JP2022150506A - 冗長運転電源ユニットおよび電源システム - Google Patents
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Abstract
【課題】損失が小さい冗長運転電源ユニットを提供する。【解決手段】冗長運転電源ユニットは、複数の電源ユニットを備える冗長運転電源ユニットであって、複数の電源ユニットそれぞれの出力電圧のいずれか1つを相補的に負荷に印加する冗長運転電源ユニットであり、複数の電源ユニットそれぞれは、当該電源ユニットと負荷の間に配置されたトランジスタであって 当該電源ユニットの出力電圧が負荷に印加されるかどうかを制御するトランジスタを制御する制御信号を出力する制御部を備え、複数の電源ユニットそれぞれの制御部は互いに通信が可能なように構成されている。【選択図】図1
Description
本開示は冗長運転電源ユニットおよび電源システムに関するものである。
2つの電源ユニットの正極側出力をダイオードを介して突合せ接続することでバックアップ運転を行う方法が非特許文献1に示されている。
パワーサプライ テクニカルガイド、P.1870「バックアップ運転」、[online]、オムロン株式会社、[令和3年3月2日検索]、インターネット<URL:https://www.fa.omron.co.jp/data_pdf/commentary/etc/ps/ps_guide.pdf>
非特許文献1開示される方法では、電源ユニットの正極側に接続されるダイオードによる損失が大きいという問題がある。
本開示は上記のような問題を解決するためのものであり、損失が小さい冗長運転電源ユニットを提供することを目的とする。
本開示の冗長運転電源ユニットは、複数の電源ユニットを備える冗長運転電源ユニットであって、複数の電源ユニットそれぞれの出力電圧のいずれか1つを相補的に負荷に印加する冗長運転電源ユニットであり、複数の電源ユニットそれぞれは、当該電源ユニットと負荷の間に配置されたトランジスタであって当該電源ユニットの出力電圧が負荷に印加されるかどうかを制御するトランジスタを制御する制御信号を出力する制御部を備え、複数の電源ユニットそれぞれの制御部は互いに通信が可能なように構成されている、冗長運転電源ユニットである。
本開示の冗長運転電源ユニットは、複数の電源ユニットそれぞれの出力電圧のいずれか1つを相補的に負荷に印加する冗長運転電源ユニットであり、複数の電源ユニットそれぞれは、当該電源ユニットと負荷の間に配置されたトランジスタであって 当該電源ユニットの出力電圧が負荷に印加されるかどうかを制御するトランジスタを制御する制御信号を出力する制御部を備え、複数の電源ユニットそれぞれの制御部は互いに通信が可能なように構成されている。これにより、損失が小さい冗長運転電源ユニットが提供される。
<A.実施の形態1>
<A-1.構成>
図1は、実施の形態1の電源システム31の構成を示す図である。
<A-1.構成>
図1は、実施の形態1の電源システム31の構成を示す図である。
電源システム31は、主電源20と冗長運転電源ユニット11とを備える。主電源20は冗長運転電源ユニット11に電力を供給する電源である。
冗長運転電源ユニット11は、2つの電源ユニット1を備える。2つの電源ユニット1を、電源ユニット1Aおよび電源ユニット1Bとする。
電源ユニット1Aと電源ユニット1Bとで、出力電圧は同等であり、かつ定格出力電力等の性能は同等である。
冗長運転電源ユニット11は、トランジスタQAとトランジスタQBとを備える。
冗長運転電源ユニット11は、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bそれぞれの出力電圧のいずれか1つを相補的に負荷21に印加する。つまり、冗長運転電源ユニット11は、電源ユニット1Aおよび電源ユニット1Bを用い冗長運転を行う。
電源ユニット1は、入力端子2、入力端子3、出力端子4、出力端子5、および制御部6を備える。
冗長運転電源ユニット11の備える電源ユニット1それぞれには、入力端子2および入力端子3を介して、主電源20からの電力が供給される。
主電源20が電源ユニット1に供給する電流は、直流電流であってもよいし交流電流であってもよい。主電源20は例えば系統電源または電池である。
電源ユニット1は、出力端子4と出力端子5の間に2V(Vは電圧の大きさを表す変数)の電圧を発生させ、負荷21に対し電圧を印加する。出力端子4は正極側の出力端子であり、出力端子5は負極側の出力端子である。例えば、出力端子4の電位は+Vであり、出力端子5の電位は-Vである。
主電源20から出力される電圧は負荷21が必要とする電圧とは異なっている。そのため、主電源20から出力される電圧は、冗長運転電源ユニット11によって負荷21に適した電圧に変換されてから、負荷21に印加される。
図2に示されるように、制御部6は通信部61とトランジスタ制御部62と監視部63とを備える。通信部61は、冗長運転電源ユニット11の備える他の電源ユニット1との間での通信を行うためのものである。つまり、電源ユニット1Aの通信部61と電源ユニット1Bの通信部61とは互いに通信を行う。監視部63は、当該監視部63を備える電源ユニット1の状態を監視するためのものである。制御部6は、例えば、監視部63により電源ユニット1の温度、出力電圧、または出力電流またはこれらのうちの複数を監視し、電源ユニット1の状態を監視する。また、制御部6は、例えば、監視部63により当該監視部63を備える電源ユニット1の異常を検知する。
トランジスタQAとトランジスタQBとはそれぞれ、例えばFET(Field Effect Transistor、電界効果トランジスタ)であり、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)である。
電源ユニット1Aの出力端子4はトランジスタQAを介して突合せ点50と接続されており、電源ユニット1Bの出力端子4はトランジスタQBを介して突合せ点50と接続されている。電源ユニット1Aの出力端子4と突合せ点50の間にはトランジスタQAが配置されている。電源ユニット1Bの出力端子4と突合せ点50の間にはトランジスタQBが配置されている。トランジスタQAおよびトランジスタQBのように、各電源ユニットが接続される突合せ点と各電源ユニットとの間に配置される素子を突合せ素子と呼ぶ。
トランジスタQAは、電源ユニット1Aの出力電圧が負荷21に印加されるかどうかを制御するトランジスタである。トランジスタQBは、電源ユニット1Bの出力電圧が負荷21に印加されるかどうかを制御するトランジスタである。
電源ユニット1Aの出力端子5と突合せ点51はトランジスタを介さずに接続されている。電源ユニット1Bの出力端子5と突合せ点51はトランジスタを介さずに接続されている。
電源ユニット1Aの制御部6は、トランジスタ制御部62により、トランジスタQAのオンとオフを制御する。電源ユニット1Bの制御部6は、トランジスタ制御部62により、トランジスタQBのオンとオフを制御する。これにより、負荷21には、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bのいずれか片方からのみ電流が供給される。
電源ユニット1Aの制御部6と電源ユニット1Bの制御部6とは互いに通信可能なように構成されている。電源ユニット1Aの制御部6と電源ユニット1Bの制御部6との間は、例えば、図1に示されるように、1本の通信線71で接続されている。通信線71は例えば電気的な信号による通信を行う用の通信線である。
例えば、電源ユニット1Aの制御部6の通信部61は周波数fAの正弦波信号SAを通信線71に出力し、電源ユニット1Bの制御部6の通信部61は周波数fBの正弦波信号SBを通信線71に出力する。電源ユニット1Aの制御部6の通信部61は通信線71に正弦波信号SBがあるかどうかを検出する。電源ユニット1Bの制御部6の通信部61は通信線71に正弦波信号SAがあるかどうかを検出する。これにより、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bが互いに通信する。周波数fAと周波数fBとは異なる周波数である。周波数fAと周波数fBとが異なることにより、1本の通信線71により、正弦波信号SAによる通信と正弦波信号SBによる通信を同時に行うことができる。周波数fAと周波数fBとは、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bそれぞれの制御部6が正弦波信号SAと正弦波信号SBを分解可能な程度に異なっている。
冗長運転電源ユニット11では、冗長運転電源ユニット11の備える複数の電源ユニット1それぞれの出力電圧の負荷21への相補的な印加における優先度を設定可能である。つまり、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bには、それぞれ、冗長運転電源ユニット11における優先度が定められる。優先度は、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bのどちらから優先的に負荷21に電流が供給されるか、を表す。
電源ユニット1Aと電源ユニット1Bとの両方が正常に動いている場合には、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bのうち優先度の高い方から負荷21に電流が供給される。当該優先度の高い方の電源ユニットが故障等により正常に電流を供給できなくなった場合には、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bのうち優先度の低い方の電源ユニットから負荷21に電流が供給される。以下では、電源ユニット1Aを優先度が高い電源ユニット、電源ユニット1Bを優先度が低い電源ユニットとする。つまり、電源ユニット1Aは稼働系であり、電源ユニット1Bは待機系である。優先度は、ソフトウェア的に保持されていてもよいし、ハードウェア的に保持されていてもよい。例えば、各電源ユニット1の優先度は予め定められ、例えば、各制御部6に当該制御部6を備える電源ユニット1の優先度が記憶される。各電源ユニット1は、使用者が優先度を設定するためのインターフェースを有し、当該インターフェースを介し使用者が当該電源ユニット1の優先度を設定可能である、という構成でもよい。
制御部6の通信部61およびトランジスタ制御部62の各機能は、処理回路により実現される。すなわち、電源ユニット1は、正弦波信号を送信および受信し、また、トランジスタを制御する制御信号を送信するための処理装置を備える。処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)であってもよい。
処理回路が専用のハードウェアである場合の制御部6のハードウェア構成の一例は図4に示される。制御部6は、専用のハードウェアである処理回路101と、監視装置102を用いて実現される。処理回路101は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらを組み合わせたものが該当する。通信部61およびトランジスタ制御部62それぞれの機能をそれぞれの処理回路で実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一の処理回路で実現してもよい。監視部63は、監視装置102により実現される。監視装置102は例えば、温度計または電流計または電圧計またはそれらを組み合わせたものである。
処理回路がCPUの場合の制御部6のハードウェア構成は図5に示される。制御部6は、監視装置102と、CPU103と、メモリ104と、を用いて実現される。処理回路がCPU103の場合、通信部61およびトランジスタ制御部62の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアやファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ104に格納される。CPU103は、メモリ104に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、通信部61およびトランジスタ制御部62の機能を実現する。ここで、メモリとは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリー、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。通信部61による正弦波信号の送信または受信またはその両方は、CPU103が直接正弦波信号の送信または受信またはその両方を行うことで行われてもよいし、正弦波信号の送信または受信またはその両方を行う通信機をCPU103が駆動することにより行われてもよい。また、トランジスタ制御部62による制御信号の出力は、CPU103が直接制御信号を出力することにより行われてもよいし、制御信号を出力する駆動部をCPU103が制御することにより行われてもよい。
通信部61およびトランジスタ制御部62の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、通信部61については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、トランジスタ制御部62については処理回路がメモリに格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
このように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
<A-2.動作>
まず、冗長運転電源ユニット11の動作中の定常状態について説明する。
まず、冗長運転電源ユニット11の動作中の定常状態について説明する。
定常状態において、トランジスタQAは、稼働系である電源ユニット1Aの制御部6の制御によりをオンになっており、負荷21への電流供給はAから行われている。また、定常状態において、電源ユニット1Aの制御部6は通信線71に正弦波信号SAを出力している。
定常状態において、トランジスタQBは、待機系である電源ユニット1Bの制御部6の制御によりオフになっており、電源ユニット1Bから負荷21への電流供給は遮断されている。定常状態において、電源ユニット1Bの制御部6は、通信線71に電源ユニット1Aからの正弦波信号SAがある事を検出する。また、定常状態において、電源ユニット1Bの制御部6は、通信線71への正弦波信号SBの出力を行わない。
定常状態では、負荷21への電流供給が、電源ユニット1Aのみによって行われる。
次に、冗長運転電源ユニット11の立上げ時の動作を説明する。
冗長運転電源ユニット11の立上げ時には、主電源20から電源ユニット1Aと電源ユニット1Bへの給電が開始され、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bが動作を開始しようとする。このとき、稼働系である電源ユニット1Aは、通信線71に電源ユニット1Bからの正弦波信号SBが無いことを確認する。電源ユニット1Bからの正弦波信号SBが通信線71に無いことを確認すると、電源ユニット1Aは、制御部6によりトランジスタQAをオン状態にする。これにより、電源ユニット1Aから負荷21への電流供給が開始される。同時に、電源ユニット1Aの制御部6は通信線71への正弦波信号SAの出力を開始する。
冗長運転電源ユニット11の立上げ時、待機系である電源ユニット1Bの制御部6は、一定時間の間、トランジスタQBをオフとし、且つ、通信線71への正弦波信号SBの出力を行わない。当該一定時間は、電源ユニット1Aが立ち上がり正弦波信号SAの出力を開始するのに充分な時間であり、例えば、予め定められ、制御部6に記憶される。電源ユニット1Bの制御部6は、当該一定時間の間に、通信線71に電源ユニット1Aからの正弦波信号SA、があることを検出する。そして、当該一定時間の後もトランジスタQBをオフのままにして電源ユニット1Bから負荷への電流供給を遮断し続け、また、通信線71への正弦波信号SBの出力を行わない状態を継続する。
次に、冗長運転電源ユニット11の動作中に稼働系である電源ユニット1Aに異常が発生し、負荷21への電流供給が正常に出来なくなった場合の動作について説明する。この場合、トランジスタQAは電源ユニット1Aの制御部6によってオフ状態にされ、電源ユニット1Aから負荷21への電流供給は遮断される。同時に、電源ユニット1Aの制御部6は、通信線71への正弦波信号SAの出力を停止する。一方、待機系である電源ユニット1Bの制御部6は、通信線71に正弦波信号SAがなくなったことを検出し、トランジスタQBをオン状態とする。これにより電源ユニット1Bから負荷21への電流供給が開始される。また、電源ユニット1Bの制御部6は、通信線71に正弦波信号SAがなくなったことを検出すると、通信線71への正弦波信号SBの出力を開始する。結果として、稼働系である電源ユニット1Aが異常な状態では、負荷21への電流供給は、待機系である電源ユニット1Bのみによって行われる。
次に、電源ユニット1Aに異常が発生し負荷21への電流供給が電源ユニット1Bのみによって行われるようになった後、電源ユニット1Aの異常が取り除かれ再度電源ユニット1Aから負荷21への電流供給が正常に行えるようになった場合の動作について説明する。電源ユニット1Bにより負荷21への電流供給が行われている状態で電源ユニット1Aが復帰した場合、電源ユニット1Aの制御部6は、通信線71に電源ユニット1Bからの正弦波信号SBがあることを確認する。通信線71に電源ユニット1Bからの正弦波信号SBがあることを確認すると、電源ユニット1Aの制御部6は、トランジスタQAをオフにし続け、また、通信線71への正弦波信号SAを出力しない状態を継続する。結果として、負荷21への電流供給が、待機系である電源ユニット1Bのみによって行われる状態が継続する。
電源ユニット1Aが異常から復帰した後、負荷21への電流供給が電源ユニット1Bのみによって行われている状態で、電源ユニット1Bに異常が起きた場合には、電源ユニット1Bは、上記の、電源ユニット1Aに異常が起きた場合に電源ユニット1Aが行うのと同様の動作を行う。また、その際、電源ユニット1Aは、上記の、電源ユニット1Aに異常が起きた場合に電源ユニット1Bが行うのと同様の動作を行う。これにより、電源ユニット1Aによる負荷21への電流供給が開始される。
以上説明したように、冗長運転電源ユニット11は、負荷21に対して1台の電源ユニット1から電流供給を行う。冗長運転電源ユニット11は、例えば、負荷21に対して最大でも1台の電源ユニット1のみから電流供給を行う。そのため、2台の電源ユニット1、つまり電源ユニット1Aおよび電源ユニット1Bの出力電圧の差による影響、例えばノイズが発生、が抑制される。そのため、2台の電源ユニット1の出力電圧を揃えるための複雑な機構は不要であり、その分のコストを低減できる。
トランジスタQAおよびトランジスタQBそれぞれの代わりにダイオードを用いた場合、トランジスタQAの代わりのダイオードおよびトランジスタQBの代わりのダイオードのそれぞれに電流が流れるため、両方のダイオードにおいて損失が発生する。本実施の形態では、ダイオードではなくトランジスタQAおよびトランジスタQBを用いており、片方のみがオンになるよう相補的に制御されるため、トランジスタQAおよびトランジスタQBのうちどちらか片方のみで損失が発生する。
また、トランジスタQAおよびトランジスタQBを用い、2台の電源ユニット1を稼働系と待機系とに役割分けすることで、2台の電源ユニット1の消耗度に差を持たせることができ、2台の電源ユニット1が同時期に故障するリスクを低減することができる。
電源ユニット1Aと電源ユニット1Bとは1本の通信線により通信を行うため、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bとの通信を可能にするためのコストが抑えられる。
電源ユニット1Aと電源ユニット1Bとが周波数の異なる正弦波信号を用いることで、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bとが1本の通信線により通信を行える。
電源ユニット1Aと電源ユニット1Bとは、それぞれ、正弦波信号を送信するかしないかにより、互いに、自身の状態を通知する。
電源ユニット1Aと電源ユニット1Bの出力の突合せ素子としてFETを用いることで、突合せ素子としてダイオードを用いる場合と比べ、突合せ素子のオン抵抗を例えば1/10以下に抑制でき、また、突合せ素子における電力損失を例えば1/10以下に抑制できる。
<A-3.効果>
冗長運転電源ユニット11は、複数の電源ユニット1を備える冗長運転電源ユニットであって、複数の電源ユニット1それぞれの出力電圧のいずれか1つを相補的に負荷21に印加する冗長運転電源ユニットである。また、複数の電源ユニット1それぞれは、当該電源ユニット1と負荷21の間に配置されたトランジスタであって当該電源ユニット1の出力電圧が負荷21に印加されるかどうかを制御するトランジスタを制御する制御信号を出力する制御部6を備える。電源ユニット1それぞれの備える制御部6は、冗長運転電源ユニット11の備える他の電源ユニットと通信可能に構成されている。これにより、冗長運転電源ユニット11は、損失が小さい冗長運転電源ユニットである。
冗長運転電源ユニット11は、複数の電源ユニット1を備える冗長運転電源ユニットであって、複数の電源ユニット1それぞれの出力電圧のいずれか1つを相補的に負荷21に印加する冗長運転電源ユニットである。また、複数の電源ユニット1それぞれは、当該電源ユニット1と負荷21の間に配置されたトランジスタであって当該電源ユニット1の出力電圧が負荷21に印加されるかどうかを制御するトランジスタを制御する制御信号を出力する制御部6を備える。電源ユニット1それぞれの備える制御部6は、冗長運転電源ユニット11の備える他の電源ユニットと通信可能に構成されている。これにより、冗長運転電源ユニット11は、損失が小さい冗長運転電源ユニットである。
冗長運転電源ユニット11は、複数の電源ユニット1を繋ぐ1本の通信線71を備え、制御部6は、1本の通信線71により、冗長運転電源ユニット11の備える他の電源ユニット1と通信する。これにより、電源ユニット1Aと電源ユニット1Bとの通信を可能にするためのコストが抑えられる。
<A-4.変形例>
冗長運転電源ユニット11の立上げ時に、例えば誤動作により電源ユニット1Bが先に負荷21への電流供給を開始した場合、電源ユニット1Aが通信線71に電源ユニット1Bからの正弦波信号SBがあることを検出する。その場合、電源ユニット1Aは、例えばトランジスタQAをオフのままにし続け、且つ、通信線71への正弦波信号SAの出力を行わない状態を継続する。この場合、例えば、電源ユニット1Bが稼働系として働き、電源ユニット1Aが待機系として働く。冗長運転電源ユニット11の立上げ時に電源ユニット1Bが先に負荷21への電流供給を開始する動作を想定しないで良い場合、電源ユニット1Aは、冗長運転電源ユニット11の立上げ時に、電源ユニット1Bからの正弦波信号SBが通信線71にあるかどうかを確認せずに負荷21への電流供給を開始するという構成であってもよい。
冗長運転電源ユニット11の立上げ時に、例えば誤動作により電源ユニット1Bが先に負荷21への電流供給を開始した場合、電源ユニット1Aが通信線71に電源ユニット1Bからの正弦波信号SBがあることを検出する。その場合、電源ユニット1Aは、例えばトランジスタQAをオフのままにし続け、且つ、通信線71への正弦波信号SAの出力を行わない状態を継続する。この場合、例えば、電源ユニット1Bが稼働系として働き、電源ユニット1Aが待機系として働く。冗長運転電源ユニット11の立上げ時に電源ユニット1Bが先に負荷21への電流供給を開始する動作を想定しないで良い場合、電源ユニット1Aは、冗長運転電源ユニット11の立上げ時に、電源ユニット1Bからの正弦波信号SBが通信線71にあるかどうかを確認せずに負荷21への電流供給を開始するという構成であってもよい。
冗長運転電源ユニット11において、冗長運転電源ユニット11の立上げ時に、電源ユニット1Bが先に負荷21への電流供給を開始する状況を想定しないで良く、かつ、電源ユニット1Aの異常からの復帰等がなく、電源ユニット1Bが負荷21に電流を供給した後に電源ユニット1Aが再度負荷21に電流を供給することがない場合、電源ユニット1Aの制御部6は通信線71に正弦波信号SBがあるかどうかを検出する機能を有さないでもよく、また、電源ユニット1Bの制御部6は通信線71に正弦波信号SBを送る機能を有さないでもよい。このような構成であっても、優先度の相対的に高い電源ユニット1である電源ユニット1Aの状態が、複数の電源ユニット1のうち優先度の相対的に低い電源ユニット1である電源ユニット1Bに対し通知され、電源ユニット1Bは電源ユニット1Aから通知された電源ユニット1Aの状態に基づいてトランジスタQBを制御する。それにより、冗長運転電源ユニット11は、電源ユニット1Aが負荷21に電流を供給している状態で電源ユニット1Aに異常が発生した場合に電源ユニット1Bが負荷21への電流の供給を開始する、という冗長運転を行うことができる。
冗長運転電源ユニット11において、トランジスタQAとトランジスタQBとはそれぞれ電源ユニット1Aの正極側の出力端子4と電源ユニット1Bの正極側の出力端子4に接続されていたが、トランジスタQAとトランジスタQBとはそれぞれ電源ユニット1Aの負極側の出力端子5と電源ユニット1Bの負極側の出力端子5に接続されていてもよい。
冗長運転電源ユニット11はトランジスタQAとトランジスタQBとを備えるとして説明したが、トランジスタQAとトランジスタQBとは冗長運転電源ユニット11の外部要素であってもよい。つまり、冗長運転電源ユニット11は、冗長運転電源ユニット11が備える電源ユニット1Aと電源ユニット1Bの出力電圧を、外部要素であるトランジスタQAとトランジスタQBを介して相補的に負荷21に印加するものであってもよい。また、トランジスタQAとトランジスタQBとは電源システム31の外部要素であってもよい。つまり、電源システム31は、電源システム31が備える電源ユニット1Aと電源ユニット1Bの出力電圧を、外部要素であるトランジスタQAとトランジスタQBを介して相補的に負荷21に印加するものであってもよい。
<B.実施の形態2>
<B-1.構成>
図3は実施の形態2の電源システム32の構成を示す図である。
<B-1.構成>
図3は実施の形態2の電源システム32の構成を示す図である。
電源システム32は、主電源20と冗長運転電源ユニット12を備える。主電源20は、冗長運転電源ユニット12に電力を供給する電源である。
本実施の形態の冗長運転電源ユニット12は、3つ以上の電源ユニット1を備える。冗長運転電源ユニット12は、当該3つ以上の電源ユニット1により、冗長運転を行う。冗長運転電源ユニット12が備える電源ユニット1は3つ以上であればいくつでもよい。冗長運転電源ユニット12の備える複数の電源ユニット1それぞれの構成は、実施の形態1で説明した電源ユニット1の構成と同じである。
以下では、例として、図3に示されるように、冗長運転電源ユニット12が備える複数の電源ユニット1が、電源ユニット1Aから電源ユニット1Nまでであるとして説明する。
電源ユニット1A、電源ユニット1B、電源ユニット1C、・・・、および電源ユニット1Nのそれぞれで、出力電圧は同等であり、かつ定格出力電力等の性能は同等である。
冗長運転電源ユニット12の備える電源ユニット1のそれぞれには、入力端子2と入力端子3を介して主電源20からの電力が供給される。
冗長運転電源ユニット12の備える電源ユニット1のそれぞれは、出力端子4と出力端子5の間に2V(Vは電圧の大きさを表す変数)の電圧を発生させる。
主電源20から出力される電圧は負荷21が必要とする電圧とは異なっている。そのため、主電源20から出力される電圧は、冗長運転電源ユニット12によって負荷21に適した電圧に変換されてから、負荷21に印加される。
トランジスタQAは電源ユニット1Aの制御部6によりオンオフを制御され、トランジスタQBは電源ユニット1Bの制御部6によりオンオフを制御され、トランジスタQCは電源ユニット1Cの制御部6によりオンオフを制御され、以下同様であり、トランジスタQNは電源ユニット1Nの制御部6によりオンオフを制御される。
トランジスタQAは電源ユニット1Aの出力電圧が負荷21に印加されるかどうかを制御するトランジスタであり、トランジスタQBは電源ユニット1Bの出力電圧が負荷21に印加されるかどうかを制御するトランジスタであり、トランジスタQCは、電源ユニット1Cの出力電圧が負荷21に印加されるかどうかを制御するトランジスタであり、以下同様であり、トランジスタQNは、電源ユニット1Nの出力電圧が負荷21に印加されるかどうかを制御するトランジスタである。
トランジスタQAは電源ユニット1Aの出力端子4に接続されている。トランジスタQBは電源ユニット1Bの出力端子4に接続されている。トランジスタQCは電源ユニット1Cの出力端子4に接続されている。以下同様であり、トランジスタQNは電源ユニット1Nの出力端子4に接続されている。
電源ユニット1Aから電源ユニット1Nそれぞれの出力端子4は、トランジスタQAからトランジスタQNをそれぞれ介して、突合せ点52と接続されている。つまり、電源ユニット1Aの出力端子4と突合せ点52の間にトランジスタQAが配置されており、電源ユニット1Bの出力端子4と突合せ点52の間にトランジスタQBが配置されており、電源ユニット1Cの出力端子4と突合せ点52の間にトランジスタQCが配置されており、以下同様であり、電源ユニット1Nの出力端子4と突合せ点52の間にトランジスタQNが配置されている。突合せ点52は負荷21と接続されている。
電源ユニット1Aから電源ユニット1Nそれぞれの出力端子5は、それぞれ、突合せ点53と接続されている。電源ユニット1Aから電源ユニット1Nそれぞれの出力端子5と突合せ点53の間には突合せ素子が配置されていない。突合せ点53は負荷21と接続されている。
電源ユニット1Aから電源ユニット1Nそれぞれの制御部6は、互いに通信可能なように構成されている。電源ユニット1Aから電源ユニット1Nそれぞれの制御部6は、例えば、1本の通信線72で、一筆書き接続されている。
電源ユニット1Aは通信線に周波数fAの正弦波信号SAを出力する。電源ユニット1Bは通信線72に周波数fBの正弦波信号SBを出力する。電源ユニット1Cは通信線72に周波数fCの正弦波信号SCを出力する。以下同様であり、電源ユニット1Nは通信線72に周波数fNの正弦波信号SNを出力する。
周波数fAから周波数fNはそれぞれ互いに相異なる。周波数fAから周波数fNがそれぞれ互いに相異なることにより、1本の通信線72により、正弦波信号SAから正弦波信号SNそれぞれによる通信を同時に行うことができる。
電源ユニット1Aから電源ユニット1Nには、それぞれ、冗長運転電源ユニット12における優先度が定められる。優先度は、電源ユニット1Aから電源ユニット1Nのうちどの電源ユニットが優先的に負荷21に電流が供給するか、を表す。以下では、電源ユニット1A、電源ユニット1B、電源ユニット1C、・・・、電源ユニット1Nの順で優先度が高いものとする。つまり、電源ユニット1Aの優先度が最も高く、電源ユニット1Nの優先度が最も低い。電源ユニット1Aは稼働系であり、電源ユニット1Bから電源ユニット1Nは待機系である。
<B-2.動作>
定常状態において、トランジスタQAは、稼働系である電源ユニット1Aの制御部6の制御により、オン状態である。これにより、電源ユニット1Aから負荷21に電流供給が行われる。また、電源ユニット1Aの制御部6は、通信線72に正弦波信号SAを出力し続ける。
定常状態において、トランジスタQAは、稼働系である電源ユニット1Aの制御部6の制御により、オン状態である。これにより、電源ユニット1Aから負荷21に電流供給が行われる。また、電源ユニット1Aの制御部6は、通信線72に正弦波信号SAを出力し続ける。
定常状態において、トランジスタQBからトランジスタQNは、それぞれ、待機系である電源ユニット1Bから電源ユニット1Nそれぞれの制御部6の制御によりオフになっている。そのため、電源ユニット1Bから電源ユニット1Nのそれぞれから負荷21への電流供給は遮断されている。定常状態において、電源ユニット1Bから電源ユニット1Nそれぞれの制御部6は、通信線72に電源ユニット1Aからの正弦波信号SAがある事を検出する。また、定常状態において、電源ユニット1Bから電源ユニット1Nそれぞれの制御部6は、通信線72への正弦波信号SBから正弦波信号SNの出力を行わない。
定常状態では、負荷21への電流供給が、電源ユニット1Aのみによって行われる。
次に、電源ユニット1Aに異常が発生し、電源ユニット1Aから負荷21への電流供給が正常に出来なくなった場合について説明する。この場合、トランジスタQAは電源ユニット1Aの制御部6によってオフ状態にされ、電源ユニット1Aから負荷21への電流供給は遮断される。また、電源ユニット1Aの制御部6は通信線72への正弦波信号SAの出力を停止する。一方、待機系である電源ユニット1Bの制御部6は、通信線72に正弦波信号SAがなくなったことを検出すると、トランジスタQBをオン状態とし、電源ユニット1Bから負荷21への電流供給を開始する。同時に、電源ユニット1Bの制御部6は、通信線72への正弦波信号SBの出力を開始する。電源ユニット1Aに異常が発生し、電源ユニット1Aから負荷21への電流供給が正常に出来なくなった場合、待機系である電源ユニット1Cから電源ユニット1Nの制御部6は、通信線72に正弦波信号SAがなくなったことを検出すると、通信線72に正弦波信号SAがなくなってから電源ユニット1Bが通信線72への正弦波信号SBの送信を開始するのに十分な時間待機し、その間に通信線72から正弦波信号SBを検出する。そのため、電源ユニット1Cから電源ユニット1Nそれぞれの制御部6は、トランジスタQCからトランジスタQNをオフにし続け、また、通信線72に正弦波信号SCから正弦波信号SNのそれぞれを出力しない状態を継続する。
電源ユニット1Aに異常が発生して電源ユニット1Aから負荷21への電流供給が遮断され、電源ユニット1Bから負荷21への電流供給が行われている状態から、電源ユニット1Bに異常が発生した場合、トランジスタQBは電源ユニット1Bの制御部6によってオフ状態にされ、電源ユニット1Bから負荷21への電流供給は遮断される。また、電源ユニット1Bの制御部6は通信線72への正弦波信号SBの出力を停止する。そして、電源ユニット1Cの制御部6は、通信線72に正弦波信号SBがなくなったことを検出すると、トランジスタQCをオン状態とし、電源ユニット1Cから負荷21への電流供給を開始する。同時に、電源ユニット1Cの制御部6は、通信線72への正弦波信号SCの出力を開始する。以下同様に、電源ユニット1Cから電源ユニット1Nそれぞれの制御部6は、通信線72に当該電源ユニットより優先度の高い電源ユニットの正弦波信号を検出しなくなった場合に、当該電源ユニットの出力端子4に繋がれたトランジスタをオンとすることで当該電源ユニットから負荷21への電流供給を開始し、また、通信線72への正弦波信号の出力を開始する。電源ユニット1Cから電源ユニット1Nそれぞれの制御部6は、当該電源ユニットより優先度の高い電源ユニットの正弦波信号を検出しなくなったことを確認する際、元々負荷21への電流供給を行っていた電源ユニットからの正弦波信号が通信線72に検出されなくなった後に当該電源ユニットより優先度の高い電源ユニットが通信線72への正弦波信号の出力を開始するのに十分な時間待機し、その間に当該電源ユニットより優先度の高い電源ユニットの正弦波信号を検出されなかった場合に、上記の動作を行う。
このように、稼働系である電源ユニット1Aに異常がある状態においても、負荷21への電流供給は、待機系である電源ユニット1Bから電源ユニット1Nのうちの1つの電源ユニットのみによって行われる。
次に、冗長運転電源ユニット12の立上げ時の動作を説明する。冗長運転電源ユニット12の立上げ時、つまり、主電源20から電源ユニット1Aから電源ユニット1Nそれぞれへの給電が開始されて電源ユニット1Aから電源ユニット1Nが同時に動作開始しようとする時、稼働系である電源ユニット1Aの制御部6は、通信線72に正弦波信号SBから正弦波信号SNのいずれもない無いことを確認する。すると、電源ユニット1Aの制御部6は、トランジスタQAをオン状態にして電源ユニット1Aから負荷21への電流供給を開始する。同時に、電源ユニット1Aの制御部6は通信線72への正弦波信号SAの出力を開始する。
冗長運転電源ユニット12の立上げ時、待機系である電源ユニット1Bから電源ユニット1Nそれぞれの制御部6は、一定時間、トランジスタQBからトランジスタQNそれぞれをオフ状態にし続け、かつ、通信線72への正弦波信号SBから正弦波信号SNそれぞれの出力を停止したままにする。そして、電源ユニット1Bから電源ユニット1Nそれぞれの制御部6は、当該一定時間の間に電源ユニット1Aから通信線72への正弦波信号SAの出力が開始されたことを確認すると、当該一定時間の後も、トランジスタQBからトランジスタQNそれぞれをオフ状態にし続け、かつ、通信線72への正弦波信号SBから正弦波信号SNそれぞれの出力を停止したままにする。これにより、冗長運転電源ユニット12が立ち上がった後の定常状態では、負荷21への電流供給は、稼働系である電源ユニット1Aのみによって行われる。
以上説明したように、冗長運転電源ユニット12では、冗長運転電源ユニット12の備える複数の電源ユニット1それぞれの制御部6が互いに通信が可能なように構成されており、冗長運転電源ユニット12は、複数の電源ユニット1それぞれの出力電圧のいずれか1つを相補的に負荷21に印加する冗長運転を行う。
冗長運転電源ユニット12は3つ以上の電源ユニット1を備えるので、冗長運転電源ユニット12が備える電源ユニット1の分、冗長運転電源ユニット12全体としての電源障害の発生率を抑えられる。
いずれか1つの電源ユニット1から負荷21に電流が供給されることで、電源ユニット1に異常が発生する時期が分散され、冗長運転電源ユニット12全体としての電源障害の発生を予見しやすくなる。
冗長運転電源ユニット12の備える複数の電源ユニット1はトランジスタを介して突合せ接続されるので、損失が抑えられる。また、冗長運転電源ユニット12の備える複数の電源ユニット1それぞれの制御部6は、1本の通信線72で接続され互いに通信するので、通信のために必要な構成のコストが抑えられる。
冗長運転電源ユニット12において、冗長運転電源ユニット12が備える複数の電源ユニット1それぞれの制御部6は、冗長運転電源ユニット12の全体的な構成に関する情報を知らないでもよい。冗長運転電源ユニット12の全体的な構成に関する情報は、例えば、冗長運転電源ユニット12がいくつの電源ユニット1を備えるか、自身を備える電源ユニット1の優先度が何番目に高いか、等である。
冗長運転電源ユニット12の全体的な構成に関する情報を知らなくても、冗長運転電源ユニット12の立ち上げ時、または負荷21に電流を供給していた電源ユニット1に異常が発生した場合の、自身の優先度よりも優先度が高い電源ユニット1が負荷21への電流の供給および正弦波信号の送信を開始するのに十分な待機時間が優先度に応じて定められていれば、上で説明した動作が実現される。また、当該待機時間が複数の電源ユニット1それぞれに対し定められることで、複数の電源ユニット1それぞれの優先度が定められていてもよい。この場合、待機時間が短い電源ユニット1は優先度が高い電源ユニットであり、待機時間が長い電源ユニット1は優先度が低い電源ユニットである。
<B-3.変形例>
冗長運転電源ユニット12は、複数の電源ユニット1間の通信により、複数の電源ユニット1のうち優先度の相対的に高い電源ユニット1の状態が、複数の電源ユニット1のうち優先度の相対的に低い電源ユニット1に対し通知される、という構成であってよい。つまり、優先度の相対的に低い電源ユニット1から優先度の相対的に高い電源ユニット1への通知は行われない、という構成であってもよい。例えば、電源ユニット1の制御部6は、自身より優先度の高い電源ユニット1が送信する正弦波信号のみを検知する。この場合でも、複数の電源ユニット1それぞれが、複数の電源ユニット1間の通信において自身より優先度の高い電源ユニット1から通知された、自身より優先度の高い電源ユニット1の状態に基づいて、自身の出力電圧が負荷21に印加されるかどうかを制御するトランジスタを制御する制御信号を出力することで、冗長運転電源ユニット12は、最初は電源ユニット1Aから負荷21に電流を供給し、電源ユニット1Aに異常が発生したら電源ユニット1Bから負荷21に電流を供給し、電源ユニット1Bに異常が発生したら電源ユニット1Cから負荷21に電流を供給し、・・・、という形の冗長運転を行うことができる。ただし、冗長運転電源ユニット12が備える複数の電源ユニット1それぞれの制御部6が、自身を備える電源ユニット1の状態を互いに通知し合うことで、一度異常状態になった電源ユニット1が再度復帰する構成を実現することが可能であり、また、複数の電源ユニット1それぞれの出力電圧のいずれか1つを相補的に負荷21に印加するという動作がより安定的に実現される。
冗長運転電源ユニット12は、複数の電源ユニット1間の通信により、複数の電源ユニット1のうち優先度の相対的に高い電源ユニット1の状態が、複数の電源ユニット1のうち優先度の相対的に低い電源ユニット1に対し通知される、という構成であってよい。つまり、優先度の相対的に低い電源ユニット1から優先度の相対的に高い電源ユニット1への通知は行われない、という構成であってもよい。例えば、電源ユニット1の制御部6は、自身より優先度の高い電源ユニット1が送信する正弦波信号のみを検知する。この場合でも、複数の電源ユニット1それぞれが、複数の電源ユニット1間の通信において自身より優先度の高い電源ユニット1から通知された、自身より優先度の高い電源ユニット1の状態に基づいて、自身の出力電圧が負荷21に印加されるかどうかを制御するトランジスタを制御する制御信号を出力することで、冗長運転電源ユニット12は、最初は電源ユニット1Aから負荷21に電流を供給し、電源ユニット1Aに異常が発生したら電源ユニット1Bから負荷21に電流を供給し、電源ユニット1Bに異常が発生したら電源ユニット1Cから負荷21に電流を供給し、・・・、という形の冗長運転を行うことができる。ただし、冗長運転電源ユニット12が備える複数の電源ユニット1それぞれの制御部6が、自身を備える電源ユニット1の状態を互いに通知し合うことで、一度異常状態になった電源ユニット1が再度復帰する構成を実現することが可能であり、また、複数の電源ユニット1それぞれの出力電圧のいずれか1つを相補的に負荷21に印加するという動作がより安定的に実現される。
なお、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1,1A,1B,1C,1N 電源ユニット、2,3 入力端子、4,5 出力端子、6 制御部、11,12 冗長運転電源ユニット、20 主電源、21 負荷、31,32 電源システム、50,51 突合せ点、52,53 突合せ点、61 通信部、62 トランジスタ制御部、63 監視部、71,72 通信線、101 処理回路、102 監視装置、103 CPU、104 メモリ、QA,QB,QC,QN トランジスタ、SA,SB,SC,SN 正弦波信号。
Claims (12)
- 複数の電源ユニットを備える冗長運転電源ユニットであって、
前記複数の電源ユニットそれぞれの出力電圧のいずれか1つを相補的に負荷に印加する冗長運転電源ユニットであり、
前記複数の電源ユニットそれぞれは、当該電源ユニットと負荷の間に配置されたトランジスタであって当該電源ユニットの出力電圧が前記負荷に印加されるかどうかを制御するトランジスタを制御する制御信号を出力する制御部を備え、
前記複数の電源ユニットそれぞれの前記制御部は互いに通信が可能なように構成されている、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項1に記載の冗長運転電源ユニットであって、
前記複数の電源ユニットを繋ぐ1本の通信線を備え、
前記複数の電源ユニットそれぞれの前記制御部は、前記1本の通信線を介して互いに前記通信を行う、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項1または2に記載の冗長運転電源ユニットであって、
前記複数の電源ユニットそれぞれの前記制御部は、前記通信において、当該制御部を備える前記電源ユニットの状態を互いに通知し合う、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項3に記載の冗長運転電源ユニットであって、
前記複数の電源ユニットそれぞれの前記制御部は、前記通信において通知された他の前記電源ユニットの状態に基づいて、当該制御部を備える前記電源ユニットの出力電圧が前記負荷に印加されるかどうかを制御する前記トランジスタを制御する制御信号を出力する、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の冗長運転電源ユニットであって、
前記複数の電源ユニットそれぞれの前記制御部は、前記通信において、正弦波信号を他の前記複数の電源ユニットの前記制御部に対し送信し、
前記複数の電源ユニットそれぞれの前記制御部は、前記通信において、他の前記複数の電源ユニットの前記制御部の送信した正弦波信号を受信する、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項1または2に記載の冗長運転電源ユニットであって、
前記複数の電源ユニットのうちの第1の電源ユニットの前記制御部は、前記通信において、前記第1の電源ユニットの状態を、前記複数の電源ユニットのうち前記第1の電源ユニットと異なる第2の電源ユニットの前記制御部に対し通知する、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項6に記載の冗長運転電源ユニットであって、
前記第2の電源ユニットの前記制御部は、前記通信により前記第1の電源ユニットから通知された前記第1の電源ユニットの状態に基づいて、前記第2の電源ユニットの出力電圧が前記負荷に印加されるかどうかを制御する前記トランジスタを制御する制御信号を出力する、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項6または7に記載の冗長運転電源ユニットであって、
前記第1の電源ユニットの前記制御部は、前記通信において、前記第2の電源ユニットの前記制御部に対し正弦波信号を送信し、
前記第2の電源ユニットの前記制御部は、前記通信において、前記第1の電源ユニットの前記制御部が送信した正弦波信号を受信する、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の冗長運転電源ユニットであって、
前記複数の電源ユニットそれぞれの出力電圧の前記負荷への相補的な前記印加における、出力電圧の前記負荷への印加の優先度を設定可能である、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項1または2に記載の冗長運転電源ユニットであって、
前記複数の電源ユニットそれぞれの出力電圧の前記負荷への相補的な前記印加における、出力電圧の前記負荷への印加の優先度を設定可能であり、
前記通信においては、前記複数の電源ユニットのうち前記優先度の相対的に高い前記電源ユニットの状態が、前記複数の電源ユニットのうち前記優先度の相対的に低い前記電源ユニットに対し通知される、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項10に記載の冗長運転電源ユニットであって、
前記複数の電源ユニットそれぞれは、前記通信において自身より前記優先度の高い前記電源ユニットから通知された、自身より前記優先度の高い前記電源ユニットの状態に基づいて、自身の出力電圧が前記負荷に印加されるかどうかを制御する前記トランジスタを制御する制御信号を出力する、
冗長運転電源ユニット。 - 請求項1から11のいずれか1項に記載の冗長運転電源ユニットと、
前記冗長運転電源ユニットに電力を供給する電源と、
を備える、
電源システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2021053138A JP2022150506A (ja) | 2021-03-26 | 2021-03-26 | 冗長運転電源ユニットおよび電源システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021053138A JP2022150506A (ja) | 2021-03-26 | 2021-03-26 | 冗長運転電源ユニットおよび電源システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022150506A true JP2022150506A (ja) | 2022-10-07 |
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Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2021053138A Pending JP2022150506A (ja) | 2021-03-26 | 2021-03-26 | 冗長運転電源ユニットおよび電源システム |
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-
2021
- 2021-03-26 JP JP2021053138A patent/JP2022150506A/ja active Pending
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