JP2022160041A - オイルシール、クラッチピストン機構、およびオイルシールの製造方法 - Google Patents

オイルシール、クラッチピストン機構、およびオイルシールの製造方法 Download PDF

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Takafumi Ota
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Abstract

【課題】成形に使用される型の寿命を長くすることが可能なオイルシールを提供する。【解決手段】金属板の外周端または内周端に取り付けられる環状のオイルシールは、金属板の第1の面に接合された第1の接合部と、金属板の第2の面に接合された第2の接合部と、これらの接合部を連結し、金属板の端縁を覆う連結部と、第1の接合部および連結部から斜めに突出するシールリップを備える。第1の接合部は、第1の面に平行な第1の平行部分と、第1の平行部分から徐々に厚さが小さくなるように延びる第1のテーパ部分を有し、第1のテーパ部分は厚さがゼロである第1の端縁を有する。第2の接合部は、第2の面に平行な第2の平行部分と、第2の平行部分から徐々に厚さが小さくなるように延びる第2のテーパ部分を有し、第2のテーパ部分は厚さがゼロである第2の端縁を有する。第1のテーパ部分の第1の端縁の直径が第2のテーパ部分の第2の端縁の直径と等しい。【選択図】図2

Description

本発明は、オイルシール、クラッチピストン機構、およびオイルシールの製造方法に関する。
自動車等に使用される変速機、例えば自動変速機(AT)または無段変速機(CVT)の多板クラッチを作動させるクラッチピストン機構が知られている(特許文献1)。クラッチピストン機構は、オイルが流入するピストン室内を往復移動するピストンを有し、ピストンは多板クラッチを作動させる。ピストンには、ピストン室内のオイルを封止するオイルシールが取り付けられている。
特許文献1に記載のクラッチピストン機構は、ピストンと対向し、ピストンとの間にオイル室を画定するキャンセラを有する。キャンセラには、ピストンと接触して、オイル室内のオイルを封止するオイルシールが取り付けられている。
特開2019-203524号公報
キャンセラまたはピストンに取り付けられるオイルシールは、一般にプレス成形または射出成形によって形成される。この時には、高い圧力がオイルシールの材料に与えられる。プレス成形または射出成形に使用される型は、できるだけ寿命が長いことが好ましい。
本発明は、成形に使用される型の寿命を長くすることが可能なオイルシールとオイルシールの製造方法を提供し、さらにこのオイルシールを有するクラッチピストン機構を提供する。
本発明のある態様に係るオイルシールは、第1の面と第2の面を有する金属板の外周端または内周端に取り付けられるエラストマー材料製の円環状のオイルシールであって、前記金属板の第1の面に接合された第1の接合部と、前記金属板の第2の面に接合された第2の接合部と、前記第1の接合部と前記第2の接合部を連結し、前記金属板の端縁を覆う連結部と、前記第1の接合部および前記連結部から斜めに突出するシールリップを備える。前記第1の接合部は、前記第1の面に平行な第1の平行部分と、前記第1の平行部分から徐々に厚さが小さくなるように延びる第1のテーパ部分を有し、前記第1のテーパ部分は厚さがゼロである第1の端縁を有する。前記第2の接合部は、前記第2の面に平行な第2の平行部分と、前記第2の平行部分から徐々に厚さが小さくなるように延びる第2のテーパ部分を有し、前記第2のテーパ部分は厚さがゼロである第2の端縁を有する。前記第1のテーパ部分の第1の端縁の直径が前記第2のテーパ部分の第2の端縁の直径と等しい。
この態様においては、金属板の両面に接合された第1の接合部と第2の接合部の各々が、テーパ部分を有するので、オイルシールを成形するために、型内のエラストマー材料に圧力が与えられる時、型の第1の接合部を形成する部分と第2の接合部を形成する部分に応力が集中しにくい。また、第1の接合部の第1のテーパ部分の第1の端縁の直径が、第2の接合部の第2のテーパ部分の第2の端縁の直径と等しいので、オイルシールを成形するために、型内のエラストマー材料に圧力が与えられる時、型の第1のテーパ部分を形成する部分に与えられる荷重と型の第2のテーパ部分を形成する部分に与えられる荷重が近似し、型に与えられるモーメントが小さい。したがって、オイルシールの成形に使用される型の寿命を長くすることが可能である。
また、第1のテーパ部分と第2のテーパ部分は、それぞれ金属板の両面に接合されるので、オイルシールと金属板の接合面積が大きく、オイルシールが金属板から剥離しにくい。また、第1の接合部と第2の接合部の各々が、テーパ部分を有するので、オイルシールを成形する時、オイルシール自体の第1の接合部と第2の接合部に応力が集中しにくい。したがって、オイルシール自体の寿命を長くすることが可能である。
本発明の態様に係るクラッチピストン機構は、オイルが流入するピストン室内を往復移動するピストンと、前記ピストンと対向し、前記ピストンとの間にオイル室を画定する、前記金属板であるキャンセラと、前記キャンセラに取り付けられて、前記オイル室内のオイルを封止する上記のオイルシールを備える。このオイルシールは、前記ピストンが往復移動するときに、前記シールリップが前記ピストンの前記オイル室を形成する内壁面に対して摺動する。
本発明の他の態様に係るクラッチピストン機構は、オイルが流入するピストン室内を往復移動する、前記金属板であるピストンと、前記ピストンに取り付けられて、前記ピストン室内のオイルを封止する上記のオイルシールを備える。このオイルシールは、前記ピストンが往復移動するときに、前記シールリップが前記ピストン室の壁面に対して摺動する。
上記のオイルシールは、前記金属板の外周端または内周端が、前記オイルシールを成形する型のキャビティに配置されるように、前記金属板を前記型に固定することと、前記キャビティにエラストマー材料を導入し、前記オイルシールを成形することを有するオイルシールの製造方法によって製造することができる。
本発明の実施形態に係るクラッチピストン機構を示す断面図である。 クラッチピストン機構のキャンセラに取り付けられた実施形態に係るオイルシールを拡大して示す断面図である。 図2のオイルシールを形成する工程を示す図である。 比較例に係るオイルシールを拡大して示す断面図である。 図4のオイルシールを形成する工程を示す図である。 他の比較例に係るオイルシールを拡大して示す断面図である。 図6のオイルシールを形成する工程を示す図である。 クラッチピストン機構のピストンに取り付けられた他の実施形態に係るオイルシールを拡大して示す断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施形態を説明する。図面の縮尺は必ずしも正確ではなく、一部の特徴は誇張または省略されることもある。
図1に示すように、実施形態に係るクラッチピストン機構1は、自動車のクラッチハウジング2のクラッチ室4内に配置された多板クラッチ6を作動させるために使用される。多板クラッチ6は、例えば自動変速機(AT)または無段変速機(CVT)に設けられている。クラッチ室4の一部は、クラッチピストン機構1が配置されるピストン室8として利用される。ピストン室8には、クラッチハウジング2に形成されたオイル供給路9が接続されており、このオイル供給路9から供給されるオイルによりピストン室8内の圧力を変化させることができる。
実施形態に係るクラッチピストン機構1は、ピストン(ピストンシール)10、キャンセラ(キャンセラシール)12、およびリターンスプリング18を備える。
ピストン10は、板金を例えばプレス加工により折り曲げることにより形成されている。ピストン10は、オイル供給路9から供給されるピストン室8内のオイルの圧力の変化に応じて、ピストン室8内を往復移動する。
キャンセラ12も、板金を例えばプレス加工により折り曲げることにより形成されている。キャンセラ12は、ピストン10と対向し、キャンセラ12とピストン10との間にオイル室14が画定されている。オイル室14には、クラッチハウジング2に形成されたオイル供給路15が接続されており、オイル供給路15からオイルが供給される。
キャンセラ12は、クラッチハウジング2に固定されたシールワッシャ(スナップリング)16により支持されており、シールワッシャ16によって図1の下方へのキャンセラ12の移動が規制されている。
リターンスプリング18は、ピストン10に支持されたスプリングリテーナ11と、キャンセラ12に支持されたスプリングリテーナ13に保持されている。リターンスプリング18は、オイル室14の内部に配置されたスプリング(例えばコイルスプリング)であり、キャンセラ12に支持されてピストン10をピストン室8の奥(図1の上方)に向けて押し戻す力を常にピストン10に与えている。オイル供給路9の調整によりピストン室8内のオイルの圧力が増大すると、リターンスプリング18の力に抗して、ピストン10は、図1の下方に移動し、多板クラッチ6を締結し、多板クラッチ6が自動車の動力を伝達可能にする。オイル供給路9の調整によりピストン室8内のオイルの圧力が減少すると、リターンスプリング18の力によって、ピストン10は、ピストン室8の奥に押し戻され、これにより多板クラッチ6の締結が解除され、動力の伝達がされなくなる。このようにピストン10は、クラッチハウジング2およびキャンセラ12に相対的に往復移動する。
図1において、クラッチハウジング2、多板クラッチ6、ピストン10およびキャンセラ12の共通軸線Cを示す。図1は、クラッチハウジング2、多板クラッチ6、ピストン10およびキャンセラ12の左側部分のみを示すが、これらは回転対称な構造を有する。したがって、ピストン10およびキャンセラ12は円環状である。
クラッチハウジング2、ピストン10およびキャンセラ12は、共通軸線Cを中心にして回転する。クラッチハウジング2とピストン10の回転に伴い、ピストン室8内のオイルには遠心力が与えられる。キャンセラ12は、ピストン10にとってピストン室8とは反対側にオイル室14を画定し、ピストン室8内のオイルの遠心力を相殺する遠心力をオイル室14内のオイルに発生させるために設けられている。遠心力の相殺によって、ピストン室8内のオイルの圧力変化に対するピストン10の応答性(ひいては多板クラッチ6の応答性)が向上する。
キャンセラはバランサとも呼ばれる。このようなキャンセラを有するクラッチピストン機構は、ボンデッドピストンシールまたはシールボンデッドピストンと呼ばれる。
ピストン室8内のオイルを封止するため、クラッチピストン機構1は、外側オイルシール20と内側オイルシール22をさらに有する。
外側オイルシール20は、エラストマー材料から形成され、円環形状を有する。外側オイルシール20は、ピストン10の外壁に接合された接合部20aと、接合部20aから径方向外側かつピストン室8の奥(図1の上方)に向けて斜めに突出するシールリップ20bを有する。シールリップ20bは、ピストン室8の外側の壁面に摺動可能に接触する。
内側オイルシール22は、エラストマー材料から形成され、円環形状を有する。内側オイルシール22は、ピストン10の内周端に接合された接合部22aと、接合部22aから径方向内側かつピストン室8の奥に向けて斜めに突出するシールリップ22bを有する。シールリップ22bは、ピストン室8の内側の壁面に摺動可能に接触する。
また、オイル室14内のオイルを封止するため、クラッチピストン機構1は、キャンセラオイルシール24をさらに有する。キャンセラオイルシール24は、エラストマー材料から形成され、円環形状を有し、キャンセラ12の外周端に取り付けられている。キャンセラオイルシール24は、シールリップ36を有しており、シールリップ36は、オイル室14の外側の壁面(すなわちピストン10の内壁面)に摺動可能に接触する。
キャンセラ12の内周端とクラッチハウジング2の間の隙間は、円環状のシールワッシャ16で封止されている。シールワッシャ16の遠心力による直径の膨張を規制するため、シールワッシャ16の周囲にはストッパ26が配置されている。ストッパ26は、キャンセラ12に固定されたキャンセラ12とは別の部材であってもよいし、キャンセラ12に形成された突起であってもよい。円環状のシールワッシャ16に代えて、周方向の一部分が不連続なC字状のシールワッシャを使用して、オイル室14内から少量のオイルが不連続部分を通じて流出するのを許容してもよい。
ピストン10が往復移動するときに、外側オイルシール20のシールリップ20bはピストン室8の外側の壁面に対して摺動し、内側オイルシール22のシールリップ22bはピストン室8の内側の壁面に対して摺動する。また、ピストン10が往復移動するときに、キャンセラオイルシール24のシールリップ36は、ピストン10のオイル室14を形成する内壁面に対して摺動する。
図2は、キャンセラ12の外周端と、キャンセラオイルシール24を拡大して示す断面図である。キャンセラ12は、上記の通り、金属板であり、第1の面12a、第2の面12bおよび外周端縁12cを有する。第1の面12aは、オイル室14の奥(図1の上方)に向けられており、第2の面12bは第1の面12aに対してほぼ平行である。第2の面12bと外周端縁12cが直交するのに対して、第1の面12aの外端12dは円弧状の曲面として形成されて、外周端縁12cに連なっている。
キャンセラオイルシール24は、第1の接合部30、第2の接合部32、連結部34、およびシールリップ36を有する。
第1の接合部30はキャンセラ12の第1の面12aに接合され、第2の接合部32はキャンセラ12の第2の面12bに接合され、連結部34は、第1の接合部30と第2の接合部32を連結し、キャンセラ12の外周端縁12cおよび円弧状の外端12dを覆う。
シールリップ36は、第1の接合部30および連結部34から径方向外側かつオイル室14の奥に向けて斜めに突出する。シールリップ36の最外端には、ピストン10の内壁面に接触するリップエッジ38が形成されている。
第1の接合部30は、第1の面12aに平行な第1の平行部分30aと、第1の平行部分30aから延びる第1のテーパ部分30bを有する。第1のテーパ部分30bは、径方向内側に向かって徐々に小さくなる厚さを有し、第1のテーパ部分30bの内周端縁(第1の内周端縁30c)の厚さはゼロである。
同様に、第2の接合部32は、第2の面12bに平行な第2の平行部分32aと、第2の平行部分32aから延びる第2のテーパ部分32bを有する。第2のテーパ部分32bは、径方向内側に向かって徐々に小さくなる厚さを有し、第2のテーパ部分32bの内周端縁(第2の内周端縁32c)の厚さはゼロである。
第1のテーパ部分30bの第1の内周端縁30cの直径Dは、第2のテーパ部分32bの第2の内周端縁32cの直径Dと等しい。好ましくは、第1のテーパ部分30bの傾斜角θも第2のテーパ部分32bの傾斜角θと等しい。
キャンセラオイルシール24は、図3に示す型40を用いて、プレス成形または射出成形によって形成される。図において、型の型割面の図示は省略する。
まず、金属板であるキャンセラ12の外周端が、型40のキャビティ42に配置されるように、キャンセラ12を型40に固定する。この後、キャビティ42にエラストマー材料を導入し、プレス成形または射出成形によってキャンセラオイルシール24を形成する。
以下、比較例のキャンセラオイルシールと対比して、実施形態に係るキャンセラオイルシール24の効果を説明する。
図4は、キャンセラ12の外周端と、比較例に係るオイルシール44を拡大して示す断面図である。オイルシール44では、キャンセラ12の第1の面12aに接合された第1の接合部30は第1の平行部分30aのみを有し、第1のテーパ部分30bを有しない。また、キャンセラ12の第2の面12bに接合された第2の接合部32は、第2の平行部分32aのみを有し、第2のテーパ部分32bを有しない。他の特徴は、キャンセラオイルシール24と同じである。
比較例に係るオイルシール44は、図5に示す型46を用いて、プレス成形または射出成形によって形成される。形成の手順は、キャンセラオイルシール24の形成の手順と同じである。
比較例に係るオイルシール44では、キャンセラ12の両面に接合された第1の接合部30と第2の接合部32が、平行部分30a,32aのみを有するので、オイルシール44を成形するために、型46内のエラストマー材料に圧力が与えられる時、型46の第1の接合部30を形成する部分、特にコーナー48に応力が集中しやすく、型46の第2の接合部32を形成する部分、特にコーナー49に応力が集中しやすい。多数のオイルシール44を形成することによって、繰り返して応力が集中するとコーナー48,49が破損するおそれがある。したがって、型46の寿命が短いおそれがある。
また、オイルシール44においては、第1の接合部30と第2の接合部32は、第1のテーパ部分30bと第2のテーパ部分32bを有しないので、オイルシール44とキャンセラ12の接合面積が大きく、オイルシール44がキャンセラ12から剥離するおそれがある。
図6は、キャンセラ12の外周端と、他の比較例に係るオイルシール50を拡大して示す断面図である。オイルシール50では、キャンセラ12の第1の面12aに接合された第1の接合部30は、第1の平行部分30aと第1のテーパ部分30bを有する。また、キャンセラ12の第2の面12bに接合された第2の接合部32は、第2の平行部分32aと第2のテーパ部分32bを有する。但し、第1のテーパ部分30bの第1の内周端縁30cの直径Dは、第2のテーパ部分32bの第2の内周端縁32cの直径Dより小さい。他の特徴は、キャンセラオイルシール24と同じである。
比較例に係るオイルシール50は、図7に示す型52を用いて、プレス成形または射出成形によって形成される。形成の手順は、キャンセラオイルシール24の形成の手順と同じである。
比較例に係るオイルシール50では、第1の接合部30の第1のテーパ部分30bの第1の内周端縁30cの直径Dは、第2の接合部32の第2のテーパ部分32bの第2の内周端縁32cの直径Dと異なるので、オイルシール50を成形するために、型52内のエラストマー材料に圧力が与えられる時、型52の第1のテーパ部分30bを形成する部分54に与えられる荷重と、型52の第2のテーパ部分32bを形成する部分55に与えられる荷重が大きく異なり、型52に与えられるモーメントが大きい。したがって、型50の寿命が短いおそれがある。
しかし、実施形態に係るキャンセラオイルシール24においては、キャンセラ12の両面に接合された第1の接合部30と第2の接合部32の各々が、テーパ部分30b,32bを有するので、キャンセラオイルシール24を成形するために、型40内のエラストマー材料に圧力が与えられる時、型40の第1の接合部30を形成する部分と、第2の接合部32を形成する部分に応力が集中しにくい。また、第1の接合部30の第1のテーパ部分30bの第1の内周端縁30cの直径Dが、第2の接合部32の第2のテーパ部分32bの第2の内周端縁32cの直径Dと等しいので、キャンセラオイルシール24を成形するために、型40内のエラストマー材料に圧力が与えられる時、型40の第1のテーパ部分30bを形成する部分に与えられる荷重と、型40の第2のテーパ部分32bを形成する部分に与えられる荷重が近似し、型40に与えられるモーメントが小さい。したがって、オイルシールの成形に使用される型40の寿命を長くすることが可能である。
また、第1のテーパ部分30bと第2のテーパ部分32bは、それぞれキャンセラ12の両面に接合されるので、キャンセラオイルシール24とキャンセラ12の接合面積が大きく、キャンセラオイルシール24がキャンセラ12から剥離しにくい。また、第1の接合部30と第2の接合部32の各々が、テーパ部分30b、32bを有するので、キャンセラオイルシール24を成形する時、キャンセラオイルシール24自体の第1の接合部30と第2の接合部32に応力が集中しにくい。したがって、オイルシール自体の寿命を長くすることが可能である。
以上、本発明の実施形態に係るキャンセラオイルシール24を説明したが、ピストン10に取り付けられた内側オイルシール22に本発明を利用してもよい。図8は、本発明の他の実施形態に係る内側オイルシール22と、ピストン10の内周端を拡大して示す断面図である。ピストン10は、上記の通り、金属板であり、第1の面10a、第2の面10bおよび内周端縁10cを有する。第1の面10aは、ピストン室8の奥(図1の上方)に向けられており、第2の面10bは第1の面10aに対してほぼ平行である。第2の面10bと内周端縁10cが直交するのに対して、第1の面10aの内端10dは円弧状の曲面として形成されて、内周端縁10cに連なっている。
内側オイルシール22は、第1の接合部60、第2の接合部62、連結部64、およびシールリップ66を有する。
第1の接合部60はピストン10の第1の面10aに接合され、第2の接合部62はピストン10の第2の面10bに接合され、連結部64は、第1の接合部60と第2の接合部62を連結し、ピストン10の内周端縁10cおよび円弧状の内端10dを覆う。
シールリップ66は、第1の接合部60および連結部64から径方向内側かつピストン室8の奥に向けて斜めに突出する。シールリップ66の最内端には、クラッチハウジング2に形成されたピストン室8の内側の壁面に接触するリップエッジ68が形成されている。
第1の接合部60は、第1の面10aに平行な第1の平行部分60aと、第1の平行部分60aから延びる第1のテーパ部分60bを有する。第1のテーパ部分60bは、径方向外側に向かって徐々に小さくなる厚さを有し、第1のテーパ部分60bの外周端縁(第1の外周端縁60c)の厚さはゼロである。
同様に、第2の接合部62は、第2の面10bに平行な第2の平行部分62aと、第2の平行部分62aから延びる第2のテーパ部分62bを有する。第2のテーパ部分62bは、径方向外側に向かって徐々に小さくなる厚さを有し、第2のテーパ部分62bの外周端縁(第2の外周端縁62c)の厚さはゼロである。
第1のテーパ部分60bの第1の外周端縁60cの直径Dは、第2のテーパ部分62bの第2の外周端縁62cの直径Dと等しい。好ましくは、第1のテーパ部分60bの傾斜角θも第2のテーパ部分62bの傾斜角θと等しい。
ピストン10に取り付けられた内側オイルシール22に係る実施形態においても、キャンセラオイルシール24の実施形態と類似の効果を達成することができる。この実施形態では、キャンセラ12を省略してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態を参照しながら本発明を図示して説明したが、当業者にとって特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、形式および詳細の変更が可能であることが理解されるであろう。このような変更、改変および修正は本発明の範囲に包含されるはずである。
例えば、シールリップ36およびシールリップ66の形状は、図示の形態に限定されない。
1 クラッチピストン機構
8 ピストン室
10 ピストン(ピストンシール)
10a 第1の面
10b 第2の面
10c 内周端縁
10d 内端
12 キャンセラ(キャンセラシール)
12a 第1の面
12b 第2の面
12c 外周端縁
12d 外端
14 オイル室
22 内側オイルシール
24 キャンセラオイルシール
30 第1の接合部
30a 第1の平行部分
30b 第1のテーパ部分
30c 第1の内周端縁
32 第2の接合部
32a 第2の平行部分
32b 第2のテーパ部分
32c 第2の内周端縁
34 連結部
36 シールリップ
38 リップエッジ
40 型
42 キャビティ
60 第1の接合部
60a 第1の平行部分
60b 第1のテーパ部分
60c 第1の外周端縁
62 第2の接合部
64 連結部
66 シールリップ
62a 第2の平行部分
62b 第2のテーパ部分
62c 第2の外周端縁

Claims (4)

  1. 第1の面と第2の面を有する金属板の外周端または内周端に取り付けられるエラストマー材料製の円環状のオイルシールであって、
    前記金属板の第1の面に接合された第1の接合部と、
    前記金属板の第2の面に接合された第2の接合部と、
    前記第1の接合部と前記第2の接合部を連結し、前記金属板の端縁を覆う連結部と、
    前記第1の接合部および前記連結部から斜めに突出するシールリップを備え、
    前記第1の接合部は、前記第1の面に平行な第1の平行部分と、前記第1の平行部分から徐々に厚さが小さくなるように延びる第1のテーパ部分を有し、前記第1のテーパ部分は厚さがゼロである第1の端縁を有し、
    前記第2の接合部は、前記第2の面に平行な第2の平行部分と、前記第2の平行部分から徐々に厚さが小さくなるように延びる第2のテーパ部分を有し、前記第2のテーパ部分は厚さがゼロである第2の端縁を有し、
    前記第1のテーパ部分の第1の端縁の直径が前記第2のテーパ部分の第2の端縁の直径と等しいことを特徴とする
    オイルシール。
  2. オイルが流入するピストン室内を往復移動するピストンと、
    前記ピストンと対向し、前記ピストンとの間にオイル室を画定する、前記金属板であるキャンセラと、
    前記キャンセラに取り付けられて、前記オイル室内のオイルを封止する請求項1に記載のオイルシールであって、前記ピストンが往復移動するときに、前記シールリップが前記ピストンの前記オイル室を形成する内壁面に対して摺動するオイルシールを備える
    ことを特徴とするクラッチピストン機構。
  3. オイルが流入するピストン室内を往復移動する、前記金属板であるピストンと、
    前記ピストンに取り付けられて、前記ピストン室内のオイルを封止する請求項1に記載のオイルシールであって、前記ピストンが往復移動するときに、前記シールリップが前記ピストン室の壁面に対して摺動するオイルシールを備える
    ことを特徴とするクラッチピストン機構。
  4. 請求項1に記載のオイルシールの製造方法であって、
    前記金属板の外周端または内周端が、前記オイルシールを成形する型のキャビティに配置されるように、前記金属板を前記型に固定することと、
    前記キャビティにエラストマー材料を導入し、前記オイルシールを成形することを有する
    オイルシールの製造方法。
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