JP2022154292A - 鏡面加工体の梱包方法及びその鏡面加工体 - Google Patents

鏡面加工体の梱包方法及びその鏡面加工体 Download PDF

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Abstract

【課題】鏡面加工体の鏡面加工面に微小異物が付着することを抑制できる鏡面加工体の梱包方法及び鏡面加工体を提供すること。【解決手段】本発明の鏡面加工体の梱包方法は、樹脂フィルム上に鏡面加工体を載置し、該鏡面加工体上に樹脂フィルムの一部又は樹脂フィルムとは異なる樹脂フィルムを載置し、鏡面加工体の下側に位置する樹脂フィルムと、上側に位置する樹脂フィルムとの重なった部分の全周を内部の空気を脱気した状態で封止する。【選択図】図5

Description

本発明は、高清浄度が要求されるプラズマエッチャー用の電極板や半導体向けスパッタリングターゲット等の鏡面加工体が梱包された鏡面加工体の梱包方法及びその鏡面加工体に関する。
従来、プラズマエッチャー用の電極板が知られている。このような電極板は、鏡面加工がなされた鏡面(鏡面加工面)に異物が付着した状態で使用すると不具合が生じるため、予め使用する前に鏡面加工面を洗浄して異物を除去している。このような異物の付着を抑制するため、例えば、鏡面加工体を袋体内に真空状態で密封して搬送している。しかしながら、鏡面加工体を真空状態で密封した状態で搬送しても、依然として異物の発生を抑制できていないため、さらなる解決方法が模索されている。
例えば、技術分野が異なるものの、鏡面加工面を有する磁気ディスク用ガラス基板の梱包方法として、特許文献1及び特許文献2に記載の方法が知られている。
特許文献1の磁気ディスク用ガラス基板の製造方法では、1つ以上の磁気ディスク用ガラス基板をケースに収容し、ケースを梱包袋に収容し、梱包袋内を減圧速度0.1MPa/sec以下で減圧することによって脱気し、梱包袋を脱気した状態で該梱包袋の開口部を封止して密封している。
また、特許文献2の磁気ディスク用ガラス基板の梱包体では、磁気ディスク用ガラス基板を1つ以上収容するケースと、ケースを、脱気した状態で密封する金属ラミネートフィルム製の遮光性を有する第1の梱包袋と、第1の梱包袋をさらに外側から、脱気した状態で密封するプラスチックフィルム製の第2の梱包袋と、を備えている。
つまり、特許文献1及び2の構成では、磁気ディスク用ガラス基板を梱包袋に入れ、これを脱気した状態で密封することで、磁気ディスク用ガラス基板の梱包体を形成している。
特許第5234741号公報 特許第5377849号公報
上述した特許文献1や2に記載の方法は、梱包袋に鏡面加工体を入れた後に密封する構成であるので、梱包袋に挿入する際に鏡面表面に袋端部より発生した微小異物が付着し、目視で確認できるレベルで鏡面加工面に線上に跡が残る場合がある。このため、樹脂フィルム等からなる梱包袋に梱包するような簡易な梱包方法であっても鏡面加工体の鏡面加工面に微小異物が付着することを抑制できる鏡面加工体の梱包方法が望まれている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、鏡面加工体の鏡面加工面に微小異物が付着することを抑制できる鏡面加工体の梱包方法及びその鏡面加工体を提供することを目的とする。
本発明の鏡面加工体の梱包方法は、樹脂フィルム上に鏡面加工体を載置し、該鏡面加工体上に前記樹脂フィルムの一部又は前記樹脂フィルムとは異なる樹脂フィルムを載置し、前記鏡面加工体の下側に位置する樹脂フィルムと、上側に位置する樹脂フィルムとの重なった部分の全周を内部の空気を脱気した状態で封止する。
本発明では、樹脂フィルム上に位置する鏡面加工体の上にこの樹脂フィルムを折り返してその一部を配置し、折り返し部分を除く上側の樹脂フィルムと下側の樹脂フィルムとが重なっている部分の全周を接合する、又は上記鏡面加工体の上に異なる樹脂フィルムを配置し、上側の樹脂フィルムと下側の樹脂フィルムとが重なっている部分の全周を接合することで、鏡面加工体を袋状の樹脂フィルム内に収容した状態にすることができる。このため、袋状の樹脂フィルム内に鏡面加工体を収容する際に生じる微小異物が発生することがないので、鏡面加工体の鏡面加工面に微小異物を付着することを抑制できる。
本発明の鏡面加工体の梱包方法の好ましい態様としては、前記鏡面加工体が前記樹脂フィルムで封止された梱包体を袋体内に収容し、内部の空気を脱気した状態で前記袋体を封止するとよい。
上記態様では、鏡面加工体が袋体と樹脂フィルムとの2層構造で保護されるので、鏡面加工体をより確実に保護できる。
本発明の鏡面加工体は、少なくとも一方の面は、算術平均粗さRaが0.2μm以下の鏡面加工面からなり、暗室で前記鏡面加工面の照度が30000ルクス以上60000ルクス以下となるように光源を設置し、前記光源を用いて前記鏡面加工面の表面を観察したときに、外接円直径が1μm以上の微小異物が1つの前記鏡面加工面の全面あたり5個以下である。
本発明では、鏡面加工面の表面に外接円直径が1μm以上の微小異物の数が1つの鏡面加工面の全面当たり5個以下と少ないので、鏡面加工面の洗浄を容易にできる。なお、この外接円直径が1μm以上の微小異物は1つの鏡面加工面の全面あたり0個であることが好ましいのは言うまでもなく、鏡面加工体の両面が鏡面加工面である場合には、その両面に付着する微小異物がそれぞれ5個以下となる。また、上記暗室とは、光を完全に遮断することができる室内を意味し、その室内の照度は1ルクス以下、より好ましくは0ルクスに設定されている。
本発明によれば、簡易な方法で鏡面加工体の鏡面加工面に微小異物が付着することを抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る鏡面加工体の梱包体を示す平面図である。 上記第1実施形態の鏡面加工体を示す斜視図である。 上記第1実施形態の鏡面加工体の梱包方法における樹脂シート上に鏡面加工体を載置した状態を示す概略図である。 上記第1実施形態の鏡面加工体の梱包方法における樹脂シート上に載置された鏡面加工体上に他の樹脂シートを載置する状態を示す概略図である。 上記第1実施形態の鏡面加工体の梱包方法における鏡面加工体を挟んだ2枚の樹脂シートのうち、3辺を接合し、内部の空気を脱気する状態を示す概略図である。 本発明の第2実施形態に係る鏡面加工体の梱包体を示す平面図である。 上記第2実施形態に係る鏡面加工体の梱包方法における樹脂シートの右側半分に鏡面加工体を載置した状態を示す平面図である。 上記第2実施形態に係る鏡面加工体の梱包方法における樹脂シートを折り返して、2辺を接合し、内部の空気を脱気する状態を示す概略図である。 上記各実施形態の変形例に係る鏡面加工体の梱包方法を示す概略図である。 微小異物の検出条件を示すための図である。
以下、本発明の鏡面加工体の梱包方法及び鏡面加工体の各実施形態について図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
本実施形態の鏡面加工体10の梱包体30(以下、梱包体30という)は、図1に示すように、鏡面加工面11を有する鏡面加工体10が真空状態で樹脂フィルム製の袋体20に密封された梱包体である。この鏡面加工体10は、例えば、Si(シリコン)や金属間化合物、セラミックスにより形成されるプラズマエッチャー用の電極板であり、図2に示すように、円板状に形成されている。鏡面加工面11は、鏡面加工体10の表面側及び裏面側のそれぞれに形成されている。
例えば、鏡面加工体10は、直径が203mm~530mm、厚さが3mm~19mmとされ、鏡面加工面11の算術平均粗さRaが0.01~0.2μmとされている。この鏡面加工面11は、ポリッシュ機による研磨加工により形成される。
袋体20は、平面視で鏡面加工体10の鏡面加工面11よりも大きい面積を有する2枚の樹脂フィルム21,22が重ねられた状態(図4参照)で、その外周縁がシール部29によりシールされることにより袋状とされている。この袋体20は、図1に示すように、平面視で鏡面加工体10の鏡面加工面11よりも大きく形成され、内部に鏡面加工体10を収容した状態で密封している。このような袋体20を構成する樹脂フィルム21,22は、例えば、ポリエチレン等により構成される。この場合、酸化防止剤や滑剤等の添加剤を含まない無添加タイプの樹脂を用いるのが好ましい。また、袋体20を構成する樹脂フィルム21,22は、インフレーション成形等によってフィルム状に成形される。
例えば、袋体20は、その平面サイズが100mm~700mm×150mm~800mm、厚さが70μm~130μmとされている。また、全周を囲むように形成されたシール部29は、各辺の縁部から70mm~90mmの位置に形成され、その幅は10mm~15mmとされている。
[鏡面加工体の梱包方法]
ここで、従来の鏡面加工体の梱包方法としては、重ねられた2枚の樹脂フィルムの3辺の外周縁がシールされた袋体を開口させ、該開口から鏡面加工体を収納し、真空梱包装置によって袋体内の空気を真空引きして、袋体を封止して密封状態にするのが一般的な方法である。この場合、鏡面加工体のエッジが袋体の内面に接触すると、袋体に由来する微小異物が付着する可能性があるため、できるだけ袋体の内面に接触することがないように袋体内に収納する必要があり、煩雑である。また、多数の鏡面加工体を袋体に収納する際に、すべての鏡面加工体のエッジが袋体に接触しないようにすることは不可能であり、必然的に鏡面加工体に微小異物が付着する。このため、本実施形態では、鏡面加工体を袋体に収納する工程が生じないように鏡面加工体の梱包体を形成している。
本実施形態では、鏡面加工体10の梱包体30は、樹脂フィルム21上に鏡面加工体10を載置し、この鏡面加工体10上に樹脂フィルム21とは異なる樹脂フィルム22を載置し、鏡面加工体10の下側に位置する樹脂フィルム21と、上側に位置する樹脂フィルム22との重なった部分の全周を内部の空気を脱気した状態で封止することにより梱包する。以下、具体的に説明する。
まず、図3に示すように、樹脂フィルム21の中央に鏡面加工体10を載置する。次に、図4に示すように、鏡面加工体10上に樹脂フィルム22を載置する。これら樹脂フィルム21,22のそれぞれは平面視矩形状で同じ大きさとされている。そして、図5に示すように、重ねられた樹脂フィルム21,22の全周の一部(この場合、3辺の外周縁)を加熱したヒーター棒を押し当て溶着する等してシールする。このシールにより、樹脂フィルム21にコの字状(略U字状)のシール部29が形成され、2枚の樹脂フィルム21,22が袋状(袋体20)に構成される。そして、袋状とされた2枚の樹脂フィルム21,22においてシールがされていない一辺側の開口に真空引き装置40のパイプを挿入し、袋体20内の空気を真空引きして、袋体20の上記一辺側の部位をシールして封止する。これにより、鏡面加工体10が袋体20により梱包され、図1に示す鏡面加工体10の梱包体30となる。
そして、梱包体30を開封する時には、このようにして梱包された鏡面加工体10の梱包体30の袋体20の三辺をシール部29ごと一辺ずつ切り落とし、鏡面加工体10の上側に位置する樹脂フィルム22が鏡面加工体10のエッジに接触しないように樹脂フィルム22を取り外して(剥がして)、鏡面加工体10を袋体20から取り出す。袋体20から取り出した鏡面加工体10は、微小異物の付着が少ないものとなる。
具体的には、上記方法で梱包されて取り出した鏡面加工体10は、暗室で鏡面加工面11が30000ルクス以上60000ルクス以下となるように光源を設置し、鏡面加工面11の表面を観察したときに、外接円直径が1μm以上の微小異物が1つの鏡面加工面の全面あたり5個以下となる。この微小異物の外接円直径が1μm以上の微小異物は、1つの鏡面加工面の全面あたり0個であることが好ましい。また、本実施形態では、鏡面加工体10の両面が鏡面加工面11とされているので、鏡面加工体10の両鏡面加工面11のそれぞれに付着した上記サイズの微小異物が5個以下となる。なお、上記暗室とは、光を完全に遮断することができる室内を意味し、その室内照度は1ルクス以下、より好ましくは0ルクスに設定されている。なお、1つの鏡面加工面11は、鏡面加工体10の表面側に形成された加工面、又は鏡面加工体10の裏面側に形成された加工面を含む。
このように、本実施形態の鏡面加工体10は、鏡面加工面11において30000ルクス以上60000ルクス以下の照度とした状態で鏡面加工面11の表面を目視観察したときに、外接円直径が1μm以上の微小異物が1つの鏡面加工面11の全面あたり5個以下である。例えば、鏡面加工面11の直径が200mmの場合、上記微小異物が31400mmあたり5個以下であり、鏡面加工面11の直径が320mmの場合、上記微小異物が80384mmあたり5個以下であり、鏡面加工面11の直径が380mmの場合、上記微小異物が113354mmあたり5個以下となる。これらのことから、1つの鏡面加工面11の面積が31400mm以上である場合、外接円直径が1μm以上の微小異物が31400mmあたり5個以下となる。
上述した鏡面加工面11の微小異物の測定は、図10に示すように、鏡面加工面11の中心を通る垂線に対する角度光源の照射角度をαとし、鏡面加工面11の面上の中心周りの角度をβとし、鏡面加工面11と光源との距離をγとしたときに、少なくともα、β、γの値を変更して設定した複数の観察範囲について実行する。具体的には、鏡面加工面11における照度が30000ルクス以上60000ルクス以下となるように光源を配置し、暗室で300ルーメンのLED電灯(光源)から鏡面加工面までの距離γを1,3,5cmで、図10の角度において角度αは30°,45°,80°、角度βを0°,60°,120°,180°,240°,320°の範囲でそれぞれ測定する。つまり、角度αが3通り、角度βが6通り、LED電灯の距離γが3通りあるため、全54通り(表裏合わせると108通り)の条件で微小異物を測定する。
本実施形態の鏡面加工体10の梱包方法では、樹脂フィルム21上に位置する鏡面加工体10の上に樹脂フィルム21とは異なる樹脂フィルム22を配置し、上側の樹脂フィルム22と、下側の樹脂フィルム21とが重なっている部分の全周を接合し、シール部29とすることで、鏡面加工体10を袋状の樹脂フィルム21,22(袋体20)内に収容した状態にすることができる。このため、袋状の樹脂フィルム内に鏡面加工体10を収容する際に生じる微小異物が発生することがないので、鏡面加工体10の鏡面加工面11に微小異物を付着することを抑制できる。
例えば、鏡面加工体10がプラズマエッチャーの電極板やスパッタリングターゲットである場合には、これらを袋から出して、真空チャンバー内に設置し、真空排気ののちに、鏡面加工体10に電圧を印加してプラズマを発生させることが一般的である。この際、鏡面加工面11に微小異物が付着していると、この微小異物を起点として、異常放電が発生し、プラズマエッチャーでは処理基板に、スパッタリングターゲットでは成膜基板に、それぞれ異物が飛散する。これに対し、本実施形態では、鏡面加工体10の鏡面加工面11に微小異物が付着することを抑制できるので、後工程における微小異物を起点とする異常放電を抑制して、処理基板や成膜基板に異物が飛散することを抑制できる。
また、鏡面加工面11の表面に外接円直径が1μm以上の微小異物の数が1つの鏡面加工面の全面あたり5個以下と少ないので、鏡面加工面11の洗浄を容易にできる。特に、両鏡面加工面11に微小異物が付着していない場合(いずれの鏡面加工面11に付着した微小異物の数が0個の場合)には、鏡面加工体を洗浄する必要がなく、後工程をさらに容易にできる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る鏡面加工体の梱包方法について図面を用いて説明する。なお、以下の説明では、第1実施形態と同一又は略同じ構成については同じ番号を付し、説明を省略又は簡略化して説明する。
本実施形態の鏡面加工体10の梱包体30A(以下、梱包体30Aという)は、図6に示すように、鏡面加工面11を有する鏡面加工体10が真空状態で袋体20Aに密封された梱包体であり、袋体20Aが1枚の樹脂フィルムからなる点、及び鏡面加工体10の梱包方法が上記第1実施形態と異なる。
袋体20Aは、図6に示すように、平面視で鏡面加工体10よりも大きく形成され、1枚の樹脂フィルム23を一度折り返して三辺がシール部29Aにより封止された形状である。この袋体20Aを構成する樹脂フィルム23は、第1実施形態と同様にポリエチレン等により形成されている。この袋体20Aは、例えば、その平面サイズが100mm~700mm×150mm~800mm、厚さが70μm~130μmとされている。つまり、袋体20Aを構成する樹脂フィルム23の平面サイズは、横方向の長さが上記袋体20Aの横方向の長さの2倍に設定されている。
[鏡面加工体の梱包方法]
鏡面加工体10の梱包体30Aは、樹脂フィルム23上に鏡面加工体10を載置し、この鏡面加工体10上に樹脂フィルム23の一部を載置し、鏡面加工体10の下側に位置する樹脂フィルム23と、上側に位置する樹脂フィルム23との一部の重なった部分の全周を内部の空気を脱気した状態で封止することにより梱包する。以下、具体的に説明する。
まず、図7に示すように、樹脂フィルム21の右側の領域(中心線L1の右側の領域)に鏡面加工体10を載置する。次に、図8に示すように、中心線L1で樹脂フィルム21を折り返して鏡面加工体10上に樹脂フィルム23の一部を載置する。そして、図8に示すように、重ねられた樹脂フィルム23の全周の一部(この場合、2辺(図8の上側及び下側))の外周縁を加熱したヒーター棒を押し当て溶着する等してシールする。このシールにより、樹脂フィルム23にシール部29Aが形成され、樹脂フィルム23が袋状(袋体20A)に構成される。そして、袋状とされた樹脂フィルム23においてシールがされていない一辺側の開口に真空引き装置40のパイプを挿入し、袋体20A内の空気を真空引きして、袋体20Aの上記一辺側の部位をシールして封止する。これにより、鏡面加工体10が袋体20Aにより梱包され、図6に示す鏡面加工体10の梱包体30Aとなる。
梱包体30Aの開封時には、このようにして梱包された鏡面加工体10の梱包体30Aの袋体20Aの三辺を、シール部29Aごと切り落とし、鏡面加工体10の上側に位置する樹脂フィルム23の一部を捲って鏡面加工体10を袋体20Aから取り出す。取り出した鏡面加工体10は、上記第1実施形態と同様に、微小異物の付着が少ないものとなる。
このように本実施形態では、樹脂フィルム23上に位置する鏡面加工体10の上にこの樹脂フィルム23を折り返してその一部を配置し、折り返し部分を除く上側の樹脂フィルム23と、下側の樹脂フィルム23とが重なっている部分の全周を接合することで、鏡面加工体10を袋状の樹脂フィルム23内に収容した状態にすることができる。このため、袋状の樹脂フィルム内に鏡面加工体を収容する際に生じる微小異物が発生することがないので、鏡面加工体の鏡面加工面に微小異物を付着することを抑制できる。
なお、本発明は上記各実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記各実施形態では、樹脂フィルムにより鏡面加工体10を梱包する例を示したが、これに限らず、図9に示すように、鏡面加工体10の梱包体30をさらに袋体50に収容し、密封する構成としてもよい。この場合、鏡面加工体10は、樹脂フィルムにより封止されているため、袋体50はあらかじめ三辺が閉じられた袋状であってもよい。このように鏡面加工体10の梱包体30をさらに袋体50に収容し、内部の空気を脱気した状態で袋体50を封止する場合、鏡面加工体10が袋体50と樹脂フィルムとの2層構造で保護されるので、鏡面加工体10をより確実に保護できる。
上記各実施形態では、袋体20,20A及びこれらを構成する樹脂フィルムは、平面視矩形状であることとしたが、これに限らず、例えば、平面視円形状であってもよい。
上記第2実施形態では、1枚の樹脂フィルム23を折り返す構成としたが、これに限らず、第1実施形態の樹脂フィルム21,22を重ねて一辺側のみをシールし、上側の樹脂フィルム22を捲った状態で鏡面加工体20を樹脂フィルム21上に配置するようにしてもよい。この場合においても、第1及び第2実施形態と同じ効果を奏することができる。
上記実施形態では、鏡面加工体10の上面及び下面の全面が鏡面加工面11であることとしたが、これに限らず、例えば、鏡面加工体の上面及び下面のいずれかのみが鏡面加工面とされていてもよい。また、鏡面加工体の一方の面に、その外周縁部の厚さを薄くするように段差が形成されている場合、鏡面加工面はその段差の内側領域にのみ形成される。つまり、鏡面加工体の一方の面の面積と鏡面加工面の面積とは必ずしも一致するものではない。
実施例1~3及び比較例の試料(鏡面加工体)として、直径:380mm、厚さ:10mmのシリコン円板(Si電極板)を用意し、実施例4の試料(鏡面加工体)として、直径380mm、厚さ10mm、穴径0.5mmのシリコンリング(Siリング)を用意し、実施例5の試料(鏡面加工体)として、直径200mm、厚さ6mmのシリコンターゲット(Siターゲット)を用意した。これら実施例1、2、4及び5については、シリコン板、シリコンリング及びシリコンターゲットをパターン1の方法により密封し、実施例3については、パターン2の方法により密封し、比較例については従来の方法により密封した。
(鏡面加工体の密封方法)
パターン1の密封方法は、見開き1辺シール済みのラミネートフィルム(住化積水フィルム株式会社製:サーモクリーン)450mm×400mmを用意し、開いているラミネートフィルムの上に試料(鏡面加工体)を置き、開いているラミネートフィルムを製品の上から被せて閉じる。そして、未シールの2辺をシールし、脱気圧1000Paで脱気しながら最後の1辺をシールする。つまり、パターン1の方法は上記第2実施形態の方法と同じ方法である。最後に、3方向シールされているラミネート袋に入れて、脱気圧1000Paで脱気しながら最後の1辺をシールする。
パターン2の密封方法は、1辺もシールしていない2枚のラミネートフィルム(住化積水フィルム株式会社製:サーモクリーン)450mm×400mを用意し、一方のラミネートフィルムの上に試料を置き、別のラミネートフィルムを試料の上から被せる。そして、未シールの3辺をシールし、脱気圧1000Paで脱気しながら最後の1辺をシールする。つまり、パターン2の方法は、上記第1実施形態の方法と同じ方法である。最後に、3方向シールされているラミネート袋に入れて、脱気圧1000Paで脱気しながら最後の1辺をシールする。
従来の密封方法は、3辺シール済みのラミネートフィルム(住化積水フィルム株式会社製:サーモクリーン)450mm×400mm(袋体)を用意し、袋体の中に試料(鏡面加工体)を入れる。そして、脱気圧1000Paで脱気しながら最後の1辺(袋体の開口)をシールする。最後に、3方向シールされているラミネート袋に入れて、脱気圧1000Paで脱気しながら最後の1辺をシールする。
微小異物の確認タイミングは、試料の密封前と、密封後(3辺をシール部ごとカットし試料にラミネートフィルムの端部が付かないように開封した後)との2回とした。微小異物の確認は、まず、試料(鏡面加工体)を観察台に置き、試料面(鏡面加工面)における照度が30000ルクス以上60000ルクス以下となるように、試料の異物観察箇所に対して光源を10mm上方に離して設置し、45°の傾斜から目視で観察した。この光源は、300ルーメンのLED電灯を用いた。また、この目視での観察とともに、試料の鏡面加工面(両面又は片面)を以下の方法で観察し、微小異物の発生数を測定し、評価を行った。
(微小異物の発生評価方法)
外接円直径が1μm以上の微小異物の測定は、鏡面加工面11における照度が30000ルクス以上60000ルクス以下となるようにLED電灯を配置し、照度が1ルクスの暗室で300ルーメンのLED電灯から鏡面加工面11までの距離γを1,3,5cmで、図10の角度において角度αは30°,45°,80 °、角度βを0°,60°,120°,180°,240°,320°の範囲でそれぞれ測定した。つまり、LED電灯の距離γが3通り、角度αが3通り、角度βが6通りあるため、全54通り(表裏が鏡面加工面である場合には表裏合わせると108通り)の条件で微小異物の発生数を測定した。その測定において、外接円直径が1μm以上の微小異物は目視によって観察した。また、微小異物の外接円直径は、予め設定した傷スケール(最小傷面積0.03mm=0.001mmとして換算したスケール)を用い、この傷スケールとの比較によって測定した。なお、以下の評価で微小異物が検出された箇所は、上記距離γ、角度α,βのそれぞれを変更した54通り(108通り)の全てで検出された微小異物が発生した箇所の合計値である。
評価基準は、微小異物が見つからなかった場合を「無し」、100個未満の場合は見つかった個数を表記し、100個以上の場合は、「有り 100個以上」と記載した。この結果を表2に示す。
Figure 2022154292000002
Figure 2022154292000003
表2に示すように、実施例1、3~5では、鏡面加工面に1μm以上の異物が見つからなかった。また、実施例2では、密封前及び密封開封後のいずれの場合においても1μm以上の微小異物の数が表面で5個、裏面で4個と極少量見つかった。これは、静電気を除去するイオナイザーを用いていないことにより、鏡面加工面に静電気によって引き寄せられるパーティクルを除去しきれなかったことが原因と考えられる。つまり、樹脂フィルム上に鏡面加工体を載置し、該鏡面加工体上に樹脂フィルムの一部又は樹脂フィルムとは異なる樹脂フィルムを載置し、鏡面加工体の下側に位置する樹脂フィルムと、上側に位置する樹脂フィルムとの重なった部分の全周を内部の空気を脱気した状態で封止するパターン1又は2の方法により梱包した実施例1~5においては、鏡面加工面に付着する微小異物の数を極めて少なくできることがわかった。なお、実施例5では、裏面はバッキングプレートにボンディングされる面であることから観察不要とした。
一方、比較例では、鏡面加工体(シリコン板)を袋体に収容する方法で梱包しているので、収容時にシリコン板のエッジが接触して微小異物が多数付着することがわかった。
10 鏡面加工体
11 鏡面加工面
20,20A 袋体
21,22,23 樹脂フィルム
29,29A シール部
30,30A 鏡面加工体の梱包体
40 真空引き装置
50 袋体

Claims (3)

  1. 樹脂フィルム上に鏡面加工体を載置し、該鏡面加工体上に前記樹脂フィルムの一部又は前記樹脂フィルムとは異なる樹脂フィルムを載置し、前記鏡面加工体の下側に位置する樹脂フィルムと、上側に位置する樹脂フィルムとの重なった部分の全周を内部の空気を脱気した状態で封止することを特徴とする鏡面加工体の梱包方法。
  2. 前記鏡面加工体が前記樹脂フィルムで封止された梱包体を袋体内に収容し、内部の空気を脱気した状態で前記袋体を封止することを特徴とする請求項1に記載の鏡面加工体の梱包方法。
  3. 少なくとも一方の面は、算術平均粗さRaが0.2μm以下の鏡面加工面からなり、暗室で前記鏡面加工面の照度が30000ルクス以上60000ルクス以下となるように光源を設置し、前記光源を用いて前記鏡面加工面の表面を観察したときに、外接円直径が1μm以上の微小異物が1つの前記鏡面加工面の全面あたり5個以下であることを特徴とする鏡面加工体。
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