JP2022157502A - 機械学習器、換気制御装置、及び、換気制御方法 - Google Patents

機械学習器、換気制御装置、及び、換気制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】二酸化炭素センサにより部屋の二酸化炭素量を測定した結果に基づいて換気風量を制御する場合、換気装置が設定した換気量に達するまでに二酸化炭素濃度がさらに上昇して、適切に換気風量を制御できない場合がある。【解決手段】機械学習器100は、第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30と、を備える。第1取得部10は、対象空間R1~R3の環境情報を取得する。第2取得部20は、対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。学習部30は、第1取得部10が取得した環境情報と、第2取得部20が取得した人数情報と、を関連付けて学習する。環境情報は、対象空間R1~R3内の実際の二酸化炭素濃度を含む。【選択図】図1

Description

機械学習器、及び、換気制御装置に関する。
従来、二酸化炭素センサにより部屋の二酸化炭素量を測定し、測定結果により二酸化炭素量が所定値を超える場合は、換気風量を制御している。(特許文献1(特開2010-96382号公報)。
二酸化炭素センサにより部屋の二酸化炭素量を測定した結果に基づいて換気風量を制御する場合、換気装置が設定した換気量に達するまでに二酸化炭素濃度がさらに上昇して、適切に換気風量を制御できない場合があるという課題がある。
第1観点の機械学習器は、第1取得部と、第2取得部と、学習部と、を備える。第1取得部は、対象空間の環境情報を取得する。第2取得部は、対象空間に存在する人の数に関する人数情報を取得する。学習部は、第1取得部が取得した環境情報と、第2取得部が取得した人数情報と、を関連付けて学習する。環境情報は、対象空間内の実際の二酸化炭素濃度を含む。
この機械学習器では、対象空間での適切な換気制御のために用いることができる、対象空間特有の二酸化炭素濃度推定モデルを作成することができる。
第2観点の機械学習器は、第1観点の機械学習器であって、学習部の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する予測部、をさらに備える。
この機械学習器では、学習部の学習の結果に基づき、対象空間の環境情報と人数情報とから一定時間後の二酸化炭素濃度を予測することで、一定時間内に対象空間の環境や人数が変化した場合でも、対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第3観点の機械学習器は、第2観点の機械学習器であって、予測部は、対象空間内の二酸化炭素濃度の変化量を予測値として予測する。
この機械学習器では、学習部の学習の結果に基づき、対象空間の環境情報と人数情報とから二酸化炭素濃度の変化量を予測することで、対象空間の環境や人数が変化した場合でも、対象空間特有の二酸化炭素濃度の変化量を高い精度で推定することができる。
第4観点の機械学習器は、第1観点から第3観点のいずれかの機械学習器であって、第2取得部は、対象空間に存在する人の生体に関する情報をさらに取得する。学習部は、第2取得部が取得した生体に関する情報を、さらに関連付けて学習する。
この機械学習器では、入力情報として、対象空間に存在する人に関する生体に関する情報を用いることで、その人が存在する対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第5観点の機械学習器は、第4観点の機械学習器であって、生体に関する情報は、対象空間に存在する人の会話量又は体温を含む。
この機械学習器では、生体に関する情報が対象空間に存在する人の会話量又は体温を含むことで、その人が存在する対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第6観点の機械学習器は、第4観点又は第5観点の機械学習器であって、生体に関する情報は、対象空間に存在する人の性別、年齢、体格又は姿勢をさらに含む。
この機械学習器では、生体に関する情報が対象空間に存在する人の性別、年齢、体格、又は姿勢をさらに含むことで、その人が存在する対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第7観点の機械学習器は、第1観点から第6観点のいずれかの機械学習器であって、環境情報が、外気の二酸化炭素濃度、又は対象空間が有する扉もしくは窓の開閉を含む。
この機械学習器では、環境情報が、外気の二酸化炭素濃度、又は対象空間が有する扉もしくは窓の開閉を含むことで、対象空間で扉もしくは窓の開閉による換気が行われた場合でも、対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第8観点の機械学習器は、第7観点の機械学習器であって、環境情報が、対象空間の換気量、又は対象空間の容積をさらに含む。
この機械学習器では、環境情報が、対象空間の換気量、又は対象空間の容積をさらに含むことで、対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第9観点の換気制御装置は、第2観点の機械学習器と、制御部と、を備える。制御部は、機械学習器の予測部の出力である、対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う。
この換気制御装置では、対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、換気機器の制御を行うようにしたので、対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、対象空間に対して適切な換気制御を行うことができる。
第10観点の換気制御装置は、第1の予測部と、第2の予測部と、制御部と、を備える。第1の予測部は、第1の対象空間に対して、第1観点の機械学習器の学習部の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第1の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。第2の予測部は、第2の対象空間に対して、第1観点の機械学習器の学習部の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第2の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。制御部は、第1の予測部の出力である、第1の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第1の対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う。制御部は、第2の予測部の出力である、第2の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第2の対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う。
この換気制御装置では、各対象空間に各対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測する個別の予測部を設けるようにしたので、各対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、各対象空間に対して適切な換気制御を行うことができる。
機械学習器の機能ブロック図である。 換気制御システムの機能ブロック図である。 ニューラルネットワークのニューロンのモデルの模式図である。 学習データの一例を示す図である。 二酸化炭素濃度の実測値と予測値の時系列変化の一例を示す図である。 換気制御システムのフローチャートである。 機械学習器の機能ブロック図である。 換気制御システムのフローチャートである。 二酸化炭素濃度の予測値の時系列変化の一例を示す図である。 在室人数の時系列変化の一例を示す図である。 閾値に達する時間の時系列変化の一例を示す図である。 機械学習器の機能ブロック図である。 換気制御システムの機能ブロック図である。 換気制御システムのフローチャートである。
<第1実施形態>
(1)換気制御システムの全体構成
本実施形態の換気制御システム1は、対象空間である部屋R1~R3の換気制御を行うために設けられたシステムである。換気制御システム1は、図2に示すように、主にダンパ80a~80cと、ダクト配管81と、ファン82と、二酸化炭素センサ60a~60dと、カメラ70a~70cと、換気制御装置200と、を有している。
換気制御装置200は、コンピュータにより実現されるものである。換気制御装置200は、機械学習器100と、制御部50とを備える。
機械学習器100は、図1に示すように、第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30と、予測部40と、を備える。第1取得部10は、対象空間R1~R3の環境情報を取得する。第2取得部20は、対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。学習部30は、環境情報と人数情報とを関連付けて学習する。予測部40は、学習部30の学習結果に基づき、環境情報と人数情報とから対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
換気制御装置200は、機械学習器100の予測部40の出力である部屋R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、ダンパ80a~80cの制御を行う。
機械学習器100は、ネットワーク90を介して、部屋R1~R3に設置された二酸化炭素センサ60a~60cから、部屋R1~R3の実際の二酸化炭素濃度を取得する。また、機械学習器100は、ネットワーク90を介して、外部に設置された二酸化炭素センサ60dから、外部の二酸化炭素濃度を取得する。また、機械学習器100は、ネットワーク90を介して、部屋R1~R3に設置されたカメラ70a~70cから、部屋R1~R3の人数情報を取得する。
(2)詳細構成
(2-1)機械学習器
(2-1-1)第1取得部
第1取得部10は、対象空間である部屋R1~R3の環境情報を取得する。本実施形態では、環境情報は、対象空間R1~R3内の実際の二酸化炭素濃度を含む。また、対象空間R1~R3の環境情報は、外気の二酸化炭素濃度、対象空間R1~R2の換気量又は対象空間R1~R3の容積である。対象空間R1~R3の換気量は、換気機器であるダンパ80a~80cの換気量である。
本実施形態では、第1取得部10は、二酸化炭素濃度センサ60a~60cを使って、対象空間R1~R3内の実際の二酸化炭素濃度を取得する。また、第1取得部10は、外部の二酸化炭素センサ60dを使って、外気の二酸化炭素濃度を取得する。また、第1取得部10は、換気機器であるダンパ80a~80cの換気量を、換気機器のカタログ等から取得する。また、第1取得部10は、図面を用いて対象空間R1~R3の容積を取得する。
(2-1-2)第2取得部
第2取得部20は、対象空間である部屋R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。本実施形態では、第2取得部20は、部屋R1~R3に設置されたカメラ70a~70cを使って、部屋R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。図2に示すように、部屋R1の人数は2人である。部屋R2の人数は0人である。部屋R3の人数は5人である。
(2-1-3)学習部
学習部30は、第1取得部10が取得した環境情報と、第2取得部20が取得した人数情報とを関連付けて学習する。学習部30は、対象空間毎に異なる環境情報、及び人数情報を情報として機械学習を行い、次の式1に示す二酸化炭素濃度推定モデルを作成する。
式1:
Figure 2022157502000002
但し、
C:室内の二酸化炭素濃度(ppm)
o:外気の二酸化炭素濃度(ppm)
:換気機器の換気量(m/h)
V:部屋容積(m
:一般的な人の二酸化炭素排出量(m/h・人)
n:人数(人)
図3にニューラルネットワークのニューロンのモデルの模式図を示す。図3に示すように、ニューロンは、複数の入力(図3では入力x、x)に対する出力yを出力とする。各入力(図3では入力x、x)には、対応する重みが乗算される。入力xに対応する重みはaである。入力xに対応する重みはbである。
本実施形態では、入力xは、換気機器による二酸化炭素濃度の変化である(C-C)*Q/Vを示す。また、入力xは、人による二酸化炭素濃度の変化であるM*n/Vを示す。出力yは、ΔC/Δt(傾き)を示す。
本実施形態では、最急降下法を用いて、ΔC/Δt(傾き)と二酸化炭素濃度の実測値を比較することで、重み(係数)a、bの学習を行う。重みa、bの値は、対象空間R1~R3毎に決定される。
(2-1-4)予測部
予測部40は、学習部30の学習結果に基づき、対象空間R1~R3の環境情報と人数情報とから対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
予測部40は、対象空間R1の環境情報と人数情報とを入力情報として学習部30で学習を行って作成した式1の二酸化炭素濃度推定モデル(学習済みモデル)を用いて、対象空間R1内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
また、予測部40は、対象空間R2の環境情報と人数情報とを入力情報として学習部30で学習を行って作成した式1の二酸化炭素濃度推定モデルを用いて、対象空間R2内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
また、予測部40は、対象空間R3の環境情報と人数情報とを入力情報として学習部30で学習を行って作成した式1の二酸化炭素濃度推定モデルを用いて、対象空間R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
予測部40は、式1のΔC/Δtを用いて、Δtの時間経過した一定時間後の二酸化炭素濃度を予測することができる。
(2-2)制御部
制御部50は、機械学習器100の予測部40の出力である、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R1~R3に対して設置されているダンパ80a~80cの制御を行う。
制御部50はコンピュータにより実現されるものである。制御部50は、制御演算装置と記憶装置(図示せず)とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。
(3)学習処理
学習部30は、環境情報と、人数情報と、微小時間の二酸化炭素濃度の変化を学習用データセットとして学習する。本実施形態では、環境情報は、室内の実際の二酸化炭素濃度と、外気の二酸化炭素濃度と、換気機器の換気量である。人数情報は、対象空間に存在する人の数に関する人数情報である。
図4に部屋R1における学習データの一例を示す。部屋R1で、部屋容積がV1であるとする。また、換気機器はダンパ80aである。図4に示すように、室内二酸化炭素濃度C、外気の二酸化炭素濃度Co1、換気機器の換気量Qm1、部屋R1に在室する人数nを入力とし、微小時間の二酸化炭素濃度ΔC/Δtを出力とする学習用データセットによって学習させる。また、室内二酸化炭素濃度C、外気の二酸化炭素濃度Co2、換気機器の換気量Qm2、部屋R1に在室する人数nを入力とし、微小時間の二酸化炭素濃度ΔC/Δtを出力とする学習用データセットによって学習させる。また、室内二酸化炭素濃度C、外気の二酸化炭素濃度Co3、換気機器の換気量Qm3、部屋R1に在室する人数nを入力とし、微小時間の二酸化炭素濃度ΔC/Δtを出力とする学習用データセットによって学習させる。また、室内二酸化炭素濃度C、外気の二酸化炭素濃度Cok、換気機器の換気量Qmk、部屋R1に在室する人数nを入力とし、微小時間の二酸化炭素濃度ΔC/Δtを出力とする学習用データセットによって学習させる。
対象空間R1の二酸化炭素濃度の実測値と予測値の時系列変化の例を図5に示す。二酸化炭素濃度の実測値を実線で、二酸化炭素濃度の予測値を点線で示す。予測値は、対象空間R1における学習用データセットによって学習して得られた二酸化炭素濃度推定モデルを使用して求める。予測値は、ある時点から10分後の二酸化炭素濃度を予測したものとする。対象空間R1における学習用データセットで学習して得られた二酸化炭素濃度推定モデルを用いた場合、対象空間R1の二酸化炭素濃度の実測値と予測値は平均誤差が9.3ppmであり、標準偏差が8.0ppmである。
一方、他の部屋における学習用データセットで学習を行った二酸化炭素濃度推定モデルを使用して、対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値を求めた場合、対象空間R1の二酸化炭素濃度の平均誤差が12.2ppm、標準偏差が8.5ppmとなり、二酸化炭素濃度の予測値の精度が低下する。従って、対象空間のデータである環境情報と人数情報を用いて、二酸化炭素濃度推定モデルを作成することが好ましい。
(4)換気制御システムの全体動作
換気制御システム1のフローチャートを図6に示す。
まず、ステップS1で対象空間R1~R3の環境情報を取得する(ステップS1)。対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する(ステップS2)。
次に、学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R1~R3における一定時間後の二酸化炭素濃度を予測する(ステップS3)。本実施形態では、対象空間R1~R3における10分後の二酸化炭素濃度を予測するとする。
ステップS3では、対象空間R1の環境情報と人数情報を入力情報として学習部30で学習した結果に基づき、対象空間R1における10分後の二酸化炭素濃度を予測する。また、対象空間R2の環境情報と人数情報を入力情報として学習部30で学習した結果に基づき、対象空間R2における10分後の二酸化炭素濃度を予測する。また、対象空間R3の環境情報と人数情報を入力情報として学習部30で学習した結果に基づき、対象空間R3における10分後の二酸化炭素濃度を予測する。
次に、ステップS3で予測した二酸化炭素濃度に基づいて、ダンパ80a~80cの制御を行う(ステップS4)。
(5)特徴
(5-1)
本実施形態の機械学習器100は、第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30と、を備える。第1取得部10は、対象空間R1~R3の環境情報を取得する。第2取得部20は、対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。学習部30は、第1取得部10が取得した環境情報と、第2取得部20が取得した人数情報と、を関連付けて学習する。環境情報は、対象空間R1~R3内の実際の二酸化炭素濃度を含む。
対象空間の二酸化炭素濃度をコントロールするためにリアルタイムに二酸化炭素濃度を監視し換気制御を行った場合において、換気機器の起動時間やデータ通信時間は物件により異なるため、換気機器が設定した換気量に達するまでに、在室者の急増や発言量の増加などで二酸化炭素濃度が上昇する場合がある。また、対象空間内に人が入室しても二酸化炭素濃度が拡散するまで時間がかかるため、二酸化炭素濃度の上昇の検知が遅れる場合もある。
この機械学習器100では、対象空間R1~R3での適切な換気制御のために用いることができる、対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度推定モデルを作成することができる。従って、本実施形態の機械学習器100では、対象空間によって異なる二酸化炭素濃度の変化の特性を把握し、二酸化炭素濃度の高精度な推定を行うことができる。
(5-2)
本実施形態の機械学習器100は、学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する予測部40、をさらに備える。
この機械学習器100では、学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R1~R3の環境情報と人数情報とから一定時間後の二酸化炭素濃度を予測することで、一定時間内に対象空間R1~R3の環境や人数が変化した場合でも、対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
(5-3)
本実施形態の機械学習器100は、環境情報が、対象空間R1~R3の換気量、又は対象空間の容積をさらに含む。
この機械学習器100では、環境情報が、対象空間R1~R3の換気量、又は対象空間R1~R3の容積をさらに含むことで、対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
(5-4)
本実施形態の換気制御装置200は、機械学習器100と、制御部50と、を備える。制御部50は、機械学習器100の予測部40の出力である、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R1~R3に対して設置されている換気機器80a~80cの制御を行う。
換気の悪い密閉空間に当たらない基準の一つとして、室内二酸化炭素濃度1000ppm以下であることを厚生労働省が公表している。一方で、感染症の影響により、密閉への意識が高まり、感染リスクを抑えるために過剰な換気が行われている場合がある。そのため、外気負荷が増大するなどの要因により消費エネルギー量が増加している。
この換気制御装置200では、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、換気機器80a~80cの制御を行うようにしたので、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、対象空間R1~R3に対して適切な換気制御を行うことができる。また、この換気制御装置200では、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値を用いて、フィードフォワード式で換気連動を行うことによって安全性を高めることができる。従って、二酸化炭素濃度がある設定値以下を維持した必要十分な換気を行うことによって、安全性と省エネ性の両立が可能である。
(6)変形例
(6-1)変形例1A
本実施形態では、予測部40が対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する場合について説明したが、対象空間内の二酸化炭素濃度の変化量を予測値として予測するようにしてもよい。
予測部が、学習部の学習の結果に基づき、対象空間R1~R3の環境情報と人数情報とから二酸化炭素濃度の変化量を予測することで、対象空間R1~R3の環境や人数が変化した場合でも、対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度の変化量を高い精度で推定することができる。
(6-2)変形例1B
本実施形態では、予測部40が対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する場合について説明した。予測部40は、対象空間R1~R3内の定常状態時の二酸化炭素濃度を予測することもできる。
予測部40は、対象空間のある時刻の入力情報に基づいて、その入力情報における二酸化炭素濃度が最大となる濃度(定常状態時の二酸化炭素濃度)を算出して予測することができる。例えば、対象空間のある時間の環境情報と人数情報を用いて、式1のΔC/Δt=0としたときのCの値を求めれば、このCの値が対象空間の定常状態時の二酸化炭素濃度の予測値となる。
このように、人数情報などの入力情報を用いて、事前にどの程度まで二酸化炭素濃度が上昇するか予測することができる。
(6-3)変形例1C
本実施形態では、環境情報が外気の二酸化炭素濃度、対象空間の換気量又は対象空間の容積である場合について説明したが、これに限るものではない。環境情報は対象空間が有する扉もしくは開閉でもよい。
環境情報が、対象空間R1~R3が有する扉もしくは窓の開閉を含むことで、対象空間R1~R3で扉もしくは窓の開閉による換気が行われた場合でも、対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で予測することができる。
各対象空間R1~R3の二酸化炭素濃度推定モデルを利用して、例えば換気量や窓開閉などの入力情報を変化させた場合の二酸化炭素濃度を予測し、窓を開けるなどの所定の二酸化炭素濃度以下にするための行動を提案することができる。
また、本実施形態では、第1取得部10が外部の二酸化炭素センサ60dを使って、外気の二酸化炭素濃度を取得する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、外気の二酸化炭素濃度を取得できない場合、外気の二酸化炭素濃度の値として、一般的に大気中に含まれる二酸化炭素濃度である420ppmという値を用いてもよい。
(6-4)変形例1D
本実施形態では、第2取得部20が人数情報を取得する場合について説明したが、これに限るものではない。第2取得部は、対象空間に存在する人の生体に関する情報をさらに取得するようにしてもよい。
変形例1Dの機械学習器110の機能ブロック図を図7に示す。
機械学習器110は、図7に示すように、第1取得部10と、第2取得部21、学習部30と、予測部40と、を備える。第1取得部10は、対象空間R1~R3の環境情報を取得する。第2取得部21は、対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報と、対象空間R1~R3に存在する人の生体に関する情報とを取得する。学習部30は、環境情報と人数情報と生体に関する情報とを関連付けて学習する。予測部40は、学習部30の学習結果に基づき、環境情報と人数情報と生体に関する情報から対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
生体に関する情報は、対象空間R1~R3に存在する人の会話量又は体温を含むようにしてもよい。また、生体に関する情報は、対象空間R1~R3に存在する人の性別、年齢、体格、又は姿勢をさらに含むようにしてもよい。
第2取得部21は、例えば音センサを用いて人の会話量を取得する。また、第2取得部21は、サーモセンサを用いて人の体温を取得する。また、第2取得部21は、カメラを用いて人の性別、年齢、体格、又は姿勢を取得する。
変形例1Dの換気制御システムのフローチャートを図8に示す。
まず、ステップS1で対象空間R1~R3の環境情報を取得する(ステップS11)。対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する(ステップS12)。次に、対象空間R1~R3に存在する人の生体に関する情報を取得する(ステップS13)。次に、学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R1~R3における一定時間後の二酸化炭素濃度を予測する(ステップS14)。ステップS14で予測した二酸化炭素濃度に基づいて、ダンパ80a~80cの制御を行う(ステップS15)。
変形例1Dの機械学習器110では、入力情報として、対象空間に存在する人に関する生体に関する情報をさらに用いることで、その人が存在する対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
また、機械学習器110では、生体に関する情報が対象空間に存在する人の会話量又は体温を含むことで、対象空間R1~R3に存在する人の会話量が増加することによって二酸化炭素濃度が増加した場合であっても、その人が存在する対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
また、機械学習器110では、生体に関する情報が対象空間R1~R3に存在する人の性別、年齢、体格、又は姿勢をさらに含むことで、その人が存在する対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
(6-5)変形例1E
本実施形態では、第1取得部10が図面を用いて対象空間R1~R3の容積を取得する場合について説明したが、これに限るものではない。
対象空間内の人数情報と、室内の二酸化炭素濃度と、外気の二酸化炭素濃度と、換気機器の換気量とを用いて、対象空間の容積を推定することもできる。対象空間内の人数が0人の場合において、ある時点t1と、t1とは異なる時点t2の、対象空間内の二酸化炭素濃度の減衰から対象空間の容積を推定するようにしてもよい。
(6-6)変形例1F
換気制御装置200の制御部50が換気機器80a~80cの制御を行う際に、対象空間R1~R3に人が存在する時の二酸化炭素濃度を推定することにより、二酸化炭素濃度が閾値以下を維持する換気制御を行うようにしてもよい。
図9Aに対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値の時系列変化の一例を示す。図9Bに対象空間R1の在室人数の時系列変化の一例を示す。図9Cに対象空間R1における二酸化炭素濃度の閾値に達する時間の時系列変化の一例を示す。
二酸化炭素濃度の閾値を1000ppmとする。また、推定される定常状態時の二酸化炭素濃度が閾値以下の場合、閾値に到達するまでの時間を20分とする。また、対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値が閾値に達するまでの時間が5分以下の場合、換気制御を行う。
例えば、図9Bに示すように、対象空間R1の在室人数は0時の時点では0人であり、1時の時点で30人である。
0時の時点で、対象空間R1の二酸化炭素濃度の実測値は約820ppmである。その後、図9Aに示すように、1時の時点で、対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値は約958ppmである。従って、0時から1時の間に対象空間R1の二酸化炭素濃度が増加することが推定される。図9Cに示すように、0時から1時の間に、対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値が閾値に到達するまでの時間は短くなり、1時の時点で閾値に到達するまでの時間は5分になる。その後、図9Aに示すように、さらに対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値は増加し、2時30分頃まで、閾値の1000ppmを超えている。1時から2時30分頃の間、図9Cに示すように、対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値が閾値に到達するまでの時間は5分以下である。従って、1時から2時30分頃までの間、対象空間R1の換気制御を行う。
このように、対象空間に人が存在する時の二酸化炭素濃度を推定することにより、二酸化炭素濃度が閾値以下を維持する換気制御を行うことで、安全性と省エネ性の両立を実現できる。
また、予測部40から出力される対象空間内の二酸化炭素濃度の予測値を用いて、対象空間内の二酸化炭素濃度の変化をディスプレイに表示して、対象空間の利用者に二酸化炭素濃度の変化を認識させることができるようにしてもよい。例えば、対象空間内の二酸化炭素濃度の変化として、対象空間内の二酸化炭素濃度の予測値が所定の設定値に到達するまでの時間をディスプレイに表示するようにしてもよい。対象空間内の二酸化炭素濃度の変化は、対象空間内の二酸化炭素濃度が増加する場合に限らず、対象空間内の二酸化炭素濃度が減少する場合も含まれる。
(6-7)変形例1G
本実施形態では、学習部30が教師ありのニューラルネットワークを用いた機械学習を行い、二酸化炭素濃度推定モデルを作成する場合について説明したが、これに限るものではない。機械学習方法は、線形回帰やディープラーニング、LSTM(Long Short Term Memory)等を用いてもよい。
<第2実施形態>
(1)全体構成
本実施形態の換気制御システム2は、部屋R1~R3の換気制御を行うために設けられたシステムである。換気制御システム2は、図11に示すように、主にダンパ80a~80cと、ダクト配管81と、ファン82と、二酸化炭素センサ60a~60dと、カメラ70a~70cと、予測部41a~41cと、機械学習器120と、換気制御装置210と、を有している。
換気制御装置210は、コンピュータにより実現されるものである。換気制御装置200は、制御部51を備える。
機械学習器120は、図10に示すように、第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30と、を備える。第1取得部10は、対象空間R1~R3の環境情報を取得する。第2取得部20は、対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。学習部30は、環境情報と人数情報とを関連付けて学習する。
部屋R1~R3に予測部41a~41cが設けられている。予測部41a~41cは、機械学習器120で学習した学習済みモデルを有する。予測部41a~41cは、機械学習器120の学習部30の学習結果に基づき、環境情報と人数情報とから対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
換気制御装置210は、予測部41a~41cの出力である部屋R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、ダンパ80a~80cの制御を行う。
機械学習器120は、ネットワーク90を介して、部屋R1~R3に設置された二酸化炭素センサ60a~60cから、部屋R1~R3の実際の二酸化炭素濃度を取得する。また、機械学習器100は、ネットワーク90を介して、外部に設置された二酸化炭素センサ60dから、外部の二酸化炭素濃度を取得する。また、機械学習器100は、ネットワーク90を介して、部屋R1~R3に設置されたカメラ70a~70cから、部屋R1~R3の人数情報を取得する。
(2)詳細構成
(2-1)機械学習器
機械学習器120は、図10に示すように、第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30と、を備える。第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30の構成は、第1実施形態と同様であるため、詳しい説明を省略する。
(2-2)予測部
予測部41aは、対象空間R1に設置されている。予測部41aは、対象空間R1に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R1の環境情報と人数情報とから対象空間R1内の一定期間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
また、予測部41bは、対象空間R2に設置されている。予測部41bは、対象空間R2に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R2の環境情報と人数情報とから対象空間R2内の一定期間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
また、予測部41cは、対象空間R3に設置されている。予測部41cは、対象空間R3に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R3の環境情報と人数情報とから対象空間R3内の一定期間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
(2-3)制御部
制御部51は、予測部41aの出力である、対象空間R1内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R1に対して設置されているダンパ80aの制御を行う。また、制御部51は、予測部41bの出力である、対象空間R2内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R2に対して設置されているダンパ80bの制御を行う。また、制御部51は、予測部41cの出力である、対象空間R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R3に対して設置されているダンパ80cの制御を行う。
制御部51はコンピュータにより実現されるものである。制御部51は、制御演算装置と記憶装置(図示せず)とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。
(3)全体動作
換気制御システム2のフローチャートを図12に示す。図6に示した第1実施形態における処理と実質的に同じであるため、詳細な説明を省略する。第1実施形態では、ステップS3で機械学習器100の予測部40を用いて一定時間後の二酸化炭素濃度を予測している。第2実施形態では、ステップS23で、各対象空間R1~R3に設けられた予測部41a~41cを用いて二酸化炭素濃度を予測する点が第1実施形態と異なる。
(4)特徴
(4-1)
本実施形態の換気制御装置210は、第1の予測部41aと、第2の予測部41bと、第3の予測部41cと、制御部50と、を備える。第1の予測部41aは、第1の対象空間R1に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第1の対象空間R1内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。第2の予測部41bは、第2の対象空間R2に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第2の対象空間R2内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。第3の予測部41cは、第3の対象空間R3に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第3の対象空間R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。制御部51は、第1の予測部41aの出力である、第1の対象空間R1内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第1の対象空間R1に対して設置されている換気機器80aの制御を行う。制御部51は、第2の予測部41bの出力である、第2の対象空間R2内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第2の対象空間R2に対して設置されている換気機器80bの制御を行う。制御部51は、第3の予測部41cの出力である、第3の対象空間R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第3の対象空間R3に対して設置されている換気機器80cの制御を行う。
この換気制御装置210では、各対象空間R1~R3に各対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測する個別の予測部41a~41cを設けるようにしたので、各対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、各対象空間R1~R3に対して適切な換気制御を行うことができる。
(5)変形例
(5-1)変形例2A
本実施形態では、3部屋のそれぞれに第1~第3の予測部41a~41bを備える場合について説明したが、これに限るものではない。2以上である複数の部屋のそれぞれに予測部を備えるようにしてもよい。また、対象空間が1部屋であり、1つの対象空間に予測部を備えるようにしてもよい。
(5-2)変形例2B
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
1、2 換気制御システム
100、110、120 機械学習器
200、210 換気制御装置
10 第1取得部
20、21 第2取得部
30 学習部
40、41a~41c 予測部
50、51 制御部
60a~60d 二酸化炭素センサ
70a~70c カメラ
80a~80c ダンパ(換気機器)
81 ダクト配管
82 ファン
90 ネットワーク
特開2010-96382号公報
機械学習器、換気制御装置、及び、換気制御方法に関する。
従来、二酸化炭素センサにより部屋の二酸化炭素量を測定し、測定結果により二酸化炭素量が所定値を超える場合は、換気風量を制御している。(特許文献1(特開2010-96382号公報)。
二酸化炭素センサにより部屋の二酸化炭素量を測定した結果に基づいて換気風量を制御する場合、換気装置が設定した換気量に達するまでに二酸化炭素濃度がさらに上昇して、適切に換気風量を制御できない場合があるという課題がある。
第1観点の機械学習器は、第1取得部と、第2取得部と、学習部と、を備える。第1取得部は、対象空間の環境情報を取得する。第2取得部は、対象空間に存在する人の数に関する人数情報を取得する。学習部は、第1取得部が取得した環境情報と、第2取得部が取得した人数情報と、を関連付けて学習する。環境情報は、対象空間内の実際の二酸化炭素濃度を含む。
この機械学習器では、対象空間での適切な換気制御のために用いることができる、対象空間特有の二酸化炭素濃度推定モデルを作成することができる。
第2観点の機械学習器は、第1観点の機械学習器であって、学習部の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する予測部、をさらに備える。
この機械学習器では、学習部の学習の結果に基づき、対象空間の環境情報と人数情報とから一定時間後の二酸化炭素濃度を予測することで、一定時間内に対象空間の環境や人数が変化した場合でも、対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第3観点の機械学習器は、第2観点の機械学習器であって、予測部は、対象空間内の二酸化炭素濃度の変化量を予測値として予測する。
この機械学習器では、学習部の学習の結果に基づき、対象空間の環境情報と人数情報とから二酸化炭素濃度の変化量を予測することで、対象空間の環境や人数が変化した場合でも、対象空間特有の二酸化炭素濃度の変化量を高い精度で推定することができる。
第4観点の機械学習器は、第1観点から第3観点のいずれかの機械学習器であって、第2取得部は、対象空間に存在する人の生体に関する情報をさらに取得する。学習部は、第2取得部が取得した生体に関する情報を、さらに関連付けて学習する。
この機械学習器では、入力情報として、対象空間に存在する人に関する生体に関する情報を用いることで、その人が存在する対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第5観点の機械学習器は、第4観点の機械学習器であって、生体に関する情報は、対象空間に存在する人の会話量又は体温を含む。
この機械学習器では、生体に関する情報が対象空間に存在する人の会話量又は体温を含むことで、その人が存在する対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第6観点の機械学習器は、第4観点又は第5観点の機械学習器であって、生体に関する情報は、対象空間に存在する人の性別、年齢、体格又は姿勢をさらに含む。
この機械学習器では、生体に関する情報が対象空間に存在する人の性別、年齢、体格、又は姿勢をさらに含むことで、その人が存在する対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第7観点の機械学習器は、第1観点から第6観点のいずれかの機械学習器であって、環境情報が、外気の二酸化炭素濃度、又は対象空間が有する扉もしくは窓の開閉を含む。
この機械学習器では、環境情報が、外気の二酸化炭素濃度、又は対象空間が有する扉もしくは窓の開閉を含むことで、対象空間で扉もしくは窓の開閉による換気が行われた場合でも、対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第8観点の機械学習器は、第7観点の機械学習器であって、環境情報が、対象空間の換気量、又は対象空間の容積をさらに含む。
この機械学習器では、環境情報が、対象空間の換気量、又は対象空間の容積をさらに含むことで、対象空間特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
第9観点の換気制御装置は、第2観点の機械学習器と、制御部と、を備える。制御部は、機械学習器の予測部の出力である、対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う。
この換気制御装置では、対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、換気機器の制御を行うようにしたので、対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、対象空間に対して適切な換気制御を行うことができる。
第10観点の換気制御装置は、第1の予測部と、第2の予測部と、制御部と、を備える。第1の予測部は、第1の対象空間に対して、第1観点の機械学習器の学習部の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第1の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。第2の予測部は、第2の対象空間に対して、第1観点の機械学習器の学習部の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第2の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。制御部は、第1の予測部の出力である、第1の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第1の対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う。制御部は、第2の予測部の出力である、第2の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第2の対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う。
この換気制御装置では、各対象空間に各対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測する個別の予測部を設けるようにしたので、各対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、各対象空間に対して適切な換気制御を行うことができる。
第11観点の換気制御方法は、予測ステップと、制御ステップと、を備える。予測ステップは、第1観点の機械学習器の学習部の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。制御ステップは、予測ステップの出力である、対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う。
この換気制御方法では、対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、換気機器の制御を行うようにしたので、対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、対象空間に対して適切な換気制御を行うことができる。
第12観点の換気制御方法は、第1の予測ステップと、第2の予測ステップと、制御ステップと、を備える。第1の予測ステップは、第1の対象空間に対して、第1観点の機械学習器の学習部の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第1の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。第2の予測ステップは、第2の対象空間に対して、第1観点の機械学習器の学習部の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第2の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。制御ステップは、第1の予測ステップの出力である、第1の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第1の対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う。制御部は、第2の予測ステップの出力である、第2の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第2の対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う。
この換気制御方法では、各対象空間に各対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測する個別の予測ステップを備えるようにしたので、各対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、各対象空間に対して適切な換気制御を行うことができる。
機械学習器の機能ブロック図である。 換気制御システムの機能ブロック図である。 ニューラルネットワークのニューロンのモデルの模式図である。 学習データの一例を示す図である。 二酸化炭素濃度の実測値と予測値の時系列変化の一例を示す図である。 換気制御システムのフローチャートである。 機械学習器の機能ブロック図である。 換気制御システムのフローチャートである。 二酸化炭素濃度の予測値の時系列変化の一例を示す図である。 在室人数の時系列変化の一例を示す図である。 閾値に達する時間の時系列変化の一例を示す図である。 機械学習器の機能ブロック図である。 換気制御システムの機能ブロック図である。 換気制御システムのフローチャートである。
<第1実施形態>
(1)換気制御システムの全体構成
本実施形態の換気制御システム1は、対象空間である部屋R1~R3の換気制御を行うために設けられたシステムである。換気制御システム1は、図2に示すように、主にダンパ80a~80cと、ダクト配管81と、ファン82と、二酸化炭素センサ60a~60dと、カメラ70a~70cと、換気制御装置200と、を有している。
換気制御装置200は、コンピュータにより実現されるものである。換気制御装置200は、機械学習器100と、制御部50とを備える。
機械学習器100は、図1に示すように、第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30と、予測部40と、を備える。第1取得部10は、対象空間R1~R3の環境情報を取得する。第2取得部20は、対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。学習部30は、環境情報と人数情報とを関連付けて学習する。予測部40は、学習部30の学習結果に基づき、環境情報と人数情報とから対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
換気制御装置200は、機械学習器100の予測部40の出力である部屋R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、ダンパ80a~80cの制御を行う。
機械学習器100は、ネットワーク90を介して、部屋R1~R3に設置された二酸化炭素センサ60a~60cから、部屋R1~R3の実際の二酸化炭素濃度を取得する。また、機械学習器100は、ネットワーク90を介して、外部に設置された二酸化炭素センサ60dから、外部の二酸化炭素濃度を取得する。また、機械学習器100は、ネットワーク90を介して、部屋R1~R3に設置されたカメラ70a~70cから、部屋R1~R3の人数情報を取得する。
(2)詳細構成
(2-1)機械学習器
(2-1-1)第1取得部
第1取得部10は、対象空間である部屋R1~R3の環境情報を取得する。本実施形態では、環境情報は、対象空間R1~R3内の実際の二酸化炭素濃度を含む。また、対象空間R1~R3の環境情報は、外気の二酸化炭素濃度、対象空間R1~R2の換気量又は対象空間R1~R3の容積である。対象空間R1~R3の換気量は、換気機器であるダンパ80a~80cの換気量である。
本実施形態では、第1取得部10は、二酸化炭素濃度センサ60a~60cを使って、対象空間R1~R3内の実際の二酸化炭素濃度を取得する。また、第1取得部10は、外部の二酸化炭素センサ60dを使って、外気の二酸化炭素濃度を取得する。また、第1取得部10は、換気機器であるダンパ80a~80cの換気量を、換気機器のカタログ等から取得する。また、第1取得部10は、図面を用いて対象空間R1~R3の容積を取得する。
(2-1-2)第2取得部
第2取得部20は、対象空間である部屋R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。本実施形態では、第2取得部20は、部屋R1~R3に設置されたカメラ70a~70cを使って、部屋R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。図2に示すように、部屋R1の人数は2人である。部屋R2の人数は0人である。部屋R3の人数は5人である。
(2-1-3)学習部
学習部30は、第1取得部10が取得した環境情報と、第2取得部20が取得した人数情報とを関連付けて学習する。学習部30は、対象空間毎に異なる環境情報、及び人数情報を情報として機械学習を行い、次の式1に示す二酸化炭素濃度推定モデルを作成する。
式1:
Figure 2022157502000017

但し、
C:室内の二酸化炭素濃度(ppm)
o:外気の二酸化炭素濃度(ppm)
:換気機器の換気量(m/h)
V:部屋容積(m
:一般的な人の二酸化炭素排出量(m/h・人)
n:人数(人)
図3にニューラルネットワークのニューロンのモデルの模式図を示す。図3に示すように、ニューロンは、複数の入力(図3では入力x、x)に対する出力yを出力とする。各入力(図3では入力x、x)には、対応する重みが乗算される。入力xに対応する重みはaである。入力xに対応する重みはbである。
本実施形態では、入力xは、換気機器による二酸化炭素濃度の変化である(C-C)*Q/Vを示す。また、入力xは、人による二酸化炭素濃度の変化であるM*n/Vを示す。出力yは、ΔC/Δt(傾き)を示す。
本実施形態では、最急降下法を用いて、ΔC/Δt(傾き)と二酸化炭素濃度の実測値を比較することで、重み(係数)a、bの学習を行う。重みa、bの値は、対象空間R1~R3毎に決定される。
(2-1-4)予測部
予測部40は、学習部30の学習結果に基づき、対象空間R1~R3の環境情報と人数情報とから対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
予測部40は、対象空間R1の環境情報と人数情報とを入力情報として学習部30で学習を行って作成した式1の二酸化炭素濃度推定モデル(学習済みモデル)を用いて、対象空間R1内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
また、予測部40は、対象空間R2の環境情報と人数情報とを入力情報として学習部30で学習を行って作成した式1の二酸化炭素濃度推定モデルを用いて、対象空間R2内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
また、予測部40は、対象空間R3の環境情報と人数情報とを入力情報として学習部30で学習を行って作成した式1の二酸化炭素濃度推定モデルを用いて、対象空間R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
予測部40は、式1のΔC/Δtを用いて、Δtの時間経過した一定時間後の二酸化炭素濃度を予測することができる。
(2-2)制御部
制御部50は、機械学習器100の予測部40の出力である、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R1~R3に対して設置されているダンパ80a~80cの制御を行う。
制御部50はコンピュータにより実現されるものである。制御部50は、制御演算装置と記憶装置(図示せず)とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。
(3)学習処理
学習部30は、環境情報と、人数情報と、微小時間の二酸化炭素濃度の変化を学習用データセットとして学習する。本実施形態では、環境情報は、室内の実際の二酸化炭素濃度と、外気の二酸化炭素濃度と、換気機器の換気量である。人数情報は、対象空間に存在する人の数に関する人数情報である。
図4に部屋R1における学習データの一例を示す。部屋R1で、部屋容積がV1であるとする。また、換気機器はダンパ80aである。図4に示すように、室内二酸化炭素濃度C、外気の二酸化炭素濃度Co1、換気機器の換気量Qm1、部屋R1に在室する人数nを入力とし、微小時間の二酸化炭素濃度ΔC/Δtを出力とする学習用データセットによって学習させる。また、室内二酸化炭素濃度C、外気の二酸化炭素濃度Co2、換気機器の換気量Qm2、部屋R1に在室する人数nを入力とし、微小時間の二酸化炭素濃度ΔC/Δtを出力とする学習用データセットによって学習させる。また、室内二酸化炭素濃度C、外気の二酸化炭素濃度Co3、換気機器の換気量Qm3、部屋R1に在室する人数nを入力とし、微小時間の二酸化炭素濃度ΔC/Δtを出力とする学習用データセットによって学習させる。また、室内二酸化炭素濃度C、外気の二酸化炭素濃度Cok、換気機器の換気量Qmk、部屋R1に在室する人数nを入力とし、微小時間の二酸化炭素濃度ΔC/Δtを出力とする学習用データセットによって学習させる。
対象空間R1の二酸化炭素濃度の実測値と予測値の時系列変化の例を図5に示す。二酸化炭素濃度の実測値を実線で、二酸化炭素濃度の予測値を点線で示す。予測値は、対象空間R1における学習用データセットによって学習して得られた二酸化炭素濃度推定モデルを使用して求める。予測値は、ある時点から10分後の二酸化炭素濃度を予測したものとする。対象空間R1における学習用データセットで学習して得られた二酸化炭素濃度推定モデルを用いた場合、対象空間R1の二酸化炭素濃度の実測値と予測値は平均誤差が9.3ppmであり、標準偏差が8.0ppmである。
一方、他の部屋における学習用データセットで学習を行った二酸化炭素濃度推定モデルを使用して、対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値を求めた場合、対象空間R1の二酸化炭素濃度の平均誤差が12.2ppm、標準偏差が8.5ppmとなり、二酸化炭素濃度の予測値の精度が低下する。従って、対象空間のデータである環境情報と人数情報を用いて、二酸化炭素濃度推定モデルを作成することが好ましい。
(4)換気制御システムの全体動作
換気制御システム1のフローチャートを図6に示す。
まず、ステップS1で対象空間R1~R3の環境情報を取得する(ステップS1)。対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する(ステップS2)。
次に、学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R1~R3における一定時間後の二酸化炭素濃度を予測する(ステップS3)。本実施形態では、対象空間R1~R3における10分後の二酸化炭素濃度を予測するとする。
ステップS3では、対象空間R1の環境情報と人数情報を入力情報として学習部30で学習した結果に基づき、対象空間R1における10分後の二酸化炭素濃度を予測する。また、対象空間R2の環境情報と人数情報を入力情報として学習部30で学習した結果に基づき、対象空間R2における10分後の二酸化炭素濃度を予測する。また、対象空間R3の環境情報と人数情報を入力情報として学習部30で学習した結果に基づき、対象空間R3における10分後の二酸化炭素濃度を予測する。
次に、ステップS3で予測した二酸化炭素濃度に基づいて、ダンパ80a~80cの制御を行う(ステップS4)。
(5)特徴
(5-1)
本実施形態の機械学習器100は、第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30と、を備える。第1取得部10は、対象空間R1~R3の環境情報を取得する。第2取得部20は、対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。学習部30は、第1取得部10が取得した環境情報と、第2取得部20が取得した人数情報と、を関連付けて学習する。環境情報は、対象空間R1~R3内の実際の二酸化炭素濃度を含む。
対象空間の二酸化炭素濃度をコントロールするためにリアルタイムに二酸化炭素濃度を監視し換気制御を行った場合において、換気機器の起動時間やデータ通信時間は物件により異なるため、換気機器が設定した換気量に達するまでに、在室者の急増や発言量の増加などで二酸化炭素濃度が上昇する場合がある。また、対象空間内に人が入室しても二酸化炭素濃度が拡散するまで時間がかかるため、二酸化炭素濃度の上昇の検知が遅れる場合もある。
この機械学習器100では、対象空間R1~R3での適切な換気制御のために用いることができる、対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度推定モデルを作成することができる。従って、本実施形態の機械学習器100では、対象空間によって異なる二酸化炭素濃度の変化の特性を把握し、二酸化炭素濃度の高精度な推定を行うことができる。
(5-2)
本実施形態の機械学習器100は、学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する予測部40、をさらに備える。
この機械学習器100では、学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R1~R3の環境情報と人数情報とから一定時間後の二酸化炭素濃度を予測することで、一定時間内に対象空間R1~R3の環境や人数が変化した場合でも、対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
(5-3)
本実施形態の機械学習器100は、環境情報が、対象空間R1~R3の換気量、又は対象空間の容積をさらに含む。
この機械学習器100では、環境情報が、対象空間R1~R3の換気量、又は対象空間R1~R3の容積をさらに含むことで、対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
(5-4)
本実施形態の換気制御装置200は、機械学習器100と、制御部50と、を備える。制御部50は、機械学習器100の予測部40の出力である、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R1~R3に対して設置されている換気機器80a~80cの制御を行う。
換気の悪い密閉空間に当たらない基準の一つとして、室内二酸化炭素濃度1000ppm以下であることを厚生労働省が公表している。一方で、感染症の影響により、密閉への意識が高まり、感染リスクを抑えるために過剰な換気が行われている場合がある。そのため、外気負荷が増大するなどの要因により消費エネルギー量が増加している。
この換気制御装置200では、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、換気機器80a~80cの制御を行うようにしたので、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、対象空間R1~R3に対して適切な換気制御を行うことができる。また、この換気制御装置200では、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値を用いて、フィードフォワード式で換気連動を行うことによって安全性を高めることができる。従って、二酸化炭素濃度がある設定値以下を維持した必要十分な換気を行うことによって、安全性と省エネ性の両立が可能である。
(5-5)
本実施形態の換気制御装置200による換気制御方法は、予測ステップと、制御ステップと、を備える。予測ステップは、機械学習器100の学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。制御ステップは、予測ステップの出力である、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R1~R3に対して設置されている換気機器の制御を行う。
この換気制御装置200による換気制御方法では、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、換気機器の制御を行うようにしたので、対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、対象空間R1~R3に対して適切な換気制御を行うことができる。
(6)変形例
(6-1)変形例1A
本実施形態では、予測部40が対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する場合について説明したが、対象空間内の二酸化炭素濃度の変化量を予測値として予測するようにしてもよい。
予測部が、学習部の学習の結果に基づき、対象空間R1~R3の環境情報と人数情報とから二酸化炭素濃度の変化量を予測することで、対象空間R1~R3の環境や人数が変化した場合でも、対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度の変化量を高い精度で推定することができる。
(6-2)変形例1B
本実施形態では、予測部40が対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する場合について説明した。予測部40は、対象空間R1~R3内の定常状態時の二酸化炭素濃度を予測することもできる。
予測部40は、対象空間のある時刻の入力情報に基づいて、その入力情報における二酸化炭素濃度が最大となる濃度(定常状態時の二酸化炭素濃度)を算出して予測することができる。例えば、対象空間のある時間の環境情報と人数情報を用いて、式1のΔC/Δt=0としたときのCの値を求めれば、このCの値が対象空間の定常状態時の二酸化炭素濃度の予測値となる。
このように、人数情報などの入力情報を用いて、事前にどの程度まで二酸化炭素濃度が上昇するか予測することができる。
(6-3)変形例1C
本実施形態では、環境情報が外気の二酸化炭素濃度、対象空間の換気量又は対象空間の容積である場合について説明したが、これに限るものではない。環境情報は対象空間が有する扉もしくは開閉でもよい。
環境情報が、対象空間R1~R3が有する扉もしくは窓の開閉を含むことで、対象空間R1~R3で扉もしくは窓の開閉による換気が行われた場合でも、対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で予測することができる。
各対象空間R1~R3の二酸化炭素濃度推定モデルを利用して、例えば換気量や窓開閉などの入力情報を変化させた場合の二酸化炭素濃度を予測し、窓を開けるなどの所定の二酸化炭素濃度以下にするための行動を提案することができる。
また、本実施形態では、第1取得部10が外部の二酸化炭素センサ60dを使って、外気の二酸化炭素濃度を取得する場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、外気の二酸化炭素濃度を取得できない場合、外気の二酸化炭素濃度の値として、一般的に大気中に含まれる二酸化炭素濃度である420ppmという値を用いてもよい。
(6-4)変形例1D
本実施形態では、第2取得部20が人数情報を取得する場合について説明したが、これに限るものではない。第2取得部は、対象空間に存在する人の生体に関する情報をさらに取得するようにしてもよい。
変形例1Dの機械学習器110の機能ブロック図を図7に示す。
機械学習器110は、図7に示すように、第1取得部10と、第2取得部21、学習部30と、予測部40と、を備える。第1取得部10は、対象空間R1~R3の環境情報を取得する。第2取得部21は、対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報と、対象空間R1~R3に存在する人の生体に関する情報とを取得する。学習部30は、環境情報と人数情報と生体に関する情報とを関連付けて学習する。予測部40は、学習部30の学習結果に基づき、環境情報と人数情報と生体に関する情報から対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
生体に関する情報は、対象空間R1~R3に存在する人の会話量又は体温を含むようにしてもよい。また、生体に関する情報は、対象空間R1~R3に存在する人の性別、年齢、体格、又は姿勢をさらに含むようにしてもよい。
第2取得部21は、例えば音センサを用いて人の会話量を取得する。また、第2取得部21は、サーモセンサを用いて人の体温を取得する。また、第2取得部21は、カメラを用いて人の性別、年齢、体格、又は姿勢を取得する。
変形例1Dの換気制御システムのフローチャートを図8に示す。
まず、ステップS1で対象空間R1~R3の環境情報を取得する(ステップS11)。対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する(ステップS12)。次に、対象空間R1~R3に存在する人の生体に関する情報を取得する(ステップS13)。次に、学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R1~R3における一定時間後の二酸化炭素濃度を予測する(ステップS14)。ステップS14で予測した二酸化炭素濃度に基づいて、ダンパ80a~80cの制御を行う(ステップS15)。
変形例1Dの機械学習器110では、入力情報として、対象空間に存在する人に関する生体に関する情報をさらに用いることで、その人が存在する対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
また、機械学習器110では、生体に関する情報が対象空間に存在する人の会話量又は体温を含むことで、対象空間R1~R3に存在する人の会話量が増加することによって二酸化炭素濃度が増加した場合であっても、その人が存在する対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
また、機械学習器110では、生体に関する情報が対象空間R1~R3に存在する人の性別、年齢、体格、又は姿勢をさらに含むことで、その人が存在する対象空間R1~R3特有の二酸化炭素濃度を高い精度で推定することができる。
(6-5)変形例1E
本実施形態では、第1取得部10が図面を用いて対象空間R1~R3の容積を取得する場合について説明したが、これに限るものではない。
対象空間内の人数情報と、室内の二酸化炭素濃度と、外気の二酸化炭素濃度と、換気機器の換気量とを用いて、対象空間の容積を推定することもできる。対象空間内の人数が0人の場合において、ある時点t1と、t1とは異なる時点t2の、対象空間内の二酸化炭素濃度の減衰から対象空間の容積を推定するようにしてもよい。
(6-6)変形例1F
換気制御装置200の制御部50が換気機器80a~80cの制御を行う際に、対象空間R1~R3に人が存在する時の二酸化炭素濃度を推定することにより、二酸化炭素濃度が閾値以下を維持する換気制御を行うようにしてもよい。
図9Aに対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値の時系列変化の一例を示す。図9Bに対象空間R1の在室人数の時系列変化の一例を示す。図9Cに対象空間R1における二酸化炭素濃度の閾値に達する時間の時系列変化の一例を示す。
二酸化炭素濃度の閾値を1000ppmとする。また、推定される定常状態時の二酸化炭素濃度が閾値以下の場合、閾値に到達するまでの時間を20分とする。また、対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値が閾値に達するまでの時間が5分以下の場合、換気制御を行う。
例えば、図9Bに示すように、対象空間R1の在室人数は0時の時点では0人であり、1時の時点で30人である。
0時の時点で、対象空間R1の二酸化炭素濃度の実測値は約820ppmである。その後、図9Aに示すように、1時の時点で、対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値は約958ppmである。従って、0時から1時の間に対象空間R1の二酸化炭素濃度が増加することが推定される。図9Cに示すように、0時から1時の間に、対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値が閾値に到達するまでの時間は短くなり、1時の時点で閾値に到達するまでの時間は5分になる。その後、図9Aに示すように、さらに対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値は増加し、2時30分頃まで、閾値の1000ppmを超えている。1時から2時30分頃の間、図9Cに示すように、対象空間R1の二酸化炭素濃度の予測値が閾値に到達するまでの時間は5分以下である。従って、1時から2時30分頃までの間、対象空間R1の換気制御を行う。
このように、対象空間に人が存在する時の二酸化炭素濃度を推定することにより、二酸化炭素濃度が閾値以下を維持する換気制御を行うことで、安全性と省エネ性の両立を実現できる。
また、予測部40から出力される対象空間内の二酸化炭素濃度の予測値を用いて、対象空間内の二酸化炭素濃度の変化をディスプレイに表示して、対象空間の利用者に二酸化炭素濃度の変化を認識させることができるようにしてもよい。例えば、対象空間内の二酸化炭素濃度の変化として、対象空間内の二酸化炭素濃度の予測値が所定の設定値に到達するまでの時間をディスプレイに表示するようにしてもよい。対象空間内の二酸化炭素濃度の変化は、対象空間内の二酸化炭素濃度が増加する場合に限らず、対象空間内の二酸化炭素濃度が減少する場合も含まれる。
(6-7)変形例1G
本実施形態では、学習部30が教師ありのニューラルネットワークを用いた機械学習を行い、二酸化炭素濃度推定モデルを作成する場合について説明したが、これに限るものではない。機械学習方法は、線形回帰やディープラーニング、LSTM(Long Short Term Memory)等を用いてもよい。
<第2実施形態>
(1)全体構成
本実施形態の換気制御システム2は、部屋R1~R3の換気制御を行うために設けられたシステムである。換気制御システム2は、図11に示すように、主にダンパ80a~80cと、ダクト配管81と、ファン82と、二酸化炭素センサ60a~60dと、カメラ70a~70cと、予測部41a~41cと、機械学習器120と、換気制御装置210と、を有している。
換気制御装置210は、コンピュータにより実現されるものである。換気制御装置200は、制御部51を備える。
機械学習器120は、図10に示すように、第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30と、を備える。第1取得部10は、対象空間R1~R3の環境情報を取得する。第2取得部20は、対象空間R1~R3に存在する人の数に関する人数情報を取得する。学習部30は、環境情報と人数情報とを関連付けて学習する。
部屋R1~R3に予測部41a~41cが設けられている。予測部41a~41cは、機械学習器120で学習した学習済みモデルを有する。予測部41a~41cは、機械学習器120の学習部30の学習結果に基づき、環境情報と人数情報とから対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
換気制御装置210は、予測部41a~41cの出力である部屋R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、ダンパ80a~80cの制御を行う。
機械学習器120は、ネットワーク90を介して、部屋R1~R3に設置された二酸化炭素センサ60a~60cから、部屋R1~R3の実際の二酸化炭素濃度を取得する。また、機械学習器100は、ネットワーク90を介して、外部に設置された二酸化炭素センサ60dから、外部の二酸化炭素濃度を取得する。また、機械学習器100は、ネットワーク90を介して、部屋R1~R3に設置されたカメラ70a~70cから、部屋R1~R3の人数情報を取得する。
(2)詳細構成
(2-1)機械学習器
機械学習器120は、図10に示すように、第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30と、を備える。第1取得部10と、第2取得部20と、学習部30の構成は、第1実施形態と同様であるため、詳しい説明を省略する。
(2-2)予測部
予測部41aは、対象空間R1に設置されている。予測部41aは、対象空間R1に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R1の環境情報と人数情報とから対象空間R1内の一定期間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
また、予測部41bは、対象空間R2に設置されている。予測部41bは、対象空間R2に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R2の環境情報と人数情報とから対象空間R2内の一定期間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
また、予測部41cは、対象空間R3に設置されている。予測部41cは、対象空間R3に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、対象空間R3の環境情報と人数情報とから対象空間R3内の一定期間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。
(2-3)制御部
制御部51は、予測部41aの出力である、対象空間R1内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R1に対して設置されているダンパ80aの制御を行う。また、制御部51は、予測部41bの出力である、対象空間R2内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R2に対して設置されているダンパ80bの制御を行う。また、制御部51は、予測部41cの出力である、対象空間R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、対象空間R3に対して設置されているダンパ80cの制御を行う。
制御部51はコンピュータにより実現されるものである。制御部51は、制御演算装置と記憶装置(図示せず)とを備える。制御演算装置には、CPU又はGPUといったプロセッサを使用できる。制御演算装置は、記憶装置に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って所定の画像処理や演算処理を行う。さらに、制御演算装置は、プログラムに従って、演算結果を記憶装置に書き込んだり、記憶装置に記憶されている情報を読み出したりすることができる。記憶装置は、データベースとして用いることができる。
(3)全体動作
換気制御システム2のフローチャートを図12に示す。図6に示した第1実施形態における処理と実質的に同じであるため、詳細な説明を省略する。第1実施形態では、ステップS3で機械学習器100の予測部40を用いて一定時間後の二酸化炭素濃度を予測している。第2実施形態では、ステップS23で、各対象空間R1~R3に設けられた予測部41a~41cを用いて二酸化炭素濃度を予測する点が第1実施形態と異なる。
(4)特徴
(4-1)
本実施形態の換気制御装置210は、第1の予測部41aと、第2の予測部41bと、第3の予測部41cと、制御部50と、を備える。第1の予測部41aは、第1の対象空間R1に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第1の対象空間R1内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。第2の予測部41bは、第2の対象空間R2に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第2の対象空間R2内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。第3の予測部41cは、第3の対象空間R3に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第3の対象空間R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。制御部51は、第1の予測部41aの出力である、第1の対象空間R1内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第1の対象空間R1に対して設置されている換気機器80aの制御を行う。制御部51は、第2の予測部41bの出力である、第2の対象空間R2内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第2の対象空間R2に対して設置されている換気機器80bの制御を行う。制御部51は、第3の予測部41cの出力である、第3の対象空間R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第3の対象空間R3に対して設置されている換気機器80cの制御を行う。
この換気制御装置210では、各対象空間R1~R3に各対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測する個別の予測部41a~41cを設けるようにしたので、各対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、各対象空間R1~R3に対して適切な換気制御を行うことができる。
(4-2)
本実施形態の換気制御装置210による換気制御方法は、第1の予測ステップと、第2の予測ステップと、第3の予測ステップと、制御ステップと、を備える。第1の予測ステップは、第1の対象空間R1に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第1の対象空間R1内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。第2の予測ステップは、第2の対象空間R2に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第2の対象空間R2内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。第3の予測ステップは、第3の対象空間R3に対して、機械学習器120の学習部30の学習の結果に基づき、環境情報と人数情報とから第3の対象空間R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する。制御ステップは、第1の予測ステップの出力である、第1の対象空間R1内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第1の対象空間R1に対して設置されている換気機器の制御を行う。制御ステップは、第2の予測ステップの出力である、第2の対象空間R2内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第2の対象空間R2に対して設置されている換気機器の制御を行う。制御ステップは、第3の予測ステップの出力である、第3の対象空間R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度の予測値に基づいて、第3の対象空間R3に対して設置されて換気機器の制御を行う。
この換気制御装置210による換気制御方法では、各対象空間R1~R3に各対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測する個別の予測ステップを備えるようにしたので、各対象空間R1~R3内の一定時間後の二酸化炭素濃度をあらかじめ予測して、各対象空間R1~R3に対して適切な換気制御を行うことができる。
(5)変形例
(5-1)変形例2A
本実施形態では、3部屋のそれぞれに第1~第3の予測部41a~41bを備える場合について説明したが、これに限るものではない。2以上である複数の部屋のそれぞれに予測部を備えるようにしてもよい。また、対象空間が1部屋であり、1つの対象空間に予測部を備えるようにしてもよい。
(5-2)変形例2B
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
2 換気制御システム
100、110、120 機械学習器
200、210 換気制御装置
10 第1取得部
20、21 第2取得部
30 学習部
40、41a~41c 予測部
50、51 制御部
60a~60d 二酸化炭素センサ
70a~70c カメラ
80a~80c ダンパ(換気機器)
81 ダクト配管
82 ファン
90 ネットワーク
特開2010-96382号公報

Claims (10)

  1. 対象空間の環境情報を取得する第1取得部(10)と、
    前記対象空間に存在する人の数に関する人数情報を取得する第2取得部(20、21)と、
    前記第1取得部が取得した前記環境情報と、前記第2取得部が取得した前記人数情報と、を関連付けて学習する学習部(30)と、
    を備え、
    前記環境情報は、前記対象空間内の実際の二酸化炭素濃度を含む、
    機械学習器(100、110、120)。
  2. 前記学習部の学習の結果に基づき、前記環境情報と前記人数情報とから前記対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する予測部(40、41a~41c)、をさらに備える、
    請求項1に記載の機械学習器。
  3. 前記予測部は、前記対象空間内の二酸化炭素濃度の変化量を前記予測値として予測する、
    請求項2に記載の機械学習器。
  4. 前記第2取得部は、前記対象空間に存在する人の生体に関する情報をさらに取得し、
    前記学習部は、前記第2取得部が取得した前記生体に関する情報を、さらに関連付けて学習する、
    請求項1から3のいずれかに記載の機械学習器。
  5. 前記生体に関する情報は、前記対象空間に存在する人の会話量又は体温を含む、
    請求項4に記載の機械学習器。
  6. 前記生体に関する情報は、前記対象空間に存在する人の性別、年齢、体格、又は姿勢をさらに含む、
    請求項4又は5に記載の機械学習器。
  7. 前記環境情報が、外気の二酸化炭素濃度、又は前記対象空間が有する扉もしくは窓の開閉を含む、
    請求項1から6のいずれかに記載の機械学習器。
  8. 前記環境情報が、前記対象空間の換気量、又は前記対象空間の容積をさらに含む、
    請求項7に記載の機械学習器。
  9. 請求項2に記載の機械学習器と、
    前記機械学習器の前記予測部の出力である、前記対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の前記予測値に基づいて、前記対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う制御部(50)と、
    を備える換気制御装置(200)。
  10. 第1の対象空間に対して、請求項1に記載の機械学習器の前記学習部の学習の結果に基づき、前記環境情報と前記人数情報とから前記第1の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する第1の予測部と、
    第2の対象空間に対して、請求項1に記載の機械学習器の前記学習部の学習の結果に基づき、前記環境情報と前記人数情報とから前記第2の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度を予測値として予測する第2の予測部と、
    前記第1の予測部の出力である、前記第1の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の前記予測値に基づいて、前記第1の対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行い、前記第2の予測部の出力である、前記第2の対象空間内の一定時間後の二酸化炭素濃度の前記予測値に基づいて、前記第2の対象空間に対して設置されている換気機器の制御を行う、制御部(51)と、
    を備える換気制御装置(210)。
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