JP2022161351A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱交換器の熱交換効率の向上を図る。【解決手段】熱交換器は、流入口と流出口とを連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを所定の間隔を持って複数積層した熱交換用積層体と、熱交換用積層体を積層方向に貫通するように形成されて熱交換用チューブの流入口に熱交換媒体を供給する供給流路と、熱交換用積層体を積層方向に貫通するように形成されて熱交換用チューブの流出口から熱交換媒体を排出する排出流路と、を備え、さらに、供給流路の内側に配置され、供給流路の熱交換媒体の供給口近傍から熱交換用積層体の所定位置の熱交換用チューブまでの長さを有し、所定位置以降の熱交換用チューブに前記熱交換媒体を供給するインナー管を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、熱交換器に関し、詳しくは、流入口と流出口とを連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを所定の間隔を持って複数積層した熱交換用積層体を備える熱交換器に関する。
従来、この種の熱交換器としては、流入口と流出口とを連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを所定の間隔を持って複数積層した熱交換用積層体と、熱交換用積層体を積層方向に貫通するように形成されて熱交換用チューブの流入口に熱交換媒体を供給する供給流路と、熱交換用積層体を積層方向に貫通するように形成されて熱交換用チューブの流出口から熱交換媒体を排出する排出流路と、を備える熱交換器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録3222286号公報
しかしながら、上述の熱交換器では、各熱交換用チューブに流れる熱交換媒体の流量が熱交換用積層体の積層端の方向に行くに従い少なくなり、熱交換効率が低下する場合を生じる。熱交換媒体の供給流路は熱交換用積層体の積層方向で同一径となるため、積層端に近づくほど圧力が低下し、熱交換用チューブの流入口に供給される熱交換媒体の流量が少なくなる。各熱交換用チューブに供給される熱交換媒体の流量の差が大きくなれば、それに伴って熱交換効率が低下する。
本発明の熱交換器は、熱交換器の熱交換効率の向上を図ることを主目的とする。
本発明の熱交換器は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の熱交換器は、
流入口と流出口とを連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを所定の間隔を持って複数積層した熱交換用積層体と、
前記熱交換用積層体を積層方向に貫通するように形成されて前記熱交換用チューブの前記流入口に熱交換媒体を供給する供給流路と、
前記熱交換用積層体を積層方向に貫通するように形成されて前記熱交換用チューブの前記流出口から前記熱交換媒体を排出する排出流路と、
を備える熱交換器であって、
前記供給流路の内側に配置され、前記供給流路の前記熱交換媒体の供給口近傍から前記熱交換用積層体の所定位置の前記熱交換用チューブまでの長さを有し、前記所定位置以降の前記熱交換用チューブに前記熱交換媒体を供給するインナー管、
を備えることを特徴とする。
この本発明の熱交換器では、流入口と流出口とを連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを所定の間隔を持って複数積層した熱交換用積層体と、熱交換用積層体を積層方向に貫通するように形成されて熱交換用チューブの流入口に熱交換媒体を供給する供給流路と、熱交換用積層体を積層方向に貫通するように形成されて熱交換用チューブの流出口から熱交換媒体を排出する排出流路と、を備える。また、本発明の熱交換器は、供給流路の内側に配置され、供給流路の熱交換媒体の供給口近傍から熱交換用積層体の所定位置の熱交換用チューブまでの長さを有し、所定位置以降の熱交換用チューブに熱交換媒体を供給するインナー管を備える。このように、インナー管により熱交換媒体を熱交換用積層体の所定位置以降に供給することにより、熱交換媒体を熱交換用積層体の積層端側により多くを供給することができる。これにより、各熱交換用チューブに供給される熱交換媒体の流量の差を小さくすること(流量を均一化すること)ができ、熱交換器の熱交換効率の向上を図ることができる。
本発明の熱交換器において、前記インナー管は複数の貫通孔が形成されているものとしてもよい。この場合、前記複数の貫通孔は、前記熱交換用積層体の積層端に近いほど隣接する貫通孔との間隔が狭くなるように形成されているものとしてもよい。このように、複数の貫通孔を形成することにより、熱交換用積層体の熱交換用チューブのうちインナー管が配置される部位の熱交換用チューブへの熱交換媒体の流量の差を小さくすることができ、熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
本発明の熱交換器において、前記インナー管は、長さ方向の少なくとも一部に亘って管径が徐々に変化するテーパー部が形成されているものとしてもよい。この場合、前記テーパー部は、前記熱交換用積層体の積層端に近いほど管径が大きくなるように形成されているものとしてもよい。こうすれば、インナー管が配置された供給流路における熱交換媒体の圧力を熱交換用積層体の積層方向において均等化を図ることができる。これにより、インナー管が配置された供給流路から熱交換媒体が供給される熱交換用チューブに熱交換媒体をより均等に供給することができ、熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
本発明の熱交換器において、前記インナー管は複数であるものとしてもよい。この場合、前記複数のインナー管は長さが異なるものとしてもよい。こうすれば、複数のインナー管を用いて熱交換用積層体の積層方向に熱交換媒体を段階的に供給することができる。この結果、熱交換用チューブに熱交換媒体をより均等に供給することができ、熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
実施例の熱交換器20の構成の概略を示す構成図である。 図1におけるA-A断面を模式的に示す断面図である。 図1におけるB-B断面を示す断面図である。 図1におけるC-C断面を示す断面図である。 図1におけるD-D断面を示す断面図である。 図1におけるE-E断面を示す断面図である。 実施例の熱交換器20の各熱交換用チューブ30の位置と各熱交換用チューブ30に供給される熱交換媒体の流量分配比との関係の一例を示す説明図である。 比較例の熱交換器の各熱交換用チューブの位置と各熱交換用チューブに供給される熱交換媒体の流量分配比との関係の一例を示す説明図である。 実施例の熱交換器20と比較例の熱交換器における水流量と放熱率との関係を示すグラフである。 変形例のインナー管129の構成の概略を示す構成図である。 変形例のインナー管129を用いた熱交換器と実施例の熱交換器20と比較例の熱交換器に対して温水を流した際の温度分布を説明する説明図である。 変形例のインナー管229の構成の概略を示す構成図である。 変形例のインナー管329a,329bを説明する説明図である。 変形例のインナー管329a,329bを説明する説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例の熱交換器20の構成の概略を示す構成図である。図2は図1におけるA-A断面を模式的に示す断面図であり、図3は図1におけるB-B断面を示す断面図であり、図4は図1におけるC-C断面を示す断面図であり、図5は図1におけるD-D断面を示す断面図であり、図6は図1におけるE-E断面を示す断面図である。
実施例の熱交換器20は、空調装置や冷凍装置などの冷凍サイクルや発熱を伴って作動する機器の冷却装置などに用いられ、図1に示すように、2つのチューブ部材40により構成される熱交換用チューブ30を複数積層して構成される積層体22と、積層体22の配列方向(図中上下方向)の両側に配置されるプレート23と、熱交換用チューブの長手方向(図中左右方向)の両側に配置されるプレート24と、積層体22およびプレート23に形成される熱交換媒体の供給流路25および排出流路26に取り付けられる供給管27および排出管28と、供給管27内に配置されたインナー管29と、を備える。この熱交換器20は、供給流路25から熱交換用30に形成された後述する連通流路44,45に供給されるハイドロフルオロカーボンや水などの熱交換媒体と隣接する熱交換用チューブ30の間の隙間に流れる空気などの被熱交換媒体との熱交換により、熱交換媒体を加熱または冷却する又は被熱交換媒体を冷却または加熱する。図2中、供給管27および排出管28の上に記載された白抜き矢印は、熱交換媒体の供給や排出の方向を示しており、熱交換器20の左右に記載された白抜き矢印は、被熱交換媒体の流れる方向を示している。
熱交換用チューブ30は、アルミニウムの板材の両面にアルミシリコン合金などのロウ材を配置して一体に圧延することによって板材とロウ材とを接合した厚さが0.2mmのいわゆるクラッド板材に対して、プレス加工や穴開け加工などを施したチューブ部材40を向かい合わせに接合することによって構成されている。チューブ部材40には、図3に示すように、長手方向(図中左右方向)の中央に短手方向に直列に並ぶように流入口用貫通孔41aと流出口用貫通孔41bとが形成されており、この流入口用貫通孔41aと流出口用貫通孔41bとを連通するようにW字形状の2つの連通流路44,45が形成されている。また、流入口用貫通孔41aと流出口用貫通孔41bの周囲には、フランジ部42a,42bが形成されている。
フランジ部42a,42bは、熱交換用チューブ30を積層したときに隣接する熱交換用チューブ30のフランジ部42a,42bと接合するように形成されている。これにより、図5に示すように、隣接する熱交換用チューブ30の間隔を所定間隔に保持すると共に、熱交換用チューブ30の両端部近傍の流入口用貫通孔41aと流出口用貫通孔41bとが積層方向に接続されて熱交換媒体の供給流路25および排出流路26を形成する。
連通流路44,45は、流入口用貫通孔41aと流出口用貫通孔41bとの中央を通る直線(図3における上下方向の線)で鏡像対称となる流路として形成されている。連通流路44,45は、チューブ部材40の長手方向に沿って流入口用貫通孔41aと流出口用貫通孔41bとに連通する直線流路として形成された各2つの縁側流路44a,44d,45a,45dと、縁側流路44a,44d,45a,45dと平行に同一幅および同一深さに形成された各2つの中央側流路44b,44c,45b,45cと、縁側流路44a,44d,45a,45dと中央側流路44b,44c,45b,45cとをチューブ部材40の長手方向の端部で連絡する端部連絡流路44e,44g,45e,45gと、中央側流路44b,44c,45b,45cをチューブ部材40の長手方向の略中央で連絡する中央連絡流路44f,45fとにより構成されている。即ち、連通流路44は、縁側流路44a,端部連絡流路44e,中央側流路44b,中央連絡流路44f,中央側流路44c,端部連絡流路44g,縁側流路44dによりW字形状となるように構成されている。また、連通流路45は、縁側流路45a,端部連絡流路45e,中央側流路45b,中央連絡流路45f,中央側流路45c,端部連絡流路45g,縁側流路45dによりW字形状となるように構成されている。端部連絡流路44e,44g,45e,45gと中央連絡流路44f,45fは、その流路断面積が縁側流路44a,44d,45a,45dや中央側流路44b,44c,45b,45cの流路断面積の1/3以下となるように形成されている。これにより、熱交換媒体が偏流するのを抑制している。
インナー管29は、供給流路25の内側に外周側に所定の隙間をもって配置される円管として構成されている。インナー管29は、供給管27の供給口近傍からから積層体22の積層方向における中央近傍までの長さとして形成されており、熱交換媒体を積層体22の積層方向における中央近傍以降の熱交換用チューブ30供給する。インナー管29は、図5に示すように、供給管27の内側に3つの取付部29aにより取り付け固定されていると共に、図3に示すように、熱交換用チューブ30の流出口用貫通孔41bを形成するフランジ部42aの端面に3つの取付部29aにより取り付け固定されている。
実施例では、チューブ部材40を表裏が交互になるように積層することにより熱交換用チューブ30を積層してなる積層体22とし、これにプレート23,24および供給管27,排出管28,インナー管29を組み付け、これをロウ材の融点より高く板材の融点より低い温度(例えば610℃や620℃など)で加熱することによって当接部を接合(ロウ付け)して熱交換器20を完成する。即ち、熱交換用チューブ30を構成するチューブ部材40の向かい合わせの接触部を接合すると共に隣接する熱交換用チューブ30のフランジ部42a,42bの接触部を接合し、同時にプレート23,24や供給管27,排出管28,インナー管29を接合するのである。
こうして構成された熱交換器20では、ハイドロフルオロカーボンや水などの熱交換媒体は、供給流路25とインナー管29との間の隙間を流れて積層体22の積層方向における中央近傍までの各熱交換用チューブ30に供給され、インナー管29内と供給流路25とインナー管29との間の隙間を流れて積層体22の積層方向における中央近傍以降の各熱交換用チューブ30に供給される。各熱交換用チューブ30に供給された熱交換媒体は、各熱交換用チューブ30の連通流路44,45を流れて流出口用貫通孔41bにより形成される排出流路26に流出し、排出管28から排出される。一方、空気などの被熱交換媒体は、排出流路26側から各熱交換用チューブ30に供給され、各熱交換用チューブ30の間の隙間を流れて熱交換媒体と熱交換を行ない、供給流路25側から排出される。このように、熱交換媒体と被熱交換媒体とを給排することにより、熱交換媒体の全体としての流れと被熱交換媒体の流れとを対向流とすることができる。
図7は、実施例の熱交換器20の各熱交換用チューブ30の位置と各熱交換用チューブ30に供給される熱交換媒体の流量分配比との関係の一例を示す説明図であり、図8は、比較例の熱交換器の各熱交換用チューブの位置と各熱交換用チューブに供給される熱交換媒体の流量分配比との関係の一例を示す説明図である。比較例の熱交換器は、実施例の熱交換器20からインナー管29を除いた構成である。図中、一点鎖線の横線は、各熱交換用チューブ30に熱交換媒体が均等に供給されたときの流量分配比(平均流量分配比)である。比較例の熱交換器では、積層体22の積層方向(熱交換用チューブの段数が大きくなる方向)に向かって1/3程度までは平均流量分配比を上回り、それ以降では平均流量分配比を下回る。一方、実施例の熱交換器20では、積層体22の積層方向(熱交換用チューブの段数が大きくなる方向)に向かって1/5程度までは平均流量分配比を上回り、1/5から中央まで平均流量分配比を下回り、中央以降では平均流量分配比を若干上回る。これにより、平均流量分配比を下回る熱交換用チューブ30の数を少なくすることができ、熱交換器20の熱交換効率を向上させることができる。
実施例の熱交換器20と比較例の熱交換器に対して水流量をパラメータとして放熱率を測定する実験を行なった。実験条件としては、実施例の熱交換器20と比較例の熱交換器に対して、送風ファンの回転スピードを3600rpmとし、流入温度が50℃の水(湯)を熱交換器に水流量が1.0(L/min),1.5(L/min),2.0(L/min)となるように流して出口温度を測定し、これらから放熱率(W/℃)を計算した。実験結果として、実施例の熱交換器20と比較例の熱交換器における水流量と放熱率との関係を図9に示す。図中、上側の黒丸印を結ぶ実線は実施例の熱交換器20の水流量と放熱率との関係を示し、下側の白抜き四角印を結ぶ実線は比較例の熱交換器の水流量と放熱率との関係を示す。図示するように、実施例の熱交換器20は、比較例の熱交換器に比して、すべての水流量で放熱率が高く、水流量が少ない領域(1.0(L/min),1.5(L/min))でより放熱率が高くなるのが解る。これらのことから、実施例の熱交換器20は、比較例の熱交換器に比して、熱交換効率がよい熱交換器であることが解る。
以上説明した実施例の熱交換器20では、供給流路25の内側に外周側に所定の隙間をもって配置され、供給管27の供給口近傍からから積層体22の積層方向における中央近傍までの長さとして形成されたインナー管29を備える。こうしたインナー管29を備えることにより、熱交換媒体を、供給流路25とインナー管29との間の隙間を介して積層体22の積層方向における中央近傍までの各熱交換用チューブ30に供給し、インナー管29内と供給流路25とインナー管29との間の隙間を介して積層体22の積層方向における中央近傍以降の各熱交換用チューブ30に供給することができる。この結果、平均流量分配比を下回る熱交換用チューブ30の数を少なくすることができ、熱交換器20の熱交換効率を向上させることができる。
実施例の熱交換器20の製造方法では、向かい合わせることにより扁平な熱交換用チューブ30を構成するチューブ部材40をクラッド板材を用いて形成し、熱交換用チューブ30を複数積層した状態となるようにチューブ部材40を複数積層して積層体22を組み付け、これをロウ材の融点より高く板材の融点より低い温度の炉に入れて当接部を接合(ロウ付け)して実施例の熱交換器20を完成する。このため、熱交換効率の高い実施例の熱交換器20をより簡易に製造することができる。
図7の各熱交換用チューブ30の位置と各熱交換用チューブ30に供給される熱交換媒体の流量分配比との関係から考えると、積層体22の積層方向(熱交換用チューブの段数が大きくなる方向)に向かって1/5程度から中央まで平均流量分配比を大きくすることにより熱交換器の熱交換効率の更なる向上を図ることができるのが解る。
上述の効果を得るために、図10の変形例のインナー管129に示すように、インナー管129の複数の貫通孔129bを形成することが考えられる。複数の貫通孔129bは、積層体22の積層方向(熱交換用チューブの段数が大きくなる方向)に位置する貫通孔129bほど隣接する貫通孔129bとの間隔が小さくなるように形成するのが好ましい。また、複数の貫通孔129bを等間隔に配置する場合には、積層体22の積層方向(熱交換用チューブの段数が大きくなる方向)に位置する貫通孔129bほど貫通孔129bの開口面積を大きくなるように形成するのが好ましい。
変形例のインナー管129を用いた熱交換器と実施例の熱交換器20と比較例の熱交換器に対して、温水を水流量が1.0(L/min),1.5(L/min),2.0(L/min)となるように温水を流して温度分布をサーモグラフにより撮影したものを図11に示す。図中、上段が変形例のインナー管129を用いた熱交換器であり、中段が実施例の熱交換器20であり、下段が比較例の熱交換器である。図示するように、実施例の熱交換器20では、水流量を1.0(L/min)としたときには、積層体22の積層方向(熱交換用チューブの段数が大きくなる方向)に向かって1/5程度から中央近くまでの領域で温度が低くなるが、比較例の熱交換器に比して熱分布は均等なものとなる。変形例のインナー管129を用いた熱交換器では、水流量を1.0(L/min)としたときには、実施例の熱交換器20に比して、1/5程度から中央近くまでの領域でも熱分布が均等になっているのが解る。このように、複数の貫通孔129bを形成することにより、積層体22の熱交換用チューブ30のうちインナー管129が配置される部位の熱交換用チューブ30への熱交換媒体の流量の差を小さくすることができ、熱交換器の熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
また、図12の変形例のインナー管229に示すように、インナー管229を、供給管側の管径が変化しない入口側管部299aと、管径が徐々に大きくなるテーパー部299bと、管径が変化しない出口側管部299cと、により構成することも考えられる。こうすれば、インナー管229が配置された供給流路25における熱交換媒体の圧力を積層体22の積層方向において均等化を図ることができる。これにより、インナー管229が配置された供給流路25から熱交換媒体が供給される熱交換用チューブ30に熱交換媒体をより均等に供給することができ、熱交換効率の更なる向上を図ることができる。
さらに、図13および図14の変形例のインナー管329a,329bに示すように、長さの異なる2つのインナー管329a,329bを供給流路25に設けることも考えることができる。こうすれば、複数のインナー管329a,329bを用いて積層体22の積層方向に熱交換媒体を段階的に供給することができる。この結果、熱交換用チューブ30に熱交換媒体をより均等に供給することができ、熱交換効率の更なる向上を図ることができる。なお、図13および図14の例では長さの異なる2つのインナー管329a,329bを供給流路25に設けるものとしたが、長さが異なる3つ以上のインナー管を供給流路25に設けるものとしてもよい。
なお、変形例で説明したインナー管129,229,329a,329bの概念を組み合わせたインナー管としてもよい。即ち、インナー管に複数の貫通孔を形成すると共にテーパー部を有するものとしたり、複数のインナー管に複数の貫通孔を形成するものとしたり、複数のインナー管にテーパー部を有するものとしたり、複数のインナー管の各々或いは一部に貫通孔が形成したものとすると共にテーパー部を有するものとしたりしてもよい。
実施例の熱交換器20では、インナー管29を供給流路25の内側に外周側に所定の隙間をもって配置するものとしたが、インナー管29と供給流路25との間の隙間に熱交換媒体が流れればよいから、インナー管29を供給流路25に当接するように配置するものとしてもよい。
実施例の熱交換器20では、インナー管29を円管として構成したが、楕円管や矩形管などの多角形管として構成しても構わない。
実施例の熱交換器20では、連通流路44,45をW字形状となるように形成したが、U字形状となるように形成してもよく、W字にV字を1つ以上連ねた形状となるように形成してもよい。この場合、U字形状やW字形状或いはW字にV字に1つ以上連ねた形状うちいずれの形状を採用するかについては、設置スペースに応じて適宜定めればよい。こうすれば、設置スペースに応じて熱交換効率の高い熱交換器とすることができる。
実施例の熱交換器20では、流入口用貫通孔41aと流出口用貫通孔41bとの周囲にフランジ部42a,42bを形成するものとしたが、フランジ部42a,42bに代えてバーリング加工によりバーリング加工部を形成するものとしてもよい。この場合、チューブ部材の2つのバーリング加工部のうちの一方のバーリング加工部が他方のバーリング加工部に嵌合するよう一方のバーリング加工部の径を他方のバーリング加工部の径より若干小さく或いは若干大きく形成するのが好ましい。こうしたバーリング加工部を有するチューブ部材を、隣接する熱交換用チューブ30とが交互に重なるように積層すれば、向かい合うチューブ部材のバーリング加工部が嵌まり合うようにすることができる。
実施例の熱交換器20では、アルミニウムの板材の両面にアルミシリコン合金などのロウ材を接合した厚さが0.2mmのクラッド板材を用いてチューブ部材40を形成するものとしたが、0.2mmより薄いアルミニウムとアルミニウム合金によるクラッド板材や0.2mmより厚いアルミニウムとアルミニウム合金によるクラッド板材を用いてチューブ部材40を形成するものとしてもよい。また、ステンレスの板材の両面に銅やニッケルなどのロウ材を接合したクラッド板材やステンレスに板材の両面にメッキを施した板材を用いてチューブ部材を形成するものとしてもよい。さらに、銅の板材の両面にロウ材を接合したりメッキした板材を用いてチューブ部材を形成するものとしてもよい。
実施例の熱交換器20では、熱交換用チューブ30の長手方向における中央に流入口用貫通孔41aと流出口用貫通孔41bとを形成して供給流路25と排出流路26とを構成するものしたが、熱交換用チューブの長手方向の一端に流入口用貫通孔を形成すると共に他端に流出口用貫通孔を形成し、熱交換用チューブの長手方向の両端に供給流路と排出流路とを構成するものしてもよい。この場合でも供給流路にインナー管を配置すればよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、熱交換用チューブ30が「熱交換用チューブ」に相当し,積層体22が「熱交換用積層体」に相当し、供給流路25が「供給流路」に相当し、流出流路26が「排出流路」に相当し、インナー管29が「インナー管」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、熱交換器の製造産業などに利用可能である。
20 熱交換器、22 積層体、23,24 プレート、25 供給流路、26 排出流路、27 供給管、28 排出管、29,129,229,329a、329b インナー管、30 熱交換用チューブ、40 チューブ部材、41a 流入口用貫通孔、41b 流出口用貫通孔、42a,42b フランジ部、44,45 連通流路、44a,44d,45a,45d 縁側流路、44b,44c,45b,45c 中央側流路、44e,44g,45e,45g 端部連絡流路、44f,45f 中央連絡流路、129b 貫通孔、299a 入口側管部、299b テーパー部、299c 出口側管部。

Claims (7)

  1. 流入口と流出口とを連通する連通流路とを有する扁平な熱交換用チューブを所定の間隔を持って複数積層した熱交換用積層体と、
    前記熱交換用積層体を積層方向に貫通するように形成されて前記熱交換用チューブの前記流入口に熱交換媒体を供給する供給流路と、
    前記熱交換用積層体を積層方向に貫通するように形成されて前記熱交換用チューブの前記流出口から前記熱交換媒体を排出する排出流路と、
    を備える熱交換器であって、
    前記供給流路の内側に配置され、前記供給流路の前記熱交換媒体の供給口近傍から前記熱交換用積層体の所定位置の前記熱交換用チューブまでの長さを有し、前記所定位置以降の前記熱交換用チューブに前記熱交換媒体を供給するインナー管、
    を備えることを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1記載の熱交換器であって、
    前記インナー管は、前記熱交換用積層体の積層端側に複数の貫通孔が形成されている、
    熱交換器。
  3. 請求項2記載の熱交換器であって、
    前記複数の貫通孔は、前記熱交換用積層体の積層端に近いほど隣接する貫通孔との間隔が狭くなるように形成されている、
    熱交換器。
  4. 請求項1ないし3のうちのいずれか1つの請求項に記載された熱交換器であって、
    前記インナー管は、長さ方向の少なくとも一部に亘って管径が徐々に変化するテーパー部が形成されている、
    熱交換器。
  5. 請求項4記載の熱交換器であって、
    前記テーパー部は、前記熱交換用積層体の積層端に近いほど管径が大きくなるように形成されている、
    熱交換器。
  6. 請求項1ないし5のうちのいずれか1つの請求項に記載された熱交換器であって、
    前記インナー管は、複数である、
    熱交換器。
  7. 請求項6記載の熱交換器であって、
    前記複数のインナー管は、長さが異なる、
    熱交換器。
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