JP2022156628A - 運用計画作成装置、充電計画作成装置、充電システム、運用計画作成方法および運用計画作成プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】移動体の劣化の進み具合のばらつきを抑制することができる運用計画作成装置を得ること。【解決手段】それぞれが蓄電池を有する複数の車両を充電可能な充電システムにおいて車両の運用計画を作成する運用計画作成装置30であって、運用計画の作成対象期間である計画対象期間より前の一定期間内の車両の充電回数を用いて、車両ごとに、計画対象期間において車両が運行する路線を車両に割当て、割当てた結果を用いて運用計画を作成する路線割当部35、を備える。【選択図】図2
Description
本開示は、複数の運用計画を作成する運用計画作成装置、充電計画作成装置、充電システム、運用計画作成方法および運用計画作成プログラムに関する。
近年、電気自動車の普及が進んでいる。今後、バス、トラックなどの業務用の車両の本格的な電気自動車化が進むと期待される。さらには、自動車だけでなく、電車、飛行機、船など移動体全般においても、蓄電池を備えて電気をエネルギーとして用いるものが増えていくことが期待される。
業務用の移動体が蓄電池を備える場合には、事業者は、多数の移動体の蓄電池を充電することになるため、電気料金などを考慮して充電スケジュールを決定する必要がある。特許文献1には、複数の電気自動車を充電する充電設備のコストを評価関数とし、評価関数が好適となるように充電計画を作成する充電システムが開示されている。
蓄電池を備える移動体では、蓄電池の使用状況によって移動体のダメージが異なってくる。例えば、充電回数が多いと移動体のダメージが大きくなる。路線バスの運用などのように複数の移動体を運用する場合、できるだけ各移動体のダメージが均等になるように運用されることが望ましい。しかしながら、特許文献1に記載の充電システムでは、バスごとにあらかじめ定められた運行ダイヤをもとに充電スケジュールを決定しているので、このような蓄電池の使用状況が考慮されていないため、バスの劣化の進み具合にばらつきが生じる可能性がある。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、移動体の劣化の進み具合のばらつきを抑制することができる運用計画作成装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる運用計画作成装置は、それぞれが蓄電池を有する複数の移動体を充電可能な充電システムにおいて移動体の運用計画を作成する運用計画作成装置であって、運用計画の作成対象期間である計画対象期間より前の一定期間内の移動体の充電回数を用いて、移動体ごとに、計画対象期間において移動体が運行する路線を移動体に割当て、割当てた結果を用いて運用計画を作成する路線割当部、を備える。
本開示によれば、移動体の劣化の進み具合のばらつきを抑制することができるという効果を奏する。
以下に、実施の形態にかかる運用計画作成装置、充電計画作成装置、充電システム、運用計画作成方法および運用計画作成プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる充電システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の充電システム1は、それぞれが蓄電池(移動体用蓄電池)を有する複数の移動体の一例である車両5-1~5-nを充電可能なシステムである。nは2以上の整数である。以下、車両5-1~5-nを個別に区別しないときには、車両5とも記載する。以下、車両5がバスである例を説明するが、車両5は、バスに限らず、概ね規定の経路を走行するトラックまたは事業用の普通自動車などであってもよい。また、以下では、電気エネルギーを用いて移動する移動体の一例として車両5を例に挙げて説明するが、本実施の形態の充電システム1は、電車、飛行機、船など他の移動体の充電にも適用可能である。また、この移動体は、電気エネルギーだけで移動するものに限られず、電気エネルギーとガソリンなど他のエネルギー源との両方を併用して移動するものであってもよい。電気エネルギーを用いて移動する移動体は、一般に移動体用蓄電池を有し、蓄電池に蓄えられた電力を用いて移動する。
図1は、実施の形態1にかかる充電システムの構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の充電システム1は、それぞれが蓄電池(移動体用蓄電池)を有する複数の移動体の一例である車両5-1~5-nを充電可能なシステムである。nは2以上の整数である。以下、車両5-1~5-nを個別に区別しないときには、車両5とも記載する。以下、車両5がバスである例を説明するが、車両5は、バスに限らず、概ね規定の経路を走行するトラックまたは事業用の普通自動車などであってもよい。また、以下では、電気エネルギーを用いて移動する移動体の一例として車両5を例に挙げて説明するが、本実施の形態の充電システム1は、電車、飛行機、船など他の移動体の充電にも適用可能である。また、この移動体は、電気エネルギーだけで移動するものに限られず、電気エネルギーとガソリンなど他のエネルギー源との両方を併用して移動するものであってもよい。電気エネルギーを用いて移動する移動体は、一般に移動体用蓄電池を有し、蓄電池に蓄えられた電力を用いて移動する。
車両5は移動体用蓄電池である蓄電池を備え、蓄電池に蓄えられた電力を用いて走行する。本実施の形態の充電システム1は、車両5の駐車場、車両5を管理する事業者における事業所、車両5のステーションなどに設置され、事業者が管理する車両5の蓄電池を充電するシステムである。各車両5は運行計画にしたがって運行し、一日の運行が終了すると、充電システム1が設置された駐車場、事業所、ステーションなどに戻り、充電システム1において充電される。図1に示すように、充電システム1は、エネルギーマネージメントシステム(以下、EMSと略す)10、運用計画作成装置30、変換器41、充電器42-1~42-n、接続ユニット45-1~45-n、蓄電池20、蓄電池パワーコンディショニングシステム(以下、PCSと略す)43および太陽光発電設備21を備える。以下、充電器42-1~42-n、接続ユニット45-1~45-nを、個別に区別しないときには、それぞれ充電器42、接続ユニット45とも記載する。また、ここでは、再生可能エネルギーによる発電設備の一例として太陽光発電設備21を例に挙げるが、充電システム1は、太陽光発電設備21に加えて風力発電設備を備えていてもよく、また太陽光発電設備21を備えずに風力発電設備を備えていてもよい。
運用計画作成装置30は、車両5が走行する各路線の走行距離、各路線における運行ダイヤなどの情報と、車両5の充電回数とを用いて、どの路線にどの車両5を割当てるかを示す運用計画を作成する。また、運用計画作成装置30は、運用計画と路線ごとの走行距離と各路線における運行ダイヤとを含む運行計画を作成し、EMS10へ送信する。車両5の劣化のばらつきを抑制するためには、車両5の蓄電池へのダメージのばらつきを抑制することが望ましい。例えば、充電回数が多いほど車両5の蓄電池へのダメージは大きくなる。このため、本実施の形態では、各車両5の充電回数を用いて運用計画を作成することで、移動体の一例である車両5の劣化の進み具合のばらつきの抑制を図る。運用計画作成装置30の構成および動作の詳細については後述する。
充電システム1には、電力会社によって管理される電力系統2からトランス3を介して、3相交流電力が供給される。トランス3は、電力系統2から供給される3相交流電力の電圧を、充電システム1へ出力する。変換器41は、トランス3を介して供給される3相交流電力を直流電力に変換して直流母線40に供給する。直流母線40には直流負荷44が接続される。本実施の形態では、複数の充電器である充電器42-1~42-nおよび制御装置である蓄電池PCS43は、直流母線40に接続される。本実施の形態の充電器42-1~42-nのそれぞれは、直流母線40から供給される直流電力を車両5に搭載されている蓄電池の充電用の直流電力に変換し、変換後の直流電力を対応する接続ユニット45-1~45-nを介して車両5の蓄電池へ供給することができる。
なお、ここでは、直流母線40に直流負荷44が接続される例を示しているが、直流母線40に直流負荷44が接続されていなくてもよい。電力会社によって管理される電力系統2を、以下、単に系統とも呼ぶ。なお、図1では、トランス3も充電システム1内に示されているが、トランス3は、充電システム1を構成するものではなく充電システム1に接続されるまたは接続可能なものである。
また、ここでは、充電システム1で直流母線40が用いられる構成例を説明するが、直流母線40を用いる構成例は一例であり、充電システム1は、変換器41を備えず、充電器42-1~42-nに交流電力が供給される構成であってもよい。また、充電システム1は蓄電池20、蓄電池PCS43および太陽光発電設備21を備えていなくてもよい。充電システム1は、図1に示した構成例に限定されず、車両を充電可能な複数の充電器42を備えるものであれば、どのような構成であってもよい。例えば、充電システム1は、直流母線40を用いるとともに、トランス3を介して供給される3相交流電力を直流に変換して車両5を充電する変換器を備えてもよい。
充電器42-1~42-nは、複数の移動体の一例である車両5-1~5-nを充電可能な複数の充電器である。充電器42-1~42-nは、直流母線40から供給される直流電力を対応する接続ユニット45-1~45-nを介して車両5から指定された電圧値の直流電力に変換するDC(Direct Current)/DC変換器であり、変換後の直流電力を対応する接続ユニット45-1~45-nを介して車両の蓄電池へ供給することができる。なお、充電器42-1~42-nは、接続ユニット45-1~45-nを介さずに車両5を充電するものであってもよい。上述したように、充電システム1は変換器41を備えずに充電器42-1~42-nに交流電力が供給されてもよく、この場合は、充電器42-1~42-nは3相交流電力を直流電力に変換する機能であるAC(Alternating Current)/DC変換器の機能を有し、3相交流電力を車両5から指定された電圧値の直流電力に変換する。車両5から指定された電圧値は、接続ユニット45-1~45-nを介して車両5から充電器42-1~42-nで通知される情報に含まれる。充電器42-1~42-nは、変換後の直流電力を、EMS10から指定された電力値で、それぞれに対応する接続ユニット45-1~45-nを介して車両5に供給することにより車両5の蓄電池を充電することができる。なお、図1では、充電器42-1~42-nにそれぞれ車両5-1~5-nが接続された例を示しているが、事業者が管理する車両5の数は、一般には充電器42の数より多い。なお、車両5の数に特に制約はなく、充電器42の数と同じであっても異なっていてもよい。
接続ユニット45-1~45-nは、充電スタンドとも呼ばれ、車両5の充電を行う際に車両5と接続するための接合ケーブルを有する。なお、接続ユニット45-1~45-nは、それぞれ対応する充電器42-1~42-nに内蔵されていてもよい。接合ケーブルは、電力を伝達する電源線としての機能と通信を行うための通信線としての機能とを有する。接続ユニット45-1~45-nは、接合ケーブルを介して車両5との間で通信を行うことができる。接続ユニット45-1~45-nは、当該通信により、接続された車両5の蓄電池に関する情報を車両5から取得する。車両5に搭載されている蓄電池に関する情報は、充電の開始および終了を決定するための充電のオンオフ情報、蓄電池を充電する際に指定する電圧値、蓄電池の残量を示す残量情報であって充電率とも呼ばれるSOC(State Of Charge)などを含む。充電器42-1~42-nは、対応する接続ユニット45-1~45-nを介して、車両5から上述した情報を取得する。充電器42-1~42-nが、車両5から取得する情報には、車両5の識別情報が含まれていてもよい。充電器42-1~42-nは、接続ユニット45-1~45-nを介して車両5から取得した情報のうち少なくとも一部を、EMS10へ送信する。なお、車両5の識別情報については、車両5から取得される例に限らず、充電システム1に設置されたカメラによって撮像された画像からEMS10が車両5のナンバープレートを読み取ることで、車両5の識別情報を求めてもよい。例えば、充電器42-1~42-nは、車両5から取得した、蓄電池のSOCをEMS10へ通知することとする。
太陽光発電設備21は、太陽光を電気エネルギーに変換し、電気エネルギーを直流電力として出力することができる。蓄電池20は、太陽光発電設備21から出力される直流電力を蓄電することができる。なお、太陽光発電設備21から出力される直流電力は、蓄電池20を介さずに直流母線40に直接供給可能であってもよい。蓄電池PCS43は、蓄電池20の充放電を行う制御装置である。蓄電池PCS43は、EMS10から受け取った充放電指令に基づいて蓄電池20の充放電を行う。蓄電池PCS43は、蓄電池20の放電時には、蓄電池20から出力される直流電力を直流母線40に供給する。また、蓄電池PCS43は、直流母線40から供給される直流電力を用いて蓄電池20を充電する。すなわち、蓄電池20は、太陽光発電設備21によって発電された電力、または電力系統2からトランス3および変換器41を介して供給される電力を用いて蓄電されるとともに、蓄電された電力を放電することにより充電器42-1~42-nへ供給可能である。業務用の車両5は、主に昼間運用され、夜間に充電されることが多い。多数の車両5を同時に充電すると、電力系統2から充電システム1に供給される電力が非常に大きくなり、契約電力または電力会社から要請される上限値を超える可能性がある。太陽光発電設備21により発電された電力を蓄電池20に蓄電しておき、蓄電池20に蓄電された電力を夜間の充電時に使用することで、このような電力系統2から充電システム1に供給される電力のピーク値を抑えることができる。また、電気料金の低い時間帯に蓄電池20を充電し、電気料金の高い時間帯に蓄電池20を放電させることで、電気料金を抑えることができる。
なお、ここでは、全ての車両5が一日の運行が終了すると1つの充電システム1で充電される例を説明するが、車両5を充電する場所が数か所に分かれていてもよい。車両5を充電する充電場所が複数に分かれている場合、充電場所ごとに充電システム1を設置するようにしてもよいし、1つのEMS10が複数の充電場所を管理するようにしてもよい。後者の場合、各充電場所に充電器42および接続ユニット45を複数組設け、EMS10がすべての充電場所の充電器42および接続ユニット45の充電スケジュールを作成する。
次に、本実施の形態の運用計画作成装置30の構成例について説明する。図2は、本実施の形態の運用計画作成装置30の構成例を示す図である。運用計画作成装置30は、通信部31、組み合わせ生成部32、充電回数算出部33、重み付け部34、路線割当部35および記憶部36を備える。
通信部31は、他の装置と通信を行う。例えば、通信部31は、EMS10と通信を行い、EMS10から、車両5ごとに、充電回数と充電ごとの帰場時のSOCとを取得し、記憶部36に充電情報として格納する。EMS10は、例えば、毎日、車両5ごとの当日1日分の充電回数と、1日分の充電ごとの帰場時および充電後のSOCとを充電情報として送信する。この充電回数および帰場時のSOCは、実績値であってもよいし予測値であってもよいが、運用計画作成装置30における運用計画作成の対象期間の直近の値であることが望ましい。例えば、運用計画作成装置30が、ある日に、翌日の運用計画を作成する場合には、充電情報には、前述のある日の車両5ごとの一日分の充電回数と充電ごとの帰場時のSOCとが格納される。なお、これに限らず、ある日に、翌日の運用計画を作成する場合に、前述のある日の前日の一日分の充電回数と充電ごとの帰場時のSOCとの実績値が用いられてもよい。本実施の形態では、運用計画の割当ての前の充電回数を考慮して、例えば1週間などの一定期間における充電回数がなるべく均等になるように運用計画を作成するため、車両5ごとの算出の条件がそろっていれば、前述のように前日までの実績値を考慮して運用計画を作成してもよい。また、通信部31は、記憶部36に格納されている後述する運行計画をEMS10へ送信する。
組み合わせ生成部32は、複数の車両5のうちの1つによって運用計画の作成対象期間である計画対象期間において運行される便の組み合わせを複数生成する。詳細には、組み合わせ生成部32は、記憶部36に格納されている路線情報を用いて、運用計画の作成対象の期間において1つの車両5が走行する路線の組み合わせを、複数生成する。路線情報は、車両5を運行させるべき全路線の走行距離と路線ごとの運行時刻とを示す情報を含む。運用計画の作成対象の期間は、例えば、運用計画作成装置30が翌日の運用計画を作成する場合には翌日一日である。運用計画の作成対象の期間は、これらに限定されず、運用を管理する管理者が適宜設定することができる。組み合わせ生成部32は、路線情報に含まれる全ての便が、生成した複数の組み合わせのいずれかに含まれるように、組み合わせを生成する。組み合わせ生成部32は生成した組み合わせを充電回数算出部33へ通知する。
充電回数算出部33は、組み合わせ生成部32が生成した組み合わせごとに、当該組み合わせにおける車両5の充電回数を算出する。各車両5は、後述するように、最終経路の到着地から充電システム1が設置されている事業所などへ帰場し、充電システム1において充電が行われるが、経路によっては日中に充電が行われる場合もある。日中に充電を行うための条件をあらかじめ定めておき、充電回数算出部33は、この条件に基づいて運用計画の作成対象の期間における充電回数を算出する。例えば、充電システム1が設置される事業所などに一定時間以上待機する場合、充電システム1が設置される事業所の最寄りの停留所に昼間に停留し一定期間以上運行がない場合、などに日中に充電するように条件を定めておく。充電回数算出部33は、組み合わせ生成部32から通知された組み合わせと、組み合わせごとの充電回数とを重み付け部34へ通知する。
重み付け部34は、車両5ごとに、車両5の蓄電池の充電前および充電後のSOCに応じて重み係数を算出し、算出した重み係数を用いて充電回数算出部33によって算出された充電回数に重み付けを行う。詳細には、重み付け部34は、充電回数算出部33から通知された情報と、記憶部36に格納されている、路線情報および重みデータと、を用いて、充電回数算出部33により通知された充電回数に重み付けを行う。車両5の蓄電池は一般に使用が推奨されるSOCの範囲が定められており、SOCがこの範囲外で使用されるとこの範囲内で使用される場合に比べて蓄電池への劣化への影響が大きくなる。本実施の形態では、このことを考慮して1回の充電にSOCに応じた重み付けを行う。重みデータはこの重みを示すデータである。重みデータおよび重み付けの詳細については後述する。重み付け部34は、充電回数算出部33から通知された組み合わせと、組み合わせごとの重み付け後の充電回数と、を路線割当部35へ通知する。
路線割当部35は、計画対象期間より前の車両5の一定期間内の充電回数を用いて、車両5ごとに、計画対象期間において車両5が運行する路線を車両5に割当て、割当てた結果を用いて運用計画を作成する。詳細には、路線割当部35は、一定期間内の充電回数と、充電回数算出部33によって算出された充電回数とを用いて、車両5に組み合わせを割当てることにより、車両5に路線を割当てる。より詳細には、路線割当部35は、重み付け部34から通知された情報と、記憶部36に格納されている路線情報、充電情報および車両情報とを用いて、各車両5に割当てる路線の組み合わせを決定し、決定した結果を運用計画として記憶部36に格納する。すなわち、路線割当部35は、車両5ごとに、一定期間内の車両5の蓄電池の充電前および充電後のSOCに応じて重み係数を算出し、算出した重み係数を用いて一定期間内の充電回数に重み付けを行い、一定期間内の重み付け後の充電回数と、重み付け部34による重み付け後の充電回数とを用いて車両5に組み合わせを割当てる。車両情報は、車両5ごとの重み付け後の充電回数である累積値(重み付け後の累積充電回数)、走行距離などを示す情報を含む。車両情報の詳細については後述する。また、路線割当部35は、運用計画と路線情報とを用いて運行計画を作成し、作成した運行計画を記憶部36に格納する。
記憶部36は、路線情報、車両情報、重みデータ、運用計画、運行計画および充電情報を記憶する。なお、図2では記憶部36に記憶される主なデータを示しており、これら以外に処理の過程で一時的に生成される情報、処理で使用されるこれら以外の情報なども記憶部36に記憶されるが、これらの図示を省略している。
次に、本実施の形態の運用計画作成装置30の動作について説明する。図3は、本実施の形態の運用計画作成装置30における運用計画作成処理手順の一例を示すフローチャートである。図3に示すように、運用計画作成装置30は、まず、路線情報を用いて、車両単位の路線の組み合わせを決定する(ステップS1)。詳細には、組み合わせ生成部32が、記憶部36に格納されている路線情報を用いて、運用計画の作成対象の期間において1つの車両5が走行する路線の組み合わせを、組み合わせごとの走行距離の合計がなるべく偏らないように、複数生成する。
図4は、本実施の形態の路線情報の一例を示す図である。図4に示すように、路線情報は、路線ごとの、始発停留所、終点停留所、走行距離および発車時刻を示す情報を含む。発車時刻は、始発停留所における発車時刻である。組み合わせ生成部32は、記憶部36に格納されている路線情報を参照することで、各路線の始発停留所、終点停留所、走行距離および発車時刻を用いて、1つの車両5が走行する路線の組み合わせを生成する。例えば、路線Aが、図4に示すように、始発停留所Xから終点停留所Yまでの路線であり、図示しない路線Dが路線Aの逆の始発停留所Yから終点停留所Xまでの路線であったとする。このとき、組み合わせ生成部32は、車両5の1つ分の組み合わせとして、路線A(6:30発)-路線D(7:20発)-路線C(8:05発)・・・といったように、走行する路線の組み合わせを生成する。また、組み合わせ生成部32は、例えば、別の組み合わせとして、路線A(6:50発)-路線D(7:30発)-路線A(8:20発)-路線D(8:50)・・・という組み合わせを生成する。組み合わせ生成部32は、同様の組み合わせを複数生成する。このとき、組み合わせ生成部32は、運行する全ての便が生成した複数の組み合わせのいずれかに含まれるように組み合わせを生成する。なお、この組み合わせは一例であり、ある路線を走行した後に当該路線の逆の路線を走行するように組み合わせが生成されるとは限らない。また、組み合わせ生成部32は、運用計画の作成対象の期間における走行距離の合計値が一定量以下になるように、各組み合わせを生成する。組み合わせ生成部32は生成した組み合わせを充電回数算出部33へ通知する。
図3の説明に戻る。ステップS1の後、運用計画作成装置30は、組み合わせごとに充電回数を決定する(ステップS2)。詳細には、充電回数算出部33が、組み合わせ生成部32が生成した組み合わせごとに、当該組み合わせにおける充電回数をあらかじめ定められた条件にしたがって算出する。充電回数算出部33は、組み合わせ生成部32から通知された組み合わせと、組み合わせごとの充電回数とを重み付け部34へ通知する。
次に、運用計画作成装置30は、重み付けした充電回数を算出する(ステップS3)。詳細には、重み付け部34が、充電回数算出部33から通知された組み合わせごとに、当該組み合わせに含まれる路線の走行距離を記憶部36に格納されている路線情報から読み出す。ここでは、各車両5の蓄電池の容量は同一であるとし、重み付け部34は、車両5の蓄電池の帰場時のSOCを定められた値に設定し、充電回数が1回の組み合わせに関しては、組み合わせに含まれる全路線を走行した場合に必要な充電量(kWh)を、走行距離を用いて算出する。そして、設定した帰場時のSOCと走行に必要な充電量(kWh)とを用いて充電を行った後のSOCを算出する。車両5の蓄電池の帰場時のSOCとして設定する定められた値は、例えば、20%~30%程度の値とすることができるがこれに限定されない。重み付け部34は、記憶部36に格納されている重みデータを用いて、充電を行った後のSOCの値に応じた重み係数を算出する。
図5は、本実施の形態の重みデータの一例を示す図である。図5に示すように、重みデータは、SOCの値の範囲と重み係数とが対応付けられたデータである。上述したように、車両5の蓄電池は一般に使用が推奨されるSOCの範囲が定められており、SOCがこの範囲外で使用されるとこの範囲内で使用される場合に比べて蓄電池への劣化への影響が大きくなる。ここでは、推奨されるSOCの範囲は、20%から80%までの範囲であるとしSOCがこの範囲内であるときは重み係数を1とし、この範囲から離れるにしたがって重み係数の値が大きくなるように重み係数を定めている。すなわち、重み係数は、定められた範囲からのSOCの逸脱量に応じて決定される。図5に示した例では、SOCが80%-82%の範囲(80%以上82%未満)では重み係数は1.1、SOCが82%-84%の範囲(82%以上84%未満)では重み係数は1.2といったように、SOCが20%から80%までの範囲を逸脱している場合、SOCの値2ポイントおきに0.1ずつ重み係数が増加するように、重み係数を定めている。なお、重み係数は、推奨されるSOCの範囲から離れるほど重み係数が大きくなるように定められていればよく、重み係数の具体的な値は図5の例に限定されない。
重み付け部34は、充電回数が1回の組み合わせに関しては、重みデータを用いて充電を行った直後および帰場時のSOCの値に応じた重み係数をそれぞれ算出し、一方の重み係数が1ではない場合には、1ではない重み係数と算出した重み係数とを当該組み合わせの重み付け後の充電回数とする。充電を行った直後および帰場時のSOCの両方に対応する重み係数が1の場合には、充電回数は1とする。また、充電を行った直後および帰場時のSOCの両方に対応する重み係数が1ではない場合、一方の重み係数に、他方の重み係数から1減じた値を加えた値を、重み付け後の充電回数とする。また、重み付け部34は、充電回数が2回以上の組み合わせに関しては、1回の充電ごとに、同様に、充電が行われるまでの全路線の走行距離の合計値を用いて充電後のSOCを算出し、重みデータを用いて充電を行った後のSOCの値に応じた重み係数を算出する。そして、重み付け部34は、充電ごとの重み係数の合計値を算出し、算出した合計値を重み付け後の充電回数とする。例えば、充電回数が2回の組み合わせに関して、1回目の充電に対応する重み係数が1.1であり、2回目の充電に対応する重み係数が1であれば、重み係数の合計値は、2.1となる。重み付け部34は、充電回数算出部33から通知された組み合わせと、組み合わせごとの重み付け後の充電回数と、を路線割当部35へ通知する。
図3の説明に戻る。ステップS3の後、運用計画作成装置30は、車両5ごとに組み合わせを割当てる(ステップS4)。詳細には、路線割当部35が、まず、記憶部36に格納されている充電情報を用いて、記憶部36に格納されている車両情報のうちの一部を更新する。
図6は、本実施の形態の車両情報の一例を示す図である。図6に示すように、車両情報は、車両5ごとの、累積充電回数と、重み付け累積充電回数と、一定期間内の重み付け充電回数と、総走行距離と、一定期間内の走行距離とを含む。本実施の形態では、一定期間内における重み付け充電回数および走行距離が車両5間でなるべく均等になるように、各車両5の運用計画を作成するが、「一定期間内の重み付け充電回数」および「一定期間内の走行距離」における一定期間は、重み付け充電回数および走行距離が車両5間でなるべく均等にする対象となるこの一定期間である。路線割当部35は、車両5ごとに、充電情報に含まれる充電回数を、車両情報に格納されている累積充電回数に加算し、加算結果で車両情報に格納されている累積充電回数を更新する。また、路線割当部35は、車両5ごとに、充電情報に含まれる帰場時のSOCと記憶部36に記憶されている重みデータとを用いて充電ごとの重み係数を算出し、充電回数分の重み係数の合計値を算出し、算出した合計値を車両情報に格納されている重み付け累積充電回数に加算し、加算結果で車両情報に格納されている重み付け累積充電回数を更新する。累積充電回数および重み付け累積充電回数は、各車両5が導入されて最初に運用されたときからの累積値である。また、車両5の導入後に車両5に搭載される蓄電池が交換された場合には、累積充電回数などの累積値は0にリセットされる。
また、路線割当部35は、車両5ごとに、上述した充電回数分の重み係数の合計値を用いて一定期間内の重み付け充電回数を更新する。例えば、路線割当部35は、車両5ごとに、過去の一定期間分の重み係数の合計値を保持しておき、新たな重み係数の合計値を算出すると、車両情報に格納されている「一定期間内の重み付け充電回数」に、算出した値を加算し、最も古い重み係数の合計値を減算する。例えば、一定期間が5日前から翌日までの1週間であり、充電情報が毎日送信される場合、路線割当部35は、当日の充電情報に基づいて新たな重み係数の合計値を算出すると、車両情報に格納されている「一定期間内の重み付け充電回数」に、新たな重み係数の合計値を加算し、加算した結果から、6日前の重み係数の合計値を減算する。なお、ここでは、車両情報のうち、累積充電回数と、重み付け累積充電回数と、一定期間内の重み付け充電回数とを、車両5への組み合わせの割当て、すなわち走行路線の割当てを行う前に更新し、総走行距離と一定期間内の走行距離とは、車両5への走行路線の割当て結果を反映して更新するようにした。これによって、総走行距離と一定期間内の走行距離については、前回の処理で更新された値が、車両5への走行路線の割当てで用いられることになる。なお、これに限らず、EMS10が、走行距離を管理しており、充電情報に、前回EMS10が充電情報を送信してからの車両5の走行距離が含まれている場合には、車両5への走行路線の割当て後に更新するかわりに、累積充電回数などと同様に、総走行距離と一定期間内の走行距離とについても、充電情報を用いて車両5への走行路線の割当て前に更新してもよい。
路線割当部35は、車両情報に格納されている「一定期間内の重み付け充電回数」と、組み合わせごとの重み付け後の充電回数とを用いて、一定期間内の重み付け後の充電回数のばらつきが少なくなるように、各車両5に組み合わせを割当てる。
図7は、本実施の形態における各車両5への組み合わせの割当て例を示す図である。図7では、矢印の左側に、車両5ごとの、車両5の識別情報、車両情報内の一定期間内の重み付け充電回数、車両情報内の一定期間内の走行距離を示している。なお、車両#1、車両#2、車両#3は、車両5の識別情報であり、例えば車両5-1が車両#1に対応し、車両5-2が車両#2に対応するといったように各車両5には識別情報が1対1で割当てられている。図7では、矢印の右側には、組み合わせごとの、組み合わせの識別情報と、組み合わせに含まれる全路線の走行距離の合計値と、充電回数と、重み付け後の充電回数とが示されている。組み合わせ#1、組み合わせ#2、組み合わせ#3は、組み合わせの識別情報である。ここでは、組み合わせ生成部32は、組み合わせに含まれる全路線の走行距離の合計値がなるべく均等になるように組み合わせを決定しているため、全路線の走行距離の合計値差は少ない。ここでは、説明を簡略化するため、車両5の数は3であるとしているが、実際の車両5の数はこの例に限定されない。
図7に示した例では、組み合わせ#1は重み付け後の充電回数が2回であり、組み合わせ#2は重み付け後の充電回数が2.1回であり、組み合わせ#3は重み付け後の充電回数が1.2回である。また、車両#1の一定期間内の重み付け充電回数は7.2回であり、車両#2の一定期間内の重み付け充電回数は8.0回であり、車両#3の一定期間内の重み付け充電回数は2.2回である。このような場合、路線割当部35は、一定期間内の重み付け充電回数が最も多い車両#2に、重み付け後の充電回数が最も少ない組み合わせ#3を割当て、一定期間内の重み付け充電回数が次に多い車両#1に、重み付け後の充電回数が次に少ない組み合わせ#1を割当て、一定期間内の重み付け充電回数が最も少ない車両#3に、重み付け後の充電回数が最も多い組み合わせ#2を割当てる。このように、路線割当部35は、一定期間内の重み付け後の充電回数の車両5間でのばらつきを抑制するように各車両5へ組み合わせを割当てる。なお、一定期間は、過去のある時点から運用計画の作成対象期間の終了時点を含む期間であり、例えば、一定期間の長さが1週間であり、ある日に翌日の運用計画を作成する場合には、ある日の5日前から翌日までの7日間である。なお、一定期間の長さは一週間に限定されない。
路線割当部35は、車両5へ組み合わせを割当てると割当て結果を用いて、記憶部36に格納されている車両情報の総走行距離と一定期間内の走行距離とを更新する。
図3の説明に戻る。ステップS4の後、運用計画作成装置30は、一定期間内の走行距離の差は閾値以内であるか否かを判断する(ステップS5)。例えば、路線割当部35が、記憶部36の車両情報内の各車両5の一定期間内の走行距離を読み出し、読み出した一定期間内の走行距離のうちの最大値および最小値を算出し、最大値と最小値との差が閾値以内であるか否かを判断する。上述したように、各組み合わせは走行距離の合計値がなるべく均等になるように決定されるが、完全に一致はしないため、一定期間内の走行距離に閾値以上の差が生じる可能性もある。このため、ステップS5の判断を行い、差が閾値以上の場合には、車両5への組み合わせの変更などを実施する。
一定期間内の走行距離の差が閾値以内の場合(ステップS5 Yes)、運用計画作成装置30は、運用計画を決定し(ステップS6)、処理を終了する。詳細には、路線割当部35は、車両5への組み合わせの割当て結果を反映した運用計画を作成し、運用計画を記憶部36へ格納する。このように、本実施の形態では、路線割当部35は、車両5ごとの一定期間内の走行距離の差が閾値以内となるように車両5に組み合わせを割当てる。運用計画は、車両5への組み合わせの割当て結果を車両5ごとの各路線の各便の割当て結果に変換したものである。また、路線割当部35は、運用計画に路線情報に格納されている路線ごとの走行距離を追加したものを運行計画として記憶部36に格納する。運行計画は、上述したように、通信部31によってEMS10に送信され、EMS10における充電計画の作成に用いられる。
一定期間内の走行距離の差が閾値を超える場合(ステップS5 No)、運用計画作成装置30は、割当てる車両5を変更することが可能であるか否かを判断する(ステップS7)。例えば、路線割当部35は、一定期間内の重み付け充電回数の順に並べたときの並び順が近い車両5同士で、割当てられた組み合わせにおける重み付け後の充電回数の差が一定値以下のものがある場合、割当てる車両5を変更することが可能であると判断する。並び順が近いとは、例えば、並び順の差が定められた値以下のものを意味する。
割当てる車両5を変更することが可能である場合(ステップS7 Yes)、運用計画作成装置30は、割当てる車両5を変更し(ステップS8)、ステップS5以降の処理を再度実施する。詳細には、ステップS8では、路線割当部35は、上述したように、一定期間内の重み付け充電回数の順に並べたときの並び順が近い車両5同士で、割当てられた組み合わせにおける重み付け後の充電回数の差が一定値以下の車両5間で、割当てる組み合わせを交換することで、割当てる車両5を変更する。
割当てる車両5を変更できない場合(ステップS7 No)、運用計画作成装置30は、組み合わせを変更し(ステップS9)、ステップS2からの処理を繰り返す。ステップS9では、ステップS1と同様の処理を再度実施するが、生成する組み合わせがステップS1で生成した組み合わせとは異なるように複数の組み合わせを生成する。
なお、ステップS7でNoと判断されることにより繰り返される処理が一定回数以上行われても処理が終了しない場合には、運用計画作成装置30は、それまでに行われた車両5への組み合わせの割当て結果のなかから選択した割当て結果を運用計画に反映して処理を終了する。運用計画作成装置30は、例えば、それまでに行われた車両5への組み合わせの割当て結果を保持しておき、走行距離のばらつきの最も少ないものを選択してもよいし、最後に求められた割当て結果を選択してもよいし、選択方法は任意である。
以上説明した例では、組み合わせ、すなわち運用計画の作成対象期間における路線の組み合わせは、車両5へ組み合わせを割当てる処理ごとに生成されているがこれに限らず、一度決めた組み合わせをその後も用いて、車両5の割当てを都度決定するようにしてもよい。また、一度決めた組み合わせをその後も用い、例えば、数か月ごとに再生成するなど、適宜再生成するようにしてもよい。
また、上述した例では、運用計画作成装置30は、EMS10から充電情報を受信し、受信した充電情報を用いて車両情報を更新したが、同等の情報を運用計画作成装置30が管理してもよい。例えば、運用計画作成装置30が、上述した走行距離と同様に、割当て結果を用いて、累積充電回数と、重み付け累積充電回数と、一定期間内の重み付け充電回数とを更新し、次回の運用計画作成時に実績として用いてもよい。この場合、運用計画作成装置30は、各車両5の帰場時のSOCを、EMS10と同様に管理する。
また、上述した例では、充電回数に重み付けを行ったが重み付けを行わずに、運用計画作成装置30は、充電回数を用いて運用計画を作成してもよい。この場合は、運用計画作成装置30は、重み付け部34を備えていなくてよく、充電回数算出部33によって算出された充電回数が路線割当部35に入力され、路線割当部35は、一定期間における充電回数が均等になるように各組み合わせに車両5を割当てる。また、組み合わせ間での走行距離の差が少なくなるような場合には、走行距離は考慮せずに、重み付け充電回数、または充電回数に基づいて運用計画が作成されてもよい。なお、重み付け充電回数に基づいた運用計画の作成においても充電回数は考慮されているため、重み付け充電回数に基づいた運用計画の作成は充電回数に基づく運用計画の作成の一例である。
以上のように、本実施の形態の運用計画作成装置30は、充電回数を用いて運用計画を作成するようにしたので、車両5の劣化の進み具合のばらつきを抑制することができる。
次に、本実施の形態のEMS10の構成および動作について説明する。EMS10は、移動体の一例である車両5が有する蓄電池を充電可能な複数の充電器42を備える充電システム1における蓄電池の充電計画を作成する充電計画作成装置である。図8は、本実施の形態のEMS10の構成例を示す図である。図8に示すように、EMS10は、通信部11、SOC予測部12、計画作成部13、指令生成部14および記憶部15、を備える。
通信部11は、充電器42-1~42-n、蓄電池PCS43および運用計画作成装置30と通信を行う。また、通信部11は、インターネットなどの広域ネットワークを介して情報提供システム50と通信を行う。情報提供システム50は、例えば、渋滞情報、事故情報などの交通情報を提供するシステムである。また、情報提供システム50は、気象情報を提供するシステムであってもよい。また、情報提供システム50が複数であり、渋滞情報、事故情報などを提供する情報提供システム50と、気象情報を提供する情報提供システム50とを含んでいてもよい。通信部11は、情報提供システム50から、交通情報および気象情報のうち少なくとも1つである外部情報を受信し、外部情報をSOC予測部12へ出力する。
また、上述した図1では、車両5が充電システム1で充電される状態を示しているが、本実施の形態では、通信部11は、車両5の走行中に車両5と通信を行うことが可能である。本実施の形態では、車両5は、無線通信機能を有し、運行中、すなわち走行中または停留所などで停車中においてリアルタイムまたは準リアルタイムで、蓄電池のSOCを示す情報をEMS10へ送信する。走行中または停留所などで停車中においては、例えば、車両5は携帯電話網などの無線通信ネットワークを介してインターネットなどの広域ネットワークに接続し、通信部11はこれらのネットワークを介して車両5と通信を行う。通信部11は、車両5から車両5の運行中の蓄電池のSOCを示す情報を受信する。すなわち、通信部11は、走行中または停留所などで停車中の車両5から受信したSOCを示す情報を、記憶部15にSOC計測情報として格納する。
また、通信部11は、運用計画作成装置30から運行計画を受信し、受信した運行計画を記憶部15に格納する。また、通信部11は、計画作成部13から充電情報を受け取り、受け取った充電情報を運用計画作成装置30へ送信する。
記憶部15は、SOC計測情報、運行計画、電気料金データ、SOCデータおよび充放電計画を記憶する。SOC計測情報は、上述したように車両5から取得されたSOCを示す情報である。運行計画は、上述したように、運用計画作成装置30により作成され、例えば、車両5を示す識別情報ごとに、走行する路線と出発時間および到着時間とが格納される。また、路線ごとの走行距離も運行計画に格納される。なお、路線ごとの走行距離については運行計画とは別に管理されてもよい。また、各車両5は、一日の最後の経路である最終経路の後には、最終経路の到着地から充電システム1が設置されている事業所などへ帰場するが、運行計画には、車両5が充電システム1に到着する時間である帰場時間も含まれている。電気料金データは、時間帯ごとの電気料金を示す情報である。電気料金データおよび運行計画は、EMS10が別の装置から通信部11を介して受信してもよいし、ユーザにより入力されてもよい。SOCデータは、後述する各車両5の充放電計画の作成に用いられるデータであり、車両ごとのSOCの予測値または実測値が格納される。
なお、図8では記憶部15に記憶される主なデータを示しており、これら以外に処理の過程で一時的に生成される情報、処理で使用されるこれら以外の情報なども記憶部15に記憶されるが、これらの図示を省略している。
予測部であるSOC予測部12は、通信部11によって受信されたSOC計測情報を用いて充電システム1に帰場したときの車両5の蓄電池のSOCを予測する。詳細には、SOC予測部12は、記憶部15に格納されているSOC計測情報と運行計画とを用いて各車両5の帰場時のSOCを予測し、予測した結果を用いて記憶部15のSOCデータを更新する。例えば、SOC予測部12は、ある車両5に関してある時刻のSOCを取得すると、その時刻以降の当該車両5の走行距離を、運行計画を用いて算出し、走行距離と、ある時刻のSOCとを用いて帰場時のSOCを予測する。例えば、SOC予測部12は、走行距離に単位距離当たりに消費する電力量を乗算するなどにより蓄電池に蓄電されている電力の使用量を算出し、車両5から取得したある時刻のSOCと算出した電力の使用量とを用いて帰場時のSOCを予測する。また、SOC予測部12は、通信部11から受け取った外部情報を用いて、SOCを予測してもよい。例えば、SOC予測部12は、記憶部15に記憶される上記時刻以降の当該車両5の走行経路において、渋滞、事故、荒天などがある場合には、帰場時のSOCを補正する。例えば、渋滞、事故、荒天などの事象ごとに、走行距離に乗算する係数を定めておき、SOC予測部12は、渋滞、事故、荒天などの事象がある場合には、該当する係数を事象に該当する区間の走行距離に乗算し、係数を乗算した後の走行距離を用いて帰場時のSOCを予測する。このように、リアルタイムまたは準リアルタイムで取得された車両5の蓄電池のSOCを用いて帰場時のSOCを予測することで、帰場時のSOCの予測精度を向上させることができ充放電計画の精度を向上させることができる。さらに、渋滞、事故、荒天などの事象を考慮して帰場時のSOCを予測することで、帰場時のSOCの予測精度をさらに向上させることができる。
計画作成部13は、記憶部15に記憶されている運行計画、SOCデータおよび電気料金データを用いて車両5の充放電計画を作成し、作成した充放電計画を記憶部15へ格納する。充放電計画は、車両5の充電計画と蓄電池20の充放電の計画とを含む。
指令生成部14は、記憶部15に記憶されている充放電計画に基づいて、充電器42-1~42-n、蓄電池PCS43のそれぞれへの充電または放電のための指令である充放電指令を生成し、生成した充放電指令を、対応する充電器42-1~42-n、蓄電池PCS43へ通信部11を介して送信する。また、計画作成部13は太陽光発電設備21の発電量を調整するように充放電計画を生成し、指令生成部14が充放電計画にしたがって、太陽光発電設備21へ発電量の調整を指示してもよい。太陽光発電設備21は、太陽光発電設備21内の太陽光パネルのうち連系させる太陽光パネルを取捨選択することで発電量を調整する。
次に、EMS10における動作について説明する。EMS10は、例えば18時または19時といった時刻に、例えば翌日の朝7時から24時間の充放電計画を作成する。なお、上述したように充放電計画の計画作成対象期間はこれに限定されず、計画を作成する時間もこれに限定されない。
図9は、本実施の形態の計画作成部13によって作成される充放電計画の一例を示す図である。図9に示すように、充放電計画は、どの充電器42を用いてどの車両5をいつ充電するかを示す充電計画を含む。図9に示した例では、車両5を充電する際の充電電力を示す情報も含まれている。図9に示した車両#1は、車両5-1の識別情報を示す。同様に、車両#i(iは自然数)は、車両5-iの識別情報を示す。また、充電器#1は、充電器42-1の識別情報を示す。同様に、充電器#j(jは1からnまでの自然数)は、充電器42-jの識別情報を示す。
なお、図9に示した例では、蓄電池20の充放電の計画および太陽光発電設備21の予測発電量を含む充放電計画が示されているが、これに限らず、計画作成部13は少なくとも車両5の充電計画、すなわちどの充電器42を用いてどの車両5をいつ充電するかを示す計画を作成すればよい。また、図9に示す例では、購入電力および電気料金も含まれているが、これらは充放電計画の作成に用いられる情報であるため、充放電計画に含まれていなくてもよい。また、図9では、1時間を1枠として、充放電計画が作成されているが、充放電計画における1枠の時間の長さすなわち時間刻みは30分などに設定されてもよく、時間刻みは1時間に限定されない。また、充放電計画は、例えば、翌日1日など一定期間を単位として作成され、その後、最新の情報を反映して更新される。なお、充放電計画を作成する単位である一定期間は1日に限定されない。
車両5が路線バスの場合、日中は運行に用いられるため、主に夜間に車両5の充電が行われる。すなわち、各車両5は、一日の最後の運行を終了して充電システム1が設置されている事業所などへ帰場してから充電が行われる。このため、計画作成部13は、運行計画に基づいて、車両5が帰場してから翌日運行に使用されるまでの間に充電を完了できるように、車両5の充電計画を作成する。また、計画作成部13は、さらに、例えば、契約電力または電力会社から要求された上限値を超えないようにしつつ、事業者が負担する費用を抑えるように図9に例示した充放電計画を作成する。計画作成部13は、充放電計画を作成するために、各車両5に必要な充電量を求めることになるが、必要な充電量を算出するには各車両5のSOCを管理している必要がある。本実施の形態では、各車両5のSOCと車両5に搭載される蓄電池の容量とがSOCデータとして記憶部15に格納されている。SOCデータは車両5ごとのSOCの管理に用いられるデータである。
図10は、本実施の形態のSOCデータの一例を示す図である。図10に示すように、SOCデータは、例えば、車両5の識別情報、容量、「当日帰場時のSOC」、「翌日の帰場時のSOC」、「翌日の使用量」および「翌日の必要な充電量」を含む。なお、SOCデータにおける「当日」とは、充電が計画される時間の前に車両5が帰場した日であり、例えば、翌日7時から24時間を計画の作成対象とする場合は、翌日の夜間に主に充電が行われることから、SOCデータにおける「当日」は計画を作成する日の翌日であり、計画作成の対象期間が計画を作成する日を含む場合には、計画を作成する日がSOCデータの「当日」となることもある。また、計画作成部13は、計画作成時に、前日の充放電計画の作成処理において設定された「翌日の帰場時のSOC」を、SOCデータの「当日帰場時のSOC」として格納する。このとき、車両5が帰場して充電される際に車両5から取得されたSOCを用いて、「当日帰場時のSOC」を変更してもよい。すなわち、計画作成部13は、前日の充放電計画の作成処理において用いられた「当日帰場時のSOC」と、実際に車両5から取得されたSOCとの差を用いて「当日帰場時のSOC」を補正してもよい。なお、「翌日の帰場時のSOC」の欄は、充放電計画の作成時に新たな「翌日の帰場時のSOC」の値で更新される。なお、「翌日の帰場時のSOC」は毎日更新されなくてもよく、ある期間同じ値が使用されてもよい。また、上述したように、SOC予測部12によってSOCの予測値が更新されると、SOCデータの「当日帰場時のSOC」が更新される。
図10に示すSOCデータのうち、容量は、各車両5の蓄電池の容量を示し、例えば、ユーザによりあらかじめ入力されてもよいし、車両5から取得された容量すなわち定格値からの劣化が反映された値であってもよい。計画作成部13は、運行計画に基づいて、翌日の電力使用量すなわち翌日の使用量を算出してSOCデータに格納する。計画作成部13は、翌日の帰場時のSOCを設定し、この値をSOCデータに格納する。そして、計画作成部13は、SOCデータの「当日帰場時のSOC」と容量とを用いて車両5ごとの蓄電池の残量を算出する。さらに、計画作成部13は、算出した残量を用いて、翌日の電力使用量の予測値分翌日の車両5の蓄電池の残量が減少した場合のSOCが、「翌日の帰場時のSOC」の設定値となるように、翌日の必要な充電量を算出する。例えば、図10に示した例では、翌日の走行が終了したときのSOCが満たす条件として、翌日の走行が終了したときのSOCが30%以上90%未満という条件を与えるとする。そして、図10に示した例では、翌日の走行が終了したときのSOCがこの条件を満たすように誤差も考慮して、「翌日の帰場時のSOC」を40%と設定し、この値を用いて翌日の必要な充電量を算出している。なお、「翌日の使用量」および「翌日の必要な充電量」を用いる上記の例は車両5ごとに必要な充電量を算出する方法の一例であり、必要な充電量の算出方法はこの例に限定されない。
計画作成部13は、このようにして車両5ごとに必要な充電量を算出すると、必要な充電量を充電電力で除算することで各車両5の充電に要する時間を算出することができる。
次に、充放電計画作成方法の一例について説明する。図11は、本実施の形態のEMS10における充放電計画作成手順の一例を示すフローチャートである。EMS10は、図11に示すように、まず、運行計画を用いて充電スケジュールを決定する(ステップS11)。詳細には、計画作成部13が、記憶部15から運行計画を読み出し、運行計画を用いて、計画の作成対象期間の充電スケジュールを決定する。このとき、契約電力または電力会社から要請される上限値を超えないように計画する必要があるため、計画作成部13は、各車両5の充電時間が1つの時間枠に集中しないように各車両5に充電器42と充電時間とを割当てる。
充電スケジュールは、充放電計画を作成するために、車両5と車両5の充電に割当てる充電器42および充電時間とを仮に決めたスケジュールを示す。例えば、計画作成部13が、車両5の当日の帰場時間と翌日の運行計画とを用いて全ての車両5に1枠、すなわち1時間ずつ充電器42および充電時間を割当てる。このとき、計画作成部13は、各車両5が帰場時間から当該車両5の翌日の最初の運行に間に合う時間までの間に充電されるように、各車両5に充電時間を割当てる。例えば、充電器42が2台であるとし、車両#5が20時台に帰場し、車両#2,#4が21時台に帰場し、車両#1,#3,#6が22時台に帰場する予定であるとする。この場合、計画作成部13は、車両#5に、2台の充電器42のうちのどちらかを用いて21時から1時間充電するように充電時間を割当てる。また、計画作成部13は、2台の充電器42のそれぞれの22時から1時間の充電時間を車両#2,#4に割当てる。次に、計画作成部13は、2台の充電器42のそれぞれの23時から1時間の充電時間を車両#1,#3,#6のうちの2つに割当てる。車両#1,#3,#6のうち残りの1つは、24時(計画作成日の翌日のさらに翌日の0時)以降の充電時間を割当てる。ここで決定した充電スケジュールは、後述するように車両5ごとの必要な充電量などに応じて変更されるので、均等に充電時間を割当てた場合の仮の充電スケジュールということもできる。なお、仮の充電スケジュールは、車両5の1日の走行距離、車両5の蓄電池の容量などに応じて決定されてもよく、充電スケジュールの具体的な決定方法は、上述した例に限定されない。
ステップS11の後、EMS10は、SOCおよび運行計画に基づいて車両5ごとに必要な充電量を算出する(ステップS12)。詳細には、計画作成部13は、まず、運行計画に基づいて車両5ごとの翌日1日の走行距離を求め、走行したことにより減る蓄電量すなわち電力の翌日の使用量を予測し、予測した値と充電開始時のSOCすなわち帰場時のSOCとを用いて、記憶部15のSOCデータ内の「翌日の使用量」を更新する。また、計画作成部13は、車両5が帰場して、充電が行われている場合には、SOCデータの「当日帰場時のSOC」を、車両5から取得されたSOCすなわち実測値に基づいて更新する。また、車両5が帰場していない場合は、SOC予測部12による予測が反映された「当日帰場時のSOC」を用いる。計画作成部13は、記憶部15に格納されているSOCデータの「翌日の帰場時のSOC」の値を設定する。計画作成部13は、車両5ごとの、SOCデータ内の、「当日帰場時のSOC」と翌日の使用量の予測値および「翌日の帰場時のSOC」に基づいて、必要な充電量を算出する。
ステップS12の後、EMS10は、車両5ごとに充電電力を決定する(ステップS13)。詳細には、例えば、計画作成部13は、車両5ごとの定格値と対応する充電器42の定格値とを用いて充電電力を決定する。複数の充電電力のなかから選択可能な場合は、これらのなかから充電電力を選択する。充電電力の選択方法はどのような方法を用いてもよい。
次に、EMS10は、車両ごとに充電時間を算出する(ステップS14)。詳細には、計画作成部13は、ステップS11で決定した充電スケジュールとステップS12で算出した必要な充電量とステップS13で決定した充電電力とに基づいて、車両5ごとに、対応する充電器42の充電時間を算出する。
計画作成部13は、充電スケジュールとして割当てた時間枠の開始時間を各車両5の充電開始時間として、ステップS14で算出した充電時間およびステップS13で決定した充電電力を反映することで、図9に示した充放電計画における各車両5の充電計画を仮に決めることができる。
次に、EMS10は、コストを算出する(ステップS15)。詳細には、計画作成部13は、仮に決めた各車両5の充電計画に基づいて、充電システム1における電力系統2からの電力の購入に要するコストを算出する。まず、計画作成部13は、太陽光発電設備21の発電量を予測する。なお、太陽光発電設備21の発電量の予測は過去の実績値と気象予報値とを用いる方法など一般的な方法を用いることができ特に制約はない。計画作成部13は、翌日の太陽光発電設備21の発電量の予測値に基づいて、蓄電池20の充電計画を作成し、主に車両5の充電が行われる夜間の開始時点での蓄電池20の残量を予測する。そして、計画作成部13は、時間帯ごとに、ステップS14で算出された各車両の充電時間およびステップS13で決定した充電電力と、記憶部15に格納されている電気料金データとを用いて、計画作成対象期間におけるコストを算出し、算出したコストを保持する。コストCは、例えば、下記式(1)により算出される。なお、tは時間枠を示す整数であり、下記式(1)のΣは、計画作成対象期間における時間枠の総和を示す。例えば、1枠が1時間であり計画作成対象期間が24時間である場合、Σは時間枠ごとの24個の値の総和を示す。また、E(t)は時間枠tにおける電気料金の単価であり、P(t)は時間枠tにおいて購入する電力である。
C=Σ(E(t)×P(t)) ・・・(1)
C=Σ(E(t)×P(t)) ・・・(1)
購入する電力P(t)は、各時間枠における充電器42の充電電力の総和から蓄電池20の放電による電力を減算した値である。また、充電システム1が蓄電池20を介さない太陽光発電設備21をさらに備える場合は、購入する電力P(t)は、各時間枠における充電器42の充電電力の総和から蓄電池20の放電による電力を減算した値から、さらに、蓄電池20を介さない太陽光発電設備21による発電出力を減算した値である。計画作成部13は、蓄電池20の放電による電力を、例えば、電気料金の高い時間枠から順に割当てる。なお、充電システム1が蓄電池20を備えていない場合には、購入する電力P(t)は、各時間枠における充電器42の充電電力の総和となる。また、充電システム1が蓄電池20を備えておらず蓄電池20を介さない太陽光発電設備21を備える場合には、購入する電力P(t)は、各時間枠における充電器42の充電電力の総和から蓄電池20を介さない太陽光発電設備21による発電出力を減算した値となる。なお、ステップS15のコストの算出の前に、計画作成部13は、各時間枠において、契約電力または電力会社から要請される上限値を超えるか否かを判定し、契約電力または電力会社から要請される上限値を超える時間枠がある場合には、コストを保持しない。ステップS11で決定した充電スケジュールに基づいて、定格値を用いた概算で契約電力または電力会社から要請される上限値を超えないように仮の充電スケジュールが決定されているが、上記のように詳細に充電時間および充電電力を算出すると充電時間がずれて契約電力または電力会社から要請される上限値を超える時間枠が生じる可能性がある。このため、ここで、再度、契約電力または電力会社から要請される上限値を超える時間枠があるか否かを判断する。また、ここで、契約電力または電力会社から要請される上限値を超える時間枠があると判断された場合、後述するステップS18の充電スケジュールの変更に反映してもよい。例えば、ある車両5について、充電スケジュールとして仮に決めた時間枠では充電時間が長く、1枠の割当てでは足りない場合には、後述するステップS18の充電スケジュールでは当該車両5に時間枠を2枠割当てる。
次に、EMS10は、充電スケジュールの変更が可能か否かを判断する(ステップS16)。上述したように、充放電計画の作成の際には、契約電力または電力会社から要請される上限値を超えないように計画する必要があるという制約と運行計画から定める制約とを満たす必要がある。したがって、ステップS16では、詳細には、計画作成部13は、これらの制約を満たす範囲で、各車両5への充電器42と充電時間との割当ての組み合わせに関して、ステップS15のコストが算出されていない組み合わせがある場合には、ステップS16で充電スケジュールの変更が可能と判断する。
充電スケジュールの変更が可能である場合(ステップS16 Yes)、EMS10は、充電スケジュールを変更し(ステップS18)、ステップS13からの処理が繰り返される。ステップS18では、詳細には、計画作成部13が、上述した制約を満たす範囲内で各車両5への充電器42と充電時間との割当ての組み合わせに関してステップS15でコストが算出されていない組み合わせのなかから1つを選択し、選択した組み合わせに応じて充電スケジュールを変更する。
充電スケジュールの変更が可能でない場合(ステップS16 No)、EMS10は、コストに基づいて充放電計画を決定し(ステップS17)、処理を終了する。ステップS17では、詳細には、計画作成部13は、保持している各充電スケジュールに対応するコストのなかでコストが最小となる各車両5の充電時間および充電電力を用いて充放電計画を決定し、記憶部15に格納する。指令生成部14は、記憶部15に格納された充放電計画に基づいて、充電器42および蓄電池PCS43への充電指令または放電指令を生成し、生成した指令を、通信部11を介して送信する。なお、ここでは、充電計画作成装置であるEMS10が、指令を生成して送信する機能を有する例を説明したが、充電計画作成装置は、車両5の充電計画を作成すればよく、指令を生成して送信する機能を有していなくてもよい。
なお、以上の例では、仮に決めた各充電スケジュールに対応するコストを算出する手順を示したが、充放電計画を最適化問題の解として算出してもよい。この場合、上記式(1)を目的関数とし、上述した各制約を制約条件として、各車両5への充電器42の割当てと充電開始時間と充電終了時間とを決定してもよい。
なお、上記の例では、コストすなわち費用を最小化するように充放電計画を決定したが、これに限らず、例えば、コストは最小ではなくてもある一定値以下であればよいという条件で充放電計画を作成してもよく、また別の指標を最適化するように充放電計画を作成してもよい。また、充電システム1が風力発電設備など太陽光発電設備21以外の発電設備を備える場合、充電システム1は、風力発電設備による発電電力を蓄電する蓄電池を備え、EMS10は、風力発電設備による発電電力を予測して、上述した例と同様に蓄電池の充放電計画を作成すればよい。
次に、本実施の形態のEMS10および運用計画作成装置30を実現するハードウェアについて説明する。EMS10は、具体的にはコンピュータシステムにより実現される。図12は、本実施の形態のEMS10を実現するコンピュータシステムの構成例を示す図である。図12に示すように、このコンピュータシステムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。
図12において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等である。制御部101は、本実施の形態のEMS10が実行する動作が記述されたプログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、コンピュータシステムのユーザが、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム、処理の過程で得られた必要なデータなどを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示パネル)などで構成され、コンピュータシステムのユーザに対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する通信回路などである。通信部105は、複数の通信方式にそれぞれ対応する複数の通信回路で構成されていてもよい。出力部106は、プリンタ、外部記憶装置などの外部の装置へデータを出力する出力インタフェイスである。なお、図12は、一例であり、コンピュータシステムの構成は図12の例に限定されない。
ここで、本実施の形態のプログラムが実行可能な状態になるまでのコンピュータシステムの動作例について説明する。上述した構成をとるコンピュータシステムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)-ROMドライブまたはDVD(Digital Versatile Disc)-ROMドライブにセットされたCD-ROMまたはDVD-ROMから、プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、プログラムの実行時に、記憶部103から読み出されたプログラムが記憶部103に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、本実施の形態のEMS10としての処理を実行する。
なお、上記の説明においては、CD-ROMまたはDVD-ROMを記録媒体として、EMS10における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、コンピュータシステムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。
図8に示したSOC予測部12、計画作成部13および指令生成部14は、図12の制御部101により実現される。SOC予測部12、計画作成部13および指令生成部14の実現には、図12に示した記憶部103も用いられる。図8に示した記憶部15は、図12に示した記憶部103の一部である。図8に示した通信部11は、図12に示した通信部105により実現される。なお、EMS10は複数のコンピュータシステムによって実現されてもよい。
本実施の形態の運用計画作成装置30も、EMS10と同様に、例えば、図12に例示したコンピュータシステムにより実現される。運用計画作成装置30としての動作が記述されたプログラムが実行可能になるまでの動作、プログラムの提供方法は、EMS10と同様である。
図2に示した組み合わせ生成部32、充電回数算出部33、重み付け部34および路線割当部35は、図12の制御部101により実現される。組み合わせ生成部32、充電回数算出部33、重み付け部34および路線割当部35の実現には、図12に示した記憶部103も用いられる。図2に示した記憶部36は、図12に示した記憶部103の一部である。図2に示した通信部31は、図12に示した通信部105により実現される。なお、運用計画作成装置30は複数のコンピュータシステムによって実現されてもよい。
また、EMS10が運用計画作成装置30と一体化されてもよい。すなわち、EMS10が運用計画作成装置30としての機能を有していてもよい。
運用計画作成装置30を実現するためのプログラムは、例えば、コンピュータシステムに、運用計画の作成対象期間である計画対象期間より前の一定期間内の車両5の充電回数を用いて、車両5ごとに、計画対象期間において車両5が運行する路線を車両5に割当てるステップと、割当てた結果を用いて運用計画を作成するステップと、を実行させる。
以上のように、本実施の形態では、運用計画作成装置30が充電回数を用いて車両5の運用計画を作成するようにした。このため、移動体の一例である車両5の劣化の進み具合のばらつきを抑制することができる。また、充電回数としてSOCの値を考慮した重み付け充電回数を用いて運用計画を作成することで、より適切に車両5の劣化の進み具合に応じた運用計画を作成することができる。
また、本実施の形態の運用計画作成装置30によって作成された運行計画を用いて車両5の充電計画を作成するEMS10は、車両5からリアルタイムまたは準リアルタイムでSOCの値を示す情報を取得し、取得した情報を用いて帰場時のSOCを予測することにした。これにより、SOCの予測精度を向上させることができるため、充電計画の精度も向上させることができる。また、EMS10は、交通情報および気象情報のうち少なくとも一方を用いて帰場時のSOCを予測することで、SOCの予測精度をさらに向上させることができる。なお、本実施の形態では、車両5からリアルタイムまたは準リアルタイムでSOCを取得する処理と、交通情報および気象情報のうち少なくとも一方を用いる処理とを組み合わせたが、これらの処理のうちいずれか一方の処理を行ってもよい。なお、以上述べた例では、EMS10が、運用計画作成装置30によって生成された運行計画を用いる例を説明したが、運行計画の生成方法はこれに限定されず、EMS10は、別の方法により作成された運行計画を用いて充放電計画を作成してもよい。
実施の形態2.
図13は、実施の形態2にかかるEMSの構成例を示す図である。本実施の形態の充電システムは、EMS10の代わりにEMS10aを備える以外は、実施の形態1の充電システム1と同様である。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
図13は、実施の形態2にかかるEMSの構成例を示す図である。本実施の形態の充電システムは、EMS10の代わりにEMS10aを備える以外は、実施の形態1の充電システム1と同様である。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本実施の形態では、車両5は、車載センサを搭載しており、車載センサによって計測された計測データをセンサ情報としてEMS10aへ送信する。また、センサ情報には、車両5の位置を示す位置情報が付加される。なお、車両5は例えばGPS(Global Positioning System)測位などにより位置情報を取得する。車載センサは、例えば、画像を取得するカメラなどの画像センサ、振動を検出する振動センサおよび風速センサのうちの少なくとも1つである。本実施の形態では、車両5のSOCの推定に影響する道路の濡れ具合、道路の凹凸の程度、風速などに関する情報を車載センサにより取得する。そして、EMS10aが、車載センサによって取得されたデータを用いて機械学習により各車両5の走行の状態に応じて蓄電池に蓄電された電力の使用量を推定することで、帰場時のSOCの予測精度を向上させることができる。
本実施の形態のEMS10aは、図13に示すように、実施の形態1のEMS10にモデル生成部16および補正情報算出部17が追加され、SOC予測部12および記憶部15の代わりにSOC予測部12aおよび記憶部15aを備える。これら以外は、EMS10aの構成は、実施の形態1のEMS10と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、本実施の形態では、車載センサから取得されたデータを用いて帰場時のSOCを推定するため、運行中の車両5からSOCは取得していないが、運行中の車両5からSOCを取得できる場合には当該車両5についてはSOCの計測情報を用いて帰場時のSOCを推定し、運行中の車両5からSOCを取得できない場合に、車載センサのデータを用いて帰場時のSOCを推定するようにしてもよい。
EMS10aの通信部11は、車両5から受信したセンサ情報を記憶部15aに格納する。モデル生成部16は、記憶部15aに格納されたセンサ情報を用いて、センサ情報すなわち計測データに基づいて車両5の走行によって使用される電力の使用量の算出に用いられる補正係数を推論するための学習済モデルを生成し、生成した学習済モデルを記憶部15aに格納する。補正情報算出部17は、車両5から取得したセンサ情報と学習済モデルとを用いて補正係数を推定する。詳細には、補正情報算出部17は、SOCの推定対象の車両5に対応するセンサ情報を学習済モデルに入力することで走行の状態に応じた補正係数を推定し、推定した補正係数とセンサ情報に含まれる位置情報とを含む補正情報をSOC予測部12aへ通知する。
予測部であるSOC予測部12aは、車両5に搭載された車載センサによって計測された計測データを用いて、充電システムに帰場したときの車両5の蓄電池のSOCを予測する。詳細には、SOC予測部12aは、補正係数を用いて車両5が充電システムに帰場したときの車両5の蓄電池のSOCを予測する。より詳細には、SOC予測部12aは、車両5ごとに、補正情報算出部17から通知された補正情報を用いて、最新のセンサ情報に対応する位置までの走行に関して、補正係数の値ごとに対応する区間の長さを算出する。そして、SOC予測部12aは、区間ごとの走行距離に、対応する補正係数を乗算し、補正係数を乗算した後の走行距離を用いて車両5の蓄電池に蓄電されている電力の使用量(以下、単に使用量ともいう)を算出する。なお、帰場時のSOCの予測対象の車両5自体のセンサ情報からは、当該車両5がこれから走行する経路に関する情報は得られないため、センサ情報を用いて推定される補正情報を用いてSOCを算出することができるのは、最新のセンサ情報が取得された時点までである。このため、SOC予測部12aは、例えば、この時点以降については、補正係数を用いずに、走行距離を用いて使用量を算出する。そして、SOC予測部12aは、上述した区間ごとの使用量と補正係数を用いずに走行距離を用いて算出した使用量と、記憶部15aに格納されているSOCデータとを用いて当日の帰場時のSOCを予測し、予測した値を用いてSOCデータ内の当日の帰場時のSOCを更新する。
なお、最新のセンサ情報が取得された時点以降に関しては、当日の帰場時のSOCの予測対象の車両5と同一路線を走行する車両5のうちなるべく直近のセンサ情報を用いて推定された補正情報を用いて使用量を推定してもよい。道路の濡れ具合、凹凸の程度などは近い時間ではそれほど変化しないため、先に同一路線を走行した他の車両5のセンサ情報を用いて推定された補正情報を用いることで当日の帰場時のSOCの推定精度を向上させることができる。
次に、本実施の形態の機械学習の一例について説明する。モデル生成部16は、例えば、教師あり学習により学習済モデルを生成する。例えば、モデル生成部16は、特徴量であるセンサ情報と当該センサ情報に対応する正解データである補正係数とを含むデータセットを教師データとして教師あり学習により学習済モデルを生成する。例えば、センサ情報がカメラにより取得された画像情報であれば、道路の濡れ具合と凹凸の程度に応じた補正係数を、例えばシミュレーション、実測などにより正解データとして定めておき、この画像情報と正解データである補正係数を教師データとする。また、センサ情報が振動センサである場合も同様であり、時系列データとして入力される一定期間の振動センサのデータと、シミュレーション、実測などにより正解データとして算出された補正係数とを教師データとする。また、センサ情報が風速を示す情報である場合も同様に、車載センサによって取得されたデータと、シミュレーション、実測などにより正解データとして算出された補正係数とを教師データとする。なお、車載センサが複数設けられる場合には、例えば、EMS10aは、車載センサごとに学習済モデルを生成して、推論時には各学習済モデルによって推論された補正係数を走行距離に乗算する。なお、車両5ごとに、学習済モデルを生成してもよいが、各車両5に搭載されるセンサが同一機種であり車両5の蓄電池の特性が同様である場合には、車両5ごとに学習済モデルを生成せずに、当該センサに関する学習済モデルを1つ生成してもよい。
教師あり学習のアルゴリズムとしては、どのようなものを用いてもよいが、例えば、ニューラルネットワークモデルを用いることもできる。ニューラルネットワークは、複数のニューロンからなる入力層、複数のニューロンからなる中間層(隠れ層)、および複数のニューロンからなる出力層で構成される。中間層は、1層、又は2層以上でもよい。
図14は、ニューラルネットワークの一例を示す模式図である。例えば、図14に示すような3層のニューラルネットワークであれば、複数の入力が入力層(X1-X3)に入力されると、その値に重みW1(w11-w16)を掛けて中間層(Y1-Y2)に入力され、その結果にさらに重みW2(w21-w26)を掛けて出力層(Z1-Z3)から出力される。この出力結果は、重みW1と重みW2の値によって変わる。
本実施の形態においては、入力層に上述した学習用データの特徴量が入力されたときの出力層からの出力が正解データに近づくように、重みW1と重みW2とを調整することで、特徴量と正解データとの関係が学習される。なお、機械学習のアルゴリズムはニューラルネットワークに限定されない。
本実施の形態のEMS10aも実施の形態1のEMS10と同様に、コンピュータシステムにより実現される。本実施の形態のプログラムが実行されることにより、コンピュータシステムがEMS10aとして機能する。本実施の形態のモデル生成部16、補正情報算出部17およびSOC予測部12aは、例えば、図12の制御部101により実現される。本実施の形態の記憶部15aは、図12に示した記憶部103の一部である。
また、本実施の形態では、EMS10aがモデル生成部16を備えたが、別の装置がモデル生成部16を備え、当該別の装置が学習済モデルを生成し、EMS10aの記憶部15aにこの学習済モデルが格納されてもよい。
なお、車載センサとして車両5の重量を検出するセンサが用いられてもよい。この場合、SOC予測部12aは、車両5の重量を検出するセンサから取得したセンサ情報を用いて帰場時のSOCを予測する。例えば、重量に応じた補正係数をテーブル形式であらかじめ定めておき、補正係数を用いて車両5の蓄電池に蓄電させた電力の使用量を予測し、使用量の予測結果を用いて帰場時のSOCを予測する。
以上述べた以外の本実施の形態の動作は、実施の形態1と同様であり、運用計画作成装置30は充電回数を用いて車両5の運用計画を作成する。したがって、本実施の形態においても、移動体の一例である車両5の劣化の進み具合のばらつきを抑制することができる。さらに、本実施の形態では、車両5に搭載された車載センサによって取得されたセンサ情報を用いて帰場時のSOCを推定するようにした。このため、帰場時のSOCを推定することができ、充電計画の精度を向上させることができる。なお、以上述べた例では、EMS10aが、実施の形態1の運用計画作成装置30によって生成された運行計画を用いる例を説明したが、運行計画の生成方法はこれに限定されず、EMS10aは、別の方法により作成された運行計画を用いて充放電計画を作成してもよい。
実施の形態3.
図15は、実施の形態3にかかる充電システムの構成例を示す図である。本実施の形態の充電システム1aは、運用計画作成装置30の代わりに運用計画作成装置30aを備える以外は、実施の形態1の充電システム1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
図15は、実施の形態3にかかる充電システムの構成例を示す図である。本実施の形態の充電システム1aは、運用計画作成装置30の代わりに運用計画作成装置30aを備える以外は、実施の形態1の充電システム1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
本実施の形態の運用計画作成装置30aは、広域ネットワークを介して、電車の遅延情報である鉄道遅延情報を配信する鉄道情報配信装置70から、鉄道遅延情報を取得し、鉄道遅延情報に応じて車両5の運行計画を修正し、修正した運行計画を端末装置60に配信する。端末装置60は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータなどであり、例えば車両5の利用者が所有する装置である。
図16は、本実施の形態の運用計画作成装置30aの構成例を示す図である。図16に示すように、運用計画作成装置30aは、時刻変更部37および配信情報生成部38を追加し、記憶部36の代わりに記憶部36aを備える以外は、実施の形態1の運用計画作成装置30と同様である。
本実施の形態では、通信部31は、鉄道情報配信装置70から電車の遅延時間を含む鉄道遅延情報を受信すると記憶部36aに格納する。時刻変更部37は、記憶部36aに鉄道遅延情報が格納されると、鉄道遅延情報を用いて、記憶部36aに格納されている運行計画を更新する。すなわち、時刻変更部37は、電車の鉄道遅延情報を用いて、遅延が生じる電車の到着時間に応じて発車時刻が定められている車両の発車時刻を電車の遅延時間に応じて変更する。詳細には、鉄道遅延情報に格納されている情報のうち車両5が接続している電車に関する情報を抽出し、抽出した情報を用いて、遅延する電車が接続している車両5の発車時刻を遅らせるように運行計画を変更する。
配信情報生成部38は、更新された運行計画に基づいて、車両5の発車時刻の変更を知らせる配信情報を生成し、生成した配信情報を、通信部31を介して端末装置60に配信する。すなわち、配信情報生成部38は、発車時刻が変更された車両5の運行計画を端末装置60へ配信する。配信情報生成部38は、Webサーバとしての機能を有し、端末装置60からURLが指定されると通信部31を介して配信情報を配信してもよいし、あらかじめ登録された端末装置60に通信部31を介して配信情報を送信してもよい。なお、ここでは、電車の遅延を車両5の発車時刻に反映する例を説明するが、これに限らず、運用計画作成装置30aは、空港発の車両5に関して、同様に、航空機の遅延を反映して車両5の発車時刻を変更し当該変更に関する情報を配信してもよい。運用計画作成装置30aは、同様に、水上バスなどの船舶など他の輸送機関からの乗り継ぎが行われる車両5に関して、他の輸送機関の遅延を反映して車両5の発車時刻を変更し当該変更に関する情報を配信してもよい。
図17は、本実施の形態の配信情報の一例を示す図である。図17に示した例では、G駅に10:00に到着予定の電車が15分遅れており、時刻変更部37は、この電車が15分遅れることを鉄道遅延情報から抽出すると、G駅を10:10に発車予定の車両5の発車時刻を15分遅らせるように運行計画を変更する。これにより、その後の他の停留所の発車時刻も変更される。配信情報生成部38は図17に例示したような配信情報を生成して、通信部31を介して端末装置60へ送信する。なお、配信情報の具体的な形式は図17に示した例に限定されない。以上述べた以外の本実施の形態の動作は実施の形態1と同様である。なお、本実施の形態の充電システム1aにおいて実施の形態1のEMS10の代わりに実施の形態2で述べたEMS10aが用いられてもよい。
本実施の形態の運用計画作成装置30aも実施の形態1の運用計画作成装置30と同様に、コンピュータシステムにより実現される。本実施の形態のプログラムが実行されることにより、コンピュータシステムが運用計画作成装置30aとして機能する。本実施の形態の時刻変更部37および配信情報生成部38は、例えば、図12の制御部101により実現される。本実施の形態の記憶部36aは、図12に示した記憶部103の一部である。
以上のように、本実施の形態の運用計画作成装置30aは、電車の遅延に応じて車両5の発車時刻を変更し、変更した各停留所の発車時刻を端末装置60へ配信するようにした。電車が遅延した場合、駅の停留所において電車の遅延により車両5の発車時刻が変更されることを報知すると駅にいる利用者は認識することはできるが、駅から離れた場所にいる利用者は各停留所における発車時刻の変更を知ることができない。本実施の形態では利用者の端末装置60に車両5の変更された発車時刻を示す配信情報が配信されるため、駅から離れている利用者も車両5の時刻の変更を把握することができる。
実施の形態4.
図18は、実施の形態4にかかる運用計画作成装置の構成例を示す図である。本実施の形態の充電システムは、運用計画作成装置30の代わりに運用計画作成装置30bを備える以外は実施の形態1の充電システム1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
図18は、実施の形態4にかかる運用計画作成装置の構成例を示す図である。本実施の形態の充電システムは、運用計画作成装置30の代わりに運用計画作成装置30bを備える以外は実施の形態1の充電システム1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
運用計画作成装置30bは、車両5の利用者から車両5の乗車の予約の内容を示す利用者情報を取得する。利用者情報は、利用者が車両5への乗車を希望する場所である希望場所を示す情報と利用者が乗車を希望する時刻を示す情報とを含む。端末装置60は、例えば、GPS測位により得られる現在位置を示す情報を、乗車を希望する場所として送信することができる。車両5が走行する路線は、あらかじめ定められているが、利用者が乗車を希望する場所が定められた路線から離れている場合、運用計画作成装置30bは、利用者が乗車を希望する場所の近くを走行する車両5の経路を変更する。これにより、利用者は乗車を希望する場所から車両5に乗車することができる。
図18に示すように、運用計画作成装置30bは、広域ネットワークを介して端末装置60と通信を行うことが可能である。端末装置60は、実施の形態3の端末装置60と同様に、例えば車両5の利用者が所有する装置である。運用計画作成装置30bは、経路変更部39および配信情報生成部38aを追加し、記憶部36の代わりに記憶部36bを備える以外は、実施の形態1の運用計画作成装置30と同様である。
通信部31は、端末装置60から利用者情報を受信すると、記憶部36bに格納する。経路変更部39は、利用者情報に含まれる希望場所があらかじめ定められた路線の経路上に無い場合に、希望場所を経由して走行するように車両5の経路を変更する。詳細には、経路変更部39は、記憶部36bに格納されている利用者情報と運行計画とを用いて、利用者情報によって示されている希望場所の近くを、乗車を希望する時間の近くに走行する車両5を抽出する。経路変更部39は、抽出した車両5の経路を変更し、経路の変更に伴って当該車両5の以降の各停留所の発車時刻を変更する。経路変更部39はこれらの変更を反映して記憶部36bに格納されている運行計画を更新する。
図19は、本実施の形態の経路変更の一例を示す図である。図19に示した経路201はあらかじめ定められた路線に対応する車両5の経路である。端末装置60の利用者が端末装置60を利用して利用者の現在位置からの乗車を希望する利用者情報を運用計画作成装置30bに送信すると、車両5は、経路202に示した変更された経路で走行する。車両5は、経路202で走行した後は、例えば、元の経路201へ戻る。
配信情報生成部38aは、更新された運行計画に基づいて、車両5の発車時刻の変更を知らせる配信情報を生成し、生成した配信情報を、通信部31を介して利用者情報の送信元の端末装置60に配信する。また、配信情報生成部38aは、変更した運行計画を、他の利用者の端末装置60にも配信する。配信情報生成部38aは、実施の形態3の配信情報生成部38と同様に、Webサーバとしての機能を有し、端末装置60からURLが指定されると通信部31を介して配信情報を配信してもよいし、あらかじめ登録された端末装置60に通信部31を介して配信情報を送信してもよい。
なお、実施の形態2または3の運用計画作成装置が、本実施の形態の動作をさらに行うようにしてもよい。
本実施の形態の運用計画作成装置30bも実施の形態1の運用計画作成装置30と同様に、コンピュータシステムにより実現される。本実施の形態のプログラムが実行されることにより、コンピュータシステムが運用計画作成装置30bとして機能する。本実施の形態の経路変更部39および配信情報生成部38aは、例えば、図12の制御部101により実現される。本実施の形態の記憶部36bは、図12に示した記憶部103の一部である。
以上のように、本実施の形態の運用計画作成装置30bは、車両5の利用者の希望する場所を示す利用者情報を受信し、利用者情報に基づいて経路を変更するようにした。これにより、利用者の利便性を高めることができる。
実施の形態5.
図20は、実施の形態5にかかる運用計画作成装置の構成例を示す図である。本実施の形態の充電システムは、運用計画作成装置30の代わりに運用計画作成装置30cを備える以外は実施の形態1の充電システム1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
図20は、実施の形態5にかかる運用計画作成装置の構成例を示す図である。本実施の形態の充電システムは、運用計画作成装置30の代わりに運用計画作成装置30cを備える以外は実施の形態1の充電システム1と同様である。実施の形態1と同様の機能を有する構成要素は実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。以下、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
運用計画作成装置30cは、EMS10から充放電計画を取得し、充放電計画を用いて車両5ごとに、当該車両5の充電に用いられた電力源の内訳を示す充電実績情報を生成して端末装置60へ送信する。また、運用計画作成装置30cは、充電実績情報を図示しない停留所に設けられた表示装置へ配信し、表示装置が充電実績情報を表示してもよい。これにより、利用者は、車両5の環境への負荷を把握することができ、利用者に対するサービスを向上させることができる。
図20に示すように、運用計画作成装置30cは、広域ネットワークを介して端末装置60と通信を行うことが可能である。端末装置60は、実施の形態3の端末装置60と同様に、例えば車両5の利用者が所有する装置である。運用計画作成装置30cは、配信情報生成部38bを追加し、記憶部36の代わりに記憶部36cを備える以外は、実施の形態1の運用計画作成装置30と同様である。
通信部31は、EMS10が作成した充放電計画をEMS10から受信し、充放電計画を記憶部36cに格納する。配信情報生成部38bは、充放電計画を用いて、車両5ごとに、当該車両5の充電が行われた時刻における充電システム全体の電力の供給源ごとの電力の比率を算出し、車両ごとの電力の供給源の比率を、通信部31を介して端末装置60へ送信する。また、通信部31は、停留所に設けられる図示しない表示装置へ車両ごとの電力の供給源の比率を送信してもよい。
図9に例示したように、充放電計画には、時間帯ごとの、太陽光発電による発電電力、購入電力、蓄電池20からの放電電力が含まれているため、これらの比率から、時間帯ごとの電力の供給源の比率を求めることができる。したがって、配信情報生成部38bは、車両5ごとに当該車両の充電が行われた電力の供給源の比率を求めることで、車両5ごとの電力の供給源の比率を求めることができる。なお、配信情報生成部38bは、ある車両5の充電中に電力の比率が変更になる場合には、変更前後の比率の平均値を、車両5の電力の供給源の比率として算出することができる。
なお蓄電池20の放電電力については、太陽光発電によって充電される場合と購入電力によって充電される場合があるため、蓄電池20の放電電力は、さらに、算出の対象日の例えば前日に行われた充電における太陽光発電によって充電された電力量と購入電力によって充電された電力量との平均的な比率により、太陽光発電による発電電力と購入電力とに分配する。これにより、車両5の充電に用いられる電力は、太陽光発電による発電電力と、購入電力との比で表すことができる。また、充電システムが風力発電設備をさらに備える場合には、同様に、風力発電による発電電力の比率も加えることができる。
また、配信情報生成部38bは、購入電力の供給元の事業者が提供している情報を用いて購入電力の電源比率を示す情報を生成し、生成した情報を配信情報に含めることができる。例えば、購入電力の供給元の事業者が全体の電源比率だけを提供している場合には、配信情報生成部38bは、購入電力に電源比率を乗算した値を内訳の比として配信情報に含めることができる。また、購入電力の供給元の事業者が時間帯ごとに電源比率を提供している場合には、配信情報生成部38bは、車両5の充電が行われた時間帯の電源比率を購入電力に乗算した値を内訳の比として配信情報に含めることができる。このように、配信情報生成部38bは、車両5の蓄電池の充電に用いられた電力の供給源ごとの比率を示す情報を端末装置60へ配信する。
また、配信情報生成部38bは車両5の充電に用いられる電力の供給元の比率に応じて二酸化炭素の排出量を算出し、二酸化炭素の排出量またはガソリン車と比較した場合の二酸化酸素の削減率を配信情報に含めてもよい。
本実施の形態の運用計画作成装置30cも実施の形態1の運用計画作成装置30と同様に、コンピュータシステムにより実現される。本実施の形態のプログラムが実行されることにより、コンピュータシステムが運用計画作成装置30cとして機能する。本実施の形態の配信情報生成部38bは、例えば、図12の制御部101により実現される。本実施の形態の記憶部36cは、図12に示した記憶部103の一部である。
図21は、本実施の形態の車両5ごとの電力の供給源の比率の一例を示す図である。端末装置60には、例えば、図21に示すように、車両5ごとに、PV(太陽光発電)、風力(風力発電)および混合に分けて車両5の充電に用いられた電力の比率を百分率で示す。混合は、購入電力に相当する。図21に示した例では、さらに、混合の内訳を、購入電力の供給元の事業者から提供された電源比率を基に参考比率として示している。また、図21では、利用者が把握しやすいように、路線名と何時発の便であるかを示す情報を車両5の電力の供給源の比率とともに示している。運用計画作成装置30cが、このような情報を車両5ごとに配信することで、利用者は各車両5の充電に用いられた電力の供給源の比率を把握することができ、再生可能エネルギーの比率を把握することができ、環境負荷への関心の高い利用者が車両5のサービスを選択する上での選択基準となる情報を提供することができる。また、充電システムにおいて再生可能エネルギーの比率を高めて、電力の供給源の比率を提示することで、車両5の運用事業者の環境負荷軽減の取り組みを利用者にアピールすることができる。
なお、実施の形態2から実施の形態4のいずれかの運用計画作成装置が、本実施の形態の動作をさらに行うようにしてもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1,1a 充電システム、2 電力系統、3 トランス、5,5-1~5-n 車両、10,10a EMS、11,31 通信部、12,12a SOC予測部、13 計画作成部、14 指令生成部、15,15a,36,36a,36b,36c 記憶部、16 モデル生成部、17 補正情報算出部、20 蓄電池、21 太陽光発電設備、30,30a,30b,30c 運用計画作成装置、32 組み合わせ生成部、33 充電回数算出部、34 重み付け部、35 路線割当部、37 時刻変更部、38,38a,38b 配信情報生成部、39 経路変更部、40 直流母線、41 変換器、42,42-1~42-n 充電器、43 蓄電池PCS、44 直流負荷、45,45-1~45-n 接続ユニット、50 情報提供システム、60 端末装置、70 鉄道情報配信装置。
Claims (17)
- それぞれが蓄電池を有する複数の移動体を充電可能な充電システムにおいて前記移動体の運用計画を作成する運用計画作成装置であって、
前記運用計画の作成対象期間である計画対象期間より前の一定期間内の前記移動体の充電回数を用いて、前記移動体ごとに、前記計画対象期間において前記移動体が運行する路線を前記移動体に割当て、割当てた結果を用いて前記運用計画を作成する路線割当部、
を備えることを特徴とする運用計画作成装置。 - 前記複数の移動体のうちの1つによって前記計画対象期間において運行される便の組み合わせを複数生成する組み合わせ生成部、
を備え、
前記組み合わせごとに、前記組み合わせにおける前記移動体の充電回数を算出する充電回数算出部と、
前記路線割当部は、前記一定期間内の充電回数と、前記充電回数算出部によって算出された充電回数とを用いて、前記移動体に前記組み合わせを割当てることにより、前記移動体に前記路線を割当てることを特徴とする請求項1に記載の運用計画作成装置。 - 前記移動体ごとに、前記蓄電池の充電前および充電後の充電率に応じて重み係数を算出し、算出した重み係数を用いて前記充電回数算出部によって算出された充電回数に重み付けを行う重み付け部と、
前記路線割当部は、前記移動体ごとに、前記一定期間内の前記蓄電池の充電前および充電後の充電率に応じて重み係数を算出し、算出した重み係数を用いて前記一定期間内の充電回数に重み付けを行い、前記一定期間内の重み付け後の充電回数と、前記重み付け部による重み付け後の充電回数とを用いて前記移動体に前記組み合わせを割当てることを特徴とする請求項2に記載の運用計画作成装置。 - 前記重み係数は、定められた範囲からの前記充電率の逸脱量に応じて決定されることを特徴とする請求項3に記載の運用計画作成装置。
- 前記路線割当部は、前記移動体ごとの前記一定期間内の走行距離の差が閾値以内となるように前記移動体に前記組み合わせを割当てることを特徴とする請求項2から4のいずれか1つに記載の運用計画作成装置。
- 前記移動体は車両であり、
前記運用計画作成装置は、
電車の遅延情報を用いて、遅延が生じる前記電車の到着時間に応じて発車時刻が定められている前記車両の発車時刻を前記電車の遅延時間に応じて変更する時刻変更部と、
発車時刻が変更された前記車両の運行計画を端末装置へ配信する配信情報生成部と、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の運用計画作成装置。 - 前記移動体は車両であり、
前記運用計画作成装置は、
前記車両への乗車を希望する場所である希望場所を示す情報を含む利用者情報を端末装置から受信する通信部と、
前記利用者情報に含まれる前記希望場所があらかじめ定められた前記路線の経路上に無い場合に、前記希望場所を経由して走行するように前記車両の経路を変更する経路変更部と、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の運用計画作成装置。 - 前記移動体ごとに、前記移動体の前記蓄電池の充電に用いられた電力の供給源ごとの比率を示す情報を生成し、生成した情報を端末装置へ配信する配信情報生成部、
を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の運用計画作成装置。 - それぞれが蓄電池を有する複数の移動体を充電可能な充電システムにおいて、請求項1から8のいずれか1つに記載の運用計画作成装置によって作成された運用計画を用いて前記移動体の充電計画を作成する充電計画作成装置であって、
前記移動体から前記移動体の運行中の前記蓄電池の充電率を示す情報を受信する通信部と、
前記通信部によって受信された情報を用いて前記充電システムに帰場したときの前記移動体の前記蓄電池の充電率を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記充電率を用いて前記充電計画を作成する計画作成部と、
を備えることを特徴とする充電計画作成装置。 - それぞれが蓄電池を有する複数の移動体を充電可能な充電システムにおいて、請求項1から8のいずれか1つに記載の運用計画作成装置によって作成された運用計画を用いて前記移動体の充電計画を作成する充電計画作成装置であって、
前記移動体が前記充電システムに帰場したときの前記移動体の前記蓄電池の充電率を、交通情報を用いて予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記充電率を用いて前記充電計画を作成する計画作成部と、
を備えることを特徴とする充電計画作成装置。 - それぞれが蓄電池を有する複数の移動体を充電可能な充電システムにおいて、請求項1から8のいずれか1つに記載の運用計画作成装置によって作成された運用計画を用いて前記移動体の充電計画を作成する充電計画作成装置であって、
前記移動体である車両に搭載された車載センサによって計測された計測データを用いて、前記充電システムに帰場したときの前記車両の前記蓄電池の充電率を予測する予測部と、
前記予測部によって予測された前記充電率を用いて前記充電計画を作成する計画作成部と、
を備えることを特徴とする充電計画作成装置。 - 前記車載センサは、画像センサまたは振動センサであり、
前記計測データに基づいて前記車両の走行によって使用される電力の使用量の算出に用いられる補正係数を推論するための学習済モデルを記憶する記憶部と、
前記車両から取得した前記計測データと前記学習済モデルとを用いて前記補正係数を推定する補正情報算出部と、
を備え、
前記予測部は、前記補正係数を用いて前記車両が前記充電システムに帰場したときの前記車両の前記蓄電池の充電率を予測することを特徴とする請求項11に記載の充電計画作成装置。 - 前記学習済モデルを生成するモデル生成部、
を備えることを特徴とする請求項12に記載の充電計画作成装置。 - 前記車載センサは、前記車両の重量を検出するセンサであり、
前記予測部は、前記重量を用いて前記車両が前記充電システムに帰場したときの前記車両の前記蓄電池の充電率を予測することを特徴とする請求項11に記載の充電計画作成装置。 - それぞれが蓄電池を有する複数の移動体を充電可能な充電システムであって、
前記移動体の運用計画を作成する運用計画作成装置と、
前記運用計画を用いて前記複数の移動体の充電計画を作成する充電計画作成装置と、
を備え、
前記運用計画作成装置は、
前記運用計画の作成対象期間である計画対象期間より前の一定期間内の前記移動体の充電回数を用いて、前記移動体ごとに、前記計画対象期間において前記移動体が運行する路線を前記移動体に割当て、割当てた結果を用いて前記運用計画を作成する路線割当部、
を備えることを特徴とする充電システム。 - 移動体が有する蓄電池を充電可能な複数の充電器を備える充電システムにおいて前記移動体の運用計画を作成する運用計画作成装置における運用計画作成方法であって、
運用計画の作成対象期間である計画対象期間より前の一定期間内の前記移動体の充電回数を用いて、前記移動体ごとに、前記計画対象期間において前記移動体が運行する路線を前記移動体に割当てるステップと、
割当てた結果を用いて前記運用計画を作成するステップと、
を含むことを特徴とする運用計画作成方法。 - 移動体が有する蓄電池を充電可能な複数の充電器を備える充電システムにおいて前記移動体の運用計画を作成するコンピュータシステムに、
運用計画の作成対象期間である計画対象期間より前の一定期間内の前記移動体の充電回数を用いて、前記移動体ごとに、前記計画対象期間において前記移動体が運行する路線を前記移動体に割当てるステップと、
割当てた結果を用いて前記運用計画を作成するステップと、
を実行させることを特徴とする運用計画作成プログラム。
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JP2021060424A JP2022156628A (ja) | 2021-03-31 | 2021-03-31 | 運用計画作成装置、充電計画作成装置、充電システム、運用計画作成方法および運用計画作成プログラム |
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