JP2022149991A - 材料予熱装置および射出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この実施形態では、材料予熱装置21は、成形材料Mmを予熱するための装置であり、図1に例示するような射出装置1が備えることで、射出装置1に予熱した成形材料Mmを供給することができる。図1に例示する射出装置1は、材料予熱装置21と、内部で成形材料Mmを溶融させるシリンダ11とを備えることができる。この射出装置1の詳細な構造については後述する。
材料予熱装置21は、射出装置1のスクリュ12の回転軸線方向(図1の左右方向)で、シリンダ11の成形材料Mmを射出する先端部14とは逆側の後端部に取り付けられる。より詳細には、この材料予熱装置21は、シリンダ11上にて、シリンダ11の後端部で周方向の一部に設けられた貫通孔状の供給口11aに接続されており、当該供給口11aに、実質的に球状もしくは円柱状その他の形状の樹脂ペレット等の成形材料Mmを供給するものである。
ここで、流動層加熱器22は、図2に示すように、成形材料Mmを材料供給口221を介して流動層加熱器22内に供給して、熱風を流動層加熱器22の底部より上下方向上方(例えば鉛直方向上方)に向けて供給することで、成形材料Mmを流動させ流動層を形成させる。
材料供給口221には、例えばホッパなどの予熱するための成形材料Mmを収容する収容部(図示せず)に接続することができる。そして、材料供給口221と収容部との間には、流動層加熱器22で予熱する成形材料Mmを通過させまたは通過を停止すべく開閉する開閉部材(図示せず)を設けることができる。また、図示の例では設けていないが、必要に応じて、収容部から流動層加熱器22に成形材料Mmを供給するフィーダなどの搬送器を設けることもできる。
なお、材料供給口221は、図示の例の位置ではなく、流動層加熱器22の上部以外の、例えば側壁部や底部にも配置させることができ、また、複数箇所設けることもできる。
なお、当該兼用通路部分251の開口部は、流動層加熱器22の底部であって横方向中央に設けられているが、横方向中央以外の底部、または底部以外に設けることもできる。また、本実施形態は、図示の例のような、熱風供給路25と材料送り通路26とのそれぞれ一部を兼用する形態に限らず、熱風供給路25と材料送り通路26とを別々に設けることもできる。また、熱風は、流動層加熱器22内へ複数箇所から供給することもでき(具体的には、熱風供給路25の流動層加熱器22への開口部を複数とすることもでき)、また、流動層加熱器22の底部に加えて、または代えて底部以外の部分にも設けることができる。
なお熱風排出口222は、図示の例では、流動層加熱器22の上部、具体的には流動層加熱器22の上部であって、供給される熱風の供給方向に対向する方向に開口するように設けられているが、熱風排出口222の位置は流動層加熱器22の上部以外の位置にも設けることができる。
したがって、本実施形態では、案内部23を、流動層加熱器22内に形成される流動層上(流動層の上方)に配置し、浮遊状態の成形材料Mmの流れを案内する。このように、材料予熱装置21が案内部23を備えることにより、成形材料Mmの流動層の形成状態を調整することができる。より具体的には、成形材料Mmの加熱では、成形材料Mm全体で流動層を形成しそれぞれの成形材料Mmが熱風と満遍なく接触することが肝要であるところ、本実施形態の材料予熱装置21では案内部23が備えられることにより、熱風によって噴き上げられた成形材料Mmの流れが案内部23によって案内される。成形材料Mmの流れが案内されることで、流動層の形成状態が調整され、それぞれの成形材料Mmが熱風と満遍なく接触することができるようになり、その結果として、射出装置1のシリンダ11の内部に供給する前の成形材料Mmの予熱を高速かつ均一に行うことができる。
なお、板状とは、熱風が通気せず(通気性を有さず)厚さに対して表面が広い形状をいい、網板状とは、風が通気し(通気性を有し)厚さに対して表面が広い形状をいう。網板状の案内部23としては、具体的にはパンチングメタルなどのパンチングされた板、金属ワイヤなどの強度のあるワイヤで形成された網板、または、柔軟性のある糸や紐で形成された網をその外周を強度のある金属などの部材で枠取りして形成された網板などが挙げられる。また、案内部23としては、板状の部分と網板状の部分とが混在していてもよい。また、全体として一つの材料で形成されてもよいし、複数の材料が混合されて又は混在されて形成されてもよい。材料は、成形材料Mmよりも耐熱性のあるものであれば特に限定されず、金属が好ましい。
また、案内部23としては、熱風の風力に対向する向きに補強する補強部材を備えていてもよい。この場合、補強部が存在することで案内部23全体として熱風に対して形状変形しない耐風性を有するようにすることができる。また、案内部23を弾性変形可能な部材で形成することもできる。
なお、案内部23を周縁部231と中央部232と湾曲部233とで形成する場合、案内部23は板状であっても網板状であってもよい。また、案内部23は、中央部232を中心に同心円状に形成することが好ましい。
しかし、本実施形態においては、材料予熱装置21を用いた運転中であっても案内部23により成形材料Mmの流れをより案内しやすく調整可能にする観点から、図2に示すように、案内部23の流動層加熱器22内での位置を調整可能な位置調整機構28を用いることが好ましい。さらに、案内部23は、熱風の供給方向上に設けられ、位置調整機構28が、案内部23の位置を少なくとも熱風の供給方向に沿う方向に調整することが好ましい。具体的には、案内部23を熱風供給路25の延長線上に設け、位置調整機構28が、案内部23の位置を少なくとも熱風供給路25の延長線に沿う方向に調整する。このように構成することにより、案内部23によって成形材料Mmの流れがより案内しやすくされ、成形材料Mmの浮遊の範囲をより調整しやすくすることができる。
より詳細には、図示の例では、位置調整機構28が案内部23の位置を少なくとも熱風の供給方向に沿う方向に調整することができるが、第1連結部281は、棒状部材を含み、一方(上下方向下方)の端部で案内部23の中央部232で接続され、一方の端部から他方(上下方向上方)の端部に向けて、流動層加熱器22の熱風排出口222よりも外側へ、熱風の供給方向に沿う方向に延在し、他方の端部が熱風戻り通路27内に存在している。そして、第1伝達部により駆動力が流動層加熱器22の外部から内部へ伝達されることで、第1連結部281が供給方向に沿う方向に変位し(図2の位置調整機構28の右側の矢印に示すように変位する)、案内部23の位置を少なくとも熱風の供給方向に沿う方向に調整する。この際、第1連結部281の少なくとも棒状部材が位置調整機構28による案内部23の位置の調整方向と同じ方向に延在するので、流動層加熱器22内に熱風が供給されている状況下でも、案内部23を効果的に支持するとともに、位置調整機構28によって案内部23の位置を調整する際には確実に調整することができる。
なお、位置調整機構28は、案内部23の流動層加熱器22内での位置を調整可能であれば、図示の例の構造以外にもすることができ、例えば図示の例の第1連結部281を、流動層加熱器22の側部から延在して案内部23と結合される構造にすることもできる。また、位置調整機構28による案内部23の位置調整は例えば電動モータによる駆動により行ってもよく手動による駆動により行ってもよい。
さらに具体的には、湾曲調整機構29の第3連結部292が、例えば案内部23の周縁部231と接続する場合には、第2連結部291が第1連結部281に対して相対変位すると、第2連結部291の変位方向に対する第3連結部292の傾斜角度が変化し、それにより、湾曲部233の湾曲の程度を変動させることができる。この場合、案内部23および第3連結部292を弾性変形可能な部材で形成することができる。また、第3連結部292を案内部23と同じ部材で形成した上で、案内部23とは上下方向逆向きの姿勢で設けることもできる。これにより、第3連結部292が補強部として存在し、案内部23全体として熱風に対して形状変形しない耐風性を有するようにすることができる。また湾曲調整機構29としての第2連結部291が、第1連結部281に対して相対変位すると、第3連結部292が案内部23を主に横方向に押し伸ばしまたは引いて縮ませることができ、その結果、湾曲部233の湾曲の程度を調整することができる。
なお、射出装置1が材料予熱装置21を備える場合には、射出装置1が備える射出装置1の作動を制御するための制御部が、上記の位置調整機構28および/または湾曲調整機構29を制御する制御部を兼用することができる。
また、温度情報検出機構より検出された成形材料Mmの温度分布の程度は、熱電対が流動層加熱器22に配設される場合、流動層加熱器22内に設置された複数の熱電対の計測結果に基づき算出することができ、また、サーモグラフィが流動層加熱器22に配設される場合、得られたサーモグラフから任意の数の温度データを抽出し、抽出した複数の温度データに基づき算出することができる。
以上に述べた材料予熱装置21は、たとえば次に述べるようにして制御することができる。
まず、図4に示すように、材料予熱装置21は通気性開閉部材223を閉じた状態にし、流動層加熱器22に予熱するための成形材料Mmを供給して、熱風を供給して加熱を開始する(ステップS10)。材料予熱装置21では、その使用時に、温度情報検出機構として流動層加熱器22の内部に設けた熱電対などの温度センサや流動層加熱器22の観察窓224を介して外部から観察するサーモグラフィ30等で、流動層加熱器22の内部の成形材料Mmの温度を常時監視しておく。温度情報検出機構は、温度に関する情報として、特に限定されないがここでは、測定された成形材料Mmの温度に基づき成形材料Mmの温度分布の程度に関する情報を得、次いで、当該情報は、たとえば材料予熱装置21の制御部に送信される。
制御部が、成形材料Mmの温度分布の程度が所定の閾値を超えると判定した場合(ステップS20-yes)、制御部が、位置調整機構28および/または湾曲調整機構29を制御する(ステップS21)。制御部による制御により、案内部23による成形材料Mmの流れの案内が調整されて、成形材料Mmの予熱が均一に行われるようにすることができる。そして、制御部により制御された後、再度、制御部が、成形材料Mmの温度分布の程度が所定の閾値を超えるかどうかを判定する(ステップS20)。この際、再度の判定は所定時間経過後に行うことができる。
一方、制御部が、成形材料Mmの温度分布の程度が所定の閾値を超えないと判定した場合(ステップS20-no)、制御部は、位置調整機構28および湾曲調整機構29のいずれも制御せず、それら機構28、29の現状が維持される(ステップS30へ進む)。
一方、制御部が、成形材料Mmが温度分布均一に所定の温度に達していないと判定した場合(ステップS30-no)、再度、制御部が、成形材料Mmが温度分布均一に所定の温度に達したかどうかを判定する(ステップS30)。この際、再度の判定は所定時間経過後に行うことができる。
まず、図5に示すように、上記の制御方法と同様に、材料予熱装置21は通気性開閉部材223を閉じた状態にし、流動層加熱器22に予熱するための成形材料Mmを供給して、熱風を供給して加熱を開始する(ステップS10)。
制御部が、成形材料Mmが所定の温度に達したと判定した場合(ステップS40-yes)、次のステップS50へ進む。
一方、制御部が、成形材料Mmが所定の温度に達していないと判定した場合(ステップS40-no)、再度、制御部が、成形材料Mmが所定の温度に達したかどうかを判定する(ステップS40)。この際、再度の判定は所定時間経過後に行うことができる。
制御部が、成形材料Mmの温度分布の程度が所定の閾値を超えると判定した場合(ステップS50-yes)、制御部が、位置調整機構28および/または湾曲調整機構29を制御する(ステップS51)。そして、制御部により制御された後、再度、制御部が、成形材料Mmの温度分布の程度が所定の閾値を超えるかどうかを判定する(ステップS50)。この際、再度の判定は所定時間経過後に行うことができる。
一方、制御部が、成形材料Mmの温度分布の程度が所定の閾値を超えないと判定した場合(ステップS50-no)、制御部は、位置調整機構28および湾曲調整機構29のいずれも制御せず、それら機構28、29の現状が維持される。また、制御部は、熱風の供給を停止するとともに、材料予熱装置21の通気性開閉部材223を開ける旨の制御を発信し、成形材料Mmが材料送り通路26を介して射出装置1に供給される(ステップS52)。流動層加熱器22の成形材料Mmが排出された後、再び、予熱前の成形材料Mmの供給を行う工程に戻る。
上述したような材料予熱装置21を適用することができる射出装置1は、図1に例示するように、主として、材料予熱装置21と、材料予熱装置21から供給された成形材料Mmを内部で溶融させるシリンダ11と、シリンダ11の内部で回転駆動されて成形材料Mmを可塑化するスクリュ12と、スクリュ12の回転軸線方向の後方側(図1の右側)に配置された計量モータ31と、計量モータ31のさらに後方側に配置された射出モータ41とを備える。
また、回転軸線方向で上記の駆動軸とは反対側に位置する射出モータ41のステータフレーム45の後端面には、ロータ43と軸部で連結されてロータ43の回転を検出するエンコーダが設けられている。
11 シリンダ
11a 供給口
12 スクリュ
13 ヒータ
14 先端部
21 材料予熱装置
22 流動層加熱器
221 材料供給口
222 熱風排出口
223 開閉部材、通気性開閉部材
224 観察窓
23 案内部
231 周縁部
232 中央部
233 湾曲部
24 熱風発生機
25 熱風供給路
251 兼用通路部分
26 材料送り通路
261 搬送器
27 熱風戻り通路
28 位置調整機構
281 第1連結部
29 湾曲調整機構
291 第2連結部
292 第3連結部
30 サーモグラフィ
31 計量モータ
32 モータ支持プレート
33 ロータ
34 ステータ
35 ステータフレーム
36 計量スプライン軸
37 スクリュ取付部
41 射出モータ
42 モータ支持プレート
43 ロータ
44 ステータ
45 ステータフレーム
46 射出スプライン軸
47 ねじナット
48 ねじ軸
49 軸受
50 回転軸
51 ロッド
101 スライドベース
Mm 成形材料
Claims (10)
- 成形材料の予熱を行い、当該成形材料を射出装置に供給する材料予熱装置であって、
熱風の供給により成形材料を流動層にしながら加熱する流動層加熱器と、前記流動層加熱器内で流動層上に配置され、流動層での成形材料の流れを案内する案内部と、を備える材料予熱装置。 - 前記案内部の前記流動層加熱器内での位置を調整可能な位置調整機構をさらに備える請求項1に記載の材料予熱装置。
- 前記案内部は、熱風の供給方向上に設けられ、
前記位置調整機構は、前記案内部の位置を少なくとも熱風の供給方向に沿う方向に調整する、請求項1または2に記載の材料予熱装置。 - 前記案内部は板状または網板状であり、
前記案内部が、周縁部と、当該周縁部よりも流動層側に突き出る中央部と、当該周縁部と当該中央部とを連結し、流動層から離れる向きに凹状に湾曲する湾曲部とを有する、請求項1~3のいずれかに記載の材料予熱装置。 - 前記材料予熱装置は、前記案内部の湾曲部の湾曲の程度を調整可能な湾曲調整機構をさらに備える、請求項4に記載の材料予熱装置。
- 流動層加熱器が成形材料の出口に、前記熱風を通すとともに前記出口で成形材料を通過させ又は当該通過を停止するべく開閉する通気性開閉部材を有する、請求項1~5のいずれかに記載の材料予熱装置。
- 前記材料予熱装置は、前記流動層加熱器の内部の成形材料の温度に関する情報を検出する温度情報検出機構を有する、請求項1~6のいずれかに記載の材料予熱装置。
- 前記温度情報検出機構より検出された温度に関する情報に基づき位置調整機構を制御する制御部をさらに備える請求項7に記載の材料予熱装置。
- 前記材料予熱装置は、前記案内部の湾曲部の湾曲の程度を調整可能な湾曲調整機構をさらに備え、
前記射出装置は、前記温度情報検出機構より検出された温度に関する情報に基づき位置調整機構および/または湾曲調整機構を制御する制御部をさらに備える請求項8に記載の材料予熱装置。 - 成形材料を溶融するシリンダを備え、シリンダで溶融された成形材料を金型装置に射出する射出装置であって、
請求項1~9のいずれか一項に記載の材料予熱装置を備える射出装置。
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