JP2022153977A - 発泡成形体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】インサートフィルムを用いるポリカーボネート樹脂組成物(A)の射出発泡成形に当たり、発泡成形による軽量化効果、断熱効果に対する影響の少ない薄いインサートフィルムを用いた上で発泡成形部とインサートフィルムにより形成される表面層との密着性の高い発泡成形体を製造する。【解決手段】インサートフィルムとして、密着面がポリカーボネート樹脂組成物(B)よりなる厚さ50~150μmのフィルムを用い、ポリカーボネート樹脂組成物(A)の射出発泡成形温度を(300+a)℃(但し、aは-20~40の数)とし、かつ、インサートフィルムの表面温度を(90-a)℃以上で、ポリカーボネート樹脂組成物(B)のガラス転移温度(Tg)以下の所定温度として射出発泡成形する。【選択図】図1

Description

本発明は、インサートフィルムが装填された金型内で、ポリカーボネート樹脂組成物を射出発泡成形することにより、発泡成形部にインサートフィルムの表面層が形成された発泡成形体を製造する方法に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、機械的物性、電気的特性に優れた樹脂であり、例えば自動車材料、電気・電子機器材料、住宅材料、その他の工業分野における部品製造用材料等に幅広く利用されている。特にコンピューター、ノートブック型パソコン、各種携帯端末、プリンター、複写機等の電気・電子機器やOA・情報機器等の部品等として好適に使用されている。
近年、これらの機器は小型化や軽量化が急速に進展しており、使用する樹脂量を減らして軽量化するために、発泡成形する方法が採用されつつある。
発泡成形法としては、化学発泡剤や物理発泡剤を用いて製造する方法があるが、化学発泡法は、発泡剤を用いるためコストが高く、また発泡体中に残存する発泡剤の分解残留物による発泡体の変色や臭気の発生、化学発泡剤による成形機の汚れ等の問題がある。
一方、物理発泡剤によるガス発泡法は、成形機で樹脂を溶融しブタン等の低沸点有機化合物を供給し混練した後、低圧域に放出することにより発泡成形する方法であり、この方法に用いられる低沸点有機化合物は、樹脂に対して親和性があるため溶解性に優れ高倍率の発泡体を得ることができる。しかし、これらの発泡剤はコストが高い上に、低沸点有機化合物は可燃性等の危険性を有している。
このような問題点を解決する為に、物理発泡剤の中でもクリーンでコストがかからない窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスを発泡剤とする方法が提案されている。しかしながら、これら不活性ガスはそのままでは樹脂との親和性が低いので溶解性に乏しく、得られる発泡体は、気泡径が大きく不均一で、セル密度が小さいため、外観、機械的強度等に問題がある。
特許文献1には、発泡剤として超臨界流体を用い、これを樹脂に含浸させることにより、極めて微細なセル径と大きなセル密度を有する発泡体を得る技術が記載されている。超臨界流体を発泡剤として用いる発泡成形方法は、MuCell(登録商標)とも称される微細発泡成形技術であり、超臨界流体を高圧下で溶融樹脂に溶解したものを成形機に供し、急激な減圧により微細な発泡セルを有する成形品を得る成形技術である。
このような超臨界発泡成形によれば、超臨界流体は、液体に近い優れた溶解性と気体に近い優れた拡散性を有するため樹脂への溶解性が高く、また樹脂中での拡散速度も大きいことから、短時間で発泡剤を樹脂中に含浸させることが可能となる。
ところで、射出発泡成形ではスワールマークと呼ばれる筋状の外観不良が生じる。これは溶融樹脂の流動末端で発生した気泡が破裂し、成形品表面で引き伸ばされてできた痕であり、射出発泡成形では気泡が無数に発生するため、成形品の表面全体に筋ができる。
この問題に対して、表面を平滑にし、外観を良くするために、特許文献2,3に記載されるように、フィルムインサート成形などで表面に加飾層を設けて外観を改善する方法が提案されている。この方法では、インサートされたフィルムによる表面層が形成された発泡成形体が得られる。
しかし、この場合には、表面のフィルム層の存在により無発泡層が厚くなり、薄い成形品や発泡層の軽量化率が大きいものでは、無発泡層の割合が重量、体積共に大きくなり、軽量化効果、断熱効果が小さい成形品になってしまう。
特に、厚みの厚いフィルムをインサートすると、成形品全体に対するフィルムの割合が大きくなり、軽量化効果、断熱効果が大きく損なわれる。
インサートするフィルムの厚さを薄く、例えば150μm以下とすることで、成形品全体に占めるフィルムの割合を小さくして軽量化効果、断熱効果の低減を抑制することができると考えられる。
しかしながら、本発明者の検討により、薄いフィルムを用いると、本体の発泡成形部と同じ樹脂系のインサートフィルムであっても、発泡成形部とのインサートフィルムとの密着性が乏しく、フィルム表面層が剥離し易いという新たな問題が起こることが判明した。
米国特許第5158986号公報 特表2004-523375号公報 特開2004-98459号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、インサートフィルムを用いるポリカーボネート樹脂組成物の射出発泡成形に当たり、発泡成形による軽量化効果、断熱効果に対する影響の少ない薄いインサートフィルムを用いた場合において、発泡成形部とインサートフィルムにより形成される表面層との密着性の高い発泡成形体を得ることができる発泡成形体の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく種々検討した結果、射出発泡成形時のインサートフィルムの表面温度を特定の条件とすることで、密着性を高めることができることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] インサートフィルムが装填された金型内で、溶融したポリカーボネート樹脂組成物(A)を射出発泡成形することにより、発泡成形部と該インサートフィルムよりなる表面層とが一体成形された発泡成形体を製造する方法において、該インサートフィルムとして、密着面がポリカーボネート樹脂組成物(B)よりなる厚さ50~150μmのフィルムを用い、該ポリカーボネート樹脂組成物(A)の射出発泡成形温度を(300+a)℃(但し、aは-20~40の数)とし、かつ、該インサートフィルムの表面温度を(90-a)℃以上で、該ポリカーボネート樹脂組成物(B)のガラス転移温度(Tg)以下の所定温度として射出発泡成形することを特徴とする発泡成形体の製造方法。
[2] 揮発性発泡剤、無機発泡剤、又は分解型発泡剤を用いて射出発泡成形することを特徴とする[1]に記載の発泡成形体の製造方法。
[3] 前記無機発泡剤として、超臨界状態又は亜臨界状態の窒素、二酸化炭素又はこれらの混合物を用いて超臨界又は亜臨界射出発泡成形を行うことを特徴とする[2]に記載の発泡成形体の製造方法。
[4] 前記インサートフィルムを、前記金型面に接するように装填することを特徴とする[1]ないし[3]のいずれか1項に記載の発泡成形体の製造方法。
本発明によれば、インサートフィルムを用いるポリカーボネート樹脂組成物の射出発泡成形に当たり、ポリカーボネート樹脂組成物の射出発泡成形温度に対して、インサートフィルムの表面温度が特定の条件を満たすように温度制御することにより、発泡成形による軽量化効果、断熱効果に対する影響の少ない薄いインサートフィルムを用いた上で、発泡成形部とインサートフィルムにより形成される表面層との密着性の高い発泡成形体を得ることができる。
本発明の発泡成形体の製造方法の実施の形態の一例を示す模式的な断面図である。
以下に本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の発泡成形体の製造方法は、インサートフィルム(B)が装填された金型内で、溶融したポリカーボネート樹脂組成物(A)を射出発泡成形することにより、発泡成形部と該インサートフィルムよりなる表面層とが一体成形された発泡成形体を製造する方法において、該インサートフィルムとして、ポリカーボネート樹脂組成物(B)よりなる厚さ50~150μmのフィルムを用い、該ポリカーボネート樹脂(A)の射出発泡成形温度を(300+a)℃(但し、aは-20~40の数)とし、かつ、該インサートフィルムの表面温度を(90-a)℃以上で、該ポリカーボネート樹脂組成物(B)のガラス転移温度(Tg)以下の所定温度として射出発泡成形することを特徴とする。
具体的には、図1(a),(b)に示す通り、金型1A,1Bの一方(図1(a)では金型1A)の金型面に、ポリカーボネート樹脂組成物(B)よりなる、厚さ50~150μmのインサートフィルム2を装填し、その後型締めして、ポリカーボネート樹脂組成物(A)の溶融樹脂3を金型1A,1Bのキャビティ内に射出発泡成形する。これにより、図1(b)のように、インサートフィルムによる表面層2Aとポリカーボネート樹脂層(A)の発泡成形部3Aとが積層一体化された発泡成形体10を得る。図1(b)中の3aは、発泡成形部3Aの両表層に形成されたスキン層(射出発泡成形において、金型近傍に形成される非発泡層)である。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂組成物(A),(B)の組成等については後述する。
本発明では、このような射出発泡成形において、ポリカーボネート樹脂組成物(A)の射出発泡成形温度を(300+a)℃(但し、aは-20~40の数)とし、かつ、インサートフィルムの表面温度を(90-a)℃以上であって、ポリカーボネート樹脂組成物(B)のTg以下の所定温度として射出発泡成形する。
[射出発泡成形条件]
ポリカーボネート樹脂組成物(A)の射出発泡成形温度(ここで、射出発泡成形温度とは、射出発泡成形時に射出成形機のシリンダーから射出される溶融樹脂の温度である。)が340℃を超えると(即ち、aが40を超え、300+aが340を超える)、ポリカーボネート樹脂組成物(A)中のポリカーボネート樹脂等の樹脂成分が劣化することで、形成される発泡成形部に黄変等の問題が生じ、高品質の発泡成形体を得ることができない。
射出発泡成形温度が280℃より低いと(即ち、aが-20未満で、300+aが280未満)、インサートフィルムによる表面層の密着性に優れた発泡成形体を得ることができない。従って、射出発泡成形温度は(300+a)℃(但し、aは-20~40の数)、即ち、340~280℃、好ましくは330~290℃とする。
また、射出発泡成形時の金型内のインサートフィルムの表面温度が低すぎると、このインサートフィルムによる表面層の密着性に優れた発泡成形体を得ることができず、Tgを超える高温では金型装填時は変形しやすくなり、損傷の恐れがある。また、製品もTg以上となり、製品が変形しやすくなり、取り出すことができなくなる。
このため、射出発泡成形時のインサートフィルムの表面温度は、(90-a)℃以上で、ポリカーボネート樹脂組成物(B)のTg以下の所定温度とする。
インサートフィルムの表面温度を上記所定温度に調節する方法として、
1.射出成形中の射出保圧時に金型を加熱し、金型からの加熱により、インサートフィルムの表面温度を調節する方法
2.インサートフィルムを金型を介さずに直接加熱する方法
等が挙げられ、上記1及び2のいずれか一方又は双方の方法を採用することができる。
上記1の方法として具体的には、金型温度が120℃を超える場合は製品が変形しやすく、取り出すことが困難になるため、実施するためには射出保圧工程時に瞬間的に金型温度を上昇させ冷却工程は瞬時に冷却温度に戻す方法がある。加熱や冷却手段としては、熱媒と冷媒を切り替える方法やインサートフィルムの装着部分の金型を直接温める方法などがある。
熱媒と冷媒を瞬時に切り替える方法としては、加圧した熱水と冷水、蒸気と冷水、加熱オイルと冷却オイルを切り替える方式などがあり、インサートフィルムの装着部分の金型を直接温める方法としては、金型のインサートフィルムが接する部分を高周波誘導加熱する方法や、金型に埋め込んだヒータで加熱する方法、金型表面に導電層を設け、この導電層に通電することにより加熱する方法などがある。
上記2の方法としては、金型が開いている間に赤外線などの輻射熱や熱風でインサートフィルムを加熱する方法、加熱されたローラーなどでインサートフィルムを温める方法等がある。
なお、射出発泡成形時のインサートフィルムの表面温度は、金型内に挿入した温度センサ等により確認することができる。
本発明において、射出発泡成形の方式には特に制限はなく、例えば、以下のような方法を採用することができる。
射出成形機内で溶融状態の樹脂に、発泡剤を混合又は溶解し、インサートフィルムをインサートした金型内に射出成形する際に樹脂を発泡させつつ金型内に充填する方法で(1)キャビティ容量よりも少量の樹脂を射出し、射出時の減圧により気泡を発生させ、気泡の拡大によってキャビティ内を充填させるショートショット法;キャビティ容量が可変である金型を用い、(2)キャビティ容量と同量の樹脂を射出し、充填後にキャビティ容積を拡大することにより気泡を発生、拡大させ発泡成形体を得る、コアバック法などの方法を採用することができる。
使用する発泡剤としては、揮発性の発泡剤、無機系の発泡剤、分解型発泡剤のいずれも使用できる。揮発性発泡剤としては、n-ブタン、i-ブタン、n-ペンタン、i-ペンタン、ヘキサン等の低級脂肪族炭化水素化合物;シクロブタン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素化合物;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素化合物;メタノール、エタノール等の低級脂肪族1価アルコール化合物;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン化合物;クロロメチル、クロロエチル、1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン等の低沸点ハロゲン化炭化水素化合物等が挙げられる。無機発泡剤としては、ガス状、超臨界状態、亜臨界状態のいずれかの状態にある窒素や二酸化炭素;水等を挙げることができる。
分解型発泡剤としては、バリウムアゾカルボキシレート、アゾジカルボンアミド等のアゾ化合物、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾカルボンアミド等のヒドラジン化合物、重炭酸ナトリウム等の重炭酸塩等が挙げられる。
これらの中で、超臨界状態又は亜臨界状態の窒素、二酸化炭素又はこれらの混合物が好ましい。
発泡剤は、単独で使用しても2種以上併用して使用してもよい。
発泡剤の使用量は発泡剤の種類や所望の発泡倍率により適宜定めることができるが、好ましくはポリカーボネート樹脂100質量部に対し、発泡剤0.1~20質量部である。
本発明における射出発泡成形法としては、特に生産効率の観点で超臨界射出発泡成形が好ましい。
超臨界流体に使用する気体は窒素ガス又は二酸化炭素ガスが好ましい。
超臨界射出発泡成形としては、先述のショートショット法、コアバック法等が用いられる。いずれも樹脂の計量時に超臨界流体をシリンダー内に注入し、溶解させる点が共通しているが、発泡過程が異なる。
気泡核の生成は、金型において圧力が窒素又は二酸化炭素の臨界圧力以下の圧力に圧
力低下することで、窒素又は二酸化炭素を過飽和状態にし、過飽和状態になった溶融樹
脂組成物に多数のセル核が発生することにより行われる。
超臨界射出発泡成形の具体例は、以下の通りである。
先ず、ポリカーボネート樹脂組成物(A)のペレットを、射出成形機のホッパーから成形機に投入し、成形機スクリューの搬送ゾーン、圧縮ゾーンにて加熱溶融した後、成形機スクリューの計量ゾーン及び圧縮ゾーンに送る。そして、窒素又は二酸化炭素ガスを超臨界流体としたものを計量ゾーン部に設けた注入口より注入し、この超臨界流体と溶融樹脂を加圧・単一相化し、射出成形機のノズルから射出し、スプルー、ランナー内を単一相を維持しながら流動させて、予めインサートフィルムを装填した金型キャビティに送る。ゲートを通過後に気泡核が発生し、気泡が拡大しながら金型内への充填が進行することにより、超臨界射出発泡成形が行われる。ここで、気泡核の生成は、金型において圧力が窒素又は二酸化炭素の臨界圧力以下の圧力に低下することで、窒素又は二酸化炭素が過飽和状態となり、過飽和状態になった溶融樹脂組成物に多数のセル核が発生することにより行われる。
射出発泡成形条件としては、通常の条件を採用することができる。例えば、ポリカーボネート樹脂組成物(A)の射出速度は通常10~150mm/sec、型締め時の保圧は不要で、発泡による圧力で完全充填される。
フィルムの表面温度は金型温度により目標の温度に設定できるが、射出樹脂のTgに近い温度、あるいは溶融樹脂温度が低い場合にはTgを超えることもありうるため、射出保圧時のみ金型温度を加熱し、冷却時にTgより小さくする成形の工程に合わせて金型の加熱冷却を用いたり、射出の直前にフィルムのみ加熱する方法などを実施する方法が望ましい。
[ポリカーボネート樹脂組成物(A)]
本発明で用いるポリカーボネート樹脂組成物(A)には特に制限はない。
なお、ポリカーボネート樹脂組成物(A)は、ポリカーボネート樹脂に他の成分を配合した組成物に限らず、ポリカーボネート樹脂単独であってもよい。また、ポリカーボネート樹脂組成物(A)は、ポリカーボネート樹脂を80質量%以上、特に85~100質量%含むものであることが、本発明の効果が有効に発揮され好ましい。
<ポリカーボネート樹脂>
ポリカーボネート樹脂組成物(A)に含まれるポリカーボネート樹脂としては、芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、芳香族-脂肪族ポリカーボネート樹脂が挙げられるが、好ましくは、芳香族ポリカーボネート樹脂であり、具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体が用いられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-p-ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’-ジヒドロキシジフェニル等が挙げられる。また、難燃性向上の為に、上述した芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物や、シロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有ポリマー、またはそのオリゴマーを用いてもよい。
ポリカーボネート樹脂の好ましい例としては、ジヒドロキシ化合物として2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン又は2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とを併用したポリカーボネート樹脂が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂は、1種の繰り返し単位からなる単独重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。このとき共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態を選択することができる。
ポリカーボネート樹脂の分子量は、制限はないが、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度20℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量(Mv)で、好ましくは10,000~40,000、より好ましくは14,000~32,000である。粘度平均分子量がこの範囲であると、得られる樹脂組成物の超臨界発泡成形における成形性が良く、且つ機械的強度の大きい成形品が得られやすい。ポリカーボネート樹脂の最も好ましい分子量範囲は16,000~30,000である。
なお、本発明において、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、ウベローデ粘度計を用いて、20℃にて、ポリカーボネート樹脂のメチレンクロライド溶液の粘度を測定し極限粘度([η])を求め、次のSchnellの粘度式から算出される値である。
[η]=1.23×10-4Mv0.83
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)及び溶融法(エステル交換法)のいずれの方法で製造したポリカーボネート樹脂も使用することができる。また、溶融法で製造したポリカーボネート樹脂に、末端のOH基量を調整する後処理を施したポリカーボネート樹脂も好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1,500以上、好ましくは2,000以上であり、また、通常9,500以下、好ましくは9,000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートリゴマーは、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30質量%以下とすることが好ましい。
また、ポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂の使用も可能である。使用済みの製品としては、光学ディスクなどの光記録媒体、導光板、自動車窓ガラスや自動車ヘッドランプレンズ、風防などの車両透明部材、水ボトルなどの容器、メガネレンズ、防音壁やガラス窓、波板などの建築部材などが好ましく挙げられる。また、再生ポリカーボネート樹脂としては、製品の不適合品、スプルー、またはランナーなどから得られた粉砕品、またはそれらを溶融して得たペレットなども使用可能である。
<その他の成分>
ポリカーボネート樹脂組成物(A)はポリカーボネート樹脂の他に、ポリカーボネート樹脂以外の他の熱可塑性樹脂や添加剤を含むものであってもよい。
他の熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアクリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。ポリフェニレンエーテル系樹脂としては、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンエーテルとポリスチレン及び/又はHIPS(耐衝撃性ポリスチレン)との混合樹脂などが挙げられる。スチレン系樹脂としては、ポリスチレン、HIPS、AS樹脂、ABS樹脂等が挙げられる。
また、ポリカーボネート樹脂組成物(A)には、所望の物性を得るため、必要に応じて各種の添加剤、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤等の安定剤、顔料、染料、滑剤、難燃剤、滴下防止剤、離型剤、摺動性改良剤などを配合することができる。
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂組成物(A)に酸化防止剤を含有させる場合、その配合量は、ポリカーボネート樹脂組成物(A)中のポリカーボネート樹脂100質量部に対し、通常0.001~1質量部、好ましくは0.01~0.5質量部である。酸化防止剤の配合量が0.001質量部未満の場合は抗酸化剤としての効果が不十分であり、1質量部を超える場合は効果が頭打ちとなり経済的ではない。
(熱安定剤)
熱安定剤としては、分子中の少なくとも1つのエステルがフェノール及び/又は炭素数1~25のアルキル基を少なくとも1つ有するフェノールでエステル化された亜リン酸エステル化合物、亜リン酸、及びテトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレン-ジ-ホスホナイトの群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂組成物(A)に熱安定剤を含有させる場合、その配合量は、ポリカーボネート樹脂組成物(A)中のポリカーボネート樹脂100質量部に対し、通常0.001~1質量部、好ましくは0.01~0.5質量部である。熱安定剤の配合量が0.001質量部未満の場合は熱安定剤としての効果が不十分であり、1質量部を超える場合は耐加水分解性が悪化する場合がある。
(離型剤)
離型剤としては、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルの群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂組成物(A)に離型剤を含有させる場合、その配合量は、ポリカーボネート樹脂組成物(A)中のポリカーボネート樹脂100質量部に対し、通常0.001~2質量部、好ましくは0.01~1質量部である。離型剤の配合量が0.001質量部未満の場合は離型性の効果が十分でない場合があり、2質量部を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出発泡成形時の金型汚染などの問題がある。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤の具体例としては、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤の他、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物などの有機紫外線吸収剤が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂組成物(A)に紫外線吸収剤を含有させる場合、その配合量は、ポリカーボネート樹脂組成物(A)中のポリカーボネート樹脂100質量部に対し、通常0.01~3質量部、好ましくは0.1~1質量部である。紫外線吸収剤の配合量が0.01質量部未満の場合は耐候性の改良効果が不十分の場合があり、3質量部を超える場合はモールドデボジット等の問題が生じる場合がある。
(染顔料)
染顔料としては、無機顔料、有機顔料、有機染料などが挙げられる。
ポリカーボネート樹脂組成物(A)に染顔料を含有させる場合、その配合量は、ポリカーボネート樹脂組成物(A)中のポリカーボネート樹脂100質量部に対し、通常20質量部以下、好ましくは15質量部以下、更に好ましくは12質量部以下である。染顔料の配合量が20質量部を超える場合は耐衝撃性が十分でない場合がある。
なお、無機顔料のうちカーボンブラックは無機導電性物質としても機能する。カーボンブラックを無機導電性物質として用いる場合、前述のように、その配合量は、染顔料としての配合量よりも多く設定することができる。
(難燃剤)
難燃剤としては、ハロゲン化ビスフェノールAのポリカーボネート、ブロム化ビスフェノール系エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノール系フェノキシ樹脂、ブロム化ポリスチレンなどのハロゲン系難燃剤、リン酸エステル系難燃剤、ジフェニルスルホン-3,3’-ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン-3-スルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム等の有機金属塩系難燃剤、ポリオルガノシロキサン系難燃剤などが挙げられるが、リン酸エステル系難燃剤が特に好ましい。
ポリカーボネート樹脂組成物(A)に難燃剤を含有させる場合、その配合量は、ポリカーボネート樹脂組成物(A)中のポリカーボネート樹脂100質量部に対し、通常1~30質量部、好ましくは3~25質量部、更に好ましくは5~20質量部である。難燃剤の配合量が1質量部未満の場合は難燃性が十分でない場合があり、30質量部を超える場合は耐熱性が低下する場合がある。
(滴下防止剤)
滴下防止剤としては、例えば、ポリフルオロエチレン等のフッ素化ポリオレフィンが挙げられ、特にフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
ポリカーボネート樹脂組成物(A)に滴下防止剤を含有させる場合、その配合量は、ポリカーボネート樹脂組成物(A)中のポリカーボネート樹脂100質量部に対し、通常0.02~4質量部、好ましくは0.03~3質量部である。滴下防止剤の配合量が5質量部を超える場合は、得られるCF/PCペレットを成形してなる成形品外観の低下が生じる場合がある。
<ポリカーボネート樹脂組成物(A)の製造方法>
ポリカーボネート樹脂組成物(A)を製造する製造方法には制限はなく、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、ポリカーボネート樹脂及び、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。
また、例えば、各成分を予め混合せずに、又は、一部の成分のみを予め混合し、フィーダーを用いて押出機に供給して溶融混練して、本発明の熱可塑性樹脂組成物を製造することもできる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することによってポリカーボネート樹脂組成物(A)を製造することもできる。
また、例えば、分散し難い成分を混合する際には、その分散し難い成分を予め水や有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させ、その溶液又は分散液と混練するようにすることで、分散性を高めることもできる。
[ポリカーボネート樹脂組成物(B)]
本発明で用いるインサートフィルムの密着面を構成するポリカーボネート樹脂組成物(B)は、特に限定されるものではないが、密着性の観点から、ポリカーボネート樹脂組成物(A)と同組成のものを採用することが好ましい。
[インサートフィルム]
上記のポリカーボネート樹脂組成物(B)よりなるインサートフィルムとして、本発明では厚さ50~150μmのインサートフィルムを用いる。インサートフィルムの厚さが50μm未満では、機械的強度が不足し、取り扱い時に破損する恐れがある。また成形時に気泡が入る可能性もある。また、このように薄いフィルムでは、表面平滑性を高めるための発泡成形体の表面層としては好ましくない。一方の厚さが150μmよりも厚いインサートフィルムの場合は、本発明を採用せずとも密着性が得られる。
このため、本発明では、厚さ50~150μm、好ましくは厚さ80~120μmのインサートフィルムを用いる。
このようなインサートフィルムは、ポリカーボネート樹脂組成物(B)を用いて、常法、例えばTダイ成形等により製造することができる。
なお、インサートフィルムの射出成形面(ポリカーボネート樹脂組成物(A)が射出される面)の反対側の面には、必要に応じてハードコート層や加飾層が形成されていてもよく、加飾印刷等が施されていてもよい。
ハードコート層を形成するためのハードコート剤としては、公知の材料を適宜使用することができ、例えば、シリコーン系、アクリル系、シラザン系、ウレタン系などの種々のハードコート剤を使用することができる。接着性や耐候性を向上させるために、ハードコート剤を塗布する前にプライマー層を設ける2コートタイプのハードコート剤であってもよい。ハードコート剤のコーティング方法としては、特に制限はないが、スプレーコート、ディップコート、フローコート、スピンコート、バーコート、カーテンコート、ダイコート、グラビアコート、ロールコート、ブレードコート及びエアーナイフコート等のいずれの塗工方法によって塗布することもできる。インサートフィルムは密着面側がポリカーボネート樹脂組成物と他樹脂の積層体からなるフィルムであっても良く、例えばアクリル樹脂や種類の異なるポリカーボネート樹脂組成物との共押し出し成形による積層体などが挙げられる。
ハードコート層の厚みは、好ましくは1~50μm、より好ましくは5~30μmである。
[発泡成形体]
本発明の発泡成形体の製造方法により製造される発泡成形体(以下、「本発明の発泡成形体」と称す場合がある。)は、インサートフィルムにより形成される表面層の密着性が高く、耐久性に優れる。
本発明の発泡成形体の発泡成形部の発泡倍率や、発泡成形体の形状、寸法、色彩、表面装飾等には特に制限はなく、その用途に応じて任意に設定すればよいが、本発明の発泡成形体は、インサートフィルムによる表面層が、発泡成形体の軽量化や断熱性に及ぼす影響が大きい薄肉の発泡成形体に有効であり、このようなものとして、例えば発泡成形体全体の厚さとして5mm以下、例えば1.5~3.0mm程度の薄肉発泡成形体、特に薄肉発泡成形シートやフィルムが挙げられる。
このような本発明の発泡成形体の用途としては特に制限はなく、電気・電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、家電製品、車輌部品、建築部材、各種容器、照明機器等の様々な部品に適用することができる。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
なお、以下において、射出成形用及びインサートフィルム用のポリカーボネート樹脂としては、以下のものを用いた。
射出成形用ポリカーボネート樹脂:ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ユーピロン(登録商標)S-2000R)
粘度平均分子量(Mv):23,000
Tg=145℃
インサートフィルム用ポリカーボネート樹脂:ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製、商品名:ユーピロン(登録商標)
E-2000)
粘度平均分子量(Mv):26,000
Tg=145℃
[実施例1]
射出成形用のポリカーボネート樹脂ペレットを、予め120℃で6~12時間予備乾燥し、TREXEL社製のMuCell SCF装置(型式:T-100J)を用いて超臨界状態にした窒素を、日本製鋼所社製J100ADS射出成形機のシリンダーへと所定量注入し、溶融樹脂と混合し、予めインサートフィルム(厚さ100μm)を装填した金型内へ射出し、ショートショット法にて超臨界発泡成形を行い、肉厚2mm(インサートフィルムの表面層も含む)、縦80mm×横80mmの発泡成形体を得た。
成形条件は、窒素流入量0.3質量%、計量53mm 射出時間1.3秒、保圧工程は無しとして行った。
このとき、溶融樹脂温度(シリンダー温度)、即ち射出発泡成形温度は300℃とし、金型温度を100℃としたところ、金型内のインサートフィルムの表面温度は96℃であった。
得られた発泡成形体に、幅15mmに表面フィルム層が貫通するように、カッターナイフで切り込みを入れ、あらかじめ表面層端部が離型されるようにした後、この表面層端部を引張試験用のつかみ治具でつかみ、プッシュプルゲージを用いてつかみ治具を引っ張ることによりインサートフィルムの表面層と発泡成形部との間で90°剥離試験を行い、剥離強度を調べた。結果を表1に示す。
この剥離強度は5N/15mm以上であることが好ましい。
[実施例2~3、比較例1,2]
射出発泡成形時の射出発泡成形温度、金型温度を表1に示す温度に変更し、射出発泡成形時のインサートフィルムの表面温度を表1に示す温度としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を得、同様に剥離試験を行い、結果を表1に示した。
[参考例1~3]
インサートフィルムの厚さを200μmとし、また、射出発泡成形時の射出発泡成形温度、金型温度を表1に示す温度に変更し、射出発泡成形時のインサートフィルムの表面温度を表1に示す温度としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡成形体を得、同様に剥離試験を行い、結果を表1に示した。
Figure 2022153977000002
表1より次のことが分かる。
フィルム表面温度が(90-a)℃より低い、本発明の範囲外の比較例1,2では、剥離強度が著しく低く、表面層の密着性が得られない。
これに対して、フィルム表面温度を(90-a)℃以上とした実施例1~3では高い密着性が得られている。
なお、インサートフィルムの厚さが200μmで厚い参考例1~3では、どのようなフィルム表面温度でも高い密着性が得られている。
1A,1B 金型
2 インサートフィルム
2A 表面層
3 溶融樹脂
3A 発泡成形部
10 発泡成形体

Claims (4)

  1. インサートフィルムが装填された金型内で、溶融したポリカーボネート樹脂組成物(A)を射出発泡成形することにより、発泡成形部と該インサートフィルムよりなる表面層とが一体成形された発泡成形体を製造する方法において、
    該インサートフィルムとして、密着面がポリカーボネート樹脂組成物(B)よりなる厚さ50~150μmのフィルムを用い、
    該ポリカーボネート樹脂組成物(A)の射出発泡成形温度を(300+a)℃(但し、aは-20~40の数)とし、かつ、該インサートフィルムの表面温度を(90-a)℃以上で、該ポリカーボネート樹脂組成物(B)のガラス転移温度(Tg)以下の所定温度として射出発泡成形することを特徴とする発泡成形体の製造方法。
  2. 揮発性発泡剤、無機発泡剤、又は分解型発泡剤を用いて射出発泡成形することを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体の製造方法。
  3. 前記無機発泡剤として、超臨界状態又は亜臨界状態の窒素、二酸化炭素又はこれらの混合物を用いて超臨界又は亜臨界射出発泡成形を行うことを特徴とする請求項2に記載の発泡成形体の製造方法。
  4. 前記インサートフィルムを、前記金型面に接するように装填することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発泡成形体の製造方法。
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