JP2022119211A - シーラントフィルム、積層体及び包装袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温シール性及び剛性が向上されたシーラントフィルムの提供。【解決手段】本発明は、ポリエチレン樹脂組成物から構成されるシーラントフィルムであって、第1層と、第2層とを少なくとも備え、前記シーラントフィルムの一方の表面層が、前記第1層であり、前記第1層は、エチレン-αオレフィン共重合体を主成分として含み、前記第2層は、ポリエチレンを主成分として含み、前記第1層の融点が、112℃以下であり、前記第2層の融点が、114℃以上である、シーラントフィルムである。【選択図】図1
Description
本発明は、シーラントフィルム、積層体及び包装袋に関する。
従来から、強度に優れた二軸延伸ポリエステルフィルム又は二軸延伸ポリアミドフィルム等の基材層に、ポリエチレンフィルムからなるシーラント層を積層して形成された包装袋用積層体が知られている(例えば、特許文献1)。
近年では、海洋プラスチックごみの問題等から、循環型社会の構築を求める声の高まり、包装袋をリサイクルして使用することが試みられている。そのため、従来の様々な異種材料を組み合わせることで高性能化を図ってきた包装袋用積層体においても、単一素材(モノマテリアル)化が求められるようになってきた。
今般、本発明者らは、積層体において、基材層及びシーラント層の両方にポリエチレンフィルムを使用し、積層体のモノマテリアル化を試みた。
しかしながら、本発明者らは、該シーラント層を熱溶着(ヒートシール)して、積層体から包装袋を作製したところ、基材層がヒートシールによって熱収縮又は熱溶融し、これが包装袋の外観及び生産性に影響を及ぼす可能性があることに気が付いた。
しかしながら、本発明者らは、該シーラント層を熱溶着(ヒートシール)して、積層体から包装袋を作製したところ、基材層がヒートシールによって熱収縮又は熱溶融し、これが包装袋の外観及び生産性に影響を及ぼす可能性があることに気が付いた。
上記知見に鑑み、本発明者らは、ヒートシール層として低温シール性を有する単層のポリエチレンフィルムを使用することで、包装袋の外観及び生産性に影響を及ぼす可能性を低減できると考えた。
しかしながら、低温シール性を有する単層のポリエチレンフィルムは、従来のものと比較して柔らかかった。その結果、このポリエチレンフィルムを使用した包装袋に内容物の充填する際には、包装袋が屈曲し、製品の生産性に影響を及ぼす可能性があるという新たな問題が生じた。
しかしながら、低温シール性を有する単層のポリエチレンフィルムは、従来のものと比較して柔らかかった。その結果、このポリエチレンフィルムを使用した包装袋に内容物の充填する際には、包装袋が屈曲し、製品の生産性に影響を及ぼす可能性があるという新たな問題が生じた。
従って、本発明の目的は、低温シール性及び剛性が向上されたシーラントフィルムを提供することである。
本発明の目的は、該シーラントフィルムを備える積層体を提供することである。
本発明の目的は、該積層体を備える包装袋を提供することである。
本発明の目的は、該シーラントフィルムを備える積層体を提供することである。
本発明の目的は、該積層体を備える包装袋を提供することである。
本発明は、ポリエチレン樹脂組成物から構成されるシーラントフィルムであって、
第1層と、第2層とを少なくとも備え、
前記シーラントフィルムの一方の表面層が、前記第1層であり、
前記第1層は、エチレン-αオレフィン共重合体を主成分として含み、
前記第2層は、ポリエチレンを主成分として含み、
前記第1層の融点が、112℃以下であり、
前記第2層の融点が、114℃以上である、シーラントフィルムである。
第1層と、第2層とを少なくとも備え、
前記シーラントフィルムの一方の表面層が、前記第1層であり、
前記第1層は、エチレン-αオレフィン共重合体を主成分として含み、
前記第2層は、ポリエチレンを主成分として含み、
前記第1層の融点が、112℃以下であり、
前記第2層の融点が、114℃以上である、シーラントフィルムである。
シーラントフィルムにおいて、前記第1層の密度は、0.915g/cm3以下でもよい。
シーラントフィルムにおいて、前記第2層の密度は、0.917g/cm3以上でもよい。
シーラントフィルムにおいて、前記シーラントフィルムの厚さは、20μm以上300μm以下でもよい。
シーラントフィルムにおいて、エチレン-αオレフィン共重合体の含有量は、前記シーラントフィルムの全体に対して、50質量%以上90質量%以下でもよい。
シーラントフィルムは、バイオマスポリエチレンを含んでもよい。
本発明は、基材層と、シーラント層とを少なくとも備える積層体であって、
前記基材層は、主成分としてポリエチレンを含み、
前記シーラント層は、請求項1~6のいずれか一項に記載のシーラントフィルムを備え、
前記積層体の一方の表面層が、前記シーラントフィルムの前記第1層である、積層体である。
前記基材層は、主成分としてポリエチレンを含み、
前記シーラント層は、請求項1~6のいずれか一項に記載のシーラントフィルムを備え、
前記積層体の一方の表面層が、前記シーラントフィルムの前記第1層である、積層体である。
積層体において、前記基材層は、延伸フィルムでもよい。
本発明は、請求項7又は8に記載の積層体を備える、包装袋である。
包装袋は、スタンディングパウチでもよい。
本発明によれば、低温シール性及び剛性が向上されたシーラントフィルムを提供することである。
本発明によれば、該シーラントフィルムを備える積層体を提供できる。
本発明によれば、該積層体を備える包装袋を提供できる。
本発明によれば、該シーラントフィルムを備える積層体を提供できる。
本発明によれば、該積層体を備える包装袋を提供できる。
本発明の実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更し誇張してある。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
〔シーラントフィルム〕
本発明によるシーラントフィルムは、ポリエチレン樹脂組成物から構成される。
本明細書において、「ポリエチレン樹脂組成物」とは、主成分としてポリエチレンを含む樹脂組成物である。
なお、本明細書において、「主成分」とは、50質量%以上含まれている成分を意味する。
このようなシーラントフィルムを、ポリエチレンを使用した基材層を備える積層体及び包装袋に使用することで、積層体及び包装袋のモノマテリアル化を実現でき、シーラントフィルムのリサイクル性を向上できる。
ポリエチレン樹脂組成物におけるポリエチレンの含有量は、リサイクル性の観点から、樹脂組成物全体に対して、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95%以上である。
本発明によるシーラントフィルムは、ポリエチレン樹脂組成物から構成される。
本明細書において、「ポリエチレン樹脂組成物」とは、主成分としてポリエチレンを含む樹脂組成物である。
なお、本明細書において、「主成分」とは、50質量%以上含まれている成分を意味する。
このようなシーラントフィルムを、ポリエチレンを使用した基材層を備える積層体及び包装袋に使用することで、積層体及び包装袋のモノマテリアル化を実現でき、シーラントフィルムのリサイクル性を向上できる。
ポリエチレン樹脂組成物におけるポリエチレンの含有量は、リサイクル性の観点から、樹脂組成物全体に対して、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95%以上である。
本明細書において、ポリエチレンには、エチレンの単独重合体、及びエチレンとαオレフィンとの共重合体(以下、エチレン-αオレフィン共重合体とも称する)が含まれる。エチレン-αオレフィン共重合体において、αオレフィンの含有量は、好ましくは5モル%以下である。
エチレンの単独重合体としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)及び高圧法低密度ポリエチレン(LDPE)等が挙げられる。
本明細書において、高密度ポリエチレンとは、0.942g/cm3以上の密度を有するポリエチレンを意味し、中密度ポリエチレンとは、0.930g/cm3以上0.942g/cm3未満の密度を有するポリエチレンを意味する。高圧法低密度ポリエチレンとは、0.910g/cm3以上0.930g/cm3未満の密度を有するポリエチレンを意味する。
なお、本明細書において、樹脂、層及びフィルム等の密度は、JIS K7112:1999のうち、B法(ピクノメータ法)又はD法(密度勾配管法)に準拠して測定される。B法及びD法の選択は、測定する試験片の形状及び質量等に応じて適宜行う。D法において、測定温度(液温)は23℃とする。
本明細書において、高密度ポリエチレンとは、0.942g/cm3以上の密度を有するポリエチレンを意味し、中密度ポリエチレンとは、0.930g/cm3以上0.942g/cm3未満の密度を有するポリエチレンを意味する。高圧法低密度ポリエチレンとは、0.910g/cm3以上0.930g/cm3未満の密度を有するポリエチレンを意味する。
なお、本明細書において、樹脂、層及びフィルム等の密度は、JIS K7112:1999のうち、B法(ピクノメータ法)又はD法(密度勾配管法)に準拠して測定される。B法及びD法の選択は、測定する試験片の形状及び質量等に応じて適宜行う。D法において、測定温度(液温)は23℃とする。
エチレン-αオレフィン共重合体としては、例えば、直鎖状ポリエチレン等が挙げられる。ここで、直鎖状ポリエチレンについて説明する。
直鎖状ポリエチレンとは、チーグラー・ナッタ触媒に代表されるマルチサイト触媒又はメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を使用して重合した、エチレンと、αオレフィンとの共重合体である。従って、エチレンの単独重合体とは区別される。直鎖状ポリエチレンのモノマーとなるαオレフィンは、炭素数3以上のものであり、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-オクテン、1-ノネン、4-メチルペンテン、3,3-ジメチルブテン等、及びこれらの混合物が挙げられる。
0.930g/cm3未満の密度を有する直鎖状ポリエチレンを、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と称してもよい。
直鎖状ポリエチレンとは、チーグラー・ナッタ触媒に代表されるマルチサイト触媒又はメタロセン触媒に代表されるシングルサイト触媒を使用して重合した、エチレンと、αオレフィンとの共重合体である。従って、エチレンの単独重合体とは区別される。直鎖状ポリエチレンのモノマーとなるαオレフィンは、炭素数3以上のものであり、例えばプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-オクテン、1-ノネン、4-メチルペンテン、3,3-ジメチルブテン等、及びこれらの混合物が挙げられる。
0.930g/cm3未満の密度を有する直鎖状ポリエチレンを、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と称してもよい。
上記のシングルサイト触媒とは、均一な活性種を形成し得る触媒であり、通常、メタロセン系遷移金属化合物や非メタロセン系遷移金属化合物と、活性化用助触媒と、を接触させることにより調整される。シングルサイト触媒は、マルチサイト触媒に比べて、活性点構造が均一であるため、高分子量かつ均一度の高い構造の重合体を重合することができる。シングルサイト触媒としては、特に好ましくは、メタロセン触媒が挙げられる。また、メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン-αオレフィン共重合体を、第1層で用いることにより、チーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されたエチレン-αオレフィン共重合体を用いた場合に比べて、例えば低温シール性をより向上できる。メタロセン触媒を用いて製造されたエチレン-αオレフィン共重合体を、第2層又は第3層で用いることにより、チーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されたエチレン-αオレフィン共重合体を用いた場合に比べて、例えば耐衝撃性をより向上できる。
メタロセン触媒は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物と、助触媒と、必要により有機金属化合物と、担体の各触媒成分と、を含む触媒である。
上記のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、そのシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1~30の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも一種の置換基を有するものが挙げられる。その置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有してもよく、また置換基同士が互いに結合して環を形成し、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環、その水添体等を形成してもよい。置換基同士が互いに結合し形成された環が更に互いに置換基を有してもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物において、その遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特に好ましくは、ジルコニウム及び/又はハフニウムである。該遷移金属化合物は、好ましくは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常2個を有し、各々のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は架橋基により互いに結合しているものである。なお、架橋基としては炭素数1~4のアルキレン基、シリレン基、ジアルキルシリレン基、ジアリールシリレン基等の置換シリレン基、ジアルキルゲルミレン基、ジアリールゲルミレン基等の置換ゲルミレン基等が挙げられる。架橋基は、好ましくは置換シリレン基である。
周期律表第IV族の遷移金属化合物において、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、水素、炭素数1~20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基等が挙げられる。
上記のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、1種又は2種以上の混合物を触媒成分とすることができる。
助触媒としては、上記の周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、又は触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衝させ得るものをいう。助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、イオン交換性層状珪酸塩、ホウ素化合物、活性水素基含有あるいは非含有のカチオンと非配位性アニオンからなるイオン性化合物、酸化ランタン等のランタノイド塩、酸化スズ、フルオロ基を含有するフェノキシ化合物等が挙げられる。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物は、無機又は有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機又は有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的には、モンモリロナイト等のイオン交換性層状珪酸塩、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO2、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等又はこれらの混合物が挙げられる。
また更に必要により使用される有機金属化合物としては、有機アルミニウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物等が例示される。このうち有機アルミニウムが好適に使用される。
本発明によるシーラントフィルムは、第1層と、第2層とを少なくとも備える。シーラントフィルムの一方の表面層は、第1層である。シーラントフィルムは、更に第3層を備えてもよい。
以下、図1~5を参照して、本発明によるシーラントフィルムの層構成について説明する。
以下、図1~5を参照して、本発明によるシーラントフィルムの層構成について説明する。
一実施形態において、シーラントフィルム10は、図1に示すように、第1層11と、第2層12とを備える。図1に示すように、第1層11は、シーラントフィルム10の一方の表面層を構成し、第2層12は、シーラントフィルム10の他方の表面層を構成する。
一実施形態において、シーラントフィルム10は、図2に示すように、第1層11Aと、第2層12と、第1層11Bとをこの順に備える。図2に示すように、第1層11Aは、シーラントフィルム10の一方の表面層を構成し、第1層11Bは、シーラントフィルム10の他方の表面層を構成する。
一実施形態において、シーラントフィルム10は、図3に示すように、第1層11と、第2層12Aと、第2層12Bとをこの順に備える。図3に示すように、第1層11は、シーラントフィルム10の一方の表面層を構成し、第2層12Bは、シーラントフィルム10の他方の表面層を構成する。
一実施形態において、シーラントフィルム10は、図4に示すように、第1層11と、第2層12と、第3層13とをこの順に備える。図4に示すように、第1層11は、シーラントフィルム10の一方の表面層を構成し、第3層13は、シーラントフィルム10の他方の表面層を構成する。
一実施形態において、シーラントフィルム10は、図5に示すように、第1層11と、第3層13と、第2層12とをこの順に備える。図5に示すように、第1層11は、シーラントフィルム10の一方の表面層を構成し、第2層12は、シーラントフィルム10の他方の表面層を構成する。
上記シーラントフィルム10の層構成は、適宜組み合わせることが可能である。
本発明によるシーラントフィルムにおいて、第1層は、エチレン-αオレフィン共重合体を主成分として含み、且つ、112℃以下の融点を有する。また、本発明によるシーラントフィルムにおいて、第2層は、ポリエチレンを主成分として含み、且つ、114℃以上の融点を有する。本発明によるシーラントフィルムは、このような第1層及び第2層を少なくとも備えることにより、低温シール性及び剛性を向上できる。その理由は以下の通りであると考えられる。
シーラントフィルムの低温シール性を実現するためには、シーラントフィルムの融点を低くする必要があるところ、一般的にシーラントフィルムの融点を低くすると、これに伴い、シーラントフィルムの剛性が低下する。この剛性の低下は、シーラントフィルムの密度が関係していると考えられる。即ち、シーラントフィルムの融点を低くするために密度を低下させた結果、シーラントフィルム剛性が低下したと考えられる。シーラントフィルムが単層である場合、1つの層によって、トレードオフの関係にある低温シール性と剛性とを両立することは難しい。
本発明によるシーラントフィルムは、エチレン-αオレフィン共重合体を主成分として含み、且つ、112℃以下の融点を有する第1層により低温シール性を向上できると共に、ポリエチレンを主成分として含み、且つ、114℃以上の融点を有する第2層により剛性を向上できるため、低温シール性及び剛性が向上されたシーラントフィルムを実現できる。
本発明によるシーラントフィルムは、エチレン-αオレフィン共重合体を主成分として含み、且つ、112℃以下の融点を有する第1層により低温シール性を向上できると共に、ポリエチレンを主成分として含み、且つ、114℃以上の融点を有する第2層により剛性を向上できるため、低温シール性及び剛性が向上されたシーラントフィルムを実現できる。
本明細書において、融点は、示差走査熱量計を用いて、JIS K7121:2012に準拠して求めた値である。具体的には、シーラントフィルムの各層から試料を採取する。次いで、約10mgの試料をアルミニウム製のセルに入れ、窒素雰囲気下において、10℃/minの加熱速度で20℃から融点より十分に高い温度(例えば、200℃)まで昇温し、その到達温度で10分間保持した後、10℃/minの冷却速度で20℃まで冷却する。この昇温、保持及び冷却をもう一度繰り返し、2回目の昇温の際に観測される最大吸熱ピークの融解ピーク温度を求め、これを融点とする。示差走査熱量計としては、例えば、(株)日立ハイテクサイエンス社製の熱分析装置TA7000シリーズを使用できる。
シーラントフィルムの密度は、好ましくは0.910g/cm3以上であり、より好ましくは0.920g/cm3以上である。一方、シーラントフィルムの密度は、好ましくは0.945g/cm3以下であり、より好ましくは0.930g/cm3以下である。
シーラントフィルムの密度を0.910g/cm3以上とすることにより、シーラントフィルムの剛性及び引き裂き性を向上できる。
一方、シーラントフィルムの密度を0.945g/cm3以下とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
シーラントフィルムの密度を0.910g/cm3以上とすることにより、シーラントフィルムの剛性及び引き裂き性を向上できる。
一方、シーラントフィルムの密度を0.945g/cm3以下とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
シーラントフィルムにおけるエチレン-αオレフィン共重合体の含有量は、シーラントフィルムの全体に対して、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。一方、シーラントフィルムにおけるエチレン-αオレフィン共重合体の含有量は、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。
エチレン-αオレフィン共重合体の含有量を50質量%以上とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
一方、エチレン-αオレフィン共重合体の含有量を90質量%以下とすることにより、シーラントフィルムの引き裂き性を向上できる。
エチレン-αオレフィン共重合体の含有量を50質量%以上とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
一方、エチレン-αオレフィン共重合体の含有量を90質量%以下とすることにより、シーラントフィルムの引き裂き性を向上できる。
シーラントフィルムにおけるエチレンの単独重合体の含有量は、シーラントフィルムの全体に対して、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。一方、シーラントフィルムにおけるエチレンの単独重合体の含有量は、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下である。
エチレンの単独重合体の含有量を10質量%以上とすることにより、シーラントフィルムの引き裂き性を向上できる。
一方、エチレンの単独重合体の含有量を50質量%以下とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
エチレンの単独重合体の含有量を10質量%以上とすることにより、シーラントフィルムの引き裂き性を向上できる。
一方、エチレンの単独重合体の含有量を50質量%以下とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
シーラントフィルムは、好ましくはバイオマスポリエチレンを含む。これにより、シーラントフィルムの環境負荷低減性を向上できる。
バイオマスポリエチレンとは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマー組成物の重合体である。モノマー組成物は、従来の化石燃料由来のエチレンを含んでもよい。
以下、バイオマス由来のエチレンの製造方法の一例を説明する。
バイオマスポリエチレンとは、バイオマス由来のエチレンを含むモノマー組成物の重合体である。モノマー組成物は、従来の化石燃料由来のエチレンを含んでもよい。
以下、バイオマス由来のエチレンの製造方法の一例を説明する。
バイオマス由来のエチレンは、バイオマス由来のエタノールを原料として製造することができる。特に、植物原料から得られるバイオマス由来の発酵エタノールを用いることが好ましい。植物原料は、特に限定されず、従来公知の植物を用いることができる。例えば、トウモロコシ、サトウキビ、ビート、及びマニオクを挙げることができる。
バイオマス由来の発酵エタノールとは、植物原料より得られる炭素源を含む培養液にエタノールを生産する微生物又はその破砕物由来産物を接触させ、生産した後、精製されたエタノールを指す。培養液からのエタノールの精製は、蒸留、膜分離、及び抽出等の従来公知の方法が適用可能である。例えば、ベンゼン、シクロヘキサン等を添加し、共沸させるか、又は膜分離等により水分を除去する等の方法が挙げられる。
上記エチレンを得るために、この段階で、エタノール中の不純物総量が1ppm以下にする等の高度な精製を更に行ってもよい。
エタノールの脱水反応によりエチレンを得る際には通常は触媒が用いられるが、この触媒は、特に限定されず、従来公知の触媒を用いることができる。プロセス上有利なのは、触媒と生成物の分離が容易な固定床流通反応であり、例えば、γ-アルミナ等が好ましい。
この脱水反応は吸熱反応であるため、通常加熱条件で行う。商業的に有用な反応速度で反応が進行すれば、加熱温度は限定されないが、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは250℃以上であり、更に好ましくは300℃以上の温度が適当である。上限も特に限定されないが、エネルギー収支及び設備の観点から、好ましくは500℃以下であり、より好ましくは400℃以下である。
エタノールの脱水反応においては、原料として供給するエタノール中に含まれる水分量によって反応の収率が左右される。一般的に、脱水反応を行う場合には、水の除去効率を考えると水が無いほうが好ましい。しかしながら、固体触媒を用いたエタノールの脱水反応の場合、水が存在しないと他のオレフィン、特にブテンの生成量が増加する傾向にあることが判明した。恐らく、少量の水が存在しないと脱水後のエチレン二量化を押さえることができないためと推察している。許容される水の含有量の下限は、0.1質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上必要である。上限は特に限定されないが、物質収支上及び熱収支の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
このようにしてエタノールの脱水反応を行うことによりエチレン、水及び少量の未反応エタノールの混合部が得られるが、常温において約5MPa以下ではエチレンは気体であるため、これら混合部から気液分離により水やエタノールを除きエチレンを得ることができる。これは公知の方法で行えばよい。
気液分離により得られたエチレンは更に蒸留され、このときの操作圧力が常圧以上であること以外は、蒸留方法、操作温度、及び滞留時間等は特に制約されない。
原料がバイオマス由来のエタノールの場合、得られたエチレンには、エタノール発酵工程で混入した不純物であるケトン、アルデヒド、及びエステル等のカルボニル化合物ならびにその分解物である炭酸ガスや、酵素の分解物・夾雑物であるアミン及びアミノ酸等の含窒素化合物ならびにその分解物であるアンモニア等が極微量含まれる。エチレンの用途によっては、これら極微量の不純物が問題となるおそれがあるので、精製により除去してもよい。精製方法は、特に限定されず、従来公知の方法により行うことができる。好適な精製操作としては、例えば、吸着精製法をあげることができる。用いる吸着剤は特に限定されず、従来公知の吸着剤を用いることができる。例えば、高表面積の材料が好ましく、吸着剤の種類としては、バイオマス由来のエタノールの脱水反応により得られるエチレン中の不純物の種類・量に応じて選択される。
なお、エチレン中の不純物の精製方法として苛性水処理を併用してもよい。苛性水処理をする場合は、吸着精製前に行うことが望ましい。その場合、苛性処理後、吸着精製前に水分除去処理を施す必要がある。
本発明によるシーラントフィルムにバイオマスポリエチレンが含まれていることは、シーラントフィルムのバイオマス度を測定することにより判別できる。シーラントフィルムにバイオマスポリエチレンが含まれている場合、シーラントフィルムのバイオマス度は0%より大きくなる。
ここで、バイオマス度について説明する。
大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えば、とうもろこし中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。
「バイオマス度」とは、バイオマス由来成分の重量比率を示すものである。例えば、ポリエチレンテレフタレートを例にとると、ポリエチレンテレフタレートは、2炭素原子を含むエチレングリコールと8炭素原子を含むテレフタル酸とがモル比1:1で重合したものであるため、エチレングリコールとしてバイオマス由来のもののみを使用した場合、ポリエステル中のバイオマス由来成分の重量比率は31.25%であるため、バイオマス度の理論値は31.25%となる。具体的には、ポリエチレンテレフタレートの質量は192であり、そのうちバイオマス由来のエチレングリコールに由来する質量は60であるため、60÷192×100=31.25となる。また、化石燃料由来のエチレングリコールと、化石燃料由来のジカルボン酸と、を用いて製造した化石燃料ポリエステル中のバイオマス由来成分の重量比率は0%であり、化石燃料ポリエステルのバイオマス度は0%となる。以下、特に断りのない限り、「バイオマス度」とはバイオマス由来成分の重量比率を示したものとする。
大気中の二酸化炭素には、C14が一定割合(105.5pMC)で含まれているため、大気中の二酸化炭素を取り入れて成長する植物、例えば、とうもろこし中のC14含有量も105.5pMC程度であることが知られている。また、化石燃料中にはC14が殆ど含まれていないことも知られている。したがって、全炭素原子中に含まれるC14の割合を測定することにより、バイオマス由来の炭素の割合を算出することができる。
「バイオマス度」とは、バイオマス由来成分の重量比率を示すものである。例えば、ポリエチレンテレフタレートを例にとると、ポリエチレンテレフタレートは、2炭素原子を含むエチレングリコールと8炭素原子を含むテレフタル酸とがモル比1:1で重合したものであるため、エチレングリコールとしてバイオマス由来のもののみを使用した場合、ポリエステル中のバイオマス由来成分の重量比率は31.25%であるため、バイオマス度の理論値は31.25%となる。具体的には、ポリエチレンテレフタレートの質量は192であり、そのうちバイオマス由来のエチレングリコールに由来する質量は60であるため、60÷192×100=31.25となる。また、化石燃料由来のエチレングリコールと、化石燃料由来のジカルボン酸と、を用いて製造した化石燃料ポリエステル中のバイオマス由来成分の重量比率は0%であり、化石燃料ポリエステルのバイオマス度は0%となる。以下、特に断りのない限り、「バイオマス度」とはバイオマス由来成分の重量比率を示したものとする。
理論上、ポリエチレンの原料として、バイオマス由来の原料のみを用いれば、バイオマス由来のエチレン濃度は100%であるため、バイオマスポリエチレンのバイオマス度は100%となる。
また、化石燃料由来の原料のみで製造された化石燃料ポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度は0%である。従って、化石燃料由来のポリエチレンのバイオマス度は0%となる。
また、化石燃料由来の原料のみで製造された化石燃料ポリエチレン中のバイオマス由来のエチレン濃度は0%である。従って、化石燃料由来のポリエチレンのバイオマス度は0%となる。
シーラントフィルムの厚さは、好ましくは20μm以上であり、より好ましくは70μm以上であり、更に好ましくは100μm以上である。一方、シーラントフィルムの厚さは、好ましくは300μm以下であり、より好ましくは200μm以下であり、更に好ましくは150μm以下である。
シーラントフィルムの厚さを20μm以上とすることにより、該シーラントフィルムを使用して得られた積層体及び包装袋の剛性を向上できる。
一方、シーラントフィルムの厚さを300μm以下とすることにより、積層体及び包装袋に使用される樹脂の量を低減でき、積層体及び包装袋の環境負荷低減性を向上できる。
シーラントフィルムの厚さを20μm以上とすることにより、該シーラントフィルムを使用して得られた積層体及び包装袋の剛性を向上できる。
一方、シーラントフィルムの厚さを300μm以下とすることにより、積層体及び包装袋に使用される樹脂の量を低減でき、積層体及び包装袋の環境負荷低減性を向上できる。
シーラントフィルムは、本発明の目的を損なわない範囲において、1種又は2種以上の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等が挙げられる。シーラントフィルムは、好ましくは、スリップ剤及び/又はアンチブロッキング剤を含む。
シーラントフィルムの他方の面は、表面処理が施されてもよい。これにより、隣接する層との密着性を向上できる。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ処理、フレーム処理、オゾン処理、酸素ガス及び/又は窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
表面処理の方法は特に限定されず、例えば、コロナ処理、フレーム処理、オゾン処理、酸素ガス及び/又は窒素ガスなどを用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理などの物理的処理、並びに化学薬品を用いた酸化処理などの化学的処理が挙げられる。
次に、本発明によるシーラントフィルムが備え得る各層を説明する。
<第1層>
第1層は、エチレン-αオレフィン共重合体を主成分として含み、且つ、112℃以下の融点を有する。これにより、上記した通り、シーラントフィルムの低温シール性を向上できる。
一実施形態において、第1層はシール層である。本明細書において、「シール層」とは、シーラントフィルムを積層体に使用した際に、積層体の一方の表面層、又は積層体の双方の表面層を構成する層であり、熱によって融着する層を意味する。
第1層は、エチレン-αオレフィン共重合体を主成分として含み、且つ、112℃以下の融点を有する。これにより、上記した通り、シーラントフィルムの低温シール性を向上できる。
一実施形態において、第1層はシール層である。本明細書において、「シール層」とは、シーラントフィルムを積層体に使用した際に、積層体の一方の表面層、又は積層体の双方の表面層を構成する層であり、熱によって融着する層を意味する。
第1層の融点は、シーラントフィルムの低温シール性の観点から、好ましくは110℃以下であり、より好ましくは105℃以下、更に好ましくは100℃以下である。一方、第1層の融点は、例えば80℃以上であり、90℃以上でもよい。
第2層の融点と第1層の融点との差は、シーラントフィルムの低温シール性及び剛性のバランスの観点から、好ましくは4℃以上、より好ましくは15℃以上、更に好ましくは20℃以上であり、好ましくは50℃以下、より好ましくは48℃以下、更に好ましくは46℃以下であり、例えば40℃以下でもよい。
第1層の密度は、好ましくは0.915g/cm3以下であり、より好ましくは0.912g/cm3以下であり、更に好ましくは0.908g/cm3以下である。一方、第1層の密度は、好ましくは0.890g/cm3以上であり、より好ましくは0.900g/cm3以上である。
第1層の密度を0.915g/cm3以下とすることにより、シーラントフィルムの低温シール性を向上できる。
一方、第1層の密度を0.890g/cm3以上とすることにより、シーラントフィルムの耐ブロッキング性を向上できる。
第1層の密度を0.915g/cm3以下とすることにより、シーラントフィルムの低温シール性を向上できる。
一方、第1層の密度を0.890g/cm3以上とすることにより、シーラントフィルムの耐ブロッキング性を向上できる。
第1層におけるエチレン-αオレフィン共重合体の含有量は、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95%以上である。
第1層は、好ましくは0.912g/cm3以下、より好ましくは0.908g/cm3以下、更に好ましくは0.905g/cm3以下の密度を有するエチレン-αオレフィン共重合体を含む。一方、第1層は、好ましくは0.890g/cm3以上、より好ましくは0.895g/cm3以上の密度を有するエチレン-αオレフィン共重合体を含む。
第1層が0.912g/cm3以下の密度を有するエチレン-αオレフィン共重合体を含むことにより、シーラントフィルムの低温シール性を向上できる。
一方、第1層が0.890g/cm3以上の密度を有するエチレン-αオレフィン共重合体を含むことにより、シーラントフィルムの耐ブロッキング性を向上できる。
第1層が0.912g/cm3以下の密度を有するエチレン-αオレフィン共重合体を含むことにより、シーラントフィルムの低温シール性を向上できる。
一方、第1層が0.890g/cm3以上の密度を有するエチレン-αオレフィン共重合体を含むことにより、シーラントフィルムの耐ブロッキング性を向上できる。
第1層の厚さは、例えば5μm以上であり、15μm以上でもよい。一方、第1層の厚さは、例えば50μm以下であり、30μm以下でもよい。
なお、第1層は、単層でも、各層が同一組成の多層でもよい。第1層が多層である場合、第1層の厚さは、各層の合計厚さである。
なお、第1層は、単層でも、各層が同一組成の多層でもよい。第1層が多層である場合、第1層の厚さは、各層の合計厚さである。
シーラントフィルムの厚さに対する第1層の厚さの割合は、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上、特に好ましくは15%以上であり、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましくは25%以下である。これにより、シーラントフィルムの低温シール性及び剛性のバランスをより向上できる。
第1層は、一実施形態において、第2層又は第3層に接していることが好ましく、第2層に接していることがより好ましい。すなわち、第1層は、一実施形態において、接着層を介さずに、第2層又は第3層に接していることが好ましい。
第1層は、一実施形態において、未延伸の樹脂層である。
第1層は、一実施形態において、未延伸の樹脂層である。
第1層は、本発明の目的を損なわない範囲において、1種又は2種以上の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等が挙げられる。第1層は、好ましくは、スリップ剤及び/又はアンチブロッキング剤を含む。
<第2層>
シーラントフィルムにおいて、第2層は、ポリエチレンを主成分として含み、且つ、114℃以上の融点を有する。これにより、上記した通り、シーラントフィルムの剛性を向上できる。
シーラントフィルムにおいて、第2層は、ポリエチレンを主成分として含み、且つ、114℃以上の融点を有する。これにより、上記した通り、シーラントフィルムの剛性を向上できる。
第2層の融点は、シーラントフィルムの剛性の観点から、好ましくは117℃以上であり、より好ましくは120℃以上である。一方、第2層の融点は、例えば150℃以下であり、135℃以下でもよい。
第2層の密度は、好ましくは0.916g/cm3以上であり、より好ましくは0.920g/cm3以上であり、更に好ましくは0.930g/cm3以上である。一方、第2層の密度は、好ましくは0.950g/cm3以下であり、より好ましくは0.945g/cm3以下である。
第2層の密度を0.916g/cm3以上とすることにより、シーラントフィルムの剛性及び引き裂き性を向上できる。
一方、第2層の密度を0.950g/cm3以下とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
第2層の密度を0.916g/cm3以上とすることにより、シーラントフィルムの剛性及び引き裂き性を向上できる。
一方、第2層の密度を0.950g/cm3以下とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
第2層におけるポリエチレンの含有量は、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95%以上である。
第2層は、好ましくは0.915g/cm3以上、より好ましくは0.935g/cm3以上の密度を有するポリエチレンを含む。一方、第2層は、好ましくは0.970g/cm3以下、より好ましくは0.960g/cm3以下の密度を有するポリエチレンを含む。
第2層が0.915g/cm3以上の密度を有するポリエチレンを含むことにより、シーラントフィルムの剛性及び引き裂き性を向上できる。
一方、第2層が0.970g/cm3以下の密度を有するポリエチレンを含むことにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
第2層が0.915g/cm3以上の密度を有するポリエチレンを含むことにより、シーラントフィルムの剛性及び引き裂き性を向上できる。
一方、第2層が0.970g/cm3以下の密度を有するポリエチレンを含むことにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
第2層は、エチレン-αオレフィン共重合体を含んでもよい。第2層おけるエチレン-αオレフィン共重合体の含有量は、第2層の全体に対して、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは70質量%以上である。一方、第2層におけるエチレン-αオレフィン共重合体の含有量は、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは80質量%以下である。
エチレン-αオレフィン共重合体の含有量を50質量%以上とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
一方、エチレン-αオレフィン共重合体の含有量を90質量%以下とすることにより、シーラントフィルムの引き裂き性を向上できる。
エチレン-αオレフィン共重合体の含有量を50質量%以上とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
一方、エチレン-αオレフィン共重合体の含有量を90質量%以下とすることにより、シーラントフィルムの引き裂き性を向上できる。
第2層は、エチレンの単独重合体を含んでもよい。第2層におけるエチレンの単独重合体の含有量は、第2層の全体に対して、好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。一方、第2層におけるエチレンの単独重合体の含有量は、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは25質量%以下である。
エチレンの単独重合体の含有量を10質量%以上とすることにより、シーラントフィルムの引き裂き性を向上できる。
一方、エチレンの単独重合体の含有量を50質量%以下とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
エチレンの単独重合体の含有量を10質量%以上とすることにより、シーラントフィルムの引き裂き性を向上できる。
一方、エチレンの単独重合体の含有量を50質量%以下とすることにより、シーラントフィルムの耐衝撃性を向上できる。
一実施形態において、シーラントフィルムが2つの層から構成されている場合、第2層はラミネート層である。
本明細書において、「ラミネート層」とは、シーラントフィルムを積層体に使用した際に、積層体の基材層側に位置する層を意味する。
本明細書において、「ラミネート層」とは、シーラントフィルムを積層体に使用した際に、積層体の基材層側に位置する層を意味する。
一実施形態において、シーラントフィルムが3つ以上の層から構成されている場合、第2層はラミネート層及び/又は中間層である。本明細書において、「中間層」とは、シール層とラミネート層との間に位置する層を意味する。この場合、シール層である第1層と、中間層とは、低温シール性及び剛性のバランスの観点から、構成材料が異なることが好ましい。
例えば、シーラントフィルムがシール層(第1層)と中間層とラミネート層とを備える場合、ラミネート層の融点よりも、中間層の融点の方が高いことが好ましい。また、シール層の融点よりも、中間層の融点の方が高いことが好ましい。また、シール層の融点よりも、ラミネート層の融点の方が高いことが好ましい。このような構成により、例えば、シーラントフィルムの低温シール性、剛性及び耐衝撃性をより向上できる。
例えば中間層の融点とラミネート層の融点との差は、0℃以上30℃以下でもよく、1℃以上でもよく、2℃以上でもよく、また、25℃以下でもよく、20℃以下でもよく、15℃以下でもよく、10℃以下でもよい。例えば中間層の融点とシール層の融点との差は、2℃以上50℃以下でもよく、4℃以上でもよく、15℃以上でもよく、また、40℃以下でもよく、35℃以下でもよい。例えばラミネート層の融点とシール層の融点との差は、2℃以上40℃以下でもよく、4℃以上でもよく、15℃以上でもよく、また、35℃以下でもよく、30℃以下でもよい。
シール層と中間層とラミネート層とを備えるシーラントフィルムにおいて、該フィルムの厚さに対するシール層の厚さの割合及びラミネート層の厚さの割合は、それぞれ独立に、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上、特に好ましくは15%以上であり、好ましくは40%以下、より好ましくは35%以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましくは25%以下である。
シール層と中間層とラミネート層とを備えるシーラントフィルムにおいて、該フィルムの厚さに対する中間層の厚さの割合は、好ましくは20%以上、より好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上であり、好ましくは94%以下、より好ましくは90%以下、更に好ましくは80%以下、特に好ましくは70%以下である。
なお、第2層は、ポリエチレンを主成分として含み、且つ、114℃以上の融点を有する層であれば、シーラントフィルム内に複数存在する層でもよい。即ち、ラミネート層及び中間層の両方が第2層でもよい。
また、中間層は、単層でも、多層でもよい。中間層が多層である場合、各中間層の組成は、同一でも、異なってもよい。
なお、第2層は、ポリエチレンを主成分として含み、且つ、114℃以上の融点を有する層であれば、シーラントフィルム内に複数存在する層でもよい。即ち、ラミネート層及び中間層の両方が第2層でもよい。
また、中間層は、単層でも、多層でもよい。中間層が多層である場合、各中間層の組成は、同一でも、異なってもよい。
第2層の厚さは、例えば10μm以上であり、45μm以上でもよい。一方、第2層の厚さは、例えば250μm以下であり、170μm以下でもよい。
なお、第2層が多層である場合、第2層の厚さは、各層の合計厚さである。
なお、第2層が多層である場合、第2層の厚さは、各層の合計厚さである。
シーラントフィルムの厚さTAに対する第2層の厚さTBの比(厚さTB/厚さTA)は、シーラントフィルムの剛性の観点から、好ましくは1/5以上であり、より好ましくは1/2以上であり、更に好ましくは2/3以上である。一方、厚さTB/厚さTAは、例えば19/20以下であり、9/10でもよい。
第2層は、一実施形態において、未延伸の樹脂層である。
第2層は、一実施形態において、未延伸の樹脂層である。
第2層は、本発明の目的を損なわない範囲において、1種又は2種以上の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、摩擦低減剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等が挙げられる。第1層は、好ましくは、スリップ剤及び/又はアンチブロッキング剤を含む。
<第3層>
シーラントフィルムは、上記第1層及び第2層以外に、更なる層として第3層を備えてもよい。第3層は、ポリエチレンを主成分として含む層である。
シーラントフィルムは、上記第1層及び第2層以外に、更なる層として第3層を備えてもよい。第3層は、ポリエチレンを主成分として含む層である。
一実施形態において、第3層は、ラミネート層及び/又は中間層である。第3層は、シーラントフィルム内に複数存在する層であってもよい。
第3層は、一実施形態において、未延伸の樹脂層である。
第3層は、一実施形態において、未延伸の樹脂層である。
第3層は、本発明の特性を損なわない範囲において、1種又2種以上の添加剤を含んでもよいが、第3層は、好ましくは帯電防止剤を含まない。第3層に含まれる添加剤としては、例えば、アンチブロッキング剤、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、酸化防止剤、イオン交換剤、及び着色顔料等が挙げられる。
<シーラントフィルムの特性>
本発明によるシーラントフィルムのシール強度は、例えば10N/15mm以上であり、15N/15mm以上でもよく、20N/15mm以上でもよい。
本明細書において、シーラントフィルムのシール強度は、JIS Z 1707:2019に準拠して測定される。測定器は、例えば、(株)オリエンテック製のテンシロン万能材料試験機 RTC-1530を使用できる。本明細書において、特に限定しない限り、シール強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHである。
本発明によるシーラントフィルムのシール強度は、例えば10N/15mm以上であり、15N/15mm以上でもよく、20N/15mm以上でもよい。
本明細書において、シーラントフィルムのシール強度は、JIS Z 1707:2019に準拠して測定される。測定器は、例えば、(株)オリエンテック製のテンシロン万能材料試験機 RTC-1530を使用できる。本明細書において、特に限定しない限り、シール強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHである。
図6を参照して、シール強度の測定方法を説明する。まず、2枚のシーラントフィルムのシール層同士を110℃で熱融着してシール部を形する。続いて、シール部を含む部分を切り出して、シール強度を測定するための幅15mm、長さ100mmの試験片70を作製する。次いで、図6に示すように、2枚の試験片70の未シール部をそれぞれ、測定器のつかみ具71で把持する。なお、シール部72の長さは、19mmである。次いで、つかみ具71をそれぞれ、試験片70のシール部72の面方向に対して直交する方向において互いに逆向きに、300mm/minの速度で引っ張り、引張応力の最大値を測定する。5個の試験片について測定を行い、引張応力の最大値の平均値をシール強度とする。引っ張りを開始する際におけるつかみ具71間の間隔Sは50mmとする。
なお、試験片70のシール部72は、2枚のシーラントフィルムのシール層を、1kgの荷重において、110℃で1秒間の熱融着することにより形成する。
なお、試験片70のシール部72は、2枚のシーラントフィルムのシール層を、1kgの荷重において、110℃で1秒間の熱融着することにより形成する。
本発明によるシーラントフィルムの降伏点応力は、少なくとも1つの方向において、例えば10MPa以上であり、12MPa以上でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの降伏点応力は、フィルムの流れ方向(MD)において、例えば10MPa以上であり、12MPa以上でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの降伏点応力は、フィルムの流れ方向と垂直方向(TD)において、例えば10MPa以上であり、12MPa以上でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの降伏点応力は、フィルムの流れ方向(MD)において、例えば10MPa以上であり、12MPa以上でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの降伏点応力は、フィルムの流れ方向と垂直方向(TD)において、例えば10MPa以上であり、12MPa以上でもよい。
本発明によるシーラントフィルムの破断強度は、少なくとも1つの方向において、例えば10MPa以上であり、30MPa以上でもよい。一方、シーラントフィルムの破断強度は、少なくとも1つの方向において、例えば60MPa以下であり、45MPa以下でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの破断強度は、MDにおいて、例えば10MPa以上であり、30MPa以上でもよい。一方、シーラントフィルムの破断強度は、MDにおいて、例えば60MPa以下であり、45MPa以下でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの破断強度は、TDにおいて、例えば10MPa以上であり、30MPa以上でもよい。一方、シーラントフィルムの破断強度は、TDにおいて、例えば60MPa以下であり、45MPa以下でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの破断強度は、MDにおいて、例えば10MPa以上であり、30MPa以上でもよい。一方、シーラントフィルムの破断強度は、MDにおいて、例えば60MPa以下であり、45MPa以下でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの破断強度は、TDにおいて、例えば10MPa以上であり、30MPa以上でもよい。一方、シーラントフィルムの破断強度は、TDにおいて、例えば60MPa以下であり、45MPa以下でもよい。
本発明によるシーラントフィルムの破断伸度は、少なくとも1つの方向において、例えば300%以上であり、400%以上でもよい。一方、シーラントフィルムの破断伸度は、少なくとも1つの方向において、例えば900%以下であり、700%以下でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの破断伸度は、MDにおいて、例えば300%以上であり、400%以上でもよい。一方、シーラントフィルムの破断伸度はMDにおいて、例えば900%以下であり、700%以下でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの破断伸度は、TDにおいて、例えば300%以上であり、400%以上でもよい。一方、シーラントフィルムの破断伸度はTDにおいて、例えば900%以下であり、700%以下でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの破断伸度は、MDにおいて、例えば300%以上であり、400%以上でもよい。一方、シーラントフィルムの破断伸度はMDにおいて、例えば900%以下であり、700%以下でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの破断伸度は、TDにおいて、例えば300%以上であり、400%以上でもよい。一方、シーラントフィルムの破断伸度はTDにおいて、例えば900%以下であり、700%以下でもよい。
本明細書において、シーラントフィルムの降伏点応力、破断強度及び破断伸度は、JIS Z1702:1994に準拠して測定される。測定器は、例えば、(株)オリエンテック社製のテンシロン万能材料試験機 RTC-1530(オリエンテック社製)を使用できる。試験片としては、シーラントフィルムをダンベル状に切り出したものを使用できる。試験片の測定幅は5mmであり、試験片を保持する一対のチャックの間の測定開始時の間隔は80mmであり、引張速度は300mm/minである。5個の試験片について測定を行い、平均値をシール強度とする。なお、試験片の長さは、一対のチャックによって試験片を把持できる限りにおいて、変更可能である。本明細書において、特に限定しない限り、降伏点応力、破断強度及び破断伸度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHである。
本発明によるシーラントフィルムにおいて、引き裂き強度を、シーラントフィルムの厚さで除して得られる値Tは、少なくとも1つの方向において、例えば0.12N/μm以下であり、0.08N/μm以下でもよい。
一実施形態において、シーラントフィルムの値Tは、MDにおいて、例えば0.12N/μm以下であり、0.08N/μm以下でもよい。
本明細書において、シーラントフィルムの引き裂き強度は、JIS K7128-2:1998のエルメンドルフ引裂法に準拠して測定される。測定器は、例えば、テスター産業(株)製のエルメンドルフ引裂度試験機 IM-701を使用できる。5個の試験片について測定を行い、平均値を引き裂き強度とする。本明細書において、特に限定しない限り、引き裂き強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHである。
一実施形態において、シーラントフィルムの値Tは、MDにおいて、例えば0.12N/μm以下であり、0.08N/μm以下でもよい。
本明細書において、シーラントフィルムの引き裂き強度は、JIS K7128-2:1998のエルメンドルフ引裂法に準拠して測定される。測定器は、例えば、テスター産業(株)製のエルメンドルフ引裂度試験機 IM-701を使用できる。5個の試験片について測定を行い、平均値を引き裂き強度とする。本明細書において、特に限定しない限り、引き裂き強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHである。
本発明によるシーラントフィルムにおいて、インパクト強度を、シーラントフィルムの厚さで除して得られる値Iは、例えば0.005J/μm以上であり、0.01J/μm以上でもよい。
本明細書において、シーラントフィルムのインパクト強度は、ASTM D3420に準拠して測定される。測定器は、例えば、テスター産業(株)製のフィルムインパクトテスター BU-302を使用できる。本明細書において、特に限定しない限り、インパクト強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHである。
本明細書において、シーラントフィルムのインパクト強度は、ASTM D3420に準拠して測定される。測定器は、例えば、テスター産業(株)製のフィルムインパクトテスター BU-302を使用できる。本明細書において、特に限定しない限り、インパクト強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHである。
図7及び8を参照して、インパクト強度の測定方法を説明する。まず、図7に示すように、試験片80をリング状の治具81,82で挟んで固定する。次いで、図8に示すように、固定された試験片80を設置し、支点部83を軸にして腕部84を振り下ろし、腕部84の先端の円錐状圧子85により試験片80を突き破り、突き破った際の強度を測定する。5個の試験片について測定を行い、平均値をインパクト強度とする。なお、圧子105の直径は約1インチ(約25.4mm)、荷重は約30kg・cm、腕部の持ち上げ角度は約90°とする。
〔シーラントフィルムの製造方法〕
本発明によるシーラントフィルムの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造できる。シーラントフィルムは、好ましくは共押出し成形され、より好ましくは、共押出し成形が、Tダイ法又はインフレーション法により行われる。シーラントフィルムは、一実施形態において、延伸処理が施されていない、未延伸フィルムである。以下、Tダイ法、インフレーション法によりシーラントフィルムを製造する方法の一例を説明する。
本発明によるシーラントフィルムの製造方法は、特に限定されず、従来公知の方法により製造できる。シーラントフィルムは、好ましくは共押出し成形され、より好ましくは、共押出し成形が、Tダイ法又はインフレーション法により行われる。シーラントフィルムは、一実施形態において、延伸処理が施されていない、未延伸フィルムである。以下、Tダイ法、インフレーション法によりシーラントフィルムを製造する方法の一例を説明する。
Tダイ法においては、まず、各層を構成する材料を乾燥させた後、これを融点以上の温度(Tm)~Tm+100℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、これらを溶融し、Tダイのダイよりシート状に押出し、押出されたシート状物を回転している冷却ドラム等で急冷固化することによりシーラントフィルムを成形できる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用できる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用できる。
インフレーション法においては、まず、各層を構成する材料を乾燥させた後、これを融点以上の温度(Tm)~Tm+100℃の温度に加熱された溶融押出機に供給して、これらを溶融し、環状ダイのダイにより円筒状に押出しする。このときに、円筒状の溶融樹脂内に下方から空気を送り、円筒の径を所定の大きさに膨張させると共に、円筒外に下方から冷却用空気を送る。この膨張した円筒状体をバブルと呼ぶ。続いて、バブルを、案内板及びピンチロールによってフィルム状に折り畳み、巻き上げ部において巻き取る。折り畳まれたフィルムは、筒状のまま巻き取っても、筒の両端をスリッター等で除去し、2枚のフィルムに切り離してから、それぞれを巻き取ってもよい。これによりシーラントフィルムを成形できる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用できる。
溶融押出機としては、一軸押出機、二軸押出機、ベント押出機、タンデム押出機等を目的に応じて使用できる。
シーラントフィルムは、一実施形態において、該フィルムを構成する第1層、第2層及び任意に第3層から選ばれる各層の間に、接着層を有さない。例えば、シーラントフィルムは、共押出フィルムである。
〔積層体〕
本発明による積層体は、基材層と、シーラント層を少なくとも備える。本発明による積層体において、該シーラント層は、本発明によるシーラントフィルムを備え、積層体の一方の表面層は、シーラントフィルムの第1層である。本発明による積層体は、本発明によるシーラントフィルムを備えるため、低温シール性及び剛性が向上されている。
以下、図9を参照して、本発明による積層体の層構成について説明する。
本発明による積層体は、基材層と、シーラント層を少なくとも備える。本発明による積層体において、該シーラント層は、本発明によるシーラントフィルムを備え、積層体の一方の表面層は、シーラントフィルムの第1層である。本発明による積層体は、本発明によるシーラントフィルムを備えるため、低温シール性及び剛性が向上されている。
以下、図9を参照して、本発明による積層体の層構成について説明する。
一実施形態において、積層体20は、図9に示すように、基材層21と、シーラント層22とを備える。図9に示すように、シーラント層22は、第1層11と第2層12とを備えるシーラントフィルム10である。図9に示すように、シーラントフィルム10の第1層11は、積層体20の一方の表面層を構成する。
本発明による積層体は、積層体の他方の表面、又は各層の間に位置するその他の層を備えてもよい。
次に、本発明による積層体が備え得る各層を説明する。なお、シーラント層は、本発明シーラントフィルムを備える層であり、シーラントフィルムは上述している。そのため、シーラント層の説明は省略する。
<基材層>
基材層は、主成分としてポリエチレンを含む。本発明によるシーラントフィルムは、ポリエチレン樹脂組成物から構成されるため、基材層をこのような構成とすることにより、積層体のモノマテリアル化を実現でき、積層体のリサイクル性を向上できる。
基材層におけるポリエチレンの含有量は、リサイクル性の観点から、基材層全体に対して、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95%以上である。
基材層は、主成分としてポリエチレンを含む。本発明によるシーラントフィルムは、ポリエチレン樹脂組成物から構成されるため、基材層をこのような構成とすることにより、積層体のモノマテリアル化を実現でき、積層体のリサイクル性を向上できる。
基材層におけるポリエチレンの含有量は、リサイクル性の観点から、基材層全体に対して、好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95%以上である。
基材層は、好ましくは延伸フィルムである。基材層として延伸フィルムを使用することにより、基材層の強度及び耐熱性を向上でき、基材層への蒸着適性及び印刷適性を向上できる。
延伸フィルムは、一軸延伸フィルムでも、二軸延伸フィルムでもよい。
延伸フィルムは、一軸延伸フィルムでも、二軸延伸フィルムでもよい。
延伸フィルムの延伸倍率は、少なくとも1つの方向において、好ましくは2倍以上であり、より好ましくは3倍以上である。一方、延伸フィルムの延伸倍率は、少なくとも1つの方向において、例えば10倍以下であり、7倍以下でもよい。
延伸フィルムの延伸倍率を2倍以上とすることにより、基材層の強度及び耐熱性をより向上できる。また、基材層の透明性を向上できるため、基材層表面に画像を形成した場合に、その裏面からの視認性を向上できる。
延伸フィルムの延伸倍率を2倍以上とすることにより、基材層の強度及び耐熱性をより向上できる。また、基材層の透明性を向上できるため、基材層表面に画像を形成した場合に、その裏面からの視認性を向上できる。
一実施形態において、延伸フィルムの延伸倍率は、延伸フィルムの流れ方向(MD)において、好ましくは2倍以上であり、より好ましくは3倍以上である。一方、延伸フィルムの延伸倍率は、MD方向において、例えば10倍以下であり、7倍以下でもよい。
一実施形態において、延伸フィルムの延伸倍率は、延伸フィルムの流れ方向と垂直方向(TD)において、好ましくは2倍以上であり、より好ましくは3倍以上である。一方、延伸フィルムの延伸倍率は、TD方向において、例えば10倍以下であり、7倍以下でもよい。
一実施形態において、延伸フィルムの延伸倍率は、延伸フィルムの流れ方向と垂直方向(TD)において、好ましくは2倍以上であり、より好ましくは3倍以上である。一方、延伸フィルムの延伸倍率は、TD方向において、例えば10倍以下であり、7倍以下でもよい。
延伸フィルムのヘイズ値は、好ましくは30%以下であり、より好ましくは20%以下である。これにより、延伸フィルムの透明性を向上できる。
なお、本明細書において、延伸フィルムのヘイズ値は、JIS K7105:1981に準拠して測定される。
なお、本明細書において、延伸フィルムのヘイズ値は、JIS K7105:1981に準拠して測定される。
一実施形態において、基材層は、多層共押延伸フィルムでもよい。多層共押延伸フィルムは、複数の層を備えるフィルムを延伸処理することにより作製できる。多層共押延伸フィルムとしては、例えば、(1)高密度ポリエチレンから構成される樹脂層と、(2)中密度ポリエチレンから構成される樹脂層と、(3)高圧法低密度ポリエチレン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレンから構成される樹脂層と、(4)中密度ポリエチレンから構成される樹脂層と、(5)高密度ポリエチレンから構成される樹脂層とをこの順に備える5層共押延伸フィルム等が挙げられる。
このような5層共押延伸フィルムは、延伸適性に優れており、且つ、カールの発生を抑制できる。
このような5層共押延伸フィルムは、延伸適性に優れており、且つ、カールの発生を抑制できる。
基材層の表面は、上記した表面処理を施してもよい。
基材層の厚さは、例えば10μm以上であり、20μm以上でもよい。一方、基材層の厚さは、例えば200μm以下であり、100μm以下でもよい。
<その他の層>
本発明による積層体は、本発明の目的の範囲内において、その他の層を備えてもよい。その他の層は、各層の間、又は積層体の表面に位置する。その他の層としては、例えば、接着層、印刷層及び蒸着膜が挙げられる。
本発明による積層体は、本発明の目的の範囲内において、その他の層を備えてもよい。その他の層は、各層の間、又は積層体の表面に位置する。その他の層としては、例えば、接着層、印刷層及び蒸着膜が挙げられる。
接着層は、2つの層をラミネートにより貼合するために形成される、接着剤層又は接着樹脂層である。
接着剤層としては、例えば、1液あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネート用接着剤を使用できる。上記の接着剤のコーティング方法としては、例えば、ダイレクトグラビアロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、リバースロールコート法、フォンテン法、トランスファーロールコート法、その他の方法で塗布できる。
塗布量は、乾燥状態において、例えば0.1g/m2以上であり、1g/m2以上でもよい。一方、塗布量は、乾燥状態において、例えば10g/m2以下であり、5g/m2以下位でもよい。
塗布量は、乾燥状態において、例えば0.1g/m2以上であり、1g/m2以上でもよい。一方、塗布量は、乾燥状態において、例えば10g/m2以下であり、5g/m2以下位でもよい。
接着樹脂層は、熱可塑性樹脂を含む。具体的には、接着樹脂層の材料としては、高圧法低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸エチル共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸共重合体樹脂、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体樹脂、エチレン・マレイン酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリオレフィンに不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、エステル単量体をグラフト重合、又は、共重合した樹脂、無水マレイン酸をポリオレフィンにグラフト変性した樹脂等を使用できる。これらの材料は、1種又は2種以上を組み合わせて使用できる。
熱可塑性樹脂は、化石燃料由来の材料を使用しても、バイオマス由来の材料を使用しても、これらの両方を使用してもよい。
熱可塑性樹脂は、化石燃料由来の材料を使用しても、バイオマス由来の材料を使用しても、これらの両方を使用してもよい。
印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成でき、その形成方法は特に限定されない。
蒸着膜は、無機物及び/又は無機酸化物を含む。蒸着膜としては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、スズ(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)等の1種又は2種以上の無機物又はこれらの無機酸化物の蒸着膜が挙げられる。
蒸着膜は、基材層の表面等に形成形成できる。無機物及び/又は無機酸化物の蒸着膜を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等の公知の方法が挙げられる。
上記した層により構成される積層体において、ポリエチレンの含有量は、リサイクル性の観点から、積層体全体に対して、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、更に好ましくは95質量%以上であり、特に好ましくは99質量%以上である。
〔包装袋〕
本発明による包装袋は、本発明による積層体を備える。本発明による積層体は、低温シール性及び剛性が向上されているため、これを備える包装袋は、内容物を充填する際に屈曲を抑制でき、製品の生産性を向上できる。
本発明による包装袋は、本発明による積層体を備える。本発明による積層体は、低温シール性及び剛性が向上されているため、これを備える包装袋は、内容物を充填する際に屈曲を抑制でき、製品の生産性を向上できる。
図10は、本発明による包装袋の一例であるスタンディングパウチの一実施形態を示す概略図である。図10に示すように、スタンディングパウチ30は、胴部31と、底部32とを備える。胴部31は、2枚の側面シート33から構成され、底部32は、底面シート34から構成されている。スタンディングパウチ30において、側面シート33には、本発明による積層体20を使用する。従って、スタンディングパウチ30は、側面シート33を構成する積層体20が備えるシーラント層10の第1層11が最内層となるように製袋される。
なお、スタンディングパウチ30は、側面シート33と底面シート34とが同一部材で構成されても、別部材で構成されてもよい。なお、図10において、ハッチング部は、ヒートシール箇所である。
なお、スタンディングパウチ30は、側面シート33と底面シート34とが同一部材で構成されても、別部材で構成されてもよい。なお、図10において、ハッチング部は、ヒートシール箇所である。
本発明による包装袋は、剛性に優れるため、店頭に陳列した際でも屈曲せずに自立できる。そのため、本発明による包装袋は、特に好ましくは、スタンディングパウチの形態である。
本発明による包装袋は、スタンディングパウチ以外にも図11~13に示すような種々の形態の袋が挙げられる。図11は、ピロー袋の実施形態を示す概略図であり、図12は、3方シール袋の実施形態を示す概略図であり、図13は、4方シール袋の実施形態を示す概略図である。図11~13に示す包装袋は、本発明による積層体を製袋することにより作製できる。なお、図11~図13において、ハッチング部は、ヒートシール箇所である。
包装袋の内容物は特に限定されないが、包装袋は剛性に優れることから、例えば、シャンプー、コンディショナー及び洗剤等の液体の包装に特に好適である。例えば、本発明による包装袋がスタンディングパウチである場合、本発明による包装袋は剛性に優れるため、内容物が液体であっても自立性に優れる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
以下に、実施例において使用した材料を列挙する。
(1)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体A)・・・エチレンとC6オレフィンとの共重合体、密度:0.901g/cm3、MFR:2.0g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:メタロセン触媒
(2)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体B)・・・エチレンとC8オレフィンとの共重合体、密度:0.902g/cm3、MFR:1.0g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:メタロセン触媒
(3)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体C)・・・エチレンとC8オレフィンとの共重合体、密度:0.918g/cm3、MFR:0.8g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:メタロセン触媒
(4)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体D)・・・エチレンとC8オレフィンとの共重合体、密度:0.941g/cm3、MFR:1.3g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:メタロセン触媒
(5)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体E)・・・エチレンとC6オレフィンとの共重合体、密度:0.912g/cm3、MFR:2.0g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:チーグラー・ナッタ触媒
(6)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体F)・・・エチレンとC4オレフィンとの共重合体、密度:0.916g/cm3、MFR:1.0g/10min、バイオマス度:87%、重合触媒:チーグラー・ナッタ触媒
(7)高圧法低密度ポリエチレン(LDPE_A)・・・密度:0.919g/cm3、MFR:2.0g/10min、バイオマス度:0%
(8)高圧法低密度ポリエチレン(LDPE_B)・・・密度:0.923g/cm3、MFR:2.7g/10min、バイオマス度:95%
(9)高密度ポリエチレン(HDPE)・・・密度:0.950g/cm3、MFR:1.1g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:チーグラー・ナッタ触媒
(10)スリップ剤マスターバッチ(スリップ剤MB)・・・ベース材料:ポリエチレン、スリップ剤:エルカ酸アミド、スリップ剤の含有量:2.0質量%、密度:0.921g/cm3、MFR:5.4g/10min
(11)アンチブロッキング剤マスターバッチ(AB剤MB)・・・ベース材料:ポリエチレン、アンチブロッキング剤:アクリル樹脂、アンチブロッキング剤の含有量:30.0質量%、密度:0.959g/cm3、MFR:2.5g/10min
(2)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体B)・・・エチレンとC8オレフィンとの共重合体、密度:0.902g/cm3、MFR:1.0g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:メタロセン触媒
(3)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体C)・・・エチレンとC8オレフィンとの共重合体、密度:0.918g/cm3、MFR:0.8g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:メタロセン触媒
(4)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体D)・・・エチレンとC8オレフィンとの共重合体、密度:0.941g/cm3、MFR:1.3g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:メタロセン触媒
(5)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体E)・・・エチレンとC6オレフィンとの共重合体、密度:0.912g/cm3、MFR:2.0g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:チーグラー・ナッタ触媒
(6)エチレン-αオレフィン共重合体(共重合体F)・・・エチレンとC4オレフィンとの共重合体、密度:0.916g/cm3、MFR:1.0g/10min、バイオマス度:87%、重合触媒:チーグラー・ナッタ触媒
(7)高圧法低密度ポリエチレン(LDPE_A)・・・密度:0.919g/cm3、MFR:2.0g/10min、バイオマス度:0%
(8)高圧法低密度ポリエチレン(LDPE_B)・・・密度:0.923g/cm3、MFR:2.7g/10min、バイオマス度:95%
(9)高密度ポリエチレン(HDPE)・・・密度:0.950g/cm3、MFR:1.1g/10min、バイオマス度:0%、重合触媒:チーグラー・ナッタ触媒
(10)スリップ剤マスターバッチ(スリップ剤MB)・・・ベース材料:ポリエチレン、スリップ剤:エルカ酸アミド、スリップ剤の含有量:2.0質量%、密度:0.921g/cm3、MFR:5.4g/10min
(11)アンチブロッキング剤マスターバッチ(AB剤MB)・・・ベース材料:ポリエチレン、アンチブロッキング剤:アクリル樹脂、アンチブロッキング剤の含有量:30.0質量%、密度:0.959g/cm3、MFR:2.5g/10min
[実施例1]
シール層として、93質量部の共重合体Aと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物、中間層として、69質量部の共重合体Dと、30質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物、及びラミネート層として、89質量部の共重合体Cと、10質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を、それぞれ溶解してフィルム状に押出しすることにより、3つの層から構成されるシーラントフィルムを得た。シーラントフィルムの厚さは120μmである。シール層:中間層:ラミネート層の厚さ比は、1:3:1である。
シール層として、93質量部の共重合体Aと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物、中間層として、69質量部の共重合体Dと、30質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物、及びラミネート層として、89質量部の共重合体Cと、10質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を、それぞれ溶解してフィルム状に押出しすることにより、3つの層から構成されるシーラントフィルムを得た。シーラントフィルムの厚さは120μmである。シール層:中間層:ラミネート層の厚さ比は、1:3:1である。
[実施例2]
シール層として、93質量部の共重合体Bと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
シール層として、93質量部の共重合体Bと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例3]
中間層として、69質量部の共重合体Cと、30質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
中間層として、69質量部の共重合体Cと、30質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例4]
中間層として、99質量部の共重合体Cと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
中間層として、99質量部の共重合体Cと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例5]
中間層として、69質量部の共重合体Eと、30質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
中間層として、69質量部の共重合体Eと、30質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例6]
ラミネート層として、99質量部の共重合体Cと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
ラミネート層として、99質量部の共重合体Cと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例7]
ラミネート層として、99質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
ラミネート層として、99質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例8]
シール層として、63質量部の共重合体Aと、30質量部のLDPE_Bと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例7と同様にしてシーラントフィルムを得た。
シール層として、63質量部の共重合体Aと、30質量部のLDPE_Bと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例7と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例9]
中間層として、69質量部の共重合体Dと、30質量部のLDPE_Bと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物、及びラミネート層として、89質量部の共重合体Cと、10質量部のLDPE_Bと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
中間層として、69質量部の共重合体Dと、30質量部のLDPE_Bと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物、及びラミネート層として、89質量部の共重合体Cと、10質量部のLDPE_Bと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例10]
中間層として、69質量部の共重合体Dと、30質量部の共重合体Fと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例9と同様にしてシーラントフィルムを得た。
中間層として、69質量部の共重合体Dと、30質量部の共重合体Fと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例9と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例11]
シール層として、93質量部の共重合体Eと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例9と同様にしてシーラントフィルムを得た。
シール層として、93質量部の共重合体Eと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例9と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例12]
シール層として、93質量部の共重合体Aと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物、及びラミネート層として、69質量部の共重合体Dと、30質量部のLDPE_Bと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を、それぞれ溶解してフィルム状に押出しすることにより、2つの層から構成されるシーラントフィルムを得た。シーラントフィルムの厚さは120μmである。シール層:ラミネート層の厚さ比は、1:4である。
シール層として、93質量部の共重合体Aと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物、及びラミネート層として、69質量部の共重合体Dと、30質量部のLDPE_Bと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を、それぞれ溶解してフィルム状に押出しすることにより、2つの層から構成されるシーラントフィルムを得た。シーラントフィルムの厚さは120μmである。シール層:ラミネート層の厚さ比は、1:4である。
[実施例13]
シール層として、93質量部の共重合体Bと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物、及びラミネート層として、69質量部の共重合体Dと、30質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例12と同様にしてシーラントフィルムを得た。
シール層として、93質量部の共重合体Bと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物、及びラミネート層として、69質量部の共重合体Dと、30質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例12と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例14]
ラミネート層として、99質量部の共重合体Dと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例12と同様にしてシーラントフィルムを得た。
ラミネート層として、99質量部の共重合体Dと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例12と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[実施例15]
ラミネート層として、99質量部のHDPEと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例12と同様にしてシーラントフィルムを得た。
ラミネート層として、99質量部のHDPEと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例12と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[比較例1]
シール層として、93質量部の共重合体Cと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物、及びラミネート層として、99質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
シール層として、93質量部の共重合体Cと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物、及びラミネート層として、99質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[比較例2]
シール層として、93質量部の共重合体Dと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、比較例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
シール層として、93質量部の共重合体Dと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、比較例1と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[比較例3]
シール層として、93質量部の共重合体Cと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例12と同様にしてシーラントフィルムを得た。
シール層として、93質量部の共重合体Cと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例12と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[比較例4]
シール層として、63質量部の共重合体Cと、30質量部のLDPE_Bと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例12と同様にしてシーラントフィルムを得た。
シール層として、63質量部の共重合体Cと、30質量部のLDPE_Bと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、実施例12と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[比較例5]
93質量部の共重合体Aと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を溶解してフィルム状に押出しすることにより、単層のシーラントフィルムを得た。シーラントフィルムの厚さは120μmである。
93質量部の共重合体Aと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を溶解してフィルム状に押出しすることにより、単層のシーラントフィルムを得た。シーラントフィルムの厚さは120μmである。
[比較例6]
93質量部の共重合体Bと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、比較例5と同様にしてシーラントフィルムを得た。
93質量部の共重合体Bと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、比較例5と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[比較例7]
93質量部の共重合体Cと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、比較例5と同様にしてシーラントフィルムを得た。
93質量部の共重合体Cと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、比較例5と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[比較例8]
63質量部の共重合体Dと、30質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、比較例5と同様にしてシーラントフィルムを得た。
63質量部の共重合体Dと、30質量部のLDPE_Aと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、比較例5と同様にしてシーラントフィルムを得た。
[比較例9]
45質量部の共重合体Aと、48質量部の共重合体Dと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、比較例5と同様にしてシーラントフィルムを得た。
45質量部の共重合体Aと、48質量部の共重合体Dと、1質量部のスリップ剤MBと、6質量部のAB剤MBとの混合物を使用したこと以外は、比較例5と同様にしてシーラントフィルムを得た。
実施例及び比較例において得られたシーラントフィルムの詳細を表1に示す。
<<融点の測定>>
実施例及び比較例のシーラントフィルムにおける各層の融点を、示差走査熱量計を用いて、JIS K7121:2012に準拠して求めた。示差走査熱量計としては、(株)日立ハイテクサイエンス社製の熱分析装置TA7000シリーズを使用した。
具体的には、シーラントフィルムから各層の試料を採取した。約10mgの試料をアルミニウム製のセルに入れ、窒素雰囲気下において、10℃/minの加熱速度で20℃から融点より十分に高い温度(例えば、200℃)まで昇温し、その到達温度で10分間保持した後、10℃/minの冷却速度で20℃まで冷却した。この昇温、保持及び冷却をもう一度繰り返し、2回目の昇温の際に観測される最大吸熱ピークの融解ピーク温度を求め、これを融点とした。測定結果を表2に示す。
実施例及び比較例のシーラントフィルムにおける各層の融点を、示差走査熱量計を用いて、JIS K7121:2012に準拠して求めた。示差走査熱量計としては、(株)日立ハイテクサイエンス社製の熱分析装置TA7000シリーズを使用した。
具体的には、シーラントフィルムから各層の試料を採取した。約10mgの試料をアルミニウム製のセルに入れ、窒素雰囲気下において、10℃/minの加熱速度で20℃から融点より十分に高い温度(例えば、200℃)まで昇温し、その到達温度で10分間保持した後、10℃/minの冷却速度で20℃まで冷却した。この昇温、保持及び冷却をもう一度繰り返し、2回目の昇温の際に観測される最大吸熱ピークの融解ピーク温度を求め、これを融点とした。測定結果を表2に示す。
<<シール強度の測定>>
実施例及び比較例のシーラントフィルムにおけるシール強度を、JIS Z 1707:2019に準拠して測定した。測定器は、(株)オリエンテック製のテンシロン万能材料試験機 RTC-1530を使用した。
具体的には、まず、上記実施例及び比較例において作製した2枚のシーラントフィルムのシール層同士を90℃で熱融着してシール部を形成した。続いて、シール部を含む部分を切り出して、シール強度を測定するための幅15mm、長さ100mmの試験片70を作製した。次いで、図6に示すように、2枚の試験片70の未シール部をそれぞれ、測定器のつかみ具71で把持した。なお、シール部72の長さは、19mmであった。次いで、つかみ具71をそれぞれ、試験片70のシール部72の面方向に対して直交する方向において互いに逆向きに、300mm/minの速度で引っ張り、引張応力の最大値を測定した。5個の試験片について測定を行い、引張応力の最大値の平均値をシール強度とした。引っ張りを開始する際におけるつかみ具71間の間隔Sは50mmとした。
なお、試験片70のシール部72は、2枚のシーラントフィルムのシール層を、1kgの荷重において、110℃で1秒間の熱融着することにより作製したものである。
熱融着の温度を、90℃、100℃、120℃、130℃、140℃、150℃及び160℃に変更して、上記と同様の方法でシール強度を測定した。シール強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHとした。測定結果を表2に示す。
実施例及び比較例のシーラントフィルムにおけるシール強度を、JIS Z 1707:2019に準拠して測定した。測定器は、(株)オリエンテック製のテンシロン万能材料試験機 RTC-1530を使用した。
具体的には、まず、上記実施例及び比較例において作製した2枚のシーラントフィルムのシール層同士を90℃で熱融着してシール部を形成した。続いて、シール部を含む部分を切り出して、シール強度を測定するための幅15mm、長さ100mmの試験片70を作製した。次いで、図6に示すように、2枚の試験片70の未シール部をそれぞれ、測定器のつかみ具71で把持した。なお、シール部72の長さは、19mmであった。次いで、つかみ具71をそれぞれ、試験片70のシール部72の面方向に対して直交する方向において互いに逆向きに、300mm/minの速度で引っ張り、引張応力の最大値を測定した。5個の試験片について測定を行い、引張応力の最大値の平均値をシール強度とした。引っ張りを開始する際におけるつかみ具71間の間隔Sは50mmとした。
なお、試験片70のシール部72は、2枚のシーラントフィルムのシール層を、1kgの荷重において、110℃で1秒間の熱融着することにより作製したものである。
熱融着の温度を、90℃、100℃、120℃、130℃、140℃、150℃及び160℃に変更して、上記と同様の方法でシール強度を測定した。シール強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHとした。測定結果を表2に示す。
<<降伏点強度、破断強度及び破断伸度の測定>>
実施例及び比較例のシーラントフィルムにおける降伏点応力、破断強度及び破断伸度を、JIS Z1702:1994に準拠して測定した。測定器は、(株)オリエンテック社製のテンシロン万能材料試験機 RTC-1530(オリエンテック社製)を使用した 試験片としては、シーラントフィルムをダンベル状に切り出したものを使用した。試験片の測定幅は5mmであり、試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は80mmであり、引張速度は300mm/minである。5個の試験片について測定を行い、平均値をシール強度とした。降伏点応力、破断強度及び破断伸度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHとした。測定結果を表2に示す。
実施例及び比較例のシーラントフィルムにおける降伏点応力、破断強度及び破断伸度を、JIS Z1702:1994に準拠して測定した。測定器は、(株)オリエンテック社製のテンシロン万能材料試験機 RTC-1530(オリエンテック社製)を使用した 試験片としては、シーラントフィルムをダンベル状に切り出したものを使用した。試験片の測定幅は5mmであり、試験片を保持する一対のチャックの間の、測定開始時の間隔は80mmであり、引張速度は300mm/minである。5個の試験片について測定を行い、平均値をシール強度とした。降伏点応力、破断強度及び破断伸度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHとした。測定結果を表2に示す。
<<引き裂き強度の測定>>
実施例及び比較例のシーラントフィルムにおける引き裂き強度を、JIS K7128-2:1998のエルメンドルフ引裂法に準拠して測定した。測定器は、テスター産業(株)製のエルメンドルフ引裂度試験機 IM-701を使用した。5個の試験片について測定を行い、平均値を引き裂き強度とした。インパクト強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHである。測定結果を表2に示す。
また、引き裂き強度を、シーラントフィルムの厚さで除して得られる値Tを計算した。計算結果を表2に示す。
実施例及び比較例のシーラントフィルムにおける引き裂き強度を、JIS K7128-2:1998のエルメンドルフ引裂法に準拠して測定した。測定器は、テスター産業(株)製のエルメンドルフ引裂度試験機 IM-701を使用した。5個の試験片について測定を行い、平均値を引き裂き強度とした。インパクト強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHである。測定結果を表2に示す。
また、引き裂き強度を、シーラントフィルムの厚さで除して得られる値Tを計算した。計算結果を表2に示す。
<<インパクト強度の測定>>
実施例及び比較例のシーラントフィルムにおけるインパクト強度を、ASTM D3420に準拠して測定した。測定器は、テスター産業(株)製のフィルムインパクトテスター BU-302を使用した。
具体的には、まず、図7に示すように、試験片80をリング状の治具81,82で挟んで固定した。次いで、図8に示すように、固定された試験片80を設置し、支点部83を軸にして腕部84を振り下ろし、腕部84の先端の円錐状圧子85により試験片80を突き破り、突き破った際の強度を測定した。5個の試験片について測定を行い、平均値をインパクト強度とした。なお、圧子105の直径は約1インチ(約25.4mm)、荷重は約30kg・cm、腕部の持ち上げ角度は約90°とした。インパクト強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHとした。測定結果を表2に示す。
また、インパクト強度を、シーラントフィルムの厚さで除して得られる値Iを計算した。計算結果を表2に示す。
実施例及び比較例のシーラントフィルムにおけるインパクト強度を、ASTM D3420に準拠して測定した。測定器は、テスター産業(株)製のフィルムインパクトテスター BU-302を使用した。
具体的には、まず、図7に示すように、試験片80をリング状の治具81,82で挟んで固定した。次いで、図8に示すように、固定された試験片80を設置し、支点部83を軸にして腕部84を振り下ろし、腕部84の先端の円錐状圧子85により試験片80を突き破り、突き破った際の強度を測定した。5個の試験片について測定を行い、平均値をインパクト強度とした。なお、圧子105の直径は約1インチ(約25.4mm)、荷重は約30kg・cm、腕部の持ち上げ角度は約90°とした。インパクト強度の測定時の環境は、温度23℃、相対湿度90%RHとした。測定結果を表2に示す。
また、インパクト強度を、シーラントフィルムの厚さで除して得られる値Iを計算した。計算結果を表2に示す。
<<低温シール性の評価>>
実施例及び比較例におけるシーラントフィルムの低温シール性を、以下の評価基準に基づいて評価した。
・Good:110℃の融着温度におけるシール強度が、10N/15mm以上である。・No Good:110℃の融着温度におけるシール強度が、10N/15mm未満である。
実施例及び比較例におけるシーラントフィルムの低温シール性を、以下の評価基準に基づいて評価した。
・Good:110℃の融着温度におけるシール強度が、10N/15mm以上である。・No Good:110℃の融着温度におけるシール強度が、10N/15mm未満である。
<<剛性の評価>>
実施例及び比較例におけるシーラントフィルムの降伏点強度を、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、実施例及び比較例におけるシーラントフィルムは、全て95質量%以上のポリエチレンを含むフィルムであるため、各フィルムの歪みεは同程度である。そのため、降伏点強度を比較することにより、シーラントフィルムの剛性を評価できる。
・Good:降伏点強度が10MPa以上である。
・No Good:降伏点強度が10MPa未満である。
実施例及び比較例におけるシーラントフィルムの降伏点強度を、以下の評価基準に基づいて評価した。なお、実施例及び比較例におけるシーラントフィルムは、全て95質量%以上のポリエチレンを含むフィルムであるため、各フィルムの歪みεは同程度である。そのため、降伏点強度を比較することにより、シーラントフィルムの剛性を評価できる。
・Good:降伏点強度が10MPa以上である。
・No Good:降伏点強度が10MPa未満である。
本発明によるシーラントフィルムは、低温シール性及び剛性が向上している。
10:シーラントフィルム
11:第1層
12:第2層
13:第3層
20:積層体
21:基材層
22:シーラント層
30:スタンディングパウチ
31:胴部
32:底部
33:側面シート
34:底面シート
40:ピロー袋
50:3方シール袋
60:4方シール袋
70:試験片
71:つかみ具
72:シール部
80:試験片
81,82:治具
83:支点部
84:腕部
85:圧子
11:第1層
12:第2層
13:第3層
20:積層体
21:基材層
22:シーラント層
30:スタンディングパウチ
31:胴部
32:底部
33:側面シート
34:底面シート
40:ピロー袋
50:3方シール袋
60:4方シール袋
70:試験片
71:つかみ具
72:シール部
80:試験片
81,82:治具
83:支点部
84:腕部
85:圧子
Claims (10)
- ポリエチレン樹脂組成物から構成されるシーラントフィルムであって、
第1層と、第2層とを少なくとも備え、
前記シーラントフィルムの一方の表面層が、前記第1層であり、
前記第1層は、エチレン-αオレフィン共重合体を主成分として含み、
前記第2層は、ポリエチレンを主成分として含み、
前記第1層の融点が、112℃以下であり、
前記第2層の融点が、114℃以上である、シーラントフィルム。 - 前記第1層の密度が、0.915g/cm3以下である、請求項1に記載のシーラントフィルム。
- 前記第2層の密度が、0.917g/cm3以上である、請求項1又は2に記載のシーラントフィルム。
- 前記シーラントフィルムの厚さが、20μm以上300μm以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のシーラントフィルム。
- エチレン-αオレフィン共重合体の含有量が、前記シーラントフィルムの全体に対して、50質量%以上90質量%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のシーラントフィルム。
- バイオマスポリエチレンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシーラントフィルム。
- 基材層と、シーラント層とを少なくとも備える積層体であって、
前記基材層は、主成分としてポリエチレンを含み、
前記シーラント層は、請求項1~6のいずれか一項に記載のシーラントフィルムを備え、
前記積層体の一方の表面層が、前記シーラントフィルムの前記第1層である、積層体。 - 前記基材層が、延伸フィルムである、請求項7に記載の積層体。
- 請求項7又は8に記載の積層体を備える、包装袋。
- スタンディングパウチである、請求項9に記載の包装袋。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021016050 | 2021-02-03 | ||
JP2021016050 | 2021-02-03 |
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Publication Number | Publication Date |
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- 2022-02-02 JP JP2022015163A patent/JP2022119211A/ja active Pending
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