JP2022154624A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン2の排気通路10に設けられ、空燃比を検出するLAFS22と、LAFS22の検出値が目標空燃比となるようにエンジンの空燃比を制御するエンジンコントロールユニット30と、EGR通路17及びEGRバルブ18からなるEGR装置と、を備え、エンジンコントロールユニット30は、点火時期を変更する機能を有するとともに、EGR装置の作動あるいは点火時期の変更により排気中のNOxとCOの比率が変更された場合に目標空燃比を変更する第2補正部37を備えた。
【選択図】図1
Description
例えば特許文献1には、排気通路に設けられた排気浄化触媒の近傍に空燃比センサとO2センサ(酸素濃度検出手段)を備え、空燃比センサの検出値に基づいて空燃比をフィードバックするとともに、O2センサの検出値に基づいて空燃比フィードバック制御の制御中心を移動させることによって、空燃比フィードバック制御の精度を向上させている。
しかしながら、特許文献1にはEGR装置や点火時期変更装置等の作動により変更される排気中におけるNOxとCOとの比率を考慮してフィードバック制御の制御中心、すなわち目標空燃比を変更することは記載されていない。排気中におけるNOxとCOとの比率が変化すると、排ガス良化等を考慮した適切な空燃比が変化する。
好ましくは、前記目標値変更手段は、前記比率変更手段により窒素酸化物の比率が大きくなるほど、前記目標値をリッチ側へ変更するとよい。
好ましくは、前記比率変更手段は排気還流手段であり、前記目標値変更手段は、前記排気還流手段による排気の還流量が多くなるほど、前記目標値をリーン側へ変更するとよい。
好ましくは、前記比率変更手段は点火時期変更手段であり、前記目標値変更手段は、前記点火時期変更手段により点火時期が遅角されるほど、前記目標値をリッチ側へ変更するとよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る空燃比検出装置を適用したエンジン2(内燃機関)の給排気系の概略構成図である。
エンジン2は、走行駆動源として車両に搭載されている。
エンジン2は、多気筒のガソリンエンジンであって、図1では簡略して1つの気筒のみ記載している。エンジン2は、各気筒の吸気ポート4に設けられた燃料噴射弁3から、任意の噴射時期及び噴射量で各気筒の吸気ポート4内に燃料を噴射可能な構成となっている。
一方、エンジン2の排気通路10には、排気浄化装置として三元触媒12が備えられている。
三元触媒12は、理論空燃比において排気中のHC、COを酸化させるとともにNOxを還元し、これらの排気成分を排気中から除去する機能を有する。
更に、エンジン2には、三元触媒12の上流側の排気通路10と吸気通路5とを連通し、排気の一部を吸気通路5に還流するEGR通路17が備えられている。EGR通路17には、開度を変更することで排気還流量を制御するEGRバルブ18が備えられている。
なお、EGR通路17及びEGRバルブ18によって、エンジン2の排気の一部が吸気通路5に還流するEGR装置(排気還流装置)が構成され、当該EGR装置は本発明の排気還流手段(比率変更手段)に該当する。
エンジンコントロールユニット30は、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、タイマ及び中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成され、LAFS22、O2センサ23等の各種センサの検出情報と、その他車両のアクセル操作量等の車両運転情報を入力し、当該各種情報に基づいて、燃料噴射弁3からの燃料噴射量、 スロットルバルブ6の開度、点火プラグ16による点火時期、EGRバルブ18の開度を演算して、上記各種機器の作動制御を行うことで、エンジン2の運転制御を行う。
また、エンジンコントロールユニット30は、例えばノッキングを抑制するために点火プラグ16による点火時期を遅角させる機能を有しており、このような点火時期の変更制御が本発明の点火時期変更手段(比率変更手段)に該当する。
更に、本実施形態のエンジンコントロールユニット30は、上記フィードバック制御における目標空燃比を補正する目標空燃比補正部1を備えている。目標空燃比補正部1は、排気温度センサ24によって検出した排気温度に基づいてO2センサ23の温度を取得する温度取得部35と、O2センサ23の温度に基づいて目標空燃比を補正する第1補正部36と、を有する。
第1補正部36は、O2センサ23の出力値とO2センサ23の温度とに基づいて目標空燃比を補正する。なお、具体的には、図3に示すようなマップを用いて、O2センサ23の出力値とO2センサ23の温度(排気温度)とに基づいて、LAFS補正量(目標空燃比の補正量)を設定する。図3に示すように、O2センサ23の出力値が理論空燃比に近くなるほどLAFS補正量(目標空燃比の補正量)の絶対値を小さくし、O2センサ23の出力値がリッチになるほどあるいはリーンになるほどLAFS補正量の絶対値を大きくする。即ち、O2センサ23の出力値がリッチあるいはリーンになるほど、LAFS補正量の絶対値を大きくして、リッチとリーンとにおける目標空燃比を大きく変化させる。
このように補正することで、温度上昇によって出力値の変動範囲が狭くなるといったO2センサ23の特性に対応して目標空燃比を変化させることができる。したがって、この補正された目標空燃比を使用して、LAFS22の出力値に基く空燃比フィードバック制御を精度良く実行することができる。
EGR量小である場合に、NOxの排出量及びCOの排出量が低下する(所定の排出量以下となる)理論空燃比領域は図4中に示すaである。これに対し、EGR量を大にすると、NOx排出量が低下する。したがって、理論空燃比領域は図4中に示すbとなり、リーン側に拡大する。
図5は、点火時期を変更した場合での、三元触媒12における排気空燃比に対する各排気成分の浄化性能とO2センサの出力値を示すグラフである。図6は、点火時期と排気成分排出量との関係を示すグラフである。図5において、実線がLAFS22の出力値を示す。また、破線及び二点鎖線が一酸化炭素CO、一点鎖線がNOxの排出量を示す。破線は点火時期通常時、二点鎖線は点火時期遅角時を示す。また、図6において、一点鎖線がNOxの排出量、破線がCOの排出量を示す。
本実施形態では、第2補正部37は、EGR量に基づいた目標空燃比の補正量と、点火時期に基づいた目標空燃比の補正量とを足し合わせることで、最終的な目標空燃比の補正量を決定する。そして、第2補正部37で決定した補正量と第1補正部36で決定した補正量とにより、目標空燃比が補正される。
例えば、上記実施形態では、排気還流量及び点火時期の夫々に基づいて目標空燃比を補正したが、排気還流量及び点火時期のうち一方のみに基づいて目標空燃比を補正してもよい。
また、EGR制御及び点火時期制御以外に、エンジン2の排気中の窒素酸化物と一酸化炭素との比率を変更する装置を備えている場合には、当該装置の作動に基づいて目標空燃比を補正してもよい。この場合、目標空燃比が理論空燃比の場合は排気中のNOxの比率が大きくなるほど目標空燃比をリッチ側へ変更し、排気中のCOの比率が大きくなるほど目標空燃比をリーン側へ変更すればよい。また、目標空燃比を理論空燃比以外にする場合、例えば三元触媒やその他の触媒の状況に応じてNOx若しくはCOの排出量(触媒への供給量)を増やしたい場合は、排気中のNOxの比率が大きくなるほど目標空燃比をリーン側へ変更し、排気中のCOの比率が大きくなるほど目標空燃比をリッチ側へ変更してもよい。
また、車両の走行駆動用以外のエンジンについても、排気通路に空燃比検出手段を備え、空燃比検出手段の検出値に基づいて空燃比をフィードバック制御する内燃機関に対して広く適用することができる。
2 エンジン(内燃機関)
10 排気通路
17 EGR通路(排気還流手段、比率変更手段)
18 EGRバルブ(排気還流手段、比率変更手段)
22 LAFS(空燃比検出手段)
30 エンジンコントロールユニット(空燃比制御手段、点火時期変更手段、比率変更手段)
37 第2補正部(目標値変更手段)
Claims (4)
- 内燃機関の排気通路に設けられ、空燃比を検出する空燃比検出手段と、
前記空燃比検出手段の検出値が目標値となるように前記内燃機関の空燃比を制御する空燃比制御手段と、
排気中の窒素酸化物と一酸化炭素の比率を変更する比率変更手段と、
前記比率変更手段により排気中の窒素酸化物と一酸化炭素の比率が変更された場合、前記目標値を変更する目標値変更手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記目標値変更手段は、前記比率変更手段により窒素酸化物の比率が大きくなるほど、前記目標値をリッチ側へ変更する請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記比率変更手段は排気還流手段であり、
前記目標値変更手段は、前記排気還流手段による排気の還流量が多くなるほど、前記目標値をリーン側へ変更する請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記比率変更手段は点火時期変更手段であり、
前記目標値変更手段は、前記点火時期変更手段により点火時期が遅角されるほど、前記目標値をリッチ側へ変更する請求項1から3のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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