JP2022151773A - 回転バルブ型多方切換弁 - Google Patents

回転バルブ型多方切換弁 Download PDF

Info

Publication number
JP2022151773A
JP2022151773A JP2022045251A JP2022045251A JP2022151773A JP 2022151773 A JP2022151773 A JP 2022151773A JP 2022045251 A JP2022045251 A JP 2022045251A JP 2022045251 A JP2022045251 A JP 2022045251A JP 2022151773 A JP2022151773 A JP 2022151773A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure side
valve
low
pressure
valve body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022045251A
Other languages
English (en)
Inventor
潤一 寺木
Junichi Teraki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Publication of JP2022151773A publication Critical patent/JP2022151773A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Multiple-Way Valves (AREA)

Abstract

【課題】高圧側切換弁と低圧側切換弁とが一体化された回転バルブ型多方切換弁において耐久性を向上させる。【解決手段】弁箱(101)の軸方向の両端に高圧側及び低圧側弁板(111,121)が配置される。高圧側弁体(112)には、高圧側入口ポート(115)と高圧側出口ポート(113)とを選択的に連通させる高圧側流路(114)が形成される。低圧側弁体(122)には、低圧側入口ポート(123)と低圧側出口ポート(125)とを選択的に連通させる低圧側流路(124)が形成される。弁箱(101)の内部は、前記低圧側出口ポート(125)の圧力よりも高い圧力に保持される。弁箱(101)の内部圧力によって、各弁体(112,122)が各弁板(111,121)に圧接される。【選択図】図4

Description

本開示は、回転バルブ型多方切換弁に関する。
従来、磁気熱量効果を利用して冷熱及び温熱を作り出すための磁気冷凍システムが知られている。磁気冷凍システムでは、流体流れのタイミング及び方向を調整する流れ制御が必要となり、このような流れ制御には、例えば、回転バルブ型多方切換弁が用いられる。
回転バルブ型多方切換弁は、多数のポートが設けられた弁板と、回転位置に応じてポート同士を選択的に連通させて流体流れを切り替える弁体とを有する。特許文献1には、高圧側切換弁と低圧側切換弁とが同一の弁箱内で一体化された回転バルブ型多方切換弁が提案されている。
特表2017-538097号公報
しかしながら、特許文献1に開示された回転バルブ型多方切換弁では、流体の漏れを防止するために、バネを用いて弁体を弁板に圧接するので、バネのストロークが短いと、弁体の摩耗に従ってバネの力が弱り、圧接力が低下して耐久性が低くなる。
本開示の目的は、高圧側切換弁と低圧側切換弁とが一体化された回転バルブ型多方切換弁において耐久性を向上させることにある。
本開示の第1の態様は、固体冷媒による冷凍システム(10)に用いられる回転バルブ型多方切換弁(100)である。回転バルブ型多方切換弁(100)は、回転軸(102)を有する弁箱(101)と、高圧側入口ポート(115)と、低圧側出口ポート(125)と、前記弁箱(101)の軸方向の一端に配置された高圧側弁板(111)と、前記弁箱(101)における前記高圧側弁板(111)の内側に回転可能に配置された高圧側弁体(112)と、前記弁箱(101)の軸方向の他端に配置された低圧側弁板(121)と、前記弁箱(101)における前記低圧側弁板(121)の内側に回転可能に配置された低圧側弁体(122)とを備える。前記高圧側弁板(111)には、複数の高圧側出口ポート(113)が形成される。前記高圧側弁体(112)には、回転位置に応じて、前記高圧側入口ポート(115)と前記複数の高圧側出口ポート(113)の少なくとも1つとを選択的に連通させる高圧側流路(114)が形成される。前記低圧側弁板(121)には、複数の低圧側入口ポート(123)が形成される。前記低圧側弁体(122)には、回転位置に応じて、前記複数の低圧側入口ポート(123)の少なくとも1つと前記低圧側出口ポート(125)とを選択的に連通させる低圧側流路(124)が形成される。前記弁箱(101)の内部は、前記低圧側出口ポート(125)の圧力よりも高い圧力に保持され、前記弁箱(101)の内部の圧力によって、前記高圧側弁体(112)が前記高圧側弁板(111)に圧接されると共に前記低圧側弁体(122)が前記低圧側弁板(111)に圧接される。
第1の態様では、弁箱(101)の内部を低圧側出口ポート(125)の圧力よりも高い圧力に保つことにより、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に圧接すると共に低圧側弁体(122)を低圧側弁板(111)に圧接する。このため、各弁体(112,122)が摩耗しても、各弁体(112,122)と各弁板(111,121)との圧着力が変わらないため、耐久性が向上する。
本開示の第2の態様は、第1の態様において、前記高圧側弁体(112)及び前記低圧側弁体(122)は同じ回転数で回転する。
第2の態様では、各弁体(112,122)の回転によって、連通対象ポートの選択制御を容易に行うことができる。
本開示の第3の態様は、第2の態様において、前記高圧側弁板(111)を貫通する同一の前記回転軸(102)によって、前記高圧側弁体(112)及び前記低圧側弁体(122)は回転する。
第3の態様では、簡単な構造によって、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)を同じ回転数で回転させることができる。
本開示の第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、前記高圧側入口ポート(115)は、前記高圧側弁板(111)に設けられる。
第4の態様では、簡単な構造によって、弁箱(101)の内部の圧力から高圧側流路(114)を分離することができる。
本開示の第5の態様は、第4の態様において、前記高圧側入口ポート(115)は、前記高圧側弁板(111)において、前記複数の高圧側出口ポート(113)よりも前記高圧側弁板(111)の中央側に設けられる。
第5の態様では、高圧側流路(114)によって、高圧側入口ポート(115)と高圧側出口ポート(113)のそれぞれとを連通させやすくなる。
本開示の第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、前記低圧側出口ポート(125)が前記低圧側弁板(121)に設けられる。
第6の態様では、簡単な構造によって、弁箱(101)の内部の圧力から低圧側流路(124)を分離することができる。
本開示の第7の態様は、第6の態様において、前記低圧側出口ポート(125)は、前記低圧側弁板(121)において、前記複数の低圧側入口ポート(123)よりも前記低圧側弁板(121)の中央側に設けられる。
第7の態様では、低圧側流路(124)によって、低圧側出口ポート(125)と低圧側入口ポート(123)のそれぞれとを連通させやすくなる。
本開示の第8の態様は、第1~第7の態様のいずれか1つにおいて、前記高圧側弁体(112)は、前記複数の高圧側出口ポート(113)のうち、前記弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となる少なくとも1つのポート(113b)を塞ぎ、当該ポート(113b)と前記弁箱(101)の内部との間の圧力差によって前記高圧側弁体(112)は前記高圧側弁板(111)に密着する。
第8の態様では、弁箱(101)の内部の圧力によって、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に圧接することができる。
本開示の第9の態様は、第1~第8の態様のいずれか1つにおいて、前記低圧側流路(124)は、前記複数の低圧側入口ポート(123)のうち、前記弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となるポート(123b)に接続されると共に前記弁箱(101)の内部の圧力から分離され、前記低圧側流路(124)と前記弁箱(101)の内部との間の圧力差によって前記低圧側弁体(122)は前記低圧側弁板(121)に密着する。
第9の態様では、弁箱(101)の内部の圧力によって、低圧側弁体(122)を低圧側弁板(121)に圧接することができる。
本開示の第10の態様は、第9の態様において、低圧側弁体(122)は、前記弁箱(101)の内部と前記低圧側流路(124)とを熱断熱する機構を備える。
第10の態様では、弁箱(101)の内部から低圧側流路(124)を熱的にも分離できるので、冷凍システム(10)の性能を向上させることができる。
本開示の第11の態様は、第1~第10の態様のいずれか1つにおいて、前記弁箱(101)の内部に配置されたバネ(104)をさらに備え、前記バネ(104)は、前記高圧側弁体(112)を前記高圧側弁板(111)に押しつけると共に前記低圧側弁体(122)を前記低圧側弁板(121)に押しつける。
第11の態様では、弁箱(101)の内部の圧力が所定の圧力に達するまで、高圧側弁体(112)と高圧側弁板(111)とを密着させると共に低圧側弁体(122)と低圧側弁板(121)とを密着させることができる。
本開示の第12の態様は、第2又は第3の態様において、前記弁箱(101)の内部に配置されたバネ(104)をさらに備え、前記バネ(104)の一端は前記高圧側弁体(112)に取り付けられ、前記バネ(104)の他端は前記低圧側弁体(122)に取り付けられ、前記バネ(104)は、前記高圧側弁体(112)を前記高圧側弁板(111)に押しつけると共に前記低圧側弁体(122)を前記低圧側弁板(121)に押しつける。
第12の態様では、単一のバネ(104)を用いて、弁箱(101)の内部の圧力が所定の圧力に達するまで、高圧側弁体(112)と高圧側弁板(111)とを密着させると共に低圧側弁体(122)と低圧側弁板(121)とを密着させることができる。
本開示の第13の態様は、第1~第12の態様のいずれか1つにおいて、前記複数の高圧側出口ポート(113)及び前記複数の低圧側入口ポート(123)は、径方向長さが周方向長さよりも長いスリット形状の開口を有する。
第13の態様では、各ポート(113,123)の開口の周方向長さを短くすることにより、各弁体(112,122)の回転により連通対象ポートの切り替えを迅速に行うことができる。また、各ポート(113,123)の開口の径方向長さを長くすることにより、開口面積を確保して圧力損失の増加を抑制することができる。
本開示の第14の態様は、第5の態様において、前記高圧側流路(114)は、前記弁箱(101)の内部の圧力から分離され、前記高圧側弁体(112)は、前記複数の高圧側出口ポート(113)のうち少なくとも1つのポート(113b)を塞ぐ高圧側閉鎖部(112a)を有し、前記高圧側弁体(112)を軸方向から見て、前記高圧側弁板(111)が前記高圧側流路(114)に接する面積と、前記高圧側弁板(111)が前記高圧側閉鎖部(112a)に接する面積は略同じである。
第14の態様では、弁箱(101)の内部の圧力を、高圧側入口ポート(115)の圧力と低圧側出口ポート(125)の圧力との中間圧力にすれば、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に圧接することができる。
本開示の第15の態様は、第7の態様において、前記低圧側流路(124)は、前記弁箱(101)の内部の圧力から分離され、前記低圧側弁体(122)は、前記複数の低圧側入口ポート(123)のうち少なくとも1つのポート(123a)を塞ぐ低圧側閉鎖部(122a)を有し、前記低圧側弁体(122)を軸方向から見て、前記低圧側弁板(121)が前記低圧側流路(124)に接する面積と、前記低圧側弁板(121)が前記低圧側閉鎖部(122a)に接する面積は略同じである。
第15の態様では、弁箱(101)の内部の圧力を、高圧側入口ポート(115)の圧力と低圧側出口ポート(125)の圧力との中間圧力にすれば、低圧側弁体(122)を低圧側弁板(121)に圧接することができる。
本開示の第16の態様は、固体冷媒による冷凍システム(10)に用いられる回転バルブ型多方切換弁(100)である。回転バルブ型多方切換弁(100)は、回転軸(102)を有する弁箱(101)と、高圧側入口ポート(115)と、低圧側出口ポート(125)と、前記弁箱(101)の軸方向の一端に配置された高圧側弁板(111)と、前記弁箱(101)における前記高圧側弁板(111)の内側に回転可能に配置された高圧側弁体(112)と、前記弁箱(101)の軸方向の他端に配置された低圧側弁板(121)と、前記弁箱(101)における前記低圧側弁板(121)の内側に回転可能に配置された低圧側弁体(122)とを備える。前記高圧側弁板(111)には、複数の高圧側出口ポート(113)が形成される。前記高圧側弁体(112)には、回転位置に応じて、前記高圧側入口ポート(115)と前記複数の高圧側出口ポート(113)の少なくとも1つとを選択的に連通させる高圧側流路(114)が形成される。前記低圧側弁板(121)には、複数の低圧側入口ポート(123)が形成される。前記低圧側弁体(122)には、回転位置に応じて、前記複数の低圧側入口ポート(123)の少なくとも1つと前記低圧側出口ポート(125)とを選択的に連通させる低圧側流路(124)が形成される。前記弁箱(101)の内部は前記高圧側入口ポート(115)と連通することによって高圧に保持され、前記弁箱(101)の内部の圧力によって、前記高圧側弁体(112)が前記高圧側弁板(111)に圧接されると共に前記低圧側弁体(122)が前記低圧側弁板(111)に圧接される。
第16の態様では、弁箱(101)の内部を高圧側入口ポート(115)と連通させて高圧に保つことにより、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に圧接すると共に低圧側弁体(122)を低圧側弁板(111)に圧接する。このため、各弁体(112,122)が摩耗しても、各弁体(112,122)と各弁板(111,121)との圧着力が変わらないため、耐久性が向上する。
本開示の第17の態様は、第16の態様において、前記高圧側入口ポート(115)が前記弁箱(101)に設けられる。
第17の態様では、簡単な構造によって、弁箱(101)の内部を高圧に保持できる。
本開示の第18の態様は、固体冷媒による冷凍システム(10)に用いられる回転バルブ型多方切換弁(100)である。回転バルブ型多方切換弁(100)は、回転軸(102)を有する弁箱(101)と、高圧側入口ポート(115)と、低圧側出口ポート(125)と、前記弁箱(101)の軸方向の一端に配置された高圧側弁板(111)と、前記弁箱(101)における前記高圧側弁板(111)の内側に回転可能に配置された高圧側弁体(112)と、前記弁箱(101)の軸方向の他端に配置された低圧側弁板(121)と、前記弁箱(101)における前記低圧側弁板(121)の内側に回転可能に配置された低圧側弁体(122)とを備える。前記高圧側弁板(111)には、複数の高圧側出口ポート(113)が形成される。前記高圧側弁体(112)には、回転位置に応じて、前記高圧側入口ポート(115)と前記複数の高圧側出口ポート(113)の少なくとも1つとを選択的に連通させる高圧側流路(114)が形成される。前記低圧側弁板(121)には、複数の低圧側入口ポート(123)が形成される。前記低圧側弁体(122)には、回転位置に応じて、前記複数の低圧側入口ポート(123)の少なくとも1つと前記低圧側出口ポート(125)とを選択的に連通させる低圧側流路(124)が形成される。前記弁箱(101)の内部は、前記低圧側出口ポート(125)の圧力よりも高く且つ前記高圧側入口ポート(115)の圧力よりも低い中間圧力に保持され、前記弁箱(101)の内部の圧力によって、前記高圧側弁体(112)が前記高圧側弁板(111)に圧接されると共に前記低圧側弁体(122)が前記低圧側弁板(111)に圧接される。
第18の態様では、弁箱(101)の内部を、低圧側出口ポート(125)の圧力よりも高く且つ記高圧側入口ポート(115)の圧力よりも低い中間圧力に保つことにより、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に圧接すると共に低圧側弁体(122)を低圧側弁板(111)に圧接する。このため、各弁体(112,122)が摩耗しても、各弁体(112,122)と各弁板(111,121)との圧着力が変わらないため、耐久性が向上する。
本開示の第19の態様は、第18の態様において、前記中間圧力に調整された中間圧ポート(131)が前記弁箱(101)に接続される。
第19の態様では、簡単な構造によって弁箱(101)の内部を中間圧力に保持できる。
本開示の第20の態様は、第19の態様において、前記中間圧ポート(131)は、第1減圧バルブ(132)を介して前記高圧側入口ポート(115)と連通すると共に、第2減圧バルブ(133)を介して前記低圧側出口ポート(125)と連通する。
第20の態様では、新たに圧力源を設けることなく、弁箱(101)の内部を中間圧力に保持できる。また、減圧バルブ(132)、(133)の調整により、低圧から高圧までの範囲で中間圧力を任意の大きさに設定できる。
図1は、実施形態1に係る回転バルブ型多方切換弁が用いられる磁気冷凍システムの構成を示す回路図である。 図2は、図1に示す磁気冷凍システムの磁気冷凍モジュールを環状収納部の軸方向から見た平面図である。 図3は、図1に示す磁気冷凍システムの磁気冷凍モジュールを環状収納部の径方向から見た断面図である。 図4は、実施形態1に係る回転バルブ型多方切換弁の縦断面図である。 図5は、図4に示す回転バルブ型多方切換弁の高圧側弁板を弁箱外部から見た平面図である。 図6は、図4に示す回転バルブ型多方切換弁の低圧側弁板を弁箱外部から見た平面図である。 図7は、実施形態1の変形例に係る回転バルブ型多方切換弁の縦断面図である。 図8は、図7に示す回転バルブ型多方切換弁の高圧側弁板を弁箱内部から見た平面図である。 図9は、図7に示す回転バルブ型多方切換弁の低圧側弁板を弁箱内部から見た平面図である。 図10は、実施形態2に係る回転バルブ型多方切換弁の縦断面図である。 図11は、図10に示す回転バルブ型多方切換弁の高圧側弁板を弁箱外部から見た平面図である。 図12は、図10に示す回転バルブ型多方切換弁の低圧側弁板を弁箱外部から見た平面図である。 図13は、実施形態2に係る回転バルブ型多方切換弁における弁体の流路及び閉鎖部と弁板との配置関係の一例を示す模式図である。 図14は、実施形態2に係る回転バルブ型多方切換弁の弁板を弁箱内部から見た平面図である。
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
〈磁気冷凍システムの構成〉
図1に示すように、磁気冷凍システム(10)は、磁気冷凍モジュール(20)と、低温側熱交換器(60)と、高温側熱交換器(70)と、熱媒体ポンプ(80)とが設けられた熱媒体回路(11)を備える。熱媒体回路(11)の各構成要素は、熱媒体配管を介して互いに接続されている。磁気冷凍システム(10)は、熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷媒による冷凍システムであり、磁気冷凍モジュール(20)は、熱量効果を利用して熱媒体の温度を調節する固体冷媒による冷凍モジュールである。
磁気冷凍モジュール(20)は、例えば冷専チラーとして構成された磁気冷凍システム(10)に設けられる。磁気冷凍モジュール(20)の用途は、これに限られるものではなく、例えば、二次冷媒や空気などと熱交換する空気調和装置に設けられてもよい。
磁気冷凍モジュール(20)は、固体冷媒物質としての磁気作業物質(24)を収容し且つ熱媒体が流れる流路(23)を形成する収容部(22)を有する環状収納部(21)を備える。磁気冷凍モジュール(20)は、磁気作業物質(24)に力場である磁場を印加したり除去したりすることで磁気熱量効果を生じさせ、それにより流路(23)を流れる熱媒体を加熱又は冷却する。
図2及び図3に示すように、磁気冷凍モジュール(20)は、例えば12個の複数の単位モジュール(20a~20l)から構成される。複数の単位モジュール(20a~20l)の各構成要素は、複数の収納部片(21a~21l)にそれぞれ収納される。本実施形態では、各収納部片(21a~21l)は、例えば環状扇形状であるが、これに限定されず、扇形状又は台形状などであってもよい。複数の収納部片(21a~21l)が環状に組み合わされることによって、磁気冷凍モジュール(20)の環状収納部(21)が構成される。各収納部片(21a~21l)の厚さは、磁束漏れが生じ難く、且つ、必要となる収納部の体積を確保できる厚さに設定される。尚、以下の説明で、収納部片(21a)と記載するときは、複数の収納部片(21a~21l)のうちの任意の収納部片を表すものとし、単位モジュール(20a)と記載するときは、複数の単位モジュール(20a~20l)のうちの任意の単位モジュールを表すものとする。
環状収納部(21)の軸方向において磁気冷凍モジュール(20)を挟むように、力場印加機構である磁場印加機構(15)が配置される。磁場印加機構(15)は、磁気冷凍モジュール(20)に近接して配置される力場発生部である環状の磁石(15a)と、環状の磁石(15a)を支持し且つ磁路を形成するためのヨーク(15b)とを有する。磁気冷凍モジュール(20)の中央部開口を通って環状収納部(21)の軸方向に延びるように回転機構(16)が配置される。磁場印加機構(15)は、回転機構(16)によって環状収納部(21)の周方向に回転する。磁石(15a)は、例えば、収納部片(21a)6個分の面積とオーバーラップするように配置されているため、磁場印加機構(15)の回転に伴い、励磁される単位モジュール(20a)は時々刻々変化する。これにより、磁石回転型の磁気冷凍モジュール(20)を構成することができる。尚、図1及び図2では、単位モジュール(20a,20b,20c,20g,20h,20i)が励磁されており、単位モジュール(20d,20e,20f,20j,20k,20l)が消磁されている様子を示している。
図1に示すように、磁気冷凍モジュール(20)を構成する各単位モジュール(20a~20l)は、低温側流入路(25)と、低温側流出路(26)と、高温側流入路(27)と、高温側流出路(28)とを有する。各流入路(25,27)及び各流出路(26,28)は、各単位モジュール(20a~20l)の収容部(22)の内部空間(流路(23))に連通している。低温側流入路(25)から流入した熱媒体は、収容部(22)内の流路(23)を流れて高温側流出路(28)から排出される。高温側流入路(27)から流入した熱媒体は、収容部(22)内の流路(23)を流れて低温側流出路(26)から排出される。
低温側熱交換器(60)は、磁気冷凍モジュール(20)で冷却された熱媒体と、図示を省略する利用ユニット(例えば、エアハンドリングユニット)を流れる二次冷媒とを熱交換させるものである。低温側熱交換器(60)は、磁気冷凍モジュール(20)の低温側流入路(25)に接続された第1流出部(61)と、磁気冷凍モジュール(20)の低温側流出路(26)に接続された第1流入部(62)とを有する。
ここで、各単位モジュール(20a~20l)の低温側流入路(25)と第1流出部(61)との間の熱媒体配管には、第1逆止弁(91)が設けられている。また、各単位モジュール(20a~20l)の低温側流出路(26)と第1流入部(62)との間の熱媒体配管には、第2逆止弁(92)が設けられている。
高温側熱交換器(70)は、磁気冷凍モジュール(20)で加熱された熱媒体と、図示を省略する熱源ユニット(例えばクーリングタワー)を流れる二次冷媒とを熱交換させるものである。高温側熱交換器(70)は、磁気冷凍モジュール(20)の高温側流入路(27)に接続された第2流出部(71)と、磁気冷凍モジュール(20)の高温側流出路(28)に接続された第2流入部(72)とを有する。
ここで、各単位モジュール(20a~20l)の高温側流入路(27)と第2流出部(71)との間の熱媒体配管には、本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)のうちの高圧側多方切換弁(110)が設けられている。また、各単位モジュール(20a~20l)の高温側流出路(28)と第2流入部(72)との間の熱媒体配管には、回転バルブ型多方切換弁(100)のうちの低圧側多方切換弁(120)が設けられている。
熱媒体ポンプ(80)は、磁気冷凍モジュール(20)と各熱交換器(60,70)との間で熱媒体を流すためのものである。熱媒体ポンプ(80)は、例えば、回転バルブ型多方切換弁(100)のうちの低圧側多方切換弁(120)と高温側熱交換器(70)との間の熱媒体配管に設けられる。
-磁気冷凍システムにおける熱媒体の流れ-
図1に示す磁気冷凍システム(10)においては、各逆止弁(91,92)及び回転バルブ型多方切換弁(100)を制御すると共に、当該制御動作に対応させて磁気冷凍モジュール(20)(単位モジュール(20a~20l))の収容部(22)に磁場を印加したり除去したりすることによって、冷熱を供給する。
以下、図1及び図2に示すように、単位モジュール(20a,20b,20c,20g,20h,20i)が励磁されており、且つ、単位モジュール(20d,20e,20f,20j,20k,20l)が消磁されている場合を例として、具体的に説明する。尚、図1では、熱媒体の流れを矢印で示している。
まず、低温側熱交換器(60)の第1流出部(61)から流れ出た熱媒体は、第1逆止弁(91)の制御により、励磁されている単位モジュール(20a,20b,20c,20g,20h,20i)の低温側流入路(25)に選択的に流入する。この熱媒体は、単位モジュール(20a,20b,20c,20g,20h,20i)において、発熱状態の磁気作業物質(24)と熱交換して加熱された後、高温側流出路(28)から流れ出る。
単位モジュール(20a,20b,20c,20g,20h,20i)の高温側流出路(28)から流れ出た熱媒体は、回転バルブ型多方切換弁(100)のうちの低圧側多方切換弁(120)の制御により、熱媒体ポンプ(80)を経て、高温側熱交換器(70)の第2流入部(72)に流入する。この熱媒体は、例えばクーリングタワー等の熱源ユニット(図示省略)を流れる二次冷媒と熱交換し、高温側熱交換器(70)の第2流出部(71)から流出する。
高温側熱交換器(70)の第2流出部(71)から流れ出た熱媒体は、回転バルブ型多方切換弁(100)のうちの高圧側多方切換弁(110)の制御により、消磁されている単位モジュール(20d,20e,20f,20j,20k,20l)の高温側流入路(27)に選択的に流入する。この熱媒体は、単位モジュール(20d,20e,20f,20j,20k,20l)において、吸熱状態の磁気作業物質(24)と熱交換して冷却された後、低温側流出路(26)から流出する。
単位モジュール(20d,20e,20f,20j,20k,20l)の低温側流出路(26)から流れ出た熱媒体は、第2逆止弁(92)の制御により、低温側熱交換器(60)の第1流入部(62)に流入する。この熱媒体は、例えばエアハンドリングユニット等の利用ユニット(図示省略)を流れる二次冷媒と熱交換し、低温側熱交換器(60)の第1流出部(62)から流出する。
本実施形態では、磁場印加機構(15)により励磁したり消磁したりする単位モジュール(20a)を選択的に変えながら、以上に説明した熱媒体の流れ制御を繰り返し行う。
〈回転バルブ型多方切換弁の構成〉
図4~図6に示す本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)では、高圧側多方切換弁(110)と低圧側多方切換弁(120)とが同一の弁箱(101)に一体的に設けられる。尚、図4では、熱媒体の流れを矢印で示している。
回転バルブ型多方切換弁(100)は、主に、弁箱(101)と、回転軸(102)と、高圧側入口ポート(115)と、低圧側出口ポート(125)と、高圧側弁板(111)と、高圧側弁体(112)と、低圧側弁板(121)と、低圧側弁体(122)とを備える。弁箱(101)は、例えばアクリル樹脂製である。回転軸(102)は、例えばステンレス製である。高圧側弁板(111)及び低圧側弁板(121)は、例えばアルミニウム製である。高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)は、例えばPTFE等のフッ素樹脂製である。
尚、本開示において、「軸方向」とは、回転軸(102)(軸心(J))の延びる方向のことであり、「径方向」とは、回転軸(102)と直交する方向のことであり、「周方向」とは、回転軸(102)を中心とする円の円周方向のことである。
弁箱(101)の軸方向の一端(図4では上端)には、高圧側弁板(111)が配置される。弁箱(101)の軸方向の他端(図4では下端)には、低圧側弁板(121)が配置される。弁箱(101)における高圧側弁板(111)の内側には、高圧側弁体(112)が配置される。弁箱(101)における低圧側弁板(121)の内側には、低圧側弁体(122)が配置される。
回転軸(102)は、高圧側弁板(111)の中心部を貫通するように、弁箱(101)の外部から内部まで延びる。回転軸(102)は、図外の駆動回転機構によって回転する。回転軸(102)と高圧側弁板(111)との間には、例えばメカニカルシール等のシール部材(103)が設けられる。弁箱(101)の内部において、回転軸(102)には高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)が取り付けられる。高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)は、回転軸(102)と共に回転可能である。
本実施形態では、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)は、同一の回転軸(102)で回転駆動される。このため、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)は、同じ回転数で同じ方向に回転する。また、高圧側弁体(112)と低圧側弁体(122)との相対位置関係は、回転によって変化しない。
また、本実施形態では、高圧側入口ポート(115)は、弁箱(101)の径方向側部に設置される。これにより、弁箱(101)の内部は、高圧側入口ポート(115)と連通することによって高圧に保持される。また、低圧側出口ポート(125)は、低圧側弁板(121)の中心部に設置される。
高圧側弁板(111)には、複数の高圧側出口ポート(113)が回転軸(102)を囲むように形成される。高圧側弁体(112)には、高圧側流路(114)が形成される。高圧側流路(114)は、弁箱(101)の内部に対しオープン構造を持つ。高圧側流路(114)は、高圧側弁体(112)の回転位置に応じて、複数の高圧側出口ポート(113)のうちの少なくとも1つのポート(113a)と接続し、当該ポート(113a)と高圧側入口ポート(115)とを選択的に連通させる。高圧側弁体(112)は、回転位置に応じて、複数の高圧側出口ポート(113)のうち、弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となる少なくとも1つのポート(113b)を塞ぐ。当該ポート(113b)と弁箱(101)の内部との間の圧力差によって、高圧側弁体(112)は高圧側弁板(111)の方に吸引されて密着するので、流体の漏れを防ぐことができる。
高圧側弁体(112)は、回転軸(102)の周方向には固定されるが、回転軸(102)の軸方向には固定されない。例えば、軸方向に対して垂直な回転軸(102)の断面形状をD形状とし、同じD形状の貫通穴を高圧側弁体(112)に設けて、当該貫通穴に回転軸(102)を通すことによって、高圧側弁体(112)を回転軸(102)の周方向に固定し、且つ回転軸(102)の軸方向に移動可能としてもよい。これにより、高圧側弁体(112)が高圧側弁板(111)の方に吸引されるときに回転軸(102)が一緒に吸引されることを回避できる。
低圧側弁板(121)には、複数の低圧側入口ポート(123)が低圧側出口ポート(125)を囲むように形成される。低圧側弁体(122)には、低圧側流路(124)が形成される。低圧側弁体(122)は、回転位置に応じて、複数の低圧側入口ポート(123)のうち高圧となる少なくとも1つのポート(123a)を塞ぐ。低圧側流路(124)は、低圧側弁体(122)の回転位置に応じて、弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となる少なくとも1つのポート(123b)と接続し、当該ポート(123b)と低圧側出口ポート(125)とを選択的に連通させる。低圧側流路(124)は、弁箱(101)の内部に対しクローズド構造を持つ。言い換えると、弁箱(101)の内部の高圧と、低圧側流路(124)(低圧側弁体(122)の内部)の低圧とが分離される。これにより、低圧側弁体(122)の内部と弁箱(101)の内部との間の圧力差によって、低圧側弁体(122)は低圧側弁板(121)の方に吸引されて密着するので、流体の漏れを防ぐことができる。
低圧側弁体(122)は、回転軸(102)の周方向には固定されるが、回転軸(102)の軸方向には固定されない。例えば、軸方向に対して垂直な回転軸(102)の断面形状をD形状とし、同じD形状の貫通穴を低圧側弁体(122)に設けて、当該貫通穴に回転軸(102)を通すことによって、低圧側弁体(122)を回転軸(102)の周方向に固定し、且つ回転軸(102)の軸方向に移動可能としてもよい。これにより、低圧側弁体(122)が低圧側弁板(121)の方に吸引されるときに回転軸(102)が一緒に吸引されることを回避できる。
以上に説明したように、高圧側弁体(112)と低圧側弁体(122)とは別部材として構成され、軸方向にはそれぞれ独立して動ける(回転軸(102)に対してスライド可能である)ため、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)のそれぞれに作用する吸引力が相殺されることはない。また、各弁体(112,122)が軸方向に動くことが可能であるため、バネ(104)を各弁体(112,122)の間に設置した場合に、バネ(104)の弾性力によって、各弁体(112,122)を各弁板(111,121)に密着させることが可能となる。
低圧側弁体(122)は、弁箱(101)の内部と低圧側流路(124)とを熱断熱する機構を備えてもよい。一例として、低圧側弁体(122)の少なくとも一部を断熱材で構成してもよい。断熱材としては、低摩擦で摺動性に優れた、例えばPTFEやPOM等の樹脂を用いてもよい。
尚、図1に示す熱媒体回路(11)において、高圧側多方切換弁(110)の高圧側出口ポート(113)は、磁気冷凍モジュール(20)(単位モジュール(20a~20l))の高温側流入路(27)に接続される。また、低圧側多方切換弁(120)の低圧側入口ポート(123)は、磁気冷凍モジュール(20)の高温側流出路(28)に接続される。ここで、同じ単位モジュール(20a~20l)に接続された高圧側出口ポート(113)及び低圧側入口ポート(123)が同時に「開」になることはない。具体的には、同じ単位モジュール(20a~20l)に接続された高圧側出口ポート(113)及び低圧側入口ポート(123)については、一方のポートが「開」の場合は、他方のポートは「閉」となり、一方のポートが「閉」の場合は、他方のポートは「開」又は「閉」となる。
ところで、磁気冷凍システム(10)の作動開始直後で弁箱(101)の内部圧力が小さい場合や、重力方向とは逆方向に弁体(112,122)を弁板(111,121)に圧接して密着させる場合などには、密着力が不足して流体が漏れる可能性がある。
そこで、本実施形態では、弁箱(101)の内部にバネ(104)を補助的に配置して、弁体(112,122)と弁板(111,121)との密着力を増大させている。尚、磁気冷凍システム(10)の通常動作時には、弁箱(101)内部の高圧を利用して密着力を発生させるので、バネ(104)の弾性力は、弁体(112,122)を弁板(111,121)に弱く密着させる程度でよい。これにより、バネ(104)の弾性力に起因する弁体(112,122)の摩耗を抑制できる。
具体的には、バネ(104)は、高圧側弁体(112)と低圧側弁体(122)との間に設置される。バネ(104)は、回転軸(102)の外周を囲みながら軸方向に延びる。バネ(104)の一端は、高圧側弁体(112)に取り付けられ、バネ(104)の他端は、低圧側弁体(122)に取り付けられる。この構成では、バネ押さえ等の他の部材を設けることなく、バネ(104)の設置によって、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に押しつけると共に低圧側弁体(122)を低圧側弁板(121)に押しつけることが可能となる。また、バネ(104)は、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)と一体となって回転するため、バネ(104)と弁体(112,122)との間や、バネ(104)と弁箱(101)との間などに、滑り部分を設ける必要もないので、摩擦トルクや摩耗の発生を回避することができる。
<実施形態1の特徴>
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)によると、弁箱(101)の内部を高圧側入口ポート(115)と連通させて高圧に保つことにより、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に圧接すると共に低圧側弁体(122)を低圧側弁板(111)に圧接する。このため、各弁体(112,122)が摩耗しても、各弁体(112,122)と各弁板(111,121)との圧着力が変わらないため、耐久性が向上する。
また、本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)によると、弁箱(101)の内部を高圧のみとし、当該高圧(背圧)によって各弁体(112,122)を各弁板(111,121)に圧接する。このため、高圧弁と低圧弁とを単純に一体化した従来構成のように、弁箱内部に仕切りやシールなどを設ける必要が無いので、構造を簡単化してコストを低減できる。
また、本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)によると、バネ等を用いて機械的に弁体と弁板とを密着させる従来構成と比べて、各弁体(112,122)と各弁板(111,121)との圧着力を必要最小限に抑制できる。従って、各弁体(112,122)と各弁板(111,121)との間の摩擦が小さくなるので、動力損失を抑制できると共に、耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)によると、高圧側弁板(111)(高圧側出口ポート(113))と低圧側弁板(121)(低圧側入口ポート(123))とが、弁箱(101)の軸方向両端にそれぞれ形成される。このため、高圧流体と低圧流体との間での熱損失を抑制することができる。
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)において、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)が同じ回転数で回転すると、連通対象ポートの選択制御を容易に行うことができる。この場合、高圧側弁板(111)を貫通する同一の回転軸(102)によって、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)を回転させると、簡単な構造によって、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)を同じ回転数で回転させることができる。
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)において、高圧側入口ポート(115)が弁箱(101)に設けられると、簡単な構造によって弁箱(101)の内部を高圧に保持できる。
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)において、低圧側出口ポート(125)が低圧側弁板(121)に設けられると、簡単な構造によって、弁箱(101)の内部の高圧から低圧側流路(124)を分離することができる。
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)において、高圧側弁体(112)は、弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となる高圧側出口ポート(113b)を塞ぎ、当該ポート(113b)と弁箱(101)の内部との圧力差によって高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に密着させてもよい。このようにすると、弁箱(101)の内部の圧力によって、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に圧接することができる。
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)において、低圧側流路(124)は、弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となる低圧側入口ポート(123b)に接続されると共に弁箱(101)の内部の高圧から分離され、低圧側流路(124)と弁箱(101)の内部との圧力差によって低圧側弁体(122)を低圧側弁板(121)に密着させてもよい。このようにすると、弁箱(101)の内部の圧力によって、低圧側弁体(122)を低圧側弁板(121)に圧接することができる。この場合、低圧側弁体(122)が、弁箱(101)の内部と低圧側流路(124)とを熱断熱する機構を備えると、弁箱(101)の内部から低圧側流路(124)を熱的にも分離できるので、冷凍システム(10)の性能が向上する。
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)において、弁箱(101)の内部に配置されたバネ(104)をさらに備え、バネ(104)は、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に押しつけると共に低圧側弁体(122)を低圧側弁板(121)に押しつけてもよい。このようにすると、弁箱(101)の内部の圧力が高圧に達するまで、高圧側弁体(112)と高圧側弁板(111)とを密着させると共に低圧側弁体(122)と低圧側弁板(121)とを密着させることができる。言い換えると、弁箱(101)の内部の圧力が小さい場合には、各弁体(112,122)と各弁板(111,121)との間をバネ(104)によってシールし、弁箱(101)の内部の圧力が高くなると、当該圧力によってシールが可能となる。このため、低圧から高圧まで確実なシールが可能となると共に、シールに起因する摩擦損失を最小化することが可能となる。
<実施形態1の変形例>
本変形例の回転バルブ型多方切換弁(100)が、図4~図6に示す前記実施形態1と異なる点は、図7~図9に示すように、高圧側出口ポート(113)及び低圧側入口ポート(123)が、弁体(112,122)と対向する側において、径方向長さが周方向長さよりも長いスリット形状の開口を有することである。尚、図7~図9において、図4~図6に示す前記実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付す。また、図8及び図9はそれぞれ、高圧側弁板(111)及び低圧側弁板(121)を弁箱(101)の内部から見た平面図である。
回転バルブ型多方切換弁(100)においては、各弁体(112,122)の回転によって、高圧側流路(114)と連通させる高圧側出口ポート(113)の切り替え、及び低圧側流路(124)と連通させる低圧側入口ポート(123)の切り替えをできるだけ迅速に行う必要がある。言い換えると、各ポート(113,123)の全閉から全開への切り替え、及び全開から全閉への切り替えをできるだけ迅速に行う必要がある。
しかし、前記実施形態1のように、弁体(112,122)と対向する側において、各ポート(113,123)が円形状開口を有する場合、当該円形状開口の直径に対応した角度分だけ、連通対象ポートの切り替えに時間が必要となる。また、連通対象ポートの切り替えを迅速に行うために、各ポート(113,123)の円形状開口を直径を小さくすると、当該開口の面積が小さくなる。その結果、各ポート(113,123)を流れる流体の速度が増加して圧力損失が増加するという問題が生じてしまう。
それに対して、本変形例では、回転する弁体(112,122)に対応させて、各ポート(113,123)が、径方向長さが周方向長さよりも長いスリット形状の開口を有する。このため、各ポート(113,123)の開口の周方向長さを短くすることにより、各弁体(112,122)の回転により連通対象ポートの切り替えを迅速に行うことができる。また、各ポート(113,123)の開口の径方向長さを長くすることにより、開口面積を確保して圧力損失の増加を抑制することができる。
《実施形態2》
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)も、前記実施形態1と同様に、例えば図1~図3に示すような磁気冷凍システム(10)に適用される。本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)が、前記実施形態1と異なる点は、弁箱(101)の内部が、低圧側出口ポート(125)の圧力よりも高く且つ高圧側入口ポート(115)の圧力よりも低い圧力(以下、中間圧力という)に保持されることである。これにより、弁箱(101)の内部の圧力によって、高圧側弁体(112)が高圧側弁板(111)に圧接されると共に低圧側弁体(122)が前記低圧側弁板(111)に圧接される。
以下、図10~図13を参照しながら、図4~図6に示す前記実施形態1と本実施形態が異なる点について主に説明する。尚、図10~図13において、図4~図6に示す前記実施形態1と同じ構成要素には同じ符号を付す。
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)では、中間圧力に調整された中間圧ポート(131)が弁箱(101)に接続される。中間圧ポート(131)は、第1減圧バルブ(132)を介して高圧側入口ポート(115)と連通すると共に、第2減圧バルブ(133)を介して低圧側出口ポート(125)と連通する。これにより、高圧側入口ポート(115)の圧力と低圧側出口ポート(125)の圧力とを用いて、中間圧ポート(131)を通じて弁箱(101)の内部を中間圧力に保持することができる。また、減圧バルブ(132)、(133)の調整により、低圧から高圧までの範囲で中間圧力を任意の大きさに設定できる。
高圧側入口ポート(115)は、本実施形態では前記実施形態1と異なり、高圧側弁板(111)の中心部に設置される。回転軸(102)は、高圧側弁板(111)と接続する部分の高圧側入口ポート(115)の内部を通って高圧側弁板(111)の中心部を貫通するように、弁箱(101)の外部から内部まで延びる。回転軸(102)が高圧側入口ポート(115)に挿通される箇所にはシール部材(103)が設けられる。回転軸(102)は、弁箱(101)の内部における高圧側弁体(112)と低圧側弁体(122)との間に接続部(102a)を有してもよい。
高圧側弁板(111)には、複数の高圧側出口ポート(113)が高圧側入口ポート(115)つまり回転軸(102)を囲むように形成される。高圧側弁体(112)に形成される高圧側流路(114)は、本実施形態では前記実施形態1と異なり、弁箱(101)の内部に対しクローズド構造を持つ。言い換えると、弁箱(101)の内部の圧力と、高圧側流路(114)(高圧側弁体(112)の内部)の圧力とが分離される。高圧側流路(114)は、高圧側弁体(112)の回転位置に応じて、複数の高圧側出口ポート(113)のうちの少なくとも1つのポート(113a)と接続し、当該ポート(113a)と高圧側入口ポート(115)とを選択的に連通させる。
高圧側弁体(112)は、複数の高圧側出口ポート(113)のうち少なくとも1つのポート(113b)を塞ぐ高圧側閉鎖部(112a)を有する。これにより、高圧側弁体(112)は、回転位置に応じて、複数の高圧側出口ポート(113)のうち、弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となる少なくとも1つのポート(113b)を塞ぐことができるので、当該ポート(113b)と弁箱(101)の内部との間の圧力差によって前記高圧側弁体(112)は前記高圧側弁板(111)に密着する。
低圧側弁体(122)の構造は、前記実施形態1と同様である。すなわち、低圧側流路(124)は、複数の低圧側入口ポート(123)のうち、弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となるポート(123b)に接続されると共に弁箱(101)の内部の圧力から分離される。これにより、低圧側流路(124)と弁箱(101)の内部との間の圧力差によって低圧側弁体(122)は低圧側弁板(121)に密着する。また、低圧側弁体(122)は、複数の低圧側入口ポート(123)のうち少なくとも1つのポート(123a)を塞ぐ低圧側閉鎖部(122a)を有する。これにより、低圧側弁体(122)は、回転位置に応じて、複数の低圧側入口ポート(123)のうち高圧となる少なくとも1つのポート(123a)を塞ぐことができる。
本実施形態では、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)は、例えば図13に示す同じ構造を有する。具体的には、高圧側弁体(112)を軸方向から見て、高圧側弁板(111)が高圧側流路(114)に接する面積と、高圧側弁板(111)が高圧側閉鎖部(112a)に接する面積とが略同じになるように、高圧側弁体(112)は構成される。同様に、低圧側弁体(122)を軸方向から見て、低圧側弁板(121)が低圧側流路(124)に接する面積と、低圧側弁板(121)が前記低圧側閉鎖部(122a)に接する面積とが略同じになるように、低圧側弁体(122)は構成される。ここで、「略同じ」とは、10%程度の差があってもよいことを意味する。
高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)において、高圧側閉鎖部(112a)及び低圧側閉鎖部(122a)は、例えば深さ1mm程度の浅い凹形状に設けられる。これにより、高圧側閉鎖部(112a)及び低圧側閉鎖部(122a)の圧力を均一化できるので、当該圧力の有効利用が可能となる。一方、高圧側流路(114)及び低圧側流路(124)は、例えば深さ10mm程度の深い凹形状に設けられる。これにより、流体の速度を低下させて圧力損失を小さくすることができる。
本実施形態では、高圧側弁体(112)及び高圧側弁板(111)と、低圧側弁体(122)及び低圧側弁板(121)とは、ほぼ同じ形状を有しており、高圧側弁体(112)では、高圧側流路(114)が高圧、高圧側閉鎖部(112a)が低圧となり、低圧側弁体(122)では、低圧側流路(124)が低圧、低圧側閉鎖部(122a)が高圧となる。このため、流路(114)、(124)及び閉鎖部(112a)、(122a)の軸方向から見た面積を同等にすることにより、弁体(112)、(122)と弁板(111)、(121)との間の押し付け力を相殺することができる。従って、例えば減圧バルブ(132)、(133)を用いて中間圧力を適切に調節すれば、高圧側及び低圧側の両方の押し付け力を最小化できるので、摩擦損失を低減することができる。
尚、流路(114)、(124)と閉鎖部(112a)、(122a)との間の圧力分離壁(112b)、(122b)の幅(図13のd)については、回転中の流路(114)、(124)と閉鎖部(112a)、(122a)との短絡を防ぐために、ポート(113)、(123)の寸法よりも大きくする。
図10に示すように、本実施形態でも前記実施形態1と同様に、弁箱(101)の内部、具体的には、高圧側弁体(112)と低圧側弁体(122)との間にバネ(104)を補助的に配置して、弁体(112,122)と弁板(111,121)との密着力を増大させている。
<実施形態2の特徴>
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)によると、弁箱(101)の内部を、低圧側出口ポート(125)の圧力よりも高く且つ高圧側入口ポート(115)の圧力よりも低い中間圧力に保つことにより、高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に圧接すると共に低圧側弁体(122)を低圧側弁板(111)に圧接する。このため、各弁体(112,122)が摩耗しても、各弁体(112,122)と各弁板(111,121)との圧着力が変わらないため、耐久性が向上する。また、弁箱(101)の内部を中間圧力に保つことによって、弁体(112)、(122)と弁板(111)、(121)との間の押し付け力を小さくできるので、摩擦損失を低減できる。
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)において、高圧側流路(114)は、弁箱(101)の内部の圧力から分離され、高圧側弁体(112)は、複数の高圧側出口ポート(113)のうち少なくとも1つのポート(113b)を塞ぐ高圧側閉鎖部(112a)を有し、高圧側弁体(112)を軸方向から見て、高圧側弁板(111)が高圧側流路(114)に接する面積と、高圧側弁板(111)が高圧側閉鎖部(112a)に接する面積とは略同じであってもよい。このようにすると、高圧側弁体(112)と高圧側弁板(111)との間の押し付け力を相殺して、中間圧力により高圧側弁体(112)を高圧側弁板(111)に圧接して流体の漏れを防ぐことができる。
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)において、低圧側流路(124)は、弁箱(101)の内部の圧力から分離され、低圧側弁体(122)は、複数の低圧側入口ポート(123)のうち少なくとも1つのポート(123a)を塞ぐ低圧側閉鎖部(122a)を有し、低圧側弁体(122)を軸方向から見て、低圧側弁板(121)が低圧側流路(124)に接する面積と、低圧側弁板(121)が低圧側閉鎖部(122a)に接する面積とは略同じであってもよい。このようにすると、低圧側弁体(122)と低圧側弁板(121)との間の押し付け力を相殺して、中間圧力により低圧側弁体(122)を低圧側弁板(121)に圧接して流体の漏れを防ぐことができる。
尚、弁箱(101)の内部の圧力を、「((低圧側出口ポート(125)の圧力)+(高圧側入口ポート(115)の圧力))/2」よりも若干高めにすれば、流路(114)、(124)及び閉鎖部(112a)、(122a)の軸方向から見た面積を同程度にして、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)を同じ構造、同じサイズとすることができるので、回転バルブ型多方切換弁(100)の全体サイズを最小化できる。
また、高圧側弁体(112)では、低圧の高圧側閉鎖部(112a)の面積を、高圧の高圧側流路(114)の面積よりも大きくすることによって、弁箱(101)の内部の圧力を、「((低圧側出口ポート(125)の圧力)+(高圧側入口ポート(115)の圧力))/2」と同等以下にできる。一方、低圧側弁体(122)では、低圧の低圧側流路(124)の面積を、高圧の低圧側閉鎖部(122a)の面積よりも大きくすることによって、弁箱(101)の内部の圧力を、「((低圧側出口ポート(125)の圧力)+(高圧側入口ポート(115)の圧力))/2」と同等以下にできる。
本実施形態の回転バルブ型多方切換弁(100)において、中間圧力に調整された中間圧ポート(131)が弁箱(101)に接続されてもよい。これにより、簡単な構造によって弁箱(101)の内部を中間圧力に保持できる。また、この場合、中間圧ポート(131)は、第1減圧バルブ(132)を介して前記高圧側入口ポート(115)と連通すると共に、第2減圧バルブ(133)を介して前記低圧側出口ポート(125)と連通してもよい。これにより、新たに圧力源を設けることなく、高圧側入口ポート(115)の圧力と低圧側出口ポート(125)とを用いて、弁箱(101)の内部を中間圧力に保持できる。また、減圧バルブ(132)、(133)の調整により、低圧から高圧までの範囲で中間圧力を任意の大きさに設定できる。
<実施形態2の変形例>
本変形例が前記実施形態2と異なる点は、図14に示すように、前記実施形態1の変形例と同じく、回転する弁体(112)、(122)に対応させて、各ポート(113)、(123)が、径方向長さが周方向長さよりも長いスリット形状の開口を弁板(111)、(121)に有することである。このように、各ポート(113)、(123)の開口の周方向長さを短くすることにより、各弁体(112)、(122)の回転により連通対象ポートの切り替えを迅速に行うことができる。また、各ポート(113)、(123)の開口の径方向長さを長くすることにより、開口面積を確保して圧力損失の増加を抑制することができる。
《その他の実施形態》
前記実施形態1及び2(変形例を含む。以下同じ。)では、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)を同じ回転数で回転させたが、これに代えて、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)を異なる回転数で回転させてもよい。また、同一の回転軸(102)によって、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)を回転させたが、これに代えて、異なる2つの回転軸によって、高圧側弁体(112)及び低圧側弁体(122)をそれぞれ回転させてもよい。
前記実施形態1では、高圧側入口ポート(115)を弁箱(101)の径方向側部に設けたが、これに代えて、例えば、高圧側入口ポート(115)を回転軸(102)に設けて弁箱(101)の内部と連通させてもよい。
前記実施形態2では、高圧側入口ポート(115)を高圧側弁板(111)の中央(回転軸(102)と同軸)に形成したが、これに代えて、例えば、回転軸(102)の側方に形成してもよい。尚、高圧側入口ポート(115)が、高圧側弁板(111)において、複数の高圧側出口ポート(113)よりも高圧側弁板(111)の中央側に設けられると、高圧側流路(114)によって、高圧側入口ポート(115)と高圧側出口ポート(113)のそれぞれとを連通させやすくなる。
前記実施形態1及び2では、低圧側出口ポート(125)を低圧側弁板(121)に設けたが、これに代えて、例えば、低圧側出口ポート(125)を回転軸(102)に設けて低圧側弁板(121)の内部(低圧側流路(124))と連通させてもよい。尚、低圧側出口ポート(125)が、低圧側弁板(121)において、複数の低圧側入口ポート(123)よりも低圧側弁板(121)の中央側に設けられると、低圧側流路(124)によって、低圧側出口ポート(125)と低圧側入口ポート(123)のそれぞれとを連通させやすくなる。
前記実施形態2では、弁箱(101)に接続される中間圧ポート(131)を、第1減圧バルブ(132)を介して高圧側入口ポート(115)と連通させると共に第2減圧バルブ(133)を介して低圧側出口ポート(125)と連通させることによって、弁箱(101)内部を中間圧力に保持した。しかし、これに代えて、中間圧ポート(131)を、中間圧力を生成する圧力源に接続してもよい。
前記実施形態1及び2では、単一のバネ(104)を高圧側弁体(112)と低圧側弁体(122)との間に設置して、各弁体(112,122)を各弁板(111,121)に押しつけたが、これに代えて、異なる2つのバネにより、各弁体(112,122)を各弁板(111,121)に押しつけてもよい。
前記実施形態1及び2の回転バルブ型多方切換弁(100)では、弁箱(101)の軸方向の上端に高圧側弁板(111)を配置し、高圧側弁板(111)の中心部を貫通するように回転軸(102)を配置した。しかし、これに代えて、高圧側多方切換弁(110)及び低圧側多方切換弁(120)の軸方向の配置を入れ替え、弁箱(101)の軸方向の上端に低圧側弁板(121)を配置し、低圧側弁板(121)の中心部を貫通するように回転軸(102)を配置してもよい。
図1に示す磁気冷凍システム(10)では、磁気冷凍モジュール(20)と低温側熱交換器(60)との間に、第1及び第2逆止弁(91,92)を配置したが、第1及び第2逆止弁(91,92)に代えて、2つの多方切換弁を配置してもよい。この場合、前記実施形態1又は2の回転バルブ型多方切換弁(100)のように、2つの多方切換弁を1つの弁箱に一体的に設けてもよい。
前記実施形態1及び2では、磁気冷凍システム(10)及び磁気冷凍モジュール(20)について例示してきたが、固体冷媒による冷凍システムや冷凍モジュールは、磁気作業物質(24)に磁気熱量効果を誘発する磁気冷凍以外の他の方式を用いたものであってもよい。尚、本開示において、固体冷媒物質には、柔軟結晶などの液体と固体の中間の性質を有するものも含む。
他の方式の固体冷媒による冷凍システムや冷凍モジュールとしては、例えば、1)固体冷媒物質に電気熱量効果を誘発する方式、2)固体冷媒物質に圧力熱量効果を誘発する方式、3)固体冷媒物質に弾性熱量効果を誘発する方式のものが挙げられる。
1)の方式の固体冷媒による冷凍システムや冷凍モジュールでは、力場発生部(以下、誘発部ともいう)が固体冷媒物質に電場変動を付与する。これにより、固体冷媒物質が強誘電体から常誘電体へ相転移するなどして、固体冷媒物質が発熱又は吸熱する。
2)の方式の固体冷媒による冷凍システムや冷凍モジュールでは、誘発部が固体冷媒物質に圧力変動を付与することによって、固体冷媒物質が相転移して発熱又は吸熱する。
3)の方式の固体冷媒による冷凍システムや冷凍モジュールでは、誘発部が固体冷媒物質に応力変動を付与することによって、固体冷媒物質が相転移して発熱又は吸熱する。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。以上に述べた「第1」、「第2」、・・・という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、回転バルブ型多方切換弁について有用である。
10 磁気冷凍システム(固体冷媒による冷凍システム)
100 回転バルブ型多方切換弁
101 弁箱
102 回転軸
104 バネ
111 高圧側弁板
112 高圧側弁体
112a 高圧側閉鎖部
113 高圧側出口ポート
114 高圧側流路
115 高圧側入口ポート
121 低圧側弁板
122 低圧側弁体
122a 低圧側閉鎖部
123 低圧側入口ポート
124 低圧側流路
125 低圧側出口ポート
131 中間圧ポート
132 第1減圧バルブ
133 第2減圧バルブ

Claims (20)

  1. 固体冷媒による冷凍システム(10)に用いられる回転バルブ型多方切換弁(100)であって、
    回転軸(102)を有する弁箱(101)と、
    高圧側入口ポート(115)と、
    低圧側出口ポート(125)と、
    前記弁箱(101)の軸方向の一端に配置された高圧側弁板(111)と、
    前記弁箱(101)における前記高圧側弁板(111)の内側に回転可能に配置された高圧側弁体(112)と、
    前記弁箱(101)の軸方向の他端に配置された低圧側弁板(121)と、
    前記弁箱(101)における前記低圧側弁板(121)の内側に回転可能に配置された低圧側弁体(122)と
    を備え、
    前記高圧側弁板(111)には、複数の高圧側出口ポート(113)が形成されており、
    前記高圧側弁体(112)には、回転位置に応じて、前記高圧側入口ポート(115)と前記複数の高圧側出口ポート(113)の少なくとも1つとを選択的に連通させる高圧側流路(114)が形成されており、
    前記低圧側弁板(121)には、複数の低圧側入口ポート(123)が形成されており、
    前記低圧側弁体(122)には、回転位置に応じて、前記複数の低圧側入口ポート(123)の少なくとも1つと前記低圧側出口ポート(125)とを選択的に連通させる低圧側流路(124)が形成されており、
    前記弁箱(101)の内部は、前記低圧側出口ポート(125)の圧力よりも高い圧力に保持され、前記弁箱(101)の内部の圧力によって、前記高圧側弁体(112)が前記高圧側弁板(111)に圧接されると共に前記低圧側弁体(122)が前記低圧側弁板(111)に圧接される回転バルブ型多方切換弁。
  2. 請求項1の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記高圧側弁体(112)及び前記低圧側弁体(122)は同じ回転数で回転する回転バルブ型多方切換弁。
  3. 請求項2の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記高圧側弁板(111)を貫通する同一の前記回転軸(102)によって、前記高圧側弁体(112)及び前記低圧側弁体(122)は回転する回転バルブ型多方切換弁。
  4. 請求項1~3のいずれか1項の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記高圧側入口ポート(115)は、前記高圧側弁板(111)に設けられる回転バルブ型多方切換弁。
  5. 請求項4の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記高圧側入口ポート(115)は、前記高圧側弁板(111)において、前記複数の高圧側出口ポート(113)よりも前記高圧側弁板(111)の中央側に設けられる回転バルブ型多方切換弁。
  6. 請求項1~5のいずれか1項の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記低圧側出口ポート(125)は、前記低圧側弁板(121)に設けられる回転バルブ型多方切換弁。
  7. 請求項6の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記低圧側出口ポート(125)は、前記低圧側弁板(121)において、前記複数の低圧側入口ポート(123)よりも前記低圧側弁板(121)の中央側に設けられる回転バルブ型多方切換弁。
  8. 請求項1~7のいずれか1項の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記高圧側弁体(112)は、前記複数の高圧側出口ポート(113)のうち、前記弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となる少なくとも1つのポート(113b)を塞ぎ、当該ポート(113b)と前記弁箱(101)の内部との間の圧力差によって前記高圧側弁体(112)は前記高圧側弁板(111)に密着する回転バルブ型多方切換弁。
  9. 請求項1~8のいずれか1項の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記低圧側流路(124)は、前記複数の低圧側入口ポート(123)のうち、前記弁箱(101)の内部の圧力よりも低圧となるポート(123b)に接続されると共に前記弁箱(101)の内部の圧力から分離され、前記低圧側流路(124)と前記弁箱(101)の内部との間の圧力差によって前記低圧側弁体(122)は前記低圧側弁板(121)に密着する回転バルブ型多方切換弁。
  10. 請求項9の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記低圧側弁体(122)は、前記弁箱(101)の内部と前記低圧側流路(124)とを熱断熱する機構を備える回転バルブ型多方切換弁。
  11. 請求項1~10のいずれか1項の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記弁箱(101)の内部に配置されたバネ(104)をさらに備え、
    前記バネ(104)は、前記高圧側弁体(112)を前記高圧側弁板(111)に押しつけると共に前記低圧側弁体(122)を前記低圧側弁板(121)に押しつける回転バルブ型多方切換弁。
  12. 請求項2又は3の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記弁箱(101)の内部に配置されたバネ(104)をさらに備え、
    前記バネ(104)の一端は前記高圧側弁体(112)に取り付けられ、
    前記バネ(104)の他端は前記低圧側弁体(122)に取り付けられ、
    前記バネ(104)は、前記高圧側弁体(112)を前記高圧側弁板(111)に押しつけると共に前記低圧側弁体(122)を前記低圧側弁板(121)に押しつける回転バルブ型多方切換弁。
  13. 請求項1~12のいずれか1項の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記複数の高圧側出口ポート(113)及び前記複数の低圧側入口ポート(123)は、径方向長さが周方向長さよりも長いスリット形状の開口を有する回転バルブ型多方切換弁。
  14. 請求項5の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記高圧側流路(114)は、前記弁箱(101)の内部の圧力から分離され、
    前記高圧側弁体(112)は、前記複数の高圧側出口ポート(113)のうち少なくとも1つのポート(113b)を塞ぐ高圧側閉鎖部(112a)を有し、
    前記高圧側弁体(112)を軸方向から見て、前記高圧側弁板(111)が前記高圧側流路(114)に接する面積と、前記高圧側弁板(111)が前記高圧側閉鎖部(112a)に接する面積は略同じである回転バルブ型多方切換弁。
  15. 請求項7の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記低圧側流路(124)は、前記弁箱(101)の内部の圧力から分離され、
    前記低圧側弁体(122)は、前記複数の低圧側入口ポート(123)のうち少なくとも1つのポート(123a)を塞ぐ低圧側閉鎖部(122a)を有し、
    前記低圧側弁体(122)を軸方向から見て、前記低圧側弁板(121)が前記低圧側流路(124)に接する面積と、前記低圧側弁板(121)が前記低圧側閉鎖部(122a)に接する面積は略同じである回転バルブ型多方切換弁。
  16. 固体冷媒による冷凍システム(10)に用いられる回転バルブ型多方切換弁(100)であって、
    回転軸(102)を有する弁箱(101)と、
    高圧側入口ポート(115)と、
    低圧側出口ポート(125)と、
    前記弁箱(101)の軸方向の一端に配置された高圧側弁板(111)と、
    前記弁箱(101)における前記高圧側弁板(111)の内側に回転可能に配置された高圧側弁体(112)と、
    前記弁箱(101)の軸方向の他端に配置された低圧側弁板(121)と、
    前記弁箱(101)における前記低圧側弁板(121)の内側に回転可能に配置された低圧側弁体(122)と
    を備え、
    前記高圧側弁板(111)には、複数の高圧側出口ポート(113)が形成されており、
    前記高圧側弁体(112)には、回転位置に応じて、前記高圧側入口ポート(115)と前記複数の高圧側出口ポート(113)の少なくとも1つとを選択的に連通させる高圧側流路(114)が形成されており、
    前記低圧側弁板(121)には、複数の低圧側入口ポート(123)が形成されており、
    前記低圧側弁体(122)には、回転位置に応じて、前記複数の低圧側入口ポート(123)の少なくとも1つと前記低圧側出口ポート(125)とを選択的に連通させる低圧側流路(124)が形成されており、
    前記弁箱(101)の内部は前記高圧側入口ポート(115)と連通することによって高圧に保持され、前記弁箱(101)の内部の圧力によって、前記高圧側弁体(112)が前記高圧側弁板(111)に圧接されると共に前記低圧側弁体(122)が前記低圧側弁板(111)に圧接される回転バルブ型多方切換弁。
  17. 請求項16の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記高圧側入口ポート(115)は、前記弁箱(101)に設けられる回転バルブ型多方切換弁。
  18. 固体冷媒による冷凍システム(10)に用いられる回転バルブ型多方切換弁(100)であって、
    回転軸(102)を有する弁箱(101)と、
    高圧側入口ポート(115)と、
    低圧側出口ポート(125)と、
    前記弁箱(101)の軸方向の一端に配置された高圧側弁板(111)と、
    前記弁箱(101)における前記高圧側弁板(111)の内側に回転可能に配置された高圧側弁体(112)と、
    前記弁箱(101)の軸方向の他端に配置された低圧側弁板(121)と、
    前記弁箱(101)における前記低圧側弁板(121)の内側に回転可能に配置された低圧側弁体(122)と
    を備え、
    前記高圧側弁板(111)には、複数の高圧側出口ポート(113)が形成されており、
    前記高圧側弁体(112)には、回転位置に応じて、前記高圧側入口ポート(115)と前記複数の高圧側出口ポート(113)の少なくとも1つとを選択的に連通させる高圧側流路(114)が形成されており、
    前記低圧側弁板(121)には、複数の低圧側入口ポート(123)が形成されており、
    前記低圧側弁体(122)には、回転位置に応じて、前記複数の低圧側入口ポート(123)の少なくとも1つと前記低圧側出口ポート(125)とを選択的に連通させる低圧側流路(124)が形成されており、
    前記弁箱(101)の内部は、前記低圧側出口ポート(125)の圧力よりも高く且つ前記高圧側入口ポート(115)の圧力よりも低い中間圧力に保持され、前記弁箱(101)の内部の圧力によって、前記高圧側弁体(112)が前記高圧側弁板(111)に圧接されると共に前記低圧側弁体(122)が前記低圧側弁板(111)に圧接される回転バルブ型多方切換弁。
  19. 請求項18の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記中間圧力に調整された中間圧ポート(131)が前記弁箱(101)に接続される回転バルブ型多方切換弁。
  20. 請求項19の回転バルブ型多方切換弁(100)において、
    前記中間圧ポート(131)は、第1減圧バルブ(132)を介して前記高圧側入口ポート(115)と連通すると共に、第2減圧バルブ(133)を介して前記低圧側出口ポート(125)と連通する回転バルブ型多方切換弁。
JP2022045251A 2021-03-26 2022-03-22 回転バルブ型多方切換弁 Pending JP2022151773A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021052527 2021-03-26
JP2021052527 2021-03-26

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022151773A true JP2022151773A (ja) 2022-10-07

Family

ID=83464635

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022045251A Pending JP2022151773A (ja) 2021-03-26 2022-03-22 回転バルブ型多方切換弁

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022151773A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100507406C (zh) 旋转磁体式磁致冷机及其致冷方法
KR101610099B1 (ko) 캔형 열교환기
KR101814206B1 (ko) 유로 전환 밸브 및 이를 이용한 히트 펌프 장치
JP5389570B2 (ja) 多方切換弁
JP4255615B2 (ja) 弁集合体およびそれを含む空気調整装置
US9109824B2 (en) Expansion valve with force equalization
CN107366754B (zh) 蝴蝶阀
JP5087677B2 (ja) 流路切換弁
WO2017217112A1 (ja) 切替流調弁
US9080688B2 (en) Flow reversing valve and heat pump device using same
WO2012008148A1 (ja) 冷媒流路切換ユニット
JP2020034237A (ja) 熱磁気サイクル装置
WO2004072521A1 (ja) 電動式切換弁
KR101954538B1 (ko) 자기 냉각 시스템
KR101139390B1 (ko) 다방향 전자식 팽창 밸브
JP2022151773A (ja) 回転バルブ型多方切換弁
KR20170092150A (ko) 개선된 동축 밸브를 구비하는 자기 냉장 시스템
WO2021182441A1 (ja) 固体冷媒による冷却モジュール及び固体冷媒による冷却システム
JP7227931B2 (ja) ロータリー式切換弁
JP5316345B2 (ja) 流量制御弁
JP2021156391A (ja) 回転バルブ型多方切換弁
JPS646353B2 (ja)
CN113272600B (zh) 用于热量回热器的不均匀流量阀
KR102490401B1 (ko) 유로 절환 및 유량 제어 일체화 밸브
WO2022220078A1 (ja) 切換弁