JP2022151019A - 積層体、包装材、包装体および積層体の製造方法 - Google Patents

積層体、包装材、包装体および積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂層を薄膜にしても、当該樹脂層と紙基材とがダイレクト接着され、かつ、得られた積層体において、紙基材と樹脂層との間の良好な接着強度が得られ、カールの発生を抑制できる積層体を提供する。【解決手段】積層体10は、紙基材1と、紙基材1の片面または両面に隣接して設けられた樹脂層2と、を備え、紙基材1は、坪量が10g/m2以上100g/m2未満であり、樹脂層2は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を含み、樹脂層2は、厚みが1μm以上20μm未満であり、積層体10について、特定の測定条件により測定したTDカールaおよびMDカールaがいずれも10mm未満である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体、包装材、包装体および積層体の製造方法に関する。
世界的に環境問題に対する取り組みが広がっており、中でもプラスチック使用量の削減や、有機溶剤使用量の削減が注目されている。プラスチック使用量の削減の取り組みの一つとして、包装材料としてバイオマス材料のひとつである紙の活用検討が増加している。紙自体にシール性能は無く、紙のみを包装材料として使用することができるのは、ごく限られた用途、目的、被包装物にとどまる。そのため、一般的には、紙にシール性能などを付与するため、紙とプラスチックとを積層した複合材料が使用されている。
紙とプラスチックとは、一般的に接着し難いことから、紙基材とプラスチックフィルムとを有機溶剤を含む接着剤を介して積層されることが多い。例えば、特許文献1では、純白紙と2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムとを2液硬化型ドライラミネート接着剤を介して積層することが記載されている。また、特許文献2、特許文献3では、ポリエステルポリオールとポリイソシアネート化合物を含有してなるガスバリア性接着剤層を介して、紙層とシーラントフィルムである未延伸ポリエチレンフィルム(LLDPE)とを積層することが記載されている。
一方で、有機溶剤を含む接着剤を使用することなく紙とプラスチックとを直接積層させる技術(いわゆるダイレクト接着)も知られている。
例えば、特許文献4では、コロナ処理を施した紙基材に、高圧法低密度ポリエチレンを積層することが記載されている。特許文献5では、クラフト紙に、エチレン-αオレフィン共重合体とプロピレン-エチレン共重合体との樹脂組成物を積層することが記載されている。特許文献6では、純白ロール紙に、低密度ポリエチレン樹脂とポリエステル樹脂とに相溶化剤を添加した樹脂組成物を積層することが記載されている。
特開2008-24372号公報 特開2017-226186号公報 特開2018-1539号公報 特開2015-51632号公報 特開2017-132134号公報 特開2007-276194号公報
有機溶剤の使用量を減少させるという観点から、上記のとおり、有機溶剤を含む接着剤を使用する事なく紙とプラスチックとを直接積層することが好ましい。さらに、紙とプラスチックとを直接積層する場合においても、プラスチック使用量の削減という観点から、可能な限りプラスチック使用量が少ないことが好ましい。そのため、プラスチックは薄膜であることが望まれる。
また、紙とプラスチックとを直接積層した従来の積層体では、カールを生じやすいため、それが原因となり製品不良が発生したり、成形加工時にトラブルが生じたりすることが多いという問題もある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、紙基材とプラスチックとが直接積層され、かつ、薄膜とすることができ、カールの発生を抑制できる積層体を提供するものである。
発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意研究したところ、積層体の樹脂層として、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体を使用すると、樹脂層を薄膜にしても当該樹脂層と紙基材とがダイレクト接着され、かつ、得られた積層体において、紙基材と樹脂層との間の接着強度が高く、紙剥け状態も良好であり、さらに、カールの発生を抑制できることを見出した。
すなわち、本発明によれば、以下に示す積層体等が提供される。
[1]
紙基材と、
上記紙基材の片面または両面に隣接して設けられた樹脂層と、
を備える積層体であって、
上記紙基材は、坪量が10g/m以上100g/m未満であり、
上記樹脂層は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を含み、
上記樹脂層は、厚みが1μm以上20μm未満であり、
上記積層体について、以下の測定条件(a)により測定したTDカールaおよびMDカールaがいずれも10mm未満である、積層体。
測定条件(a):10cm四方の矩形開口部を有する金属性枠材を準備し、当該矩形開口部の各辺が、上記積層体の押出コーティング時の流れ方向(MD方向)及び押出コーティング時の流れ方向と垂直をなす方向(TD方向)とそれぞれ平行になるように、上記積層体の樹脂層側の面上に配置する。続いて、当該矩形開口部に露出した上記積層体を当該矩形開口部の対角線上にカットし、当該対角線の交点を頂点とし、当該矩形開口部の各辺をそれぞれ底辺とする4つの直角二等辺三角形を形成する。上記直角二等辺三角形のそれぞれの上記頂点から上記樹脂層側の面までの高さを測定し、MD方向に平行な辺を底辺とする上記直角二等辺三角形の上記頂点から上記樹脂層側の面までの高さの最大値をTDカールa[mm]、及びTD方向に平行な辺を底辺とする上記直角二等辺三角形の上記頂点から上記樹脂層側の樹脂層側の面までの高さの最大値をMDカールa[mm]とする。
[2]
[1]記載の積層体において、
上記積層体について、以下の測定条件(b)により測定したTDカールbおよびMDカールbがいずれも10mm未満である、積層体。
測定条件(b):10cm四方の矩形開口部を有する金属性枠材を準備し、当該矩形開口部の各辺が、上記積層体の押出コーティング時の流れ方向(MD方向)及び押出コーティング時の流れ方向と垂直をなす方向(TD方向)とそれぞれ平行になるように、上記積層体の紙基材側の面上に配置する。続いて、当該矩形開口部に露出した上記積層体を当該矩形開口部の対角線上にカットし、当該対角線の交点を頂点とし、当該矩形開口部の各辺をそれぞれ底辺とする4つの直角二等辺三角形を形成する。上記直角二等辺三角形のそれぞれの上記頂点から上記紙基材側の面までの高さを測定し、MD方向に平行な辺を底辺とする上記直角二等辺三角形の上記頂点から上記紙基材側の面までの高さの最大値をTDカールb[mm]、及びTD方向に平行な辺を底辺とする上記直角二等辺三角形の上記頂点から上記紙基材側の面までの高さの最大値をMDカールb[mm]とする。
[3]
[1]または[2]に記載の積層体において、
上記エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を構成する共重合体の全構成単位に対して、不飽和カルボン酸に由来する構成単位を1質量%以上25質量%以下含む積層体。
[4]
[1]乃至[3]のいずれか一つに記載の積層体において、
上記紙基材の上記樹脂層側の面がコロナ処理されている積層体。
[5]
[1]乃至[4]のいずれか一つに記載の積層体において、
上記樹脂層が、押出コーティング加工層である積層体。
[6]
[1]乃至[5]のいずれか一つに記載の積層体により構成された層を少なくとも備える包装材。
[7]
[6]に記載の包装材と、上記包装材により包装された物品と、を備える包装体。
[8]
紙基材と、上記紙基材の片面または両面に隣接して設けられた樹脂層と、を備える積層体の製造方法であって、
上記紙基材は、坪量が10g/m以上100g/m未満であり、
上記樹脂層は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を含み、
上記樹脂層は、厚みが1μm以上20μm未満である積層体であり、
上記紙基材上に上記樹脂層を構成する樹脂組成物を溶融押出コーティングすることにより、上記紙基材上に上記樹脂層を形成する押出工程を含む積層体の製造方法。
本発明によれば、樹脂層を薄膜にしても、当該樹脂層と紙基材とがダイレクト接着され、かつ、得られた積層体において、紙基材と樹脂層との間の良好な接着強度が得られ、カールの発生を抑制できる積層体を提供することができる。
本実施形態の積層体の断面を模式的に示す図である。 カールの測定方法を説明するための模式平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、数値範囲の「X~Y」は特に断りがなければ、X以上Y以下を表す。
1. 積層体について
図1に示すように、本実施形態の積層体10は、紙基材1と、紙基材1の片面に隣接して設けられた樹脂層2と、を備える。紙基材1は、坪量が10g/m以上100g/m未満であり、樹脂層2は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を含み、樹脂層2は、厚みが1μm以上20μm未満である。積層体10は、以下の測定条件(a)により測定したTDカールaおよびMDカールaがいずれも10mm未満である。TDカールaおよびMDカールaはいずれも、好ましくは7mm以下であり、より好ましくは5mm以下である。
測定条件(a):10cm四方の矩形開口部を有する金属性枠材を準備し、当該矩形開口部の各辺が、積層体10の押出コーティング時の流れ方向(MD方向)及び押出コーティング時の流れ方向と垂直をなす方向(TD方向)とそれぞれ平行になるように、積層体10の樹脂層2側の面上に配置する。続いて、当該矩形開口部に露出した10積層体を当該矩形開口部の対角線上にカットし、当該対角線の交点を頂点とし、当該矩形開口部の各辺をそれぞれ底辺とする4つの直角二等辺三角形を形成する。前記直角二等辺三角形のそれぞれの前記頂点から樹脂層2側の面までの高さを測定し、MD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から樹脂層2側の面までの高さの最大値をTDカールa[mm]、及びTD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から樹脂層2側の面までの高さの最大値をMDカールa[mm]とする。
ただし、TDカールaおよびMDカールaは、積層体10の任意の3箇所で測定条件(a)による測定を行い、得られた12の直角三角形のうち、MD方向に平行な辺を底辺とする6つの直角二等辺三角形と、TD方向に平行な辺を底辺とする6つの直角二等辺三角形それぞれにおいて、6つの直角三角形の各頂点の高さ6点の中での最大値である。
なお、カールが積層体10の面に対して90°を超えて反る場合は、カールの高さが直角二等辺三角形の頂点が取り得る最大高さよりも低くなることが起こり得るが、その場合はカールが大きすぎると判断し、TDカールaおよびMDカールaの測定不可とする。
すなわち、図2(a)に示すように、まず、積層体10の樹脂層2側の面を上面とし、その上に金属性枠材21を配置する。このとき、金属性枠材21の内側にある矩形開口部の各辺が、積層体10の押出コーティング時の流れ方向(MD方向)及び押出コーティング時の流れ方向と垂直をなす方向(TD方向)とそれぞれ平行になるように配置する。
次に、図2(b)に示すように、当該矩形開口部の対角線に合わせて、当該矩形開口部に露出した積層体10をカットする。これにより、当該対角線の交点を頂点とし、当該矩形開口部の各辺をそれぞれ底辺とする4つの直角二等辺三角形を形成する。
ここで、積層体がカール性を有する場合、当該各直角二等辺三角形の頂点が上方に持ち上がるようになる。そこで、本実施形態においては、当該直角二等辺三角形の頂点から、積層体10の上面、すなわち樹脂層2側の面上までの高さを測定し、カール性を評価している。
従来の積層体がカール性を有する理由は、一般的に、押出コーティング加工により作製する積層体では、押出樹脂の冷却時の結晶化に伴う収縮、基材の収縮、又は基材間の張力の差(ひずみ)などにより、カールが発生するためである。
これに対し、本実施形態の積層体10では、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を使用した場合にカールを抑制できる。かかる理由について本発明者らは次のように推定している。エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)は結晶性が低く、押出コーティング加工後の冷却に伴う収縮が小さい。また、応力緩和性に優れており、ひずみが残りにくいため、カールを効果的に抑制できると考えられる。
本実施形態の積層体10によれば、樹脂層2を薄膜としても、樹脂層2と紙基材1とがダイレクト接着されるとともに、紙基材1と樹脂層2との間の良好な接着強度が得られ、カールの発生を抑制できる。さらには、紙剥け状態を良好にすることができる。
すなわち、紙基材1と樹脂層2との間の接着強度が良好であれば、紙剥け状態が良好になりやすい。紙剥け状態が良好とは、積層体10を紙基材1側の面と樹脂層2側の面とに引き剥がそうとした場合、紙基材1と樹脂層2との間で剥離せず、紙基材1が破壊されながら樹脂層2から剥離することを示す。すなわち、紙基材1と樹脂層2とが良好な接着強度により接着されていることにより、紙基材1と樹脂層2との間で剥離できる程度の接着強度に至る前に、紙基材1が破壊する状態で樹脂層2から剥離する。紙剥け状態として、紙基材1と樹脂層2との間で剥離せず、紙基材1が破壊する状態で樹脂層2から剥離する方が、積層体を裁断、折り曲げ、穴開けなどの二次加工する場合及び包装材などへ使用する場合に切断不良などのトラブルを回避可能である点で好ましい。
なお、本実施形態においては、紙基材1の片面に樹脂層2が隣接して設けられた例について説明するが、樹脂層2は紙基材1の両面に隣接して設けられてもよい。
本実施形態の積層体10は、紙基材1と樹脂層2とが有機溶剤を含む接着剤などを介さずに接着されたものであり、いわゆるダイレクト接着されたものである。
積層体10全体の厚みは、積層体10の用途に応じて適宜設定することができるが、好ましくは、15μm以上250μm以下であり、より好ましくは30μm以上200μm以下であり、さらに好ましくは50μm以上150μm以下である。
さらに積層体10は、以下の測定条件(b)により測定したTDカールbおよびMDカールbがいずれも10mm未満であることが好ましく、7mm以下がより好ましく、5mm以下がさらに好ましい。
測定条件(b):10cm四方の矩形開口部を有する金属性枠材を準備し、当該矩形開口部の各辺が、積層体10の押出コーティング時の流れ方向(MD方向)及び押出コーティング時の流れ方向と垂直をなす方向(TD方向)とそれぞれ平行になるように、積層体10の紙基材1側の面上に配置する。続いて、当該矩形開口部に露出した積層体10を当該矩形開口部の対角線上にカットし、当該対角線の交点を頂点とし、当該矩形開口部の各辺をそれぞれ底辺とする4つの直角二等辺三角形を形成する。前記直角二等辺三角形のそれぞれの前記頂点から紙基材1側の面までの高さを測定し、MD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から紙基材1側の面までの高さの最大値をTDカールb[mm]、及びTD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から紙基材1側の面までの高さの最大値をMDカールb[mm]とする。
ただし、TDカールbおよびMDカールbは、積層体10の任意の3箇所で測定条件(b)による測定を行い、得られた12の直角三角形のうち、MD方向に平行な辺を底辺とする6つの直角二等辺三角形と、TD方向に平行な辺を底辺とする6つの直角二等辺三角形それぞれにおいて、6つの直角三角形の各頂点の高さ6点の中での最大値である。
なお、カールが積層体10の面に対して90°を超えて反る場合は、カールの高さが前記直角二等辺三角形の頂点が取り得る最大高さよりも低くなることが起こり得るが、その場合はカールが大きすぎると判断し、TDカールbおよびMDカールbの測定不可とする。
これにより、樹脂層2を薄膜としても、樹脂層2と紙基材1とがダイレクト接着されるとともに、紙基材1と樹脂層2との間の一層良好な接着強度が得られ、カールの発生を効果的に抑制できる。さらには、紙剥け状態をより良好にすることができる。
上記の測定条件(a)、(b)は、環境温度23℃、相対湿度50%RHである。カット方法は、特に限定されず公知の方法とすることができ、例えば、カッター等を用いる方法が挙げられる。また、金属性枠材21は、積層体10を固定するために用いられる。金属性枠材21は、10cm四方の矩形開口部、すなわち1辺の長さが10cmの正方形の開口部を有するものであれば、特に限定されず、用いることができる。
上記のTDカールa,b、MDカールa,bを満たす積層体10は、紙基材1の坪量、樹脂層2の樹脂材料および厚み、または表面処理等を調整することにより、実現できる。
以下、積層体10を構成する各層の詳細について説明する。
<紙基材>
紙基材1は、坪量が10g/m以上100g/m未満であり、好ましくは20g/m以上80g/m以下であり、より好ましくは30g/m以上60g/m以下である。
紙基材1の坪量を上記下限値以上とすることにより、積層体の適度な強度が得られる。
紙基材1の坪量を上記上限値以下とすることにより、積層体の加工性を良好にできる。また、耐カール性が得られやすくなる。
紙基材1としては、上記の坪量を満たすものであれば特に限定されないが、例えば、上質紙、純白ロール紙、コート紙、クラフト紙、片面アート紙、両面アート紙、および混抄紙などが好適に使用できるが、これらに制限されない。また、必要に応じて紙基材1の外表面に印刷層を設けることができる。
紙基材1は、樹脂層2が隣接する側の面において、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、およびオゾン処理等の物理的処理がなされてもよい。なかでも、コロナ処理されていることが好ましい。これにより、接着強度を高めることができる。
また、紙基材1は、その片面または両面がコロナ処理されていてもよい。
<樹脂層>
本実施形態の樹脂層2の厚さは、1μm以上20μm未満であり、好ましくは3μm以上15μm以下、さらに好ましくは5μm以上12μm以下である。
樹脂層2の厚さを上記下限値以上とすることにより、押出コーティング時の良好な製膜を確保することができる。一方、樹脂層2の厚さを上記上限値以下とすることにより、紙基材1への接着性を維持しつつ、プラスチック使用量を削減できる。また、耐カール性を良好にできる。
樹脂層2は、紙基材1が隣接する側の面において、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理、およびオゾン処理等の物理的処理がなされてもよい。なかでも、オゾン処理されていることが好ましい。これにより、接着強度を高めることができる。
[エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)]
樹脂層2は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を含む。これにより、紙基材1への接着性が得られる。また、耐カール性が得られやすくなる。
樹脂層2中のエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)の含有量は、樹脂層2の全体を100質量%としたとき、接着性の観点から、好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上である。エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)の含有量の上限は特に限定されないが、例えば、100質量%である。これにより耐カール性が得られやすくなる。
エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体は、少なくとも、エチレンと、不飽和カルボン酸から選ばれるモノマーとを共重合成分として共重合させた重合体であり、必要に応じて、エチレンおよび不飽和カルボン酸系以外のモノマーが共重合されてもよい。
共重合体においては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいが、生産性を考慮すると2元ランダム共重合体、3元ランダム共重合体、2元ランダム共重合体のグラフト共重合体あるいは3元ランダム共重合体のグラフト共重合体を使用するのが好ましく、より好ましくは2元ランダム共重合体又は3元ランダム共重合体である。
エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)としては、エチレン・不飽和カルボン酸2元共重合体及びエチレン・不飽和カルボン酸アルキルエステル・不飽和カルボン酸3元共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)は、少なくともエチレンと不飽和カルボン酸とが共重合した共重合体であり、さらに第3の共重合成分が共重合した3元以上の多元共重合体であってもよい。
多元共重合体において、エチレン及び該エチレンと共重合可能な(メタ)アクリル酸のほかに、第3の共重合成分として、不飽和カルボン酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等)、不飽和炭化水素(例えば、プロピレン、ブテン、1,3-ブタジエン、ペンテン、1,3-ペンタジエン、1-ヘキセン等)、ビニル硫酸やビニル硝酸等の酸化物、ハロゲン化合物(例えば、塩化ビニル、フッ化ビニル等)、ビニル基含有1,2級アミン化合物、一酸化炭素、二酸化硫黄等が共重合されていてもよい。
これらの中でも、第3の共重合成分としては、不飽和カルボン酸エステルが好ましく、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル部位の好ましい炭素数は1~4)がより好ましい。
第3の共重合成分に由来の構成単位のエチレン・(メタ)アクリル酸系共重合体中における含有比率は、25質量%以下の範囲が好ましい。
第3の共重合成分に由来の構成単位の含有比率が上記上限値以下であると、生産・混合の点で好ましい。
不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノエステル(マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル等)、無水マレイン酸モノエステル(無水マレイン酸モノメチル、無水マレイン酸モノエチル等)等の炭素数4~8の不飽和カルボン酸又はハーフエステルが挙げられる。
これらの中でも、上記不飽和カルボン酸は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)の生産性等の観点から、アクリル酸およびメタクリル酸から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。これらの不飽和カルボン酸は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)において、エチレンに由来する構成単位の含有量は、好ましくは65質量%以上95質量%以下、より好ましくは75質量%以上93質量%以下、さらに好ましくは80質量%以上92質量%以下である。
本実施形態に係るエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)において、不飽和カルボン酸に由来する構成単位の含有量(すなわち、不飽和カルボン酸の含有量X)は、好ましくは1質量%以上25質量%以下、より好ましくは2質量%以上20質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上15質量%以下であり、ことさらに好ましくは4質量%以上12質量%以下である。
エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)中の不飽和カルボン酸の含有量(X)は、例えば、フーリエ変換赤外吸収分光法(FT-IR)により測定することができる。
エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造することができる。また、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)は市販されているものを用いてもよい。
本実施形態において、JIS K7210:1999に準拠し、190℃、2160g荷重の条件で測定される、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)のメルトフローレート(MFR)は、0.1g/10分以上50g/10分以下であることが好ましく、1g/10分以上30g/10分以下であることがより好ましく、2g/10分以上20g/10分以下であることがより好ましい。MFRが上記範囲内であると、加工性が一層良好となる。
[その他]
樹脂層2には、本発明の目的を損なわない範囲内において、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)以外の成分を含有させることができる。その他の成分としては特に限定されないが、例えば、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、界面活性剤、着色剤、光安定剤、発泡剤、潤滑剤、結晶核剤、結晶化促進剤、結晶化遅延剤、触媒失活剤、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)以外の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、無機充填剤、有機充填剤、耐衝撃性改良剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、粘着付与剤、シランカップリング剤、加工助剤、離型剤、加水分解防止剤、耐熱安定剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、難燃剤、難燃助剤、光拡散剤、抗菌剤、防黴剤、分散剤やその他の樹脂等を挙げることができる。その他の成分は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の樹脂層2は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)およびその他の成分を含む樹脂組成物から構成される。本実施形態の樹脂層2の製造方法としては、後述の積層体10の製造方法で説明されるように、当該樹脂組成物を溶融した押出ラミネート法等が好適に挙げられる。この場合、樹脂層2は、押出コーティング加工層である。
<その他の層>
積層体10は、紙基材1、および樹脂層2のみで構成されていてもよいし、積層体10に様々な機能を付与する観点から、上記以外の層(以下、その他の層とも呼ぶ。)を有していてもよい。
その他の層としては、例えば、バリア層、シーラント層、発泡層、無機物層、ハードコート層、反射防止層、および防汚層等を挙げることができる。その他の層は1層単独で用いてもよいし、2層以上を組み合わせて用いてもよい。
<用途>
本実施形態の積層体10は、例えば、食品、医薬品、工業用品、日用品、化粧品等を包装するために用いられる包装材として好適に用いることができる。
<製造方法>
積層体10の製造方法としては、紙基材1上に樹脂層2を構成する樹脂組成物を溶融押出コーティングすることにより、紙基材1上に樹脂層2を形成する押出工程を少なくとも含む。すなわち、積層体10の樹脂層2は押出コーティング法によって形成された押出コーティング加工層であることが好ましい。
押出コーティング法を用いると、他の成膜法等に比べて、成形時の樹脂温度を高めることができ、紙基材1上にエチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を含む樹脂組成物を溶融状態でコーティングでき、良好な積層状態が得られる。
すなわち、本実施形態に係る積層体10体の製造方法によれば、紙基材1上に、樹脂層2を精度よく安定的に形成することができる。
上記押出工程における成形装置および成形条件としては特に限定されず、従来公知の成形装置および成形条件を採用することができる。成形装置としては、T-ダイ押出機等を用いることができる。また、成形条件としては、公知の押出コーティング方法の成形条件を採用することができる。
積層体10の製造方法において、押出工程における押出コーティング温度は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)の種類や配合によって適宜設定されるため特に限定されないが、製膜性を良好にする観点から、200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、280℃以上であることがさらに好ましい。
押出工程における押出コーティング温度の上限は特に限定されないが、例えば、350℃以下である。
2.包装材
本実施形態に係る包装材は、上記の積層体10により構成された層を備える。また、本実施形態に係る包装材は、その一部に積層体10を使用してもよいし、包装材の全体に積層体10を使用してもよい。
本実施形態に係る包装材の形状は、特に限定されないが、例えば、シート状、フィルム状、および袋状等の形状が挙げられる。また、上記の袋状の形態は、特に限定されないが、例えば、三方袋、四方袋、ピロー袋、ガセット袋、およびスティック袋等が挙げられる。
本実施形態に係る包装材は、例えば、食品、医薬品、工業用品、日用品、および化粧品等を包装するために用いられる包装材として好適に用いることができ、食品包装材としてさらに好適に用いることができる。
3.包装体
本実施形態に係る包装体は、上記の包装材と、包装材により包装された物品と、を備える。物品としては、例えば、食品、医薬品、工業用品、日用品、および化粧品等が挙げられる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)積層体の材料
なお、メルトフローレート(MFR)は、JIS K7210:1999に準拠して測定した。
<紙基材>
・クラフト紙(大興製紙株式会社製、坪量50g/m、厚み60μm)
・上質紙(紀州製紙株式会社製、坪量52g/m、厚み63μm)
<エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体>
・エチレン・アクリル酸共重合体1(エチレン単位含有量95質量%、アクリル酸単位含有量5質量%、MFR(190℃、2160g荷重)8g/10分、密度930kg/m
・エチレン・アクリル酸共重合体2(エチレン単位含有量90質量%、アクリル酸単位含有量10質量%、MFR(190℃、2160g荷重)10g/10分、密度940kg/m
・エチレン・メタクリル酸共重合体1(エチレン単位含有量89質量%、メタクリル酸単位含有量11質量%、MFR(190℃、2160g荷重)8g/10分、密度940kg/m
<その他の樹脂>
・LDPE1:低密度ポリエチレン(MFR(190℃、2160g荷重)7.2g/10分、密度917kg/m
・LDPE2:低密度ポリエチレン(MFR(190℃、2160g荷重)23g/10分、密度923kg/m
(2)積層体の作製および評価
上記(1)の材料を用いて、以下の手順で積層体を作製した。
<実施例1>
65mmФ押出機(L/D=28)を有する押出ラミネーターを使用し、加工条件(ダイ下温度310℃、エアーギャップ120mm、加工速度120m/分、加工幅500mm)でクラフト紙(紙基材:坪量50g/m)の一方の面上に、インラインでコロナ処理(115W・min/m)を施した後、エチレン・アクリル酸共重合体1の溶融膜を押出すことにより押出コーティング加工し、積層体を作製した(樹脂層の厚み:10μm)。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例2>
溶融膜が押し出された直後に、その溶融膜のクラフト紙に接する側の面にオゾン処理(25g/m・1m/m)を施したことを追加した以外は実施例1と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例3>
溶融膜としてエチレン・アクリル酸共重合体2を使用したこと以外は実施例1と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例4>
溶融膜としてエチレン・アクリル酸共重合体2を使用したこと以外は実施例2と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例5>
ダイ下温度を288℃とし、溶融膜としてエチレン・メタクリル酸共重合体1を使用したこと以外は実施例1と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<実施例6>
ダイ下温度を288℃とし、溶融膜としてエチレン・メタクリル酸共重合体1を使用したこと以外は実施例2と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
樹脂層の厚みを20μmとしたこと以外は実施例1と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例2>
樹脂層の厚みを20μmとしたこと以外は実施例3と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例3>
樹脂層の厚みを20μmとしたこと以外は実施例5と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。評価結果を表1に示す。
<比較例4>
溶融膜としてLDPE1を使用したこと以外は実施例1と同様に押出コーティング加工した。しかし、溶融膜が切断してしまい、積層体を作製できなかった。
<比較例5>
溶融膜が押し出された直後に、その溶融膜のクラフト紙に接する側の面にオゾン処理(25g/m・1m/m)を施したことを追加した以外は比較例4と同様に押出コーティング加工した。しかし、溶融膜が切断してしまい、積層体を作製できなかった。
<比較例6>
ダイ下温度を307℃、溶融膜としてLDPE2を使用したこと以外は実施例1と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。ただし、接着強度の評価は、接着強度が低すぎるため、接着強度測定用サンプルを作製できなかった。評価結果を表1に示す。
<比較例7>
溶融膜が押し出された直後に、その溶融膜のクラフト紙に接する側の面にオゾン処理(25g/m・1m/m)を追加して施したこと以外は比較例6と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、以下の(3)の評価を行った。評価結果を表1に示す。ただし、接着強度の評価は、接着強度が低すぎるため、接着強度測定用サンプルを作製できなかった。
(3)評価
[加工性]
積層体の加工性を以下の基準で評価した。
(基準)
A:積層体の加工時に溶融膜を紙基材上に積層でき、積層体を作製できた。
B:積層体の加工時に溶融膜が切断してしまい、紙基材へ積層することができず、積層体を作製できなかった。
[接着強度]
得られた積層体を、23℃かつ50%RH雰囲気で7日間静置保管した後、樹脂層と紙基材との層間の接着強度[N/15mm]について、剥離強度試験機(インテスコ社製、IM-20X-ST型引張試験機)を用いて以下の条件で測定した。
なお、接着強度[N/15mm]は、包装材料として使用する場合の実用上の基準として、0.7N/15mm以上であることが好ましい。
(条件)
・形状:流れ方向(MD方向)へ15mm幅短冊状
・剥離速度:300mm/分
・剥離角度:T剥離
[紙剥け状態]
上記の接着強度の測定に使用した接着強度測定後の積層体(樹脂層と紙基材とが剥離されたサンプル)を顕微鏡で熟練した技術者が観察した。紙剥け状態は、以下の基準で評価した。
(基準)
A:紙基材と樹脂層との間で剥離せず、紙基材が破壊する状態で剥離していた(紙剥け)。
B:紙基材と樹脂層との間で剥離していた。
[耐カール性]
<TDカールaおよびMDカールa;樹脂層の面>
・得られた各積層体について、以下の測定条件(a)にしたがいTDカールaおよびMDカールaを測定した。
測定条件(a):10cm四方の矩形開口部を有した金属性枠材を準備し、当該矩形開口部の各辺が、前記積層体の押出コーティング時の流れ方向(MD方向)及び押出コーティング時の流れ方向と垂直をなす方向(TD方向)とそれぞれ平行になるように、前記積層体の樹脂層側の面上に配置した。続いて、当該矩形開口部に露出した前記積層体を当該矩形開口部の対角線上にカットし、当該対角線の交点を頂点とし、当該矩形開口部の各辺をそれぞれ底辺とした4つの直角二等辺三角形を形成した。前記直角二等辺三角形のそれぞれの前記頂点から前記樹脂層側の面までの高さを測定した。前記測定を前記積層体の任意の3箇所で実施し、MD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記樹脂層側の面までの高さ、及びTD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記樹脂層側の面までの高さについて、それぞれ6点のデータを取得した。MD方向に平行な辺を底辺とした前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記樹脂層側の面までの高さ6点の中での最大値をTDカールa[mm]、及びTD方向に平行な辺を底辺とした前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記樹脂層側の面までの高さ6点の中での最大値をMDカールa[mm]とした。
なお、カールが積層体の面に対して90°を超えて反る場合は、カールの高さが直角二等辺三角形の頂点が取り得る最大高さよりも低くなることが起こり得るが、その場合はカールが大きすぎると判断し、TDカールaおよびMDカールaの測定不可とした。ただし、実施例及び比較例の中で、測定不可となるものはなかった。
<TDカールbおよびMDカールb;紙基材の面>
・得られた各積層体について、以下の測定条件(b)にしたがいTDカールbおよびMDカールbを測定した。
測定条件(b):10cm四方の矩形開口部を有した金属性枠材を準備し、当該矩形開口部の各辺が、前記積層体の押出コーティング時の流れ方向(MD方向)及び押出コーティング時の流れ方向と垂直をなす方向(TD方向)とそれぞれ平行になるように、前記積層体の紙基材側の面上に配置した。続いて、当該矩形開口部に露出した前記積層体を当該矩形開口部の対角線上にカットし、当該対角線の交点を頂点とし、当該矩形開口部の各辺をそれぞれ底辺とした4つの直角二等辺三角形を形成した。前記直角二等辺三角形のそれぞれの前記頂点から前記紙基材側の面までの高さを測定した。前記測定を前記積層体の任意の3箇所で実施し、MD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記面までの高さ、及びTD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記樹脂層側の面までの高さについて、それぞれ6点のデータを取得した。MD方向に平行な辺を底辺とした前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記紙基材側の面までの高さ6点の中での最大値をTDカールb[mm]、及びTD方向に平行な辺を底辺とした前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記紙基材側の面までの高さ6点の中での最大値をMDカールb[mm]とした。
なお、カールが積層体の面に対して90°を超えて反る場合は、カールの高さが直角二等辺三角形の頂点が取り得る最大高さよりも低くなることが起こり得るが、その場合はカールが大きすぎると判断し、TDカールbおよびMDカールbの測定不可とした。ただし、実施例及び比較例の中で、測定不可となるものはなかった。
Figure 2022151019000002
(4)積層体の作製および評価
上記(1)の材料を用いて、以下の手順で積層体を作製した。
<実施例7>
紙基材として、上質紙(坪量52g/m)を用いたこと以外は実施例1と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、上記の(3)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<実施例8>
紙基材として、上質紙を用いたこと以外は実施例2と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、上記の(3)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<実施例9>
紙基材として、上質紙を用いたこと以外は実施例3と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、上記の(3)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<実施例10>
紙基材として、上質紙を用いたこと以外は実施例4と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
<実施例11>
紙基材として、上質紙を用いたこと以外は実施例5と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、上記の(3)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<比較例8>
紙基材として、上質紙を用いたこと以外は比較例1と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、上記の(3)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<比較例9>
紙基材として、上質紙を用いたこと以外は比較例2と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、上記の(3)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<比較例10>
紙基材として、上質紙を用いたこと以外は比較例3と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、上記の(3)の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<比較例11>
紙基材として、上質紙を用いたこと以外は比較例4と同様に押出コーティング加工した。しかし、溶融膜が切断してしまい、積層体を作製できなかった。
<比較例12>
紙基材として、上質紙を用いたこと以外は比較例5と同様に押出コーティング加工した。しかし、溶融膜が切断してしまい、積層体を作製できなかった。
<比較例13>
紙基材として、上質紙を用いたこと以外は比較例6と同様に押出コーティング加工し、積層体を作製した。
得られた積層体を用いて、上記の(3)の評価を行った。ただし、接着強度の評価は、接着強度が低すぎるため、接着強度測定用サンプルを作製できなかった。評価結果を表2に示す。
Figure 2022151019000003
実施例1~11は、加工性が良好であり、得られた積層体は、十分な接着強度および良好な紙剥け状態を示し、カール発生が小さかった。これに対し、比較例1~3、8~10は、加工性が良好であり、得られた積層体は、十分な接着強度および良好な紙剥け状態を示したものの、カール発生が大きかった。比較例4~5、11~12は、積層体の加工時に溶融膜が切断してしまい、紙基材へ積層することができず、積層体を作製できなかった。比較例6~7、13は、積層体は作製でき、カール発生が小さかったものの、紙基材と樹脂層との間の接着強度が低く、高い接着強度および良好な紙剥け状態を示さなかった。
10 積層体
1 紙基材
2 樹脂層
21 金属性枠材

Claims (8)

  1. 紙基材と、
    前記紙基材の片面または両面に隣接して設けられた樹脂層と、
    を備える積層体であって、
    前記紙基材は、坪量が10g/m以上100g/m未満であり、
    前記樹脂層は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を含み、
    前記樹脂層は、厚みが1μm以上20μm未満であり、
    前記積層体について、以下の測定条件(a)により測定したTDカールaおよびMDカールaがいずれも10mm未満である、積層体。
    測定条件(a):10cm四方の矩形開口部を有する金属性枠材を準備し、当該矩形開口部の各辺が、前記積層体の押出コーティング時の流れ方向(MD方向)及び押出コーティング時の流れ方向と垂直をなす方向(TD方向)とそれぞれ平行になるように、前記積層体の樹脂層側の面上に配置する。続いて、当該矩形開口部に露出した前記積層体を当該矩形開口部の対角線上にカットし、当該対角線の交点を頂点とし、当該矩形開口部の各辺をそれぞれ底辺とする4つの直角二等辺三角形を形成する。前記直角二等辺三角形のそれぞれの前記頂点から前記樹脂層側の面までの高さを測定し、MD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記樹脂層側の面までの高さの最大値をTDカールa[mm]、及びTD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記樹脂層側の樹脂層側の面までの高さの最大値をMDカールa[mm]とする。
  2. 請求項1記載の積層体において、
    前記積層体について、以下の測定条件(b)により測定したTDカールbおよびMDカールbがいずれも10mm未満である、積層体。
    測定条件(b):10cm四方の矩形開口部を有する金属性枠材を準備し、当該矩形開口部の各辺が、前記積層体の押出コーティング時の流れ方向(MD方向)及び押出コーティング時の流れ方向と垂直をなす方向(TD方向)とそれぞれ平行になるように、前記積層体の紙基材側の面上に配置する。続いて、当該矩形開口部に露出した前記積層体を当該矩形開口部の対角線上にカットし、当該対角線の交点を頂点とし、当該矩形開口部の各辺をそれぞれ底辺とする4つの直角二等辺三角形を形成する。前記直角二等辺三角形のそれぞれの前記頂点から前記紙基材側の面までの高さを測定し、MD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記紙基材側の面までの高さの最大値をTDカールb[mm]、及びTD方向に平行な辺を底辺とする前記直角二等辺三角形の前記頂点から前記紙基材側の面までの高さの最大値をMDカールb[mm]とする。
  3. 請求項1または2に記載の積層体において、
    前記エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を構成する共重合体の全構成単位に対して、不飽和カルボン酸に由来する構成単位を1質量%以上25質量%以下含む積層体。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層体において、
    前記紙基材の前記樹脂層側の面がコロナ処理されている積層体。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層体において、
    前記樹脂層が、押出コーティング加工層である積層体。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の積層体により構成された層を少なくとも備える包装材。
  7. 請求項6に記載の包装材と、前記包装材により包装された物品と、を備える包装体。
  8. 紙基材と、前記紙基材の片面または両面に隣接して設けられた樹脂層と、を備える積層体の製造方法であって、
    前記紙基材は、坪量が10g/m以上100g/m未満であり、
    前記樹脂層は、エチレン・不飽和カルボン酸系共重合体(A)を含み、
    前記樹脂層は、厚みが1μm以上20μm未満である積層体であり、
    前記紙基材上に前記樹脂層を構成する樹脂組成物を溶融押出コーティングすることにより、前記紙基材上に前記樹脂層を形成する押出工程を含む積層体の製造方法。
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