JP2022151664A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2022151664A
JP2022151664A JP2022030424A JP2022030424A JP2022151664A JP 2022151664 A JP2022151664 A JP 2022151664A JP 2022030424 A JP2022030424 A JP 2022030424A JP 2022030424 A JP2022030424 A JP 2022030424A JP 2022151664 A JP2022151664 A JP 2022151664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light receiving
optical path
light
gas
gas sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022030424A
Other languages
English (en)
Inventor
エジソン カマルゴ
Camargo Edson
翔太 一色
Shota Isshiki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Original Assignee
Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Electronics Co Ltd filed Critical Asahi Kasei Electronics Co Ltd
Priority to US17/655,789 priority Critical patent/US11835451B2/en
Publication of JP2022151664A publication Critical patent/JP2022151664A/ja
Priority to US18/495,152 priority patent/US20240053262A1/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】測定対象ガスに加えて干渉ガスが存在する場合であっても高精度なガス濃度測定が可能なガスセンサが提供される。【解決手段】ガスセンサ(1000)は、赤外線を出力する第1、第2の発光部(101、201)と、入射した赤外線に応じた出力信号を出力する第1、第2の受光部(102、202)と、第1の発光部から出射した光が第1の受光部に入射するまでに通過する第1の光路領域(10)と、第2の発光部から出射した光が第2の受光部に入射するまでに通過する第2の光路領域(20)と、を備え、光路領域に共通領域(30)を有し、第1の光路領域の光路長は第2の光路領域の光路長よりも長く、第1の受光部の測定対象ガスに対する出力信号の変化率は第2の受光部より大きく、第2の受光部の干渉ガスに対する出力信号の変化率は第1の受光部より大きく、前記第2の受光部の感度ピーク波長は、水蒸気の吸収波長と重なる。【選択図】図1

Description

本発明はガスセンサに関する。
NDIR(Non Dispersive InfraRed)方式のガスセンサは、高い信頼性及び長期間における測定再現性という観点から、高精度のガス濃度測定装置に一般的に用いられる。
例えば、特許文献1では、1つの光源と2つの光検出器を用いたガスセンサが開示されている。
特開2004-138499号公報
特許文献1に開示されるような従来のガスセンサでは、測定対象ガスの吸収波長付近に他のガス(以下、干渉ガスと称することがある)の吸収がある場合に高精度なガス濃度測定が困難である。
例えば、測定対象ガスがメタンガスの場合、メタンガスの吸収波長は3.1~3.5μmにある。また、一般的な環境に少なからず存在する水蒸気の吸収波長は2.7~3.3μm付近にある。そのため、測定対象ガス(メタンガス)と水蒸気との吸収波長の干渉が生じ、高精度なメタンガスの濃度測定が困難になる。
本発明は、測定対象ガスに加えて干渉ガスが存在する場合であっても高精度なガス濃度測定が可能なガスセンサを提供することを課題とする。
本発明の第1の態様におけるガスセンサは、
それぞれ赤外線を出力する第1の発光部及び第2の発光部と、
それぞれ入射した赤外線に応じた出力信号を出力する第1の受光部及び第2の受光部と、
前記第1の発光部から出射した光が前記第1の受光部に入射するまでに通過する第1の光路領域と、
前記第2の発光部から出射した光が前記第2の受光部に入射するまでに通過する第2の光路領域と、を備え、
前記第1の光路領域と前記第2の光路領域は少なくとも一部に共通領域を有し、
前記第1の光路領域の光路長は、第2の光路領域の光路長よりも長く、
前記第1の受光部の所定量の測定対象ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率は、前記第2の受光部の前記所定量の測定対象ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率よりも大きく、
前記第2の受光部の所定量の干渉ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率は、前記第1の受光部の前記所定量の干渉ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率よりも大きく、
前記第2の受光部の感度ピーク波長は、水蒸気の吸収波長と重なる。
本発明によれば、測定対象ガスに加えて干渉ガスが存在する場合であっても高精度なガス濃度測定が可能なガスセンサを提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態のガスセンサを説明するための概略図である。 図2は、本発明の一実施形態のガスセンサを説明するための模式図である。 図3は、使用環境温度が60℃、かつ、メタンガス濃度が0ppmでの各相対湿度における、第1の受光部の出力信号レベルと、第2の受光部の出力信号レベルの相関関係を示したグラフである。 図4は、第2の受光部の信号による湿度補正を適用しなかった場合の出力変動値を示したグラフである。 図5は、第2の受光部の信号による湿度補正を適用した場合の出力変動値を示したグラフである。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<ガスセンサ>
本実施形態のガスセンサは、それぞれ赤外線を出力する第1の発光部及び第2の発光部と、それぞれ入射した赤外線に応じた出力信号を出力する第1の受光部及び第2の受光部と、第1の発光部から出射した光が第1の受光部に入射するまでに通過する第1の光路領域と、第2の発光部から出射した光が第2の受光部に入射するまでに通過する第2の光路領域と、を備える。
第1の光路領域の光路長は、第2の光路領域の光路長よりも長い。ここで、光路長とは光路領域を通過する光の密度がもっとも高い経路の長さ(あるいは、発光部から発せられた光が受光部まで到達するまでの光学的最短距離)を意味する。
第1の受光部の所定量の測定対象ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率は、第2の受光部の所定量の測定対象ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率よりも大きい。また、第2の受光部の所定量の干渉ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率は、第1の受光部の所定量の干渉ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率よりも大きい。また、第2の受光部の感度ピーク波長は、水蒸気の吸収波長と重なる。ここで、第2の受光部の感度ピーク波長が水蒸気の吸収波長と重なるとは、第2の受光部の感度ピーク波長が水蒸気の吸収波長の少なくとも一部に含まれることを意味する。
詳細は後述するが、上記構成要件を備えることにより、干渉ガスと測定対象ガスの検出性能(例えばSNR:signal to noise ratio)を所望の性能に最適化することが可能となり、それぞれの受光部の出力信号を用いることで、干渉ガスの影響を低減し、測定対象ガスの有無の判定及び高精度な濃度の測定が可能になる。さらに、第2の受光部の感度ピーク波長は、水蒸気の吸収波長と重なることで、干渉ガスのうち影響の大きい水蒸気の影響を低減することができるため、測定対象ガスの有無の判定及び高精度な濃度の測定が可能になる。
<受光部>
本実施形態のガスセンサにおける第1の受光部及び第2の受光部は、それぞれ入射した赤外線の強度に応じた出力信号を出力する。第1の光路領域及び第2の光路領域に発光部から出力された赤外線を吸収するガスが存在すると、赤外線は減衰して第1の受光部及び第2の受光部のそれぞれに入射する。受光部の一例としては、焦電センサ、サーモパイル、フォトトランジスタ、フォトダイオードなどが挙げられる。受光部は、高い応答性を実現する観点から、フォトトランジスタ及びフォトダイオードに代表される量子型赤外線センサであるであることが好ましく、フォトダイオードであることがより好ましい場合がある。
測定対象ガス及び干渉ガスの濃度変化に対する第1の受光部及び第2の受光部の出力信号の変化率の大小関係が上述した条件を充足するようにするため、第1の受光部と第2の受光部の分光感度特性が異なるものとすることが好ましい場合がある。
ここで分光感度特性とは、入射する光の各波長に対する感度特性を意味する。
分光感度特性を所望のものにする方法は特に制限されないが、例えば受光部がフォトダイオードの場合、活性層の材料及び組成比を調整することで、それぞれ所望のバンドギャップにする方法、光路領域に光学フィルタを設ける方法などが挙げられる。
測定対象ガス及び干渉ガスの濃度変化に対する第1の受光部及び第2の受光部の出力信号の変化率の大小関係が上述した条件を充足するようにするために光学フィルタを用いることができる。光学フィルタを用いる場合、第1の光路領域又は第2の光路領域の領域中のいずれか一方に光学フィルタを設ける形態であってよいし、第1の光路領域及び第2の光路領域の領域中のそれぞれに、それぞれ波長透過特性が異なる光学フィルタを設ける形態であってよい。
また、ガスセンサの精度を保ちながら、長期間の信頼性を高める方法として、第1の受光部と第2の受光部の応答速度を異なるものとし、低消費化を実現することが好ましい場合がある。特に測定対象ガスがメタンガスに代表される可燃性ガスであり、干渉ガスが環境中に一般的に存在する水蒸気である場合、環境中に一般的に存在しないメタンガス若しくは可燃性ガスの濃度変化は、保管場所等からの漏洩による突発的な変化である。これに対して、環境中に一般的に存在する水蒸気濃度の変化は非常に緩やかである。そのため、第1の受光部と第2の受光部の応答速度を異なるようにすることで、低消費かつ十分な精度を確保し、長期間の信頼性を高めることができる。
測定対象ガスがメタンガスに代表される可燃性ガスの場合、波長が3~4μm及び7~8.5μmの赤外線に対して吸収波長を示し、特に3.3μm前後の赤外線に対して高い吸収波長を示す。干渉ガスとして環境中に一般的に存在する水蒸気は、波長が、2~3μm及び5~8μmの赤外線に対して吸収波長を示し、2.7~3.3μm前後の赤外線に対して高い吸収波長を示す。
したがって、第2の受光部の感度ピーク波長は、水蒸気の吸収波長と重なればよく、2~3μm又は5~8μmにあることが好ましい。また、可燃性ガスの影響を受けにくくするため、第2の受光部の感度ピーク波長は、可燃性ガスの吸収波長と重ならない2~3μm又は5~7μmにあることが好ましい。一方で、第1の受光部の感度ピーク波長は、測定対象ガスの吸収波長に重なればよく、波長が3~4μm又は7~8.5μmにあることが好ましい。
ここで、第1の受光部の感度ピーク波長を、第2の受光部の感度ピーク波長よりも3.3μmに近いものとすることにより、所定量の測定対象ガスの濃度変化に対し、第1の受光部の出力信号の変化率を、第2の受光部の出力信号の変化率よりも大きくすることが可能となる。
また、第2の受光部の感度ピーク波長は、第1の受光部の感度ピーク波長よりも2.7μmに近いものとすることにより、所定量の干渉ガスの濃度変化に対し、第1の受光部の出力信号の変化率よりも、第2の受光部の出力信号の変化率を大きくすることが可能となる。
<発光部>
本実施形態のガスセンサにおける第1の発光部、第2の発光部は、測定対象ガスの吸収波長の赤外線を出力できる光源であれば、特に制限されない。一例としては、電球及びMEMSヒータ等の熱型光源、LASER光源及びLED等の量子型光源が挙げられる。応答速度の観点から赤外線LEDが好ましい場合がある。また、測定対象ガス又は干渉ガスが可燃性のガスの場合は、発熱量が少なく、より安全な量子型光源が好ましい場合がある。
測定対象ガス及び干渉ガスの濃度変化に対する第1の受光部及び第2の受光部の出力信号の変化率の大小関係が上述した条件を充足するようにするために、第1の発光部と第2の発光部の発光スペクトルが異なるものとすることが好ましい場合がある。
ここで発光スペクトルとは、発光する光の各波長に対する光の強度分布を意味する。
赤外線LEDの場合、発光層の材料及び組成比を調整することにより、発光スペクトル(中心発光波長及び波長帯域等)を所望のものにすることができるため好ましい場合がある。
<光路領域>
本発明における光路領域は発光部から受光部までの空間を意味する。すなわち、第1の光路領域は第1の発光部から出射した光が第1の受光部に入射するまでに通過する空間を意味する。また、第2の光路領域は第2の発光部から出射した光が第2の受光部に入射するまでに通過する空間を意味する。第1の光路領域と第2の光路領域を併せて「光路領域」と称する場合がある。
この光路領域に測定対象ガス及び干渉ガスが侵入することにより、その測定対象ガス及び干渉ガスによる光の吸収が生じ、受光部が受ける光量が変化し、測定対象ガス及び干渉ガスの濃度に応じた出力信号が得られる。図1では、第1の発光部101から発せられた光線L1(光の経路であって「第1光路」と称することがある)を一点破線にて概略的に示している。また、図1では、第2の発光部201から発せられた光線L2(光の経路であって「第2光路」と称することがある)を別の一点破線にて概略的に示している。
また、図2に示すように、第1光路と第2光路とは交差してよい。省スペース化の観点から、第1光路と第2光路との交差が好ましい場合がある。
さらに、第1光路と第2光路を交差させることは、第1光路と第2光路を分離させる場合と比較し、測定対象ガスと干渉ガスの光路空間中における濃度分布の違いによる測定結果への影響が少ないため、好ましい場合がある。
典型的には、光路領域は、発光部から発せられた光が受光部に到達するように反射率の高い部材(ミラーとも称される)を配置することで形成される。あるいは発光部の発光面と受光部の受光面が対向するように配置することで形成されてよい。
<本実施形態のガスセンサの具体的な構成の一例>
図1は、本発明の一実施形態のガスセンサ1000の概略図である。
図1で示すガスセンサは、それぞれ赤外線を出力する第1の発光部101及び第2の発光部201と、それぞれ入射した赤外線に応じた出力信号を出力する第1の受光部102及び第2の受光部202と、第1の発光部101から出射した光が第1の受光部102に入射するまでに通過する第1の光路領域10と、第2の発光部201から出射した光が第2の受光部202に入射するまでに通過する第2の光路領域20を備える。
第1の光路領域10と第2の光路領域20は、一方の一部が他方の一部と空間的に共通となる共通領域30を有している。
第1の受光部102及び第2の受光部202は、第1の受光部の所定量の測定対象ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率が、第2の受光部の所定量の測定対象ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率よりも大きく、第2の受光部の所定量の干渉ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率が、第1の受光部の所定量の干渉ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率よりも大きくなるように設計されている。
また、第1の光路領域の光路長(第1の発光部101から出射した光が第1の受光部102に入射するまでの光線L1で示される光路長)は、第2の光路領域の光路長(第2の発光部201から出射した光が第2の受光部202に入射するまでの光線L2で示される光路長)よりも長い。
発光駆動部400は第1の発光部101と第2の発光部201を駆動するために設けられる。発光駆動部400は定電流のパルス又は定電圧のパルスを第1の発光部101及び第2の発光部201に供給してよい。
また濃度演算部500は第1の受光部102と第2の受光部202からの出力信号及び温度センサ300からの出力信号を利用して、測定対象ガス濃度を算出してよい。高精度な測定の観点から、温度センサからの出力を用いて、温度補正を実行することが好ましい場合がある。
また、発光駆動部400と濃度演算部500を同期させて第1の受光部102と第2の受光部202の出力信号が検出されてよい。第1の発光部101から光を放射させ、第1の受光部102にて信号を検出する周波数と、第2の発光部201から光を放射させ、第2の受光部202にて信号を検出する周波数を異なる周波数で動作し、同時に光を放射し、信号を検出することがないようにする、若しくは同じ周波数でも各発光部から光を放射させて各受光部から信号を検出するタイミングを時間的にずらすことによって、両受光部のクロストークを除去できる。このクロストーク除去は量子型の発光部と受光部を利用することによって、効率よく行うことができるため、好ましい場合がある。また発光部が熱型光源であり、光源からの熱放射の影響を受光部が受ける場合、信号検出のタイミングでの受光部が受けている熱放射の影響を個別に検出することできるため、この熱放射の影響を正確に検出し、信号処理にて影響を抑制することが可能となる。
また、第1光学フィルタ103と第2光学フィルタ203は干渉ガスと測定対象ガスの吸収波長帯の光をそれぞれ透過させるバンドパスフィルタであってよい。
第1の光路領域と第2の光路領域は省スペース且つ長くしたい場合、図2に示す構成であってよい。また、図2に示すように、第1の光路領域と第2の光路領域が共通領域を設けることによって、第1光路と第2光路中の測定対象ガスと干渉ガスの濃度分布の違いの影響を抑制し、高い精度での干渉ガスの影響除去が可能となるので、好ましい場合がある。
また、発光駆動部400と濃度演算部500は、光路領域内に設けてよい。このことによって、さらなる小型化が実現できる。
<実施例>
図2に示したように、第1の発光部からの光線と第2の発光部からの光線が略直交するように第1の発光部、第1の受光部、第2の発光部、第2の受光部、第1の光路領域及び第2の領域を形成するための複数のミラーをそれぞれ配置し、ガスセンサを作製した。
<第1の発光部、受光部、及び第1の光路領域>
第1の発光部と第1の受光部はGaAs基板上に形成されたP層/活性層/N層の積層構造から成るチップサイズ0.7×0.7μm2のLEDとフォトダイオードである。活性層は厚みが1.34μmのAlInSbを利用して、Alの組成を8.9%にした。
LEDが7段、フォトダイオードが73段にエッチングプロセスにより分割され、最後に電気的に直列接続されるように、金属配線層が設けられた。
光の入射口及び出射口はGaAs基板の積層構造が形成されていない面側に設けられ、SMT(Surface―mount Technology)樹脂封止された。また、フォトダイオードのパッケージ上部に中心透過波長が3.3μmの光学フィルタが設けられ、LEDとフォトダイオードはそれぞれ回路との接続を行うために、PCB(Printed Circuit Board)が利用された。高いSNRを実現するため、信号処理回路はフォトダイオード付近に設けられた。
また、第1の発光部(LED)からの光線は、反射面がアルミの薄膜である17個の凹面鏡により多重反射し、第1の受光部(フォトダイオード)に到達する。光路長は1mの長さであり、発光部から放出された光の15%以上が受光部に到達するように設計された。
LEDを100mAの電流値で間欠駆動し、メタン濃度換算で数ppm程度の分解能が実現できた。
<第2の発光部、受光部、及び光路領域>
第2の発光部、第2の受光部、及び第2の光路領域は、上述した第1の発光部、第1の受光部、及び第1の光路領域と下記の項目が異なるように構成された。
活性層の厚み:1μm
活性層のAlの組成:14%
フォトダイオード段数:41段
LED段数:6段
光学フィルタ中心波長:2.7μm
凹面鏡:5個
光路長:80mm
LEDを100mAの電流値で間欠駆動し、水蒸気濃度換算で500ppm程度の分解能が実現できた。
<水蒸気影響を除去する補正>
上記で得られた第2の受光部からの出力S2と第1の受光部からの出力S1との相関関数をfとすると、メタン濃度が0ppmの条件下において、下記の式(1)が得られる。
S1=f(S2)|0ppm … (1)
水蒸気の影響を補正し、第1の受光部からメタンによる信号変化のみを取り出した出力変動率S1adjは式(2)のように算出できる。
S1adj=(S1―f(S2)|0ppm)/f(S2)|0ppm … (2)
ここで、式(1)及び式(2)における「|0ppm」は、測定対象ガス(メタンガス)が0ppmの条件下で得られた相関関数fであることを示す。
式(2)ではメタンが0ppmの場合、水蒸気の濃度が0ppm以上であっても、出力変動率S1adjは0ppmとなる。つまり、水蒸気の濃度が変化しても、メタン濃度が変化しない場合、出力変動率S1adjは変化しない。式(2)では、メタン濃度が変動したときのみ、出力変動率S1adjがメタン濃度の変動に応じて変化する。
図3は本実施例において、上記式(1)で示した相関関数f(S2)の導出に用いた測定結果である。メタン濃度が0ppmでかつ60℃の環境下において、相対湿度を0%、40%、60%、80%と変化させたときの第1の受光部からの出力S1と第2の受光部からの出力S2の測定結果をプロットし、相関関数f(S2)を導出した。また相関関数f(S2)の導出には、第1の受光部からの出力S1と第2の受光部からの出力S2に対し、温度センサの温度情報を用い、温度補正を行った後の値を用いてよい。そうすることで温度補正機能も備えた相関関数f(S2)を導出することができる。
図4では水蒸気補正をせずに(第1の受光部からの出力S1のみを用いて)、水蒸気が温度60℃での相対湿度RH40%、60%、80%相当のそれぞれの環境下における、メタン濃度変化に応じた第1の受光部からの出力変動率「(S1-S1(0))/S1(0)」を示す。出力変動率は、メタン及び水蒸気が0ppmの時の、第1の受光部からの出力信号「S1(0)」を基準にし、信号減衰量「S1―S1(0)」を出力変動率「S1―S1(0)/S1(0)」で表したものである。図4から明らかな通り、相対湿度が変化すると、同じメタン濃度であっても出力信号が異なるため、出力信号からメタン濃度を高精度に特定することができない。
他方、図5は第1の受光部からの出力信号に加えて、第2の受光部からの出力S2も用いて、上記式(1)(2)に示した関数から水蒸気の影響を補正し、メタンによる信号変化のみを取り出した出力変動率S1adjを示す。
図5に示されたとおり、相対湿度RHが変化しても各メタン濃度で補正された出力信号変動率は略一致しており、当該補正された出力信号からメタン濃度を高精度に特定することが可能であることが理解できる。
ここで、出力変動率S1adjに対し、濃度演算テーブル又は指数関数のフィッティングを適用することで、測定対象ガスの濃度を演算することができる。例えば、一定の水蒸気濃度下で、測定対象ガスの濃度Cを変更させた場合の出力変動率S1adjとの相関を示す関数をgとした場合、測定対象ガスの濃度Cは、下記の式(3)より得られる。
C=g(S1adj) … (3)
ここで、測定対象ガスの濃度を算出することに用いられる式(2)及び式(3)は多項式であることが好ましい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特に、本実施形態の説明では湿度(水蒸気)による影響を除去することを中心に説明したが、他の精度誤差要因による影響を除去することも可能である。一例としては温度特性(測定時の温度による出力変化)による影響を除去することが可能である。
10 第1の光路領域
20 第2の光路領域
30 共通領域
101 第1の発光部
102 第1の受光部
201 第2の発光部
202 第2の受光部
103 第1の光学フィルタ
203 第2の光学フィルタ
300 温度センサ
400 発光駆動部
500 濃度演算部
1000 ガスセンサ
L1 第1の発光部からの光線
L2 第2の発光部からの光線

Claims (13)

  1. それぞれ赤外線を出力する第1の発光部及び第2の発光部と、
    それぞれ入射した赤外線に応じた出力信号を出力する第1の受光部及び第2の受光部と、
    前記第1の発光部から出射した光が前記第1の受光部に入射するまでに通過する第1の光路領域と、
    前記第2の発光部から出射した光が前記第2の受光部に入射するまでに通過する第2の光路領域と、を備え、
    前記第1の光路領域と前記第2の光路領域は少なくとも一部に共通領域を有し、
    前記第1の光路領域の光路長は、第2の光路領域の光路長よりも長く、
    前記第1の受光部の所定量の測定対象ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率は、前記第2の受光部の前記所定量の測定対象ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率よりも大きく、
    前記第2の受光部の所定量の干渉ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率は、前記第1の受光部の前記所定量の干渉ガスの濃度変化に対する出力信号の変化率よりも大きく、
    前記第2の受光部の感度ピーク波長は、水蒸気の吸収波長と重なるガスセンサ。
  2. 前記第1の受光部と前記第2の受光部の分光感度特性が異なる請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記第1の受光部と前記第2の受光部の応答速度が異なる請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記第1の受光部及び前記第2の受光部は量子型赤外線センサである請求項1から3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  5. 前記第1の光路領域又は前記第2の光路領域のいずれか一方の領域中に光学フィルタを更に備える請求項1から4のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  6. 前記第1の光路領域及び前記第2の光路領域のそれぞれの領域中に、それぞれ波長透過特性が異なる光学フィルタを更に備える請求項1から4のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  7. 前記第1の発光部と前記第2の発光部の発光スペクトルが異なる請求項1から6のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  8. 前記第1の発光部及び前記第2の発光部は赤外線LEDである請求項1から7のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  9. 前記第2の受光部の感度ピーク波長は2~3μm又は5~8μmに重なる、請求項1から8のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  10. 前記第1の受光部の感度ピーク波長は、前記第2の受光部の感度ピーク波長よりも3.3μmに近い請求項1から9のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  11. 前記第2の受光部の感度ピーク波長は、前記第1の受光部の感度ピーク波長よりも2.7μmに近い請求項1から10のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  12. 前記第1の受光部の出力信号と前記第2の受光部の出力信号から、前記干渉ガスの影響を除去した式を算出し、前記式を用いて前記測定対象ガスの濃度を算出する、請求項1から11のいずれか一項に記載のガスセンサ。
  13. 前記式は多項式であることを特徴とする、請求項12に記載のガスセンサ。
JP2022030424A 2021-03-25 2022-02-28 ガスセンサ Pending JP2022151664A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US17/655,789 US11835451B2 (en) 2021-03-25 2022-03-22 Gas sensor
US18/495,152 US20240053262A1 (en) 2021-03-25 2023-10-26 Gas sensor

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021052311 2021-03-25
JP2021052311 2021-03-25

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022151664A true JP2022151664A (ja) 2022-10-07

Family

ID=83465279

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022030424A Pending JP2022151664A (ja) 2021-03-25 2022-02-28 ガスセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022151664A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116953178A (zh) * 2023-09-20 2023-10-27 安徽省大气探测技术保障中心 一种温室气体浓度监测系统及方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116953178A (zh) * 2023-09-20 2023-10-27 安徽省大气探测技术保障中心 一种温室气体浓度监测系统及方法
CN116953178B (zh) * 2023-09-20 2023-12-01 安徽省大气探测技术保障中心 一种温室气体浓度监测系统及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20240053262A1 (en) Gas sensor
GB2583023A (en) A gas sensor probe and a detection apparatus based on spiral light path with multiple-point reflection
CN104246477B (zh) 物质特性测定装置
US20140034840A1 (en) Gas analyser
US8144332B2 (en) Temperature measurement apparatus and method
TWI633294B (zh) Concentration measuring device
KR20120103662A (ko) 적외선 불꽃 검출기
KR20150077302A (ko) 파장 중심 검출 기반 센서 장치 및 방법
CN106033054A (zh) 一种激光温湿度测量装置及方法
JP2022151664A (ja) ガスセンサ
JP6626281B2 (ja) ガスセンサ
JP2017015568A (ja) ガスセンサ
JP2005292009A (ja) 赤外線式ガス検出器及び検出方法
JPS62118223A (ja) デュアルスペクトル光学式高温計
JP6516484B2 (ja) 液中溶存物濃度測定装置
US11796458B2 (en) Concentration measurement device
US10996201B2 (en) Photoacoustic measurement systems and methods using the photoacoustic effect to measure emission intensities, gas concentrations, and distances
US7466419B2 (en) Spectral instrument
JP2014142299A (ja) ガス濃度測定装置
KR102223821B1 (ko) 다종 가스 측정 장치
JP5932294B2 (ja) 受動光学式気体状排出物センサ
JPH0915048A (ja) 分光光度計
JP2017032317A (ja) ガス濃度測定装置
JP7228209B2 (ja) 濃度測定方法
JP2011169644A (ja) 光検出器