JP2022153065A - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Abstract
Description
自動二輪車1は、車体フレーム10と、車体フレーム10に支持されるパワーユニット11とを備えている。車体フレーム10は、前輪2を支持する左右一対のフロントフォーク12と、後輪3を支持するスイングアーム13と、乗員用のシート14とを支持している。シート14は、車体フレーム10の前部よりも後方、かつ車体フレーム10の上方に配置されている。自動二輪車1は、乗員がシート14に跨るようにして着座する鞍乗り型車両である。
ハンドル21は、シート14の前方に位置し、シート14に着座した乗員が両手で把持する部材である。ハンドル21には、左右一対のフロントフォーク12が連結され、ハンドル21の操舵に応じて前輪2が左右に転舵される。各フロントフォーク12の下部には、前輪軸2aが回転自在に支持される。前輪軸2aに前輪2が取り付けられる。ハンドル21及びフロントフォーク12は、自動二輪車1の操舵系を構成する。
車体カバー51は、ヘッドパイプ15よりも前方の部位を覆うフロントカバー52を有し、前方の部位は、車体前部に設けられる灯火類、及び計器類を有している。また、車体カバー51は、車体フレーム10の前部左右を覆う左右一対のフロントサイドカバー53と、フロントサイドカバー53の左右に取り付けられる左右一対のシュラウド54とを備えている。フロントサイドカバー53は、燃料タンク35の前後及び左右を覆うタンクカバーでもある。
図2は、サリーガード71を周辺構成と共に示す側面図である。
サリーガード71は、後輪3の少なくとも上部側方を覆うカバー部品であり、後輪カバー部として機能する。サリーガード71は、金属製の骨格部材72と、骨格部材72に支持される樹脂製カバー73とを有している。
図3は、図2から樹脂製カバー73を取り外した図である。骨格部材72は、金属パイプで形成されたメイン骨格部材74と、メイン骨格部材74を補強するサブ骨格部材75と、メイン骨格部材74に間隔を空けて設けられた金属製のステー77A,77B,77Cを備えている。
このようにして、後輪軸3aから前上方に離れた位置、後輪軸3aから後上方に離れた位置、及び、後輪軸3aから後方に離れた位置に、第1ステー77A~第3ステー77Cからなる3本のステーが配置される。
本構成では、この第3直線部74Cの中間位置にサブ骨格部材75を連結するので、サブ骨格部材75によって、第3直線部74Cの変形を抑制できる。つまり、サブ骨格部材75は、メイン骨格部材74を補強する補強部材として機能する。
また、第3直線部74Cの中間位置は、メイン骨格部材74の前端と後端との間の中間位置に相当している。したがって、メイン骨格部材74の前端、後端及び中間位置のそれぞれを、スイングアーム13に支持することができる。これにより、メイン骨格部材74の変形を効果的に抑制できる。
樹脂製カバー73は、前述した2本の締結部材81,83によってスイングアーム13に固定される固定部73Xを備えている。つまり、締結部材81,83によって、樹脂製カバー73及びメイン骨格部材74が、スイングアーム13に共締めされる。これによって、樹脂製カバー73及びメイン骨格部材74をスイングアーム13に固定するための固定部品を低減できる。
また、樹脂製カバー73は、固定部73Xの前端から前上方に延びる第1カバー73Aと、第1カバー73Aの上端から後上方に延びる第2カバー73Bとを備えている。さらに、樹脂製カバー73は、第2カバー73Bの後端から下方に延びる第3カバー73Cを備えている。第3カバー73Cの下端は、固定部73Xの後端につながっている。
なお、第3カバー73C及び固定部73Xによって、サブ骨格部材75の外観露出を抑え、かつサブ骨格部材75よりも広い領域をガードできる。
なお、各貫通孔73Y,73H及び73Jの形状、及び大きさは適宜に変更してもよい。また、これら貫通孔73Y,73H及び73Jのいずれか一つ以上を省略してもよい。
なお、本構成では、骨格部材72の複数の端部のうち、メイン骨格部材74の後端については、車体側面視で樹脂製カバー73の範囲外にある。このメイン骨格部材74の後端についても、後端の位置変更、又は、樹脂製カバー73の形状変更などによって、車体側面視で樹脂製カバー73の範囲に収まるようにしてもよい。
なお、同じ骨格部材72に取り付け可能で、カバー範囲が異なる複数種類の樹脂製カバー73を用意するようにしてもよい。また、同じ樹脂製カバー73を取り付け可能で、異なる車種に取り付け可能な複数種類の骨格部材72を用意するようにしてもよい。
図1に示すように、左右のシュラウド54は、ヘッドパイプ15後方、パワーユニット11上方、かつシート14前方に位置する。左右のシュラウド54は、車体前部の左右に設けられる樹脂製のカバーであり、左右で対称の形状である。
シュラウド54は、車体側面視で、前側に行くほど上下幅が大きくなる三角形状に形成されている。ここで、シュラウド54の前縁は、フロントフォーク12の後方で、ヘッドパイプ15上端近傍からフロントフォーク12及びヘッドパイプ15に沿って前下がりに傾斜する。このシュラウド54の前縁は、車体側面視でフロントフェンダー60近傍まで下方に延出する。
図4は、インナーシュラウド92を周辺構成と共に車体右前方から視た図である。なお、図4はアウターシュラウド91を取り外した状態である。図5は、左右のインナーシュラウド92を周辺構成と共に車体前方から視た図である。図5中、符号LMは、車幅方向中心線を示している。
開口部92Kには、上下に間隔を空けて複数の風向き調整板92Wが設けられる。複数の風向き調整板92Wは、車体側面視で後上方に延出する板形状に形成されている。これら風向き調整板92Wによって、車内内側に流入する外気の風向きを所望の方向に整流する。所望の方向は、車内内側の冷却に好適な向きである。風向き調整板92Wの形状、及び所望の方向は適宜に変更可能である。
上記イグニッションコイル100の少なくとも一部は、車体正面視で開口部92Kと重なっている。このため、車体前方からの外気を、開口部92Kを介してイグニッションコイル100に直接あてることができ、イグニッションコイル100を効果的に冷却できる。
また、開口部92Kに、風向き調整板92Wを設けているので、開口部92Kから車内内側に流入する外気の風向きを適切な向きに調整できる。
また、パワーユニット11は、シリンダ部31を有するエンジン(内燃機関)を備えている。そして、車体正面視で、左右のインナーシュラウド92が有する開口部92Kの少なくともいずれかの一部は、シリンダ部31の車幅方向外側端よりも車幅方向内側に位置している。この構成によれば、開口部92Kに流入した外気を利用して、エンジンの中で発熱量が相対的に多いシリンダ部31を効果的に冷却し易くなる。
また、車体正面視で、左右のインナーシュラウド92間の空間に、自動二輪車1の電装部品であるイグニッションコイル100を備えるので、開口部92Kから流入する外気によって、イグニッションコイル100を冷却し易くなる。しかも、車体正面視、及び車体側面視で、開口部92Kとイグニッションコイル100の少なくとも一部が重なるので、イグニッションコイル100を効果的に冷却し易くなる。なお、車体正面視、及び車体側面視の少なくとも一方で、開口部92Kとイグニッションコイル100の少なくとも一部が重なるようにしてもよい。この場合も、車体正面又は車体側方からの外気によって、イグニッションコイル100を効果的に冷却し易くなる。
図6は、車体右側のサイドカバー55を周辺構成と共に斜め前方から視た図である。図7は、車体右側のサイドカバー55を車体側方から視た図である。なお、左右のサイドカバー55は、車幅方向中心線LMを基準にして左右対称である。
サイドカバー55は、一部がメッシュ部材110の外装部材である。このサイドカバー55のうち、メッシュ部材110を除く箇所は、樹脂製のカバー111で構成されている。図6に示すように、メッシュ部材110は、サイドカバー55の表面(樹脂製のカバー111の表面)に対して車体内側にオフセットしている。樹脂製のカバー111は、図6及び図7に示すように、車体後方に行くに従って上下長が狭くなる開口部112と、開口部112の周囲を囲う外枠111Wとを有し、開口部112をメッシュ部材110で覆っている。なお、開口部112は、サイドカバー55を車幅方向に貫通する。メッシュ部材110は通気性を有するので、メッシュ部材110を介してサイドカバー55の内外空間を通気させることができる。
第1及び第2メッシュ部材110A,110Bには、同一のメッシュ素材を使用してもよいし、異なるメッシュ素材を使用してもよい。また、メッシュ部材110A,110Bの孔(目とも言う)の形状、孔のピッチ等を適宜に設定してもよい。また、各メッシュ部材110A,110Bには、広く流通するメッシュ素材を適用可能であり、素材の材料も、ナイロン製等の合成繊維に限定されず、金属材料を適用してもよい。
図8には、第1メッシュ部材110Aを、楕円形状の孔を配列したメッシュ素材とし、第2メッシュ部材110Bを、四角形状の孔を配列したメッシュ素材とした場合を模式的に示している。各メッシュ部材110A,110Bを重ねることによって、いずれか一方のメッシュ部材110A又は110Bの場合と比べ、連通する開口面積を小さくでき、通気性を得ながら雨水を通過し難くなる。
また、第1メッシュ部材110Aの孔の形状、向き、及び間隔の少なくともいずれかを、第2メッシュ部材110Bの孔と異ならせることにより、所望のメッシュ素材の外観を得ながら、メッシュ部材110A,110Bが重なったときの連通面積を調整できる。また、メッシュ部材110A,110Bの双方のデザインの組み合わせを外観視させることで、一枚のメッシュ素材から得られない外観を得ることも可能になる。
図11は、アンダーカバー57を周辺構成と共に左側から視た図である。図12は、アンダーカバー57を周辺構成と共に右側から視た図である。図13は、アンダーカバー57を周辺構成と共に前方から視た図である。
図11~図13に示すように、アンダーカバー57は、パワーユニット11の前下部、及び排気管33の下部を下方から覆うカバーであり、金属材又は樹脂材によって形成されている。このアンダーカバー57は、前壁121、右側壁122、及び左側壁123を備えている。なお、アンダーカバー57は、車幅方向中心線LMを基準にして基本的に左右対称形状である。
右前カバー部122Fは、前壁121よりも車幅方向外側に、上下に間隔を空けて車幅方向内側に凹む凹部143,144を有している。上側の凹部143は、図12に示すように、オイル配管37Pの下方、かつ、配管接続部141の前方に位置しており、この凹部143に第2開口部133が形成されている。第2開口部133は、車体側面視で、パワーユニット11前方に位置する排気管33の少なくとも一部と重なる。第2開口部133を外気が通過することによって、配管接続部141、オイル配管37P、及び排気管33の周囲に外気を流し、これらを冷却し易くなる。
左前カバー部123Fは、ACGセンサー150の車幅方向外側に位置して、ACGセンサー150の少なくとも一部と車体側面視で重なる。この左前カバー部123Fによって、ACGセンサー150の側方及び下方をガードできる。この左前カバー部123Fは、本発明の「センサーカバー部」に相当する。
また、左前カバー部123Fは、車幅方向中心線LMを基準にして、右側の凹部143,144の左右対称位置に、凹部145,146を有し、第2及び第3開口部133,134の左右対称位置に、開口部135,136をそれぞれ有している。以下、説明の便宜上、上側の開口部135を「左側の第2開口部135」と適宜に表記し、下側の開口部136を「左側の第3開口部136」と適宜に表記する。
また、第1開口部131に風向き調整板132を設けているので、第1開口部131から流入する外気を好適な向きに調整できる。また、風向き調整板132によって、前方からの異物が第1開口部131を通過し難くなる。この風向き調整板132は、後上方に向けて傾斜するので、前壁121の斜め後方に位置するパワーユニット11等の周囲に外気を流し易くなる。
また、アンダーカバー57の左右の側壁122,123は、車体側面視で排気管33の少なくとも一部と重なる第3開口部134,136を有するので、第3開口部134,136を通過する外気によって、排気管33及びその周囲を冷却し易くなる。
3a 後輪軸
10 車体フレーム
11 パワーユニット
13A~13C 支持部
30 クランクケース
31 シリンダ部
33 排気管
34 マフラー
37 オイルクーラ
37P オイル配管
51 車体カバー(外装部材)
54 シュラウド
55 サイドカバー(外装部材)
57 アンダーカバー
61 ハガーフェンダー(カバー部材)
62 リアフェンダー
71 サリーガード(後輪カバー部)
72 骨格部材
73 樹脂製カバー
73A 第1カバー
73B 第2カバー
73C 第3カバー
73D 第4カバー
73E 第5カバー
73H,73J 貫通孔
73X 固定部
73Y 貫通孔
74 メイン骨格部材
74A 第1直線部
74B 第2直線部
74C 第3直線部
74D 第4直線部
75 サブ骨格部材
77A 第1ステー
77B 第2ステー
77C 第3ステー
80A~80C ブラケット
81~83,93 締結部材
91 アウターシュラウド
92 インナーシュラウド
92A,92W,132 風向き調整板
92K,112 開口部
100 イグニッションコイル(電装部品)
110 メッシュ部材
110A 第1メッシュ部材
110B 第2メッシュ部材
111 カバー
115 バッテリー(電装部品)
121 前壁
122 右側壁
122F 右前カバー部(配管カバー部)
122R 右後カバー部
123 左側壁
123F 左前カバー部(センサーカバー部)
123R 左後カバー部
131 第1開口部
133,135 第2開口部
134,136 第3開口部
141 配管接続部
143~146 凹部
150 ACGセンサー(センサーユニット)
LM 車幅方向中心線
Claims (7)
- 車体に連結されたスイングアーム(13)と、スイングアーム(13)に支持された後輪(3)と、前記後輪(3)の少なくとも上部側方を覆う後輪カバー部(71)とを備える鞍乗り型車両において、
前記後輪カバー部(71)は、前記スイングアーム(13)に支持される金属製の骨格部材(72)と、前記骨格部材(72)に支持される樹脂製カバー(73)とを有し、
前記樹脂製カバー(73)が前記骨格部材(72)よりも車幅方向外側に位置し、車両側面視で前記骨格部材(72)と前記樹脂製カバー(73)の少なくとも一部が重なることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 前記骨格部材(72)の複数の端部の少なくともいずれかが、車体側面視で、前記樹脂製カバー(73)の範囲に収まることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。
- 前記骨格部材(72)の複数の端部の少なくともいずれかは、当該鞍乗り型車両の後輪軸(3a)よりも前方に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両。
- 前記骨格部材(72)の複数の端部の少なくともいずれかは、後輪軸(3a)よりも後方に位置することを特徴とする請求項3に記載の鞍乗り型車両。
- 前記骨格部材(72)の車体後側の部分は、前記スイングアーム(13)よりも後方に位置することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記スイングアーム(13)に、前記骨格部材(72)を支持する上下の支持部(13A,13B)が設けられ、
前記骨格部材(72)は、上側の前記支持部(13A)から前記スイングアーム(13)の後方に延びた後、前記スイングアーム(13)よりも下方に延び、前記スイングアーム(13)の下方を前方に延びて下側の前記支持部(13B)に支持されることを特徴とする請求項1から5のいずれ一項に記載の鞍乗り型車両。 - 前記後輪カバー部(71)とは別体で、前記後輪(3)を前方から覆うカバー部材(61)を備え、前記後輪カバー部と前記カバー部材との間の隙間が、所定の範囲であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
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