JP2022152725A - 引戸の両方向引込み装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】引戸の引戸の幅広い重量に対応可能とし、長い制動距離が得られるようにするとともに、製品コストの低廉化を図る。【解決手段】両側壁に案内部10aが形成されるとともに、案内部10aの両端部にそれぞれ仮停止部Kが形成されたケース10内に、ピストン式ダンパー14が配設され、このピストン式ダンパー14の戸先側端部と戸尻側端部とにそれぞれ、案内部10a又は仮停止部Kに係合する係合部18a、19aを有する関係にあるスライダー18、19が回動可能に連結され、且つスライダー18、19がスプリング部材17によって引込み方向の付勢力が与えられ、少なくとも一方側のスライダー18(19)がケース10の仮停止部Kに係止されている引戸2の両方向引込み装置1である。ピストン式ダンパー14が、中間連結部材20を介して直列的に連結された2つのピストン式ダンパー14A、14Bからなる。【選択図】図4

Description

本発明は、引戸の閉操作時と引戸の開操作時にそれぞれ引戸全閉位置と引戸全開位置とに引戸を引き込み可能とした引戸の両方向引込み装置に関する。
従来より、引戸の上端部に固定された吊り車型ランナ装置が戸枠の鴨居に固設されたガイドレールに沿って走行案内される吊戸(吊り引戸)や、引戸の下端部に固定された戸車が戸車用ガイドレールに沿って走行案内される引戸では、開き状態から所定の位置まで閉めた後は、閉まり位置まで自動的に引き込んで閉止させる引戸の引込み装置が種々提案されている。
例えば、下記特許文献1では、図11に示されるように、ケース50内を引戸の開閉方向に沿ってスライド可能に設けられるとともに、前記ケース50に形成されたスライド案内溝51aに係合する係合突部52aを有し、且つ上端部が前記ケース50から突出状態で設けられ前記係合ピン55と係脱する関係にあるスライダー52と、ピストン先端が前記スライダー52に連結された状態で前記ケース50内に設けられるピストン式ダンパー53と、一端が前記スライダー52に係止されるとともに他端が前記ケース50に係止され、前記スライダー52に引戸の引込み方向の付勢力を与えるスプリング部材54とから構成され、
前記スライド案内溝51aの引戸端部側には、前記スライド案内溝51aから連続して屈曲状案内溝51bからなる仮停止部Kが形成され、
前記スライダー52には、引戸の開操作に伴い前記係合ピン55に係合して該スライダー52を前記スプリング部材54の付勢力に抗して引戸端部側に移動させるとともに、スライド案内溝51aの引戸端部側においてスライダー52の係合突部52aが前記屈曲状案内溝51b側に案内されることにより該スライダー52を揺動させて仮停止状態とし、これに伴い前記係合ピン55との係合が解除される先端側係合片52bと、引戸の閉操作に伴い前記係合ピン55に係合して前記仮停止状態にあるスライダー52を揺動動作させ仮停止状態を解除することにより前記先端側係合片52bと係合ピン55とを係合させる基端側係合片52cとが備えられ、前記引戸の閉操作時に、前記ピストン式ダンパー53による制動力を受けながら前記スプリング部材54の付勢力により引戸を閉まり位置まで引き込むようにした引込み装置本体が開示されている。
上記引込み装置は、引戸を閉まり側方向に引き込むものであるが、片引き戸などでは、引戸を閉まり側方向と開き側方向とに夫々引込み可能とした引戸の両方向引込み装置が提案されている。
例えば、下記特許文献2には、長手方向の両端側に係止溝を有する棒状ケーシングと、シリンダ部とピストンロッドとからなる緩衝ダンパと、前記シリンダ部の基部端及び前記ピストンロッド先端にそれぞれ軸支したフック部材と、対向する両フック部材間に設けられた引張り弾性体とからなり、少なくとも一方側の前記フック部材が前記棒状ケーシングの係止溝に係止されてなる戸閉具が開示されている。
上記特許文献2に係る引込み装置によれば、引戸を閉まり側方向と開き側方向とにそれぞれ引込み装置を必要とした従来型に対して、1つの引込み装置で閉まり側方向と開き側方向との両方向に引き込みが行えるため、装置がコンパクト化できる、僅かのスペースに容易に装着できる、簡単な構成で済むため安価に提供できるなどの利点をもたらすことができる。
特開2012-149438号公報 特開2009-287355号公報
しかしながら、上記特許文献2記載の両方向引込み装置の場合は、1本のダンパーに対して、シリンダ部の基端部及びピストンロッド先端にそれぞれフック部材が設けられているため、軽量扉から重量扉まで対応するには、引戸の重量に応じた衝撃力に対応可能な複数種のダンパーを予め準備しておく必要があった。また、ダンパーの制動力を効かせる範囲(ストローク)を長くしたい場合も、ストロークの長い特殊なダンパーを製作する必要があり、コストが嵩む要因となっていた。更に、ダンパーの大きさに合わせて収納するケースのサイズも複数用意しておく必要があった。
また、重い引戸ほど、出力の大きなダンパーを使用するが、ダンパーが1本からなる両方向引込み装置の場合、引戸の開閉回数に対する耐久性が小さくなる傾向にある。
そこで本発明の主たる課題は、引戸の幅広い重量に対応可能とし、長い制動距離が得られるようにするとともに、製品コストの低廉化を図った引戸の両方向引込み装置を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、両側壁に案内部が形成されるとともに、前記案内部の両端部にそれぞれ仮停止部が形成されたケース内に、ピストン式ダンパーが配設され、このピストン式ダンパーの戸先側端部と戸尻側端部とにそれぞれ、前記案内部又は仮停止部に係合する係合部を有し、戸枠又はレール側に設けられた係合ピンと係脱する関係にあるスライダーが回動可能に連結され、且つ前記スライダーがスプリング部材によって引込み方向の付勢力が与えられ、少なくとも一方側のスライダーが前記ケースの仮停止部に係止されている引戸の両方向引込み装置において、
前記ピストン式ダンパーが、中間連結部材を介して直列的に連結された2つのピストン式ダンパーからなることを特徴とする引戸の両方向引込み装置が提供される。
上記請求項1記載の発明では、引戸の両方向引込み装置において、ピストン式ダンパーが、中間連結部材を介して直列的に連結された2つのピストン式ダンパーで構成されているため、各ピストン式ダンパーの出力が小さくても、2つのピストン式ダンパーを組み合わせることによって重量の重い引戸にも対応できるようになる。また、2つのピストン式ダンパーを直列に連結しているため、単独のピストン式ダンパーと比較して制動距離がほぼ2倍相当になり、長い制動距離が得られるようになる。また、特殊な重量用や長ストローク用のダンパーを使用することなく、汎用性の高い標準的なダンパーを用いることができるため、製品コストの低廉化を図ることができる。
請求項2に係る本発明として、前記スプリング部材が、前記スライダーと前記中間連結部材との間に設けられている請求項1記載の引戸の両方向引込み装置が提供される。
上記請求項2記載の発明は、スライダーを引き込むスプリング部材の配置形態について規定したものである。
以上詳説のとおり本発明によれば、引戸の幅広い重量に対応可能となり、長い制動距離が得られるとともに、製品コストの低廉化が図れるようになる。
本発明に係る両方向引込み装置1を適用した吊り引戸2の正面図である。 両方向引込み装置1及び吊り車型ランナ装置7の分解図である。 両方向引込み装置1の斜視図である。 (A)は両方向引込み装置1の分解図、(B)はケース中間部11の端部の拡大図である。 引込み装置ユニット9の側面図である。 引込み装置ユニット9の分解図である。 中間連結部材20を示す、(A)は側面図、(B)は端面図、(C)は下面図である。 中間連結部材20の斜視図である。 引込み要領(A)~(C)を示す手順図である。 両方向引込み装置1のストロークを示す側面図である。 従来の引込み装置を示す要部拡大側面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔両方向引込み装置1の構造〕
図1に示される引戸2は、上レール3、側枠5A、5B及び下レール6によって開口枠が設けられるとともに、前記上レール3内を走行する吊り車型ランナ装置7,8が配設され、これら吊り車型ランナ装置7,8によって吊持されることによって、前記上レール3に沿って移動自在とされた吊り引戸である。吊り引戸2は、走行時に引戸下端が揺れないように下ピボット29が下レール6に沿って走行するようになっている。
図2に示されるように、引戸2の上部両端部には、正面視でU字状の切欠き2aが設けられ、この切欠き2a内に固定用台座28が嵌合され、ビス30によって固定されている。
前記固定用台座28に対して、吊り車型ランナ装置7、8がワンタッチ式で取り付けられる。代表的に戸先側に配置された吊り車型ランナ装置7について詳しく説明すると、前記吊り車型ランナ装置7は、ランナ本体7Aとランナ取付具7Bとからなり、これらが縦方向配向の軸部材によって連結されている。前記ランナ本体7Aは、ローラ支持体31の両側に夫々2個づつ、ローラ支軸によって支持されたローラ32を備え、これらローラ32、32…が上レール3の走行溝3b、3bを転動することにより前記上レール3に沿って移動自在となっている。戸尻側の吊り車型ランナ装置8についてもこれと同様の構造である。
前記上レール3としては、一般の引戸に用いられるガイドレールをそのまま使用することができ、特別なレールは不要である。前記上レール2は、図2に示されるように、下面中央にスリットが形成されるとともに、このスリットの両側にローラ32、32…が転動可能な走行溝3b、3bが形成される。この上レール2は、天井面に設けられた複数の通孔に挿通される固定ねじによって戸枠の鴨居に固設されている。また、上レール3の天井面には、所定箇所に、引戸2の閉操作時に両方向引き込み装置1が係合するための係合ピン4Aが配置されるとともに、引戸2の開操作時に両方向引込み装置1が係合するための係合ピン4Bが配置される。
前記2つの吊り車型ランナ装置7、8の内、戸先側となる吊り車型ランナ装置7のランナ本体7Aに連結して両方向引込み装置1が設けられている。図2に示されるように、この両方向引込み装置1の他端側にはローラ33が設けられており、前記引戸2と一体的に上レール3を移動するようになっている。そして、前記引戸2の閉操作時及び引戸2の開操作時に、引戸2を全閉位置又は全開位置まで自動的に引き込むようになっている。
以下、前記両方向引込み装置1について詳述する。
前記両方向引込み装置1は、図3及び図4に示されるように、両側壁に案内部10aが形成されるとともに、前記案内部10aの両端部に連続してそれぞれ仮停止部Kが形成されたケース10内に、ピストン式ダンパー14が配設され、このピストン式ダンパー14の戸先側端部と戸尻側端部とにそれぞれ、前記案内部10a及び仮停止部Kに係合する係合部18a、19aを有し、戸枠又はレール側に設けられた係合ピン4A(4B)と係脱する関係にあるスライダー18、19が回動可能に連結され、且つ前記スライダー18,19がスプリング部材17によって引込み方向の付勢力が与えられ、少なくとも一方側のスライダー18(19)が前記ケース10の仮停止部Kに係止されているものである。
本発明では特に、前記ピストン式ダンパー14が、中間連結部材20を介して直列的に連結された2つのピストン式ダンパー14A、14Bで構成されている。
更に、具体的に詳述すると、
前記ケース10は、図3及び図4に示されるように、両側壁に案内部10aが形成されるとともに、前記案内部10aの両端部にそれぞれ連続して仮停止部Kが形成されている。前記案内部10aは、前記スライダー18、19に備えられた係合部18a、19aと係合可能であればどのような形態のものでもよいが、特に図示例のようにスライド案内溝とするのが好ましい。また、前記仮停止部Kについても同様に、前記スライダー18、19の係合部18a、19aが係合可能に形成されていれば、どのような形態のものでもよいが、特に図示例のように下側方向にL字状に屈曲する屈曲状案内溝10bで構成するのが好ましい。
図4(B)に示されるように、スライド案内溝からなる前記案内部10aの両側部(上下部)にはそれぞれ、ケース10の内側に向けて突出するとともに、案内部10aのほぼ全長に亘って連続して延びる凸条10c、10cが形成されている。
前記ケース10は、図4に示されるように、両側壁に案内部10aが形成されたケース中間部11と、案内部10aの端部とこれに連続する仮停止部Kが形成された左右のケース端部12、13とからなる3部品の組立てによって構成されている。なお、前記ケース中間部11のみについて長さの異なる複数種を用意しておいてもよい。
前記ケース中間部11の端部(戸先側)は、側面視でL字状を成し下側の突出片11a部分に通孔11bが形成されている。側壁の高さ方向中間には、内側に開口を向けた溝型断面のスライド案内溝からなる案内部10aが形成され、その上部及び下部にそれぞれ板状の被挟持部11cが形成されている。
一方、前記ケース端部12には、案内部10aの端部とこれに連続する仮停止部Kが形成されているとともに、前記ケース中間部11との接続側には、ケース中間部11の被挟持部11cを挟み込みできる隙間を有する挟持部12aを有し、下部に前記ケース中間部11の突出片11aが嵌合状態で組み合わされる嵌合支持部12bを有するとともに、該嵌合支持部12bに通孔を有する。
そして、前記ケース中間部11とケース端部12とは、両者を突合わせるようにしながら嵌合したならば、リベット34(又はネジ)を前記突出片11aの通孔11b及び嵌合支持部12bの通孔に通して両者を堅固に連結する。
前記ケース中間部11と戸尻側のケース端部13との連結についても、全く同様の構造となっており、両者を突合わせるようにしながら嵌合したならば、リベット34(又はネジ)を通孔に通して両者を堅固に連結する。
前記ケース中間部11と左右のケース端部12,13との3部材によって構成されるケース10の内、前記ケース中間部11のみについて長さの異なる複数種を用意しておけば、部品の共通化を図りながら、ケース10の長さを変更することが可能となる。
前記ケース10には、図5及び図6に示されるように、ピストン式ダンパー14の戸先側端部と戸尻側端部とにそれぞれ、前記案内部10a及び仮停止部Kに係合する係合部18a、19aを有し、且つ戸枠又はレール側に設けられた係合ピン4A、4Bと係脱する関係にあるスライダー18、19が回動可能に連結され、且つ前記スライダー18,19がスプリング部材17によって引込み方向の付勢力が与えられた引込み装置ユニット9が内設される。前記スライダー18、19に備えられた係合部18a、19aは、前記ケース10に備えられた案内部10aと係合可能であればどのような形態のものでもよいが、特に図示例のように前記スライド案内溝に係合可能な係合突部とするのが好ましい。
前記ピストン式ダンパー14は、中間連結部材20を介して直列的に連結された2つのピストン式ダンパー14A、14Bで構成される。すなわち、引戸2の戸先側にピストン式ダンパー14Aが配置されるとともに、戸尻側にピストン式ダンパー14Bが配置され、これらピストン式ダンパー14A、14Bが中間連結部材20によって連結されている。
前記2つのピストン式ダンパー14A、14Bは、制動力及び/又はストローク長が同じ出力のものを用いてもよいし、異なる出力のものを組み合わせてもよい。2つのピストン式ダンパー14A、14Bが同じ制動力を有する場合には、両者がほぼ同じ速度で収縮し、異なる制動力を有する場合には、制動力の小さなピストン式ダンパーが先に収縮し、遅れて制動力の大きなピストン式ダンパーが収縮する。
各ピストン式ダンパー14A、14Bは、ピストン15とシリンダ16とで構成され、前記シリンダ16内部に粘性体(シリコンオイル等)が密封封入されており、ピストン15がシリンダ16内部を移動する際に、前記粘性体の移動により移動速度に応じた抵抗力(減衰力)が発生してエネルギーを吸収する構造となっているものである。
前記スライダー18は、図5及び図6に示されるように、側面部に前記案内部10a及び仮停止部Kに係合する係合部18aを有するとともに、基端部に連結軸部18bを有し、上部にピン係合部18cを有し、下部にスプリング連結部18dを有する部材である。なお、戸尻側のスライダー19も線対称的に全く同様の構造となっている。従って、符号のみをスライダー18に倣って付し説明を省略する。
前記ピストン式ダンパー14A、14Bにはそれぞれ、図6に示されるように、シリンダ保持具21が取り付けられている。前記シリンダ保持具21は、ピストン式ダンパー14A、14Bの端部側に設けられる端部側保持具22と、ピストン側に設けられるピストン側保持具23と、これらを連結する連結板24とにより構成されている。
前記端部側保持具22は、ブロック状の本体22aの基端側(シリンダ側)にシリンダ16の先端が嵌入されるシリンダ嵌合部22bを有するとともに、これと逆側の先端側に前記スライダー18、19が連結される連結軸部22cを有し、両側面部にそれぞれ、前記ケース10の内面に形成された上下対の凸条10c、10cの外側に嵌合可能な凹溝22dを有する部材である。前記スライダー18、19との連結は、軸部材25を連結軸部18b又は19bと22cとに通してカシメることによって行われる。従って、前記スライダー18、19は、水平軸回りに回動自在にピストン式ダンパー14に対して連結される。
前記ピストン側保持具23は、ブロック状の本体23aの基端側(シリンダ側)にシリンダ16のピストン側端部が嵌入されるシリンダ嵌合部23bを有するとともに、両側面部にそれぞれ前記ケース10の内面に形成された上下対の凸条10c、10cの外側に嵌合可能な凹溝23cを有する部材である。
前記シリンダ保持具21をピストン式ダンパー14A、14Bに取り付けるには、シリンダ16の先端に前記端部側保持具22を取り付けるとともに、シリンダ16のピストン側に前記ピストン側保持具23を取り付け、前記端部側保持具22と前記ピストン側保持具23とを連結する連結板24をネジ24a、24bで固定することにより行う。
前記シリンダ保持具21は、端部側保持具22及びピストン側保持具23それぞれの両側面に設けられた凹溝22d、23cが、ケース10の凸条10c、10cの外側に嵌合した状態で、ケース10に沿ってスライド可能に設けられている。
2つのピストン式ダンパー14A、14B同士を連結する中間連結部材20は、図7及び図8に示されるように、ブロック状の本体20aの両端にそれぞれピストン15の先端が嵌入可能な、一方の側面に開口するU字状のピストン嵌合部20bを有するとともに、両側面部にそれぞれ前記ケース10の内面に形成された上下対の凸条10c、10cの外側に嵌合可能な凹溝20cを有し、且つ下面の両端部にそれぞれスプリング連結部20dを有する部材である。前記ピストン嵌合部20bに対するピストン15の嵌合は、ピストン15の先端部に設けられた周方向に沿う凹溝15a(図6参照。)をピストン嵌合部20bの内面に形成された凸部20eに嵌合させながら、ピストン15の先端をピストン嵌合部20bの開口する側部から嵌入することにより行う。
前記中間連結部材20は、両側面に設けられた凹溝20cが、ケース10の凸条10c、10cの外側に嵌合した状態で、ケース10に沿ってスライド可能に設けられている。
前記スプリング部材17は、スライダー18のスプリング連結部18dと中間連結部材20の一方側スプリング連結部20dとの間に掛け渡される一方側のスプリング部材17Aと、スライダー19のスプリング連結部19dと中間連結部材20の他方側スプリング連結部20dとの間に掛け渡される他方側のスプリング部材17Bとの2つのスプリング部材で構成されている。なお、前記中間連結部材20の下部に前記スプリング連結部20dを設けずに、前記スライダー18のスプリング連結部18dとスライダー19のスプリング連結部19dとの間に、1本のスプリング部材を掛け渡すようにしてもよい。
前記引込み装置ユニット9においても、ケース10の長さ変更に応じて長さが変更可能としてもよい。具体的には、前記前記ピストン式ダンパー14及びスプリング部材17(及び連結板24)が前記ケース10の長さに対応して長さ寸法の異なる複数種が用意され、前記ケース中間部11の長さ変更及び前記ピストン式ダンパー14及びスプリング部材17の長さ変更によって両方向引込み装置1の長さを変更可能としてもよい。
〔両方向引込み装置1の作動説明〕
(引戸2の閉操作時)
図9(A)に示されるように、引戸2の閉操作を行うと、仮停止状態にある戸先側のスライダー18が係合ピン4Aに衝突し、スライダー18を揺動動作させて仮停止状態が解除される。これにより図9(B)に示されるように、スライダー18に係合ピン4Aが係合した状態となる。そして、前記ピストン式ダンパー14A及び14Bによる制動力を受けながらスプリング部材17A、17Bの付勢力によって、引戸2が全閉位置まで引き込まれるようになる(図9(C))。引戸2がスプリング部材17A、17Bの付勢力によって閉まるとき、2つのピストン式ダンパー14A、14Bが同じ出力の場合、2つのピストン式ダンパー14A、14Bがほぼ同じ速度で同時に収縮する。
(引戸2の開操作時)
次に、引戸2を全閉状態から開操作する時の作動状態について説明する。この動作は前記閉操作の逆動作(図9(C)から図9(A)の順)となる。
引戸2を全閉した状態(図9(C))から開操作を行うと、図9(B)に示されるように、係合ピン4Aと係合しているスライダー18がスプリング部材17Aの付勢力に抗して戸先側に移動される。そして、図9(A)に示されるように、スライダー18の係合部18aが屈曲状案内溝10bまで案内されるとスライダー18が揺動し仮停止位置Kに係止した状態となる。これに伴いスライダー18と係合ピン4Aとの係合が解除される。
その後、開操作を続けると、仮停止状態にある戸尻側のスライダー19が係合ピン4Bに衝突し、スライダー19を揺動動作させて仮停止状態が解除される。これによりスライダー19に係合ピン4Bが係合した状態となる。そして、前記ピストン式ダンパー14A及び14Bによる制動力を受けながらスプリング部材17A、17Bの付勢力によって、引戸2が全開位置まで引き込まれるようになる。
上記説明から分かるように、両方向引込み装置1では、左右一対のスライダー18,19の内、少なくとも一方側のスライダー18(19)が前記ケース10の仮停止部Kに係止されている状態となる。具体的には、スライダー18、19が共に係合ピン4A、4Bの間に位置する操作途中状態(引込み未作動状態)ではスライダー18,19の両方が仮停止部Kに係止されている状態となり、スライダー18、19の一方が係合ピン4A(4B)に係止し、全閉側又は全開側に引き込みしている状態ではスライダー18,19の内の片方が仮停止部Kに係止されている状態となる。
本発明に係る両方向引込み装置1では、ピストン式ダンパー14が、中間連結部材20を介して直列的に連結された2つのピストン式ダンパー14A、14Bからなるため、各ピストン式ダンパー14A、14Bの出力が小さくても、2つのピストン式ダンパー14A、14Bを組み合わせることによって重量の重い引戸2にも対応できるようになる。
また、図10に示されるように、2つのピストン式ダンパー14A、14Bを直列に連結しているため、単独のピストン式ダンパーと比較して制動距離がほぼ2倍相当になり、長い制動距離が得られるようになる。すなわち、図10(A)に示される引戸2の全閉状態におけるスライダー18、19の位置と、同図10(B)に示されるスライダー18、19が共に仮停止状態にある操作途中状態(引込み未作動状態)とでは、全体のストロークLがダンパー1つ当りのストローク(A-B)の約2倍となっている。
また、特殊な重量用や長ストローク用のダンパーを使用することなく、汎用性の高い標準的なダンパーを用いることで、高重量の引戸や長い制動距離にも対応できるため、製品コストの低廉化を図ることができる。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、上レール3内を走行する吊り車型ランナ装置7、8によって引戸2が吊持された吊り引戸の例を示したが、引戸の下面に設けた戸車によって移動自在とされる引戸の場合は、両方向引込み装置1に一体的に連結された吊り車型ランナ装置7やローラ33、更に他端側の吊り車型ランナ装置8などは不要となる。
(2)上記形態例では、2つのピストン式ダンパー14A、14Bがピストン15同士を対向させた状態で直列に連結されていたが、シリンダ16同士を対向させた状態で連結してもよいし、ピストン15とシリンダ16とを対向させた状態で連結してもよい。なお、シリンダ16同士を対向させた状態やピストン15とシリンダ16とを対向させた状態で連結する際、少なくとも一方のシリンダ16を保持するシリンダ保持具21が、ピストン式ダンパー14A、14Bを連結する中間連結部材20を兼用するようにしてもよい。
1…両方向引込み装置、2…引戸、3…上レール、4A・4B…係合ピン、5A・5B…側枠、6…下レール、7・8…吊り車型ランナ装置、9…引込み装置ユニット、10…ケース、11…ケース中間部、12・13…ケース端部、14・14A・14B…ピストン式ダンパー、15…ピストン、16…シリンダ、17…スプリング部材、18・19…スライダー、20…中間連結部材、21…シリンダ保持具、22…端部側保持具、23…ピストン側保持具、24…連結板

Claims (2)

  1. 両側壁に案内部が形成されるとともに、前記案内部の両端部にそれぞれ仮停止部が形成されたケース内に、ピストン式ダンパーが配設され、このピストン式ダンパーの戸先側端部と戸尻側端部とにそれぞれ、前記案内部又は仮停止部に係合する係合部を有し、戸枠又はレール側に設けられた係合ピンと係脱する関係にあるスライダーが回動可能に連結され、且つ前記スライダーがスプリング部材によって引込み方向の付勢力が与えられ、少なくとも一方側のスライダーが前記ケースの仮停止部に係止されている引戸の両方向引込み装置において、
    前記ピストン式ダンパーが、中間連結部材を介して直列的に連結された2つのピストン式ダンパーからなることを特徴とする引戸の両方向引込み装置。
  2. 前記スプリング部材が、前記スライダーと前記中間連結部材との間にそれぞれ設けられている請求項1記載の引戸の両方向引込み装置。
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WO2024069994A1 (ja) 2022-09-26 2024-04-04 キッコーマン株式会社 予測装置、学習装置および学習方法

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