JP2022163548A - 積層体及び包装容器 - Google Patents

積層体及び包装容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2022163548A
JP2022163548A JP2021068554A JP2021068554A JP2022163548A JP 2022163548 A JP2022163548 A JP 2022163548A JP 2021068554 A JP2021068554 A JP 2021068554A JP 2021068554 A JP2021068554 A JP 2021068554A JP 2022163548 A JP2022163548 A JP 2022163548A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
resin film
film
density polyethylene
laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021068554A
Other languages
English (en)
Inventor
浩子 堀
Hiroko Hori
博紀 山添
Hiroki Yamazoe
直広 根岸
Naohiro Negishi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2021068554A priority Critical patent/JP2022163548A/ja
Publication of JP2022163548A publication Critical patent/JP2022163548A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/80Packaging reuse or recycling, e.g. of multilayer packaging

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Wrappers (AREA)

Abstract

【課題】二酸化炭素の排出量を削減することができ、且つ、耐ピンホール性に優れた積層体の提供。【解決手段】積層体は、外側から内側へ順に、少なくとも、基材及びシーラント層を備える。シーラント層が、エチレン及びα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを90質量%以上含む単一の層からなる。シーラント層が、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを51質量%以上含む。シーラント層が、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、及びこれを含む包装容器に関する。
バッグインボックス等の包装容器は、食品産業、車産業、医薬産業、トイレタリー産業等の各種分野において液体製品(飲料、カーオイル、洗剤、薬剤等)を貯蔵、運搬するために広く利用されている。バッグインボックスは、液体製品等の内容物を収容する内袋と、この内袋を収納して外形を保持する外装体とから構成されている。
ところで、近年、循環型社会の構築を求める声の高まりとともに、材料分野においてもエネルギーと同様に化石燃料からの脱却が望まれており、バイオマスの利用が注目されている。バイオマスは、二酸化炭素と水から光合成された有機化合物であり、それを利用することにより、再度二酸化炭素と水になる、いわゆるカーボンニュートラルな再生可能エネルギーである。昨今、これらバイオマスを原料としたバイオマスプラスチックの実用化が急速に進んでおり、各種の樹脂をバイオマス原料から製造する試みも行われている。
例えば、引用文献1には、石油資源の使用量を低減することを目的として、バッグインボックスの内袋にバイオマス由来のポリオレフィン樹脂を用いたものが提案されている。
特開2019-51968号公報
本発明者らは、上記した内袋を用いてバッグインボックスの製造を試みた。しかしながら、このようなバッグインボックスは、内袋の製造やバックインボックスの運送の際に、内袋にピンホールが発生し、内容物に外気が影響を及ぼす可能性や内容物が漏れ出す可能性があるという新たな問題が生じた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、二酸化炭素の排出量を削減することができ、且つ、耐ピンホール性に優れた積層体を提供することである。
また、本発明の別の目的は、この積層体を含む包装容器を提供することである。
本発明は、外側から内側へ順に、少なくとも、基材及びシーラント層を備える積層体であって、
前記シーラント層が、エチレン及びα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを90質量%以上含む単一の層からなり、
前記シーラント層が、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを51質量%以上含み、
前記シーラント層が、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含む、積層体である。
本発明の積層体において、前記基材は、二軸延伸プラスチックフィルムを含んでいてもよい。
本発明の積層体において、前記二軸延伸プラスチックフィルムは、ポリアミド又はポリブチレンテレフタレートを含んでいてもよい。
本発明の積層体は、前記基材と前記シーラント層との間に位置する蒸着膜を備えていてもよい。
本発明の積層体は、前記基材と前記シーラント層との間に位置する金属箔を備えていてもよい。
本発明の積層体において、前記シーラント層の密度が、0.900g/cm以上0.930g/cm以下であってもよい。
本発明の積層体において、前記シーラント層が、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含んでいてもよい。
本発明の積層体において、前記化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンが、メタロセン触媒を用いて、エチレン及び炭素数6以上のα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを含んでいてもよい。
本発明の積層体のバイオマス度が40%以下であってもよい。
本発明の積層体は、包装容器の内袋に用いられてもよい。
本発明は、外層フィルム及び内層フィルムを含む内袋と、外装体とを含む、包装容器であって、
前記外層フィルム及び前記内層フィルムの少なくとも一方が、上記記載の積層体を含む、包装容器である。
本発明の包装容器において、
前記外層フィルムが、上記記載の積層体を含み、
前記内層フィルムが、第2樹脂フィルムを含み、
前記第2樹脂フィルムは、第1層と、前記第1層に直接積層されている第2層とを少なくとも含み、
前記第2層の厚みは、前記第1層の厚みよりも厚く、
前記第2樹脂フィルムが、エチレン及びα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを90質量%以上含み、
前記第2樹脂フィルムが、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを51質量%以上含み、
前記第2樹脂フィルムが、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含んでいてもよい。
本発明の包装容器は、前記内袋に接合された注出口を含んでいてもよい。
本発明によれば、二酸化炭素の排出量を削減することができ、且つ、耐ピンホール性に優れた積層体を提供することができる。
また、本発明によれば、この積層体を含む包装容器を提供することができる。
積層体の一例を示す断面図である。 積層体の一例を示す断面図である。 積層体の一例を示す断面図である。 積層体の一例を示す断面図である。 第1樹脂フィルムの一例を示す断面図である。 第1樹脂フィルムの一例を示す断面図である。 第1樹脂フィルムの一例を示す断面図である。 第2樹脂フィルムの一例を示す断面図である。 第2樹脂フィルムの一例を示す断面図である。 包装容器の一例を示す斜視図である。 包装容器が備える内袋の一例を示す平面図である。 包装容器が備える内袋の一例を示す断面図である。 包装容器が備える内袋の一例を示す断面図である。 包装容器が備える内袋の別の一例を示す平面図である。 インパクト強度を評価するための試験片を示す平面図である。 インパクト強度の測定方法の一例を示す図である。
図1~図13を参照して、本発明の一実施形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
本明細書において、あるパラメータに関して2つ以上の上限値の候補及び2つ以上の下限値の候補が挙げられている場合、そのパラメータの数値範囲は、任意の1つの上限値の候補と任意の1つの下限値の候補とを組み合わせることによって構成されてもよい。例えば、「パラメータBは、例えばA1以上であり、A2以上であってもよい。パラメータBは、例えばA3以下であり、A4以下であってもよい。」と記載されている場合を考える。この場合、パラメータBの数値範囲は、A1以上A3以下であってもよく、A1以上A4以下であってもよく、A2以上A3以下であってもよく、A2以上A4以下であってもよい。
〔積層体〕
本発明の積層体90は、包装容器を構成するために用いられる。例えば、後述するように、積層体90は、包装容器の内袋を構成するために用いられる。積層体90は、外側から内側へ順に、少なくとも、基材及びシーラント層を備える。例えば図1に示すように、積層体90は、外側から内側へ順に、基材93と、接着樹脂層92と、シーラント層91と、を備えていてもよい。「内側」とは、包装容器の収容部へ向かう側である。収容部とは、内容物が収容される空間である。「外側」とは、収容部から遠ざかる側である。シーラント層91は、積層体90の内面90xを構成していてもよい。内面90xとは、内側に位置する積層体90の面である。基材93は、積層体90の外面90yを構成していてもよい。外面90yとは、外側に位置する積層体90の面である。
一実施位形態において、積層体90は、図2に示すように、外側から内側へ順に、基材93と、蒸着膜94と、接着樹脂層92と、シーラント層91と、を備えていてもよい。シーラント層91は、積層体90の内面90xを構成していてもよい。基材93は、積層体90の外面90yを構成していてもよい。
一実施位形態において、積層体90は、図3に示すように、外側から内側へ順に、表面樹脂層95と、基材93と、蒸着膜94と、接着樹脂層92と、シーラント層91と、を備えていてもよい。シーラント層91は、積層体90の内面90xを構成していてもよい。表面樹脂層95は、積層体90の外面90yを構成していてもよい。
一実施位形態において、積層体90は、図4に示すように、外側から内側へ順に、基材93と、接着樹脂層97と、金属箔96と、接着樹脂層92と、シーラント層91と、を備えていてもよい。シーラント層91は、積層体90の内面90xを構成していてもよい。基材93は、積層体90の外面90yを構成していてもよい。
なお、上記した図1~図4に示す積層体90の層構成を適宜組み合わせてもよい。
積層体90の厚みは、例えば40μm以上であり、50μm以上であってもよく、60μm以上であってもよく、70μm以上であってもよい。積層体90の厚みは、例えば150μm以下であり、120μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。
[シーラント層]
シーラント層は、熱により融着性を発揮する樹脂材料を含み、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン(ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマー)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、アイオノマー樹脂、ヒートシール性エチレン・ビニルアルコール樹脂、又は、共重合した樹脂メチルペンテン系樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン及び環状オレフィンコポリマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂、並びに(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、シール性の観点から、ポリエチレンが好ましく、シール性及び耐ピンホール性の観点から、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。シーラント層は、上記樹脂材料を2種以上含んでいてもよい。
シーラント層は、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
シーラント層の密度は、0.900g/cm以上0.930g/cm以下であることが好ましく、0.904g/cm以上0.926g/cm以下であることがより好ましく、0.910g/cm以上0.920g/cm以下であることがさらに好ましい。
シーラント層の厚みは、15μm以上150μm以下であることが好ましく、20μm以上120μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。また、シーラント層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
シーラント層のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。
シーラント層は、例えば、Tダイ法及びインフレーション法により上記樹脂材料からフィルムとして形成することができる。
また、シーラント層は、上記樹脂材料から構成されるフィルムを、基材等のその他の層へ、溶融押出ラミネーション法を利用し、下記する接着樹脂層を介して積層することができる。
一実施形態において、シーラント層は、後述する第1樹脂フィルム又は第2樹脂フィルムによって構成されてもよい。シーラント層として、第1樹脂フィルム又は第2樹脂フィルムを用いる場合、第1樹脂フィルム又は第2樹脂フィルムの内面は、積層体の内面側に位置している。
[接着樹脂層]
接着樹脂層は、シーラント層と基材との間や、シーラント層と蒸着膜との間等の任意の層間に設けられ、熱可塑性樹脂を用い、溶融押出ラミネーション法により形成される層である。熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-マレイン酸共重合体、アイオノマー樹脂、ポリオレフィン樹脂に不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、又は、共重合した樹脂、無水マレイン酸をポリオレフィン樹脂にグラフト変性した樹脂等が挙げられる。接着樹脂層は、熱可塑性樹脂を2種以上含んでいてもよい。
接着樹脂層の厚みは、0.1μm以上10μm以下であることが好ましく、1μm以上5μm以下であることがより好ましい。また、接着樹脂層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
[基材]
基材は、樹脂を含む。例えば、基材は、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、(メタ)アクリル樹脂等を含む。ポリアミドは、例えばナイロン6、ナイロン6,6及びポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等である。ポリエステルは、例えばポリブチレンテレフタレート(以下、PBTとも記す)等である。基材は、2種以上の樹脂を含んでいてもよい。
基材は、上記したような樹脂材料からなるフィルムによって構成されていてもよい。基材は、強度等の観点からは、所定の方向において延伸されている延伸プラスチックフィルムであることが好ましい。基材は、所定の一方向において延伸された一軸延伸フィルムであってもよく、所定の二方向において延伸された二軸延伸フィルムであってもよい。基材の延伸倍率は、例えば1.05倍以上である。
延伸プラスチックフィルムは、PBT等のポリエステルを主成分として含んでいてもよい。例えば、延伸プラスチックフィルムは、51質量%以上のPBTを含む。延伸プラスチックフィルムにおけるPBTの含有量は、60質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよい。延伸プラスチックフィルムがPBTを主成分として含むことにより、延伸プラスチックフィルムを備える積層体の突き刺し強度を高めることができる。PBTを主成分として含む延伸プラスチックフィルムの厚みは、例えば9μm以上であり、12μm以上であってもよい。PBTを主成分として含む延伸プラスチックフィルムの厚みは、例えば25μm以下であり、20μm以下であってもよい。
延伸プラスチックフィルムは、ポリアミドを主成分として含んでいてもよい。例えば、延伸プラスチックフィルムは、51質量%以上のポリアミドを含む。延伸プラスチックフィルムにおけるポリアミドの含有量は、60質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよく、80質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよい。延伸プラスチックフィルムがポリアミドを主成分として含むことにより、延伸プラスチックフィルムを備える積層体の突き刺し強度を高めることができる。ポリアミドを主成分として含む延伸プラスチックフィルムの厚みは、例えば12μm以上であり、15μm以上であってもよい。ポリアミドを主成分として含む延伸プラスチックフィルムの厚みは、例えば25μm以下であり、20μm以下であってもよい。
延伸プラスチックフィルムは、単一の層によって構成されていてもよく、複数の層によって構成されていてもよい。延伸プラスチックフィルムが複数の層を含む場合、延伸プラスチックフィルムは、例えば、共押し出しによって作製された共押しフィルムである。
基材は、延伸プラスチックフィルムを1枚のみ含んでいてもよい。基材は、延伸プラスチックフィルムを2枚以上含んでいてもよい。例えば、基材は、2枚の延伸プラスチックフィルムを含んでいてもよい。
基材は、本発明の目的を損なわない範囲において、上述の樹脂以外の樹脂を含んでいてもよく、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
[蒸着膜]
積層体は、蒸着膜を備えてもよい。これにより、積層体のガスバリア性を向上することができる。
蒸着膜は、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の1種又は2種以上の無機物又は無機酸化物の蒸着膜とすることができる。また、蒸着膜は、2層以上の構成とすることができ、同一の材料によって構成されていても、異なる材料によって構成されていてもよい。
蒸着膜の膜厚としては、100Å~2000Å、好ましくは200Å~1000Åである。
蒸着膜の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、及びイオンプレ-ティング法等の物理気相成長法(Physical Vapor Deposition法、PVD法)、あるいは、プラズマ化学気相成長法、熱化学気相成長法、及び光化学気相成長法等の化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition法、CVD法)等を挙げることができる。
一実施形態において、積層体は、蒸着膜と隣接するように、ガスバリア性塗布膜を備えてもよい。これにより、積層体のガスバリア性をより向上することができる。
ガスバリア性塗布膜は、一般式R M(OR(ただし、式中、R、Rは、炭素数1~8の有機基を表し、Mは、金属原子を表し、nは、0以上の整数を表し、mは、1以上の整数を表し、n+mは、Mの原子価を表す。)で表される少なくとも一種以上のアルコキシドと、上記のようなポリビニルアルコ-ル系樹脂及び/又はエチレン・ビニルアルコ-ル共重合体とを含有し、さらに、ゾルゲル法触媒、酸、水、及び、有機溶剤の存在下に、ゾルゲル法によって重縮合するガスバリア性組成物により得られる。
上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドとしては、アルコキシドの部分加水分解物、アルコキシドの加水分解の縮合物の少なくとも一種以上を使用することができる。また、上記のアルコキシドの部分加水分解物としては、アルコキシ基のすべてが加水分解されている必要はなく、1個以上が加水分解されているもの、及び、その混合物であってもよい。アルコキシドの加水分解の縮合物としては、部分加水分解アルコキシドの2量体以上のもの、具体的には、2~6量体のものを使用される。
上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Mで表される金属原子としては、ケイ素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、その他等を使用することができる。本実施形態において、好ましい金属としては、例えば、ケイ素、チタン等を挙げることができる。また、本発明において、アルコキシドの用い方としては、単独又は2種以上の異なる金属原子のアルコキシドを同一溶液中に混合して使うこともできる。
また、上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、その他等のアルキル基を挙げることができる。また、上記の一般式R M(ORで表されるアルコキシドにおいて、Rで表される有機基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、その他等を挙げることができる。なお、同一分子中にこれらのアルキル基は同一であっても、異なってもよい。
上記のガスバリア性組成物を調製する際、例えば、シランカップリング剤等を添加してもよい。上記のシランカップリング剤としては、既知の有機反応性基含有オルガノアルコキシシランを用いることができる。本実施形態においては、特に、エポキシ基を有するオルガノアルコキシシランが好適に用いられ、具体的には、例えば、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、又は、β-(3、4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を使用することができる。上記のようなシランカップリング剤は、1種又は2種以上を混合して用いてもよい。
[金属箔]
一実施形態において、積層体は金属箔を備える。これにより、ガスバリア性をより向上することができる。
金属箔を構成する金属は、特に限定されるものではなく、アルミニウムやマグネシウム等から構成される金属箔を使用することができる。
金属箔の厚みは、3μm以上50μm以下であることが好ましく、5μm以上10μm以下であることがより好ましい。金属箔の厚みを3μm以上とすることにより、積層体のガスバリア性をより向上することができる。
金属箔は、接着樹脂層を介して任意の層上に積層することができる。
[表面樹脂層]
表面樹脂層は、積層体の外面を構成する層である。表面樹脂層を構成する樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、及びポリプロピレン(ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマー)等のポリオレフィンを用いることができる。
表面樹脂層の厚みは、適宜変更することできるが、3μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。また、表面樹脂層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
積層体の層構成の一例としては、例えば、以下のような構成が挙げられる。
ONY/接PE/PEF
ONY/Al蒸着膜/接PE/PEF
ONY/SiOn蒸着膜/接PE/PEF
表PE/ONY/SiOn蒸着膜/接PE/PEF
ONY/接PE/Al箔/接PE/PEF
上記層構成の一例において、左側は内袋の外側を意味する。「/」の記号は各層の境界を示す。上記層構成の一例において、「PEF」は、ポリエチレンフィルムを意味する。ポリエチレンフィルムとしては、後述する第1樹脂フィルム又は第2樹脂フィルムを用いることができる。なお、その他の各略称の名称は、以下のとおりである。
ONY:延伸ナイロン
接PE:接着樹脂層としてのポリエチレン
表PE:表面樹脂層としてのポリエチレン
Al蒸着膜:アルミニウムからなる蒸着膜
SiOn蒸着膜:酸化珪素からなる蒸着膜
Al箔:アルミニウム箔
〔第1樹脂フィルム〕
次に、積層体90のシーラント層91を構成する樹脂フィルムの候補の1つである第1樹脂フィルム10について説明する。なお、第1樹脂フィルム10は、積層体90の一部として用いられるだけでなく、第1樹脂フィルム10単独で用いられてもよい。「積層体90の一部として用いられる」とは、第1樹脂フィルム10が、積層体90の基材などの要素に全面的にラミネートされることを意味する。「第1樹脂フィルム10単独で用いられる」とは、第1樹脂フィルム10が他の要素に全面的にはラミネートされていない形態を意味する。
第1樹脂フィルム10は、一種類の樹脂組成物によって構成されたフィルムである。第1樹脂フィルム10を構成する樹脂組成物は、例えば、エチレン及びα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを90質量%以上含む。以下の説明において、第1樹脂フィルム10のような、一種類の樹脂組成物によって構成されたフィルムのことを、「単一の層からなるフィルム」とも称する。
なお、第1樹脂フィルム10は、2つ以上の層を積層することによって製造されてもよい。例えば、第1樹脂フィルム10は、3層押出機、5層押出機などの多層押出機を用いて一種類の樹脂組成物を押し出すことにより形成される2つ以上の層を含んでいてもよい。このような第1樹脂フィルム10も、一種類の樹脂組成物によって構成されているので、「単一の層からなるフィルム」の概念に含まれる。
一実施形態において、第1樹脂フィルム10は、図5Aに示すように、第1層11を含む。第1層11は、第1樹脂フィルム10の内面10x及び外面10yを構成していてもよい。
一実施形態において、第1樹脂フィルム10は、図5Bに示すように、第1層11と、第1層11に直接積層されている第2層12と、を含んでいてもよい。第1層11は、第1樹脂フィルム10の内面10x側に位置している。第2層12は、第1層11に対して第1樹脂フィルム10の外面10y側に位置している。
一実施形態において、第1樹脂フィルム10は、図5Cに示すように、第1層11と、第1層11に直接積層されている第2層12と、第2層12に直接積層されている第3層13と、を含んでいてもよい。第1層11は、第1樹脂フィルム10の内面10x側に位置している。第2層12は、第1層11に対して外面10y側に位置している。第3層13は、第2層12に対して外面10y側に位置している。
第1樹脂フィルム10において、第2層の厚みは、第1層の厚みよりも厚くてもよい。これにより、耐ピンホール性に優れる樹脂フィルムとすることができる。第1層:第2層の厚みの比率は、1:4~1.1であることが好ましく、1:3~1.5であることがより好ましい。
第1樹脂フィルム10が第3層を含む場合において、第2層の厚みは、第3層の厚みよりも厚いことが好ましい。これにより、第1樹脂フィルム10の耐ピンホール性を向上することができる。第2層:第3層の厚みの比率は、4~1.1:1であることが好ましく、3~1.5:1であることがより好ましい。
第1樹脂フィルム10は、第1樹脂フィルム10全体に対して、エチレン及びα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを90質量%以上含む。これにより、耐ピンホール性に優れた樹脂フィルムとすることができる。第1樹脂フィルム10は、第1樹脂フィルム10全体に対して、直鎖状低密度ポリエチレンを、95質量%以上含むことが好ましく、98質量%以上含むことがより好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)について説明する。直鎖状低密度ポリエチレンとは、チーグラーナッタ触媒に代表されるマルチサイト触媒又はメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を使用して重合した、エチレンとα-オレフィンとの共重合体であり、密度が0.930g/cm未満のものを指す。従って、高圧法エチレン単独重合体であり、従来公知の高圧ラジカル重合法により得ることができる低密度ポリエチレン(以下、高圧法低密度ポリエチレンとも称する)とは区別される。直鎖状低密度ポリエチレンのコモノマーとなるα-オレフィンとしては、炭素数3以上の化合物であるα-オレフィン、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-オクテン、1-ノネン、4-メチルペンテン、3,3-ジメチルブテン等、及びこれらの混合物が挙げられる。ポリエチレンの密度は、JIS K6760-1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112-1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される値である。
上記のシングルサイト触媒とは、均一な活性種を形成しうる触媒であり、通常、メタロセン系遷移金属化合物や非メタロセン系遷移金属化合物と、活性化用助触媒と、を接触させることにより調整される。シングルサイト触媒は、マルチサイト触媒に比べて、活性点構造が均一であるため、高分子量かつ均一度の高い構造の重合体を重合することができるため好ましい。シングルサイト触媒としては、特に、メタロセン系触媒を用いることが好ましい。メタロセン系触媒は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と、助触媒と、必要により有機金属化合物と、担体の各触媒成分と、を含む触媒である。
上記のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、そのシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1~30の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも一種の置換基を有するものである。その置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、また置換基同士が互いに結合して環を形成し、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環、その水添体等を形成してもよい。置換基同士が互いに結合し形成された環がさらに互いに置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、その遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウム、ハフニウムが好ましい。該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常2個を有し、各々のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は架橋基により互いに結合しているものが好ましい。なお、架橋基としては炭素数1~4のアルキレン基、シリレン基、ジアルキルシリレン基、ジアリールシリレン基等の置換シリレン基、ジアルキルゲルミレン基、ジアリールゲルミレン基等の置換ゲルミレン基等が挙げられる。好ましくは、置換シリレン基である。
周期律表第IV族の遷移金属化合物において、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1~20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基等が挙げられる。
上記のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、1種又は2種以上の混合物を触媒成分とすることができる。
助触媒としては、上記の周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、又は触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衝させうるものをいう。助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、イオン交換性層状珪酸塩、ホウ素化合物、活性水素基含有あるいは非含有のカチオンと非配位性アニオンからなるイオン性化合物、酸化ランタン等のランタノイド塩、酸化スズ、フルオロ基を含有するフェノキシ化合物等が挙げられる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、無機又は有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機又は有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的には、モンモリロナイト等のイオン交換性層状珪酸塩、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等又はこれらの混合物が挙げられる。
またさらに必要により使用される有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物等が例示される。このうち有機アルミニウムが好適に使用される。
第1樹脂フィルム10は、第1樹脂フィルム10全体に対して、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを51質量%以上含む。これにより、耐ピンホール性に優れた樹脂フィルムとすることができる。第1樹脂フィルム10全体に対する、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンの比率は、60質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよい。第1樹脂フィルム10全体に対する、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンの比率は、95質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。
「炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィン」は、単一の化合物であってもよい。例えば、「炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィン」は、炭素数6の化合物であるα-オレフィンであってもよく、炭素数8の化合物であるα-オレフィンであってもよい。
「炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィン」は、2種類以上の化合物の混合物であってもよい。例えば、「炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィン」は、炭素数4の化合物であるα-オレフィンと、炭素数6の化合物であるα-オレフィンとの混合物であってもよい。この場合、直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン、炭素数4のα-オレフィン及び炭素数6のα-オレフィンのモノマーが重合してなる三元共重合体である。
第1樹脂フィルム10は、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、二酸化炭素の排出量を削減し、環境負荷低減性に優れた樹脂フィルムとすることができる。
バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの原料となるバイオマス由来のエチレン及びα-ポリオレフィンの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により得ることができる。以下、バイオマス由来のエチレンの製造方法の一例を説明する。
バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、及びマニオクを挙げることができる。
バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物又はその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、及び抽出等の従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、又は膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。
上記エチレンを得るために、この段階で、エタノール中の不純物総量が1ppm以下にする等の高度な精製をさらに行ってもよい。
エタノールの脱水反応によりエチレンを得る際には通常は触媒が用いられるが、この触媒は、特に限定されず、従来公知の触媒を用いることができる。プロセス上有利なのは、触媒と生成物の分離が容易な固定床流通反応であり、例えば、γ―アルミナ等が好ましい。
この脱水反応は吸熱反応であるため、通常加熱条件で行う。商業的に有用な反応速度で反応が進行すれば、加熱温度は限定されないが、好ましくは100℃以上、より好ましくは250℃以上、さらに好ましくは300℃以上の温度が適当である。上限も特に限定されないが、エネルギー収支及び設備の観点から、好ましくは500℃以下、より好ましくは400℃以下である。
エタノールの脱水反応においては、原料として供給するエタノール中に含まれる水分量によって反応の収率が左右される。一般的に、脱水反応を行う場合には、水の除去効率を考えると水が無いほうが好ましい。しかしながら、固体触媒を用いたエタノールの脱水反応の場合、水が存在しないと他のオレフィン、特にブテンの生成量が増加する傾向にあることが判明した。恐らく、少量の水が存在しないと脱水後のエチレン二量化を押さえることができないためと推察している。許容される水の含有量の下限は、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上必要である。上限は特に限定されないが、物質収支上及び熱収支の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下である。
このようにしてエタノールの脱水反応を行うことによりエチレン、水及び少量の未反応エタノールの混合部が得られるが、常温において約5MPa以下ではエチレンは気体であるため、これら混合部から気液分離により水やエタノールを除きエチレンを得ることができる。これは公知の方法で行えばよい。
気液分離により得られたエチレンはさらに蒸留され、このときの操作圧力が常圧以上であること以外は、蒸留方法、操作温度、及び滞留時間等は特に制約されない。
原料がバイオマス由来のエタノールの場合、得られたエチレンには、エタノール発酵工程で混入した不純物であるケトン、アルデヒド、及びエステル等のカルボニル化合物ならびにその分解物である炭酸ガスや、酵素の分解物・夾雑物であるアミン及びアミノ酸等の含窒素化合物ならびにその分解物であるアンモニア等が極微量含まれる。エチレンの用途によっては、これら極微量の不純物が問題となるおそれがあるので、精製により除去してもよい。精製方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。好適な精製操作としては、例えば、吸着精製法をあげることができる。用いる吸着剤は特に限定されず、従来公知の吸着剤を用いることができる。例えば、高表面積の材料が好ましく、吸着剤の種類としては、バイオマス由来のエタノールの脱水反応により得られるエチレン中の不純物の種類・量に応じて選択される。
なお、エチレン中の不純物の精製方法として苛性水処理を併用してもよい。苛性水処理をする場合は、吸着精製前に行うことが望ましい。その場合、苛性処理後、吸着精製前に水分除去処理を施す必要がある。
バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンは、バイオマス由来のエチレン及び/又はバイオマス由来のα-ポリオレフィンを含むモノマーが重合してなるものであってもよい。モノマーとして、バイオマス由来のエチレンを用いる場合には、上記の製造方法により得られたものを用いることが好ましい。原料であるモノマーとしてバイオマス由来のエチレン及び/又はバイオマス由来のα-ポリオレフィンを用いているため、重合されてなるポリエチレンはバイオマス由来となる。なお、ポリエチレンの原料モノマーは、バイオマス由来のモノマーを100質量%含むものでなくてもよい。
バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの原料であるモノマーは、化石燃料由来のエチレン及び/又は化石燃料由来のα-オレフィンをさらに含んでもよい。
バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられるα-ポリオレフィンは、炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンであってもよい。例えば、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられるα-ポリオレフィンは、炭素数4の化合物であるα-オレフィンと、炭素数6の化合物であるα-オレフィンとの混合物であってもよい。炭素数4の化合物であるα-オレフィン及び/又は炭素数6の化合物であるα-オレフィンは、化石燃料由来のものであってもよく、バイオマス由来のものであってもよい。
第1樹脂フィルム10は、バイオマス度が40%以下であることが好ましい。これにより、第1樹脂フィルム10の耐ピンホール性をより向上することができると共に、第1樹脂フィルム10のインパクト強度を向上することができる。第1樹脂フィルム10のバイオマス度は、30%以下であってもよい。第1樹脂フィルム10のバイオマス度は、5%以上であってもよく、10%以上であってもよい。
大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えばとうもろこし中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。本発明において、「バイオマス度」とは、バイオマス由来成分の重量比率を示すものである。例えば、ポリエチレンテレフタレートを例にとると、ポリエチレンテレフタレートは、2炭素原子を含むエチレングリコールと8炭素原子を含むテレフタル酸とがモル比1:1で重合したものであるため、エチレングリコールとしてバイオマス由来のもののみを使用した場合、ポリエステル中のバイオマス由来成分の重量比率は31.25%であるため、バイオマス度の理論値は31.25%となる。具体的には、ポリエチレンテレフタレートの質量は192であり、そのうちバイオマス由来のエチレングリコールに由来する質量は60であるため、60÷192×100=31.25となる。また、化石燃料由来のエチレングリコールと、化石燃料由来のジカルボン酸と、を用いて製造した化石燃料ポリエステル中のバイオマス由来成分の重量比率は0%であり、化石燃料ポリエステルのバイオマス度は0%となる。以下、特に断りのない限り、「バイオマス度」とはバイオマス由来成分の重量比率を示したものとする。
理論上、ポリエチレンの原料として、バイオマス由来の原料のみを用いれば、バイオマス由来のエチレン濃度は100%であり、バイオマスポリエチレンのバイオマス度は100%となる。また、化石燃料由来の原料のみで製造された化石燃料ポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度は0%であり、化石燃料ポリエチレンのバイオマス度は0%となる。
第1樹脂フィルム10は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含んでもよい。これにより、第1樹脂フィルム10の耐ピンホール性、第1樹脂フィルム10のインパクト強度、及び第1樹脂フィルム10のシール強度や低温シール性等のシール性を向上することができる。また、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましく、メタロセン触媒を用いて、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことがより好ましい。これにより、第1樹脂フィルム10の耐ピンホール性及びシール性をより向上することができる。
化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられる、化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンは、単一の化合物であってもよい。例えば、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられる、化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンは、化石燃料由来の炭素数6のα-オレフィンであってもよく、化石燃料由来の炭素数8のα-オレフィンであってもよい。
化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられる、化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンは、2種類以上の化石燃料由来の化合物の混合物であってもよい。例えば、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを製造するために用いられる、化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンは、化石燃料由来の炭素数4のα-オレフィンと、化石燃料由来の炭素数6のα-オレフィンとの混合物であってもよい。
第1樹脂フィルム10の密度は、0.900g/cm以上0.930g/cm以下であることが好ましい。第1樹脂フィルム10の密度を0.900g/cm以上とすることにより、第1樹脂フィルム10の機械的強度を高めることができる。第1樹脂フィルム10の密度を0.930g/cm以下とすることにより、第1樹脂フィルム10の耐ピンホール性及びシール性を向上することができる。第1樹脂フィルム10の密度は、0.904g/cm以上0.926g/cm以下であることがより好ましく、0.910g/cm以上0.920g/cm以下であることがさらに好ましい。
第1樹脂フィルム10の厚みは、15μm以上150μm以下であることが好ましい。第1樹脂フィルム10の厚みを15μm以上とすることにより、第1樹脂フィルム10のインパクト強度及びシール性を向上することができる。第1樹脂フィルム10の厚みを150μm以下とすることにより、第1樹脂フィルム10の屈曲性を向上することができる。第1樹脂フィルム10の厚みは、20μm以上120μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。
第1樹脂フィルム10のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、第1樹脂フィルム10の機械的強度を高めることができる。
引張強度は、JIS Z1702に準拠して測定することができる。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 RTC-1210を用いることができる。試験片としては、第1樹脂フィルム10を幅10mm、長さ120mmのダンベル形のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は80mmであり、引張速度は500mm/分である。なお、試験片の長さは、一対のチャックによって試験片を把持することができる限りにおいて、調整可能である。本願において、特に断らない限り、引張強度及び引張伸度の測定時の温度は23℃である。
第1樹脂フィルム10は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、及び低密度ポリエチレン(LDPE)を1種又は2種以上含んでもよい。なお、高密度ポリエチレンとは、0.942g/cm以上の密度を有するポリエチレンを意味し、中密度ポリエチレンとは、0.930g/cm以上0.942g/cm未満の密度を有するポリエチレンを意味する。低密度ポリエチレンとは、上記した高圧法低密度ポリエチレンを意味し、0.930g/cm未満の密度を有するポリエチレンを意味する。
第1樹脂フィルム10は、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
第1樹脂フィルム10は、耐ピンホール性に優れていることから、バッグインボックス等の包装容器の内袋に好適に用いることができる。
〔第2樹脂フィルム〕
次に、積層体90のシーラント層91を構成する樹脂フィルムの候補の1つである第2樹脂フィルム15について説明する。なお、第2樹脂フィルム15は、積層体90の一部として用いられるだけでなく、第2樹脂フィルム15単独で用いられてもよい。「積層体90の一部として用いられる」とは、第2樹脂フィルム15が、積層体90の基材などの要素に全面的にラミネートされることを意味する。「第2樹脂フィルム15単独で用いられる」とは、第2樹脂フィルム15が他の要素に全面的にはラミネートされていない形態を意味する。
一実施形態において、第2樹脂フィルム15は、図6Aに示すように、第1層16と、第1層16に直接積層されている第2層17と、を含んでいてもよい。第1層16は、第2樹脂フィルム15の内面15x側に位置している。第2層17は、第1層16に対して第2樹脂フィルム15の外面15y側に位置している。
一実施形態において、第2樹脂フィルム15は、図6Bに示すように、第1層16と、第1層16に直接積層されている第2層17と、第2層17に直接積層されている第3層18と、を含んでいてもよい。第1層16は、第2樹脂フィルム15の内面15x側に位置している。第2層17は、第1層16に対して外面15y側に位置している。第3層18は、第2層17に対して外面15y側に位置している。
第1樹脂フィルム10と同様に、第2樹脂フィルム15は、第2樹脂フィルム15全体に対して、エチレン及びα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを90質量%以上含む。これにより、耐ピンホール性に優れた樹脂フィルムとすることができる。第2樹脂フィルム15は、第2樹脂フィルム15全体に対して、直鎖状低密度ポリエチレンを、95質量%以上含むことが好ましく、98質量%以上含むことがより好ましい。
第1樹脂フィルム10と同様に、第2樹脂フィルム15は、第2樹脂フィルム15全体に対して、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを51質量%以上含む。これにより、耐ピンホール性に優れた樹脂フィルムとすることができる。第2樹脂フィルム15全体に対する、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンの比率は、60質量%以上であってもよく、70質量%以上であってもよい。樹脂フィルム全体に対する、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンの比率は、95質量%以下であってもよく、90質量%以下であってもよい。
第2樹脂フィルム15は、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含んでいてもよい。これにより、二酸化炭素の排出量を削減し、環境負荷低減性に優れた樹脂フィルムとすることができる。
第2樹脂フィルム15は、バイオマス度が40%以下であってもよい。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性をより向上することができると共に、樹脂フィルムのインパクト強度を向上することができる。第2樹脂フィルム15のバイオマス度は、5%以上40%以下であることがより好ましく、10%以上30%以下であることがさらに好ましい。
第2樹脂フィルム15は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含んでもよい。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、第2樹脂フィルム15のインパクト強度、及び第2樹脂フィルム15のシール強度や低温シール性等のシール性を向上することができる。また、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましく、メタロセン触媒を用いて、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことがより好ましい。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性及びシール性をより向上することができる。
第2樹脂フィルム15の密度は、0.900g/cm以上0.930g/cm以下であることが好ましい。第2樹脂フィルム15の密度を0.900g/cm以上とすることにより、第2樹脂フィルム15の機械的強度を高めることができる。第2樹脂フィルム15の密度を0.930g/cm以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性及びシール性を向上することができる。第2樹脂フィルム15の密度は、0.904g/cm以上0.926g/cm以下であることがより好ましく、0.910g/cm以上0.920g/cm以下であることがさらに好ましい。
第2樹脂フィルム15の厚みは、15μm以上150μm以下であることが好ましい。第2樹脂フィルム15の厚みを15μm以上とすることにより、第2樹脂フィルム15のインパクト強度及びシール性を向上することができる。第2樹脂フィルム15の厚みを150μm以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の屈曲性を向上することができる。第2樹脂フィルム15の厚みは、20μm以上120μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。
第2樹脂フィルム15のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の機械的強度を高めることができる。
第2樹脂フィルム15のインパクト強度は、好ましくは0.60J以上であり、より好ましくは0.8J以上であり、さらに好ましくは1.00J以上である。インパクト強度の測定方法については、後述する実施例において説明する。
第2樹脂フィルム15の引張強度は、少なくとも1方向において、好ましくは35MPa以上であり、より好ましくは40MPa以上である。例えば、流れ方向(MD)における第2樹脂フィルム15の引張強度は、好ましくは35MPa以上であり、より好ましくは40MPa以上である。また、垂直(TD)方向における第2樹脂フィルム15の引張強度は、好ましくは35MPa以上であり、より好ましくは40MPa以上である。
第2樹脂フィルム15は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、及び低密度ポリエチレン(LDPE)を1種又は2種以上含んでもよい。なお、高密度ポリエチレンとは、0.942g/cm以上の密度を有するポリエチレンを意味し、中密度ポリエチレンとは、0.930g/cm以上0.942g/cm未満の密度を有するポリエチレンを意味する。低密度ポリエチレンとは、上記した高圧法低密度ポリエチレンを意味し、0.930g/cm未満の密度を有するポリエチレンを意味する。
第2樹脂フィルム15は、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
第2樹脂フィルム15は、耐ピンホール性に優れていることから、バッグインボックス等の包装容器の内袋に好適に用いることができる。
<第1層>
第1層は、第2樹脂フィルム15の内面15x側に位置する層である。一実施形態において、第1層は直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性を向上することができる。
一実施形態において、第1層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、インパクト強度及びシール性を向上することができる。
また、一実施形態において、第1層は、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、環境負荷低減性を向上することができる。
また、一実施形態において、第1層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンと、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンと、を含む。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性及びシール性を向上することができる。
第1層における化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、50%質量以上であることが好ましい。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、インパクト強度及びシール性をより向上することができる。第1層における化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、75質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。また、第1層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されていてもよい。
第1層の化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、インパクト強度及びシール性をより向上することができる。
第1層におけるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、50質量%以下であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、インパクト強度及びシール性をより向上することができる。第1層におけるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、1質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上25質量%以下であることがさらに好ましい。
第1層は、バイオマス度が50%以下であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、インパクト強度及びシール性をより向上することができる。第1層のバイオマス度は、1%以上50%以下であることがより好ましく、1%以上25%以下であることがさらに好ましい。
第1層の密度は、0.900g/cm以上0.930g/cm以下であることが好ましい。第1層の密度を0.900g/cm以上とすることにより、第2樹脂フィルム15の機械的強度を高めることができる。第1層の密度を0.930g/cm以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性及びシール性を向上することができる。第1層の密度は、0.904g/cm以上0.926g/cm以下であることがより好ましく、0.910g/cm以上0.920g/cm以下であることがさらに好ましい。
第1層の厚みは、5μm以上50μm以下であることが好ましい。第1層の厚みを5μm以上とすることにより、第2樹脂フィルム15のインパクト強度及びシール性を向上することができる。第1層の厚みを50μm以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の屈曲性を向上することができる。第1層の厚みは、10μm以上40μm以下であることがより好ましく、10μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。
第1層のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の機械的強度を高めることができる。
第1層は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンを1種又は2種以上含んでもよい。
第1層は、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
第1層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
<第2層>
第2層は、第1層に直接積層されている層である。また、第2樹脂フィルム15において、第2層の厚みは、第1層の厚みよりも厚くなっている。これにより、耐ピンホール性に優れる樹脂フィルムとすることができる。第1層:第2層の厚みの比率は、1:4~1.1であることが好ましく、1:3~1.5であることがより好ましい。
第2樹脂フィルム15が第3層を含む場合において、第2層の厚みは、第3層の厚みよりも厚いことが好ましい。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性を向上することができる。第2層:第3層の厚みの比率は、4~1.1:1であることが好ましく、3~1.5:1であることがより好ましい。
一実施形態において、第2層は、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンと、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンと、を含む。これにより、環境負荷低減性を向上することはできると共に、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性及びインパクト強度を向上することができる。
第2層における化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、20%質量以上95%以下であることが好ましく、30質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、40質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。
また、第2層におけるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、5%質量以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。
一実施形態において、第2層は、第1層よりもバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを多く含む。また、一実施形態において、第2層は、第3層よりもバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを多く含む。これにより、環境負荷低減性をより向上することができると共に、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性及びインパクト強度をより向上することができる。
第2層に含まれる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましく、メタロセン触媒を用いて、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる火星燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことがより好ましい。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性及びインパクト強度をより向上することができる。
第2層は、バイオマス度が70%以下であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性及びインパクト強度をより向上することができる。第2層のバイオマス度は、10%以上60%以下であることがより好ましく、15%以上50%以下であることがさらに好ましい。
第2層の密度は、0.900g/cm以上0.930g/cm以下であることが好ましい。第2層の密度を0.900g/cm以上とすることにより、第2樹脂フィルム15の機械的強度を高めることができる。第2層の密度を0.930g/cm以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性及びシール性を向上することができる。第2層の密度は、0.904g/cm以上0.926g/cm以下であることがより好ましく、0.910g/cm以上0.920g/cm以下であることがさらに好ましい。
第2層の厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。第2層の厚みを10μm以上とすることにより、第2樹脂フィルム15のインパクト強度を向上することができる。第2層の厚みを100μm以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の屈曲性を向上することができる。第2層の厚みは、20μm以上80μm以下であることがより好ましく、20μm以上60μm以下であることがさらに好ましい。
第2層のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の機械的強度を高めることができる。
第2層は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンを1種又は2種以上含んでもよい。
第2層は、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
第2層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
<第3層>
一実施形態において、第2樹脂フィルム15は、第3層をさらに備える。これにより、第2樹脂フィルム15のシール性や他の層とのラミネート強度を向上することができる。また、一実施形態において、第3層は、直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性を向上することができる。
一実施形態において、第3層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、インパクト強度、シール性及びラミネート強度を向上することができる。
また、一実施形態において、第3層は、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含む。これにより、環境負荷低減性を向上することができる。
また、一実施形態において、第3層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンと、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンと、を含む。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、インパクト強度、シール性、及びラミネート強度を向上することができる。
第3層における化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、50%質量以上であることが好ましい。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、シール性及びラミネート強度をより向上することができる。第3層における化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、75質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましい。また、第3層は、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されていてもよい。
第3層の化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンは、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含むことが好ましい。これにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、シール性ラミネート強度をより向上することができる。
第3層におけるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、50質量%以下であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、インパクト強度、シール性、及びラミネート強度をより向上することができる。第3層におけるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、1質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上25質量%以下であることがさらに好ましい。
第3層は、バイオマス度が50%以下であることが好ましい。これにより、環境負荷低減性を向上することができると共に、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、インパクト強度、シール性、及びラミネート強度をより向上することができる。第2層のバイオマス度は、1%以上50%以下であることがより好ましく、1%以上25%以下であることがさらに好ましい。
第3層の密度は、0.900g/cm以上0.930g/cm以下であることが好ましい。第3層の密度を0.900g/cm以上とすることにより、第2樹脂フィルム15の機械的強度を高めることができる。第3層の密度を0.930g/cm以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の耐ピンホール性、シール性及びラミネート強度を向上することができる。第3層の密度は、0.904g/cm以上0.926g/cm以下であることがより好ましく、0.910g/cm以上0.920g/cm以下であることがさらに好ましい。
第3層の厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましい。第3層の厚みを10μm以上とすることにより、第2樹脂フィルム15のインパクト強度、シール性及びラミネート強度を向上することができる。第3層の厚みを100μm以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の屈曲性を向上することができる。第3層の厚みは、20μm以上80μm以下であることがより好ましく、20μm以上60μm以下であることがさらに好ましい。
第3層のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。MFRを0.1g/10分以上とすることにより、成形加工時の押出負荷を低減することができる。MFRを10g/10分以下とすることにより、第2樹脂フィルム15の機械的強度を高めることができる。
第3層は、本発明の目的を損なわない範囲において、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、及び低密度ポリエチレンを1種又は2種以上含んでもよい。
第3層は、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
第3層は、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
〔樹脂フィルムの製造方法〕
第1樹脂フィルム10及び第2樹脂フィルム15の製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造することができる。第1樹脂フィルム10及び第2樹脂フィルム15は、共押出成形されてなることが好ましく、共押出成形が、Tダイ法又はインフレーション法により行われることがより好ましい。以下、Tダイ法、インフレーション法により第1樹脂フィルム10及び第2樹脂フィルム15を製造する方法の一例を説明する。
Tダイ法においては、上記第1層を構成する樹脂及び第2層を構成する樹脂をそれぞれ乾燥させた後、これらのそれぞれ融点以上の温度(Tm)~Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、これらを溶融し、Tダイのダイよりシート状に共押出し、共押出されたシート状物を回転している冷却ドラム等で急冷固化することにより第1樹脂フィルム10及び第2樹脂フィルム15を成形することができる。
第1樹脂フィルム10の第1層を構成する樹脂及び第2層を構成する樹脂は、同一の組成を有する。
第2樹脂フィルム15の第1層を構成する樹脂及び第2層を構成する樹脂は、異なる組成を有していてもよい。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
インフレーション法においては、まず、上記第1層を構成する樹脂及び第2層を構成する樹脂をそれぞれ乾燥させた後、これらのそれぞれ融点以上の温度(Tm)~Tm+70℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、これらを溶融し、環状ダイのダイにより円筒状に共押出しする。このときに、円筒状の溶融樹脂内に下方から空気を送り、円筒の径を所定の大きさに膨張させると共に、円筒外に下方から冷却用空気を送る。この膨張した円筒状体をバブルと呼ぶ。続いて、バブルを、案内板及びピンチロールによってフィルム状に折り畳み、巻き上げ部において巻き取る。折り畳まれたフィルムは、筒状のまま巻き取っても、筒の両端をスリッター等で除去し、2枚のフィルムに切り離してから、それぞれを巻き取ってもよい。これにより樹脂フィルムを成形することができる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用することができる。
第1層と、第2層と、第3層と、を有する樹脂フィルムの場合には、各層を構成する樹脂をそれぞれ用いて、上記と同様の方法で製造することができる。
第1樹脂フィルム10の第1層を構成する樹脂、第2層を構成する樹脂及び第3層を構成する樹脂は、同一の組成を有する。
第2樹脂フィルム15の第1層を構成する樹脂、第2層を構成する樹脂及び第3層を構成する樹脂は、異なる組成を有していてもよい。
〔積層体の製造方法〕
積層体90は、シーラント層91を構成するフィルムと基材93とを積層することにより作製される。例えば、第1樹脂フィルム10と基材93とを接着樹脂層92を介して積層することにより、図1の積層体90を作製できる。
第1樹脂フィルム10に基材93を積層することによって得られる積層体90は、第1樹脂フィルム10に比べて高いインパクト強度を有する。このため、例えば、第1樹脂フィルム10を備える積層体90を、後述する包装容器の外層フィルムとして用いることができる。
第1樹脂フィルム10を備える積層体90のインパクト強度は、好ましくは0.80J以上であり、より好ましくは1.00J以上であり、さらに好ましくは1.20J以上である。例えば、第1樹脂フィルム10を備える積層体90の、外面90y側のインパクト強度は、例えば0.80J以上であり、1.00J以上であってもよく、1.20J以上であってもよい。第1樹脂フィルム10を備える積層体90の、内面90x側のインパクト強度は、例えば1.50J以上であり、1.80J以上であってもよく、2.00J以上であってもよい。
〔包装容器〕
一実施形態において、包装容器は、外層フィルム及び内層フィルムを含む内袋と、外装体と、を含んでいる。また、一実施形態において、包装容器の外層フィルム及び内層フィルムの少なくとも一方は、上述の積層体90を含んでいる。例えば、外層フィルムは、積層体90を含んでいる。これにより、ピンホール性に優れる内袋とすることができる。
一実施形態において、包装容器は、内袋に接合された注出口を含む。
図7は、包装容器20の一例を示す斜視図である。包装容器20は、外装体30と、外装体30に収容されている内袋40と、を備える。包装容器20は、図7に示すように、内容物を注出するための注出口50を備えていてもよい。この場合、外装体30には、注出口50を外装体30の外部に露出させるための開口60が形成されていてもよい。
一実施形態において、包装容器は、注出口、及び注出口を外装体の外部に露出させるための開口を2個以上備えてもよい(図示せず)。
<外装体>
包装容器の外装体は、外装体に収容されている内袋を保護するために用いられる。一実施形態において、外装体は略直方体形状や略円柱形状に構成されている。
外装体を構成する材料は、内容物の容量、内容物の種類、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件に応じて、適宜選択することが可能であり、例えば、段ボール、金属、樹脂等が挙げられる。
<内袋>
包装容器の内袋は、外装体に収容され、内部に内容物を収容可能な空間を有している。内袋の容量は、内容物の種類、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件に応じて、適宜選択することができ、例えば、20L以下の小型袋や200L以上の大型袋等の種々のものがある。
図8は、本発明の包装容器が備える内袋の一例を示す平面図である。図8に示すような平袋型の内袋40は、頂部43と、頂部43と対向する底部44と、頂部43から底部44まで延びる一対の側部45a、45bと、を備えている。図8に示す例において、内袋40は、矩形状の外形を有している。
内袋40において、前面41と後面42とは、フィルム状の部材同士を接合するシール部において接着されている。シール部は、頂部43に位置する頂部シール部46と、底部44に位置する底部シール部47と、一対の側部45a、45bに位置する側部シール部48とを有している。シール部を形成するための方法としては、特に限定されないが、例えば、加熱等によってフィルム状の部材の一部を溶融させて、フィルム状の部材同士を溶着させることによって、シール部を形成してもよい。この際、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
また、内袋40の前面41には、内袋40内に内容物を注入し、収容された内容物を注出する注出口50が取り付けられている。この注出口50は、前面41から外方に突出している。注出口には、例えば打栓によってキャップが取り付けられていてもよい。
このような内袋40は、図9に示すように、前面41を構成する外層フィルム411と、後面42を構成する外層フィルム421と、を備えている。また、外層フィルム411の内側に第1内層フィルム412が設けられ、外層フィルム421の内側に第1内層フィルム422が設けられていてもよい。この場合、内容物は第1内層フィルム412と第1内層フィルム422との間に収容される。これにより、外層フィルム411又は外層フィルム421が破断した場合であっても、内容物が内袋40から漏れ出すことを抑制することができる。この場合、上述した注出口50は、外層フィルム411と第1内層フィルム412とに取り付けられており、内袋40の内部と外部とを連通させるように構成されている。
第1内層フィルム412,422は、一対の側部45a、45bにおいて側部シール部48によって外層フィルム411,421に接合されている。側部45aの側部シール部48と側部45bの側部シール部48との間において、第1内層フィルム412,422は外層フィルム411,421に接合されていなくてもよい。
内袋40は、図10に示すように、第2内層フィルム413及び第2内層フィルム423を更に含んでいてもよい。第2内層フィルム413は、外層フィルム411と第1内層フィルム412との間に位置する。第2内層フィルム423は、外層フィルム421と第1内層フィルム422との間に位置する。この場合、上述した注出口50は、外層フィルム411、第2内層フィルム413及び第1内層フィルム412に取り付けられており、内袋40の内部と外部とを連通させるように構成されている。
第2内層フィルム413,423は、一対の側部45a、45bにおいて側部シール部48によって外層フィルム411,421及び第1内層フィルム412,422に接合されている。側部45aの側部シール部48と側部45bの側部シール部48との間において、第2内層フィルム413,423は外層フィルム411,421及び第1内層フィルム412,422に接合されていなくてもよい。
一実施形態において、包装容器は、内袋として、図11に示す内袋70を備えてもよい。
図11は、包装容器が備える内袋の別の一例を示す平面図である。図11に示すようなガセット型の内袋70は、前面71と、後面72と、一対の側面73とを備える。一対の側面73は、前面71と後面72との間位に挟持されている。一対の側面73は、内袋の内側にガセットである折り返し部位74が突出している。図11に示す前面71、後面72及び側面73は、矩形状の形状を有している。
前面71及び後面72の四方において、向かい合う前面71及び後面72、並びに一対の側面73はシールにより接着されている。前面71及び後面72の四方の当接部分は、それぞれシールされて、頂部シール部75、底部シール部76、側部シール部77が形成されている。各シール部は、上記したヒートシール方法により形成することができる。
また、内袋70の前面71には、内袋70内に内容物を注入し、収容された内容物を注出する注出口50が2個取り付けられている。この注出口50は、前面71から外方に突出している。注出口には、例えば打栓によってキャップが取り付けられていてもよい。
図11に示す内袋70は、前面71、後面72及び側面73が外層フィルムにより構成されている(図示せず)。また、これらの外層フィルムの内側に第1内層フィルムが設けられている(図示せず)。この場合、内容物は各内層フィルムの間に収容されるようになっている。外層フィルムと第1内層フィルムの間に上述の第1内層フィルムが設けられていてもよい。
内袋に収容される内容物としては、食品、化学品、工業用の液体、医薬品等が挙げられる。食品としては、牛乳、乳製品、油脂、出汁、液体調味料、飲料、アルコール飲料、水等が挙げられる。上記内容物を内袋に収容する際、窒素等の不活性ガスを収容してもよい。
(外層フィルム)
外層フィルムは、内袋の強度を向上するために用いられる層であり、少なくともシーラント層を含む。外層フィルムは、積層体90によって構成されていてもよく、第1樹脂フィルム10によって構成されていてもよく、第2樹脂フィルム15によって構成されていてもよい。好ましくは、外層フィルムは、積層体90によって構成されている。
外層フィルムの厚みは、例えば40μm以上であり、50μm以上であってもよく、60μm以上であってもよく、70μm以上であってもよい。外層フィルムの厚みは、例えば150μm以下であり、120μm以下であってもよく、100μm以下であってもよい。
(内層フィルム)
内層フィルムは、外層フィルムの内側に位置している。内層フィルムはシーラント層としての役割を果たすものである。
一実施形態において、内袋は、内容物の容量、内容物の種類、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件に応じて、内層フィルムを二重以上にしてもよい。例えば、上述のように、内袋が第1内層フィルム及び第2内層フィルムを含んでいてもよい。内袋は、内層フィルムを二重以上にすることにより、内容物の内袋からの漏れをより抑制することができる。内層フィルムを二重以上にする場合、各内層フィルムは、同一の材料によって構成されていても、異なる材料によって構成されていてもよい。
内層フィルムは、熱により融着性を発揮する樹脂材料を含み、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン(ホモポリマー、ブロックポリマー、ランダムポリマー)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体、アイオノマー樹脂、ヒートシール性エチレン・ビニルアルコール樹脂、又は、共重合した樹脂メチルペンテン系樹脂、エチレン-プロピレン共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテンポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン及び環状オレフィンコポリマー等のポリオレフィン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ビニル樹脂、並びに(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。これらの中でも、シール性の観点から、ポリエチレンが好ましく、シール性及び耐ピンホール性の観点から、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。内層フィルムは、上記樹脂材料を2種以上含んでいてもよい。
内層フィルムは、本発明の目的を損なわない範囲において、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等を1種又は2種以上を添加することができる。
内層フィルムの密度は、0.900g/cm以上0.930g/cm以下であることが好ましく、0.904g/cm以上0.926g/cm以下であることがより好ましく、0.910g/cm以上0.920g/cm以下であることがさらに好ましい。
内層フィルムの厚みは、15μm以上150μm以下であることが好ましく、20μm以上120μm以下であることがより好ましく、30μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。また、内層フィルムは、単層であっても、2層以上の多層であってもよい。
内層フィルムのメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上10g/10分以下であることが好ましく、0.2g/10分以上5g/10分以下であることがより好ましく、0.5g/10分以上3g/10分以下であることがさらに好ましい。
内層フィルムの製造方法は、特に限定されず、Tダイ法又はインフレーション法等の従来公知の方法により製造することができる。
一実施形態において、第1内層フィルム、第2内層フィルムなどの内層フィルムとして、上述の第1樹脂フィルム10又は第2樹脂フィルム15を用いてもよい。例えば、図9に示す内袋40は、積層体90からなる外層フィルム411,421と、第2樹脂フィルム15からなる第1内層フィルム412,422と、を備えていてもよい。例えば、図10に示す内袋40は、積層体90からなる外層フィルム411,421と、第2樹脂フィルム15からなる第2内層フィルム413,423と、第2樹脂フィルム15からなる第1内層フィルム412,422と、を備えていてもよい。
<注出口>
注出口は、内袋に接合されているものであり、外装体の開口から外装体の外側に露出している。
一実施形態において、包装容器は、注出口を2個以上備えていてもよい。
注出口の形状は、内容物の容量、内容物の種類、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件に応じて、適宜選択することができ、例えば、打栓タイプやスクリュータイプ等がある。
注出口は、ポリオレフィン等の樹脂を用いて射出成形法により成形することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
第1樹脂フィルム10及び第1樹脂フィルム10を備える積層体90について、実施例11A~11C及び比較例11Aによりさらに具体的に説明する。
[実施例11A]
第1樹脂フィルム10を構成する樹脂として、チーグラーナッタ触媒を用いて、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6のα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレン(株式会社プライムポリマー社製、商品名:UZ1520L、密度:0.914g/cm、MFR:2.3g/10分、バイオマス度:0%)(以下、「石化C6LLDPE_A」とも称する)72.0質量部と、バイオマス由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数4のα-オレフィンのモノマーが重合してなるバイオマス直鎖状低密度ポリエチレン(ブラスケム社製、商品名:SLL-118、密度:0.916g/cm、MFR:1.0g/10分、バイオマス度87%)(以下、「バイオC4LLDPE」とも称する)28.0質量部と、添加剤とを用いて、これらを溶融した。
上述の石化C6LLDPE_A及びバイオC4LLDPEの混合物の溶融物を、第1層、第2層、第3層の層厚比が1:2:1になるように、インフレーション成形にて共押出しすることにより、図5Cに示す第1樹脂フィルム10を作成した。第1樹脂フィルム10の厚みは50μmであった。第1樹脂フィルム10の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。なお、表1において、「%」は全て質量基準である。
[実施例11B]
基材93と実施例11Aの第1樹脂フィルム10とを接着樹脂層92を介して積層して、図1に示す積層体90を作成した。基材93としては、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルムを用いた。接着樹脂層92としては、低密度ポリエチレンを用いた。接着樹脂層92の厚みは15μmであった。
[比較例11A]
第1層、第2層、第3層を構成する樹脂として、石化C6LLDPE_Aを用いたこと、及び厚みを60μmにしたこと以外は、実施例11Aと同様にして第1樹脂フィルム10を得た。本比較例の第1樹脂フィルム10の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表1に示す。
[比較例11B]
基材93と比較例11Aの第1樹脂フィルム10とを接着樹脂層92を介して積層して、図1に示す積層体90を作成した。基材93としては、厚み15μmの二軸延伸ナイロンフィルムを用いた。接着樹脂層92としては、低密度ポリエチレンを用いた。接着樹脂層92の厚みは15μmであった。
Figure 2022163548000002
<耐ピンホール性の評価(低温)>
実施例11A及び比較例11Aで作成した第1樹脂フィルム10、並びに実施例11B及び比較例11Bで作成した積層体90を、低温(5℃)条件下で、ゲルボフレックステスターで2000回屈曲後、ピンホールの個数を測定した。これを3回繰り返し、ピンホールの平均個数を算出した。評価結果を表2に示す。
<耐ピンホール性の評価(常温)>
実施例11A及び比較例11Aで作成した第1樹脂フィルム10、並びに実施例11B及び比較例11Bで作成した積層体90を、常温(23~30℃)条件下で、ゲルボフレックステスターで5000回屈曲後、ピンホールの個数を測定した。これを3回繰り返し、ピンホールの平均個数を算出した。評価結果を表2に示す。
<インパクト強度の評価>
実施例11A及び比較例11Aで作成した第1樹脂フィルム10、並びに実施例11B及び比較例11Bで作成した積層体90のインパクト強度を評価した。インパクト強度の評価は、株式会社東洋精機製作所社製のフィルムインパクトテスター FT-Mを用いて、以下の方法で行った。
まず、第1樹脂フィルム10又は積層体90を、10cm×10cmにカットして試験片100を作製した。図12に示すように、試験片100をリング状の治具101,102で挟んで固定した。続いて、図13に示すように、固定された試験片100を設置し、支点部103を軸にして腕部104を振り下ろし、腕部104の先端の円錐状圧子105で試験片100を突き破った。突き破った際の強度をインパクト強度(J)とした。なお、圧子105の直径は1インチ(25.4mm)、荷重は30kg・cm、腕部の持ち上げ角度は90°とした。測定時の環境は、温度23℃、相対湿度50%とした。積層体90に関しては、外面90yに円錐状圧子105を突き刺した場合の強度、及び内面90xに円錐状圧子105を突き刺した場合の強度をそれぞれ測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2022163548000003
実施例11Aの第1樹脂フィルム10は、比較例11Aに示す、石化C6LLDPE_Aからなる第1樹脂フィルム10に比べて50%以下のインパクト強度を有していた。一方、実施例11B及び比較例11Bから分かるように、実施例11Aの第1樹脂フィルム10を備える積層体90は、石化C6LLDPE_Aからなる第1樹脂フィルム10を備える積層体90と同等の耐ピンホール性及びインパクト強度を有していた。実施例11Aの第1樹脂フィルム10に基材93を積層することにより、積層体90としてのインパクト強度が改善されたことが分かる。
実施例11Bの積層体90を外層フィルムとして用いて、図8に示すような容量10Lの平袋型の内袋40を作製した。実施例11Bの積層体90を用いて作製された内袋は、耐ピンホール性に優れている。
実施例11Bの積層体90を外層フィルムとして用いて、図11に示すような容量1000Lのガセット型の内袋70を作製した。内袋において、内層フィルムは二重であり、外層フィルムは一重である。実施例11Bの積層体90を用いて作製された内袋は、耐ピンホール性に優れている。
第2樹脂フィルム15について、実施例21A~24C及び比較例21A~23Cによりさらに具体的に説明する。
[実施例21A]
第2樹脂フィルム15の第1層を構成する樹脂として、石化C6LLDPE_Aを用いて、これを溶融した。
次いで、第2樹脂フィルム15の第2層を構成する樹脂として、メタロセン触媒を用いて、化石燃料由来のエチレン及び化石燃料由来の炭素数6のα-オレフィンのモノマーが重合してなる化石燃料直鎖状低密度ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)製、商品名:UM0520F、密度:0.904g/cm、MFR:2.0g/10分、バイオマス度:0%)(以下、「石化C6LLDPE_B」とも称する)76.5質量部と、23.5質量部のバイオC4LLDPEとを用いて、これらを溶融した。
次いで、第3層を構成する樹脂として、石化C6LLDPE_Aを用いて、これを溶融した。
これらの溶融物を、第1層、第2層、第3層の層厚比が1:2:1になるように、インフレーション成形にて共押出しすることにより、図6Bに示す第2樹脂フィルム15を作成した。第2樹脂フィルム15の厚みは40μmであった。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。なお、表3において、「%」は全て質量基準である。
[実施例21B]
厚みを50μmにしたこと以外は、実施例21Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[実施例21C]
厚みを70μmにしたこと以外は、実施例21Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[実施例22A]
第2層を構成する樹脂として、47.0質量部の石化C6LLDPE_Bと、53.0質量部のバイオC4LLDPEとを用いたこと以外は、実施例21Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[実施例22B]
厚みを50μmにしたこと以外は、実施例22Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[実施例22C]
厚みを70μmにしたこと以外は、実施例22Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[実施例23A]
第2層を構成する樹脂として、29.5質量部の石化C6LLDPE_Bと、70.5質量部のバイオC4LLDPEとを用いたこと以外は、実施例21Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[実施例23B]
厚みを50μmにしたこと以外は、実施例23Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[実施例23C]
厚みを70μmにしたこと以外は、実施例23Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[実施例24A]
第1層を構成する樹脂として、95.0質量部の石化C6LLDPE_Aと、5.0質量部のバイオC4LLDPEとを用いたこと以外は、実施例21Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[実施例24B]
厚みを50μmにしたこと以外は、実施例24Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[実施例24C]
厚みを70μmにしたこと以外は、実施例24Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本実施例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表3に示す。
[比較例21A]
第2層を構成する樹脂として、バイオC4LLDPEを用いたこと以外は、実施例21Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本比較例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表4に示す。
[比較例21B]
厚みを50μmにしたこと以外は、比較例21Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本比較例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表4に示す。
[比較例21C]
厚みを70μmにしたこと以外は、比較例21Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本比較例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表4に示す。
[比較例22A]
第2層及び第3層を構成する樹脂として、それぞれ、バイオC4LLDPEを用いたこと以外は、実施例21Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本比較例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表4に示す。
[比較例22B]
厚みを50μmにしたこと以外は、比較例22Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本比較例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表4に示す。
[比較例22C]
厚みを70μmにしたこと以外は、比較例22Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本比較例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表4に示す。
[比較例23A]
第2層を構成する樹脂として、バイオC4LLDPEを用いたこと、第3層を構成する樹脂として、50.0質量部の石化C6LLDPE_Aと、50.0質量部のバイオC4LLDPEとを用いたこと以外は、実施例21Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本比較例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表4に示す。
[比較例23B]
厚みを50μmにしたこと以外は、比較例23Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本比較例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表4に示す。
[比較例23C]
厚みを70μmにしたこと以外は、比較例23Aと同様にして第2樹脂フィルム15を得た。本比較例の第2樹脂フィルム15の平均密度、バイオマス度、C6LLDPEの含有量を表4に示す。
Figure 2022163548000004
Figure 2022163548000005
<耐ピンホール性の評価(低温)>
上記実施例及び比較例で作製した第2樹脂フィルム15を、低温(5℃)条件下で、ゲルボフレックステスターで2000回屈曲後、ピンホールの個数を測定した。これを3回繰り返し、ピンホールの平均個数を算出した。同一組成の第2樹脂フィルム15において、各層厚でのピンホールの平均個数の合計を以下の基準で評価した。評価結果を表5及び表6に示す。
(評価基準)
A:ピンホールの平均個数の合計が3個未満
B:ピンホールの平均個数の合計が3個以上5個未満
C:ピンホールの平均個数の合計が5個以上
<耐ピンホール性の評価(常温)>
上記実施例及び比較例で作製した第2樹脂フィルム15を、常温(23~30℃)条件下で、ゲルボフレックステスターで5000回屈曲後、ピンホールの個数を測定した。これを3回繰り返し、ピンホールの平均個数を算出した。同一組成の第2樹脂フィルム15において、各層厚でのピンホールの平均個数の合計を以下の基準で評価した。評価結果を表5及び表6に示す。
A:ピンホールの平均個数の合計が6個未満
B:ピンホールの平均個数の合計が6個以上10個未満
C:ピンホールの平均個数の合計が10個以上
<インパクト強度の評価>
上記実施例及び比較例で作製した第2樹脂フィルム15のインパクト強度を評価した。測定結果を表5及び表6に示す。
<引張強度の評価>
上記実施例及び比較例で作製した第2樹脂フィルム15の流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)における引張強度を評価した。第2樹脂フィルム15の引張強度は、JIS Z1702に準拠して測定した。測定器としては、オリエンテック社製の引張試験機 RTC-1210を用いた。試験片としては、第2樹脂フィルム15を幅10mm、長さ120mmの矩形状のフィルムに切り出したものを用いることができる。試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は80mmであり、引張速度は500mm/分である。測定時の温度は23℃とした。測定結果を表5及び表6に示す。
Figure 2022163548000006
Figure 2022163548000007
表5及び表6に示す通り、実施例の第2樹脂フィルム15は、低温条件及び常温条件において、屈曲後の耐ピンホール性に優れていることがわかる。
上記実施例の第2樹脂フィルム15を用いて、図8に示すような容量10Lの平袋型の内袋40を作製した。内袋において、内層フィルム及び外層フィルムはそれぞれ一重である。内層フィルムは、上記実施例の第2樹脂フィルム15から構成されている。外層フィルムは、ガスバリア性層としてのナイロンフィルム、接着樹脂層としてのポリエチレン、及びシーラント層としての上記実施例の第2樹脂フィルム15から構成されている。上記実施例の第2樹脂フィルム15を用いて作製された内袋は、耐ピンホール性に優れている。
上記実施例の第2樹脂フィルム15を用いて、図11に示すような容量1000Lのガセット型の内袋70を作製した。内袋において、内層フィルムは二重であり、外層フィルムは一重である。内層フィルムは、上記実施例の第2樹脂フィルム15から構成されている。外層フィルムは、ガスバリア性層としてのナイロンフィルム、接着樹脂層としてのポリエチレン、及びシーラント層としての上記実施例の第2樹脂フィルム15から構成されている。上記実施例の樹脂フィルムを用いて作製された内袋は、耐ピンホール性に優れている。
10:第1樹脂フィルム
11:第1層
12:第2層
13:第3層
15:第2樹脂フィルム
16:第1層
17:第2層
18:第3層
20:包装容器
30:外装体
40:内袋
41:前面
42:後面
43:頂部
44:底部
45a,45b:側部
46:頂部シール部
47:底部シール部
48:側部シール部
50:注出口
60:開口
70:内袋
71:前面
72:後面
73:側面
74:折り返し部位
75:頂部シール部
76:底部シール部
77:側部シール部
90:積層体
91:シーラント層
92,97:接着樹脂層
93:基材
94:蒸着膜
95:表面樹脂層
96:金属箔
100:試験片
101,102:治具
103:支点部
104:腕部
105:圧子
411,421:外層フィルム
412,422:第1内層フィルム
413,423:第2内層フィルム

Claims (13)

  1. 外側から内側へ順に、少なくとも、基材及びシーラント層を備える積層体であって、
    前記シーラント層が、エチレン及びα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを90質量%以上含む単一の層からなり、
    前記シーラント層が、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを51質量%以上含み、
    前記シーラント層が、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含む、積層体。
  2. 前記基材は、二軸延伸プラスチックフィルムを含む、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記二軸延伸プラスチックフィルムは、ポリアミド又はポリブチレンテレフタレートを含む、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記基材と前記シーラント層との間に位置する蒸着膜を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記基材と前記シーラント層との間に位置する金属箔を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記シーラント層の密度が、0.900g/cm以上0.930g/cm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 前記シーラント層が、化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の積層体。
  8. 前記化石燃料直鎖状低密度ポリエチレンが、メタロセン触媒を用いて、エチレン及び炭素数6以上のα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを含む、請求項7に記載の積層体。
  9. バイオマス度が40%以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載の積層体。
  10. 包装容器の内袋に用いられる、請求項1~9のいずれか一項に記載の積層体。
  11. 外層フィルム及び内層フィルムを含む内袋と、外装体とを含む、包装容器であって、
    前記外層フィルム及び前記内層フィルムの少なくとも一方が、請求項1~10のいずれか一項に記載の積層体を含む、包装容器。
  12. 前記外層フィルムが、請求項1~10のいずれか一項に記載の積層体を含み、
    前記内層フィルムが、第2樹脂フィルムを含み、
    前記第2樹脂フィルムは、第1層と、前記第1層に直接積層されている第2層とを少なくとも含み、
    前記第2層の厚みは、前記第1層の厚みよりも厚く、
    前記第2樹脂フィルムが、エチレン及びα-オレフィンのモノマーが重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを90質量%以上含み、
    前記第2樹脂フィルムが、エチレン及び炭素数6以上の化合物を含むα-オレフィンのモノマー重合してなる直鎖状低密度ポリエチレンを51質量%以上含み、
    前記第2樹脂フィルムが、バイオマス直鎖状低密度ポリエチレンを含む、請求項11に記載の包装容器。
  13. 前記内袋に接合された注出口を含む、請求項11又は12に記載の包装容器。
JP2021068554A 2021-04-14 2021-04-14 積層体及び包装容器 Pending JP2022163548A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021068554A JP2022163548A (ja) 2021-04-14 2021-04-14 積層体及び包装容器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021068554A JP2022163548A (ja) 2021-04-14 2021-04-14 積層体及び包装容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022163548A true JP2022163548A (ja) 2022-10-26

Family

ID=83742413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021068554A Pending JP2022163548A (ja) 2021-04-14 2021-04-14 積層体及び包装容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022163548A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6413231B2 (ja) チューブ容器
JP7354672B2 (ja) 樹脂フィルム及びラミネートチューブ容器
WO2022168867A1 (ja) シーラントフィルム、積層体及び包装容器
JP7015460B2 (ja) ポリオレフィン樹脂層を備える積層体およびそれを備える包装製品
JP2018001612A (ja) ポリオレフィン樹脂層を備える積層体およびそれを備える包装製品
JP7375320B2 (ja) 積層体、蓋材及び蓋付容器
JP7205563B2 (ja) 樹脂フィルム及び包装容器
JP2023063176A (ja) シーラントフィルム、積層体及び包装容器
JP2022163548A (ja) 積層体及び包装容器
JP6924394B2 (ja) ポリオレフィン樹脂層を備える積層体およびそれを備える包装製品
JP7430657B2 (ja) ポリオレフィン樹脂層を備える積層体およびそれを備える包装製品
JP6948603B2 (ja) 液体用紙容器
JP2022163558A (ja) 樹脂フィルム及び包装容器
JP2023019762A (ja) 樹脂フィルム、積層体及び包装容器
JP2018165056A (ja) ポリオレフィン樹脂層を備える積層体およびその製造方法ならびに該積層体を備える包装製品
JP7240646B2 (ja) ポリオレフィン樹脂層を備える積層体およびそれを備える包装製品
JP2022144865A (ja) ポリエチレン系シーラントフィルム、積層体及び包装袋
JP7037774B2 (ja) ポリオレフィン樹脂層を備える積層体およびそれを備える包装製品
JP2022144873A (ja) 積層体及び包装袋
JP7497804B2 (ja) 熱融着性積層フィルム
JP2023048894A (ja) 積層体、包装材料及び包装容器
JP2023048890A (ja) 延伸ポリエチレン基材
JP2022119211A (ja) シーラントフィルム、積層体及び包装袋
JP2023063172A (ja) シーラントフィルム、積層体及び包装容器
JP2023048882A (ja) 積層体、包装材料及び包装容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240227