荷も少なく、また、泡状であるため高圧引留クランプカバー1の空間(収容室1a)の隅々まで充填可能である。
次に、発泡ウレタン50を充填後、高圧引留クランプカバー1の外形を保持するために絶縁テープ51を巻き付ける。
この絶縁テープ51は既に高圧引留クランプカバー1内を発泡ウレタン50で充填しているため、開口40を塞ぐ必要はなく、少ない巻き数で充分である。なお、絶縁テープ51に限らず、バンドなどの帯体で高圧引留クランプカバー1の外形を保持するようにしても良い。
絶縁性の充填剤50としては、発泡ウレタンのほか、シリコン系、アクリル系などのシーリング材(コーキング剤)などでも良く、この場合、シーリングガン(コーキングガン)などにより充填することになり、高圧引留クランプカバー1の内圧が比較的高くなることが予想されるため、上述の外形保持手段51は充填剤50の充填前に取着しておくことが好ましい。
以上のように、実施の形態1の絶縁カバーの修復方法によれば、開口40が生じてしまった高圧引留クランプカバー1内に充填剤50を充填したので、開口40からスズメなどの侵入、営巣の防止ができ、よって停電などの事故を未然に防止することができる。
また、高圧引留クランプカバー1に絶縁テープ51を巻き付けたので、高圧引留クランプカバー1の外形を保持することでき、高圧引留クランプカバー1の寿命を延ばすことができる。
なお、実施の形態1にあっては、高圧引留クランプカバー1に充填剤50を充填した後、外形保持手段51を絶縁カバー1に取着するようにしたが、充填前に外形保持手段51を絶縁カバー1に取着しても良い。充填剤50の充填時に内部圧力が高くなる場合には、充填前に外形保持手段51を絶縁カバー1に取着しておくことで、絶縁カバー1自体の破損を防止することができる。
(実施の形態2)
この実施の形態2に係る絶縁カバーの修復方法は、経年変化などによる高圧引留クランプカバー1Aの隙間、開口などが生じていない場合の絶縁カバーの修復方法である。
(実施の形態2)
この実施の形態2に係る絶縁カバーの修復方法は、経年変化などによる高圧引留クランプカバー1Aの隙間、開口などが生じていない場合の絶縁カバーの修復方法である。
この実施の形態2にあっては、上記実施の形態1と同様に高圧引留クランプカバー1Aの修復について適用したもので、実施の形態1と相違するところは、高圧引留クランプカバー1Aに充填剤50を注入するための注入孔40Aを形成する点である。従って、実施の形態1と同等の他の構成については、同一符号を付することでその説明を省略する。
隙間や開口が生じていないが既設の高圧引留クランプカバー1Aにあっては、将来的に隙間や開口が生じ、内部にスズメなどによる営巣が懸念され、そのため、予め対策を講じておくことが有効である。
そこで、まず、高圧引留クランプカバー1Aの適宜な位置に注入孔40Aを形成する。注入孔40Aは、高圧引留クランプカバー1Aのできるだけ上部に設けることが好ましい。充填された充填剤50が高圧引留クランプカバー1A内部の全体に行渡らせるためである。
次に高圧引留クランプカバー1Aの注入孔40Aから内部に充填剤50を注入する。
注入孔40Aは、上記実施の形態1のように、スプレー缶タイプの充填剤50を充填する場合には、比較的小さなものであっても良いが、上述したシーリングガンを用いて充填する充填剤50の場合は、そのシーリング材のノズルの大きさに合わせて形成する。
なお、形成する注入孔40Aの数は1つに限らず、高圧引留クランプカバー1Aの内部空間の形状により行渡りにくい箇所がある場合には複数、設けるようにしても良い。
以上のように、実施の形態2の絶縁カバーの修復方法によれば、経年変化などによる隙間や開口が生じていない高圧引留クランプカバー1Aであっても、予め充填剤50を内部に充填することができ、将来、隙間や開口の発生を抑制するとともに、スズメなどの侵入や営巣を防止することで、停電などの事故を防ぐことができる。
以上、この発明の各実施の形態について説明したが、具体的な構成は、本実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記のような高圧引留クランプカバー1に限らず、高圧電線L1の分岐部を絶縁カバーする高圧分岐クランプカバーなどにおいて隙間や開口の発生、あるいは、注入孔を形成して充填剤を充填するようにしてもよい。
1 高圧引留クランプカバー(絶縁カバー)
40 開口
50 充填剤(発泡ウレタン)
51 絶縁テープ
40 開口
50 充填剤(発泡ウレタン)
51 絶縁テープ
Claims (4)
- 配電線の引き留め部や分岐部などを覆う配電線用絶縁カバーの修復方法であって、
前記絶縁カバーに生じた隙間又は開口から絶縁性の充填剤を絶縁カバー内に充填する、
ことを特徴とする絶縁カバーの修復方法。 - 配電線の引き留め部や分岐部などを覆う配電線用絶縁カバーの修復方法であって、
前記絶縁カバーに注入孔を形成し、前記注入孔から絶縁性の充填剤を絶縁カバー内に充填する、
ことを特徴とする絶縁カバーの修復方法。 - 前記絶縁カバーの外形を保つために外形保持手段を前記絶縁カバーに取着した、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の絶縁カバーの修復方法。 - 前記外形保持手段が絶縁テープであって、前記絶縁テープを前記絶縁カバーの外周に巻き付けた、
ことを特徴とする請求項3に記載の絶縁カバーの修復方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021068779A JP2022163753A (ja) | 2021-04-15 | 2021-04-15 | 絶縁カバーの修復方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=83742571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021068779A Pending JP2022163753A (ja) | 2021-04-15 | 2021-04-15 | 絶縁カバーの修復方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022163753A (ja) |
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2021
- 2021-04-15 JP JP2021068779A patent/JP2022163753A/ja active Pending
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