JP2022160348A - バイナリー発電システム - Google Patents
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Abstract
Description
潤滑油の加圧ポンプを使用しない分、システム構成が簡素化、また、加圧ポンプに必要なエネルギーの消費も低減し、経済性を高めている。
しかしながら、低沸点作動媒体の循環経路に入り込んだ潤滑油を回収するために、蒸発器内部に気液分離器・油溜まり部を設け、そこから配管して、潤滑油タンクへ導き一時貯蔵し、そこからまた配管して、エジェクターを通じて、軸受へと至るといった、まだまだ複雑化した機構となっている。
また、潤滑油やグリスなども、有機化合物であり、有機化合物同士は、なじみやすく、溶け合わさりやすい性質がある。
それゆえ、軸受に、潤滑油やグリスを供給したとしても、軸受が低沸点作動媒体の雰囲気にあるため、潤滑油やグリスが低沸点作動媒体へと溶け出し、洗い流されるような状態となり、軸受の潤滑の機能に必要となる適切な量を欠かさぬためには、頻繁な潤滑油あるいはグリスの補給が必要となってしまう。
また、低沸点作動媒体の循環経路に流出した潤滑油やグリスなどを、蒸発器内部の気液分離器などで回収するとしても、一部の回収できなかった潤滑油やグリスは、ミストとなって、低沸点作動媒体ガスと混合し、膨張機へと導入され、動翼(インペラー)へと衝突し、浸食(エロージョン)を発生させる惧れもある。
本発明のうち請求項1に記載の発明は、熱源流体の熱エネルギーにより低沸点作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器において蒸発して高圧となった前記低沸点作動媒体によってローター軸を回転駆動し発電する膨張発電機と、前記膨張発電機を出て低圧となった前記低沸点作動媒体を冷媒により冷却し凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器から前記蒸発器に向かって前記低沸点作動媒体を循環させる低沸点作動媒体ポンプとを備えた、バイナリー発電システムにおいて、
前記膨張発電機の膨張機と発電機との間に、前記膨張発電機の内部雰囲気を隔てる機構を設け、
回転駆動する前記ローター軸の発電機側の支持に、転がり軸受を用いることを特徴とするバイナリー発電システム。
熱源流体HWの熱エネルギーにより低沸点作動媒体LMを蒸発させる蒸発器1と、蒸発器1において蒸発して高圧となった低沸点作動媒体LMガスによって回転駆動し発電する膨張発電機2と、膨張発電機2を出て低圧となった低沸点作動媒体LMガスを冷媒CWにより冷却し凝縮させる凝縮器3と、凝縮器3から蒸発器1に向かって低沸点作動媒体LMを循環させる低沸点作動媒体ポンプ4とを備えた、バイナリー発電システムGであり、低沸点作動媒体LMとして、石油系炭化水素や代替フロン・アンモニア等を用い、熱源流体HWの圧送を担う熱源流体ポンプ5と、冷媒CWの圧送を担う冷媒ポンプ6と、必要に応じ外気を利用して冷媒CWを冷却する冷却塔ファン7を備えている。
膨張発電機2は、タービン部・メカニカルシール部・発電部で構成されており、内部に回転体として一体になった動翼11・ローター軸12・永久磁石13を収め、タービン部・メカニカルシール部・発電部が、ボルトで固定されることで一体化し、発電するためのモジュール(構成要素)として機能する。
また、オイルは、シールリングライナー21とシールリング22の回転運動によって生じる摩擦熱によって加熱され、気化や性能劣化の惧れがあるため、シールフランジ20に水冷ジャケットの構造を設け、冷却水を循環させることで、オイルを冷やし気化や性能劣化を防ぎ、シール機能を保っている。
なお、オイルは密閉封じ込めの状態であり、半年から一年の定期点検時に性状を確認し、適宜、必要に応じ、新しいオイルへの交換を行う。
また、ローター軸12の発電部側の熱膨張による伸びが危惧されるため、発電部ボトムフランジ27へのアンギュラ玉軸受29bの取付け部分に、バネ30を用いたダンピング構造を設け、ローター軸12の発電部側の熱膨張による伸びを吸収させる。
また、ローター軸12のタービン部側も熱膨張による伸びによる動翼11とタービン部ケーシング14との接触が危惧されるが、動翼11とタービン部ケーシング14との隙間を、ローター軸12のタービン部側の熱膨張による伸びを十分に考慮した設計値とすることで、動翼11とタービン部ケーシング14との接触を回避することができる。
膨張発電機2のメカニカルシール部は、タービン部と発電部との間に設けられ、タービン部と発電部の内部雰囲気を隔てている。
これにより、メカニカルシール部は、バイナリー発電システムG内部に低沸点作動媒体LMを封じ込め、大気中へ逃がさない役割も担っている。
そこで、このラジアル方向への振動を防止するため、タービン部フランジ15に静圧気体軸受の構造を設ける。
タービン部フランジ15に、静圧気体軸受の主要部品である気体絞りノズル31を取付けてあり、この気体絞りノズル31へと、高圧の低沸点作動媒体LMガスが導入されると、気孔32を通過してローター軸12の円周上に設けられた溝である表面絞り空間33に、静的なガス圧が生じ、ローター軸12を回転軸中心へと押す力が働き、ローター軸12のラジアル方向の位置を安定させることができる。
気体絞りノズル31外側も円周上に溝を設け、そこから4つの気孔32を通じて、ローター軸12の円周上に設けた表面絞り空間33へ、高圧の低沸点作動媒体LMガスを導入している。
このような機構とすることで、ローター軸12を円周上から均一に、回転軸中心へ押す力を働かせて、ローター軸のラジアル方向の位置を安定させることができる。
また、本発明のガス軸受は、上記一実施形態に限定されることはなく、単段でなくとも、複数段で構成されたものでもよい。
本発明により、そのような頻繁に潤滑油およびグリスの補給が必要な軸受を空気雰囲気下に設けることを可能としたことで、軸受への潤滑油およびグリスの補給機構を、一般的なモーター等と同様程度に簡素化することができ、あるいはグリス封入式の軸受を適用することで不要とすることもできる。
バイナリー発電システムの継続的な安定的な稼働への信頼性の向上は、総じて、バイナリー発電システムを適用する用途の幅を広げ、バイナリー発電システムの普及・発展を促進し、地球温暖化問題の解決への一助と成り得る。
2 膨張発電機
3 凝縮器
4 低沸点作動媒体ポンプ
5 熱源流体ポンプ
6 冷媒ポンプ
7 冷却塔ファン
8 軸受用ガス配管
11 動翼
12 ローター軸
13 永久磁石
14 タービン部ケーシング
15 タービン部フランジ
16a 媒体ガス導入口
16b 媒体ガス吐出口
17 ステータコア
18 コイル
19 電力出力コネクター
20a,b,c シールフランジ
21 シールリングライナー
22 シールリング
23 インサート
24a 冷却水入口
24b 冷却水出口
25 発電部フランジ
26 発電部ケーシング
27 発電部ボトムフランジ
28 発電部ボトムケーシング
29a,b アンギュラ玉軸受
30 バネ
31 気体絞りノズル
32 気孔
33 表面絞り空間
34a,b 軸受用媒体ガス導入口
40 バネ
潤滑油の加圧ポンプを使用しない分、システム構成が簡素化、また、加圧ポンプに必要なエネルギーの消費も低減し、経済性を高めている。
しかしながら、低沸点作動媒体の循環経路に入り込んだ潤滑油を回収するために、蒸発器内部に気液分離器・油溜まり部を設け、そこから配管して、潤滑油タンクへ導き一時貯蔵し、そこからまた配管して、エジェクターを通じて、軸受へと至るといった、まだまだ複雑化した機構となっている。
また、潤滑油やグリスなども、有機化合物であり、有機化合物同士は、なじみやすく、溶け合わさりやすい性質がある。
それゆえ、軸受に、潤滑油やグリスを供給したとしても、軸受が低沸点作動媒体の雰囲気にあるため、潤滑油やグリスが低沸点作動媒体へと溶け出し、洗い流されるような状態となり、軸受の潤滑の機能に必要となる適切な量を欠かさぬためには、頻繁な潤滑油あるいはグリスの補給が必要となってしまう。
また、低沸点作動媒体の循環経路に流出した潤滑油やグリスなどを、蒸発器内部の気液分離器などで回収するとしても、一部の回収できなかった潤滑油やグリスは、ミストとなって、低沸点作動媒体ガスと混合し、膨張機へと導入され、動翼(インペラー)へと衝突し、浸食(エロージョン)を発生させる惧れもある。
本発明のうち請求項1に記載の発明は、熱源流体の熱エネルギーにより低沸点作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器において蒸発して高圧となった前記低沸点作動媒体によってローター軸を回転駆動し発電する膨張発電機と、前記膨張発電機を出て低圧となった前記低沸点作動媒体を冷媒により冷却し凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器から前記蒸発器に向かって前記低沸点作動媒体を循環させる低沸点作動媒体ポンプとを備えた、バイナリー発電システムにおいて、
前記膨張発電機の膨張機と発電機との間に、前記膨張発電機の内部雰囲気を隔てる機構を設け、
回転駆動する前記ローター軸の発電機側の支持に、ガス軸受を用いることを特徴とするバイナリー発電システム。
また、本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、回転駆動するローター軸の膨張機側のラジアル方向への振動やブレを抑え、ローター軸の膨張機側のラジアル方向の位置を安定させることができる。
熱源流体HWの熱エネルギーにより低沸点作動媒体LMを蒸発させる蒸発器1と、蒸発器1において蒸発して高圧となった低沸点作動媒体LMガスによって回転駆動し発電する膨張発電機2と、膨張発電機2を出て低圧となった低沸点作動媒体LMガスを冷媒CWにより冷却し凝縮させる凝縮器3と、凝縮器3から蒸発器1に向かって低沸点作動媒体LMを循環させる低沸点作動媒体ポンプ4とを備えた、バイナリー発電システムGであり、低沸点作動媒体LMとして、石油系炭化水素や代替フロン・アンモニア等を用い、熱源流体HWの圧送を担う熱源流体ポンプ5と、冷媒CWの圧送を担う冷媒ポンプ6と、必要に応じ外気を利用して冷媒CWを冷却する冷却塔ファン7を備えている。
膨張発電機2は、タービン部・メカニカルシール部・発電部で構成されており、内部に回転体として一体になった動翼11・ローター軸12・永久磁石13を収め、タービン部・メカニカルシール部・発電部が、ボルトで固定されることで一体化し、発電するためのモジュール(構成要素)として機能する。
また、オイルは、シールリングライナー21とシールリング22の回転運動によって生じる摩擦熱によって加熱され、気化や性能劣化の惧れがあるため、シールフランジ20に水冷ジャケットの構造を設け、冷却水を循環させることで、オイルを冷やし気化や性能劣化を防ぎ、シール機能を保っている。
なお、オイルは密閉封じ込めの状態であり、半年から一年の定期点検時に性状を確認し、適宜、必要に応じ、新しいオイルへの交換を行う。
また、ローター軸12の発電部側の熱膨張による伸びが危惧されるため、発電部ボトムフランジ27へのアンギュラ玉軸受29bの取付け部分に、バネ30を用いたダンピング構造を設け、ローター軸12の発電部側の熱膨張による伸びを吸収させる。
また、ローター軸12のタービン部側も熱膨張による伸びによる動翼11とタービン部ケーシング14との接触が危惧されるが、動翼11とタービン部ケーシング14との隙間を、ローター軸12のタービン部側の熱膨張による伸びを十分に考慮した設計値とすることで、動翼11とタービン部ケーシング14との接触を回避することができる。
膨張発電機2のメカニカルシール部は、タービン部と発電部との間に設けられ、タービン部と発電部の内部雰囲気を隔てている。
これにより、メカニカルシール部は、バイナリー発電システムG内部に低沸点作動媒体LMを封じ込め、大気中へ逃がさない役割も担っている。
そこで、このラジアル方向への振動を防止するため、タービン部フランジ15に静圧気体軸受の構造を設ける。
タービン部フランジ15に、静圧気体軸受の主要部品である気体絞りノズル31を取付けてあり、この気体絞りノズル31へと、高圧の低沸点作動媒体LMガスが導入されると、気孔32を通過してローター軸12の円周上に設けられた溝である表面絞り空間33に、静的なガス圧が生じ、ローター軸12を回転軸中心へと押す力が働き、ローター軸12のラジアル方向の位置を安定させることができる。
気体絞りノズル31外側も円周上に溝を設け、そこから4つの気孔32を通じて、ローター軸12の円周上に設けた表面絞り空間33へ、高圧の低沸点作動媒体LMガスを導入している。
このような機構とすることで、ローター軸12を円周上から均一に、回転軸中心へ押す力を働かせて、ローター軸のラジアル方向の位置を安定させることができる。
また、本発明のガス軸受は、上記一実施形態に限定されることはなく、単段でなくとも、複数段で構成されたものでもよい。
本発明により、そのような頻繁に潤滑油およびグリスの補給が必要な軸受を空気雰囲気下に設けることを可能としたことで、軸受への潤滑油およびグリスの補給機構を、一般的なモーター等と同様程度に簡素化することができ、あるいはグリス封入式の軸受を適用することで不要とすることもできる。
バイナリー発電システムの継続的な安定的な稼働への信頼性の向上は、総じて、バイナリー発電システムを適用する用途の幅を広げ、バイナリー発電システムの普及・発展を促進し、地球温暖化問題の解決への一助と成り得る。
2 膨張発電機
3 凝縮器
4 低沸点作動媒体ポンプ
5 熱源流体ポンプ
6 冷媒ポンプ
7 冷却塔ファン
8 軸受用ガス配管
11 動翼
12 ローター軸
13 永久磁石
14 タービン部ケーシング
15 タービン部フランジ
16a 媒体ガス導入口
16b 媒体ガス吐出口
17 ステータコア
18 コイル
19 電力出力コネクター
20a,b,c シールフランジ
21 シールリングライナー
22 シールリング
23 インサート
24a 冷却水入口
24b 冷却水出口
25 発電部フランジ
26 発電部ケーシング
27 発電部ボトムフランジ
28 発電部ボトムケーシング
29a,b アンギュラ玉軸受
30 バネ
31 気体絞りノズル
32 気孔
33 表面絞り空間
34a,b 軸受用媒体ガス導入口
40 バネ
潤滑油の加圧ポンプを使用しない分、システム構成が簡素化、また、加圧ポンプに必要なエネルギーの消費も低減し、経済性を高めている。
しかしながら、低沸点作動媒体の循環経路に入り込んだ潤滑油を回収するために、蒸発器内部に気液分離器・油溜まり部を設け、そこから配管して、潤滑油タンクへ導き一時貯蔵し、そこからまた配管して、エジェクターを通じて、軸受へと至るといった、まだまだ複雑化した機構となっている。
また、潤滑油やグリスなども、有機化合物であり、有機化合物同士は、なじみやすく、溶け合わさりやすい性質がある。
それゆえ、軸受に、潤滑油やグリスを供給したとしても、軸受が低沸点作動媒体の雰囲気にあるため、潤滑油やグリスが低沸点作動媒体へと溶け出し、洗い流されるような状態となり、軸受の潤滑の機能に必要となる適切な量を欠かさぬためには、頻繁な潤滑油あるいはグリスの補給が必要となってしまう。
また、低沸点作動媒体の循環経路に流出した潤滑油やグリスなどを、蒸発器内部の気液分離器などで回収するとしても、一部の回収できなかった潤滑油やグリスは、ミストとなって、低沸点作動媒体ガスと混合し、膨張機へと導入され、動翼(インペラー)へと衝突し、浸食(エロージョン)を発生させる惧れもある。
本発明のうち請求項1に記載の発明は、熱源流体の熱エネルギーにより低沸点作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器において蒸発して高圧となった前記低沸点作動媒体によってローター軸を回転駆動し発電する膨張発電機と、前記膨張発電機を出て低圧となった前記低沸点作動媒体を冷媒により冷却し凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器から前記蒸発器に向かって前記低沸点作動媒体を循環させる低沸点作動媒体ポンプとを備えた、バイナリー発電システムにおいて、
前記膨張発電機の膨張機と発電機との間に、前記膨張発電機の内部雰囲気を隔てる機構を設け、
回転駆動する前記ローター軸の発電機側の支持に、転がり軸受を用いることを特徴とするバイナリー発電システム。
熱源流体HWの熱エネルギーにより低沸点作動媒体LMを蒸発させる蒸発器1と、蒸発器1において蒸発して高圧となった低沸点作動媒体LMガスによって回転駆動し発電する膨張発電機2と、膨張発電機2を出て低圧となった低沸点作動媒体LMガスを冷媒CWにより冷却し凝縮させる凝縮器3と、凝縮器3から蒸発器1に向かって低沸点作動媒体LMを循環させる低沸点作動媒体ポンプ4とを備えた、バイナリー発電システムGであり、低沸点作動媒体LMとして、石油系炭化水素や代替フロン・アンモニア等を用い、熱源流体HWの圧送を担う熱源流体ポンプ5と、冷媒CWの圧送を担う冷媒ポンプ6と、必要に応じ外気を利用して冷媒CWを冷却する冷却塔ファン7を備えている。
膨張発電機2は、タービン部・メカニカルシール部・発電部で構成されており、内部に回転体として一体になった動翼11・ローター軸12・永久磁石13を収め、タービン部・メカニカルシール部・発電部が、ボルトで固定されることで一体化し、発電するためのモジュール(構成要素)として機能する。
また、オイルは、シールリングライナー21とシールリング22の回転運動によって生じる摩擦熱によって加熱され、気化や性能劣化の惧れがあるため、シールフランジ20に水冷ジャケットの構造を設け、冷却水を循環させることで、オイルを冷やし気化や性能劣化を防ぎ、シール機能を保っている。
なお、オイルは密閉封じ込めの状態であり、半年から一年の定期点検時に性状を確認し、適宜、必要に応じ、新しいオイルへの交換を行う。
また、ローター軸12の発電部側の熱膨張による伸びが危惧されるため、発電部ボトムフランジ27へのアンギュラ玉軸受29bの取付け部分に、バネ30を用いたダンピング構造を設け、ローター軸12の発電部側の熱膨張による伸びを吸収させる。
また、ローター軸12のタービン部側も熱膨張による伸びによる動翼11とタービン部ケーシング14との接触が危惧されるが、動翼11とタービン部ケーシング14との隙間を、ローター軸12のタービン部側の熱膨張による伸びを十分に考慮した設計値とすることで、動翼11とタービン部ケーシング14との接触を回避することができる。
膨張発電機2のメカニカルシール部は、タービン部と発電部との間に設けられ、タービン部と発電部の内部雰囲気を隔てている。
これにより、メカニカルシール部は、バイナリー発電システムG内部に低沸点作動媒体LMを封じ込め、大気中へ逃がさない役割も担っている。
そこで、このラジアル方向への振動を防止するため、タービン部フランジ15に静圧気体軸受の構造を設ける。
タービン部フランジ15に、静圧気体軸受の主要部品である気体絞りノズル31を取付けてあり、この気体絞りノズル31へと、高圧の低沸点作動媒体LMガスが導入されると、気孔32を通過してローター軸12の円周上に設けられた溝である表面絞り空間33に、静的なガス圧が生じ、ローター軸12を回転軸中心へと押す力が働き、ローター軸12のラジアル方向の位置を安定させることができる。
気体絞りノズル31外側も円周上に溝を設け、そこから4つの気孔32を通じて、ローター軸12の円周上に設けた表面絞り空間33へ、高圧の低沸点作動媒体LMガスを導入している。
このような機構とすることで、ローター軸12を円周上から均一に、回転軸中心へ押す力を働かせて、ローター軸のラジアル方向の位置を安定させることができる。
また、本発明のガス軸受は、上記一実施形態に限定されることはなく、単段でなくとも、複数段で構成されたものでもよい。
本発明により、そのような頻繁に潤滑油およびグリスの補給が必要な軸受を空気雰囲気下に設けることを可能としたことで、軸受への潤滑油およびグリスの補給機構を、一般的なモーター等と同様程度に簡素化することができ、あるいはグリス封入式の軸受を適用することで不要とすることもできる。
バイナリー発電システムの継続的な安定的な稼働への信頼性の向上は、総じて、バイナリー発電システムを適用する用途の幅を広げ、バイナリー発電システムの普及・発展を促進し、地球温暖化問題の解決への一助と成り得る。
2 膨張発電機
3 凝縮器
4 低沸点作動媒体ポンプ
5 熱源流体ポンプ
6 冷媒ポンプ
7 冷却塔ファン
8 軸受用ガス配管
11 動翼
12 ローター軸
13 永久磁石
14 タービン部ケーシング
15 タービン部フランジ
16a 媒体ガス導入口
16b 媒体ガス吐出口
17 ステータコア
18 コイル
19 電力出力コネクター
20a,b,c シールフランジ
21 シールリングライナー
22 シールリング
23 インサート
24a 冷却水入口
24b 冷却水出口
25 発電部フランジ
26 発電部ケーシング
27 発電部ボトムフランジ
28 発電部ボトムケーシング
29a,b アンギュラ玉軸受
30 バネ
31 気体絞りノズル
32 気孔
33 表面絞り空間
34a,b 軸受用媒体ガス導入口
40 バネ
G バイナリー発電システム
HW 熱源流体
LM 低沸点作動媒体
CW 冷媒
M 冷却塔ファン駆動モーター
Claims (4)
- 熱源流体の熱エネルギーにより低沸点作動媒体を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器において蒸発して高圧となった前記低沸点作動媒体によってローター軸を回転駆動し発電する膨張発電機と、前記膨張発電機を出て低圧となった前記低沸点作動媒体を冷媒により冷却し凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器から前記蒸発器に向かって前記低沸点作動媒体を循環させる低沸点作動媒体ポンプとを備えた、バイナリー発電システムにおいて、
前記膨張発電機の膨張機と発電機との間に、前記膨張発電機の内部雰囲気を隔てる機構を設け、
回転駆動する前記ローター軸の発電機側の支持に、転がり軸受を用いることを特徴とするバイナリー発電システム。 - 回転駆動する前記ローター軸の膨張機側の支持に、ガス軸受を用いることを特徴とする請求項1に記載のバイナリー発電システム。
- 前記ガス軸受に供給するガスとして、前記蒸発器より前記膨張発電機へと至る配管を分岐させて、高圧となった前記低沸点作動媒体の一部を得ることを特徴とする請求項2に記載のバイナリー発電システム。
- 回転駆動する前記ローター軸の膨張機側の支持に、磁気軸受を用いることを特徴とする請求項1に記載のバイナリー発電システム。
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JP2021087982A JP2022160348A (ja) | 2021-04-06 | 2021-04-06 | バイナリー発電システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021087982A JP2022160348A (ja) | 2021-04-06 | 2021-04-06 | バイナリー発電システム |
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JP2022160348A true JP2022160348A (ja) | 2022-10-19 |
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-
2021
- 2021-04-06 JP JP2021087982A patent/JP2022160348A/ja active Pending
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