JP2022151726A - 電子写真用ベルト及び電子写真画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】外周面に複数本の溝を有しつつ、外周面からの反射光量が安定している電子写真用ベルトの提供。【解決手段】エンドレス形状を有する基体と、該基体の外周面上の表面層とを有し、該表面層の外表面には、周方向に伸びる溝が複数本設けられており、該基体は、熱可塑性ポリエステル樹脂とフィラーとを含み、該表面層は、アクリル樹脂を含み、該基体の厚さTが、30μm以上であり、かつ、該基体の該フィラーの含有量が、該基体の総体積を基準として、0.1体積%以上、10.0体積%以下であり、該表面層の、該基体に対向する側の第1の表面から、該第1の表面とは反対側の第2の表面に向かって該フィラーの平均粒子径の0.25倍の厚さの領域における該フィラーに由来する元素比率の平均値Aが、0.0原子%以上、1.0原子%以下である電子写真用ベルト。【選択図】図2
Description
本開示は、電子写真用ベルト、及び電子写真画像形成装置に関する。
電子写真用画像形成装置(以降、「電子写真装置」ともいう)の中には、エンドレス形状を有する中間転写ベルトのトナー担持面である外周面に当接して配置されたクリーニングブレードを有する電子写真装置がある。そして、クリーニングブレードによって外周面がクリーニングされる中間転写ベルトとして、外周面に、周方向に延びる溝を有するエンドレス形状を有する電子写真用ベルトが用いられる場合がある。これにより、クリーニングブレードと外周面との摩擦力を低減し、外周面のクリーニング性を向上させることができる。特許文献1には、外表面に、周方向に延びる溝が複数本設けられた電子写真用ベルトが開示されている。
近年の電子写真装置の中には、高い色再現性を実現した電子写真装置がある。この電子写真装置は、中間転写ベルトの外周面の一部に補正用トナー像を形成し、光学センサからの入射光の反射光を検出することによって当該補正用トナー像を検出し、その検出結果に基づき画像制御を実施している。このとき、光学センサは、補正用トナー像が形成されていない外周面の部分からの反射光と当該補正用トナー像からの反射光とのコントラストを用いて当該補正用トナー像を検出する。従って、補正用トナー像の正確な検出のためには、電子写真用ベルトの外周面の補正用トナー像以外の部分からの反射光量を安定化させることが有効である。しかしながら、本発明者らの検討によれば、外周面に溝を有する電子写真用ベルトにおいては、センサからの入射光が溝によって乱反射し、外周面からの反射光量が位置によって大きく変動する場合があった。
本開示の一態様は、外周面に複数本の溝を有しつつ、外周面からの反射光量が安定している電子写真用ベルトの提供に向けたものである。また本開示の他の態様は、高品位な電子写真画像を安定して形成できる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本開示の一態様は、外周面に複数本の溝を有しつつ、外周面からの反射光量が安定している電子写真用ベルトの提供に向けたものである。また本開示の他の態様は、高品位な電子写真画像を安定して形成できる電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本開示の一態様によれば、エンドレス形状を有する電子写真用ベルトであって、エンドレス形状を有する基体と、該基体の外周面上の表面層とを有し、
該表面層の外表面には、周方向に伸びる溝が複数本設けられており、
該基体は、熱可塑性ポリエステル樹脂とフィラーとを含み、
該表面層は、アクリル樹脂を含み、
該基体の厚さTが、30μm以上であり、かつ、該基体の該フィラーの含有量が、該基体の総体積を基準として、0.1体積%以上、10.0体積%以下であり、
該表面層の、該基体に対向する側の第1の表面から、該第1の表面とは反対側の第2の表面に向かって該フィラーの平均粒子径の0.25倍の厚さの領域における該フィラーに由来する元素比率の平均値Aが、0.0原子%以上、1.0原子%以下である電子写真用ベルトが提供される。
また、本開示の他の態様によれば、上記の電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして具備している電子写真画像形成装置が提供される。
該表面層の外表面には、周方向に伸びる溝が複数本設けられており、
該基体は、熱可塑性ポリエステル樹脂とフィラーとを含み、
該表面層は、アクリル樹脂を含み、
該基体の厚さTが、30μm以上であり、かつ、該基体の該フィラーの含有量が、該基体の総体積を基準として、0.1体積%以上、10.0体積%以下であり、
該表面層の、該基体に対向する側の第1の表面から、該第1の表面とは反対側の第2の表面に向かって該フィラーの平均粒子径の0.25倍の厚さの領域における該フィラーに由来する元素比率の平均値Aが、0.0原子%以上、1.0原子%以下である電子写真用ベルトが提供される。
また、本開示の他の態様によれば、上記の電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして具備している電子写真画像形成装置が提供される。
本開示の一態様によれば、外周面に複数本の溝を有しつつ、外周面からの反射光量が安定している電子写真用ベルトを得ることができる。また本開示の他の態様によれば、高品位な電子写真画像を安定して形成できる電子写真画像形成装置を得ることができる。
電子写真用ベルトの外周面にセンサからの光を照射し、その正反射光を受光したセンサからの出力を出力304とする。また、外周面に周方向に延びる複数本の溝を有する電子写真用ベルトの当該外周面にセンサからの光を照射し、その正反射光を受光したセンサからの出力を出力305とする。これらの出力を図1に示す。
外周面に溝を有しない電子写真用ベルトの外周面からの正反射光を検知したセンサからの出力がほぼ一定である。一方、外周面に溝を有する電子写真用ベルトの外周面からの正反射光を検知したセンサからの出力は大きく変動している。そのため、このような電子写真用ベルトの外周面に補正用トナー像を形成した場合、補正用トナー像が存在しない部分であってもセンサからの出力が小さくなり、あたかも補正用トナー像が存在するかのように判断されてしまう場合があった。
ここで、センサによって受光される反射光は、最表面からの反射光の成分と、基体からの反射光の成分とを含む。つまり、光学センサから照射される入射光の一部は、表面層を透過し、基体に到達し、当該基体にて反射され、センサによって受光される成分がある。
そこで、本発明者らは、センサで受光される反射光のうち、溝の影響を受けやすい外周面の最表面からの反射光の成分よりも、基体からの反射光の成分の割合を高めることで、溝の存在による反射光量の変動を抑制することを検討した。その結果、基体中に所定量のフィラーを含有させるとともに、基体と表面層との界面領域における当該フィラーの存在状態を制御することで、外周面に溝を有していても、センサによって受光される反射光量を安定化させ得ることを本発明者らは見出した。
外周面に溝を有しない電子写真用ベルトの外周面からの正反射光を検知したセンサからの出力がほぼ一定である。一方、外周面に溝を有する電子写真用ベルトの外周面からの正反射光を検知したセンサからの出力は大きく変動している。そのため、このような電子写真用ベルトの外周面に補正用トナー像を形成した場合、補正用トナー像が存在しない部分であってもセンサからの出力が小さくなり、あたかも補正用トナー像が存在するかのように判断されてしまう場合があった。
ここで、センサによって受光される反射光は、最表面からの反射光の成分と、基体からの反射光の成分とを含む。つまり、光学センサから照射される入射光の一部は、表面層を透過し、基体に到達し、当該基体にて反射され、センサによって受光される成分がある。
そこで、本発明者らは、センサで受光される反射光のうち、溝の影響を受けやすい外周面の最表面からの反射光の成分よりも、基体からの反射光の成分の割合を高めることで、溝の存在による反射光量の変動を抑制することを検討した。その結果、基体中に所定量のフィラーを含有させるとともに、基体と表面層との界面領域における当該フィラーの存在状態を制御することで、外周面に溝を有していても、センサによって受光される反射光量を安定化させ得ることを本発明者らは見出した。
本開示の一態様に係る電子写真用ベルトは、エンドレス形状を有する基体と、該基体の外周面上の表面層とを有し、該表面層の外表面には、周方向に伸びる溝が複数本設けられている。
該基体は、熱可塑性ポリエステル樹脂とフィラーと、好ましくは導電剤とを含む熱可塑性樹脂組成物から形成され、該表面層はアクリル樹脂組成物から形成されている。
該基体は、厚さTが、30μm以上であり、かつ、該基体の該フィラーの含有量が、該基体の総体積を基準として、0.1体積%以上、10体積%以下である。
また、該表面層の、該基体に対向する側の第1の表面B1から、該第1の表面B1とは反対側の第2の表面B2に向かって該フィラーの平均粒子径の0.25倍の厚さの領域を「領域Y」とする。この領域Yにおける該フィラーに由来する元素比率の平均値Aが0.0原子%以上、1.0原子%以下である。
該基体は、熱可塑性ポリエステル樹脂とフィラーと、好ましくは導電剤とを含む熱可塑性樹脂組成物から形成され、該表面層はアクリル樹脂組成物から形成されている。
該基体は、厚さTが、30μm以上であり、かつ、該基体の該フィラーの含有量が、該基体の総体積を基準として、0.1体積%以上、10体積%以下である。
また、該表面層の、該基体に対向する側の第1の表面B1から、該第1の表面B1とは反対側の第2の表面B2に向かって該フィラーの平均粒子径の0.25倍の厚さの領域を「領域Y」とする。この領域Yにおける該フィラーに由来する元素比率の平均値Aが0.0原子%以上、1.0原子%以下である。
すなわち、基体の厚みを30μm以上とし、かつ、該基体中に、該基体の総体積を基準として、0.1体積以上、10.0体積%以下のフィラーを含有させることにより、表面層を透過してきたセンサからの光をより確実に反射させ得る。また、表面層と基体との界面領域、具体的には、前記領域Yにおける該フィラーに由来する元素比率の平均値Aが0.0原子%以上、1.0原子%以下であることにより、該界面領域におけるフィラーによる乱反射を防ぐことができる。そのため、表面層を透過してきたセンサからの光を、受光センサに対してより確実に返すことができる。その結果、外表面に溝が形成されている電子写真用ベルトであっても、受光センサが受ける、当該外周面に照射されたセンサーからの光の正反射光をより安定化させ得る。
以下、本開示の一態様に係る電子写真用エンドレスベルトについて図面を用いて詳細に説明する。なお、本開示は以下の態様に限定されるものではない。
以下、本開示の一態様に係る電子写真用エンドレスベルトについて図面を用いて詳細に説明する。なお、本開示は以下の態様に限定されるものではない。
<電子写真用ベルト>
図2は、本開示に係る電子写真用ベルトの態様を示す概略断面図である。図3は、電子写真用ベルトの表面の構成を示す概略図である。
図2に示すように、本開示に係る電子写真用ベルト5は、基体312と、該基体312の外周面上の表面層311とを有する。
図3に示すように、電子写真用ベルト5の表面層の、基体側とは反対側の表面には周方向と直交する方向(幅方向ともいう)に複数本の溝199が付与されている。該溝は電子写真用エンドレスベルトの周方向200にほぼ向けて設けられている。溝199は周方向に繋がっていることが好ましい。また、該溝はスパイラル状に連続した一本の溝であることもでき、この場合も幅方向では複数本の溝が存在するものとなる。又、スパイラル状の複数本の溝であってもよい。図4は該ベルト5の周方向に直交する方向の断面図のうち、該溝が設けられている表面部分を拡大したものである。図4において、W1は溝の幅、H1は溝の深さ、P1は溝の間隔を示している。
図2は、本開示に係る電子写真用ベルトの態様を示す概略断面図である。図3は、電子写真用ベルトの表面の構成を示す概略図である。
図2に示すように、本開示に係る電子写真用ベルト5は、基体312と、該基体312の外周面上の表面層311とを有する。
図3に示すように、電子写真用ベルト5の表面層の、基体側とは反対側の表面には周方向と直交する方向(幅方向ともいう)に複数本の溝199が付与されている。該溝は電子写真用エンドレスベルトの周方向200にほぼ向けて設けられている。溝199は周方向に繋がっていることが好ましい。また、該溝はスパイラル状に連続した一本の溝であることもでき、この場合も幅方向では複数本の溝が存在するものとなる。又、スパイラル状の複数本の溝であってもよい。図4は該ベルト5の周方向に直交する方向の断面図のうち、該溝が設けられている表面部分を拡大したものである。図4において、W1は溝の幅、H1は溝の深さ、P1は溝の間隔を示している。
該溝の本数nは1本または2本以上であり、トナークリーニングを安定的に行うことができれば、特には問わないが、幅が250mmの電子写真用エンドレスベルトにおいては、幅方向に2000~120000本であることが好ましい。2000本以上であると、溝が付与されていない部分と当接するクリーニングブレード部分の面積が減ることで、クリーニングブレードと電子写真用エンドレスベルトとの間に発生する摩擦力を小さくすることができる。120000本以下であると、溝上にあるトナーをより良く転写することができる。
隣り合う溝の間隔P1については、上記溝の本数の範囲であれば、特に制限はないが、トナークリーニングの観点からおよそ均等であることが好ましく、2.0μm以上125μm以下であることがより好ましい。間隔P1が125μm以下であれば、幅が250mmの電子写真用エンドレスベルト表面に付与される溝は2000本以上となる。このため、局所的なブレードの摩耗が生じにくくなり、電子写真用ベルトへのクリーニングブレードの当接状態を長期にわたって安定させることができる。また間隔が2.0μm以上であると、付与される溝が120000本以下となり、溝上にあるトナーの転写性を維持することができる。
該溝の幅W1は0.10μm以上3.0μm未満であることが好ましく、0.20μm以上2.0μm未満であることが更に好ましい。0.10μm以上であると、電子写真用ベルト表面の摩耗による溝の消失が抑制される。3.0μm以下であると、溝上にあるトナーの転写性を維持することができ、電子写真用ベルトの画像品位を保つことができる。
該溝の深さH1は表面層の厚さT1の15%以上35%未満に設定されることが好ましく、通常、0.10μm以上2.0μm未満の範囲で設定される。表面層の厚さT1の15%以上であると、電子写真用ベルト表面の摩耗による溝の消失が抑制される。表面層の厚さT1の35%以下であると、表面層が破壊する可能性が小さくなる。
該溝を形成するための加工方法としては、例えば、切削加工、エッチング加工、インプリント加工など公知の加工方法を用いて加工することができるが、該溝の加工再現性や加工コストの観点からは、インプリント加工が好ましい。インプリント加工では、基体上に表面層の塗膜を形成し硬化させた後、溝に対応した凸部を有する金型を押し当てて、表面層に溝を転写形成することができる。
<基体>
基体は、熱可塑性ポリエステル樹脂とフィラーとを含む。基体の厚さTは、光学センサから照射される入射光の透過を低減するために、30μm以上であり、50μm以上が好ましい。厚さTの上限は特に制限されないが、通常、500μm以下であり、100μm以下が好ましい。
基体は、高強度化を図れる点から、周方向および周方向に直交する方向に延伸されていることが好ましい。またベルトとしては、柔軟性の観点から、周方向の引張弾性率Epと、周方向に直交する方向の引張弾性率Eaがともに1200MPa以上であることが好ましい。
基体は、熱可塑性ポリエステル樹脂とフィラーとを含む。基体の厚さTは、光学センサから照射される入射光の透過を低減するために、30μm以上であり、50μm以上が好ましい。厚さTの上限は特に制限されないが、通常、500μm以下であり、100μm以下が好ましい。
基体は、高強度化を図れる点から、周方向および周方向に直交する方向に延伸されていることが好ましい。またベルトとしては、柔軟性の観点から、周方向の引張弾性率Epと、周方向に直交する方向の引張弾性率Eaがともに1200MPa以上であることが好ましい。
<熱可塑性ポリエステル樹脂>
熱可塑性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールとの重縮合、オキシカルボン酸もしくはラクトンの重縮合、または、これらの成分を複数用いた重縮合などにより得ることができる。さらなる多官能性モノマーを併用してもよい。熱可塑性ポリエステル樹脂は、1種のエステル結合を含むホモポリエステルであっても、複数のエステル結合を含むコポリエステル(共重合体)であってもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、高い結晶性を有し、優れた耐熱性を示すポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンナフタレートからなる群より選択される少なくとも一種が好適な例として挙げることができる。また、ポリアルキレンナフタレートおよびポリアルキレンイソフタレートとの共重合体を好適に用いることができる。
このときの共重合体の形態としては、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。
ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートおよびポリアルキレンイソフタレートにおけるアルキレンの炭素数は、高い結晶性、耐熱性の観点から2以上16以下が好ましい。より具体的には、熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートとの共重合体が好ましい。
また、熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性ポリエステル樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の全質量に対して好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。熱可塑性ポリエステル樹脂の含有量を熱可塑性樹脂組成物の全質量に対して50質量%以上とすることにより、当該熱可塑性樹脂組成物の機械的な強度を高めることが容易である。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸とジオールとの重縮合、オキシカルボン酸もしくはラクトンの重縮合、または、これらの成分を複数用いた重縮合などにより得ることができる。さらなる多官能性モノマーを併用してもよい。熱可塑性ポリエステル樹脂は、1種のエステル結合を含むホモポリエステルであっても、複数のエステル結合を含むコポリエステル(共重合体)であってもよい。
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、高い結晶性を有し、優れた耐熱性を示すポリアルキレンテレフタレート及びポリアルキレンナフタレートからなる群より選択される少なくとも一種が好適な例として挙げることができる。また、ポリアルキレンナフタレートおよびポリアルキレンイソフタレートとの共重合体を好適に用いることができる。
このときの共重合体の形態としては、ブロック共重合体であってもランダム共重合体であってもよい。
ポリアルキレンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレートおよびポリアルキレンイソフタレートにおけるアルキレンの炭素数は、高い結晶性、耐熱性の観点から2以上16以下が好ましい。より具体的には、熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートおよびポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレートとの共重合体が好ましい。
また、熱可塑性樹脂組成物における熱可塑性ポリエステル樹脂の含有量は、熱可塑性樹脂組成物の全質量に対して好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上である。熱可塑性ポリエステル樹脂の含有量を熱可塑性樹脂組成物の全質量に対して50質量%以上とすることにより、当該熱可塑性樹脂組成物の機械的な強度を高めることが容易である。
<フィラー>
フィラーは、本開示の一態様に係る電子写真用ベルトの外周面から入射し、表面層を透過してきた光を確実に正反射させ、その反射光を受光センサで検知するために基体中に含有される。従って、基体中における該フィラーの含有量は、基体の総体積を基準として、0.1体積%以上、10.0体積%以下であり、好ましくは、基体の総体積に対して0.5体積%以上、5.0体積%以下である。
このようなフィラーの例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。炭酸カルシウム、タルク、クレー、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アラミド粒子、マイカ、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ゼオライト、アルミナ、フェライト、硫酸バリウム、硫化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性マイカ、硫酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、シリカ、シリコーン粒子、PTFE粒子、PFPE粒子、PFA粒子、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ニッケル、石英粉末、熱硬化性樹脂の微粒子などが挙げられる。これらは1種類を単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。
フィラーは、特に形状やサイズに制限は無いが、球状であることが好ましい。これは、フィラーが球状であれば電子写真用ベルトの製造方法によらず、不定形粒子や繊維状物と比較して、分散状態や配向状態に対して等方性が得られやすいからである。等方性が得られれば、分散や配向状態によらず、画像制御用光学センサからの入射光に対して、安定した反射光を得ることができる。
上記フィラーの中でも、シリカやシリコーン樹脂粒子、特に球状シリカ、及び球状シリコーン粒子は、基体からの反射光量をより大きくすることができるため好ましい。
フィラーは、本開示の一態様に係る電子写真用ベルトの外周面から入射し、表面層を透過してきた光を確実に正反射させ、その反射光を受光センサで検知するために基体中に含有される。従って、基体中における該フィラーの含有量は、基体の総体積を基準として、0.1体積%以上、10.0体積%以下であり、好ましくは、基体の総体積に対して0.5体積%以上、5.0体積%以下である。
このようなフィラーの例としては、例えば以下のようなものが挙げられる。炭酸カルシウム、タルク、クレー、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アラミド粒子、マイカ、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ゼオライト、アルミナ、フェライト、硫酸バリウム、硫化モリブデン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ハイドロタルサイト、酸化亜鉛、酸化鉄、カーボンブラック、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、導電性酸化チタン、導電性酸化スズ、導電性マイカ、硫酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、カオリン、シリカ、シリコーン粒子、PTFE粒子、PFPE粒子、PFA粒子、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ニッケル、石英粉末、熱硬化性樹脂の微粒子などが挙げられる。これらは1種類を単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。
フィラーは、特に形状やサイズに制限は無いが、球状であることが好ましい。これは、フィラーが球状であれば電子写真用ベルトの製造方法によらず、不定形粒子や繊維状物と比較して、分散状態や配向状態に対して等方性が得られやすいからである。等方性が得られれば、分散や配向状態によらず、画像制御用光学センサからの入射光に対して、安定した反射光を得ることができる。
上記フィラーの中でも、シリカやシリコーン樹脂粒子、特に球状シリカ、及び球状シリコーン粒子は、基体からの反射光量をより大きくすることができるため好ましい。
<導電剤>
基体は、導電剤を配合することもできる。
導電剤としては、界面活性剤やイオン性液体などの低分子イオン導電剤、ポリエーテルエステルアミドなどの導電性高分子が例として挙げられる。また、必要に応じて、これらの導電剤の2種類以上を適宜量配合して使用しても良い。
基体は、導電剤を配合することもできる。
導電剤としては、界面活性剤やイオン性液体などの低分子イオン導電剤、ポリエーテルエステルアミドなどの導電性高分子が例として挙げられる。また、必要に応じて、これらの導電剤の2種類以上を適宜量配合して使用しても良い。
<添加剤>
基体は、本開示に係る電子写真用ベルトの効果を損なわない範囲でその他の成分を添加してもよい。その他の成分の例としては、導電性高分子化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、有機顔料、無機顔料、pH調整剤、架橋剤、相溶化剤、離型剤、カップリング剤、滑剤、などが含まれる。これらの添加剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組合せて用いてもよい。添加剤の使用量は適宜設定することができ、特に限定されない。
基体は、本開示に係る電子写真用ベルトの効果を損なわない範囲でその他の成分を添加してもよい。その他の成分の例としては、導電性高分子化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤、有機顔料、無機顔料、pH調整剤、架橋剤、相溶化剤、離型剤、カップリング剤、滑剤、などが含まれる。これらの添加剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組合せて用いてもよい。添加剤の使用量は適宜設定することができ、特に限定されない。
本開示に係る熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂と、フィラーと、を熱溶融混練して得ることができる。
熱溶融混練とは、熱可塑性樹脂組成物に含有させる熱可塑性ポリエステル樹脂を加熱して溶融状態で混練することを意味する。熱溶融混練に際して、熱可塑性樹脂組成物に含有させる熱可塑性ポリエステル樹脂のうち、最も高い融点を有する熱可塑性ポリエステル樹脂が良好に混練されるように、当該最も高い融点以上の温度で混練することが好ましい。
混練方法に特に制限はなく、一軸押出機、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダーなどを用いることができる。
熱溶融混練とは、熱可塑性樹脂組成物に含有させる熱可塑性ポリエステル樹脂を加熱して溶融状態で混練することを意味する。熱溶融混練に際して、熱可塑性樹脂組成物に含有させる熱可塑性ポリエステル樹脂のうち、最も高い融点を有する熱可塑性ポリエステル樹脂が良好に混練されるように、当該最も高い融点以上の温度で混練することが好ましい。
混練方法に特に制限はなく、一軸押出機、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダーなどを用いることができる。
基体は、前述の如く、熱溶融混練して得られた熱可塑性樹脂組成物をペレット化し、公知の成形方法を用いて成形することでエンドレスベルト形状の基体を得ることができる。
公知の成形方法としては、連続溶融押出成形法、射出成形法、ストレッチブロー成形法、あるいはインフレーション成形法などが挙げられる。これらの中でも基体を二軸方向に延伸し、高強度化が可能なストレッチブロー成形法がより好ましい。
公知の成形方法としては、連続溶融押出成形法、射出成形法、ストレッチブロー成形法、あるいはインフレーション成形法などが挙げられる。これらの中でも基体を二軸方向に延伸し、高強度化が可能なストレッチブロー成形法がより好ましい。
<表面層>
表面層13は、アクリル樹脂を含む。表面層の厚みT1は特に制限されないが、0.1μm以上、50μm以下が好ましい。上記の範囲であれば、繰り返しの使用によっても形成された溝形状を維持することができ、繰り返しの屈曲による割れの発生を抑制することが容易である。アクリル樹脂組成物に用いられるアクリル樹脂としては、多官能アクリレートモノマーが好ましく、多官能アクリレートモノマーとして、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジグリセリンEO変性アクリレート、ビスフェノールEO変性ジアクリレートなどを用いることができる。ここで「EO」は「エチレンオキシド」、「PO」は「プロピレンオキシド」を意味する。これらのアクリル樹脂はいずれも、単独重合体であっても共重合体であってもよく、あるいは複数種のアクリル樹脂の混合物であってもよい。
アクリル樹脂組成物には、フッ素樹脂が含まれていてもよく、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体などが挙げられ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましく用いられる。フッ素樹脂は、単独重合体であっても共重合体であってもよく、あるいは複数種のフッ素樹脂の混合物であってもよい。アクリル樹脂組成物には、アクリル樹脂、フッ素樹脂のほか、必要に応じ、導電剤、酸化防止剤、分散剤などを添加することができる。
表面層13は、アクリル樹脂を含む。表面層の厚みT1は特に制限されないが、0.1μm以上、50μm以下が好ましい。上記の範囲であれば、繰り返しの使用によっても形成された溝形状を維持することができ、繰り返しの屈曲による割れの発生を抑制することが容易である。アクリル樹脂組成物に用いられるアクリル樹脂としては、多官能アクリレートモノマーが好ましく、多官能アクリレートモノマーとして、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジグリセリンEO変性アクリレート、ビスフェノールEO変性ジアクリレートなどを用いることができる。ここで「EO」は「エチレンオキシド」、「PO」は「プロピレンオキシド」を意味する。これらのアクリル樹脂はいずれも、単独重合体であっても共重合体であってもよく、あるいは複数種のアクリル樹脂の混合物であってもよい。
アクリル樹脂組成物には、フッ素樹脂が含まれていてもよく、フッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体などが挙げられ、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましく用いられる。フッ素樹脂は、単独重合体であっても共重合体であってもよく、あるいは複数種のフッ素樹脂の混合物であってもよい。アクリル樹脂組成物には、アクリル樹脂、フッ素樹脂のほか、必要に応じ、導電剤、酸化防止剤、分散剤などを添加することができる。
表面層の成形方法としては、例えば、ディップコート、スプレーコート、フローコート、シャワーコート、ロールコート、スピンコート、リングコートなど公知の成形方法を用いて成形することでエンドレスベルト形状の基体上に表面層を付与することができる。
熱可塑性ポリエステル樹脂およびフィラーを含む熱可塑性樹脂組成物から形成される基体は、後述するように、その製造方法によっては、その外周面に、フィラーが露出し、当該外周面に凸部が形成される場合がある。フィラーの一部が露出し、凸部が形成された基体上に、表面層を形成した場合、図9(a)に示すように、基体312と表面層311との界面領域では、表面層311側にフィラー310の一部が侵入することになる。このようなフィラーは、基体からの反射光を乱反射させる可能性がある。そこで、本開示においては、図9(b)に示すとおり、基体と表面層の界面(表面層の第1の表面という)B1から、表面層の第2の表面B2に向かってフィラーの平均粒子径Pの0.25倍の厚さの領域を、「界面領域Y」とする。界面領域Yにおけるフィラーに由来する元素比率の平均値Aを、0.0原子%以上、1.0原子%以下とする。
なお、「フィラーに由来する元素」とは、上記例示する基体に添加するフィラーに特徴的な元素であり、表面層を構成するアクリル樹脂組成物に含まれない元素であることが好ましい。例えば、上記の好ましいフィラーであるシリコーン粒子やシリカであれば、Si元素を意味する。また、炭素系フィラー、PTFEなどのフッ素樹脂粒子、熱硬化性樹脂の微粒子などにおける炭素元素なども、結合状態によってアクリル樹脂組成物中の同じ元素と区別できるものも対象となる。
なお、「フィラーに由来する元素」とは、上記例示する基体に添加するフィラーに特徴的な元素であり、表面層を構成するアクリル樹脂組成物に含まれない元素であることが好ましい。例えば、上記の好ましいフィラーであるシリコーン粒子やシリカであれば、Si元素を意味する。また、炭素系フィラー、PTFEなどのフッ素樹脂粒子、熱硬化性樹脂の微粒子などにおける炭素元素なども、結合状態によってアクリル樹脂組成物中の同じ元素と区別できるものも対象となる。
フィラーに由来する元素比率の平均値Aは、走査型電子顕微鏡(SEM)装置に装備された、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)を用いて、界面領域Yのフィラー由来の元素比率の分布を以下の算出方法により求めることで確認することができる。
(フィラーの平均粒子径の測定)
(i)ベルトの任意の複数個所から複数個の測定用サンプルを採取する。
(ii)採取した各々の測定サンプル断面の一部をミクロトームなどで切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)にて、特定の倍率で観察し写真を得る。得られた写真から、フィラーのベルト厚み方向およびベルト厚み方向と直交する方向の直径を測定し、それらの平均値を該フィラーの粒子径Pとして求める。
(フィラーに由来する元素比率の平均値Aの算出方法)
(i)ベルトの任意の複数個所から複数個の測定用サンプルを採取する。
(ii)採取した測定サンプルについて、ベルトの周方向の断面、すなわち、ベルトの厚み-周方向の断面を含む断面を、イオンビームを用いて研磨加工し、観察用断面を作製する。
(iii)観察用断面における、領域Yについて、任意の位置における該フィラーに由来する元素を、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)を用いてライン分析し、各々の測定サンプルについてのフィラーに由来する元素比率を求める。
(iv)上記(iii)で求めた、測定サンプルにおける元素比率を全測定位置で算術平均し、フィラーに由来する元素比率の平均値を得る。
(v)複数個の測定サンプルについて、上記(i)~(iv)の操作、分析を行って、フィラーに由来する元素比率の平均値を算出する。
(vi)得られた各サンプルのフィラーに由来する元素比率の平均値を算術平均し、領域Yにおける、フィラー由来の元素比率の平均値を求める。
より詳細な算出方法は実施例に記載のとおりである。
(i)ベルトの任意の複数個所から複数個の測定用サンプルを採取する。
(ii)採取した各々の測定サンプル断面の一部をミクロトームなどで切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)にて、特定の倍率で観察し写真を得る。得られた写真から、フィラーのベルト厚み方向およびベルト厚み方向と直交する方向の直径を測定し、それらの平均値を該フィラーの粒子径Pとして求める。
(フィラーに由来する元素比率の平均値Aの算出方法)
(i)ベルトの任意の複数個所から複数個の測定用サンプルを採取する。
(ii)採取した測定サンプルについて、ベルトの周方向の断面、すなわち、ベルトの厚み-周方向の断面を含む断面を、イオンビームを用いて研磨加工し、観察用断面を作製する。
(iii)観察用断面における、領域Yについて、任意の位置における該フィラーに由来する元素を、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)を用いてライン分析し、各々の測定サンプルについてのフィラーに由来する元素比率を求める。
(iv)上記(iii)で求めた、測定サンプルにおける元素比率を全測定位置で算術平均し、フィラーに由来する元素比率の平均値を得る。
(v)複数個の測定サンプルについて、上記(i)~(iv)の操作、分析を行って、フィラーに由来する元素比率の平均値を算出する。
(vi)得られた各サンプルのフィラーに由来する元素比率の平均値を算術平均し、領域Yにおける、フィラー由来の元素比率の平均値を求める。
より詳細な算出方法は実施例に記載のとおりである。
<電子写真用ベルトの製造方法>
本開示の一態様に係る電子写真用ベルトの製造方法の一態様を以下に述べる。
まず、エンドレス形状を有する基体を作製する。かかる基体は、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂と所定量のフィラーを含む熱可塑性樹脂組成物を用いて試験管形状を有すプリフォームを作製する。プリフォームは、例えば、熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いて射出成型法を用いて作製することができる。
次いで、プリフォームを図11に示した二軸延伸装置(延伸ブロー成形機)を用いて二軸延伸する。二軸延伸前に、プリフォーム104の外壁および内壁を加熱するための非接触型のヒータ(不図示)を備えた加熱装置107内にプリフォーム104を配置し、加熱ヒータで、プリフォームの外表面温度が、例えば、150℃となるように加熱する。次いで、加熱したプリフォーム104を、金型温度を、例えば、30℃に保ったブロー金型108内に配置し、延伸棒109を用いて軸方向に延伸する。同時に、温度を例えば、23℃に調整されたエアーをブローエア注入部分110からプリフォーム104内に導入してプリフォーム104を径方向に延伸する。こうして、2軸延伸されたボトル状成形物112を得る。次いで、得られたボトル状成形物112の胴部を切断し、エンドレスベルトの基体を得る。このようにして得られる基体は、周方向及び周方向に直交する方向の双方向に延伸(2軸延伸)されており、強度に優れたものとなる。
しかしながら、このような方法によって形成された基体の外周面には、フィラーが露出し、フィラーに起因する凸部が形成されやすい。したがって、2軸延伸された基体の外周面に後述する表面処理を施すことなく表面層を形成した場合、表面層と基体との界面領域には多くのフィラーが存在し得る。その結果、外周面に入射するセンサからの光が乱反射され、受光センサに入射する正反射光量が低下する場合がある。
そこで、上記の方法で得られた基体の外周面を表面処理することが好ましい。具体的には、例えば、該基体を回転させながら、外周面を不織布、ゴムブレード、ブラシの如き部材を当接させ、外周面に凸部を生じさせているフィラーを除去することが好ましい。具体的には、例えば、図12に示すように、基体312の外周面に、不織布72を所定の圧力で押圧し、外周面を不織布でこすることで、外周面に凸部を生じさせているフィラーを除去する。
その後、基体の、表面処理された外周面上に表面層形成用の塗料の塗膜を、例えば、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、リングコート、ロールコートの如き公知の塗工方法を用いて形成する。そして、当該塗膜を硬化させて硬化膜を形成する。
次いで、図13に示すように、硬化膜を形成した基体5を外周面に保持した保持型90に対して円筒状金型81を保持型90と円筒状金型81の回転軸が平行となるように、かつ、円筒状金型の外周面が該硬化膜の外表面に接するように配置する。円筒状金型の外周面には、表面層の外周面に形成されるべき溝の形状に対応する形状の凸部が形成されている。そして、保持型と円筒状金型を所定の速度で回転させながら該凸部を該硬化膜に押圧することで該硬化膜の表面に、該基体の周方向に延びる溝を転写する。
本開示の一態様に係る電子写真用ベルトの製造方法の一態様を以下に述べる。
まず、エンドレス形状を有する基体を作製する。かかる基体は、例えば、熱可塑性ポリエステル樹脂と所定量のフィラーを含む熱可塑性樹脂組成物を用いて試験管形状を有すプリフォームを作製する。プリフォームは、例えば、熱可塑性樹脂組成物のペレットを用いて射出成型法を用いて作製することができる。
次いで、プリフォームを図11に示した二軸延伸装置(延伸ブロー成形機)を用いて二軸延伸する。二軸延伸前に、プリフォーム104の外壁および内壁を加熱するための非接触型のヒータ(不図示)を備えた加熱装置107内にプリフォーム104を配置し、加熱ヒータで、プリフォームの外表面温度が、例えば、150℃となるように加熱する。次いで、加熱したプリフォーム104を、金型温度を、例えば、30℃に保ったブロー金型108内に配置し、延伸棒109を用いて軸方向に延伸する。同時に、温度を例えば、23℃に調整されたエアーをブローエア注入部分110からプリフォーム104内に導入してプリフォーム104を径方向に延伸する。こうして、2軸延伸されたボトル状成形物112を得る。次いで、得られたボトル状成形物112の胴部を切断し、エンドレスベルトの基体を得る。このようにして得られる基体は、周方向及び周方向に直交する方向の双方向に延伸(2軸延伸)されており、強度に優れたものとなる。
しかしながら、このような方法によって形成された基体の外周面には、フィラーが露出し、フィラーに起因する凸部が形成されやすい。したがって、2軸延伸された基体の外周面に後述する表面処理を施すことなく表面層を形成した場合、表面層と基体との界面領域には多くのフィラーが存在し得る。その結果、外周面に入射するセンサからの光が乱反射され、受光センサに入射する正反射光量が低下する場合がある。
そこで、上記の方法で得られた基体の外周面を表面処理することが好ましい。具体的には、例えば、該基体を回転させながら、外周面を不織布、ゴムブレード、ブラシの如き部材を当接させ、外周面に凸部を生じさせているフィラーを除去することが好ましい。具体的には、例えば、図12に示すように、基体312の外周面に、不織布72を所定の圧力で押圧し、外周面を不織布でこすることで、外周面に凸部を生じさせているフィラーを除去する。
その後、基体の、表面処理された外周面上に表面層形成用の塗料の塗膜を、例えば、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、リングコート、ロールコートの如き公知の塗工方法を用いて形成する。そして、当該塗膜を硬化させて硬化膜を形成する。
次いで、図13に示すように、硬化膜を形成した基体5を外周面に保持した保持型90に対して円筒状金型81を保持型90と円筒状金型81の回転軸が平行となるように、かつ、円筒状金型の外周面が該硬化膜の外表面に接するように配置する。円筒状金型の外周面には、表面層の外周面に形成されるべき溝の形状に対応する形状の凸部が形成されている。そして、保持型と円筒状金型を所定の速度で回転させながら該凸部を該硬化膜に押圧することで該硬化膜の表面に、該基体の周方向に延びる溝を転写する。
<電子写真画像形成装置>
図5に、本開示の一態様に係る電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして具備する電子写真装置の一例を示す。この電子写真装置は、給紙カセット20から供給された紙などの記録媒体Sに対してそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)で表される4色のトナーを用いてカラー画像形成を行うものである。色ごとの画像形成ステーションは略水平方向に併設されている。これらの画像形成ステーションにはそれぞれ感光ドラム1y、1m、1c、1kが設けられている。ここでは、参照符号に対して添え字として「y」、「m」、「c」あるいは「k」を付することによって、参照符号が付された部材がどの色の画像形成ステーションに属するものかを表している。画像形成装置には、レーザー光学ユニットであるレーザスキャナ3が設けられ、ここから、各色の画像信号に応じたレーザー光3y、3m、3c、3kがそれぞれの感光ドラム1y、1m、1c、1kに向けて発射される。画像形成ステーションはいずれも同じ構造であるので、ここではK色用の画像形成ステーションを説明する。感光ドラム1kを囲むように、接触帯電装置である導電性ローラ2kと、現像器4kと、一次転写ローラである導電性ローラ8kと、感光ドラム1kのクリーニングに用いられるトナー回収ブレード14kとが配置している。現像器4kには、感光ドラム1k上の潜像を現像する現像材担持体である現像ローラ41kと、現像ローラ41kに供給されるトナーを保持する現像容器42kと、現像ローラ41上のトナー量を規制してトナーに電荷を付与する現像ブレード43kとが設けられている。
図5に、本開示の一態様に係る電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして具備する電子写真装置の一例を示す。この電子写真装置は、給紙カセット20から供給された紙などの記録媒体Sに対してそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)で表される4色のトナーを用いてカラー画像形成を行うものである。色ごとの画像形成ステーションは略水平方向に併設されている。これらの画像形成ステーションにはそれぞれ感光ドラム1y、1m、1c、1kが設けられている。ここでは、参照符号に対して添え字として「y」、「m」、「c」あるいは「k」を付することによって、参照符号が付された部材がどの色の画像形成ステーションに属するものかを表している。画像形成装置には、レーザー光学ユニットであるレーザスキャナ3が設けられ、ここから、各色の画像信号に応じたレーザー光3y、3m、3c、3kがそれぞれの感光ドラム1y、1m、1c、1kに向けて発射される。画像形成ステーションはいずれも同じ構造であるので、ここではK色用の画像形成ステーションを説明する。感光ドラム1kを囲むように、接触帯電装置である導電性ローラ2kと、現像器4kと、一次転写ローラである導電性ローラ8kと、感光ドラム1kのクリーニングに用いられるトナー回収ブレード14kとが配置している。現像器4kには、感光ドラム1k上の潜像を現像する現像材担持体である現像ローラ41kと、現像ローラ41kに供給されるトナーを保持する現像容器42kと、現像ローラ41上のトナー量を規制してトナーに電荷を付与する現像ブレード43kとが設けられている。
電子写真用ベルト(中間転写ベルト)5は、エンドレス形状のベルトとして構成されて各色の画像形成ステーションに共通に設けられている。中間転写ベルト5は、二次転写対向ローラ92、テンションローラ6及び駆動ローラ7に架け渡されて、駆動ローラ7により図示矢印方向に回動する。中間転写ベルト5は、テンションローラ6と駆動ローラ7の間の区間において、感光ドラム1y、1m、1c、1kの表面に順次当接し、一次転写ローラ8y、8m、8c、8kによってそれぞれ感光ドラム1y、1m、1c、1k側に加圧されている。これにより、感光ドラム1y、1m、1c、1kの表面に形成されているトナー像が、中間転写ベルト5の表面に転写されることになる。二次転写対向ローラ92に対向して二次転写ローラ9が設けられており、中間転写ベルト5は二次転写ローラ9により対向ローラ92側に加圧されている。二次転写ローラ9には、電流検知回路10を介して電源から二次転写電圧が印加される。二次転写ローラ9及び対向ローラ92によって二次転写部が構成されている。記録媒体Sは、給送ローラ12及び搬送ローラ13を介し、対向ローラ92の位置において、中間転写ベルト5と二次転写ローラ9とのニップ部を通過することにより、中間転写ベルト5の外周面に保持されているトナー像が記録媒体Sに転写されることになる。これにより、記録媒体Sの表面に画像が形成される。トナー像が転写された記録媒体Sは、加熱ローラ151及び加圧ローラ152のローラ対からなる定着器15を通過することによって、画像が定着され、排紙トレー21に排出される。テンションローラ6の位置には中間転写ベルト5の外周面に当接するクリーニングブレード11が設けられている。記録媒体Sに転写されずに中間転写ベルト5の外周面に残存したトナーは、クリーニングブレード11によって掻き取られて除去されることになる。クリーニングブレード11は、中間転写ベルト5の移動方向に対してほぼ直交する方向に延びる部材である。
クリーニングブレード11としては、トナークリーニングに好適なものであれば特に制限はないが、例えば、ウレタンゴムやアクリルゴム、ニトリルゴム、EPDMゴムなどが挙げられ、トナークリーニングの観点からはウレタンゴムが好ましい。
クリーニングブレード11としては、トナークリーニングに好適なものであれば特に制限はないが、例えば、ウレタンゴムやアクリルゴム、ニトリルゴム、EPDMゴムなどが挙げられ、トナークリーニングの観点からはウレタンゴムが好ましい。
画像形成装置は使用環境等の条件によって印刷物の色味が変化する。そのため、適宜濃度を測定し、本体内の制御機構へフィードバックが必要である。濃度補正用のトナー像は中間転写ベルト5の表面に転写された後、中間転写ベルト5の回転に伴って駆動ローラ7の位置まで搬送される。中間転写ベルト5を境に駆動ローラ7と逆側に配置された濃度検知センサ160によってトナー濃度が検出される。
図6は、光学センサである濃度検知センサ160の概略構成図である。濃度検知センサ160は発光素子161と正反射受光素子163とから構成されている。発光素子161が赤外光を発光し、その光が補正用トナー像(以降、単に「トナー像」ともいう)Xの表面で反射する。正反射光の受光素子163はトナー像Xの位置に対し、正反射方向に配置されており、トナー像Xの位置での正反射光を検知する。
図7は、濃度検知センサによる本開示に係るエンドレスベルトの複数箇所における下地出力307とその位置におけるトナー像からの反射光を受光したセンサの出力306を示すグラフである。図7では、比較のために、表面が平滑なベルトの複数個所における非トナー像部分からの反射光を受光したセンサの出力304も記載している。図7に示す通り、本開示に係るエンドレスベルト5の非トナー像部分からの出力307は、表面が平滑なベルトの下地出力304に比して出力値が低い。しかしながら、出力307は、位置による変動が小さく、出力306との差が大きいため、トナー像の濃度検知を正確に行うことができる。
以下に、実施例および比較例を示し、本開示に係る電子写真用ベルトについて具体的に説明するが、本開示に係る電子写真用ベルトはこれらの実施例に具現化された構成に限定されるものではない。
実施例および比較例に係る電子写真用ベルトの製造に用いる材料として下記表1に記載の熱可塑性樹脂組成物および表2に記載のアクリル樹脂組成物を用意した。
(特性値の測定方法、評価方法)
実施例および比較例に係る電子写真用ベルトの特性値の測定方法および評価方法は、以下の(1)~(5)のとおりである。
(1)フィラーの平均粒子径Pの評価
フィラーの平均粒子径Pの評価は以下の方法で行った。まず、得られた電子写真用ベルトの任意の20箇所から、縦5mm、横5mm、厚さが転写ベルトの全厚みである測定サンプルを切り出した。
得られた各々の測定サンプル断面の一部をさらにミクロトーム等で切り出して、FE-SEM(商品名:Sigma500VP、カールツァイスマイクロスコピー社製)にて、5000倍の倍率で観察し画像(写真)を得た。また、各々の測定サンプルについて、EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy) を用いて元素分析を行い、フィラーに含まれる元素を特定した。さらに、得られた画像から、フィラーのベルト厚み方向およびベルト厚み方向と直交する方向の直径を測定し、それらの算術平均値を該フィラーの粒子径とした。
少なくとも200個以上のフィラー各々について、同様に粒子径を測定し、測定した粒子径のうち、上位50個の粒子径の平均値を該フィラーの平均粒子径Pとした。
実施例および比較例に係る電子写真用ベルトの特性値の測定方法および評価方法は、以下の(1)~(5)のとおりである。
(1)フィラーの平均粒子径Pの評価
フィラーの平均粒子径Pの評価は以下の方法で行った。まず、得られた電子写真用ベルトの任意の20箇所から、縦5mm、横5mm、厚さが転写ベルトの全厚みである測定サンプルを切り出した。
得られた各々の測定サンプル断面の一部をさらにミクロトーム等で切り出して、FE-SEM(商品名:Sigma500VP、カールツァイスマイクロスコピー社製)にて、5000倍の倍率で観察し画像(写真)を得た。また、各々の測定サンプルについて、EDX(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy) を用いて元素分析を行い、フィラーに含まれる元素を特定した。さらに、得られた画像から、フィラーのベルト厚み方向およびベルト厚み方向と直交する方向の直径を測定し、それらの算術平均値を該フィラーの粒子径とした。
少なくとも200個以上のフィラー各々について、同様に粒子径を測定し、測定した粒子径のうち、上位50個の粒子径の平均値を該フィラーの平均粒子径Pとした。
(2)基体中のフィラーの含有量の測定
得られたエンドレスベルトの周方向の任意の20箇所から、縦5mm、横5mm、厚みが転写ベルトの全厚みである測定サンプルを合計100個切り出した。100個の測定サンプルの各々について、転写ベルトの周方向断面、すなわち、基材の厚み-周方向の第1断面を含む断面を研磨した。研磨は、クロスセクションポリッシャ(商品名:SM09010、日本電子株式会社製)を用いた。研磨の条件は、アルゴンガス雰囲気中で印加電圧4.5Vにて、11時間イオンビームを照射した。次いで、研磨された断面に、金-パラジウム膜を形成して導電化して観察用断面を形成した。金-パラジウム膜の形成には、スパッタコーター(商品名:108 Auto Sputter Coater;Cressington社製)を用い、30mAで20秒スパッタコートした。観察用断面を、FE-SEM(商品名:Sigma500VP、カールツァイスマイクロスコピー社製)を用い、加速電圧10kV、スポットサイズ60μm、観察倍率1000倍、WD8.5mmの条件で二次電子像観察を行った。
図8に示すように、観察箇所として、エンドレスベルトの基体部のみが視野内に含まれるように調整した。EDS分析に用いるSEM像を確定し、視野内のフィラー由来の元素(実施例1では、シリカ粒子)比率を測定し、基体中のフィラーの含有量(体積%)とした。元素比率の測定にはエネルギー分散型X線分析装置(EDS)(商品名:X-MAXN80、OXFORD社製)を用いた。
得られたエンドレスベルトの周方向の任意の20箇所から、縦5mm、横5mm、厚みが転写ベルトの全厚みである測定サンプルを合計100個切り出した。100個の測定サンプルの各々について、転写ベルトの周方向断面、すなわち、基材の厚み-周方向の第1断面を含む断面を研磨した。研磨は、クロスセクションポリッシャ(商品名:SM09010、日本電子株式会社製)を用いた。研磨の条件は、アルゴンガス雰囲気中で印加電圧4.5Vにて、11時間イオンビームを照射した。次いで、研磨された断面に、金-パラジウム膜を形成して導電化して観察用断面を形成した。金-パラジウム膜の形成には、スパッタコーター(商品名:108 Auto Sputter Coater;Cressington社製)を用い、30mAで20秒スパッタコートした。観察用断面を、FE-SEM(商品名:Sigma500VP、カールツァイスマイクロスコピー社製)を用い、加速電圧10kV、スポットサイズ60μm、観察倍率1000倍、WD8.5mmの条件で二次電子像観察を行った。
図8に示すように、観察箇所として、エンドレスベルトの基体部のみが視野内に含まれるように調整した。EDS分析に用いるSEM像を確定し、視野内のフィラー由来の元素(実施例1では、シリカ粒子)比率を測定し、基体中のフィラーの含有量(体積%)とした。元素比率の測定にはエネルギー分散型X線分析装置(EDS)(商品名:X-MAXN80、OXFORD社製)を用いた。
(3)基体と表面層の界面領域におけるフィラー由来の元素比率の測定
前記(2)で切り出した測定サンプルを用いて、図9に示すように、観察箇所として、画面上部に電子写真用ベルトの基体と表面層との界面(第1の表面B1)部が視野内に含まれるように調整し、EDS分析に用いるSEM像を確定した。
続いて、図10に示すように、領域Yにおけるフィラー由来の元素(実施例1では、シリカ粒子におけるSi)比率を測定した。元素比率の測定にはエネルギー分散型X線分析装置(EDS)(商品名:X-MAXN80、OXFORD社製)を用いた。
なお、ここでは、作製した電子写真用ベルトの300箇所の測定点を任意に選択した。
まず、得られたSEM像をEDS分析領域として画像を取り込んだ。
そして図10に示すように、得られたSEM画像の視野内において、任意に選択した300箇所L1~L300に対応する、少なくとも領域Yにおける第1の表面B1と平行な方向に向かって、該フィラー由来の元素比率をライン分析により測定した。
分析条件としては、ライン分析モードで行い、EDSの収集ラインデータ設定において、スキャン回数4回、ピクセルデュエルタイム5msで行い、選択した300箇所における、該フィラー由来の元素比率を得た。
そして、該各箇所について得られた測定結果を全測定位置(300箇所)で平均化し、領域Yにおける元素比率の平均値を得た。なお、金及びパラジウム元素については導電処理由来の元素であり、電子写真用ベルト由来の元素ではないため分析対象から除外した。
領域Yにおける該フィラーの元素比率は概ね0原子%以上1.0原子%以下、となっていた。
前記(2)で切り出した測定サンプルを用いて、図9に示すように、観察箇所として、画面上部に電子写真用ベルトの基体と表面層との界面(第1の表面B1)部が視野内に含まれるように調整し、EDS分析に用いるSEM像を確定した。
続いて、図10に示すように、領域Yにおけるフィラー由来の元素(実施例1では、シリカ粒子におけるSi)比率を測定した。元素比率の測定にはエネルギー分散型X線分析装置(EDS)(商品名:X-MAXN80、OXFORD社製)を用いた。
なお、ここでは、作製した電子写真用ベルトの300箇所の測定点を任意に選択した。
まず、得られたSEM像をEDS分析領域として画像を取り込んだ。
そして図10に示すように、得られたSEM画像の視野内において、任意に選択した300箇所L1~L300に対応する、少なくとも領域Yにおける第1の表面B1と平行な方向に向かって、該フィラー由来の元素比率をライン分析により測定した。
分析条件としては、ライン分析モードで行い、EDSの収集ラインデータ設定において、スキャン回数4回、ピクセルデュエルタイム5msで行い、選択した300箇所における、該フィラー由来の元素比率を得た。
そして、該各箇所について得られた測定結果を全測定位置(300箇所)で平均化し、領域Yにおける元素比率の平均値を得た。なお、金及びパラジウム元素については導電処理由来の元素であり、電子写真用ベルト由来の元素ではないため分析対象から除外した。
領域Yにおける該フィラーの元素比率は概ね0原子%以上1.0原子%以下、となっていた。
(4)引張り弾性率の評価
引張り弾性率は、温度23℃湿度50%の環境において、5kNのロードセルが組み込まれた低荷重用万能材料試験機(商品名:34TM-5、インストロン社製)を使用して行った。作製した電子写真用ベルトから、ベルト周方向100mm×長手方向20mm、およびベルト周方向20mm×長手方向100mmのサンプル片を切り出し、空気圧式グリップでチャック間距離を50mmとしてサンプル片を把持した。把持したサンプル片を5mm/分の等速で引張り、得られた応力―ひずみ曲線と電子写真用ベルトの厚さより、0.25%ひずみ時の応力値から弾性率を算出した。同一の電子写真用ベルトから切り出した各々5つのサンプル片の測定結果から平均値を求め、当該電子写真用ベルトの周方向の引張弾性率Ep、周方向に直交する方向の引っ張り弾性率Eaとした。
引張り弾性率は、温度23℃湿度50%の環境において、5kNのロードセルが組み込まれた低荷重用万能材料試験機(商品名:34TM-5、インストロン社製)を使用して行った。作製した電子写真用ベルトから、ベルト周方向100mm×長手方向20mm、およびベルト周方向20mm×長手方向100mmのサンプル片を切り出し、空気圧式グリップでチャック間距離を50mmとしてサンプル片を把持した。把持したサンプル片を5mm/分の等速で引張り、得られた応力―ひずみ曲線と電子写真用ベルトの厚さより、0.25%ひずみ時の応力値から弾性率を算出した。同一の電子写真用ベルトから切り出した各々5つのサンプル片の測定結果から平均値を求め、当該電子写真用ベルトの周方向の引張弾性率Ep、周方向に直交する方向の引っ張り弾性率Eaとした。
(5)反射光量の評価
図5に示した構成の電子写真用の画像形成装置を使用し、後述する実施例または比較例で製造したエンドレスベルトを中間転写ベルトとして装着した。エンドレスベルト1周当たりの正反射出力を1mm刻みで測定し、測定された出力の平均値Vave、最大値Vmax、最小値Vminと、下記式(1)より求められる振れ率を評価した。
なお、濃度検知センサは電子写真用ベルトの幅方向中心から±100mmの位置に配置されている。また、正反射出力は電子写真用ベルト表面に付与した溝の条件によって変化するため、本評価では正反射出力が3.0Vになるように光量出力を調整して実施した。
振れ率=(Vmax-Vmin)/Vave 式(1)
図5に示した構成の電子写真用の画像形成装置を使用し、後述する実施例または比較例で製造したエンドレスベルトを中間転写ベルトとして装着した。エンドレスベルト1周当たりの正反射出力を1mm刻みで測定し、測定された出力の平均値Vave、最大値Vmax、最小値Vminと、下記式(1)より求められる振れ率を評価した。
なお、濃度検知センサは電子写真用ベルトの幅方向中心から±100mmの位置に配置されている。また、正反射出力は電子写真用ベルト表面に付与した溝の条件によって変化するため、本評価では正反射出力が3.0Vになるように光量出力を調整して実施した。
振れ率=(Vmax-Vmin)/Vave 式(1)
[実施例1~10]
(基体の製造)
表3に記載の配合にて材料を事前にプリブレンドした後、二軸押出し機(商品名:TEX30α、日本製鋼所(株)製)を用いて、熱溶融混練して熱可塑性樹脂組成物を調製した。熱溶融混練温度は270℃以上、300℃以下の範囲内となるように調整し、熱溶融混練時間はおよそ3~5分とした。得られた熱可塑性樹脂組成物をペレット化し、温度140℃で6時間乾燥させた。次いで、射出成形装置(商品名:SE180D、住友重機械工業(株)製)に、乾燥させたペレット状の熱可塑性樹脂組成物を投入した。そして、シリンダ設定温度を300℃として、温度が30℃に温調された金型内に該熱可塑性樹脂組成物を射出成形してプリフォームを作製した。得られたプリフォームは、外径が50mm、内径が46mm、長さが100mmの試験管形状を有していた。
(基体の製造)
表3に記載の配合にて材料を事前にプリブレンドした後、二軸押出し機(商品名:TEX30α、日本製鋼所(株)製)を用いて、熱溶融混練して熱可塑性樹脂組成物を調製した。熱溶融混練温度は270℃以上、300℃以下の範囲内となるように調整し、熱溶融混練時間はおよそ3~5分とした。得られた熱可塑性樹脂組成物をペレット化し、温度140℃で6時間乾燥させた。次いで、射出成形装置(商品名:SE180D、住友重機械工業(株)製)に、乾燥させたペレット状の熱可塑性樹脂組成物を投入した。そして、シリンダ設定温度を300℃として、温度が30℃に温調された金型内に該熱可塑性樹脂組成物を射出成形してプリフォームを作製した。得られたプリフォームは、外径が50mm、内径が46mm、長さが100mmの試験管形状を有していた。
次に、上記のプリフォームを図11に示した二軸延伸装置(延伸ブロー成形機)を用いて二軸延伸する。二軸延伸前に、プリフォーム104の外壁および内壁を加熱するための非接触型のヒータ(不図示)を備えた加熱装置107内にプリフォーム104を配置し、加熱ヒータで、プリフォームの外表面温度が150℃となるように加熱した。
次いで、加熱したプリフォーム104を、金型温度を30℃に保ったブロー金型108内に配置し、延伸棒109を用いて軸方向に延伸した。同時に、温度23℃に温調されたエアーをブローエア注入部分110からプリフォーム104内に導入してプリフォーム104を径方向に延伸した。こうして、ボトル状成形物112を得た。
次いで、得られたボトル状成形物112の胴部を切断して電子写真用ベルトの基体を得た。この基体の周長は680mm、幅250mmであった。
次いで、加熱したプリフォーム104を、金型温度を30℃に保ったブロー金型108内に配置し、延伸棒109を用いて軸方向に延伸した。同時に、温度23℃に温調されたエアーをブローエア注入部分110からプリフォーム104内に導入してプリフォーム104を径方向に延伸した。こうして、ボトル状成形物112を得た。
次いで、得られたボトル状成形物112の胴部を切断して電子写真用ベルトの基体を得た。この基体の周長は680mm、幅250mmであった。
(基体の外周面の表面処理)
得られた電子写真用ベルトの基体は、基体の外周面に露出し、外周面に凸部を生じさせているフィラーを除去するために、クリーニングクロス(商品名:トレシーMK(工業用);東レ社製)を押し当てて表面処理を行った。具体的には、図12に示すように、円筒状保持金型70の外周面に電子写真用ベルトの基体312を保持させ、シート駆動ローラ71に張架したクリーニングクロス72を、圧力0.5MPaで押し当てた。この状態で、円筒状保持金型70を1rpmで回転させた。また、クリーニングクロスは0.1rpmで回転させた。こうして、基体の外周面を表面処理して、外周面に凸部を生じさせているフィラーを除去した。処理後のクリーニングクロスの表面をFE-SEMで観察し、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)で元素分析を行うと、フィラー由来の元素(ケイ素原子)が検出された。
得られた電子写真用ベルトの基体は、基体の外周面に露出し、外周面に凸部を生じさせているフィラーを除去するために、クリーニングクロス(商品名:トレシーMK(工業用);東レ社製)を押し当てて表面処理を行った。具体的には、図12に示すように、円筒状保持金型70の外周面に電子写真用ベルトの基体312を保持させ、シート駆動ローラ71に張架したクリーニングクロス72を、圧力0.5MPaで押し当てた。この状態で、円筒状保持金型70を1rpmで回転させた。また、クリーニングクロスは0.1rpmで回転させた。こうして、基体の外周面を表面処理して、外周面に凸部を生じさせているフィラーを除去した。処理後のクリーニングクロスの表面をFE-SEMで観察し、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)で元素分析を行うと、フィラー由来の元素(ケイ素原子)が検出された。
(塗工液の調合)
表2に記載の各材料をAN/PTFE/GF/SL/IRG=66/20/1.0/12/1.0(固形分換算での重量比)の割合で秤量し、粗分散処理を行った。粗分散処理後の溶液を、高圧乳化分散器(商品名:ナノヴェイタ、吉田機械興業(株)製)を用いて本分散処理を行い、アクリル樹脂組成物からなる塗工液を得た。本分散処理は、含有するPTFEの50%平均粒径が200nmになるまで行った。
表2に記載の各材料をAN/PTFE/GF/SL/IRG=66/20/1.0/12/1.0(固形分換算での重量比)の割合で秤量し、粗分散処理を行った。粗分散処理後の溶液を、高圧乳化分散器(商品名:ナノヴェイタ、吉田機械興業(株)製)を用いて本分散処理を行い、アクリル樹脂組成物からなる塗工液を得た。本分散処理は、含有するPTFEの50%平均粒径が200nmになるまで行った。
(表面層の形成)
二軸延伸された基体を円筒状の型(周長680mm)の外周にはめ込み、端部をシールしたうえで、前記塗工液で満たした容器に型ごと浸漬した。塗工液の液面と基体の相対速度が一定になるように引き上げることで、基体表面に前記塗工液からなる塗膜を形成した。求められる膜厚に応じて、引き上げ速度(塗工液の液面と基体の相対速度)と塗工液の溶剤比を調整することができる。本実施例では、引き上げ速度を10~50mm/秒とし、塗膜の膜厚が硬化後の所望の表面層厚を満たすように調整した。本実施例において塗布方向とは基体を引き上げる方向とは逆の方向のことを指す。すなわち、最初に塗工液から引き上げた場所が最上流となる。塗工液を塗布した基体は円筒状の型から外され、温度23℃の環境、排気下で1分間乾燥させた。乾燥温度、乾燥時間は溶剤種、溶剤比、膜厚から適宜調整する。その後、塗膜にUV照射機(商品名:UE06/81-3、アイグラフィック(株)製)を用い、積算光量が600mJ/cm2になるまで紫外線を照射し、塗膜を硬化させた。表面層の厚さの測定は同条件で別途作成した電子写真用ベルトを切断し、その断面を電子顕微鏡(商品名:XL30-SFEG、FEI社製)で観察する破壊検査で実施した。破壊検査の結果、表面層の厚さは3.0μmであった。
二軸延伸された基体を円筒状の型(周長680mm)の外周にはめ込み、端部をシールしたうえで、前記塗工液で満たした容器に型ごと浸漬した。塗工液の液面と基体の相対速度が一定になるように引き上げることで、基体表面に前記塗工液からなる塗膜を形成した。求められる膜厚に応じて、引き上げ速度(塗工液の液面と基体の相対速度)と塗工液の溶剤比を調整することができる。本実施例では、引き上げ速度を10~50mm/秒とし、塗膜の膜厚が硬化後の所望の表面層厚を満たすように調整した。本実施例において塗布方向とは基体を引き上げる方向とは逆の方向のことを指す。すなわち、最初に塗工液から引き上げた場所が最上流となる。塗工液を塗布した基体は円筒状の型から外され、温度23℃の環境、排気下で1分間乾燥させた。乾燥温度、乾燥時間は溶剤種、溶剤比、膜厚から適宜調整する。その後、塗膜にUV照射機(商品名:UE06/81-3、アイグラフィック(株)製)を用い、積算光量が600mJ/cm2になるまで紫外線を照射し、塗膜を硬化させた。表面層の厚さの測定は同条件で別途作成した電子写真用ベルトを切断し、その断面を電子顕微鏡(商品名:XL30-SFEG、FEI社製)で観察する破壊検査で実施した。破壊検査の結果、表面層の厚さは3.0μmであった。
(溝の形成)
図13に示したインプリント加工装置を用いて、硬化後の表面層を保持したエンドレスベルト5に溝を形成した。
インプリント加工装置は、円筒状金型81と円筒状ベルト保持型90とで構成されており、円筒状金型81は円筒状ベルト保持型90に軸を平行に保った状態で加圧することができる。このとき、円筒状金型81と円筒状ベルト保持型90は滑ることなく同期して自転する。円筒状金型81は無電解ニッケルメッキを施した炭素鋼からなる金型で、直径50mm、長さ250mmである。円筒状金型81の表面には微細な凸形状が形成されており、該凸パターンは該円筒状金型の周方向に対してなす角が0.1°でスパイラル状に形成した。本実施例で使用した円筒状金型81の凸パターンは図14に示す形状であり、それぞれの寸法はH=3.5μm、Wb=2.0μm、Wt=0.2μm、P=20μmであった。円筒状金型81内には不図示のカートリッジヒータが埋め込まれており、加熱することができるように構成した。
次に、円筒状ベルト保持型90(周長680mm)の外周には塗膜を形成した基体を事前に嵌め込んでおく。この円筒状ベルト保持型90と、円筒状金型81と、を周速1mm/secで自転させ(自転方向は両者で逆方向)、互いの軸中心線を平行に維持しながら、130℃に加熱した円筒状金型81を接触させ、1.0kN/sの割合で8.0kNまで加圧した。その後、加圧力を8.0kNに維持したまま、円筒状ベルト保持型90と円筒状金型81を回転させ、ベルト1周分のインプリント加工が完了したタイミングで溝付与用円筒状金型81を離型させた。これにより、溝付与用円筒状金型81の凸形状を電子写真用ベルトの表面層の表面に転写した。
以上の工程から得られた電子写真用ベルトの溝パターンは、溝の本数12200本であり、溝の幅と深さはそれぞれW1=0.6μm、H1=0.6μm、P1=20μmであった。
前記電子写真用ベルトを図5に示す電子写真画像形成装置に搭載し、正反射出力の評価をしたところ、振れ率は全て25%以下であり、非常に小さいことを確認した。
図13に示したインプリント加工装置を用いて、硬化後の表面層を保持したエンドレスベルト5に溝を形成した。
インプリント加工装置は、円筒状金型81と円筒状ベルト保持型90とで構成されており、円筒状金型81は円筒状ベルト保持型90に軸を平行に保った状態で加圧することができる。このとき、円筒状金型81と円筒状ベルト保持型90は滑ることなく同期して自転する。円筒状金型81は無電解ニッケルメッキを施した炭素鋼からなる金型で、直径50mm、長さ250mmである。円筒状金型81の表面には微細な凸形状が形成されており、該凸パターンは該円筒状金型の周方向に対してなす角が0.1°でスパイラル状に形成した。本実施例で使用した円筒状金型81の凸パターンは図14に示す形状であり、それぞれの寸法はH=3.5μm、Wb=2.0μm、Wt=0.2μm、P=20μmであった。円筒状金型81内には不図示のカートリッジヒータが埋め込まれており、加熱することができるように構成した。
次に、円筒状ベルト保持型90(周長680mm)の外周には塗膜を形成した基体を事前に嵌め込んでおく。この円筒状ベルト保持型90と、円筒状金型81と、を周速1mm/secで自転させ(自転方向は両者で逆方向)、互いの軸中心線を平行に維持しながら、130℃に加熱した円筒状金型81を接触させ、1.0kN/sの割合で8.0kNまで加圧した。その後、加圧力を8.0kNに維持したまま、円筒状ベルト保持型90と円筒状金型81を回転させ、ベルト1周分のインプリント加工が完了したタイミングで溝付与用円筒状金型81を離型させた。これにより、溝付与用円筒状金型81の凸形状を電子写真用ベルトの表面層の表面に転写した。
以上の工程から得られた電子写真用ベルトの溝パターンは、溝の本数12200本であり、溝の幅と深さはそれぞれW1=0.6μm、H1=0.6μm、P1=20μmであった。
前記電子写真用ベルトを図5に示す電子写真画像形成装置に搭載し、正反射出力の評価をしたところ、振れ率は全て25%以下であり、非常に小さいことを確認した。
[比較例1~5]
材料種および配合量、および基体清掃の有無を下記表4に記載した通りとした以外は、実施例1と同様にして電子写真用ベルトを作製した。これらの評価結果を表4に示す。
比較例1においてはフィラーの含有量が少なく、十分な正反射出力が得られなかったため、平均正反射出力に対する振れ率が大きい結果となった。比較例2においては、フィラーの含有量が多いため、平均正反射出力は大きくなったが、0.25P領域のフィラー量も多くなり、乱反射光が増えた結果、平均正反射出力に対する振れ率が大きい結果となった。比較例3~5においては、基体清掃を実施していないため、0.25P領域のフィラー量も多くなり、乱反射光が増えた結果、平均正反射出力に対する振れ率が大きい結果となった。
材料種および配合量、および基体清掃の有無を下記表4に記載した通りとした以外は、実施例1と同様にして電子写真用ベルトを作製した。これらの評価結果を表4に示す。
比較例1においてはフィラーの含有量が少なく、十分な正反射出力が得られなかったため、平均正反射出力に対する振れ率が大きい結果となった。比較例2においては、フィラーの含有量が多いため、平均正反射出力は大きくなったが、0.25P領域のフィラー量も多くなり、乱反射光が増えた結果、平均正反射出力に対する振れ率が大きい結果となった。比較例3~5においては、基体清掃を実施していないため、0.25P領域のフィラー量も多くなり、乱反射光が増えた結果、平均正反射出力に対する振れ率が大きい結果となった。
5 電子写真用エンドレスベルト
199 溝
200 ベルト周方向
310 フィラー
311 表面層
312 基体
199 溝
200 ベルト周方向
310 フィラー
311 表面層
312 基体
Claims (6)
- エンドレス形状を有する電子写真用ベルトであって、エンドレス形状を有する基体と、
該基体の外周面上の表面層とを有し、
該表面層の外表面には、周方向に伸びる溝が複数本設けられており、
該基体は、熱可塑性ポリエステル樹脂とフィラーとを含み、
該表面層は、アクリル樹脂を含み、
該基体の厚さTが、30μm以上であり、かつ、該基体の該フィラーの含有量が、該基体の総体積を基準として、0.1体積%以上、10.0体積%以下であり、
該表面層の、該基体に対向する側の第1の表面から、該第1の表面とは反対側の第2の表面に向かって該フィラーの平均粒子径の0.25倍の厚さの領域における該フィラーに由来する元素比率の平均値Aが、0.0原子%以上、1.0原子%以下であることを特徴とする電子写真用ベルト。 - 前記基体は、周方向および周方向に直交する方向に延伸されている、請求項1に記載の電子写真用ベルト。
- 前記電子写真用ベルトの周方向の引張弾性率Epと、周方向に直交する方向の引張弾性率Eaがともに1200MPa以上である、請求項1または2に記載の電子写真用ベルト。
- 前記熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリアルキレンテレフタレート、及びポリアルキレンナフタレートから選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の電子写真用ベルト。
- 前記フィラーが、球状シリカ、及び球状シリコーン粒子から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1または2に記載の電子写真用ベルト。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の電子写真用ベルトを中間転写ベルトとして具備する電子写真画像形成装置。
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US17/697,075 US11586132B2 (en) | 2021-03-24 | 2022-03-17 | Electrophotographic belt and electrophotographic image forming apparatus |
CN202210291696.2A CN115128924A (zh) | 2021-03-24 | 2022-03-23 | 电子照相用带和电子照相图像形成设备 |
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