JP2022158896A - 保護フィルム - Google Patents

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裕 大矢
Yutaka Oya
智紀 松井
Tomonori Matsui
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Abstract

Figure 2022158896000001
【課題】樹脂基板に施される加工の種類に応じて、樹脂基板に対する密着力の大きさを選択することが可能な保護フィルムを提供すること。
【解決手段】本発明の保護フィルム10は、樹脂基板21を熱曲げ加工を施す際に、樹脂基板21に貼付して用いられ、基材層と、該基材層と前記樹脂基板との間に位置して、前記樹脂基板に粘着する粘着層とを有し、前記基材層は、前記粘着層の反対側に位置する第1の層と、前記粘着層側に位置する第2の層とを有する積層体で構成されており、前記粘着層は、粘着性を有するポリオレフィンを主材料として含有し、異なる2つ以上の融点を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂基板を、加熱下で熱曲げ加工を施す際に、樹脂基板に貼付して用いられる保護フィルムに関する。
ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂またはセルロース樹脂で構成される被覆層で偏光子の両面を被覆した構成をなす樹脂基板を備えるサングラス用レンズは、例えば、平面視で平板状をなす前記樹脂基板の両面に保護フィルムを貼付した状態で、平面視で円形状等の所定の形状に、前記樹脂基板を打ち抜き、その後、この樹脂基板を加熱下で熱曲げ加工を施す。そして、熱曲げがなされた樹脂基板から、保護フィルムを剥離させた後に、この樹脂基板の凹面にポリカーボネート層を射出成形することで製造される。
この保護フィルムとして、例えば、ポリオレフィン系樹脂を主材料とする基材を、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体等を主材料とする粘着層を介して、前記樹脂基板に対して貼付する構成のものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、以上のような、樹脂基板の打ち抜きや、樹脂基板の熱曲げ加工等の複数の加工が樹脂基板に対して施され、これらの加工時において、保護フィルムは、樹脂基板に貼付された状態、すなわち積層体を形成した状態で実施される。
そして、これらの加工時において、保護フィルムは、樹脂基板から剥離することなく、積層体を形成した状態を安定的に維持することが求められるが、各加工時における条件等が異なるため、当然、保護フィルムと樹脂基板との間で求められる密着力の大きさについても同様に異なってくる。すなわち、保護フィルムは、必要とされる、樹脂基板に対する密着力の大きさが、各種加工に応じて異なってくるが、このように、各種加工に応じて、樹脂基板に対する密着力の大きさを選択することが可能な、使い勝手に優れた保護フィルムは、存在しないのが実情であった。
なお、このような問題は、上述したサングラス用レンズばかりでなく、ゴーグルが備えるレンズ、ヘルメットが備えるバイザー等の樹脂基板についても同様に生じている。
特開2003-145616号公報
本発明の目的は、樹脂基板に施される加工の種類に応じて、樹脂基板に対する密着力の大きさを選択することが可能な保護フィルムを提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(13)に記載の本発明により達成される。
(1) 樹脂基板を、加熱下で熱曲げ加工を施す際に、前記樹脂基板に貼付して用いられる保護フィルムであって、
基材層と、
該基材層と前記樹脂基板との間に位置して、前記樹脂基板に粘着する粘着層とを有し、
前記基材層は、前記粘着層の反対側に位置する第1の層と、前記粘着層側に位置する第2の層とを有する積層体で構成されており、
前記粘着層は、粘着性を有するポリオレフィンを主材料として含有し、異なる2つ以上の融点を有することを特徴とする保護フィルム。
(2) 前記粘着層は、その構成材料として、異なる融点を有するものを少なくとも2種以上含む上記(1)に記載の保護フィルム。
(3) 前記構成材料のうち、最低の融点を有する前記構成材料の融点と、最高の融点を有する前記構成材料の融点との差は、5℃以上80℃以下である上記(1)または(2)に記載の保護フィルム。
(4) 最低の融点を有する前記構成材料の融点は、60℃以上130℃以下である上記(3)に記載の保護フィルム。
(5) 最高の融点を有する前記構成材料の融点は、80℃以上160℃以下である上記(3)または(4)に記載の保護フィルム。
(6) JIS Z 0273:2009に準拠して、ポリカーボネート基板上に当該保護フィルムを、圧力5880N/mのかかったゴムロールで2m/分の速度で圧着することにより貼付し、次いで、100℃、30分の条件による加熱後、23℃に冷却させた後に、当該保護フィルムを長さ100mm・幅25mmの大きさに切断し、その後、切断した当該保護フィルムの一端を持ち、90°の方向にて200mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が0.05N/25mm以上0.6N/25mm以下となる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の保護フィルム。
(7) JIS Z 0273:2009に準拠して、ポリカーボネート基板上に当該保護フィルムを、圧力5880N/mのかかったゴムロールで2m/分の速度で圧着することにより貼付し、次いで、145℃、30分の条件による加熱後、23℃に冷却させた後に、当該保護フィルムを長さ100mm・幅25mmの大きさに切断し、その後、切断した当該保護フィルムの一端を持ち、90°の方向にて200mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が0.15N/25mm以上1.5N/25mm以下となる上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の保護フィルム。
(8) 前記第1の層は、熱可塑性樹脂を主材料として含有する融点が150℃以上のものであり、前記第2の層は、熱可塑性樹脂を主材料として含有する融点が120℃以上のものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の保護フィルム。
(9) 前記第1の層が含有する前記熱可塑性樹脂と、前記第2の層が含有する前記熱可塑性樹脂とは、ともにポリオレフィンである上記(8)に記載の保護フィルム。
(10) 前記樹脂基板の両面に貼付される上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の保護フィルム。
(11) 前記樹脂基板は、両面、一方の面または他方の面に、ポリカーボネート樹脂層、ポリアミド樹脂層およびセルロース樹脂層のうちの少なくとも1層を有する単層体または積層体で構成される被覆層を備える上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の保護フィルム。
(12) 前記樹脂基板は、プレス成形または真空成形により、前記熱曲げ加工が施される上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の保護フィルム。
(13) 前記樹脂基板を、加熱下で前記熱曲げ加工を施す際の加熱温度は、110℃以上160℃以下である上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の保護フィルム。
本発明によれば、保護フィルムが備える粘着層は、粘着性を有するポリオレフィンを主材料として含有し、異なる2つ以上の融点を有するもので構成される。このように、粘着層を、異なる2つ以上の融点を有するものとすることで、保護フィルムを、樹脂基板に施される加工の種類に応じて、樹脂基板に対する密着力の大きさを選択することが可能なものとし得る。
保護フィルムを用いたサングラス用レンズの製造方法を説明するための模式図である。 本発明の保護フィルムの好適実施形態を示す縦断面図である。
以下、本発明の保護フィルムを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本明細書中における主材料とは、各層において、50重量%以上含まれている構成材料のことを指し、例えば、「第1の層16は、その主材料として熱可塑性樹脂を含有している。」とは、第1の層16の総重量を100重量%とした場合、第1の層16に含まれる熱可塑性樹脂が50重量%以上を、第1の層16において占めていることを指す。
本発明の保護フィルムは、樹脂基板を、加熱下で熱曲げ加工を施す際に、前記樹脂基板に貼付して用いられる保護フィルムであり、基材層と、該基材層と前記樹脂基板との間に位置して、前記樹脂基板に粘着する粘着層とを有し、前記基材層は、前記粘着層の反対側に位置する第1の層と、前記粘着層側に位置する第2の層とを有する積層体で構成されており、前記粘着層は、粘着性を有するポリオレフィンを主材料として含有し、異なる2つ以上の融点を有することを特徴とする。
保護フィルムを、かかる構成をなすものとすること、すなわち、保護フィルムが備える粘着層を、異なる2つ以上の融点を有するものとすることで、保護フィルムを、樹脂基板に施される加工の種類に応じて、樹脂基板に対する密着力の大きさを選択することが可能なものとし得る。
以下、本発明の保護フィルムを、説明するのに先立って、本発明の保護フィルムを用いて製造される、サングラス用レンズの製造方法について説明する。
<サングラス用レンズの製造方法>
図1は、保護フィルムを用いたサングラス用レンズの製造方法を説明するための模式図である。なお、以下では、説明の都合上、図1の上側を「上」、下側を「下」と言う。
以下、サングラス用レンズの製造方法の各工程を詳述する。
[1]まず、平板状をなす樹脂基板21を用意し、この樹脂基板21の両面に、保護フィルム10(マスキングテープ)を貼付することで、樹脂基板21の両面に保護フィルム10が貼付された積層体100を得る(図1(a)参照)。
なお、本実施形態では、樹脂基板21として、偏光していない自然光から、所定の一方向に偏光面をもつ直線偏光を取出す光学素子として機能する偏光子23を、その両面を被覆層24で被覆したものが用意される。なお、この樹脂基板21において、被覆層24は、ポリカーボネート樹脂層、ポリアミド樹脂層、および、トリアセチルセルロースのようなセルロース樹脂層のうちの少なくとも1層を有する単層体または積層体で構成され、さらに、被覆層24は、偏光子23の両面(双方の面)に形成される場合の他、上面(一方の面)および下面(他方の面)のうちのいずれかに形成されるものであってもよい。
[2]次に、図1(b)に示すように、用意した積層体100を、すなわち、樹脂基板21の両面に保護フィルム10を貼付した状態で樹脂基板21を、その厚さ方向に打ち抜くことで、積層体100を平面視で円形状をなすものとする。
[3]次に、図1(c)に示すように、円形状とされた積層体100に対して、加熱下で熱曲げ加工を施す。
この熱曲げ加工は、通常、金型を用いたプレス成形または真空成形(レマ成形)により実施される。
この際の積層体100(樹脂基板21)の加熱温度(成形温度)は、前述の通り、本実施形態では、樹脂基板21が被覆層24を備え、被覆層24が、ポリカーボネート樹脂層、ポリアミド樹脂層、および、セルロース樹脂層のうちの少なくとも1層を有する単層体または積層体で構成されているため、被覆層24の溶融または軟化温度を考慮して、好ましくは110℃以上160℃以下程度、より好ましくは140℃以上150℃以下程度に設定される。加熱温度をかかる範囲内に設定することにより、樹脂基板21の変質・劣化を防止しつつ、樹脂基板21を軟化または溶融状態として、樹脂基板21を確実に熱曲げすることができる。
[4]次に、図1(d)に示すように、熱曲げがなされた樹脂基板21すなわち積層体100から、保護フィルム10を剥離させた後、この樹脂基板21の凹面にポリカーボネート樹脂で構成されるポリカーボネート層30を射出成形する。なお、樹脂基板21の凹面には、ポリカーボネート層30に代えて、ポリアミド樹脂で構成されるポリアミド層を形成してもよい。
これにより、熱曲げがなされた樹脂基板21を備えるサングラス用レンズ200が製造される。
ここで、上記のような、サングラス用レンズの製造方法では、前記工程[2]における、樹脂基板21の厚さ方向に対する打ち抜き加工、および、前記工程[3]における、樹脂基板21の熱曲げ加工が、樹脂基板21の両面に保護フィルム10が貼付された積層体100の状態で実施される。
そして、これら前記工程[2]および前記工程[3]における加工時において、保護フィルム10は、樹脂基板21から剥離することなく積層体100を形成した状態を安定的に維持することが求められるが、前記工程[2]および前記工程[3]の各加工時における条件等が異なるため、当然、保護フィルム10と樹脂基板21との間で求められる密着力の大きさについても同様に異なってくる。
これに対して、本発明では、保護フィルム10は、粘着層11として、粘着性を有するポリオレフィンを主材料として含有し、異なる2つ以上の融点を有するものを備えている。
このように、粘着層11は、異なる2つ以上の融点を有しているため、前記工程[2]および前記工程[3]の加工時、または加工前に施す加熱処理の加熱温度を適宜選択することで、前記工程[2]および前記工程[3]の各加工時における、樹脂基板に対する密着力の大きさを選択することが可能となる。以下、この保護フィルム10(本発明の保護フィルム)について詳述する。
<保護フィルム10>
図2は、本発明の保護フィルムの好適実施形態を示す縦断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図2の上側を「上」、下側を「下」と言う。
保護フィルム10は、基材層15と、この基材層15と樹脂基板21との間に位置し、樹脂基板21に粘着(接合)する粘着層11とを有し、図2に示すように、基材層15は、粘着層11の反対側、すなわち、成形型側に位置する第1の層16と、粘着層11側、すなわち、樹脂基板21側に位置する第2の層17とを有している。
以下、これら各層について詳述する。
<<粘着層11>>
粘着層11は、基材層15と樹脂基板21との間に位置(介在)し、樹脂基板21に粘着することで、基材層15を樹脂基板21に接合するためのものである。
この粘着層11は、樹脂基板21から保護フィルム10を剥離させることなく前記工程[2]および前記工程[3]における樹脂基板21の打ち抜きおよび熱曲げを実施することができるとともに、前記工程[4]における樹脂基板21からの保護フィルム10の剥離を実施し得るものが好ましく用いられる。
この粘着層11は、本発明では、粘着性を有するポリオレフィン系樹脂を主材料として含有するものであり、例えば、ポリオレフィン系樹脂が単独で粘着層11に含まれる構成のもの、または、ポリオレフィン系樹脂とエラストマーとの組み合わせで粘着層11に含まれる構成のものであることが好ましい。粘着層11を、かかる構成をなすものとすることで、粘着層11としての機能を確実に発揮させることができる。
また、粘着性を有するポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレンの単独重合体(ホモポリマー)、ポリエチレンの単独重合体、EPR相(ゴム相)を備えるプロピレン-エチレンブロック共重合体、エチレン-酢酸ビニルブロック共重合体、エチレン-エチルアクリレートブロック共重合体、エチレン-メチルメタクリレートブロック共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、中でも、ポリエチレンの単独重合体(ホモポリマー)であることが好ましい。ポリエチレンの単独重合体は、比較的安価に入手することができる。また、ポリエチレンの単独重合体であれば粘着層11に透明性を付与することができる。そのため、基材層15も同様に透明性を有している場合には、保護フィルム10が透明性を備えるものとなる。したがって、前記工程[1]における保護フィルム10の樹脂基板21への貼付の際に、ホコリ等のゴミが保護フィルム10と樹脂基板21との間に介在しているか否かを視認し得ることから、前記工程[2]以降にゴミが介在している積層体100が移行するのを確実に防止することができるため、結果として、得られるサングラス用レンズ200の歩留まりの向上が図られる。
このポリエチレンの単独重合体としては、特に限定されないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。本発明において使用するのに好適な直鎖状低密度ポリエチレン樹脂としては、例えば、宇部丸善ポリエチレン株式会社製の、ユメリット2525F、ユメリット1520F等の「ユメリット(R)」や、住友化学株式会社製の「スミカセン(R)」等が挙げられる。
また、エラストマーとしては、特に限定されないが、例えば、α-ポリオレフィン系樹脂/ポリエチレン共重合体エラストマー、α-ポリオレフィン系樹脂/ポリプロピレン共重合体エラストマー、α-ポリオレフィン系樹脂/ポリブテン共重合体エラストマー、スチレンブロックエラストマー等が挙げられ、中でも、スチレンブロックエラストマーであることが好ましく、特に、スチレン-オレフィン-スチレンブロック共重合体エラストマーであることが好ましい。このように、ポリオレフィン系樹脂の他に、さらにエラストマーが含まれることにより、前記工程[4]における樹脂基板21からの保護フィルム10の剥離の際に、樹脂基板21に粘着層11が残存すること、すなわち、樹脂基板21における糊残りの発生を的確に抑制または防止することができるため、樹脂基板21からの保護フィルム10の剥離をより円滑に行うことができる。そして、エラストマーを、モノマー成分としてスチレンを含むものとすることで、前記工程[4]において、樹脂基板21に糊残りが発生するのをより的確に抑制または防止することができる。
なお、α-ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-ブテン、1-ペンテンおよび1-ヘプテン等が挙げられる。
また、エラストマーとして、スチレン-オレフィン-スチレンブロック共重合体エラストマーを用いる場合、エラストマーにおけるスチレンの含有量は、25重量%以下であることが好ましく、10重量%以上18重量%以下であることがより好ましい。これにより、スチレン含有量が高くなることに起因して、粘着層11の硬度の上昇を招くのを的確に抑制または防止することができる。そのため、粘着層11の樹脂基板21(被覆層24)に対する密着力を確実に維持しつつ、樹脂基板21に糊残りが発生するのをより的確に抑制または防止することができる。
さらに、スチレン-オレフィン-スチレンブロック共重合体としては、例えば、スチレン-イソブチレン-スチレンブロック共重合体(SIBS)、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-イソプレン-スチレン共重合体(SIS)等が挙げられるが、中でも、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)であることが好ましい。スチレン-オレフィン-スチレンブロック共重合体として、SEBSを選択することにより、エラストマーにおけるスチレンの含有量を、容易に25重量%以下に設定することができ、前述した効果を確実に得ることができる。
また、粘着層11にエラストマーが含まれる場合、粘着層11における、エラストマーの含有量は、特に限定されないが、好ましくは1重量%以上30重量%以下、より好ましくは5重量%以上15重量%以下に設定される。これにより、粘着層11に、エラストマーを含有させることにより得られる効果を、より顕著に発揮させることができる。
また、粘着層11にエラストマーが含まれる場合、エラストマーの融点は、特に限定されないが、好ましくは150℃以下、より好ましくは120℃以下、さらに好ましくは40℃以上100℃以下に設定される。これにより、粘着層11に、エラストマーを含有させることにより得られる効果を、より顕著に発揮させることができる。
かかる構成をなす粘着層11において、本明細書では、粘着層11の融点とは、粘着層11に含まれる各構成材料の融点に応じて決定され、例えば、異なる融点(DSC測定によるピーク温度)を有する構成材料が2種含まれる場合、粘着層11は、異なる2つの融点を有していると言い、また、異なる融点を有する構成材料が3種含まれる場合、粘着層11は、異なる3つの融点を有していると言うこととする。すなわち、異なる融点を有する構成材料が2種以上含まれる場合、粘着層11は、異なる2つ以上の融点を有していると言うことができる。
粘着層11は、上記のようにして決定される融点として、本発明では、異なる2つ以上の高さのものを有している。そのため、前記工程[2]および前記工程[3]の加工時、または加工前に施す加熱処理の加熱温度を適宜選択することで、前記工程[2]および前記工程[3]の各加工時における、粘着層11(保護フィルム10)の樹脂基板21に対する密着力の大きさを選択することが可能となる。したがって、前記工程[2]の打ち抜き加工および前記工程[3]の熱曲げ加工等の各加工時において、保護フィルム10と樹脂基板21との間で求められる密着力の大きさに応じて、その大きさを設定することができる。
粘着層11は、その構成材料として、上記の通り、異なる融点を有するものを少なくとも2種以上含むことで、異なる少なくとも2つ以上の融点を有しているものとし得るが、この場合、最低の融点を有する構成材料の融点と、最高の融点を有する構成材料の融点との差は、5℃以上80℃以下であることが好ましく、15℃以上60℃以下であることがより好ましい。
また、このとき、最低の融点を有する構成材料の融点は、60℃以上130℃以下であることが好ましく、70℃以上110℃以下であることがより好ましい。さらに、最高の融点を有する構成材料の融点は、80℃以上160℃以下であることが好ましく、90℃以上135℃以下であることがより好ましい。
最低の融点を有する構成材料の融点と最高の融点を有する構成材料の融点との差、最低の融点を有する構成材料の融点、および、最高の融点を有する構成材料の融点を、それぞれ、前記範囲内に設定することにより、粘着層11を異なる少なくとも2つ以上の融点を有するものとすることで得られる効果をより顕著に発揮させることができる。
また、粘着層11が、構成材料として異なる融点を有するものを少なくとも2種以上含むことで、異なる少なくとも2つ以上の融点を有している場合、この構成材料の組み合わせとしては、特に限定されないが、具体的には、ポリオレフィン系樹脂とエラストマーとの組み合わせ、ポリオレフィン系樹脂同士の組み合わせが挙げられる。また、ポリオレフィン系樹脂同士の組み合わせとしては、ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレンの単独重合体を用いる場合、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)同士の組み合わせ、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)同士の組み合わせ、低密度ポリエチレン(LDPE)と直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)との組み合わせ等が挙げられ、ポリオレフィン系樹脂として1つのポリエチレンの単独重合体を含む場合、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)との組み合わせ、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)との組み合わせ、高密度ポリエチレン(HDPE)と、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)との組み合わせ等が挙げられる。さらに、ポリオレフィン系樹脂とエラストマーとの組み合わせとしては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、α-ポリオレフィン系樹脂/ポリエチレン共重合体エラストマー、α-ポリオレフィン系樹脂/ポリプロピレン共重合体エラストマーおよびα-ポリオレフィン系樹脂/ポリブテン共重合体エラストマーのうちの1種との組み合わせ等が挙げられる。
さらに、粘着層11が、構成材料として異なる融点を有するものを少なくとも2種以上含むことで、粘着層11を、異なる少なくとも2つ以上の融点を有するものとする場合の他、異なる2つの融点を有する構成材料を少なくとも1種、粘着層11が含むことによっても、粘着層11を、異なる少なくとも2つ以上の融点を有するものとし得る。
このように、1つの構成材料において、異なる2つの融点を有するものとしては、ポリエチレンの単独重合体においては、例えば、99℃と114℃との融点を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、97℃と113℃との融点を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、99℃と114℃との融点を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、87℃と111℃との融点を有する超低密度ポリエチレン(VLDPE)、97℃と113℃との融点を有するVLDPE、99℃と114℃との融点を有するVLDPE等が挙げられる。
かかる構成をなす粘着層11を備える保護フィルム10は、JIS Z 0273:2009に準拠して、ポリカーボネート基板上に保護フィルム10を、圧力5880N/mのかかったゴムロールで2m/分の速度で圧着することにより貼付し、次いで、100℃、30分の条件による加熱後、23℃に冷却させた後に、保護フィルム10を長さ100mm・幅25mmの大きさに切断し、その後、切断した保護フィルム10の一端を持ち、90°の方向にて200mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Tが0.05N/25mm以上0.6N/25mm以下であることが好ましく、0.1N/25mm以上0.5N/25mm以下であることがより好ましい。ここで、前記工程[2]では、通常、常温~100℃程度の温度条件で、樹脂基板21の打ち抜き加工が積層体100とした状態で実施される。そのため、100℃で加熱された後の前記ピール強度Tが前記範囲内に設定されることにより、前記工程[2]において、樹脂基板21(積層体100)から保護フィルム10が剥離されたり、積層体100において保護フィルム10にシワが生じたりするのを、的確に抑制または防止することができる。
また、保護フィルム10は、JIS Z 0273:2009に準拠して、ポリカーボネート基板上に保護フィルム10を、圧力5880N/mのかかったゴムロールで2m/分の速度で圧着することにより貼付し、次いで、145℃、30分の条件による加熱後、23℃に冷却させた後に、保護フィルム10を長さ100mm・幅25mmの大きさに切断し、その後、切断した保護フィルム10の一端を持ち、90°の方向にて200mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度Tが0.15N/25mm以上1.5N/25mm以下であることが好ましく、0.3N/25mm以上1.0N/25mm以下であることがより好ましい。ここで、前記工程[3]では、前述の通り、110℃~160℃程度の温度条件で、樹脂基板21の熱曲げ加工が積層体100とした状態で実施される。そのため、145℃で加熱された後の前記ピール強度Tが前記範囲内に設定されることにより、前記工程[3]において、樹脂基板21(積層体100)から保護フィルム10が剥離されたり、積層体100において保護フィルム10にシワが生じたりするのを、的確に抑制または防止することができる。また、ピール強度を前記上限値以下に設定することで、前記工程[3]を施した後の前記工程[4]において、樹脂基板21の表面に粘着層11が糊残りするのを的確に抑制または防止しつつ、比較的容易に樹脂基板21から保護フィルム10を剥離させることができる。
上記の通り、保護フィルム10は、100℃のように比較的低い加熱温度で粘着層11の加熱処理を施すことで、145℃のように比較的高い加熱温度で粘着層11の加熱処理を施した場合と比較して、粘着層11(保護フィルム10)の樹脂基板21に対する密着力の大きさを低く設定することができる。すなわち、粘着層11に施す加熱温度を適宜選択することで、粘着層11(保護フィルム10)の樹脂基板21に対する密着力の大きさを選択することができる。
この密着力の大きさの違いは、例えば、保護フィルム10の100℃の加熱温度における密着力としてのピール強度Tと、保護フィルム10の145℃の加熱温度における密着力としてのピール強度Tとの比(T/T)の大きさで表したとき、比(T/T)の大きさが2.0以上4.5以下程度であるのが好ましく、3.0以上4.5以下程度であるのがより好ましい。これにより、粘着層11に施す加熱温度を適宜選択することで、粘着層11(保護フィルム10)の樹脂基板21に対する密着力の大きさを、比較的容易に選択することができる。
また、粘着層11は、その平均厚さが5μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上20μm以下であることがより好ましい。これにより、前述した粘着層11としての機能を確実に発揮させることができる。
<<基材層15>>
基材層15は、粘着層11を介して樹脂基板21(被覆層24)に接合し、前記工程[2]および前記工程[3]における樹脂基板21の打ち抜きおよび熱曲げの際に、樹脂基板21を保護(マスキング)し、前記工程[3]における熱曲げの後に、熱曲げに用いた金型から樹脂基板21(保護フィルム10)を剥離(離脱)させるための保護層(機能層)として機能するものである。
また、前記工程[4]において、熱曲げがなされた樹脂基板21から、保護フィルム10を剥離させる際に、基材層15と粘着層11との間で剥離が生じることなく、粘着層11に対して、優れた密着性を発揮するためのものである。
基材層15は、これらの機能を基材層15に発揮させるために、本発明では、図2に示すように、粘着層11の反対側、すなわち、成形型側に位置する第1の層16と、粘着層11側、すなわち、樹脂基板21側に位置する第2の層17とを有する積層体で構成される。
以下、これら第1の層16および第2の層17について説明する。
<<第1の層16>>
第1の層16は、粘着層11の反対側に位置して、前記工程[2]および前記工程[3]における樹脂基板21の打ち抜きおよび熱曲げの際に、樹脂基板21を保護(マスキング)するための最外層として機能するものである。
この第1の層16は、前記工程[3]における熱曲げの後に、成形型からの優れた離脱性を維持させること、すなわち、成形型(金型)に第1の層16を密着させないことを目的に、第1の層16の融点は、150℃以上であることが好ましく、155℃以上170℃以下程度であることがより好ましい。ここで、前述の通り、前記工程[3]における熱曲げの際の被覆層24(樹脂基板21)の加熱温度は、好ましくは、110℃以上160℃以下程度に設定される。そのため、第1の層16の融点を前記の通り設定することにより、前記工程[3]における熱曲げの際に、第1の層16が溶融または軟化状態となるのを確実に防止することができるため、前記工程[3]における熱曲げの後に、成形型から確実に積層体100を離脱させることができる。
このような第1の層16は、その主材料として、融点が好ましくは150℃以上である熱可塑性樹脂、より好ましくは155℃以上170℃以下程度である熱可塑性樹脂を含有している。これにより、第1の層16の融点を比較的容易に150℃以上に設定することができる。そのため、前記工程[3]における熱曲げの後に、成形型からの積層体100の優れた離脱性を維持することができる。
なお、本明細書において、基材層15を構成する第1の層16および第2の層17の各層の融点とは、それぞれ、各層に含まれる各構成材料の融点(DSC測定によるピーク温度)に、各構成材料が含まれる比率を乗じたものの和により求められた値を融点とする。
また、後述する第2の層17も150℃以上の熱可塑性樹脂を含む構成とした際には、第1の層16と第2の層17とをより優れた密着性を有するものとし得る。そのため、前記工程[4]において、熱曲げがなされた樹脂基板21から、保護フィルム10を剥離させる際に、第1の層16と第2の層17との間おいて剥離が生じるのを的確に抑制または防止することができる。
さらに、第1の層16は、150℃以上の熱可塑性樹脂として、150℃以上のポリオレフィン系樹脂が単独で第1の層16に含まれる構成のものであるのが好ましい。150℃以上のポリオレフィン系樹脂は、150℃以上の熱可塑性樹脂として、比較的容易かつ安価に入手することができる。
また、融点が150℃以上のポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレンの単独重合体(ホモポリマー)、ポリエチレンの単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体等のうち融点が150℃以上のものが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、中でも、融点が150℃以上のポリプロピレンの単独重合体(ホモポリマー)であることが好ましい。これにより、融点が150℃以上のポリオレフィン系樹脂を容易かつ安価に入手することができる。また、第1の層16に透明性を付与することができる。そのため、第2の層17および粘着層11も同様に透明性を有している場合には、保護フィルム10が透明性を備えるものとなる。したがって、前記工程[1]における保護フィルム10の樹脂基板21への貼付の際、および、前記工程[2]に先立った保護フィルム10の樹脂基板21への再貼付の際に、ホコリ等のゴミが保護フィルム10と樹脂基板21との間に介在しているか否かを視認し得ることから、前記工程[2]以降にゴミが介在している積層体100が移行するのを確実に防止することができるため、結果として、得られるサングラス用レンズ200の歩留まりの向上が図られる。
なお、前記共重合体は、ブロック共重合体およびランダム共重合体のうちの何れであってもよい。
また、第1の層16は、その平均厚さが2μm以上40μm以下であることが好ましく、5μm以上25μm以下であることがより好ましい。これにより、前述した第1の層16としての機能を確実に発揮させることができる。
<<第2の層17>>
第2の層17は、粘着層11側、すなわち、樹脂基板21側に位置することで、粘着層11と第1の層16との間に位置して、これら同士を接合する中間層として機能するものである。
この第2の層17は、前記機能を発揮するために、接着性(粘着性)を有する熱可塑性樹脂を主材料として含有しており、これにより、粘着層11と第1の層16とを、第2の層17を介して、優れた密着性をもって接合することができる。そのため、前記工程[4]において、保護フィルム10を樹脂基板21から剥離させる際に、粘着層11と第2の層17との間、および、第1の層16と第2の層17との間で剥離が生じるのが的確に抑制または防止される。したがって、前記工程[2]における、樹脂基板21の打ち抜き時に、打ち抜くことで形成された樹脂基板21の切断面で、粘着層11が樹脂基板21側に伸びるヒゲが生じたとしても、このヒゲが樹脂基板21の切断面に残存するのを的確に抑制または防止した状態で、保護フィルム10(粘着層11)を樹脂基板21から剥離させることができる。
接着性を有する熱可塑性樹脂(接着性樹脂)としては、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン系樹脂、エラストマー、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、接着性を有するポリオレフィン系樹脂およびエラストマーであることが好ましい。また、粘着層11にエラストマーが含まれる場合には、特に、ポリオレフィン系樹脂とエラストマーとの組み合わせであることが好ましい。これにより、粘着層11と第2の層17との間の密着性の向上を図り、粘着層11と第2の層17との間において剥離が生じるのを的確に抑制または防止することができる。
また、ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-無水マレイン酸共重合体、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-エチルアクリル酸共重合体(EEA)、エチレン-メタクリレート-グリシジルアクリレート三元共重合体の他、各種ポリオレフィン系樹脂に、アクリル酸、メタクリル酸等の一塩基性不飽和脂肪酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の二塩基性不飽和脂肪酸またはこれらの無水物をグラフトさせたグラフト化物、各種ポリオレフィン系樹脂に、カルボン酸基、水酸基、アミノ基、酸無水物基、オキサゾリン基、エポキシ基のような官能基が導入された官能基導入物が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、前記グラフト化物としては、例えば、マレイン酸グラフト化EVA、マレイン酸グラフト化エチレン-α-ポリオレフィン系樹脂共重合体等が挙げられる。
さらに、エラストマーとしては、粘着層11に含まれるエラストマーとして説明したのと同様のものを用いることができ、中でも、スチレンブロックエラストマーであることが好ましく、特に、スチレン-オレフィン-スチレンブロック共重合体エラストマーであることが好ましい。このように、エラストマーを、モノマー成分としてスチレンを含むものとすることで、第2の層17の粘着層11に対する密着性の向上が図られるため、前記工程[4]において、樹脂基板21に糊残りが発生するのをより的確に抑制または防止することができる。
また、第2の層17は、その構成材料として、接着性を有する熱可塑性樹脂の他に、非接着性を有する熱可塑性樹脂(非接着性樹脂)を含有していてもよい。非接着性を有する熱可塑性樹脂は、第1の層16に含まれる融点が150℃以上のポリオレフィン系樹脂に対して優れた親和性を示すことから、第1の層16と第2の層17との密着性の向上を図ることができる。そのため、前記工程[4]において、樹脂基板21から保護フィルム10を剥離させる際に、第1の層16と第2の層17と間で剥離が生じるのを的確に抑制または防止することができる。
非接着性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも、ポリオレフィン系樹脂であることが好ましく、融点が150℃以上のポリオレフィン系樹脂であることがより好ましい。これにより、前記効果をより顕著に発揮させることができる。
また、ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリプロピレンの単独重合体(ホモポリマー)、ポリエチレンの単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチルアクリレート共重合体、エチレン-メチルメタクリレート共重合体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、中でも、ポリプロピレンの単独重合体(ホモポリマー)であることが好ましい。これにより、ポリオレフィン系樹脂を容易かつ安価に入手することができる。また、第2の層17に透明性を付与することができる。そのため、第1の層16および粘着層11も同様に透明性を有している場合には、保護フィルム10が透明性を備えるものとなる。したがって、前記工程[1]における保護フィルム10の樹脂基板21への貼付の際、および、前記工程[2]に先立った保護フィルム10の樹脂基板21への再貼付の際に、ホコリ等のゴミが保護フィルム10と樹脂基板21との間に介在しているか否かを視認し得ることから、前記工程[2]以降にゴミが介在している積層体100が移行するのを確実に防止することができるため、結果として、得られるサングラス用レンズ200の歩留まりの向上が図られる。
さらに、融点が150℃以上のポリオレフィン系樹脂の融点は、155℃以上170℃以下であることが好ましい。
なお、前記共重合体は、ブロック共重合体およびランダム共重合体のうちの何れであってもよい。ただし、融点が150℃以上のポリオレフィン系樹脂は、一般的に、単独で、接着性を有しないため非接着性を有する熱可塑性樹脂として用いられるが、例えば、プロピレン-エチレンランダム共重合体(融点:151℃)は、接着性を有するため、接着性を有する熱可塑性樹脂として用いられる。
以上のことから、第2の層17が非接着性を有する熱可塑性樹脂を含む場合、接着性を有する熱可塑性樹脂と非接着性を有する熱可塑性樹脂とは、エラストマーと、融点が150℃以上のポリオレフィン系樹脂とが好ましい組み合わせである。かかる組み合わせとすることで、粘着層11と第2の層17との間、および、第1の層16と第2の層17との間で剥離が生じるのを的確に抑制または防止することができる。
以上のような構成をなす第2の層17は、その融点が120℃以上であることが好ましい。ここで、前述の通り、前記工程[3]における熱曲げの際の被覆層24(樹脂基板21)の加熱温度は、好ましくは、110℃以上160℃以下程度に設定される。そのため、第2の層17の融点を120℃以上150℃未満に設定した際には、前記工程[3]における熱曲げのときに、第2の層17を比較的容易に溶融または軟化状態とすることができる。したがって、前記工程[3]において、この第2の層17に溶融または軟化状態の中間層としての機能を発揮させて、樹脂基板21の面方向に対して、第1の層16を位置ずれさせ得ることから、積層体100の縁部に第1の層16による掴みシロが形成されることとなる。そのため、前記工程[4]における保護フィルム10の剥離を、掴みシロを掴むことで実施し得ることから、この剥離を容易に行うことができる。また、前記工程[3]において、この第2の層17に溶融または軟化状態の中間層としての機能を発揮させて、金型による成形時の第2の層17によるクッション性を向上させることができる。その結果、金型が有している凹凸もしくは金型と保護フィルム10との間に不本意に混入してしまったコンタミの凹凸を効果的に吸収することができるため、熱曲げがなされた樹脂基板21を優れた外観を有するものとして得ることができる。
また、第2の層17の融点を150℃以上に設定した際には、前記工程[3]における熱曲げのときに、第2の層17が溶融または軟化状態となるのを抑制または防止することができる。そのため、第1の層16と第2の層17との間の密着力が低下するのを的確に抑制または防止することができる。したがって、前記工程[4]において、熱曲げがなされた樹脂基板21から、保護フィルム10を剥離させる際に、第1の層16と第2の層17との間での剥離の発生が確実に防止される。
また、第2の層17は、その平均厚さが10μm以上60μm以下であることが好ましく、10μm以上40μm以下であることがより好ましい。これにより、前述した第2の層17としての機能を確実に発揮させることができる。
なお、上述した保護フィルム10が備える粘着層11、基材層15(第1の層16および第2の層17)の各層には、それぞれ、上述した構成材料の他に、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。前記添加物の含有量は、10重量%以下とすることもでき、8重量%以下とすることもでき、また0.001重量%以上とすることもでき、0.1重量%以上とすることもできる。
特に、第1の層16には、アンチブロッキング剤を含有することが好ましい。これにより、成形型からの優れた離脱性を維持させることができるという第1の層16の機能を、より確実に発揮させることができる。
また、アンチブロッキング剤としては、例えば、無機粒子および有機粒子等を用いることができ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、無機粒子としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、ゼオライト、スメクタイト、雲母、バーミキュライトおよびタルク等の粒子が挙げられ、有機粒子としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂等の粒子が挙げられる。
第1の層16にアンチブロッキング剤が含まれる場合、第1の層16における、アンチブロッキング剤の含有量は、特に限定されないが、好ましくは0.5重量%以上10重量%以下、より好ましくは1重量%以上9重量%以下に設定される。これにより、第1の層16の前記機能をより顕著に発揮させることができる。
また、これら各層の間には、上記添加剤等を含む中間層が形成されていてもよい。
さらに、上述した保護フィルム10は、いかなる方法により製造されたものであってもよいが、例えば、共押し出し法を用いることで製造し得る。
具体的には、3つの押し出し機を用意し、これらに、それぞれ、粘着層11、第1の層16および第2の層17の構成材料を収納した後、これらを溶融または軟化状態としたものを押し出すことで、共押し出しTダイから、これらが層状に積層された、溶融または軟化状態の積層体を、複数の冷却ロール等で構成されるシート成形部に供給し、その後、このシート供給部において積層体を冷却することにより保護フィルム10が製造される。
以上、本発明の保護フィルムについて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、保護フィルムを構成する各層は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、前記実施形態では、図2において、樹脂基板に対する保護フィルムの再貼付を、保護フィルムの一部を樹脂基板から剥離させた後に実施する場合について説明したが、これに限定されず、保護フィルムの再貼付は、保護フィルムの全部を樹脂基板から剥離させた後に実施することもできる。
さらに、前記実施形態では、本発明の保護フィルムを、サングラス用レンズが有する樹脂基板を熱曲げ加工する際に、樹脂基板に貼付して用いる場合について説明したが、本発明の保護フィルムは、このようなサングラス用レンズが有する樹脂基板の熱曲げに適用できる他、例えば、ゴーグルが備えるレンズ、ヘルメットが備えるバイザー等の樹脂基板を熱曲げする際にも用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
1.原材料の準備
まず、各実施例および各比較例の保護フィルムの作製に使用した原料は以下の通りである。
<<非接着性を有する熱可塑性樹脂>>
<融点が150℃以上のポリオレフィン系樹脂>
融点が167℃のホモポリプロピレン(h-PP、日本ポリプロ社製、「ノバテックEA9FTD」、MFR=0.4g/10min)
<融点が120℃以上150℃未満のポリオレフィン系樹脂>
融点が121℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、宇部丸善ポリエチレン社製、「ユメリット2525F」、MFR=2.5g/10min)
融点が132℃の高密度ポリエチレン(HDPE、プライムポリマー社製、「ハイゼックス3300F」、MFR=1.1g/10min)
<融点が120℃未満のポリオレフィン系樹脂>
融点が106℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、東ソー社製、「ニポロン-Z HF211R」、MFR=2.0g/10min)
融点が93℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、東ソー社製、「ニポロン-Z HF212R」、MFR=2.0g/10min)
融点が114℃、99℃の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、宇部丸善ポリエチレン社製、「ユメリット165HK」、MFR=2.0g/10min)
<<接着性を有する熱可塑性樹脂>>
<エラストマー>
スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS、旭化成社製、「タフテックH1221」)
融点が66℃のα-ポリオレフィン系樹脂/ポリエチレン共重合体エラストマー(エラストマーA、三井化学社製、「タフマーA-1085S」)
融点が77℃のα-ポリオレフィン系樹脂/ポリエチレン共重合体エラストマー(エラストマーB、三井化学社製、「タフマーA-4090S」)
融点が83℃のα-ポリオレフィン系樹脂/ポリプロピレン共重合体エラストマー(エラストマーC、三井化学社製、「タフマーXM-7080」)
融点が98℃のα-ポリオレフィン系樹脂/ポリプロピレン共重合体エラストマー(エラストマーD、三井化学社製、「タフマーXM-7090」)
融点が110℃のα-ポリオレフィン系樹脂/ポリブテン共重合体エラストマー(エラストマーE、三井化学社製、「タフマーBL-311M」)
融点が140℃のα-ポリオレフィン系樹脂/ポリプロピレン共重合体エラストマー(エラストマーF、三井化学社製、「タフマーPN-2070」)
<ポリオレフィン系樹脂>
融点が106℃のエチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA、三井デュポンポリケミカル社製、「ニュクレルAN4214C」)
融点が90℃のエチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA、日本ポリエチレン社製、「レクスパールEB330H」)
<融点が120℃以上150℃未満のポリオレフィン系樹脂>
融点が131℃のランダムポリプロピレン共重合体(r-PP、住友化学社製、「ノーブレンS131」、MFR=1.3g/10min)
<アンチブロッキング剤>
アンチブロッキング剤(キノプラス FPP-AB05A、住化カラー社製)
2.保護フィルムの製造
(実施例1)
[1]まず、粘着層(最内層)を形成するにあたり、ポリオレフィン系樹脂として融点が121℃のLLDPEと、エラストマーとしてエラストマーAとを、エラストマーAの含有量が10重量%となるように混練することで粘着層形成材料(樹脂組成物)を調製した。
[2]次に、基材層が備える第2の層(中間層)を形成するにあたり、接着性を有する熱可塑性樹脂としてSEBSと、非接着性を有する熱可塑性樹脂として融点が167℃のh-PPとを、SEBSの含有量が20重量%となるように混練することで第2の層形成材料(樹脂組成物)を調製した。
[3]次に、調製した粘着層形成材料と、調製した第2の層形成材料と、第1の層(最外層)を形成するための融点が150℃以上のポリオレフィン系樹脂として、融点が167℃のh-PPとを、それぞれ、3つの押し出し機に収納した。
[4]次に、3つの押し出し機から、これらを溶融状態としたものを押し出すことで、共押し出しTダイから、これらが層状に積層された溶融状態の積層体を得た後、この積層体を冷却することで、第1の層、第2の層および粘着層の平均厚さが、それぞれ10μm、30μmおよび10μmとなっている実施例1の保護フィルムを得た。
(実施例2~実施例12、比較例1、比較例2)
前記工程[1]において用いた、ポリオレフィン系樹脂の種類、エラストマーの種類、アンチブロッキング剤の有無、さらには、調製する粘着層形成材料に含まれるエラストマーの含有量、前記工程[2]において用いた、接着性を有する熱可塑性樹脂の種類、非接着性を有する熱可塑性樹脂の種類、さらには、調製する第2の層形成材料に含まれる接着性を有する熱可塑性樹脂の含有量、および、前記工程[3]において用いた、融点が150℃以上のポリオレフィン系樹脂の種類のうちの少なくとも1つを、それぞれ、表1に示すように変更したこと以外は、前記実施例1と同様にして、実施例2~実施例12、比較例1、比較例2の保護フィルムを得た。
3.評価
各実施例および各比較例の保護フィルムを、以下の方法で評価した。
<1>保護フィルムの密着力評価
まず、各実施例および各比較例の保護フィルムについて、それぞれ、JIS Z 0273:2009に準拠して、ポリカーボネート基板上に保護フィルムを、圧力5880N/mのかかったゴムロールで2m/分の速度で圧着することにより貼付した。
次いで、保護フィルムを長さ100mm・幅25mmの大きさに切断し、その後、23℃の条件下で、切断した保護フィルムの一端を持ち、90°の方向にて200mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度T[N/25mm]を測定した。
<2>保護フィルムの100℃の加熱温度における密着力評価
まず、各実施例および各比較例の保護フィルムについて、それぞれ、JIS Z 0273:2009に準拠して、ポリカーボネート基板上に保護フィルムを、圧力5880N/mのかかったゴムロールで2m/分の速度で圧着することにより貼付し、次いで、100℃、30分の条件による加熱後、23℃に冷却させた。
次いで、保護フィルムを長さ100mm・幅25mmの大きさに切断し、その後、切断した保護フィルムの一端を持ち、90°の方向にて200mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度T[N/25mm]を測定した。
<3>保護フィルムの145℃の加熱温度における密着力評価
まず、各実施例および各比較例の保護フィルムについて、それぞれ、JIS Z 0273:2009に準拠して、ポリカーボネート基板上に保護フィルムを、圧力5880N/mのかかったゴムロールで2m/分の速度で圧着することにより貼付し、次いで、145℃、30分の条件による加熱後、23℃に冷却させた。
次いで、保護フィルムを長さ100mm・幅25mmの大きさに切断し、その後、切断した保護フィルムの一端を持ち、90°の方向にて200mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度T[N/25mm]を測定した。
以上のようにして得られた各実施例および各比較例の保護フィルムにおける評価結果を、それぞれ、下記の表1に示す。
Figure 2022158896000002
表1に示したように、各実施例における保護フィルムでは、粘着層が異なる2つの融点を有しており、これにより、保護フィルムの100℃の加熱温度における密着力としてのピール強度Tと、保護フィルムの145℃の加熱温度における密着力としてのピール強度Tとの比(T/T)の大きさが2.0以上となっており、保護フィルムに対する加熱温度を適宜設定することで、ポリカーボネート基板(樹脂基板)に対する密着力の大きさを選択し得る結果を示した。
これに対して、各比較例における保護フィルムでは、粘着層が1つの融点のみしか有しておらず、これに起因して、前記ピール強度Tと、前記ピール強度Tとの比(T/T)の大きさが2.0未満を示していると推察され、保護フィルムに対する加熱温度を適宜設定することにより、ポリカーボネート基板(樹脂基板)に対する密着力の大きさを選択し得るとは言えないことが明らかとなった。
10 保護フィルム
11 粘着層
15 基材層
16 第1の層
17 第2の層
21 樹脂基板
23 偏光子
24 被覆層
30 ポリカーボネート層
100 積層体
200 サングラス用レンズ

Claims (13)

  1. 樹脂基板を、加熱下で熱曲げ加工を施す際に、前記樹脂基板に貼付して用いられる保護フィルムであって、
    基材層と、
    該基材層と前記樹脂基板との間に位置して、前記樹脂基板に粘着する粘着層とを有し、
    前記基材層は、前記粘着層の反対側に位置する第1の層と、前記粘着層側に位置する第2の層とを有する積層体で構成されており、
    前記粘着層は、粘着性を有するポリオレフィンを主材料として含有し、異なる2つ以上の融点を有することを特徴とする保護フィルム。
  2. 前記粘着層は、その構成材料として、異なる融点を有するものを少なくとも2種以上含む請求項1に記載の保護フィルム。
  3. 前記構成材料のうち、最低の融点を有する前記構成材料の融点と、最高の融点を有する前記構成材料の融点との差は、5℃以上80℃以下である請求項1または2に記載の保護フィルム。
  4. 最低の融点を有する前記構成材料の融点は、60℃以上130℃以下である請求項3に記載の保護フィルム。
  5. 最高の融点を有する前記構成材料の融点は、80℃以上160℃以下である請求項3または4に記載の保護フィルム。
  6. JIS Z 0273:2009に準拠して、ポリカーボネート基板上に当該保護フィルムを、圧力5880N/mのかかったゴムロールで2m/分の速度で圧着することにより貼付し、次いで、100℃、30分の条件による加熱後、23℃に冷却させた後に、当該保護フィルムを長さ100mm・幅25mmの大きさに切断し、その後、切断した当該保護フィルムの一端を持ち、90°の方向にて200mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が0.05N/25mm以上0.6N/25mm以下となる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  7. JIS Z 0273:2009に準拠して、ポリカーボネート基板上に当該保護フィルムを、圧力5880N/mのかかったゴムロールで2m/分の速度で圧着することにより貼付し、次いで、145℃、30分の条件による加熱後、23℃に冷却させた後に、当該保護フィルムを長さ100mm・幅25mmの大きさに切断し、その後、切断した当該保護フィルムの一端を持ち、90°の方向にて200mm/分の速度で引き剥がしたときに測定されるピール強度が0.15N/25mm以上1.5N/25mm以下となる請求項1ないし6のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  8. 前記第1の層は、熱可塑性樹脂を主材料として含有する融点が150℃以上のものであり、前記第2の層は、熱可塑性樹脂を主材料として含有する融点が120℃以上のものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  9. 前記第1の層が含有する前記熱可塑性樹脂と、前記第2の層が含有する前記熱可塑性樹脂とは、ともにポリオレフィンである請求項8に記載の保護フィルム。
  10. 前記樹脂基板の両面に貼付される請求項1ないし9のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  11. 前記樹脂基板は、両面、一方の面または他方の面に、ポリカーボネート樹脂層、ポリアミド樹脂層およびセルロース樹脂層のうちの少なくとも1層を有する単層体または積層体で構成される被覆層を備える請求項1ないし10のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  12. 前記樹脂基板は、プレス成形または真空成形により、前記熱曲げ加工が施される請求項1ないし11のいずれか1項に記載の保護フィルム。
  13. 前記樹脂基板を、加熱下で前記熱曲げ加工を施す際の加熱温度は、110℃以上160℃以下である請求項1ないし12のいずれか1項に記載の保護フィルム。
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