JP2022163603A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録装置に備えられるワイピング機構において、ワイパーの適切な当接圧を簡易な構成で実現し、かつ安定したワイピング動作を長期的に維持可能にする。【解決手段】液体を吐出するノズルが形成された吐出面311を有する液体吐出ヘッド3と、吐出面311と当接するワイパー部材123を有し、液体吐出ヘッド3に対して相対的に移動して吐出面311をクリーニングするクリーニング部12と、を備える液体吐出装置1において、ワイパー部材123は、吐出面311から受ける力が所定の大きさを超えると座屈変形を生じる座屈変形領域128を有することを特徴とする。【選択図】図11

Description

本発明は、インク等の液体を用いて記録媒体に画像の記録を行う記録装置に備えられる液体吐出装置に関し、特に、液体の吐出面をワイパー部材で払拭するワイピング機構を備えた液体吐出装置に関する。
インクジェットプリンタに代表される液体吐出方式の記録装置に備えられる記録ヘッド(液体吐出ヘッド)の吐出面には、所定ピッチで並べられた複数の吐出口(ノズル)からなる吐出口列(ノズル列)が形成されている。画像記録のためにインク吐出を継続していくと、飛翔インクから生ずるインクミストや、着弾時に記録媒体から跳ね返るインクなどが吐出面に付着し、付着インクが蓄積する「濡れ」の現象を生じることがある。この濡れに起因した、インク吐出機能の低下や記録画像の劣化などの不具合を防止するために、吐出面に撥水処理を施すことにより、付着しようとするインクを弾いて濡れを防止する方法が取られている。また、撥水処理だけで濡れを完全に防止できない場合には、吐出面のクリーニングを行うことが必要である。吐出面のクリーニングに関して、ワイパー部の先端を記録ヘッドに当接させた後、ワイパー部材を記録ヘッドに対して相対的に移動させることによって、吐出面に付着したインクや塵埃等の異物を除去する技術が知られる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、記録装置においては、各種部品の寸法誤差や部品の組み付け誤差により、記録ヘッドの吐出面に対するワイパー部の先端の位置が変化する場合がある。その結果、特許文献1に記載の記録装置では、ワイパー部材の撓みが変化するのでワイパー先端が吐出面に当接する際の力が変化し、力が大きくなる位置の場合では吐出面の撥水処理がワイパーで削り落とされて濡れが発生し易くなる問題があった。このような問題に対して、ワイパー部材を記録ヘッドの吐出面へ向けて付勢する付勢部材とワイパー部材の移動方向を規制するガイド部材とローラ部材を有するクリーニングユニットを備えた記録装置が知られる(例えば、特許文献2参照)。すなわち、ワイパー部材を、その先端が所定の力で記録ヘッドの吐出面に当接するように、付勢部材の付勢力により上下方向に移動可能とし、吐出面に対する位置誤差を吸収可能に構成した記録装置である。
特開2005-153183号公報 特開2014-196001号公報
しかしながら、特許文献2に記載の記録装置は、ローラ部材の回転部や、ローラ部材とガイド部材との接触部等の、可動/接触機構を多用した構成となっている。そのため、インクミストや着弾時に跳ね返ったインク等が機構部に付着して乾燥すると、可動/接触機構の動きが悪くなり、その結果、ワイパー部材の先端が吐出面に当接する際の力が大きくなってしまう場合がある。すなわち、安定したワイピング動作を長期的に維持することが困難である。
本発明は、記録装置に備えられるワイピング機構において、ワイパーの適切な当接圧を簡易な構成で実現し、かつ安定したワイピング動作を長期的に維持可能にする技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の液体吐出装置は、
液体を吐出するノズルが形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、
前記吐出面と当接するワイパー部材を有し、前記液体吐出ヘッドに対して第1方向に相対的に移動して前記吐出面をクリーニングするクリーニング部と、
を備える液体吐出装置において、
前記ワイパー部材は、前記吐出面から受ける力が所定の大きさを超えると座屈変形を生じる座屈変形領域を有することを特徴とする。
本発明によれば、記録装置に備えられるワイピング機構において、ワイパーの適切な当接圧を簡易な構成で実現し、かつ安定したワイピング動作を長期的に維持することが可能となる。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の模式的斜視図である。 記録ヘッド及びインクタンクの構成説明図である。 記録ヘッドの模式的分解斜視図である。 記録ヘッドの模式的斜視図である。 記録ヘッドとワイパー部材の位置関係の説明図である。 比較例1のワイパー部材の構成説明図である。 本発明の実施形態のワイパーの模式的斜視図である。 本発明の実施形態のワイパーの構成説明図である。 ワイパーの吐出面に対する押付け力の比較説明図である。 ワイピング動作中の座屈変形領域128周辺の模式的拡大図である。 本発明の実施形態のワイパー部材の構成説明図である。 座屈変形領域128の変形状態の説明図である。 比較例2のワイパーの構成説明図である。 座屈変形領域128の断面形状例の説明図である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
<実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録方式を用いたプリンタであるインクジェット記録装置1(以下、記録装置1)の模式的斜視図である。記録装置1は、記録媒体(記録材)に向けて液体としてのインクを吐出することで記録媒体に所望の画像を形成、記録する液体噴射式の画像記録装置である。なお、画像記録装置のうち液体吐出を行う構成部分を指して液体吐出装置と呼ぶ場合がある。
図1に示すように、記録ヘッド3は、キャリッジ2に搭載されており、キャリッジ2は、ガイドシャフト13に沿って往復移動可能に案内支持されている。記録ヘッド3には、該記録ヘッド3へインクを供給するためのインクタンク6が装着されている。キャリッジ2は、両側のプーリに掛け回しされたタイミングベルト7に連結されており、キャリッジモータM1により不図示の伝動機構及びタイミングベルト7を介して両矢印A方向に往復
駆動される。記録装置1の背面側に装着された給紙機構には、記録紙等のシート状の記録媒体(記録材)Pが積載されている。給紙機構から1枚ずつ分離されて給送される記録媒体Pは、搬送ローラ14及びこれに圧接されて従動回転するピンチローラ15によって、記録ヘッド3と対向する画像記録位置へX軸方向(搬送方向)に沿って搬送される。ピンチローラ15は、ピンチローラホルダ16により、搬送ローラ14に対し弾性力で圧接するように支持されている。また、搬送ローラ14の軸部には搬送ローラギア17が固定されており、搬送ローラ14は搬送モータM2により搬送ローラギア17を介して回転駆動される。
画像記録位置で紙送りされる記録媒体は、プラテンにより、記録ヘッド3の吐出面(吐出口が形成されたフェイス面)311、315(図3~図5等参照)との間に所定の隙間(インク滴の飛翔空間)が形成されるように支持されている。画像記録位置に搬送された記録媒体に対しては、キャリッジ2とともに移動する記録ヘッド3の吐出口から画像情報に基づいてインクを吐出することで1ライン分の記録が行われる。1ライン分の記録を終了すると、記録媒体を所定ピッチだけ搬送する紙送りの後、次のラインの記録が行われる。こうして、1ライン分の記録と所定ピッチの紙送りを交互に繰り返すことにより、画像データに基づき記録媒体全体の記録が行われる。キャリッジ2の位置は、ガイドシャフト13と平行に張架されたエンコーダスケール8を該キャリッジ2上に搭載されたエンコーダセンサで読み取ることにより検知される。エンコーダスケール8としては、例えば透明なPETフィルムに所定ピッチの黒色バーを印刷したものが使用され、その一方の端部は直接シャーシ9に連結され、他方の端部は不図示の板ばねを介してシャーシに連結されている。記録された記録媒体Pは、搬送ローラ14と同期駆動される排紙ローラ19及びこれに圧接されて従動回転する拍車ローラ21によって、装置本体外へ搬送(排出)される。拍車ローラ21を拍車ホルダ22に回転自在に支持されている。
キャリッジ2と記録ヘッド3は、それらの互いに対向する接合面を接触させることにより、所定の電気接触が得られるように構成されている。キャリッジ2には、不図示のフレキシブルケーブルを介して電気接続された回路基板が設けられている。そこで、装置本体の制御回路からの画像信号に応じたパルス電圧を記録ヘッド3に印加することで、複数の吐出口から選択的にインクを吐出して画像を形成することができる。さらに、記録装置1では、キャリッジ2の移動範囲であって記録領域を外れた位置に、記録ヘッド3のインク吐出性能を維持するとともに記録画像の画質低下を防止するための回復装置(回復ユニット)10が配されている。上記記録領域を外れた位置は、通常、記録ヘッド3のホームポジションに選定される。
回復装置10には、キャッピング手段11、ワイピング機構12が設けられている。その他、回復装置10には、不図示のワイパークリーニング手段、吸引ポンプなどが設けられていてもよい。キャッピング手段11は、記録ヘッド3の吐出面311、315にキャップを密着させて吐出口を覆うための手段である。ワイピング機構12は、記録ヘッド3の吐出面311、315にワイパーを摺接して吐出面を払拭(拭き取り清掃)するための機構である。ワイパークリーニング手段は、ワイピング機構12のワイパーに付着した異物を除去するための手段である。吸引ポンプは、キャップに接続されており、吐出口からインクを吸引する吸引回復あるいはキャップ内のインクを回収する空吸引などを行う手段である。
回復装置10は、モータM3の駆動により、クリーニング部としてのワイピング機構12を、矢印F方向(ワイピング方向)と矢印B方向(戻り方向)に往復移動させる。
図2は、記録ヘッド3及びインクタンク6の構成を説明する模式的斜視図であり、(a)は記録ヘッド3にインクタンク6を装着した状態、(b)は記録ヘッド3からインクタ
ンク6を取り外した状態をそれぞれ示す。図3は、記録ヘッド3の模式的分解斜視図であり、記録ヘッド3を斜め下方から見た図である。図4は、記録ヘッド3およびインクタンク6を斜め下方から見た模式的斜視図である。
記録ヘッド3は、往復移動可能なキャリッジ2上に、位置決め手段及び電気的接点により着脱可能に固定支持された状態で搭載されている。図2~図4に示すように、記録ヘッド3にはインクタンク6が着脱可能に装着されており、記録ヘッド3及びインクタンク6によってインクジェットカートリッジが構成されている。インクタンク6は、個別に交換可能な複数(4個)のインクタンク61、62、63、64のインクタンク群で構成されており、これらのインクタンクにはそれぞれ異なるインクが収容されている。本実施形態におけるインクタンク61、62、63、64には、それぞれ、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクが収容されている。
記録ヘッド3は、液体吐出構成の一例として、例えば、電気熱変換体により発生させた熱エネルギーを利用してインクを吐出する構成としてよい。すなわち、記録ヘッド3は、電気熱変換体から発生する熱エネルギーによって流路中のインクに膜沸騰を生じさせ、インク中の気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して吐出口からインクを吐出させる構成とすることができる。この電気熱変換体は、複数の吐出口のそれぞれに対応して設けられている。
記録ヘッド3は、図3に示すように、吐出素子ユニット31、インク供給ユニット32及びタンクホルダ33から構成される。そして、吐出素子ユニット31をビス34によりインク供給ユニット32に結合し、これをタンクホルダ33と結合することにより図4の状態に組み立てられる。吐出素子ユニット31及びインク供給ユニット32のインク連通口からのインク漏れを防ぐため、両者はジョイントシール部材35を介してビス34で締結される。吐出素子ユニット31は、TABフィルム等からなるフレキシブル配線基板37を介して電気接続基板36と電気接続されている。さらに、電気接続基板36は、インク供給ユニット32の一側面に位置決め固定される。そして、インク供給ユニット32をタンクホルダ33に嵌合結合することにより記録ヘッド3が組み立てられる。
吐出素子ユニット31には、ブラックインクを吐出する第1の吐出面311と、カラーインクを吐出する第2の吐出面315が設けられている。ブラックの吐出面311には、インクタンク61から供給されるブラックインクを吐出するための、複数の吐出口により構成されるノズル列が配されている。カラーの吐出面315には、シアンのノズル列312とマゼンタのノズル列313とイエローのノズル列314が一体に設けられている。シアンのノズル列312には、インクタンク62から供給されたシアンインクを吐出するノズルが配されている。マゼンタのノズル列313には、インクタンク63から供給されたマゼンタインクを吐出するノズルが配されている。イエローのノズル列314には、インクタンク64から供給されたイエローインクを吐出するノズルが配されている。各ノズル列は、互いに平行に、一定の順番となるように設けられている。また、ブラックの第1の吐出面311と、各色カラーのノズル列312、313、314からなる第2の吐出面315とは、ワイパー123、124(図5参照)の払拭方向(矢印Fで示されるワイピング方向)と交差(本実施形態では直交)する方向に所定間隔をおいて配置されている。
吐出面311、315の各吐出口列(ノズル列)は、複数の吐出口を所定ピッチで配列して構成されており、各吐出口内に電気熱変換素子と発泡室が設けられている。各吐出口に通じる流路に供給されたインクは、電気熱変換素子により付与される熱エネルギーによって膜沸騰し、そのときに生じる圧力によりインク滴として吐出される。
記録ヘッド(液体吐出ヘッド)の吐出面には、所定ピッチで並べられた複数の吐出口か
らなる吐出口列が形成されており、本実施形態のようなカラー記録装置においては複数色のインクを用いるため、吐出面に複数の吐出口列が形成される。上述したように、画像記録のためにインク吐出を継続していくと、飛翔インクから生ずるインクミストや、着弾時に記録媒体から跳ね返るインクなどが吐出面に付着し、付着インクが蓄積する「濡れ」の現象を生じることがある。この濡れが吐出口付近に発生した場合には、濡れインクが吐出口内のインクと繋がったり、複数の吐出口間で濡れインクのつながりが生じたりする。また、紙粉やごみなどの異物が濡れを介して吐出面に付着し、吐出口に目詰まりが生じることもある。このような現象が発生すると、吐出口から吐出されるインク滴が濡れによって引っ張られ、インク滴の飛翔に変化が生じてしまう。その結果、インクの吐出方向が曲げられたり、インク滴の大きさにばらつきが生じたり、更には吐出不能になるなどの不具合が生じ、形成画像が劣化することがある。そのような不具合を防止すべく、各吐出面をクリーニング(拭き取り清掃)するためのワイピング機構が回復装置に設けられる。
図5は、回復装置10に設けられたワイピング機構12の構成説明図であり、(a)はホームポジションにある記録ヘッド3とワイピング機構12との配置関係を示す側面図、(b)はワイパーと記録ヘッド3の各吐出面との位置関係を装置下方から見た図である。なお、図5(b)においては、図右側が記録領域であり、矢印Fで示すワイピング方向は、記録媒体の搬送方向(X軸方向)と同じ方向である。ワイピング機構12は、記録ヘッド3のブラックの吐出面311にブラック用ワイパー123を、カラーの吐出面315にカラー用ワイパー124を、それぞれ摺接し、各吐出面をクリーニング(拭き取り清掃)するための機構である。
図6~図13を参照し、本実施形態の特徴的な構成を有するワイパー部材として、ブラック用ワイパー123について説明する。カラー用ワイパー124については、ブラック用ワイパー123と同様の構成のため説明を省略する。
図6は、比較例1のワイピング機構の説明図であり、(a)は比較例1のワイパー223が吐出面311に接触していない非清掃時の様子を示す模式図、(b)はワイパー223が吐出面311に接触した清掃時の様子を示す模式図である。比較例1のワイピング機構12において、ワイパー223は、基端部がワイパー支持部材121に固定されており、ワイパー支持部材121は、ワイピング機構12の内部に固定されている。
図6(a)に示すように、ワイパー223は、その先端125と吐出面311とのオーバーラップ量(吐出面への侵入量)127が所定量となるように、基端部がワイパー支持部材121に固定される。すなわち、ワイパー223は、記録ヘッド3と当接していない非当接状態において、先端125を含む先端側が、ワイピング機構12と記録ヘッド3との間の相対移動における記録ヘッド3の移動軌跡と重なるように配置される。
図6(b)に示すように、ワイピング機構12は、ワイパー223の先端125が記録ヘッド3に当接した後に、複数の吐出口310が開口する吐出面311に沿うワイパー方向Fに移動する。この際、ワイパー223は撓むことで先端125が吐出面311と同じ高さとなる。ワイパー223は、先端125がワイパー223の撓みの反発力により吐出面311にほぼ一定の力で押付けられた状態で、ワイパー方向Fに移動して吐出面311をクリーニングする。
比較例1のワイパー223は、ブレード状の弾性材で形成された略板状部材であり、弾性変形領域129だけで構成されたワイパー部材である。比較例1のワイパー223において、各種部品の寸法誤差や組み付け誤差などによりオーバーラップ量127が増加した場合、ワイパー223の先端125が吐出面311に押付けられる力はオーバーラップ量127の増加に対応して増加する。
これに対し、本実施形態のワイパー123は、オーバーラップ量127の増加により吐出面311に対して作用する押付力の増加を低減することができる構成を有している。
図7は、本実施形態のワイパー123の概略構成を示す模式的斜視図である。ワイパー123は、ブレード状の弾性材で形成された全体略板状の部材である。本実施形態のワイパー123は、弾性変形領域129と座屈変形領域128を設けた構成となっている。本実施形態のワイパー123は、座屈変形領域128の断面形状を調整することで、オーバーラップ量127が増加した場合にワイパー123の撓みの大部分が領域128の座屈変形に置き換わり、力の増加割合が減少する、又は力が減少する構成である。
ワイパー123は、ワイパー支持部材121に固定される固定部126と、吐出面311と当接する当接部を含む弾性変形領域129と、固定部126と弾性変形領域129との間に設けられた座屈変形領域128と、を含む。ワイパー支持部材121は、ワイピング機構12に固定されており、ワイピング機構12の記録ヘッド3に対するX軸方向の相対移動にともなって移動し、ワイパー123を記録ヘッド3(記録面311)に対してX軸方向に相対移動させる(図5参照)。ワイパー123のX軸方向の移動のうちの一方の移動方向が、ワイピング方向Fであり、その逆の他方の移動方向が、戻り方向Bとなる。ワイパー123は、固定部126から弾性変形領域129の先端125にかけて、第1方向としてのX軸方向と直交する第2方向としてのZ軸方向に延びるようにワイパー支持部材121に固定される。比較例1のワイパー223と同様、ワイパー123は、吐出面311と当接していない非当接状態において、先端125を含む先端側が、ワイピング機構12と記録ヘッド3との間の相対移動における記録ヘッド3の移動軌跡と重なるように配置される。
なお、本実施例では、第2方向がX軸方向と直交する方向となる構成例を示すが、必ずしもX軸方向に直交する方向である必要はない。吐出面311に対して適切に当接して所望のワイピング効果が得られる範囲において、X軸方向と直交する方向に対して角度を有する、X軸方向に対して交差する方向を第2方向としてよい。
座屈変形領域128は、ワイパー123において、第1弾性変形領域としての弾性変形領域129と、第2弾性変形領域としての固定部126と、の間を、第3方向としてのY軸方向に帯状に延びるように設けられている。座屈変形領域128は、Y軸に垂直な断面(X軸及びZ軸に沿った断面)において、X軸方向の幅が、弾性変形領域129や固定部126よりも狭く、かつ該断面のX軸方向の位置がY軸方向の位置によって変化する(異なる)ように構成されている。座屈変形領域128の該断面の変化は、Y軸方向に向かって規則的、周期的な変化となっており、座屈変形領域128の外形形状としては、弾性変形領域129や固定部126のような平坦な外面に対し、Y軸方向に規則的な肉抜き形状の外面を有するものとなる。ワイパー123は、弾性変形領域129(第1弾性変形領域)と、座屈変形領域128と、固定部126(第2弾性変形領域)と、がそれぞれ同一材料の一体的な部材として構成される。
ワイパー支持部材121は、ワイパー123の固定部126をX軸方向に挟持することで、ワイパー123をワイピング機構12に対して固定する。ワイパー支持部材121は、固定部126に対して、X軸方向の一方の側に位置する第1支持部材121aと、X軸方向の他方の側に位置する第2支持部材121bと、を含む。ワイパー123の固定部126には、X軸方向に貫通する貫通孔126cが複数設けられている。固定部126は、第1支持部材121aと第2支持部材121bの対向面間に挟まれるとともに、第1支持部材121aと第2支持部材121bのうちの一方に設けられた抜け止め突起126cが、貫通孔126cを介して、他方に設けられた窪みに挿通される。抜け止め突起126c
による抜け止め部は、Y軸方向に複数個所設けられる。これにより、ワイパー123は、ワイパー支持部材121に対して、Y軸方向に対する傾きを生じることなく抜け止め固定されることになる。
比較例1のワイパー223のワイパー支持部材121に対する固定も、本実施形態のワイパー123と同様である。なお、ここで示したワイパー123のワイパー支持部材121に対する固定方法はあくまで一例であり、当該構成に限定されるものではない。
図8は、本実施形態のワイパー123の構成説明図である。ワイパー123の構成例の一例として、本実施形態では、ワイパーの材料を硬度35のEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)として、オーバーラップ量を0.8±0.6mmの範囲で増減させた。その他の寸法関係について、図8(a)に示す。また、ワイパー123において形状を調整していない弾性変形領域129の断面Aを図8(b)、形状を調整した座屈変形領域128の断面Bを図8(c)に示す。
図9は、ワイパーの各種寸法関係を上記条件として、クリーニング中にワイパーが吐出面に押付けられた力を垂直反力として評価した実験結果を示す。図9は、比較例1の形態(Ref)及び本実施形態において、オーバーラップ水準をMin/Typ/Maxと変化させた場合の、ワイパーが吐出面に押付けられる力を比較して示すグラフである。すなわち、ワイパーの吐出面に対する吐出面に垂直な方向における位置関係を変化させた場合の、ワイパーから吐出面に対して作用する力の変化を示している。
なお、図6(a)、図8(a)に示すように、比較例1のワイパー223と本実施形態のワイパー123は、非当接状態においてY軸方向に投影した外形形状(輪郭形状)が互いに略同一であり、その外形形状は、いずれもZ軸方向に長尺の矩形形状となる。
弾性変形領域129だけで構成される比較例1のワイパー223の形態(Ref)では、オーバーラップ量がTyp(0.8mm)を基準として、Min(0.2mm)では反力が-14%、Max(1.4mm)では反力が+9%変化している。一方で座屈変形領域128を加えた構成の本実施形態のワイパー123では、Minでは反力が-5%、Maxでは反力が-2%変化している。すなわち、オーバーラップ量が増加した場合(Min→Typ)に力の増加割合が減少し、さらにオーバーラップ量が増加した場合(Typ→Max)には力が減少することが確認できた。
図10~図13を参照して、本実施形態のワイパー123における座屈変形について説明する。図10は、ワイピング動作中の座屈変形領域128周辺の模式的拡大図である。図11は、本実施形態のワイパー123の構成説明図である。図11(a)はワイパー123が吐出面311に接触していない非清掃時の様子を示す模式図であり、図11(b)はワイパー123が吐出面311に接触した清掃時の様子を示す模式図である。図11(c)は、ワイピング動作前の段階における図10に示す座屈変形領域128中央の断面図であり、図11(d)は、ワイピング動作中の段階における図10に示す座屈変形領域128中央の断面図である。図12は、座屈変形領域128をワイパー支持部材121近傍に配置した場合の本実施形態のワイパー123のワイピング動作中における変形状態を示す模式図である。図12(a)は全体構成、図12(b)は図12(a)の断面C、図12(c)は図12(a)の断面D、図12(d)は図12(a)の断面Eを示す。図13は、座屈変形領域128をワイパー支持部材121から離れた位置に配置した場合の本実施形態の比較例2のワイパー323のワイピング動作中における変形状態を示す模式図である。
比較例1のワイパー223を曲げた場合、図10に示す本実施形態のワイパー123の
状態と同様に、曲げ内側が圧縮状態、曲げ外側が引張状態となり応力の分布が生じる。この際、ゴムに代表されるワイパー材料は、非圧縮性材料であり、圧縮/引張による体積変化は殆ど発生しない特性があるので、ワイパーの断面形状はほぼ不変であり、ワイパーの曲げ剛性に増減は生じない。そのため、オーバーラップ量の増減に対応する様に反力が増減する結果となった。
一方、本実施形態のワイパー123を曲げた場合も、図10に示すように、比較例1のワイパー223と同様、曲げ内側が圧縮状態、曲げ外側が引張状態となり応力の分布が生じる。すなわち、弾性変形領域129の断面形状には、比較例1の形態と同様に大きな変形が生じる余地は無い。しかしながら、座屈変形領域128の断面形状には、応力分布を緩和する方向に変化する余地がある。したがって、各種部品の寸法誤差や組み付け誤差などによりオーバーラップ量が増えた場合は、座屈変形領域128において、図11(c)に示すような応力を緩和する方向の変形が生じ、図11(d)に示すような形状へと変化する。具体的には、圧縮状態は引張状態が主体の方向へ(曲げ内側が外側へ)、引張状態は圧縮状態が主体の方向へ(曲げ外側が内側へ)と応力を緩和する方向へ変形する。この結果、ワイパー123の座屈変形領域128において、つづら折り状の断面形状の折れ角度が拡大(折れ具合が低減)して直線形状に近づくことで曲げ剛性が減少して歪みが集中する(図11(d))。これにより、ワイパー123の撓みの大部分が、座屈変形領域128の座屈変形に置き換わる(座屈変形によって吸収される)。よって、ワイパー123が吐出面311に押付けられる力の増加割合が減少する、又は力が減少する。
図12(a)に示すように、座屈変形領域128は、座屈変形が生じると、ワイパー123の延びる方向(略Z軸方向)における略中央部分を起点に折れ曲がったような態様となる。すなわち、ワイパー延び方向における座屈変形領域128の略中央部分(断面D)が、該延び方向における両端部付近、すなわち、弾性変形領域129との境界付近(断面C)と固定部126との境界付近(断面E)に対し、X軸方向の断面幅が相対的に狭くなる。図12(b)、(c)、(d)に示すように、Z軸に垂直な断面において、略中央部分(断面D)が、該方向の両端部(断面Cと断面E)に対して、つづら折り状の断面形状の折れ角度が拡大(折れ具合が低減)し、Y軸方向に延びる略直線形状となる。また、略直線形状の略中央部分(断面D)は、X軸方向において曲げ内側Gから離れた曲げ外側Fに近い位置となる。
座屈変形領域128の寸法と、座屈変形との関係について説明する。座屈変形領域128の長さ(オーバーラップ方向の寸法)は、ワイパー123が吐出面311に押付けられる力の増減に影響する。これは、座屈変形領域128の端部は弾性変形領域129と連続しているため、座屈変形領域128の端部まで歪む場合は、先に述べたような変形が座屈変形領域128だけに収まらず弾性変形領域129にまで及ぶことに起因する。このため、座屈変形領域128の長さが短い程、座屈変形領域128の剛性は、弾性変形領域129の剛性の影響を強く受け、結果としてワイパー123が吐出面311に押付けられる力が増加する。このため、ワイピング機構12の構成や記録ヘッド3との寸法関係や狙いの押し付け力によって、座屈変形領域128の長さを適切に選択する必要がある。
座屈変形領域128の位置と、座屈変形との関係について説明する。前述したように、ワイパー123の撓みの大部分が座屈変形領域128の座屈変形に置き換わるので、ワイパー123の傾きは、座屈変形領域128を境に変化する(座屈変形領域128を境に折れ曲がったようなY軸視形態となる)。このため、同じオーバーラップ量でも、座屈変形領域128の位置が、図12(a)に示すように、ワイパー支持部材121に近いと、接触角度130は大きくなるが、図13に示すように、ワイパー先端125に近いと、接触角度130は小さくなる。
すなわち、図13に示す比較例2のワイパー323は、弾性変形領域129が、吐出面311との当接部を含む先端側の第1弾性変形領域129aと、固定部126と連続的(一体的)に設けられる固定部側の第2弾性変形領域129bと、に分かれている。座屈変形領域128は、第1弾性変形領域129aと第2弾性変形領域129bとの間に設けられ、その位置が先端部に近い配置となる。すなわち、ワイパー延び方向の長さにおいて、第1弾性変形領域129aは第2弾性変形領域129bよりも短くなる。
図12(a)、図13に示すように、座屈変形領域128の位置によってワイパー123の吐出面311への接触角度130が大きく変化する。したがって、良好なワイピング性能を維持できる接触角度範囲によって、座屈変形領域128の位置を適切に選択する必要がある。例えば、ワイパーの角でノズルの中の異物を掻き出したい場合は、接触角度130が小さすぎては効果が低くなる。そのような場合には、座屈変形領域128の位置はワイパー支持部材121に近い方がより好ましい。
すなわち、本実施形態のワイパー123も、図13に示すワイパー323と同様、弾性変形領域129を、先端側の第1弾性変形領域129aと、固定部126と連続的(一体的)な固定部側の第2弾性変形領域129bと、に分けた構成としてよい。この場合、座屈変形領域128を、ワイパー支持部材121に近い配置とし、ワイパー延び方向の長さにおいて、第1弾性変形領域129aが第2弾性変形領域129bよりも長くなるように構成すればよい。
図14(a1)~(a7)、(b1)、(b2)は、座屈変形を起こさせるのに有効な形状と考えられる本実施形態の座屈変形領域128の断面形状例を示す模式的断面図である。座屈変形領域128の構成は、図8(c)等に示すようなZ軸に垂直な断面形状を形成する構成に限定されるものではない。上述した座屈変形を生じさせることができる形状であれば、他の形状であってもよい。
図14(a1)に示す形状例128a1は、Z軸に垂直な断面において、断面がY軸方向に向かうにしたがってつづら折り状の略三角波形状に変化する形状例で、図7や図8等に示した座屈変形領域128に相当する。図14(a2)、(a3)に示す形状例128a2、128a3は、断面のX軸方向における位置がY軸方向の位置によらず変化しないY軸に平行に延びる直線部128sと、Y軸に対して傾斜した方向に延びる傾斜部128tと、を組み合わせた形状例である。図14(a4)、(a7)に示す形状例128a4、128a7は、Y軸方向に向かうにしたがって略半円弧状に変化する半円弧部128cを複数組み合わせた形状例である。特に、図14(a7)の形状例128a7は、半円弧部128cのX軸方向の向きを交互に変えて正弦波形状に変化させている。図14(a5)、(a6)に示す形状例128a5、128a6は、直線部128sと半円弧部128cとを組み合わせた形状例である。
図14(b1)に示す形状例128b1は、傾斜部128tを複数組み合わせることで、Z軸に垂直な断面が略菱形形状の中空部がY軸方向に複数並ぶように構成した形状例である。図14(b2)に示す形状例128b2は、半円弧部128cを複数組み合わせることで、Z軸に垂直な断面が略円形状の中空部がY軸方向に複数並ぶように構成した形状例である。
図14(a1)~(a7)に示す形状例は、ワイパー123を、座屈変形領域128が弾性変形領域129及び固定部126と一体の一体成形品として製造が可能であり、製造コストが低く、曲げ弾性が低いワイパー123を得ることができる形状例である。図14(b1)、(b2)に示す形状例は、弾性変形領域129と座屈変形領域128とを個別に成型後、二次成型や接着等で両者を接合することで製造可能な構成例である。図14(
b1)、(b2)に示す中空構造の形状例は、製造コストは図14(a1)~(a7)の形状例よりも高くなるが、曲げ弾性が高いワイパー123を得ることができる形状例である。すなわち、図14(b1)、(b2)の形状例は、図14(a1)~(a7)の形状例よりも吐出面311に対する押し付け力を高く設定することができる。したがって、目的に合わせて適切な形状を選択することが可能である。
なお、図14の示した座屈変形領域128の各形状例は、あくまで例示であり、図14に示した形状例に限定されるものではない。図14に示した各形状例をさらに組み合わせてもよい。また、図14に示した形状例は、一定の規則性、対称性を持たせた形状例であるが、例えば、規則性や対称性が場所によって変化するようにしてもよいし、部分的に規則性や対称性に従わない形状を組み合わせてもよい。
本実施形態の記録装置1によれば、例えば、次のような効果が奏される。本実施形態では、ブラックの第1の吐出面311を、ワイパー123により払拭するワイピング動作について説明した。ワイパー123を、弾性変形領域129と座屈変形領域128より構成し、座屈変形領域128の断面形状を、ワイパー123が吐出面311から受ける力が所定の大きさを超えると所望の座屈変形が起きる形状に調整する。こうすることで、オーバーラップ量127が増加して、吐出面311からワイパー123に作用する力が所定以上増加するような場合において、ワイパー123の撓みの大部分が座屈変形領域128の座屈変形に置き換わる(座屈変形で吸収される)。これにより、各種部品の寸法誤差や組み付け誤差などによりオーバーラップ量127が増加した場合に、ワイパー123の先端125が吐出面311に押付けられる力の増加割合が減少する、又は力が減少する。したがって、記録ヘッド3の吐出面311を継続して繰り返しワイピングする場合において、吐出面311の撥水処理に摩耗が生じることを低減することができる。よって、吐出面311の濡れの発生を持続して安定的に抑えることができ、吐出面311の濡れに起因する形成画像の劣化を抑制することが可能となる。
以上の実施形態では、ブラックの第1の吐出面311を、ワイパー123により払拭するワイピング動作について図示して説明した。各色カラーのノズル列312、313、314からなる第2の吐出面315を、ワイパー124により払拭するワイピング機構についても、ワイパー123と同様、座屈変形を用いた構成としてもよい。
なお、以上の説明では、記録ヘッドを搭載して往復移動するキャリッジを用いるシリアルタイプの記録装置を例に挙げた。本発明は、被記録材を運搬する方向の副走査のみで記録するラインタイプの記録装置など、他の記録方式の場合も同様に適用可能である。また、本発明は、プリンタ、ファクシミリ、複写機などの単体の記録装置のほか、複合機器やシステム構成などにおける記録装置や、インク以外を吐出する記録装置に対しても同様に適用可能である。
1…インクジェット記録装置、2…キャリッジ、3…記録ヘッド、6…インクタンク(群)、10…回復装置、12…ワイピング機構、121…ワイパー支持部材、123…ブラック用ワイパー、124…カラー用ワイパー、128…座屈変形領域、129…弾性変形領域、311…第1の吐出面(ブラックの吐出面)、312、313、314…第2の吐出面(カラーの吐出面)、315…第2の吐出面(群)

Claims (16)

  1. 液体を吐出するノズルが形成された吐出面を有する液体吐出ヘッドと、
    前記吐出面と当接するワイパー部材を有し、前記液体吐出ヘッドに対して第1方向に相対的に移動して前記吐出面をクリーニングするクリーニング部と、
    を備える液体吐出装置において、
    前記ワイパー部材は、前記吐出面から受ける力が所定の大きさを超えると座屈変形を生じる座屈変形領域を有することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記ワイパー部材は、前記クリーニング部に固定される固定部と、前記吐出面と当接する当接部と、を有し、前記固定部から前記当接部にかけて、前記液体吐出ヘッドに対して前記第1方向と交差する第2方向に延びて、前記当接部が前記液体吐出ヘッドの移動軌跡と重なるように配置され、
    前記座屈変形領域は、前記固定部と前記当接部との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記座屈変形領域は、前記当接部よりも前記固定部に近い位置に設けられることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記ワイパー部材が前記吐出面と当接していない非当接状態における、前記1方向及び前記第2方向に沿った断面において、
    前記座屈変形領域は、
    前記第1方向における幅が、前記固定部及び前記当接部の前記第1方向における幅よりも狭く、かつ、
    前記断面の前記第1方向における位置が、前記第1方向と前記第2方向のそれぞれと直交する第3方向の位置によって異なることを特徴とする請求項2又は3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記座屈変形領域は、前記断面の形が、前記第3方向の位置によって変化することを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記座屈変形領域は、前記断面の前記第1方向における位置が、前記第3方向に向かうにしたがってつづら折り状の略三角波形状に変化する部分を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記座屈変形領域は、前記断面の前記第1方向における位置が、前記第3方向の位置によらず変化しない部分を含むことを特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記座屈変形領域は、前記断面の前記第1方向における位置が、前記第3方向に向かうにしたがって略半円弧状に変化する部分を含むことを特徴とする請求項4~7のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  9. 前記座屈変形領域は、前記断面の前記第1方向における位置が、前記第3方向に向かうにしたがって、半円弧をつないだ正弦波形状に変化する部分を含むことを特徴とする請求項4~8のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記座屈変形領域は、前記第3方向に沿って並ぶ複数の中空部を有することを特徴とする請求項4~9のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記中空部の前記1方向及び前記第3方向に沿った断面における形状は、略菱形形状を含むことを特徴とする請求項10に記載の液体吐出装置。
  12. 前記中空部の前記1方向及び前記第3方向に沿った断面における形状は、略円形状を含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の液体吐出装置。
  13. 前記座屈変形領域は、座屈変形を生じると、前記第1方向及び前記第3方向に沿った断面が、前記第3方向に延びる略直線形状となる部分が形成されることを特徴とする請求項4~12のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  14. 前記ワイパー部材は、
    前記座屈変形領域を除いて弾性変形領域で構成されており、前記非当接状態における前記第3方向に投影した外形形状は前記第2方向に長尺の矩形形状であり、
    前記外形形状が同じで、前記座屈変形領域を備えず、前記弾性変形領域のみから構成されるワイパー部材と比べて、前記吐出面に対する前記吐出面に垂直な方向における位置関係が変化した場合の前記吐出面に作用する力の変化が小さいことを特徴とする請求項4~13のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  15. 前記クリーニング部は、前記固定部を前記第1方向に挟持することで前記ワイパー部材を前記クリーニング部に対して固定するワイパー支持部を有することを特徴とする請求項2~14のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  16. 前記ワイパー部材は、前記座屈変形領域より前記当接部の側の第1弾性変形領域と、前記座屈変形領域より前記固定部の側の第2弾性変形領域と、を含むことを特徴とする請求項2~15のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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