JP2022162859A - スパークプラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】接地電極の歪みを抑制することが可能なスパークプラグを提供する。【解決手段】スパークプラグ10は、中心電極13と、ハウジング11と、接地電極14と、を備える。接地電極14は、電極母材50と、電極チップ60と、を有する。電極母材は、ハウジング11から中心電極13に向かって延びるように形成される傾斜部51と、傾斜部51から中心電極13に向かって突出するように形成される突出部52と、を有する。傾斜部51においてハウジング11に接合される端部を基端部510とし、傾斜部51において基端部510とは反対側の端部を先端部511とするとき、突出部52は、傾斜部51の基端部510の側に位置する内側部位520のプラグ軸方向Daの長さL1よりも、傾斜部51の先端部511の側に位置する外側部位521のプラグ軸方向Daの長さL2の方が長くなるように形成されている。【選択図】図2

Description

本開示は、スパークプラグに関する。
従来、下記の特許文献1に記載のスパークプラグがある。このスパークプラグは、筒状の絶縁碍子と、絶縁碍子の一端部から露出するように絶縁碍子の内部に挿入される中心電極と、絶縁碍子の外周に設けられるハウジングと、中心電極と所定の隙間を有して配置される接地電極とを備えている。接地電極は、電極母材と、貴金属層とを有している。電極母材の基端部はハウジングの一端部に接合されている。電極母材は、ハウジングの一端部から中心電極に向かって延びるように設けられている。電極母材は、その延在方向が中心電極に対して傾斜するトランス形状を有している。電極母材には、中心電極に対向する一面から中心電極に向かって突出する凸部が形成されている。貴金属層は凸部の先端部に設けられている。
特許文献1に記載のスパークプラグでは、その製造工程において、貴金属層が設けられた平板状の電極母材を押出加工することにより、電極母材に凸部を成形するようにしている。凸部は、その電極母材の基端側に位置する一方の側壁部の突出量よりも、電極母材の先端側に位置する他方の側壁部の突出量の方が大きくなるように形成されている。これにより、凸部の先端面を中心電極の先端面に対向させることが可能となっている。
特許第6759957号公報
特許文献1に記載されるような押出加工により電極母材に凸部を成形する場合、凸部の一方の側壁部を成形する際の電極母材の加工率よりも、凸部の他方の側壁部を成形するために必要な電極母材の加工率の方が大きくなる。すなわち、電極母材では、凸部の一方の側壁部が形成される部分と、凸部の他方の側壁部が形成される部分とで加工率が異なる。このような場合、特に加工率が大きい凸部の他方の側壁部において歪みが発生することにより、当該部分に欠け等が生じる可能性がある。また、凸部に欠け等が生じた場合、凸部から貴金属層の一部が剥離する可能性もある。仮に電極母材において欠けや貴金属層の剥離等が発生した場合、貴金属層や電極母材の熱がハウジングに逃げ難くなるため、接地電極の冷却性能が著しく低下する懸念がある。
近年の熱効率の向上を図ったエンジンでは、その燃焼ガスの温度が従来よりも高温となっている。このようなエンジンでは接地電極が高温の燃焼ガスに曝されるため、接地電極の冷却性能が低下すると、接地電極が高温状態に維持される可能性がある。これは、意図しないタイミングで混合気が自着火する、いわゆるプレイグニッション等を招くおそれがあるため、好ましくない。
本開示は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、接地電極の歪みを抑制することが可能なスパークプラグを提供することにある。
上記課題を解決するスパークプラグは、所定の中心軸(m10)を中心に筒状に形成される絶縁体(12)と、絶縁体の先端部から露出するように絶縁体に挿入される中心電極(13)と、絶縁体の外周に設けられる筒状のハウジング(11)と、ハウジングの先端部に接合される接地電極(14)と、を備える。接地電極は、ハウジングの先端部から中心電極に向かって延びるように形成される電極母材(50)と、電極母材において中心電極に対向する部分に接合される電極チップ(60)と、を有する。電極母材は、ハウジングの先端部に接合されるとともに、ハウジングの先端部から中心電極に向かって所定の延伸方向に延びるように形成される傾斜部(51)と、傾斜部において中心電極に対向する内面から中心電極に向かって突出するように形成される突出部(52)と、を有する。傾斜部の内面とは反対側の背面における突出部の反対側の部分には、凹部(53)が形成されている。中心軸に沿った方向をプラグ軸方向(Da)とするとき、突出部は、その中心軸が延伸方向に対して垂直とは異なる所定の角度をなすように傾斜部の内面からプラグ軸方向に突出するように形成される。凹部は、その中心軸が延伸方向に対して垂直とは異なる所定の角度をなすように傾斜部の背面においてプラグ軸方向に凹むように形成される。突出部の先端面は、中心電極の電極チップの先端面と平行である。傾斜部においてハウジングの先端部に接合される端部を基端部(510)とし、傾斜部において基端部とは反対側の端部を先端部(511)とするとき、突出部は、傾斜部の基端部の側に位置する内側部位のプラグ軸方向の長さよりも、傾斜部の先端部の側に位置する外側部位のプラグ軸方向の長さの方が長くなるように形成されている。
この構成によれば、突出部及び凹部が傾斜部の延伸方向に対して所定の角度をなすように形成されているため、突出部の内側部位を形成するために必要な電極母材の加工率と、その外側部位を形成するために必要な電極母材の加工率との差を小さくすることができる。したがって、突出部の歪みを抑制することができる。
なお、上記手段、特許請求の範囲に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本開示のスパークプラグによれば、接地電極の歪みを抑制することが可能となる。
図1は、第1実施形態のスパークプラグの破断断面構造を示す断面図である。 図2は、第1実施形態のスパークプラグの先端部周辺の断面構造を示す断面図である。 図3は、第1実施形態の接地電極母材の底面構造を示す底面図である。 図4(A),(B)は、第1実施形態の接地電極の製造工程の一部を示す断面図である。 図5は、第1実施形態の接地電極の製造工程の一部を示す断面図である。 図6は、第1実施形態の変形例のハウジング及び接地電極母材の断面構造を示す断面図である。 図7は、第1実施形態の変形例のハウジングに対して接地電極母材を接合する工程の一部を示す断面図である。 図8は、第1実施形態の変形例の治具の断面構造を示す断面図である。 図9は、第1実施形態の変形例の治具の端面構造を示す端面図である。 図10は、第1実施形態の変形例のハウジングに対して接地電極母材を接合する工程の一部を示す断面図である。 図11は、第1実施形態の変形例のハウジングに対して接地電極母材を接合する工程の一部を示す断面図である。 図12は、第2実施形態のスパークプラグの先端部周辺の断面構造を示す断面図である。 図13は、第2実施形態のスパークプラグにおけるチャンバカップ、接地電極母材、及びハウジングの接合部分周辺の断面構造を示す断面図である。 図14は、第2実施形態のスパークプラグの先端面の構造を示す端面図である。 図15(A)~(C)は、他の実施形態の接地電極母材の底面構造を示す底面図である。 図16は、他の実施形態の接地電極母材の断面構造を示す断面図である。 図17は、他の実施形態の接地電極の断面構造を示す断面図である。 図18は、他の実施形態の接地電極の底面構造を示す底面図である。 図19は、他の実施形態のスパークプラグの先端部周辺の断面構造を示す断面図である。
以下、スパークプラグの一実施形態について図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
はじめに、図1に示される第1実施形態のスパークプラグ10の概略構成について説明する。このスパークプラグ10は例えばエンジンヘッドに設けられる。スパークプラグ10は、電圧の印加に基づき火花放電を形成することによりエンジンの気筒内の混合気を着火する。スパークプラグ10は、ハウジング11と、絶縁碍子12と、中心電極13と、接地電極14とを備えている。
ハウジング11はスパークプラグ10の中心軸m10を中心に円筒状に形成されている。ハウジング11は例えば炭素鋼等の金属材料により形成されている。ハウジング11の内部には絶縁碍子12の下端部が同軸上に挿入されている。ハウジング11の下部の外周面には、ねじ部114が形成されている。ハウジング11のねじ部114を、エンジンヘッドブロックに形成されるねじ穴にねじ込むことにより、スパークプラグ10をエンジンヘッドブロックに締結することが可能である。なお、以下では、中心軸m10を「プラグ中心軸m10」と称し、プラグ中心軸m10に沿った方向を「プラグ軸方向Da」と称する。本実施形態では、プラグ中心軸m10が所定の中心軸に相当する。
絶縁碍子12はプラグ中心軸m10を中心に円筒状に形成されている。絶縁碍子12はアルミナ等の絶縁材料により形成されている。本実施形態では、絶縁碍子12が絶縁体に相当する。絶縁碍子12の外周にはハウジング11が一体的に組み付けられている。絶縁碍子12の内部には軸孔120が形成されている。軸孔120はプラグ中心軸m10に沿って絶縁碍子12の先端部から基端部まで貫通するように形成されている。軸孔120には、その先端部の側から中心電極13、第1シール体15、抵抗体16、第2シール体17、及び端子金具18が順に挿入されている。
中心電極13は電極母材30と電極チップ40とを有している。中心電極母材30はプラグ中心軸m10を中心に円柱状に形成されている。中心電極母材30は、耐熱性に優れるニッケル(Ni)合金等により形成されている。中心電極チップ40は中心電極母材30の先端部に接合されている。中心電極チップ40はプラグ中心軸m10を中心に円柱状に形成されている。中心電極チップ40はイリジウム合金等により形成されている。中心電極13の基端部と端子金具18の先端部との間には第1シール体15、抵抗体16、及び第2シール体17が挟み込まれている。
端子金具18はプラグ中心軸m10を中心に略円柱状に形成されている。端子金具18は鋼材等により形成されている。端子金具18の基端部には端子部180が設けられている。端子部180は絶縁碍子12の基端部から外部に露出している。
接地電極14は電極母材50と電極チップ60とを有している。接地電極母材50はニッケル合金等により形成されている。接地電極母材50は、ハウジング11の先端部から中心電極チップ40に対向する位置まで延びるように形成されている。接地電極チップ60は接地電極母材50の先端部に接合されている。接地電極チップ60は、イリジウム合金や白金合金等の貴金属合金により形成されている。接地電極チップ60は、所定の隙間19を有して中心電極チップ40に対向するように配置されている。以下では、中心電極チップ40と接地電極チップ60との間に形成される隙間19を「火花ギャップ19」と称する。
このスパークプラグ10では、高電圧を印加することが可能な外部回路が端子金具18の端子部180に接続される。外部回路により端子部180に高電圧が印加されると、中心電極13の電極チップ40と接地電極14の電極チップ60との間に火花放電が形成される。この火花放電によりエンジンの気筒内の混合気が着火して火炎が形成されることにより混合気が燃焼する。
次に、ハウジング11及び接地電極14のそれぞれの構造について詳しく説明する。
図2に示されるように、接地電極母材50は、傾斜部51と、突出部52とを有している。
傾斜部51は、ハウジング11の先端部110から矢印Dtに示される方向に延びるように形成される平板状の部材からなる。矢印Dtに示される方向はプラグ軸方向Daに対して所定の角度θaをなす方向である。
以下では、矢印Dtに示される方向を「延伸方向Dt」と称する。また、延伸方向Dtにおける傾斜部51の両端部のうち、ハウジング11に接続される一端部510を「基端部510」と称し、それとは反対側の他端部511を「先端部511」と称する。また、プラグ軸方向Daに平行な方向であって、且つ中心電極13から接地電極14に向かう方向を「第1軸方向Da1」と称する。さらに、プラグ軸方向Daに平行な方向であって、且つ接地電極14から中心電極13に向かう方向を「第2軸方向Da2」と称する。
ハウジング11の先端面112と延伸方向Dtとがなす鋭角側の角度を「θb」とするとき、角度θbは以下の式f1を満たすように設定されている。
0°<θb≦45° (f1)
突出部52は、傾斜部51の先端部110において中心電極13に対向する内面512からプラグ軸方向Daに突出するように形成されている。図3に示されるように、突出部52はプラグ中心軸m10を中心に円柱状に形成されている。図2に示されるように、突出部52は、傾斜部51の内面512から、その中心軸m10が延伸方向Dtに対して垂直とは異なる所定の角度θaで突出するように形成されている。突出部52において傾斜部51の基端部510の側に位置する内側部位520はプラグ軸方向Daにおいて所定の長さL1を有している。突出部52において傾斜部51の先端部511の側に位置する外側部位521はプラグ軸方向Daにおいて所定の長さL2を有している。内側部位520の長さL1よりも外側部位521の長さL2の方が長くなっている。突出部52の先端面522は中心電極チップ40の先端面と平行である。突出部52の先端面522には接地電極チップ60が接合されている。
傾斜部51の内面512とは反対側の背面513には凹部53が形成されている。凹部53は突出部52の反対側に設けられている。凹部53は、プラグ中心軸m10を中心に円形状をなすように形成されている。凹部53は、傾斜部51の背面513において、その中心軸m10が延伸方向Dtに対して垂直とは異なる所定の角度θaをなして凹むように形成されている。凹部53の内径d1は突出部52の外径D1よりも大きい。凹部53の底面532は突出部52の先端面522と平行である。
ハウジング11の先端部110には切り欠き部111が形成されている。切り欠き部111に接地電極母材50の傾斜部51の基端部510が嵌め込まれて接合されることにより、接地電極14はハウジング11に対して片持ち支持されている。
図2に示されるように、突出部52の外側部位521において傾斜部51の内面512に接続されている部分を根元部523とし、傾斜部51の基端部510において第2軸方向Da2の最も端に位置している部位を下端部510aとするとき、プラグ軸方向Daにおける突出部52の根元部523から傾斜部51の下端部510aまでの長さは「L3」に設定されている。この長さL3は、突出部52の外側部位521の長さL2よりも長い。これにより、突出部52の先端面522は傾斜部51の下端部510aよりも第1軸方向Da1の側に位置している。
次に、本実施形態の接地電極14の製造方法について説明する。
接地電極14を製造する際には、ニッケル合金等により形成される直方体状の成形品から接地電極母材50を形成する工程が行われる。この成形工程では、まず、図4(A)に示されるように、直方体状の成形品70を第1金型81と第2金型82とにより挟み込む。第1金型81及び第2金型82には凹部811,821がそれぞれ形成されている。凹部811,821は、互いに組み合わさることにより、成形品70を収容可能な空間であるキャビティ83を形成している。
第1金型81及び第2金型82には、キャビティ83に対して交差する方向に延びるように挿入穴810,820がそれぞれ形成されている。挿入穴810,820は同一の軸線m11上に配置されている。第2金型82に形成される挿入穴820は第2金型82の上面に貫通している。第2金型82に形成される挿入穴820の内径は、第1金型81に形成される挿入穴810の内径よりも大きい。
図4(A)に示されるように第1金型81及び第2金型82により成形品70を挟み込んだ状態で、第2金型82の上面に形成される挿入穴820の開口部に円柱状の押し棒90を挿入する。押し棒90の外径は、第2金型82の挿入穴820の内径よりも若干小さい値に設定されている。挿入穴820に押し棒90を挿入した後、押し棒90に所定の外力を付与することにより、押し棒90の先端部を成形品70に押し込む。これにより、図4(B)に示されるように、成形品70の背面513に、押し棒90の外径と略同一の内径を有する凹部53が形成される。また、成形品70の背面513に凹部53が形成された分だけ、その反対側の成形品70の内面512が挿入穴810に向かって突出するように変形する。結果的に、成形品70の内面512に、挿入穴810の内径と略同一の外径を有する突出部52が形成される。このような押出成形を通じて接地電極母材50に突出部52を形成することにより、加工硬化により突出部52の表面硬さが傾斜部51の表面硬さよりも大きくなる。以上により、接地電極母材50の成形が完了する。
続いて、接地電極母材50に接地電極チップ60を接合する工程が行われる。具体的には、まず、図5に示されるように、接地電極母材50を下側電極台座100に設置する。下側電極台座100には、接地電極母材50の背面513側の形状と略同一の形状を有する凹部101が形成されている。下側電極台座100の凹部101には接地電極母材50の背面513が嵌め込まれる。これにより、接地電極母材50は、その突出部52の先端面522が上方を向くようにして配置される。
その後、突出部52の先端面522に接地電極チップ60を設置した後、当該接地電極チップ60を上側電極部材102により突出部52に向かって加圧しつつ、上側電極部材102と下側電極台座100との間に電流を流して接地電極母材50及び接地電極チップ60を通電する。これにより、接地電極母材50と接地電極チップ60とが抵抗溶接により接合される。以上により、接地電極14の製造が完了する。
以上説明した本実施形態のスパークプラグ10によれば、以下の(1)~(7)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)図2に示されるように、本実施形態のスパークプラグ10では、突出部52において突出量が他の部位と比較して大きい外側部位521の位置と、凹部53において凹み量が他の部位と比較して大きい部位531の位置とがプラグ軸方向Daにおいて対応している。同様に、突出部52において突出量が他の部位と比較して小さい内側部位520の位置と、凹部53において凹み量が他の部位と比較して小さい部位530とがプラグ軸方向Daにおいて対応している。すなわち、スパークプラグ10では、突出部52の各箇所の突出量と凹部53の各箇所の凹み量とがプラグ軸方向Daにおいてそれぞれ対応している。これにより、図4(A),(B)に示されるような工程を通じて接地電極母材50に突出部52及び凹部53を成形する際に、突出部52の内側部位520を形成するために必要な接地電極母材50の加工率と、その外側部位521を形成するために必要な接地電極母材50の加工率との差を小さくすることができる。したがって、突出部52の歪みを抑制することができる。また、突出部52の歪みを抑制することにより、突出部52からの電極チップ60の剥離を抑制することもできる。その結果、エンジンの早期着火や失火等を回避できるため、車両のドライバビリティが低下し難くなる。また、エンジンのプレイグニッションも回避できるため、エンジンに不具合が発生し難くなる。
(2)図2に示されるように、接地電極母材50は、ハウジング11の先端部110から中心電極13に向かって延伸方向Dtに直線状に延びるように形成されている。この構成によれば、接地電極母材50がL字状に形成されている場合と比較すると、接地電極母材50の全長を短くすることができる。結果的に、接地電極母材50の先端部511からハウジング11までの距離を短くすることができるため、接地電極母材50の熱がハウジング11に逃げ易くなる。よって、接地電極14の温度上昇を抑制することができるため、突出部52の歪みを更に抑制することができる。
(3)図2に示されるように、接地電極母材50では、凹部53の内径d1が突出部52の外径D1よりも大きくなっている。これにより、凹部53の凹み量よりも突出部52の突出量を大きくすることができるため、突出部52の成形が容易になる。
(4)図2に示されるように、接地電極母材50では、凹部53が傾斜部51の内面512に貫通しないように形成されている。この構成によれば、凹部53が部分的に傾斜部51の内面512に貫通している場合と比較すると、接地電極母材50の強度を確保することができる。
(5)突出部52の表面硬さは傾斜部51の表面硬さよりも大きい。これにより、突出部52の先端面522に電極チップ60をより容易に接合することが可能となる。
(6)ハウジング11の先端部110には、接地電極母材50の傾斜部51の基端部510が嵌め込まれる切り欠き部111が形成されている。この構成によれば、ハウジング11に対して接地電極14を接合する際に、ハウジング11に対する接地電極14の位置決めが容易となる。
(変形例)
次に、第1実施形態のスパークプラグ10の変形例について説明する。
図6に示されるように、本変形例のスパークプラグ10では、ハウジング11の先端部110に、切り欠き部111に代えて、溝部113が形成されている。溝部113は、ハウジング11の先端面112に対して所定の角度をなす方向に延びるように形成されている。溝部113には、接地電極母材50の基端部510が挿入されて接合されている。なお、図6では、接地電極チップ60の図示が省略されている。
次に、本変形例のハウジング11に対する接地電極14の接合方法について説明する。
ハウジング11に接地電極14を接合する際には、まず、図7に示されるように、ハウジング11の外周面に治具300を装着する装着工程が行われる。
具体的には、図8に示されるように、治具300は、軸線m20を中心に円筒状に形成されている。治具300の上端部の内面には、例えば2山程度のねじ部301が形成されている。治具300の上端面には傾斜面302が形成されている。図8及び図9に示されるように、傾斜面302の一部には溝部303が形成されている。
装着工程では、図7に示されるように、治具300の内部にハウジング11の上部を挿入した後、治具300の下端面がハウジング11の胴部115の上端面に接触するまでハウジング11のねじ部114に治具300のねじ部301をねじ込む。これにより、ハウジング11の先端部110の一部が治具300の傾斜面302から露出する形でハウジング11に治具300が装着される。
治具300の内面には少数のねじ部301のみが形成されているため、治具300の内面全体にねじ部が形成されている場合と比較すると、ハウジング11に対して治具300を容易にねじ込むことが可能となっている。
装着工程に続いて、図10に示される切削工程が行われる。切削工程では、まず、治具300が装着されたハウジング11を台座400に設置する。台座400には、水平方向X及び鉛直方向Zに対して所定角度をなす挿入穴401が形成されている。挿入穴401の上端の開口部には段差部402が形成されている。切削工程では、治具300の下端面が段差部402に接触するまで台座400の挿入穴401にハウジング11及び治具300を挿入する。これにより、図10に示されるように、ハウジング11及び治具300は、ハウジング11の先端面112が水平方向Xに対して所定の角度をなす姿勢で台座400に設置される。これにより、治具300の溝部303は水平方向Xに平行に配置される。
このようにして治具300にハウジング11及び治具300を設置した後、切削工具500を治具300の溝部303に沿って水平方向Xに移動させることにより、治具300の傾斜面302から露出したハウジング11の先端部110の一部を切削する。これにより、ハウジング11の先端部110には、図10に二点鎖線で示されるように、水平方向Xに平行に延びる溝部113が形成される。このような切削工程を行うことにより、ハウジング11の先端部110に、その先端面112に対して所定の角度をなす溝部113を容易に形成することができる。また、治具300の溝部303に沿って切削工具500を移動させるという方法であれば、切削工具500を溝部303により案内することができる。よって、より高い精度で溝部113を形成することが可能である。
切削工程に続いて、図11に示される接合工程が行われる。接合工程では、まず、ハウジング11の内部に下側電極部材600を挿入する。その後、接地電極母材50の基端部510をハウジング11の溝部113に挿入して、ハウジング11に接地電極14を配置する。この際、ハウジング11の溝部113は水平方向Xに延びるように形成されているため、接地電極母材50の傾斜部51は水平方向Xに延びる姿勢で配置される。なお、図11では、接地電極チップ60の図示が省略されている。続いて、接地電極母材50の傾斜部51の上面を上側電極部材700により加圧しつつ、上側電極部材700と下側電極部材600との間に電流を流してハウジング11及び接地電極母材50を通電する。これにより、ハウジング11と接地電極母材50とが抵抗溶接により接合される。以上により、ハウジング11に対する接地電極母材50の接合が完了する。
以上のような構成を有するスパークプラグ10であっても、第1実施形態のスパークプラグ10と同一又は類似の作用及び効果を得ることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のスパークプラグ10について説明する。以下、第1実施形態のスパークプラグ10との相違点を中心に説明する。
図12に示されるように、本実施形態のスパークプラグ10はチャンバカップ200を更に備える、いわゆるプレチャンバプラグである。チャンバカップ200はドーム状に形成されている。チャンバカップ200の開口部の外縁はハウジング11の先端部110の外周面にレーザ溶接により接合されている。図12には、レーザ溶接により形成される溶接部が符号210で示されている。チャンバカップ200は、ハウジング11の先端部に、所定の大きさを有する空間からなるプレチャンバSpを形成している。
チャンバカップ200の内壁面において接地電極母材50の基端部510の上部と干渉する部分には切り欠き部203が形成されている。詳しくは、図13に示されるように、接地電極母材50の基端部510の上部には、プラグ軸方向Daに平行に切り取られた角部510bが形成されている。チャンバカップ200の切り欠き部203は、この接地電極母材50の基端部510の上部に対応する形状を有している。接地電極母材50の基端部510の上部はチャンバカップ200の切り欠き部203に嵌め込まれて接合されている。したがって、接地電極母材50の基端部510はチャンバカップ200の切り欠き部203とハウジング11の切り欠き部111とにより挟み込まれている。
図12に示されるように、チャンバカップ200の頂部には、内面から外面に貫通する噴口201が形成されている。また、チャンバカップ200において接地電極母材50の先端部511の径方向外側に位置する部分には複数の噴口202が形成されている。図14に示されるように、複数の噴口202は、プラグ中心軸m10を中心とする周方向に等角度間隔で配置されている。チャンバカップ200の切り欠き部203は、プラグ軸方向Daにおいて噴口202と重ならない位置に配置されている。
このスパークプラグ10では、エンジンの燃焼室から噴口201,202からプレチャンバSp内に流入した混合気が、中心電極13の電極チップ40と接地電極14の電極チップ60との間に形成される火花放電により着火する。これによりプレチャンバSp内に形成される燃焼火炎が噴口201,202からエンジンの燃焼室に噴出するため、エンジンの燃焼室内の広範囲に燃焼火炎を到達させることができる。その結果、エンジンの燃焼状態を安定化させることができるため、エンジンの出力を向上させることができるとともに、エミッションを低減することもできる。
以上説明した本実施形態のスパークプラグ10によれば、以下の(8)及び(9)に示される作用及び効果を更に得ることができる。
(8)図12及び図13に示されるようなスパークプラグ10では、チャンバカップ200内に接地電極14が配置されているため、接地電極14の温度が高温になり易いという特徴がある。したがって、第1実施形態のスパークプラグ10と比較すると、本実施形態のスパークプラグ10の方が、接地電極母材50に歪みが生じ易い。このようなプレチャンバSpを有する本実施形態のスパークプラグ10に、歪みを抑制することが可能な第1実施形態のスパークプラグ10の構成を採用することの意義は大きい。
(9)ハウジング11の先端部110には、接地電極母材50の基端部510を嵌め込むことが可能な切り欠き部111が形成されている。これにより、より確実に接地電極14を図14に示される位置に、すなわちプラグ軸方向Daにおいて噴口202と重ならない位置に位置決めすることができる。この構成によれば、プレチャンバSp内から複数の噴口202を通じて燃焼火炎が噴射される際に、火炎の噴射が接地電極14により遮られ難くなる。結果的に、複数の噴口202から噴射される火炎の形状が所望の形状になり易くなるため、燃焼室内の燃焼の再現性を向上させることができる。また、ハウジング11に対する接地電極14の位置決めが容易になるため、生産性を向上させることもできる。
<他の実施形態>
なお、上記実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・接地電極母材50の突出部52は、円柱状に限らず、任意の形状に形成されていてもよい。例えば、図15(A)~(C)に示されるように、接地電極母材50の突出部52は楕円柱状、矩形柱状、あるいは三角柱状に形成されていてもよい。
・接地電極母材50の凹部53の形状も適宜変更可能である。例えば、図16に示されるように、接地電極母材50の凹部53の底面532は円錐状に形成されていてもよい。
・図17及び図18に示されるように、接地電極チップ60は、その一部が接地電極母材50の突出部52の先端面522から接地電極母材50の先端部511の側に突出するように配置されていてもよい。これにより、接地電極チップ60と中心電極チップ40との間に形成される火花放電が接地電極母材50の先端部511の側に形成され易くなる。すなわち、スパークプラグ10において空間が広がっている部分に火花放電が形成され易くなるため、火花放電により混合気が着火して火炎が形成される際に、その火炎が接地電極14やハウジング11等に接触し難くなる。結果的に、火炎の熱が接地電極14やハウジング11に吸収され難くなるため、エンジンにおいて失火等が発生し難くなる。
・図19に示されるように、接地電極母材50は、ハウジング11の内部に向かって延びるように形成されていてもよい。この場合、接地電極母材50の内側部位520の長さL1は外側部位521の長さL2よりも長くなる。このスパークプラグ10では、ハウジング11の内部に火花ギャップ19が配置される。なお、図19に示されるようなスパークプラグ10の構成は、図12に示される第2実施形態のチャンバカップ200を有するスパークプラグ10に適用することも可能である。
・本開示は上記の具体例に限定されるものではない。上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本開示の特徴を備えている限り、本開示の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素、及びその配置、条件、形状等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。前述した各具体例が備える各要素は、技術的な矛盾が生じない限り、適宜組み合わせを変えることができる。
Da:プラグ軸方向
Da1:第1軸方向
Da2:第2軸方向
m10:中心軸
10:スパークプラグ
11:ハウジング
12:絶縁碍子(絶縁体)
13:中心電極
14:接地電極
50:電極母材
51:傾斜部
52:突出部
53:凹部
60:電極チップ
111:切り欠き部
200:チャンバカップ
201,202:噴口
510:基端部
511:先端部

Claims (9)

  1. 所定の中心軸(m10)を中心に筒状に形成される絶縁体(12)と、
    前記絶縁体の先端部から露出するように前記絶縁体に挿入される中心電極(13)と、
    前記絶縁体の外周に設けられる筒状のハウジング(11)と、
    前記ハウジングの先端部に接合される接地電極(14)と、を備え、
    前記接地電極は、
    前記ハウジングの先端部から前記中心電極に向かって延びるように形成される電極母材(50)と、
    前記電極母材において前記中心電極に対向する部分に接合される電極チップ(60)と、を有し、
    前記電極母材は、
    前記ハウジングの先端部に接合されるとともに、前記ハウジングの先端部から前記中心電極に向かって所定の延伸方向に延びるように形成される傾斜部(51)と、
    前記傾斜部において前記中心電極に対向する内面から前記中心電極に向かって突出するように形成される突出部(52)と、を有し、
    前記傾斜部の前記内面とは反対側の背面における前記突出部の反対側の部分には、凹部(53)が形成され、
    前記中心軸に沿った方向をプラグ軸方向(Da)とするとき、
    前記突出部は、その中心軸が前記延伸方向に対して垂直とは異なる所定の角度をなすように前記傾斜部の内面から前記プラグ軸方向に突出するように形成され、
    前記凹部は、その中心軸が前記延伸方向に対して垂直とは異なる所定の角度をなすように前記傾斜部の背面において前記プラグ軸方向に凹むように形成され、
    前記突出部の先端面は、前記中心電極の電極チップの先端面と平行であり、
    前記傾斜部において前記ハウジングの先端部に接合される端部を基端部(510)とし、前記傾斜部において前記基端部とは反対側の端部を先端部(511)とするとき、
    前記突出部は、前記傾斜部の前記基端部の側に位置する内側部位の前記プラグ軸方向の長さよりも、前記傾斜部の前記先端部の側に位置する外側部位の前記プラグ軸方向の長さの方が長くなるように形成されている
    スパークプラグ。
  2. 前記プラグ軸方向に平行な方向であり、且つ前記中心電極から前記接地電極に向かう方向を第1軸方向(Da1)とし、
    前記プラグ軸方向に平行な方向であり、且つ前記接地電極から前記中心電極に向かう方向を第2軸方向(Da2)とするとき、
    前記突出部の先端面は、前記傾斜部の基端部において前記第2軸方向の最も端に位置する部位よりも前記第1軸方向の側に位置している
    請求項1に記載のスパークプラグ。
  3. 前記突出部は、前記所定の中心軸を中心に円柱状に形成されており、
    前記凹部は、前記所定の中心軸を中心に円形状をなすように形成されており、
    前記凹部の内径は、前記突出部の外径よりも大きい
    請求項1又は2に記載のスパークプラグ。
  4. 前記凹部は、前記傾斜部の内面に貫通しないように形成されている
    請求項1~3のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  5. 前記突出部の表面硬さは、前記傾斜部の表面硬さよりも大きい
    請求項1~4のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  6. 前記ハウジングの先端部には、前記傾斜部の基端部が嵌め込まれる切り欠き部(111)が形成されている
    請求項1~5のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  7. 前記ハウジングの先端面と前記延伸方向とがなす鋭角側の角度を「θb」とするとき、角度θbは、次式
    0°<θb≦45°
    を満たしている
    請求項1~6のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  8. 前記凹部の底面は、前記突出部の先端面と平行である
    請求項1~7のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
  9. 前記ハウジングの先端部に設けられてプレチャンバを形成するとともに、内面から外面に貫通する複数の噴口(201,202)を有するチャンバカップ(200)を更に備える
    請求項1~8のいずれか一項に記載のスパークプラグ。
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