JP2022157015A - 建設機械 - Google Patents

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貴彦 黒瀬
Takahiko Kurose
枝穂 泉
Shiho Izumi
博史 坂本
Hiroshi Sakamoto
浩太郎 増田
Kotaro Masuda
正道 田中
Masamichi Tanaka
雅嗣 荒井
Masatsugu Arai
昌輝 日暮
Masateru Higure
毅一 佐藤
Kiichi Sato
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Abstract

【課題】高精度の走行制御を実施し、施工品質の向上を図る建設機械を提供する。【解決手段】本発明の建設機械1は、フロント機体30に回転可能に取付けられた前輪22と、リア機体40に回転可能に取付けられた後輪24と、フロント機体及びリア機体をアーティキュレート式に連結する連結機構15と、を備え、フロント機体に取付けられ、フロント機体のフロント位置座標を検出するように構成された第1位置計測装置98aと、リア機体に取付けられ、リア機体のリア位置座標を検出するように構成された第2位置計測装置98bと、フロント位置座標及びリア位置座標に基づいてリア位置座標からフロント位置座標に向かうベクトルの方向成分を算出し、方向成分を進行方向として出力する進行方向演算部を含んで構成される制御装置とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は建設機械に関し、特にGNSSアンテナを備える建設機械に関する。
土木現場において建設作業に従事するショベル、ホイールローダ、振動ローラ等の建設機械は、本体を形成するフレーム、走行用の車輪あるいは履帯を有し、オペレータによる操作指示により所望の作業を行うものである。
この様な建設機械の分野では近年、施工の効率化あるいは無人化を目的として、自動運転可能な建設機械の開発が進められている。特に振動ローラ等に代表される転圧機械の分野においては、自身の走行動作によって自重や振動を利用して路面を締め固めるという比較的単純な施工であることから、自動化の取り組みが進んでいる。
このような転圧機械の自動化においては、施工現場における所定の領域を繰り返し走行させるために、GNSS(Global Navigation Satellite System)と呼ばれる衛星測位システムやトータルステーション等を用いて、自車の現在位置を認識しながら走行制御を行う方式が一般的に採用されている。
例えば特許文献1には、地面を転圧する振動ローラと、施工現場に立設されるトータルステーションと、施工現場から離れた位置にある操作室内に設置されたホストPCとを備えて構成された無人化施工システムについて記載されている。当該無人化施工システムにおいて、ホストPCは、トータルステーションから受信した振動ローラの位置情報を振動ローラに対して送信するように構成されている。また、ホストPCは、振動ローラの機体情報(例えば、振動ローラの進行方向、速度、ステアリング角度等)を振動ローラから周期的に受信するように構成されている。
そして、特許文献1に記載の振動ローラには、振動ローラを旋回させるアーティキュレート機構のセンタピンにステア角度検出センサが設けられている。当該センサによって検出されたステアリング角度は自律走行制御装置に受け渡され、振動ローラの走行方向の修正などに用いられる。具体的には、アーティキュレート機構が自律走行用制御装置から進行方向を修正する制御指令を受信すると、当該制御指令に基づいてステアリングシリンダが伸縮し前輪の方向が変化する。
特許第6751588号公報
ところで、転圧機械が締固め作業を行う際、一般にレーンチェンジとよばれる走行領域の移動を行うことがある。この場合、転圧機械は、施工対象の路面が未だ締め固められていない状態の領域に転舵しながら進入することになり、機体の揺動(ヨー、ロール、ピッチ)や車輪のスリップ(横滑り及び空回り)等が生じることがある。
上述したように、特許文献1に記載の振動ローラは、アーティキュレート機構のセンタピンに設置されたステア角度検出センサ(即ち内界センサ)によってステアリング角度を検出している。このため、転圧作業中に車輪のスリップが生じた場合、ステア角度検出センサで検出された機体の進行方向と実際に機体が進んでいる進行方向が異なることがあり、当該センサは実情と差異のある計測値を取得するおそれがある。このように、実情と差異のある計測値に基づいて転圧機械の走行制御が実施された場合、例えば機体にふらつき等が生じて走行制御の精度が悪化し、ひいては最終的な施工品質が低下するおそれがあった。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高精度の走行制御を実施し、施工品質の向上を図る建設機械を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の建設機械は、フロント機体及びリア機体を含んで構成される機体と、前記フロント機体に回転可能に取付けられた前輪と、前記リア機体に回転可能に取付けられた後輪と、前記フロント機体及びリア機体をアーティキュレート式に連結する連結機構と、を備える建設機械において、前記フロント機体に取付けられ、前記フロント機体のフロント位置座標を検出するように構成された第1位置計測装置と、前記リア機体に取付けられ、前記リア機体のリア位置座標を検出するように構成された第2位置計測装置と、前記フロント位置座標及び前記リア位置座標に基づいて前記リア位置座標から前記フロント位置座標に向かうベクトルの方向成分を算出し、前記方向成分を進行方向として出力する進行方向演算部を含んで構成される制御装置とを備える、ことを特徴とする。
本発明の建設機械は、フロント機体のフロント位置座標を検出するように構成された第1位置計測装置と、リア機体のリア位置座標を検出するように構成された第2位置計測装置と、フロント位置座標及びリア位置座標に基づいてリア位置座標からフロント位置座標に向かうベクトルの方向成分を算出し、当該方向成分を進行方向として出力する進行方向演算部を含んで構成される制御装置とを備えている。このように、フロント位置座標及びリア位置座標に基づいて機体の進行方向が算出されることから、建設機械の稼働中に例えば前輪又は後輪がスリップした場合であっても、制御装置は当該進行方向に基づいて実情に即した機体の向きを正確に把握することができる。このため、建設機械で自動運転(例えば自律走行運転)する場合であっても、制御装置によって把握される機体の進行方向と実際に機体が進んでいる進行方向との差異が小さくなり、機体の走行制御(例えばステアリング制御)を高精度で実施することができる。この結果、施工品質の向上を図る建設機械を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る転圧機械の概略構成を示す左側面図である。 図1に示す転圧機械に取付けられるGNSSアンテナの位置を説明する平面図である。 図1に示す転圧機械が右旋回している状態を示す平面図である。 図1に示す転圧機械に搭載される制御装置の機器構成を概略的に示すものであり、自律運転制御を行う場合に使用される機器構成を示す。 図1に示す転圧機械に搭載される制御装置の機器構成を概略的に示すものであり、遠隔操作制御を行う場合に使用される機器構成を示す。 図1に示す転圧機械に搭載される制御装置の機器構成を概略的に示すものであり、サイトセーフティ制御を行う場合に使用される機器構成を示す。 図1に示す転圧機械に取付けられた操作盤の構成を説明する概略図である。 図1に示す転圧機械に取付けられたLED表示器の表示内容の一例を示す図である。 図1に示す転圧機械の遠隔操作運転を行う場合に使用される無線リモコンの構成を説明する概略図である。 図1に示す転圧機械で自律運転制御を行う場合に実施される制御装置における制御フローを説明するものである。
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。本実施形態では、建設機械の一例である転圧機械1について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る転圧機械1の概略構成を示す左側面図である。図2は、図1に示す転圧機械1に取付けられるGNSSアンテナ98の位置を説明する平面図である。図3は、図1に示す転圧機械1が右旋回している状態を示す平面図である。図4は、図1に示す転圧機械1に搭載される制御装置90の機器構成を概略的に示すものであり、自律運転制御を行う場合に使用される機器構成を示す。図5は、図1に示す転圧機械1に搭載される制御装置90の機器構成を概略的に示すものであり、遠隔操作制御を行う場合に使用される機器構成を示す。図6は、図1に示す転圧機械1に搭載される制御装置90の機器構成を概略的に示すものであり、サイトセーフティ制御を行う場合に使用される機器構成を示す。図7は、図1に示す転圧機械1に取付けられた操作盤86の構成を説明する概略図である。図8は、図1に示す転圧機械1に取付けられたLED表示器96の表示内容の一例を示す図である。図9は、図1に示す転圧機械1の遠隔操作運転を行う場合に使用される無線リモコン100の構成を説明する概略図である。図10は、図1に示す転圧機械1で自律運転制御を行う場合に実施される制御装置90における制御フローを説明するものである。
説明の便宜上、転圧機械1において転圧輪22(前輪)が設けられている側を「前」、タイヤ24(後輪)が設けられている側を「後」、後方から前方を見た状態を基準として「左」、「右」を定義し、重力を基準に「上」、「下」を定義する。即ち、各図に示される矢印「前」及び「後」は、転圧機械1の前進方向及び後進方向を示し、矢印「左」及び「右」は転圧機械1の左右(車幅)方向を示し、矢印「上」及び「下」は転圧機械1の上下方向を示している。
<転圧機械の全体構成>
図1に示すように、転圧機械1は、アスファルト路面の転圧施工等に使用されるアーティキュレート式(関節式)の土工振動ローラであって、機体10と車輪20とを含んでいる。機体10は、フロント機体30とリア機体40とから構成されている。フロント機体30及びリア機体40は、連結機構15を介してアーティキュレート式に互いに連結されている。当該連結機構15により、フロント機体30はリア機体40に対しヨー方向で旋回可能(転舵可能)となっている(図3)。車輪20は、フロント機体30に回転可能に取付けられた転圧輪22(前輪)と、リア機体40に回転可能に取付けられたタイヤ24(後輪)とから構成されている。
転圧機械1の基本動作は、振動動作、走行動作、転舵動作、及び締固め動作から構成され、これらの基本動作を適宜組み合わせることで転圧作業が行われる。振動動作は、転圧輪22に内蔵された振動アクチュエータ120(図4及び図5)を振動させることで、転圧輪22を振動させる動作である。走行動作は、エンジン及び油圧ポンプ(いずれも図示せず)を用いてタイヤ24を回転させて転圧機械1を走行させる動作である。なお、転圧作業中は、路面の締固め度合いを一定にするため、転圧機械1を一定速度で走行することが望ましい。転舵動作は、上記エンジン及び油圧ポンプを用いて、転舵アクチュエータ116(図4及び図5)を作動させてリア機体40に対しフロント機体30を屈曲させる動作である。締固め動作は、転圧機械1を走行させながら、当該転圧機械1の自重、及び必要に応じて追加される転圧輪22の振動によって、転圧輪22及びタイヤ24を介して路面に荷重を加える動作である。
<転圧輪、フロント機体>
図1に示すように、転圧輪22はドラム形に形成されており、フロント機体30の枠体の内部に収容されている。転圧輪22の左右両側に位置する各端壁は、例えば防振ゴムを内蔵した支持ユニットを介して、後述する一対のサイドフレーム32に回転可能に支持されている。このようにして、転圧輪22はフロント機体30に弾性支持される。この転圧輪22内には、当該転圧輪22を振動させる例えば振動モータ等の振動アクチュエータ120が内蔵されており、当該振動アクチュエータ120を駆動することで、転圧輪22を振動させている。
フロント機体30は、転圧輪22の各端壁に沿って延びる一対のサイドフレーム32と、当該一対のサイドフレーム32の前側端部を転圧輪22の前方で接続する前側接続フレーム(図示せず)と、当該一対のサイドフレーム32の後方端部を転圧輪22の後方で接続する後側接続フレーム(図示せず)と、を含む。具体的には、一対のサイドフレーム32は、転圧輪22の左右方向(車幅方向)外側において、前後方向に延びる板状の部材である。また、前側接続フレームは、転圧輪22の前方において左右方向に延びる角柱状の部材である。そして、前側接続フレーム部の左右両端に、一対のサイドフレーム32の前側端部がボルト等の締結部材を介して固定されている。また、後側接続フレームは、転圧輪22の後方において左右方向に延びる角柱状の部材である。そして、後側接続フレームの左右両端に、一対のサイドフレーム32の後側端部がボルト等の締結部材を介して固定されている。フロント機体30は、一対のサイドフレーム32、前側接続フレーム、及び後側接続フレームにより、平面視四角形状を有する枠体に形成されている。また、フロント機体30の前側接続フレームには、転圧輪22の外周面に付着した泥等の付着物を掻き落とすためのスクレーパ装置38が取付けられている。
<タイヤ、リア機体>
図1に示すように、リア機体40は、リアフレーム50と、リアフレーム50の後端に取付けられたリアバンパー52と、リアフレーム50の前側部分に搭載された制御装置収容体60と、リアフレーム50の後側部分に搭載された駆動装置収容体70とを含んで構成されている。リアフレーム50には、タイヤ24が回転可能に取り付けられている。タイヤ24はリアフレーム50の左右に1つずつ取付けられている。つまり、リアフレーム50は、左右のタイヤ24の間に配置している。なお、本実施形態に係る転圧機械1において、リアフレームの50の上方には、いわゆる運転席(即ちキャビン)が設けられていない。
制御装置収容体60は、後述する制御装置90を収容する筐体であり、略直方体状に形成されている。駆動装置収容体70は、ディーゼルエンジン及び油圧ポンプを収容する筐体である。当該油圧ポンプはディーゼルエンジンによって駆動され、振動アクチュエータ120、タイヤ24を駆動するように構成された走行アクチュエータ118(例えば斜板式可変容量型の走行用モータ)、及びリア機体40に対しフロント機体30を転舵させるように構成された転舵アクチュエータ116(例えば油圧シリンダ)等の油圧機器に対して作動油を供給する。走行アクチュエータ118は機体10に取付けられており、圧油の押しのけ容積及び斜板の傾転方向を調整することで転圧機械1の走行速度及び前後進方向を制御している。
図1から図3に示すように、連結機構15は、フロント機体30及びリア機体40をアーティキュレート式に互いに連結するものである。具体的には、フロント機体30の後側接続フレーム及びリア機体40のリアフレーム50が、連結機構15を介して回動可能に連結されている。転舵アクチュエータ116は、例えば一対の油圧シリンダと、当該一対の油圧シリンダ内に伸縮自在に収容された一対のピストンロッドとを含んで構成されている。一対の油圧シリンダはリア機体に相対回動可能に取付けられており、一対のピストンロッドはフロント機体30に相対回動可能に取り付けられている。油圧ポンプにより供給される圧油によって一対の油圧シリンダ内の油圧を変化させて一対のピストンロッドを伸縮させることにより、リア機体40に対してフロント機体30が回動し転舵動作が実現される。なお、転舵アクチュエータ116の構成は公知であるため、その詳細な説明を省略する。
図1から図9に示すように、転圧機械1は、更に、機体情報取得手段108と、カメラ82と、フード部材84と、操作盤86と、通信装置88と、制御装置90と、報知灯92と、照明器具94、LED表示器96とを含んで構成されている。
<機体情報取得手段>
機体情報取得手段108は、後述する転圧機械1の自律運転に必要な機体10の種々様々な情報を取得して制御装置90に送信するように構成されたものであり、GNSSアンテナ98と、シフトレバー位置センサ99(前後進検出センサ)と、障害物検出センサ80と、速度検出センサ(図示せず)と、を含んで構成されている。
図1に示すように、GNSSアンテナ98は、フロント機体30に固定されたフロント土台104に取付けられたフロントGNSSアンテナ98a(第1位置計測装置)と、リア機体40に固定されたリア土台105に取付けられたリアGNSSアンテナ98b(第2位置計測装置)とを含んで構成されている。フロント土台104及びリア土台105はそれぞれ、フロント機体30及びリア機体40から制御装置収容体60の上面を越えて上方に延在する例えば棒状の部材である。フロントGNSSアンテナ98a及びリアGNSSアンテナ98bはそれぞれ、フロント土台104及びリア土台105の最上部に設置されており、これにより転圧機械1における最上部に配置される。
GNSSアンテナ98は、複数の測位衛星から信号を受信するものであり、地上における転圧機械1の現在位置を計測するためのアンテナである。具体的には、フロントGNSSアンテナ98aは、フロント機体30のフロント位置座標を検出し、当該フロント位置座標を測位信号Gfとして出力するように構成されている。また、リアGNSSアンテナ98bは、リア機体40のリア位置座標を検出し、当該リア位置座標を測位信号Grとして出力するように構成されている。ここで、GNSSアンテナ98により検出される位置座標とは、緯度、経度、標高の3次元座標のことを意味する。なお、当該位置座標は、施工現場において定められたローカル座標系により定められるものであってもよい。図4に示すように、フロントGNSSアンテナ98a及びリアGNSSアンテナ98bはそれぞれ、転圧機械1の位置座標を測位信号Gf、Grとして制御装置90に送信するように構成されている。
図1及び図2に示すように、フロントGNSSアンテナ98aはフロント機体30の前方部分に設置され、リアGNSSアンテナ98bはリア機体40の後方部分に設置されている。具体的には、フロントGNSSアンテナ98a及びリアGNSSアンテナ98bはそれぞれ、機体10の幅方向中央を前後方向に延在する前後方向軸線L上において、連結機構15の回動軸から前後方向に等距離となる位置に設置されている。なお、フロントGNSSアンテナ98a及びリアGNSSアンテナ98bはそれぞれ、接地部であり旋回時の支点となる転圧輪22及びタイヤ24の中央とすることが好ましい。このため、制御装置90において、フロントGNSSアンテナ98a及びリアGNSSアンテナ98bの位置のそれぞれを、機体10のディメンジョンに基づいて、転圧輪22の回転軸線X1の中央(即ち軸線Lと軸線X1の交点)に補正し、タイヤ24の回転軸線X2の中央(即ち軸線Lと軸線X2の交点)に補正してもよい。
シフトレバー位置センサ99は、機体10に取付けられ、機体10の前後進情報を検出するように構成されている。具体的には、シフトレバー位置センサ99は、機体10にけるシフトレバー位置を判断し、これにより機体10が前進状態であるか後進状態であるかを検出するように構成されている。図4に示すように、シフトレバー位置センサ99は、機体10の前後進情報をシフトレバー位置信号Spとして制御装置90に送信するものである。
障害物検出センサ80は、機体10に取付けられ、機体10の周囲の障害物と機体10との距離を検出するように構成されている。具体的には、図1に示すように、障害物検出センサ80は、リア機体40の前側に取付けられたフロント距離センサ80aと、リア機体の後側に取付けられたリア距離センサ80bとを含んで構成されている。障害物検出センサ80は、投射光を発光する発光部と、投射光が物体に当たった際の反射光を受光する受光部とを備え、投射光と反射光との時間差から障害物までの距離を測定するものである(所謂LiDAR)。図6に示すように、障害物検出センサ80は、障害物と機体10との距離情報を制御装置90に送信するように構成されている。
また、速度検出センサは、転圧機械1が前後進する際の速度を検出するものであり、例えばタイヤ24に設けられた走行用モータの回転数を検出するロータリーエンコーダである。速度センサは、転圧機械1の速度情報を制御装置90に送信するように構成されている。
<カメラ82>
カメラ82は、機体10の周囲を撮影するように構成されたものである。具体的には図1に示すように、カメラ82は、リア機体40の側方に取付けられ、機体10の側方を撮影するように構成された一対のサイドカメラ82cを含んで構成されている。図1に示すように、一対のサイドカメラ82cはそれぞれ、後述する一対のフロント側方フード部84bに取付けられている。カメラ82は、リア機体40の前方に取付けられ、機体10の前方を撮影するように構成されたフロントカメラと、リア機体40の後方に取付けられ、機体10の後方を撮影するように構成されたリアカメラ82bとを含んで構成されてもよい。フロントカメラは制御装置収容体60の前側部分に取付けられる。図1に示すように、リアカメラ82bは、リアフレーム50においてリア距離センサ80bの下方に取付けられており、その一部がリアバンパー52より後側に配置されている。なお、リアカメラ82bの撮像範囲には、リア距離センサ80bは含まれない。フロントカメラ、リアカメラ82b、及び一対のサイドカメラ82cはそれぞれ、リア機体40の前後左右に1つずつ設けられており、これにより機体10の周囲を全周に亘って撮影可能となっている。
<フード部材>
図1に示すように、フード部材84は、リア機体40に取付けられ、フロントカメラを覆うように構成されたフロントフード部材84eを含んで構成されている。フード部材84は、リア機体40に取付けられることで、リア機体40の一部を構成するものである。フロントフード部材84eは、フロントカメラ82aの撮影機能を高めるために設けられたものであり、フロントカメラ82aに対する水滴や泥等の付着を抑制する役割を有する。フロントフード部材84eは、フロントカメラ82aの上方を覆うように左右方向に延在するフロント上方フード部84aと、当該フロント上方フード部84aに接続されてフロントカメラ82aの側方(左右両側)を覆うように上下方向に延在する一対のフロント側方フード部84bと、を含んで構成されている。フロント上方フード部84a及び一対のフロント側方フード部84bは板状部材によって形成されており、制御装置収容体60の前側から前方へ突出するように取付けられている。また、一対のフロント側方フード部84bは、フロント上方フード部84aから下方に離間した下側部分である第1先端部84cにおける前後方向長さL1が、フロント上方フード部84aと接続される上側部分である第1基端部84dにおける前後方向長さL2よりも短く形成されている。そして、一対のフロント側方フード部84bはそれぞれ、第1基端部84dから第1先端部84cにかけて部分的に後方に向かって湾曲するように形成されている。
<操作盤>
図1に示すように、操作盤86は、リアフレーム50の左側に取付けられている。具体的には、操作盤86は、転圧輪22及びタイヤ24の間であって、LED表示器96の下方に設置されている。なお、操作盤86の設置場所はこれに限定されるものではなく、例えばタイヤ24の後方且つリアフレーム50の左側に設置されていてもよい。図7に示すように、操作盤86は、操作盤用モニタ86a、VDCスイッチ86b、ホーンスイッチ86c、キースイッチ86d、非常停止スイッチ86e、起動用スイッチ86f、無線許可スイッチ86g、ファン逆転スイッチ86h、SCR再生スイッチ86i、及び予備スイッチ86jを含んで構成されている。図5に示すように、操作盤86は、上記各スイッチの操作に応じて、対応するスイッチ信号を制御装置90に送信するように構成されている。
操作盤用モニタ86aは、例えばVDCスイッチ86bにより選択された項目や、転圧機械1のエラーコード、油量等の情報を表示するものであり、オペレータが転圧機械1の状態を視認するものである。VDCスイッチ86bは、オペレータが手で転がしながら操作するものであり、操作盤用モニタ86aに表示された種々様々な作業項目を選択し実行するものである。VDCスイッチ86bの構成及び機能は公知であるので、その詳細な説明を省略する。ホーンスイッチ86cは、例えば転圧機械1のエンジンを始動する前に、周囲作業者に注意を促すために使用される押しボタン式のスイッチである。キースイッチ86dは、電源オフ、アクセサリ電源ON、メイン電源ON、エンジン始動を切り換えるダイヤル式のスイッチである。非常停止スイッチ86eは、エンジンを強制停止させる押しボタン式のスイッチである。起動用スイッチ86fは、エンジンを始動するためのスイッチであり、当該起動用スイッチ86fを押しながらキースイッチ86dをエンジン始動位置まで回転させるすることでエンジンが始動する。無線許可スイッチ86gは、後述する無線リモコン100による転圧機械1の操作を許可する又は非許可とする押しボタン式のスイッチである。つまり、操作盤86の無線許可スイッチ86gを操作しない限り、後述する無線リモコン100による転圧機械1の遠隔操作を行うことができない。ファン逆転スイッチ86hは、転圧機械1に設けられたラジエータ用のファンを逆回転させる押しボタン式のスイッチであり、これによりラジエータに詰まったごみを吹き飛ばすことができる。SCR再生スイッチ86iは、マフラーに取付けられたSCR(選択式還元触媒)によって捕集されたPM(粒子状物質)を加熱して燃やし尽くすシステムを稼働するための押しボタン式のスイッチである。予備スイッチ86jは、必要に応じて後で種々様々なスイッチを追加するための空スイッチである。
<通信装置>
図5及び図6に示すように、通信装置88は、制御装置90に搭載されるものであり、例えば携帯電話の通信規格(LTE)や無線LAN等により、外部の通信機器(タブレット102や無線リモコン100等)と双方向通信を可能とするものである。具体的には、通信装置88は、転圧機械1のオペレータや周囲作業者が保持するタブレット102、後述する無線リモコン100、及び施工現場の外部に設置されたホストコンピュータ(図示せず)を、制御装置90に双方向通信可能に接続するものである。
<制御装置>
制御装置90は、制御装置収容体60の内部に搭載されている。制御装置90は、エンジンの運転制御をはじめとして総合的な制御を行うものであり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)等を含んで構成されている。以下、制御装置90について、自律運転制御を行う場合に使用される機器構成(図4)、遠隔操作制御を行う場合に使用される機器構成(図5)、サイトセーフティ制御を行う場合に使用される機器構成(図6)に分けて説明する。なお、自律運転制御及び遠隔操作制御を含めて無人運転制御と呼ぶものとする。サイトセーフティ制御は、転圧機械1のオペレータや周囲作業者の安全性向上を図るために、報知灯92、LED表示器96、及びタブレット102を使用して実施される制御を意味する。
図4に示すように、制御装置90は、第1位置計測部90b、第2位置計測部90a、前後進状態取得部90c、走行計画記憶部90d、進行方向演算部90e、進行方向反転部90f、及び自動走行制御部90gを含んで構成されている。
第1位置計測部90bの入力側には、リアGNSSアンテナ98bが電気通信接続されている。これにより、第1位置計測部90bは、リアGNSSアンテナ98bから取得した測位信号Grを基にして、リアGNSSアンテナ98bの位置座標(リア位置座標)を演算し、後側位置Prとして出力する。
第2位置計測部90aの入力側には、フロントGNSSアンテナ98aが電気通信接続されている。これにより、第2位置計測部90aは、フロントGNSSアンテナ98aから取得した測位信号Gfを基にして、フロントGNSSアンテナ98aの位置座標(フロント位置座標)を演算し、前側位置Pfとして出力する。
前後進状態取得部90cの入力側には、シフトレバー位置センサ99が電気通信接続されている。これにより、前後進状態取得部90cは、シフトレバー位置センサ99から取得したシフトレバー位置信号SP(前後進情報)を基にして、機体10の前後進状態即ち機体10が前進状態であるか後進状態であるかを判断し、その結果を前後進状態SSとして出力する。
走行計画記憶部90dには、転圧機械1を自律運転制御する場合に必要となる転圧路を特定する座標、及び転圧路の幅等が走行計画ライン情報として予め格納されている。なお、走行計画ライン情報は、転圧機械1の外部にあるホストコンピュータに予め格納されていてもよい。
進行方向演算部90eの入力側には、第1位置計測部90b及び第2位置計測部90aが電気通信接続されている。これにより、図3に示すように、進行方向演算部90eは、フロント位置座標及びリア位置座標に基づいてリア位置座標からフロント位置座標に向かうベクトルの方向成分を算出し、当該方向成分を進行方向として出力する。より具体的には、進行方向演算部90eは、第1位置計測部90bから取得した後側位置Prと、第2位置計測部90aから取得した前側位置Pfとに基づいて、リア位置座標からフロント位置座標に向かうベクトルの方向成分を演算し、この方向成分を進行方向VDとして出力する。ここで、リア位置座標からフロント位置座標に向かうベクトルの方向成分は実際には3次元ベクトルであるが、進行方向演算部90eから出力される進行方向VDは、当該3次元ベクトルにおける水平成分を意味する。後述するように、進行方向VDは、転圧機械1のステアリング制御を行う情報であるためである。
進行方向反転部90fの入力側には、進行方向演算部90e及び前後進状態取得部90cが電気通信接続されている。これにより、進行方向反転部90fは、進行方向演算部90eから取得した進行方向VDと前後進状態取得部90cから取得した前後進状態SSとに基づいて、機体10の前後進状態を考慮した進行方向VD′を演算して出力する。具体的には、進行方向反転部90fは、前後進状態取得部90cによって機体10が前進状態であると判断された場合、進行方向VDを機体10の進行方向VD′として出力し、且つ、前後進状態取得部90cによって機体10が後進状態であると判断された場合、進行方向VDを反転した方向成分を機体10の進行方向VD′として出力する。
自動走行制御部90gの入力側には、第1位置計測部90b、第2位置計測部90a、前後進状態取得部90c、走行計画記憶部90d、進行方向反転部90fが電気通信接続されている。これにより、自動走行制御部90gは、進行方向反転部90fから取得した進行方向VD′に基づいて、転圧機械1の自律運転制御に必要な制御信号CSを演算し、コントロールバルブ115に出力する。具体的には、自動走行制御部90gは、第1位置計測部90bから後側位置Prを取得するとともに第2位置計測部90aから前側位置Pfを取得し、これによりフロント位置座標及びリア位置座標の少なくともいずれか一方に基づいて機体10の現在位置を算出する。また、自動走行制御部90gは、走行計画記憶部90dから取得した機体10の走行計画ライン情報を、上記現在位置と比較して機体10の修正位置を算出する。なお、走行計画ライン情報が転圧機械1の外部にあるホストコンピュータに格納されている場合、制御装置90で算出された現在位置情報は通信装置88を介してホストコンピュータに送信され、当該ホストコンピュータにおいて修正位置が算出される。そして、当該ホストコンピュータから送信された修正位置情報は、通信装置88を介して転圧機械1の制御装置90にて受信される。また、自動走行制御部90gは、上記修正位置を、進行方向反転部90fから取得した進行方向VD′と比較して、進行方向VD′に対する修正進行方向を算出する。なお、走行計画ライン情報がホストコンピュータに予め格納されていている場合、修正進行方向はホストコンピュータにて算出されてもよい。この場合、ホストコンピュータから送信された修正進行方向情報は、通信装置88を介して転圧機械1の制御装置90にて受信される。更に、自動走行制御部90gは、上記修正進行方向に基づいて転舵アクチュエータ116を作動させつつ走行アクチュエータ118を作動させるように構成されている。ここで、自動走行制御部90gは、前後進状態取得部90cから取得した機体10の前後進状態SSに基づいて走行アクチュエータ118を作動させる。具体的には、自動走行制御部90gは、上記修正方向及び前後進状態SSに基づいて転舵アクチュエータ116及び走行アクチュエータ118を作動させるために必要な制御信号CSを演算し、当該制御信号CSをコントロールバルブ115に出力する。ここで、制御信号CSは、走行アクチュエータ118、転舵アクチュエータ116、及び振動アクチュエータ120を作動させるためにコントロールバルブ115に送信される信号であり、例えばステアリング角度信号(転舵)、速度信号(車速)、前後進信号(前後進)、ブレーキ信号(制動)などがある。なお、自動走行制御部90gの入力側には、速度検出センサ及び障害物検出センサ80(図6)が電気通信接続されていてもよい。この場合、自動走行制御部90gは、速度検出センサから受信した速度情報に基づいて転圧機械1の走行速度を算出し、障害物検出センサ80から受信した距離情報に基づいて障害物と転圧機械1との距離を算出することが可能となる。
図5に示すように、制御装置90の入力側には、操作盤86が電気通信可能に接続されている。これにより、制御装置90は、オペレータや周囲作業者による操作盤86の操作内容に基づく操作情報(例えば無線許可スイッチ86gの操作に基づく無線操作許可情報)を受信し、当該操作内容に応じた処理(例えば無線リモコン100への無線操作許可信号の送信)を行う。また、制御装置90には、通信装置88を介して無線リモコン100が双方向通信可能に接続されている。図5に示すように、制御装置90の出力側には、走行アクチュエータ118、転舵アクチュエータ116、振動アクチュエータ120、LED表示器96、ホーン122、及び左右ウィンカー124が電気通信可能に接続されている。走行アクチュエータ118は、制御装置90からの走行制御信号を受信し、当該走行制御信号に基づいて、油圧ポンプから供給される圧油の押しのけ容積及び斜板の傾転方向を調整し、これにより転圧機械1の走行速度及び前後進方向を調整する。また、転舵アクチュエータ116は、制御装置90を介して無線リモコン100からフロント機体30の転舵角度信号を受信し、当該修正転舵信号に基づいて、油圧ポンプから供給される油の圧力を調整し、リア機体40に対するフロント機体30の転舵角度を調整する。振動アクチュエータ120は、制御装置90から振動開始信号を受信し、当該振動開始信号に基づいて、油圧ポンプから供給される圧油を調整し、所定の振幅で転圧輪22を振動させる。また、ホーン122及び左右ウィンカー124は、制御装置90から所定の信号を受信し、当該信号に基づいて作動するように構成されている。LED表示器96は、制御装置90から所定の表示信号を受信し、当該表示信号に基づいて後述する所定の情報を表示するように構成されている。
図6に示すように、制御装置90の入力側には、カメラ82及び障害物検出センサ80が例えばCANにより電気通信可能に接続されている。さらに、制御装置90の出力側には、報知灯92及びLED表示器96が電気通信可能に接続されている。タブレット102は、通信装置88を介して制御装置90と双方向通信可能に接続されている。
制御装置90は、障害物検出センサ80によって検出された障害物と機体10との距離情報に基づいて機体10と障害物との距離を算出し、当該算出結果に応じた報知信号を送信するように構成されている。具体的には、制御装置90は、障害物と機体10との距離を例えば3段階に分類し、当該距離が長距離であると判定したときには青色報知信号を送信し、当該距離が中距離であると判定したときには黄色報知信号を送信し、当該距離が近距離であると判定したときには赤色報知信号を送信するように構成されている。なお、障害物と機体10との距離分類(長距離、中距離、近距離)は、適宜変更可能なものである。制御装置90によって送信された報知信号は、報知灯92及びLED表示器96にて受信され、当該報知信号に応じた色(青色、黄色、赤色)が点滅又は点灯により報知される。なお、赤色報知信号は、障害物に接近して機体10が急停車をした場合や機体10が故障して運転に支障がある場合などに制御装置90によって送信されるものであってもよい。また、黄色報知信号は、機体10に異常が発生した場合などに、オペレータ並びに周囲作業者に注意喚起を行うために制御装置90によって送信されるものであってもよい。また、青色報知信号は、機体10に異常がなく通常の正常運転をしている場合に制御装置90によって送信されるものであってもよい。
また、制御装置90は、カメラ82によって撮影された映像を外部のタブレット102に映し出すためのモニタ信号を送信するように構成されている。具体的には、当該モニタ信号は、通信装置88を介して制御装置90からタブレット102に送信される。そして、当該モニタ信号を受信したタブレット102には、カメラ82によって撮影された映像の全体が表示される。フロントカメラ、リアカメラ82b、及び一対のサイドカメラ82cによって撮影された映像は、タブレット102の画面を分割することで同時に表示可能である。なお、カメラ82によって撮影された映像は、制御装置90を介して、施工現場から離れた管理事務所のモニタ(図示せず)に送信されてもよい。管理事務所のモニタも、制御装置90と双方向で通信可能である。
<報知灯>
図1に示すように、報知灯92は、機体10に取付けられ、制御装置90によって送信された報知信号に基づいて所定の色を報知するように構成されている。具体的には、報知灯92は、一対のフロント側方フード部84bにそれぞれ設置される一対のサイド報知灯92dを含んで構成されている。一対のサイド報知灯92dはそれぞれ、一対のサイドカメラ82cの上方に配置されてもよいし、一対のサイドカメラ82cの下方に配置されてもよい。例えば、一対のサイド報知灯92dはそれぞれ、一対のサイドカメラ82cの斜め下方に配置されてもよい。また、報知灯92は、フロントカメラを挟んでリア機体40の前方に取付けられた一対のフロント報知灯、及び、リアカメラ82bを挟んでリア機体40の後方に取付けられた一対のリア報知灯を含んで構成されてもよい。一対のフロント報知灯はそれぞれ、フロントカメラの左右両側において当該フロントカメラよりも下側に配設される。一対のリア報知灯はそれぞれ、リアカメラ82bの左右両側において当該リアカメラ82bよりも下側に配設される。なお、報知灯92は、1つのフロント報知灯及び1つのリア報知灯を含むものであってもよく、その数が特に限定されるものではない。一対のフロント報知灯、一対のリア報知灯、及び一対のサイド報知灯92dは、制御装置90によって送信された報知信号に応じた色(青色、黄色、赤色)を点滅又は点灯により報知するように構成される。
<LED表示器>
図1に示すように、LED表示器96は、制御装置収容体60の側面(左右両側面)であって操作盤86の上方にそれぞれ配置されている。図8に示すように、LED表示器96は、左側に記号表示部96a、中央に文字表示部96b、右側に報知灯連動部96cが設けられており、転圧機械1の状態を色、文字、記号で表示するものである。なお、LED表示器96における記号表示部96a、文字表示部96b、及び報知灯連動部96cの並び順は一例であり、これに限定されるものではない。
記号表示部96aは、例えば駐車ブレーキの作動/解除、エンジン停止、機体10の故障等、転圧機械1の状態を記号により表示するものである。図8には、機体10に何らかの故障が生じていることを示す記号が一例として記載されている。この場合、オペレータや周囲作業者は、操作盤86のVDCスイッチ86bを操作して操作盤用モニタ86aを視認することで、具体的な故障内容を把握することができる。
文字表示部96bは、手動操作モード、遠隔操作モード、自律運転モード、故障モード、終了モード等、転圧機械1の状態を文字で表示するものである。なお、手動操作モードはオペレータや周囲作業者が操作盤86を操作する状態を意味し、遠隔操作モードは後述する無線リモコン100により転圧機械1を操作する状態を意味し、自律運転モードは転圧機械1が予め準備された走行計画ラインに沿って自動運転する状態を意味し、故障モードは転圧機械1に異常がある状態を意味し、終了モードはエンジンが切られた状態を意味する。図8には、遠隔操作モードの英語表記が示されている。なお、これらの各モードは一例であり、適宜追加修正可能なものであり、日本語表記でも英語表記でもよい。
報知灯連動部96cは、報知灯92と連動して、報知灯92にて報知される色と同じ色を表示するものである。つまり、報知灯連動部96cは、制御装置90によって送信された報知信号に応じた色(青色、黄色、赤色)を点滅又は点灯により報知するように構成されている。なお、報知灯連動部96cは、報知灯92と異なる態様で色を表示するものであってもよい。つまり、報知灯連動部96cの点灯又は点滅は、報知灯92の点灯又は点滅と連動してもよいし、連動していなくてもよい。このように、報知灯92とLED表示器96の報知灯連動部96cは連動して同じ色を表示するので、前後左右4方向で転圧機械1の状態が表示され、オペレータや周囲作業者の作業位置に関わらず転圧機械1の状態を確実に把握できる。これにより、転圧機械1の作業に伴うオペレータや周囲作業者の安全性の向上を図ることができる。
<照明器具>
図1に示すように、照明器具94は、リア機体40の側方において一対のサイドカメラ82cの各々の下方に取付けられ、路面を照射するように構成されている。より具体的には、一対のサイドカメラ82cの各々及び照明器具94の各々は、一対のフロント側方フード部84bに取付けられ、上下方向において互いに整列するように配設されている。つまり、サイドカメラ82c及び照明器具94は、上方にサイドカメラ82cが位置し、下方に照明器具94が位置し、互いに上下縦方向で直線上に配置されている。
<無線リモコン>
図5に示すように、無線リモコン100は、通信装置88を介して制御装置90と双方向通信可能に接続されており、転圧機械1のオペレータにて保持されるものである。無線リモコン100は、操作盤86に設置された無線許可スイッチ86gが操作されることで、転圧機械1の制御装置90と通信可能となるものである。無線リモコン100を操作することで、運転室(キャブ)が設けられていない転圧機械1の遠隔操作が可能となり、例えば、転圧機械1の保管場所から施工現場まで転圧機械1を安全に移動させることができる。また施工現場において、転圧機械1の自律運転による転圧作業が難しい細かな部分等、適宜無線リモコン100により転圧作業を実施することができる。
図5に示すように、無線リモコン100から送信された操作信号は、通信装置88を介して制御装置90にて受信される。そして、制御装置90は、当該操作信号を所定の出力信号に変換して各出力対象(例えば、走行アクチュエータ118等)に送信する。具体的には、図9に示すように、無線リモコン100は、第1ジョイスティック100a、第2ジョイスティック100b、運転モード切替スイッチ100c、非常停止スイッチ100d、駐車ブレーキスイッチ100e、エンジン回転数選択スイッチ100f、走行速度決定スイッチ100g、及び、振動振幅決定スイッチ100hを含んで構成されている。
第1ジョイスティック100aは、その中立位置を基準に左右に操作することでリア機体40に対するフロント機体30の転舵動作を実行するものである。また、第1ジョイスティック100aを押下することで、ホーン122を作動させることができる。第2ジョイスティック100bは、その中立位置を基準に前後に操作することで転圧機械1の前後進動作を実行するものである。また、第2ジョイスティック100bを押下することで、振動アクチュエータ120を作動させることができる。
運転モード切替スイッチ100cは、その中立位置を基準に左右に操作することで、転圧機械1の自律運転モード、無線リモコン100による遠隔操作モード、及び転圧機械1の手動操作モードを切り替えるものである。例えば、運転モード切替スイッチ100cを左側に操作したときに自律運転モードに切り替わり、右側に操作したときに遠隔運転モードに切り替わり、中立位置において手動操作モードに切り替わるように構成されている。無線リモコン100を用いて自律運転モードに切り替える場合、最初に操作盤86の無線許可スイッチ86gの操作が必要となるため、悪意の第三者によるハッキングを防止することができる。
非常停止スイッチ100dは、押しボタン式のスイッチであり、無線リモコン100を介してエンジンを強制停止させるものである。駐車ブレーキスイッチ100eは、その中立位置を基準に前後に操作することで、転圧機械1の駐車ブレーキの作動/解除を切り換えるものである。例えば、駐車ブレーキスイッチ100eを前方に操作すると駐車ブレーキが作動し、駐車ブレーキスイッチ100eを後方に操作すると駐車ブレーキが解除される。駐車ブレーキスイッチ100eの操作状態は、LED表示器96の記号表示部96aに表示される。エンジン回転数選択スイッチ100fは、その中立位置を基準に前後に操作することで、転圧機械1のエンジン回転数を所定値に設定するものである。例えば、エンジン回転数選択スイッチ100fを前方に操作するとエンジン回転数がある値(例えば1800rpm)に設定され、エンジン回転数選択スイッチ100fを後方に操作するとエンジン回転数が別の値(例えば1000rpm)に設定される。なお、エンジン回転数選択スイッチ100fによって設定可能な回転数大きさ及び数は適宜変更可能である。走行速度決定スイッチ100gは、ダイヤル式の無段階スイッチであり、例えばその開始位置を基準に右方向に回転させることで転圧機械1の最高走行速度が設定されるものである。振動振幅決定スイッチ100hは、2段階で操作可能なスイッチであり、例えばその開始位置を基準に前方向に1段階操作することで振動アクチュエータ120の振幅を小さく設定し、更に前方向に1段階操作することで振動アクチュエータ120の振幅を大きく設定するものである。振動アクチュエータ120の振幅は、制御装置90に予め記憶されているものであり、具体的な振幅は適宜変更可能である。
次いで、転圧機械1の各動作モードについて説明する。
<手動操作モード>
手動操作モードは、転圧機械1のオペレータや周囲作業者が操作盤86を操作する状態を意味する。手動操作モードは、主として転圧機械1の起動時、メンテンナンス時に選択されるものであり、手動操作モードにおいて無線リモコン100を介して転圧機械1を操作することはできない。例えば、転圧機械1の起動時、オペレータは、操作盤86のキースイッチ86dを操作してメイン電源ONまで回転させてホーンスイッチ86cを押下する。その後、起動用スイッチ86fを押しながらキースイッチ86dをエンジン始動位置に回転させることでエンジンを起動させる。エンジンが起動した後、オペレータは、無線許可スイッチ86gを押下して、無線リモコン100による転圧機械1の遠隔操作を許可する。また、転圧機械1のメンテンナンス時、オペレータや周囲作業者は、ファン逆転スイッチ86hを操作して、ラジエータに詰まったごみを吹き飛ばすことができる。更に、SCR再生スイッチ86iを操作することで、SCR(選択式還元触媒)に捕集されたPM(粒子状物質)を燃やし尽くすことができる。
<無人運転制御:遠隔操作モード>
遠隔操作モードは、無線リモコン100により転圧機械1を操作する状態を意味する。オペレータは、無線リモコン100の運転モード切替スイッチ100cを操作することで、無線リモコン100による遠隔操作モードを選択することができる。遠隔操作モードにおいて、制御装置90は、通信装置88を介して無線リモコン100からフロント機体30の目標転舵角度情報、及び、タイヤ24の目標駆動情報を受信し、当該目標転舵情報に基づいて転舵アクチュエータ116を作動させ且つ目標駆動情報に基づいて走行アクチュエータ118を作動させるように構成されている。ここで、目標転舵角度情報とは、無線リモコン100の第1ジョイスティック100aの操作量に対応して制御装置90に送信されるもので、フロント機体30の転舵角度を決定する情報である。制御装置90は、無線リモコン100から受信した上記目標転舵情報に基づいて、転舵アクチュエータ116を作動させてリア機体40に対してフロント機体30を転舵する。また、目標駆動情報とは、無線リモコン100の第2ジョイスティック100bの操作量に対応して制御装置90に送信されるもので、タイヤ24の回転速度及び回転方向を決定する情報である。制御装置90は、無線リモコン100から受信した目標駆動情報に基づいて、走行アクチュエータ118を作動させてタイヤ24を所定回転数で所定方向に駆動する。
遠隔操作モードにおいて、制御装置90は、非常停止スイッチ100dの操作に応じた非常停止信号を受信し、当該非常停止信号に基づいてエンジンを強制停止させる。また、制御装置90は、駐車ブレーキスイッチ100eの操作位置に応じた駐車ブレーキ信号を受信し、当該駐車ブレーキ信号に基づいて転圧機械1の駐車ブレーキを作動/解除させる。また、制御装置90は、エンジン回転数選択スイッチ100fの操作位置に応じたエンジン回転数信号を受信し、当該エンジン回転数信号に基づいて転圧機械1のエンジン回転数を所定値に設定する。また、制御装置90は、走行速度決定スイッチ100gの操作量に応じた最高走行速度信号を受信し、当該最高走行速度信号に基づいて、転圧機械1の最高走行速度を設定する。この場合、制御装置90は、転圧機械1の走行速度が設定された最高走行速度を超えないように、エンジン、油圧ポンプ、走行アクチュエータ118の動作を制御する。更に、制御装置90は、振動振幅決定スイッチ100hの操作位置に応じた振動振幅信号を受信し、当該振動振幅信号に基づいて振動アクチュエータ120を所定の振幅で振動する。
<無人運転制御:自律運転モード>
自律運転モードは、転圧機械1が予め準備された走行計画ラインに沿って自動運転する状態を意味する。自律運転モードにおいて、転圧機械1は、例えば走行計画ライン情報、転圧エリア情報、転圧条件情報に基づいて転圧作業を行う。走行計画ライン情報には、転圧路を特定するための座標、及び転圧路の幅等が含まれている。転圧エリア情報には、転圧エリア数、及び各転圧エリアを特定するための座標等が含まれる。例えば、矩形の転圧エリアの場合、各転圧エリアを特定するための座標として転圧エリアの四隅の座標が与えられる。転圧条件情報には、転圧輪22の振動振幅、各転圧路における転圧回数、転圧エリアへの進入点の座標、及び転圧エリアからの退出点の座標等が含まれる。なお、走行計画ライン情報、転圧エリア情報、及び転圧条件情報は、転圧機械1の制御装置90に予め格納されていてもよいし、施工現場から離れたホストコンピュータ等に格納されていてもよい。
オペレータは、無線リモコン100の運転モード切替スイッチ100cを操作することで転圧機械1の自律運転モードを選択することができる。これにより、オペレータが機体10から離れた位置で自律運転を開始させることができ、転圧機械1が急に動いたとしても転圧機械1とオペレータとの接触を回避することができる。図10に自律運転モードおけるフローチャートが示されている。本フローチャートは、オペレータが転圧機械1のエンジンをONにし、所定の施工作業を実施し、転圧機械1のエンジンがOFFにするまでの間繰り返し制御装置90にて行われる処理を示している。
まず、制御装置90は、第2位置計測部90aにおいてフロントGNSSアンテナ98aが出力する測位信号Gfを取得し、第1位置計測部90bにおいてリアGNSSアンテナ98bが出力する測位信号Grを取得し、前後進状態取得部90cにおいてシフトレバー位置センサ99が出力するシフトレバー位置信号SPを取得する(S500)。
次いで、制御装置90は、第1位置計測部90bにおいて、取得した測位信号Grを基にしてリアGNSSアンテナ98bの位置座標(第1位置Pr:リア位置座標)を演算し、当該位置座標を後側位置Prとして出力する(S510)。
次いで、制御装置90は、第2位置計測部90aにおいて、取得した測位信号Gfを基にしてフロントGNSSアンテナ98aの位置座標(第2位置Pf:フロント位置座標)を演算し、当該位置座標を前側位置Pfとして出力する(S520)。
次いで、制御装置90は、前後進状態取得部90cにおいて、取得したシフトレバー位置信号SPを基にして機体10の前後進状態を判断し、その結果を前後進状態SSとして出力する(S530)。
次いで、制御装置90は、進行方向演算部90eにおいて、第1位置計測部90bから取得した後側位置Prと第2位置計測部90aから取得した前側位置Pfを基にして、リア位置座標からフロント位置座標に向かうベクトルの方向成分を演算し、この方向成分を進行方向VDとして出力する(S540)。
次いで、制御装置90は、進行方向反転部90fにおいて、前後進状態取得部90cから取得した前後進状態SSが後進状態か否かの判断する(S550)。
進行方向反転部90fにおいて、前後進状態SSが機体10の前進状態を示していると判断された場合(S550のNo)、進行方向反転部90fは、進行方向演算部90eから取得した進行方向VDを機体10の進行方向VD′として出力する(S551)。他方、進行方向反転部90fにおいて、前後進状態SSが機体10の後進状態を示していると判断された場合(S550のYes)、進行方向反転部90fは、進行方向演算部90eから取得した進行方向VDを反転した方向成分を機体10の進行方向VD′として出力する(S552)。
次いで、制御装置90は、自動走行制御部90gにおいて、進行方向反転部90fから取得した進行方向VD′に基づいて、転圧機械1の自律運転制御に必要な制御信号CSを演算し、コントロールバルブ115に出力する(S560)。具体的には、自動走行制御部90gは、第1位置計測部90bから後側位置Prを取得するとともに第2位置計測部90aから前側位置Pfを取得し、これによりフロント位置座標及びリア位置座標の少なくともいずれか一方に基づいて機体10の現在位置を算出する。また、自動走行制御部90gは、走行計画記憶部90dから取得した機体10の走行計画ライン情報を、上記現在位置と比較して機体10の修正位置を算出する。また、自動走行制御部90gは、上記修正位置を、進行方向反転部90fから取得した進行方向VD′と比較して、進行方向VD′に対する修正進行方向を算出する。更に、自動走行制御部90gは、上記修正方向及び前後進状態SSに基づいて転舵アクチュエータ116及び走行アクチュエータ118を作動させるために必要な制御信号CSを演算し、当該制御信号CSをコントロールバルブ115に出力する。
次いで、制御装置90は、転圧機械1のエンジンがON状態か否かの判断をする(S570)。その結果、当該エンジンがON状態であると判断された場合(S570のYes)、ステップS500に進んで上述の処理を繰り返し、当該エンジンがON状態ではないと判断された場合(S570のNo)当該処理は終了する(エンド)。
なお、自律運転モードにおいて、制御装置90は、障害物検出センサ80から受信した距離情報に基づいて障害物と転圧機械1との距離を算出し、当該算出結果に基づいて、転舵アクチュエータ116及び走行アクチュエータ118を作動させてもよい。これにより、障害物との接触を回避しつつ自律運転モードを実行可能となる。また、制御装置90は、速度検出センサから受信した速度情報に基づいて転圧機械1の現在走行速度を算出し、当該算出結果に基づいて、走行アクチュエータ118を作動させてもよい。これにより、転圧条件情報に応じ、転圧機械1を一定速度で走行させることができる。更に、制御装置90は、転圧条件情報の振動振幅情報に対応して、振動アクチュエータ120を作動させて転圧輪22を振動させることができる。
<サイトセーフティ制御>
サイトセーフティ制御は、転圧機械1のオペレータや周囲作業者の安全性向上を図るために、報知灯92、LED表示器96、及びタブレット102を使用して実施される制御である。サイトセーフティ制御は、上述した自律運転モード及び遠隔操作モードの実施とともに実行される。サイトセーフティ制御では、オペレータや周囲作業者は、手元のタブレット102を介して、カメラ82によって撮影された障害物等を視認することができる。また、当該制御では、報知灯92とLED表示器96の報知灯連動部96cは連動して同じ色を表示するので、前後左右4方向で転圧機械1の状態が表示され、オペレータや周囲作業者の作業位置に関わらず転圧機械1の状態を確実に把握できる。このため、転圧機械1の無人運転制御において、転圧機械1の作業に伴うオペレータや周囲作業者の安全性の向上を図ることができる。
次いで、本発明の実施形態に係る転圧機械1の作用、効果について説明する。
本発明の転圧機械1によれば、フロント機体30のフロント位置座標を検出するように構成されたフロントGNSSアンテナ98aと、リア機体40のリア位置座標を検出するように構成されたリアGNSSアンテナ98bと、フロント位置座標及びリア位置座標に基づいてリア位置座標からフロント位置座標に向かうベクトルの方向成分を算出し、当該方向成分を進行方向VDとして出力する進行方向演算部90eを含んで構成される制御装置を備えている。このように、フロント位置座標及びリア位置座標に基づいて機体10の進行方向VDが算出されることから、転圧機械1の稼働中に例えば転圧輪22又はタイヤ24がスリップした場合であっても、制御装置90は当該進行方向VDに基づいて実情に即した機体10の向きを正確に把握することができる。このため、転圧機械1で自動運転(例えば自律走行運転)する場合であっても、制御装置90によって把握される機体10の進行方向と実際の機体10の進行方向との差異が小さくなり、機体10の走行制御(例えばステアリング制御)を高精度で実施することができる。この結果、施工品質の向上を図る転圧機械1を提供することができる。
又、本発明の実施形態に係る転圧機械1によれば、制御装置90は、前後進状態取得部90cによって機体10が前進状態であると判断された場合、進行方向VDを機体10の進行方向VD′として出力し、且つ、前後進状態取得部90cによって機体10が後進状態であると判断された場合、進行方向情報VDを反転した方向成分を機体10の進行方向′として出力するように構成された進行方向反転部90fを含んで構成される。このように、進行方向反転部90fによって機体10の進行方向VD′が算出されることから、転圧機械1が前進しているか後進しているかどうかに関わらず、制御装置90は当該進行方向VD′に基づいて実情に即した機体10の向きを正確に把握することができる。このため、転圧機械1で自動運転(例えば自律走行運転)する場合であっても、制御装置90によって把握される機体10の進行方向と実際の機体10の進行方向との差異が小さくなり、転圧機械1が前進しているか後進しているかどうかに関わらず機体10の走行制御(例えばステアリング制御)を高精度で実施することができる。この結果、施工品質の向上を図る転圧機械1を提供することができる。
又、本発明の実施形態に係る転圧機械1によれば、制御装置90は、フロント位置座標及びリア位置座標の少なくともいずれか一方に基づいて機体10の現在位置を算出し、機体10の走行計画ライン情報を現在位置と比較して機体10の修正位置を算出し、修正位置を進行方向VD′と比較して進行方向VD′に対する修正進行方向を算出し、修正進行方向に基づいて転舵アクチュエータ116を作動させつつ走行アクチュエータ118を作動させるように構成された自動走行制御部90gを含んでいる。このように、自律運転される転圧機械1において、例えば転圧輪22又はタイヤ24がスリップした場合であっても、制御装置90は当該進行方向VD′に基づいて実情に即した機体10の向きを正確に把握することができる。このため、制御装置90によって把握される機体10の進行方向と実際の機体10の進行方向との差異がより小さな状態で転圧機械1の自律運転を実現することができる。よって、自律運転において機体10の走行制御(例えばステアリング制御)を高精度で実施することができ、自律運転による施工品質の向上を図る転圧機械1を提供することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に係る転圧機械1に限定されるものではなく、本発明の概念及び特許請求の範囲に含まれるあらゆる態様を含む。また、上述した課題及び効果を奏するように、各構成を適宜選択的に組み合わせても良い。例えば、上記実施形態における各構成要素の形状、材料、配置、サイズ等は、本発明の具体的態様によって適宜変更され得る。
例えば、上記実施形態では、建設機械の一例として転圧機械1(土工振動ローラ)について説明したが、建設機械の例としてはこれに限定するものではない。建設機械は、例えばアーティキュレート機構を備えたその他の転圧機械や、ホイールローダ、モータグレーダ、ダンプトラック等であってもよい。
また、上記実施形態では、運転室(キャビン)を有さないタイプの転圧機械1について説明したが、転圧機械は運転室を有する有人タイプのものであってもよい。具体的には、上記実施形態に係る制御装置90は、運転室を有する有人タイプの転圧機械に搭載される転圧管理システムに適用することも可能である。当該転圧管理システムでは、例えば上記進行方向演算部90eで算出される進行方向VD及び進行方向反転部90fで算出される進行方向VD′に基づいて、転圧機械自身の走行軌跡を正確に把握することができ、これにより転圧路を何回締固めたかをより正確に算出することができる。この場合、制御装置90は、通信装置を介して管理事務所のモニタに上記進行方向VD及び進行方向VD′を送信する。
また、上記実施形態では、転圧機械1の位置情報を取得するためにGNSSアンテナ98を用いる場合を説明したが、転圧機械1の位置情報を取得する手段としては例えばトータルステーション等の測位システムを用いてもよい。
1 転圧機械
10 機体
15 連結機構
22 転圧輪(前輪)
24 タイヤ(後輪)
30 フロント機体
40 リア機体
90 制御装置
90a 第2位置計測部
90b 第1位置計測部
90c 前後進状態取得部
90e 進行方向演算部
90f 進行方向反転部
90g 自動走行制御部
98a フロントGNSSアンテナ(第1位置計測装置)
98b リアGNSSアンテナ(第2位置計測装置)
99 シフトレバー位置センサ(前後進検出センサ)
116 転舵アクチュエータ
118 走行アクチュエータ

Claims (3)

  1. フロント機体及びリア機体を含んで構成される機体と、
    前記フロント機体に回転可能に取付けられた前輪と、
    前記リア機体に回転可能に取付けられた後輪と、
    前記フロント機体及びリア機体をアーティキュレート式に連結する連結機構と、を備える建設機械において、
    前記フロント機体に取付けられ、前記フロント機体のフロント位置座標を検出するように構成された第1位置計測装置と、
    前記リア機体に取付けられ、前記リア機体のリア位置座標を検出するように構成された第2位置計測装置と、
    前記フロント位置座標及び前記リア位置座標に基づいて前記リア位置座標から前記フロント位置座標に向かうベクトルの方向成分を算出し、前記方向成分を進行方向として出力する進行方向演算部を含んで構成される制御装置とを備える、ことを特徴とする建設機械。
  2. 前記機体に取付けられ、前記機体の前後進情報を検出する前後進検出センサが更に設けられており、
    前記制御装置は、
    前記前後進情報に基づいて前記機体の前後進状態を判断する前後進状態取得部と、
    前記前後進状態取得部によって前記機体が前進状態であると判断された場合、前記進行方向を前記機体の進行方向として出力し、且つ、前記前後進状態取得部によって前記機体が後進状態であると判断された場合、前記進行方向を反転した方向成分を前記機体の進行方向として出力するように構成された進行方向反転部とを含んで構成される、ことを特徴とする請求項1記載の建設機械。
  3. 前記機体に取付けられ、前記リア機体に対し前記フロント機体を転舵させるように構成された転舵アクチュエータと、
    前記機体に取付けられ、前記後輪を駆動するように構成された走行アクチュエータと、を更に備え、
    前記制御装置は、前記フロント位置座標及び前記リア位置座標の少なくともいずれか一方に基づいて前記機体の現在位置を算出し、前記機体の走行計画ライン情報を前記現在位置と比較して前記機体の修正位置を算出し、前記修正位置を前記進行方向と比較して前記進行方向に対する修正進行方向を算出し、前記修正進行方向に基づいて前記転舵アクチュエータを作動させつつ前記走行アクチュエータを作動させるように構成された自動走行制御部を含んでいる、ことを特徴とする請求項2記載の建設機械。
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