JP2022150137A - 分岐部保護構造及び分岐部保護方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構造で分岐部を保護できる分岐部保護構造及び分岐部保護方法を提供すること。【解決手段】束ねられた複数の電線が、可撓性を有する主管状保護部材20及び枝管状保護部材50の内部に挿通されたワイヤーハーネス10において、主幹線11から分岐方向Wに向かって枝線12が分岐された分岐部13を保護する分岐部保護構造1は、主幹線11が挿通する管状の主管状保護部材20と、枝線12が挿通する管状の枝管状保護部材50とが備えられ、主管状保護部材20は、分岐部13より軸線方向Lの基端側Lbに配置される第1側主管状保護部材30と、分岐部13より軸線方向Lの先端側Lfに配置される第2側主管状保護部材40とが備えられ、枝管状保護部材50の分岐部13に対向する側に、管状断面における少なくとも一部が延出され、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40の外面に沿う枝延出部52が設けられている。【選択図】図1
Description
この発明は、例えば、主幹線から枝線が分岐された分岐部を保護する分岐部保護構造及び分岐部保護方法に関する。
自動車に搭載されている電気機器同士を電気的に接続している長尺状のワイヤーハーネスは、自動車の車両の凹凸形状に合わせて直線部分と湾曲部分とを組み合わせた2次元的、又は、3次元的に複雑な配索経路で配索されている。
このワイヤーハーネスは、可撓性を有するとともに、長尺状に構成された中空状のコルゲートチューブ(以下、コルゲートとする。)などの外装体に挿通させて保護されていることがある。しかしながら、ワイヤーハーネスの主幹線から枝線が分岐する分岐部では、枝線がコルゲートと干渉するため、分岐部をコルゲートに挿通させることができない。
そのため、主幹線と枝線との分岐部に、主幹線及び枝線の延びる方向に沿って分岐した円筒状の硬質プロテクタを組み付け、分岐部をプロテクタで囲繞することで、分岐部を保護することがあった(特許文献1参照)。
しかしながら、枝線の分岐方向や、主幹線などに外装されたコルゲートの外径などは配索箇所によってそれぞれ異なり、分岐部の形状は多種多様である。そのため、それぞれの分岐部に合わせた硬質プロテクタを準備する必要があった。そこで、より簡易な構造で分岐部を保護できる分岐部保護構造が求められていた。
この発明は、上述の問題に鑑み、簡易な構造で分岐部を保護できる分岐部保護構造及び分岐部保護方法を提供することを目的とする。
この発明は、束ねられた複数の電線が、可撓性を有する管状保護部材の内部に挿通されたワイヤーハーネスにおいて、複数の前記電線が束ねられた主幹線から、前記主幹線の軸線方向と交差する分岐方向に向かって枝線が分岐された分岐部を保護する分岐部保護構造であって、前記主幹線が挿通する管状の主管状保護部材と、前記枝線が挿通する管状の枝管状保護部材とが備えられ、前記主管状保護部材は、前記分岐部より前記軸線方向の第1側に配置される第1側主管状保護部材と、前記分岐部より前記軸線方向の第2側に配置される第2側主管状保護部材とが備えられ、前記枝管状保護部材の前記分岐部に対向する側に、管状断面における少なくとも一部が延出され、前記主管状保護部材の外面、又は、前記主幹線の外面に沿う枝延出部が設けられたことを特徴とする。
またこの発明は、束ねられた複数の電線を、凹凸が長手方向に交互に配置されたコルゲートの内部に挿通されたワイヤーハーネスにおいて、複数の前記電線が束ねられた主幹線から、前記主幹線の軸線方向と交差する分岐方向に向かって枝線が分岐された分岐部を保護する分岐部保護方法であって、前記主幹線が挿通する管状の主管状保護部材と、前記枝線が挿通する管状の枝管状保護部材とを有し、前記主管状保護部材は、前記分岐部より前記軸線方向の第1側に配置される第1側主管状保護部材と、前記分岐部より前記軸線方向の第2側に配置される第2側主管状保護部材とを有し、前記主管状保護部材に前記主幹線を挿通する主幹線挿通工程と、前記枝管状保護部材に前記枝線を挿通し、前記枝管状保護部材の前記分岐部に対向する側に、管状断面における少なくとも一部で構成する枝延出部を、前記主管状保護部材の外面に沿わせる枝線挿通工程とを行うことを特徴とする。
前記管状保護部材とは、例えば軸線方向に沿って凹凸形状を繰り返すコルゲートの他、可撓性を有する円筒状のチューブなどを含む。また、前記管状保護部材は、軸線方向と直交する直交断面が円形状である場合や多角形状である場合を含む。
前記軸線方向は、前記主幹線における分岐部よりも一方側に沿った方向をさす。換言すると、分岐部よりも前記第1側又は前記第2側に配置される前記主幹線の一方に沿った方向をさす。
前記軸線方向は、前記主幹線における分岐部よりも一方側に沿った方向をさす。換言すると、分岐部よりも前記第1側又は前記第2側に配置される前記主幹線の一方に沿った方向をさす。
上述の前記主管状保護部材の外面、又は、前記主幹線の外面に沿うとは、前記主管状保護部材又は前記主幹線の長手方向に沿う場合や、主管状保護部材又は前記主幹線における長手方向と直交する断面の外周方向に沿う場合を含む。
この発明により、枝管状保護部材から延出する枝延出部を主管状保護部材における外面、又は、主幹線の外面に沿わすことで、枝管状保護部材と主管状保護部材との間の隙間を減らすことができる。これにより、例えば、主管状保護部材の断面形状に対応する硬質のプロテクタなどを準備する必要がなく、簡易な構造でワイヤーハーネスにおける分岐部を保護することができる。
また、枝延出部を主管状保護部材の外面に沿わせる場合、ワイヤーハーネスにおける分岐部に対して枝管状保護部材を主管状保護部材に後付けすることができる。これにより、枝管状保護部材の取付作業を効率化できる。
一方で、枝延出部を主幹線の外面に沿わせる場合、枝管状保護部材を主幹線に沿わせた後に、主管状保護部材を分岐部に配置するため、主管状保護部材の内部に枝管状保護部材を容易に配置できる。また、主管状保護部材が枝管状保護部材の移動を規制できるため、枝管状保護部材の位置連れを防止できる。
この発明の態様として、前記第1側主管状保護部材、及び前記第2側主管状保護部材の対向する端部の少なくとも一方から他方に向かって延びる主延出部が設けられ、前記主延出部は、前記軸線方向に対して直交する直交断面において、前記主幹線に対して分岐する前記枝線の範囲を除く所定範囲に設けられてもよい。
この発明により、第1側主管状保護部材及び第2側主管状保護部材の少なくとも一方から延びる主延出部で、ワイヤーハーネスにおける分岐部の軸線方向に沿った部分を保護できる。このため、簡易な構造で、ワイヤーハーネスにおける分岐部をより確実に保護できる。
またこの発明の態様として、前記主延出部は、前記第1側主管状保護部材に設けられた第1主延出部と、前記第2側主管状保護部材に設けられた第2主延出部とを有し、前記第1主延出部と前記第2主延出部とが、前記直交断面において異なる位置に配置されて、前記所定範囲に設けられてもよい。
この発明によると、主幹線から枝線が延びる方向に合わせて、分岐部における断面周方向に第1主延出部と第2主延出部とを配置することができる。これにより、分岐部における断面周方向を第1主延出部及び第2主延出部により広範囲に亘って覆うことができ、より確実に分岐部を保護することができる。
またこの発明の態様として、前記主延出部は前記主幹線に固定され、前記枝延出部は、前記主管状保護部材に固定されてもよい。
上述の前記枝延出部は、前記主管状保護部材に固定とは、前記枝延出部が前記主管状保護部材の本体及び主延出部の少なくとも一方に固定されていることを指す。
上述の前記枝延出部は、前記主管状保護部材に固定とは、前記枝延出部が前記主管状保護部材の本体及び主延出部の少なくとも一方に固定されていることを指す。
この発明により、枝管状保護部材が主管状保護部材から脱落することを防止できるため、より確実に分岐部を保護することができる。また、主管状保護部材を介して枝管状保護部材をワイヤーハーネスに対して固定することもできるため、分岐部に対する枝管状保護部材の位置ずれを防止できる。
またこの発明の態様として、前記枝延出部は、前記主幹線の外面に沿い、前記枝延出部は、前記主幹線に固定され、前記主延出部は、前記枝延出部に固定されてもよい。
この発明により、枝管状保護部材が主幹線から脱落することを防止できるため、より確実に分岐部を保護することができるとともに、分岐部に対する枝管状保護部材の位置ずれを防止できる。
この発明により、枝管状保護部材が主幹線から脱落することを防止できるため、より確実に分岐部を保護することができるとともに、分岐部に対する枝管状保護部材の位置ずれを防止できる。
またこの発明の態様として、前記枝延出部は、前記管状断面において対向する二箇所に設けられ、前記主延出部の外側に配置されてもよい。
この発明により、対向する枝延出部が主延出部と重なり合うことで、主管状保護部材及び枝管状保護部材と分岐部との間に形成される隙間をより減らすことができる。したがって、分岐部をより確実に保護することができる。
この発明により、対向する枝延出部が主延出部と重なり合うことで、主管状保護部材及び枝管状保護部材と分岐部との間に形成される隙間をより減らすことができる。したがって、分岐部をより確実に保護することができる。
またこの発明の態様として、前記枝延出部は、前記直交断面に沿って前記主延出部の外側に沿って曲げられてもよい。
この発明により、分岐部の周方向に沿って枝延出部が主延出部及び分岐部の外側に配置されるため、主管状保護部材及び枝管状保護部材と分岐部との間に形成される隙間のうち、周方向に対応する隙間を確実に減らすことができる。これにより分岐部を確実に保護することができる。
この発明により、分岐部の周方向に沿って枝延出部が主延出部及び分岐部の外側に配置されるため、主管状保護部材及び枝管状保護部材と分岐部との間に形成される隙間のうち、周方向に対応する隙間を確実に減らすことができる。これにより分岐部を確実に保護することができる。
またこの発明の態様として、前記枝延出部は、前記管状断面において対向する二箇所に設けられ、それぞれが異なる方向から前記直交断面に沿って前記主延出部の外側に沿って曲げられてもよい。
この発明により、主延出部と枝延出部とを断面方向において重複させつつ、分岐部における断面周方向を互いに対向する2つの枝延出部により広範囲に亘って覆うことができる。したがって、より確実に分岐部を保護することができる。
この発明により、主延出部と枝延出部とを断面方向において重複させつつ、分岐部における断面周方向を互いに対向する2つの枝延出部により広範囲に亘って覆うことができる。したがって、より確実に分岐部を保護することができる。
またこの発明の態様として、前記枝延出部は、前記管状断面において対向する二箇所に設けられ、それぞれが離間する方向に曲げられて前記主管状保護部材の前記軸線方向に沿ってもよい。
この発明によると、例えば、対向する枝延出部を第1側主管状保護部材及び第2側主管状保護部材や主幹線における第1側及び第2側の外面に沿って配置することができるため、枝管状保護部材を分岐部に対して安定して配置できる。したがって、分岐部をより確実に保護することができる。
この発明によると、例えば、対向する枝延出部を第1側主管状保護部材及び第2側主管状保護部材や主幹線における第1側及び第2側の外面に沿って配置することができるため、枝管状保護部材を分岐部に対して安定して配置できる。したがって、分岐部をより確実に保護することができる。
また、第1側主管状保護部材及び第2側主管状保護部材や主幹線における第1側及び第2側の外面に沿って配置した枝延出部を第1側主管状保護部材及び第2側主管状保護部材に対して固定できるため、枝管状保護部材を介して第1側主管状保護部材と第2側主管状保護部材とを固定できる。
またこの発明の態様として、前記分岐部は、2本の前記枝線がそれぞれ異なる分岐方向に延びる十字分岐であり、前記枝管状保護部材は、第1枝線が挿通する第1枝管状保護部材と、第2枝線が挿通する第2枝管状保護部材とが備えられ、前記第1枝管状保護部材と前記第2枝管状保護部材との両方に前記枝延出部は設けられてもよい。
この発明により、簡易な構造で、十字分岐された分岐部も保護することができる。
この発明により、簡易な構造で、十字分岐された分岐部も保護することができる。
またこの発明の態様として、前記管状保護部材は、凹凸が長手方向に交互に配置されたコルゲートで構成されてもよい。
この発明により、既製品であるコルゲートを加工することで保護できるため、安定供給することができるとともに、コスト低下を図ることができる。
この発明により、既製品であるコルゲートを加工することで保護できるため、安定供給することができるとともに、コスト低下を図ることができる。
この発明により、この発明は、上述の問題に鑑み、簡易な構造で分岐部を保護できる分岐部保護構造及び分岐部保護方法を提供することができる。
この発明の一実施態を以下図1乃至図7とともに説明する。
図1は分岐部保護構造1の概略斜視図を示し、図2は分岐部保護構造1の概略分解斜視図を示し、図3は第1側主管状保護部材30の平面図及び側面図を示し、図4は枝管状保護部材50の平面図及び側面図を示す。
図1は分岐部保護構造1の概略斜視図を示し、図2は分岐部保護構造1の概略分解斜視図を示し、図3は第1側主管状保護部材30の平面図及び側面図を示し、図4は枝管状保護部材50の平面図及び側面図を示す。
図5は主管状保護部材20及び枝管状保護部材50を分岐部13に取り付ける取付方法のフローチャートを示し、図6及び図7は分岐部13に対して主管状保護部材20及び枝管状保護部材50,50を取り付ける取付方法を説明するための平面図及び側面図を示す。
図3及び図4,図6、図7について詳述する。
図3(a)は第1側主管状保護部材30の平面図を示し、図3(b)は第1側主管状保護部材30の側面図を示し、図4(a)は枝管状保護部材50の平面図を示し、図4(b)は枝管状保護部材50の側面図を示す。
図3(a)は第1側主管状保護部材30の平面図を示し、図3(b)は第1側主管状保護部材30の側面図を示し、図4(a)は枝管状保護部材50の平面図を示し、図4(b)は枝管状保護部材50の側面図を示す。
図6(a)は分岐部13に主管状保護部材20を取り付けた状態の平面図を示し、図6(b)は分岐部13に主管状保護部材20を取り付けた状態の側面図を示す。図7(a)は主管状保護部材20が取り付けた分岐部13に対して枝管状保護部材50,50を取り付ける前の平面図を示し、図7(b)主管状保護部材20が取り付けた分岐部13に対して枝管状保護部材50,50を取り付けた後の平面図を示す。
なお、全体構造を理解しやすくするため、図3及び図4を除き、隆起部と溝部とで凹凸形状を繰り返すコルゲートの隆起部(凸形状)と溝部(凹形状)の図示を省略している。
ここで、便宜上、図1における主幹線11の長手方向を軸線方向Lとし、主幹線11に対して枝線12の延びる方向を分岐方向Wとする。また、軸線方向Lと分岐方向Wは互いに直交しているものとし、図1中の上側及び下側を上方及び下方とする。また、軸線方向Lに沿って分岐部13の第1側主管状保護部材30側を基端側Lbとし、軸線方向Lに沿って分岐部13の第2側主管状保護部材40側を先端側Lfとする。
なお、これらの方向は、図2乃至図10でも同様とする。
なお、これらの方向は、図2乃至図10でも同様とする。
分岐部保護構造1は、図1に示すように、ワイヤーハーネス10において、複数の電線が束ねられた主幹線11から、主幹線11の軸線方向Lと交差する分岐方向Wに向かって枝線12,12が十字分岐した分岐部13を保護する構造である。そして、分岐部保護構造1は、主幹線11が挿通する管状の主管状保護部材20と、枝線12が挿通する管状の枝管状保護部材50,50とが備えられている。
ワイヤーハーネス10は、車両に搭載された電気機器類を電気的に接続する複数の電線が束ねられて構成されている。
このワイヤーハーネス10を構成する主幹線11は、導線を絶縁被覆で被覆した被覆電線の束であり、例えばバッテリなど一般的に搭載されている電気機器と電気的に接続されている。
このワイヤーハーネス10を構成する主幹線11は、導線を絶縁被覆で被覆した被覆電線の束であり、例えばバッテリなど一般的に搭載されている電気機器と電気的に接続されている。
枝線12は、図2に示すように、主幹線11から分岐方向Wの両側に引き出した被覆電線であり、例えば、車両にオプションとして搭載される電子機器類などと接続されている。なお、主幹線11から枝線12を引き出した分岐部分を分岐部13とする。
主幹線11を内部に挿通する主管状保護部材20は、同一の構成である第1側主管状保護部材30と第2側主管状保護部材40とで構成されている。
第1側主管状保護部材30は、分岐部13の基端側Lbにおいて、内部に主幹線11を挿通する円筒状に構成された樹脂製のコルゲートである。この第1側主管状保護部材30は、図3に示すように、主隆起部30aと主溝部30bとが軸線方向Lに沿って交互に配置され、軸線方向Lに沿って凹凸が交互に配置された、可撓性を有する蛇腹構造で構成されている。
第1側主管状保護部材30は、分岐部13の基端側Lbにおいて、内部に主幹線11を挿通する円筒状に構成された樹脂製のコルゲートである。この第1側主管状保護部材30は、図3に示すように、主隆起部30aと主溝部30bとが軸線方向Lに沿って交互に配置され、軸線方向Lに沿って凹凸が交互に配置された、可撓性を有する蛇腹構造で構成されている。
第1側主管状保護部材30は、図3(a)及び図3(b)に示すように、円筒状に構成された第1筒状本体31と、第1筒状本体31から先端側Lfに向けて延出する第1主延出部32とで構成されている。
第1筒状本体31には、軸線方向Lに沿って先端側Lfの端部から基端側Lbの端部まで延びる直線状のスリットが下方側に設けられている(図示省略)。
第1筒状本体31には、軸線方向Lに沿って先端側Lfの端部から基端側Lbの端部まで延びる直線状のスリットが下方側に設けられている(図示省略)。
第1主延出部32は、第1筒状本体31における上方から軸線方向Lに沿って延出した、断面円弧状の突出片である。第1主延出部32の軸線方向Lに沿った長さは分岐部13から延出される枝線12の幅の長さよりもわずかに長くなるように構成されている。また、第1主延出部32の弧長は第1筒状本体31における断面周方向の長さ(周長)の4分の1となっている。
第2側主管状保護部材40は、分岐部13の先端側Lfにおいて、内部に主幹線11を挿通する円筒状に構成された樹脂製のコルゲートである。この第2側主管状保護部材40は、第1側主管状保護部材30と同様に、可撓性を有する蛇腹構造(図示省略)で構成されている。
また、第2側主管状保護部材40は、第1側主管状保護部材30と同様に、円筒状に構成された第2筒状本体41と、第2筒状本体41から基端側Lbに向けて延出する第2主延出部42とで構成されている。
第2筒状本体41には、軸線方向Lに沿って先端側Lf端部から基端側Lb端部まで延びる直線状のスリットが上方側に設けられている(図示省略)。
第2筒状本体41には、軸線方向Lに沿って先端側Lf端部から基端側Lb端部まで延びる直線状のスリットが上方側に設けられている(図示省略)。
第2主延出部42は、第2筒状本体41における下方から軸線方向Lに沿って延出した、断面円弧状の突出片である。第2主延出部42の軸線方向Lに沿った長さは、第1主延出部32の長さと等しく、分岐部13から延出される枝線12の幅の長さよりもわずかに長くなるように構成されている。また、第2主延出部42の弧長は、第2筒状本体41における断面周方向の長さ(周長)の4分の1となっている。
このように構成された第1側主管状保護部材30と第2側主管状保護部材40とは、軸線方向Lに沿った第1筒状本体31及び第2筒状本体41の中心軸を回転軸として回転対象となっている。
このように構成された第1側主管状保護部材30と第2側主管状保護部材40とは、軸線方向Lに沿った第1筒状本体31及び第2筒状本体41の中心軸を回転軸として回転対象となっている。
枝管状保護部材50は、内部に枝線12を挿通する円筒状に構成された樹脂製のコルゲートであり、図4に示すように、主隆起部50aと主溝部50bとが軸線方向Lに沿って交互に配置された可撓性を有する蛇腹構造で構成されている。
枝管状保護部材50は、図4(a)及び図4(b)に示すように、円筒状に構成された第1筒状本体51と、第1筒状本体51の一端から分岐方向Wに向けて延出する一対の枝延出部52,52とで構成されている。
第1筒状本体51の下方側には、分岐方向Wの一端から他端にかけて延びる直線状のスリットが設けられている(図示省略)。
第1筒状本体51の下方側には、分岐方向Wの一端から他端にかけて延びる直線状のスリットが設けられている(図示省略)。
枝延出部52,52は、第1筒状本体51の一端における側方(図2における軸線方向L側)から分岐方向Wに沿って延出する、断面円弧状の突出片であり、第1筒状本体51の管状断面において対向する二か所に設けられている。すなわち、一対の枝延出部52,52は、互いに対向するように配置されている。
この枝延出部52の分岐方向Wに沿った長さは、第1筒状本体31及び第2筒状本体41の外径よりも長く構成されている。また、枝延出部52の弧長は、第1筒状本体51における断面周方向の長さ(周長)の4分の1となっている。
次に、このように構成された主管状保護部材20及び枝管状保護部材50を分岐部13に取り付ける取付方法について、図5乃至図7に基づき簡単に説明する。
はじめに、第1主延出部32が分岐部13に向けて延出するように、第1側主管状保護部材30のスリットから分岐部13の基端側Lbに延びる主幹線11を挿入する。また、第2主延出部42が分岐部13に向けて延出するように、第2側主管状保護部材40のスリットから分岐部13の先端側Lfに延びる主幹線11を挿入する(主幹線挿通工程S1)。
はじめに、第1主延出部32が分岐部13に向けて延出するように、第1側主管状保護部材30のスリットから分岐部13の基端側Lbに延びる主幹線11を挿入する。また、第2主延出部42が分岐部13に向けて延出するように、第2側主管状保護部材40のスリットから分岐部13の先端側Lfに延びる主幹線11を挿入する(主幹線挿通工程S1)。
これにより、第1側主管状保護部材30の先端側Lfの端部から第2側主管状保護部材40の基端側Lbの端部に向けて第1主延出部32が延びるように設けられる。また、第2側主管状保護部材40の基端側Lbの端部から第1側主管状保護部材30の先端側Lfの端部に向けて第2主延出部42が延びるように設けられる。
そして、第2筒状本体41における基端側Lbの端部と第1主延出部32の先端、及び、第1筒状本体31における先端側Lfの端部と第2主延出部42の先端とが近接するように、分岐部13に向けて第1側主管状保護部材30と第2側主管状保護部材40を接近させる(図6(a)参照)。
これにより、第1筒状本体31における基端側Lb端部と第2主延出部42における先端側Lfの端部、及び、第2筒状本体41における先端側Lf端部と第1主延出部32における基端側Lbの端部とが近接する位置に配置される。また、第1筒状本体31における上方から延出する第1主延出部32と、第2筒状本体41における下方から延出する第2主延出部42とが、分岐部13を挟んで互いに対向配置される。
すなわち、枝線12が延出する箇所を除いた第1主延出部32及び第2主延出部42が分岐部13の上方及び下方に配置されることとなり、第1主延出部32と第2主延出部42との間から、枝線12が分岐方向Wに向かって延出される(図6(b)参照)。
このように分岐部13の上方及び下方に配置された第1主延出部32及び第2主延出部42とで、枝線12の延出方向を除いて、分岐部13を保護することができるとともに、第1筒状本体31及び第2筒状本体41とで主幹線11を保護することができる。
この状態で、第1主延出部32と第2主延出部42を主幹線11にテープB1でテープ固定する(主管状保護部材固定工程S2)。
この状態で、第1主延出部32と第2主延出部42を主幹線11にテープB1でテープ固定する(主管状保護部材固定工程S2)。
次に、分岐部13を挟んで分岐方向Wに向けて延出する枝線12、12に対して、枝延出部52,52が分岐部13を向くように、第1筒状本体51のスリットから枝管状保護部材50,50を枝線12,12に挿通させる。これにより、枝延出部52,52は、分岐部13に向けて配置されることとなる(図7(a)参照)。
そして、枝管状保護部材50,50を分岐部13に向けて接近させるとともに、図7(b)に示すように、枝延出部52,52を軸線方向Lに沿って湾曲させ、第1筒状本体31及び第2筒状本体41の外面に沿って配置する(枝線挿通工程S3)。また、枝延出部52,52を第1筒状本体31及び第2筒状本体41に対してテープB2でテープ固定する(枝管状保護部材固定工程S4)。
このように枝延出部52,52を第1筒状本体31及び第2筒状本体41の外面に沿わせることで、容易に枝管状保護部材50,50を第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40に装着できる。また、分岐部13における分岐方向Wの両端部分を枝延出部52,52とで覆うことができる。
また、枝延出部52,52が軸線方向Lの両方に配置されているため、軸線方向Lの外側に向けて湾曲させた枝延出部52,52を第1筒状本体31及び第2筒状本体41の外面に沿わせて固定できるため、枝管状保護部材50,50を分岐部13に安定して外装させることができる。
このように構成された分岐部保護構造1は、束ねられた複数の電線が、可撓性を有する主管状保護部材20及び枝管状保護部材50の内部に挿通されたワイヤーハーネス10において、複数の電線が束ねられた主幹線11から、主幹線11の軸線方向Lと交差する分岐方向Wに向かって枝線12が分岐された分岐部13を保護することができる。詳しくは、分岐部保護構造1は、主幹線11が挿通する管状の主管状保護部材20と、枝線12が挿通する管状の枝管状保護部材50とが備えられている。また、主管状保護部材20は、分岐部13より軸線方向Lの基端側Lbに配置される第1側主管状保護部材30と、分岐部13より軸線方向Lの先端側Lfに配置される第2側主管状保護部材40とが備えられている。そして、枝管状保護部材50の分岐部13に対向する側に、管状断面における少なくとも一部が延出され、主管状保護部材20(第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40)の外面に沿う枝延出部52が設けられている。
これにより、枝管状保護部材50から延出する枝延出部52を第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40における外面に沿わすことができ、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40と枝管状保護部材50との間の隙間を減らすことができる。このため、例えば、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40の断面形状に対応する硬質のプロテクタなどを準備する必要がなく、簡易な構造でワイヤーハーネス10における分岐部13を保護することができる。
また、ワイヤーハーネス10における分岐部13に対して枝管状保護部材50を第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40に後付けすることができるため、分岐部13に対する枝管状保護部材50の取付作業を効率化できる。
また、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40の対向する端部の一方から他方に向かって延びる第1主延出部32及び第2主延出部42が設けられ、第1主延出部32及び第2主延出部42は、軸線方向Lに対して直交する直交断面において、主幹線11に対して分岐する枝線12の範囲を除く所定範囲に設けられている。
これにより、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40の少なくとも一方から延びる第1主延出部32及び第2主延出部42で、ワイヤーハーネス10における分岐部13の軸線方向Lに沿った部分を保護できる。このため、簡易な構造で、ワイヤーハーネス10における分岐部13をより確実に保護できる。
さらにまた、第1側主管状保護部材30に設けられた第1主延出部32と、第2側主管状保護部材40に設けられた第2主延出部42とは、直交断面において異なる位置に配置されて、所定範囲に設けられている。
これにより、主幹線11から枝線12が延びる方向に合わせて、分岐部13における断面周方向に第1主延出部32と第2主延出部42とを配置することができる。したがって、分岐部13における断面周方向を第1主延出部32及び第2主延出部42により広範囲に亘って覆うことができ、より確実に分岐部13を保護することができる。
また、第1主延出部32及び第2主延出部42は主幹線11に固定され、枝延出部52は、主管状保護部材20(第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40)に固定されている。これにより、枝管状保護部材50が主管状保護部材20(第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40)から脱落することを防止できる。このため、より確実に分岐部13を保護することができる。
さらにまた、主管状保護部材20(第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40)を介して枝管状保護部材50をワイヤーハーネス10に対して固定することもできるため、分岐部13に対する枝管状保護部材50の位置ずれを防止できる。
また、枝延出部52,52は、第1筒状本体51の管状断面において対向する二箇所に設けられ、それぞれが離間する方向に曲げられて主管状保護部材20(第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40)の軸線方向Lに沿っている。
これにより、対向する枝延出部52,52を第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40の外面に沿って配置することができ、枝管状保護部材50,50を分岐部13に対して安定して配置できる。したがって、分岐部13をより確実に保護することができる。
また、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40の外面に沿って配置した枝延出部52,52を第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40に対して固定できる。これにより、枝管状保護部材50,50を介して第1側主管状保護部材30と第2側主管状保護部材40とを固定できる。
また、分岐部13は、2本の枝線12がそれぞれ異なる分岐方向Wに延びる十字分岐であり、分岐方向Wの一方に延びる枝線12と他方に延びる枝線12とが挿通する枝管状保護部材50,50が備えられ、それぞれの枝管状保護部材50,50に枝延出部52,52は設けられている。これにより、簡易な構造で、十字分岐された分岐部13も保護することができる。
さらにまた、主管状保護部材20及び枝管状保護部材50は、凹凸が長手方向に交互に配置されたコルゲートで構成されていることにより、既製品であるコルゲートを加工することで保護できるため、安定供給することができるとともに、コスト低下を図ることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、管状保護部材及びコルゲートは、主管状保護部材20及び枝管状保護部材50に対応し、同様に、
ワイヤーハーネスは、ワイヤーハーネス10に対応し、
主幹線は、主幹線11に対応し、
枝線及び、第1枝線、第2枝線は、枝線12,12に対応し、
分岐部は、分岐部13に対応し、
分岐部保護構造は、分岐部保護構造1に対応し、
主管状保護部材は、主管状保護部材20に対応し、
枝管状保護部材及び第1枝管状保護部材、第2枝管状保護部材は、枝管状保護部材50、50に対応し、
第1側は、基端側Lbに対応し、
第1側主管状保護部材は、第1側主管状保護部材30に対応し、
軸線方向は、軸線方向Lに対応し、
分岐方向は、分岐方向Wに対応し、
第2側は、先端側Lfに対応し、
第2側主管状保護部材は、第2側主管状保護部材40に対応し、
枝延出部は、枝延出部52に対応し、
主延出部は、第1主延出部32及び第2主延出部42に対応し、
第1主延出部は、第1主延出部32に対応し、
第2主延出部は、第2主延出部42に対応し、
主幹線挿通工程は、主幹線挿通工程S1に対応し、
枝線挿通工程は、枝線挿通工程S3に対応するが
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
ワイヤーハーネスは、ワイヤーハーネス10に対応し、
主幹線は、主幹線11に対応し、
枝線及び、第1枝線、第2枝線は、枝線12,12に対応し、
分岐部は、分岐部13に対応し、
分岐部保護構造は、分岐部保護構造1に対応し、
主管状保護部材は、主管状保護部材20に対応し、
枝管状保護部材及び第1枝管状保護部材、第2枝管状保護部材は、枝管状保護部材50、50に対応し、
第1側は、基端側Lbに対応し、
第1側主管状保護部材は、第1側主管状保護部材30に対応し、
軸線方向は、軸線方向Lに対応し、
分岐方向は、分岐方向Wに対応し、
第2側は、先端側Lfに対応し、
第2側主管状保護部材は、第2側主管状保護部材40に対応し、
枝延出部は、枝延出部52に対応し、
主延出部は、第1主延出部32及び第2主延出部42に対応し、
第1主延出部は、第1主延出部32に対応し、
第2主延出部は、第2主延出部42に対応し、
主幹線挿通工程は、主幹線挿通工程S1に対応し、
枝線挿通工程は、枝線挿通工程S3に対応するが
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施形態を得ることができる。
以下、他の実施形態の例について簡単に説明する。
なお、以下に記載の他の実施形態において、分岐部保護構造1と同じ構成については同一の番号を付しその説明を省略する。また、それぞれの実施形態に記載の内容は、それぞれの実施形態にのみ実施できるものではなく、効果を奏する限り適宜組み合わせを変更することができる。
なお、以下に記載の他の実施形態において、分岐部保護構造1と同じ構成については同一の番号を付しその説明を省略する。また、それぞれの実施形態に記載の内容は、それぞれの実施形態にのみ実施できるものではなく、効果を奏する限り適宜組み合わせを変更することができる。
例えば、本実施形態において、分岐部保護構造1は一般的に搭載されている電気機器類同士を電気的に接続して主幹線11及び車両にオプションとして搭載される電子機器類などと接続されている枝線12の分岐部13を保護している。しかしながら、この態様に限定されず、例えばオプション機器に接続された枝線から他の枝線が分岐している分岐部や、一般的に搭載されている電気機器類を接続する主幹線から主幹線が分岐している分岐部など、電線が分岐する箇所であれば、特に限定なく用いることができる。すなわち、分岐部保護構造1は、様々な分岐部に対して用いて保護することができる。
なお、本実施形態において、主幹線11は軸線方向Lに沿った直線状としているが、分岐部13の一方側が他方側と異なる方向に延びていてもよい。この場合、軸線方向Lは、主幹線11における分岐部13よりも一方側(基端側Lb又は先端側Lf)において主幹線11に沿った方向をさす。
また、本実施形態において、枝延出部52,52は、第1筒状本体31及び第2筒状本体41の外面に沿って固定されているが、例えば第1筒状本体31及び第2筒状本体41に挿通している主幹線11に対して枝延出部52,52を固定してもよい。
具体的には、分岐部保護構造1と異なり、先に分岐部13を挟んで分岐方向Wに向けて延出する枝線12、12に対して、枝延出部52,52が分岐部13を向くように、第1筒状本体51のスリットから枝管状保護部材50,50を枝線12,12に挿通させる。そして、枝延出部52、枝延出部52を軸線方向Lの外側に向けて湾曲させ、主幹線11に枝延出部52,52をテープ固定する。
続いて、第1主延出部32が分岐部13に向けて延出するように、第1側主管状保護部材30のスリットから分岐部13の基端側Lbに延びる主幹線11を挿入する。また、第2主延出部42が分岐部13に向けて延出するように、第2側主管状保護部材40のスリットから分岐部13の先端側Lfに延びる主幹線11を挿入し、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40を分岐部13に向けて接近させる。
これにより、分岐部13の上方及び下方が第1主延出部32及び第2主延出部42により覆われるとともに、枝延出部52,52が第1筒状本体31及び第2主延出部42の内部に挿入させることができる。
この状態で、第1筒状本体31及び第2筒状本体41を枝延出部52,52の基端部分とテープ固定することで、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40を主幹線11に対して固定できる。したがって、分岐部13を主管状保護部材20及び枝管状保護部材50で保護することができる。
このように、枝管状保護部材50を主幹線11に沿わせた後に、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40を分岐部13に配置するため、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40の内部に枝管状保護部材50を容易に配置できる。また、主管状保護部材20(第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40)が枝管状保護部材50の移動を規制できるため、枝管状保護部材50の位置連れを防止できる。
また、枝延出部52,52は、主幹線11の外面に沿い、主幹線11に固定され、第1主延出部32及び第2主延出部42は、枝延出部52、52に固定されている。これにより、主管状保護部材20(第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40)及び枝管状保護部材50,50が主幹線11から脱落することを防止できる。このため、より確実に分岐部13を保護することができるとともに、分岐部13に対する枝管状保護部材50の位置ずれを防止できる。
また、本実施形態では、枝延出部52,52を軸線方向Lに沿って第1筒状本体31及び第2筒状本体41に沿って配置しているが、例えば図8乃至図10に示すように、第1側主管状保護部材30及び第2側主管状保護部材40の断面周方向に沿って配置してもよい。
以下、図8乃至図10の実施形態について簡単に説明する。
図8は、分岐部保護構造1における他の実施形態である分岐部保護構造1yの概略斜視図を示す。図8(a)は主管状保護部材20に対応する主管状保護部材20y及び枝管状保護部材50を分岐部13に対して取り付ける前の概略斜視図を示し、図8(b)は主管状保護部材20y及び枝管状保護部材50を分岐部13に対して取り付けた後の概略斜視図を示す。
図8は、分岐部保護構造1における他の実施形態である分岐部保護構造1yの概略斜視図を示す。図8(a)は主管状保護部材20に対応する主管状保護部材20y及び枝管状保護部材50を分岐部13に対して取り付ける前の概略斜視図を示し、図8(b)は主管状保護部材20y及び枝管状保護部材50を分岐部13に対して取り付けた後の概略斜視図を示す。
図9は、分岐部保護構造1における他の実施形態である分岐部保護構造1zの概略斜視図を示す。図9(a)は分岐部13に対して主管状保護部材20y及び枝管状保護部材50に対応する枝管状保護部材50zを取り付ける前の概略斜視図を示し、図9(b)は分岐部13に対して、主管状保護部材20y及び枝管状保護部材50zを取り付けた後の概略斜視図を示す。
図10は分岐部保護構造1zにおける正面図を示し、図10(a)は分岐部13に枝管状保護部材50zを配置する途中の状態の正面図を示し、図10(a)は分岐部13に枝管状保護部材50zを配置した状態の正面図を示す。
分岐部保護構造1yでは、図8に示すように、分岐方向Wを回転軸として90度回転させた枝管状保護部材50を主管状保護部材20yにおける分岐部13に対応する箇所に配置している。
以下、分岐部保護構造1yについて簡単に説明する。
以下、分岐部保護構造1yについて簡単に説明する。
分岐部保護構造1yは、ワイヤーハーネス10において枝線12が主幹線11から一方向に分岐する分岐部13を主管状保護部材20y及び枝管状保護部材50yで保護している。
主管状保護部材20yは、第1側主管状保護部材30に対応する第1側主管状保護部材30yと第2側主管状保護部材40に対応する第2側主管状保護部材40yとで構成されている。
第1側主管状保護部材30yは、図8(a)に示すように、軸線方向Lに沿って分岐部13の基端側Lbにおいて、内部に主幹線11を挿通する円筒状のコルゲートである。この第1側主管状保護部材30yは、第1側主管状保護部材30と異なり、第1筒状本体31の上方及び下方から先端側Lfに向けて2つの第1主延出部32y,32yが延出している。すなわち、第1筒状本体31の管状断面において対向する二箇所に第1主延出部32y,32yが設けられている。
なお、第1主延出部32yは第1主延出部32と比べて軸線方向Lに沿ってわずかに長く構成されている以外は同じ構成である。
なお、第1主延出部32yは第1主延出部32と比べて軸線方向Lに沿ってわずかに長く構成されている以外は同じ構成である。
第2側主管状保護部材40yは、図8(a)に示すように、軸線方向Lに沿って分岐部13の先端側Lfにおいて、内部に主幹線11を挿通する円筒状のコルゲートである。この第2側主管状保護部材40yは、第2側主管状保護部材40と異なり、第2筒状本体41のみで構成されている。
このように構成された第1側主管状保護部材30yを、第1主延出部32y,32yが分岐部13に向けて延出するように、分岐部13の基端側Lbから主幹線11に挿通させるとともに、分岐部13の先端側Lfから第2側主管状保護部材40yを主幹線11に挿通させる。
そして、第1側主管状保護部材30yと第2側主管状保護部材40yとを接近させ、第1主延出部32y,32yを第2筒状本体41の外面に重ねて配置させる。これにより、第1主延出部32y,32yで分岐部13の上方及び下方を覆うことができるとともに、第1筒状本体31と第2筒状本体41との隙間から枝線12を延出することができる。
続いて、枝管状保護部材50の枝延出部52,52が第1筒状本体51の上方及び下方から分岐部13に向けて延びるように、枝管状保護部材50を枝線12に挿通させ、枝線12を分岐部13に接近させる。そして、枝延出部52,52を第1主延出部32y,32yの径外側に重ねるように配置する。
これにより、第1主延出部32y、32yに加えて、第1筒状本体51及び枝延出部52で分岐部13を覆うことができ、分岐部13を確実に保護することができる。また、第1主延出部32y,32yに枝延出部52,52を重ね合わせることで、分岐部13の上方及び下方を確実に保護することができる。
また、枝延出部52,52は、管状断面において対向する二箇所に設けられ、第1主延出部32y,32yの外側に配置されている。これにより、対向する枝延出部52,52が第1主延出部32y,32yと重なり合うため、主管状保護部材20y(第1側主管状保護部材30y及び第2側主管状保護部材40y)及び枝管状保護部材50と分岐部13との間に形成される隙間をより減らすことができる。したがって、分岐部13をより確実に保護することができる。
また図9及び図10に示す分岐部保護構造1zのように、枝管状保護部材50zの枝延出部52z,52zを第1側主管状保護部材30yの外周に巻き回すこともできる。
以下、分岐部保護構造1zについて簡単に説明する。
以下、分岐部保護構造1zについて簡単に説明する。
分岐部保護構造1zは、ワイヤーハーネス10において枝線12が主幹線11から一方向に分岐する分岐部13を主管状保護部材20y及び枝管状保護部材50zで保護している。
枝管状保護部材50zは、図9(a)に示すように、内部に枝線12を挿通する円筒状のコルゲートである。この枝管状保護部材50zは、枝管状保護部材50と略同じ構成をしており、第1筒状本体51の上方及び下方から分岐方向Wに沿って延びる2つの枝延出部52z,52zが、枝延出部52,52よりも長くなるように構成されている点が異なる。
このように構成された枝管状保護部材50zを分岐部13に外装する方法を、図9及び図10に元すいて説明する。
はじめに、第1側主管状保護部材30yを、第1主延出部32y,32yが分岐部13に向けて延出するように、分岐部13の基端側Lbから主幹線11に挿通させるとともに、分岐部13の先端側Lfから第2側主管状保護部材40yを主幹線11に挿通させる。
はじめに、第1側主管状保護部材30yを、第1主延出部32y,32yが分岐部13に向けて延出するように、分岐部13の基端側Lbから主幹線11に挿通させるとともに、分岐部13の先端側Lfから第2側主管状保護部材40yを主幹線11に挿通させる。
そして、第1側主管状保護部材30yと第2側主管状保護部材40yとを接近させ、第1主延出部32y,32yを第2筒状本体41の外面に重ねて配置させる。これにより、第1主延出部32y,32yで分岐部13の上方及び下方を覆うことができるとともに、第1筒状本体31と第2筒状本体41との隙間から枝線12を延出することができる。
続いて、枝管状保護部材50zの枝延出部52z,52zが第1筒状本体51の上方及び下方から分岐部13に向けて延びるように、枝管状保護部材50zを枝線12に挿通させ、枝線12を分岐部13に接近させる。そして、枝延出部52z,52zを第1主延出部32y,32yの径外側に重ねるように配置する(図9(b)及び図10(a)参照)。
そして、図10(a)及び図10(b)に示すように、第1側主管状保護部材30y(第1主延出部32y,32y)の外周面に断面周方向に沿うように枝延出部52z,52zをそれぞれ巻き回して、枝延出部52z,52zをテープ固定する。これにより、分岐部13における枝線12の延出方向と反対方向の外周面を枝延出部52z,52zで囲うことができ、分岐部13を確実に保護することができる。
なお、分岐部保護構造1zにおいて、枝管状保護部材50zでは枝延出部52z,52zが第1筒状本体51から延びているが、第1筒状本体51から延びる枝延出部52zは1つであってもよい。
このように枝延出部52z,52zは、第1筒状本体31における直交断面に沿って第1主延出部32y,32yの外側に沿って曲げられている。これにより、分岐部13の周方向に沿って枝延出部52z,52zが第1主延出部32y,32y及び分岐部13の外側に配置される。
このため、主管状保護部材20y(第1側主管状保護部材30y及び第2側主管状保護部材40y)及び枝管状保護部材50zと分岐部13との間に形成される隙間のうち、周方向に対応する隙間を確実に減らすことができる。これにより分岐部13を確実に保護することができる。
さらにまた、枝延出部52z,52zは、第1筒状本体31の管状断面において対向する二箇所に設けられ、それぞれが異なる方向から直交断面に沿って第1主延出部32y,32yの外側に沿って曲げられている。
これにより、第1主延出部32y,32yと枝延出部52z,52zとを断面方向において重複させつつ、分岐部13における断面周方向を互いに対向する2つの枝延出部52z,52zにより広範囲に亘って覆うことができる。したがって、より確実に分岐部13を保護することができる。さらには、枝管状保護部材50zが分岐部13から意図せずに外れることも防止できる。
また、本実施形態において、第1側主管状保護部材30、第2側主管状保護部材40、枝管状保護部材50などは軸線方向Lに沿って凹凸形状を繰り返すコルゲートとしているが、これに限らず、可撓性を有する円筒状のチューブなどとしてもよい。また、第1側主管状保護部材30、第2側主管状保護部材40、枝管状保護部材50などは、軸線方向Lと直交する直交断面が円形状以外に、多角形状としてもよい。
1 分岐部保護構造
10 ワイヤーハーネス
11 主幹線
12 枝線
13 分岐部
20 主管状保護部材
30 第1側主管状保護部材
32 第1主延出部
40 第2側主管状保護部材
42 第2主延出部
50 枝管状保護部材
52 枝延出部
L 軸線方向
Lb 基端側
Lf 先端側
10 ワイヤーハーネス
11 主幹線
12 枝線
13 分岐部
20 主管状保護部材
30 第1側主管状保護部材
32 第1主延出部
40 第2側主管状保護部材
42 第2主延出部
50 枝管状保護部材
52 枝延出部
L 軸線方向
Lb 基端側
Lf 先端側
Claims (14)
- 束ねられた複数の電線が、可撓性を有する管状保護部材の内部に挿通されたワイヤーハーネスにおいて、複数の前記電線が束ねられた主幹線から、前記主幹線の軸線方向と交差する分岐方向に向かって枝線が分岐された分岐部を保護する分岐部保護構造であって、
前記主幹線が挿通する管状の主管状保護部材と、
前記枝線が挿通する管状の枝管状保護部材とが備えられ、
前記主管状保護部材は、
前記分岐部より前記軸線方向の第1側に配置される第1側主管状保護部材と、
前記分岐部より前記軸線方向の第2側に配置される第2側主管状保護部材とが備えられ、
前記枝管状保護部材の前記分岐部に対向する側に、管状断面における少なくとも一部が延出され、前記主管状保護部材の外面、又は、前記主幹線の外面に沿う枝延出部が設けられた
分岐部保護構造。 - 前記第1側主管状保護部材、及び前記第2側主管状保護部材の対向する端部の少なくとも一方から他方に向かって延びる主延出部が設けられ、
前記主延出部は、前記軸線方向に対して直交する直交断面において、前記主幹線に対して分岐する前記枝線の範囲を除く所定範囲に設けられた
請求項1に記載の分岐部保護構造。 - 前記主延出部は、
前記第1側主管状保護部材に設けられた第1主延出部と、前記第2側主管状保護部材に設けられた第2主延出部とを有し、
前記第1主延出部と前記第2主延出部とが、前記直交断面において異なる位置に配置されて、前記所定範囲に設けられる
請求項2に記載の分岐部保護構造。 - 前記枝延出部は、前記主管状保護部材の外面に沿い、
前記主延出部は前記主幹線に固定され、
前記枝延出部は、前記主管状保護部材に固定された
請求項2又は請求項3に記載の分岐部保護構造。 - 前記枝延出部は、前記主幹線の外面に沿い、
前記枝延出部は、前記主幹線に固定され、
前記主延出部は、前記枝延出部に固定された
請求項2又は請求項3に記載の分岐部保護構造。 - 前記枝延出部は、
前記管状断面において対向する二箇所に設けられ、
前記主延出部の外側に配置される
請求項2乃至請求項5のうちのいずれかに記載の分岐部保護構造。 - 前記枝延出部は、
前記直交断面に沿って前記主延出部の外側に沿って曲げられた
請求項2乃至請求項5のうちのいずれかに記載の分岐部保護構造。 - 前記枝延出部は、
前記管状断面において対向する二箇所に設けられ、
それぞれが異なる方向から前記直交断面に沿って前記主延出部の外側に沿って曲げられた
請求項7に記載の分岐部保護構造。 - 前記枝延出部は、
前記管状断面において対向する二箇所に設けられ、
それぞれが離間する方向に曲げられて前記主管状保護部材の前記軸線方向に沿う
請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載の分岐部保護構造。 - 前記分岐部は、2本の前記枝線がそれぞれ異なる分岐方向に延びる十字分岐であり、
前記枝管状保護部材は、第1枝線が挿通する第1枝管状保護部材と、第2枝線が挿通する第2枝管状保護部材とが備えられ、
前記第1枝管状保護部材と前記第2枝管状保護部材との両方に前記枝延出部は設けられた
請求項1乃至請求項9のうちいずれかに記載の分岐部保護構造。 - 前記管状保護部材は、凹凸が長手方向に交互に配置されたコルゲートで構成された
請求項1乃至請求項10のうちいずれかに記載の分岐部保護構造。 - 束ねられた複数の電線を、凹凸が長手方向に交互に配置されたコルゲートの内部に挿通されたワイヤーハーネスにおいて、複数の前記電線が束ねられた主幹線から、前記主幹線の軸線方向と交差する分岐方向に向かって枝線が分岐された分岐部を保護する分岐部保護方法であって、
前記主幹線が挿通する管状の主管状保護部材と、
前記枝線が挿通する管状の枝管状保護部材とを有し、
前記主管状保護部材は、
前記分岐部より前記軸線方向の第1側に配置される第1側主管状保護部材と、
前記分岐部より前記軸線方向の第2側に配置される第2側主管状保護部材とを有し、
前記主管状保護部材に前記主幹線を挿通する主幹線挿通工程と、
前記枝管状保護部材に前記枝線を挿通し、前記枝管状保護部材の前記分岐部に対向する側に、管状断面における少なくとも一部で構成する枝延出部を、前記主管状保護部材の外面に沿わせる枝線挿通工程とを行う
分岐部保護方法。 - 前記主幹線挿通工程において、
前記第1側主管状保護部材、及び前記第2側主管状保護部材の対向する端部の少なくとも一方から他方に向かって延びるように設けられた主延出部が、前記軸線方向に対して直交する直交断面において、前記主幹線に対して分岐する前記枝線が配置された範囲を除く所定範囲に配置されるように、前記主管状保護部材に前記主幹線を挿通する
請求項12に記載の分岐部保護方法。 - 前記主延出部を前記主幹線に固定してから、前記枝線挿通工程を行い、
前記枝延出部を、前記主管状保護部材に固定する
請求項13に記載の分岐部保護方法。
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