JP2022153889A - 樹脂チューブの製造方法 - Google Patents

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武史 杉山
Takeshi Sugiyama
徹雄 大倉
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Abstract

【課題】ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を含有し、外径に対してより肉厚が薄い樹脂チューブの製造方法を提供すること。【解決手段】ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含有する樹脂組成物を含む樹脂チューブの製造方法であって、前記樹脂組成物を、押出機内で溶融した後、環状ダイから押出して、減圧が可能なボックスが設置された水槽に投入する工程を含み、前記ボックス内の減圧度が-0.5kPa(G)以下、前記樹脂チューブが前記ボックス内に滞留する時間が0.1秒以上であり、前記水槽の温度が30℃以上であることを特徴とする、樹脂チューブの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を含有する樹脂チューブの製造方法に関する。
近年、欧州を中心に生ゴミの分別回収やコンポスト処理が進められており、生ゴミと共にコンポスト処理できるプラスチック製品が望まれている。さらに、マイクロプラスチックによる海洋汚染がクローズアップされ、海水中で分解するプラスチックの開発が期待されている。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂は、多くの微生物種の細胞内にエネルギー貯蔵物質として生産、蓄積される熱可塑性ポリエステルであり、土中だけでなく、海水中でも生分解が進行しうる材料であるため、上記の問題を解決する素材として注目されている。
特許文献1では、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂から形成され、しなりやすく、ストローとして好適に使用できる、肉厚が0.1~0.6mmの樹脂チューブが開示されている。
国際公開第2020/040093号
これまでのポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂から形成された樹脂チューブは、外径に対して肉厚が厚い樹脂チューブであったが、例えば該樹脂チューブをストローとして使用した場合、口当たり感のさらなる向上のため外径に対してより肉厚が薄いストローが求められている。その為、外径に対して肉厚が薄いストローを成形する必要があるが、水浴内でチューブ状にする際、肉厚が薄いため水圧に負け偏平したチューブになり易い傾向にあった。
本発明は、上記現状に鑑み、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を含有し、かつ従来より外径に対してより肉厚が薄い樹脂チューブの製造方法を提供することが目的である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を含有する樹脂組成物を含む樹脂チューブを製造する方法において、特に樹脂チューブを、減圧が可能なボックスが設置された水槽に投入して冷却固化させる際に、ボックス内の減圧度、ボックス内に滞留する時間、更に水槽の温度を特定の範囲とすることで外径に対してより肉厚が薄い樹脂チューブを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含有する樹脂組成物を含む樹脂チューブの製造方法であって、
前記樹脂組成物を、押出機内で溶融した後、環状ダイから押出して、減圧が可能なボックスが設置された水槽に投入する工程を含み、
前記ボックス内の減圧度が-0.5kPa(G)以下、
前記樹脂チューブが前記ボックス内に滞留する時間が0.1秒以上であり
前記水槽の温度が30℃以上であることを特徴とする、樹脂チューブの製造方法に関する。
好ましくは、前記水槽の温度が60℃以下である。
好ましくは、前記樹脂チューブの肉厚と外径の比が0.01以上0.05未満である。
また、好ましくは、前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含有する樹脂組成物が、構成モノマーの種類及び/又は構成モノマーの含有割合が互いに異なる少なくとも2種類のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含有する樹脂組成物を含む。
本発明によれば、外径に対してより肉厚が薄い樹脂チューブの製造方法を提供することが出来る。
以下に、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を含有する樹脂チューブの製造方法に関する。
(ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分)
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分としては、3-ヒドロキシアルカノエート単位を有する重合体、具体的には、下記一般式(1)で示される単位を含む重合体であることが好ましい。
[-CHR-CH-CO-O-] (1)
一般式(1)中、RはC2p+1で表されるアルキル基を示し、pは1~15の整数を示す。Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、メチルプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の直鎖または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。pとしては、1~10が好ましく、1~8がより好ましい。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂は、3-ヒドロキシアルカノエート単位(特に、一般式(1)で表される単位)を、全構成単位の50モル%以上含むことが好ましく、60モル%以上含むことがより好ましく、70モル%以上含むことが更に好ましい。ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂は、重合体の構成単位として、1種又は2種以上の3-ヒドロキシアルカノエート単位のみを含むものであってもよいし、1種又は2種以上の3-ヒドロキシアルカノエート単位に加えて、その他の単位(例えば、4-ヒドロキシアルカノエート単位等)を含むものであってもよい。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂は、3-ヒドロキシブチレート(以下、3HBと称する場合がある)単位を含む単独重合体又は共重合体であることが好ましい。特に、3-ヒドロキシブチレート単位は、全て(R)-3-ヒドロキシブチレート単位であることが好ましい。また、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂は、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体であることが好ましい。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の具体例としては、例えば、ポリ(3-ヒドロキシブチレート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシプロピオネート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート)(略称:P3HB3HV)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシバレレート-3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)(略称:P3HB3HH)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘプタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシノナノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシデカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシウンデカノエート)、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)(略称:P3HB4HB)等が挙げられる。特に、樹脂チューブの生産性および機械特性等の観点から、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)又はポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)が好ましく、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)がより好ましい。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分が、3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位との共重合体を含む場合、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を構成する全モノマー単位に占める3-ヒドロキシブチレート単位および他のヒドロキシアルカノエート単位の平均含有比率は、樹脂チューブの実使用性と生産性を両立する観点から、3-ヒドロキシブチレート単位/他のヒドロキシアルカノエート単位=95/5~80/20(モル%/モル%)が好ましく、94/6~82/18(モル%/モル%)がより好ましく、93/7~84/16(モル%/モル%)がさらに好ましい。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を構成する全モノマー単位に占める各モノマー単位の平均含有比率は、当業者に公知の方法、例えば国際公開2013/147139号の段落[0047]に記載の方法により求めることができる。平均含有比率とは、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分全体において全モノマー単位に占める各モノマー単位のモル比を意味し、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を構成する2種以上のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の混合物全体に含まれる各モノマー単位のモル比を意味する。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分の重量平均分子量は、特に限定されないが、樹脂チューブの実使用性と生産性を両立する観点から、20万~200万が好ましく、25万~150万がより好ましく、30万~100万が更に好ましい。
また、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を構成する各ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されない。しかし、例えば、後述するような高結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂と低結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂とをブレンドする場合、高結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の重量平均分子量は、樹脂チューブの実使用性と生産性を両立する観点から、20万~100万が好ましく、22万~80万がより好ましく、25万~60万が更に好ましい。一方、低結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の重量平均分子量は、樹脂チューブの実使用性と生産性を両立する観点から、20万~250万が好ましく、25万~230万がより好ましく、30万~200万が更に好ましい。
なお、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂又はポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分の重量平均分子量は、クロロホルム溶液を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(島津製作所社製HPLC GPC system)を用い、ポリスチレン換算により測定することができる。該ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにおけるカラムとしては、重量平均分子量を測定するのに適切なカラムを使用すればよい。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の製造方法は特に限定されず、化学合成による製造方法であってもよいし、微生物による製造方法であってもよい。
求められる生産性や機械強度を発現するために少なくとも2種のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を混合することが好ましい。この場合は、少なくとも1種の高結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂と、少なくとも1種の低結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を組み合わせて混合することがより好ましい。一般に、高結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂は生産性に優れるが機械強度が乏しい性質を有し、低結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂は生産性に劣るが優れた機械特性を有する。両樹脂を混合すると、高結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂が微細な樹脂結晶粒子を形成し、低結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂が、該樹脂結晶粒子同士を架橋するタイ分子を形成すると推測される。これらの樹脂を組み合わせて使用することで、樹脂チューブの機械強度が格段に向上し得る。
前記高結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂が3-ヒドロキシブチレート単位を含む場合、該高結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂に含まれる3-ヒドロキシブチレート単位の含有割合は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を構成する全モノマー単位に占める3-ヒドロキシブチレート単位の平均含有割合よりも高いことが好ましい。
高結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂が3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位を含む場合、該高結晶性の樹脂における他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合は、1~10モル%が好ましく、1~8モル%がより好ましく、1~6モル%が更に好ましい。
前記高結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分としては、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)、又は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)が好ましく、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)がより好ましい。
また、前記低結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂が3-ヒドロキシブチレート単位を含む場合、該低結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂に含まれる3-ヒドロキシブチレート単位の含有割合は、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分を構成する全モノマー単位に占める3-ヒドロキシブチレート単位の平均含有割合よりも低いことが好ましい。
低結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂が3-ヒドロキシブチレート単位と他のヒドロキシアルカノエート単位を含む場合、該低結晶性の樹脂における他のヒドロキシアルカノエート単位の含有割合は、24~99モル%が好ましく、24~50モル%がより好ましく、24~35モル%がさらに好ましく、24~30モル%が特に好ましい。
前記低結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂としては、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)、又は、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-4-ヒドロキシブチレート)が好ましく、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)がより好ましい。
高結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂と低結晶性のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を併用する場合、両樹脂の合計量に対する各樹脂の使用割合は特に限定されないが、前者が35重量%以上90重量%以下で、後者が10重量%以上65重量%以下であることが好ましく、前者が45重量%以上80重量%以下で、後者が20重量%以上55重量%以下であることがより好ましい。
2種以上のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂のブレンド物を得る方法は特に限定されず、微生物産生によりブレンド物を得る方法であってよいし、化学合成によりブレンド物を得る方法であってもよい。また、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー、ロール等を用いて2種以上の樹脂を溶融混練してブレンド物を得てもよいし、2種以上の樹脂を溶媒に溶解して混合・乾燥してブレンド物を得ても良い。
(他の樹脂)
一実施形態に係る樹脂チューブは、発明の効果を損なわない範囲で、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂以外の他の樹脂を含んでもよい。そのような他の樹脂としては、例えば、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル系樹脂や、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンセバケートテレフタレート、ポリブチレンアゼレートテレフタレートなどの脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂等が挙げられる。他の樹脂としては1種のみが含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
前記他の樹脂の含有量は、特に限定されないが、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分の合計100重量部に対して、60重量部以下が好ましく、50重量部以下がより好ましく、45重量部以下がさらに好ましい。他の樹脂の含有量の下限は特に限定されず、0重量部であってもよい。
(添加剤)
一実施形態に係る樹脂チューブは、発明の効果を阻害しない範囲において、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、結晶化核剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤、導電剤、断熱剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、無機充填剤、有機充填剤、加水分解抑制剤等を目的に応じて使用できる。特に生分解性を有する添加剤が好ましい。
結晶化核剤としては、例えば、ペンタエリスリトール、オロチン酸、アスパルテーム、シアヌル酸、グリシン、フェニルホスホン酸亜鉛、窒化ホウ素等が挙げられる。
滑剤としては、例えば、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、N-ステアリルベヘン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスラウリル酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、p-フェニレンビスステアリン酸アミド、エチレンジアミンとステアリン酸とセバシン酸の重縮合物等が挙げられる。中でも、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分への滑剤効果が特に優れている点で、ベヘン酸アミドとエルカ酸アミドが好ましい。滑剤の使用量は、特に限定されないが、ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分の合計100重量部に対して、0.01~5重量部が好ましく、0.05~3重量部がより好ましく、0.1~1.5重量部がさらに好ましい。また、滑剤は、1種を使用してもよいし、2種以上使用してもよく、目的に応じて、使用比率を適宜調整することができる。
可塑剤としては、例えば、グリセリンエステル系化合物、クエン酸エステル系化合物、セバシン酸エステル系化合物、アジピン酸エステル系化合物、ポリエーテルエステル系化合物、安息香酸エステル系化合物、フタル酸エステル系化合物、イソソルバイドエステル系化合物、ポリカプロラクトン系化合物、二塩基酸エステル系化合物等が挙げられる。
無機充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム等の無機粒子を用いることができる。前記シリカは、分散性の観点から湿式シリカであることが好ましい。有機充填剤としては、例えば、トウモロコシ澱粉(コーンスターチとも称される。)、小麦粉澱粉、米澱粉、ソラマメ澱粉、緑豆澱粉、小豆澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉等の澱粉やそれらからなる化工澱粉、セルロース繊維などが挙げられる。
(樹脂チューブ、その製造方法)
本明細書において、チューブとは、略一定の肉厚を有しており断面形状が略円形の壁面から構成され、内部が空洞になっている細長い円筒状の成形品のことをいう。該チューブは、ストロー、又は、パイプとして使用することができるが、用途はこれらに限定されない。
本発明に係る樹脂チューブの製造方法において樹脂を溶融する方法は、公知の方法を用いて溶融させることが好ましい。具体的には、単軸押出機や二軸押出機にポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を投入し溶融混錬させることが挙げられる。溶融混錬時の温度としては、例えば140℃以上180℃以下が好ましく、140℃以上175℃以下がより好ましく、140℃以上170℃以下がさらに好ましい。140℃未満では樹脂が十分に溶融できず、未溶融樹脂が樹脂チューブに混入し、外観の悪化や穴あき等が発生し成形が困難になる。180℃以上では粘度が低下傾向となり成形が困難なる。
一実施形態に係る樹脂チューブを製造する場合のチューブ状に押出す工程は、溶融混錬を行った押出機出口に環状ダイを接続し、そこから溶融樹脂を押出すことでチューブ状となる。環状ダイの径やクリアランスは、所望する樹脂チューブの径や肉厚によって任意に選択することが出来るが、一般的には所望するチューブ径や肉厚より大きいものが選択される。
本発明に係る樹脂チューブを製造方法は、押出したチューブ状樹脂を減圧が可能なボックスが設置された水槽に投入し冷却固化する工程を含んでいる。具体的には、環状ダイから押出されたチューブ状樹脂を水で満たされた水槽内を通過させることで冷却固化させるが、好ましくは、所望の外径となるチューブを得るために環状ダイの中心からチューブ内にエアーを吹き込み、次いで水槽内に設置された減圧可能なボックスに樹脂チューブを通過させる。減圧可能なボックスの入り口は水槽のどの位置にあってもよいが、好ましくは水槽全体の長さに対して環状ダイ側前半分にある事が好ましい。減圧可能なボックスは水槽全体に渡っていてもよいし、水槽の一部であってもよい。これにより均一な円筒状に賦形することが容易となる。
減圧ボックス内の減圧度は-0.5kPa(G)以下であることが好ましく、-1.0kPa(G)以下であることがより好ましく、-2.0kPa(G)以下であることがさらに好ましい。減圧度がこの範囲にあると後述する均一な円筒状になる傾向にあるため好ましい。(G)とはゲージ圧であることを示しており、0kPa(G)は大気圧であることを意味する。例えば減圧度-0.5kPa(G)とは大気圧(0kPa(G))から0.5kPa圧力が低下した状態を意味する。
減圧ボックス内をチューブ状樹脂が通過する時間としては0.1秒以上15秒以下であることが好ましく、0.1秒以上12秒以下がより好ましく、0.1秒以上10秒以下がより好ましい。当該範囲内であると樹脂チューブが均一な円筒形になる傾向であるため好ましい。
樹脂チューブを好適に冷却固化させるために減圧ボックスや減圧ボックス以外の部分の水の温度は、その下限が30℃以上であり、35℃以上が好ましく、40℃以上がより好ましい。水の温度の上限は、60℃以下が好ましく、55℃以下がさらに好ましい。また、減圧ボックス内の水の温度と減圧ボックス以外の部分の水の温度は、それぞれ同じ温度としてもよいし、異なる温度に設定してもよい。さらに水槽を2つ以上設け、それぞれを同じ温度としてもよいし、異なる温度に設定してもよい。
一実施形態に係る樹脂チューブがストローとして使用される場合、該樹脂チューブの肉厚は、ストローとして飲料を飲む際の口当たりが良く、適度な柔軟性を有していることから割れにくく、指先などを突いたりした際に怪我をしにくく、かつ海水中でも速やかに生分解することから、0.01mm以上0.6mm以下が好ましく、0.05mm以上0.5mm以下がより好ましく、0.1mm以上0.4mm以下がさらに好ましい。該樹脂チューブの肉厚は、例えば管用デジタルノギス(NTD-16-P15M 株式会社ミツトヨ製)を用いて測定することが出来る。
また、一実施形態に係る樹脂チューブがストローとして使用される場合、該樹脂チューブの外径は、特に限定されないが、ストローとして飲料を飲む際の使用のしやすさから、2~10mmが好ましく、4~8mmがより好ましく、5~7mmがさらに好ましい。該樹脂チューブの外径は、例えば、円筒テーパーゲージ(新潟精機株式会社製)を用いて真円相当と見なした内径に、前記肉厚の厚みを加えて外径とし算出する事ができる。
一実施形態に係る樹脂チューブがストローとして使用される場合、該樹脂チューブの肉厚と外径の比は、ストローとして飲料を飲む際の口当たりが良く、適度な柔軟性を有していることから割れにくく、指先などを突いたりした際に怪我をしにくく、かつ海水中でも速やかに生分解することから、0.01以上0.05未満が好ましく、0.02以上0.05未満がより好ましく、0.02以上0.04以下がさらに好ましい。
一実施形態に係る樹脂チューブの断面形状は、略円形であるが、ストローやパイプとしての利用性の観点から、真円に近いほど好ましい。よって、該チューブの断面形状の偏平度[100×(外径最大値-外径最小値)/外径最大値]は、10%以下であることが好ましく、8%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。なお、偏平度が0%であるとは、断面形状が真円であることを意味する。
一実施形態に係る樹脂チューブの長さは、特に限定されない。しかし、該樹脂チューブをストローとして使用する場合、該樹脂チューブの長さは、ストローとして飲料を飲む際の使用のしやすさから、50~350mmが好ましく、70~300mmがより好ましく、90~270mmがさらに好ましい。
一実施形態に係る樹脂チューブがパイプとして使用される場合、該樹脂チューブの肉厚は、当業者が適宜設定することができるが、0.7mm以上10mm以下が好ましく、1mm以上8mm以下がより好ましい。該パイプは海産物の養殖や漁獲などにおいて好適に使用することができる。該樹脂チューブの肉厚は、例えば管用デジタルノギス(NTD-16-P15M 株式会社ミツトヨ製)を用いて測定することが出来る。
ストローとして使用される樹脂チューブは、二次加工されていないチューブであってもよいし、ストッパー部の形成や蛇腹部の形成などの二次加工が施されたチューブであってもよい。当該二次加工は、樹脂チューブを加熱しながら実施することもできるが、常温で実施することが好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によりその技術的範囲を限定されるものではない。
実施例および比較例で使用した物質を以下に示す。
[ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂]
P3HB3HH-1:P3HB3HH(平均含有比率3HB/3HH=95.4/4.6(モル%/モル%)、重量平均分子量は66万g/mol)
国際公開第2019/142845号の実施例2に記載の方法に準じて製造した。
P3HB3HH-2:P3HB3HH(平均含有比率3HB/3HH=71.8/28.2(モル%/モル%)、重量平均分子量は66万g/mol)
国際公開第2019/142845号の実施例9に記載の方法に準じて製造した。
P3HB3HH-3:P3HB3HH(平均含有比率3HB/3HH=94/5.4(モル%/モル%)、重量平均分子量は62万g/mol)
国際公開第2013/147139号に記載の原料A-6を用いた。
ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂成分として2種以上のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の混合物を使用する場合、表1中の平均HH割合は、各ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂におけるHH割合と、各ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂の重量割合とから算出した平均値である。
[他の樹脂]
ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA FD92PM PPT MCC Biochem製 BioPBS(登録商標))
[添加剤]
添加剤:ベヘン酸アミド(日本精化社製:BNT-22H)
実施例および比較例において実施した評価方法に関して、以下に説明する。
[チューブ成形]
環状ダイ(外径15mm、内径13.5mm)を接続したφ50mmの単軸押出機のシリンダー温度およびダイ温度をそれぞれ165℃に設定し、樹脂組成物ペレットを投入し、押出したチューブを環状ダイから100mm離した位置にある減圧ボックスを備え付けた水槽に通しチューブを成形した。
[真円性の評価]
得られた樹脂チューブのある位置での外径の最大値と最小値をノギスで測定し、算術平均で算出し、5%以下を「○」、5%を超えて10%以下を「△」、10%を超えた場合を「×」として評価した。
(実施例1)
表1に記載の樹脂組成となるようにP3HB3HH-1を3.75kg、P3HB3HH-2を3.75kg、P3HB3HH-3を17.5kgブレンドしたものに、添加剤を250g配合してドライブレンドした。得られた樹脂材料(樹脂混合物)を、シリンダー温度を150℃、ダイ温度を150℃に設定したφ26mmの同方向二軸押出機に投入して押出した。押出した樹脂材料を、40℃の湯を満たした水槽に通してストランドを固化し、ペレタイザーで裁断することにより、樹脂組成物ペレットを得た。
環状ダイ(外径15mm、内径13.5mm)を接続したφ50mmの単軸押出機のシリンダー温度およびダイ温度をそれぞれ165℃に設定し、前記樹脂組成物ペレットを投入してスクリュー回転数18rpmとしてチューブ状に押出した。押出したチューブを、環状ダイから100mm離した位置にある水槽(水温40℃)に通し、樹脂チューブが減圧度-2.0kPa(G)にした減圧ボックス内を0.7秒で通過するよう引き取り、外径5.8mm、肉厚0.2mm(肉厚/外径比0.034)の樹脂チューブを得た。表1に得られた樹脂チューブの真円性の評価を示した。
(実施例2)
減圧ボッスクの減圧度を-1.0kPa(G)にした以外は実施例1と同様に行った。表1に得られた樹脂チューブの真円性の評価を示した。
(実施例3)
水槽の温度を55℃とした以外は実施例1と同様に行った。表1に得られた樹脂チューブの真円性の評価を示した。
(実施例4)
水槽の温度を35℃とした以外は実施例1と同様に行った。表1に得られた樹脂チューブの真円性の評価を示した。
(比較例1)
減圧ボッスクを減圧にせず大気圧(0.0kPa(G))にした以外は実施例1と同様に行った。表1に得られた樹脂チューブの真円性の評価を示した。
(比較例2)
水槽の温度を25℃とした以外は実施例1と同様に行った。表1に得られた樹脂チューブの真円性の評価を示した。
(実施例7)
実施例1で得られた樹脂組成ペレット70部に対し、ポリブチレンサクシネートアジペート30部をドライブレンドして用いた以外は実施例1と同様に行った。表1に得られた樹脂チューブの真円性の評価を示した。
表1より、実施例1、2および比較例1より、減圧ボックスの減圧度を下げることで、偏平率は5%以下となり、大気圧にすると偏平率は10%を超えることから、減圧ボックスの減圧度を下げることで真円性が向上していることが分かる。また、実施例1、3、4および比較例2より水槽の水温が30℃以上の場合、偏平率は10%以下となり、水槽の水温を25℃とすると偏平率は10%を超えることから、水槽の温度を30℃以上にすることで真円性は大きく向上していることが分かる。さらに実施例1、5、6から減圧ボックス通過時間が0.1秒以上あれば偏平率が5%以下となり、良好な真円性を有する事が分かる。また、実施例7からポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂以外の他の樹脂を含んでも良好な真円性を有する事が出来る。
Figure 2022153889000001

Claims (4)

  1. ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含有する樹脂組成物を含む樹脂チューブの製造方法であって、
    前記樹脂組成物を、押出機内で溶融した後、環状ダイから押出して、減圧が可能なボックスが設置された水槽に投入する工程を含み、
    前記ボックス内の減圧度が-0.5kPa(G)以下、
    前記樹脂チューブが前記ボックス内に滞留する時間が0.1秒以上であり、
    前記水槽の温度が30℃以上であることを特徴とする、樹脂チューブの製造方法。
  2. 前記水槽の温度が60℃以下であることを特徴とする、樹脂チューブの請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記樹脂チューブの肉厚と外径の比が0.01以上0.05未満である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記ポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含有する樹脂組成物が、構成モノマーの種類及び/又は構成モノマーの含有割合が互いに異なる少なくとも2種類のポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)系樹脂を含有する樹脂組成物を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。
















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