JP2022162783A - 電子モジュール、発振周波数制御方法およびプログラム - Google Patents

電子モジュール、発振周波数制御方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】例えば、容易に発振周波数の安定化を図ることができるようにする。【解決手段】水晶振動子と、水晶振動子の発振周波数を用いた処理を行う第1回路と、第1回路が発振周波数を用いた処理を行う前に、発振周波数の制御以外の所定処理を可能に水晶振動子の周辺部に設けられている周辺回路を意図的に作動させる制御回路とを有する電子モジュールである。【選択図】図2

Description

本発明は、電子モジュール、発振周波数制御方法およびプログラムに関する。
水晶振動子の発振周波数を安定化させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、水晶振動子にヒータを密集配置させ、ヒータによって水晶振動子の温度を調整することで発振周波数を安定化させる技術について開示されている。また、例えば、特許文献2には、水晶振動子と、発振回路と、温度補償回路とを有し、水晶振動子の発振周波数が温度変化の影響を受けることを抑える水晶発振器について開示されている。
特許第3997611号公報 特開平9-270638号公報
しかしながら、特許文献1の開示技術では、ヒータを備えることで部品の大きさの増大が懸念される。また、特許文献2の開示技術では、温度補償回路を設けていることで回路構造が複雑となることが懸念される。このように、従来技術では発振周波数の安定化を図ると部品点数の増大や回路の複雑化を招いてしまう。
本発明は、容易に発振周波数の安定化を図ることができる電子モジュール、発振周波数制御方法およびプログラムを提案することを目的の一つとする。
本発明は、
水晶振動子と、
前記水晶振動子の発振周波数を用いた処理を行う第1回路と、
前記第1回路が前記発振周波数を用いた処理を行う前に、前記発振周波数の制御以外の所定処理を可能に前記水晶振動子の周辺部に設けられている周辺回路を意図的に作動させる制御回路と
を有する電子モジュールである。
本発明は、
水晶振動子の発振周波数を用いた処理を行う第1回路が前記発振周波数を用いた処理を行う前に、前記発振周波数の制御以外の所定処理を可能に前記水晶振動子の周辺部に設けられている周辺回路を意図的に作動させる
発振周波数制御方法である。
本発明は、
水晶振動子の発振周波数を用いた処理を行う第1回路が前記発振周波数を用いた処理を行う前に、前記発振周波数の制御以外の所定処理を可能に前記水晶振動子の周辺部に設けられている周辺回路を意図的に作動させる
処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
図1は、一実施形態に係る通信モジュールの利用例を示す概略図である。 図2は、通信モジュールの構成例を示すブロック図である。 図3は、第1比較例での周波数変化を表すグラフである。 図4は、第1比較例での周波数変化率を表すグラフである。 図5は、第2比較例での周波数変化を表すグラフである。 図6は、第2比較例での周波数変化率を表すグラフである。 図7は、第1比較例の場合における通信処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、一実施形態における発振周波数の制御を伴う通信処理の流れを示すフローチャートである。 図9は、一実施形態での周波数変化を表すグラフである。 図10は、一実施形態での周波数変化率を表すグラフである。 図11は、コンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態等について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態等は本発明の好適な具体例であり、本発明の内容がこれらの実施形態等に限定されるものではない。説明は以下の順序で行う。
<1.一実施形態>
<2.変形例>
<1.一実施形態>
[1-1.電子モジュールの利用例]
まず、本発明の一実施形態に係る電子モジュールについて説明する。なお、本実施形態では、通信用の電子モジュール(通信モジュール)を電子モジュールの一例として説明する。
図1は、本実施形態に係る通信モジュール(通信モジュール10)の利用例を示す概略図である。この例では、通信装置1に通信モジュール10が搭載されている。通信装置1は、IoTデバイスなどの無線通信装置である。通信装置1は、通信モジュール10と、通信モジュール10を制御する制御マイコン(MCU:Micro Controller Unit)20とを有している。
通信モジュール10は、具体的には、LPWA(Low Power Wide Area)に基づく通信規格に準拠した通信を行う。LPWAは伝送速度が3G回線、4G回線などのセルラー回線や無線LAN(Local Area Network)と比較すると非常に遅いものの、広範囲に伝送でき、周波数帯幅も狭帯域であり、且つ、消費電力が極めて少ないという特性を有しており、小さいデータを複数の場所から多数送信するセンサネットワークなどに好適である。LPWAに基づく通信規格としては、例えば、Sigfox(登録商標)、LoRa(登録商標)、ZETA(登録商標)、ELTRES(登録商標)、Wi-Fi HaLow、Wi-SUN(登録商標)、RPMA(登録商標)、FLEXNET(登録商標)、NB-IoTなどが挙げられる。
ここでは、LPWAに基づく通信規格がSigfoxである場合、つまり、通信モジュール10がSigfox対応モジュールである場合を例にして説明する。Sigfoxは、センサネットワークなどに特化したロースペックでシンプルな通信規格である。Sigfoxの通信仕様は、具体的には、920MHz帯を使用(日本国の場合)し、通信速度:100bps、周波数帯幅:100Hz(UNB:Ultra Narrow Band)、使用チャネル幅:200kHz、変調方式:SSB-SC+D-BPSKとなっている。Sigfoxによる通信は、通信速度が遅く、最低限のデータ量(1回に最大12バイト)を送信する。また、100Hzという超狭帯域無線によって電波干渉に強いという特徴を有している。
制御マイコン20は、通信モジュール10に通信コマンドを送信して通信モジュール10による通信を制御する。制御マイコン20は、具体的には、通信モジュール10に通信開始を知らせる開始信号、SigfoxのATコマンド(プレフィックスとして「AT$」を用いるコマンド)などを通信モジュール10に送信する。
通信装置1は、センサ(図示略)によるセンシングデータなどのデータを送信する。基地局2は、通信装置1が送信したデータを受信する。基地局2が受信したデータは、バックエンドのクラウド3上で管理される。クラウド3は、1以上の通信装置1が各々送信したデータを蓄積する。クラウド3上のデータは、例えば、サーバ(図示略)に転送され、またはサーバによって読み込まれ、分析・活用される。
[1-2.電子モジュールの構成例]
図2は、通信モジュール10の構成例を示すブロック図である。通信モジュール10は、水晶振動子111を有する発振器11と、第1回路121および第2回路122を有する通信回路12と、制御回路13とを有している。通信モジュール10は、これらの構成部品を密集配置させた超小型モジュール(例えば、幅および長さが十数mmで厚さが数mm程度の直方体)である。通信モジュール10は、例えば、ダウンリンクに対応している。
発振器11、通信回路12および制御回路13は、例えば、プリント基板に実装されている。プリント基板は、片面実装、両面実装のどちらでも構わず、また、層数なども問わない。高密度設計の構成によって、発振器11ひいては水晶振動子111の周辺部には、通信回路12および制御回路13などの周辺回路が密集して設けられている。この周辺回路は、例えば、電流が流れることで生じた熱が水晶振動子111に伝わる場所に配置されている回路であり、発振器11、通信回路12または制御回路13に付随するコンデンサや抵抗などの付随部品(図示略)も含まれる。以下、各構成部品について詳細に説明する。
発振器11は、温度補償や温度制御を行わない非温度補償型の水晶発振器で構成されている。発振器11は、例えば、水晶振動子111と発振回路(図示略)とを一体化したパッケージ水晶発振器(SPXO:Simple Packaged Crystal Oscillator)で構成されている。なお、発振素子は、温度変化により周波数特性が変わるものであればよい。発振器11が出力する発振周波数は、通信回路12に入力される。
通信回路12は、Sigfoxに対応した無線通信を行う回路である。通信回路12は、例えば、RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)などの通信用IC(Integrated Circuit)で構成されている。通信回路12は、アンテナ(内蔵アンテナを含む)を介して基地局2などと通信する。通信回路12は、具体的には、送信処理を行う第1回路121と、受信処理を行う第2回路122とを有している。第1回路121および第2回路122は、例えば、上述した通信用ICに含まれている。
第1回路121は、水晶振動子111(具体的には、発振器11)の発振周波数を用いた処理として、当該発振周波数を用いてデータを送信する送信処理を行う。第1回路121は、例えば、フィルタや変調回路などで構成され、送信データに応じて発振器11からの発振周波数を変調し、変調した信号(RF信号)をアンテナに出力し、データ送信を行う。
第2回路122は、受信処理を行う。第2回路122は、例えば、フィルタや復調回路などで構成され、アンテナを介して基地局2などから送信されたRF信号を受信し、受信したRF信号を復調して受信データを取得する。受信データは、例えば、制御回路13に出力されて利用される。
制御回路13は、例えば、マイコン(MCU:Micro Controller Unit)で構成されており、発振器11、通信回路12などの通信モジュール10を構成する構成部品を各々制御する。制御回路13は、外部インタフェースを介して外部モジュール(例えば、上位の制御マイコン20)との間でデータの送受信を行う。この外部インタフェースとしては、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)が挙げられる。なお、外部インタフェースは、他のインタフェースであっても構わない。制御回路13は、具体的には、外部インタフェースを介して上述した開始信号、ATコマンドなどのデータを受信し、受信したデータを用いて発振器11および通信回路12などの構成部品を制御する。
なお、制御回路13は、第1回路121が送信処理を行う前に、発振周波数の制御以外の所定処理を可能に水晶振動子111の周辺部に設けられている周辺回路を意図的に作動させる。制御回路13は、具体的には、第1回路121の送信処理前に、上述した受信処理を可能な第2回路122を意図的に作動させる。つまり、受信の要否に関係なく、第2回路122がダミー処理的に受信処理を行うように通信回路12を制御する。
通信モジュール10は、通信不要の期間(通信を終了してから制御回路13が次の開始信号を受信するまでの期間)においてはスリープ状態となる。このスリープ状態では、制御回路13はスリープ状態(受信待ち状態)となり、発振器11および通信回路12は、全て停止(電力を消費しない状態)またはスリープ状態(指示待ち状態)となる。スリープ状態では、わずかな電流(例えば、1μA程度の電流)しか流れず、スリープ状態に制御されない場合(各構成部品が起動しており、少なくとも起動状態を保つためにある程度の電流を常に流す場合)と比較して省消費電力化を図ることができる。
[1-3.電子モジュールの問題点]
ここで、上述した通信モジュール10の問題点について説明する。Sigfoxなどの狭帯域の通信規格の場合、認証時のRF(Radio Frequency)特性試験の基準が厳しい。上述したように、構成部品が密集配置されており、水晶振動子111と他の部品(例えば、MCU、ICなど)との距離が近いと、水晶振動子111は、温度の影響を受けやすい。通信モジュール10においては、第1回路121による送信を行った場合、水晶振動子111が温度変化(具体的には、上昇)することで発振周波数が不安定となり、RF特性が悪くなる。そこで、このように発振周波数に高い安定性が求められる場合、発振器11として温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)を用いることが考えられる(以下、この場合を第1比較例とする。)。仮に、発振器11を温度補償型水晶発振器によって構成した場合には、水晶振動子111に固有の周波数温度特性を補償して平坦で安定した周波数での発振が可能となる。
図3は、第1比較例での周波数変化を表すグラフである。図3中の横軸は時間[s]を示し、縦軸は周波数ドリフト[Hz]を示している。また、図4は、第1比較例での周波数変化率(周波数変化を時間で微分したもの)を表すグラフである。図4中の横軸は時間[s]を示し、縦軸は周波数ドリフト[Hz/s]を示している。なお、図3および図4は、エミュレータによりSigfoxネットワークをエミュレートして得られた試験結果である。Sigfox通信では、データ送信時に周波数を変えながら同じデータを3回送信する。図3および図4中の「Frame0」は第1波目の波形、「Frame1」は第2波目の波形、「Frame2」は第3波目の波形を示している。これらは、以降の他のグラフにおいても同様である。
図3に示すように、第1比較例では、第1波目は、なだらかに周波数が上がっているが、第2波目および第3波目は非常に安定している。また、図4に示すように、周波数変化率は、第1波目が送信開始時に若干高くなるだけであり、他は大きく変化しないことがわかる。第1比較例においては、ドリフトの値が0に近く平坦であることから、発振周波数が非常に安定しており、小型モジュールの低レート、超狭帯域のSigfox通信を行う場合であっても特性試験の基準をクリアすることができる。
しかしながら、社会情勢の変化や天災地変などの不測の事態によって温度補償型水晶発振器が安定的に入手できなくなくなることも考えられる。そのため、製品を安定的に製造できるようにすべく、代替品での再設計を検討しておく必要がある。また、温度補償型水晶発振器は、非温度補償型の水晶発振器と比較して高価である。そこで、本実施形態に係る通信モジュール10においては、上述したように、発振器11として非温度補償型の水晶発振器を使用している。ところが、温度補償型水晶発振器を、単に、非温度補償型の水晶発振器としただけ(以下、この場合を第2比較例とする。)では、発振周波数の安定性が第1比較例の場合と比べて悪くなる。
図5は、第2比較例での周波数変化を表すグラフである。図6は、第2比較例での周波数変化率を表すグラフである。図5に示すように、第2比較例では、発振直後はプラス側へ周波数がずれ、直後に周波数が大きく下がる。その後少し周波数が戻り、なだらかに周波数が下がる。第1波目よりも第2波目、第3波目と、周波数の下がり具合がなだらかになっている。また、図6に示すように、周波数の変化率は、発振直後にプラス方向およびマイナス方向に周波数がぶれたため波形が大きくなる。その後なだらかになって最後に大きく周波数が下がったことで波形が大きくなっている。
このように、単純に部品を入れ替えただけの第2比較例では、発振周波数が不安定となり、Sigfox通信の特性試験の基準をクリアすることが難しい。そこで、本実施形態では、以下に説明するように、ファームウェアの改良、つまり、ソフト的な処理でRF特性の規定を満たすことができるように改善している。
[1-4.電子モジュールでの処理フロー例]
まず、本実施形態での処理フローについて説明する前に、上述した第1比較例での処理フローについて説明する。図7は、第1比較例の場合における通信処理の流れを示すフローチャートである。
電源オンなどによって処理が開始されると、通信モジュール10は、まず、スリープ状態に移行する(ステップS10)。上述したように、スリープ状態では、制御回路13は、ATコマンド(開始信号を含む)の受信待ち状態となり、発振器11(この第1比較例の場合は温度補償型水晶発振器となる。)および通信回路12は、全て停止またはスリープ状態となる。
このスリープ状態において、制御マイコン20から制御回路13にATコマンド(開始信号を含む)が送られると、通信モジュール10は、初期化処理およびATコマンド解析処理を行う(ステップS20)。具体的には、制御回路13は、開始信号の受信によって起動し、発振器11および通信回路12を起動する。そして、制御回路13は、受信したATコマンドを解析する。
次に、制御回路13は、ATコマンドの解析結果によりデータ送信を行う場合、第1回路121がデータ送信(Send_frame)を行うように通信回路12を制御する送信制御処理を行う(ステップS30)。ここで、通信回路12は、上述したように、データ送信の際に発振器11の発振周波数を使用する。Sigfox通信の場合には、1回の送信が7~8秒で行われる。
そして、データ送信が終了すると、制御回路13は、スリープ状態に戻るためのスリープ前処理を行う(ステップS40)。スリープ前処理では、制御回路13は、発振器11および通信回路12を全て停止またはスリープ状態とし、自身もスリープ状態となるための準備を行う。そして、制御回路13は、電源オフなどによって処理の終了が必要となったか否かを判定し(ステップS50)、処理の終了が必要となっていない(NO)と判定された場合には、ステップS10に処理を戻す。一方、ステップS50にて処理の終了が必要となった(YES)と判定された場合には、通信処理を終了する。
次に、本実施形態での処理フローについて説明する。図8は、一実施形態における発振周波数の制御を伴う通信処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8に示す処理は、送信制御処理(ステップS30)の前に、データ送信待機処理(ステップS25)を行う点が、図7に示したものと相違する。それ以外は、図7に示すものと同じであり、ここでは説明を省略する。
つまり、ステップS20による初期化処理およびATコマンド解析処理の終了後、制御回路13は、送信制御処理(ステップS30)を行う前に、通信回路12にデータ送信を待機させる送信待機処理を行う(ステップS25)。詳述すると、制御回路13は、第1回路121がデータを送信する前に、発振周波数の制御以外の所定処理を可能に水晶振動子111の周辺部に設けられている周辺回路を意図的に作動させる。つまり、制御回路13は、周辺回路に電流を流す処理を行う。電流が流れることで周辺回路の温度が上昇し、次第に安定化する。この安定化温度は、例えば、第1回路121による送信時に水晶振動子111の温度変化が解消する温度(具体的には、上述したRF特性の規定を満たす温度)である。
所定処理は、例えば、第1回路121による送信処理に影響しないものであり、周辺回路に所定処理前よりも大きな電流が流れるものである。これにより、次の送信制御処理(ステップS30)でのデータの送信を問題なく行うことができ、さらに、所定処理前の状態でいるよりも早く周辺回路の温度を上昇させ安定化させることができる。
所定処理は、具体的には、第2回路122による受信処理である。この場合、制御回路13は、通信回路12を制御して意図的に第2回路122を発振周波数が安定化する所定時間(例えば、数秒間)を経過するまで作動させ、RF信号を受信する受信モードにする。つまり、制御回路13は、第2回路122による受信処理をダミー処理的に行うようにする。
第2回路122による受信処理は、第1回路121による送信処理に影響しないので、送信を問題なく行うことができる。また、受信モードでは、受信を行わない状態(単なる待機状態)よりも大きな電流(例えば、10mA程度)が流れるので、単なる待機状態よりも早く安定化させることができる。
第2回路122を作動させる所定時間は、例えば、シミュレーションなどで予め求めておいたものを設定する。ここで、制御回路13は、第1回路121による送信処理の頻度に応じてこの所定時間を決定(設定制御)するものであってもよい。例えば、前回の送信の際に、この送信待機処理を行っていた場合には、第2回路122の作動時間を0とする(つまり、実質的に送信待機処理を行わない)、または、第2回路122の作動時間を調整して短くする。これにより、効率的に発振周波数の安定化を図ることができる。
このように、所定処理として受信処理を行うことで、第2回路122に電流が流れ、水晶振動子111近辺の温度が上昇し、水晶振動子111の温度を安定化させることができる。水晶振動子111の温度を安定化させることで、次の送信制御処理(ステップS30)でのデータ送信の際に、水晶振動子111の温度変化が抑えられ、RF信号の送信時(発振時)の周波数ドリフトを抑えることができる。
通信回路12が通信用ICで構成されている場合には、送信のときに用いる部品と共通の部品(通信用IC)の温度を上昇させることができるので、効率良く発振周波数の安定化を図ることができる。
図9は、一実施形態での周波数変化を表すグラフである。図10は、一実施形態での周波数変化率を表すグラフである。図9に示すように、本実施形態では、図5に示す第2比較例(対策前)の発振直後の周波数の大きなブレがかなり抑えられている。その後は、なだらかに周波数が下がっている。図10に示すように、周波数の変化率は、図6に示す第2比較例の場合に比べて抑えられている。周波数は徐々に下がっているが、RF特性の規定内に収まる程度に改善している。このように、本実施形態では、発振器11として非温度補償型の水晶発振器を採用しても、発振周波数の安定化(周波数ドリフトを抑えること)に効果が出ていることを確認することができた。
なお、上述した所定処理は、第2回路122による受信処理に限らず、水晶振動子111の周辺回路を意図的に作動させて電流を流し、周辺回路の温度を上げる処理であればよい。例えば、所定処理は、制御回路13の処理であってもよく、制御回路13を意図的に作動して制御回路13に電流を流し、制御回路13の温度を上昇させるものであってもよい。また、所定処理用の回路は、1つの処理回路に限らず、複数の処理回路であってもよい。なお、この高い発振周波数精度が要求される処理(発振周波数を利用する処理)は、送信処理に限らない。例えば、種々の信号源の生成処理に適用することができる。また、上述した送信処理の前になされる温度安定化用の所定処理は、本来は処理する必要のないダミー的な処理であるならば、高い発振周波数精度が要求されない処理に限らず、高い発振周波数精度が要求される処理であってもよい。例えば、所定処理には、本来は、高い発振周波数精度が要求される処理を通信ステータスのうえで高い発振周波数精度が要求されないステータスにおいてダミー的に実行する処理も含まれる。
通信モジュール10は、非温度補償型の水晶発振器である発振器11以外の構成部品について温度補償型水晶発振器搭載用のものを流用し、温度補償型水晶発振器の搭載可能な位置に発振器11をそのまま搭載できる構成とすることで、プリント基板などの回路パターンを変えずに発振器11を温度補償型水晶発振器の代用品とすることができる。これにより、通信モジュール10を容易且つ安定的に低コストで製造することができる。発振器11が最初から搭載されることを前提にプリント基板などの回路パターンの一部または全部を再設計した場合には、さらなる周波数特性の改善や機器の小型化を図ることができる。
[1-5.効果]
以上のように、本発明の一実施形態に係る通信モジュール10は、発振周波数の制御を伴う通信処理により、送信前(発振周波数の利用前)に、水晶振動子111の周辺回路に一定の電流を意図的に流すことで、水晶振動子111周辺部の温度を安定化させる、つまり、送信時の温度変化を抑えることができる。これにより、周波数ドリフトを抑えることができ、発振周波数を安定化させることができる。
通信回路12および制御回路13などの既存の構成部品をソフトウェアで意図的に制御することで温度を安定させることができるので、別途、ヒータや温度補償回路といった安定化のための追加回路が不要である。これにより、部品点数の増大や回路の複雑化などを招くことなく容易に発振周波数の安定化を図ることができる。また、コスト削減を図ることができる。
[1-6.コンピュータのハードウェア構成例]
図11は、上述した制御回路13、制御マイコン20として採用し得るコンピュータ(コンピュータ200)のハードウェア構成例を示している。コンピュータ200は、バスにより相互接続されている制御部201、記憶部202、入力部203および出力部204を有している。
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)で構成されている。記憶部202は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成されている。ROMには、CPUにより読み込まれ動作されるプログラムなどが記憶されている。RAMは、CPUのワークメモリとして用いられる。つまり、CPUで処理するデータなどを一時的に記憶する。CPUは、ROMに記憶されたプログラムに従い様々な処理を実行してコマンドの発行を行うことによってコンピュータ200全体やコンピュータ200が組み込まれている装置の制御を行う。
入力部203は、コンピュータ200に各種データを入力する入力端子で構成されている。出力部204は、コンピュータ200から各種データを出力する出力端子で構成されている。なお、入力部203および出力部204は、コンピュータ200に対して各種データを入出力可能な入出力端子であっても構わない。
制御部201は、記憶部202(具体的には、ROM)に記憶されているプログラムを読み出し実行することで各種処理を行う。例えば、制御マイコン20の場合は、通信モジュール10を制御する処理を行い、制御回路13の場合は、上述した発振周波数の制御を伴う通信処理(図8を参照)を行う。
なお、プログラムは、記憶部202に記憶されていなくてもよい。例えば、コンピュータ200が読み取り可能な記憶媒体に記憶されているプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。この記憶媒体としては、例えば、着脱自在な光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ、HDD(ハードディスクドライブ)などが挙げられる。また、インターネットなどのネットワークに接続された装置にプログラムを記憶させておき、コンピュータ200が通信装置などを用いてそこからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
<2.変形例>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、次に述べるような各種の変形が可能である。また、次に述べる変形の態様は、任意に選択された一又は複数を、適宜に組み合わせることもできる。また、上述した実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値等は、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることや入れ替えることが可能である。また、1つのものを2つ以上に分けることも可能であり、2つ以上のものを1つに纏めることも可能である。さらに、一部を省略することも可能である。
上述した一実施形態では、温度補償型水晶発振器の代替品となる非温度補償型の水晶発振器を発振器11としたが、発振器の形状、種類および組み合わせは、これに限らない。
一実施形態に係る通信モジュール10は、Sigfox通信を行うものを例示したが、これに限らず、例えば、他のLPWAによる通信を行うものであってもよいし、発振周波数の安定性が要求される、それ以外の通信を行うもの(例えば、セルラー方式の通信など)であってもよい。通信は、無線通信に限らず、有線通信であってもよい。また、通信先は、基地局2に限らず、例えば、中継器、コンピュータなどの他の装置であってもよい。
また、一実施形態では、通信用の電子モジュール(通信モジュール10)を電子モジュールの例として説明したが、電子モジュールは、信号源用など、他の用途で使用されるものであってもよい。搭載先も通信装置に限らず、例えば、コンピュータ、撮像装置、時計、ディスプレイ装置、医療機器などの電子機器や、車両、航空機、船舶などの移動体、基地局などの構成部品として用いられるものであってもよい。
1・・・通信装置、10・・・通信モジュール、11・・・発振器、12・・・通信回路、13・・・制御回路、20・・・制御マイコン、111・・・水晶振動子、121・・・第1回路、122・・・第2回路

Claims (12)

  1. 水晶振動子と、
    前記水晶振動子の発振周波数を用いた処理を行う第1回路と、
    前記第1回路が前記発振周波数を用いた処理を行う前に、前記発振周波数の制御以外の所定処理を可能に前記水晶振動子の周辺部に設けられている周辺回路を意図的に作動させる制御回路と
    を有する電子モジュール。
  2. 前記所定処理は、前記発振周波数を用いた処理に影響しないものである
    請求項1に記載の電子モジュール。
  3. 前記所定処理は、前記周辺回路に前記所定処理前よりも大きな電流が流れるものである
    請求項1または2に記載の電子モジュール。
  4. 前記制御回路は、前記発振周波数が安定化する所定時間を経過するまで前記周辺回路を作動させる
    請求項1から3のうちの何れかに記載の電子モジュール。
  5. 前記制御回路は、前記発振周波数を用いた処理の頻度に応じて前記所定時間を決定する
    請求項4に記載の電子モジュール。
  6. 前記第1回路は、前記発振周波数を用いてデータを送信する送信処理を行う
    請求項1から5のうちの何れかに記載の電子モジュール。
  7. 前記送信処理は、LPWA(Low Power Wide Area)の通信規格に準拠したものである
    請求項6に記載の電子モジュール。
  8. 前記第1回路と、前記所定処理として受信処理を行う第2回路とを含んで構成されている通信用IC(Integrated Circuit)を有しており、
    前記通信用ICは、前記周辺回路に含まれている
    請求項6または7に記載の電子モジュール。
  9. 前記水晶振動子は、非温度補償型の水晶発振器の水晶振動子であり、
    前記第1回路は、前記非温度補償型の水晶発振器の発振周波数を用いた処理を行う
    請求項1から8のうちの何れかに記載の電子モジュール。
  10. 前記制御回路は、MCU(Micro Controller Unit)で構成されており、
    前記MCUは、前記周辺回路に含まれており、
    前記所定処理は、前記MCUの処理である
    請求項1から9のうちの何れかに記載の電子モジュール。
  11. 水晶振動子の発振周波数を用いた処理を行う第1回路が前記発振周波数を用いた処理を行う前に、前記発振周波数の制御以外の所定処理を可能に前記水晶振動子の周辺部に設けられている周辺回路を意図的に作動させる
    発振周波数制御方法。
  12. 水晶振動子の発振周波数を用いた処理を行う第1回路が前記発振周波数を用いた処理を行う前に、前記発振周波数の制御以外の所定処理を可能に前記水晶振動子の周辺部に設けられている周辺回路を意図的に作動させる
    処理をコンピュータに実行させるプログラム。
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