JP2022156317A - 電動ポンプ - Google Patents

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健児 水尻
Kenji MIZUSHIRI
直嗣 北山
Naotsugu KITAYAMA
正浩 川合
Masahiro Kawai
恭大 有竹
Yasuhiro Aritake
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】電動ポンプのロータ軸の外径面やシール部の素材に傷をつけないようにする。【解決手段】モータハウジング部22内に、モータロータ21から軸方向に突出するロータ軸3を回転自在に支持する転がり軸受からなる第1軸受部7と、ロータ軸3の外周において流体の移動を阻止するシール部30とを、ロータ軸3の軸方向に沿ってモータ部20側からポンプ部10側に向かって順に備え、ロータ軸3は、軸方向一端及び他端に設けられる芯出し部3iと、第1軸受部7が圧入される第1軸受圧入部3eと、シール部30が挿入されるシール摺動部3cと、軸方向一端に設けられポンプロータ11が取り付けられる非円形断面を有する係合部3dとを備え、第1軸受圧入部3eにおける外径d3、シール摺動部3cにおける外径d2、及び、係合部3dにおける軸心を通る最大径d1との間に、d3>d2>d1が成立している電動ポンプとした。【選択図】図1

Description

この発明は、電動ポンプに関するものである。
近年、自動車等の各種輸送機器において、オイルポンプの電動化が進んでいる。例えば、エンジンのアイドリング時に、トランスミッションへの油圧供給を目的として、モータを駆動源とする電動ポンプが採用されている。また、ハイブリッド車では、駆動用モータやギヤボックス等にオイルを圧送するために、同じく電動ポンプが採用されている。
例えば、特許文献1の電動ポンプは、ハウジングに、ステータとロータ等を収容するモータ収容部を有するモータ部と、ポンプロータ等を収容するポンプ収容部を有するポンプ部とを一体に備えている。ポンプ収容部には、オイルの流出入路となる吸入孔と吐出孔とが接続されている。モータ収容部とポンプ収容部との間には、ハウジングの軸心に沿って貫通孔が形成され、その貫通孔にロータの回転軸が挿通されている。
また、ハウジングの内周には、モータ収容部よりもポンプ部側に円筒部が一体に形成されており、その円筒部内に軸受部が設けられている。各軸受部は玉軸受からなり、その軸受内輪が回転軸の外径に圧入固定され、軸受外輪はハウジングの内周に挿入されている。回転軸は、ハウジングに対して軸受部によって回転自在に支持されている。軸受部を挟んで、回転軸の一端は、貫通孔を通ってポンプ収容部内に進入して、その前端がポンプ部のポンプロータ(インナロータ)に連結され、回転軸の他端はモータ収容部側へ伸びている。また、軸受部と貫通孔との間には、モータ収容部とポンプ収容部との間を塞ぐシール部が設けられている。
特開2014-181562号公報(第9頁第1図等参照)
特許文献1の電動ポンプでは、シール部に対向する回転軸の外径面(以下、シール摺動部と称する)と、軸受部に対向する回転軸の外径面(以下、軸受圧入部と称する)との間に段差が設けられている。シール摺動部と軸受圧入部との間に段差があるため、回転軸の切削(旋削あるいは研削)加工時において、回転軸の各部における同軸度の管理が難しいという問題がある。このため、シールの締め代が規定値以上に大きくなり、回転抵抗が大きくなる恐れがある。また、特許文献1の電動ポンプでは、軸受部を並列する二つの玉軸受で構成しているため、その軸受内輪を回転軸に圧入固定する際に、軸受内輪の軸方向への移動距離(回転軸に対して軸受内輪を圧入状態で軸方向へ相対移動させる距離)が長く、その組立が困難である。また、圧入時の移動距離が長いと、回転軸の外径面に傷をつけたり、回転軸の曲がりにつながるおそれもある。
また、回転軸の他端にポンプロータを組み付ける方法として、例えば、回転軸に対してポンプロータを圧入固定する方法や、回転軸に設けた所謂2面幅(2面カット)やDカットの部分でポンプロータを固定する方法がある。ポンプロータには油圧が加わるとともに、回転軸の前端は常時油中にある状態である。このため、回転軸の前端にポンプロータを圧入で固定する場合、その圧入力の管理が重要になる。また、2面幅やDカットの部分でポンプロータを支持する場合、その加工部分に残るエッジによって、オイルシールを傷つけないようにする必要がある。
そこで、この発明の課題は、電動ポンプのロータ軸の外径面やシール部の素材に傷をつけないようにすることである。
上記の課題を解決するために、この発明は、ポンプロータと前記ポンプロータを収容するポンプハウジング部とを有するポンプ部と、モータロータとモータステータ及び前記モータロータと前記モータステータとを収容するモータハウジング部とを有するモータ部と、を備えた電動ポンプにおいて、前記モータハウジング部内には、前記モータロータから軸方向に突出するロータ軸を回転自在に支持する転がり軸受からなる第1軸受部と、前記ロータ軸の外周において流体の移動を阻止するシール部とを、前記ロータ軸の軸方向に沿って前記モータ部側から前記ポンプ部側に向かって順に備え、前記ロータ軸は、軸方向一端及び他端に設けられる芯出し部と、前記第1軸受部が圧入される第1軸受圧入部と、前記シール部が挿入されるシール摺動部と、軸方向他端に設けられ前記ポンプロータが取り付けられる非円形断面を有する係合部とを備え、前記第1軸受圧入部における外径d3、前記シール摺動部における外径d2、及び、前記係合部における軸心を通る最大径d1との間に、d3>d2>d1が成立している電動ポンプを採用した。
ここで、前記シール部は、弾性素材から成り内径方向に突出するリップを備え、前記リップ内径d4は、d2>d4>d1に設定されている構成を採用することができる。
また、前記モータハウジング部内には、前記モータロータよりも軸方向一端側に設けられ前記ロータ軸を回転自在に支持する第2軸受部と、前記ロータ軸の軸方向一端に設けられるセンサ取付部材とを備え、前記ロータ軸は、前記第2軸受部が圧入される第2軸受圧入部と、前記センサ取付部材が圧入されるセンサ圧入部とを備え、前記第2軸受圧入部における外径d5、及び、前記センサ圧入部における外径d6は、d5>d6が成立している構成を採用する。
上記の各態様において、前記ロータ軸は、全長に亘って内部に中空部を有する中空シャフトであり、前記中空部の軸方向両端への開口が前記芯出し部である構成を採用することができる。
また、上記の課題を解決するために、この発明は、上記の各構成からなる電動ポンプに用いられるロータ軸の製造方法として、前記ロータ軸の軸方向両端の前記芯出し部をチャッキングし、前記第1軸受圧入部、前記シール摺動部及び前記係合部を1回の前記チャッキングでもって全て切削加工を行うロータ軸の製造方法を採用してもよい。
この発明は、電動ポンプのロータ軸の外径面やシール部の素材に傷をつけないようにすることができる。
この発明の一実施形態を示す縦断面図 図1の要部拡大図 モータ部の構成を示す斜視図 シール部を示す断面図 他の実施形態を縦断面図
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態は、自動車等に搭載される電動ポンプ1である。
電動ポンプ1は、図1に示すように、オイルを送り出すポンプ部10と、ポンプ部10へ駆動力を供給するロータ軸3を備えたモータ部20とを備えたものである。この実施形態では、ポンプ部10の外枠であるポンプハウジング部12とモータ部20の外枠であるモータハウジング部22とが、一体に成形されたハウジング2で構成されている。ハウジング2は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金、又は鋳鉄をはじめとする鉄系金属などの金属で形成されている。以下、ハウジング2やその他部材に関し、モータ部20の回転軸であるロータ軸3の軸方向に平行な方向を単に「軸方向」と称し、ロータ軸3の軸方向に直交する方向を「径方向」と称する。また、モータ部20に対してポンプ部10側を軸方向一方又は軸方向一方側と称し、その反対側を軸方向他方又は軸方向他方側と称する。さらに、ロータ軸3の軸方向一方側の端部を一端と称し、ロータ軸3の軸方向他方側の端部を他端と称する。
ポンプ部10は、容積式のオイルポンプで構成され、この実施形態では、いわゆるトロコイド式のオイルポンプを採用している。ポンプ部10は、図1に示すように。相互に噛み合うポンプロータ(インナギヤ)11及びアウタギヤ13と、そのポンプロータ11及びアウタギヤ13を収容するポンプ収容部12aを有するポンプハウジング部12を備えている。ポンプ収容部12aは、軸方向一方側に開口する凹状に形成され、ポンプ収容部12aの開口は、ポンプカバー14によって閉じられている。ポンプカバー14は、ビスによってポンプハウジング部12に固定されている。ポンプカバー14は、ポンプハウジング部12の開口側端面12dと当接した状態で、Oリング等のシール部材15を介してそのポンプハウジング部12にビスやボルト等の係止部材で固定されている。これにより、ポンプ収容部12aは、側面視円形を成す底面12bとその底面12bの周縁から軸方向一方に立ち上がる周面12c及び底面12bに対向するポンプカバー14の内端面12eとで閉鎖された空間となっている。
また、ポンプ収容部12aには、ポンプハウジング部12外へ通じる流入口17、吐出口18が接続されている。流入口17からポンプ収容部12a内に流入したオイルは、モータ部20の駆動力によって、アウタギヤ13に対するポンプロータ11が回転することで、吐出口18を通じてポンプハウジング部12外へ送り出され、また、流入口17を通じて還流する。なお、ポンプカバー14の素材は、ハウジング2の素材と同様とできる。
モータ部20は、モータロータ21と、そのモータロータ21の外周に配置されるモータステータ23と、そのモータロータ21及びモータステータ23を収容するモータ収容部22aを有するモータハウジング部22を備えている。モータ収容部22aは円形断面を成し、軸方向に沿って伸びる円筒状の内面を有する空間となっている。ロータ軸3は、モータロータ21から軸方向一方側、すなわち、ポンプ部10側に突出する第1回転軸部3aが、第1軸受部7によってモータハウジング部22に回転自在に支持されている。また、モータロータ21から軸方向他方側に突出する第2回転軸部3bが、第2軸受部8によってモータハウジング部22に回転自在に支持されている。この実施形態では、第1軸受部7及び第2軸受部8を、モータハウジング部22の内面とロータ軸3の外面との間に配置された深溝玉軸受としているが、これを他の形式の軸受とすることも可能である。
モータステータ23は、図1に示すように、円筒状を成すステータコア24と、ステータコア24の軸方向両端に装着されるボビン25と、ボビン25に巻付けられるコイル26とを備えている。また、モータロータ21は、ロータコアと、そのロータコアの外周に取付けられるロータマグネットとを備えている。ロータ軸3は、通電によりモータロータ21とともに軸回り回転するようになっている。また、モータ収容部22aの軸方向他端側の開口は、ケースカバー27によって閉じられている。
モータ部20は、制御部(図示せず)によってその駆動が制御される。制御部は、例えば、ハウジング2内におけるロータ軸3の軸方向他端に対向する位置等に配置されている基板で構成される。制御部は、外部からの電源を受ける受電部と、モータ部20を駆動する駆動ユニットと、駆動ユニットを制御する制御ユニット等を備えている。受電部は、また、ポンプカバー14の近傍に突出して設けられたカプラ28に通じており、外部電源(図示せず)から電力を受けることができる。駆動ユニットは、内部にスイッチング素子を内蔵し、受電部から入力された直流電源を三相交流に変換するとともに、モータステータ23に対し、所望のパターンで通電できる。
モータハウジング部22内には、第1軸受部7の軸方向一方側に、ロータ軸3の外周において流体の移動を阻止するシール部30が設けられている。すなわち、ロータ軸3の軸方向に沿ってモータ部20側からポンプ部10側に向かって、第1軸受部7、シール部30が順に備えられている。
第1軸受部7は、図2に示すように、環状の部材からなる外輪7a及び内輪7bと、外輪7aの内径面に設けられた断面円弧状の溝からなる外輪軌道面と、内輪7bの外径面に設けられた断面円弧状の溝からなる内輪軌道面と、対向する外輪軌道面と内輪軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体(ボール)7cとを備えている。また、転動体7cは、環状の保持器によって円周方向へ所定間隔で保持されている。内輪7bに設けられた軸穴7dにロータ軸3が圧入されて、ロータ軸3と内輪7bとが一体に回転する。また、外輪7aはモータハウジング部22の内径に設けられた軸受嵌合凹部52に挿入されている。これにより、ロータ軸3とモータハウジング部22とは軸回り相対回転可能である。図1中の符号29は、モータロータ21と第1軸受部7との間に配置されるシムを示している。
シール部30は、図2に示すように、金属製の芯材40をゴムや樹脂等の弾性素材でインサート成形して構成されている。シール部30は、モータハウジング部22の内径に設けられたシール嵌合凹部51に圧入固定されている。芯材40は、円筒状を成す基部41と、その基部41の軸方向端部から内径方向に立ち上げる壁部42とを備えた断面L字状の環状部材である。弾性素材は、外径側において軸方向一方側の端部36と軸方向他方側の端部34を結ぶとともに基部41を覆う円筒状の外径部31と、外径部31から下方へ伸びるとともに壁部42を覆う中間部32とを備えている。また、弾性素材は、中間部32の内径側端部に接続された内径部33を備えている。内径部33は、軸方向他方側の端部において第1軸受部7側に向く2つの側方リップ37,35と、軸方向一方側の端部において内径方向へ向く内径リップ38(以下、単にリップ38と称する)を備えている。側方リップ37,35は、シール部30と第1軸受部7との間に設けられた止め輪43及び皿バネ44に向かって突出しており、そのうち相対的に内径側に位置する側方リップ37は、ロータ軸3の外周面に摺動(摺接)している。内径部33の外径面には環状のスプリング39が嵌められており、スプリング39の弾性力によって、リップ38はロータ軸3の外周面に対して所定の力で押し付けられて、その外周面に摺動(摺接)している。
ロータ軸3は、軸方向一端及び他端の端面に開口して設けられる穴からなる芯出し部3iと、第1軸受部7が圧入される第1軸受圧入部3eと、シール部30が挿入されるシール摺動部3cと、軸方向一端に設けられポンプロータ11が取り付けられる非円形断面を有する係合部3dとを備えている。この実施形態では、係合部3dとして、断面円形の部材に対してその軸心を挟む周方向2箇所において、互いに平行な面を削正等により設けた、所謂2面幅(2面カット)を採用している。なお、係合部3dは、上記2面幅には限定されず、それ以外にも、例えば、断面円形の部材に対して周方向1箇所にフラットな面を削正等により設けた、所謂Dカット等としてもよい。
そして、第1軸受圧入部3eにおける外径(直径)d3、シール摺動部3cにおける外径(直径)d2、及び、係合部3dにおける軸心を通る最大径(直径)d1との間に、d3>d2>d1が成立するようにロータ軸3の寸法を設定している。d3>d2>d1とすることにより、ロータ軸3に対する各部部品の組立性の向上、及び、ロータ軸3やシール部30を構成する素材への傷つき等の損傷を防止することができる。
すなわち、第1軸受圧入部3eにおける外径d3よりも、シール摺動部3cにおける外径d2、及び、係合部3dにおける軸心を通る最大径d1がそれぞれ小さく設定されているから、その第1軸受部7の内輪7bが、係合部3dやシール摺動部3cに触れにくいからである。また、第1軸受圧入部3eの軸方向距離が短く設定できるから、圧入時における内輪7bの軸方向への移動距離が短くなるからである。このため、軸受の圧入時に、内輪7bが擦れることによってシール摺動部3cが傷つくのを防止できる。さらに、シール摺動部3cにおける外径d2よりも、係合部3dにおける最大径d1が小さく設定されているから、シール部30が、係合部3dに触れにくいからである。このため、係合部3dに生じたバリ等が、シール部30を傷つけるのを防止できる。なお、2面幅で構成された係合部3dにおける軸心を通る最小径d1’は、図3に示すようにその2面幅間の距離に該当し、d1>d1’である。
また、シール部材30におけるリップ38の内径d4を、d2>d4>d1とすることで、前述のシール部30の損傷防止効果がさらに高まるとともに、リップ38にあらかじめ塗布されているグリース等の潤滑材が、係合部3dに過剰に付着するのを防止することができる。これにより、グリース等の潤滑材が、ポンプ部10内に混入するのを防止できる。ここで、リップ38の内径d4とは、図4に示すように、ロータ軸3への装着前の状態における最小内径部の寸法を意味する。図1、図2、及び図5では、シール摺動部3cにおける外径d2と、(装着前の状態における)リップ38の内径d4との大小関係が理解しやすいように、リップ38がロータ軸3の外周面から内径方向に入り込んだように図示している。
ロータ軸3の外周面には、止め輪43及び皿バネ44が嵌る断面円弧状の凹部3gが形成されている。凹部3gの縁は滑らかに第1軸受圧入部3e及びシール摺動部3cに接続されているので、組付け時における内輪7bの円滑な移動を阻害しない。また、シール摺動部3cと係合部3dとの間の接続部3hは、両者の間を結ぶ傾斜面となっている。このため、同じく組付け時における内輪7bやシール部30の円滑な圧入、挿入を阻害しない。
第2軸受部8は、第1軸受部7と同様の構成であり、環状の部材からなる外輪8a及び内輪8bと、外輪8aの内径面に設けられた断面円弧状の溝からなる外輪軌道面と、内輪8bの外径面に設けられた断面円弧状の溝からなる内輪軌道面と、対向する外輪軌道面と内輪軌道面との間に転動自在に配置された複数の転動体(ボール)8cとを備えている。内輪8bに設けられた軸穴8dにロータ軸3が圧入されて、ロータ軸3と内輪8bとが一体に回転する。また、外輪8aはモータハウジング部22の内径に設けられた軸受嵌合凹部53に挿入されている。図1中の符号19は、モータロータ21と第2軸受部8との間に配置される間隔部材を示している。
ロータ軸3の軸方向一端には、回転センサ用のセンサマグネットを備えたセンサ取付部材9が圧入固定されている。回転センサは、モータの回転軸の回転数を検知するものである。この実施形態では、回転センサとして、MRセンサ等の磁極センサ(磁気センサ)を採用し、基板側に設けられた回転センサが、センサ取付部材9に取り付けられたセンサマグネットの磁界の変化を検出することで、ロータ軸3の回転を検出することができる。検出できる情報は、ロータ軸3の回転の有無や、その回転数、回転した軸回り角度、ロータ軸3の回転方向への位相等である。ロータ軸3の回転の情報を取得することにより、モータ部20のより高精度な制御が可能である。
ロータ軸3は、第2軸受部8が圧入される第2軸受圧入部3mと、センサ取付部材9が圧入されるセンサ圧入部3nとを備えている。そして、第2軸受圧入部3mにおける外径d5、及び、センサ圧入部3nにおける外径d6は、d5>d6が成立するようにロータ軸3の寸法が設定されている。d5>d6とすることにより、一端側と同じく、ロータ軸3に対する各部部品の組立性の向上、及び、ロータ軸3への傷つき等の損傷を防止することができる。なぜならば、第2軸受圧入部3mにおける外径d5よりも、センサ圧入部3nにおける外径d6が小さく設定されているから、その第2軸受部8の内輪8bが、センサ圧入部3nに触れにくいからである。また、第2軸受圧入部3mの軸方向距離が短く設定できるから、圧入時における内輪8bの軸方向への移動距離が短くなるからである。
なお、モータロータ21のロータコアは、ロータ軸3の外周に圧入固定されているが、
そのロータコアが圧入されている箇所、すなわち、ロータ軸3のロータコア圧入部3kの外径(直径)d7は、d7>d3、且つ、d7>d5であってもよい。そうした場合、軸受を圧入する際にロータ軸3に突き当て固定できるため、軸方向への位置決め精度の向上を図ることができ、また、間材19、29の部品を省略することも可能となる。
ここで、上記のようにロータ軸3を段付きにすることで、ロータコア圧入部3k、第1軸受圧入部3e、シール摺動部3c、係合部3d、第1軸受圧入部3m、センサ圧入部3nの各部の径を互いに異なる寸法に設定することができる。これにより、公差の設定の自由度が高まり(それぞれ別の公差を設定でき)、例えば、ロータコア圧入部やセンサ圧入部の公差を広く設定することがで、生産性を向上させることができる。また、モータロータ21のサイズに対して、第1軸受部7及び第2軸受部8のサイズを変更しやすいので、モータ部20の回転を安定させることができる。また、ロータ軸3が段付きとなることにより、軸の切削(旋削あるいは研削)加工時に、各々の箇所における同軸度誤差の発生が懸念される。しかし、この発明では、ロータ軸3の軸方向両端に位置決め用の芯出し部(センタ穴)3iを備えたことにより、そのセンタ穴基準で、ロータ軸3の軸部全域をワンチャックで(1回のチャッキングで)同時加工することができる。これにより、ロータ軸3の軸精度を高めることができる。なお、係合部3dの加工に関しては、センタ穴を基準とせずに、ロータコア圧入部3kを基準として加工してもよい。また、加工時間の短縮、及び、さらなる精度向上のため、総型ドレスで整形された砥石を使用して加工してもよい。なお、芯出し部3iの周囲には、円錐面状の座繰り3jが設けられているので、加工時における芯出しがより正確である。
他の実施形態を図5に示す。この実施形態は、ロータ軸3として、軸方向全長に亘って連続する中空部を有する中空シャフトを採用したものである。中空部は、ロータ軸3の外周面と同心の断面円形を成し、その軸方向両端はロータ軸3の端面に開口している。その軸方向両端の開口が芯出し部3iとなっている。中空シャフトの内部の穴を加工用のセンタ穴としたことで、部材の軽量化を図ることができる。また、センタ穴を加工する必要がなくなりコストの低減が可能である。
この実施形態では、第1軸受部7を、モータハウジング部2の内面とロータ軸3の外面との間に配置された転がり軸受としているが、これに代えて、又はこれに加えて、シール部30よりも軸方向一方側に滑り軸受を備える構成としてもよい。これにより、ロータ軸3は、滑り軸受によってハウジング2に対して回転自在に支持される。シール部30よりも軸方向一方側に滑り軸受を設けた場合、ロータ軸3の滑り軸受の挿入部における外径は、シール摺動部3cにおける外径d2と等しく設定することができる。このようにすれば、シール部30を圧入する際に、リップ38に付着したグリース等の潤滑材で、滑り軸受の部分の初期潤滑を行うことができる。また、滑り軸受を設けることで、ロータ軸3に付着した余分なグリース等の潤滑材を、シール部30を構成するボディの角部(シール部30の軸方向一方側の端部の内径寄りの裾)で止めることができる。これにより、ポンプ部10へのグリース等の潤滑材の混入を防止することができる。また、特に、運転初期の潤滑不良によるリップ38や、ロータ軸3の摩耗を抑制することができる。なお、上記の各実施形態の変形例として、例えば、モータロータ21のロータコアを、ロータ軸と一体に形成した態様を採用することができる。
上記の構成から成る電動ポンプ1を組み立てる際の手順について、その一例を説明する。まず、ロータ軸3、モータロータ21、モータステータ23等によってモータ本体を組み付ける。モータ本体の軸方向両側に突出したロータ軸3(第1回転軸部3a及び第2回転軸部3b)に対し、軸方向一端側の第1回転軸部3aに第1軸受部7を取り付け、軸方向他端側の第2回転軸部3bに第2軸受部8を取り付ける。ポンプ収容部12a内にポンプロータ11及びアウタギヤ13等を収容するとともに、モータ本体をモータ収容部22a内に挿し入れて、第1回転軸部3aを貫通穴4に通すとともに、ポンプロータ11の軸穴に第1回転軸部3aを圧入し、ポンプカバー14を取り付ける。また、ケースカバー27を、モータハウジング部22の端部に固定する。
上記の実施形態では、ポンプ部10として、トロコイド式のオイルポンプを採用したが、ポンプ部10は、他の容積式のオイルポンプ、あるいは、他の形式のオイルポンプとしてもよい。
1 電動ポンプ
2 ハウジング
3 ロータ軸
3c シール摺動部
3d 係合部
3e 第1軸受圧入部
3i 芯出し部
3m 第2軸受圧入部
3n センサ圧入部
7 第1軸受部
8 第2軸受部
10 ポンプ部
11 ポンプロータ
12 ポンプハウジング部
20 モータ部
21 モータロータ
22 モータハウジング部
23 モータステータ
30 シール部

Claims (5)

  1. ポンプロータ(11)と前記ポンプロータ(11)を収容するポンプハウジング部(12)とを有するポンプ部(10)と、モータロータ(21)とモータステータ(23)及び前記モータロータ(21)と前記モータステータ(23)とを収容するモータハウジング部(22)とを有するモータ部(20)と、を備えた電動ポンプにおいて、
    前記モータハウジング部(22)内には、前記モータロータ(21)から軸方向に突出するロータ軸(3)を回転自在に支持する転がり軸受からなる第1軸受部(7)と、前記ロータ軸(3)の外周において流体の移動を阻止するシール部(30)とを、前記ロータ軸(3)の軸方向に沿って前記モータ部(20)側から前記ポンプ部(10)側に向かって順に備え、
    前記ロータ軸(3)は、軸方向一端及び他端に設けられる芯出し部(3i)と、前記第1軸受部(7)が圧入される第1軸受圧入部(3e)と、前記シール部(30)が圧入されるシール摺動部(3c)と、軸方向一端に設けられ前記ポンプロータ(11)が取り付けられる非円形断面を有する係合部(3d)と、を備え、
    前記第1軸受圧入部(3e)における外径d3、前記シール摺動部(3c)における外径d2、及び、前記係合部(3d)における軸心を通る最大径d1との間に、
    d3>d2>d1が成立している電動ポンプ。
  2. 前記シール部(30)は、弾性素材から成り内径方向に突出するリップ(38)を備え、前記リップ(38)の内径d4は、
    d2>d4>d1に設定されている請求項1に記載の電動ポンプ。
  3. 前記モータハウジング部(22)内には、前記モータロータ(21)よりも軸方向他端側に設けられ前記ロータ軸(3)を回転自在に支持する第2軸受部(8)と、前記ロータ軸(3)の軸方向他端に設けられるセンサ取付部材(9)と、を備え、
    前記ロータ軸(3)は、前記第2軸受部(8)が圧入される第2軸受圧入部(3m)と、前記センサ取付部材(9)が圧入されるセンサ圧入部(3n)と、を備え、
    前記第2軸受圧入部(3m)における外径d5、及び、前記センサ圧入部(3n)における外径d6は、
    d5>d6が成立している電動ポンプ。
  4. 前記ロータ軸(3)は、全長に亘って内部に中空部を有する中空シャフトであり、前記中空部の軸方向両端への開口が前記芯出し部(3i)である請求項1から3のいずれか一つに記載の電動ポンプ。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載の電動ポンプに用いられる前記ロータ軸(3)の製造方法において、
    前記ロータ軸(3)の軸方向両端の前記芯出し部(3i)をチャッキングし、前記第1軸受圧入部(3e)、前記シール摺動部(3c)及び前記係合部(3d)を1回の前記チャッキングでもって全て切削加工を行うロータ軸の製造方法。
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