JP2022156942A - プリント配線基板、および半導体装置 - Google Patents

プリント配線基板、および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】回路層との密着が向上し、信頼性に優れたプリント配線板を提供すること。【解決手段】プリント配線板100は、片面に第一の回路層104を有する基板102(コア層)と、基板102の第一の回路層104の表面上に設けられた絶縁層106と、絶縁層106の表面上に設けられた第二の回路層114と、を備え、絶縁層106は、絶縁層106を貫通するビアホール116と、ビアホール116に埋め込まれた導体124とを有し、かつ、絶縁層106の200℃、90分での硬化物の誘電率Dk(23℃、10GHz)が3.0~3.6、誘電正接Df(23℃、10GHz)が0.0001~0.006であり、ビアホール116の側壁から第一の回路層104の表面上まで延在する樹脂片130を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線基板、および半導体装置に関する。
近年、電子機器の高機能化および軽薄短小化の要求にともなって、電子部品の高密度集積化と高密度実装化が進んでいる。こうした要求に応じて、配線密度がより高く、配線層が複数積層されたプリント配線板が用いられている。プリント配線板は、コア層及びコア層上に複数積層されたビルドアップ層から構成される。このようなプリント配線板としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載のプリント配線板のコア層の製造方法は次の通りである。まず、基材が下方に偏在した基材含有絶縁層を作成し、基材含有絶縁層の片面に金属箔を形成する。金属箔が形成されていない基材含有絶縁層の表面に炭素ガスレーザを照射する。特許文献1では、金属箔からのレーザーの反射光を利用して、ビア下部の側壁から突出する基材を完全に除去する。これにより、ビアの内壁の全面をなめらかにすることができるので、めっき付き回り性を大幅に高めることができると記載されている。
また、特許文献2には、ビアは砂時計の形状のビアとすることで、ビアホールのメッキ性を高められることが開示されている。
特開2001-277426号公報 特開2015-82661号公報
しかしながら、従来の特許文献1、2に開示されるような技術においては、ビアホールを有するビルドアップ層と銅箔等の金属箔との密着性が十分ではない場合があった。また、ビアホール形成時の銅箔へのダメージにより、かかるビルドアップ層を備える回路基板の信頼性において改善の余地を有していた。
ところで、近年、電子機器の小型化、高性能化が進み、プリント配線板においては、ビルドアップ層が多層化し、配線の微細化及び高密度化が高まっている。そのため、伝送損失低減のために誘電正接の低い絶縁材料が求められている。
本発明者らは、新たに低誘電正接、低誘電率のビルドアップ材を用いたプリント配線基板の開発に着目し、上記課題について鋭意検討を行ったところ、基板と、第一の回路層と、ビルドアップ材からなる絶縁層と、第二の回路層と、が順に積層した積層体を備えるプリント配線基板において、前記絶縁層を貫通するビアホール内において、ビアホールの側壁から前記第一の回路層の表面上まで延在する樹脂片を有することが有効であるという知見を得た。また、かかる樹脂片により、課題が解決できるメカニズムの詳細は明らかではないが、樹脂片がビアホール底部周辺に露出した銅箔に接していることにより、ビルドアップ材と銅箔との密着性が高くなるとともに、ビアホール形成時に熱硬化性樹脂層が過度にエッチングされることを抑制でき、また、エッチングによる銅箔へのダメージを効果的に低減できるようになると推測される。その結果、ビルドアップ材を用いたプリント配線板の信頼性が高められると考えられる。
本発明によれば、
片面または両面に第一の回路層を有する基板と、
前記基板の前記第一の回路層の表面上に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の表面上に設けられた第二の回路層と、
を備えるプリント配線基板であって、
前記絶縁層は、前記絶縁層を貫通するビアホールと、当該ビアホールに埋め込まれた導体とを有し、かつ、当該絶縁層の200℃、90分での硬化物の誘電率Dk(23℃、10GHz)が3.0~3.6、誘電正接Df(23℃、10GHz)が0.0001~0.006であり、
前記ビアホールの側壁から前記第一の回路層の表面上まで延在する樹脂片を有する、プリント配線基板が提供される。
また、本発明によれば、上記のプリント配線基板の前記回路層上に半導体素子が搭載された、半導体装置が提供される。
本発明によれば、回路層との密着が向上し、信頼性に優れたプリント配線板が提供される。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本実施形態に係るプリント配線板の製造手順を示す工程断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
煩雑さを避けるため、同一図面内に同一の構成要素が複数ある場合には、その1つのみに符号を付し、全てには符号を付さない場合がある。
すべての図面はあくまで説明用のものである。図面中の各部材の形状や寸法比などは、必ずしも現実の物品と対応するものではない。
本明細書中、「略」という用語は、特に明示的な説明の無い限りは、製造上の公差や組立て上のばらつき等を考慮した範囲を含むことを表す。
本明細書中、数値範囲の説明における「a~b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。例えば、「1~5質量%」とは「1質量%以上5質量%以下」を意味する。
<<プリント配線板>>
図1(d)に示すように、本実施形態のプリント配線板100は、片面に第一の回路層104を有する基板102(コア層)と、基板102の第一の回路層104の表面上に設けられた絶縁層106と、絶縁層106の表面上に設けられた第二の回路層114と、を備え、絶縁層106は、絶縁層106を貫通するビアホール116と、ビアホール116に埋め込まれた導体124とを有し、かつ、絶縁層106の200℃、90分での硬化物の誘電率Dk(23℃、10GHz)が3.0~3.6、誘電正接Df(23℃、10GHz)が0.0001~0.006であり、ビアホール116の側壁から第一の回路層104の表面上まで延在する樹脂片130を有する。
より詳細には、プリント配線板100が複数のビアホールを有する場合は、少なくとも一つのビアホールにおいて樹脂片130を有していればよいが、より信頼性および密着性を高める点から、全ビアホール数に対して、好ましくは10~80%に相当する数のビアホール、より好ましくは20~50%に相当する数のビアホールにおいて樹脂片130を有している。
プリント配線板100は、ビアホール116を埋め込む導体124と、導体124に電気的に接続された第一の回路層(内部回路)104とを有する。第一の回路層104は、絶縁層106の第2面20に当接するとともに、第2面20側からビアホール116の第2面20側の開口面を被覆して閉鎖する。第一の回路層104は、導体124とは一体的に構成されておらず、導体124とは別体をなす。
なお、基板102(コア層)は、両面に回路層を有していてもよい(不図示)。
絶縁層106は、本実施形態のビルドアップ材により形成される。
まず、本実施形態のビルドアップ材の詳細について、以下説明する。
<ビルドアップ材>
本実施形態のビルドアップ材は熱硬化性樹脂層を含み、当該熱硬化性樹脂層の200℃、90分での硬化物の誘電率Dk(23℃、10GHz)が3.0~3.6、誘電正接Df(23℃、10GHz)が0.0001~0.006である。
ビアホール116を開口部上方から観察した時に樹脂片が観察され、当該樹脂片が前記ビアホール底部周辺に露出した前記銅箔に接している。また、樹脂片が観察される領域は、少なくもビアホールの底部に露出した銅箔に一部が接していればよく、ビアホールの壁面から当該銅箔の面上に突出することで銅箔に接していてもよい。
なお、本実施形態において「樹脂片」とは、炭酸レーザーによりビルドアップ材が燃えたカスが凝集したもの、およびビアホールの側壁から突出したビルドアップ材の一部を意図する。
本実施形態において、樹脂片のビアホールの側壁からの最大長さlが、1~8μmであることが好ましく、2~5μmであることがより好ましい。最大長さlを、上記下限値以上とすることにより、絶縁層106と第一の回路層104との密着が向上し、絶縁信頼性を高めることができる、一方、最大長さlを、上記上限値以下とすることにより、ビア間の良好な導通を保持し、接続信頼性を高めることができる。
また、最大長さl(μm)における、樹脂片の厚みをd(μm)としたとき、d/lが、0.065~2.5であることが好ましく、0.5~2.0であることがより好ましい。
これにより、銅箔との接着面積が増えることにより密着性を向上しつつも、良好な導電性を保持できる。
樹脂片の厚みd(μm)は、例えば、ビアホールの断面を走査電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、複数のビアホールを観察して得られた樹脂片の厚みの平均値とすることができる。また、樹脂片の最大長さl(μm)は、複数のビアホールがあった場合、最も長い樹脂片のことを意図する。
本実施形態において、上記のような樹脂片は、ビルドアップ材に用いられる熱硬化性樹脂層の原料および組み合わせ、または熱硬化性樹脂層の製造方法等を、熱硬化性樹脂組成層の耐薬品性や耐熱性等を考慮しつつ、制御することによって得られる。
[熱硬化性樹脂層]
本実施形態において、ビルドアップ材は、熱硬化性樹脂層を含み、当該熱硬化性樹脂層の200℃、90分での硬化物の誘電率Dk(23℃、10GHz)が3.0~3.6、誘電正接Df(23℃、10GHz)が0.0001~0.006である。
本実施形態の熱硬化性樹脂層の135℃における溶融粘度が100~8,000Pa・sであることが好ましく、200~5,000であることがより好ましい。これにより、所望の樹脂片が得られやすくなる。
本実施形態の熱硬化性樹脂層は、熱硬化性樹脂組成物からなる層、繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させて形成されたプリプレグ、または前記プリプレグの硬化体である。
まず、本実施形態の熱硬化性樹脂層に用いられる熱硬化性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」とも表記する)について、説明する。
本実施形態の熱硬化性樹脂組成物は、(A)変性ポリフェニレンエーテル共重合体、(B)マレイミド化合物、(C)インデン樹脂、およびポリイミド樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含むことが好ましい。なかでも、安定的に絶縁信頼性を得る観点から、(A)変性ポリフェニレンエーテル共重合体、(B)マレイミド化合物、および(C)インデン樹脂をすべて含むことが好ましい。
以下、本実施形態の熱硬化性樹脂組成物に含まれる各成分について詳述する。
(A)変性ポリフェニレンエーテル共重合体
本実施形態の(A)変性ポリフェニレンエーテル共重合体は、ポリフェニレンエーテルを編成したものであり、例えば、国際公開第2014/203511号の段落0018~0061に記載のものを用いることができる。より具体的には、以下のとおりである。
本実施形態に係る(A)変性ポリフェニレンエーテル共重合体は特に限定されないが、炭素-炭素不飽和結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテルであることが好ましい。
炭素-炭素不飽和結合を有する置換基としては、特に限定はされないが、例えば、下記式(1)で示される置換基が挙げられる。
Figure 2022156942000002
上記式(1)中、nは0~10の整数を示し、Zはアリーレン基を示し、R1~R3は独立して水素原子またはアルキル基を示す。
上記式(1)においてn=0の場合は、Zがポリフェニレンエーテルの末端に直接結合しているものを示す。また、Zのアリーレン基としては、例えば、フェニレン基等の単環芳香族基やナフタレン環等の多環芳香族基が挙げられ、芳香族環に結合する水素原子がアルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基等の官能基で置換された誘導体も含む。
上記式(1)に示す官能基としては、例えば、ビニルベンジル基を含む官能基が挙げられる。より具体的には、下記式(2)または式(3)から選択される少なくとも1つの置換基等が挙げられる。
Figure 2022156942000003
Figure 2022156942000004
また、ポリフェニレンエーテルの末端に直接結合している炭素-炭素不飽和結合を有する他の置換基としては、例えば、下記式(4)で示される(メタ)アクリレート基が挙げられる。
Figure 2022156942000005
上記式(4)中、R4は水素原子またはアルキル基を示す。
本実施形態の変性ポリフェニレンエーテルは、低誘電特性および良好なレーザー加工性を両立する観点から、両末端がヒドロキシ基、メタアクリル基またはスチレン基を有することが好ましい。
また、本実施形態の変性ポリフェニレンエーテルにおけるポリフェニレンエーテルは、ポリフェニレンエーテル鎖を分子中に有しており、例えば、下記式(5)で表される繰り返し単位を分子中に有していることが好ましい。
Figure 2022156942000006
上記式(5)において、mは1~50を示す。また、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立し、それぞれ同一の基であっても、異なる基であってもよい。また、R5、R6、R7及びR8は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ホルミル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、又はアルキニルカルボニル基を示す。これらの中でも、水素原子及びアルキル基が好ましい。
上記アルキル基は特に限定されないが、例えば、炭素数1~18のアルキル基が好ましく、炭素数1~10のアルキル基がより好ましい。より具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、及びデシル基等が挙げられる。
アルケニル基は特に限定されないが、例えば、炭素数2~18のアルケニル基が好ましく、炭素数2~10のアルケニル基がより好ましい。より具体的には、ビニル基、アリル基、及び3-ブテニル基等が挙げられる。
アルキニル基は特に限定されないが、例えば、炭素数2~18のアルキニル基が好ましく、炭素数2~10のアルキニル基がより好ましい。より具体的には、エチニル基、及びプロパ-2-イン-1-イル基(プロパルギル基)等が挙げられる。
アルキルカルボニル基はアルキル基で置換されたカルボニル基であれば特に限定されないが、例えば、炭素数2~18のアルキルカルボニル基が好ましく、炭素数2~10のアルキルカルボニル基がより好ましい。より具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、及びシクロヘキシルカルボニル基等が挙げられる。
アルケニルカルボニル基はアルケニル基で置換されたカルボニル基であれば特に限定されないが、例えば、炭素数3~18のアルケニルカルボニル基が好ましく、炭素数3~10のアルケニルカルボニル基がより好ましい。より具体的には、アクリロイル基、メタクリロイル基、及びクロトノイル基等が挙げられる。
アルキニルカルボニル基はアルキニル基で置換されたカルボニル基であれば特に限定されないが、例えば、炭素数3~18のアルキニルカルボニル基が好ましく、炭素数3~10のアルキニルカルボニル基がより好ましい。より具体的には、プロピオロイル基等が挙げられる。
本実施形態に係る変性ポリフェニレンエーテルの合成方法は、炭素-炭素不飽和結合を有する置換基により末端変性された変性ポリフェニレンエーテルを合成することができれば特に限定されない。例えば、末端のフェノール性水酸基の水素原子をナトリウムやカリウム等のアルカリ金属原子で置換したポリフェニレンエーテルと、下記式(6)で示されるような化合物とを反応させる方法等が挙げられる。
Figure 2022156942000007
上記式(6)中、上記式(1)と同様に、nは0~10の整数を示し、Zはアリーレン基を示し、R1~R3は独立して水素原子またはアルキル基を示す。また、Xは、ハロゲン原子を示し、具体的には、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、及びフッ素原子等が挙げられる。この中でも、塩素原子が好ましい。
また、上記式(6)で表される化合物は、特に限定されないが、例えば、p-クロロメチルスチレンやm-クロロメチルスチレンが好ましい。
また、上記式(6)で表される化合物は、上記例示したものを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
原料であるポリフェニレンエーテルは、最終的に、所定の変性ポリフェニレンエーテルを合成することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、2,6-ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリアリーレンエーテル共重合体やポリ(2,6-ジメチル-1,4-フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルを主成分とするもの等が挙げられる。このようなポリフェニレンエーテルは、より具体的には、例えば、下記式(7)に示す構造を有するポリフェニレンエーテル等が挙げられる。
Figure 2022156942000008
上記式(7)中、s、tは、例えば、sとtとの合計値が、1~30であることが好ましい。また、sが、0~20であることが好ましく、tが、0~20であることが好ましい。すなわち、sは、0~20を示し、tは、0~20を示し、sとtとの合計は、1~30を示すことが好ましい。
上記式(7)のポリフェニレンエーテルの末端水酸基をメタクリル基で変性した変性ポリフェニレンエーテルの市販品としては、SABICイノベーティブプラスチックス社製の「SA9000」等がある。
成分(A)の重量平均分子量は、好ましくは500以上5,000以下であり、より好ましくは800以上4,000以下であり、さらに好ましくは1,000以上3,000以下である。なお、重量平均分子量は、一般的な分子量測定方法で測定したものであればよく、具体的には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した値等が挙げられる。
成分(A)の重量平均分子量が上記下限値以上とすることにより、ポリフェニレンエーテルが有する優れた誘電特性を発揮し、その硬化物において、さらに、密着性及び耐熱性によく優れた樹脂組成物が得られる。本実施形態の成分(A)は、変性されているため、末端の反応性基、なかでも末端に不飽和二重結合を有するため、低誘電性を保持しつつ、硬化物のガラス転移温度を向上し、良好なレーザー加工性が得られるとともに、耐熱性、密着性が充分に高いものになると考えられる。
一方、成分(A)の重量平均分子量が上記上限値以下とすることにより、成形性、溶剤溶解性や保存安定性が良好となる。
成分(A)の含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、好ましくは、1重量部以上30重量部以下である。樹脂固形分100重量部に対して、1重量部以上とすることにより、成分(A)による低誘電正接を得ることができ、30重量部以下とすることにより、樹脂残渣を抑制でき、良好なレーザー加工性が得られる。成分(A)の含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、3重量部以上であることがより好ましく、5重量部以上であることがさらに好ましく、一方、25重量部以下であることがより好ましく、20重量部以下であることがさらに好ましい。
なお、樹脂固形分とは、ワニスにおける充填材及び溶媒を除いた樹脂成分のことである。
(B)マレイミド化合物
マレイミド化合物のマレイミド基は、5員環の平面構造を有し、マレイミド基の二重結合が分子間で相互作用しやすく極性が高いため、マレイミド基、ベンゼン環、その他の平面構造を有する化合物等と強い分子間相互作用を示し、分子運動を抑制することができる。そのため、本実施形態の樹脂組成物は、マレイミド化合物を含むことにより、得られる絶縁層の線膨張係数を下げ、ガラス転移温度を向上させることができ、さらに、耐熱性を向上させることができる。
マレイミド化合物としては、分子内に少なくとも2つのマレイミド基を有するマレイミド化合物が好ましい。
分子内に少なくとも2つのマレイミド基を有するマレイミド化合物としては、例えば、4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、p-フェニレンビスマレイミド、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス-(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、N,N'-エチレンジマレイミド、N,N'-ヘキサメチレンジマレイミド、ビス(4-マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4-マレイミドフェニル)スルホン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンビスマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミド等の分子内に2つのマレイミド基を有する化合物、ポリフェニルメタンマレイミド等の分子内に3つ以上のマレイミド基を有する化合物等が挙げられる。
これらの中の1種類を単独で用いることもできるし、2種類以上を併用することもできる。これらのマレイミド化合物の中でも、低吸水率である点等から、4,4'-ジフェニルメタンビスマレイミド、2,2-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス-(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビスマレイミドが好ましい。
成分(B)の含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、5重量部以上40重量部以下が好ましく、8重量部以上35重量部以下がより好ましく、10重量部以上30重量部以下がさらに好ましい。
成分(B)の含有量を、上記下限値以上とすることにより、良好な誘電正接およびレーザー加工性を得つつ、線膨張係数を下げ、ガラス転移温度を向上させ、耐熱性を向上させることができる。一方、成分(B)の含有量を、上記上限値以下とすることにより、良好な誘電正接およびレーザー加工性のバランスを向上できる。
(C)インデン樹脂
本実施形態のインデン樹脂とは、その骨格構造にインデン残基を含む平均重合度4~8の(共)重合体のことを示し、インデン(C)と、クマロン(1-ベンゾフラン)、スチレン(C)、α-メチルスチレン、メチルインデン及びビニル卜ルエンとの共重合体であってもよい。なかでも、インデン-クマロン共重合体、インデン-スチレン共重合体、インデン-クマロン-スチレン共重合体であることが好ましい。
すなわち、インデン樹脂は、インデン系モノマー由来の構造単位Aを含むものであり、他のモノマー由来の構造単位を有していてもよい。他のモノマー由来の構造単位としては、例えば、クマロン系モノマー由来の構造単位B、スチレン系モノマー由来の構造単位Cが挙げられる。インデン樹脂は、具体的には、インデン系モノマー由来の構造単位A、クマロン系モノマー由来の構造単位Bおよびスチレン系モノマー由来の構造単位Cを有するものであってもよく、インデン系モノマー由来の構造単位Aおよびクマロン系モノマー由来の構造単位Bを有するものであってもよく、インデン系モノマー由来の構造単位Aおよびスチレン系モノマー由来の構造単位Cを有するものであってもよい。これらの構造単位の繰り返し構造を有することができる。
上記インデン系モノマーに由来する構造単位Aは、例えば、下記一般式(M1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2022156942000009
(一般式(M1)中、RからRは、それぞれ独立して水素または炭素数1以上3以下の有機基である。)
上記クマロン系モノマーに由来する構造単位Bは、例えば、下記一般式(M2)で表されるものが挙げられる。
Figure 2022156942000010
(一般式(M2)中、Rは、水素または炭素数1以上3以下の有機基である。Rは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。)
上記スチレン系モノマーに由来する構造単位Cは、例えば、下記一般式(M3)で表されるものが挙げられる。
Figure 2022156942000011
(一般式(M3)中、Rは、水素または炭素数1以上3以下の有機基である。Rは互いに同一でもよく、互いに異なっていてもよい。)
上記一般式(M1)~(M3)において、R1からR7、RC及びRSは、例えば、有機基の構造に水素及び炭素以外の原子を含んでもよい。
水素及び炭素以外の原子としては、具体的には、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、フッ素原子、塩素原子などが挙げられる。水素及び炭素以外の原子としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を含むことができる。
上記一般式(M1)~(M3)において、R1からR7、RC及びRSは、それぞれ独立して、例えば、水素又は炭素数1以上3の有機基であり、水素または炭素数1の有機基であることが好ましく、水素であることが更に好ましい。
上記一般式(M1)~(M3)において、上記R1からR7、RC及びRSを構成する有機基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基などのアルキル基;アリル基、ビニル基などのアルケニル基;エチニル基などのアルキニル基;メチリデン基、エチリデン基などのアルキリデン基;シクロプロピル基などのシクロアルキル基;エポキシ基、オキセタニル基などのヘテロ環基などが挙げられる。
上記インデン樹脂は、この中でも、インデン、クマロンおよびスチレンの共重合体、インデンとスチレンの共重合体を含むことができる。これにより、低誘電特性を向上させることができる。
また、上記インデン樹脂は、分子内に、エポキシ樹脂のエポキシ基と反応する反応性基を備えることができる。これにより、低誘電特性を向上させることができる。
上記反応性基としては、OH基、COOH基などが挙げられる。
また、上記インデン樹脂は、内部または末端にフェノール性水酸基を有する芳香族構造を有していてもよい。
上記インデン樹脂の重量平均分子量Mwの上限値は、例えば、4000以下であることが好ましく、2000以下であることがより好ましく、1500以下であることが更に好ましく、1200以下であることが一層好ましい。これにより、インデン樹脂とエポキシ樹脂との相溶性を高め、適切にインデン樹脂を分散できる。一方、インデン樹脂の重量平均分子量Mwの下限値は、例えば、400以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、550以上であることが更に好ましく、600以上であることが一層好ましい。これにより、樹脂組成物の中にインデン樹脂が適切に分散できる。
上記インデン樹脂の含有量の下限値は、樹脂固形分100重量部に対して、例えば、1重量部以上、好ましくは3重量部以上、より好ましくは5重量部以上である。これにより、低誘電特性とレーザー加工性の良好なバランスを得つつ、低吸水特性を向上できる。一方、上記インデン樹脂の含有量の上限値は、本実施形態の樹脂組成物全体に対して、例えば、20重量部以下、好ましくは15重量部以下、より好ましくは12重量部以下である。これにより、成形性、耐熱性などの他の物性とのバランスを図ることができる。
インデン樹脂の融点は、40℃~120℃であることが好ましく、分子量、重合度により融点を制御することができる。
成分(C)の含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、0.1重量部以上20重量部以下が好ましく、0.5重量部以上15重量部以下がより好ましく、1重量部以上12重量部以下がさらに好ましい。
本実施形態の樹脂組成物は、さらに以下の成分を含むことより、低誘電特性および良好なレーザー加工性を安定的に得るとともに、他の物性を向上することができる。
(ポリブタジエン系エラストマー)
本実施形態において、ポリブタジエン系エラストマーは、ブタジエン化合物をモノマー成分として用いた単独重合体または共重合体である。本実施形態において、耐熱性を向上させる観点からは、官能基を有しているポリブタジエン系エラストマーを用いることがより好ましい。官能基としては、ビニル基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基、またはマレイン酸基などが挙げられる。なかでも、相溶性と密着性を向上させる観点から、側鎖にビニル基を有するポリブタジエンであることが好ましい。
また、共重合体としては、樹脂中にブタジエンから重合してなるセグメント骨格を有するものであり、例えば、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、アクリレ-トブタジエン共重合体、ビニルピリジンブタジエン共重合体、アクリロニトリル-スチレン-ブタジエン共重合体、カルボキシル化ブタジエン共重合体、エポキシ化ブタジエン共重合体等が挙げられる。なかでも、分散性と耐熱性を向上させる観点から、ブタジエンホモポリマーおよびスチレン-ブタジエン共重合体であることが好ましい。
ポリブタジエン系エラストマーの含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、0.1重量部以上20重量部以下が好ましく、0.2重量部以上15重量部以下がより好ましく、0.5重量部以上12重量部以下がさらに好ましい。
(不飽和二重結合を有するフェノール)
本実施形態において、不飽和二重結合を有するフェノールは、誘電特性およびレーザー加工性を良好にしつつ、他の物性とのバランスを保持する観点から、主に用いられる。不飽和二重結合を有するフェノールとは、フェノール骨格を有し、ベンゼン環の置換基に不飽和二重結合を有するものをいう。
本実施形態において、不飽和二重結合を有するフェノールとしては、アリルフェノール(o-,m-またはp-)、ビニルフェノール(o-,m-またはp-)、アリルレゾルシノール、ジアリルレゾルシノール、アリルカテコール、ジアリルカテコール、アリルヒドロキノン、ジアリルヒドロキノン、アリルピロガロール、トリアリルフェノール、トリビニルフェノール、トリアリルレゾルシノール、トリビニルレゾルシノール等が挙げられる。なかでも、密着を向上させる観点から、ビニルフェノール(特にp-ビニルフェノール;4-エテニルフェノール)、2,2'-ジアリルビスフェノールA、o-アリルフェノール(2-アリルフェノール)、アリルフェノールレゾルシノール型ノボラック樹脂であることが好ましい。
不飽和二重結合を有するフェノールの含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、1重量部以上30重量部以下が好ましく、5重量部以上25重量部以下がより好ましく、7重量部以上22重量部以下がさらに好ましい。
(多官能性ビニル化合物)
本実施形態において、多官能性ビニル化合物とは、分子中に2以上の重合性不飽和結合を有する化合物をいう。
多官能性ビニル化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン等の2官能性芳香族ビニル化合物;1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンのジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールアクリレート、アクリル酸アリル、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、3-メチルペンタンジオールジアクリレート、メタクリル酸アリル等の2官能性(メタ)アクリル酸エステル;トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールへキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等の3官能性以上の(メタ)アクリル酸エステル;(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;ジアリルマレート、ジアリルフマレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、ジアリルフタレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
中でも、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;ジアリルマレート、ジアリルフマレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、ジアリルフタレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテルが好ましく、トリアリルイソシアネートがより好ましい。
多官能性ビニル化合物の含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、0.5重量部以上30重量部以下が好ましく、1重量部以上20重量部以下がより好ましく、4重量部以上15重量部以下がさらに好ましい。
(無機充填材)
本実施形態において、無機充填材としては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラス等のケイ酸塩;酸化チタン、アルミナ、ベーマイト、シリカ、溶融シリカ等の酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイト等の炭酸塩;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩;ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化炭素等の窒化物;チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム等のチタン酸塩等を挙げることができる。
これらの中でも、タルク、アルミナ、ガラス、シリカ、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムが好ましく、シリカが特に好ましい。無機充填材としては、これらの中の1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
上記無機充填材の平均粒子径の下限値は、特に限定されないが、例えば、0.01μm以上としてもよく、0.05μm以上としてもよい。これにより、上記熱硬化性樹脂のワニスの粘度が高くなるのを抑制でき、絶縁層作製時の作業性を向上させることができる。また、無機充填材の平均粒子径の上限値は、特に限定されないが、例えば、5.0μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.0μm以下がさらに好ましい。これにより、上記熱硬化性樹脂のワニス中における無機充填材の沈降等の現象を抑制でき、より均一な樹脂膜を得ることができる。また、プリント配線板の回路寸法L/Sが20μm/20μmを下回る際には、配線間の絶縁性への影響を抑制することができる。
本実施形態において、無機充填材の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA社製、LA-500)により、粒子の粒度分布を体積基準で測定し、そのメディアン径(D50)を平均粒子径とすることができる。
また、無機充填材は、特に限定されないが、平均粒子径が単分散の無機充填材を用いてもよいし、平均粒子径が多分散の無機充填材を用いてもよい。さらに平均粒子径が単分散および/または多分散の無機充填材を1種類または2種類以上で併用してもよい。
上記無機充填材はシリカ粒子を含むことが好ましい。シリカ粒子は球状であってもよい。上記シリカ粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、5.0μm以下としてもよく、0.1μm以上4.0μm以下としてもよく、0.2μm以上2.0μm以下としてもよい。これにより、無機充填材の充填性をさらに向上させることができる。
無機充填材の含有量の下限値は、樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、特に限定されないが、例えば、40質量部以上が好ましく、45質量部以上がより好ましく、50質量部以上がさらに好ましい。これにより、樹脂膜の硬化物を特に低熱膨張、低吸水とすることができる。また、半導体パッケージの反りを抑制することができる。一方で、無機充填材の含有量の上限値は、樹脂組成物の全固形分100質量部に対して、特に限定されないが、例えば、85質量部以下としてもよく、80質量部以下としてもよく、75質量部以下としてもよい。これにより、ハンドリング性が向上し、樹脂膜を形成するのが容易となる。
(難燃剤)
本実施形態において、難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤等のハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤等が挙げられる。ハロゲン系難燃剤の具体例としては、例えば、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカン等の臭素系難燃剤や、塩素化パラフィン等の塩素系難燃剤等が挙げられる。また、リン系難燃剤の具体例としては、例えば、縮合リン酸エステル、環状リン酸エステル等のリン酸エステル、環状ホスファゼン化合物等のホスファゼン化合物、ジアルキルホスフィン酸アルミニウム塩等のホスフィン酸金属塩等のホスフィン酸塩系難燃剤、リン酸メラミン、及びポリリン酸メラミン等のメラミン系難燃剤等が挙げられる。難燃剤としては、例示した各難燃剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、リン系難燃剤であることが好ましい。
難燃剤の含有量は、樹脂固形分100重量部に対して、0.1重量部以上15重量部以下が好ましく、0.5重量部以上10重量部以下がより好ましく、1重量部以上5重量部以下がさらに好ましい。
(重合開始剤)
本実施形態の樹脂組成物は、重合開始剤を含有してもよい。これにより、成分(A)がプロセス条件によらず、安定的に硬化進行される。重合開始剤としては、変性ポリフェニレンエーテルと熱硬化型硬化剤との硬化反応を促進することができるものであれば、特に限定されないが、例えば、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシン,過酸化ベンゾイル、3,3',5,5'-テトラメチル-1,4-ジフェノキノン、クロラニル、2,4,6-トリ-t-ブチルフェノキシル、t-ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート、アゾビスイソブチロニトリル等の酸化剤が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、硬化反応を一層促進させる観点から、さらにカルボン酸金属塩等を併用してもよい。
なかでも、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンが好ましく用いられる。α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンは、反応開始温度が比較的に高いため、プリプレグ乾燥時等の硬化する必要がない時点での硬化反応の促進を抑制することができ、本実施形態の樹脂組成物の保存性の低下を抑制することができる。さらに、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼンは、揮発性が低いため、プリプレグ乾燥時や保存時に揮発せず、良好な安定性が得られる。
(カップリング剤)
本実施形態の樹脂組成物は、カップリング剤を含んでもよい。カップリング剤は樹脂組成物の調製時に直接添加してもよいし、無機充填材にあらかじめ添加しておいてもよい。カップリング剤の使用により無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を向上させることができる。したがって、カップリング剤を使用することは好ましく、樹脂膜の硬化物の耐熱性を改良することができる。また、カップリング剤を用いることにより、銅箔との密着性を向上させることができる。さらに、吸湿耐性を向上できるので、湿度環境下においても、銅箔との密着性を維持することができる。
上記カップリング剤としては、例えば、ビニル系シランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤、カチオニックシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤等のシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤およびシリコーンオイル型カップリング剤等が挙げられる。カップリング剤は一種類を単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。本実施形態において、カップリング剤はシランカップリング剤を含有してもよい。
これにより、無機充填材と各樹脂との界面の濡れ性を高くすることができ、樹脂膜の硬化物の耐熱性をより向上させることができる。
上記シランカップリング剤としては、各種のものを用いることができるが、例えば、エポキシシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン等が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニルγ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニルγ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-6-(アミノヘキシル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(3-(トリメトキシシリルプロピル)-1,3-ベンゼンジメタナン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、γ-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられ、これらのうちの一種または二種以上を組み合せて用いることができる。これらのうちビニルシラン、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシランが好ましく、アミノシランとしては、1級アミノシラン又はアニリノシランがより好ましい。
上記カップリング剤の含有量は、無機充填材の比表面積に対して適切に調整することができる。このようなカップリング剤の含有量の下限値は、例えば、樹脂組成物の全固形分100重量部に対して、0.01重量部以上としてもよく、好ましくは0.05重量部以上としてもよい。カップリング剤の含有量が上記下限値以上であると、無機充填材を十分に被覆することができ、樹脂膜の硬化物の耐熱性を向上させることができる。一方、上記カップリング剤の含有量の上限値は、例えば、樹脂組成物の全固形分100重量部に対して、3重量部以下としてもよく、好ましくは1.5重量部以下としてもよい。カップリング剤の含有量が上記上限値以下であると、反応に影響を与えるのを抑制でき、樹脂膜の硬化物の曲げ強度等の低下を抑制することができる。
(その他、添加剤)
なお、本実施形態の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記以外の樹脂、緑、赤、青、黄、および黒等の染料、黒色顔料等の顔料、色素からなる群から選択される一種以上を含む着色剤、低応力剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、発泡剤、酸化防止剤、イオン捕捉剤、ゴム成分等の上記の成分以外の添加剤を含んでもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記以外の樹脂としては例えば、エポキシ樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂などの熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、フェノキシ樹脂、シアネート樹脂が挙げられる。
(ワニス)
本実施形態において、ワニス状の樹脂組成物は、溶剤を含むことができる。
上記溶剤としては、たとえばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、酢酸エチル、シクロヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、セルソルブ系、カルビトール系、アニソール、およびN-メチルピロリドン等の有機溶剤が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物がワニス状である場合において、樹脂組成物の固形分含有量は、たとえば30質量%以上80質量%以下としてもよく、より好ましくは40質量%以上70質量%以下としてもよい。これにより、作業性や成膜性に非常に優れた樹脂組成物が得られる。
ワニス状の樹脂組成物は、上述の各成分を、たとえば、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの各種混合機を用いて溶剤中に溶解、混合、撹拌することにより調製することができる。
<ビルドアップ材の製造方法>
本実施形態のビルドアップ材は、熱硬化性樹脂組成物からなる層、繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させて形成されたプリプレグ、または前記プリプレグの硬化体である。
[熱硬化性樹脂組成物からなる層]
まず、本実施形態のビルドアップ材が熱硬化性樹脂組成物からなる層である場合について説明する。
熱硬化性樹脂組成物からなる層は、ワニス状である上記樹脂組成物をフィルム化することにより得ることができる。例えば、熱硬化性樹脂組成物からなる層は、ワニス状の樹脂組成物を塗布して得られた塗布膜に対して、溶剤を除去することにより得ることができる。このような熱硬化性樹脂組成物からなる層においては、溶剤含有率が樹脂膜全体に対して5質量%以下とすることができる。本実施形態において、たとえば100℃~150℃、1分~5分の条件で溶剤を除去する工程を実施してもよい。これにより、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物からなる層の硬化が進行することを抑制しつつ、十分に溶剤を除去することが可能となる。
[プリプレグ]
本実施形態のプリプレグは、繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させて形成されたものである。
例えば、プリプレグは、樹脂組成物を繊維基材に含浸させ、その後、半硬化させて得られるシート状の材料として利用できる。このような構造のシート状材料は、誘電特性、高温多湿下での機械的、電気的接続信頼性等の各種特性に優れ、プリント配線板の絶縁層の製造に適している。
本実施形態において、樹脂組成物を繊維基材に含浸させる方法としては、特に限定されないが、例えば、樹脂組成物を溶剤に溶かして樹脂ワニスを調製し、繊維基材を上記樹脂ワニスに浸漬する方法、各種コーターにより上記樹脂ワニスを繊維基材に塗布する方法、スプレーにより上記樹脂ワニスを繊維基材に吹き付ける方法、樹脂組成物からなる上記樹脂膜で繊維基材の両面をラミネートする方法等が挙げられる。
上記繊維基材としては、例えば、ガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、あるいはガラス以外の無機化合物を成分とする繊布又は不繊布等の無機繊維基材、芳香族ポリアミドイミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。これら基材の中でも強度の点でガラス織布に代表されるガラス繊維基材を用いると、プリント配線板の機械的強度、耐熱性を良好なものとすることができる。
繊維基材の厚みは、とくに限定されないが、好ましくは5μm以上150μm以下であり、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、さらに好ましくは12μm以上90μm以下である。このような厚みを有する繊維基材を用いることにより、プリプレグ製造時のハンドリング性がさらに向上できる。
繊維基材の厚みが上記上限値以下であると、繊維基材中の樹脂組成物の含浸性が向上し、ストランドボイドや絶縁信頼性の低下の発生を抑制することができる。また炭酸ガス、UV、エキシマ等のレーザーによるスルーホールの形成を容易にすることができる。また、繊維基材の厚みが上記下限値以上であると、繊維基材やプリプレグの強度を向上させることができる。その結果、ハンドリング性が向上できたり、プリプレグの作製が容易となったり、樹脂基板の反りを抑制できたりする。
上記ガラス繊維基材として、例えば、Eガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラス、NEガラス、UTガラス、Lガラス、HPガラスおよび石英ガラスから選ばれる一種または二種以上のガラスにより形成されたガラス繊維基材が好適に用いられる。
また、本実施形態で用いる繊維基材は、1MHzでの誘電率が3.8以上7.0以下であることが好ましく、より好ましくは4.7以上7.0以下、さらに好ましくは5.4以上6.8以下である。このような誘電率を有するガラス繊維基材を用いることにより、積層板の誘電率をさらに低減でき、高速信号を用いた半導体パッケージに好適である。
次に、本実施形態のプリント配線板100の構成の詳細について、説明する。
本実施形態のプリント配線板100は、基板102及び基板102上に形成されたビルドアップ層128から構成される。本実施形態では、基板102はコア層に相当する。
ビルドアップ層128は、基板102上の第一の回路層104と、第一の回路層104上の絶縁層106と、絶縁層106上の第二の回路層114とからなる。
ビルドアップ層128は、基板102の片面のみに形成されていてもよいが、基板102の両面にそれぞれ形成されていてもよい。また、基板102上のビルドアップ層128の積層数は、1つ以上であれば特に限定されず、2つ以上でもよい。
本実施形態においては、絶縁層106は、繊維基材108に熱硬化性樹脂組成物を含浸させて形成されたプリプレグである。
絶縁層106の全体の膜厚は特に限定されないが、好ましくは20μm以上100μm以下であり、より好ましくは30μm以上80μm以下である。
ビアホール116は、絶縁層106の第1面10から第2面20に亘って貫通するように形成された領域である。本実施形態においては、ビアホール116の側壁から第一の回路層104の表面上まで延在する樹脂片130を有する。言い換えると、ビアホール116内に露出する絶縁層106の一部領域から、ビアホール116の底部に露出する第一の回路層104が樹脂片130により覆われている。
ビアホール116は、断面視において、第1面10から第2面20に向かって開口径が連続的又は不連続的に小さくなるように構成されており、より好ましくは連続的に小さくなるように構成されている。ビアホール116は、第1面10から第2面20側に至るまで縮径している。例えば、ビアホール116の断面形状は、第1面10から第2面20に向かって先細りしたテーパ形状でもよく、複数の段差を側壁に有するシリンダ形状でもよい。ただし、ビアホール116を構成する絶縁層106の側壁であって第2面20近傍における部分は、ソフトエッチングにより切り欠かれた切り欠き領域を有していてもよい。ここで、ソフトエッチングは、後述するビアホール116を形成する手法とは、種類及び工程が異なるものである。
また、繊維基材108の一部は、ビアホール116内に突出していてもよい。すなわち、繊維基材108は、ビアホール116の側壁から突出した突出部を有し、突出部が、導体124内部に位置していてもよい。
繊維基材108の突出部は、プリント配線板の厚さ方向に沿った断面において、導体124(ビア)を介して対向する突出部同士は、離間している。上面視において、ビアホール116内部における突出部109は、リング状に構成されていてもよく、円の外縁に沿って点在するように構成されていてもよい。また、開口内壁の周縁方向において、突出部109の長さの最大値は、全体が均一でも不均一でもよい。
ビアホール116の内部は、導体124が埋め込まれている。導体124は、メッキ層(金属層)であり、下地膜118とメッキ層122とから構成される。導体124の下部は、基板102の一面上に設けられた第一の回路層104の一部と接するように設けられている。本実施形態では、導体124は、第一の回路層104と不図示の半導体素子とを電気的に接続する外部端子として働く。
下地膜118は、堆積金属膜又は無電解めっき膜で構成されている。下地膜118は、ビアホール116の側壁及びビアホール116から露出する第一の回路層104の表面に沿って膜状に延在し、ビアホール116の側壁及び第一の回路層104表面を一体的に被覆している。本実施形態では、下地膜118はビアホール116の側壁上及びビアホール116から露出する第一の回路層104表面の全面に形成されている。さらに、下地膜118は第二の回路層114の側壁上及び上面上に形成されている。下地膜118は、樹脂片103を覆うように形成されていてもよい。
メッキ層122は、ビアホール116の内部全体に埋設された、中実状の導電体である。本実施形態では、ビアホール116の内面を被覆する下地膜118の内側にメッキ層122が充填されている。すなわち、ビアホール116の内部は下地膜118及びメッキ層122のみで構成されている。このメッキ層122は単層でも多層でもよい。また、メッキ層122は、絶縁層106を第1面10側から平面視した際に、ビアホール116の外側に位置する第二の回路層114の上面上に形成されていてもよい。
なお、下地膜118は必須ではなく、省略でされてもよい。
第一の回路層104は、銅等の金属層であり、導体124(ビア)に電気的に接続される領域を有する。第一の回路層104は基板102上に配置されている。また、第一の回路層104は、絶縁層106の第2面20に直接接触しており、第一の回路層104の一部は、ビアホール116の開口面を第2面20側から被覆し、第一の回路層104の開口面から露出する部分に、導体124(ビア)が接続される。
<<プリント配線板の製造方法>>
次に、本実施形態のプリント配線板100の製造方法について説明する。
図1は、プリント配線板100の製造工程の手順を示す工程断面図である。
<コア層形成工程>
まず、一面上に第一の金属箔(のちの第一の回路層104)が張り付けられた基板102を準備する。
基板102は、絶縁性の材料により構成されていれば特に限定されないが、たとえば、エポキシ樹脂、ガラス基材-エポキシ樹脂積層板、ガラス基材-ポリイミド樹脂積層板、ガラス基材-テフロン(登録商標)樹脂積層板、ガラス基材-ビスマレイミド・トリアジン樹脂積層板、ガラス基材-シアネート樹脂積層板、ガラス基材-ポリフェニレンエーテル樹脂積層板、ポリエステル樹脂、セラミック、樹脂含浸セラミックのいずれか等により構成することができる。
上記の第一の金属箔は、銅、アルミニウム、ニッケルなどの少なくともいずれかの金属元素を含有する金属箔を用いることができる。この中でも、低抵抗な銅箔が好ましい。金属箔は、基板102の両面に形成されていてもよいし、片面のみに形成されていてもよい。
次いで、第一の金属箔を選択的にエッチングする。これにより、基板102の上に所定のパターン形状を有する第一の回路層104を形成する。
<積層体形成工程>
次いで、第一の回路層104上に、繊維基材108に樹脂組成物を含浸したプリプレグからなる絶縁層106の少なくとも一面に第二の金属箔層(のちの第二の回路層114)が積層された積層体を、加熱加圧して積層する(図1(a)参照)。図1(a)では、第二の金属箔層側の面は、第一の回路層104と反対側に位置している。
第二の金属箔層としては、例えば、銅箔を用いることが好ましい。積層体は、単層でもよいが多層構造を有していてもよい。積層体は、例えば、プリプレグを複数枚重ね合わせたもの等を用いることができる。積層体としては、少なくとも片面にキャリア箔付き極薄金属箔を重ね合わせて加熱加圧成形したもの等を用いることができる。なお、ビルドアップ層は、コア層(基板102)と同じ材料のものを用いてもよいが、繊維基材または樹脂組成物が異なっていてもよい。
第二の金属箔層の厚みは、好ましくは1μm以上18μm以下であり、さらに好ましくは2μm以上12μm以下である。第二の金属箔層の厚みが上記範囲内であると、微細パターンが形成可能であり、目ずれ度を制御することで反りをより低減できる。
第二の金属箔層を構成する金属としては、例えば銅及び銅系合金、アルミ及びアルミ系合金、銀及び銀系合金、金及び金系合金、亜鉛及び亜鉛系合金、ニッケル及びニッケル系合金、錫及び錫系合金、鉄および鉄系合金等の少なくともいずれか1種以上が挙げられる。また、第二の金属箔層として、キャリア付電解銅箔等を使用してもよい。
<ビア形成工程>
次いで、レジストをマスクとして、第二の金属箔層(のちの第二の回路層112)の選択的エッチングを行う。これにより、所定のパターンを有する第二の回路層112を形成する(図1(b))。
第二の金属箔層は、例えば、平面視において、所定方向に延在する回路パターンや矩形状のパッドとして機能する。
次いで、図1(c)に示すように、レーザー等を用いて、絶縁層106を選択的に除去し、絶縁層106にビアホール116を形成する。ビアホール116は、絶縁層106の第1面10から第2面20まで貫通する貫通孔となるように形成される。ビアホール116は、第1面10側から一方向に絶縁層106を除去することで形成される。すなわち、第2面20側からは絶縁層106を除去しない。
ビアホール116の底面(開口面)からは、第一の回路層104の上面の一部が露出している。本実施形態においては、ビアホール116の側壁には、繊維基材108の一部が突出していてもよい。
次いで、絶縁層106のビアホール116の内部に対して、デスミア処理を行う。デスミア処理は、スミア等を除去して表面を清浄するものである。デスミア処理としては、特に限定されず、有機物分解作用を有する酸化剤溶液等を使用した湿式法、及び対象物となるものに直接酸化作用の強い活性種(プラズマ、ラジカル等)を照射して有機物残渣を除去するプラズマ法等の乾式法等の公知の方法を用いることができる。
例えば、薬液によるデスミア処理としては、具体的には、樹脂表面の膨潤処理を施した後、アルカリ処理によりエッチングを行い、続いて中和処理を行う方法等が挙げられる。また、例えば、プラズマ処理によるデスミア処理としては、たとえば数mTorr~数Torrのガス雰囲気下において数kHz~数十MHz程度の高周波電源にて放電することにより行われる。なお、使用ガスとしては、たとえば酸素等の反応性ガス、または窒素やアルゴン等の不活性ガスを用いることができる。プラズマにより活性化されたガス成分は、圧力と使用ガスの種類によって、化学的反応、ガス分子そのものの衝突(ボンバリング)による物理的反応、またはこれら両方が生じることによって、ビアホール中の残渣や低分子による表面汚れを除去することができる。プラズマ処理によるクリーニングは、例えば、平行平板方式により行うことができる。
プラズマを用いたデスミア処理により、薬液によるクリーニングでは除去しきれないような強固な樹脂組成物の残滓を除去することができる。また、薬液を使用しなくてもよい。薬液を使用しないことにより、たとえば、第一の回路層104等の配線層や繊維基材108の界面への薬液の染みこみやイオンの入り込みを確実に防ぐことができる。さらに、プラズマを露出した絶縁層106の表面に発生させて、絶縁層106の第1面10の改質を行うことができる。これにより、第1面10と導体膜との密着性を向上することができる。このように絶縁層106の第1面10又はビアホール116の内壁の表面の状態に応じて、各種のデスミア処理の手法を適切に採用する。
本実施形態において、ビアホール116の側壁から第一の回路層104の表面上まで延在する樹脂片130がある。樹脂片130は、ビアホール116において1つまたは2つ以上であってもよい。ビアホール116を開口部上方から観察したときに観察される樹脂片130の形状は特に限定されず、円形、略円形であってもよく、また、突起状であってもよい。また、厚みがあるものであってもよい。ただし、樹脂片130は、ビアホール116の底部に露出した第一の回路層106の全面を覆うものではなく、樹脂片の平面視における面積は、底部に露出した第一の回路層106の全表面積に対して、0.1~10%である。
デスミア処理後、金属箔層114上及びビアホール116の底面(ビアホール116から露出する第一の回路層104)上及び側壁上に下地膜118を形成する。下地膜118は、イオンプレーティング、スパッタリング、真空蒸着、PVD法(physical vapor deposition)、又はCVD法(chemical vapor deposition)を用いて形成してもよい。また、下地膜118は無電解めっき法を用いて形成してもよい。
次いで、下地膜118上に所定の開口パターンを有するレジスト層の開口パターン内部かつ無電解メッキ層上に、電気めっき処理により、メッキ層122を形成する。めっき処理中、下地膜118は給電層として働く。この下地膜118はビアホール116の内壁に形成されている。このため、ビアホール116の内部にメッキ層122が埋設される。電気めっきとしては、特に限定されないが、通常のプリント配線板で用いられる公知の方法を使用することができ、例えば、硫酸銅等のめっき液中に浸漬させた状態で、めっき液に電流を流す等の方法を使用することができる。メッキ層122は単層でもよく多層構造を有していてもよい。メッキ層122の材料としては、特に限定されないが、例えば、銅、銅合金、42合金、ニッケル、鉄、クロム、タングステン、金、半田のいずれか1種以上を用いることができる。
次いで、アルカリ性剥離液や硫酸又は市販のレジスト剥離液等を用いてレジスト層を除去する(図1(d))。
次いで、図1(e)に示すように、メッキ層122が形成されている(メッキ層122で被覆されている)領域以外の下地膜118および金属箔層(のちの第二の回路層114)を除去する。例えば、ソフトエッチング(フラッシュエッチング)等を用いることにより、下地膜118および金属箔層(のちの第二の回路層114)を除去することができる。ここで、ソフトエッチング処理は、たとえば硫酸および過酸化水素を含むエッチング液を用いたエッチングにより行うことができる。これにより、導体124(ビア)及び導電回路を形成することができる。導体124(ビア)は下地膜118及びメッキ層122で構成されることになる。一方、導電回路は、金属箔層114及び金属層(無電解メッキ層の下地膜118及びメッキ層122)が積層して構成されることになる。このようにして、積層体110に導体124(ビア)を形成することにより、第1ビルドアップ層128を形成することができる。
以上により、本実施形態のプリント配線板100が得られる。また、本実施形態で得られたプリント配線板100を内層回路基板として用い、この内層回路基板上にビルドアップ層をさらに形成してもよい。
<<半導体装置>>
本実施形態の半導体装置は、本実施形態のプリント配線板100上に半導体チップを実装して、得ることができる。
本実施形態のプリント配線板100によれば、ビアホール116を開口部上方から観察した時に樹脂片103が観察され、樹脂片103がビアホール116底部周辺に露出した第一の回路層104に接している。かかる樹脂片103により、絶縁層106と第一の回路層104との密着性が向上し、信頼性を向上できる。また、絶縁層106の第1面10から第2面20に向かって徐々に開口径が小さくなるビアホール116に導体124(ビア)が埋設されている。そのため、絶縁層106と第一の回路層104との密着性がより重要となる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
(樹脂組成物の調製)
表1に示す固形分割合で各成分を溶解または分散させ、メチルエチルケトンで不揮発分70質量%となるように調整し、高速撹拌装置を用い撹拌して、ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニスP)を調製した。
なお、表1における各成分の配合割合を示す数値は、樹脂組成物の固形分全体に対する各成分の配合割合(質量%)を示している。
表1における各成分の原料の詳細は下記のとおりである。
(A)変性ポリフェニレンエーテル共重合体:末端メタクリル基変性ポリフェニレンエーテル、「SA9000」SABICイノベーティブプラスチックス社製
(B)マレイミド化合物:ビフェニルアラルキル型マレイミド化合物、「MIR-3000-70MT」日本化薬社製
(C)インデン樹脂:末端にフェノール基を含むインデン・クマロン・スチレン共重合体(日塗化学社製、V-120S、重量平均分子量:950、水酸基価:30mg KOH/g)
・ポリブタジエン系エラストマー:ポリブタジエン、「B-1000」日本曹達社製
・不飽和二重結合を有するフェノール:アリルフェノール、「FATC-809」群栄化学社製
・多官能性ビニル化合物:トリアリルイソシアネート、架橋剤、「TAIC」三菱ケミカル社製
・無機充填材:シリカ粒子、「SC4050」、アドマテックス社製、(均粒径1.1μm、表面がアミノフェニルシシラン処理されたもの)
・難燃剤:縮合型リン酸エステル「PX-200」大八化学工業社製
(その他)
・重合開始剤:1,4-ビス[(t-ブチルパーオキシ)イソプロピル]ベンゼン「パーブチルP」日油社製
(プリプレグ)
得られた樹脂ワニスを、ガラス織布(クロスタイプ♯1078、NEガラス、坪量44g/m)に塗布装置で含浸させ、140℃の熱風乾燥装置で10分間乾燥して、厚さ70μmのプリプレグ1(ビルドアップ材)を得た。
さらに、各実施例および各比較例において、次のようにして、金属箔付き樹脂基板、プリント配線板を作成した。
(金属箔付き積層板の作製)
得られたプリプレグの両面に極薄銅箔(三井金属鉱業社製、マイクロシンFL、1.5μm)を重ね合わせ、圧力3MPa、温度225℃で2時間加熱加圧成形することにより、金属箔付き積層板を得た。得られた金属箔付き積層板のコア層(樹脂基板からなる部分)の厚みは、0.070mmであった。
(プリント配線板の作製)
得られた金属箔付き積層板を用いて、ドリル機で所定のところを開孔して、無電解めっきにより、導通を図り、銅箔をエッチングして回路形成面を有する残銅60%のコア層を作製した。当該コア層の前記銅箔側の面に粗化処理を施し、表面粗さRz2.0μmとした。
次いで、コア層の両面にプリプレグ1を配置して、キャリア箔付きの極薄銅箔(三井金属鉱業社製、マイクロシンFL、1.5μm)を重ね合わせ、圧力3MPa、温度225℃で2時間加熱加圧成形した。その後キャリア箔を剥離後、露出された前記極薄銅箔の表面に粗化処理を施し、表面粗さRz2.0μmとした。
つぎに、得られた積層板に炭酸レーザーによりビア孔を400個、形成した。ビア内を70℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に10分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン社製、コンセントレート コンパクト CP:過マンガン酸ナトリウム濃度60g/l、NaOH濃度45g/l)に25分浸漬後、中和して粗化処理をおこなった。
これを脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅めっき皮膜を約0.5μm形成し、レジストを形成し、無電解銅めっき皮膜を給電層としてパターン電気めっき銅20μm形成させ、回路加工を施した。つぎに、熱風乾燥装置にて150℃で30分間アニール処理を行った後、フラッシュエッチングで給電層を除去した。次いで、ソルダーレジスト層を形成し、半導体素子搭載パッドなどが露出するように開口部を形成した。最後に、ソルダーレジスト層から露出した回路層上へ、無電解ニッケルメッキ層3μmと、さらにその上へ、無電解金メッキ層0.1μmとからなるメッキ層を形成し、得られた基板を50mm×50mmサイズに切断し、プリント配線板を得た。
<検証・測定および評価>
上記プリプレグ、金属箔付き積層板、プリント配線板について、以下の評価項目に基づいて評価を行い、表2に示す判定基準に従い評価を行った。結果を表1に示した。なお、表2中、数値範囲を示す「~」は、下限値以上上限値未満、または、下限値超上限値以下を示す。
1)上記のビアホール底部の周囲を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、得られた画像からビアホール底部の壁面からの樹脂片の最大長さlを測定し、平均値をとった。
また、ビアホールの断面観察を行い、樹脂片の厚みを測定し、平均値dを算出し、平均値をとった。なお、断面観察は、ビアホールの中心を通る任意の面で積層体を切断し、その断面を観察して、行った。
2)ガラス転移温度
動的粘弾性装置を用いて、JISC-6481(DMA法)に準拠しておこなった。なお、サンプルは金属箔付き積層板をエッチングして銅を除去したものを用いた。
3、4)誘電率、誘電正接
金属箔付き積層板をエッチングして銅を除去したものを10GHzの空洞共振器を用いて測定した。
5)絶縁性(信頼性)
ビア間の絶縁信頼性は、上記のプリント配線板のビア間を0.1mmで、印加電圧5.5V、温度130℃湿度85%の条件で、連続測定で評価した。なお、絶縁抵抗値が106Ω未満となる時点で終了とした。
6)ビア接続信頼性
層間のビア接続信頼性は、上記プリント配線板のビアを介した導通状態とし、低温-50℃時間30分処理後高温120℃で30分を交互に繰り返す温度サイクル試験で、連続測定で評価した。なお接続抵抗値が15%を超える時点で終了とした。
Figure 2022156942000012
Figure 2022156942000013
100 プリント配線板
102 基板
104 第一の回路層回路層
106 絶縁層
108 繊維基材
109 突出部
110 積層体
112 回路層
114 第二の回路層
116 ビアホール
118 下地膜
122 メッキ層
124 導体
126 導電回路
128 ビルドアップ層
130 樹脂片
本発明によれば、
片面または両面に第一の回路層を有する基板と、
前記基板の前記第一の回路層の表面上に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の表面上に設けられた第二の回路層と、
を備えるプリント配線基板であって、
前記絶縁層は、前記絶縁層を貫通するビアホールと、当該ビアホールに埋め込まれた導体とを有し、かつ、当該絶縁層の200℃、90分での硬化物の誘電率Dk(23℃、10GHz)が3.0~3.6、誘電正接Df(23℃、10GHz)が0.0001~0.006であり、
前記ビアホールの側壁から前記第一の回路層の表面上まで延在する樹脂片を有し、
前記絶縁層を構成する熱硬化性樹脂組成物は、変性ポリフェニレンエーテル共重合体、マレイミド化合物、およびインデン樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含み、前記変性ポリフェニレンエーテル共重合体の含有量が、樹脂固形分100重量部に対して、1~30重量部である、プリント配線基板が提供される。
また本発明によれば、
片面または両面に第一の回路層を有する基板と、
前記基板の前記第一の回路層の表面上に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の表面上に設けられた第二の回路層と、
を備えるプリント配線基板であって、
前記絶縁層は、前記絶縁層を貫通するビアホールと、当該ビアホールに埋め込まれた導体とを有し、かつ、当該絶縁層の200℃、90分での硬化物の誘電率Dk(23℃、10GHz)が3.0~3.6、誘電正接Df(23℃、10GHz)が0.0001~0.006であり、
前記ビアホールの側壁から前記第一の回路層の表面上まで延在する樹脂片を有し、
前記絶縁層を構成する熱硬化性樹脂組成物は、変性ポリフェニレンエーテル共重合体、マレイミド化合物、およびインデン樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含み、前記マレイミド化合物の含有量が、樹脂固形分100重量部に対して、5~40重量部である、プリント配線基板が提供される。
また本発明によれば、
片面または両面に第一の回路層を有する基板と、
前記基板の前記第一の回路層の表面上に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の表面上に設けられた第二の回路層と、
を備えるプリント配線基板であって、
前記絶縁層は、前記絶縁層を貫通するビアホールと、当該ビアホールに埋め込まれた導体とを有し、かつ、当該絶縁層の200℃、90分での硬化物の誘電率Dk(23℃、10GHz)が3.0~3.6、誘電正接Df(23℃、10GHz)が0.0001~0.006であり、
前記ビアホールの側壁から前記第一の回路層の表面上まで延在する樹脂片を有し、
前記絶縁層を構成する熱硬化性樹脂組成物は、変性ポリフェニレンエーテル共重合体、マレイミド化合物、およびインデン樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含み、前記インデン樹脂の含有量が、樹脂固形分100重量部に対して、0.1~20重量部である、プリント配線基板が提供される。

Claims (11)

  1. 片面または両面に第一の回路層を有する基板と、
    前記基板の前記第一の回路層の表面上に設けられた絶縁層と、
    前記絶縁層の表面上に設けられた第二の回路層と、
    を備えるプリント配線基板であって、
    前記絶縁層は、前記絶縁層を貫通するビアホールと、当該ビアホールに埋め込まれた導体とを有し、かつ、当該絶縁層の200℃、90分での硬化物の誘電率Dk(23℃、10GHz)が3.0~3.6、誘電正接Df(23℃、10GHz)が0.0001~0.006であり、
    前記ビアホールの側壁から前記第一の回路層の表面上まで延在する樹脂片を有する、プリント配線基板。
  2. 請求項1に記載のプリント配線基板において、
    樹脂片の前記ビアホールの側壁からの最大長さlが、1~8μmである、プリント配線基板。
  3. 請求項1または2に記載のプリント配線基板において、
    樹脂片の最大長さl(μm)における、樹脂片の厚みをd(μm)としたとき、d/lが、0.065~2.5である、プリント配線基板。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項に記載のプリント配線基板において、
    前記絶縁層の135℃における溶融粘度が100~8,000Pa・sである、プリント配線基板。
  5. 請求項1乃至4いずれか一項に記載のプリント配線基板において、
    前記絶縁層は、熱硬化性樹脂組成物からなる層、繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させて形成されたプリプレグ、または前記プリプレグの硬化体である、プリント配線基板。
  6. 請求項5に記載のプリント配線基板において、
    前記繊維基材が、前記ビアホール内に突出している、プリント配線基板。
  7. 請求項5または6に記載のプリント配線基板において、
    前記繊維基材が、ガラス繊維基材、ポリアミド系樹脂繊維、ポリエステル系樹脂繊維、ポリイミド樹脂繊維、およびフッ素樹脂繊維の中から選ばれる1種または2種以上を含む、プリント配線基板。
  8. 請求項1乃至7いずれか一項に記載のプリント配線基板であって、
    前記絶縁層を構成する熱硬化性樹脂組成物は無機充填材を含む、プリント配線基板。
  9. 請求項8に記載のプリント配線基板であって、
    前記熱硬化性樹脂組成物は、前記熱硬化性樹脂組成物の全固形分を100質量%としたとき、前記無機充填材を5質量%以上60質量%以下含む、プリント配線基板。
  10. 請求項1乃至9いずれか一項に記載のプリント配線基板であって、
    前記絶縁層を構成する熱硬化性樹脂組成物は、変性ポリフェニレンエーテル共重合体、マレイミド化合物、およびインデン樹脂の中から選ばれる1種または2種以上を含む、プリント配線基板。
  11. 請求項1乃至10いずれか一項に記載のプリント配線基板の前記回路層上に半導体素子が搭載された、半導体装置。
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