JP2022152546A - 犠牲陽極、電気防食工法、及び、コンクリート構造物 - Google Patents

犠牲陽極、電気防食工法、及び、コンクリート構造物 Download PDF

Info

Publication number
JP2022152546A
JP2022152546A JP2021055356A JP2021055356A JP2022152546A JP 2022152546 A JP2022152546 A JP 2022152546A JP 2021055356 A JP2021055356 A JP 2021055356A JP 2021055356 A JP2021055356 A JP 2021055356A JP 2022152546 A JP2022152546 A JP 2022152546A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anode
concrete
metal material
sacrificial anode
cathodic protection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021055356A
Other languages
English (en)
Inventor
篤志 鹿島
Atsushi Kashima
正悟 宗倉
Shogo Munekura
友則 関
Tomonori Seki
典正 三村
Norimasa Mimura
智丈 加藤
Tomotake Kato
明仁 小椋
Akihito Ogura
晋成 高梨
Shinsei Takanashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Tokyo Densetsu Service Co Ltd
Sho Bond Corp
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Tokyo Densetsu Service Co Ltd
Sho Bond Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Osaka Cement Co Ltd, Tokyo Densetsu Service Co Ltd, Sho Bond Corp filed Critical Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Priority to JP2021055356A priority Critical patent/JP2022152546A/ja
Publication of JP2022152546A publication Critical patent/JP2022152546A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Prevention Of Electric Corrosion (AREA)

Abstract

【課題】電気防食効果を比較的長期に亘って良好に維持することができる犠牲陽極を提供することを課題とする。【解決手段】コンクリートを用いて形成されるコンクリート部と該コンクリート部に埋め込まれた金属材とを備えるコンクリート構造物に設置されて金属材に防食電流を供給する犠牲陽極であって、前記金属材よりもイオン化傾向が高い金属から構成される陽極部と、水硬性材料を用いて形成され、陽極部を内包するバックフィル部とを備えており、陽極部は、1cm3当たりの表面積が7.5cm2以上15.0cm2以下であり、バックフィル部の圧縮強度が3N/mm2以上10N/mm2以下である。【選択図】なし

Description

電気防食工法に用いる犠牲陽極、該犠牲陽極を用いた電気防食工法、および、該犠牲陽極が設置されたコンクリート構造物に関する。
コンクリートを用いて形成されるコンクリート部と該コンクリート部に埋め込まれた金属材とを備えるコンクリート構造物が知られている。例えば、コンクリート構造物としては、金属材として鉄筋がコンクリート部に埋め込まれて形成された所謂鉄筋コンクリートや、金属材としてボルトボックスが端部に埋め込まれたシールドトンネルのセグメント等が挙げられる。このようなコンクリート構造物内では、部分ごとに、金属材を腐食する環境が異なる場合がある。
鉄筋コンクリートを例に説明すると、コンクリート部の劣化した部分をはつり取り、はつり取った部分を劣化に対して耐久性の高い断面修復材(例えば、ポリマーセメントモルタルなど)で埋め戻すことがある(断面修復工法)。この場合、断面修復材で埋め戻した部分(以下では、「断面修復部」とも記す)と、その周囲の部分(以下では、「コンクリート躯体部」とも記す)とでは、金属材の腐食環境(例えば、塩化物イオン量やpH等)が異なることがある。このため、断面修復部側に位置する金属材とコンクリート躯体部側に位置する金属材とが異なる腐食環境に曝されることになる。
また、シールドトンネルのセグメントを例に説明すると、セグメント同士を連結した後にボルトボックスが埋込材(例えば、セメントモルタルなど)で埋め込まれることがある。この場合、ボルトボックスの内側(埋込材)とボルトボックスの外側(コンクリート部)とでは、金属材の腐食環境(例えば、塩化物イオン量やpH等)が異なることがある。このため、ボルトボックスの内側の面とボルトボックスの外側の面とが異なる腐食環境に曝されることになる。
上記のように、金属材の表面が部分ごとに異なる腐食環境に曝されると、腐食環境の境界付近において、金属材の表面にマクロセル腐食が生じることがある。斯かるマクロセル腐食を抑制する方法としては、金属材よりもイオン化傾向の高い金属を陽極部として備える犠牲陽極をコンクリート構造物に設置する方法(電気防食工法)が挙げられる(特許文献1~特許文献8参照)。斯かる電気防食工法では、犠牲陽極から金属材に防食電流を供給し、金属材に発生する腐食電流を抑制することで、金属材のマクロセル腐食を抑制することができる。
特許文献1,2,3,5では、犠牲陽極自体の構成を特殊なものとした電気防食工法が開示されており、特許文献4,8では、犠牲陽極の設置位置を工夫した電気防食工法が開示されている。また、特許文献6では、犠牲陽極となる金属を微粉にした塗料を塗布する電気防食工法が開示されており、特許文献7では、犠牲陽極となる金属をブリスター状とする電気防食工法が開示されている。
特許第3099830号公報 特許第4574013号公報 特許第4491139号公報 特許第3556631号公報 特許第4801051号公報 特許第4648389号公報 特許第5388435号公報 特許第6325908号公報
しかしながら、近年では、上記のような従来の電気防食工法における犠牲陽極とは別に、比較的長期にわたって良好な電気防食効果を維持することができる犠牲陽極が要求されている。
そこで、本発明は、電気防食効果を比較的長期に亘って良好に維持することができる犠牲陽極を提供することを課題とする。また、該犠牲陽極を用いた電気防食工法、及び、該犠牲陽極が設置されたコンクリート構造物を提供することを課題とする。
本発明に係る犠牲陽極は、コンクリートを用いて形成されるコンクリート部と該コンクリート部に埋め込まれた金属材とを備えるコンクリート構造物に設置されて金属材に防食電流を供給する犠牲陽極であって、前記金属材よりもイオン化傾向が高い金属から構成される陽極部と、水硬性材料を用いて形成され、陽極部を内包するバックフィル部とを備えており、陽極部は、1cm当たりの表面積が7.5cm以上15.0cm以下であり、バックフィル部の圧縮強度が3N/mm以上10N/mm以下である。
斯かる構成によれば、陽極部の1cm当たりの表面積、及び、バックフィル部の圧縮強度が上記の範囲であることで、電気防食効果を比較的長期に亘って良好に維持することができる。
本発明に係る犠牲陽極は、陽極部の体積が1cm以上であることが好ましい。
斯かる構成によれば、陽極部の体積が上記の範囲であることで、電気防食効果をより長期に亘って良好に維持することができる。
本発明に係る電気防食工法は、上記の犠牲陽極を、コンクリート部に埋め込まれた金属材と電気的に接続するものである。
本発明に係るコンクリート構造物は、コンクリートを用いて形成されたコンクリート部と、該コンクリート部に埋め込まれた金属材と、該金属材に電気的に接続された上記の犠牲陽極とを備える。
以上のように、本発明によれば、電気防食効果を比較的長期に亘って良好に維持することができる。
本発明の一実施形態に係る犠牲陽極の構成を示した斜視図。 同実施形態に係る犠牲陽極を用いた電気防食工法の構成を示した断面図。 同実施形態に係る犠牲陽極を用いた他の電気防食工法の構成を示した断面図。 他の実施形態に係る電気防食工法の構成を示した断面図。 更に他の実施形態に係る電気防食工法の構成を示した断面図。 実施例の試験1の供試体の構成を示した断面図。 実施例の試験2の供試体の構成を示した断面図。
以下、本発明の実施形態について、図1,2,3を参照しながら説明する。
なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
図1に示す本実施形態に係る犠牲陽極1は、コンクリートを用いて形成されるコンクリート部と、該コンクリート部に埋め込まれる金属材とを備えるコンクリート構造物に設置され、金属材に防食電流を供給して金属材の電気防食を行うものである。コンクリート部は、セメントと粗骨材と細骨材と水とが混練されて硬化することで形成される。
犠牲陽極1は、前記金属材よりもイオン化傾向が高い金属から構成される陽極部2と、該陽極部2を内包するバックフィル部3とを備える。また、犠牲陽極1は、陽極部2と前記金属材とを電気的に接続する接続部4を更に備える。
陽極部2を構成する金属としては、特に限定されるものではなく、例えば、亜鉛、亜鉛合金、アルミニウム、アルミニウム合金、インジウム、銅、銅合金等が挙げられる。
亜鉛合金は、Znを主成分とし、Al、Cu、Mg、Fe、In等の他の金属を少なくとも一種含む。
アルミニウム合金は、Alを主成分とし、Zn、Mg、Cr、Si、In等の他の金属を少なくとも一種含む。
銅合金は、Cuを主成分とし、Ni、Zn、Sn、Al、In等の他の金属を少なくとも一種含む。
陽極部2を構成する金属は、コンクリート構造物中の金属材を構成する金属に応じて、適宜選択することができる。例えば、前記金属材が鋼材(鉄製材料)である場合、陽極部2を構成する金属としては、前記金属材よりもイオン化傾向が高い金属から構成される金属のうち、加工がし易く、防食電流の供給量と供給期間のバランスがよいことから、亜鉛又は亜鉛合金を用いることが好ましい。
また、陽極部2の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、網状、板状、棒状、帯状等が挙げられる。
また、陽極部2としては、1cm当たりの表面積が7.5cm以上15.0cm以下であり、好ましくは10.0cm以上12.5cm以下であるものが挙げられる。表面積が上記の範囲であることで、陽極部2から前記金属材へ防食電流を安定して供給することができると共に、比較的長期に亘って供給することができる。
陽極部2の体積(バックフィル部3に内包される陽極部全体の体積)としては、特に限定されるものではなく、例えば、1cm以上であることが好ましく、5cm以上であることがより好ましい。陽極部2の体積が上記の範囲であることで、防食電流を比較的長期に亘って前記金属材に供給することができる。
バックフィル部3は、水硬性材料を用いて形成される。具体的には、バックフィル部3は、水硬性材料と水とが混練されて形成される混練物が硬化して所定形状をなすことで形成される。水硬性材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、セメント、水酸化マグネシウム、石膏、ドロマイト、ベントナイト、粘土からなる群より選択される少なくとも1つが挙げられる。
バックフィル部3の圧縮強度としては、3N/mm以上10N/mm以下である。バックフィル部3の圧縮強度は、下記の実施例に記載の方法で測定することができる。バックフィル部3の圧縮強度が3N/mm以上であることで、バックフィル部3にひび割れが生じるのを抑制することができる。具体的には、陽極部2から前記金属材に防食電流を供給した際に、酸化物が生成され、該酸化物の溶解物がバックフィル部3中の空隙を満した際に、バックフィル部3内に膨張圧が生じることになるが、バックフィル部3の圧縮強度が3N/mm以上であることで、該膨張圧によってバックフィル部3にひび割れが生じるのを抑制することができる。また、バックフィル部3の圧縮強度が10N/mm以下であることで、陽極部2から防食電流を供給した際に生成した酸化物が溶解しうる空隙が比較的多くなる。このため、陽極部2の表面が早期に不溶性の酸化物により覆われて防食電流を供給できなくなるのを抑制することができる。
また、バックフィル部3のpHとしては、陽極部2の不動態化を抑制できる範囲であれば特に限定されるものではない。例えば、陽極部2が亜鉛又は亜鉛合金である場合には、バックフィル部3のpHは、13.3以上であることが好ましい。バックフィル部3のpHが上記の数値範囲であることで、陽極部2の不動態化を抑制することができる。
接続部4は、導電性を有する素材を用いて形成される。接続部4を構成する素材としては、例えば、鉄、ステンレス、チタンなどが挙げられる。接続部4の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、線状、棒状等が挙げられるが、本実施形態では、線状に形成される。そして、接続部4は、一端部が陽極部2と接続される。
上記のように構成される犠牲陽極1を作製する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、バックフィル部3を形成する水硬性材料としてセメントを用いる場合、セメントと細骨材と水とを混練して混練物を形成し、陽極部2に接続された接続部4の他端側が混練物の外側に位置するように、混練物中に陽極部2を埋設する。そして、前記混練物が硬化することで、所定形状のバックフィル部3に陽極部2が埋設されてなる犠牲陽極1が形成される。
次に、上記のように構成される犠牲陽極1を用いてコンクリート構造物に埋め込まれた金属材の電気防食を行う方法(電気防食工法)について説明する。具体的には、図2に示すように、コンクリートを用いて形成されたコンクリート部X2に金属材X1として鉄筋が埋め込まれたコンクリート構造物X(鉄筋コンクリート)の電気防食を行う方法について説明する。
まず初めに、コンクリート構造物Xにおけるコンクリート部X2の一部をはつり取って凹部X3を形成すると共に、該凹部X3の内側に金属材X1の一部を露出させる。
次に、はつり取った箇所に犠牲陽極1を配置すると共に、陽極部2と金属材X1とを接続部4を介して電気的に接続する。陽極部2と金属材X1とを接続部4を介して接続する際には、接続部4の他端側を金属材X1に巻き付けたり、溶接したりする方法を採用することができる。
そして、凹部X3を犠牲陽極1ごと断面修復材(モルタル等)で埋め戻して断面修復部X4を形成する。これにより、犠牲陽極1が設置されたコンクリート構造物Xが形成される。そして、斯かるコンクリート構造物Xでは、金属材X1を陰極とし、犠牲陽極1の陽極部2を陽極として、金属材X1に防食電流が供給されるため、金属材X1の電気防食を行うことができる。
また、図3に示すように、金属材X1として金属製のボルトボックスX10が埋設されたコンクリート構造物X(例えば、シールドトンネルに用いられるセグメント等)の電気防食を行う方法について説明する。
ボルトボックスX10は、コンクリート構造物Xの端部においてコンクリート部X2に埋め込まれている。また、ボルトボックスX10は、箱状のボックス本体X10aと、ボックス本体X10a同士を連結するボックス連結部材X10b(具体的には、ボルト及びナット)と、を備える。
まず初めに、ボックス本体X10aの内側に、犠牲陽極1を配置すると共に、ボックス連結部材X10b(具体的には、ボルト及びナット)と、陽極部2とを接続部4を介して電気的に接続する。
そして、ボックス本体X10a内を埋込材(モルタル等)で埋め込んで埋込部X5を形成する。これにより、犠牲陽極1が設置されたコンクリート構造物Xが形成される。そして、斯かるコンクリート構造物Xでは、ボルトボックスX10を陰極とし、犠牲陽極1の陽極部2を陽極として、ボルトボックスX10に防食電流が供給される。このため、ボルトボックスX10の電気防食を行うことができる。
以上のように、本発明に係る犠牲陽極、電気防食工法、及び、コンクリート構造物は、電気防食効果を比較的長期に亘って良好に維持することができる。
即ち、本実施形態に係る犠牲陽極1は、陽極部2の1cm当たりの表面積、及び、バックフィル部3の圧縮強度が上記の範囲であることで、コンクリート構造物X中の金属材X1に対する電気防食効果を比較的長期に亘って良好に維持することができる。
また、陽極部2の体積が上記の範囲であることで、コンクリート構造物X中の金属材X1に対する電気防食効果をより長期に亘って良好に維持することができる。
なお、本発明に係る犠牲陽極、電気防食工法、及び、コンクリート構造物は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記及び下記の複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよい(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよい)ことは勿論である。
例えば、上記実施形態では、犠牲陽極1は、硬化したバックフィル部3を備えるように構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、バックフィル部3が変形自在な状態(具体的には、硬化前の状態)であってもよい。これにより、バックフィル部3を自在に変形させることができるため、任意の形状にバックフィル部3を形成して犠牲陽極1をコンクリート構造物Xに設置することができる。
また、上記実施形態では、バックフィル部3に埋設された陽極部2を備える犠牲陽極1を形成し、該犠牲陽極1をコンクリート構造物Xに設置するように構成しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、犠牲陽極1が埋没しない程度に凹部X3を埋戻材で埋戻して断面修復部X4を形成し、該断面修復部X4上にバックフィル部3を形成して犠牲陽極1を形成してもよい。又は、図5に示すように、犠牲陽極1が埋没しない程度にボックス本体X10aを埋込材で埋め込んで埋込部X5を形成し、該埋込部X5上にバックフィル部3を形成して犠牲陽極1を形成してもよい。
上記実施形態では、陽極部2は、接続部4を介して金属材X1と電気的に接続されているが、これに限定されるものではなく、例えば、陽極部2が金属材X1と直接接触するように、犠牲陽極1をコンクリート構造物Xに設置してもよい。斯かる場合には、犠牲陽極1は、接続部4を備えないように構成してもよい。
以下、実施例、および、比較例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<バックフィル材(BF材)の材料>
・セメント系材料(住友大阪セメント社製、製品名:普通セメント)
・水酸化ナトリウム(1級試薬)
・臭化リチウム(1級試薬)
<陽極部の材料>
・陽極部A:縦3cm横3cm厚み0.54cmの亜鉛合金板。
体積1cmあたりの表面積5.0cm
質量34.7g。
・陽極部B:縦4cm横4cm厚み0.31cmの亜鉛合金板。
体積1cmあたりの表面積7.5cm
質量35.4g。
・陽極部C:縦5cm横5cm厚み0.20cmの亜鉛合金板。
体積1cmあたりの表面積10.8cm
質量35.7g。
・陽極部D:縦6cm横6cm厚み0.14cmの亜鉛合金板。
体積1cmあたりの表面積15.0cm
質量36.0g。
・陽極部E:縦7cm横7cm厚み0.10cmの亜鉛合金板。
体積1cmあたりの表面積20.6cm
質量35.0g。
・陽極部F:縦3cm横5cm厚み0.32cmの亜鉛合金板から作製したエキスパンドメタルネット。
体積1cmあたりの表面積12cm
質量34.3g。
・陽極部G:縦2cm横2cm厚み0.20cmの亜鉛合金板。
体積1cmあたりの表面積12.0cm
質量5.7g。
・陽極部H:縦2cm横3cm厚み0.20cmの亜鉛合金板。
体積1cmあたりの表面積11.6cm
質量8.6g。
・陽極部I:縦7cm横7cm厚み0.20cmの亜鉛合金板。
体積1cmあたりの表面積10.6cm
質量70.0g。
1.試験1
<犠牲陽極の作製>
上記の各陽極部2に接続部4として軟銅線を接続した。また、上記のセメント系材料に水酸化ナトリウムと臭化リチウムとを混和して水で混練することでBF材を作製した。そして、BF材で陽極部2を5mm厚さで包み込んでバックフィル部3を形成し、犠牲陽極1を作製した。BF材(即ち、バックフィル部3)のpH及び圧縮強度については、下記表1に示す。なお、圧縮強度の測定は、「円柱供試体を用いたモルタルまたはセメントペーストの圧縮強度試験方法(JSCE-G 505)」に基づいて行った。
<供試体の作製>
図6に示すように、供試体として、複数の金属材X1(φ13mm×長さ80mmの鋼材4本)とコンクリート部X2と断面修復部X4と犠牲陽極1とを備えるコンクリート構造物X(100×100×400mm)を作製した。なお、上記の供試体の作製は、20℃の恒温室内で行った。
各金属材X1は、断面修復部X4に位置するものを鋼材No.1とし、該鋼材No.1から離れるごとに鋼材No.2,鋼材No.3,鋼材No.4とした。
隣り合う金属材X1同士は、エポキシ樹脂X6で電気的に絶縁した。
また、隣り合う金属材X1同士は、スイッチS1~3によって、電気的に接続された状態と、電気的に遮断された状態とを切り替え可能にした。
また、断面修復部X4に位置する金属材X1(鋼材No.1)と犠牲陽極1とは、スイッチS4によって、電気的に接続された状態と、電気的に遮断された状態とを切り替え可能にした。
なお、使用したBF材(A~E)及び陽極部2(A~I)については、下記表2に示す。
コンクリート部X2は、以下の方法で作製した。即ち、塩化物イオン量が5kg/mとなるように、レディミクストコンクリート(住友大阪セメント社製、呼び名:21-18-20N)に塩化ナトリウム(試薬)を外割りで添加し、水/セメント比60%で混練物を作製した。また、該混練物を、金属材X1(具体的には、鋼材No.2~4)を配置した型枠に打設して硬化させた。そして、打設して24時間後に脱型してコンクリート部X2を得た。
断面修復部X4は、以下の方法で作製した。即ち、セメントとして普通ポルトランドセメント(住友大阪セメント社製)と、ポリマーとして固形分45%のSBRラテックス(旭化成社製)と、砂として珪砂5号と珪砂6号とを等量混合した混合砂と、を用い、ポリマー/セメント比が5%、水/セメント比が45%、砂/セメント比が2/1、塩化物イオン量が0kg/mで混練物を作製した。また、脱型した直後のコンクリート部X2の所定位置に、金属材X1(具体的には、鋼材No.1)を配置すると共に、前記混練物を打設して硬化させることで断面修復部X4を形成した。なお、断面修復部X4を形成する際には、コンクリート部X2における断面修復部X4を形成する部分(即ち、断面修復部X4と接する面)を60番のサンドペーパーで目粗し処理し、その後、プライマーを使用せず水湿しのみで断面修復部X4を形成する前記混練物を打設した。
<腐食度の評価>
上記のように作製した供試体(コンクリート構造物X)は、断面修復部X4の打設から28日間、20℃の室内で、供試体表面に水を十分に含ませた湿布を貼り付けて養生を行った。養生期間中は、スイッチS1~S3によって、金属材X1同士を電気的に接続し、犠牲陽極1と鋼材No.1とを電気的に接続しなかった。
上記の養生完了後、スイッチS4によって、犠牲陽極1と金属材X1(鋼材No.1)とを電気的に接続した後、20℃,80%RHの恒温恒湿室内に供試体を静置した。
そして、供試体を静置してから1月後、1年後、2年後のそれぞれにおいて、スイッチS4に無抵抗電流計を接続し、犠牲陽極1から供給される防食電流量を測定した。測定結果については、下記表2に示す。
また、供試体を静置してから1月後、1年後、2年後のそれぞれにおいて、スイッチS1~3に無抵抗電流計を接続し、各金属材X1(鋼材No.2~No.4)の自然電位を測定した。自然電位の測定は、スイッチS4によって犠牲陽極1と鋼材No.1との電気的な接続を遮断してから24時間後の時点で行った。また、自然電位の測定は、飽和硫酸銅電極を照合電極として用い、ASTMC876に準拠して行った。
斯かる自然電位を測定することで、各金属材X1の腐食の程度を把握することができる。具体的には、自然電位がマイナス側に大きい程、金属材X1に生じている電位差が大きい(即ち、腐食電流が多く流れている)ことを示すため、金属材X1の腐食が進んでいることを示す。このため、上記の自然電位を測定することで、各金属材X1の腐食の程度(以下では、「腐食度」とも記す)を評価することができる。腐食度の評価は、自然電位が、-350mV以下を×、-350mVを超え-200mV以下を△、-200mVを超える場合を〇として評価した。評価結果については、下記表2に示す。
2.試験2
<供試体の作製>
図7に示すように、金属材X1として、ボルトボックスX10を用いた。ボックス本体X10aとしては、板厚3.2mmの黒皮付きの鋼板を用いて150mm角で深さが100mmの箱を2個作製した。ボックス連結部材X10bとしては、M30のねじ切り棒鋼と六角ナットとを用いた。また、2つのボックス本体X10aをボックス連結部材X10bで一体化した。
そして、ボックス本体X10aの内側に、上記Cの陽極部2を備える犠牲陽極1を配置し、スイッチS5によって、犠牲陽極1とボルトボックスX10(ボックス連結部材X10b)とが電気的に接続された状態と電気的に遮断された状態とを切り替え可能にした。
その後、ボックス本体X10a内に、上記のBF材を埋込材(モルタル)として充填して埋込部X5を形成し、材齢28日間養生して供試体(コンクリート構造物X)とした。埋込材(モルタル)の水/セメント比は50%、砂/セメント比は3/1とした。使用したBF材は下記表3に示す。
<腐食面積率>
そして、供試体作製後、供試体を20℃恒温室に静置し、腐食促進試験を行った。該腐食促進試験は、供試体に埋込部X5側から2.5%塩化ナトリウム溶液を1日1回1リットル噴霧して2日間放置する操作を5回行うものである。腐食促進試験開始から1年後に供試体を破壊して、ボックス本体X10aの内部の腐食面積率を求めた。該腐食面積率については、下記表3に示す。なお、腐食面積率は、ボックス本体X10aの内部の鋼部分の面積に対するボックス本体X10aの内部の腐食した面積の割合である。
Figure 2022152546000001
Figure 2022152546000002
Figure 2022152546000003
<まとめ>
表2を見ると、各実施例では、金属材X1のNo.2~4について、2年目の腐食度が「〇」であるのに対し、各比較例では、金属材X1のNo.2~4の何れかで、2年目の腐食度が「×」となることが認められる。つまり、陽極部2の1cm当たりの表面積、及び、バックフィル部3の圧縮強度を本願発明の範囲とすることで、コンクリート構造物X内に、腐食環境が異なる部分(具体的には、断面修復部X4における腐食環境とコンクリート部X2における腐食環境と)があっても、比較的長期に亘って金属材X1の腐食を抑制することができる。
また、表2の実施例7~10を比較すると、実施例7では、金属材X1のNo.2~4について、2年目の腐食度が「△」であるのに対し、実施例8~10では、金属材X1のNo.2~4について、2年目の腐食度が「〇」となることが認められる。つまり、陽極部2の体積を1cm以上にすることで、より長期に亘って金属材X1の腐食を抑制することができる。
また、表3を見ると、各実施例の方が各比較例よりも腐食面積率が小さいことが認められる。つまり、陽極部2の1cm当たりの表面積、及び、バックフィル部3の圧縮強度を本願発明の範囲とすることで、所謂鉄筋コンクリート以外のコンクリート構造物Xにおいても、良好な電気防食効果を得ることができる。
1…犠牲陽極、2…陽極部、3…バックフィル部、4…接続部、X…コンクリート構造物、X1…金属材、X10…ボルトボックス、X10a…ボックス本体、X10b…ボックス連結部材、X2…コンクリート部、X3…凹部、X4…断面修復部、X5…埋込部、X6…エポキシ樹脂、S1~S5…スイッチ

Claims (4)

  1. コンクリートを用いて形成されるコンクリート部と該コンクリート部に埋め込まれた金属材とを備えるコンクリート構造物に設置されて金属材に防食電流を供給する犠牲陽極であって、
    前記金属材よりもイオン化傾向が高い金属から構成される陽極部と、水硬性材料を用いて形成され、陽極部を内包するバックフィル部とを備えており、
    陽極部は、1cm当たりの表面積が7.5cm以上15.0cm以下であり、
    バックフィル部の圧縮強度が3N/mm以上10N/mm以下である
    犠牲陽極。
  2. 陽極部の体積が1cm以上である、
    請求項1に記載の犠牲陽極。
  3. 請求項1又は2に記載の犠牲陽極を、コンクリート部に埋め込まれた金属材と電気的に接続する、
    電気防食工法。
  4. コンクリートを用いて形成されたコンクリート部と、該コンクリート部に埋め込まれた金属材と、該金属材に電気的に接続された請求項1又は2に記載の犠牲陽極とを備える、
    コンクリート構造物。
JP2021055356A 2021-03-29 2021-03-29 犠牲陽極、電気防食工法、及び、コンクリート構造物 Pending JP2022152546A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021055356A JP2022152546A (ja) 2021-03-29 2021-03-29 犠牲陽極、電気防食工法、及び、コンクリート構造物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021055356A JP2022152546A (ja) 2021-03-29 2021-03-29 犠牲陽極、電気防食工法、及び、コンクリート構造物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022152546A true JP2022152546A (ja) 2022-10-12

Family

ID=83556234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021055356A Pending JP2022152546A (ja) 2021-03-29 2021-03-29 犠牲陽極、電気防食工法、及び、コンクリート構造物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022152546A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Gowripalan et al. Chloride-ion induced corrosion of galvanized and ordinary steel reinforcement in high-performance concrete
JP4806006B2 (ja) コンクリートの処理方法
Saraswathy et al. Extraction of chloride from chloride contaminated concrete through electrochemical method using different anodes
CN110467378B (zh) 一种结构与腐蚀控制功能于一体的混凝土
US4627998A (en) Carbon fiber reinforced concrete
JP5631024B2 (ja) 鉄筋コンクリート構造物内部にある鉄筋の防食工法
WO2006097770A2 (en) Treatment process for concrete
Astuti et al. Effectiveness of rusted and non-rusted reinforcing bar protected by sacrificial anode cathodic protection in repaired patch concrete
JP4579724B2 (ja) 軽量導電性セメントモルタル硬化体及び当該導電性セメントモルタル硬化体からなる電気防食用陽極保護材
US7731875B2 (en) Sacrificial anodes in concrete patch repair
JP2022152546A (ja) 犠牲陽極、電気防食工法、及び、コンクリート構造物
JP6239992B2 (ja) 電気防食用バックフィル
JP2009097049A (ja) 犠牲陽極材を用いたコンクリートの電気化学的防食方法
JP6951053B2 (ja) コンクリート構造物における犠牲陽極工法のモニタリング方法
JP6636761B2 (ja) コンクリート構造物の断面修復工法
JP4491139B2 (ja) 電気防蝕用接続具及び使用方法
JP6274955B2 (ja) コンクリート構造物の電気防食方法
CN107651906B (zh) 一种轻质导电砂浆材料及其制备方法与应用
JP6482969B2 (ja) コンクリート構造物の断面修復工法
JP2017214250A (ja) セメント硬化物及びこれを用いた鉄筋コンクリート構造体
Mahasiripan et al. A study of different sacrificial anode materials to protect corrosion of reinforcing steel in concrete
JP3521195B2 (ja) モルタル又はコンクリート部材の鋼材腐食防止方法及びそれに用いる鋼材腐食防止材料
JP2006273690A (ja) 耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体
JP4882257B2 (ja) 耐塩害性に優れた鉄筋を有する水和硬化体
JPH06345512A (ja) 防食材

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20210419

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20210510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20210419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20210510

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240304

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20240926