JP2022162694A - 潤滑油組成物および当該潤滑油組成物を用いた機械 - Google Patents

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Hiroaki Nakano
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Abstract

【課題】摩耗低減効果に優れる潤滑油組成物を提供する。【解決手段】潤滑油基油および金属石鹸を含有する潤滑油組成物であって、前記金属石鹸が、特定の構造を有する脂肪酸金属塩、特定の構造を有する脂肪酸ホウ酸金属塩、アルミニウムキレート化合物、並びに前記脂肪酸金属塩とアミン化合物のアミン配位子金属錯体化合物からなる群から選択される1種以上である潤滑油組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、潤滑油組成物および当該潤滑油組成物を駆動部に用いた機械に関する。
資源保護および環境保護の観点から自動車の燃費向上は重要な課題であり続けており、これまでも自動車本体の軽量化、内燃機関の燃焼効率向上等を通じて自動車の燃費向上は図られてきた。
自動車の燃費向上は上記に留まらず、駆動部における摩擦ロス低減のため、低粘度化した潤滑油や当該潤滑油に添加する摩擦調整剤の開発なども活発に行われている。
硫黄含有有機モリブデン化合物は優れた潤滑性と摩擦摩耗低減作用が知られており、なかでもモリブデンジチオカルバメート(MoDTC)やモリブデンジチオフォスフェートは金属に対する腐食性も低いことから、摩擦調整剤として広く利用されている(例えば特許文献1)。
硫黄含有有機亜鉛化合物も摩擦摩耗低減作用が知られており、なかでもジアルキルジチオリン酸亜鉛は、上記硫黄含有有機モリブデン化合物と併用して摩擦調整剤として使用することが提案されている(例えば特許文献2)。
特開2019-203496号公報 特開2021-031577号公報
摩擦調整剤として最も広く利用されている硫黄含有有機モリブデン化合物では、鋼鉄製の駆動部に対しては摩擦低減効果が得られるものの、セラミック、アルミ、チタン、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等に対しては十分な効果が得られない場合がある課題があった。
本発明が解決しようとする課題は、摩耗低減効果に優れる潤滑油組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、潤滑基油に金属石鹸を添加することで優れた摩耗低減効果が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、潤滑油基油および金属石鹸を含有する潤滑油組成物であって、前記金属石鹸が、下記一般式(1)で表される脂肪酸金属塩、下記一般式(2)で表される脂肪酸ホウ酸金属塩、アルミニウムキレート化合物、並びに前記脂肪酸金属塩とアミン化合物のアミン配位子金属錯体化合物からなる群から選択される1種以上である潤滑油組成物に関するものである。
Figure 2022162694000001
(前記一般式(1)および(2)中、
およびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~9のアルキル基であり、
n1およびn2は、それぞれ独立に、1~4の範囲の整数であり、
およびMは、それぞれ独立に、リチウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、バリウム、ビスマス又はレアアースである。)
本発明により、摩耗低減効果に優れる潤滑油組成物が提供できる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の効果を損なわない範囲で適宜変更を加えて実施することができる。
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油および金属石鹸を含有し、前記金属石鹸が、下記一般式(1)で表される脂肪酸金属塩、下記一般式(2)で表される脂肪酸ホウ酸金属塩、アルミニウムキレート化合物およびアミン配位子金属錯体化合物からなる群から選択される1種以上である。
Figure 2022162694000002
(前記一般式(1)および(2)中、
およびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~9のアルキル基であり、
n1は、1~4の範囲の整数であり、
およびMは、それぞれ独立に、リチウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、バリウム、ビスマス又はレアアースである。)
摩擦調整剤として広く利用されているMoDTC等の硫黄含有有機モリブデン化合物では、金属表面で起こるトライボ化学反応によってMoS(二硫化モリブデン)を生じ、このMoSのS-S結合の滑り易さによって摩擦を調整する効果を奏する。一方で、このトライボ化学反応では副生成物としてMoC(二炭化モリブデン)も生じる。このMoCは硬い化合物であり、潤滑油組成物の充填空間を形成する金属の金属種によっては、その金属表面に傷がつく場合がある。一方、本発明の潤滑油組成物においては、金属石鹸自体は反応せずに金属表面に皮膜を形成し、当該皮膜の形成によって摩耗の低減効果が奏されると推測される。即ち、金属石鹸は、硫黄含有有機モリブデン化合物とは異なり金属種の影響を受けない。
以下、本発明の潤滑油組成物が含む各成分について説明する。
[金属石鹸]
本発明の潤滑油組成物の金属石鹸(以下「本発明の金属石鹸」という場合がある)は、脂肪酸金属塩、脂肪酸ホウ酸金属塩、アルミニウムキレート化合物およびアミン配位子金属錯体化合物からなる群から選択される1種以上である。
(脂肪酸金属塩)
本発明の金属石鹸である脂肪酸金属塩は下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2022162694000003
(前記一般式(1)中、
は、炭素原子数1~9のアルキル基であり、
n1は、1~4の範囲の整数であり、
は、リチウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、バリウム、ビスマス又はレアアースである。)
前記一般式(1)において、n1が2以上の整数である場合、複数のRは互いに同じでもよく、異なってもよい。
の炭素原子数1~9のアルキル基は、直鎖のアルキル基でもよく、分岐のアルキル基でもよく、脂環構造を含んでもよい。Rの炭素原子数1~9のアルキル基は、好ましくは炭素原子数3~9のアルキル基である。
の炭素原子数1~9のアルキル基は、脂肪酸金属塩の製造に用いるRCOOHで表されるカルボン酸からカルボキシル基(COOH)を除いたカルボン酸残基に対応し、好ましくはアクリル酸残基、メタクリル酸残基、酪酸残基、ペンタン酸残基、オクチル酸残基(2-エチルヘキサン酸残基)、イソノナン酸残基、ネオデカン酸残基又はナフテン酸残基である。
は、リチウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、バリウム、ビスマス又はレアアースであり、好ましくはマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ビスマス又はレアアースである。
尚、本発明においてレアアースとは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)から選択される1種以上を意味する。
n1はMの金属原子によって決定される数値であり、例えばMがホウ素であればn1は3となり、Mがコバルトであれば、n1は2となる。
金属石鹸として脂肪酸金属塩を使用する場合、使用する脂肪酸金属塩は1種単独でもよく、互いに構造が異なる2種以上の脂肪酸金属塩を使用してもよい。
金属石鹸である脂肪酸金属塩は公知の方法で製造することができ、市販品を用いてもよい。
金属石鹸である脂肪酸金属塩の市販品としては、例えばOCTOATEシリーズがある(DIC株式会社製)。
(脂肪酸ホウ酸金属塩)
本発明の金属石鹸である脂肪酸ホウ酸金属塩は下記一般式(2)で表される化合物である。
Figure 2022162694000004
(前記一般式(2)中、
は、炭素原子数1~9のアルキル基であり、
は、リチウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、バリウム、ビスマス又はレアアースである。)
前記一般式(2)において、複数のRは互いに同じでもよく、異なってもよい。同様に複数のMは互いに同じでもよく、異なってもよい。
の炭素原子数1~9のアルキル基は、直鎖のアルキル基でもよく、分岐のアルキル基でもよく、脂環構造を含んでもよい。Rの炭素原子数1~9のアルキル基は、好ましくは炭素原子数3~9のアルキル基である。
の炭素原子数1~9のアルキル基は、脂肪酸ホウ酸金属塩の製造に用いるRCOOHで表されるカルボン酸からカルボキシル基(COOH)を除いたカルボン酸残基に対応し、好ましくはアクリル酸残基、メタクリル酸残基、酪酸残基、ペンタン酸残基、オクチル酸残基(2-エチルヘキサン酸残基)、イソノナン酸残基、ネオデカン酸残基又はナフテン酸残基である。
は、リチウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、バリウム、ビスマス又はレアアースであり、好ましくはマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ビスマス又はレアアースである。
金属石鹸として脂肪酸ホウ酸金属塩を使用する場合、使用する脂肪酸ホウ酸金属塩は1種単独でもよく、互いに構造が異なる2種以上の脂肪酸ホウ酸金属塩を使用してもよい。
金属石鹸である脂肪酸ホウ酸金属塩は公知の方法で製造することができ、市販品を用いてもよい。金属石鹸である脂肪酸ホウ酸金属塩の市販品としては、例えばDICNATEシリーズ(DIC株式会社製)がある。
(アルミニウムキレート化合物)
本発明の金属石鹸であるアルミニウムキレート化合物は、好ましくは下記一般式(3-1)で表される化合物および下記一般式(3-2)で表される化合物から選択される1種以上である。
Figure 2022162694000005
(前記一般式(3-1)および(3-2)中、
311~R316およびはR321~R326は、それぞれ独立に、炭素原子数1~22のアルキル基又は炭素原子数1~22のアルコキシ基である。)
311~R316およびはR321~R326の炭素原子数1~22のアルキル基および炭素原子数1~22のアルコキシ基のアルキレン基部分は、直鎖でもよく、分岐でもよく、脂環構造を含んでもよい。R311~R316およびはR321~R326のアルキル基およびアルコキシ基のアルキレン基部分の炭素原子数は、好ましくは1~9である。
311~R316およびはR321~R326の炭素原子数1~22のアルキル基は、好ましくはメチル基又はエチル基である。
311~R316およびはR321~R326の炭素原子数1~22のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基又はオレイルオキシ基である。
アルミニウムキレート化合物の具体例としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビスオレイルアセトアセテート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
金属石鹸としてアルミニウムキレート化合物を使用する場合、使用するアルミニウムキレート化合物は1種単独でもよく、互いに構造が異なる2種以上のアルミニウムキレート化合物を使用してもよい。
金属石鹸であるアルミニウムキレート化合物は公知の方法で製造することができ、市販品を用いてもよい。当該市販品としては、例えばDICNATE AL-500(DIC株式会社製)が挙げられる。
(アミン配位子金属錯体化合物)
本発明の金属石鹸であるアミン配位子金属錯体化合物は、脂肪酸金属塩とアミン化合物が配位結合で錯体を形成している化合物である。
アミン配位子金属錯体化合物を形成する脂肪酸金属塩としては、本発明の金属石鹸として説明した脂肪酸金属塩と同じものを使用できる。
アミン配位子金属錯体化合物を形成するアミン化合物としては、N-メチルモルフォリン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、4-ジメチルアミノアミン(DMAP)、ジシアンジアミド(DICY)、トリ-n-ブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ブチルアミン、1,2-プロパンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-[[(2-ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]エタノール、2,2’-[プロパン-1,2-ジイルビス(アザニリリデンメタニリリデン)]ジフェノール、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、1,4-ジエチルイミダゾール、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(N-フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、8-キノリノール、5-クロロ-8-キノリノール、2,2’-ビピリジル及びその誘導体、2,2’-[プロパン-1,2-ジイルビス(アザニリリデンメタニリリデン)]ジフェノール及びその誘導体、2,2’-メチレンビス〔6-(2h-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-tert-オクチルフェノール〕等が挙げられる。
これらアミン化合物は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
上記アミン化合物は、好ましくは2-[[(2-ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ]エタノール、1,2-プロパンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、1,4-ジエチルイミダゾール、8-キノリノール、5-クロロ-8-キノリノール、2,2’-ビピリジルおよびその誘導体、並びに2,2’-[プロパン-1,2-ジイルビス(アザニリリデンメタニリリデン)]ジフェノールおよびその誘導体から選択される1種以上である。
アミン配位子金属錯体化合物において、脂肪酸金属塩とアミン化合物の比(モル比)としては、脂肪酸金属塩の金属原子1モルに対して、例えばアミン化合物が0.1~12モルとなる範囲であり、好ましくは0.3~10モルの範囲であり、さらに好ましくは0.5~10モルの範囲である。
金属石鹸であるアミン配位子金属錯体化合物は公知の方法で製造することができ、市販品を用いてもよい。アミン配位子金属錯体化合物の市販品としては、例えばDICNATEシリーズ(DIC株式会社製)がある。
本発明の潤滑油組成物における金属石鹸の含有量は、本発明の潤滑油組成物の全量に対して金属石鹸由来の金属原子の含有量が例えば100~5,000質量ppmの範囲であり、好ましくは200~3,000質量ppmの範囲であり、より好ましくは300~2,500質量ppmの範囲である。
潤滑油組成物を調製する際に、金属石鹸由来の金属原子の含有量が上記範囲となるように金属石鹸の添加量を調整するとよい。
[潤滑油基油]
本発明の潤滑油組成物の潤滑油基油は、使用目的や条件に応じて適宜選択すればよく、鉱物基油、化学合成基油、動植物基油及びこれらの混合基油等から選ぶことができる。
鉱物基油としては、例えばパラフィン基系原油、ナフテン基系原油、中間基系原油、芳香族基系原油が挙げられるほか、こられ原油を常圧蒸留して得られる留出油、これら原油の常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られる留出油も使用できる。
また、これら原油を精製することによって得られる精製油(溶剤精製油、水添精製油、脱ロウ処理油、白土処理油等)も使用できる。
化学合成基油としては、例えばポリ-α-オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、モノエステル、ジエステル、ポリオールエステル、ケイ酸エステル、ポリアルキレングリコール、ポリフェニルエーテル、シリコーン、フッ素化化合物、アルキルベンゼン、GTL基油等が挙げられる。これらの中でも、ポリ-α-オレフィン、ポリイソブチレン(ポリブテン)、ジエステルおよびポリオールエステルは汎用的に使用することができる。
上記ポリ-α-オレフィンとしては、例えば1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン等のポリマー又はオリゴマー、並びに前記ポリマーおよび前記オリゴマーの水素化物が挙げられる。
上記ジエステルとしては、例えばグルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等の2塩基酸と、2-エチルヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、トリデカノール等のアルコールのジエステル等が挙げられる。
上記ポリオールエステルとしては、例えばネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等のポリオールと、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸とのエステルが挙げられる。
動植物基油としては、例えばヒマシ油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、ツバキ油、コーン油、ナタネ油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、綿実油及びヤシ油等の植物性油脂、牛脂、豚脂、乳脂、魚油及び鯨油等の動物性油脂が挙げられる。
潤滑油基油は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
潤滑油基油は、好ましくは鉱物基油および/又は化学合成基油を含む基油であり、より好ましくはパラフィン系高度精製鉱物油、ポリ-α-オレフィン系化学合成基油およびGTL系化学合成基油からなる群から選択される1種以上の基油である。
潤滑油基油の粘度は特に限定されないが、潤滑油組成物の低温安定性及び摩擦低減特性の観点から、100℃での動粘度が、例えば0.8~8.0mm/sの範囲であり、好ましくは1.0~7.0mm/sの範囲であり、より好ましくは1.2~6.0mm/sの範囲である。
尚、上記動粘度は、JIS K 2283に記載の方法により測定して得られる値である。
本発明の潤滑油組成物における潤滑油基油の含有量は、特に限定されず、例えば本発明の潤滑油組成物の全量に対して20~98質量%の範囲で調整することができる。
[硫黄含有有機モリブデン化合物/硫黄含有有機亜鉛化合物]
本発明の潤滑油組成物は、好ましくは硫黄含有有機モリブデン化合物および/又は硫黄含有有機亜鉛化合物を含む。
硫黄含有有機モリブデン化合物および硫黄含有有機亜鉛化合物も摩擦摩耗低減効果を奏することができ、本発明の金属石鹸はこれら化合物の摩擦摩耗低減効果を阻害することがない。従って、本発明の金属石鹸と硫黄含有有機モリブデン化合物および/又は硫黄含有有機亜鉛化合物を組み合わせて用いることで、より優れた摩擦摩耗低減効果を得ることができる。
硫黄含有有機モリブデン化合物は、好ましくは下記一般式(5)で表される化合物である。
Figure 2022162694000006
(前記一般式(5)において、
51、R52、R53およびR54は、それぞれ独立に、炭素原子数3~18のアルキル基であり、
、X、XおよびXは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子である。)
51、R52、R53およびR54の炭素原子数3~18のアルキル基は、直鎖のアルキル基でも分岐のアルキル基でもよく、脂環構造を含んでもよい。
51、R52、R53およびR54の炭素原子数3~18のアルキル基は、好ましくは炭素原子数8~14のアルキル基であり、より好ましくはn-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基といった直鎖アルキル基、2級オクチル基、イソオクチル基、2級ノニル基、イソノニル基、2級デシル基、イソデシル基、2級ウンデシル基、イソウンデシル基、2級ドデシル基、イソドデシル基、2級トリデシル基、イソトリデシル基、2級テトラデシル基又はイソテトラデシル基である。
、X、XおよびXは、好ましくはX~Xのうち2つ又は3つが硫黄原子であり、残りが酸素原子であり、より好ましくはX~Xのうち2つが硫黄原子であり、残りが酸素原子であり、さらに好ましくはX及びXが硫黄原子で、XおよびXが酸素原子である。
硫黄含有有機モリブデン化合物は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の潤滑油組成物における硫黄含有有機モリブデン化合物の含有量は、例えば本発明の潤滑油組成物の全量に対して硫黄含有有機モリブデン化合物由来のモリブデン原子の含有量が200~5,000質量ppmの範囲であり、好ましくは200~3,000質量ppmの範囲であり、より好ましくは200~2,000質量ppmの範囲であり、さらに好ましくは300~1,500質量ppmの範囲である。
硫黄含有有機モリブデン化合物は公知の方法で製造することができ、また、市販品を用いてもよい。硫黄含有有機モリブデン化合物の市販品としては、ADEKA SAKURA-LUBE(株式会社ADEKA製)が挙げられる。
硫黄含有有機亜鉛化合物は、好ましくは下記一般式(6)で表される化合物である。
Figure 2022162694000007
(前記一般式(6)において、
61、R62、R63およびR64は、それぞれ独立に、炭素原子数1~20の炭化水素基である。)
61、R62、R63およびR64の炭素原子数1~20の炭化水素基としては、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数2~20のアルケニル基、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
尚、上記炭素原子数1~20のアルキル基は、直鎖でもよく分岐でもよく、脂環式環を含んでもよい。上記炭素原子数2~20のアルケニル基は、直鎖でもよく分岐でもよい。
61、R62、R63およびR64の炭素原子数1~20の炭化水素基は、好ましくは炭素原子数3~14の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数3~10の炭化水素基であり、さらに好ましくは炭素原子数3~8のアルキル基である。
本発明の潤滑油組成物における硫黄含有有機亜鉛化合物の含有量は、例えば本発明の潤滑油組成物の全量に対して硫黄含有有機亜鉛化合物由来の亜鉛原子の含有量が50~1,000質量ppmの範囲であり、好ましくは100~800質量ppmの範囲であり、より好ましくは100~500質量ppmの範囲である。
硫黄含有有機亜鉛化合物は、公知の方法で製造することができ、市販品を用いてもよい。
[その他成分]
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油基油および金属石鹸、並びに任意に硫黄含有有機モリブデン化合物および/又は硫黄含有有機亜鉛化合物を含有すればよく、これら以外のその他成分を含有してもよい。
前記その他成分としては、例えば、金属系清浄剤、酸化防止剤、耐摩耗剤(但し、本発明の金属石鹸、硫黄含有有機モリブデン化合物および硫黄含有有機亜鉛化合物を除く)、極圧剤、無灰型分散剤、油性向上剤、防錆剤、粘度指数向上剤、金属不活性化剤、消泡剤、固体潤滑剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、フェノチアジン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、亜リン酸エステル系酸化防止剤等が挙げられ、好ましくはフェノール系酸化防止剤およびアミン系酸化防止剤である。
本発明の潤滑油組成物中の酸化防止剤の含有量は特に限定されず、使用目的等に応じて適宜調整することができるが、例えば、潤滑油組成物全量に対し、0.01~10質量%の範囲で含有することができる。
耐摩耗剤としては、例えば、有機ホスフィン、有機ホスフィンオキシド、有機ホスフィナイト、有機ホスホナイト、有機ホスフィネート、有機ホスファイト、有機ホスホネート、有機ホスフェート、有機ホスホロアミデート等のリン系耐摩耗剤等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物中の耐摩耗剤(本発明の金属石鹸、硫黄含有有機モリブデン化合物および硫黄含有有機亜鉛化合物を除く)の含有量は特に限定されないが、例えば、潤滑油組成物全量に対して0.01~10質量%の範囲で含有することができる。
極圧剤としては、例えば、硫化油脂、硫化鉱油、有機モノスルフィド、有機ポリスルフィド、ポリオレフィン硫化物、1,3,4―チアジアゾール誘導体、チウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸エステル等の硫黄系極圧剤;有機トリチオホスファイト、有機チオホスフェート等のチオリン酸系極圧剤等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物中の極圧剤の含有量は特に限定されず、使用目的等に応じて適宜調整することができるが、例えば、潤滑油組成物全量に対し、0.01~10質量%の範囲で含有することができる。
無灰分散剤としては、アルケニルコハク酸イミド、アルケニルコハク酸無水物、アルケニルコハク酸エステル、アルキルメタクリレート系ポリマー、高分子量アミド、高分子量アミドポリアミド、ポリエステル、ポリビニルポリステアレート、マンニッヒ塩基系分散剤、ポリステアリルアミド、これらをホウ酸等で変性した変性物等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物中の無灰分散剤の含有量は特に限定されず、使用目的等に応じて適宜調整することができるが、例えば、潤滑油組成物全量に対し、0.01~10質量%の範囲で含有することができる。
油性向上剤としては、例えば、脂肪酸、油脂、脂肪酸および油脂の水素添加物もしくは部分ケン化物、エポキシ化エステル、ヒドロキシステアリン酸重縮合物、ヒドロキシステアリン酸重縮合物と脂肪酸とのエステル、高級アルコール、高級アミド、グリセリド、ポリグリセリンエステル、ポリグリセリンエーテル、これら化合物にα-オレフィンオキシドを付加したもの等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物中の油性向上剤の含有量は特に限定されず、使用目的等に応じて適宜調整することができるが、例えば、潤滑油組成物全量に対し、0.01~30質量%の範囲で含有することができる。
防錆剤としては、例えば、酸化パラフィンワックスカルシウム塩、酸化パラフィンワックスマグネシウム塩、牛脂脂肪酸アルカリ金属塩、牛脂脂肪酸アルカリ土類金属塩、牛脂脂肪酸アミン塩、アルケニルコハク酸、アルケニルコハク酸ハーフエステル、ソルビタンモノエステル、ペンタエリスリトールモノエステル、グリセリンモノエステル、ノニルフェノールエトキシレート、ラノリン脂肪酸エステル、ラノリン脂肪酸カルシウム塩等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物中の防錆剤の含有量は特に限定されず、使用目的等に応じて適宜調整することができるが、例えば、潤滑油組成物全量に対し、0.01~20質量%の範囲で含有することができる。
粘度指数向上剤としては、例えば、ポリアルキル(メタ)クリレート、アルキル(メタ)クリレート/アルキル(メタ)クリレート共重合体、ジエチルアミノエチル(メタ)クリレート/アルキル(メタ)クリレート共重合体、エチレン/アルキル(メタ)クリレート共重合体、ポリイソブチレン、ポリアルキルスチレン、エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/マレイン酸エステル共重合体、スチレン/マレイン酸アミド共重合体、スチレン/ブタジエン水素化共重合体、スチレン/イソプレン水素化共重合体等が挙げられる。重合体のアルキル(メタ)クリレートのアルキル基の炭素原子数は例えば1~18の範囲である。
本発明の潤滑油組成物中の粘度指数向上剤の含有量は特に限定されず、使用目的等に応じて適宜調整することができるが、例えば、潤滑油組成物全量に対し、0.01~20質量%の範囲で含有することができる。
金属不活性化剤としては、例えば、N,N’-サリチリデン-1,2-プロパンジアミン、アリザリン、テトラアルキルチウラムジスルフィド、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール、2-アルキルジチオベンゾイミダゾール、2-アルキルジチオベンゾチアゾール、2-(N,N-ジアルキルチオカルバモイル)ベンゾチアゾール、2,5-ビス(アルキルジチオ)-1,3,4-チアジアゾール、2,5-ビス(N,N-ジアルキルチオカルバモイル)-1,3,4-チアジアゾール等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物中の金属不活性化剤の含有量は特に限定されず、使用目的等に応じて適宜調整することができるが、例えば、潤滑油組成物全量に対し、0.1~10質量%の範囲で含有することができる。
消泡剤としては、例えば、ポリジメチルシリコーン、トリフルオロプロピルメチルシリコーン、コロイダルシリカ、ポリアルキルアクリレート、ポリアルキルメタクリレート、アルコールエトキシ/プロポキシレート、脂肪酸エトキシ/プロポキシレート、ソルビタン部分脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物中の消泡剤の含有量は特に限定されず、使用目的等に応じて適宜調整することができるが、例えば、潤滑油組成物全量に対し、0.01~10質量%の範囲で含有することができる。
固体潤滑剤としては、例えば、グラファイト、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレン、脂肪酸アルカリ土類金属塩、雲母、二塩化カドミウム、二ヨウ化カドミウム、フッ化カルシウム、ヨウ化鉛、酸化鉛、チタンカーバイド、窒化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化アンチモン、フッ化セリウム、ポリエチレン、ダイアモンド粉末、窒化ケイ素、窒化ホウ素フッ化炭素、メラミンイソシアヌレート等が挙げられる。
本発明の潤滑油組成物中の固体潤滑剤の含有量は特に限定されず、使用目的等に応じて適宜調整することができるが、例えば、潤滑油組成物全量に対し、0.01~5質量%の範囲で含有することができる。
本発明の潤滑油組成物は、潤滑油用途であれば特に限定されず使用することができるが、例えば、内燃機関用潤滑油(例えば、自動車やオートバイ等のガソリンエンジン油、ディーゼルエンジン油等)、工業用潤滑油(例えば、ギヤ油、タービン油、コンプレッサー油、油膜軸受油、絶縁油、冷凍機油、作動油、真空ポンプ油、ロックドリル油、圧縮用潤滑油、金属加工油、塑性加工油、熱処理油、多目的潤滑油等)等として使用することができる。
上記用途のほか、本発明の潤滑油組成物は、自動車の変速機、パワーステアリング等の駆動系機器用の潤滑油組成物としても好適に用いることができる。
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。
尚、本発明は下記実施例に限定されない。
実施例1-8および比較例1-2
以下に示す潤滑油基油、金属石鹸、硫黄含有有機モリブデン化合物を用いて、表1に示す組成の潤滑油組成物を調製した。調製した潤滑油組成物について、2種類の振動摩擦摩耗試験を実施し、潤滑油組成物の摩擦摩耗低減性能を評価した。結果を表1に示す。
尚、表1において、金属石鹸の欄の数値は、潤滑油組成物の全量に対する金属石鹸由来の金属原子の含有量(質量ppm)を示す。例えば「Co:1000」は、潤滑油組成物の全量に対して、金属石鹸由来のコバルト原子を1000質量ppm含有する潤滑油組成物を意味する。
実施例および比較例の潤滑油組成物の調製に用いた潤滑油基油、金属石鹸および硫黄含有有機モリブデン化合物は以下の通りである。
潤滑油基油:合成油(EMGルブリカンツ合同会社製「モービル1 5W-30」)
金属石鹸1:2-エチルヘキサン酸コバルト
金属石鹸2:ネオデカン酸ホウ酸コバルト
金属石鹸3:2-エチルヘキサン酸亜鉛
金属石鹸4:2-エチルヘキサン酸レアアース
金属石鹸5:ネオデカン酸マンガンアミノアルコール配位子化合物
硫黄含有有機モリブデン化合物:モリブデンジチオカルバメート(MoDTC)
尚、金属石鹸および硫黄含有有機モリブデン化合物はいずれも市販品であり、
金属石鹸1はDIC株式会社製DIC株式会社製「Co-OCTOATE12%」、
金属石鹸2はDIC株式会社製「DICNATE NBC-2」、
金属石鹸3はDIC株式会社製「Zn-OCTOATE8%」、
金属石鹸4はDIC株式会社製「レアアース-OCTOATE6%」、
金属石鹸5はDIC株式会社製「DICNATE MV625A」、
硫黄含有有機モリブデン化合物1は、株式会社ADEKA製「ADEKA SAKURA-LUBE」である。
(SRV振動摩擦摩耗試験)
調製した潤滑油組成物について、以下の条件でSRV摩擦摩耗試験を実施し、摩擦係数を評価した。結果を表1に示す。
荷重 :400N
振幅 :1.5mm
周波数 :50Hz
温度 :40℃~120℃の範囲で10℃きざみ
試験時間 :45分間
シリンダー:直径15×22mm、材質SUJ2
プレート :直径24×6.8mm、材質SUJ2
(シェル四球試験)
シェル四球式耐摩耗性試験(ASTM D2266)に準拠し、接触圧力40kgf、回転速度1,200rpm、60min、75℃における摩耗痕径を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2022162694000008
表1の結果から、金属石鹸を含有する潤滑油組成物では摩耗痕が小さく、摩耗が低減されていることが分かる。実施例1-5と比較例1-2の比較から、金属石鹸単独添加では摩擦係数の低下は確認できないが、摩耗痕は小さくなっており、MoDTCとは異なるルートで摩耗低減効果が得られていることが分かる。金属石鹸と硫黄含有有機モリブデン化合物の併用系である実施例6-8では、硫黄含有有機モリブデン化合物の摩擦係数低減効果が阻害されていないことも読みとれる。

Claims (10)

  1. 潤滑油基油および金属石鹸を含有する潤滑油組成物であって、
    前記金属石鹸が、下記一般式(1)で表される脂肪酸金属塩、下記一般式(2)で表される脂肪酸ホウ酸金属塩、アルミニウムキレート化合物、並びに前記脂肪酸金属塩とアミン化合物のアミン配位子金属錯体化合物からなる群から選択される1種以上である潤滑油組成物。
    Figure 2022162694000009
    (前記一般式(1)および(2)中、
    およびRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~9のアルキル基であり、
    n1は、1~4の範囲の整数であり、
    およびMは、それぞれ独立に、リチウム、ホウ素、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、バナジウム、ストロンチウム、ジルコニウム、バリウム、ビスマス又はレアアースである。)
  2. 前記脂肪酸金属塩および前記脂肪酸ホウ酸金属塩中の金属が、それぞれ独立に、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ビスマス又はレアアースである請求項1に記載の潤滑油組成物。
  3. 前記脂肪酸金属塩および前記脂肪酸ホウ酸金属塩中の脂肪酸が、それぞれ独立に、2-エチルヘキサン酸、イソノナン酸、ネオデカン酸又はナフテン酸である請求項1又は2に記載の潤滑油組成物。
  4. 前記アルミニウムキレート化合物が、下記一般式(3-1)で表される化合物および下記一般式(3-2)で表される化合物から選択される1種以上である請求項1~3のいずれかに記載の潤滑油組成物。
    Figure 2022162694000010
    (前記一般式(3-1)および(3-2)中、
    311~R316およびはR321~R326は、それぞれ独立に、炭素原子数1~22のアルキル基又は炭素原子数1~22のアルコキシ基である。)
  5. 前記アミン配位子金属錯体のアミン化合物が、2-{[(2-ジメチルアミノ)エチル]メチルアミノ}エタノール、1,2-プロパンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、1,4-ジエチルイミダゾール、8-キノリノール、5-クロロ-8-キノリノール、2,2’-ビピリジルおよびその誘導体、並びに2,2’-[プロパン-1,2-ジイルビス(アザニリリデンメタニリリデン)]ジフェノールおよびその誘導体から選択される1種以上である請求項1~4のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  6. 下記一般式(5)で表される硫黄含有有機モリブデン化合物をさらに含有する請求項1~5のいずれかに記載の潤滑油組成物。
    Figure 2022162694000011
    (前記一般式(5)中、
    51、R52、R53およびR54は、それぞれ独立に、炭素原子数3~18のアルキル基であり、
    、X、XおよびXは、それぞれ独立に、酸素原子又は硫黄原子である。)
  7. 下記一般式(6)で表される硫黄含有有機亜鉛化合物をさらに含有する請求項1~6のいずれかに記載の潤滑油組成物。
    Figure 2022162694000012
    (前記一般式(6)中、
    61、R62、R63およびR64は、それぞれ独立に、炭素原子数1~20の炭化水素基である。)
  8. 前記金属石鹸由来の金属原子を100~5,000質量ppmの範囲で含有する請求項1~7のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  9. 内燃機関又は電動モーターを備える機械において、前記機械の駆動部の潤滑に用いられる請求項1~8のいずれかに記載の潤滑油組成物。
  10. 請求項1~9のいずれかに記載の潤滑油組成物を駆動部に用いた機械。
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