JP2020034237A - 熱磁気サイクル装置 - Google Patents

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健太郎 貴志
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Abstract

【課題】機械的な損失が小さい熱磁気サイクル装置を提供する。【解決手段】装置は、MCE素子12を収容した複数の単位流路を提供する素子ベッド7を備える。装置は、MCE素子に印加される磁場を変調する磁場変調装置14と、MCE素子と熱交換する熱輸送媒体の往復流れを生成する熱輸送装置16とを備える。さらに、熱輸送装置は、流路切換機構18と、付勢機構30とを有する。流路切換機構18は、単位流路に熱輸送媒体が流入するための入口弁18aおよび、単位流路から熱輸送媒体が流出するための出口弁18bを形成する。付勢機構30は、入口弁および出口弁に異なる付勢力を与える。付勢力の大小関係は、入口弁に作用する熱輸送媒体の圧力と、出口弁に作用する熱輸送媒体の圧力との大小関係と同じである。【選択図】図4

Description

この明細書における開示は、熱磁気サイクル装置に関する。
特許文献1ないし特許文献3は、磁性体の温度特性を利用した熱磁気サイクル装置を開示する。装置は、磁気熱量効果を発揮する素子を備える。装置は、素子と熱交換する熱輸送媒体の往復流れを生成する熱輸送装置と、素子に印加される磁場を変調する磁場変調装置とを備える。装置は、駆動力を入力として温度差を出力するヒートポンプ装置、または、温度差を入力として駆動力を出力するエンジン装置として利用される。従来技術として列挙された先行技術文献の記載内容は、この明細書における技術的要素の説明として、参照により援用される。
特開2012−229634号公報 特開2016−1101号公報 米国特許第8448453号明細書
従来技術の構成では、熱輸送媒体の漏洩を抑制するために、シール機構が必要である。しかし、シール機構は機械的な損失を生み出す。機械的な損失は、可動部材を駆動するための動力の損失としてあらわれる。このため、機械的な損失が小さい熱磁気サイクル装置が求められる。
ひとつの形態では、例えば、可動部材と静止部材との両方にわたって熱輸送媒体が流れる場合がある。この場合、可動部材と静止部材との間のシール機構は、機械的な損失を生み出す。他の形態では、例えば、可動部材または静止部材の中に、熱輸送媒体の流れを制御する開閉弁が配置される場合がある。この場合、開閉弁のシール機構は、機械的な損失を生み出す。
さらに、シール機構における熱輸送媒体の圧力が変動する場合、シールするべき圧力差が大きい期間と、シールするべき圧力差が小さい期間とが生じる。この場合、シール機構は、シールするべき圧力差が大きい期間に耐えるように設計される。しかし、この設計では、単位周期の間中にわたって機械的な損失を抑制することが困難である。
上述の観点において、または言及されていない他の観点において、熱磁気サイクル装置にはさらなる改良が求められている。
開示されるひとつの目的は、機械的な損失が小さい熱磁気サイクル装置を提供することである。
開示される他のひとつの目的は、熱輸送装置における機械的な損失が抑制された熱磁気サイクル装置を提供することである。
ここに開示された熱磁気サイクル装置は、磁気熱量効果を発揮するMCE素子(12)を収容した複数の単位流路を提供する素子ベッド(7)と、MCE素子に印加される磁場を変調する磁場変調装置(14)と、MCE素子と熱交換する熱輸送媒体の往復流れを生成する熱輸送装置(16)とを備える。さらに、熱輸送装置は、熱輸送媒体を流す一方向型のポンプ(17、217a)と、単位流路に熱輸送媒体が流入するための入口弁(18a、18f、618a、618f)および、単位流路から熱輸送媒体が流出するための出口弁(18b、18e、618b、618e)を単位流路の一端および/または他端に形成する流路切換機構(18)と、入口弁および出口弁に異なる付勢力を与える付勢機構(30)とを有し、付勢力の大小関係は、入口弁に作用する熱輸送媒体の圧力と、出口弁に作用する熱輸送媒体の圧力との大小関係と同じである。
開示される熱磁気サイクル装置によると、入口弁および出口弁に対して、付勢機構によって異なる付勢力が付与される。付勢力の大小関係は、入口弁に作用する熱輸送媒体の圧力と、出口弁に作用する熱輸送媒体の圧力との大小関係と同じである。例えば、入口弁に与えられる付勢力が出口弁に与えられる付勢力より大きい場合、入口弁に作用する熱輸送媒体の圧力は出口弁に作用する熱輸送媒体の圧力より大きい。例えば、出口弁に与えられる付勢力が入口弁に与えられる付勢力より大きい場合、出口弁に作用する熱輸送媒体の圧力は入口弁に作用する熱輸送媒体の圧力より大きい。これにより、入口弁および出口弁において熱輸送媒体の圧力に耐えるシール性が得られる。さらに、入口弁および出口弁において付勢力をえるための動力が抑制される。この結果、機械的な損失が抑制される。
この明細書における開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
第1実施形態に係る熱機器の断面図である。 図1のII−II線における断面図である。 熱輸送媒体の圧力分布を示す回路図である。 高温端のシール機構を示す分解斜視図である。 高温端のシール機構を示す展開図である。 低温端のシール機構を示す分解斜視図である。 低温端のシール機構を示す展開図である。 第2実施形態に係る圧力分布を示す回路図である。 シール機構を示す展開図である。 第3実施形態のシール機構を示す展開図である。 第4実施形態のシール機構を示す展開図である。 第5実施形態のシール機構を示す展開図である。 第6実施形態に係る熱機器の断面図である。 図13のXIV−XIV線における断面図である。 図13のXV−XV線における断面図である。 高圧弁の作動状態を示す断面図である。 低圧弁の作動状態を示す断面図である。
図面を参照しながら、複数の実施形態を説明する。複数の実施形態において、機能的におよび/または構造的に対応する部分および/または関連付けられる部分には同一の参照符号、または百以上の位が異なる参照符号が付される場合がある。対応する部分および/または関連付けられる部分については、他の実施形態の説明を参照することができる。
第1実施形態
図1および図2は、第1実施形態に係る空調装置1を示す。図1は、図2のI−I線における断面を示す。図2は、図1のII−II線における断面を示す。空調装置1は、熱機器のひとつである。空調装置1は、磁気熱量効果型ヒートポンプ装置2を備える。磁気熱量効果型ヒートポンプ装置2はMHP(Magneto−caloric effect Heat Pump)装置2とも呼ばれる。MHP装置2は、熱磁気サイクル装置を提供する。
この明細書においてヒートポンプ装置の語は広義の意味で使用される。すなわち、ヒートポンプ装置の語には、ヒートポンプ装置によって得られる冷熱を利用する装置と、ヒートポンプ装置によって得られる温熱を利用する装置との両方が含まれる。冷熱を利用する装置は、冷凍サイクル装置とも呼ばれることがある。よって、この明細書においてヒートポンプ装置の語は冷凍サイクル装置を包含する概念として使用される。
空調装置1は、MHP装置2の高温側に設けられた熱交換器3を有する。熱交換器3は、MHP装置2の高温端HTと、媒体、例えば空気との間の熱交換を提供する。熱交換器3は、主として放熱のために用いられる。図示の例では、熱交換器3は、MHP装置2の熱輸送媒体と、空気との熱交換を提供する。熱交換器3は、空調装置1における高温系統機器のひとつである。熱交換器3は、例えば車両の室内に設置され、空調用空気と熱交換することにより空気を温める。
空調装置1は、MHP装置2の低温側に設けられた熱交換器4を有する。熱交換器4は、MHP装置2の低温端LTと、媒体、例えば空気との間の熱交換を提供する。熱交換器4は、主として吸熱のために用いられる。図示の例では、熱交換器4は、MHP装置2の熱輸送媒体と、熱源媒体との熱交換を提供する。熱交換器4は、空調装置1における低温系統機器のひとつである。熱交換器4は、例えば車両の外部に設置され、外気と熱交換する。
MHP装置2は、MHP装置2を駆動するための回転軸2aを有する。回転軸2aは、動力源5と作動的に連結されている。よって、MHP装置2は、動力源5によって回転駆動される。動力源5は、MHP装置2に回転動力を提供する。動力源5は、MHP装置2の唯一の動力源である。動力源5は、電動機、内燃機関など回転機器によって提供される。動力源の一例は、車両に搭載された電池によって駆動される電動機である。
MHP装置2は、ハウジング6を備える。ハウジング6は回転軸2aを回転可能に支持している。MHP装置2は、素子ベッド7を備える。素子ベッド7は、ハウジング6内に回転可能に支持されている。素子ベッド7は、回転軸2aから直接的にまたは間接的に回転力を受けて、回転する。素子ベッド7は、動力源5によって回転させられる回転体である。素子ベッド7は、円筒状の部材である。
素子ベッド7は、熱輸送媒体が流れることができる作業室11を形成する。ひとつの作業室11は、素子ベッド7の軸方向に沿って延びている。ひとつの作業室11は、素子ベッド7の軸方向の両方の端面において開口している。素子ベッド7は、複数の作業室11を備えることができる。複数の作業室11は、素子ベッド7の回転方向に沿って配列されている。
素子ベッド7は、磁気熱量素子12を備える。磁気熱量素子12は、MCE(Magneto−Caloric Effect)素子12とも呼ばれる。MHP装置2は、MCE素子12の磁気熱量効果を利用する。MHP装置2は、MCE素子12によって高温端HTと低温端LTとを生成する。MCE素子12は、高温端HTと低温端LTとの間に設けられている。図示の例では、図中の右側が低温端LTであり、図中の左端が高温端HTである。素子ベッド7は、ロータとも呼ばれる。素子ベッド7は、作業室11とMCE素子12とを含む。
MCE素子12は、作業室11内に、熱輸送媒体と熱交換するように配置されている。MCE素子12は、素子ベッド7に固定され、保持されている。MCE素子12は、熱輸送媒体の流れ方向に沿って配置されている。MCE素子12は、素子ベッド7の軸方向に沿って細長く延在している。素子ベッド7は、複数のMCE素子12を備えることができる。複数のMCE素子12は、素子ベッド7の回転方向に沿って互いに離れて配置されている。
MCE素子12は、外部磁場の強弱の変化に応答して発熱と吸熱とを生じる。MCE素子12は、外部磁場の印加により発熱し、外部磁場の除去により吸熱する。MCE素子12は、外部磁場が印加されることによって電子スピンが磁場方向に揃うと、磁気エントロピーが減少し、熱を放出することによって温度が上昇する。また、MCE素子12は、外部磁場が除去されることによって電子スピンが乱雑になると、磁気エントロピーが増加し、熱を吸収することによって温度が低下する。MCE素子12は、常温域において高い磁気熱量効果を発揮する磁性体によって作られている。例えば、ガドリニウム系材料、またはランタン−鉄−シリコン化合物を用いることができる。また、マンガン、鉄、リンおよびゲルマニウムの混合物を用いることができる。MCE素子12には、外部磁場の印加により吸熱し、外部磁場の除去により発熱する素子を利用してもよい。
MHP装置2は、素子ベッド7と対向して配置された磁場モジュール8を有する。磁場モジュール8は、ステータとも呼ばれる。磁場モジュール8は、ハウジング6の一部によって提供されている。磁場モジュール8は、素子ベッド7の径方向内側および/または径方向外側に配置され、素子ベッド7と径方向に関して対向する部位を有する。これら径方向に関して対向する部位は、磁場変調装置を提供するために利用される。磁場モジュール8は、素子ベッド7の軸方向一端および/または軸方向他端に配置され、素子ベッド7と軸方向に関して対向する部位を有する。これら軸方向に対向する部位は、熱輸送装置、具体的には流路切換機構を提供するために利用される。
MHP装置2は、MCE素子12をAMR(Active Magnetic Refrigeration)サイクルの素子として機能させるための磁場変調装置14と熱輸送装置16とを備える。磁場変調装置14は、素子ベッド7と、磁場モジュール8とによって提供される。磁場変調装置14は、磁場モジュール8に対する素子ベッド7の相対的な回転運動によって磁場を周期的に増減させる。磁場変調装置14は、回転軸2aに与えられる回転動力によって駆動される。磁場の変動は、素子ベッド7および磁場モジュール8のいずれか一方のみ、または両方を相対的に回転移動させることで作り出すことができる。素子ベッド7は、可動部材を提供する。磁場モジュール8は、静止部材を提供する。
熱輸送装置16は、ポンプ17と、流路切換機構18とを有する。流路切換機構18は、素子ベッド7と、磁場モジュール8とによって提供される。流路切換機構18は、磁場モジュール8に対する素子ベッド7の相対的な回転運動によって機能する。流路切換機構18は、熱輸送媒体の流路に対する作業室11の接続状態を切換えることにより、作業室11およびMCE素子12に対する熱輸送媒体の流れ方向を反転するように切換える。
磁場変調装置14は、MCE素子12に外部磁場を与えるとともに、その外部磁場の強さを増減させる。磁場変調装置14は、MCE素子12を強い磁界内に置く励磁状態と、MCE素子12を弱い磁界内またはゼロ磁界内に置く消磁状態とを周期的に切換える。磁場変調装置14は、MCE素子12が強い外部磁場の中に置かれる励磁期間AMG、およびMCE素子12が励磁期間AMGより弱い外部磁場の中に置かれる消磁期間DMGを周期的に繰り返すように外部磁場を変調する。磁場変調装置14は、後述する熱輸送媒体の往復的な流れに同期して、MCE素子12への磁場の印加と除去とを繰り返す。磁場変調装置14は、外部磁場を生成するための磁力源13、例えば永久磁石、または電磁石を備える。磁力源13は、素子ベッド7の径方向内側に位置する内側磁石13aを備える。磁力源13は、素子ベッド7の径方向外側に位置する外側磁石13bを備える。
具体的には、磁場変調装置14は、ひとつの作業室11およびMCE素子12を第1位置と第2位置とに交互に位置付ける。磁場変調装置14は、第1位置にあるMCE素子12を強い磁場の中に位置付ける。磁場変調装置14は、第2位置にあるMCE素子12を弱い磁場またはゼロ磁場の中に位置付ける。
磁場変調装置14は、MCE素子12に沿って第1方向に熱輸送媒体が流れるときに、MCE素子12が強い磁場の中に位置付けられるように、MCE素子12を第1位置に位置付ける。第1方向は、低温端LTから高温端HTに向かう方向である。磁場変調装置14は、作業室11の一端がポンプ17の吸入口に連通し、作業室11の他端がポンプ17の吐出口に連通するときに、その作業室11の中のMCE素子12が強い磁場の中に置かれるようにMCE素子12を第1位置に位置付ける。
磁場変調装置14は、MCE素子12に沿って第1方向とは反対の第2方向に熱輸送媒体が流れるときに、MCE素子12が弱い磁場またはゼロ磁場の中に位置付けられるように、MCE素子12を第2位置に位置付ける。第2方向は、高温端HTから低温端LTに向かう方向である。磁場変調装置14は、作業室11の一端がポンプ17の吐出口に連通し、作業室11の他端がポンプ17の吸入口に連通するときに、MCE素子12が弱い磁場またはゼロ磁場の中に置かれるようにMCE素子12を第2位置に位置付ける。
熱輸送装置16は、MCE素子12が放熱または吸熱する熱を輸送するための熱輸送媒体と、この熱輸送媒体を流すための流体機器とを備える。熱輸送装置16は、MCE素子12と熱交換する熱輸送媒体をMCE素子12に沿って流す装置である。熱輸送装置16は、MCE素子12に沿って熱輸送媒体を往復的に流す。熱輸送装置16は、磁場変調装置14による外部磁場の変化に同期して、熱輸送媒体の往復的な流れを発生させる。熱輸送装置16は、磁場変調装置14による磁場の増減に同期して熱輸送媒体の流れ方向を切換える。
MCE素子12と熱交換する熱輸送媒体は一次媒体と呼ばれる。一次媒体は、不凍液、水、油などの流体によって提供することができる。熱輸送装置16は、熱輸送媒体を流すためのポンプ17を備える。ポンプ17は、一方向に熱輸送媒体を流す一方向ポンプである。ポンプ17は、熱輸送媒体を吸入する吸入口と、熱輸送媒体を吐出する吐出口とを有する。ポンプ17は、熱輸送媒体の環状の流れ経路の上に配置されている。ポンプ17は、環状の流れ経路の中に熱輸送媒体の一方向の流れを生じさせる。ポンプ17は、回転軸2aによって駆動される。ポンプ17は、容積型ポンプである。
熱輸送装置16は、流路切換機構18を備える。流路切換機構18は、ひとつの作業室11およびひとつのMCE素子12に関する熱輸送媒体の流れ方向を反転させるように、作業室11に対して熱輸送媒体の流路を切換える。言い換えると、流路切換機構18は、一方向型のポンプ17によって生成される熱輸送媒体の一方向の流れの中における作業室11の配置を流れ方向に関して反転させる。流路切換機構18は、ポンプ17を含む環状の流路の中における往路と復路とにひとつの作業室11を交互に位置付ける。流路切換機構18は、ひとつの作業室11およびひとつのMCE素子12と、ポンプ17を含む環状の流路との接続関係を少なくとも2つの状態に切換える。第1の状態は、作業室11の一端がポンプ17の吸入口に連通し、作業室11の他端がポンプ17の吐出口に連通した状態である。第2の状態は、作業室11の一端がポンプ17の吐出口に連通し、作業室11の他端がポンプ17の吸入口に連通した状態である。
具体的には、流路切換機構18は、ひとつの作業室11およびMCE素子12を第1位置と第2位置とに交互に位置付ける。流路切換機構18は、第1位置にあるMCE素子12に沿って第1方向に熱輸送媒体を流すように、そのMCE素子12を収容する作業室11を流れ経路に連通させる。流路切換機構18は、第2位置にあるMCE素子12に沿って第1方向とは反対の第2方向に熱輸送媒体を流すように、そのMCE素子12を収容する作業室11を流れ経路に連通させる。流路切換機構18は、MCE素子12に対して熱輸送媒体を往復的に流すように、ポンプ17を含む熱輸送媒体の流れ経路と、MCE素子12、すなわち作業室11との接続状態を切換える。
流路切換機構18は、ひとつのMCE素子12が第1位置にあるときに、そのMCE素子12に沿って第1方向に熱輸送媒体が流れるように、そのMCE素子12を収容する作業室11と流路とを接続する。流路切換機構18は、ひとつのMCE素子12が第1位置にあるときに、そのMCE素子12を収容する作業室11の一端とポンプ17の吸入口とを連通し、他端とポンプ17の吐出口とを連通する。
流路切換機構18は、ひとつのMCE素子12が第2位置にあるときに、そのMCE素子12に沿って第1方向とは反対の第2方向に熱輸送媒体が流れるように、そのMCE素子12を収容する作業室11と流路とを接続する。流路切換機構18は、ひとつのMCE素子12が第2位置にあるときに、そのMCE素子12を収容する作業室11の一端とポンプ17の吐出口とを連通し、他端とポンプ17の吸入口とを連通する。
MHP装置2は、熱交換器3から熱輸送媒体を受け入れる高温側入口16aを有する。高温側入口16aはポンプ17の吸入口に連通可能である。MHP装置2は、熱交換器3へ向けて熱輸送媒体を供給する高温側出口16bを有する。高温側出口16bは、第1位置にある作業室11の一端に連通可能である。MHP装置2は、熱交換器4から熱輸送媒体を受け入れる低温側入口16cを有する。低温側入口16cは、第1位置にある作業室11の他端に連通可能である。MHP装置2は、熱交換器4へ向けて熱輸送媒体を供給する低温側出口16dを有する。低温側出口16dは、第2位置にある作業室11の他端に連通可能である。第2位置にある作業室11の一端はポンプ17の吐出口と連通可能である。
MHP装置2は、中心軸AXを有する。素子ベッド7および磁場モジュール8は、中心軸AXに関して円柱状、または円筒状である。
MHP装置2は、制御装置(CNT)20を備える。制御装置20は、少なくとも動力源5を制御する。制御装置20は、動力源5による回転数を制御する。加えて、制御装置20は、空調装置1としての機能を制御する。制御装置20は、例えば、熱交換器3および/または熱交換器4への送風量を制御する。
制御装置20は、電子制御装置(Electronic Control Unit)である。制御装置20は、熱磁気サイクル装置のための制御システムを提供する。制御システムは、少なくともひとつの演算処理装置(CPU)と、プログラムとデータとを記憶する記憶媒体としての少なくともひとつのメモリ装置とを有する。制御システムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを非一時的に格納する非遷移的実体的記憶媒体である。記憶媒体は、半導体メモリまたは磁気ディスクなどによって提供されうる。制御システムは、ひとつのコンピュータ、またはデータ通信装置によってリンクされた一組のコンピュータ資源によって提供されうる。プログラムは、制御システムによって実行されることによって、制御システムをこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される方法を実行するように制御システムを機能させる。
制御システムが提供する手段および/または機能は、実体的なメモリ装置に記録されたソフトウェアおよびそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御システムは、if−then−else形式と呼ばれるロジック、または機械学習によってチューニングされたニューラルネットワークによって提供することができる。代替的に、例えば、制御システムがハードウェアである電子回路によって提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路によって提供することができる。
図3は、熱輸送媒体の圧力分布を示す。MHP装置2は、熱輸送媒体の循環経路を提供する。ポンプ17は、循環経路に配置されている。さらに、流路切換機構18は、素子ベッド7と磁場モジュール8との間、すなわち可動部材と静止部材との間にわたって延びる流路に配置されている。流路切換機構18は、複数の弁を有する。複数の弁は、複数の素子ベッド7の入口と出口とに配置されている。ここでは、説明を理解しやすくするために、循環経路を提供する2つの単位流路(素子ベッド7)と、関連する4つの弁を説明する。流路切換機構18は、高温端HTに、少なくとも入口弁18aと出口弁18bとを有する。流路切換機構18は、低温端LTに、少なくとも出口弁18eと入口弁18fとを有する。
熱交換器3は、圧力損失PDeを生じる。熱交換器4も、圧力損失PDeを生じる。熱交換器3と熱交換器4とは、異なる圧力損失を生じてもよい。ポンプ17は、吸入圧Psで熱輸送媒体を吸入する。ポンプ17は、熱輸送媒体を加圧する。ポンプ17は、吐出圧Pdの熱輸送媒体を吐出する。単位流路(素子ベッド7)は、圧力損失PDdを生じる。
熱輸送媒体は、ひとつの単位流路に向けて圧力P1で供給される。このとき、入口弁18aには、圧力P1が作用する。入口弁18aが提供するシール機構は、圧力P1の下で正常に機能しうるシール性を提供する。熱輸送媒体は、圧力P2で、ひとつの単位流路から流出する。出口弁18eには、圧力P2が作用する。出口弁18eが提供するシール機構は、圧力P2の下で正常に機能しうるシール性を提供する。
圧力P1は、圧力P2より高い(P1>P2)。よって、入口弁18aは、出口弁18eより高いシール性を求められる。逆に、出口弁18eは、入口弁18aより低いシール性で機能を実現できる。言い換えると、出口弁18eにおける静止部材と可動部材との押付力は、入口弁18aにおける静止部材と可動部材との押付力より小さくても、機能を実現できる。入口弁18aと出口弁18eとは、往復流のうちの一方向へ向かう熱輸送媒体の流れの入口および出口を提供する。一方向は、高温端HTから低温端LTへ向かう方向である。入口弁18aと出口弁18eとは、共通の単位流路(素子ベッド7)に対応付けられた入口と出口とを提供する。
熱輸送媒体は、ひとつの単位流路に向けて圧力P3で供給される。このとき、入口弁18fには、圧力P3が作用する。入口弁18fが提供するシール機構は、圧力P3の下で正常に機能しうるシール性を提供する。熱輸送媒体は、圧力P4で、ひとつの単位流路から流出する。出口弁18bには、圧力P4が作用する。出口弁18bが提供するシール機構は、圧力P4の下で正常に機能しうるシール性を提供する。
圧力P3は、圧力P4より高い(P3>P4)。よって、入口弁18fは、出口弁18bより高いシール性を求められる。逆に、出口弁18bは、入口弁18fより低いシール性で機能を実現できる。言い換えると、出口弁18bにおける静止部材と可動部材との押付力は、入口弁18fにおける静止部材と可動部材との押付力より小さくても、機能を実現できる。入口弁18fと出口弁18bとは、往復流のうちの他方向へ向かう熱輸送媒体の流れの入口および出口を提供する。他方向は、低温端LTから高温端HTへ向かう方向である。入口弁18fと出口弁18bとは、共通の単位流路(素子ベッド7)に対応付けられた入口と出口とを提供する。
高温端HTまたは低温端LTに着目すると、静止部材と可動部材との間には、少なくとも一対の入口弁および出口弁が配置されている。流路切換機構18は、偶数対の入口弁および出口弁を備えることができる。この実施形態では、後述のように二対の入口弁および出口弁が配置されている。
一方の端部、すなわち高温端HTにおいて、圧力P1は、圧力P4より高い(P1>P4)。このため、入口弁18aは、出口弁18bより高いシール性を求められる。逆に、出口弁18bは、入口弁18aより低いシール性で機能を実現できる。言い換えると、出口弁18bにおける静止部材と可動部材との押付力は、入口弁18aにおける静止部材と可動部材との押付力より小さくても、機能を実現できる。この実施形態では、入口弁18aにおける押付力F1を、出口弁18dにおける押付力F2より大きくしている(F1>F2)。これにより、出口弁18bにおける機械的な損失が抑制される。
入口弁18aと出口弁18bとは、一方の端部、すなわち高温端HTにおいて、往復流それぞれの入口および出口を提供する。入口弁18aは、高温端HTから低温端LTへ向かう流れの入口を提供する。出口弁18bは、低温端LTから高温端HTへ向かう流れの出口を提供する。入口弁18aと出口弁18bとは、同時に、異なる単位流路に対応付けられた入口と出口とを提供する。
他方の端部、すなわち低温端LTにおいて、圧力P2は、圧力P3より高い(P2>P3)。このため、出口弁18eは、入口弁18fより高いシール性を求められる。逆に、入口弁18fは、出口弁18eより低いシール性で機能を実現できる。言い換えると、入口弁18fにおける静止部材と可動部材との押付力は、出口弁18eにおける静止部材と可動部材との押付力より小さくても、機能を実現できる。この実施形態では、出口弁18eにおける押付力F5を、入口弁18fにおける押付力F6より大きくしている(F5>F6)。これにより、入口弁18fにおける機械的な損失が抑制される。
入口弁18fと出口弁18eとは、他方の端部、すなわち低温端LTにおいて、往復流それぞれの入口および出口を提供する。入口弁18fは、低温端LTから高温端HTへ向かう流れの入口を提供する。出口弁18eは、高温端HTから低温端LTへ向かう流れの出口を提供する。入口弁18fと出口弁18eとは、異なる単位流路に対応付けられた入口と出口とを提供する。
図4および図5は、高温端HTにおける流路切換機構18と、それに付随するシール機構とを示す。素子ベッド7が提供する作業室11は、複数の軸方向流路を提供する。図中には、MCE素子12の塊によって、ひとつの単位流路が例示されている。「ひとつの素子ベッド7」という名称は、この単位流路を指す場合がある。
流路切換機構18は、可動部材である素子ベッド7と対向して配置された弁要素19を備える。弁要素19は、静止部材である。弁要素19は、素子ベッド7の端面と対向して配置されている。弁要素19は、素子ベッド7の端面に対して、摺動可動に接触している。弁要素19は、入口弁18aおよび出口弁18bを提供するための複数のポートを提供している。弁要素19は、複数のセグメント19a、19b、19c、19dを備える。複数のセグメント19a、19b、19c、19dは、環状に配置されている。複数のセグメント19a、19b、19c、19dのそれぞれは、扇形の領域を占めている。複数のセグメント19a、19b、19c、19dは、軸方向に関して相対的に移動可能に保持されている。複数のセグメント19a、19b、19c、19dは、周方向に関して移動不能に保持されている。
セグメント19aは、入口弁18aを提供する。入口弁18aは、セグメント19aと単位流路とが対向しているときに、その単位流路に対して開く。入口弁18aは、セグメント19aと単位流路とが対向せず、離れているときに、その単位流路に対して閉じる。セグメント19bは、出口弁18bを提供する。出口弁18bは、セグメント19bと単位流路とが対向しているときに、その単位流路に対して開く。出口弁18bは、セグメント19bと単位流路とが対向せず、離れているときに、その単位流路に対して閉じる。この結果、流路切換機構18は、ひとつの単位流路の一端に入口弁18aと出口弁18bとを形成する。この実施形態では、4つのセグメント19a、19b、19c、19dによって2つの入口弁と2つの出口弁とが提供されている。よって、流路切換機構18は、ひとつの単位流路の一端に2つの入口弁と2つの出口弁とを形成する。2つの入口弁18a、18cと2つの出口弁18b、18dとは、ひとつの単位流路に対して交互に開閉されることにより、往復流を提供する。
流路切換機構18は、弁要素19を素子ベッド7に向けて押し付けるための付勢機構30を有する。付勢機構30は、少なくとも2つの異なる付勢力を提供する。この実施形態では、付勢力は、押圧力とも呼ばれる。付勢機構30は、4つのセグメント19a、19b、19c、19dのそれぞれに対応付けられた4つの付勢要素31、32、33、34を有する。この実施形態では、セグメント19aとセグメント19cとは、入口弁を提供するから、共通の付勢要素によって付勢されてもよい。同様に、セグメント19bとセグメント19dとは、出口弁を提供するから、共通の付勢要素によって付勢されてもよい。
付勢要素31、32、33、34のそれぞれは、可変要素35と、不変要素36とを有する。可変要素35は、熱輸送媒体の圧力に応じて付勢力を可変する。可変要素35は、熱輸送媒体の圧力に応じて寸法、すなわち軸方向長さが変化する感圧要素によって提供されている。可変要素35は、バルーンによって提供されている。可変要素35は、熱輸送媒体の圧力が所定圧力を上回るとき、熱輸送媒体の圧力を受けて軸方向に伸長する。可変要素35は、熱輸送媒体の圧力が所定圧力を下回るとき、熱輸送媒体の圧力を受けて軸方向に収縮する。所定圧力は、圧力P1と圧力P4との間に設定することができる。不変要素36は、不変の弾力性を提供する弾性部材である。不変要素36は、熱輸送媒体の圧力に依存することなく付勢力を生成する。不変要素36は、例えば、機械的なコイルスプリングによって提供することができる。不変要素36は、予荷重を与えられた圧縮コイルスプリングである。
可変要素35に圧力P1が作用すると、可変要素35は、軸方向に伸長する。この結果、セグメント19aは、押圧力F1で素子ベッド7に向けて押し付けられる。押圧力F1は、セグメント19aと素子ベッド7との間にシール性を提供する面圧を生む。可変要素35に圧力P4が作用すると、可変要素35は、軸方向に収縮する。この結果、セグメント19bは、押圧力F2で素子ベッド7に向けて押し付けられる。押圧力F2は、セグメント19bと素子ベッド7との間にシール性を提供する面圧を生む。押圧力F1は、押圧力F2より大きい(F1>F2)。
可動部材である素子ベッド7が回転すると、単位流路は、複数のセグメント19a、19b、19c、19dの上を順に通過する。単位流路がセグメント19a、19cの上に位置するとき、セグメント19a、19cは、素子ベッド7に向けて押圧力F1で押し付けられる。単位流路がセグメント19b、19dの上に位置するとき、セグメント19b、19dは、素子ベッド7に向けて押圧力F2で押し付けられる。この結果、弁要素19の全体が押圧力F1で素子ベッド7に向けて押し付けられる場合に比べて、セグメント19b、19dの区間において、押圧力が抑制される。この結果、機械的な損失が抑制される。
図6および図7は、低温端LTにおける流路切換機構18と、それに付随するシール機構とを示す。弁要素19は、入口弁18fおよび出口弁18eを提供するための複数のポートを提供している。弁要素19は、複数のセグメント19e、19f、19g、19hを備える。
セグメント19eは、出口弁18eを提供する。出口弁18eは、セグメント19eと単位流路とが対向しているときに、その単位流路に対して開く。出口弁18eは、セグメント19eと単位流路とが対向せず、離れているときに、その単位流路に対して閉じる。セグメント19fは、入口弁18fを提供する。入口弁18fは、セグメント19fと単位流路とが対向しているときに、その単位流路に対して開く。入口弁18fは、セグメント19fと単位流路とが対向せず、離れているときに、その単位流路に対して閉じる。この結果、流路切換機構18は、ひとつの単位流路の他端に出口弁18eと入口弁18fとを形成する。この実施形態では、4つのセグメント19e、19f、19g、19hによって2つの入口弁18f、18hと2つの出口弁18e、18gとが提供されている。よって、流路切換機構18は、ひとつの単位流路の他端に2つの入口弁と2つの出口弁とを形成する。2つの入口弁と2つの出口弁とは、ひとつの単位流路に対して交互に開閉されることにより、往復流を提供する。高温端HTにおける流路切換機構18と、低温端LTにおける流路切換機構18とは、互いに対称的に配置されている。
低温端LTにおいて、可変要素35の所定圧力は、圧力P2と圧力P3との間に設定されている。可変要素35に圧力P2が作用すると、可変要素35は、軸方向に伸長する。この結果、セグメント19e、19gは、押圧力F5で素子ベッド7に向けて押し付けられる。押圧力F5は、セグメント19e、19gと素子ベッド7との間にシール性を提供する面圧を生む。可変要素35に圧力P3が作用すると、可変要素35は、軸方向に収縮する。この結果、セグメント19f、19hは、押圧力F6で素子ベッド7に向けて押し付けられる。押圧力F6は、セグメント19f、19hと素子ベッド7との間にシール性を提供する面圧を生む。押圧力F5は、押圧力F6より大きい(F5>F6)。低温端LTでも、弁要素19の全体が押圧力F5で素子ベッド7に向けて押し付けられる場合に比べて、セグメント19f、19hの区間において、押圧力が抑制される。この結果、機械的な損失が抑制される。
MHP装置2に関して、特開2016−1101号公報の説明を参照することができる。特開2016−1101号公報の内容は、全体的に、参照によって援用されている。さらに、素子ベッド7および単位流路に関して、米国特許第8448453号明細書の説明を参照することができる。米国特許第8448453号明細書の内容は、全体的に、参照によって援用されている。
以上に述べた実施形態によると、流路切換機構18は、ひとつの単位流路のひとつの端部(高温端HT)に、入口弁18aと出口弁18bとを形成する。付勢機構30は、入口弁18aおよび出口弁18bを閉弁状態に維持するための付勢力を提供する。しかも、付勢機構30は、入口弁18aおよび出口弁18bに異なる付勢力F1、F2を与える。2つの付勢力の大小関係(F1>F2)は、入口弁18aに作用する熱輸送媒体の圧力P1と、出口弁18bに作用する熱輸送媒体の圧力P4との大小関係(P1>P4)と同じである。
さらに、付勢力の絶対値が、可変要素35によって調節される。しかも、付勢力は、圧力に応じて比例的に設定される。このため、熱輸送媒体の圧力に耐える閉弁性能、すなわちシール性が得られる。
流路切換機構18は、ひとつの単位流路の他方の端部(低温端LT)に、入口弁18fと出口弁18eとを形成する。付勢機構30は、入口弁18fおよび出口弁18eを閉弁状態に維持するための付勢力を提供する。しかも、付勢機構30は、入口弁18fおよび出口弁18eに異なる付勢力F5、F6を与える。2つの付勢力の大小関係(F5>F6)は、入口弁18fに作用する熱輸送媒体の圧力P3と、出口弁18eに作用する熱輸送媒体の圧力P2との大小関係(P2>P3)と同じである。
この結果、機械的な損失を抑制することができる。しかも、弁要素19は、複数のセグメントを備える。複数のセグメントは、異なる押圧力を許容し、確実に機械的な損失を抑制する。
第2実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、MHP装置2は、単一のポンプ17を有する。これに代えて、MHP装置2は、複数のポンプ17、217aを備えていてもよい。ポンプ17は、単位流路の一端に設けられている。ポンプ217aは、単位流路の他端に設けられている。
図8は、この実施形態における圧力分布を示す。MHP装置2は、低温端LT側における経路にもポンプ217aを有する。ポンプ17と、ポンプ217aとは、同じポンプである。ポンプ217aは、出口弁18eに圧力P2aを作用させる。ポンプ217aは、入口弁18fに圧力P3aを作用させる。
この場合、出口弁18eに作用する圧力P2aは、入口弁18fに作用する圧力P3aより高い。このため、入口弁18fは、出口弁18eより高いシール性を求められる。逆に、出口弁18eは、入口弁18fより低いシール性で機能を実現できる。言い換えると、出口弁18eにおける静止部材と可動部材との押付力は、入口弁18fにおける静止部材と可動部材との押付力より小さくても、機能を実現できる。この実施形態では、入口弁18fにおける押付力F6aを、出口弁18eにおける押付力F5aより大きくしている(F5a<F6a)。これにより、出口弁18eにおける機械的な損失が抑制される。入口弁18fと出口弁18eとは、他方の端部、すなわち低温端LTにおいて、往復流それぞれの入口および出口を提供する。入口弁18fは、低温端LTから高温端HTへ向かう流れの入口を提供する。出口弁18eは、高温端HTから低温端LTへ向かう流れの出口を提供する。入口弁18fと出口弁18eとは、それぞれ異なる素子ベッド7に対向して位置づけられている。
図9は、低温端LTにおける流路切換機構18と、それに付随するシール機構とを示す。先行する実施形態との違いは、可変要素35の形状と、それによって作り出される押圧力F5a、F6aである。付勢機構30が可変要素35を備えることにより、押圧力に差が生じる。セグメント19e、19gは、押圧力F5aで素子ベッド7に向けて押し付けられる。セグメント19f、19hは、押圧力F6aで素子ベッド7に向けて押し付けられる。押圧力F6aは、押圧力F5aより大きい(F5a<F6a)。
この実施形態によると、流路切換機構18は、ひとつの単位流路の他方の端部(低温端LT)に、入口弁18fと出口弁18eとを形成する。付勢機構30は、入口弁18fおよび出口弁18eを閉弁状態に維持するための付勢力を提供する。しかも、付勢機構30は、入口弁18fおよび出口弁18eに異なる付勢力F5、F6を与える。2つの付勢力の大小関係(F5a<F6a)は、入口弁18fに作用する熱輸送媒体の圧力P3aと、出口弁18eに作用する熱輸送媒体の圧力P2aとの大小関係(P2a<P3a)と同じである。この結果、ポンプ217aを備えていても、機械的な損失が抑制される。
第3実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、付勢要素31、32、33、34は、可変要素35と不変要素36との両方を備える。これに代えて、付勢要素31、32、33、34は、不変要素36だけを備えていてもよい。
図10において、複数のセグメント19a、19b、19c、19dの機能は、入口または出口に固定されている。例えば、セグメント19aは、継続して入口を提供する。セグメント19bは、継続して出口を提供する。このため、複数のセグメントに与えるべき押圧力は、固定でもよい。そこで、付勢要素31、32、33、34は、不変要素36だけを備える。不変要素36は、押圧力F1を生じるための第1弾性部材336aと、押圧力F2を生じるための第2弾性部材336bとを含む。第1弾性部材336aおよび第2弾性部材336bは、バネ定数または圧縮量が異なるコイルスプリングによって提供可能である。第1弾性部材336aおよび第2弾性部材336bは、押圧力F1、F2を生成するように異なる予荷重を与えられた圧縮コイルスプリングである。第1弾性部材336aは、押圧力F2より強い押圧力F1をセグメント19a、19cに作用させる。第2弾性部材336bは、押圧力F1より弱い押圧力F2をセグメント19b、19dに作用させる。付勢要素31、33は、第1弾性部材336aを備える。付勢要素32、34は、第2弾性部材336bを備える。この実施形態でも、先行する実施形態と同様に、機械的な損失を抑制することができる。なお、高温端HTおよび/または低温端LTにこの実施形態の構造を採用することができる。
第4実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、不変要素36としてコイルスプリングが利用されている。これに代えて、不変要素は、多様な弾性部材によって提供することができる。例えば、ゴムまたはエラストマのような樹脂材料を不変要素として利用することができる。
図11において、不変要素36は、押圧力F1を生じるための第1弾性部材436aと、押圧力F2を生じるための第2弾性部材436bとを含む。第1弾性部材436aおよび第2弾性部材436bは、弾力性が異なるゴムの塊によって提供可能である。この実施形態でも、先行する実施形態と同様に、機械的な損失を抑制することができる。
第5実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、可変要素35は、機械的な要素によって提供されている。これに代えて、可変要素35は、多様な可変機構によって提供することができる。例えば、電磁的な可動機構を可変要素として利用することができる。
図12において、可変要素35は、電磁ソレノイドによって提供されている。電磁ソレノイドは、電磁コイルを含む固定子537を含む。電磁ソレノイドは、固定子537が励磁されたときに電磁力によって吸引されて縮小し、固定子537が非励磁されたときにスプリングによって伸長する可動子538を含む。可動子538は、不変要素36に連結されている。電磁ソレノイドは、制御装置20によって制御することができる。この実施形態でも、先行する実施形態と同様に、機械的な損失を抑制することができる。
第6実施形態
この実施形態は、先行する実施形態を基礎的形態とする変形例である。上記実施形態では、素子ベッド7により可動部材を提供し、磁場モジュール8により静止部材を提供している。これに代えて、素子ベッド7により静止部材を提供し、磁場モジュール8により可動部材を提供してもよい。
図13、図14、図15は、この実施形態の空調装置1およびMHP装置2を示す。図13は、図14、図15のXIII−XIII線における断面を示す。図14は、図13のXIV−XIV線における断面を示す。図15は、図13のXV−XV線における断面を示す。
図13において、MHP装置2は、素子ベッド7と、磁場変調装置14と、熱輸送装置16とを備える。素子ベッド7は、MCE素子12を収容している。素子ベッド7は、複数の単位流路を提供している。磁場変調装置14は、素子ベッド7に対して外部磁場を供給する。磁場変調装置14は、MCE素子12が磁気熱量効果によって発熱と吸熱とを交互に発揮するように外部磁場の強度を変調する。熱輸送装置16は、MCE素子12と熱交換するように熱輸送媒体の往復流を提供する。磁場変調装置14と熱輸送装置16とは、互いに同期している。MHP装置2は、AMRサイクルを提供するように運転される。
磁場変調装置14は、素子ベッド7と、磁場モジュール8とによって提供される。素子ベッド7は、静止部材である。素子ベッド7は、ステータとも呼ばれる。磁場モジュール8は、可動部材である。磁場モジュール8は、ロータとも呼ばれる。磁場モジュール8は、磁力源13として、内側磁石613aと、外側磁石613bとを有する。内側磁石613aは、回転軸2aとともに回転する内側ヨーク608aに固定されている。外側磁石613bは、回転軸2aとともに回転する外側ヨーク608bに固定されている。
流路切換機構18は、切換弁を備える。切換弁は、素子ベッド7に対して固定されたボディ618kに配置されている。ボディ618kは、静止部材の一部である。切換弁は、複数の開閉弁によって提供されている。切換弁は、ひとつの単位流路の両端に配置された2組の開閉弁を備える。1組の開閉弁は、入口弁618aと、出口弁618bとを含む。図13には、2つの単位流路が例示的に図示されており、4組、8個の開閉弁が図示されている。
図14は、素子ベッド7が提供する複数の単位流路を示す。複数の単位流路は、第1流路#1から第8流路#8として例示されている。図示される単位流路の数は、例示に過ぎず、8個に限られない。
この実施形態では、第1流路#1から第8流路#8は、静止している。磁力源613は、回転移動する。磁力源613の移動に伴って、励磁期間AMGおよび消磁期間DMGが移動する。この結果、ひとつの単位流路は、励磁期間AMGと消磁期間DMGとに交互に置かれる。例えば、図示の時点において、第1流路#1は励磁期間AMGに位置づけられ、第2流路#2は消磁期間DMGに位置づけられる。図示の時点から磁力源13がπ/2だけ回転した時点において、第1流路#1は消磁期間DMGに位置づけられ、第2流路#2は励磁期間AMGに位置づけられる。
図15は、高温端HTにおける複数の単位流路に対応付けられた複数組の開閉弁を示している。記号“=”は、閉弁状態を示す。記号“・”および記号“X”は開弁状態を示す。記号“・”は、紙面を手前に向けて流れる方向を示す。記号“X”は、紙面を奥に向けて流れる方向を示す。
この実施形態では、素子ベッド7は、8個の単位流路を提供している。流路切換機構18は、8組の開閉弁を有する。例えば、第1流路#1の高温端HTには、入口弁618aおよび出口弁618bが対応付けられている。同様に、第2流路#2の高温端HTにも、入口弁618aおよび出口弁618bが対応付けられている。
複数組の開閉弁は、複数の単位流路において往復流を供給するように開閉駆動される。開弁および閉弁の切換は、励磁期間AMGおよび消磁期間DMGの切換に同期している。複数組の開閉弁は、複数のカム機構618m、618nによって駆動されている。往復流の流れ方向の切換と、励磁期間AMGおよび消磁期間DMGの切換とは、位相調節器によって位相調節されてもよい。
ひとつの組をなす2つの開閉弁、すなわち入口弁618aおよび出口弁618bは、交互に開閉される。例えば、第1流路#1の入口弁618aが開いている期間において、出口弁618bは閉じられる。第1流路#1の入口弁618aが閉じている期間において、出口弁618bは開かれる。さらに、これら入口弁618aおよび出口弁618bの開閉状態は、交互に切換えられる。例えば、図示の時点において、励磁期間AMGに位置づけられている第1流路#1の入口弁618aは開かれ、出口弁618bは閉じられる。これにより、流路切換機構18は、第1方向に向かう熱輸送媒体の流れを第1流路#1に供給する。図示の時点から磁力源13がπ/2だけ回転した時点において、消磁期間DMGに位置づけられた第1流路#1の入口弁618aは閉じられ、出口弁618bは開かれる。これにより、流路切換機構18は、第1方向とは逆の第2方向に向かう熱輸送媒体の流れを第1流路#1に供給する。
図13に戻り、流路切換機構18は、切換弁を回転軸2aによって駆動するための機械的連動機構を備える。機械的連動機構は、複数のカム機構618m、618nを有する。複数のカム機構618m、618nは、ひとつの単位流路の両側に配置された4つの開閉弁を、熱輸送媒体の流れ方向を交互に切換えるように駆動する。
複数のカム機構618m、618nは、複数の開閉弁を交互に、かつ相補的に開閉するように駆動する。交互の語は、入口弁618aおよび出口弁618bが交互に開閉されることを指す。相補的の語は、高温端HTにおける開閉弁と、低温端LTにおける開閉弁との相対的な関係を指す。すなわち、相補的の語は、下記(1)の状態と下記(2)の状態との切換を指す。(1)の状態は、高温端HTの入口弁618aと低温端LTの出口弁618bとが同時に開いており、低温端LTの入口弁618aと高温端HTの出口弁618bとが同時に閉じていることである。(2)の状態は、低温端LTの入口弁618aと高温端HTの出口弁618bとが同時に開いており、高温端HTの入口弁618aと低温端LTの出口弁618bとが同時に閉じていることである。
カム機構618mは、第1ストロークST1を生み出す。カム機構618mは、入口弁618aを駆動する。第1ストロークST1により、入口弁618aは、開弁状態と、閉弁状態とに切換えられる。カム機構618nは、第2ストロークST2を生み出す。カム機構618nは、出口弁618bを駆動する。第2ストロークST2により、出口弁618bは、開弁状態と、閉弁状態とに切換えられる。第1ストロークST1は、第2ストロークST2より大きい(ST1>ST2)。第1ストロークST1と第2ストロークST2との間の差は、後述するシール部材の圧縮量の差として利用される。
この実施形態でも、ポンプ17の位置、および各部の圧力損失に起因して、流路には圧力分布が生じる。高温端HTの入口弁618aには圧力P1が作用する。一方、高温端HTの出口弁618bには、圧力P4が作用する。圧力P1は圧力P4より高い。出口弁618bが圧力P4に抗して閉弁状態を維持するための力は、入口弁618aが圧力P1に抗して閉弁状態を維持するための力より小さい。よって、出口弁618bに加えられる力を入口弁618aに加えられる力より小さく調節することにより、機械的な損失が抑制される。
図16は、高温端HTにおける入口弁618aとしての開閉弁を示す。図17は、高温端HTにおける出口弁618bとしての開閉弁を示す。図16および図17において、入口弁618aおよび出口弁618bは、ハウジング641、ポート642、643、シール部材644a、644b、プランジャ645、カムフォロア646、ロッド647、および可動フランジ648を有する。ハウジング641は、入口および出口として利用されるポート642、643を提供する。ハウジング641は、シール部材644a、644bおよびプランジャ645を収容している。シール部材644a、644bは、ハウジング641内に固定されている。プランジャ645は、ハウジング641内を相対的に移動可能である。カムフォロア646は、カム機構618m、618nのカム面に接触している。ロッド647は、カムフォロア646の移動をプランジャ645に伝達する。可動フランジ648は、ハウジング641とロッド647との間を密封する。可動フランジ648は、ベローズまたはダイヤフラムによって提供されている。
図16において、高温端HTにおける入口弁618aは、開弁状態OPNと閉弁状態CLSaとを提供する。入口弁618aは、プランジャ645がシール部材644aから離れることにより、開弁状態OPNを提供する。開弁状態OPNにおけるシール部材644aは、初期長さL1を有する。入口弁618aは、プランジャ645がシール部材644aに接触し、さらにプランジャ645がシール部材644aを圧縮することにより閉弁状態CLSaを提供する。閉弁状態CLSaにおけるシール部材644aの圧縮量CA1は、初期長さL1および第1ストロークST1によって規定されている。圧縮量CA1は、高温端HTにおける入口弁618aが熱輸送媒体の圧力P1の下で閉弁状態を維持するために必要な圧縮量である。閉弁状態CLSaは、第1閉弁状態CLSaとも呼ばれる。圧縮量CA1は、第1圧縮量CA1とも呼ばれる。
図17において、高温端HTにおける出口弁618bは、開弁状態OPNと閉弁状態CLSbとを提供する。出口弁618bは、プランジャ645がシール部材644bから離れることにより、開弁状態OPNを提供する。開弁状態OPNにおけるシール部材644bは、初期長さL2を有する。初期長さL2は、初期長さL1より小さい(L1>L2)。出口弁618bは、プランジャ645がシール部材644bに接触し、さらにプランジャ645がシール部材644bを圧縮することにより閉弁状態CLSbを提供する。閉弁状態CLSbにおけるシール部材644bの圧縮量CA2は、初期長さL2および第2ストロークST2によって規定されている。圧縮量CA2は、高温端HTにおける出口弁618bが熱輸送媒体の圧力P4の下で閉弁状態を維持するために必要な圧縮量である。閉弁状態CLSbは、第2閉弁状態CLSbとも呼ばれる。圧縮量CA2は、第2圧縮量CA2とも呼ばれる。
図16および図17において、第1圧縮量CA1は、第2圧縮量CA2より大きい(CA1>CA2)。この結果、入口弁618aは圧力P1に耐え、出口弁618bは圧力P4に耐える。同時に、出口弁618bにおいてシール部材644bを圧縮するための動力が抑制される。この実施形態では、付勢機構30は、シール部材644a、644bの初期長さL1、L2と、カム機構618m、618nのストロークST1、ST2とによって提供される。これにより、機械的な損失が抑制される。
この実施形態では、高温端HTにおける複数の開閉弁と付勢機構30について詳細に説明した。この説明は、低温端LTにおける複数の開閉弁と付勢機構30についても適用される。
図13において、MHP装置2は、低温端LTにも、流路切換機構18を有する。高温端HTの流路切換機構18と、低温端LTの流路切換機構18とは、対称的に配置されている。例えば、第1流路#1の低温端LTには、出口弁618eおよび入口弁618fが対応付けられている。同様に、第2流路#2の低温端LTにも、出口弁618eおよび入口弁618fが対応付けられている。
また、第1実施形態および第2実施形態に説明した複数の圧力分布は、この実施形態にも適用可能である。つまり、この実施形態でも、低温端LTにポンプを配置することができる。低温端LTにポンプが配置されない場合、低温端LTの入口弁618fは図17に基づいて提供でき、低温端LTの出口弁618eは図16に基づいて提供できる。低温端LTにポンプが配置される場合、低温端LTの入口弁618fは図16に基づいて提供でき、低温端LTの出口弁618eは図17に基づいて提供できる。
第6実施形態では、付勢機構30は、シール部材644a、644bの圧縮量の差(CA1−CA2)を、初期長さの差(L1−L2)、およびストロークの間の差(ST1−ST2)によって生み出している。これに代えて、付勢機構30は、初期長さの差だけによって圧縮量の差を生み出してもよい。さらに、付勢機構30は、ストロークの差だけによって圧縮量の差を生み出してもよい。
この実施形態でも、流路切換機構18は、ひとつの単位流路のひとつの端部に、入口弁618aと出口弁618bとを形成する。付勢機構30は、入口弁618aおよび出口弁618bを閉弁状態に維持するための付勢力を提供する。しかも、付勢機構30は、入口弁618aおよび出口弁618bに異なる付勢力F1、F2を与える。2つの付勢力の大小関係(F1>F2)は、入口弁618aに作用する熱輸送媒体の圧力P1と出口弁618bに作用する熱輸送媒体の圧力P4との大小関係(P1>P4)と同じである。
他の実施形態
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
1 空調装置、 2 MHP装置、 3、4 熱交換器、
5 動力源、 6 ハウジング、 7 素子ベッド、
8 磁場ユニット、 11 作業室、 12 MCE素子、
13 磁力源、 14 磁場変調装置、 16 熱輸送装置、
17 ポンプ、 18 流路切換機構、 19 弁要素、
18a、18f 入口弁、 18b、18e 出口弁、
19a、19b、19e、19f セグメント、
30 付勢機構、 31、32、33、34 付勢要素、
35 可変要素、 36 不変要素、
217a ポンプ、
336a 第1弾性部材、 336b 第2弾性部材、
436a 第1弾性部材、 436b 第2弾性部材、
537 固定子、 538 可動子、
618a、618f 入口弁、 618b、618e 出口弁、
618m、618n カム機構、
AMG 励磁期間、 DMG 消磁期間。

Claims (10)

  1. 磁気熱量効果を発揮するMCE素子(12)を収容した複数の単位流路を提供する素子ベッド(7)と、
    前記MCE素子に印加される磁場を変調する磁場変調装置(14)と、
    前記MCE素子と熱交換する熱輸送媒体の往復流れを生成する熱輸送装置(16)とを備え、
    前記熱輸送装置は、
    前記熱輸送媒体を流す一方向型のポンプ(17、217a)と、
    前記単位流路に前記熱輸送媒体が流入するための入口弁(18a、18f、618a、618f)および、前記単位流路から前記熱輸送媒体が流出するための出口弁(18b、18e、618b、618e)を前記単位流路の一端および/または他端に形成する流路切換機構(18)と、
    前記入口弁および前記出口弁に異なる付勢力を与える付勢機構(30)とを有し、前記付勢力の大小関係は、前記入口弁に作用する前記熱輸送媒体の圧力と、前記出口弁に作用する前記熱輸送媒体の圧力との大小関係と同じである熱磁気サイクル装置。
  2. 前記流路切換機構は、複数の前記単位流路と対向して配置され、前記入口弁および前記出口弁を提供する複数のセグメントを含み、複数の前記単位流路に対して相対的に回転する弁要素(19)を備える請求項1に記載の熱磁気サイクル装置。
  3. 前記付勢機構は、前記素子ベッドと前記セグメントとを押し付ける押圧力を生成する請求項2に記載の熱磁気サイクル装置。
  4. 前記流路切換機構は、ひとつの前記単位流路に固定的に配置され、前記入口弁および前記出口弁を提供する複数の開閉弁を含む請求項1に記載の熱磁気サイクル装置。
  5. 前記付勢機構は、前記開閉弁のシール部材の圧縮量を調節する請求項4に記載の熱磁気サイクル装置。
  6. 前記付勢機構は、前記熱輸送媒体の圧力に応じて前記付勢力を可変する可変要素(35)を含む請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  7. 前記可変要素は、前記熱輸送媒体の圧力に応じて寸法が変化する感圧要素である請求項6に記載の熱磁気サイクル装置。
  8. 前記付勢機構は、前記熱輸送媒体の圧力に依存しない前記付勢力を与える不変要素(36)を含む請求項1から請求項7のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  9. 前記付勢機構は、弾性部材を含む請求項1から請求項8のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
  10. 前記付勢機構は、電磁的な可動機構を含む請求項1から請求項9のいずれかに記載の熱磁気サイクル装置。
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