JP2022152923A - 歯車装置 - Google Patents

Abstract

【課題】内部への異物の混入を防止して搬送可能な歯車装置を提供すること。【解決手段】歯車６を収容する筒状のハウジング４の軸方向一端部に配置され、歯車６との接続軸２２を配置するための中央開口５１を有する環状のハウジングカバー５を有し、ハウジングカバー５の外面に他のハウジングカバー５Ａを着脱自在に組付け可能な組付け機構５０が設けられている。【選択図】図３

Description

本発明は、歯車装置に関する。

自動車及びロボット等の様々な機械装置において、入力された回転を減速して出力する減速機として用いられる歯車装置として遊星歯車装置が知られている（特許文献１参照）。特許文献１の遊星歯車装置は、太陽歯車や内歯車、キャリア等の構成部材をハウジングに収容している。ハウジングの一端部側には、モータの軸部が挿入される開口部を有する円蓋板が取り付けられている。遊星歯車装置は、開口部内に、モータの端面から突出するモータ軸部を挿入して、円蓋板をモータの端面に当接して、ボルト等の締結部品により、モータに固定される。

特公平６－７４８３５号公報

ところで、上記のような従来の遊星歯車装置では、ハウジングの一端面側に、モータ軸が挿入される開口部を有しているので、遊星歯車装置自体を単体で搬送する場合、搬送状態によっては、開口部から塵埃が侵入することが考えられる。

このため、遊星歯車装置を搬送する際には、遊星歯車装置内に塵埃が侵入しないように、一端面側に、開口部を塞ぐキャップを取り付けるなどして、別部材で開口部を閉塞して搬送する必要があり、より簡潔な方法で内部への異物の混入を防止したいという要望があった。

本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、内部への異物の混入を防止して搬送可能な歯車装置を提供することを目的とする。

本発明の歯車装置の一つの態様は、
歯車を収容する筒状のハウジングの軸方向一端部に配置され、前記歯車との接続軸を配置するための中央開口を有する環状のハウジングカバーを有し、
前記ハウジングカバーの外面に他のハウジングカバーを着脱自在に組付け可能な組付け機構が設けられている構成を採る。

本発明によれば、内部への異物の混入を防止して搬送可能な歯車装置を提供することができる。

本発明に係る一実施の形態の歯車装置の使用状態を示す斜視図である。 本発明に係る一実施の形態の歯車装置の背面側斜視図である。 歯車装置の軸線方向に沿った縦断面図である。 本発明に係る一実施の形態の歯車装置の分解斜視図である。 ハウジングカバーの外面を示す図である。 係合部を示すハウジングカバーの部分拡大図である。 被係合部を示すハウジングカバーの部分拡大図である。 歯車装置の荷姿の説明に供する図である。 歯車装置の荷姿の説明に供する図である。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。

図１は、本発明に係る一実施の形態の歯車装置の使用状態を示す斜視図であり、図２は、同歯車装置の背面側斜視図であり、図３は、同歯車装置の軸線方向に沿った縦断面図である。図４は、本発明に係る一実施の形態の歯車装置の分解斜視図である。

以下の説明では、図１及び図３における左右方向を軸方向という。また、図１及び図３における左方向を軸方向における一方側といい、右方向を軸方向における他方側という。軸方向とは、特に断らない限り、歯車装置を構成する各部材の軸方向を意味する。

また、図１及び図３において軸方向に直交する方向を径方向という。径方向とは、特に断らない限り、歯車装置を構成する各部材の径方向を意味する。径方向における外側とは、径方向において、歯車装置を構成する各部材の中心から離れる方向を意味する。一方、径方向における内側とは、径方向において、歯車装置を構成する各部材の中心に近づく方向を意味する。また、図１及び図３において、軸方向に平行な歯車装置の中心軸回りの方向を周方向という。周方向とは、特に断らない限り、遊星歯車装置を構成する各部材の周方向を意味する。

図１～図４に示す歯車装置１は、モータ２に取り付けられて、アクチュエータ１０を構成する。

モータ２は、モータ本体２１と、回転軸２２と、を有する。モータ２は、制御部（不図示）の制御下で作動し、回転軸２２を回転させて歯車装置１を駆動する。

モータ本体２１は、軸方向における他方側の端面（図１における右端面）に、歯車装置１を支持するための支持面２１１を有する。モータ本体２１は、支持面２１１に、複数（本実施形態の場合、２個）のモータ側の固定孔２３ａ、２３ｂを有する。
回転軸２２は、歯車装置１内の歯車機構（例えば、後述する遊星歯車機構）６に接続される接続軸である。

固定孔２３ａ、２３ｂは、例えば、歯車装置１をモータ２に取り付ける際に、歯車装置１の歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂと係合するモータ側被係合部である。固定孔２３ａ、２３ｂは、支持面２１１において、周方向における等間隔（１８０°間隔）位置に設けられている。固定孔２３ａ、２３ｂに、図２及び図３に示す、歯車装置１が有する凸状の歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂと係合して、歯車装置１をモータ２に固定する。これら歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂを、モータ側の固定孔２３（２３ａ、２３ｂ）に圧入することにより、モータ２に歯車装置１が固定されている。モータ２は、後述の歯車装置１を支持するための部材でもある。なお、モータの種類は、特に限定されず、従来から知られている種々の電動モータであってよい。

歯車装置１は、例えば、遊星歯車装置とし、モータ２に取り付けられて、例えば、自動車のバックドアの開閉に用いられる自動車用の電動バックドアのアクチュエータとして使用される。歯車装置１は、以下では、遊星歯車装置として説明するが、貫通孔を介して、外部から挿入される回転軸２２に接続されて、駆動する歯車装置であれば、どのような歯車機構を有する装置であってもよい。

歯車装置１は、モータ２から入力された回転を、所定の減速比で減速して出力する。歯車装置１は、歯車機構６としての遊星歯車機構を収容するハウジング４と、ハウジング４の軸方向における一端部側の端部（軸方向一端部）に配置されるハウジングカバー５と、を有する。

＜ハウジング４＞
ハウジング４は、実施の形態では、歯車機構６をハウジングカバー５とともに収容し、複数段の減速を実現している。ハウジング４では、歯車機構６は、モータ２の駆動による回転軸２２の回転を２段階で減速して出力軸接続部８７から出力する。

ハウジング４は、ハウジングカバー５が取り付けられる軸方向の一方側の端部が開放された筒状体である。ハウジング４は、筒状の本体筒部４５において軸方向の他方側の端部に、支持筒部４７を有する円輪部４６が接合されている。なお、ハウジング４は、例えば合成樹脂製で、射出成形により、本体筒部４５を、支持筒部４７を有する円輪部４６とともに、一体成形されることが好ましい。

本体筒部４５は、円筒状であって、内側に、歯車機構６を収容する。
本体筒部４５は、軸方向における一方側の端部である一端部に、係合凸部４５１ａと、ハウジング係合孔４５１ｂとが、それぞれ設けられている。

係合凸部４５１ａは、本体筒部４５の一端部の開口縁における周方向の複数箇所に、軸方向に延在して設けられている。本体筒部４５の一端部が、ハウジングカバー５に外嵌した際に、係合凸部４５１ａは、係合凹部５２３と係合する。

ハウジング係合孔４５１ｂは、本体筒部４５の一端部において、周方向に延在して複数（本実施形態の場合４個）設けられている。ハウジング係合孔４５１ｂは、周方向に延在するスリット状に形成されている。ハウジング係合孔４５１ｂは、ハウジングカバー５の接続筒部５３に外嵌した際に、ハウジングカバー５の係合爪部５３１と係合する。

これら係合凸部４５１ａとハウジング係合孔４５１ｂとが、それぞれ、ハウジングカバー５の係合凹部５２３と、ハウジングカバー５の係合爪部５３１とに係合すると、切り欠き部５２４にキー凸部４５１ｃが係合する。

ハウジング４は、ハウジング係合孔４５１ｂと係合爪部５３１との係合により、ハウジングカバー５に対する軸方向及び周方向への移動が規制されている。また、ハウジング４は、係合凸部４５１ａと係合凹部５２３との係合により、接続筒部５３に対する周方向への移動が規制されている。また、ハウジング４は、キー凸部４５１ｃと切り欠き部５２４との係合により、ハウジングカバー４を所定の位置に組み付けることができる。

本体筒部４５は、軸方向における一方側（図３における左側）から他方側（図３における右側）へ順に、第１遊星歯車機構７と、第２遊星歯車機構８とを収容する。本体筒部４５は、第２遊星歯車機構８を、その出力軸接続部８７を、本体筒部４５の軸方向における他方側（図３における右側）の端部から他方側に突出させた状態で収容する。

本体筒部４５の内周面には、後述の第１内歯車７４の外周面と径方向に対面する部分に、後述の第１内歯車７４の外周の外周溝部７４１ｃと周方向に係合する凸条４５１ｄが、軸方向に延在して設けられている。凸条４５１ｄは、外周溝部７４１ｃに対応して複数（例えば、４個）設けられている。

凸条４５１ｄは、本体筒部４５の内周面と第１内歯車７４の外周面との間に、径方向に存在する僅かな隙間において、外周溝部７４１ｃと点接触または線接触で接触する。これにより、本体筒部４５は、第１内歯車７４を、本体筒部４５（ハウジング４）の中心軸に対して、第１内歯車７４の軸線が僅かに傾斜するように移動可能に支持する。すなわち、本体筒部４５は、第１内歯車７４をフローティング支持している。

本体筒部４５は、軸方向における他方側の内周面に、軸方向に延在する複数の歯部を有する第２内歯車部４５２２を有する。第２内歯車部４５２２は、はすば歯車であって、後述の第２遊星歯車機構８の遊星歯車８２と噛合している。

なお、第２内歯車部４５２２は、平歯車であってもよい。また、本体筒部４５の他方側の部位を、第２遊星歯車機構８の内歯車と捉えることもできる。また、第２遊星歯車機構８の内歯車は、本体筒部４５、つまり、ハウジング４と別体の部材であってもよい。この場合、ハウジング４とは別に設けた内歯車の内周面に第２内歯車部を設ける。そして、この内歯車を、ハウジング４に固定（内嵌）する。この内歯車は、後述の第１遊星歯車機構７の第１内歯車７４と同様にハウジング４によりフローティング支持されてもよい。

円輪部４６は、円輪状であり、本体筒部４５の軸方向他端部に接続されている。具体的には、円輪部４６の径方向における外端部は、ハウジング４の他方側の端部に一体に設けられている。

支持筒部４７は、筒状であり、円輪部４６の中央の開口に連続して、軸方向に沿って、軸方向における他方側、つまり、出力側に突設されている。支持筒部４７は、出力軸接続部８７をその接続口を外露出した状態で回転可能に支持している。これにより、出力軸接続部８７に、出力軸、或いは、回転力の出力対象となる部材を接続して、出力軸接続部８７が出力するトルクを外部の機構に伝達することができる。

以上のような構成を有するハウジング４が、歯車機構６を収容した状態で、ハウジングカバー５を介して、モータ２に固定される。

＜歯車機構６＞
歯車機構６は、図３及び図４に示すように、遊星歯車機構であり、ハウジング４内に収容され、モータ２から伝達された回転を減速して出力軸接続部８７を介して出力する。歯車機構６は、軸線方向に沿って配置された第１遊星歯車機構７と第２遊星歯車機構８とを有している。

第１遊星歯車機構７は、太陽歯車７１と、太陽歯車７１を中央にしてその周囲に配された複数の遊星歯車７２と、複数の遊星歯車７２を回転可能に支持する第１キャリア７３と、第１内歯車７４とを備えている。第１遊星歯車機構７は、１つ以上の遊星歯車７２を備えていればよいが、本実施の形態では、３つの遊星歯車７２を備える。

太陽歯車７１は、外周面に太陽歯部が形成された外歯車であり、中央開口５１を介して、歯車装置１内に挿入される接続軸である、モータ２の回転軸２２に接続される。太陽歯車７１は、モータ２の駆動により、回転軸２２と同一軸心で回転可能である。太陽歯車７１は、例えば、太陽歯車７１の軸に対して斜めに切られた螺旋状の歯を有する。太陽歯車７１は、所謂、はすば歯車である。

遊星歯車７２は、外周面に遊星歯部が形成された外歯車である。複数の遊星歯車７２は、太陽歯車７１と第１内歯車７４との間に等間隔に配置され、太陽歯車７１と第１内歯車７４の双方に噛合する。複数の遊星歯車７２は、例えば、第１遊星歯車機構７の軸を中心とした同一の円上に配置され、第１キャリア７３により回転可能に支持されている。遊星歯部は、例えば、遊星歯車７２の軸に対して斜めに切られた螺旋状の歯を有する。遊星歯車７２は、所謂、はすば歯車である。

遊星歯車７２はそれぞれ、太陽歯車７１の回転に基づいて、自身の中心軸（遊星軸部７３４４）を中心に回転する。また、遊星歯車７２はそれぞれ、それ自体の回転及び第１内歯車７４との噛合に基づいて、太陽歯車７１の周りを公転する。遊星歯車７２の公転の中心軸は、太陽歯車７１の中心軸に一致してよい。

第１キャリア７３は、遊星歯車７２を回転可能（自転可能）に支持する。加えて、第１キャリア７３は、遊星歯車７２の公転に基づいて回転し、回転を第２遊星歯車機構８に伝達する。
第１キャリア７３は、キャリア本体７３２と、キャリア本体７３２と係合するキャリアカバー７３４とを有する。

第１キャリア７３は、キャリア本体７３２と、キャリアカバー７３４とにより筒状に形成されており、その外周面に形成された収容開口７３ａ内に、遊星歯車７２を収容している。遊星歯車７２のそれぞれは、収容開口７３ａ内で軸線方向に向けられた遊星軸部７３４４により回転可能に支持されている。遊星歯車７２の一部は、収容開口７３ａを介して、径方向外方に突出した状態で取り付けられている。これにより、遊星歯部は、第１内歯車７４の内歯部と噛み合う。

第１キャリア７３は、太陽歯車及び遊星歯車７２を回動自在に収容するとともに、キャリア本体７３２には太陽歯車と同じ軸で回転する、第２遊星歯車機構８の太陽歯車８１が固定されている。

キャリアカバー７３４は、キャリア本体７３２に対して、軸方向における一方側から取り付けられ、遊星歯車７２の軸を支持する。キャリアカバー７３４は、ハウジング４の内部でハウジングカバー５に軸方向で隣接して配置され、ハウジングカバー５と摺動可能である。

第１内歯車７４は、遊星歯車７２の周囲に配置される筒状体であり、内周面に設けられた第１内歯部で、遊星歯車７２と噛合している。第１内歯部は、第１内歯車７４の中心軸（モータ２の回転軸２２の中心軸と共通の中心軸）に対して斜めに切られた螺旋状の歯を有し、第１内歯車７４は、はすば歯車である。

第１内歯車７４の外周面には、外周溝部７４１ｃを有する第１凸条７４１ａが複数（本実施形態の場合、軸方向で離間する端部に３個ずつ）設けられている。

第１凸条７４１ａは、周方向に延在している。外周溝部７４１ｃと凸条４５１ｄとの係合により、第１内歯車７４のハウジング４に対する回転が規制されている。

第１内歯車７４は、ハウジング４内において、第１内歯車７４の軸方向における一方側の端部は、ハウジングカバー５と、僅かな隙間を介して軸方向に対面している。軸方向における一方側への移動は、ハウジングカバー５により所定量に規制される。

一方、第１内歯車７４の軸方向における他方側の端部は、ハウジング４における段部と、軸方向の所定隙間を介して軸方向に対面しており、第１内歯車７４の軸方向における他方側への移動が、段部により所定量に規制される。

第２遊星歯車機構８は、第１遊星歯車機構７から伝達された回転を、所定の減速比で減速して、出力する。第２遊星歯車機構８は、第１遊星歯車機構７よりも軸方向における他方側（図１の右側であり、出力側）に設けられている。

第２遊星歯車機構８は、ハウジング４の収容空間において、ハウジング４の本体筒部４５の軸方向の他方側に収容される。具体的には、本体筒部４５の第２内歯車部４５２２と対応する部分に配置されている。なお、第２遊星歯車機構８は、省略されてもよい。

第２遊星歯車機構８は、太陽歯車８１と、遊星歯車８２と、遊星歯車８２を回転可能に支持する第２キャリア８３と、を備えている。第２遊星歯車機構８は、３つの遊星歯車８２を備えるが、１つ以上の遊星歯車８２を備えていればよい。

太陽歯車８１は、外歯車であって、外周面に、太陽歯部を有する。太陽歯部は、本実施の形態では、太陽歯車８１の中心軸に対して斜めに切られた螺旋状の歯を有しており、太陽歯車８１は、所謂、はすば歯車である。太陽歯車８１は、本実施の形態では、第１遊星歯車機構７の第１キャリア７３に互いの軸線を一致させた状態で固定されている。これにより、太陽歯車８１は、第１遊星歯車機構７の第１キャリア７３の回転に伴い、第１遊星歯車機構７の第１キャリア７３の回転に連動して、第１キャリア７３と同じ回転方向に、且つ、第１キャリア７３と同じ回転速度で回転する。

遊星歯車８２は、外周面に遊星歯部が形成された外歯車である。複数の遊星歯車８２は、太陽歯車８１と第２内歯車部４５２２との間に等間隔に配置され、太陽歯車８１と第２内歯車部４５２２の双方に噛合する。複数の遊星歯車８２は、第２遊星歯車機構８の軸を中心とした同一の円上に配置され、第２キャリア８３の遊星軸８６に回転可能に支持されている。遊星歯部は、本実施の形態では、遊星歯車８２の軸に対して斜めに切られた螺旋状の歯を有し、本実施の形態の遊星歯車８２は、所謂、はすば歯車である。

遊星歯車８２はそれぞれ、太陽歯車８１の回転に基づいて、自身の中心軸（遊星軸８６）を中心に回転する。また、遊星歯車８２はそれぞれ、それ自体の回転及び第２内歯車部４５２２との噛合に基づいて、太陽歯車８１の周りを公転する。遊星歯車８２の公転の中心軸は、太陽歯車８１の中心軸に一致してよい。

第２キャリア８３は、遊星歯車８２を回転可能（自転可能）に支持する。加えて、第２キャリア８３は、遊星歯車８２の公転に基づいて回転し、出力軸接続部８７に接続される出力軸に伝達する。第２キャリア８３は、歯車保持部８３４と、出力軸接続部８７を保持する第２キャリア本体８３５とを有する。

歯車保持部８３４は、太陽歯車８１の外周に配置されるリング部に、軸線方向に設けた遊星軸８６を有する。遊星軸８６には、遊星歯車８２が挿通され、遊星歯車８２を回転自在に支持している。歯車保持部８３４は、第２キャリア本体８３５に接合される。第２キャリア本体８３５の外周面に形成された収容開口８３ａから、遊星歯車８２のそれぞれが露出している。収容開口８３ａを介して、遊星歯車８２の遊星歯部は、第２内歯車部４５２２の歯部と噛合する。

出力軸接続部８７は、第２キャリア本体８３５よりも他方側（出力側）に突設され、且つ、第２キャリア本体８３５よりも小径の円筒状に形成されている。出力軸接続部８７の径方向における内側には、ローレット形状の歯が設けられ、出力軸が接続される。

＜ハウジングカバー５＞
ハウジングカバー５は、例えば、モータ２を歯車装置１に取り付けるための部材である。また、ハウジングカバー５には、ハウジングカバー５と同一構成を有する他のハウジングカバー５Ａ（図８、９参照）を着脱自在に組付け可能な組付け機構５０が設けられている。

ハウジングカバー５は、ハウジング４の軸方向一端部に配置される。
ハウジングカバー５は、環状体であり、中央部に、遊星歯車機構（歯車）との接続軸である回転軸２２を配置するための中央開口５１を有する。中央開口５１は、ハウジング４内部の太陽歯車７１の軸と同一軸心となるように配置される。中央開口５１には、モータ２の回転軸２２が挿入され、回転軸２２はハウジング４内で太陽歯車７１に固定される。

ハウジングカバー５において、ハウジングカバー５の外面５ａの、中央開口５１の周囲には、組付け機構５０が設けられている。

ハウジングカバー５は、円輪状の外面部５２と、外面部５２の外周部分から軸方向に突出して設けられた筒状の接続筒部５３と、を有する。ハウジングカバー５の外面部５２及び接続筒部５３は、例えば合成樹脂製で射出成形により一体成形される。

外面部５２は、軸方向の外面５ａ側で、モータ本体２１の支持面２１１に固定される部分である。外面部５２は、ハウジング４の軸方向一端部に配置されることで、ハウジングの４の軸方向一端部側の開口を、中央開口５１が連続した状態で塞ぐように取り付けられる。

図５は、ハウジングカバーの外面を示す図であり、図６は、係合部を示すハウジングカバーの部分拡大図であり、図７は、被係合部を示すハウジングカバーの部分拡大図である。

図２、図３及び図５に示すように組付け機構５０は、外面部５２において、中央開口５１の周囲の異なる位置に配置された係合部５０２（５０２ａ、５０２ｂ）及び被係合部５０４（５０４ａ、５０４ｂ）を有する。

係合部５０２及び被係合部５０４は、ハウジングカバー５の外面５ａと、歯車装置１と同様に構成される他の歯車装置１Ａのハウジングカバー５の外面５ａとを対向させたとき（図８参照）に、互いの係合部５０２と互いの被係合部５０４とが対向する。すなわち、ハウジングカバー５の係合部５０２及び被係合部５０４は、係合部５０２と他のハウジングカバー５の被係合部５０４とが対向し、且つ、被係合部５０４と他のハウジングカバー５Ａの係合部５０２Ａとが対向する位置に設けられている。

例えば、係合部５０２と被係合部５０４は、それぞれ２つずつの歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂ、歯車側被係合部５０４ａ、５０４ｂを有する。係合部５０２と被係合部５０４とは、外面５ａにおいて、軸を中心に交互に９０°の間隔を空けて設けられている。

係合部５０２は、歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂであり、軸方向外側面である外面５ａの表面から軸方向に突出する凸状に形成される軸方向凸部である。

軸方向凸部である歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂの外周には、歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂの軸心方向に陥没する軸心方向凹部５０２２が複数設けられている。軸心方向凹部５０２２により歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂは、それぞれ軸方向に延在する十字形状に形成されている。

また、歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂは、外面部５２において、モータ本体２１のモータ側の固定孔２３ａ、２３ｂに対応する位置に位置する。歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂを固定孔２３ａ、２３ｂに挿入（例えば、圧入）して係合することにより、モータ２に、ハウジングカバー５が、ハウジングカバー５の回転、つまり、歯車装置１の回転が規制された状態で、固定される。なお、歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂが固定孔２３ａ、２３ｂに係合するとき、歯車側係合部５０２ａ、５０２ｂの外周端部が固定孔２３ａ、２３ｂの内壁に当接する。

一方、被係合部５０４は、外面５ａの表面から軸方向に陥没する軸方向凹部５０４２を有する。被係合部５０４の軸方向凹部５０４２は、係合部５０２の形状に対応して形成されている。被係合部５０４は、軸方向凹部５０４２で、他のハウジングカバー５Ａの係合部５０２に嵌合して、被係合部５０４を有するハウジングカバー５と、他のハウジングカバー５Ａとを組み付けることができる。

被係合部５０４は、歯車側被係合部５０４ａ、５０４ｂを有し、軸部を中心に点対称に配置されている。

歯車側被係合部５０４ａ、５０４ｂのそれぞれの軸方向凹部５０４２の内周には、軸方向凹部５０４２の軸心方向に突出し、他のハウジングカバー５Ａの軸心方向凹部５０２２内に配置可能な軸心方向凸部５０４４が複数設けられている。

複数の軸心方向凸部５０４４は、例えば、軸心方向凹部５０２２が嵌合する十字状の空間を形成している。複数の軸心方向凸部５０４４の頂点どうしは、基端側よりも間隔が狭くなるように形成され、軸心方向凹部５０２２の底部に向かって圧入可能な形状に形成されていることが好ましい。

軸心方向凸部５０４４の頂部が他のハウジングカバー５Ａの軸心方向凹部５０２２に圧入することにより、ハウジングカバー５と他のハウジングカバー５Ａとが着脱可能に組付けられる。このとき、軸心方向凸部５０４４の頂部は、他のハウジングカバー５Ａの軸心方向凹部５０２２に圧接し、他のハウジングカバー５Ａの歯車側係合部５０２ａの外周端部には圧接しない。よって、軸心方向凸部５０４４の頂部が他のハウジングカバー５Ａの歯車側係合部５０２ａの外周端部を変形させてしまうことがなく、モータに対する他のハウジングカバー５Ａの固定を不安定にさせてしまうことがない。

また、外面部５２は、外周部分には、軸方向に切り欠かれた凹状の複数（本実施形態の場合、５個）の係合凹部５２３、切り欠き部５２４を有する。係合凹部５２３、切り欠き部５２４は、ハウジング４の係合凸部４５１ａ、キー凸部４５１ｃと軸方向で係合している。

また、外面部５２は、外面部５２の軸方向における他端部側、つまり、ハウジング４側の面５ｂに、歯車機構６の一端部と摺動する摺動部（図３及び図４参照）５２６を有する。

摺動部５２６と、摺動部５２６に摺動する歯車機構６の一端部とのうち、一方は、軸方向で径が異なる錘状部を有し、他方は、錘状部の軸と同一軸心で錘状部の周面を摺動する摺動部を有するように構成されていることが好ましい。

接続筒部５３は、外面部５２のハウジングカバー内面５ｂの外周から突出した円弧状壁部であって、周方向に延在する複数の円弧状壁部５３０により筒状に構成されている。接続筒部５３は、外面部５２に一体に設けられ、所定の円弧状壁部５３０の外周面に、ハウジング４の軸方向一端部と係合する複数（本実施形態の場合、４個）の係合爪部５３１を有する。接続筒部５３は、係合爪部５３１を介して、ハウジング４に接続されている。

＜歯車装置１の効果＞
このように構成された歯車装置１は、回転軸２２が挿入される中央開口５１が設けられた一端面である外面５ａには、中央開口５１の周囲に、係合部５０２、被係合部５０４を有する。すなわち、歯車装置１は、中央開口５１を有するハウジングカバー５に、ハウジングカバー５と同一構成を有する他のハウジングカバー５Ａを着脱自在に組付け可能な組付け機構５０である係合部５０２、被係合部５０４を有している。

歯車装置１を運搬する際には、まず、図８及び図９に示すように、別の歯車装置１Ａを用いて、互いのハウジングカバー５、５Ａを対向配置する。そして、互いのハウジングカバー５、５Ａのうちの一方の係合部５０２に他方の被係合部５０４を嵌合するとともに、一方の被係合部５０４に、他方の係合部５０２を嵌合する。これらの嵌合は軸方向への圧入により行われるので、着脱可能となっている。

このように、ハウジングカバー５、５Ａのうちの一方の係合部５０２に他方の被係合部５０４を嵌合し、一方の被係合部５０４に他方の係合部５０２を嵌合することにより、歯車装置１、１Ａは、互いの中央開口５１を閉塞する状態となる。
これにより、互いの中央開口５１から内部に異物が混入することを防止して、モータ２に取り付けて使用することができる。

また、搬送時に中央開口５１を塞ぎ、その後不要となる、別部材のキャップを用いないので、搬送後に不要物は発生することがない。

なお、本実施の形態では、組付け機構５０としての係合部５０２、被係合部５０４は、軸方向に圧入により嵌合する構成としたが、同様に構成される歯車装置を用いて互いの中央開口を塞ぐものであれば、どのような組付け構造でもよい。

例えば、互いに周方向で嵌合可能な形状の係合部と被係合部とを有する構成とし、歯車装置のハウジングカバーと、他の歯車装置のハウジングカバーとを軸方向で嵌め合わせ、周方向に回転させることで、互いに嵌合する係合部と被係合部とを設けた構成としてもよい。

今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。

本発明に係る歯車装置は、内部への異物の混入を防止して安全に搬送でき、搬送後に不要物の発生を防ぐ効果を有し、現場で駆動部に組み付ける歯車装置として有用である。

１、１Ａ 歯車装置
２ モータ
４ ハウジング
５、５Ａ ハウジングカバー
５ａ 外面
５ｂ 面
６ 歯車機構
７ 第１遊星歯車機構
８ 第２遊星歯車機構
１０ アクチュエータ
２１ モータ本体
２２ 回転軸
２３ａ、２３ｂ 固定孔
４５ 本体筒部
４６ 円輪部
４７ 支持筒部
５０ 組付け機構
５１ 中央開口
５２ 外面部
５３ 接続筒部
７１、８１ 太陽歯車
７２、８２ 遊星歯車
７３ 第１キャリア
７３ａ、８３ａ 収容開口
７４ 第１内歯車
８３ 第２キャリア
８６ 遊星軸
８７ 出力軸接続部
２１１ 支持面
４５１ａ 係合凸部
４５１ｂ ハウジング係合孔
４５１ｃ キー凸部
４５１ｄ 凸条
５０２、５０２Ａ 係合部
５０２ａ、５０２ｂ 歯車側係合部（軸方向凸部）
５０４ 被係合部
５０４ａ、５０４ｂ 歯車側被係合部
５２３ 係合凹部
５２４ 切り欠き部
５２６ 摺動部
５３０ 円弧状壁部
５３１ 係合爪部
７３２ キャリア本体
７３４ キャリアカバー
７４１ａ 第１凸条
７４１ｃ 外周溝部
８３４ 歯車保持部
８３５ 第２キャリア本体
４５２２ 第２内歯車部
５０２２ 軸心方向凹部
５０４２ 軸方向凹部
５０４４ 軸心方向凸部
７３４４ 遊星軸部

Claims (6)

1. 歯車を収容する筒状のハウジングの軸方向一端部に配置され、前記歯車との接続軸を配置するための中央開口を有する環状のハウジングカバーを有し、
   前記ハウジングカバーの外面に他のハウジングカバーを着脱自在に組付け可能な組付け機構が設けられている、
   歯車装置。
2. 前記組付け機構は、前記ハウジングカバーの外面の、前記中央開口の周囲に設けられている、
   請求項１記載の歯車装置。
3. 前記組付け機構は、前記周囲の異なる位置に配置された係合部及び被係合部を含み、
   前記係合部及び前記被係合部は、前記ハウジングカバーの前記外面と前記他のハウジングカバーの前記外面とを対向させたときに、前記ハウジングカバーの前記係合部と前記他のハウジングカバーの前記被係合部とが対向し、且つ、前記ハウジングカバーの前記被係合部と前記他のハウジングカバーの前記係合部とが対向するように、設けられている、
   請求項２に記載の歯車装置。
4. 前記係合部は、前記外面の表面から前記軸方向に突出する軸方向凸部を有し、
   前記被係合部は、前記外面の表面から前記軸方向に陥没する軸方向凹部を有し、
   前記軸方向凸部が前記他のハウジングカバーの前記軸方向凹部に嵌合することにより、前記ハウジングカバーと前記他のハウジングカバーとが組付けられる、
   請求項３に記載の歯車装置。
5. 前記軸方向凸部の外周には、前記軸方向凸部の軸心方向に陥没する軸心方向凹部が複数設けられており、
   前記軸方向凹部の内周には、前記軸方向凹部の軸心方向に突出し、前記他のハウジングカバーの前記軸心方向凹部内に配置可能な軸心方向凸部が複数設けられており、
   前記軸心方向凸部の頂部が前記他のハウジングカバーの前記軸心方向凹部に圧入することにより、前記ハウジングカバーと前記他のハウジングカバーとが組付けられる、
   請求項４に記載の歯車装置。
6. 前記ハウジングカバーは、前記他のハウジングカバーと同一構成を有する、
   請求項１から５のいずれか一項に記載の歯車装置。
   

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